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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】クリーニングシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20221216BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20221216BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20221216BHJP
   F24F 110/64 20180101ALN20221216BHJP
   F24F 120/14 20180101ALN20221216BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F11/58
F24F11/65
F24F110:64
F24F120:14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020502793
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 JP2018032416
(87)【国際公開番号】W WO2019167314
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2018034795
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】井上 頌太
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035178(JP,A)
【文献】特開2010-060266(JP,A)
【文献】特開平05-340597(JP,A)
【文献】特開平11-094339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/79
F24F 11/58
F24F 11/65
F24F 110/64
F24F 120/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に吹出口から空気を送り出す空気調和機と、
前記室内をクリーニングする第1クリーニング装置と
を備え、
前記空気調和機は、
前記吹出口から送り出す前記空気の風向を、少なくとも3段階で上下方向に変更する風向変更部と、
所定トリガーに応答して、前記空気調和機の動作モードを集塵モードに設定する制御部と
を含み、
前記集塵モードは、前記室内の塵埃を床に落とす動作モードを示し、
前記少なくとも3段階の風向のうち、第1段階の風向は、第2段階の風向よりも上方向であって水平方向よりも上方向を向いており、前記第2段階の風向は、第3段階の風向よりも上方向を向いており、前記第3段階の風向は、前記床の方向を向いており、
前記集塵モードでは、前記風向変更部は、第1所定期間中、前記第1段階の風向で前記空気を送り出しつつ左右方向に沿って風向を変更しながら前記空気を前記室内に送り出すとともに、前記第1所定期間の経過後の第2所定期間中、前記第2段階の風向で前記空気を前記室内に送り出す、クリーニングシステム。
【請求項2】
前記第1クリーニング装置は、空気中の塵埃の量を検知する塵埃検知部を含み、
前記空気調和機は、前記塵埃検知部の検知した塵埃の量に基づく制御情報を受信する通信部をさらに含み、
前記所定トリガーは、前記制御情報に基づいている、請求項1に記載のクリーニングシステム。
【請求項3】
前記空気調和機及び前記第1クリーニング装置の少なくとも一方は、人の動きを検知する人検知部を含み、
前記所定トリガーは、前記人検知部の検知結果に基づいて人が前記室内に不在であると判定されたことである、請求項1又は請求項2に記載のクリーニングシステム。
【請求項4】
前記所定トリガーは、前記空気調和機の動作モードを前記集塵モードに設定することを指示する指示信号を前記空気調和機がリモコンから受信すること、又は、前記空気調和機が空気調和を行う運転を停止することである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクリーニングシステム。
【請求項5】
前記集塵モードにおいて、前記風向変更部は、前記第2所定期間の経過後の第3所定期間中、前記第1クリーニング装置に向けて前記空気を送り出し、
前記第1クリーニング装置は、空気中の塵埃を集塵する空気清浄機であり、
前記第1クリーニング装置は、前記第3所定期間中、動作している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリーニングシステム。
【請求項6】
前記床を自走して前記床を掃除する第2クリーニング装置をさらに備え、
前記第1クリーニング装置は、空気中の塵埃を集塵する空気清浄機である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクリーニングシステム。
【請求項7】
ネットワークを介して前記空気調和機及び前記第1クリーニング装置に接続するサーバーをさらに備え、
前記サーバーは、
前記空気調和機の状態を示す状態情報と前記第1クリーニング装置の状態を示す状態情報とのうち少なくとも一方の状態情報を受信し、
前記少なくとも一方の状態情報に基づいて、前記空気調和機と前記第1クリーニング装置とが連携して動作するように前記空気調和機と前記第1クリーニング装置とのうちの少なくとも一方の機器を制御する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のクリーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された空気調和機は、ファンの駆動により吸込口から吸い込んだ空気を吹出口から吹き出す。空気調和機は、フィルターと、制御部とを備える。フィルターは、吸込口とファンとの間に配される。制御部は、ファンの駆動を制御する。制御部は、吹出口から調和空気を吹き出す通常運転モードのほかに、ファンの駆動を制御して吹出口から強風を吹き出させて室内に存在する塵埃を巻き上げてフィルターで集塵する室内除塵モードを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-80735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された空気調和機は、強風を吹き出すことによって塵埃を巻き上げて空気中に飛散させ、単独で塵埃を集塵する。一方、近年、室内の塵埃の集塵を更に効果的に行うことが要望されている。
【0005】
本発明の目的は、室内の塵埃を効果的に集塵できるクリーニングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、クリーニングシステムは、空気調和機と、第1クリーニング装置とを備える。空気調和機は、室内に吹出口から空気を送り出す。第1クリーニング装置は、前記室内をクリーニングする。前記空気調和機は、風向変更部と、制御部とを含む。風向変更部は、前記吹出口から送り出す前記空気の風向を、少なくとも3段階で上下方向に変更する。制御部は、所定トリガーに応答して、前記空気調和機の動作モードを集塵モードに設定する。前記集塵モードは、前記室内の塵埃を床に落とす動作モードを示す。前記少なくとも3段階の風向のうち、第1段階の風向は、第2段階の風向よりも上方向を向いており、前記第2段階の風向は、第3段階の風向よりも上方向を向いており、前記第3段階の風向は、前記床の方向を向いている。前記集塵モードでは、前記風向変更部は、第1所定期間中、前記第1段階の風向で前記空気を前記室内に送り出すとともに、前記第1所定期間の経過後の第2所定期間中、前記第2段階の風向で前記空気を前記室内に送り出す。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)本発明の実施形態1に係るクリーニングシステムを示す図である。(b)実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機及び空気清浄機を示す斜視図である。
図2】実施形態1に係るクリーニングシステムのサーバーと空気調和機と空気清浄機との通信手順を示す図である。
図3】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気清浄機を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機を示す斜視図である。
図5】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機を示す断面図である。
図6】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機を示すブロック図である。
図7】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機の風向を示す図である。
図8】実施形態1に係るクリーニングシステムの空気調和機の集塵モードでの動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態2に係るクリーニングシステムの空気調和機の集塵モードでの動作の前段を示すフローチャートである。
図10】実施形態2に係るクリーニングシステムの空気調和機の集塵モードでの動作の後段を示すフローチャートである。
図11】(a)本発明の実施形態3に係るクリーニングシステムを示す図である。(b)実施形態3に係るクリーニングシステムの空気調和機、空気清浄機、及び自走式掃除機を示す斜視図である。
図12】実施形態3に係るクリーニングシステムのサーバーと空気調和機と空気清浄機と自走式掃除機との通信手順を示す図である。
図13】本発明の実施形態3に係るクリーニングシステムの自走式掃除機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
(実施形態1)
図1図8を参照して、本発明の実施形態1に係るクリーニングシステム100を説明する。まず、図1を参照して、クリーニングシステム100を説明する。図1(a)は、クリーニングシステム100を示す図である。図1(b)は、クリーニングシステム100の空気清浄機3及び空気調和機5を示す斜視図である。
【0011】
図1(a)に示すように、クリーニングシステム100は、サーバー1と、空気清浄機3と、空気調和機5と、通信端末7とを備える。空気清浄機3は、「第1クリーニング装置」の一例に相当する。
【0012】
サーバー1はネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、及び公衆電話網を含む。そして、サーバー1は、ネットワークNWを介して、空気調和機5、空気清浄機3、及び通信端末7に接続する。サーバー1は、コンピューターであり、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーと、データ及びコンピュータープログラムを記憶する記憶装置とを含む。記憶装置は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー及び/又はハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。サーバー1のプロセッサーは、記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種処理を実行する。
【0013】
具体的には、サーバー1は、通信端末7の送信した情報IF1を受信する。そして、サーバー1は、情報IF1に基づいて空気清浄機3又は空気調和機5と通信する。従って、ユーザーは、通信端末7を操作して、サーバー1を介して空気清浄機3及び空気調和機5を操作できる。
【0014】
また、サーバー1は、空気清浄機3の送信した情報IF2又は空気調和機5の送信した情報IF3を受信する。そして、サーバー1は、情報IF2又は情報IF3に基づいて通信端末7と通信する。従って、ユーザーは、通信端末7を操作して、空気清浄機3及び空気調和機5の情報をサーバー1を介して取得できる。
【0015】
図1(a)及び図1(b)に示すように、空気清浄機3はネットワークNWに接続される。空気清浄機3は建造物の部屋RM(具体的には床FL)に設置される。以下、部屋RMの内部を「室内」と記載する。空気清浄機3は室内をクリーニングする。具体的には、空気清浄機3は、室内の空気中の塵埃を集塵する。
【0016】
空気調和機5はネットワークNWに接続される。空気調和機5は建造物の部屋RM(具体的には壁WL)に設置される。空気調和機5の設置される部屋RMと空気清浄機3の設置される部屋RMとは同じである。空気調和機5は空気調和を行う。
【0017】
空気調和機5は室内機である。なお、空気調和機5は、配管によって室外機と接続される。そして、配管を通して、空気調和機5と室外機との間で冷媒が循環する。室外機は室外に設置される。室外機は、ファンと、圧縮機と、熱交換器と、四方弁のような各種部品とを備える。
【0018】
通信端末7はネットワークNWに接続される。通信端末7は表示部7aを含む。表示部7aは各種情報を表示する。通信端末7は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピューター、又はパーソナルコンピューターである。通信端末7は、CPUのようなプロセッサーと、データ及びコンピュータープログラムを記憶する記憶装置とを含む。記憶装置は、サーバー1の記憶装置と同様の構成を有する。通信端末7のプロセッサーは、記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種処理を実行する。
【0019】
次に、図1(a)及び図2を参照して、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3との通信手順の一例を説明する。図2は、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3との通信手順を示す図である。図1(a)及び図2に示すように、空気調和機5は、空気調和機5の状態を示す状態情報(以下、「状態情報ST1」と記載する。)をサーバー1に送信する。そして、サーバー1は、空気調和機5から状態情報ST1を受信する。さらに、サーバー1は、状態情報ST1に基づいて空気清浄機3を制御する制御情報(以下、「制御情報CN1」と記載する。)を生成し、制御情報CN1を空気清浄機3に送信する。空気清浄機3は、サーバー1から制御情報CN1を受信し、制御情報CN1に基づいて動作する。従って、空気清浄機3は、空気調和機5と連携して動作する。
【0020】
空気清浄機3は、空気清浄機3の状態を示す状態情報(以下、「状態情報ST2」と記載する。)をサーバー1に送信する。そして、サーバー1は、空気清浄機3から状態情報ST2を受信する。さらに、サーバー1は、状態情報ST2に基づいて空気調和機5を制御する制御情報(以下、「制御情報CN2」と記載する。)を生成し、制御情報CN2を空気調和機5に送信する。空気調和機5は、サーバー1から制御情報CN2を受信し、制御情報CN1に基づいて動作する。従って、空気調和機5は、空気清浄機3と連携して動作する。
【0021】
以降、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3との間で、通信が実行される。
【0022】
以上、図1(a)及び図2を参照して説明したように、サーバー1は、空気調和機5の状態情報ST1と空気清浄機3の状態情報ST2とのうちの少なくとも一方の状態情報を受信する。そして、サーバー1は、少なくとも一方の状態情報に基づいて、空気調和機5と空気清浄機3とが連携して動作するように、空気調和機5と空気清浄機3とのうち少なくとも一方の機器を制御する。従って、空気調和機5及び空気清浄機3の各々が単独で室内の塵埃を集塵する場合と比較して、室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【0023】
なお、状態情報ST1は、空気調和機5に含まれる検知部(例えば、後述の人検知部55)の検知結果を含んでもよい。状態情報ST2は、空気清浄機3に含まれる検知部(例えば、後述の人検知部36、塵埃検知部35)の検知結果を含んでもよい。
【0024】
次に、図3を参照して、空気清浄機3を詳細に説明する。図3は、空気清浄機3を示すブロック図である。図3に示すように、空気清浄機3は、制御部30と、記憶部31と、通信部32と、フィルター33と、ファン34と、塵埃検知部35と、人検知部36とを含む。制御部30は、記憶部31、通信部32、ファン34、及び塵埃検知部35を制御する。制御部30はCPUのようなプロセッサーを含む。記憶部31は、記憶装置であり、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶装置は、サーバー1の記憶装置と同様の構成を有する。制御部30のプロセッサーは、記憶部31の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種制御を実行する。
【0025】
通信部32はネットワークNWに接続する。そして、通信部32は、ネットワークNWを介してサーバー1と通信する。従って、制御部30は、通信部32を介してサーバー1と通信する。通信部32は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラーである。
【0026】
ファン34は、室内の空気を空気清浄機3内部に取り込み、空気をフィルター33に通過させる。その結果、フィルター33は、空気中の塵埃を集塵する。フィルター33は、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターである。
【0027】
塵埃検知部35は、空気中の塵埃の量(以下、「塵埃量」と記載する。)を検知する。実施形態1では、塵埃検知部35は、空気中の塵埃の濃度(以下、「塵埃濃度」と記載する。)を検知する。具体的には、塵埃検知部35は、発光素子及び受光素子を有する光学センサーを含み、受光素子から出力される出力パルス幅に基づいて空気中の塵埃の濃度(以下、「塵埃濃度」と記載する。)を検知する。塵埃検知部35により検知される塵埃濃度は正規化され、塵埃検知部35の検知範囲内で塵埃濃度が最も低い場合を「1」として最も高い場合を「0」としている。空気の汚れ度(以下、「汚れ度DL」と記載する。)は、塵埃濃度に応じて「小」、「中」、及び「大」の3ランクにランク分けされる。空気の汚れ度DLは、室内の空気が塵埃によって汚れている程度を示す。塵埃検知部35は、例えば、塵埃センサーである。制御部30は、空気の汚れ度DLが大きいほどファン34の回転数を高くして、ファン34の風量を大きくする。
【0028】
人検知部36は室内の人の動きを検知する。具体的には、人検知部36は、焦電式センサーを含む。そして、人検知部36は、人体が動くことで生じる熱(赤外線量)の変化をとらえて、人検知部36の検知結果を示す信号を制御部30に出力する。そして、制御部30は、人検知部36の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。人検知部36は、例えば、人感センサーである。制御部30は、室内の人の存否に基づいて、空気清浄機3の運転を制御する。なお、人検知部36は、カメラであってもよい。
【0029】
次に、図4図6を参照して、空気調和機5を詳細に説明する。図4は、空気調和機5を示す斜視図である。図5は、空気調和機5を示す断面図である。図6は、空気調和機5を示すブロック図である。
【0030】
図4に示すように、空気調和機5は、キャビネット50と、風向変更部51と、フィルター54と、人検知部55とを含む。キャビネット50は吸込口P1を有する。吸込口P1はキャビネット50の上面に形成される。フィルター54は吸込口P1に配置される。フィルター54は室内の空気中の塵埃を集塵する。具体的には、フィルター54は、吸込口P1から吸込んだ室内の空気から塵埃を集塵する。換言すれば、空気調和機5は室内をクリーニングする。
【0031】
人検知部55は、室内の人の動きを検知する。人検知部55は、キャビネット50の前面隅部に配置される。
【0032】
次に、図4及び図5を参照して、キャビネット50及び風向変更部51を説明する。図4及び図5に示すように、キャビネット50は吹出口P2を有する。吹出口P2は、キャビネット50の前面下部に形成される。風向変更部51は吹出口P2に配置される。つまり、風向変更部51は、キャビネット50の前面下部に配置される。風向変更部51は、吹出口P2から送り出す空気の風向を変更する。
【0033】
具体的には、風向変更部51は、フラップ510と、ルーバー511とを含む。フラップ510は、水平方向に沿って延びており、略板状である。実施形態1では、フラップ510は、側面視において湾曲している。フラップ510は、上下方向にスイングする。従って、フラップ510は、吹出口P2から送り出す空気の風向を上下方向に変更する。
【0034】
ルーバー511は、吹出口P2から送り出す空気の風向を水平方向(具体的には左右方向)に変更する。具体的には、ルーバー511は、水平方向に沿って並んだ複数の羽根511aを含む。複数の羽根511aの各々は、鉛直方向に沿って起立しており、略板状である。複数の羽根511aの各々は、水平方向(具体的には左右方向)にスイングする。従って、複数の羽根511aは、吹出口P2から送り出す空気の風向を水平方向(具体的には左右方向)に変更する。なお、「左」及び「右」は、空気調和機5から正面を見たときの「左」及び「右」を示す。
【0035】
引き続き図5を参照して、空気調和機5を説明する。図5に示すように、空気調和機5は、熱交換器52と、ファン53とをさらに含む。熱交換器52及びファン53は、キャビネット50に収容される。
【0036】
熱交換器52は熱交換を行う。キャビネット50の内部には、吸込口P1から吹出口P2に至る空気通路が形成され、空気通路に熱交換器52及びファン53が配置される。ファン53は、吸込口P1を通して、空気を吸い込み、吸い込んだ空気を、吹出口P2を通して外部に送り出す。換言すれば、空気調和機5は、ファン53によって、室内に吹出口P2から空気を送り出す。ファン53は、例えば、クロスフローファンである。
【0037】
次に、図6を参照して、空気調和機5を更に説明する。図6に示すように、空気調和機5は、制御部56と、記憶部57と、通信部58と、リモコン59と、赤外線受信部60とさらに含む。制御部56は、記憶部57、通信部58、風向変更部51、熱交換器52、ファン53、人検知部55、及び赤外線受信部60を制御する。制御部56はCPUのようなプロセッサーを含む。記憶部57は、記憶装置であり、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶装置は、サーバー1の記憶装置と同様の構成を有する。制御部56のプロセッサーは、記憶部57の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種制御を実行する。
【0038】
制御部56は、空気調和機5の動作モードを、空気調和モード又は集塵モードに設定して、空気調和機5の動作を制御する。空気調和モードは、空気調和運転を行う動作モードを示す。空気調和運転とは、空気調和を行う運転のことである。空気調和運転は、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、又は送風運転である。集塵モードは、室内の塵埃を床FLに落とす動作モードを示す。実施形態1では、制御部56は、所定トリガー(以下、「所定トリガーTG」と記載する。)に応答して、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。
【0039】
通信部58はネットワークNWに接続する。そして、通信部58は、ネットワークNWを介してサーバー1と通信する。従って、制御部56は、通信部58を介してサーバー1と通信する。通信部58は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラーである。
【0040】
リモコン59は赤外線信号を赤外線受信部60に送信する。赤外線受信部60は、リモコンから赤外線信号を受信する。赤外線信号は、空気調和機5を操作する信号を含む。例えば、赤外線受信部60は赤外線受光素子を含む。
【0041】
人検知部55は室内の人の動きを検知する。人検知部55は図3の人検知部36と同様の構成を有する。そして、制御部56は、人検知部55の検知結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。制御部56は、室内の人の存否に基づいて、空気調和機5の運転を制御する。
【0042】
次に、図6及び図7を参照して、風向変更部51及び集塵モードを説明する。図7は、空気調和機5の風向を示す図である。図7に示すように、風向変更部51(具体的にはフラップ510)は、吹出口P2から送り出す空気の風向を、少なくとも3段階で上下方向に変更する。少なくとも3段階の風向のうち、第1段階の風向A1は、第2段階の風向A2よりも上方向を向いている。例えば、第1段階の風向A1は、風向変更部51によって取り得る風向のうち最も上方を向く風向を示す。例えば、第1段階の風向A1は、天井RFに向いているか、天井RFと壁WLとが接続する隅部NUに向いているか、壁WLの上部UAに向いている。例えば、第1段階の風向A1は、水平方向HDを向いている。例えば、第1段階の風向A1は、水平方向HDに対して上方に向かって20度以内の角度を有する。例えば、第1段階の風向A1は、水平方向HDに対して下方に向かって20度以内の角度を有する。
【0043】
第2段階の風向A2は、第3段階の風向A3よりも上方向を向いている。例えば、第2段階の風向A2は、壁WLの上部UAと下部LAとの中間部MAを向いている。例えば、第2段階の風向A2は、水平方向HDに対して下方に向かって40度以内の角度を有する。例えば、第2段階の風向A2は、壁WLと床FLが接続する隅部NLよりも上方向を向いている。例えば、第2段階の風向A2は、壁WLの下部LAよりも上方向を向いている。
【0044】
第3段階の風向A3は床FLの方向を向いている。例えば、風向A3は、床FLに直接向いていてもよいし、隅部NL近傍を向いていてもよい。例えば、第3段階の風向A3は、風向変更部51によって取り得る風向のうち最も下方を向く風向を示す。
【0045】
なお、実施形態1では、壁WLの上部UA、中間部MA、及び下部LAは、壁WL全体を鉛直方向に均等に3分割した領域を示す。ただし、壁WLの上部UA、中間部MA、及び下部LAは、壁WL全体を鉛直方向に不均等に3分割した領域であってもよい。
【0046】
集塵モードでは、風向変更部51は、第1所定期間T1中、第1段階の風向A1で空気を室内に送り出すとともに、第1所定期間T1の経過後の第2所定期間T2中、第2段階の風向A2で空気を室内に送り出す。そして、空気調和機5は、第2所定期間T2の経過時に空気を送り出すことを停止する。
【0047】
従って、実施形態1によれば、室内の上方にある塵埃(例えば、天井RFに付着していた塵埃、天井RFに備えられた照明に付着又は溜まっていた塵埃、壁WLの上部UAに付着していた塵埃など)は、風向A1を有する空気によって払われ、床FLに向かって落下する。また、室内の中間にある塵埃(例えば、電気スタンドに付着している塵埃、書棚の棚に溜まっていた塵埃など)は、風向A2を有する空気によって払われ、床FLに向かって落下する。一方、室内の床FLには、空気清浄機3が設置されている。従って、空気清浄機3は、塵埃の落下前から空気清浄機3の集塵可能範囲に存在する塵埃と、空気調和機5によって落下された塵埃とを集塵する。その結果、空気清浄機3は、室内の塵埃を効果的に集塵できる。換言すれば、クリーニングシステム100は、室内の塵埃を効果的に集塵できる。加えて、空気調和機5が塵埃を集塵するため、クリーニングシステム100は、室内の塵埃を更に効果的に集塵できる。
【0048】
具体的には、実施形態1では、集塵モードにおいて、風向A1を有する空気に応じて、室内の上側領域の塵埃が床FLに向かって落下する。そして、風向A2を有する空気に応じて、室内の上側領域から落下した塵埃が更に床FLに向かって落下する。加えて、風向A2を有する空気に応じて、室内の上側領域と下側領域との間に位置する中間領域の塵埃が床FLに向かって落下する。従って、室内の上側領域及び中間領域の塵埃が、室内の下側領域に集まる。例えば、室内の上側領域及び中間領域の塵埃が、床FLに落下するか、床FLの近傍で浮遊する。
【0049】
一方、室内の床FLには、空気清浄機3が設置されている。従って、空気清浄機3は、塵埃の落下前から空気清浄機3の集塵可能範囲に存在する塵埃と、空気調和機5によって落下された室内の上側領域及び中間領域の塵埃とを集塵する。その結果、室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【0050】
ここで、風向変更部51は、第1所定期間T1において、第1段階の風向A1を維持しつつ、水平方向(具体的には左右方向)に沿って風向を変更することが好ましい。また、風向変更部51は、第2所定期間T2において、第2段階の風向A2を維持しつつ、水平方向(具体的には左右方向)にそって風向を変更することが好ましい。
【0051】
なぜなら、水平方向における広範囲にわたって室内の塵埃を落下させることができるからである。その結果、空気清浄機3は更に効果的に塵埃を集塵できる。例えば、風向変更部51(具体的にルーバー511)は、風向B1と風向B2と風向B3とを切り替える。風向B1は左方を向く風向を示し、風向B3は右方を向く風向を示す。風向B2は、風向B1と風向B3との間を向く風向を示す。例えば、風向B2は、空気調和機5から真っ直ぐ(正面方向)の風向を示す。
【0052】
また、実施形態1では、制御部56は、集塵モード(第1所定期間T1及び第2所定期間T2)において、ファン53の発生し得る風量のうち最大風量を発生するように、ファン53を制御することが好ましい。なぜなら、更に効果的に塵埃を落下させることができるからである。
【0053】
以下、第1所定期間T1及び第2所定期間T2において、風向変更部51が風向を変更して塵埃を落下させる処理を「塵埃落下処理」と記載する場合がある。
【0054】
なお、空気清浄機3は、空気調和機5の動作モードが集塵モードに設定される前から、塵埃を集塵する動作(以下、「空気清浄動作」と記載する。)を実行していてもよい。また、空気清浄機3は、空気調和機5の動作モードが集塵モードに設定された時から、空気清浄動作を開始してもよい。さらに、空気清浄機3は、塵埃落下処理が完了した時から所定時間の経過後に、空気清浄動作を開始してもよい。
【0055】
次に、図6図8を参照して、空気調和機5の集塵モードでの動作を詳細に説明する。図8は、空気調和機5の集塵モードでの動作を示すフローチャートである。図8に示すように、空気調和機5の制御部56の処理は、ステップS1~ステップS9を含む。
【0056】
図6及び図8に示すように、ステップS1において、制御部56は、所定トリガーTGが発生したか否かを判定する。
【0057】
ステップS1で否定判定(No)がされる限り、処理はステップS1を繰り返す。
【0058】
一方、ステップS1で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS2に進む。
【0059】
ステップS2において、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。その結果、空気調和機5は集塵モードの動作を開始する。
【0060】
ステップS3において、制御部56は、空気調和機5の状態情報TS1をサーバー1(図1(a))に送信する。状態情報TS1は、空気調和機5の動作モードが集塵モードに設定されたことを示す。そして、サーバー1は、状態情報TS1を受信して、状態情報TS1に基づいて空気清浄機3を制御する。具体的には、サーバー1は、状態情報TS1に基づいて制御情報NT1を生成して、制御情報NT1を空気清浄機3に送信する。
【0061】
例えば、制御情報NT1は、空気清浄機3に空気清浄動作を開始することを指示する情報を含む。従って、空気清浄機3は、空気清浄動作を実行中でない場合は、制御情報NT1に従って空気清浄動作を実行する。その結果、空気調和機5と空気清浄機3とが連携して室内の塵埃を集塵できる。
【0062】
例えば、制御情報NT1は、空気清浄機3のファン34の風量を増大することを指示する情報を含む。従って、空気清浄機3は、制御情報NT1に従ってファン34の風量を増大する。その結果、空気清浄機3は、空気調和機5によって落下された塵埃を更に効果的に集塵できる。
【0063】
ステップS4において、風向変更部51が、第1段階の風向A1で空気を送り出しつつ、水平方向に沿って風向を変更するように、制御部56は風向変更部51を制御する。
【0064】
ステップS5において、制御部56は、第1段階の風向A1で空気を送り出すことを開始した時から第1所定期間T1が経過したか否かを判定する。
【0065】
ステップS5で否定判定(No)がされた場合は、処理がステップS4に戻る。
【0066】
一方、ステップS5で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS6に進む。
【0067】
ステップS6において、風向変更部51が、第2段階の風向A2で空気を送り出しつつ、水平方向に沿って風向を変更するように、制御部56は風向変更部51を制御する。
【0068】
ステップS7において、制御部56は、第2段階の風向A2で空気を送り出すことを開始した時から第2所定期間T2が経過したか否かを判定する。
【0069】
ステップS7で否定判定(No)がされた場合は、処理がステップS6に戻る。
【0070】
一方、ステップS7で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS8に進む。
【0071】
ステップS8において、制御部56は、ファン53を停止して、空気を送り出すことを停止する。そして、制御部56は集塵モードを終了する。
【0072】
ステップS9において、制御部56は、空気調和機5の状態情報TS2をサーバー1(図1(a))に送信する。状態情報TS2は、空気調和機5の集塵モードが終了したことを示す。そして、サーバー1は、状態情報TS2を受信して、状態情報TS2に基づいて空気清浄機3を制御する。具体的には、サーバー1は、状態情報TS2に基づいて制御情報NT2を生成して、制御情報NT2を空気清浄機3に送信する。
【0073】
例えば、制御情報NT2は、空気清浄機3に空気清浄動作を停止することを指示する。従って、空気清浄機3は、集塵モード前に空気清浄動作を実行していなかった場合は、制御情報NT2に従って空気清浄動作を停止する。また、空気清浄機3は、集塵モード前に空気清浄動作を実行していた場合は、集塵モード前に行っていた空気清浄動作に戻る。
【0074】
例えば、制御情報NT2は、空気清浄機3のファン34の風量が制御情報NT1によって増大していた場合にファン34の風量を減少することを指示する。従って、空気清浄機3は、制御情報NT2に従ってファン34の風量を減少する。
【0075】
なお、状態情報TS1及び状態情報TS2は、図2を参照して説明した状態情報ST1の一例である。制御情報NT1及び制御情報NT2は、図2を参照して説明した制御情報CN1の一例である。
【0076】
以上、図8を参照して説明したように、実施形態1によれば、空気調和機5によって室内の塵埃が落下する(ステップS4、ステップS6)。その結果、空気清浄機3によって室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【0077】
(実施形態2)
図1(a)、図3図6図9、及び図10を参照して、本発明の実施形態2に係るクリーニングシステム100を説明する。実施形態2が複数のトリガーのうちのいずれかのトリガーによって集塵モードを開始する点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0078】
まず、図1(a)、図3、及び図6を参照して、集塵モードを開始するための所定トリガーTGが空気清浄機3の塵埃検知部35に基づく場合を説明する。
【0079】
図1(a)及び図3に示すように、空気清浄機3の塵埃検知部35は、空気中の塵埃量を検知する。そして、通信部32は、塵埃検知部35が検知した塵埃量を示す塵埃情報(以下、「塵埃情報DT1」と記載する。)をサーバー1に送信する。実施形態2では、塵埃情報DT1は、室内の空気の汚れ度DLを示す情報を含む。なお、通信部32は、例えば、塵埃情報DT1を所定時間間隔でサーバー1に送信する。また、塵埃情報DT1は、図2を参照して説明した状態情報ST2の一例である。
【0080】
サーバー1は、塵埃情報DT1を受信し、空気調和機5を制御する制御情報(以下、「制御情報NT3」と記載する。)を塵埃情報DT1に基づいて生成する。実施形態2では、制御情報NT3は、塵埃情報DT1を複製した情報(つまり、塵埃情報DT1そのもの)であり、汚れ度DLを示す情報を含む。サーバー1は、制御情報NT3を空気調和機5に送信する。なお、サーバー1は、例えば、制御情報NT3を所定時間間隔で空気調和機5に送信する。
【0081】
そして、図6に示すように、空気調和機5の通信部58は、塵埃検知部35が検知した塵埃量に基づく制御情報NT3を受信する。さらに、空気調和機5の制御部56は、所定トリガーTGに応答して、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。この場合、所定トリガーTGは制御情報NT3に基づいている。つまり、所定トリガーTGは室内の塵埃量に基づいている。
【0082】
従って、実施形態2によれば、「制御情報NT3によって室内の塵埃量が多いことが示されていること」を所定トリガーTGとして、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定できる。例えば、汚れ度DL「大」を示す制御情報NT3を受信することを所定トリガーTGとして、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。その結果、室内の集塵量が多いときに集塵モードによる塵埃の集塵を実行できる。
【0083】
また、実施形態2では、制御情報NT3は、空気清浄機3の塵埃検知部35が検知した塵埃量に基づいている。つまり、空気調和機5は、空気清浄機3の塵埃検知部35を利用して、所定トリガーTGを検出する。その結果、空気調和機5が塵埃検知部を搭載する場合と比較して、空気調和機5のコストを低減できる。
【0084】
引き続き、図1(a)、図3、及び図6を参照して、所定トリガーTGが空気清浄機3の人検知部36に基づく場合を説明する。空気清浄機3の制御部56は、人検知部36の検知結果に基づく室内の人の存否を示す人情報(以下、「人情報HM1」と記載する。)をサーバー1に送信する。なお、制御部56は、例えば、人情報HM1を所定時間間隔でサーバー1に送信する。また、人情報HM1は、図2を参照して説明した状態情報ST2の一例である。
【0085】
サーバー1は、人情報HM1を受信し、空気調和機5を制御する制御情報(以下、「制御情報NT4」と記載する。)を人情報HM1に基づいて生成する。実施形態2では、制御情報NT4は、人情報HM1を複製した情報(つまり、人情報HM1そのもの)である。サーバー1は、制御情報NT4を空気調和機5に送信する。なお、サーバー1は、例えば、制御情報NT4を所定時間間隔で空気調和機5に送信する。
【0086】
そして、図6に示すように、空気調和機5の通信部58は、人検知部36が検知した人情報HM1に基づく制御情報NT4を受信する。さらに、空気調和機5の制御部56は、所定トリガーTGに応答して、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。この場合、所定トリガーTGは、「制御情報NT4によって室内に人が不在であることが示されていること」である。つまり、所定トリガーTGは、「人検知部36の検知結果に基づいて人が室内に不在であると判定されたこと」である。
【0087】
従って、実施形態2によれば、人が室内に不在であるときに、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。そして、人が室内に不在であるときに、空気調和機5によって室内の塵埃を落下させて、空気清浄機3によって室内の塵埃を集塵できる。従って、集塵モードに伴う室内の塵埃の落下および空気調和機5の音に対して、ユーザーが不快に感じることを回避できる。
【0088】
引き続き、図1(a)及び図6を参照して、所定トリガーTGが通信端末7に基づく場合を説明する。通信端末7は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定することを指示する指示情報(以下、「指示情報RC1」と記載する。)をサーバー1に送信する。
【0089】
サーバー1は、指示情報RC1を受信し、指示情報RC1と同じ内容を示す制御情報(以下、「制御情報NT5」と記載する。)生成して、制御情報NT5を空気調和機5に送信する。
【0090】
そして、図6に示すように、空気調和機5の通信部58は、通信端末7の送信した指示情報RC1に基づく制御情報NT5を受信する。さらに、空気調和機5の制御部56は、所定トリガーTGに応答して、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。この場合、所定トリガーTGは、「動作モードを集塵モードに設定することを指示する制御情報NT5を受信すること」である。
【0091】
従って、実施形態2によれば、ユーザーは、通信端末7を操作することによって、所望する時間に、空気調和機5に対して、集塵モードによる動作を容易に実行させることができる。
【0092】
なお、空気清浄機3が空気清浄動作を常時実行していない場合は、通信端末7は、空気清浄機3が空気清浄動作を開始することを指示する指示情報RC2をサーバー1に送信する。サーバー1は、指示情報RC2を受信し、指示情報RC2と同じ内容を示す制御情報を生成して、制御情報を空気清浄機3に送信する。
【0093】
引き続き、図6を参照して、所定トリガーTGが空気調和機5の人検知部55に基づく場合を説明する。空気調和機5の制御部56は、人検知部55の検知結果に基づいて、室内に人が不在であると判定したことを、所定トリガーTGとして、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。つまり、所定トリガーTGは、「人検知部55の検知結果に基づいて人が室内に不在であると判定されたこと」である。
【0094】
従って、実施形態2によれば、人が室内に不在であるときに、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。そして、人が室内に不在であるときに、空気調和機5によって室内の塵埃を落下させて、空気清浄機3によって室内の塵埃を集塵できる。従って、集塵モードに伴う室内の塵埃の落下および空気調和機5の音に対して、ユーザーが不快に感じることを回避できる。
【0095】
引き続き、図6を参照して、所定トリガーTGが空気調和機5のリモコン59に基づく場合を説明する。空気調和機5のリモコン59は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定することを指示する指示信号(以下、「指示信号SG」と記載する。)を赤外線受信部60に送信する。
【0096】
空気調和機5の制御部56は、赤外線受信部60がリモコン59から指示信号SGを受信したことを、所定トリガーTGとして、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。つまり、所定トリガーTGは、「指示信号SGを空気調和機5がリモコンから受信すること」である。
【0097】
従って、実施形態2によれば、ユーザーは、リモコン59を操作することによって、所望する時に、空気調和機5に対して、集塵モードによる動作を容易に実行させることができる。
【0098】
なお、空気清浄機3が空気清浄動作を常時実行していない場合は、ユーザーは、空気清浄機3を操作して、空気清浄機3に空気清浄動作を開始させる。
【0099】
引き続き、図6を参照して、所定トリガーTGが空気調和機5の空気調和運転の停止に基づく場合を説明する。
【0100】
空気調和機5の制御部56は、空気調和機5が空気調和運転を停止したことを、所定トリガーTGとして、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。つまり、所定トリガーTGは、「空気調和機5が空気調和運転を停止すること」である。
【0101】
従って、実施形態2によれば、空気調和運転の停止後に、空気調和機5によって室内の塵埃を落下させて、空気清浄機3によって室内の塵埃を集塵できる。空気調和運転の停止後に集塵モードを実行する利点は次の通りである。すなわち、空気調和運転の停止後は人が室内に不在である可能性が高い。そこで、空気調和運転の停止後に、空気調和機5によって室内の塵埃を落下させて、空気清浄機3によって室内の塵埃を集塵する。その結果、集塵モードに伴う室内の塵埃の落下および空気調和機5の音に対して、ユーザーが不快に感じることを回避できる。
【0102】
次に、図6図9、及び図10を参照して、空気調和機5の集塵モードでの動作を詳細に説明する。図9及び図10は、空気調和機5の集塵モードでの動作を示すフローチャートである。図9及び図10に示すように、空気調和機5の制御部56の処理は、ステップS21~ステップS40を含む。
【0103】
図6及び図9に示すように、ステップS21において、制御部56は、制御情報NT3に基づいて室内の汚れ度DLが「大」であるか否かを判定する。
【0104】
ステップS21で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS26に進む。
【0105】
一方、ステップS21で否定判定(No)がされた場合は、処理はステップS22に進む。
【0106】
ステップS22において、制御部56は、人が室内に居るか否かを判定する。具体的には、制御部56は、人検知部55の検知結果に基づいて人が室内に居るか否かを判定する。加えて、制御部56は、制御情報NT4に基づいて人が室内に居るか否かを判定する。
【0107】
ステップS22で否定判定(No)がされた場合は、つまり、人が室内に不在であると判定された場合は、処理はステップS26に進む。
【0108】
一方、ステップS22で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS23に進む。
【0109】
ステップS23において、制御部56は、動作モードを集塵モードに設定することを指示する制御情報NT5(通信端末7の送信した指示情報RC1と同じ内容)をサーバー1から受信したか否かを判定する。
【0110】
ステップS23で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS26に進む。
【0111】
一方、ステップS23で否定判定(No)がされた場合は、処理はステップS24に進む。
【0112】
ステップS24において、制御部56は、赤外線受信部60がリモコン59から、動作モードを集塵モードに設定することを指示する指示信号SGを受信したか否かを判定する。
【0113】
ステップS24で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS26に進む。
【0114】
一方、ステップS24で否定判定(No)がされた場合は、処理はステップS25に進む。
【0115】
ステップS25において、制御部56は、空気調和機5が空気調和運転を停止したか否かを判定する。
【0116】
ステップS25で否定判定(No)がされた場合は、処理はステップS21に進む。
【0117】
一方、ステップS25で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS28に進む。
【0118】
ステップS21の肯定判定の後、ステップS22の否定判定の後、ステップS23の肯定判定の後、又はステップS24の肯定判定の後、ステップS26において、制御部56は、空気調和機5が空気調和運転中であるか否かを判定する。
【0119】
ステップS26で否定判定(No)がされた場合は、処理はステップS28に進む。
【0120】
一方、ステップS26で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理はステップS27に進む。
【0121】
ステップS27において、制御部56は、空気清浄機3の空気調和運転を中断する。
【0122】
ステップS27の後、又は、ステップS25の肯定判定の後、ステップS28において、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。その結果、空気調和機5は集塵モードの動作を開始する。
【0123】
ステップS29において、制御部56は、空気調和機5の状態情報TS1をサーバー1(図1(a))に送信する。そして、処理は図10のステップS30に進む。その他、ステップS29の処理は、図8のステップS3の処理と同様である。
【0124】
図6及び図10に示すように、ステップS30において、風向変更部51が、第1段階の風向A1で空気を送り出しつつ、水平方向に沿って風向を変更するように、制御部56は風向変更部51を制御する。
【0125】
ステップS32において、制御部56は、第1段階の風向A1で空気を送り出すことを開始した時から第1所定期間T1が経過したか否かを判定する。
【0126】
ステップS32で否定判定(No)がされた場合は、処理がステップS30に戻る。
【0127】
一方、ステップS32で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS32に進む。
【0128】
ステップS32において、風向変更部51が、第2段階の風向A2で空気を送り出しつつ、水平方向に沿って風向を変更するように、制御部56は風向変更部51を制御する。
【0129】
ステップS33において、制御部56は、第2段階の風向A2で空気を送り出すことを開始した時から第2所定期間T2が経過したか否かを判定する。
【0130】
ステップS33で否定判定(No)がされた場合は、処理がステップS32に戻る。
【0131】
一方、ステップS33で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS34に進む。
【0132】
ステップS34において、制御部56は、空気調和機5の状態情報TS3をサーバー1(図1(a))に送信する。状態情報TS3は、空気調和機5の塵埃落下処理が完了したことを示す。
【0133】
ステップS35において、制御部56は、空気清浄機3に向けて空気を送り出すように、風向変更部51を制御する。従って、風向変更部51は空気清浄機3に向けて風向を定める。例えば、風向変更部51のフラップ510は、第3段階の風向A3で空気を送り出しつつ、風向変更部51のルーバー511は、空気清浄機3に風向を向ける。
【0134】
なお、部屋RMにおける空気清浄機3の位置は、例えば、ユーザーの操作に応じて通信端末7からサーバー1に送信されて、サーバー1に予め記憶される。そして、空気調和機5の制御部56は、サーバー1から空気清浄機3の位置を示す情報を取得する。
【0135】
ステップS36において、制御部56は、空気清浄機3に向けて空気を送り出すことを開始した時から第3所定期間T3が経過したか否かを判定する。
【0136】
ステップS36で否定判定(No)がされた場合は、処理がステップS35に戻る。
【0137】
一方、ステップS36で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS37に進む。
【0138】
ステップS37において、制御部56は、ファン53を停止して、空気を送り出すことを停止する。そして、制御部56は集塵モードを終了する。
【0139】
ステップS38において、制御部56は、空気調和機5の状態情報TS2をサーバー1(図1(a))に送信する。その他、ステップS38の処理は、図8のステップS9の処理と同様である。
【0140】
ステップS39において、制御部56は、空気調和運転の中断後に集塵モードを開始したか否かを判定する。つまり、制御部56は、図9のステップS27の後にステップS28を実行したか否かを判定する。
【0141】
ステップS39で否定判定(No)された場合は、処理が終了する。
【0142】
一方、ステップS39で肯定判定(Yes)がされた場合は、処理がステップS40に進む。
【0143】
ステップS40において、制御部56は、図9のステップS27で中断した空気調和運転を再開する。
【0144】
なお、状態情報TS1~状態情報TS3は、図2を参照して説明した状態情報ST1の一例である。制御情報NT3及び制御情報NT4は、図2を参照して説明した制御情報CN2の一例である。また、空気清浄機3と空気調和機5とのうち少なくとも一方が人検知部(人検知部36又は人検知部55)を有していればよい。
【0145】
以上、図10を参照して説明したように、実施形態2によれば、空気調和機5によって室内の塵埃が落下する(ステップS30、ステップS32)。その結果、空気清浄機3によって室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【0146】
また、実施形態2によれば、集塵モードにおいて、風向変更部51は、第2所定期間T2の経過後の第3所定期間T3中、空気清浄機3に向けて空気を送り出す(ステップS35)。この場合、第3所定期間T3中、空気清浄機3は、動作している。つまり、第3所定期間T3中、空気清浄機3は、空気清浄動作を実行している。従って、実施形態2によれば、空気清浄機3は、ステップS30及びステップS32で落下した塵埃を更に効果的に集塵できる。
なお、図9においては、毎回、空気調和運転停止後に集塵モードが行われるが、毎回ではなく、所定回数運転停止(例えば10回など)がなされた後に集塵モードを行うようにしてもよい。これにより、空気調和運転停止毎に集塵モードが行われないので、消費電力を低減できる。あるいは、前回の集塵モードを行ってから、所定時間(例えば、24時間や240時間)経過したのちに空気調和運転停止された際に、集塵モードを行う構成としてもよい。これにより、空気調和運転停止毎に集塵モードが行われないので、消費電力を低減できる。また、ユーザーによって、空気調和運転停止時の集塵モードを行うか否かを設定できるようにしてもよい。あるいは、ユーザーによって、集塵モードを行うか否かを設定できるようにしてもよい。この設定は例えば、リモコン59や通信端末7によって行えるようにすればよい。
【0147】
(実施形態3)
図8及び図11図13を参照して、本発明の実施形態3に係るクリーニングシステム100Aを説明する。実施形態3が自走式掃除機9さらに備える点で、実施形態3は実施形態1と異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0148】
まず、図11(a)及び図11(b)を参照して、クリーニングシステム100Aを説明する。図11(a)は、クリーニングシステム100Aを示す図である。図11(b)は、クリーニングシステム100Aの空気清浄機3、空気調和機5、及び自走式掃除機9を示す斜視図である。
【0149】
図11(a)に示すように、クリーニングシステム100Aは、サーバー1と、空気清浄機3と、空気調和機5と、通信端末7と、自走式掃除機9とを備える。空気清浄機3は、「第1クリーニング装置」の一例に相当する。自走式掃除機9は、「第2クリーニング装置」の一例に相当する。
【0150】
サーバー1は、ネットワークNWを介して、空気調和機5、空気清浄機3、及び自走式掃除機9に接続する。サーバー1が空気調和機5及び空気清浄機3と接続する場合の処理は、図1(a)を参照して説明した実施形態1と同様である。
【0151】
サーバー1は、通信端末7の送信した情報IF1を受信する。そして、サーバー1は、情報IF1に基づいて自走式掃除機9と通信する。従って、ユーザーは、通信端末7を操作して、サーバー1を介して自走式掃除機9を操作できる。また、サーバー1は、自走式掃除機9の送信した情報IF4を受信する。そして、サーバー1は、情報IF4に基づいて通信端末7と通信する。従って、ユーザーは、通信端末7を操作して、サーバー1を介して自走式掃除機9の情報を取得できる。
【0152】
図11(b)に示すように、自走式掃除機9は部屋RM(具体的には床FL)に配置される。自走式掃除機9は室内をクリーニングする。具体的には、自走式掃除機9は、床FLを自走して床FLを掃除する。自走式掃除機9の配置される部屋RMと空気調和機5の設置される部屋RMと空気清浄機3の設置される部屋RMとは同じである。
【0153】
次に、図11(a)及び図12を参照して、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9との通信手順の一例を説明する。図12は、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9との通信手順を示す図である。図1(a)及び図12に示すように、サーバー1と空気調和機5と空気清浄機3との間の通信手順は、図2を参照して説明したサーバー1と空気調和機5と空気清浄機3との間の通信手順と同様である。以下、サーバー1と空気調和機5と自走式掃除機9との間の通信手順を主に説明する。
【0154】
空気調和機5は、空気調和機5の状態を示す状態情報ST1をサーバー1に送信する。そして、サーバー1は、空気調和機5から状態情報ST1を受信する。さらに、サーバー1は、状態情報ST1に基づいて自走式掃除機9を制御する制御情報(以下、「制御情報CN3」と記載する。)を生成し、制御情報CN3を自走式掃除機9に送信する。自走式掃除機9は、サーバー1から制御情報CN3を受信し、制御情報CN3に基づいて動作する。従って、自走式掃除機9は、空気調和機5と連携して動作する。
【0155】
自走式掃除機9は、自走式掃除機9の状態を示す状態情報(以下、「状態情報ST3」と記載する。)をサーバー1に送信する。そして、サーバー1は、自走式掃除機9から状態情報ST3を受信する。さらに、サーバー1は、状態情報ST3に基づいて空気調和機5を制御する制御情報(以下、「制御情報CN4」と記載する。)を生成し、制御情報CN4を空気調和機5に送信する。空気調和機5は、サーバー1から制御情報CN4を受信し、制御情報CN4に基づいて動作する。従って、空気調和機5は、自走式掃除機9と連携して動作する。なお、状態情報ST3は、自走式掃除機9に含まれる検知部(例えば、後述の塵埃検知部93)の検知結果を含んでもよい。
【0156】
さらに、サーバー1は、制御情報CN1及び制御情報CN3によって、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9とを連携して動作させる。また、サーバー1は、制御情報CN2及び制御情報CN4によって、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9とを連携して動作させる。
【0157】
以降、サーバー1と空気調和機5と自走式掃除機9との間で、通信が実行される。
【0158】
以上、図11(a)及び図12を参照して説明したように、サーバー1は、空気調和機5の状態情報ST1と空気清浄機3の状態情報ST2と自走式掃除機9の状態情報ST3とのうちの少なくとも1つの状態情報を受信する。そして、サーバー1は、少なくとも1つの状態情報に基づいて、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9とが連携して動作するように、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9とのうちの少なくとも2つの機器を制御する。従って、空気調和機5、空気清浄機3、及び自走式掃除機9の各々が単独で室内の塵埃を集塵する場合と比較して、室内の塵埃を効果的に集塵できる。
【0159】
特に、サーバー1は、空気調和機5の集塵モードに関連して、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9とを連携させることで、室内の塵埃を更に効果的に集塵できる。具体的には、サーバー1は、空気調和機5の集塵モードに関連して、空気調和機5と空気清浄機3と自走式掃除機9との動作順番及び/又は動作時間を制御する。
【0160】
次に、図13を参照して、自走式掃除機9を説明する。図13は、自走式掃除機9を示すブロック図である。図13に示すように、自走式掃除機9は、制御部90と、記憶部91と、通信部92と、塵埃検知部93と、障害物検知部94と、掃除部95と、走行部96とを含む。
【0161】
制御部90は、記憶部91、通信部92、塵埃検知部93、障害物検知部94、掃除部95、及び走行部96を制御する。制御部90はCPUのようなプロセッサーを含む。記憶部91は、記憶装置であり、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶装置は、サーバー1の記憶装置と同様の構成を有する。制御部90のプロセッサーは、記憶部91の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、各種制御を実行する。
【0162】
記憶部91は走行マップ91aを記憶する。走行マップ91aは、自走式掃除機9の走行経路及び走行速度のような走行に係る情報を含む。走行マップ91aは、予めユーザーによって記憶部91に記憶させるか、あるいは自走式掃除機9自体によって掃除運転中に自動的に記憶部91に記憶される。
【0163】
通信部92はネットワークNWに接続する。つまり、自走式掃除機9はネットワークNWに接続される。通信部92は、ネットワークNWを介してサーバー1と通信する。従って、制御部90は、通信部92を介してサーバー1と通信する。通信部92は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラーである。
【0164】
塵埃検知部93は、空気中の塵埃量を検知する。その他、塵埃検知部93の構成は、空気清浄機3の塵埃検知部35(図3)の構成と同様である。
【0165】
障害物検知部94は、障害物の有無を検知し、障害物までの距離を示す信号を制御部90に出力する。障害物検知部94は、例えば、複数の障害物検知センサーを含む。
【0166】
掃除部95は床FLを掃除する。例えば、掃除部95は、ブラシ、ブラシモーター、及び吸引装置を含む。そして、ブラシは、ブラシモーターから駆動力が伝達されて回転することにより、床FLの塵埃を集塵する。そして、吸引装置は、ブラシによって集塵された塵埃を吸引する。
【0167】
走行部96は、自走式掃除機9を走行させる。例えば、走行部96は、複数の車輪及び車輪駆動モーターを含む。そして、複数の車輪のうちの駆動車輪は、車輪駆動モーターから駆動力が伝達されて回転する。従って、複数の車輪のうちの従動車輪も回転する。その結果、自走式掃除機9が床FLを走行する。
【0168】
制御部90は、自走式掃除機9は走行マップ91aに基づいて走行するように、走行部96を制御する。また、制御部90は、障害物検知部94の検知結果に基づいて、障害物を回避するように走行部96を制御する。その結果、自走式掃除機9は、障害物を回避しながら自走する。さらに、制御部90は、塵埃検知部93の検知結果に基づく空気の汚れ度DLが大きいほど掃除部95の吸引力を大きくする。
【0169】
次に、図8を参照して、空気調和機5の集塵モードに関連して、自走式掃除機9を説明する。図8に示すように、実施形態3では、実施形態1と同様に、所定トリガーTGに応答して、空気調和機5は集塵モードを実行する。
【0170】
特に、実施形態3では、サーバー1(図11(a))は、ステップS3で送信された状態情報TS1を受信して、状態情報TS1に基づいて、空気清浄機3と自走式掃除機9とを制御する。状態情報TS1は、空気調和機5の動作モードが集塵モードに設定されたことを示す。
【0171】
具体的には、サーバー1は、状態情報TS1に基づいて制御情報NT1を生成して、制御情報NT1を空気清浄機3に送信する。制御情報NT1の内容は、図8を参照して説明した実施形態1と同様である。
【0172】
また、サーバー1は、状態情報TS1に基づいて制御情報NT6を生成して、制御情報NT6を自走式掃除機9に送信する。
【0173】
例えば、制御情報NT6は、自走式掃除機9に自走及び掃除を停止することを指示する情報を含む。従って、自走式掃除機9は、自走及び掃除を行っている場合に、制御情報NT6に従って自走及び掃除を停止する。その結果、集塵落下処理(ステップS4、ステップS6)によって落下する塵埃が、自走式掃除機9の自走によって巻き上げられることを抑制でき、効果的に塵埃を落下させることができる。
【0174】
また、図8に示すように、実施形態3では、サーバー1は、ステップS9で送信された状態情報TS2を受信して、状態情報TS2に基づいて空気清浄機3と自走式掃除機9とを制御する。状態情報TS2は、空気調和機5の集塵モードが終了したことを示す。
【0175】
具体的には、サーバー1は、状態情報TS2に基づいて制御情報NT2を生成して、制御情報NT2を空気清浄機3に送信する。制御情報NT2の内容は、図8を参照して説明した実施形態1と同様である。
【0176】
また、サーバー1は、状態情報TS2に基づいて制御情報NT7を生成して、制御情報NT7を自走式掃除機9に送信する。
【0177】
例えば、制御情報NT7は、自走式掃除機9に自走及び掃除を開始することを指示する情報を含む。従って、自走式掃除機9は、制御情報NT7に従って自走及び掃除を開始する。その結果、自走式掃除機9は、集塵落下処理(ステップS4、ステップS6)によって落下された塵埃を効果的に集塵できる。
【0178】
例えば、制御情報NT7は、自走式掃除機9に対して制御情報NT7の受信時から所定時間PT(例えば、30分)経過時に自走及び掃除を開始することを指示する情報を含む。従って、自走式掃除機9は、制御情報NT7の受信時から所定時間PT経過時に、自走及び掃除を開始する。その結果、自走式掃除機9は、塵埃が室内の下側領域に十分集まってから掃除を開始できて、塵埃を更に効果的に集塵できる。なお、制御情報NT7の受信時は、実質的には、集塵モードの終了時(つまり、塵埃落下処理の終了時)を示す。また、制御情報NT7は、自走式掃除機9に対して自走及び掃除の開始時から第4所定期間T4の経過後に自走及び掃除を停止することを指示する情報を含む。その結果、自走式掃除機9は、第4所定期間T4の経過後に自走及び掃除を停止する。
【0179】
加えて、例えば、空気清浄機3を制御する制御情報NT2は、空気清浄機3に対して制御情報NT2の受信時から所定時間PT(例えば、30分)経過時に空気清浄動作を開始することを指示する情報を含む。従って、空気清浄機3は、制御情報NT2の受信時から所定時間PT経過時に、空気清浄動作を開始する。つまり、空気清浄機3と自走式掃除機9とが並行して動作する。その結果、空気清浄機3と自走式掃除機9とによって、落下された塵埃を更に効果的に集塵できる。なお、制御情報NT2の受信時は、実質的には、集塵モードの終了時(つまり、塵埃落下処理の終了時)を示す。また、制御情報NT2は、空気清浄機3に対して空気清浄動作の開始時から第5所定期間T5の経過後に空気清浄動作を停止することを指示する情報を含む。その結果、空気清浄機3は、第5所定期間T5の経過後に空気清浄動作を停止する。第5所定期間T5は、自走式掃除機9の動作する第4所定期間T4よりも長い。
【0180】
加えて、例えば、サーバー1は、空気調和機5を制御する制御情報NT8を生成して、空気調和機5に送信する。制御情報NT8は、第4所定期間T4の経過後における自走式掃除機9の自走及び掃除の終了時から空気調和運転(例えば、送風運転)を開始することを空気調和機5に対して指示する情報を含む。従って、空気調和機5は空気調和運転を開始する。一方、空気清浄機3は第5所定期間T5中、空気清浄動作を継続している。従って、空気調和機5と空気清浄機3とが並行して動作する。従って、空気調和機5のフィルター54による集塵と、空気清浄機3のフィルター33による集塵とが同時に実行される。その結果、室内の塵埃を更に効果的に集塵できる。また、制御情報NT8は、空気調和機5に対して空気調和運転の開始時から第6所定期間T6の経過後に空気調和運転を停止することを指示する情報を含む。その結果、空気調和機5は、第6所定期間T6の経過後に空気清浄動作を停止する。
【0181】
以上、図8を参照して説明したように、実施形態3によれば、集塵モードの空気調和機5によって室内の塵埃を落下させて、空気清浄機3及び自走式掃除機9によって室内の塵埃を集塵できる。その結果、空気清浄機3単独又は自走式掃除機9単独で集塵する場合と比較して、落下された塵埃を更に効果的に集塵できる。
【0182】
なお、制御情報NT6及び制御情報NT7は、図12を参照して説明した制御情報CN3の一例である。また、制御情報NT8は、図12を参照して説明した制御情報CN4の一例である。
【0183】
(実施形態4)
図9図10、及び図11図13を参照して、本発明の実施形態4に係るクリーニングシステム100Aを説明する。実施形態4が複数のトリガーのうちのいずれかのトリガーによって集塵モードを開始する点で、実施形態4は実施形態3と主に異なる。また、実施形態4が複数のトリガーのうちのいずれかのトリガーによって集塵モードを開始する点で、実施形態4は実施形態2と同様である。以下、実施形態4が実施形態3及び実施形態2と異なる点を主に説明する。
【0184】
まず、図6図11(a)、及び図13を参照して、集塵モードを開始するための所定トリガーTGが自走式掃除機9の塵埃検知部93に基づく場合を説明する。
【0185】
図11(a)及び図13に示すように、自走式掃除機9の塵埃検知部93は、空気中の塵埃量を検知する。そして、通信部92は、塵埃検知部93が検知した塵埃量を示す塵埃情報(以下、「塵埃情報DT2」と記載する。)をサーバー1に送信する。実施形態4では、塵埃情報DT2は、室内の空気の汚れ度DLを示す情報を含む。なお、通信部92は、例えば、塵埃情報DT2を所定時間間隔でサーバー1に送信する。
【0186】
サーバー1は、塵埃情報DT2を受信し、空気調和機5を制御する制御情報(以下、「制御情報NT9」と記載する。)を塵埃情報DT2に基づいて生成する。実施形態4では、制御情報NT9は、塵埃情報DT2を複製した情報(つまり、塵埃情報DT2そのもの)であり、汚れ度DLを示す情報を含む。サーバー1は、制御情報NT9を空気調和機5に送信する。なお、サーバー1は、例えば、制御情報NT9を所定時間間隔で空気調和機5に送信する。制御情報NT9は、図12を参照して説明した状態情報ST3の一例である。
【0187】
そして、図6に示すように、空気調和機5の通信部58は、塵埃検知部93が検知した塵埃量に基づく制御情報NT9を受信する。さらに、空気調和機5の制御部56は、所定トリガーTGに応答して、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定する。この場合、所定トリガーTGは制御情報NT9に基づいている。
【0188】
従って、実施形態4によれば、「制御情報NT9によって室内の塵埃量が多いことが示されていること」を所定トリガーTGとして、制御部56は、空気調和機5の動作モードを集塵モードに設定できる。その結果、室内の集塵量が多いときに集塵モードによる塵埃の集塵を実行できる。
【0189】
また、実施形態4では、制御情報NT9は、自走式掃除機9の塵埃検知部93が検知した塵埃量に基づいている。つまり、空気調和機5は、自走式掃除機9の塵埃検知部93を利用して、所定トリガーTGを検出する。その結果、空気調和機5が塵埃検知部を搭載する場合と比較して、空気調和機5のコストを低減できる。
【0190】
次に、図9及び図10を参照して、空気調和機5の集塵モードでの動作を説明する。図9及び図10に示すように、実施形態4では、実施形態2と同様に、空気調和機5の制御部56は、ステップS21~ステップS40を実行して、集塵モードを実行する。
【0191】
特に、実施形態4では、図9に示すように、ステップS21において、空気調和機5の制御部56は、制御情報NT9に基づいて室内の汚れ度DLが「大」であるか否かを判定する。そして、ステップS21で肯定判定(Yes)された場合は、処理はステップS26に進む。一方、ステップS21で否定判定(No)された場合は、処理はステップS22に進む。なお、実施形態4でも、実施形態2と同様に、制御部56は、制御情報NT3に基づいて室内の汚れ度DLが「大」であるか否かの判定を実行する。従って、制御情報NT9及び制御情報NT3のいずれかに基づいて汚れ度DLが「大」と判定されると、処理がステップS26に進む。
【0192】
なお、ステップS29では、状態情報ST1をサーバー1が受信する。そして、サーバー1は、状態情報ST1に基づく制御情報NT1、NT6に基づいて、実施形態3でのステップS3(図8)の場合と同様に、空気清浄機3及び自走式掃除機9を制御する。
【0193】
また、ステップS34~ステップS36を省略することができる。そして、ステップS38では、状態情報ST2をサーバー1が受信する。さらに、サーバー1は、状態情報ST2に基づく制御情報NT2、NT7に基づいて、実施形態3でのステップS9(図8)の場合と同様に、空気清浄機3及び自走式掃除機9を制御する。また、サーバー1は、実施形態3と同様に、制御情報NT8に基づいて空気調和機5を制御する。なお、空気清浄機3と自走式掃除機9とのうちの少なくとも一方が塵埃検知部(塵埃検知部35又は塵埃検知部93)を有していればよい。
【0194】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)~(5))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0195】
(1)図2を参照して説明したように、空気調和機5と空気清浄機3とはサーバー1を介して通信した。ただし、空気調和機5と空気清浄機3とが、サーバー1を介することなく通信してもよい。例えば、空気調和機5は、状態情報ST1を空気清浄機3に直接送信してもよい。例えば、空気調和機5は、状態情報ST1に基づいて制御情報CN1を生成して、制御情報CN1を空気清浄機3に直接送信してもよい。例えば、空気清浄機3は、状態情報ST2を空気調和機5に直接送信してもよい。例えば、空気清浄機3は、状態情報ST2に基づいて制御情報CN2を生成して、制御情報CN2を空気調和機5に直接送信してもよい。
【0196】
図12を参照して説明したように、空気調和機5と、空気清浄機3及び自走式掃除機9とは、サーバー1を介して通信した。ただし、空気調和機5と、空気清浄機3及び自走式掃除機9とが、サーバー1を介することなく通信してもよい。例えば、空気調和機5は、状態情報ST1を自走式掃除機9に直接送信してもよい。例えば、空気調和機5は、状態情報ST1に基づいて制御情報CN3を生成して、制御情報CN3を自走式掃除機9に直接送信してもよい。例えば、自走式掃除機9は、状態情報ST3を空気調和機5に直接送信してもよい。例えば、自走式掃除機9は、状態情報ST3に基づいて制御情報CN4を生成して、制御情報CN4を空気調和機5に直接送信してもよい。
【0197】
(2)図9に示すフローチャートにおいて、処理はステップS21~ステップS25の全てを含まなくてもよい。例えば、処理は、ステップS21~ステップS25のうちのいずれか1つのステップだけを含んでもよい。例えば、処理は、ステップS21~ステップS25のうち、任意の2以上のステップを含んでもよい。また、ステップS21~ステップS25の順番は特に限定されず、任意の順番であってよい。
【0198】
また、図10に示すフローチャートにおいて、処理はステップS34~ステップS36を含まなくてもよい。
【0199】
(3)図7を参照して説明したように、空気調和機5の風向変更部51は、3段階で風向を変更した。ただし、風向変更部51は、4段階以上で風向を変更してもよい。従って、室内の塵埃を落下させることができる限りにおいては、集塵モードにおいて、3段階以上で風向を変更してもよい。この場合も、風向変更部51は、風向を上側から下側に向かって段階的に変更する。
【0200】
(4)図1図10を参照して説明した実施形態1及び実施形態2において、クリーニングシステム100は、空気清浄機3に代えて、図13を参照して説明した自走式掃除機9を備えていてもよい。この場合は、自走式掃除機9が「第1クリーニング装置」の一例に相当する。
【0201】
(5)実施形態1と実施形態2と実施形態3と実施形態4とのうちの2以上の特徴を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、クリーニングシステムを提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0203】
1 サーバー
3 空気清浄機(第1クリーニング装置)
5 空気調和機
7 通信端末
9 自走式掃除機(第1クリーニング装置、第2クリーニング装置)
11 風向変更部
35、93 塵埃検知部
36、55 人検知部
56 制御部
58 通信部
100、100A クリーニングシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13