(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】3D培養のための細胞培養容器及び3D細胞の培養方法
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20221216BHJP
C12M 1/24 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
C12M3/00 Z
C12M1/24
(21)【出願番号】P 2020501517
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 US2018042115
(87)【国際公開番号】W WO2019014610
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】フェリー,アン ミー-ジン
(72)【発明者】
【氏名】ゴラール,ヴァシリー ニコラエヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジェフリー グレン
【審査官】平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-093149(JP,A)
【文献】特開2016-002023(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00965633(EP,A1)
【文献】国際公開第2017/025584(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/047735(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養容器において、
上部、底部、側壁、及び首のある開口部;
複数のマイクロキャビティを含む、前記容器の前記底部上の基板であって、前記複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティがウェル開口部と凹状のウェル底部とを備えている、基板;
前記基板の前記複数のマイクロキャビティの内の少なくとも一部のマイクロキャビティの外周を取り囲む傾斜したフランジ;並びに
前記傾斜したフランジ
の外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネル
を含み、
前記フランジが、前記基板に隣接した内面と前記基板とは反対側の外面とを有している、
細胞培養容器。
【請求項2】
前記基板が前記容器の前記底部に固定されている、請求項1に記載の細胞培養容器。
【請求項3】
前記基板が前記容器の底面と一体化している、請求項1に記載の細胞培養容器。
【請求項4】
前記フランジの前記外面が傾斜している、請求項1から3いずれか1項に記載の細胞培養容器。
【請求項5】
請求項1に記載の細胞培養容器内で細胞を培養する方法であって、
前記細胞培養容器の前記フランジのネック側に液体を堆積させること;
液体が前記フランジを越えて複数のマイクロキャビティを含む前記基板上にこぼれるまで、前記容器を液体で満たすこと;及び
前記複数のマイクロキャビティ内で細胞を培養すること
を含む、方法。
【請求項6】
培養後、前記細胞培養容器を傾けてチャネル内に細胞液を蓄積すること;
前記容器の開口に回収ポートを挿入し、該回収ポートを使用して前記チャネルから液体を除去すること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、「細胞培養容器及び細胞培養方法(Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells)」と題された2018年3月13日出願の米国仮特許出願第62/642,400号;「細胞培養容器及び細胞培養方法(Cell Culture Containers and Methods of Culturing Cells)」と題された2017年7月14日出願の米国仮特許出願第62/532,639号;「細胞培養容器及び細胞培養方法(Cell Culture Container and Methods of Culturing Cells)」と題された2017年7月14日出願の米国仮特許出願第62/532,648号;及び、「細胞培養容器及び細胞培養方法(Cell Culture Containers and Methods of Culturing Cells)」と題された2017年7月14日出願の米国仮特許出願第62/532,671号の優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、細胞培養容器及び細胞の培養方法に関し、より詳細には、三次元細胞を収容するための細胞培養容器及び該細胞培養容器内で三次元細胞を培養する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞培養容器に三次元細胞を収容することが知られている。細胞培養容器内で三次元細胞を培養することもまた知られている。
【発明の概要】
【0004】
詳細な説明に記載される幾つかの例示的な実施形態の基本的な理解をもたらすために、本開示の簡略化された概要を以下に提示する。
【0005】
実施形態では、本開示は、細胞を三次元構造で培養するための、基板内にマイクロキャビティがアレイで存在しうる細胞培養容器を提供する。三次元構造内で増殖する細胞のアレイをスフェロイド又はオルガノイドとして増殖させるためには、すべての細胞をマイクロキャビティ内に維持する基板を細胞培養容器に提供することが重要である。細胞は、マイクロキャビティ内で成長すると、マイクロキャビティに閉じ込められ、サイズが制限されたスフェロイドを形成する。細胞がマイクロキャビティから逃げるか、あるいは細胞が所望の三次元構造で増殖するようにさせるように構造化及び配置されていない細胞培養容器内の表面に定着すると、細胞は制限されずに増殖する。細胞培養容器内の細胞が制限されずに増殖可能な場合、それらは不均質な細胞集団を形成する。
【0006】
一部の用途では、細胞培養容器内でスフェロイドの均質な集団を増殖及び培養することが望ましい。例えば、一貫性のない細胞形態に起因する細胞生理機能の変化を制御するために、均質な細胞集団でアッセイを行うことが望ましい。また、細胞治療がスフェロイド培養の望ましい結果である場合には、制御された予測可能な治療結果を提供するためにも、均質な細胞が望ましい。
【0007】
スフェロイドは、互いに接触すると集塊する傾向があり、大きく不均一な細胞構造を形成する。例えば、容器の内外への培地の流れによって乱流が生じ、スフェロイドをマイクロキャビティの領域から逃がしてしまう場合など、培地交換中に細胞がマイクロキャビティから逃げることがある。結果として、不規則な細胞凝集体が形成されうる。細胞培養容器の構造は、スフェロイドをマイクロキャビティから移動させて不規則な細胞構造を形成させることなく、細胞を所望の三次元構造で増殖するように制限するマイクロキャビティチャンバのアレイを提供する上で重要である。実施形態では、本開示は、フランジとチャネルとを提供し、堀を形成することにより、過度の乱流を生じることなく、容器を培地で穏やかに満たすことができる。
【0008】
マイクロキャビティに加えて、細胞培養容器の内部が平坦な表面を有している場合、細胞は平坦な表面に定着し、均一なスフェロイドではなく不均一な細胞構造である構造へと増殖しうる。細胞培養容器が均一なスフェロイドの培養を推進する環境をもたらすことを確実にするために、実施形態では、平坦な表面が低減した細胞培養容器が提供される。複数のマイクロキャビティを取り囲む基板の外周として、傾斜したフランジとチャネルとを有する堀構造が設けられる。また、これらのチャネル又は堀構造では、細胞培養領域内に平坦な表面が低減している。幾つかの実施形態では、方法は、細胞培養容器で細胞を培養することを含みうる。
【0009】
上記の実施形態は例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく、単独で、又は本明細書で提供される1つ以上の任意の実施形態との任意の組合せで、提供することができる。さらには、前述の概要及び後述する詳細な説明はいずれも、本開示の実施形態を提示しており、説明及び特許請求される本実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて、その一部を構成する。図面は本開示のさまざまな実施形態を例証しており、その説明とともに、それらの原理及び動作を説明する役割を担う。
【0010】
本開示のこれら及び他の特徴、実施形態、及び利点は、添付の図面を参照して読む場合に、さらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態による、第1の例示的な細胞培養容器の概略的な側面図
【
図2A】
図1に「2」で示される領域の拡大図の一実施形態を示す図
【
図2B】
図1に「2」で示される領域の拡大図の別の実施形態を示す図
【
図3A】
図2Aに示された平坦な構造上で増殖した細胞の立体構造の写真
【
図3B】
図2Bに示された平坦な構造上で増殖した細胞の立体構造の写真
【
図4】本開示の実施形態による、フランジとチャネルとを含む
図1の細胞培養容器の断面図の実施形態を示す図
【
図5】本開示の実施形態による、フランジとチャネルとを含む線5-5による
図1の細胞培養容器の断面図の実施形態を示す図
【
図6】本開示の実施形態による、複数のマイクロキャビティを有する基板を示す、
図5のビュー6による細胞培養容器の一部の拡大概略図
【
図7】本開示の実施形態による、
図6の複数のマイクロキャビティを有する基板を示す細胞培養容器の一部の断面図
【
図8】本開示の実施形態による、
図6の複数のマイクロキャビティを有する細胞培養容器の一部の断面図の代替となる例示的な実施形態を示す図
【
図9】本開示の実施形態による、図
5の線9
に沿った拡大図
【
図10】本開示の実施形態による、第1の例示的な細胞培養容器で細胞を培養する方法を含む、
図4の細胞培養容器の実施形態を示す図
【
図11】本開示の実施形態による、分配ポートを用いてチャネルに物質を加える方法を含む、
図4の細胞培養容器の実施形態を示す図
【
図12】本開示の実施形態による、回収ポートを用いてチャネルから物質を取り出す方法を含む、
図4の細胞培養容器の実施形態を示す図
【
図13】本開示の実施形態による、
図4の細胞培養容器のチャネルから回収ポートを用いて物質を取り出す方法のステップを示す図
【
図14】本開示の実施形態による、
図4の細胞培養容器のチャネルから回収ポートを用いて物質を取り出す方法のステップを示す図
【
図15】本開示の実施形態による、分配ポートを用いてチャネルに物質を加える方法を含む、
図4の細胞培養容器の実施形態を示す図
【
図16】本開示の実施形態による、フランジ、チャネル、並びに分配ポートを用いてチャネルに物質を加える方法を含む、
図15のビュー16による細胞培養容器の一部の一実施形態の拡大概略図
【
図17】本開示の実施形態による、フランジ、チャネル、並びに回収ポートを用いてチャネルから物質を取り出す方法を含む、
図15のビュー16による細胞培養容器の一部の一実施形態の拡大概略図
【
図18A】フランジ構造及びチャネル構造を有しないT175フラスコ内で増殖したスフェロイドの写真
【
図18B】実施形態による、フランジ構造及びチャネル構造を有するフラスコ内で増殖したスフェロイドの写真
【
図19A】14日間の培養後に対照フラスコから採取した細胞の写真
【
図19B】14日間の培養後に対照フラスコから採取した細胞の写真
【
図19C】14日間の培養後に例えば
図4の実験フラスコから採取した細胞の写真
【
図19D】14日間の培養後に例えば
図4の実験フラスコから採取した細胞の写真
【発明を実施するための形態】
【0012】
これより、本開示の例示的な実施形態が示される添付の図面を参照して、特徴をより詳細に説明する。可能な場合はいつでも、同一又は類似した部分についての言及には、図面全体を通して同じ参照番号が用いられる。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0013】
細胞培養容器(例えばフラスコ)は、細胞を培養するための無菌の細胞培養チャンバを提供することができる。幾つかの実施形態では、細胞の培養は、疾患及び毒物学の研究、薬物療法及び治療の有効性、腫瘍の特性、生物、遺伝学、並びに細胞及びそれに関連する他の科学的、生物学的、及び化学的原理に関する情報を提供することができる。細胞培養容器は、例えばアレイ状に配置された複数のマイクロキャビティ(例えば、マイクロキャビティ、マイクロメートルサイズのウェル、サブミリメートルサイズのウェル)を含む基板を備えうる。基板は、フラスコ内に配置することができ、あるいはフラスコの界壁の一部を形成することができる。すなわち、基板をフラスコと一体化させることができる。例えば、マイクロキャビティのアレイは、細胞培養容器の底部の内面に形成されうる。あるいは、マイクロキャビティのアレイを有する基板を細胞培養容器に挿入し、細胞培養容器の底面に置くか、若しくは接着、レーザー溶接、超音波溶接、又は他の幾つかの方法によって細胞培養容器の底面に固定することができる。基板は、複数のマイクロキャビティを形成する起伏する(例えば正弦波)の表面を含む、上面及び/又は底面を備えうる。幾つかの実施形態では、三次元細胞培養(例えば、細胞凝集体、スフェロイド)の増殖を促進する物質(例えば、培地、固体、液体、気体)でフラスコを満たすことができる。例えば、液体に懸濁された細胞を含む培地を容器の細胞培養チャンバに加えることができる。懸濁細胞は、複数のマイクロキャビティ内に集合することができ、細胞の群又はクラスターへと形成(例えば増殖)することができる。これらの群又はクラスターはスフェロイド又はオルガノイドである。
【0014】
例えば、幾つかの実施形態では、単一のスフェロイドは、少なくとも重力に基づいて複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティ内に形成されてよく、液体に懸濁した1つ以上の細胞を、液体を通じて落下させ、各マイクロキャビティ内に堆積させることができる。マイクロキャビティの形状(例えば、ウェルを画成する凹面)、及び細胞が表面に付着するのを防ぐマイクロキャビティの表面コーティングもまた、各マイクロキャビティでの3次元細胞培養の増殖を促進することができる。すなわち、細胞はスフェロイドを形成し、マイクロキャビティの寸法によって制限されて特定のサイズへと増殖する。培養中、スフェロイドは培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副産物として代謝産物(例えば、老廃物)を生成しうる。よって、幾つかの実施形態では、培養中に食物培地を細胞培養チャンバに加えることができ、培養中に細胞培養チャンバから廃培地を除去することができる。培地の添加及び除去の際に、マイクロキャビティからのスフェロイドの移動を回避し、スフェロイドの望ましい細胞培養を促進する試みが行われうる。
【0015】
二次元細胞培養と比較して、幾つかの実施形態では、三次元細胞培養は、実験室でシミュレートされた条件と比較して、より生理学的に正確で、現実の用途で細胞が存在及び増殖できる環境をより現実的に表す多細胞構造を生成することができる。例えば、三次元細胞培養は、「インビボ」での(すなわち、実際の生活環境での)細胞増殖をシミュレートする現実的な環境をより密接に提供することがわかっており;一方、二次元の細胞培養は、実験室の外で発生する実際の環境をあまり表していない「インビトロ」での(すなわち、実験室環境のガラス内での)細胞増殖をシミュレートする環境をもたらすことがわかっている。三次元細胞培養の特性及び挙動を相互作用させて観察することにより、例えば疾患及び毒物学の研究、薬物療法及び治療の有効性、腫瘍の特性、生物、遺伝学、並びに、細胞及びそれに関する他の科学的、生物学的、及び化学的原理などに関連する細胞の理解の進歩を達成することができる。
【0016】
例示的な細胞培養容器100の実施形態及び該例示的な細胞培養容器100内で細胞を培養する方法が、
図1~15を参照して説明される。例えば、
図1は、上部101、底部108、及び端部壁107、ネック112、並びにキャップ104で覆われた
図1に示される開口部又は開口105を有する細胞培養容器100の側面図を概略的に示している。上部101、底部108、端部壁107、及びネックの各々は、内部表面を有している。すなわち、上部101は内部表面201を有し、底部は内部表面208を有し、ネック112は内部表面212を有し、端部壁107は内部表面207を有している。細胞培養チャンバ103は、容器の内部表面の内側に含まれる容器の領域である。実施形態では、底部108の内部表面208はマイクロキャビティのアレイ115を有している。
【0017】
図2A及び
図2Bは、
図1の円「2」で示される領域の概略図である。
図2A及び2Bは、不均質な細胞培養を結果的にもたらす、対照容器を示している。例えば、細胞培養チャンバ103内に、平坦な表面202が存在する、細胞が定着しうる領域が存在する場合、細胞250はマイクロキャビティ120内に定着する代わりに平坦な表面に集塊可能になり、細胞は不規則な細胞集塊801を形成しうる。例えば、マイクロキャビティのアレイの周囲にフレームがあり、マイクロキャビティのアレイを含む基板が平坦な棚である細胞培養チャンバ103の壁に付着する場合、細胞は、培地を通して落下し、表面に定着する際に、マイクロキャビティ120内に定着する代わりに平坦な表面に定着する可能性がある。これらの収容されていない不規則な細胞集塊801の例が
図2A及び
図2Bに概略的に示されている。これらの細胞はまた、隣接するマイクロキャビティにも侵入し、マイクロキャビティ120に収容されるスフェロイド250の培養を混乱させる可能性がある。対照的に、マイクロキャビティ120内に収容される細胞は、規則的で均質なスフェロイド250を形成する(例えば
図18Bを参照)。
【0018】
図3A及び3Bは、以下に論じられる実施例1によれば、これらの平坦な部分が存在していた細胞培養容器の平坦な部分に形成された不規則な細胞の集塊の写真である。
【0019】
図1に戻ると、幾つかの実施形態では、容器100は、開口105を覆い、該開口105をシール及び遮断の少なくとも一方になるように配向され、それによって開口105を通る容器100の外側から細胞培養チャンバ103への経路を妨害する、キャップ104を含むことができる。明確にするために、キャップ104は取り外されており、したがって、他の図面には示されていないが、幾つかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、キャップ104を提供し、容器100の開口部105に選択的に追加又は取り外しできることを理解されたい。幾つかの実施形態では、キャップ104は、容器100の細胞培養チャンバ103の内外へのガスの移動を可能にするフィルタを含むことができる。例えば、幾つかの実施形態では、キャップ104は、細胞培養チャンバ103内のガスの圧力を調節し、それによって容器100の外側の環境(例えば、大気)の圧力に対する細胞培養チャンバ103の加圧(例えば、過加圧)を防止するように配向されたガス透過性フィルタを含みうる。
【0020】
図4及び
図4の線5-5に沿った代替的な断面図を示す
図5に示されるように、幾つかの実施形態では、細胞培養容器100は、マイクロキャビティのアレイ115の少なくとも一部を取り囲むフランジ170を含みうる。
図4及び
図5では、マイクロキャビティのアレイ115(「基板」とも称される)は、個々のマイクロキャビティ120で構成される(
図6~8参照)。したがって、特に明記しない限り、実施形態では、基板115は、マイクロキャビティ120a、120b、120c(
図6~8参照)の1つ以上の特徴を含みうるものと理解されたい。加えて、実施形態では、細胞培養容器100は、フランジ170の少なくとも一部を取り囲むチャネル175を含みうる。チャネル175は開口部176を有している。
図5に示されるように、幾つかの実施形態では、フランジ170は、マイクロキャビティのアレイ115のすべてのマイクロキャビティを取り囲むことができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、フランジ170は、複数のマイクロキャビティ120のすべてより少ない(例えば少なくとも一部の)マイクロキャビティを取り囲みうる。同様に、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176は、フランジ170全体を取り囲むことができる;しかしながら、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176は、フランジ170の全体より少ない(例えば、少なくとも一部の)フランジ170を取り囲みうる。すなわち、チャネル175は、実施形態では、幾つかの領域で閉じられうる。幾つかの実施形態では、フランジ170及び/又はチャネル175は、細胞培養容器100の一体的な構成要素として形成(例えば製造)することができる。あるいは、幾つかの実施形態では、フランジ170及び/又はチャネル175は、例えば、既存の細胞培養容器を改造することによって、本開示の実施形態によるフランジ170及びチャネル175の1つ以上の特徴を既存の細胞培養容器に提供するために、細胞培養容器100に取り付けることができる、別個の構成要素として提供することができる。実施形態では、マイクロキャビティのアレイ115は、容器の底部108の内部表面208と一体化している。
図4に示されるように、マイクロキャビティのアレイは、インサート、フラスコに導入された又はフラスコに固定された別個の材料によって提供することができる。例えば、マイクロキャビティのアレイ115を有する基板を細胞培養容器100に挿入し、細胞培養容器の底面に置くか、あるいは接着、レーザー溶接、超音波溶接、又は他の幾つかの方法によって細胞培養容器の底面に固定することができる。
【0021】
図5は、実施形態における容器の上面図である。
図5は、実施形態では、フランジ170がマイクロキャビティアレイ115を取り囲み、チャネル175がフランジ170を取り囲むことを示している。
【0022】
図6~8は、本開示の実施形態による複数のマイクロキャビティ120を有する基板を示す、
図5のビュー6による細胞培養容器の一部の拡大概略図、
図6の線7に沿った上面斜視図及び断面斜視図(
図7及び
図8)を示している。
図6~8に示されるように、幾つかの実施形態では、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、ウェル122a、122b、122cを画成する凹面121a、121b、121cを含みうる(
図7及び
図8参照)。さらには、各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、液体及び細胞がマイクロウェル122a、122b、122cに入ることを可能にする開口部123a、123b、123cを(例えば、基板115の第1の側125に)含むことができる。
図7に示されるように、幾つかの実施形態では、基板115の第1の側125は、非線形(例えば、波状、正弦波)のプロファイルを含むことができ、基板115の第2の側126は、平面(例えば、平坦な)プロファイルを含むことができる。同様に、
図8に示されるように、幾つかの実施形態では、基板115の第1の側125及び第2の側126はいずれも、非平面(例えば、波状、正弦波)のプロファイルを含みうる。
【0023】
基板115の第1の側125が非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを含み、基板115の第2の側126が平面(例えば、平坦)プロファイルを含む
図7に示される基板115を、基板115の第1の側125及び第2の側126のいずれも非平面(例えば、波状、正弦波)のプロファイルを含む
図8に示される基板115と比較すると、幾つかの実施形態では、基板115の第1の側125及び第2の側126のいずれも非平面(例えば、波状、正弦波)のプロファイルを含む基板115の厚さを低減することができることがわかる。したがって、幾つかの実施形態では、基板115の第1の側125及び第2の側126の両方に非平面(例えば、波状、正弦波)のプロファイル(
図8)を提供することにより、基板115の製造に用いられる材料の量を減らすことができ、例えば、基板115の第1の側125は非線形(例えば、波状、正弦波)プロファイルを含み、基板115の第2の側126は平面(例えば、平坦)プロファイルを含む(
図7)マイクロキャビティアレイ115を有する基板よりも壁が薄いマイクロキャビティ120a、120b、120cを含むマイクロキャビティアレイ115を有する基板を提供することができる。幾つかの実施形態では、壁がより薄いマイクロキャビティ120a、120b、120cは、細胞培養中にウェル122a、122b、122cに出入りするガスをより多く提供するように、基板のより高速でのガス移動(例えば、透過性)を可能にすることができる。したがって、幾つかの実施形態では、基板115の第1の側125及び第2の側126の両方に非平面(例えば、波状、正弦波)プロファイル(
図8)を提供することにより、より健康な細胞培養環境をもたらすことができ、それによって、マイクロキャビティ120a、120b、120c内での細胞の培養を改善することができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、基板115は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フッ素重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全水素化スチレン重合体、ポリカーボネートPDMS共重合体、並びにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体、及び環状オレフィン共重合体などのポリオレフィンを含むがこれらに限定されない、ポリマー材料を含みうる。加えて、幾つかの実施形態では、凹面121a、121b、121cによって画成されるウェル122a、122b、122cの少なくとも一部を超低結合材料でコーティングすることができ、それによってウェル122a、122b、122cの少なくとも一部を細胞に対して非付着性にすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、過フッ素化ポリマー、オレフィン、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、ポリビニルアルコールなどのポリオール、又はそれらの混合物のうちの1つ以上を、凹面121a、121b、121cによって画成されるウェル122a、122b、122cの少なくとも一部に適用することができる。
【0025】
さらには、幾つかの実施形態では、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cは、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな特徴及びそれらの特徴の変形を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態では、複数のマイクロキャビティ120は、線形アレイ(図示)、対角アレイ、長方形アレイ、円形アレイ、放射状アレイ、六角形最密配置などを含むアレイ状に配置することができる。加えて、幾つかの実施形態では、開口部123a、123b、123cは、さまざまな形状を含みうる。幾つかの実施形態では、開口部123a、123b、123cは、円、楕円、長方形、四辺形、六角形、及び他の多角形形状のうちの1つ以上を含みうる。加えて、幾つかの実施形態では、開口部123a、123b、123cは、約100マイクロメートル(μm)~約5000μmの寸法(例えば、直径、幅、正方形又は長方形の対角線など)を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態では、開口部123a、123b、123cは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、及び約100μm~約5000μmの範囲内に包含される寸法のうち任意の寸法又は範囲を含みうる。
【0026】
幾つかの実施形態では、凹面121a、121b、121cによって画成されるウェル122a、122b、122cは、さまざまな形状を含みうる。幾つかの実施形態では、凹面121a、121b、121cによって画成されるウェル122a、122b、122cは、円形、楕円形、放物線、双曲線、山形、傾斜、又は他の断面輪郭形状の1つ以上を含みうる。加えて、幾つかの実施形態では、ウェル122a、122b、122cの深さ(例えば、開口部123a、123b、123cによって画成される平面から凹面121a、121b、121cまでの深さ)は、約100マイクロメートル(μm)~約5000μmの寸法を含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、ウェル122a、122b、122cの深さは、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1500μm、2000μm、2500μm、3000μm、3500μm、4000μm、4500μm、5000μmの寸法、約100μm~約5000μmの範囲内に包含される寸法のうちの任意の寸法又は範囲を含みうる。
【0027】
幾つかの実施形態では、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養することができる三次元細胞150(例えば、スフェロイド、オルガノイド150a、150b、150c)は、約50μm~約5000μmの寸法(例えば直径)、及び約50μm~約5000μmの範囲内に包含される寸法のうちの任意の寸法又は範囲を含みうる。幾つかの実施形態では、開示された明示的寸法よりも大きい又は小さい寸法を提供することができ、したがって、特に明記しない限り、開示された明示的寸法よりも大きい又は小さい寸法は本開示の範囲内であるとみなされる。例えば、幾つかの実施形態では、開口部123a、123b、123cの1つ以上の寸法、ウェル122a、122b、122cの深さ、及び三次元細胞150(例えば、スフェロイド150a、150b、150c)の寸法は、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された明示的寸法よりも大きい又は小さい場合がある。
【0028】
フランジ170及びチャネル175の例示的な部分を含む、図
5の線9
に沿った細胞培養容器100の拡大図が
図9に示されている。例えば、幾つかの実施形態では、フランジ170は、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cの凹面121a、121b、121c(
図6~8参照)から離れる方向にチャネル175の開口部176の周囲173まで、基板115から延在する内面171を含みうる。
図5に戻ると、幾つかの実施形態では、内面171は複数のマイクロキャビティ120のすべてのマイクロキャビティを取り囲むことができる;しかしながら、幾つかの実施形態では、内面171は、複数のマイクロキャビティ120のすべてより少ない(例えば、少なくとも一部の)マイクロキャビティを取り囲みうる。同様に、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176は、内面171全体を取り囲むことができる;しかしながら、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176は、全体より少ない(例えば、少なくとも一部の)内面171を取り囲みうる。
【0029】
図9に示されるように、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176の周囲173は、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cの凹面121a、121b、121c(
図6~8参照)から離れる方向に、基板115の一部分123から距離「d8」だけ離間されうる。幾つかの実施形態では、距離「d8」は、約2ミリメートル(mm)~約8mm、例えば、約4mm~約8mmの範囲内でありうるが、他の実施形態では、他の値(例えば、2mm未満又は8mm超)が、本開示の範囲から逸脱することなく、提供されうる。加えて、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176の周囲173は、基板115の一部分123に向かう方向に、壁101の内面102から距離「d9」だけ離間されうる。したがって、幾つかの実施形態では、チャネル175の開口部176は、端部壁107の内面207と周囲173との間に画成されうる。幾つかの実施形態では、チャネル175は、複数のマイクロキャビティ120の各マイクロキャビティ120a、120b、120cの凹面121a、121b、121c(
図6~8参照)に向かう方向にチャネル175のベース174までチャネル175の開口部176の周囲173から延在する外面172を含みうる。
図5に示されるように、幾つかの実施形態では、外面172は、複数のマイクロキャビティ120のすべてのマイクロキャビティを取り囲むことができる;しかしながら、幾つかの実施形態では、外面172は、複数のマイクロキャビティ120のすべてよりも少ない(例えば、少なくとも一部の)マイクロキャビティを取り囲んでもよい。同様に、幾つかの実施形態では、チャネル175のベース174は、外面172全体を取り囲むことができる;しかしながら、幾つかの実施形態では、チャネル175のベース174は、全体より少ない(例えば、少なくとも一部の)外面172を取り囲んでもよい。
【0030】
これより、フランジ170とチャネル175とを備えた細胞培養容器100内で細胞を培養する方法を、
図10~17を参照して説明する。例えば、
図10に示されるように、幾つかの実施形態では、本方法は、所定量の液体180の液体がチャネル175に接触することなく、細胞培養チャンバ103の領域142に所定量の液体180を収容することを含みうる。幾つかの実施形態では、領域142は、少なくとも一部にはフランジ170及び基板115に基づいて画成されうる。例えば、幾つかの実施形態では、領域142は、少なくとも一部にはフランジ170の内面171及び基板115の一部分123に基づいて画成されうる。幾つかの実施形態では、本方法のこの段階で、所定量の液体180の液体がチャネル175に接触するのを防ぐことにより、例えば、細胞150の改善された培養を促進する幾つかの利点を提供することができる。例えば、幾つかの実施形態では、所定量の液体180の少なくとも一部は、液体に懸濁された固体粒子(例えば、細胞)を含む液体を含む培養溶液又は培地を含みうる。したがって、幾つかの実施形態では、本方法は、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120cに所定量の液体180の液体140(
図10参照)を堆積させること、及び少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内に液体140を堆積させた後に、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150(例えば、スフェロイド150a、150b、150c)を培養することを含みうる。専ら説明を目的として、特に明記しない限り、幾つかの実施形態では、基板115の1つ以上の特徴(
図6~8参照)は、本開示の範囲から逸脱することなく、単独で又は第1の例示的な細胞培養容器100の1つ以上の特徴と組み合わせて提供することができるという理解の下で、複数のマイクロキャビティ120を含むマイクロキャビティのアレイ115の構造は、
図10~17では省略されている。
【0031】
図9に戻ると、幾つかの実施形態では、フランジ170の内面171は、垂直方向を含むことができる(例えば、実質的に重力方向に延在する);しかしながら、幾つかの実施形態では、内面171を重力方向に対して傾斜させて、例えば、細胞をマイクロキャビティ120a、120b、120cの開口部123a、123b、123cに向けることができる(
図6~8を参照)。さらには、幾つかの実施形態では、マイクロキャビティ120aの開口部123aは、例えば、フランジ170の内面171に当接するように配置することができる。例えば、幾つかの実施形態では、チャネル175のベース174を含むがこれに限定されない容器100の表面に定着又は付着することなく、液体に懸濁した細胞が(例えば少なくとも重力に基づいて)落下し及び/又は内面171によってマイクロキャビティ120aのリザーバ122aへと導かれるように、マイクロキャビティ120aの開口部123aは、フランジ170の内面171と同一平面にすることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、チャネル175のベース174を含むがこれに限定されない容器100の表面に定着又は付着する細胞は、マイクロキャビティ120a、120b、120cの外側に蓄積及び成長(例えば増殖)する場合があり、マイクロキャビティ120a、120b、120c内の三次元細胞の所望の成長に関する問題を引き起こしうる。例えば、幾つかの実施形態では、リザーバ122a、122b、122cに(少なくとも重力に基づいて)落下せず、チャネル175のベース174を含むがこれに限定されない容器100の他の表面に蓄積又は付着する細胞は、リザーバ122a、122b、122cの外側で成長し、リザーバ122a、122b、122c内での三次元細胞の所望の成長を妨害(例えば、阻止、変更、減速、又は防止)しうる。同様に、幾つかの実施形態では、チャネル175のベース174を含むがこれに限定されない容器100の他の表面に蓄積又は付着する細胞は、成長し、リザーバ122a、122b、122c内の三次元細胞を移動させる可能性があり、それによってリザーバ122a、122b、122c内の三次元細胞の所望の成長を攪乱又は破壊し、細胞の所望のサイズ均一性を変えてしまう場合がある。したがって、幾つかの実施形態では、所定量の液体180の液体がチャネル175に接触することなく、細胞培養チャンバ103の領域142に所定量の液体180を含めることにより、液体内に浮遊しているすべての細胞をリザーバ122a、122b、122cに向けることができ、それによって、チャネル175のベース174を含むがこれに限定されないリザーバ122a、122b、122cの外側の容器100の表面に細胞が付着した場合に起こりうる問題を軽減及び排除することができる。
【0033】
したがって、幾つかの実施形態では、本方法は、フランジ170によって取り囲まれたマイクロキャビティのアレイ115に所定量の液体180の液体140(
図10参照)を堆積させることを含みうる。このように、マイクロキャビティのアレイ115上に液体140を堆積させた後に、マイクロキャビティアレイ115内の複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c
は、少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150(例えば、
図7及び
図8に示されるスフェロイド150a、150b、150c)を培養する
ために増殖を促進させる。さらには、幾つかの実施形態では、培養中に、スフェロイド150a、150b、150cは、培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副産物として代謝産物(例えば、老廃物)を生成しうる。したがって、幾つかの実施形態では、培養中に食物培地を細胞培養チャンバ103に添加することができ、培養中に細胞培養チャンバ103から廃培地を除去することができる。以下にさらに詳細に説明するように、幾つかの実施形態では、培地を添加及び除去する際に、マイクロキャビティ120a、120b、120cからのスフェロイド150a、150b、150cの移動を回避し、スフェロイド150a、150b、150cの所望の細胞培養を促進する試みを行うことができる。
【0034】
さらには、幾つかの実施形態では、基板115の単位面積(例えば、1つ以上の細胞を培養できる、それぞれの表面を提供する単位面積)に関して、三次元細胞培養は、例えば同等の二次元細胞培養よりも多くの培地(例えば、食物、栄養素)を消費し、副産物としてより多くの培地(例えば、老廃物)を生成する。したがって、幾つかの実施形態では、例えば、同等の二次元細胞培養と比較して、本開示の実施形態による三次元細胞培養は、同等の期間にわたり、より頻繁な培地交換(例えば、食物、栄養素の添加及び/又は老廃物の除去)を含みうる。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、例えば、同等の二次元細胞培養と比較して、本開示の実施形態による三次元細胞培養は、同等の期間にわたり、より大きい培地体積(例えば、より多くの食物、栄養素の消費、及び/又はより多くの老廃物の生成)を含みうる。したがって、幾つかの実施形態では、以下にさらに詳細に説明するように、細胞培養容器100及び該細胞培養容器100内で細胞を培養する方法150の1つ以上の特徴は、培地交換の頻度並びに培地の体積(容器100の細胞培養チャンバ103内に含まれるもの、細胞培養チャンバ103に添加されるもの、及び細胞培養チャンバ103から除去されるもののうちの1つ以上でありうる)に関して利点を提供することができ、それによって、三次元細胞を培養するための望ましい効果的な環境をもたらすことができる。
【0035】
例えば、
図11に示されるように、幾つかの実施形態では、本方法は、分配ポート181を開口105に挿入することにより、容器100の外側から細胞培養チャンバ103に物質(例えば、食物、栄養素)を加えること、及び物質182を分配ポートからチャネル175の開口部176に分配することを含みうる。加えて、幾つかの実施形態では、本方法は、分配ポート181を開口105に挿入することにより、容器100の外側から細胞培養チャンバ103に物質(例えば、食物、栄養素)を加えること、及び、所定量の液体180の液体がチャネル175に接触することなく、細胞培養チャンバ103の領域142に所定量の液体180を収容した後、物質182を分配ポートからチャネル175の開口部176に分配することを含みうる。したがって、幾つかの実施形態では、本方法は、分配ポート181からチャネル175の開口部176内へと物質182を分配しつつ、少なくとも1つのマイクロキャビティ120内で細胞150を培養することを含みうる。
【0036】
図12は、例えば、所定量の液体180に含まれる細胞150に、培養している間に細胞150が消費しうる食物培地を提供するために、細胞培養チャンバ103に加えられる物質182を概略的に示している。同様に、
図12に示されるように、幾つかの実施形態では、本方法は、回収ポート183を開口105に挿入することによって、細胞培養チャンバ103から容器100の外側に物質(例えば、老廃物)を除去すること、及び回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収することを含みうる。加えて、幾つかの実施形態では、本方法は、回収ポート183を開口105に挿入することにより、細胞培養チャンバ103から物質(例えば、老廃物)を除去すること、及び物質(例えば、食物、栄養素)を細胞培養チャンバ103に加えた後に、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収することを含みうる。したがって、幾つかの実施形態では、本方法は、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収しつつ、複数のマイクロキャビティ120のうちの少なくとも1つのマイクロキャビティ(
図7及び
図8参照)内で細胞150を培養することを含みうる。
【0037】
図13は、例えば、所定量の液体180及び物質182から、培養している間に細胞150が生成しうる廃培地を除去するために、細胞培養チャンバ103から除去される物質184を概略的に示している。例えば、幾つかの実施形態では、培養中に、細胞150は、細胞培養チャンバ103に加えられた食物培地(例えば、物質182)のすべて又は一部を消費することができ、細胞培養チャンバ103から除去される廃培地(例えば、物質184)のすべて又は一部を生成(例えば、副産物として代謝)しうる。幾つかの実施形態では、細胞150を培養している間に、食物培地182を細胞培養チャンバ103に加え(
図11及び
図12参照)、細胞培養チャンバ103から廃培地184を除去する(
図12及び
図13参照)方法により、細胞150を培養できる健康的な環境をもたらすことができる。例えば、幾つかの実施形態では、食物培地182を細胞培養チャンバ103に加え(
図11及び
図12参照)、細胞培養チャンバ103から廃培地184を除去する(
図12及び
図13参照)本開示の実施形態による方法は、食物培地が添加されていない又は廃培地が除去されていない細胞培養環境と比較して、少なくとも一部には、細胞培養プロセスの品質、期間、及び有効性の1つ以上を増加させることができる。同様に、幾つかの実施形態では、容器100の1つ以上の特徴並びに食物培地182を細胞培養チャンバ103に加え(
図11及び
図12参照)、細胞培養チャンバ103から廃培地184を除去する(
図12及び
図13参照)本開示の実施形態による方法は、例えば、本開示の1つ以上の特徴を含まない細胞培養容器、並びに本開示の1つ以上のステップを含まない方法と比較して、少なくとも一部には、培地の体積(細胞培養プロセス中に容器100の細胞培養チャンバ103内に含まれるもの、細胞培養チャンバ103に加えられるもの、及び細胞培養チャンバ103から除去されるもののうちの1つ以上でありうる)に関してより頻繁に、より効果的に行うことができる。
【0038】
加えて、幾つかの実施形態では、本方法は、容器100を移動させること、及び回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収することを含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、容器100を移動させることは、容器100を、第1の配向(例えば、
図13に提供される配向)から第2の配向(例えば、
図14に提供される配向)へと平行移動させること及び回転させることの少なくとも一方を含みうる。幾つかの実施形態では、第1の配向(例えば、
図13に提供される配向)は、重力方向「g」に対してほぼ垂直に延びる軸110を容器100に提供することができるが、第1の配向を画成する他の実施形態では、重力方向「g」に対して他の配向の軸110を提供することができる。同様に、幾つかの実施形態では、第2の配向(例えば、
図14に提供される配向)は、重力方向「g」に対して実質的に非垂直な角度で延びる軸110を容器100に提供することができるが、第2の配向を画成する他の実施形態では、重力方向「g」に対して他の配向の軸110を提供することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、第1の配向は、第2の配向によって提供される重力方向「g」に対する軸110の第2の角度とは異なる、重力方向「g」に対する第1の角度で軸110を提供することができる。加えて、幾つかの実施形態では、細胞培養チャンバ103の領域142に所定量の液体180を含む(
図10参照)、物質182を細胞培養チャンバ103に追加する(
図11参照)、及び細胞培養チャンバ103から物質184を除去する(
図12及び
図13参照)のうちの1つ以上の間に、容器100の軸110は、重力方向「g」にほぼ垂直に延在しうる。例えば、幾つかの実施形態では、容器100は、例えば、重力方向「g」に垂直な主面を画成する水平面(図示せず)上に配置することができ、容器100の軸110は、重力方向「g」に対して水平面(図示せず)の主面にほぼ平行に延在している。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、容器100は、重力方向「g」に対してほぼ垂直に延在する軸110を有する1つ以上の構造(例えば、フレーム、マウント、人間の手など)によって支持(例えば、保持、懸架)することができる。同様に、幾つかの実施形態では、例えば、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収する前及び/又はその最中に容器100(
図14参照)を移動した結果として、容器100は、重力方向「g」に対して実質的に非垂直な角度で延在する軸110を有する1つ以上の構造(例えば、フレーム、マウント、人間の手など)によって支持(例えば、保持、懸架)することができる。
【0040】
したがって、
図14に概略的に示されるように、幾つかの実施形態では、本方法は、容器100を動かすこと、並びに所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部が領域142からフランジ170を越えて(例えば、チャネル175の開口部176の周囲173を越えて)流れ、チャネル175内に堆積するようにすることを含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収する間(
図13参照)、少なくとも一部には、領域142内の所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部がチャネル175に流入するのを防ぐ容器100の配向及びフランジ170の存在に基づいて、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部を細胞培養チャンバ103の領域142内に維持することができる。したがって、幾つかの実施形態では、容器100を動かして、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部が領域142からフランジ170を越えて流れ、チャネル175内に堆積するようにすることにより、老廃物184の除去を制御することができ、幾つかの実施形態では、例えば、容器100を動かさない方法と比較して増加させることができる。幾つかの実施形態では、容器100の第2の配向によって画成される重力方向「g」に対する軸110の角度(
図14参照)は、例えば、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部が領域142からフランジ170を越えて流れ、複数のマイクロキャビティ120内で培養されている細胞150が移動することなくチャネル175内に堆積し、それによって細胞培養プロセスを改善するように選択することができる。
【0041】
したがって、幾つかの実施形態では、本開示の実施形態による容器100を動かして、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部が領域142からフランジ170を越えて流れ、チャネル175内に堆積するようにすること、並びに、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収することにより、容器100を動かさない(例えば、静止したままの)方法を含むがこれに限定されない他の方法と比較して、細胞培養チャンバ103からすべて又は少なくともより多くの量の老廃物184を除去することができる。幾つかの実施形態では、容器100の軸110の配向(例えば、重力方向「g」に対する)は、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収している間、ある持続期間にわたり、変化しないままでありうる。あるいは、幾つかの実施形態では、容器100の軸110の配向(例えば、重力方向「g」に対する)は、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収している間、ある持続期間内に1回以上変更することができる。
【0042】
加えて、
図15に示されるように、幾つかの実施形態では、本方法は、分配ポート181を開口105に挿入することにより、細胞培養チャンバ103に物質(例えば、食物、栄養素)を加えること、及び細胞培養チャンバ103から物質184(例えば、老廃物)を除去した後に、物質185を分配ポートからチャネル175の開口部176に分配すること(
図12~14参照)を含みうる。例えば、
図15は、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収した後(
図69参照)及び容器100を動かして、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部を領域142からフランジ170を越えて流れるようにし、チャネル175内に堆積させた後(
図14参照)に、細胞培養チャンバ103から除去された老廃物184を概略的に示している。幾つかの実施形態では、添加物質185は、例えば、細胞150が消費及び/又は枯渇させた食物及び栄養素を細胞培養環境に補充することができる。したがって、幾つかの実施形態では、物質182及び物質185は、容器100内で行われている細胞の培養タイプに応じて、同じ又は同様の組成物を含んでいても、異なる組成物を含んでいてもよい。さらには、幾つかの実施形態では、スフェロイド150a、150b、150cが培地(例えば、食物、栄養素)を継続的に(例えば、繰り返し)消費し、及び/又は細胞培養プロセス中の副産物として代謝物(例えば、老廃物)を生成するため、細胞150を培養している間に、物質182(例えば、食物、栄養素)を加える(
図11参照及び
図12)、物質184(例えば、老廃物)を除去する(
図12~14参照)、及びさらなる物質185(例えば、食物、栄養素)を加える(
図15参照)方法を、1回又は複数回、選択的に実行することができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、フランジ170及びチャネル175の1つ以上の特徴は、培地を加える際及び除去する際に利点を提供し(
図11~15参照)、マイクロキャビティ120a、120b、120cからのスフェロイド150a、150b、150cの移動を回避し、スフェロイド150a、150b、150cの所望の細胞培養を促進することができる(
図7及び
図8参照)。例えば、
図16は、開口105に分配ポート181を挿入することにより、物質185(例えば、食物、栄養素)を加え、分配ポート181からチャネル175の開口部176に物質185を分配する方法を含む、
図15のビュー16による細胞培養容器100の一部の拡大概略図を示している。同様に、図
17は、開口105に回収ポート183を挿入することにより、細胞培養チャンバ103から物質184(例えば、老廃物)を取り出し、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収する方法を含む、図
12のビュー
14による細胞培養容器100の一部の拡大概略図を示している。
【0044】
図16に示されるように、幾つかの実施形態では、開口105に分配ポート181を挿入することにより、物質185(例えば、食物、栄養素)を加えて、分配ポートからチャネル175の開口部176に物質185を分配する方法は、第1の流路185a、185bに沿った物質185の流れを妨げることを含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、第1の流路185a、185bに沿った流れを妨げることは、フランジ170で第1の流路185a、185bに沿って流れをそらすことを含みうる。幾つかの実施形態では、フランジ170で第1の流路185a、185bに沿って流れをそらすことは、例えば、第1の流路185aに沿ってチャネル175を物質185で満たし、次に、チャネル175から細胞培養チャンバ103の領域142に第1の流路185bに沿って物質185を流すことを含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、物質185は、分配ポート181からチャネル175の開口部176に分配されて、チャネル175のベース174からチャネル175の外面172に沿ったチャネル175の開口部176の周囲173まで、第1の流路185aに沿って、チャネル175を物質185で徐々に満たすことができる。加えて、幾つかの実施形態では、チャネル175が物質185で満たされると、物質185は、チャネル175の開口部176の周囲173を越えて、第1の流路185bに沿って細胞培養チャンバ103の領域142に流れ込むことができる。
【0045】
したがって、幾つかの実施形態では、物質185が分配ポート181からチャネル175の開口部176に分配される間に、領域142の少なくとも一部(少なくとも一部にはフランジ170の内面171及び基板115の一部分123に基づいて画成される)並びに細胞培養チャンバ103の少なくとも一部を物質185で徐々に満たすことができる。物質185を細胞培養チャンバ103に加えることに関して説明されているが、特に明記しない限り、領域142の少なくとも一部(少なくとも一部にはフランジ170の内面171及び基板115の一部分123に基づいて画成される)並びに細胞培養チャンバ103の少なくとも一部は、
図11に示されるように、物質182が分配ポート181からチャネル175の開口部176に分配される間に、物質182で徐々に満たすことができるものと理解されたい。
【0046】
同様に、
図17に示されるように、幾つかの実施形態では、開口105に回収ポート183を挿入することにより、細胞培養チャンバ103から物質(例えば、老廃物)を取り出し、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収する方法は、第2の流路184a、184bに沿って物質184の流れを妨げることを含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、第2の流路184a、184bに沿って流れを妨げることは、フランジ170で第2の流路184a、184bに沿って流れをそらすことを含みうる。幾つかの実施形態では、フランジ170で第2の流路184a、184bに沿って流れをそらすことは、例えば、第2の流路184bに沿って物質184を流しつつ、第2の流路184aに沿ってチャネル175から物質184を除去することを含みうる。幾つかの実施形態では、第2の流路184bは、細胞培養チャンバ103の領域142からチャネル175内へと延びうる。加えて又は代替的に、例えば、少なくとも一部には細胞培養チャンバ103内に含まれる物質180、182、184の体積に基づいて、幾つかの実施形態では、第2の流路184bは、細胞培養チャンバ103(例えば、領域142の外側)からチャネル175内へと延びうる。
【0047】
したがって、幾つかの実施形態では、物質184は、回収ポート183を用いてチャネル175から回収することができ、第2の流路184a、184bに沿ってチャネル175から物質184を徐々に除去することができる。加えて、幾つかの実施形態では、例えば、容器100を動かして、所定量の液体180及び添加物質182(老廃物184を含む)の少なくとも一部を領域142からフランジ170を越えて流し、チャネル175内に堆積させた後(
図14参照)、回収ポート183を用いてチャネル175から物質184を回収することができ、第2の流路184a、184bに沿ったチャネル175から物質184を徐々に除去することができる。例えば、物質184は、チャネル175の開口部176の周囲173からチャネル175の外面172に沿ってチャネル175のベース174まで、第2の流路184aに沿ってチャネル175から徐々に除去することができる。したがって、幾つかの実施形態では、物質184がチャネル175から回収ポート183を用いて回収される間に、細胞培養チャンバ103の少なくとも一部並びに領域142(少なくとも一部にはフランジ170の内面171及び基板115の一部分123に基づいて画成される)の少なくとも一部から、物質184を徐々に除去することができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、複数のマイクロキャビティ120の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で細胞150を培養しつつ、フランジ170で第1の流路185a、185bに沿った物質185の流れを妨げ、フランジ170で第2の流路184a、184bに沿った物質184の流れを妨げることにより、細胞150の培養に干渉することなく、容器100の細胞培養チャンバ103から物質をそれぞれ追加及び除去することができる。例えば、図16に示されるように、幾つかの実施形態では、分配ポート181は、第1の流路185a、185bに沿ってある速度で物質185を分配ポート181からチャネル175に流す(例えば、分配、吹き込み、吸引する)ことにより、細胞培養チャンバ103に材185を加えることができ、それによって、チャネル175内及びその周囲に正の圧力を生成しうる。同様に、図17に示されるように、幾つかの実施形態では、回収ポート183は、チャネル175から回収ポート183に第2の流路184a、184bに沿ってある速度で物質を流す(例えば、回収する、吸引する)ことにより、細胞培養チャンバ103から物質184を除去することができ、それによってチャネル175内及びその周囲に負圧が生成しうる。したがって、幾つかの実施形態では、フランジ170は、それぞれ、第1の流路185a、185b及び第2の流路184a、184bに沿って流れる物質185、184の速度を遅くすることができ、それによって、チャネル175内及びその周囲の正の圧力及び負の圧力をそれぞれ減少させることができる。
【0049】
例えば、幾つかの実施形態では、開口105に分配ポート181を挿入することによって、細胞培養チャンバ103に物質(例えば、食物、栄養素)を加え、分配ポートからチャネル175の開口部176に物質185を分配する(
図16参照)方法は、例えば、フランジ170及びチャネル175の1つ以上の特徴を含まない方法又は細胞培養容器と比較して、細胞培養チャンバ103に物質185のゆっくりとした連続的な制御された(例えば、乱流のない)流れを提供することができる。同様に、幾つかの実施形態では、開口105に回収ポート183を挿入することにより、細胞培養チャンバ103から物質(例えば、老廃物)を取り出し、チャネル175から物質184を回収する(
図17参照)方法は、例えば、フランジ170及びチャネル175の1つ以上の特徴を含まない方法又は細胞培養容器と比較して、細胞培養チャンバ103からの物質184のゆっくりとした連続的な制御された(例えば、乱流のない)流れを提供することができる。第1の流路185a、185b及び第2の流路184a、184bに沿ってそれぞれ流れる物質185、184の速度を低下させることにより、幾つかの実施形態では、フランジ170及びチャネル175は、したがって、複数のマイクロキャビティ115の少なくとも1つのマイクロキャビティ120a、120b、120c内で培養されている細胞150が移動するのを防ぐことができる。例えば、幾つかの実施形態では、物質の流れによって1つ以上の細胞150が移動する場合、1つ以上のマイクロキャビティ120a、120b、120cは、複数のスフェロイドを含んでも、スフェロイドを含まなくてもよい。したがって、幾つかの実施形態では、本開示の方法及び実施形態に従って、少なくとも一部にはフランジ170及びチャネル175の1つ以上の特徴に基づいて、物質のゆっくりとした連続的な制御された(例えば、乱流のない)流れを提供することによって、容器100内で培養されている細胞150が移動する可能性を低減することができ、より質の高い細胞培養及び細胞培養に関するより正確な科学的結果を得ることができる。
【実施例】
【0050】
実施例1:細胞増殖
結腸癌細胞株であるHCT116を、完全なマッコイ5a培地(10単位/mLのペニシリン/10μg/mLのストレプトマイシンを含む10%ウシ胎児血清)のフラスコで約80%コンフルエンシーまで増殖させ、トリプシン処理して表面から細胞を分離させた。次に、細胞をカウントし、マイクロキャビティあたり1000細胞の最終細胞濃度で完全なマッコイ培地に再懸濁した(T-75マイクロキャビティフラスコでは、約6.5×105細胞/mLの最終濃度で15mLの細胞を加える)。細胞がマイクロキャビティフラスコの表面に定着するように、マイクロキャビティフラスコを室温に置く。室温でのインキュベーション後、実験期間中に、フラスコを5%CO2及び95%相対湿度の37℃インキュベータに入れる。スフェロイドの形成は最初の24時間以内に起こる。
【0051】
対照フラスコ:HTC116細胞を、フラスコの底面を切り取り、マイクロキャリアのアレイを有する物質をフラスコの底部に付着させることにより調製したT75フラスコに播種した。フラスコが切り取られたため、材料の「へり」がフラスコの底面の内周に残った。マイクロキャビティのアレイの周囲のこの平坦な表面は、対照容器での培養中に存在していた。
【0052】
実験フラスコ:HTC116細胞を、例えば
図4及び5に示されるフランジ及びチャネル構造を有するT75フラスコにも播種した。
【0053】
浮遊細胞を含む培地を内側の領域に加えた後、フラスコを室温で15分間、静的条件下に置き、細胞をマイクロウェルに定着させた。この15分間のインキュベーションのステップは、均一な細胞播種を確実にし、その後のインキュベータチャンバへの容器の配置時のエッジ効果を最小限に抑えるために、細胞培養生物学研究室で用いられる。細胞がマイクロキャビティ内に定着した後、追加量の細胞培養培地をフラスコに加えた。対照フラスコでは、培地をピペットでフラスコの底面の中心中央(mid-center)に加えた。実験フラスコでは、例えば、
図16に示すように培地を加えた。次いで、フラスコを細胞培養インキュベータに入れ、14日間培養した。この培養期間中に、90%の培地交換効率で合計7回の培地交換を行った。
【0054】
図18Aは、対照T75フラスコ内で増殖したスフェロイドの写真である。スフェロイドは不規則であり、一部のマイクロキャビティから欠落している(培地交換中に外れた可能性がある)。加えて、
図3A及び3Bに示されるような不規則な細胞集塊が、対照フラスコに見られた。
図18Bは、14日間の培養後の実験フラスコ内のスフェロイドを示す写真である。スフェロイドはサイズが似ているように見え、すべてのウェルがスフェロイドで満たされている。
図18Bは、培地交換を伴う実験計画に従って組み立てられたフラスコ内での100%のスフェロイドの保持を実証している。
【0055】
14日間の培養後、対照フラスコ(
図19A及び19B)及び例えば
図4の実験フラスコ(
図19C及び
図19D)からスフェロイドを採取した。
図19A、19B、19C、及び19Dは採取した細胞の写真である。
図19Aに示されるように、細胞は、細胞培養領域に平坦な表面を有する容器内に細胞の「ロープ」を形成した(白矢印を参照)。他の不規則な細胞集塊は、
図19Bに見ることができる。対照的に、
図19C及び
図19Dに示されるように、
図4による実験フラスコ内で増殖したスフェロイドは、規則的かつ均質であった。
【0056】
細胞培養容器及び細胞培養方法の多くの態様が本明細書に開示されている。選択した幾つかの態様の概要を以下に提示する。
【0057】
実施形態では、本開示は、第1の態様において、上部、底部、側壁、及び首のある開口部;複数のマイクロキャビティを含む、容器の底部上の基板であって、該複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティがウェル開口部と凹状のウェル底部とを含む、基板;基板の外周を取り囲む傾斜したフランジであって、基板に隣接した内面と基板とは反対側の外面とを有するフランジ、を有する細胞培養容器を提供する。
【0058】
第2の態様では、本開示は、基板が容器の底部に固定される、態様1の細胞培養容器を提供する。
【0059】
第3の態様では、本開示は、基板が容器の底面と一体化している、態様1の細胞培養容器を提供する。
【0060】
第4の態様では、本開示は、フランジの外面が傾斜している、態様1の細胞培養容器を提供する。
【0061】
第5の態様では、本開示は、フランジの外面が傾斜している、態様2の細胞培養容器を提供する。
【0062】
第6の態様では、本開示は、フランジの外面が傾斜している、態様3の細胞培養容器を提供する。
【0063】
第7の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様1の細胞培養容器を提供する。
【0064】
第8の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様2の細胞培養容器を提供する。
【0065】
第9の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様3の細胞培養容器を提供する。
【0066】
第10の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様4の細胞培養容器を提供する。
【0067】
第11の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様5の細胞培養容器を提供する。
【0068】
第12の態様では、本開示は、フランジの外側で基板の周りに堀を形成する、傾斜したフランジの外周を取り囲むチャネルをさらに含む、態様6の細胞培養容器を提供する。
【0069】
第13の態様では、本開示は、細胞培養容器のフランジのネック側に液体を堆積させること;液体がフランジを越えて複数のマイクロキャビティを含む基板上にこぼれるまで、容器を液体で満たすこと;複数のマイクロキャビティ内で細胞を培養すること、を含む、態様1の細胞培養容器内で細胞を培養する方法を提供する。
【0070】
第14の態様では、本開示は、培養後、細胞培養容器を傾けて、チャネル内に細胞液を蓄積すること;回収ポートを容器の開口に挿入し、回収ポートを用いてチャネルから液体を除去することをさらに含む、態様13の方法を提供する。
【0071】
本開示を通して、「物質」、「液体」、及び「気体/ガス」という用語は、例えば、細胞培養容器で細胞を培養するときに用いられる物質の特性を説明するために使用することができる。特に明記しない限り、本開示の目的では、「物質」は、流体物質(例えば、液体又は気体)を含みうる。加えて、物質は、液体に懸濁された固体粒子(例えば、細胞)を含む、液体を含む培養液又は培地を含みうる。特に明記しない限り、本開示の目的では、「液体」は、洗浄液又はすすぎ液、水溶液、若しくは、例えば、細胞培養チャンバの洗浄、基板及び容器の1つ以上の特徴の滅菌、細胞増殖及び液体の他の使用のための基板の準備のために容器に追加又は容器から除去することができる他の液体を含みうる。加えて、液体は、該液体に懸濁された固体粒子(例えば、細胞)を含む液体を含む、培養溶液又は培地を含みうる。特に明記しない限り、本開示の目的では、「ガス」には、空気、ろ過又は処理された空気、若しくは他のガスが含まれうる。
【0072】
本開示全体にわたって、「非透過性」、「ガス透過性」、及び「多孔性」という用語は、基板の1つ以上の特徴の特性(例えば、物質の特性、特徴、パラメータ)を説明するために使用することができる。
【0073】
特に明記しない限り、本開示の目的では、「非透過性」基板(例えば、非透過性基板の物質)は、通常の条件下では(例えば、圧力及び力を含むがこれに限定されない外部影響なしに)固体、液体、及び気体に対して不透過性であるとみなされ、したがって、通常の条件下では、非透過性基板内へ、該基板を通じた、又は該基板から外への、固体、液体、又は気体の移動は許されない。幾つかの実施形態では、非透過性基板は、容器の壁の一部を形成することができる。加えて、細菌は非透過性基板を通過できないことから、非透過性基板が容器の壁の一部を形成する場合、容器の細胞培養チャンバは無菌であると見なされる。しかしながら、基板の複数のマイクロキャビティに物質を充填する場合、液体の表面張力に基づいて非透過性基板のマイクロキャビティ内にガスが閉じ込められる可能性があり、それにより、幾つかの実施形態では、物質がマイクロキャビティを満たすのを妨げ、スフェロイドの増殖を妨げる可能性がある。
【0074】
特に明記しない限り、本開示の目的では、「ガス透過性」基板(例えば、ガス透過性基板の物質)は、固体及び液体に対して不透過性であり、通常の条件下でガスに対して透過性であると見なされる。したがって、ガス透過性基板は、ガス透過性基板の内、中、又は外への固体及び液体の移動を許さず、ガス透過性基板の内、中、又は外へのガスの移動を可能にする。幾つかの実施形態では、ガス透過性基板は容器の壁の一部を形成することができる。加えて、細菌は例えばガス透過性基板を合理的に通過できないことから、ガス透過性基板が容器の壁の一部を形成する場合、容器の細胞培養チャンバは無菌であると見なされる。しかしながら、基板はガス透過性であるが、ガス透過性基板を通るガス透過速度は通常の動作条件下でキャビティからガスを移動させるのに必要な速度よりも遅くなる可能性があり、したがって、基板を透過するのに許容できないほど長い時間がかかる可能性があることから、ガスは物質の充填中にマイクロキャビティ内に閉じ込められる可能性がある。したがって、幾つかの実施形態では、マイクロキャビティにゆっくりと充填することにより、液体の前部が各マイクロキャビティにある角度で入ることが可能になり、それによって、液体をマイクロキャビティに充填するときにガスが移動する。幾つかの実施形態では、キャビティを液体で満たした後、ガスはガス透過性基板を(ゆっくりと)透過しうる。
【0075】
特に明記しない限り、本開示の目的では、「多孔性」基板(例えば、多孔性基板の物質)は、固体に対して不透過性であり、通常の条件下で液体及びガスに対して透過性であると見なされる。したがって、多孔性基板は、多孔性基板の内、中、又は外への固体の移動を許さず、多孔性基板の内、中、又は外への液体及びガスの移動を可能にする。細菌が多孔性基板を通過する可能性があることから、多孔性基板は容器の一部を形成することができず、したがって細胞培養チャンバ内で無菌性の問題が生じる。よって、多孔性基板を使用する場合、基板は容器の無菌細胞培養チャンバ内に封入(完全に封入)する必要がある。しかしながら、マイクロキャビティに物質を充填する間、ガスは多孔性基板を通って逃げる(例えば、通過する)ことができる。よって、マイクロキャビティへのガスの閉じ込めを懸念することなく、マイクロキャビティの充填を迅速に行うことができる。幾つかの実施形態では、液体は、圧力又は物理的接触が加えられ、基板が乱された状態の多孔質基板のみ、通過することができる。よって、幾つかの実施形態では、基板が追加の圧力又は物理的接触及び乱れにさらされない限り、液体を含む物質を基板のマイクロキャビティに収容することができる。例えば、幾つかの実施形態では、多孔性基板を細胞培養チャンバ内で支持して、充填中並びに培養中にガスが基板を通過できるようにし、加えられた圧力又は物理的接触及び外力(例えば、細胞培養チャンバー外)による乱れから基板を隔離することができる。
【0076】
さまざまな開示される実施形態は、その特定の実施形態に関連して記載される特定の特徴、要素、又は工程を含みうることが認識されよう。また、特定の特徴、要素、又は工程は、特定の一実施形態に関連して説明されているが、図示されていないさまざまな組合せ又は順列の代替的な実施形態と交換又は組み合わせることができることも認識されよう。
【0077】
本明細書で用いられる場合、用語「the」、「a」、又は「an」は、「少なくとも1つ」を意味し、明示的に反対の指示がない限り、「1つのみ」に限定されるべきではないことが理解されるべきである。よって、例えば、「ある1つの(a)構成要素」への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、そのような構成要素を2つ以上有する実施形態を含む。
【0078】
本明細書では、範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。このような範囲が表現される場合、実施形態は、その1つの特定の値から及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、例えば先行詞「約」の使用によって、値が近似値として表される場合、その特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。さらには、範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、及び他の端点とは独立してのいずれにおいても重要であることが理解されよう。
【0079】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の方法は、その工程が特定の順序で実行されることを必要とすると解釈されることは、決して意図していない。したがって、方法クレームがその工程が従うべき順序を実際に列挙していないか、または工程が特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲または明細書に具体的に述べられていない場合には、いかなる特定の順序も、推測されることは、決して意図していない。
【0080】
特定の実施形態のさまざまな特徴、要素、又は工程は、「含む」という移行句を使用して開示されうるが、「~からなる」又は「~から実質的になる」という移行句を使用して説明されうるものを含む代替的な実施形態態が暗示されることが理解されるべきである。したがって、例えば、A+B+Cを含む装置の暗黙の代替的な実施形態には、装置がA+B+Cからなる実施形態と、装置が実質的にA+B+Cからなる実施形態とが含まれる。
【0081】
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示に対してさまざまな修正及び変形がなされうることは、当業者にとって明白であろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある限り、本開示の修正及び変形を包含することが意図されている。
【0082】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0083】
実施形態1
細胞培養容器において、
上部、底部、側壁、及び首のある開口部;
複数のマイクロキャビティを含む、前記容器の前記底部上の基板であって、前記複数のマイクロキャビティの各マイクロキャビティがウェル開口部と凹状のウェル底部とを備えている、基板;並びに
前記基板の外周を取り囲む傾斜したフランジ
を含み、
前記フランジが、前記基板に隣接した内面と前記基板とは反対側の外面とを有している、
細胞培養容器。
【0084】
実施形態2
前記基板が前記容器の前記底部に固定されている、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0085】
実施形態3
前記基板が前記容器の底面と一体化している、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0086】
実施形態4
前記フランジの前記外面が傾斜している、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0087】
実施形態5
前記フランジの前記外面が傾斜している、実施形態2に記載の細胞培養容器。
【0088】
実施形態6
前記フランジの前記外面が傾斜している、実施形態3に記載の細胞培養容器。
【0089】
実施形態7
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態1に記載の細胞培養容器。
【0090】
実施形態8
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態2に記載の細胞培養容器。
【0091】
実施形態9
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態3に記載の細胞培養容器。
【0092】
実施形態10
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態4に記載の細胞培養容器。
【0093】
実施形態11
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態5に記載の細胞培養容器。
【0094】
実施形態12
前記傾斜したフランジの外周を取り囲み、前記フランジの外側で前記基板の周りに堀を形成するチャネルをさらに含む、実施形態6に記載の細胞培養容器。
【0095】
実施形態13
実施形態1に記載の細胞培養容器内で細胞を培養する方法であって、
前記細胞培養容器の前記フランジのネック側に液体を堆積させること;
液体が前記フランジを越えて複数のマイクロキャビティを含む前記基板上にこぼれるまで、前記容器を液体で満たすこと;及び
前記複数のマイクロキャビティ内で細胞を培養すること
を含む、方法。
【0096】
実施形態14
培養後、前記細胞培養容器を傾けてチャネル内に細胞液を蓄積すること;
前記容器の開口に回収ポートを挿入し、該回収ポートを使用してチャネルから液体を除去すること
をさらに含む、実施形態13に記載の方法。
【符号の説明】
【0097】
100細胞培養容器
101 上部/壁
102 内面
103 細胞培養チャンバ
104 キャップ
105 開口
107 端部壁
108 底部
110 軸
112 ネック
115 マイクロキャビティのアレイ/基板
120 複数のマイクロキャビティ
120a,120b,120c 各マイクロキャビティ
121a,121b,121c 凹面
122a,122b,122c ウェル
123a,123b,123c 開口部
125 第1の側
126 第2の側
142 領域
150 細胞
170 フランジ
171 内面
172 外面
173 周囲
174 ベース
175 チャネル
176 開口部
180 液体
182 物質
183 回収ポート
184 老廃物
201,207,208,212 内部表面
202 平坦な表面
250 細胞/スフェロイド
801 細胞集塊