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特許7195244振戦を治療するための抹消神経刺激用のシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】振戦を治療するための抹消神経刺激用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019190194
(22)【出願日】2019-10-17
(62)【分割の表示】P 2016570786の分割
【原出願日】2015-06-02
(65)【公開番号】P2020072870
(43)【公開日】2020-05-14
【審査請求日】2019-11-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】62/006,555
(32)【優先日】2014-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/083,424
(32)【優先日】2014-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/157,116
(32)【優先日】2015-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/006,565
(32)【優先日】2014-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515196735
【氏名又は名称】カラ ヘルス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CALA HEALTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ウォング,セレナ,ハンイン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンブルース,キャスリン,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ハムナー,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】チデスター,ポーラ
(72)【発明者】
【氏名】デルプ,スコット,エル.
(72)【発明者】
【氏名】サンガー,テレンス,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クライン,デイビッド
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】佐々木 一浩
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-533299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0097564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動障害を治療するために患者の腕又は手首の少なくとも抹消神経を刺激するための外部のシステムであって、
パルスジェネレータと、
前記患者の腕又は手首に固定されるように構成されたバンドであって、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第1の電極及び第2の電極を支持し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記バンド上に間隔をあけて配置されると共に、第1の神経を刺激するために前記パルスジェネレータから前記患者に電気的刺激を与えるように構成されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記腕又は前記手首の横断面において、前記第1の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第1の神経と前記第2の電極の中心を結ぶラインとの間に、90度から180度の角度があるように配置及び構成されている、前記バンドと、
前記第1及び第2の電極を介して前記第1の神経を刺激するように構成された電気的刺激を、前記患者に送達するように、前記パルスジェネレータに信号を送るように構成されたコントローラと、を備え
前記バンドが、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第3の電極を支持し、前記第1の電極と前記第3の電極は、患者の正中神経、橈骨神経又は尺骨神経から選択される第2の神経を刺激するために、前記パルスジェネレータから患者に電気的刺激を送達するように、前記バンド上で間隔をあけて配置されており、前記第1の電極と前記第3の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第2の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第2の神経と前記第3の電極の中心を結ぶラインとの間に90度から180度の角度があるように配置及び構成されており、前記第1の神経と前記第2の神経とは異なる神経である、
システム。
【請求項2】
前記バンドが、前記患者の腕又は手首の周りに固定されているとき、前記第1の電極が、前記患者の腕又は手首の背側に配置され、前記第2の電極が、前記患者の腕又は手首の腹側に配置され、前記第3の電極が、前記第1の電極と前記第2の電極との間で前記患者の腕又は手首に配置されている、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記パルスジェネレータから前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極に、交流刺激パターンを送達するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記刺激パターンが、患者の正中神経、橈骨神経又は尺骨神経から選択される第1の神経に第1のパルス列で送達される電気的刺激の複数の交流バーストのアプリケーションと、患者の正中神経、橈骨神経又は尺骨神経から選択される第2の異なる神経に送達される第2のパルス列とを含み、前記第1のパルス列と前記第2のパルス列とが時間的にオフセットされている、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
運動障害を治療するために患者の腕又は手首の少なくとも抹消神経を刺激するための外部のシステムであって、
パルスジェネレータと、
前記患者の腕又は手首に固定可能なバンドであって、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第1の電極及び第2の電極を支持し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記バンド上に間隔をあけて配置されると共に、第1の神経を刺激するために前記パルスジェネレータから前記患者に電気的刺激を与えるように構成されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記腕又は前記手首の横断面において、前記第1の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第1の神経と前記第2の電極の中心を結ぶラインとの間に、90度から180度の角度があるように配置及び構成されている、前記バンドと、を備え、
前記システムは、前記パルスジェネレータから前記第1の電極及び前記第2の電極に交流刺激パターンを送達するように構成されたコントローラを備え、
前記バンドが、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第3の電極を支持し、前記第1及び第3の電極が、患者の正中神経、橈骨神経又は尺骨神経から選択される第2の神経を刺激するために、前記パルスジェネレータから患者に電気的刺激を送達するように、前記バンド上に間隔をあけて配置されており、前記第1の電極と前記第3の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第2の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第2の神経と前記第3の電極の中心を結ぶラインとの間に90度から180度の角度があるように配置及び構成されており、前記第1の神経と前記第2の神経とは異なる神経であり、
前記バンドが、前記患者の腕又は手首の周りに固定されているとき、前記第1の電極が、前記患者の腕又は手首の背側に配置され、前記第2の電極が、前記患者の腕又は手首の腹側に配置され、前記第3の電極が、前記第1の電極と前記第2の電極との間で前記患者の腕又は手首に配置されており、
前記システムは、前記パルスジェネレータを前記第1の電極と前記第2の電極との間で切り替えるように構成されたスイッチマトリクスを備え、
前記コントローラが、前記パルスジェネレータから前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極に、交流刺激パターンを送達するように構成されている、
システム。
【請求項6】
運動障害を治療するために腕又は手首の少なくとも抹消神経を刺激するための経皮のシステムであって、
前記患者の腕又は手首に固定されるように構成されたバンドであって、前記バンドは、パルスジェネレータと電気的に通信する第1の電極及び第2の電極を支持し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記バンド上に間隔をあけて配置されると共に、第1の神経を刺激するために前記パルスジェネレータから前記患者に電気的刺激を与えるように構成されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記腕又は前記手首の横断面において、前記第1の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第1の神経と前記第2の電極の中心を結ぶラインとの間に、90度から180度の角度があるように配置及び構成されている、前記バンドと、
前記パルスジェネレータから前記第1の電極及び前記第2の電極に交流刺激パターンを送達するように構成されたコントローラと、を備え、
前記バンドが、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第3の電極を支持し、前記第1の電極と前記第3の電極は、患者の正中神経、橈骨神経又は尺骨神経から選択される第2の神経を刺激するために、前記パルスジェネレータから患者に電気的刺激を送達するように、前記バンド上で間隔をあけて配置されており、前記第1の電極と前記第3の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第2の神経と前記第1の電極の中心を結ぶラインと、前記第2の神経と前記第3の電極の中心を結ぶラインとの間に90度から180度の角度があるように配置及び構成されており、前記第1の神経と前記第2の神経とは異なる神経である、
システム。
【請求項7】
前記バンドが、前記患者の腕又は手首の周りに固定されているとき、前記第1の電極が、前記患者の腕又は手首の背側に配置され、前記第2の電極が、前記患者の腕又は手首の腹側に配置され、前記第3の電極が、前記第1の電極と前記第2の電極との間で前記患者の腕又は手首に配置されている、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月2日付けで出願された米国仮出願第62/006,565号明細書、2014年6月2日付けで出願された米国仮出願第No.62/006,555号明細書、2014年11月24日付けで出願された米国仮出願第62/083,424号明細書、及び2015年5月5日付けで出願された米国仮出願第62/157,116号明細書各々であって、本明細書によって援用されるものの利益を主張する。
【0002】
参照による引用
本明細書において言及される全ての発行物及び特許出願は、個々の発行物又は特許出願のそれぞれが、参照によって組み込まれるものとして具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照によって全内容が本明細書に組み込まれている。
【0003】
技術分野
本発明の実施形態は、一般的に、振戦の治療のためのシステム、装置、及び方法に関し、及びより具体的には、抹消神経の刺激による振戦の治療のためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
手の震えは、最も多い共通の運動障害の1つであり、老年人口が増加している状況において、米国にて推定1000万人の人々に影響を及ぼしている。流行は年齢と共に増加し、65歳を超える人々の5-10%から、95歳を超える人々の20%より上に増加する。本態性振戦は、例えば、手のような末端の肢に影響する4-12Hzの揺動運動によって特徴付けられる。停止して現れるパーキンソンの震えとは違って、本態性振戦は、姿勢及び運動のアクティビティに影響を及ぼし、重力に対して、あるいは、意図的な動きの間において、肢を保持することよって実施されることを各々意味している。振戦は、また、例えば、起立性震え、多発性硬化症、及びパーキンソン病のような他の病気を患っている患者にとって重要な問題である。これらのコンディションのための治療のオプションは限られており、好ましくない副作用を有しており、また、潜在的な利益の割に高いリスクを有しており、よって、代替の治療が与えられる。振戦のような、いくつかのコンディションは、経皮的な抹消神経の刺激のいくつかの方式を介して治療され得る。
【0005】
このような治療を達成するための装置を設計することは困難である。振戦を患っている患者のための製品を設計することの1つの難しい点は、手が安定しない個人のために容易に配置及び設定することができる装置を作成することである。人々は、手首の径、神経の場所、神経のデポライゼーション特性、及び皮膚の状態において幅広いバリエーションを有しており、このことにより、幅広い人々におけるターゲットである抹消神経に、快適に、安全に、及び確実に刺激を与えるための装置を指定することが困難になる。例えば、手首の正中神経、尺骨神経、及び橈骨神経をターゲットにしている手首着用の装置において、大人の人々のためのバンドの円周は、5パーセンタイルの女性から95パーセンタイルの男性に適応するために、13.5-19.8cmにて変更しなければならないであろう。Henry Dreyfus Associates,「男性及び女性の測定」,Wiley,2001参照。サイズの違いに加えて、神経の場所、深さ、及び分岐においてバリエーションが存在する。よって、幅広い範囲の手首のサイズに渡る手首において、1つ以上の神経を確実に刺激し得るシステム及び方法は、手の震えの治療において有利であろう。
【0006】
このような装置を設計するための第2の難しい点は、異なる人々の間で振戦が変化することである。同じ人々内であっても、振戦は、一日を通して可変時間に発生する可能性があり、患者のストレスレベル、疲労、及び\食物を含んでいるがこれらに限定されない多数のファクターに依存している。よって、振戦が発生する、あるいは、発生しそうなときに、振戦を治療することが可能である、個別的にカスタマイズされたすぐ反応するセラピーは、より効率的で、更に電力効率が良い装置を提供し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、一般的には、振戦を治療するためのシステム、装置、及び方法に関し、より具体的には、抹消神経の刺激によって振戦を治療するためのシステム、装置、及び方法に関する。1つの実施形態に関連して記載された特徴のいくつかは、他の実施形態と組み合わされ得ることについて、理解されたい。
【0009】
いくつかの実施形態においては、振戦を患っている患者を治療するためのシステムが提供される。システムは、パルスジェネレータと、前記患者の腕又は手首に固定されるように適用される円周のバンドであって、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第1及び第2の電極を支持しており、前記第1及び第2の電極は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第1の神経を優先的に励起するために、前記患者に前記パルスジェネレータから電気的な刺激を伝達するように、前記バンドにおいてスペースがあけられており、前記第1及び第2の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第1の神経と前記第1の電極とを結ぶラインと、前記第1の神経と前記第2の電極とを結ぶラインととの間において、90度から180度の角度が存在するように、設けられて及び構成されている、前記バンドと、を備え得る。
【0010】
いくつかの実施形態においては、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第3の電極を支持し、前記第1及び第3の電極は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第2の神経を優先的に励起するために、前記患者に前記パルスジェネレータから電気的な刺激を伝達するように、前記バンドにおいてスペースがあけられており、前記第1及び第3の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第2の神経と前記第1の電極とを結ぶラインと、前記第2の神経と前記第3の電極とを結ぶラインととの間において、90度から180度の角度が存在するように、設けられて及び構成されており、前記第1の神経及び前記第2の神経は、異なる神経である。
【0011】
いくつかの実施形態においては、前記円周のバンドが前記患者の腕又は手首の周りに固定されているとき、前記第1の電極は、前記患者の腕又は手首の背側に設けられており、前記第2の電極は、前記患者の腕又は手首の腹側に設けられており、及び、前記第3の電極は、前記第1の電極及び第2の電極の間において、前記患者の腕又は手首に設けられている。
【0012】
いくつかの実施形態においては、前記電極は各々中心を備えており、及び、前記電極中心は、約5mmから前記手首又は腕の前記円周の4分の1離れている。
【0013】
いくつかの実施形態においては、前記バンドは、フレキシブル回路構成を備えており、前記バンドは、前記バンドの前記フレキシブル回路構成と前記パルスジェネレータとの間での、電気的通信も提供するリベットされたコネクタを介して前記ハウジングにくくり付けられる。
【0014】
いくつかの実施形態においては、前記ハウジングは、前記患者の手への方向に向けられるように構成された遠端と、前記患者の手から離れる方向に向けられるように構成された近端と、を備え、前記バンド、前記第1の電極、及び前記第2の電極は、前記ハウジングの前記近端よりも前記ハウジングの遠端により近い。
【0015】
いくつかの実施形態においては、前記パルスジェネレータは、前記単一のパルスジェネレータであり、前記システムは、更に、少なくとも電極の1つのペアの間で、前記パルスジェネレータをスイッチするように構成されたスイッチマトリクス、を備える。
【0016】
いくつかの実施形態においては、前記スイッチマトリクスは、単一高電圧ソース及びグランンドを備える。
【0017】
いくつかの実施形態においては、前記スイッチマトリクスにおける各電極は、保護回路構成の自身のセットに関連付けられている。
【0018】
いくつかの実施形態においては、前記パルスジェネレータから前記電極への交流刺激パターンを伝達するように構成されたコントローラ、を更に備える。
【0019】
いくつかの実施形態においては、前記刺激パターンは、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第1の神経への第1のパルス列、及び、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された異なる神経に伝達される第2のパルス列において伝達される電気的刺激の複数の交流バーストのアプリケーションを備え、前記第1のパルス列及び前記第2のパルス列は、前記振戦の周期の約2分の1オフセットしている
【0020】
いくつかの実施形態においては、前記刺激パターンは、電気的刺激の複数のバーストのアプリケーションを備え、各バーストは、約50Hz及び2,000Hzの間の刺激周波数、及び約50マイクロ秒及び1ミリ秒の間のパルス幅、及び、単相性長方形、二相性非対称長方形、あるいは、二相性対称長方形を含むグループから選択されたパルス形状を備える。
【0021】
いくつかの実施形態においては、前記刺激パターンは、電気的刺激の複数のバーストのアプリケーションを備え、各バーストは、前記振戦の周期の約2分の1の存続期間を備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記システムは、前記患者の腕又は手首のモーションを測定するように構成されたモーションセンサ、を更に備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記モーションセンサは、3軸ジャイロスコープ又は加速度計を備える。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記システムは、前記パルスジェネレータ及び前記モーションセンサと通信するコントローラ、を更に備え、前記コントローラは、前記モーションセンサによって生成される信号に基づいて、前記振戦の1つ以上の特徴を決定するようにプログラムされている
【0025】
いくつかの実施形態において、前記振戦の前記1つ以上の特徴は、前記振戦周波数、前記振戦振幅、及び前記振戦位相を含むグループから選択される。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記コントローラは、前記振戦の前記決定された特徴に基づいて、前記電気的な刺激の1つ以上のパラメーターを調整するように、更にプログラムされる。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記パルスジェネレータとの電気的通信のための1つ以上の電気コネクタを有する、使い捨て可能であり置き換え可能であるフレキシブルサブストレートに設けられる。
【0028】
いくつかの実施形態において、各電極は、くくり付け及び取り外しを行うことを援助するためにプルタブ、を更に備える。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記ハウジング及び/又はバンドは、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極を取り外し可能に受けるための複数の電気的スナップ、を備える。
【0030】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記ハウジング及び/又はバンドにおける前記複数の電気的スナップの位置に対応するスペースを有する薄いライナーに設けられる。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記システムは、前記電極の周りの前記薄いライナーに設けられる接着剤、を更に備える。
【0032】
いくつかの実施形態において、前記システムは、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極が前記ハウジング及び/又はバンドに取り付けられ得るように、前記ハウジング及び前記バンドを確実に支持するクレードル、を更に備える。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記クレードルは、前記ハウジングの前記ベースが露出されるように、前記ハウジングを確実に受けるためのキャビティ、を備える。
【0034】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記電極が前記ハウジング又はバンドから所定の距離伸びるように、前記ハウジング又はバンドに入り込まされている。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極及び第2の電極は、使い捨て可能であり置き換え可能である。
【0036】
いくつかの実施形態において、前記バンドは、前記電極を取り囲みこれらを脱水から保護するように構成されたモールド可能なギザギザを備える。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極及び前記第2の電極は、電気的に伝導性のハイドロゲルでコートされている。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極及び前記第2の電極は、フォーム裏層に接続される。
【0039】
いくつかの実施形態において、前記フォーム裏層は、前記電極の間に曲がりくねった形状の部分を備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記ハウジングは、1つ以上の押圧可能なユーザ入力ボタン、前記ハウジングのサイドに設けられた各ボタン、及び各ボタンから前記ハウジングの前記反対側における広い支え面、を備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記ハウジングは、前記患者の腕又は手首の前記湾曲に沿うカーブした面を有する皮膚接触サイド、を備える。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記システムは、再充電可能なバッテリと、前記バッテリを誘導的に充電するための外部ソースからのパワーを受けるように構成された誘導性コイルと、を更に備える。前記再充電可能なバッテリ及び誘導性コイルは、前記ハウジングにおいて取り囲まれ得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、前記電極は、約5mmと前記腕又は手首の周りの4分の1との間の直径又は幅、を備える。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記システムは、3個のみの電極を備える。他の実施形態においては、前記システムは、2個のみの電極を備える。
【0045】
いくつかの実施形態において、前記刺激装置に接続された前記電極の極性は、スイッチ可能である。
【0046】
いくつかの実施形態において、振戦を患っている患者を治療する方法が提供される。方法は、構成において前記患者の腕又は手首の周りに第1の電極及び第2の電極を備えるバンドを設けるステップであって、前記腕又は手首の横断面において、第1の神経と前記第1の電極との間にて伸びるラインと、前記第1の神経と前記第2の電極との間にて伸びるラインととの間において、90度から180度の角度が存在し、前記第1の神経は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択され、前記第1及び第2の電極は所定の距離だけ離されている、ステップと、前記患者の振戦を減少させるために前記第1の神経を励起させるべく、前記電極から第1の電気的刺激を伝達するステップと、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、前記バンドは、前記第1及び第2の電極から所定の距離だけ離されている第3の電極、を備えており、第2の神経と前記第1の電極との間にて伸びるラインと、前記第2の神経と前記第3の電極との間にて伸びるラインととの間において、90度から180度の角度が存在し、前記第2の神経は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記第2の神経を励起するために、前記第1の電極及び前記第3の電極から第2の電気的刺激を伝達するステップ、を更に備える、
【0049】
いくつかの実施形態において、第1の神経は前記正中神経であり、及び、前記第2の神経は前記橈骨神経である。
【0050】
いくつかの実施形態において、前記バンドはモーションセンサを取り囲んでいるハウジングに動作的に接続されており、及び、前記方法は、前記患者が振戦を引き起こすタスクを行っている間に、前記モーションセンサで前記振戦の1つ以上の特徴を測定するステップ、を更に含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、前記振戦を引き起こすタスクは、指示されたタスク又は運動の活動である。
【0052】
いくつかの実施形態において、前記指示されたタスクは姿勢保持であり、及び、前記運動の活動は描くこと又は書くことである。
【0053】
いくつかの実施形態において、前記振戦を引き起こすタスクは、標準の一日の活動の一部として指示されずに前記患者が行うタスクである。
【0054】
いくつかの実施形態において、前記振戦の前記測定された特徴は、前記振戦の周波数スペクトラムを含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記振戦の前記周波数スペクトラムにおける4から12Hzの範囲内での中心周波数ピークを決定することにより、振戦周波数を決定するステップ、を更に含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記振戦の前記測定された特徴は、前記振戦の振幅を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記振戦の周期に基づく期間によって、前記第2の電気的刺激から前記第1の電気的刺激を時間的にオフセットするステップ、を更に含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、前記期間は、前記振戦の前記周期を、刺激される神経の数によって割る関数である。
【0059】
いくつかの実施形態において、刺激される神経の数は2個である。
【0060】
いくつかの実施形態において、前記第1の電極は刺激装置の第1のコンタクトに電気的に通信し、前記第2の電極は前記刺激装置の第2のコンタクトに電気的に通信し、前記刺激装置は前記第1の電極及び前記第2の電極の間の電気パルスを生成するように構成されており、前記電気パルスは極性を有している。
【0061】
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記刺激装置の前記第1のコンタクト及び前記第2のコンタクトをスイッチするステップであって、前記第1の電気的刺激が二相性であるように、前記電気パルスの前記極性を変更するために、前記第1の電極が前記第2のコンタクトと電気的に通信し、及び、前記第2の電極が前記第1のコンタクトと電気的に通信する、ステップ、を更に含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、方法は、前記患者のモーションを測定するステップと、前記測定されたモーションのエネルギー、振幅、周波数、及びパターンを決定するステップと、前記測定されたモーションの前記決定されたエネルギー、振幅、周波数、及びパターンに部分的に基づいて、振戦モーションから非振戦モーションを分けるステップと、を更に含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、方法は、刺激感覚閾値及び筋肉収縮又は不快さ閾値を決定するステップ、を更に含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、方法は、前記刺激感覚閾値から筋肉収縮又は不快さ閾値への前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップ、を更に含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅をリニアに又は急激に増加させるステップ、を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、振幅の減少によって分けられる革新的により大きいピークのシリーズにおいて、前記振幅を増加させるステップ、を含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅を前記筋肉収縮又は不快さ閾値よりも大きな値に増加させるステップと、この後に、前記振幅を前記筋肉収縮又は不快さ閾値よりも低く減少させるステップと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅を階段的なインクリメントのシリーズにて増加させるステップ、を含み、振幅における各インクリメントは、所定の存続期間の間保持される。
【0069】
いくつかの実施形態において、振幅における各階段的なインクリメントは、各階段的なインクリメントにおける増加というよりも、大きさにおいてより小さい振幅の減少によってなされる。
【0070】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激及び前記第2の電気的刺激は、前記振戦の位相に同調的でなく伝達される。
【0071】
いくつかの実施形態において、前記方法は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び曲げセンサを含むグループから選択された、前記患者によって着用されるモーションセンサからの信号を分析することにより、前記振戦周波数及び位相を決定するステップ、を更に含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、振戦を引き起こすタスクの間に前記振戦の特徴を測定するためにモーションセンサを用いるステップ、及び、前記刺激の波形のパラメーターを決定するためにこれらの振戦特徴を用いるステップは、リアルタイムで行われる。
【0073】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激及び/又は前記第2の電気的刺激は、確率共鳴電気的刺激パターンを有する。
【0074】
いくつかの実施形態において、前記方法は、感覚閾値よりも高く且つ筋肉収縮閾値及び前記患者の痛み耐性閾値よりも低い電気的刺激のレベルを決定するステップ、を更に含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、前記バンドの前記位置決めは、前記患者の手における感覚異常によって確かめられる。
【0076】
いくつかの実施形態において、前記バンドの前記位置決めは、前記ハウジングの形状と1つ以上の解剖学上の特徴との比較に部分的に基づいている。
【0077】
いくつかの実施形態において、前記第1の電気的刺激は、約20及び60分の間の存続期間を有する。
【0078】
いくつかの実施形態において、前記方法は、特定のタスクの間前記患者の腕又は手首のモーションを測定するステップと、前記測定されたモーションから前記振戦の特徴を決定するステップと、を更に含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、前記特定のタスクは、姿勢、運動、又は故意の動きである。
【0080】
いくつかの実施形態において、前記振戦の前記特徴は、振戦周波数を含み、前記方法は、前記振戦周波数に基づいて前記第1の電気的刺激のバーストパターンのタイミングを交流にするステップ、を更に含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、振戦を患っている患者を治療する方法が提供される。前記方法は、患者の手首の円周を決定するステップと、バンドと、第1の電極、第2の電極、及び第3の電極のための所定の周りのスペースを有するハウジングとを提供するステップであって、前記所定の周りのスペースは、前記患者の手首の前記決定された円周に基づいており、前記ハウジングは、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極と電気的に通信するように構成されたパルスジェネレータを取り囲み、前記バンド及びハウジングは、前記第1の電極が前記腕又は手首の前記背側の前記正中におおよそ沿って設けられ、前記第2の電極が前記腕又は手首の前記腹側の前記正中におおよそ沿って設けられ、及び、前記第3の電極が前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられるように、前記手首に設けられるように構成されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は第1の電極ペアを形成し、前記第1の電極及び前記第3の電極は第2の電極ペアを形成する、ステップと、前記第1の電極ペアの間に第1の電気的刺激を伝達することによって第1の神経を刺激するステップと、前記第2の電極ペアの間に第2の電気的刺激を伝達することによって第2の神経を刺激するステップと、を含み得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、振戦を患っている患者を治療する方法が提供される。前記方法は、患者の手首の円周を決定するステップと、バンドと、第1の電極、第2の電極、及び第3の電極のための所定の周りのスペースを有するハウジングとを選択するステップであって、前記所定の周りのスペースは、前記患者の手首の前記決定された円周に基づいており、前記ハウジングは、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極と電気的に通信するように構成されたパルスジェネレータを取り囲む、ステップと、前記第1の電極が前記腕又は手首の前記背側の前記正中におおよそ沿って設けられ、前記第2の電極が前記腕又は手首の前記腹側の前記正中におおよそ沿って設けられ、及び、前記第3の電極が前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられるように、前記バンド及びハウジングを前記手首に設けるステップであって、前記第1の電極及び前記第2の電極は第1の電極ペアを形成し、前記第1の電極及び前記第3の電極は第2の電極ペアを形成する、ステップと、前記第1の電極ペアの間に第1の電気的刺激を伝達することによって第1の神経を刺激するステップと、前記第2の電極ペアの間に第2の電気的刺激を伝達することによって第2の神経を刺激するステップと、を含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、1つ以上の電極は、同じ時間に与えられた刺激装置のリードに接続され得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、装置が提供される。装置は、サブジェクトの1つ以上の神経をターゲットにするために調整可能になるように構成された電極の調整可能なアレイと、電極の調整可能なアレイに接続されるスキンインターフェースと、電極の調整可能なアレイに接続される調整可能なバンドと、バンドに接続されるエレクトロニクスボックスと、を備え得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、電極はライナーアレイである。
【0086】
いくつかの実施形態において、電極はサブジェクトの肢を1周まわる。
【0087】
いくつかの実施形態において、肢は手首である。
【0088】
いくつかの実施形態において、肢の背側における電極はコモン電極である。
【0089】
いくつかの実施形態において、肢の腹側における電極は信号電極である。
【0090】
いくつかの実施形態において、神経は、尺骨、正中、及び橈骨を含むグループから選択された神経、あるいはこれらの組み合わせである。
【0091】
いくつかの実施形態において、電極は、電極のアレイにおける電極の間で電流をスイッチするように構成されている。
【0092】
いくつかの実施形態において、電極のアレイにおける少なくとも2個の電極は、同じサイズである。
【0093】
いくつかの実施形態において、電極のアレイにおける少なくとも2個の電極は、異なるサイズである。
【0094】
いくつかの実施形態において、肢の背側のために構成された電極のアレイは、肢の腹側のために構成されたアレイの電極とは異なるサイズである。
【0095】
いくつかの実施形態において、電極のアレイにおける電極は、電流の最大量を受けるように構成される。
【0096】
いくつかの実施形態において、電極のアレイにおける2つ以上の電極の間のインピーダンス値は、20nFから120nFである。
【0097】
いくつかの実施形態において、電極のアレイにおける2つ以上の電極の間のインピーダンス値は、5nFから300nFである。
【0098】
いくつかの実施形態において、電極のアレイは、Ag/AgCl、Ag、Au、ステンレススチール、及び伝導性ラバーを含むグループから選択された材料を含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、スキンインターフェースは、ハイドロゲル、伝導性流体、伝導性ゲル、伝導性ローション、布、あるいは、これらのいくつかの組み合わせを含むグループから選択された材料を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、スキンインターフェースは、ハイドロゲルを含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、ハイドロゲルは、電極間の電流の漏れを防止するインピーダンス値を有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、2個以上の電極のインピーダンス値は、電極のスペースに依存する。
【0103】
いくつかの実施形態において、スキンインターフェースレイヤは、体積抵抗において、1000ohm-cm超えから100kohm-cmの範囲である。
【0104】
いくつかの実施形態において、装置は、電極のアレイにおける電極とスキンインターフェースとの間におけるいくらかの電流の漏れを有する。
【0105】
いくつかの実施形態において、漏れ電流は、50%未満である。
【0106】
いくつかの実施形態において、漏れ電流は、30%未満である。
【0107】
いくつかの実施形態において、漏れ電流は、10%未満である。
【0108】
いくつかの実施形態において、ニューロモデュレーション装置を、振戦を患っているサブジェクトに取り付けるための方法が提供される。方法は、前記サブジェクトの1つ以上の神経に調整されるように構成された、調整可能な電極のアレイを有する装置に前記サブジェクトの肢をコンタクトするステップと、神経レスポンスの位置を決定するステップと、前記神経レスポンスの位置に基づいて前記サブジェクトに前記装置を取り付けるステップと、を含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、前記神経レスポンスは、神経異常である。
【0110】
いくつかの実施形態において、前記神経レスポンスを決定する前記方法は、前記電極のアレイにおける電極を刺激すること、を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、神経レスポンスの前記位置は、直接法の神経活性化である。
【0112】
いくつかの実施形態において、神経レスポンスを決定する前記方法は、フィードバック装置に前記肢の異なる部分をコンタクトするステップ、を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、前記肢は、手首、指を含む前記異なる部分を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、前記フィードバック装置は、測定電極、を備える。
【0115】
いくつかの実施形態において、前記電極の活性化は、どの神経が励起されたかを示す。
【0116】
いくつかの実施形態において、神経レスポンスを決定する前記方法は、前記肢の位置上の動きを識別するステップ、を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、前記取り付けるステップは、前記装置で前記肢における神経を活性化するために前記肢に前記装置を設けるステップ、を含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、前記取り付けるステップは、前記活性化のために必要である、活性化のための電極を選択するステップ、を含む。いくつかの実施形態において、パラメーターは、メモリに格納され得るもので、治療の間、前記装置における前記マイクロコントローラによって参照され得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、前記活性化するステップは、抹消神経刺激、を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、前記活性化するステップは、前記サブジェクトにおける振戦を治療する。
【0121】
記述された実施の形態の多数は、2個又は3個の電極を備えているが、他の実施形態は、特に、追加的な神経がターゲットにされる場合、追加的な電極を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0122】
図1A】乃至
図1E図1A乃至図1Eは、振戦を減少させるために、抹消神経刺激を提供し、個々の神経にターゲットしている装置及びシステムの実施形態の様々な図を図示している。図1Eは、様々なコンポーネントを有する装置のハウジングの概要を示す。
図2A】及び
図2B図2Aは、アレイコンセプトの実施形態からのカスタマイズされた刺激で、患者のための振戦における減少を示しているグラフを示している。図2Bは、(左にて)刺激の前及び(右にて)刺激の後の患者によって描かれたスパイラルにおける改善を示す。
図3A】乃至
図3C図3A乃至図3Cは、多数の神経を刺激するために必要とされる電極の数を減少させるための、手首の裏におけるコモン電極、及び、励起のためにターゲットされる神経を選択的に刺激するための、手首周りに設けられる電極を含んでいる、手首における電極の様々な実施形態を示す。
図4A】及び
図4B図4A及び図4Bは、電極の並べられ方にかなり依存している、いくつかの実施形態におけるバンドの変化させ得方を示す。図4Aは、ライン配置にて、必要なリストバンドのサイズを増加させることを示す。図4Bは、電極がコモン電極の円周に沿って設けられる場合に、バンド幅が減少することを示す。
図5A】乃至
図5C図5A乃至図5Cは、変化している解剖学において、所定の神経をうまくターゲットした電極パッドの間における異なる固定されたスペースの様々な実施形態を示す。
図6図6は、いくつかの実施形態において電極の最大サイズの演算され得方を示すダイアグラムを示す。
図7A】及び
図7B図7A及び図7Bは、バンドを簡便化するために、バンドの外及びボックスの中への、電気コネクタの移動され得方を示す。
図8A】及び
図8B図8A及び図8Bは、神経に沿って縦に設けられた電極での従来の正中神経の励起(図8B)対、手首の周りに1周設けられた電極のアレイによる励起(図8A)の実施形態を示す。
図9図9は、フレキシブル回路刺激アレイの実施形態を示す。サブストレートは、フレキシブルであり、手首の周りを取り囲んで適合され得る。
図10図10は、刺激の有効な領域を減少させて、特定の神経にターゲットするべくアレイの感度を増加させるために、図9に比べて同様なエレメント間のスペースであるが、より小さい長方形のパッドで製造されたフレキシブル回路の実施形態を示す。
図11図11は、円形の電極アレイで製造されたフレキシブル回路の実施形態を示す。
図12図12は、単一の刺激装置が各電極に個別に対応するのを許容するスイッチング回路の実施形態を示す。
図13図13は、電気的に絶縁されているキャリアにおいて、伝導性のエレメントの一方向性の伝導性マイクロアレイの実施形態を示す。
図14A】乃至
図14D図14A乃至図14Dは、電極が従来の電極及びアレイのための皮膚から剥離するときの、電流密度における影響を示す。
図15A】乃至
図15D図15A乃至図15Dは、従来の電極及びアレイのための電流密度において電気的なショートの影響を示す。
図16図16は、電極アレイのための可能性のある構造の実施形態を示す。
図17図17は、本態性振戦を治療するために用いられた正中及び橈骨神経の間の典型的なパターン波形を示す。
図18図18は、N個の異なる神経でのパターン波形を示す。各バーストの存続期間は、Nによって割られた振戦の周期と等しい。各神経は各バーストによって励起され、全体のパターンは振戦周期に等しい時間において繰り返す。
図19図19は、異なる神経のパルス列の順番がランダム化されている実施形態を示す。
図20図20は、刺激において休止を示しているパターン波形を示す。
図21図21は、二相性波形を生成するために用いられ得るスイッチマトリクスを示す。
図22図22は、どの電極がターゲットの神経を刺激するかを自動的に決定するための、神経伝導の測定の用いられ得方を示す。
図23A】及び
図23B図23A及び図23Bは、電極の選択又は位置の変化の、手首における電気電流場の形状又は密度への影響のし方を示す。
図24A】乃至
図24F図24A乃至図24Fは、振戦の様々な特徴の、患者に伝達される刺激を適応するためにフィードバックとして用いられ得方を示す。加えて、例えば、患者のカレンダーから収集された情報に基づく予言的な適応は、刺激をトリガするために用いられ得る。
図25A】乃至
図25C図25A乃至図25Cは、振戦の長期間の監視と共に治療の推奨を許容する、多数の組み合わされた人口からの編集されたビッグデータの、病気及び振戦の分類の改善し方を示す。
図26図26は、振戦フィードバック、長期間監視データ、外部データ、及び予言的な適応の、治療を調整するための用いられ得方を示すフローチャートを示す。
図27A】及び
図27B図27A及び図27Bは、患者の感覚及び刺激の振幅の間の関係を示す2サブジェクトの結果を示す。
図28A】乃至
図28D図28A乃至図28Dは、様々なランプの型を示す。
図29A】及び
図29B図29A乃至図29Bは、各ランプの間のレベルにおいて、休止又は小さな減少を有する、刺激レベルを増加させる小さなランプのシリーズを示す。
図30図30は、3軸センサからの振戦周波数の演算され得方のフローチャートである。
図31A】及び
図31B図31A及び図31Bは、振戦周波数の誤った又は不正確なピークの検出され得方を示す。
図32図32は、振戦周波数の日の進行における変化し方を示す。
図33図33は、他の身体的活動の振戦としての間違えられ得方を示す。
図34図34は、振戦の中心周波数を演算することからの活動の識別のし方の例としての、振戦対非振戦の活動の回帰モデルを示す。
図35図35は、バンドと皮膚との間に快適な封止を生成するために、圧縮したネオプレンに入り込まされた電極スナップの断面図を示す。
図36A】乃至
図36C図36A乃至図36Cは、着用者の腕/手首にくくり付けられて固定された後に、着用者がアームバンドのテンションを調整することを許容する、スナップ又はボタンファスナーと組み合わされている調整可能なバックルの様々な図を示す。
図37A】及び
図37B図37A及び図37Bは、非粘着プルタブを有する電極の実施形態を示す。
図38図38は、装置へのより容易な実装のために薄いフィルムライナーにおいて適切にスペースが開けられている電極を示す。
図39A】乃至
図39C図39A乃至図39Cは、曲がりくねった接続のためのコンセプトを含んでいる、単一のフォーム裏によって接続された電極を示す。
図40A】及び
図40B図40A及び図40Bは、電極を実装又は取り外すときに、装置を支持するために用いられるクレードルの実施形態を示す。
図41図41は、手首においてより容易に遠位に神経をターゲットにするために、エレクトロニクスハウジングに関して電極が遠位にシフトされる、ウエアラブル刺激装置の実施形態を示す。
図42A】乃至
図42D図42A乃至図42Dは、支え面の反対のハウジングのボタンを設けている様々な手法を示している。
図43図43は、丸いスナップを有する電極の1つの実施形態を示す。
図44A】乃至
図44C図44A乃至図44Cは、単一の手のみを用いてユーザの手首又は腕にくくり付けられ得るバンドの実施形態を示す。
図45A】及び
図45B図45A及び図45Bは、バンド及びこれのエレクトロニクスを示す。
図46図46は、ベースステーションに装置を配置して接続することを支援し得る鍵形を有する充電ブロックの実施形態を示す。
図47A】乃至
図47C図47A乃至図47Cは、バンド及び誘導充電器の他の実施形態を示す。
図48A】乃至
図48C図48A乃至図48Cは、ファスナー及び電極を有する1つ指のグローブの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0123】
本願発明の新規な特徴は、以下の請求において特に明らかにされる。本願発明の特徴及び有利な点のよりよい理解は、本願発明の原理が利用されている、これの例示の実施形態を明らかにする以下の詳細の記述、及びこれの添付の図面を参照することにより獲得されるであろう。
【0124】
本発明の1つの側面は、個々の神経をターゲットにしている、抹消神経の刺激を提供する装置及びシステムである(図A-1E)。本発明の1つの側面は、個人への経皮的な電気的治療のカスタマイズ及び最適化を許容する、装置及びシステム10である。特に、記載された装置10は、治療している振戦のための手首における正中、橈骨、又は尺骨神経の電気的な刺激のためである。これらの特定の神経をターゲットにすること、及び適切にカスタマイズされた刺激を利用することは、より効率的なセラピー(例えば、減少する振戦)をもたらす。
【0125】
図1A図1Eは、振戦を減少させるために、個々の神経をターゲットにしている、抹消神経への刺激を提供する装置及びシステム10の実施形態を図示する。いくつかの実施形態において、装置10は、手首又は腕に着用されるように設計される。いくつかの実施形態において、腕時計のようなハウジング12に設けられたエレクトロニクスは、振戦を測定し、及び、また、電気的な刺激の波形を生成する。バンド14及び/又はハウジング12における電気的コンタクトは、刺激の波形を、使い捨て可能な電極16に送る。バンド12におけるコンタクトの位置は、例えば正中神経及び橈骨神経のような特定の神経が手首にてターゲットとされるように、配置される。エレクトロニクスのハウジング12は、また、刺激についてのフィードバック、及び測定された振戦の特徴及び履歴を、装置の着用者に提供するために、デジタルディスプレイスクリーンを備え得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、治療装置10は、1)手首を囲んでいる電極16のアレイ、2)人間への良い電気的なコンタクトを確実にするためのスキンインターフェース、3)刺激装置又はパルスジェネレータ18、センサ20、及び、例えば命令を実行するためのコントローラ又はプロセッサ22、命令を格納するためのメモリ24、ディスプレイ及びボタンを含み得るユーザインターフェース26、通信モジュール28、再充電可能なバッテリ30、及び任意でバッテリ30を充電するための誘導コイル32等のような、他の想定されるエレクトロニクスを収容しているエレクトロニクスのボックス又はハウジング12、及び4)全てのコンポーネントを一緒に保持し、個人の手首の周りに装置を確実にくくりつけるためのバンドを備える手首着用の装置である。
【0127】
このシステムは、本明細書に記載の実施形態に従って、患者の手首における神経に電気的な刺激を提供した後に、劇的な振戦の減少を示した。図2Aは、姿勢保持の間の振戦のエネルギーを測定するためのジャイロスコープを用いて検出された振戦の減少の例である。図2Bは、患者にスパイラルを描かせることによって検出された振戦の減少の例である。
【0128】
円周、スペースがあけられた電極
我々の装置の1つの側面は、手首の背側に設けられた共有又はコモン電極300(図3A参照)と一緒に、ターゲットの2つの神経(例えば、正中及び橈骨)への3つのみの電極の使用である。いくつかの実施形態においては、コモン電極300は、腕又は手首の背側の長さ方向における正中におおよそ設けられ得る。いくつかの実施形態においては、追加電極302は、正中神経をターゲットにするために、腕又は手首の腹側の長さ方向において正中におおよそ設けられ得る。いくつかの実施形態においては、更なる他の電極304は、橈骨神経をターゲットにするために、コモン電極300と腹側に設けられた電極302との間に設けられ得る。いくつかの実施形態においては、更なる追加電極は、尺骨神経をターゲットにするために設けられ得る。より一般的には、電極のサブセットを組み合わせることは、N個よりも少ない電極で、N個の神経をターゲットにすることを許容する。
【0129】
図3B及び3Cは、患者の手首又は腕の横断面における、正中神経306及び橈骨神経308に関する、コモン電極300、腹側に設けられた電極302、及び橈骨電極304の位置を図示している。電極300、302、304は、腕又は手首の横断面でのプロジェクションにおいて、正中神経306と共有電極300の中心とを結んだ線と、正中神経306と腹側に設けられた電極302の中心とを結んだ線との間に、90度から180度の角度α1が存在し、及び、橈骨神経308と共有電極300とを結んだ線と、橈骨神経308と橈骨電極304とを結んだ線との間に、90度から180度の角度α2が存在するように、配置される。角度α1及びα2は各々、(α1が図3Bにて示されるように)反時計回り方向、又は、(α1が図3Cにて示されるように)時計回り方向の何れかであってよい。より一般的には、電極は、電極が患者の手首の周り一周に設けられるときに、各電極のペアとそのターゲットの神経との間に形成された角度の1つが90度及び180度の間となるように、所定の距離だけ離間され得る。このような方向は、一般的にはターゲットの神経の反対側に設けられている電極ペアの各電極をもたらす。すなわち、ターゲットの神経は、電極のペアの間におおよそ設けられる。
【0130】
図4A及び4Bに示されるように、手首の周り一周に設けられた3つの電極400、402、404は、(1)同じ神経に沿って縦に設けられた電極400’、402’である典型的な配列に比べて減少したバンド幅、及び、(2)各神経をターゲットにするために互いからわたる電極のペアを備えることにより、組織の内部により深くターゲットすることを許容する。実施形態は、2個の神経の刺激のための3個の電極に関連して記載されたが、代替の実施形態は、単一の神経を刺激するために2個の電極であって、電極が神経の反対側から神経を刺激できるように固定されたスペースを有し得る2個の電極を利用し得ることについて、理解される。同様に、他の実施形態は、3個より多い電極を利用し得る。例えば、追加電極は、尺骨神経をターゲットにするために追加され得る。加えて、電極の異なる組み合わせは、正中、橈骨、及び尺骨神経のグループから1個以上の神経をターゲットにするために用いられ得る。
【0131】
手首における円周の位置を選択的に刺激することにより、異なる手首のサイズでのいくつかの個人の神経をマッピングすること、及び、神経の位置における変化性を示した正中、橈骨、及び尺骨神経を識別するために、ユーザが感覚異常を感じる場所を確かめることは、生理学における高い個人の不確定要素と共に、手首のサイズに対する神経の位置における変化性を示した。個々の神経は、例えば図3Aにて示される位置、あるいは、以下に記載の、これらの個々の神経の選択を許容するアレイのような、正確な位置に設けられた電極にてターゲットにされ得る。
【0132】
表1は、個人の手首のサイズ及び橈骨、正中、及び尺骨神経を刺激するために必要とされた刺激の場所を示す。多数の位置は、時々同じ神経をターゲットにし得ること、及び同じ手首周りの距離及び幅の個人は、しばしば全然違うレスポンスを有し得ることにも留意されたい。ゼロは、各個人の手首の中心ラインであり、数は、手のひらを上にして手首を見たときの、中心ラインの左(負)への及び右(正)へのエレメントを参照する。この表における全てのサブジェクトは、右ききであった。U=尺骨、M=正中、及びR=橈骨
【表1】
【0133】
装置のいくつかの実施形態は、手首周りに基づいて変化する生理学を有する患者における神経をターゲットするために、適切なサイズにされた電極の間の異なる固定されたスペースを有する。5パーセンタイルの女性から95パーセンタイルの男性の手首周りは、13.5―19.5cmである。サイジングのダイアグラムは、22mmの矩形の電極を用いている3つのバンドの構成を図示する図5A―5Cに示される。図5Aは、約13mmのスペースをあけられた3個の電極502を有するバンド500であって、約13.5cmから15.5cmの間の周りを有する手首のために用いられ得るものの実施形態を図示する。22mmの電極が用いられているので、電極の中心の間のスペースは、35mmである。スペースを決定するための手法は、以下にさらに記載される。図5Bは、約18mmのスペースをあけられた3個の電極502’を有するバンド500’であって、約15.5cmから17.5cmの間の周りを有する手首のために用いられ得るものの実施形態を図示する。図5Cは、約23mmのスペースをあけられた3個の電極502’’を有するバンド500’’であって、約17.5cmから19.5cmの間の周りを有する手首のために用いられ得るものの実施形態を図示する。
【0134】
電極構造のサイジングは、患者の快適性、装置の電力消費、及び神経をターゲットするための能力のバランスに基づき得る。小さな電極は、神経を刺激するために小さな電流及び電力が必要とされるので、有利である。しかしながら、より小さな電極は、(1)電極が解剖学上の正しい位置に正確に設けられる必要があるので、神経をターゲットすることの困難性が増加されること;(2)電極間に生成される電界のエッジ効果が強められることにより、患者の快適性を減少させること;及び(3)皮膚とコンタクトする電極の表面エリアが減少されることであって、電極全体における小さな偏り、及び患者の快適性を減少するための皮膚の接着を引き起こし得ること;を含んでいるいくつかの不利な点を有し得る。これに対して、より大きな電極は、電界エッジ効果の減少、電極における小さな偏りへの感度における減少、及び刺激装置における電流振幅への感度における減少により、患者のためにより快適な傾向があるので、より大きな電極は、有利な点を有する。加えて、より大きな電極のために精密な配置が必要とされない。しかしながら、より大きな電極の不利な点は、特定の電流密度を達成するために、より多くの電流及び電力を要することである。
【0135】
いくつかの実施形態においては、手首周り及び神経の位置は、電極のサイズの選択をドライブする一次の解剖学上のファクターである。正中神経は、一般的に、手首の腹側の中心ライン上に設けられる。従って、例えば図3に示されるように、電極302、正中電極は、手首の腹側の中心ライン上に設けられ得る。より深い構造をターゲットにして装置の幅を最小化するために、他の電極300、リターン電極又はコモン電極は、手首の反対側又は背側の中心ラインに設けられ得る。いくつかの実施形態においては、正中電極は、リターン電極が手首の背側の中心ラインに設けられることを維持している間、親指に向けてバイアスされるために、中心ラインからオフセットされ得る。いくつかの実施形態においては、正中電極のオフセットは、最大で手首の周りの約4分の1である、所定の距離であり得る。第3の電極、橈骨電極は、橈骨神経にターゲットするために、第1及び第2の電極の間に設けられ得る。いくつかの実施形態は、3個より多い電極を利用し得る。例えば、追加電極は、尺骨神経にターゲットするために加えられ得る。加えて、電極の異なる組み合わせは、正中、橈骨、及び尺骨神経のグループからの1つ以上の神経をターゲットにするために使用され得る。いくつかの実施形態においては、全ての電極は、(1)大きなボリュームでの製造性の容易さ、及び(2)電極のいくつかのペアでの同じ電流密度を維持することによる改善された快適性の、2つの理由によって同じサイズ(すなわち、エリア)であり得る。図6に示されるように、これらの考慮は、より小さい人の手首(5パーセンタイルの女性)又は約3.5cmの周りの4分の1として、正中神経602及び橈骨神経604を刺激するために、電極600のサイズのための上限を設定し得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、電極アレイの文献において見出されたより小さいサイズに基づいて、電極の下限は、5mmであり得る。これらのリミット内で、刺激装置のパワーと神経ターゲットとの間のよいバランスを許容するので、22mm対22mmのサイズが選択された。22mmのサイズは、ウエアラブルデバイスのフォームファクターのための不合理な電力の量を消費すること無しで、神経にターゲットするためのミスアライメントの合理的な量(経験的に測定された円周の約1cm)を許容した。22mmのサイズは、また、ECG装置にて商業的に用いられるとき、22mmのサイズは、また、電極製造のための標準サイズである。いくつかの実施形態においては、電極のサイズは、10mm及び30mm、あるいは15mm及び25mm、又は20mm及び25mmであり得る。
【0137】
電極のサイズに基づいて手首のサイズにおけるバリエーションを収容するために、電極のスペースは、いくつかの実施形態において3つのサイズにグループ化でき、各サイズは2cmの手首周りの範囲に及ぶ。各範囲において、その2cmの範囲における手首周りの中央が選択され、及び電極のスペースは、手首周りに基づいて演算された。例えば、最小のサイズのバンドにおいて、手首のサイズ13.5cmから15.5cmのために、演算は14.5cmの手首周りに基づいた。正中電極及び手首の裏のリターン電極のスペースの中心から中心のスペースは、手首の周りの粗く半分であるべきである。電極のサイズ(22mm)を減じることは、電極間のスペースが約13mmであるべきであることを決定する。
【0138】
サイジングの演算は、また、電極が不正確にシフトされ又は設けられた場合に備えて、正中神経を刺激することにてより効率的であり及び尺骨神経の刺激を避けるとき、正中電極の場所が親指にそれるように、わずかにバイアスされた。いくつかの実施形態において、尺骨神経は、早期のテストにおいて不快感が引き起こされることが見いだされたとき、尺骨神経の刺激は、橈骨神経の刺激よりも好ましくなくてよい。
【0139】
テストアレイは、所望の距離にてライナーに、ハイドロゲル電極を添付することにより製造された。コモン電極は、手首の裏の中心に整列され、及びハイドロゲルは、刺激装置に接続された。表2に示されるように、全てのサブジェクトは、適切に選択されたバンドを用いて、橈骨及び正中神経にターゲットすることができた。親指への1cmのシフトにて、ほとんどの個人は、正中神経の励起の減少を経験し、刺激のより大きな振幅を適応され得た。小指への1cmのシフトにて、多数の個人は、尺骨の感覚を得た。電極パッドサイズの約半分の大きなシフトの後、ほとんどのサブジェクトは、正しい神経の刺激を感じることが未だできたが、しかし、時折、刺激のより大きな振幅を要した。これらの予備的な結果は、電極のスペース及びサイズは十分であったことを示した。
【表2】
表2:いくつかの個人の正中及び橈骨神経にうまくターゲットする電極のスペースを確認しているデータ
【0140】
装置の1つの実施形態において、電極接触は、エレクトロニクスのボックスの下側に設けられ得るもので、電極接触の1つのタイプは、スナップボタンであり得る。図7A及び7Bにおいて、全ての3個の電極コネクタ700は、エレクトロニクス702の下側に設けられる。エレクトロニクス702におけるコネクタ700は、補足コネクタ706を有し得るフレキシブル電極システム704とインターフェースし得る。フレキシブル電極システム704は、また、電気トレース710を使用する補足コネクタ706に電気的に接触される3つの電極708を備える。フレキシブル電極システム704のコンポーネントは、フレキシブルライナー712に実装され得る。電極接触がエレクトロニクスのボックスにあるこの構造の利点は、エレクトロニクスがバンドにおいて必要とされないことである。この構造の不利な点は、フレキシブルトレース710が、カスタムの製造及び増加したコストのつり合いを要し得る点である。加えて、フレキシブルトレース710は、バンドを幅広にし得る、又は、2層フレックスとして形成された場合、追加の複雑さ及びコストを与え得ることである。
【0141】
他の電極アレイ構成
様々なタイプの電極アレイが用いられ得る。上述のいくつかの実施形態において、例えば3個の電極のような、患者の手首又は腕の周り一周に設けられた2個以上の電極の円周アレイが、用いられ得る。2次元アレイを含んでいる他の電極アレイの構成も用いられ得る。これらの電極アレイにおいて形成された電極のペアは、各エレメントが個別的にアドレッシング可能であり、及び限られた電流密度を有するように、設計され得る。このアレイ構成は、従来のデュアルアレイに対する改善である。第1に、これは、不快を引き起こし得る及びより大きなエレメントでのやけどのリスクを増加させ得る電流密度スパイクを制限する。例えば、ハイドロゲルが皮膚に僅かに接触している布電極を剥離又は乾燥する時に、不快及びやけどが起こり得る。第2に、これは、各患者の特定の幾何学又は神経生理学のための最適な刺激の位置を選択することを可能にする。刺激の場所は、単一の電極のセットを励起すること、あるいは、多数の電極の同時励起を用いる電流を導くことの何れかにより、ターゲットされ得る。第3に、これは、刺激により皮膚の痛みを減少させ得る皮膚の一定のパッチに適用される電流密度全体を減らすために、時間に対して刺激の位置をシフトすることを許容する。
【0142】
いくつかの実施形態においては、電極アレイは、手首の周りのリングにて設けられた電気的なコンタクトの定義されたパターンを備え得る。電気的に刺激するために、電流は、人間の皮膚を介するコンタクトの2個のセットの間に適用され得る。このアレイにおいて、いくつかの数の電極は、コンタクトのセットの何れかに接続され得るもので、これをかなり構成可能にする。ほとんどのシチュエーションにおいて、スキンインターフェースは、電極コンタクトと人間との間にも設けられることが必要であろう。多くのケースにおいては、アレイの機械的なプロパティと組み合わされたこのスキンインターフェースの機械的及び電気的プロパティは、装置のパフォーマンス及び複雑さに影響を及ぼすであろう。
【0143】
手首における神経の励起のために典型的には、図8Bに示されているように、2個の電極800’は、少なくとも1cmの合理的なスペースで、神経に沿って縦に設けられる。この位置決めの目的は、下にある神経804をデポラライズさせるために、電界802’を組織に貫通させるためである。2個の近傍の電極800’では、刺激する電流の浅い貫通のみが存在する。これに対して図8Aに示されているように、手首の反対側にて励起された電極800で、電界802は手首を介して広がり、及び、組織内により深い神経804の励起を可能にする。図4A及び4Bに示されているように、縦に設けられた電極を用いている刺激の同じレベルを達成することは、より大きなカフスを要求するようであろう。従って、円周のアレイは、コンパクトであり、よって、ウエアラブルデバイスのために有利である。アレイの構成変更を可能とすることの利点は、同じ神経に到達され得るものでありながら、従来の正中神経の刺激よりもコンパクトな形態要素とすることである。
【0144】
円周のアレイ構造は、サイズの問題に関するものである。図9に示されているように、いくつかの実施形態においては、電極902のフレキシブルアレイ900は、フリーサイズ形式にて生成され得るもので、いくつかの個人の手首の周りに設けられ得た。しかしながら、用いられない電極902は、刺激装置によって単純に適用されない。このことにより、1つのサイズを多くの人々に向けてカスタマイズ可能とすることができる。
【0145】
アレイの設計は、1)中心から中心へのスペース、2)エレメント間のスペース、及び3)電極の形状、及び4)典型的にはハイドロゲルである、スキンインターフェースの電気的及び機械的なプロパティによって定義される。いくつかの実施形態においては、振戦の手首着用治療のために、アレイ900は、約1cmの中心スペース、約2mmのエレメント間スペース、及び2mmレースのような丸コーナーの長方形のエレメントを備える。アレイ900がボディに準拠しているので、コンタクトは、他のトレース及びサブストレートの材料が、ポリイミドにおける金銅のように、使用され得たが、柔軟ポリエステルのサブストレート906における電気的に伝導性のAg又はAg/AgClのトレース904として製造され得る。合理的に高い体積抵抗力(~2500ohm-cm)を有するハイドロゲルの単一の一片は、アレイ全体に適用され得るもので、及び、皮膚にコンタクトするために用いられ得る。これらのパラメーターの選択は、解剖学のサイズ、スキンインターフェースの電気的な特性、刺激の感覚、刺激の存続期間、及びエレクトロニクスの許容される複雑さの所望の範囲によって決定される。
【0146】
いくつかの実施形態においては、装置は、エレメント/電極の間のクロストークを最小化するために設計される。クロストークは、近傍の領域が刺激される原因となり、パワーの排出を導き得るもので、刺激のオフターゲットの副作用の増加を導き得る。クロストークは、横方向における電流の広がりをやめさせるために、及び、刺激の有効な領域を制限するために、高い体積抵抗力を有するハイドロゲルを選択することによって、最小化され得る。低い体積抵抗力で、電流の広がりは、個人の神経を明確にターゲットする能力を抑制し得た。加えて、より大きな抵抗力のハイドロゲルは、エッジ効果を減少させ、及び、刺激の快適さを増加させる傾向にある。しかしながら、大きすぎる体積抵抗力は、より多くのパワーを消費し、エレクトロニクスの要求を増大させ、及び、バッテリのサイズを増大させる。いくつかの実施形態においては、中間の抵抗力は、これらの競合しているニーズをバランスさせるために選択され得る。加えて、少量の電流の広がりは、また、電流密度が徐々に先細るときに、患者の快適さに優位であり得た。
【0147】
クロストークは、また、形状及びエレメント間のスペースを変更することにより、レギュレートされ得る。例えば、アレイ100における電極1002(図10)のエリアを減少させることは、図9と比べると励起された領域の制限を支援し得る。中心スペースを変更することは、また、隣接しているエレメント/電極の重複領域を制限し得る。
【0148】
電極の形状を変更することは、また、領域における励起を制御し得るもので、及び、刺激をより快適にし得る。長方形のエレメントのケースにおいて、しばしば角部は、電流密度の増加を示し、不快さを導き得る。いくつかの実施形態においては、円形のエレメント/電極1102(図11)は、快適さを増大させるために選択され得る。
【0149】
クロストークを減少させる更なるアプローチは、ハイドロゲルのピースを分けて、パッドからパッドへの電流の流れを取り除くことである。しかしながら、これは、製造工程の複雑さを増大させる。
【0150】
図12に示されるように、いくつかの実施形態においては、アレイを駆動するエレクトロニクス及び電気回路1200は、各チャンネルにおいてスイッチ1210を開くこと又は閉じることにより、与えられた時間に刺激装置1208の2個のコンタクト1204、1206の何れか1個を、各個別の電極1202に接続させることを許容する適合可能スイッチを備える。各チャネルは、皮膚の痛み及びやけどを防止するためにチャージバランスが重要であるので、DCブロッキング回路1212を備え得るもので、及び、また、皮膚の痛み又は不快さを引き起こし得た電流サージを防止するために、電流リミットに1214によって個別的に電流制限が行われ得る。この電流制限は、特定の患者又は患者のグループのために、所定の許容性の閾値に設定され得る。多数のトランジスタ回路、あるいは、特定のノードに電流を制限又はシャットダウンする技術において知られたポリフューズ(polyfuses)のようなコンポーネントが存在する。これらの回路、及び、例えば刺激装置、スイッチ、及び電流リミッタのようなこのコンポーネントは、リアルタイムでマイクロプロセッサ1216によって制御され得るもので、及び/又は、プログラムで制御され得る。スイッチマトリクスは、多数の電極が、柔軟性の最大化のために、与えられた時間に同じ刺激装置のコンタクトに接続されることを許容する。加えて、電極は、以下に示すように相反するパルスを生成するために、刺激装置の正及び負のコンタクトの間でスイッチされ得る。
【0151】
アレイジオメトリの他の利益は、下にある神経生理の物理的なレイアウトをマップすることである。これは、各サブジェクトのために適切に刺激を調整するために用いられ得た。例えば、アレイエレメントは、下にある筋肉発火(筋電図検査)、あるいは、下にある神経活動(神経電気検査)をマップするために用いられ得る。この情報は、振戦を監視するために、あるいは、刺激の延長時間を最適化するために、閉ループのシステムにおいて用いられ得る。
【0152】
記載された円周のアレイへの下にあるコンセプトを、微細なマイクロアレイに広げることは、刺激のために重要な優位を提供する。ミニチュアを有する材料である構造、電流制限アレイエレメントは、電流スパイク又は電極剥離の問題を解決するであろう。マイクロアレイを設計することは、クロストークを防止するための高い横方向インピーダンスのための必要と、刺激装置からの効率的なパワー移送のための低いインピーダンスのための必要とのバランスである。図13において示されているように、このようなマイクロアレイ1300は、織布、あるいは、一軸に伝導ジオメトリを生成するために、絶縁しているポリマにおける、一連の伝導エレメント1302であり得る。
【0153】
皮膚への粘着が構成されているときに、シチュエーションにおいて快適に維持し及び安全な刺激を維持するために、従来の電極システムの代わりにマイクロアレイを用いることの優位が存在する。2個のシチュエーションは、患者への痛み及びやけど、電極剥離及び電極材料のブレイクダウンを導き、両者は、電流密度の増加に関連する。従来の電極システムにおいては、図14Aに示すように、電流I1400は、皮膚1404に取り付けられた領域Aの単一の電極1402に供給される。電流密度は、J=I/Aである。電極が剥離1406するとき、図14Bに示されるように、領域Aは減少し、これは電流密度Jを増加させる。電流密度は、ポイントに増加させ得るもので、患者は、不快になり、あるいは、皮膚における副作用を経験する。
【0154】
レギュレートされた電流密度を有するマトリクスアレイにおいては、しかしながら、電流密度は、不快さを防止するためにレギュレートされ得る。図14Cにおいて、大きな電極領域は、より小さなエレメント1408を有する電極アレイに分けられる。各エレメントは、快適1412である値に電流を制限する関連する電流制限回路1410を備える。これらの電流リミッタが存在するから、図14Dにおいて、アレイエレメントのいくつかが剥離1414し、ゼロの電流がこれらのエレメント1416を介してながれるときでさえ、エレメント1412の残りの全てを介する電流は、未だ、快適なレベルに制限される。
【0155】
マイクロアレイが従来のシステムに対する利益を提供する第2の共通のシチュエーションは、材料におけるブレイクダウン、あるいは、材料の機械的な性質によって、電極の1つの領域がショートされるときである。従来の電極システムにおいては、図15Aに示されているように、電流I1500は、皮膚1504における電極1502を介して流れる。図15Bにおいて、例えば欠陥又は他の理由により、電極においてショート回路1506が発生した場合、全体の電流I1500は、単一のポイントを介して流れ、これは、不快さを導き得た。図15Cにおいて、多数のエレメントは、各アレイエレメント1508に接続された電流リミッタ1510を備える。このような電流リミッタの例は、相当大きな抵抗Rであって、電極自身1508の抵抗rと比べて相当大きな抵抗である(すなわち、R>>r)。このケースにおいて、各エレメントを介する電流は、粗くは、エレメントの数によって割られた合計の電流である。1つのエレメントにおいてショート1506が発生するケースにおいて、R>>rであるから、各エレメント1514を介する電流は、粗くは、未だ、エレメントの数によって割られた合計の電流と等しい。
【0156】
記述された2個のシチュエーションは、非粘着の電極構成のために特に問題を含んでいただろう。例えば、伝導織物は、皮膚の1つの小さい領域に断続的に接触し得るもので、及び、全ての全ての電流を、高い電流密度で小さい領域を介して流し得る。この問題への1つのソリューションは、図16に図示された非粘着アレイの実施形態である。この実施形態は、電極のマイクロアレイを形成するために、衣服のような、フレキシブルサブストレート1606に接続された、一連の微細なピン又はボール1600を用いる。伝導フォームまたは快適レイヤ1602のような他の材料は、いくつかの不快さに対応するために、ボール及び皮膚の間に追加され得るもので、横方向の抵抗力が抜ける抵抗力に対して相対的により高いことを提供している。このソリューションは、コンタクトの間のクロストークを最小化する。エレメント/電極のこのようなマイクロアレイは、機械的に接続され、各々が自身の電流制限回路1604を備えている、多数の電極のマトリクスとして構成され得る。マトリクスにおける電極は、個別的に制御されるエレメントのより大きなサブグループ1608及び1610にグループ化され得る。他のオプションは、各ワイヤの抵抗が電流を制限する織布を用いることである。
【0157】
神経間のパターン刺激交流
装置の1個の側面は、多数の神経を刺激するために用いられるパターン波形である。この波形は、脳において近傍の位置にマップする抹消神経において、高周波の刺激(典型的には、50Hz-2kHz)及び50μS-1mSのパルス幅の交流のバーストを用いる。刺激のこのタイプは、ニューロンの集団を非同期にし得るもので、及び、標準的な機能を復活させ得る。これらのバーストパターンは、振戦の位相、周波数及び振幅を含んでいる、患者のある振戦の特徴に合致する。振戦の治療のために正中及び橈骨神経が用いられる1つの実装において、(150 Hzの周波数及び300μSのパルス幅)でのパルス列は、振戦の周期の半分のちょうどである長さであり、2個の神経の間で交互である。図17は、振戦の治療のために用いられる正中及び橈骨神経を刺激している典型的なパターン波形を図示する。各バーストは、高周波での、及び、ターゲットにしている神経の正しいタイプのために適切なパルス幅での、パルスから生成される。バーストは、患者の振戦周波数に関連しているタイミングと交互である。バーストが非重複となるように、各バーストは、振戦の周期の半分より上であり、及び、交流サイクルが各振戦周期で繰り返されるように、バーストは、振戦周期の半分によって時間シフトされる。
【0158】
図18に示されているように2個以上の神経を刺激すること、及び、図19に示されているようにパルス列の順番を変更すること、を含んでいるこの刺激における様々なバリエーションが存在する。刺激された神経の数がN個に増加された場合、各パルス列の最大のバーストの長さは、バーストが非重複になるように、振戦周期の1/N倍であろう。第2の神経におけるバーストは1/N倍シフトされ、第3の神経におけるバーストは2/N倍シフトされ、振戦周期の(N-1)/N倍シフトされる最後の神経Nに至るであろう。
【0159】
異なる神経のパルス列の順番は、図19に示されているように、ランダム化され得る。バーストの長さの上限は、振戦周期の1/N倍であり、3個の神経のバーストの順番は、ランダム化される。しかしながら、3個の神経の全ては、白又は灰色のセクション各々によって図示されているように、振戦周期と等しい時間長さの内部での刺激の単一のバーストを未だ経験する。振戦周期と等しい時間の続いているインターバルにおいて、神経におけるバーストパターンの順番は、再度ランダム化される。
【0160】
シーケンスにおいて異なる時間に休止があり得る。これらの休止は、規則的であり得るもので、又は、任意の時間に起こり得る。休止は、非同期をもたらし得るもので、及び、また、一般的にはより少ないパワーが手に伝達されるので、刺激の耐用性を増加という副作用を有し得る。より少ないパワーの伝達は、また、バッテリからのパワー消費を減少させ、及び、ウエアラブルデバイスの全体のサイズの減少させ得る。図20は、刺激において休止を示している波形パターンを図示する。刺激バーストの各グループは、振戦の周期と同じ時間インターバルにおいてグループ化される。規則的な時間で、刺激は停止され得るもので、又は、振戦の周期と等しい長さの1つ以上のセグメントのために休止され得る。
【0161】
上述の実施形態は、例として、コンスタントな150Hzの刺激を用いたが、各バース内の波形は、振幅、タイミング、あるいは、形状において変更し得る。例えば、いくつかのケースにおいて、1個の神経が他のベースの生理学又は手先位置よりも簡単に励起され得るから、橈骨及び正中神経の振幅は、変化される必要がある。バースの間の振幅は、また、例えば、正弦曲線的に変化され得る。特定のバーストパターンの内部のパルス幅及び周波数は、また、例えば、ある方形波のパルス幅及び周波数の不規則分布を選択するために用いられ得た、確率共鳴電気的刺激パターンに変更し得る。確率共鳴は、感覚認知を向上させて中枢神経システムにフィードバックするために示されてきた。
【0162】
この交流波形のエレクトロニクス実装は、与えられたいくつかの時間に1つのみの神経が刺激されるので、1つのみの刺激装置が必要とされるために、優位である。これは、上述の及び図12において図示されたスイッチマトリクスの設計によって可能とされる。スイッチマトリクス設計の利益は、装置のサイズ及びコストを減少させる安全な設計を実現することを支援することであり、ウエアラブルデバイスのための重要な特徴である。具体的な利益は、含む:
【0163】
1つのみの神経が時間に励起されるので、1つのみの刺激装置を利用すること。これは、多チャンネル刺激装置を必要とする他の技術と比較して、要するエレクトロのコンポーネントの量を減少させることにより、装置のサイズ及びコストを減少させる。
【0164】
スイッチマトリクスは、電極のペアにおける各電極が、自身の保護回路構成と関連付けられることを許容する。これは、マトリクスにおけるいくつかの単一ポイントの欠陥に対して保護する。例えば、DCブロッキングキャパシタが各電極に関連付けられ場合、キャパシタの1つが損なっている場合でも、図12に示されているように、患者は、第2のキャパシタからのDC電流からすでに保護されたであろう。
【0165】
加えて、スイッチマトリクスは、二相性の刺激のために必要とされた高電圧レールの数を最少化又は減少させ、これは、装置におけるコンポーネントの数を減少させる。負及び正のレールの両方を生成することに代えて、単一の電圧レール及びグランドレールが生成される。交流の電極をグランドレール又は高電圧レールに接続することによって、二相性の波形は、図21において示されたように生成され得る。図21において示されているように、2つの電圧ラインである、高電圧ライン2100及びグランドライン2102が生成され、及び、電極2104は、二相性の波形2106を生成するために、各電圧ラインに交互に接続される。コンポーネントの数を減らすことは、スペース及びコストの節約であり、ウエアラブルデバイスに重要である。
【0166】
電極アレイのための装置の取り付け:
いくつかの実施形態においては、手動取り付け工程が用いられ得る。手動取り付け工程において、装置は、患者の腕に設けられ得る。各個の電極は、オンにスイッチされ、及び、刺激が適用される。感覚障害の位置は、各電極位置のために通知され得るもので、及び、文献にて見いだされた情報を用いることによって、特定の神経に関係付けられ得る。例えば、特定のアレイエレメントが、親指、人差し指、及び薬指における感覚障害を引き起こす場合、電極は、正中神経を刺激した。尺骨及び橈骨神経は、同様な手法にて見いだされ得る。オペレータは、この後、これらの神経の位置をプログラムすることができ、及び、患者の装置に対応している関連付けられた電極をプログラムし得る。装置は、特定の個人に整合するセラピーを提供するために、これらの位置をリコールすることが可能であり、バンド及び電極が同じ位置及び方向にて患者の手首に整合して設けられることが提供される。手首に繰り返し設けることを援助するために、解剖学的特徴をあげる視覚的又は機械的マーカが採用され得る。1個の例は、手首のカーブに取り付けるためにボックスをカーブさせることである。第2の例は、直観の好ましい方向を有する、時計のような装置を生成することである。最後の例は、手首のけん、あるいは、例えば尺骨茎状突起のような手及び手首の骨のような、対応している解剖学であげ得るマーク又はラインのような、視認可能なインジケータを提供することである。
【0167】
いくつかの実施形態においては、取付工程は、オンボードセンサからのフィードバックを使用して自動化され得る。例えば、1つは、手根管神経伝導研究において用いられたものと同様な、指における、環状受信電極2200を用い得る。これらの受信電極2200は、手首又は腕に一周設けられた特定の電極2202の刺激が、図22にて示されているように、例えば正中、橈骨、又は尺骨神経のように、ターゲットの神経2206における測定可能なレスポンス2204を引き起こすか否かを測定するために用いられ得る。これは、また、例えば尺骨神経のような、特定の神経が刺激されていないことを確認するために、いくつかの実施形態において用いられ得るもので、これは、指、あるいは、神経によって神経支配される他の位置へ電極を設けることによって達成され得る。正しい電極が刺激されるとき、レスポンスは、指の環状電極、あるいは、ターゲットの神経が神経支配する知られた位置に設けれられた他の電極によって測定され得る。
【0168】
いくつかの実施形態においては、取り付けは、刺激に対するレスポンスを測定することによって決定され得る。例えば、特定の位置での刺激が、他の場所での刺激よりもより多い振戦減少を導く場合、装置は、より効果的な位置を刺激するように指示されるであろう。
【0169】
いくつかの実施形態においては、取付工程の間、電極の正しい設定のためのサーチは、線形で行われる必要はない。患者の手首及び幅のサイズに依存して、ある神経のおおよその位置への先駆的知識が存在し得る。例えば、正中神経は、一般的に、手首の腹側の中心ラインの近くに設けられており、そして、従って、この位置での電極は、優先的にテストされ得る。
【0170】
個別のエレメントを選択することは、単一の神経を選択する最も直接的な手法であるが、より複雑な電流パターンは、肢を介する電流密度を形づくるために用いられ得る。特定の神経を励起するべく用いられるための電極の組み合わせは、快適さの改善の目的のための電流操舵を行うために、ストレート、あるいは、より複雑であり得る。例えば、図23Aにおける単純な構成は、電極2302及び2304を、手首の反対側で、刺激装置2300に接続することによって達成される。力線2306は、神経2308を励起する。神経2308を励起している他の手法は、図23Bにおいて見られ得る。電極2310、2312、及び2314は、選択されて刺激装置に接続される。各電極を介して通った電流量は、力線2316を操舵するために異なり得る。他の構成において、電流密度は、より快適な刺激を生成するために、減少され得る。
【0171】
必要な時に刺激を変更するためにアレイエレメントが動的に選択され得るので、円周アレイは優位である。例えば、いくつかのケースにおいては、人々の肢の位置が動き回るとき、神経の位置は変化し得る。このシチュエーションにおいて、オリジナルのペアよりも電極の異なるセットは、神経をより正確又は効果的にターゲットとし得るもので、及び、刺激のために用いられる電極のセットを変更するために、アルゴリズムを適用することは優位である。
【0172】
動的刺激アルゴリズム
患者の腕又は手首の周りの電極の効果的な位置決めに加えて、いくつかの実施形態においては、電極を介して神経に伝達された電気的刺激は、例えば、振戦の様々な特性を決定すること、及び、図24A-24F及び以下の詳述に示されているように、様々な刺激パラメーターを修正、調整、及び設定するために、フィードバックとしてこのデータを用いることを含む、様々な手法にて改善され得る。
【0173】
動的アルゴリズムは、また、刺激の快適さ、及び、発赤又は発疹の減少を支援し得る。多数のエレメントが特定の神経又は関心の神経にターゲットする場合、信号は、リアルタイムにてこれらの異なるエレメントの間でスイッチされ得る。これは、特定の位置での刺激の時間を減少することにより、皮膚の特定の位置での痛みを緩和し得る。しかしながら、セラピーの合計の正味の効果は、同じであろう。
【0174】
振戦位相フィードバック:
いくつかの実施形態において、図24Aに示されているように、加速度計、ジャイロ、又はEMGのような他の手法によって測定された、振戦信号は、直接フィードバックのために使用され得る。例えば、ジャイロスコープの信号を使用することは、手の角速度を測定することを許容し、及び、従って、手の角度が演算され得る。振戦に同調的でない応答は、振戦減少にて効果的であり得ることが示されてきた。位相遅延2402の検出及び応答は、ハードウエア、あるいは、ソフトウエアにて達成され得る。
【0175】
振戦位相のフィードバックを利用するために、モーションセンサからの信号は、統合され得るもので、あるいは、センサの組み合わせは、手の位置の反映である信号を形成するために用いられ得る。例えば、位置及び方向は、加速度計又はジャイロスコープの信号を統合することにより、あるいは、手の方向を示している4元数を生成するために、加速度計、ジャイロ、及び磁力計のデータを組み合わせることにより、決定され得る。1つ以上の軸において位置を組み合わせることにより、ダイナミックフィードバックのために用いられる信号を生成することが可能となる。
【0176】
刺激のためのトリガを演算することの1個のアルゴリズムは、信号においてピークを見い出すために、信号の微分係数がサインを変更する場所を識別する。信号はノイジーであり得るもので、よって、フィルタあるいは閾値は、ノイズ発振を取り除くために要求され得る。最後に、ピークは、いつも、典型的な振戦周波数(4-12Hz)よりも早くは起こらない、よって、一緒に極めて接近しているポイントは、取り除かれ得る。ピークから、振戦の瞬時周波数は、2個のピークの間の時間の差を見ることにより、演算され得る。それから、この周波数を用いて、同調的でない刺激に必要である適切な時間遅延が演算され得るもので、抹消神経から脳へのニューラル信号における遅延を説明する。演算は、行われ、及びリアルタイムであり、及び、信号の瞬時周波数及び位相に適合され得る。
【0177】
交流のアプローチは、ゼロクロス、あるいは、位置又は生物信号における他の繰り返される値を検出するであろう。しかしながら、ゼロ検出は、ゼロ周辺のノイズのための傾向により、難解であり得る。
【0178】
位相を検出することへの交流のアプローチは、リアルタイムヒルバート変換を用いることである。ヒルバート変換は、リアルタイム信号からエンベロープ及び位相を演算するであろう。瞬時位相は、従って、刺激の時間を決めるために用いられ得る。しかしながら、ヒルバート変換は、標準のマイクロコントローラに実装するためには、複雑であり及び難解である。
【0179】
振戦振幅フィードバック:
いくつかの実施形態においては、振戦振幅フィードバックは、振戦の激しさに基づいて、振戦のデューティサイクルを変調する。振戦振幅は、(1)手の動きの屈曲伸ばし/位置、速さ、加速度、又は、反射運動の最大又は実効値、あるいは、(2)4-12Hz帯における周波数又はスペクトルエネルギーでのスペクトルパワーを含んでいる、図24B及び24Cにて示されている、いくつかの手法にて定義及び決定され得る。手の動きの最大を決定することは、三次元性によって、計算的に高価になり得る。いくつかの実施形態においては、ジャイロスコープ又は加速度計における全ての軸からの信号は統合され得るもので、及び、最大の振幅を有する軸は、屈曲及び伸びの量を定義するために用いられ得る。交流実装は、センサ入力の組み合わせからの手の方向を演算することであり、及び、時間における瞬間の手の中立位置からの軸角回転は、屈曲/伸びの程度を特定するために演算され得る。この振動する信号のエンベロープ2404が閾値2406よりも大きい場合、セラピーが適用され得る。
【0180】
このアプローチは、演算的に集中的であり得るもので、及び、短時間の信号のための4-12Hz帯におけるスペクトラルエネルギーを演算するために好ましくあり得る。多軸の加速度計、ジャイロスコープ、あるいは、他のモーションセンサが利用可能である場合、スペクトラル密度は、各軸のために個別的に演算され得るもので、及び、この後、L2標準(L2norm)が見出され得る。L2標準は、また、用いられるセンサに依存するスペクトラル密度を見出すより前に、演算され得た。スペクトラル密度は、FFT、ウェルチ(welch)又はピリオドグラム(periodograms)を含んでおり、あるいは、ゲーツェルトーン検出アルゴリズム(Goertzel tone detection algorithm)に適するより多くのマイクロコントローラ、文献において周知の全てを用いている、時間領域から周波数領域への信号を用いている様々な数のアプローチ2408を用いて演算され得る。カーブ2410でのエネルギーが閾値よりも大きい場合、セラピーは適用され得る。
【0181】
このフィードバックメカニズムの1つの困難は、セラピーが適用されるべき閾値を決定することである。いくつかの実施形態においては、閾値は、手の実際の角度に基づいて設定され得るもので、調査及び患者テストは、飲んでいる又はスプーンを保持しているような、日常のタスクを行うための受け入れ可能な角度範囲を決定し得る。同様なことは、スペクトラル密度のために行われ得る。いくつかの実施形態において、この閾値は、全ての患者にわたる普遍として設定され得る。
【0182】
いくつかの実施形態においては、閾値は、特有の患者、あるいは、同様な患者のグループに個別化され得る。これは、患者の振戦レベル(例えば、エネルギー又は位置)を監視することにより、及び、標準のシチュエーションにおける人間のための最大及び最小値を決定することにより、行われ得た。これらの値は、また、時間に対して記録され得た。代替的に、振戦閾値は、振戦の最小値の小部分として定義され得る。
【0183】
いくつかのケースにおいて、パーキンソン病の振戦を含んでおり、刺激への慣れが存在し得るもので、及び、振戦は、短期間の後に再度の増加を開始するであろう。振戦の激しさにおいて増加の検出は、効き目及び耐久性を改善するために、刺激の振幅、位相、周波数、波形、又はパルス列を調整するために用いられ得る。
【0184】
振戦周波数フィードバック
図24Dに示されているようにいくつかのセラピーにおいては、振戦の周波数は、神経励起のサイクルを設定するために用いられる。例えばN個の抹消神経によって神経支配された同様なニューラルクラスタにおけるN個のユニットは、Nによって分けられた振戦の期間に等しい時間分割にて刺激されるべきである。振戦の周波数が迅速に変化しない場合、以下に記載の振戦検出のセッションのように、瞬間の間隔でのサンプリングは、トラッキングをトラッキングするために十分であるべきである。周波数の関数としてのスペクトラル密度は、上述の数のアプローチ2408を用いて演算されることが必要であろう。多数軸が存在する場合、これらのスペクトラル密度は、例えば、L2標準を用いて、組み合わせられ得る。スペクトラル密度曲線におけるピーク周波数2412は、この後、神経の間の刺激の交流になっているバースト時間に用いられる得る。
【0185】
予言的適応
患者の振戦振幅及び周波数は、日常パターンを有し得る。図24E及び24Fにおいて示されているように、いくつかの実施形態においては、履歴の振戦測定値及びセラピーが適応された時間を理解することは、継続する日における必要なセラピーを知らせ得る。ニューラルネットワーク、カルマンフィルタ、及び他のこのような予言的なアルゴリズムは、振戦が増大するであろうとき、及び先制の治療を適用するときを予言するために用いられ得る。
【0186】
加えて、月又は年のスパンに対する長期間のデータ収集は、病気の進行及びセラピーを適応する必要性の情報を提供し得る。例えば、人々の振戦がセラピーの同じ程度にて悪くなってきた場合、及び、同じ全部の効果を維持するためにセラピーの増加している量が必要とされる場合、治療を調整することが好ましくてよい。
【0187】
しばしば、ユーザは、振戦を防止するために用いられ得る外部情報を有する。例えば、振戦は、しばしば、例えばプレゼンテーション及びミーティングのような、ストレスの多いイベントにてもたらされる。振戦を有する多数の患者が、既に、例えば、カレンダーにおいて、これらのイベントをスケージュールしているから、カレンダーは、治療が必要とされ得るときの予言を通知するために用いられ得る。例えば、患者が1:00pmに計画されたミーティングを有する場合、装置は、12:40pmに先制して刺激を開始し得る。患者は、また、突然のストレスの場合、ボタンを用いることにより、セラピーを作動させ得た。
【0188】
ビッグデータアプローチ
図25A-25Cに示されているように、治療修正は、また、幅広い人々の長期間の監視を利用し得る、ビッグデータ分析論の使用を介して、決定され得る。振戦特徴(例えば、姿勢振戦、静止時振戦、及び運動性振戦の程度)と共に各個人についての人口統計学の情報は、人々を異なるサブタイプに分類するために用いられ得る。図25A及び25Bは、パーキンソン病の静止時振戦特性からの本態性振戦の運動性振戦特性を分けることよる、病気分割を図示している。図25Cは、個人の振戦の激しさにおける変化の長期間のトラッキングを図示している。異なるタイプの治療における推薦は、他のユーザへのユーザの類似に基づく、推奨している映画のネットフリックスのアプローチと同様に、サブグループにおいて新たな患者に行われ得る。この技術は、主成分分析、k平均法、あるいは、他の周知の数の分類アプローチを用いて、実装され得た。
【0189】
クラウドデータのような、上述の全ての適応、フィードバック、及び外部情報の形式は、治療を向上させるために一緒に統合され得る。図26は、このようなシステムのフローチャートを示している。ステップ2600において、センサは、動き、位置、あるいは、時間に対する他の生物信号を検出するために用いられ得る。ステップ2602において、プロセッサは、センサデータを受信し得るもので、及び、例えば振戦振幅、位相、あるいは周波数のような、様々なメトリックスを演算し得る。ステップ2604において、方法及びシステムは、過去の履歴データを獲得でき、及び、ステップ2606において、例えばクラウドからのデータのような、外部情報が、装置のプロセッサに送信され得るものであり、クラウドデータは、人々由来のデータ、カレンダーデータ、装置に入力されたインプットを含み得る。プロセッサは、ステップ2608におけるこのデータ全てを組み合わせることができ、及び、この組み合わされたデータに基づいて、ステップ2610において、刺激治療及びパラメーターを調整し得る。方法及びシステムは、この後、ステップ2600にループバックし得る。
【0190】
振幅設定
設計の1つの側面は、どのようにして、セッションの間において、刺激の最適な振幅が識別されて達成されるかである。この方法は、治療の快適さ及び効能に対して重要である。刺激の知覚は、患者及び状況の間において異なる。例えば、0mAから最適な刺激レベルへの直接的な振幅における瞬時の増加は、不快な感覚を導き得る。刺激のより遅い増加はより快適であり得て、しかし、刺激の振幅の着用者の知覚は、適用される電流振幅にリニアでなくてよい。着用者が刺激の知覚を有さない長期間が存在する場合、例えば、装置がゼロ振幅からリニアにランプする場合、着用者は、装置が故障しているとさえ考え得る。
【0191】
2個のサブジェクトは、刺激レベルの知覚を理解するために、実験において研究された。電極は、正中及び橈骨神経をターゲットにするために、別れて設けられた。セッションの間、刺激は、感覚閾値、筋肉収縮閾値、及び不快さ/痛み閾値を識別するために、0.1mA増加にてゆっくりとランプされた。これらのポイントが識別された後、サブジェクトは、ひりひりする感覚がなくなるまで、数分間休むことを許容された。この後、電流振幅は、何れもより低い振幅で起きようとも、感覚閾値から筋肉収縮又は不快/痛みの刺激閾値の85-90%にランプされた。各ステップにて、サブジェクトは、感覚異常が感じられた場所を見るために図面を陰にすること、及び、または、視覚的アナログスケール(VAS)において彼らが以前感じた最大レベルと比べて、彼らが刺激をどのように激しく感じるかをマークすることを、依頼された。VASにおけるこれらのマークの距離は、表に作られ、及び、VASマーカの長さに正規化された。
【0192】
両方のサブジェクトは、厳しい不快さの前に、(すなわち、彼らが、手が重くて動かすのが困難であることを感じたとき)筋肉収縮閾値に達した。結果は表3において示されている。この結果は、正中及び橈骨神経のための振幅は異なっており、及び、潜在的には、両方の神経のために最適な刺激を達成するために別に調整されるべきであること、を示す。両方のサブジェクトにおいて、橈骨神経は、より大きな効果を達成するために、より相当高い振幅にて刺激されてき得た。
【表3】
表3.感覚及び刺激振幅の間の関係を理解するための2個のサブジェクトのための刺激閾値の結果
【0193】
2個のサブジェクトのための患者の感覚及び刺激振幅の間の関係を示す、図27A及び27Bにおいて示されているように、慣れ及びヒステリシスの大きな程度が、刺激の感覚において観察された。最大感覚閾値の85-90%レベルに向かって刺激を増加しているとき、個人は、第1の感覚のレベルと最大レベルとの間のリニアに近い、急こう配を示した。しかしながら、刺激が減少されたとき、刺激の強さの知覚は、振幅において増加している間よりも、より急に落ちたスロープを有した。
【0194】
この結果は、刺激のランプが、(不快さ又は筋肉収縮から)第1の知覚と最大閾値レベルの85-90%との間で、かなりリニアで有り得ることを示した。第1の知覚は、最大閾値の半分の振幅にて起こるので、ランプは、ゼロからリニアに開始するべきではない。したがって、ランプがゆっくりであり0からリニアである場合、ランプの時間の半分の間、患者は、感覚を感じなくてよい。他の刺激は、個人1のための橈骨神経の測定値の急激な出現を反映するために、急激であり得た。図28A-28Dは、様々なランプタイプを図示する。図28Aは、測定されたデータが、第1の感覚と最大モータ収縮/不快閾値との間のリニアランプレートが、振幅の一定知覚に関して動作することを、示していることを、図示する。図28Bは、患者が刺激に慣れた状態になる場合に発生する必要があり得た、急激な増加を示す。図28Cは、異なる最大振幅にランプアップ及びダウンしている振幅を示している周期的な波形を図示する。波形振幅が徐々に増加するときに、患者はより慣れた状態になり得るため、より高い治療振幅が、患者によって容認され得る。図28Dは、第1のランプアップにおける不快のレベルを超えている、あるいは、実際に達している、より高い治療振幅を達成するための他の方法を示しており、この手法では、患者は、直ちに又は迅速に慣れた状態になり得るため、治療時間の間より高い刺激に耐えることができる。
【0195】
また、慣れ及びヒステリシスのために、より高い刺激レベルがより大きな効能に余裕がある場合、いくつかの実施形態においては、波形は図29A及び29Bにて図示されているように、各ランプの間のレベルにおいて、休止又は小さな減少の何れかを有する、刺激レベルを増加させる、より小さなランプのシリーズであり得るため、これは、個人が、より少な不快さにて、より高い刺激振幅を得ることを許容するであろう。
【0196】
振戦検出
上述のように、刺激の適応的な調整は、例えば異なる多軸センサのような、1つ以上のセンサをプロセッシングすることにより、振戦特性を検出すること要し得る。図30は、振戦周波数がモーションセンサから演算され得る手法のフローチャートである。特に、異なるアクションが実行される場合に、振戦モーションがいつも同じ方向に沿って起こるわけではないから、多軸モーションを用いることは単軸に対して優位である。例えば、3軸ジャイロスコープは、手首からの振戦を測定するために用いられ得る。各軸は、この後、個々にウィンドーされて、及び、フーリエ変換が適用される。各軸のマグニチュードが、この後演算されて、及び、軸の二乗の合計の平方根が、周波数の関数として演算される。合計スペクトラムは、この後、ボックスカーフィルタ(box car filter)又は他のローパスフィルタにてスムーズにされて、及び、4-12Hz範囲におけるピーク周波数が識別される。周波数は、4-12Hz範囲における最大周波数を決定することにより、検出され得る。しかしながら、図31Aにおいて図示されているように、いくつかのケースにおいて、プロセッシングからの限界アーティファクトは、信号最大として誤って解釈され得る。図31Bに示されている1つのアプローチは、FFTを行うより前に、4-12Hz帯からアグレッシブなバンドパスフィルタを、第1に行うことである。第2のアプローチは、カーブを識別し、及び、ゼロクロスを見出し、この後、このゼロクロスポイントのこのサブセットから、最大スペクトラル振幅での周波数値を見出す。ジャイロスコープは、典型的には、加速度計のDCオフセットを持っていないから、一般的には、スペクトラル分析のために好まれる。
【0197】
いくつかの実施形態において、周波数シフトのタイムスケールは長いので、周波数は、(連続的に対して)単発的に更新され得る。これは、より小さなバッテリサイズ、改善されたフォームファクター、及びリアルタイムデータからの高品質な振戦抽出を継続的に要求することに代えて、高品質の散在するデータからの振戦を測定する能力を導く、重要な平易化であるので、リアルタイム応答性を要求している装置への主な優位である。図32は、1日をこえて慣性測定ユニット(IMU)を着用している振戦を有する個人からのデータを示しており、振戦周波数は、劇的には変化していない。周波数の平均値は5.86Hzであり、周波数の広がりは1.6Hzをこえて変化した。
【0198】
いくつかの実施形態において、振戦の周波数は、手首から測定される。振戦は典型的には手で測定されるが、図32に示されているように、手首及び手のジャイロ周波数は互いによくトラックしており、及び、よく相関されている。手及び手首のジャイロスコープの間の差の平均は、0.8Hzの最大偏差で0.076 Hzであり、日の内の周波数バリエーションの広がりの十分に内部である。手首から振戦を測定することは、腕時計のようなフォームファクターでなされ得るので、手における測定値を要求している装置に対して、主な優位である。手首における円周のバンドにおける、正中、橈骨、又は尺骨神経をターゲットにしている装置において、振戦を測定するためのセンサが、刺激のために用いられる同様な装置にオンボードであり得る。
【0199】
いくつかの実施形態においては、振戦周期は、手の裏、手首、あるいは、振戦を示している肢のいくつかの部位からの、ジャイロスコープ、加速度計、曲げセンサ、圧力センサ等を用いている機械的入力から測定され得る。
【0200】
いくつかの実施形態においては、振戦は、EMB又は他の電気的信号を介して測定されて得る。
【0201】
いくつかの実施形態においては、振戦周波数は、全ての時間において測定され得るため、及び、この後、リアルタイムにて刺激を更新するために用いられ得る。
【0202】
いくつかの実施形態においては、振戦周波数は、適切であるシチュエーションにおいてのみ、演算され得る。例えば、低い周波数のバンド又はスペクトラムにおける他のパターンを見ると、ある測定値は、混同されている自発的な活動によって除去され得る。例えば、図33は、ジャンプしている間の、振戦を有していない人からの周波数スペクトラム分析を図示している。この分析の結果は、振戦のために明確に誤り得たがしかし、高周波のパターンは、ある活動を除去するために識別及び用いられ得るもので、又は、行為を予言するために、センサ測定値と組み合わされ得る。
システム及び方法の1つの側面は、非振戦(又は、自発的な)動作から振戦動作を識別すること、あるいは、振戦を選択的に測定するために、振戦を生成するために知られた活動を検出することである。図34は、振戦を有する及び有しない状態で行われた、32個の活動の分析を示す。自発的なバンド(0.1-3Hz)及び振戦バンド(4-12Hz)におけるエネルギーを用いるので、ロジスティック回帰モデルが生成され、非振戦活動に対して振戦を分離し得た。
【0203】
バンド
図35において示されているように、装置3500の1つの側面は、手首に刺激装置を固定するためのバンド3502である。バンドは、また、フレキシブル回路3506を介して、装置ハウジング3504の裏に2個の電極を接続する。他の実施形態において、バンドは、装置ハウジングの裏に2個より多い電極を接続し得る。
【0204】
いくつかの実施形態においては、電極(不図示)は、図35に描かれているように、バンドと皮膚との間に快適な封止を生成するために、スナップソケット3508を用いている、プレスされ貫通したネオプレン3508に取り外し可能に入り込まされる。この封止は、また、患者の皮膚に接続する使い捨て可能なハイドロゲルを維持する。バンドは、ネオプレンに穴をあけることにより、ベントされ得る。
【0205】
いくつかの実施形態においては、バンド長さは、第1のサイドが、正中及び橈骨神経をターゲットにするために設けられている電極を、十分に収容及び接続するように、設計され得る。反対側のバンド長さは、5パーセンタイルの女性から95パーセンタイルの男性の手首のサイズのために、手首に装置を容易にくくりつけるために、約10-13cmの間であり得る。
【0206】
いくつかの実施形態においては、バンドは着用者の手首に快適に一致するように柔軟であり、電極のより便利な着用及び取り外しを行うために、バンドが表面にフラットに横たわることを許容する。
【0207】
伝導性のアイレット及びスナップを用いているバンドに電気フレックス回路をリベットすることは、回路を決まった場所に固定し、及び、取り外し可能なハイドロジェル電極のための電気接続を提供するプロセスである。
【0208】
いくつかの実施形態においては、バンドはフォーム及びネオプレンによって生成され得るもので、及び、3個の単一の電極を収容し得る。入り込んだ電極は、より快適なフィット及びよりコンパクトなフォームファクターを許容する。
【0209】
図36A-36Cにて示されるように、バンド3600のための1つの実施形態は、スナップ又はボタンファスナー3604と組み合わせて、調整可能リング又はバックル3602を組み入れ、着用者の腕/手首に固定された後に、着用者がバンド3600のテンションを調整することを許容する。
【0210】
装置の1つの側面は、バンド及びエレクトロニクスハウジングにスナップしている、取り外し可能なハイドロゲルコートされた電極である。固定のために着用者の皮膚に直接設けられたこれらの電極は、通常使用の間にゆるんだり又は剥がれたりするのを防止するための強固な電気接続であり、痛み又は不快さを引き起こし得る。
【0211】
電極3700の1つの実施形態は、図37A及び37Bにて示されているように、着用している間のライナーからの、及びこの後の、取り外している間のバンド及びハウジングからの、電極のより容易な着用及び取り外しを許容するために粘着していないタブ3702を備える。例のように、非粘着タブは、容易に握ることを可能にしている間の、浪費されるスペースを最小化するために、おおよそ7/8インチにおける1/16インチであり得る。電極3700は、バンドにおけるスナップソケットに挿入され得るというよりもむしろ、スナップフィッティング3704を有し得る。電流を広げるために機能し得る伝導性フィルム3706、及び、例えば伝導性のハイドロゲルのような刺激ゲル3708は、電極の皮膚対向側をコートし得る。フォームまたは裏地3710は、患者による容易なハンドルのための非粘着側を提供するために用いられ得た。他の実施形態において、ハイドロゲルの両サイドの粘着性は、バンドに対して直接接着するために用いられる。いくつかの実施形態においては、コネクタ3721は、伝導のアイレット及びスナップ、ワイヤ、又は他の標準的なコネクタを備え得る。
【0212】
電極の1つの実施形態は、図38にて示されているように、バンド及びハウジングにおける電気的スナップに対応するスペースを有する薄いプラスチックライナー3802にてスペースがあけられた3個の電極3800を備え、より容易で迅速な実装を許容する。
【0213】
電極の1つの実施形態は、ネオプレンフォームにて生成された裏を有し、これは、着用する間に裏ライナーからのより容易な取り外しを可能にする、より硬い非粘着の表面を提供する。電極の1つの実施形態は、図39A及び39Bにて示されているように、着用後に電極をより容易に取り外し及び処分させるために、単一のフォーム裏3904と全て接続された薄いライナー3902においてスペースが設けられた3個の電極3900を備える。他の実施形態においては、電極3900に接続しているフォーム裏3904’は、図40Cにて示されているように、電極の間における少しの動きを許容するために、曲がりくねった形状である。
【0214】
図40A及び40Bにて示されているように、装置の1つの側面は、クレードル4000、又は、電極4006の着用及び取り外し、及びUSBチャージャ4008への接続がより容易となるように、エレクトロニクスハウジング4002及びバンド4004を保持するパッケージングにおけるサポートメカニズムである。装置のハウジングがカーブされているので、クレードルは、これらの活動の間、安定にすることを装置のためにより容易にする。
【0215】
設計の1つの側面は、手首における神経をよりよくターゲットにするための、エレクトロニクスハウジングに対する電極の位置である。ハウジングボックス4102における電極及びバンド4100は、神経のよりよいターゲットを許容するために、中心の遠位に(すなわち、手に向けて)回避される。腕において電極位置を遠位に移動することにより、図41にて示されているように、刺激は、筋肉の代わりに神経をより活性化するようであろう。
【0216】
設計の1つの側面は、図42A-42Dにて示されているように、ボードを有するハウジング、各ボタン4200の反対側に平面4202を設計することにより、ボタン4200を押下するときに、着用者が手をより確実に支えることを許容する、ボタン位置を有する。図42Aは、装置の遠端のボタンをターゲットするために支えている位置を示し、図42Bは、装置のオン側のボタンをターゲットするために支えている位置を示し、図42Cは、遠位のボタンを支えており及びターゲットにしているユーザを示しており、及び、図42Dは、サイドボタンを支えており及びターゲットにしているユーザを示している。設計のこの側面は、ターゲットにしているタスクでの困難を有する振戦を患っている着用者のための装置の使い勝手の改善のために重要である。
【0217】
設計の1つの側面は、腕及び手首の形状に沿うカーブしたエレクトロニクスであり、着用者によって適用されるときに、装置のより整合する及びより容易な位置決めを許容する。
【0218】
交流のフォームファクター
装置を設けるプロセスを簡単にするための1つのコンセプトは、電極を1個の接着パッチと組み合わせることである。神経のいくつかをターゲットにするために、電極は、大部分の大人の幅に合致するようにのばされてきた。図43は、このような電極4300の1つの実施形態を示す。皮膚側において、伝導性を改善するために、カーボン又はシルバーの裏を有し得る2個の伝導領域は、皮膚に接着するために及び皮膚とのよいコンタクトを形成するために用いられる伝導のハイドロゲルレイヤ4302を有する。接着剤又はいくつかの非伝導性の接着材を有さなくてよい、中心における非伝導性領域4304が存在する。ハイドロゲルの周囲は、例えば、皮膚とのコンタクトを維持するために、及び、せん断強度を提供するために用いられるアクリルの接着剤4306であることについて留意されたい。接着剤は、また、ハイドロゲルが乾くのを防止するために、封止を維持する。電極の裏は、好ましくは、不織布メッシュのような、通気性に適した材料である。電極の裏側は、電気的刺激装置がハイドロゲルにインターフェースされることを許容するために、装置又はバンドにコネクタ4308で付属される。このインターフェースは、バンド又は装置における金属のコンタクトにインターフェースする伝導性ラインで接着剤を用いること、あるいは、バンド又は装置に伝導相手部品にスナップされ得る電極におけるスナップを用いることを含んでいる、多数の手法にて行われ得る。
【0219】
上述のアプローチで多数の神経がターゲットにされた場合、バンドは、神経の位置の変更に適応するために、電極への多数のインターフェースを要求し得る。スナップを用いることは、神経のスペースにおける、個々の差に適応するために、スライディングコンポーネントを要求し得るもので、伝導ラインを用いることに使用され得る。交流のアプローチは、1つのパッチに多数の電極を組み込むこと、及び、異なる手のサイズ及び神経の位置に適応するために、幅広い様々な寸法を有するパッチを提供することであっただろう。
【0220】
図44A-44Cは、配置を促進するために、ハイドロゲルのべたつきを用いることにより、バンド4400を簡単にする実施形態を示す。両方のストラップがだらりと垂れており設けることが困難である、腕時計のようなインターフェースを有する代わりに、電極の接着性は、1つの手でくくり付けることを可能にするために用いられ得る。このアプローチは、手の振戦により制限された器用さを有するサブジェクトにおいて、特に有利であり得る。ひとたび、電極が手首又は腕に設けられる場合、接着性の電極は、手首又は腕へのバンドの1つエンドを保持し、患者は、周囲でバンドを巻くことができ、及びこれをくくり付け得る。この設計への更なる有利は、バンドの長さが、電極とインターフェースしないエンドにて、変更される必要があるのみであることである。例のように、図44Aは、電極の位置及びバンドのエンドの取り付けを視覚化するために、手の平側に設けていることを示す。図44Bは、バンドが電極の接着によって適切に保持されている間に、手首の周囲にバンドを巻いていることを示す。図44Cは、例えばベルクロ(登録商標)、又はマグネット式クラスプのような、クロージャメカニズムを上においていることを示す。
【0221】
最適の効能及び快適さのために、装置は、刺激のために神経をターゲットし、及び、手首の背面にハウジングを位置決めするように、腕において整列されるべきである。装置の設計を介してこれを達成するために、多数の手法が存在する。図45A(底面図)及び図45B(平面図)にて示されている1つの実施形態は、スライド可能なエレクトロニクスハウジング4502を有するバンド4500を用いることである。電極4506を有するバンドのサイドは、他の視覚的なインジケータを有する又は有さない解剖学上のランドマークを用いて、手首の腹側に設けられ整列される。装置は、この後、1つのモーションで手の周りに巻かれ得るもので、及び、この場合、ベルクロループ4508及びフック3410のファスナーにて固定され得る。エレクトロニクスハウジング4502の位置は、スライド可能であり、自由にスライドし得及びバンドに押し込み得る、アコーディオンフレックス回路又はケーブル4512によって達成されるバンドを介するエレクトロニクスへの接続を有する。
【0222】
振戦を有する患者のために、USBのような小さなケーブルにて接続することは、困難であり得る。従って、装置を充電するために、より容易なインターフェースを提供することが望ましかったであろう。1つのこのような方法は、装置において誘導性コイルを用いることである。充電パッドの近接に設けられるとき、装置は、ケーブル無しで充電される。これは、また、装置が防水であることを可能にし、及び支援する。しかしながら、これは、充電のためによりスローであることの不利を有し、及び、装置のサイズを追加し得た。第2の可能性は、図46にて示されるように、患者が充電器4600に装置4604を容易にスライドし得るように、鍵穴4602を作ることである。加えて、患者は、それから、自身を支えるためにいくつかの構造を有する。鍵穴は、また、挿入される装置のエンドが装置よりも相当大きく、及びプラグにて装置を合致させるためにテーパーダウンするように、テーパされ得る。テーパリングは、また、ベースステーションにて装置の配置を支援する。
【0223】
他の設計の可能性は、図47A-47Cにて示されているように、Dリング4702及びシンチングストラップ4704を備えるバンド4700である。このような装置は、電極4706及び誘導充電の適用のために、フラットに横たえられ得る。シンチングストラップは、1つの手でバンドを締めること及び位置決めすることを許容する。図47Aは、使い捨て可能な電極ペア4706を設けるために開かれたバンド4700を示し、多数のスペースは、手首の異なるサイズのためにスペースをカスタマイズするために提供される。図47Bは、クロージャメカニズムを示し、図47Cは、ラップトップ4710に接続された誘導充電器4708を示す。
【0224】
図48A-48Cにて示されている他の実施形態は、1つの電極4802が指の周りのリングであり、及び第2の電極4804がエレクトロニクスと一緒に手首に設けられている、1つ又は多数の指のグローブ4800を含む。この設計の主な有利は、神経の場所及び指におけるアクセスし易さによって、いくつかの正確な位置決めを要しないることである。1つの指のグローブは、例えばグローブのような、柔軟な材料にて作成され得る。
【0225】
用語「約(about)」及び「おおよそ(approximately)」は、5%、10%、15%、又は20%内を意味し得るもので、あるいは、5度又は10度内を意味し得る。
【0226】
この開示は、多数の観点において、本願発明の多数の代替の装置の実施形態の例示のためにのみであることについて理解される。本願発明の様々な実施形態の範囲を逸脱することなく、様々な装置コンポーネントの特に形状、サイズ、材料、及びアレンジメントにおいて、詳細に製造され得る。当業者は、これらの例示の実施形態及び記載が、全体として発明の単に例示であることについて理解するであろう。発明のいくつかの原理は、上述の例示の実施形態において明確に記載さているが、当業者は、使用の構造、アレンジメント、割合、エレメント、材料、及び方法の変更は、本願発明の実施内にて利用可能で、及び、さもなければ、本願発明の範囲から逸脱することなしで、特定の環境及び運転可能な要求に特に適用される、ことについて理解するであろう。。加えて、ある特徴及びエレメントは、特定の実施形態に関連付けて記載されたが、当業者は、これらの特徴及びエレメントが、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせられ得ることについて、理解するであろう。
【0227】
〔付記1〕
振戦を患っている患者を治療するためのシステムであって、
パルスジェネレータと、
前記患者の腕又は手首に固定されるように適用される円周のバンドであって、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第1及び第2の電極を支持しており、前記第1及び第2の電極は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第1の神経を優先的に励起するために、前記患者に前記パルスジェネレータから電気的な刺激を伝達するように、前記バンドにおいてスペースがあけられており、前記第1及び第2の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第1の神経と前記第1の電極とを結ぶラインと、前記第1の神経と前記第2の電極とを結ぶラインととの間において、90度から180度の角度が存在するように、設けられて及び構成されている、前記バンドと、
を備えるシステム。
〔付記2〕
付記1に記載のシステムであって、前記バンドは、前記パルスジェネレータと電気的に通信する第3の電極を支持し、前記第1及び第3の電極は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第2の神経を優先的に励起するために、前記患者に前記パルスジェネレータから電気的な刺激を伝達するように、前記バンドにおいてスペースがあけられており、前記第1及び第3の電極は、前記腕又は手首の横断面において、前記第2の神経と前記第1の電極とを結ぶラインと、前記第2の神経と前記第3の電極とを結ぶラインととの間において、90度から180度の角度が存在するように、設けられて及び構成されており、前記第1の神経及び前記第2の神経は、異なる神経である、
システム。
〔付記3〕
付記2に記載のシステムであって、前記円周のバンドが前記患者の腕又は手首の周りに固定されているとき、前記第1の電極は、前記患者の腕又は手首の背側に設けられており、前記第2の電極は、前記患者の腕又は手首の腹側に設けられており、及び、前記第3の電極は、前記第1の電極及び第2の電極の間において、前記患者の腕又は手首に設けられている、
システム。
〔付記4〕
付記1に記載のシステムであって、前記電極は各々中心を備えており、及び、前記電極中心は、約5mmから前記手首又は腕の前記円周の4分の1離れている、
システム。
〔付記5〕
付記1に記載のシステムであって、前記バンドは、フレキシブル回路構成を備えており、前記バンドは、前記バンドの前記フレキシブル回路構成と前記パルスジェネレータとの間での、電気的通信も提供するリベットされたコネクタを介して前記ハウジングにくくり付けられる、
システム。
〔付記6〕
付記1に記載のシステムであって、前記ハウジングは、前記患者の手への方向に向けられるように構成された遠端と、前記患者の手から離れる方向に向けられるように構成された近端と、を備え、前記バンド、前記第1の電極、及び前記第2の電極は、前記ハウジングの前記近端よりも前記ハウジングの遠端により近い、
システム。
〔付記7〕
付記1に記載のシステムであって、前記パルスジェネレータは、前記単一のパルスジェネレータであり、前記システムは、更に、
少なくとも電極の1つのペアの間で、前記パルスジェネレータをスイッチするように構成されたスイッチマトリクス、を備える、
システム。
〔付記8〕
付記7に記載のシステムであって、前記スイッチマトリクスは、単一高電圧ソース及びグランンドを備える、
システム。
〔付記9〕
付記7に記載のシステムであって、前記スイッチマトリクスにおける各電極は、保護回路構成の自身のセットに関連付けられている、
システム。
〔付記10〕
付記2に記載のシステムであって、前記パルスジェネレータから前記電極への交流刺激パターンを伝達するように構成されたコントローラ、を更に備える、
システム。
〔付記11〕
付記10に記載のシステムであって、前記刺激パターンは、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された第1の神経への第1のパルス列、及び、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択された異なる神経に伝達される第2のパルス列において伝達される電気的刺激の複数の交流バーストのアプリケーションを備え、前記第1のパルス列及び前記第2のパルス列は、前記振戦の周期の約2分の1オフセットしている、
システム。
〔付記12〕
付記10に記載のシステムであって、前記刺激パターンは、電気的刺激の複数のバーストのアプリケーションを備え、各バーストは、約50Hz及び2,000Hzの間の刺激周波数、及び約50マイクロ秒及び1ミリ秒の間のパルス幅、及び、単相性長方形、二相性非対称長方形、あるいは、二相性対称長方形を含むグループから選択されたパルス形状を備える、
システム。
〔付記13〕
付記10に記載のシステムであって、前記刺激パターンは、電気的刺激の複数のバーストのアプリケーションを備え、各バーストは、前記振戦の周期の約2分の1の存続期間を備える、
システム。
〔付記14〕
付記1に記載のシステムであって、前記患者の腕又は手首のモーションを測定するように構成されたモーションセンサ、を更に備える、
システム。
〔付記15〕
付記14に記載のシステムであって、前記モーションセンサは、3軸ジャイロスコープ又は加速度計を備える、
システム。
〔付記16〕
付記14に記載のシステムであって、前記パルスジェネレータ及び前記モーションセンサと通信するコントローラ、を更に備え、前記コントローラは、前記モーションセンサによって生成される信号に基づいて、前記振戦の1つ以上の特徴を決定するようにプログラムされている、
システム。
〔付記17〕
付記16に記載のシステムであって、前記振戦の前記1つ以上の特徴は、前記振戦周波数、前記振戦振幅、及び前記振戦位相を含むグループから選択される、
システム。
〔付記18〕
付記16に記載のシステムであって、前記コントローラは、前記振戦の前記決定された特徴に基づいて、前記電気的な刺激の1つ以上のパラメーターを調整するように、更にプログラムされる、
システム。
〔付記19〕
付記2に記載のシステムであって、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記パルスジェネレータとの電気的通信のための1つ以上の電気コネクタを有する、使い捨て可能であり置き換え可能であるフレキシブルサブストレートに設けられる、
システム。
〔付記20〕
付記19に記載のシステムであって、各電極は、くくり付け及び取り外しを行うことを援助するためにプルタブ、を更に備える、
システム。
〔付記21〕
付記19に記載のシステムであって、前記ハウジング及び/又はバンドは、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極を取り外し可能に受けるための複数の電気的スナップ、を備える、
システム。
〔付記22〕
付記19に記載のシステムであって、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記ハウジング及び/又はバンドにおける前記複数の電気的スナップの位置に対応するスペースを有する薄いライナーに設けられる、
システム。
〔付記23〕
付記19に記載のシステムであって、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極が前記ハウジング及び/又はバンドに取り付けられ得るように、前記ハウジング及び前記バンドを確実に支持するクレードル、を更に備える、
システム。
〔付記24〕
付記23に記載のシステムであって、前記クレードルは、前記ハウジングの前記ベースが露出されるように、前記ハウジングを確実に受けるためのキャビティ、を備える、
システム。
〔付記25〕
付記2に記載のシステムであって、前記第1の電極、第2の電極、及び第3の電極は、前記電極が前記ハウジング又はバンドから所定の距離伸びるように、前記ハウジング又はバンドに入り込まされている、
システム。
〔付記26〕
付記1に記載のシステムであって、前記第1の電極及び第2の電極は、使い捨て可能であり置き換え可能である、
システム。
〔付記27〕
付記1に記載のシステムであって、前記バンドは、前記電極を取り囲みこれらを脱水から保護するように構成されたモールド可能なギザギザを備える、
システム。
〔付記28〕
付記1に記載のシステムであって、前記第1の電極及び前記第2の電極は、電気的に伝導性のハイドロゲルでコートされている、
システム。
〔付記29〕
付記1に記載のシステムであって、前記第1の電極及び前記第2の電極は、フォーム裏層に接続される、
システム。
〔付記30〕
付記29に記載のシステムであって、前記フォーム裏層は、前記電極の間に曲がりくねった形状の部分を備える、
システム。
〔付記31〕
付記1に記載のシステムであって、前記ハウジングは、1つ以上の押圧可能なユーザ入力ボタン、前記ハウジングのサイドに設けられた各ボタン、及び各ボタンから前記ハウジングの前記反対側における広い支え面、を備える、
システム。
〔付記32〕
付記1に記載のシステムであって、前記ハウジングは、前記患者の腕又は手首の前記湾曲に沿うカーブした面を有する皮膚接触サイド、を備える、
システム。
〔付記33〕
付記1に記載のシステムであって、再充電可能なバッテリと、前記バッテリを誘導的に充電するための外部ソースからのパワーを受けるように構成された誘導性コイルと、を更に備える、
システム。
〔付記34〕
付記1に記載のシステムであって、前記電極は、約5mmと前記腕又は手首の周りの4分の1との間の直径又は幅、を備える、
システム。
〔付記35〕
振戦を患っている患者を治療する方法であって、
構成において前記患者の腕又は手首の周りに第1の電極及び第2の電極を備えるバンドを設けるステップであって、前記腕又は手首の横断面において、第1の神経と前記第1の電極との間にて伸びるラインと、前記第1の神経と前記第2の電極との間にて伸びるラインととの間において、90度から180度の角度が存在し、前記第1の神経は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択され、前記第1及び第2の電極は所定の距離だけ離されている、ステップと、
前記患者の振戦を減少させるために前記第1の神経を励起させるべく、前記電極から第1の電気的刺激を伝達するステップと、
を含む方法。
〔付記36〕
付記35に記載の方法であって、前記バンドは、前記第1及び第2の電極から所定の距離だけ離されている第3の電極、を備えており、第2の神経と前記第1の電極との間にて伸びるラインと、前記第2の神経と前記第3の電極との間にて伸びるラインととの間において、90度から180度の角度が存在し、前記第2の神経は、前記患者の正中、橈骨、又は尺骨神経から選択される、
方法。
〔付記37〕
付記36に記載の方法であって、前記第2の神経を励起するために、前記第1の電極及び前記第3の電極から第2の電気的刺激を伝達するステップ、を更に備える、
方法。
〔付記38〕
付記36に記載の方法であって、第1の神経は前記正中神経であり、及び、前記第2の神経は前記橈骨神経である、
方法。
〔付記39〕
付記35に記載の方法であって、前記バンドはモーションセンサを取り囲んでいるハウジングに動作的に接続されており、及び、前記方法は、前記患者が振戦を引き起こすタスクを行っている間に、前記モーションセンサで前記振戦の1つ以上の特徴を測定するステップ、を更に含む、
方法。
〔付記40〕
付記39に記載の方法であって、前記振戦を引き起こすタスクは、指示されたタスク又は運動の活動である、
方法。
〔付記41〕
付記40に記載の方法であって、前記指示されたタスクは姿勢保持であり、及び、前記運動の活動は描くこと又は書くことである、
方法。
〔付記42〕
付記39に記載の方法であって、前記振戦を引き起こすタスクは、標準の一日の活動の一部として指示されずに前記患者が行うタスクである、
方法。
〔付記43〕
付記39に記載の方法であって、前記振戦の前記測定された特徴は、前記振戦の周波数スペクトラムを含む、
方法。
〔付記44〕
付記43に記載の方法であって、前記振戦の前記周波数スペクトラムにおける4から12Hzの範囲内での中心周波数ピークを決定することにより、振戦周波数を決定するステップ、を更に含む、
方法。
〔付記45〕
付記39に記載の方法であって、前記振戦の前記測定された特徴は、前記振戦の振幅を含む、
方法。
〔付記46〕
付記37に記載の方法であって、前記振戦の周期に基づく期間によって、前記第2の電気的刺激から前記第1の電気的刺激を時間的にオフセットするステップ、を更に含む、
方法。
〔付記47〕
付記46に記載の方法であって、前記期間は、前記振戦の前記周期を、刺激される神経の数によって割る関数である、
方法。
〔付記48〕
付記47に記載の方法であって、刺激される神経の数は2個である、
方法。
〔付記49〕
付記35に記載の方法であって、前記第1の電極は刺激装置の第1のコンタクトに電気的に通信し、前記第2の電極は前記刺激装置の第2のコンタクトに電気的に通信し、前記刺激装置は前記第1の電極及び前記第2の電極の間の電気パルスを生成するように構成されており、前記電気パルスは極性を有している、
方法。
〔付記50〕
付記49に記載の方法であって、前記刺激装置の前記第1のコンタクト及び前記第2のコンタクトをスイッチするステップであって、前記第1の電気的刺激が二相性であるように、前記電気パルスの前記極性を変更するために、前記第1の電極が前記第2のコンタクトと電気的に通信し、及び、前記第2の電極が前記第1のコンタクトと電気的に通信する、ステップ、を更に含む、
方法。
〔付記51〕
付記35に記載の方法であって、
前記患者のモーションを測定するステップと、
前記測定されたモーションのエネルギー、振幅、周波数、及びパターンを決定するステップと、
前記測定されたモーションの前記決定されたエネルギー、振幅、周波数、及びパターンに部分的に基づいて、振戦モーションから非振戦モーションを分けるステップと、を更に含む、
方法。
〔付記52〕
付記35に記載の方法であって、刺激感覚閾値及び筋肉収縮又は不快さ閾値を決定するステップ、を更に含む、
方法。
〔付記53〕
付記52に記載の方法であって、
前記刺激感覚閾値から筋肉収縮又は不快さ閾値への前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップ、を更に含む、
方法。
〔付記54〕
付記53に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅をリニアに又は急激に増加させるステップ、を含む、
方法。
〔付記55〕
付記53に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、振幅の減少によって分けられる革新的により大きいピークのシリーズにおいて、前記振幅を増加させるステップ、を含む、
方法。
〔付記56〕
付記53に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅を前記筋肉収縮又は不快さ閾値よりも大きな値に増加させるステップと、この後に、前記振幅を前記筋肉収縮又は不快さ閾値よりも低く減少させるステップと、を含む、
方法。
〔付記57〕
付記53に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激の振幅を増加させるステップは、前記振幅を階段的なインクリメントのシリーズにて増加させるステップ、を含み、振幅における各インクリメントは、所定の存続期間の間保持される、
方法。
〔付記58〕
付記57に記載の方法であって、振幅における各階段的なインクリメントは、各階段的なインクリメントにおける増加というよりも、大きさにおいてより小さい振幅の減少によってなされる、
方法。
〔付記59〕
付記37に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激及び前記第2の電気的刺激は、前記振戦の位相に同調的でなく伝達される、
方法。
〔付記60〕
付記35に記載の方法であって、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び曲げセンサを含むグループから選択された、前記患者によって着用されるモーションセンサからの信号を分析することにより、前記振戦周波数及び位相を決定するステップ、を更に含む、
方法。
〔付記61〕
付記39に記載の方法であって、振戦を引き起こすタスクの間に前記振戦の特徴を測定するためにモーションセンサを用いるステップ、及び、前記刺激の波形のパラメーターを決定するためにこれらの振戦特徴を用いるステップは、リアルタイムで行われる、
方法。
〔付記62〕
付記37に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激及び/又は前記第2の電気的刺激は、確率共鳴電気的刺激パターンを有する、
方法。
〔付記63〕
付記35に記載の方法であって、感覚閾値よりも高く且つ筋肉収縮閾値及び前記患者の痛み耐性閾値よりも低い電気的刺激のレベルを決定するステップ、を更に含む、
方法。
〔付記64〕
付記35に記載の方法であって、前記バンドの前記位置決めは、前記患者の手における感覚異常によって確かめられる、
方法。
〔付記65〕
付記35に記載の方法であって、前記バンドの前記位置決めは、前記ハウジングの形状と1つ以上の解剖学上の特徴との比較に部分的に基づいている、
方法。
〔付記66〕
付記35に記載の方法であって、前記第1の電気的刺激は、約20及び60分の間の存続期間を有する、
方法。
〔付記67〕
振戦を患っている患者を治療する方法であって、
患者の手首の円周を決定するステップと、
バンドと、第1の電極、第2の電極、及び第3の電極のための所定の周りのスペースを有するハウジングとを提供するステップであって、前記所定の周りのスペースは、前記患者の手首の前記所定の円周に基づいており、前記ハウジングは、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極と電気的に通信するように構成されたパルスジェネレータを取り囲み、前記バンド及びハウジングは、前記第1の電極が前記腕又は手首の前記背側の前記正中におおよそ沿って設けられ、前記第2の電極が前記腕又は手首の前記腹側の前記正中におおよそ沿って設けられ、及び、前記第3の電極が前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられるように、前記手首に設けられるように構成されており、前記第1の電極及び前記第2の電極は第1の電極ペアを形成し、前記第1の電極及び前記第2の電極は第2の電極ペアを形成する、ステップと、
前記第1の電極ペアの間に第1の電気的刺激を伝達することによって第1の神経を刺激するステップと、
前記第2の電極ペアの間に第2の電気的刺激を伝達することによって第2の神経を刺激するステップと、を含む、
方法。
〔付記68〕
振戦を患っている患者を治療する方法であって、
患者の手首の円周を決定するステップと、
バンドと、第1の電極、第2の電極、及び第3の電極のための所定の周りのスペースを有するハウジングとを選択するステップであって、前記所定の周りのスペースは、前記患者の手首の前記所定の円周に基づいており、前記ハウジングは、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極と電気的に通信するように構成されたパルスジェネレータを取り囲む、ステップと、
前記第1の電極が前記腕又は手首の前記背側の前記正中におおよそ沿って設けられ、前記第2の電極が前記腕又は手首の前記腹側の前記正中におおよそ沿って設けられ、及び、前記第3の電極が前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられるように、前記バンド及びハウジングを前記手首に設けるステップであって、前記第1の電極及び前記第2の電極は第1の電極ペアを形成し、前記第1の電極及び前記第2の電極は第2の電極ペアを形成する、ステップと、
前記第1の電極ペアの間に第1の電気的刺激を伝達することによって第1の神経を刺激するステップと、
前記第2の電極ペアの間に第2の電気的刺激を伝達することによって第2の神経を刺激するステップと、を含む、
方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48