(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法及び推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221216BHJP
【FI】
G06Q30/02 310
(21)【出願番号】P 2019051625
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特許第6351812(JP,B1)
【文献】国際公開第2018/079020(WO,A1)
【文献】特開2019-020930(JP,A)
【文献】特表2013-522732(JP,A)
【文献】特許第6370454(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種別の情報が有する相関性として、第1種別の情報と、第2種別の情報との相関
性を特定する特定部と、
前記第1種別の情報と、前記第1種別の情報と前記相関性が所定の閾値以上である第2種別の情報とに基づいて、
前記第1種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する推定部と、
前記推定部により推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する決定部と、
を有し、
前記特定部は、
前記第2種別の情報が示す需要の変遷と前記第1種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を前記相関性として特定し、
前記推定部は、
前記予測モデルとして、前記第1種別の情
報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度であり、前記特定部により特定された相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する、
ことを特徴とする推定装置。
【請求項2】
前記特定部は、
前記第2種別の情報が示す需要の変遷と、前記
第1種別の情報が示す需要の変遷との時期的なずれが所定の条件を満たすか否かに基づいて、前記相関性を特定する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記第
2種別の情報が示す需要の変遷が、前記
第1種別の情報が示す需要の変遷と類似し、かつ、前記第
2種別の情報が示す需要の変遷が、前記
第1種別の情報が示す需要の変遷よりも後に生じている場合は、当該第
2種別の情報と前記
第1種別の情報との相関性を所定の値よりも高くする、
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記相関性として、所定の店舗に訪問した利用者の数、若しくは所定の取引対象を購入した利用者の数が有する相関性を特定する、
ことを特徴とする請求項1~
3のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記相関性として、さらに、前記利用者の属性が有する相関性を特定する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の推定装置。
【請求項6】
推定装置が実行する推定方法であって、
複数種別の情報が有する相関性として、第1種別の情報と、第2種別の情報との相関
性を特定する特定工程と、
前記第1種別の情報と、前記第1種別の情報と前記相関性が所定の閾値以上である第2種別の情報とに基づいて、
前記第1種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する決定
工程と、
を含み、
前記特定工程は、
前記第2種別の情報が示す需要の変遷と前記第1種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を前記相関性として特定し、
前記推定工程は、
前記予測モデルとして、前記第1種別の情
報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度であり、前記特定工程により特定された相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する、
ことを特徴とする推定方法。
【請求項7】
複数種別の情報が有する相関性として、第1種別の情報と、第2種別の情報との相関
性を特定する特定手順と、
前記第1種別の情報と、前記第1種別の情報と前記相関性が所定の閾値以上である第2種別の情報とに基づいて、
前記第1種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する決定
手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記特定手順は、
前記第2種別の情報が示す需要の変遷と前記第1種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を前記相関性として特定し、
前記推定手順は、
前記予測モデルとして、前記第1種別の情
報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度であり、前記特定手順により特定された相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する、
推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法及び推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の需要を予測する技術が提供されている。例えば、複数の事業者が登録した情報を管理する管理システムにおいて、利用者から受付けた利用目的に対して有用な種別の情報であって、管理対象として登録されていない種別の情報を所有する事業者を特定し、特定した事業者に対して登録を依頼する技術が知られている。また、登録された情報を用いた場合と用いなかった場合とで効果の推定を行い、推定された効果に基づいた報酬を提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、適切な態様の報酬を容易に提供できるとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した従来技術では、登録された情報を用いた場合と用いなかった場合とのそれぞれについて、効果の算出を行い、算出された効果に基づいて、情報が有する効果の推定を行う。このため、計算コストが増大し、適切な態様の報酬を容易に提供できるとは言えなかった。
【0006】
また、上述した従来技術では、データサイエンティスト等が利用目的に応じて選択した情報について、効果の推定を行っているに過ぎないので、ある種別の情報を予測する際に効果的な種別の情報を自動的に推定することができなかった。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な態様の報酬を容易に提供することができる推定装置、推定方法及び推定プログラムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る推定装置は、複数種別の情報が有する相関性を特定する特定部と、前記推定部により推定された相関性に基づいて、前記複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する推定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、適切な態様の報酬を容易に提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る推定装置が実行する推定処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る推定装置が実行する相関度を特定する特定処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る推定システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る推定装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る登録情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る推定装置が実行する推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、推定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.推定装置が示す推定処理の一例〕
図1を用いて、実施形態に係る推定装置100が実行する推定処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る推定装置100が実行する推定処理の一例を示す図である。具体的には、推定装置100は、複数種別の情報が有する相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0013】
なお、ここでいう事業者とは、如何なる事業者であってもよく、所定のサービスにおいて予め情報のやり取りに関する提携を行っている事業者である。例えば、事業者は、飲食店舗の運営を行う事業者や、小売事業を行う事業者や、フィットネスに関する店舗の運営を行う事業者や、公共交通機関を提供する事業者や、タクシー等の移動体に関するサービスを提供する事業者等である。
【0014】
以下、
図1を用いて、推定装置100による推定処理の一例を流れに沿って説明する。
【0015】
まず、
図1に示すように、推定装置100は、各事業者が個別に所有するデータを受付ける(ステップS1)。例えば、
図1の例では、推定装置100は、事業者#1からカフェ来店データと、事業者#2から雑貨屋来店データと、事業者#3からジム来店データとを受付ける。
【0016】
続いて、推定装置100は、事業者#Xが所望するモデルの要求を受付ける(ステップS2)。例えば、
図1の例では、推定装置100は、事業者#Xが所望するモデルとして、カフェ来店に関する予測モデルの要求を受付ける。
【0017】
そして、推定装置100は、予測対象となるデータの履歴と他の事業者が登録したデータとの間の相関度を特定する(ステップS3)。すなわち、推定装置100は、予測対象となるデータの履歴と他の事業者が登録したデータとの間の相関度を特定することで、利用者が異なるサービスを連続で利用しているか否かに関する情報を特定することができる。
【0018】
具体的には、推定装置100は、複数種別の情報が有する相関性を特定する。また、具体的には、推定装置100は、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を特定する。より具体的には、推定装置100は、各種別の情報が示す需要の変遷と所定の種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、相関性を特定する。また、より具体的には、所定の店舗に訪問した利用者の数、若しくは所定の取引対象を購入した利用者の数が有する相関性を特定する。
【0019】
また、より具体的には、推定装置100は、各種別の情報が示す需要の変遷と、所定の種別の情報が示す需要の変遷との時期的なずれが所定の条件を満たすか否かに基づいて、相関性を特定する。また、より具体的には、推定装置100は、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷と類似し、かつ、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷よりも後に生じている場合は、第1種別の情報と所定の種別の情報との相関性を所定の値よりも高くする。
【0020】
例えば、
図1の例では、推定装置100は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度を相関度#1と特定する。また、推定装置100は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度を相関度#2と特定する。
【0021】
ここで、
図2を用いてデータ間の相関度を特定する特定処理についてさらに説明する。
図2は、実施形態に係る推定装置が実行する相関度を特定する特定処理の一例を示す図である。また、
図2に示す特定処理の一例は、
図1のステップS3に対応する処理である。
図2に示すように、
図FG1は、来店人数と時間との関係を示す図である。
【0022】
例えば、
図2に示すように、
図FG1は、利用者がカフェへ来店したことに関するカフェ来店データと、利用者がジムへ来店したことに関するジム来店データとを示す。また、例えば、
図2の例では、推定装置100は、時系列解析による相関度を算出する算出方法等の従来技術により、カフェ来店データと、ジム来店データとの相関度を特定する。例えば、
図2の例では、推定装置100は、カフェ来店データの線形と、ジム来店データの線形とが相似形であるため、相関性が高いと判定されるため、相関度が高いと特定する。すなわち、推定装置100は、カフェ来店データと、ジム来店データとの間の相関度を特定することで、利用者が次に利用すると予測されるサービスを特定することができる。
【0023】
図1に戻り、実施形態に係る推定処理の一例を説明する。推定装置100は、相関度が高いデータを用いて、カフェ来店予測に関するモデルを生成する(ステップS4)。すなわち、推定装置100は、予め相関度が高いデータを特定し、特定されたデータを用いてカフェ来店予測に関するモデルを生成するため、高精度なモデルを生成することができる。具体的には、推定装置100は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルを生成する。
【0024】
例えば、
図1の例では、推定装置100は、ロジスティック回帰、SVM(Support Vector Machine)、深層学習等の機械学習手法の従来技術により、カフェ来店データと相関度が高いデータとして、ジム来店データと、バス利用データといった入力情報と、相関度との関連性を学習することで、カフェ来店予測に関するモデルを生成する。すなわち、推定装置100は、特定のデータを入力した際に、入力された特定のデータとカフェ来店データとの相関度を出力するようにモデルの学習を行う。
【0025】
このように、
図1の例では、推定装置100は、様々なデータのうち、カフェ来店データと相関度が高いデータとして、ジム来店データと、バス利用データとを特定することで、特定のデータを入力した際に、入力された特定のデータとカフェ来店データとの相関度を出力するようにモデルの学習を行う。また、推定装置100は、同一の利用者に関するデータだけでなく、他の利用者に関するデータを含む統計的なデータから、特定の店舗へ利用者が来店する来店に関するデータと、異なる店舗へ利用者が来店する来店に関するデータとの相関度を特定する。そして、推定装置100は、ロジスティック回帰、SVM、深層学習等の機械学習手法の従来技術により、特定の店舗へ利用者が来店する来店に関するデータと相関度が高いデータである入力情報と、相関度との関連性を学習することで、特定の店舗へ利用者が来店する来店予測に関するモデルを生成する。
【0026】
続いて、推定装置100は、学習した予測モデルを提供する(ステップS5)。例えば、
図1の例では、推定装置100は、生成したカフェ来店予測に関するモデルを事業者#Xに提供する。
【0027】
そして、推定装置100は、相関度に基づいて、各種別の情報の寄与度を推定し、推定した寄与度に応じた報酬を決定する(ステップS6)。すなわち、推定装置100は、各事業者のデータのモデルに対する寄与度を推定し、推定された寄与度に応じた報酬を各事業者に提供するため、公平な報酬の提供ができる。
【0028】
具体的には、推定装置100は、相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。また、具体的には、推定装置100は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0029】
また、具体的には、推定装置100は、各種別の情報について、所定の種別の情報との相関性を特定し、特定した相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。また、具体的には、推定装置100は、推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する。
【0030】
例えば、推定装置100は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を0~1のスコアとして推定する。例えば、推定装置100は、相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。また、例えば、推定装置100は、相関性が低い程、低い値の寄与度を推定する。そして、推定装置100は、寄与度に応じた報酬であって、各事業者に対応する報酬を決定する。
【0031】
例えば、
図1の例では、推定装置100は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度#1から寄与度#1を推定する。そして、推定装置100は、寄与度#1に応じた報酬#1を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、雑貨屋来店データを提供した事業者#2との報酬と決定する。
【0032】
また、例えば、
図1の例では、推定装置100は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度#2から寄与度#2を推定する。そして、推定装置100は、寄与度#2に応じた報酬#2を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、ジム来店データを提供した事業者#3との報酬と決定する。
【0033】
このように、実施形態に係る推定装置100は、複数種別の情報が有する相関性を特定する。そして、推定装置100は、かかる相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。これにより、実施形態に係る推定装置100は、複数種別の情報が有する相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0034】
この点について説明する。
図1の例を用いて説明すると、推定装置100は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を推定する。そして、推定装置100は、寄与度に応じた報酬であって、各事業者に対応する報酬を決定する。これにより、推定装置100は、各事業者のデータのモデルに対する寄与度を推定するため、寄与度に応じた公平な報酬の決定を行うことができる。このことから、推定装置100は、公平な報酬を提供することができるため、事業者にとってデータを提供する閾値を下げることができる。また、推定装置100は、事業者から有益なデータを取得することができるため、利用者の利用予測等に関するモデルの予測精度を向上することができる。したがって、推定装置100は、公平な報酬を提供することが事業者にとってよりよいインセンティブとして働くことで、様々な有益なデータを取得することができるため、包括的な事業戦略を立案しやすくなる。
【0035】
〔2.推定システムの構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る推定システムの構成について説明する。
図3は、実施形態に係る推定システムの構成例を示す図である。
図3に示すように、推定システム1は、事業者サーバ20と、決済サーバ30と、推定装置100を含む。事業者サーバ20、決済サーバ30及び推定装置100は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図3に示す推定システム1には、複数台の事業者サーバ20や、複数台の決済サーバ30や、複数台の推定装置100が含まれてもよい。
【0036】
実施形態に係る事業者サーバ20は、各事業者が利用する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、各事業者が利用する事業者サーバを事業者サーバ20-N(Nは整数であり、事業者#NのNに対応する値である)と表記するものとする。この場合、
図1の例では、事業者サーバ20-1は、カフェを運営する事業者#1が利用する情報処理装置である。また、事業者サーバ20-2は、雑貨屋を運営する事業者#2が利用する情報処理装置である。また、事業者サーバ20-3は、ジムを運営する事業者#3が利用する情報処理装置である。
【0037】
ここで、事業者サーバ20は、各事業者によるサービスに関する情報を管理する。ここで、各事業者によるサービスに関する情報とは、例えば、各事業者によるサービスの提供を受けた利用者と、その利用者に対して提供したサービスの内容とを対応付けた情報、すなわち、各事業者によるサービスのログである。なお、事業者サーバ20は、このような情報以外にも、各事業者によるサービスに関する情報であれば、任意の情報が採用可能である。
【0038】
実施形態に係る決済サーバ30は、決済処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置等により実現される。例えば、決済サーバ30は、推定装置100が各種の報酬を決定する場合、推定装置100と連携して決済処理を実行する。また、例えば、決済サーバ30は、相関度に基づいて推定された各種別の寄与度に応じた報酬額を推定装置100から通知を受付けることで、決済処理を実行する。なお、決済サーバ30は、現金による決済処理だけではなく、例えばクレジットカードや電子決済等を用いた決済処理を行ってもよい。
【0039】
実施形態に係る推定装置100は、例えば、サーバ装置等により実現される。具体的には、推定装置100は、複数種別の情報が有する相関性を特定する。そして、推定装置100は、かかる相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0040】
〔3.推定装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る推定装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る推定装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、推定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0041】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続され、事業者サーバ20と決済サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、登録情報データベース121と、モデルデータベース122とを有する。
【0043】
(登録情報データベース121について)
実施形態に係る登録情報データベース121は、各事業者が登録した情報、すなわち、データ管理サービスに登録した情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係る登録情報データベース121の一例を示す。
図5に示した例では、「事業者ID」、「データID」、「サブセットID」、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」等といった項目を有する情報が対応付けて記憶されている。また、
図5に示すように、登録情報データベース121には、各事業者が登録した情報が、登録時から形式を変更することなく、それぞれ個別に管理されている。なお、登録情報データベース121には、
図5に示す項目以外にも、各事業者が設定した任意の項目が設定された情報が記憶されていてよく、各項目の値は、各事業者に設定されたものであってもよい。
【0044】
例えば、「事業者ID」とは、情報を登録した事業者を示す識別子である。また、「データID」とは、事業者が登録した情報を識別する識別子である。例えば、ある事業者が第1の情報を登録し、その後、第2の情報を登録した場合、第1の情報および第2の情報には、それぞれ個別のデータIDが付与されることとなる。「サブセットID」とは、データが属するサブセットを示す識別子であり、事業者が任意で設定可能な情報である。なお、事業者ID、データID、およびサブセットIDは、事業者がデータを登録する際に自動的に付与される情報であり、事業者が登録する情報、すなわち、事業者が取得した情報は、例えば、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」といった情報の組に該当する。
【0045】
例えば、「利用者ID」とは、事業者IDが示す事業者のサービスの提供を受けた利用者の識別子である。また、「性別」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者の性別であり、「購買履歴」とは、その利用者の購買履歴を示す情報である。
【0046】
ここで、
図5に示す例では、登録情報データベース121には、事業者ID「事業者A」、データID「DID#1」、サブセットID「サブセット#1」、利用者ID「user#1」、性別「null」、購買履歴「購買履歴#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、事業者ID「事業者A」が示す事業者によって登録された情報であって、データID「DID#1」の中に、サブセットID「サブセット#1」が示すサブセットに属するレコードが登録されている旨を示す。また、かかるレコードは、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」といった項目を有し、「user#1」、「null」、「購買履歴#1」といった値が格納されている旨を示す。
【0047】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、推定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(推定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0048】
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、特定部132と、推定部133と、生成部134と、決定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0049】
(受付部131について)
受付部131は、各種情報を受付ける。具体的には、受付部131は、各事業者が個別に所有するデータを受付ける。例えば、
図1の例では、推定装置100は、事業者#1からカフェ来店データと、事業者#2から雑貨屋来店データと、事業者#3からジム来店データとを受付ける。そして、受付部131は、各事業者が個別に所有するデータを登録情報データベース121に記憶する。
【0050】
また、具体的には、受付部131は、事業者が所望するモデルの要求を受付ける。例えば、
図1の例では、受付部131は、事業者#Xが所望するモデルとして、カフェ来店に関する予測モデルの要求を受付ける。
【0051】
(特定部132について)
特定部132は、複数種別の情報が有する相関性を特定する。具体的には、特定部132は、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を特定する。より具体的には、特定部132は、各種別の情報が示す需要の変遷と所定の種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、相関性を特定する。より具体的には、所定の店舗に訪問した利用者の数、若しくは所定の取引対象を購入した利用者の数が有する相関性を特定する。
【0052】
また、より具体的には、特定部132は、各種別の情報が示す需要の変遷と、所定の種別の情報が示す需要の変遷との時期的なずれが所定の条件を満たすか否かに基づいて、相関性を特定する。また、より具体的には、特定部132は、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷と類似し、かつ、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷よりも後に生じている場合は、第1種別の情報と所定の種別の情報との相関性を所定の値よりも高くする。
【0053】
例えば、
図1の例では、特定部132は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度を相関度#1と特定する。また、特定部132は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度を相関度#2と特定する。
【0054】
例えば、
図2の例では、特定部132は、時系列解析による相関度を算出する算出方法等の従来技術により、カフェ来店データと、ジム来店データとの相関度を特定する。例えば、
図2の例では、特定部132は、カフェ来店データの線形と、ジム来店データの線形とが相似形であるため、相関性が高いと判定されるため、相関度が高いと特定する。
【0055】
(推定部133について)
推定部133は、特定部132により特定された相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。具体的には、推定部133は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0056】
また、具体的には、推定部133は、各種別の情報について、所定の種別の情報との相関性を特定し、特定した相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。例えば、推定部133は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を推定する。
【0057】
例えば、推定部133は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を0~1のスコアとして推定する。例えば、推定部133は、相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。また、例えば、推定部133は、相関性が低い程、低い値の寄与度を推定する。例えば、
図1の例では、推定部133は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度#1から寄与度#1を推定する。また、例えば、推定部133は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度#2から寄与度#2を推定する。
【0058】
(生成部134について)
生成部134は、相関度が高いデータを用いて、予測対象を予測するモデルを生成する。具体的には、生成部134は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルを生成する。
【0059】
例えば、
図1の例では、生成部134は、ロジスティック回帰、SVM、深層学習等の機械学習手法の従来技術により、カフェ来店データと相関度が高いデータとして、ジム来店データと、バス利用データといった入力情報と、相関度との関連性を学習することで、カフェ来店予測に関するモデルを生成する。このように、生成部134は、特定のデータを入力した際に、入力された特定のデータとカフェ来店データとの相関度を出力するようにモデルの学習を行う。そして、生成部134は、かかるモデルをモデルデータベース122に記憶する。
【0060】
また、生成部134は、モデルデータベース122を参照することで、学習した予測モデルを事業者に提供する。例えば、
図1の例では、生成部134は、生成したカフェ来店予測に関するモデルを事業者#Xに提供する。
【0061】
(決定部135について)
決定部135は、推定部133により推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する。例えば、決定部135は、寄与度に応じた報酬であって、各事業者に対応する報酬を決定する。そして、決定部135は、決済サーバ30と連携することで、事業者へ支払う報酬を設定する。
【0062】
例えば、
図1の例では、決定部135は、寄与度#1に応じた報酬#1を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、雑貨屋来店データを提供した事業者#2との報酬と決定する。
【0063】
また、例えば、
図1の例では、決定部135は、寄与度#2に応じた報酬#2を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、ジム来店データを提供した事業者#3との報酬と決定する。
【0064】
〔4.処理手順〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る推定装置100が実行する推定処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る推定装置100が実行する推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
図6に示すように、受付部131は、モデルの要求を受付けする(ステップS101)。例えば、
図1の例では、受付部131は、事業者#Xが所望するモデルとして、カフェ来店に関する予測モデルの要求を受付ける。
【0066】
そして、特定部132は、受付部131がモデルの要求を受付けていない場合(ステップS101;No)、受付部131がモデルの要求を受付けるまで待機する。
【0067】
一方、特定部132は、受付部131がモデルの要求を受付けた場合(ステップS101;Yes)、推定対象となるデータの履歴を特定する(ステップS102)。そして、特定部132は、特定したデータと他のデータとの相関性を特定する(ステップS103)。
【0068】
例えば、
図1の例では、特定部132は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度を相関度#1と特定する。また、特定部132は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度を相関度#2と特定する。
【0069】
例えば、
図2の例では、特定部132は、時系列解析による相関度を算出する算出方法等の従来技術により、カフェ来店データと、ジム来店データとの相関度を特定する。例えば、
図2の例では、特定部132は、カフェ来店データの線形と、ジム来店データの線形とが相似形であるため、相関性が高いと判定されるため、相関度が高いと特定する。
【0070】
そして、推定部133は、相関性に基づいて、推定精度に対する寄与度を推定する(ステップS104)。例えば、推定部133は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を0~1のスコアとして推定する。例えば、推定部133は、相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。また、例えば、推定部133は、相関性が低い程、低い値の寄与度を推定する。
【0071】
例えば、
図1の例では、推定部133は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度#1から寄与度#1を推定する。また、例えば、推定部133は、カフェ来店データとジム来店データとの間の相関度#2から寄与度#2を推定する。
【0072】
そして、生成部134は、推定部133により推定した寄与度が所定の閾値を超えるデータを用いてモデルを生成し、モデルを提供する(ステップS105)。例えば、
図1の例では、生成部134は、ロジスティック回帰、SVM、深層学習等の機械学習手法の従来技術により、カフェ来店データと相関度が高いデータとして、ジム来店データと、バス利用データといった入力情報と、相関度との関連性を学習することで、カフェ来店予測に関するモデルを生成する。このように、生成部134は、特定のデータを入力した際に、入力された特定のデータとカフェ来店データとの相関度を出力するようにモデルの学習を行う。
【0073】
また、生成部134は、モデルデータベース122を参照することで、学習した予測モデルを事業者に提供する。例えば、
図1の例では、生成部134は、生成したカフェ来店予測に関するモデルを事業者#Xに提供する。
【0074】
そして、決定部135は、寄与度に応じた報酬を決定する(ステップS106)。例えば、決定部135は、寄与度に応じた報酬であって、各事業者に対応する報酬を決定する。そして、決定部135は、決済サーバ30と連携することで、報酬を設定する。
【0075】
例えば、
図1の例では、決定部135は、寄与度#1に応じた報酬#1を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、雑貨屋来店データを提供した事業者#2との報酬と決定する。
【0076】
また、例えば、
図1の例では、決定部135は、寄与度#2に応じた報酬#2を、カフェ来店データを提供した事業者#1と、ジム来店データを提供した事業者#3との報酬と決定する。
【0077】
〔5.変形例〕
上述した推定装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、推定装置100の他の実施形態について説明する。
【0078】
〔5-1.特定処理 利用者の属性〕
上記実施形態では、推定装置100の特定132が各種別の情報が示す需要の変遷と所定の種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、相関性を特定する特定処理の一例を説明したが、上記特定処理に限定されない。具体的には、特定部132は、利用者の属性が有する相関性を特定してもよい。
【0079】
例えば、相関度を特定するために用いるデータがカフェ来店データと、ジム来店データとであるものとする。この場合、特定部132は、時系列解析による相関度を算出する算出方法等の従来技術により、カフェ来店データに含まれる利用者の属性と、ジム来店データに含まれる利用者の属性との相関度を特定する。
【0080】
これにより、実施形態に係る推定装置100の特定部132は、利用者の属性が有する相関性を特定するため、各事業者が提供するサービスを連続的に利用する利用者に関する情報を把握することができる。
【0081】
〔5-2.生成処理 寄与度に基づくモデル〕
上記実施形態では、推定装置100の生成部134が、相関度が高いデータを用いて、予測対象を予測するモデルを生成する生成処理の一例を説明したが、上記生成処理に限定されない。具体的には、生成部134は、各種別の情報の相関度から寄与度を推定し、推定した寄与度が高い情報を用いて自動的に予測対象を予測するモデルを生成してもよい。
【0082】
例えば、推定部133は、各事業者から受付けたデータ間の相関度に基づいて、受付けたデータ間の寄与度として各事業者の寄与度を0~1のスコアとして推定する。例えば、推定部133は、相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。また、例えば、推定部133は、相関性が低い程、低い値の寄与度を推定する。例えば、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの相関度を相関度#1であるものとする。この場合、推定部133は、カフェ来店データと雑貨屋来店データとの間の相関度#1から寄与度を推定する。
【0083】
そして、生成部134は、寄与度が高いデータを用いて、予測対象を予測するモデルを生成する。例えば、寄与度が高いデータがカフェ来店データと、ジム来店データと、バス利用データとであるものとする。この場合、生成部134は、ロジスティック回帰、SVM、深層学習等の機械学習手法の従来技術により、寄与度が高いデータとして、カフェ来店データと、ジム来店データと、バス利用データといった入力情報と、寄与度との関連性を学習することで、モデルを生成してもよい。このように、生成部134は、特定のデータを入力した際に、入力された特定のデータの寄与度を出力するようにモデルの学習を行う。
【0084】
これにより、実施形態に係る推定装置100の生成部134は、各種別の情報の相関度から寄与度を推定し、推定した寄与度が高い情報を用いて自動的に予測対象を予測するモデルを生成するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0085】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る事業者サーバ20、決済サーバ30及び推定装置100は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、推定装置100を例に挙げて説明する。
図7は、推定装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0086】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0087】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100がネットワークNを介して生成したデータを他の機器へ送信する。
【0088】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0089】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0090】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る推定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0092】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0093】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0094】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、推定部は、推定手段や推定回路に読み替えることができる。
【0095】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る推定装置100は、特定部132と、推定部133とを有する。特定部132は、複数種別の情報が有する相関性を特定する。推定部133は、特定部132により特定された相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0096】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、特定された相関性に基づいて、複数種別の情報から所定の種別の情報を予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0097】
また、実施形態に係る推定装置100において、推定部133により推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定する決定部135を有する。
【0098】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、推定された寄与度に基づいて、各種別の情報を登録した登録者に対する報酬を決定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0099】
また、実施形態に係る推定装置100において、推定部133は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定する。
【0100】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、予測モデルとして、複数種別の情報から、複数種別のうちいずれかの種別の情報を所定の種別の情報として予測する予測モデルの精度に対する寄与度を推定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0101】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、各種別の情報について、所定の種別の情報との相関性を特定し、推定部133は、特定部132により特定された相関性が高い程、高い値の寄与度を推定する。
【0102】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、各種別の情報について、所定の種別の情報との相関性が高い程、高い値の寄与度を推定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0103】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を特定する。
【0104】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、それぞれ異なる対象に対する需要を示す情報が有する相関性を特定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0105】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、各種別の情報が示す需要の変遷と所定の種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、相関性を特定する。
【0106】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、各種別の情報が示す需要の変遷と所定の種別の情報が示す需要の変遷との類似度に従って、相関性を特定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0107】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、各種別の情報が示す需要の変遷と、所定の種別の情報が示す需要の変遷との時期的なずれが所定の条件を満たすか否かに基づいて、相関性を特定する。
【0108】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、各種別の情報が示す需要の変遷と、所定の種別の情報が示す需要の変遷との時期的なずれが所定の条件を満たすか否かに基づいて、相関性を特定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0109】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷と類似し、かつ、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷よりも後に生じている場合は、第1種別の情報と所定の種別の情報との相関性を所定の値よりも高くする。
【0110】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷と類似し、かつ、第1種別の情報が示す需要の変遷が、所定の種別の情報が示す需要の変遷よりも後に生じている場合は、第1種別の情報と所定の種別の情報との相関性を所定の値よりも高くするため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0111】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、所定の店舗に訪問した利用者の数、若しくは所定の取引対象を購入した利用者の数が有する相関性を特定する。
【0112】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、所定の店舗に訪問した利用者の数、若しくは所定の取引対象を購入した利用者の数が有する相関性を特定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0113】
また、実施形態に係る推定装置100において、特定部132は、さらに、利用者の属性が有する相関性を特定する。
【0114】
これにより、実施形態に係る推定装置100は、さらに、利用者の属性が有する相関性を特定するため、適切な態様の報酬を容易に提供することができる。
【0115】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 推定システム
20 事業者サーバ
30 決済サーバ
100 推定装置
110 通信部
120 記憶部
121 登録情報データベース
122 モデルデータベース
130 制御部
131 受付部
132 特定部
133 推定部
134 生成部
135 決定部