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特許7195198無線通信装置、システム、プログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】無線通信装置、システム、プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20221216BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20221216BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20221216BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20221216BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20221216BHJP
   H04B 17/24 20150101ALI20221216BHJP
   H04W 84/00 20090101ALI20221216BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W84/06
H04W24/10
H04W28/16
H04B1/10 A
H04B17/24
H04W84/00 110
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019063376
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020167450
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】318002806
【氏名又は名称】HAPSモバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 叔達
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-501546(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175606(WO,A1)
【文献】特開2013-106112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0083726(US,A1)
【文献】特表2008-527845(JP,A)
【文献】柴田 洋平 他4名,HAPSモバイル通信におけるセル構成に関する一検討,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.118 No.372 [online],日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年12月13日,第118巻第372号,第101-106頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
H04B 1/10
H04B 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体に搭載されて、地上に向けて複数のビームを照射することによってマルチセルを形成して前記マルチセル内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する無線通信装置であって、
第1の無線部及び第2の無線部を含む複数の無線部と、
前記複数の無線部のそれぞれにセルを形成させることによって前記マルチセルを形成するよう制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記複数の無線部から、干渉源となるセルを形成している前記第1の無線部と、干渉低減の対象となるセルを形成している前記第2の無線部とを特定する対象特定部と、
前記第1の無線部によって形成される第1のセルに在圏する第1のユーザ端末によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を前記第1の無線部が受信した第1の受信電波と、前記第2の無線部によって形成される第2のセルに在圏する第2のユーザ端末によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を前記第2の無線部が受信した第2の受信電波とに基づいて、前記第2の受信電波に干渉波として含まれる前記第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する除去処理実行部
を有
前記対象特定部は、前記第2のセルに在圏する前記第2のユーザ端末が、隣接セルからの電波の受信品質が前記第2のセルからの電波の受信品質よりも予め定められたオフセット以上に高い場合に送信した測定報告を参照して、前記測定報告における前記隣接セルを形成している無線部を、前記第1の無線部として特定する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記除去処理実行部は、前記除去処理を実行することにより、前記第2の受信電波から前記第2の信号を取得する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記除去処理実行部は、UL-CoMP(UpLink-Coordinated Multi Point)技術を用いることによって前記第2の受信電波に干渉波として含まれる前記第1の送信電波の成分を除去する前記除去処理を実行する、請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記除去処理実行部は、前記第1の受信電波から取得した信号と、前記第2の受信電波から取得した信号とを合成することにより前記第2の受信電波に干渉信号として含まれる前記第1の信号を除去することによって、前記第2の受信電波から前記第2の信号を取得する、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記除去処理実行部は、前記第1の無線部が第1の複数のアンテナによって受信した前記第1の受信電波と、前記第2の無線部が第2の複数のアンテナによって受信した前記第2の受信電波とに基づいて、前記第1の複数のアンテナ及び前記第2の複数のアンテナによるセルで前記第1の受信電波及び前記第2の受信電波を受信したと仮定することによって、前記第2の受信電波に干渉波として含まれる前記第1の送信電波の成分を除去する、請求項3又は4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記除去処理実行部は、前記第1の受信電波から導出した位相によって、前記第2の受信電波に干渉波として含まれる前記第1の送信電波の成分を特定することにより、前記第2の受信電波から前記第1の送信電波の成分を除去する、請求項3から5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記飛行体の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
前記状態情報に基づいて、前記オフセットを決定するオフセット決定部と、
前記オフセット決定部によって決定された前記オフセットを前記マルチセルに在圏しているユーザ端末に送信するオフセット送信部と
を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記オフセット決定部は、前記飛行体の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい場合に、前記オフセットを少なくする、請求項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記無線部はRRH(Remote Radio Head)であり、
前記制御部はBBU(Base Band Unit)である、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置と、
前記飛行体と
を備えるシステム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の無線通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
飛行体に搭載されて、地上に向けて複数のビームを照射することによってマルチセルを形成して前記マルチセル内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する無線通信装置であって、第1の無線部及び第2の無線部を含む複数の無線部と、前記複数の無線部のそれぞれにセルを形成させることによって前記マルチセルを形成するよう制御する制御部とを備える無線通信装置によって実行される制御方法であって、
前記複数の無線部から、干渉源となるセルを形成している前記第1の無線部と、干渉低減の対象となるセルを形成している前記第2の無線部とを特定する対象特定段階と、
前記第1の無線部によって形成される第1のセルに在圏する第1のユーザ端末によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を前記第1の無線部が受信した第1の受信電波と、前記第2の無線部によって形成される第2のセルに在圏する第2のユーザ端末によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を前記第2の無線部が受信した第2の受信電波とに基づいて、前記第2の受信電波に干渉波として含まれる前記第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する除去処理実行段階
を備え、
前記対象特定段階は、前記第2のセルに在圏する前記第2のユーザ端末が、隣接セルからの電波の受信品質が前記第2のセルからの電波の受信品質よりも予め定められたオフセット以上に高い場合に送信した測定報告を参照して、前記測定報告における前記隣接セルを形成している無線部を、前記第1の無線部として特定する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、システム、プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
成層圏プラットフォームを提供すべく、アンテナを有し、成層圏を飛行する飛行体が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002-211496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
飛行体によって地上の複数のユーザ端末に対して無線通信サービスを提供する場合に、通信品質の低下を抑制可能な技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、飛行体に搭載されて、地上に向けて複数のビームを照射することによってマルチセルを形成してマルチセル内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する無線通信装置が提供される。無線通信装置は、第1の無線部及び第2の無線部を含む複数の無線部を備えてよい。無線通信装置は、複数の無線部のそれぞれにセルを形成させることによってマルチセルを形成するよう制御する制御部を備えてよい。制御部は、第1の無線部によって形成される第1のセルに在圏する第1のユーザ端末によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を第1の無線部が受信した第1の受信電波と、第2の無線部によって形成される第2のセルに在圏する第2のユーザ端末によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を第2の無線部が受信した第2の受信電波とに基づいて、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する除去処理実行部を有してよい。
【0005】
上記除去処理実行部は、上記除去処理を実行することにより、上記第2の受信電波から上記第2の信号を取得してよい。上記除去処理実行部は、UL-CoMP(UpLink-Coordinated Multi Point)技術を用いることによって上記第2の受信電波に干渉波として含まれる上記第1の送信電波の成分を除去する上記除去処理を実行してよい。上記除去処理実行部は、上記第1の受信電波から取得した信号と、上記第2の受信電波から取得した信号とを合成することにより上記第2の受信電波に干渉信号として含まれる上記第1の信号を除去することによって、上記第2の受信電波から上記第2の信号を取得してよい。上記除去処理実行部は、上記第1の無線部が第1の複数のアンテナによって受信した上記第1の受信電波と、上記第2の無線部が第2の複数のアンテナによって受信した上記第2の受信電波とに基づいて、上記第1の複数のアンテナ及び上記第2の複数のアンテナによるセルで上記第1の受信電波及び上記第2の受信電波を受信したと仮定することによって、上記第2の受信電波に干渉波として含まれる上記第1の送信電波の成分を除去してよい。上記除去処理実行部は、上記第1の受信電波から導出した位相によって、上記第2の受信電波に干渉波として含まれる上記第1の送信電波の成分を特定することにより、上記第2の受信電波から上記第1の送信電波の成分を除去してよい。
【0006】
上記制御部は、上記複数の無線部から、干渉源となるセルを形成している上記第1の無線部と、干渉低減の対象となるセルを形成している上記第2の無線部とを特定する対象特定部を有してよい。上記対象特定部は、上記第2のセルに在圏する上記第2のユーザ端末によって送信された、上記第2のユーザ端末が受信している電波の状況を報告する測定報告に基づいて、上記複数の無線部から、上記第1の無線部を特定してよい。上記対象特定部は、上記第2のセルに在圏する上記第2のユーザ端末が、隣接セルからの電波の受信品質が上記第2のセルからの電波の受信品質よりも予め定められたオフセット以上に高い場合に送信した測定報告を参照して、上記測定報告における上記隣接セルを形成している無線部を、上記第1の無線部として特定してよい。
【0007】
上記制御部は、上記飛行体の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、上記状態情報に基づいて、上記オフセットを決定するオフセット決定部と、上記オフセット決定部によって決定された上記オフセットを上記マルチセルに在圏しているユーザ端末に送信するオフセット送信部とを有してよい。上記オフセット決定部は、上記飛行体の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい場合に、上記オフセットを少なくしてよい。上記無線部はRRH(Remote Radio Head)であってよく、上記制御部はBBU(Base Band Unit)であってよい。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、上記無線通信装置と、上記飛行体とを備えるシステムが提供される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータを、上記無線通信装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、飛行体に搭載されて、地上に向けて複数のビームを照射することによってマルチセルを形成してマルチセル内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する無線通信装置であって、第1の無線部及び第2の無線部を含む複数の無線部と、複数の無線部のそれぞれにセルを形成させることによってマルチセルを形成するよう制御する制御部とを備える無線通信装置によって実行される制御方法が提供される。制御方法は、第1の無線部によって形成される第1のセルに在圏する第1のユーザ端末によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を第1の無線部が受信した第1の受信電波と、第2の無線部によって形成される第2のセルに在圏する第2のユーザ端末によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を第2の無線部が受信した第2の受信電波とに基づいて、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する除去処理実行段階を備えてよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】飛行体100の一例を概略的に示す。
図2】無線通信装置200による処理内容を説明するための説明図である。
図3】無線通信装置200による処理内容を説明するための説明図である。
図4】無線通信装置200による処理内容を説明するための説明図である。
図5】無線通信装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
図6】対象特定部212による処理の流れの一例を概略的に示す。
図7】BBU210による処理の流れの一例を概略的に示す。
図8】無線通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、飛行体100の一例を概略的に示す。飛行体100は、本体部102、主翼部104、プロペラ106、スキッド108、車輪110、及び太陽電池パネル112を有する。
【0015】
本体部102は、無線通信装置200と、不図示のバッテリ及び飛行制御装置とを備える。バッテリは、太陽電池パネル112によって発電された電力を蓄電する。飛行制御装置は、飛行体100の飛行を制御する。飛行制御装置は、例えば、バッテリに蓄電された電力を用いてプロペラ106を回転させることによって、飛行体100を飛行させる。無線通信装置200は、地上に向けて複数のビームを照射することによって、複数のセル130によって構成されるマルチセル120を形成して、マルチセル120内のユーザ端末300に無線通信サービスを提供する。無線通信装置200と飛行制御装置とは、一体であってもよい。
【0016】
飛行体100は、例えば、成層圏を飛行して地上のユーザ端末300に無線通信サービスを提供する。飛行体100は、成層圏プラットフォームとして機能してよい。
【0017】
ユーザ端末300は、飛行体100と通信可能な通信端末であればどのような端末であってもよい。例えば、ユーザ端末300は、スマートフォン等の携帯電話である。ユーザ端末300は、タブレット端末及びPC(Personal Computer)等であってもよい。ユーザ端末300は、いわゆるIoT(Internet of Thing)デバイスであってもよい。ユーザ端末300は、いわゆるIoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。
【0018】
飛行体100は、例えば、カバー対象の地上エリアの上空を巡回しながら、マルチセル120によって当該地上エリアをカバーする。飛行体100が地上エリアの上空を旋回することを定点飛行と記載する場合がある。また、飛行体100は、例えば、カバー対象の地上エリアの一部をマルチセル120によってカバーしながら、地上エリアの上空を移動することによって、地上エリアの全体をカバーする。
【0019】
飛行体100は、例えば、ユーザ端末300と、地上のネットワーク20との通信を中継することによって、ユーザ端末300に無線通信サービスを提供する。ネットワーク20は、通信事業者によって提供されるコアネットワークを含んでよい。コアネットワークは、任意の移動体通信システムに準拠していてよく、例えば、3G(3rd Generation)通信システム、LTE(Long Term Evolution)通信システム、4G(4th Generation)通信システム、及び5G(5th Generation)通信システム以降の移動体通信システム等に準拠する。ネットワーク20は、インターネットを含んでもよい。
【0020】
飛行体100は、例えば、地上の各地に配置されたゲートウェイ22のうち、マルチセル120内のゲートウェイ22を介して地上のネットワーク20と通信する。また、例えば、飛行体100は、通信衛星80を介してネットワーク20と通信する。この場合、飛行体100は、通信衛星80と通信するためのアンテナを有する。
【0021】
飛行体100は、例えば、マルチセル120内のユーザ端末300から受信したデータを、ネットワーク20に送信する。また、飛行体100は、例えば、ネットワーク20を介して、マルチセル120内のユーザ端末300宛のデータを受信した場合、当該データをユーザ端末300に送信する。
【0022】
飛行体100は、地上の管理装置400によって制御されてよい。飛行体100は、例えば、管理装置400によってネットワーク20及びゲートウェイ22を介して送信された指示に従って飛行したりマルチセル120を形成したりする。管理装置400は、通信衛星80を介して飛行体100に指示を送信してもよい。
【0023】
無線通信装置200は、BBU(Base Band Unit)と、複数のRRH(Remote Radio Head)とを備える。BBUは、複数のRRHのそれぞれにセル130を形成させることによって、マルチセル120を形成する。BBUは、制御部の一例であってよい。RRHは、無線部の一例であってよい。
【0024】
飛行体100に搭載される無線通信装置200は、その大きさに制約を受けることになるので、複数のRRHは近接して配置されることになる。マルチセル120を構成するセル130の数が多くなればなるほど、複数のRRH間の距離は短くなる。このため、設置位置が地理的に離れている地上の無線基地局とは異なり、アップリンク干渉が顕著になるおそれがあり、アップリンクでの干渉対策が重要な課題となる。本実施形態に係る無線通信装置200は、アップリンクでの干渉を低減する技術を提供する。
【0025】
また、成層圏プラットフォームとして機能する場合に、無線通信装置200は、飛行体100が飛行する位置や、カバーする地上の状況等に応じて、ビーム数、セル数、フットプリントの位置、フットプリントの大きさ、及びフットプリントの形状等を動的に変更することが考えられる。このような変更に伴って、マルチセル120を構成する複数のセル130のそれぞれと、隣接セルとの関係は動的に変化し得る。よって、このような状況の変化に応じたアップリンクでの干渉対策も重要な課題となり得る。本実施形態に係る無線通信装置200は、このような状況の変化に対応する技術も提供し得る。
【0026】
図2から図4は、無線通信装置200による処理内容を説明するための説明図である。図2では、無線通信装置200によって生成されるマルチセル120に含まれる複数のセル130のうち、2つのセル131及びセル132のみを図示しており、他のセルの図示を省略している。また、セル131に在圏しているユーザ端末300及びセル132に在圏しているユーザ端末300の例として、ユーザ端末301及びユーザ端末302を図示している。
【0027】
ユーザ端末300がセル130に在圏しているとは、ユーザ端末300がセル130内に位置して無線通信装置200と無線通信接続を確立していることであってよい。図2に示す例において、ユーザ端末301は、複数のRRHのうちの第1のRRHによって形成されるセル131に在圏している。また、ユーザ端末302は、複数のRRHのうちの第2のRRHによって形成されるセル132に在圏している。
【0028】
図2に示す例では、ユーザ端末301が、送信信号31を含む送信電波を出力しており、ユーザ端末302が、送信信号32を含む送信電波を出力しており、ユーザ端末301による送信電波の成分が、送信信号32を含む送信電波に干渉波として含まれている。このように送信信号32に干渉する信号を、干渉信号41として図示している。飛行体100に搭載された無線通信装置200において、複数のRRHは近接して配置されることになるので、このようなアップリンクにおける干渉が発生し得る。
【0029】
図3では、ユーザ端末301によって送信された送信信号31を含む送信電波を、セル131を形成している第1のRRHが受信した受信電波の帯域を示す受信電波帯域501と、ユーザ端末302によって送信された送信信号32を含む送信電波を、セル132を形成している第2のRRHが受信した受信電波の帯域を示す受信電波帯域502とを例示している。図3に示すように、受信電波帯域501には、送信信号31に対応する信号51が含まる。受信電波帯域502には、送信信号32に対して干渉信号41が干渉した信号52が含まれる。
【0030】
例えば、LTE通信方式では、複数のセル130で同一の周波数帯域が用いられる。1つのセル130内では、無線リソースの割り当て制御が行われるので、1つのセル130内では、アップリンクの干渉は発生しない。しかし、無線リソースの割り当て制御は、複数のセル130のそれぞれで行われるので、異なるセル130に在圏しているユーザ端末300には、同一の周波数帯域が割り当てられ得る。そして、飛行体100に搭載される無線通信装置200の場合、複数のRRHが近接して配置されているので、上述したような干渉が発生し得る。
【0031】
本実施形態に係るBBU210は、ユーザ端末301によって送信された送信信号31を含む第1の送信電波を第1のRRHが受信した第1の受信電波と、ユーザ端末302によって送信された送信信号32を含む第2の送信電波を第2のRRHが受信した第2の受信電波とに基づいて、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する。BBU210は、当該除去処理を実行することにより、第2の受信電波から信号52を取得し得る。
【0032】
BBU210は、例えば、UL-CoMP技術を用いることによって第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する。BBU210は、例えば、第1の受信電波から取得した信号51と、第2の受信電波から取得した信号52とを合成することにより、第2の受信電波に干渉信号として含まれる信号を除去することによって、第2の受信電波から第2の信号を取得する。
【0033】
図4は、除去処理の内容を概念的に示す。BBU210は、受信信号601として示すように、第1のRRHが、8つのアンテナのうちの4つのアンテナによって送信信号31(S1と記載する場合がある。)を受信し、受信信号602に示すように、第2のRRHが、8つのアンテナのうちの4つのアンテナによって、送信信号32(S2と記載する場合がある。)に干渉信号41(S1´と記載する場合がある。)が含まれる信号(S2+S1´と記載する場合がある。)を受信し、受信信号603に示すように、8つのアンテナのセルで干渉波を受けたと仮定することで、干渉波の信号を除去し得る。
【0034】
BBU210は、例えば、セル131で受信した信号であるS1を、バックプレーン経由でセル132側に渡す。BBU210は、例えば、セル131で受信した信号であるS1を、SRIO(Serial Rapid IO) Switchingでセル132側に渡す。そして、BBU210は、受信信号603に示すようにS1と、S2+S1´とを合成する。セル131で受信した信号であるS1の位相を特定できることから、BBU210は、S2+S1´に含まれる干渉信号であるS1´を特定することができ、S2+S1´からS1´を除去することができる。
【0035】
図5は、無線通信装置200の機能構成の一例を概略的に示す。ここでは、無線通信装置200が、1つのBBU210と、7つのRRH230とを備える場合を例示している。BBU210は、7つのRRH230のそれぞれにセルを形成させることによって、7つのセルから構成されるマルチセルを形成することができる。無線通信装置200が備えるRRH230の数はこれに限らず、任意の数であってよい。
【0036】
BBU210は、対象特定部212、除去処理実行部214、状態情報取得部216、オフセット決定部218、及びオフセット送信部220を有する。BBU210がこれらの全ての構成を有することは必須であるとは限らない。
【0037】
対象特定部212は、複数のRRH230から、干渉源となるセル130を形成しているRRH230と、干渉低減の対象となるセル130を形成しているRRH230とを特定する。対象特定部212は、例えば、複数のセル130のうちのいずれかに在圏するユーザ端末300によって送信された、ユーザ端末300が受信している電波の状況を報告する測定報告に基づいて、干渉源となるセル130と、干渉低減の対象となるセル130とを特定する。当該測定報告は、いわゆるMR(Measurement Report)であってよい。
【0038】
対象特定部212は、例えば、イベント型トリガにおけるA3イベントの送信トリガに従ってユーザ端末300が送信したMRを受信した場合に、干渉源となるセル130と、干渉低減の対象となるセル130とを特定する。対象特定部212は、あるセル130に在圏するユーザ端末300が、隣接セルからの電波の受信品質が、自セルからの電波の受信品質よりも予め定められたオフセット以上に高い場合に送信したMRを受信した場合に、当該MRを参照して、MRにおける隣接セルを干渉低減の対象となるセル130として決定し、MRにおける自セルを干渉源となるセル130として特定してよい。
【0039】
除去処理実行部214は、対象特定部212によって特定された干渉低減の対象となるセル130に対する除去処理を実行する。除去処理実行部214は、例えば、干渉源となるセル130に在圏している、MRを送信したユーザ端末300によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を、当該セル130を形成する第1のRRH230が受信した第1の受信電波と、干渉低減の対象となるセル130に在圏しているユーザ端末300によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を、当該セル130を形成する第2のRRH230が受信した第2の受信電波とに基づいて、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する。除去処理実行部214は、除去処理を実行することにより、第2の受信電波から第2の信号を取得する。
【0040】
除去処理実行部214は、例えば、UL-CoMP技術を用いることによって第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する除去処理を実行する。除去処理実行部214は、第1の受信電波から取得した信号と、第2の受信電波から取得した信号とを合成することにより第2の受信電波に干渉信号として含まれる第1の信号を除去することによって、第2の受信電波から第2の信号を取得してよい。除去処理実行部214は、第1のRRH230が第1の複数のアンテナによって受信した第1の受信電波と、第2のRRH230が第2の複数のアンテナによって受信した第2の受信電波とに基づいて、第1の複数のアンテナ及び第2の複数のアンテナによるセルで第1の受信電波及び第2の受信電波を受信したと仮定することによって、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信信号の成分を除去してよい。
【0041】
除去処理実行部214は、第1の受信電波から導出した位相によって、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を特定することにより、第2の受信電波から第1の送信電波の成分を除去してよい。これにより、第2の受信電波に含まれる信号に、干渉信号として含まれる第1の信号の成分を除去して、第2の信号を取得することができる。
【0042】
状態情報取得部216は、無線通信装置200が搭載されている飛行体100の状態を示す状態情報を取得する。状態情報取得部216は、飛行体100に搭載されている飛行制御装置から状態情報を受信してよい。飛行制御装置は、例えば、GPSによる位置情報の変化や、ジャイロセンサによる飛行体100の姿勢の変化を示す状態情報を無線通信装置200に送信する。
【0043】
オフセット決定部218は、状態情報取得部216が取得した状態情報に基づいて、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に送信するA3イベントにおけるオフセットの値を決定する。オフセット送信部220は、オフセット決定部218によって決定されたオフセットの値を、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に対して送信する。
【0044】
オフセット送信部220は、例えばまず、デフォルトのオフセットの値を、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に対して送信する。なお、ユーザ端末300が、無線通信装置200に在圏する前からデフォルトのオフセットの値を格納していてもよい。オフセット決定部218は、状態情報取得部216が取得する状態情報によって示される飛行体100の状態が予め定められた条件を満たした場合に、オフセットの値を決定し、オフセット送信部220は、オフセット決定部218によって決定されたオフセットの値を、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に対して送信する。
【0045】
例えば、オフセット決定部218は、飛行体100の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい場合に、デフォルトのオフセットの値よりも低いオフセットの値を決定する。飛行体100の飛行振動は、例えば、飛行体100の上下振動である。
【0046】
また、飛行体100の飛行振動は、飛行体100のピッチの振動であってもよい。すなわち、飛行体100の飛行振動は、飛行体100の左右方向を軸とした回転の振動であってよい。
【0047】
また、飛行体100の飛行振動は、飛行体100のロールの振動であってもよい。すなわち、飛行体100の飛行振動は、飛行体100の前後方向を軸とした回転の振動であってよい。
【0048】
また、飛行体100の飛行振動は、飛行体100のヨーの振動であってもよい。すなわち、飛行体100の飛行振動は、飛行体100の上下方向を軸とした回転の振動であってよい。
【0049】
飛行体100の飛行振動が大きい場合、マルチセル120のフットプリントの変動も大きくなると推定できる。マルチセル120のフットプリントが変動すると、通信中のユーザ端末300と隣接セルとの位置関係が変動するので、上述したようなアップリンクの干渉が発生しやすくなる。それに対して、ユーザ端末300が格納するA3イベントにおけるオフセットの値を低減することによって、ユーザ端末300によるMRの送信を発生しやすくでき、除去処理実行部214による除去処理機能の起動をさせやすくできるので、アップリンクの干渉を適切に低減することが可能となる。
【0050】
図6は、対象特定部212による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、飛行体100が飛行しながら、無線通信装置200がユーザ端末300に対して無線通信サービスを提供している状態を開始状態として説明する。
【0051】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、対象特定部212によって、干渉源となるセルを形成しているRRH230(干渉源RRHと記載する場合がある。)と、干渉低減の対象となるセルを形成しているRRH230(低減対象RRHと記載する場合がある。)とが特定されたか否かを判定する。対象特定部212は、例えば、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300から、A3イベントのMRを受信した場合に、干渉源RRHと、低減対象RRHとを特定する。対象特定部212は、干渉源RRHと低減対象RRHとの組み合わせが複数存在する場合には、複数の干渉源RRH及び低減対象RRHを特定してよい。対象特定部212によって特定されたと判定した場合、S104に進む。
【0052】
S104では、除去処理実行部214が、除去処理機能を起動する。S106では、除去処理実行部214が、除去処理を実行する。除去処理実行部214は、干渉源となるセルに在圏する、MRを送信したユーザ端末300によって送信された第1の信号を含む第1の送信電波を、干渉源RRHが受信した第1の受信電波と、干渉低減の対象となるセルに在圏するユーザ端末300によって送信された第2の信号を含む第2の送信電波を低減対象RRHが受信した第2の受信電波とに基づいて、第2の受信電波に干渉波として含まれる第1の送信電波の成分を除去する。除去処理実行部214は、干渉低減の対象となるセルに在圏する複数のユーザ端末300に対して、除去処理を実行してよい。
【0053】
除去処理実行部214は、除去処理を終了すると判定するまで、除去処理を実行する。除去処理実行部214は、任意の条件に従って、除去処理の終了を判定してよい。例えば、除去処理実行部214は、S104において除去処理機能を起動してから、予め定められた時間が経過した場合に、除去処理を終了すると判定する。また、例えば、除去処理実行部214は、いずれのユーザ端末300からもA3イベントのMRが送信されない等、干渉が発生していない状況になった場合に、除去処理を終了すると判定する。
【0054】
図7は、BBU210による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300が、デフォルトのA3イベントのオフセットを格納している場合に、状況に応じて当該オフセットを変更させる場合の処理の流れを概略的に示す。
【0055】
S202では、状態情報取得部216が、無線通信装置200を搭載している飛行体100の状態を示す状態情報を取得する。S204では、状態情報取得部216が、S202において取得した状態情報によって示される飛行体100の状態が予め定められた条件を満たすか否かを判定する。満たすと判定された場合、S206に進む。
【0056】
S206では、オフセット決定部218が、S204において満たされた条件に基づいて、A3イベントにおけるオフセットを決定する。オフセット決定部218は、例えば、飛行体100の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい場合に、ユーザ端末300に格納されているオフセットよりも少ないオフセットを決定する。オフセット決定部218は、飛行体100の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい場合に、A3イベントのオフセットの低減量を決定してもよい。
【0057】
S208では、オフセット送信部220が、S206において決定されたオフセットを、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に対して送信する。オフセット送信部220は、S206において、A3イベントのオフセットの低減量が決定された場合には、当該低減量を、無線通信装置200に在圏しているユーザ端末300に対して送信してよい。
【0058】
S210では、状況に応じたA3イベントのオフセットの変更を終了するか否かを判定する。終了しないと判定した場合、S202に戻る。S202では、飛行体100の状態情報を取得し、S204では、飛行体100の状態が予め定められた条件を満たすか否かが判定される。ここで、例えば、飛行体100の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも小さくなった場合、S206において、A3のオフセットとして、デフォルトの値が決定されてよい。このように、BBU210は、飛行体100の飛行振動の大きさが予め定められた大きさよりも大きい間のみ、A3イベントのオフセットの値をデフォルトの値よりも小さくさせてよい。
【0059】
図8は、無線通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0060】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0061】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0062】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0063】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0064】
プログラムは、ICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0065】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0066】
また、CPU1212は、記憶装置1224、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0067】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0068】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0069】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0070】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0071】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0072】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0075】
20 ネットワーク、22 ゲートウェイ、31 送信信号、32 送信信号、41 干渉信号、51 信号、52 信号、80 通信衛星、100 飛行体、102 本体部、104 主翼部、106 プロペラ、108 スキッド、110 車輪、112 太陽電池パネル、120 マルチセル、130、131、132 セル、200 無線通信装置、210 BBU、212 対象特定部、214 除去処理実行部、216 状態情報取得部、218 オフセット決定部、220 オフセット送信部、230 RRH、300、301、302 ユーザ端末、400 管理装置、501、502 受信電波帯域、601 受信信号、602 受信信号、603 受信信号、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8