IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 維沃移動通信有限公司の特許一覧

特許7195326時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末
<>
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図1
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図2
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図3
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図4
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図5
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図6
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図7
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図8
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図9
  • 特許-時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20221216BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20221216BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221216BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20221216BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20221216BHJP
   H04L 7/06 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W52/02 110
H04W72/04 136
H04W72/04 131
H04W72/04 132
H04W8/22
H04L7/00 990
H04L7/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020536772
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2019070070
(87)【国際公開番号】W WO2019134643
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201810012587.6
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 凱
(72)【発明者】
【氏名】孫 鵬
(72)【発明者】
【氏名】潘 学明
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/204933(WO,A1)
【文献】特表2018-521574(JP,A)
【文献】特表2017-510149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0279522(US,A1)
【文献】国際公開第2008/087813(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03136792(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/204799(WO,A1)
【文献】特表2020-519196(JP,A)
【文献】Qualcomm Incorporated,Efficient monitoring of DL control channels [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #91 R1-1720417, [検索日 2021.07.07],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1720417.zip>,2017年11月18日,p.1-11
【文献】Huawei, HiSilicon,On functions of power saving signal [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #91 R1-1719470, [検索日 2021.07.07],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719470.zip>,2017年11月17日,p.1-6
【文献】Sony,Wake up signalling for efeMTC [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90 R1-1714576, [検索日 2021.07.07],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1714576.zip>,2017年08月17日,p.1-9
【文献】LG Electronics,Discussion on wake up signal and wake up channel for NB-IoT [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90 R1-1713100, [検索日 2021.07.07],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1713100.zip>,2018年08月12日,p.1-13
【文献】Intel Corporation,WUS consideration for efeMTC [online],3GPP TSG RAN WG2 Meeting #99bis R2-1710641, [検索日 2021.07.07],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1710641.zip>,2017年09月29日,p.1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 7/00
H04L 7/06
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に応用される時間周波数同期方法において、
ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信するステップと、
前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うステップとを含み、
前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を前記ネットワーク機器から受信した場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定し、又は、
前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に受信しなかった場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定し、
前記のネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップは、
前記物理信号の設定情報を取得するステップと、
前記設定情報に基づいて、前記ネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップとを含み、
前記物理信号の設定情報を取得するステップは、
前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップを含み、
前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップは、
前記ネットワーク機器からRRCシグナリングにより送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップ、又は、
前記ネットワーク機器から前記ウェイクアップ信号により送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップを含む、時間周波数同期方法。
【請求項2】
前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うステップの前に、
受信した前記物理信号の系列を決定するステップを更に含み
前記物理信号の系列は、Gold系列、m系列、ZC系列及びコンピュータ生成系列CGSのうちのいずれかである、請求項1に記載の時間周波数同期方法。
【請求項3】
前記物理信号の系列を決定するステップは、
セル識別子Cell ID、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の系列を決定するステップ、又は、
前記ネットワーク機器により設定されたIDに基づいて、前記物理信号の系列を決定するステップを含み、前記端末のIDは、前記端末の国際移動加入者識別符号IMSI及び国際移動機器識別符号IMEIのうちの少なくとも1つによって決定され、及び/又は、
前記端末が属する端末グループのIDは、前記端末が属する端末グループにおける端末のIMSI及びIMEIのうちの少なくとも1つによって決定される、請求項2に記載の時間周波数同期方法。
【請求項4】
前記設定情報には、前記物理信号の時間周波数リソース位置が含まれ、前記時間周波数リソース位置は、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置及び前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の時間周波数同期方法。
【請求項5】
前記物理信号の設定情報を取得するステップは、
前記ウェイクアップ信号の送信時刻及び時間オフセットT1(0≦T1≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定するステップ、又は、
PO/DRX On Durationの開始時間位置及び時間オフセットT2(0≦T2≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定するステップ、又は、
Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定するステップ、又は、
Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を決定するステップを含む、請求項4に記載の時間周波数同期方法。
【請求項6】
前記T1又はT2は、予め定義され、又は、ネットワーク機器により設定され、
前記時間周波数同期方法は、
前記端末の非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを前記ネットワーク機器に報告するステップと、
前記処理能力レベルに応じて前記ネットワーク機器により設定されるT1又はT2を受信するステップとを更に含む、請求項5に記載の時間周波数同期方法。
【請求項7】
前記のネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップの後に、
前記物理信号に基づいて、無線リソース管理RRM測定を実行するステップを更に含む、請求項1に記載の時間周波数同期方法。
【請求項8】
ネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法において、
アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するステップを含み、
アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を送信する場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定し、又は、
アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に送信しない場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定し、
前記時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するステップは、
前記物理信号の設定情報を決定するステップと、
前記設定情報に基づいて、前記物理信号を前記端末に送信するステップとを含み、
前記時間周波数同期方法は、
前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップを更に含み、
前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップは、
前記物理信号の設定情報を無線リソース制御RRCシグナリングにより前記端末に送信するステップ、又は、
前記ウェイクアップ信号により前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップを含む、時間周波数同期方法。
【請求項9】
端末であって、
ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信するための第1受信モジュールと、
前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うための時間周波数同期モジュールとを含み、
前記第1受信モジュールは、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を前記ネットワーク機器から受信した場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定し、又は、
前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に受信しなかった場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定することにさらに用いられ、
前記第1受信モジュールは、前記物理信号の設定情報を取得して、前記設定情報に基づいて、前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信することにさらに用いられ、
前記第1受信モジュールは、前記ネットワーク機器からRRCシグナリングにより送信された前記物理信号の設定情報を受信し、又は、
前記ネットワーク機器から前記ウェイクアップ信号により送信された前記物理信号の設定情報を受信することにさらに用いられる、端末。
【請求項10】
ネットワーク機器であって、
アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するための第1送信モジュールを含み、
前記第1送信モジュールは、アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を送信する場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定し、又は、
アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に送信しない場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定することにさらに用いられ、
前記第1送信モジュールは、前記物理信号の設定情報を決定して、前記設定情報に基づいて、前記物理信号を前記端末に送信することにさらに用いられ、
前記ネットワーク機器は、前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するための第3送信モジュールをさらに含み、
前記第3送信モジュールは、前記物理信号の設定情報を無線リソース制御RRCシグナリングにより前記端末に送信し、又は、
前記ウェイクアップ信号により前記物理信号の設定情報を前記端末に送信することにさらに用いられる、ネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月5日に中国特許庁に提出された中国特許出願201810012587.6の優先権を主張し、その全ての内容が援用によりここに取り込まれる。
本開示は、無線通信技術分野に係り、特に時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末に係る。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTEと略称される)又は第5世代(5th Generation:5G)通信システムにおいて、アイドル(RRC_IDLE)状態にある端末は、ネットワーク機器から送信されたページング信号を所定の時間に検出する必要がある。ページング信号の検出プロセスとして、ページング信号の無線ネットワーク仮識別子(Paging-Radio Network Temporary Identity:Paging-RNTI)に対応する物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCHと略称される)をブラインド検出し、このPDCCHが検出されなければ今回の検出を終了し、PDCCHが存在することが検出されると、更に、このPDCCHによって指示される物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel、PDSCHと略称される)を検出し、検出されたPDSCHが自端末のページング信号でなければ検出を終了する。すなわち、アイドル状態にある端末は、定期的にページング信号を検出するが、自端末に属するページング信号を受信する確率は、比較的低く、PDCCHを検出する度に消費電力が大きく、端末の省電力化に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非連続受信(Discontinuous Reception、DRXと略称される)の基本的なメカニズムは、接続(RRC_CONNECTED)状態にある端末のためのDRX周期(cycle)を設定することであり、DRX cycleは、「活性化期間(On Duration)」と、「スリープ期間(Opportunity for DRX)」とから構成される。端末は、「On Duration」の時間内にPDCCHをモニタリングして受信する。「Opportunity for DRX」の時間内に、端末がダウンリンクチャネルのデータを受信しないようにして、消費電力を節約する。
【0004】
アイドル状態又は非連続受信状態にある端末のさらなる省電力化を図るために、ウェイクアップ信号(wake-up signal、WUSと略称される)及びスリープ信号(go to sleep signal、GTSと略称される)の概念が提案されている。端末がアイドル状態又は非連続受信状態にある場合、ページング信号又はPDCCHをブラインド検出する前に、ネットワーク機器は、まず、ウェイクアップ信号又はスリープ信号を端末に送信し、端末は、対応する時刻にウェイクアップしてこのウェイクアップ信号又はスリープ信号を検出する。端末がウェイクアップ信号を検出した場合、ページング信号又はPDCCHをブラインド検出するが、そうでない場合、ページング信号又はPDCCHのブラインド検出をしない(スリープし続ける)。端末は、スリープ信号を検出した場合、ページング信号又はPDCCHのブラインド検出をしない(スリープし続ける)が、そうでない場合、ページング信号又はPDCCHのブラインド検出をする(ウェイクアップする)。
【0005】
端末は、信号を正しく受信できるようにするために、受信信号に基づいて時刻や周波数同期を維持する機能が必要であるが、アイドル状態や非連続受信状態にあると、長時間にわたり信号の受信を行わないため、次回の受信開始時に、端末とネットワーク機器の時間と周波数の同期精度が悪くなり、制御チャネルやデータチャネルの受信性能及び無線リソース管理(Radio Resource Management、RRMと略称される)の測定精度などを含め、受信開始時刻の信号受信性能に影響を与える可能性が高い。すなわち、端末がアイドル状態や非連続受信状態からウェイクアップした後に、いかに時間と周波数の同期を確保してダウンリンク信号の受信性能を確保するかが課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1方面において、本開示の実施例は、ネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法を提供する。前記方法において、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するステップを含む。
【0007】
第2方面において、本開示の実施例は、端末に応用される時間周波数同期方法を提供する。前記方法において、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信するステップと、前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うステップとを含む。
【0008】
第3方面において、本開示の実施例は、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するための第1送信モジュールを含むネットワーク機器を提供する。
【0009】
第4方面において、本開示の実施例は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信するための第1受信モジュールと、前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うための時間周波数同期モジュールとを含む端末を提供する。
【0010】
第5方面において、本開示の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するプログラムとを含むネットワーク機器を提供し、前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、ネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0011】
第6方面において、本開示の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するプログラムとを含む端末を提供し、前記プログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記の端末に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0012】
第7方面において、本開示の実施例は、プログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、上記のネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0013】
第8方面において、本開示の実施例は、プログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、上記の端末に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0014】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の一部の実施例にすぎない。当業者にとって、創造性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面も得られることは、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施例の応用可能なネットワークシステムの構造図である。
図2】DRX cycleの時系列を示す図面ある。
図3】ウェイクアップ信号とDRX cycleの送信の時間的な位置関係を示す図である。
図4】本開示の実施例のネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法を示す図である。
図5】本開示の実施例の端末に応用される時間周波数同期方法を示す図である。
図6】本開示の実施例1における、時間周波数同期のための物理信号と、ウェイクアップ信号、ダウンリンク信号の送信の時間的な位置関係を示す図である。
図7】本開示の実施例3における時間周波数同期のための物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を示す図である。
図8】本開示の実施例のネットワーク機器の構造を示す図である。
図9】本開示の実施例の端末の構造を示す図である。
図10】本開示の各実施例を実現する移動端末のハードウェア構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施例の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術手段を明確且つ完全的に記載する。明らかに、記載する実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づき、当業者が創造性のある作業をすることなく為しえる全てのほかの実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、その前後の対象の少なくとも1つを表す。
【0017】
端末がアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップした後に、ダウンリンク信号の受信性能を確保するために、時間と周波数の同期を確保する必要がある。これに鑑みて、本開示の実施例は、時間周波数同期方法、ネットワーク機器及び端末を提供する。
【0018】
図1を参照する。図1は、本開示の実施例の応用可能なネットワークシステムの構造図である。図1に示すように、このネットワークシステムは、端末11とネットワーク機器12を含む。ここで、端末11は、ユーザ機器(User Equipment:UE)であり、たとえば携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップ型パソコン(Laptop Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、MID(Mobile Internet Device)又はウェアラブルデバイス(Wearable Device)などの端末側機器である。なお、本開示の実施例において、端末11の具体的な種類を限定しない。上記ネットワーク機器12は、5G及びその後のバージョンの基地局(例えば、gNB、5G NR NB)、ほかの通信システムにおける基地局であり、又は、ノードBや進化型ノードBと呼ばれてもよく、又は、所属分野のほかの用語であるが、同じ技術効果を奏するのであれば、前記基地局は特定の技術用語に限定されない。なお、本開示の実施例においては5G基地局を例とするが、ネットワーク機器12の具体的な種類を限定しない。
【0019】
なお、本開示の実施例における通信機器は、端末11又はネットワーク機器12であり、かつ通信機器の具体的な機能は、以下の複数の実施例を通じて具体的に記載する。
【0020】
以下、本開示の実施例に係る一部の技術背景を紹介する。
【0021】
図2を参照する。図2は、非連続受信周期(DRX cycle)の時系列を示す図である。非連続受信の基本的なメカニズムは、接続(RRC_CONNECTED)状態にある端末のためのDRX cycleを設定することであり、DRX cycleは、「活性化期間(On Duration)」と、「スリープ期間(Opportunity for DRX)」とから構成される。端末は、「On Duration」の時間内にPDCCHをモニタリングして受信する。「Opportunity for DRX」の時間内に、端末がダウンリンクチャネルのデータを受信しないようにして、消費電力を節約する。drxStartOffsetは、DRX cycleの開始サブフレームを指定し、longDRX-Cycleは、1つのlong DRX cycleが占有するサブフレームの数を指定するが、この2つのパラメータは、いずれもlongDRX-CycleStartOffsetフィールドによって決定される。onDurationTimerは、DRX cycleの開始サブフレームから、PDCCHのモニタリングが必要な連続サブフレーム数(すなわち、活性化期間が継続するサブフレーム数)を指定する。
【0022】
図3を参照する。図3は、ウェイクアップ信号(WUS)とDRX cycleの送信の時間的な位置関係を示す図である。図3から分かるように、ネットワーク機器は、非連続受信(DTX)状態にある端末に対し、PDCCHに対するモニタリング(Monitor grant)をして次の受信時刻でPDCCHの受信が必要であることを、ウェイクアップ信号を送信して通知しておく。端末は、ウェイクアップ信号を受信した後(すなわち、図中のWUS Received)、スリープ状態(sleep)から、受信機の起動時に動作電力まで電力が上昇する過程(Ramp-up)に入り、それから受信機が起動し、次の受信時刻でデータ及び制御情報の受信(Data&control channel processing)及びPDCCH(PDCCH-only Rx)の受信が行われる。端末がPDCCHの受信を完了すると、受信機が切断し電力が動作電力から降下する過程に入り、それからスリープ状態に入る。非連続受信期間内に、端末は、ウェイクアップ信号を受信しない場合(WUS Skipped)、スリープ状態を継続する。
【0023】
また、ネットワーク機器が端末にスリープ信号を送信する場合、非連続受信状態にある端末に対し、次の受信時刻にPDCCHの受信が必要でないことを通知しておく。端末がスリープ信号を受信した場合、次の受信時刻にPDCCHの受信を行わない。ウェイクアップ信号又はスリープ信号を送信することで、データ送信が可能な時刻毎に端末が信号を受信することを回避し、端末の消費電力を低減することができる。本開示の以下の実施例において言及されるDRXは、接続状態におけるDRXメカニズムを指す(Connected DRX、CDRXと略称される)。
【0024】
図4を参照する。図4は、本開示の実施例のネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法を示す図である。この時間周波数同期方法は、ネットワーク機器に応用され、ステップ41を含む。
【0025】
ステップ41において、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信する。
【0026】
前記物理信号は、物理層の信号を指す。
【0027】
前記ダウンリンク信号は、PUCCH及び/又はPDSCH信号である。
【0028】
本開示の実施例において、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定してから、ダウンリンク信号を端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を端末に送信することによって、端末は、ダウンリンク信号の受信前に、この物理信号に基づく時間周波数同期を完了することができ、アイドル状態又は非連続受信状態における信号処理の消費電力を低減しつつ、受信性能を向上させることができる。
【0029】
本開示の実施例において、この時間周波数同期のための物理信号は、端末が実際にダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップ必要がある場合にのみ送信されるので、非周期的である。
【0030】
本開示の実施例において、前記時間周波数同期のための物理信号は、同期信号(Synchronization Signal)であってもよく、参照信号(Reference Signal)であってもよい。
【0031】
この物理信号は、新規無線(New Radio、NRと略称される)又は他の無線通信システムにおいて、非周期的なトラッキング参照信号(Tracking Reference Signal、TRSと略称される)、非周期的な同期信号、又は、非周期的なチャネル状態情報参照信号(Channel State Information-Reference Signal、CSI-RSと略称される)等として具現化される。
【0032】
本開示の実施例において、以下の方式により、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定する。アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号(WUS)を送信する場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定する。又は、アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号(GTS)を所定時刻に送信しない場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定する。
【0033】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があることを、ウェイクアップ信号を送信することによって指示し、又は、端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があることを、所定時刻にスリープ信号を端末に送信しない方式で指示する。ウェイクアップ信号又はスリープ信号を送信することによって、データ送信が可能な時刻毎に端末が信号を受信することを回避し、端末の消費電力を低減することができる。
【0034】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、ウェイクアップ信号又はスリープ信号を端末に送信する際に、ウェイクアップ信号又はスリープ信号をそれぞれ端末に送信してもよく、同一の端末グループ(UE Group)に属するすべての端末にウェイクアップ信号又はスリープ信号を同時に送信してもよい。端末グループのグループ分け方法は、必要に応じて設定され、例えば国際移動機器識別番号(International Mobile Equipment Identity、IMEIと略称される)の最下位ビットが同一である端末を同一グループとする。
【0035】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、時間周波数同期のための物理信号を端末に送信する場合、時間周波数同期のための物理信号を端末にそれぞれ送信してもよいし、同一の端末グループ(UE Group)に属する全ての端末に時間周波数同期のための物理信号を同時に送信してもよい。同様に、前記端末グループのグループ分け方式は、必要に応じて設定され、例えばIMEIの最下位ビットが同一である端末を同一グループとする。
【0036】
本開示の実施例において、選択可能に、ネットワーク機器によるウェイクアップ信号/スリープ信号の送信、及び、時間周波数同期のための物理信号に用いられる端末グループのグループ分け方式は、同一である。
【0037】
本開示の実施例において、前記ネットワーク機器は、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCIと略称される)を介して前記ウェイクアップ信号又はスリープ信号を付帯する。
【0038】
本開示の実施例において、ネットワーク機器から端末にダウンリンク信号を送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を複数回繰り返し送信(複数のリソースを使用して送信)することができ、それにより端末が前記物理信号を受信できることを確保する。繰り返し送信の回数は、プロトコルによって予め定義されていてもよいし、ネットワーク機器によって設定されてもよい。
【0039】
本開示の実施例において、前記時間周波数同期のための物理信号は、系列から構成される。前記ネットワーク機器から時間周波数同期のための物理信号を端末に送信するステップの前に、前記物理信号の系列を生成するステップを更に含む。
【0040】
本開示の実施例において、前記物理信号の系列は、Gold系列、m系列、ZC系列及びコンピュータ生成系列(Computer Generated Sequence、CGSと略称される)のうちのいずれかである。
【0041】
本開示の実施例において、前記物理信号の系列を生成するステップは、セル識別子(Cell ID)、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の系列を生成するステップを含む。ここで、前記ネットワーク機器から前記物理信号を端末に送信する際に、同一の端末グループに属するすべての端末に同時に前記物理信号を送信する。すなわち、前記物理信号の系列生成パラメータは、セル識別子、前記端末のID及び前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて算出される。
【0042】
本開示の実施例において、前記端末のIDは、前記端末の国際移動加入者識別符号(International Mobile Subscriber Identity、IMSIと略称される)及び国際移動機器識別符号IMEIのうちの少なくとも1つによって決定され、及び/又は、前記端末が属する端末グループのIDは、前記端末が属する端末グループにおける端末のIMSI及びIMEIのうちの少なくとも1つによって決定される。
【0043】
本開示の実施例において、前記時間周波数同期方法において、前記物理信号の系列を特定するためのIDを前記端末に送信するステップを更に含む。これによって、端末は、ネットワーク機器によって設定されるIDに基づいて、前記物理信号の系列を決定することができる。前記物理信号の系列を決定するためのIDは、セル識別子Cell ID、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つであり、又はほかのIDである。
【0044】
本開示の実施例において、前記ネットワーク機器から時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するステップは、前記物理信号の設定情報を決定するステップと、前記設定情報に基づいて、物理信号を前記端末に送信するステップとを含む。前記物理信号の設定情報は、前記物理信号の送信に占有される時間周波数リソース位置、前記物理信号の送信に占有される帯域幅、前記物理信号の送信に占有される密度、前記物理信号のマッピングパターン及び物理信号の繰り返し送信回数の少なくとも1つを含む。
【0045】
前記設定情報は、プロトコルによって予め定義され、又は、前記ネットワーク機器によって設定され、又は、一部がプロトコルによって予め定義され、一部が前記ネットワーク機器によって設定される。
【0046】
本開示の実施例において、前記設定情報がネットワーク機器によって設定され、又は一部がネットワーク機器によって設定される場合、前記時間周波数同期方法は、前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップを更に含む。それによって、端末は、前記設定情報に基づいて前記物理信号を正しく受信することができる。
【0047】
本開示の実施例において、前記設定情報がネットワーク機器によって設定され、又は、一部がネットワーク機器によって設定される場合、前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップは、前記物理信号の設定情報を無線リソース制御(Radio Resource Control:RRCと略称される)メッセージにより前記端末に送信するステップ、又は、前記ウェイクアップ信号により前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するステップを含む。
【0048】
本開示の実施例において、前記設定情報がプロトコルによって予め定義され、又は一部がプロトコルによって予め定義される場合、前記物理信号の設定情報を決定するステップは、予め定義された物理信号の設定情報を取得するステップを含む。
【0049】
本開示の実施例において、前記物理信号の設定情報には、前記物理信号の送信に占有される時間周波数リソース位置が含まれ、前記時間周波数リソース位置は、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置及び前記物理信号の占有するタイムスロット(slot(s))内で占有する時間周波数リソース位置のうちの少なくとも一方を含む。
【0050】
占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置とは、無線フレーム(frame)番号、サブフレーム(subframe)番号、スロット(slot)、又はシンボル(symbol(s))の少なくとも1つを含む。
【0051】
前記時間周波数リソース位置が前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を含む場合、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、以下の方式で決定される。
(1)前記ウェイクアップ信号の送信時刻及び時間オフセットT1(0≦T1≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Duration(ページング時刻/非連続受信活性化期間)の開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定する;又は、
(2)PO/DRX On Durationの開始時間位置及び時間オフセットT2(0≦T2≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定する;又は、
(3)Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定する。例えば、時間周波数同期のための物理信号の送信サブフレーム番号は、mod(UE group ID,X)番目のサブフレームであり、Xは、1つの正の整数である。modは、剰余関数である。
【0052】
ここで、(1)の態様では、選択可能に、前記物理信号の前記占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、前記ウェイクアップ信号の送信時刻とT1との和である。
【0053】
前記T1は、ミリ秒(ms)又はslotを単位とする数値である。前記T1の値は、プロトコルによって予め定義されてもよく、ネットワーク機器によって設定されてもよい。T1の数値は、異なる端末又は端末グループについて同じであってもよいし、異なっていてもよい。選択可能に、T1は、端末の能力に関連し、選択可能に、異なる処理能力レベルは、異なるT1値又はT1値のセットに対応する。例えば、異なるタイプの端末は、異なるT1の最小値(minimum value)をサポートする。T1がネットワーク機器によって設定される場合、前記物理信号の設定情報を決定するステップの前に、前記端末から報告された非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを受信するステップと、前記処理能力レベルに応じて前記T1を決定するステップとを更に含む。
【0054】
(2)の態様では、POは、ページング時刻である。選択可能に、前記物理信号の前記占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、PO/DRX On Durationの開始時間位置とT1との和である。
【0055】
前記T2は、ミリ秒(ms)又はslotを単位とする数値である。前記T2の値は、プロトコルによって予め定義されていてもよいし、ネットワーク機器によって設定されてもよい。T1の数値は、異なる端末又は端末グループについて同じであってもよいし、異なっていてもよい。選択可能に、T2は端末の能力に関連し、選択可能に、異なる処理能力レベルは、異なるT2値又はT1値のセットに対応する。例えば、異なるタイプの端末は、異なるT2の最小値(minimum value)をサポートする。T2がネットワーク機器によって設定される場合、前記物理信号の設定情報を決定するステップの前に、前記端末から報告された非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを受信するステップと、前記処理能力レベルに応じて前記T2を決定するステップとを更に含む。
【0056】
本開示の実施例において、前記物理信号の設定情報が前記物理信号の占有するタイムスロット(slot(s))内で占有する時間周波数リソース位置を含む場合、前記物理信号の設定情報を決定するステップは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を決定するステップを含む。
【0057】
本開示の実施例において、選択可能に、前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置は、離散的に分布している。利点として、時間周波数の同期及びRRM測定に有利である。
【0058】
本開示の実施例において、選択可能に、ウェイクアップ信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置は、連続して分布する。利点として、オーバーヘッドが小さく、低い複雑度によるウェイクアップ信号の検出に有利である。
【0059】
図5を参照する。図5は、本開示の実施例の端末に応用される時間周波数同期方法を示す図である。当該時間周波数同期方法は、端末に応用され、ステップ51~52を含む。
【0060】
ステップ51において、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信する。
【0061】
ステップ52において、前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行う。
【0062】
前記ダウンリンク信号は、PUCCH及び/又はPDSCH信号である。
【0063】
本開示の実施例において、端末は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後、時間周波数同期のための物理信号をネットワーク機器から受信する。それによって、端末は、ダウンリンク信号の受信前に、この物理信号に基づく時間周波数同期を完了することができ、アイドル状態又は非連続受信状態における信号処理の消費電力を低減しつつ、受信性能を向上させることができる。
【0064】
本開示の実施例において、この時間周波数同期のための物理信号は、端末が実際にダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップ必要がある場合にのみ送信されるので、非周期的である。
【0065】
本開示の実施例において、前記時間周波数同期のための物理信号は、同期信号(Synchronization Signal)であってもよく、参照信号(Reference Signal)であってもよい。
【0066】
この物理信号は、新規無線(New Radio、NRと略称される)又は他の無線通信システムにおいて、非周期的なトラッキング参照信号(Tracking Reference Signal、TRSと略称される)、非周期的な同期信号、又は、非周期的なチャネル状態情報参照信号(Channel State Information-Reference Signal、CSI-RSと略称される)等として具現化される。
【0067】
本開示の実施例において、前記端末が前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うステップの後に、ダウンリンク信号の送信を行うステップを更に含む。前記ダウンリンク信号は、PUCCH及び/又はPDSCH信号である。
【0068】
更に、前記端末がダウンリンク信号の受信を行うステップは、前記物理信号に基づいてチャネル推定を行い、チャネル推定に基づいてパワー遅延プロファイルと周波数オフセットの推定を行うステップと、推定したパワー遅延プロファイル(PDP,Power Delay Profile)に基づいて、アイドル状態又は非連続受信状態にある前記端末の次回受信の受信開始時刻を調整し、推定した周波数オフセットに基づいて、次回の受信信号に対し周波数オフセット補償を行うステップと、周波数オフセット補償を行った受信信号に基づいて、PDCCH及び/又はPDSCHの検出を行うステップとを含む。
【0069】
本開示の実施例において、前記端末は、以下の方式により、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があるかを判定する。前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を前記ネットワーク機器から受信した場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定する。又は、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に受信しなかった場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定する。
【0070】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があることを、ウェイクアップ信号を送信することによって指示し、又は、端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があることを、所定時刻にスリープ信号を端末に送信しない方式で指示する。ウェイクアップ信号又はスリープ信号を送信することによって、データ送信が可能な時刻毎に端末が信号を受信することを回避し、端末の消費電力を低減することができる。
【0071】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、ウェイクアップ信号又はスリープ信号を端末に送信する際に、ウェイクアップ信号又はスリープ信号をそれぞれ端末に送信してもよく、同一の端末グループ(UE Group)に属するすべての端末にウェイクアップ信号又はスリープ信号を同時に送信してもよい。端末グループのグループ分け方法は、必要に応じて設定され、例えば国際移動機器識別番号(International Mobile Equipment Identity、IMEIと略称される)の最下位ビットが同一である端末を同一グループとする。
【0072】
本開示の実施例において、ネットワーク機器は、時間周波数同期のための物理信号を端末に送信する場合、時間周波数同期のための物理信号を端末にそれぞれ送信してもよいし、同一の端末グループ(UE Group)に属する全ての端末に時間周波数同期のための物理信号を同時に送信してもよい。同様に、前記端末グループのグループ分け方式は、必要に応じて設定され、例えばIMEIの最下位ビットが同一である端末を同一グループとする。
【0073】
本開示の実施例において、選択可能に、ネットワーク機器によるウェイクアップ信号/スリープ信号の送信、及び、時間周波数同期のための物理信号に用いられる端末グループのグループ分け方式は、同一である。
【0074】
本開示の実施例において、前記ネットワーク機器は、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCIと略称される)を介して前記ウェイクアップ信号又はスリープ信号を付帯する。
【0075】
本開示の実施例において、前記時間周波数同期のための物理信号は、系列から構成される。前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うステップの前に、受信した前記物理信号の系列を決定するステップを更に含む。
【0076】
本開示の実施例において、前記物理信号の系列は、Gold系列、m系列、ZC系列及びコンピュータ生成系列(Computer Generated Sequence、CGSと略称される)のうちのいずれかである。
【0077】
本開示の実施例において、前記物理信号の系列を決定するステップは、セル識別子(Cell ID)、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の系列を決定するステップを含む。ここで、前記ネットワーク機器から前記物理信号を端末に送信する際に、同一の端末グループに属するすべての端末に同時に前記物理信号を送信する。又は、前記ネットワーク機器から設定されたIDに基づいて、前記物理信号の系列を決定するステップを含む。
【0078】
すなわち、前記物理信号の系列生成パラメータは、端末がセル識別子、前記端末のID及び端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて算出し、又は、ネットワーク機器から設定されたIDに基づいて算出する。
【0079】
本開示の実施例において、前記端末のIDは、前記端末の国際移動加入者識別符号IMSI及び国際移動機器識別符号IMEIのうちの少なくとも1つによって決定され、及び/又は、前記端末が属する端末グループのIDは、前記端末が属する端末グループにおける端末のIMSI及びIMEIのうちの少なくとも1つによって決定される。
【0080】
本開示の実施例において、前記端末がネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップは、前記物理信号の設定情報を取得するステップと、前記設定情報に基づいて、前記ネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップとを含む。
【0081】
前記設定情報は、プロトコルによって予め定義され、又は、前記ネットワーク機器によって設定され、又は、一部がプロトコルによって予め定義され、一部が前記ネットワーク機器によって設定される。
【0082】
本開示の実施例において、前記設定情報がプロトコルによって予め定義され、又は一部がプロトコルによって予め定義される場合、前記物理信号の設定情報を取得するステップは、予め定義された物理信号の設定情報を取得するステップを含む。
【0083】
本開示の実施例において、前記設定情報がネットワーク機器によって設定され、又は一部がネットワーク機器によって設定される場合、前記物理信号の設定情報を取得するステップは、前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップを含む。それによって、端末は、前記設定情報に基づいて前記物理信号を正しく受信することができる。
【0084】
更に、前記設定情報がネットワーク機器によって設定され、又は一部がネットワーク機器によって設定される場合、前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップは、前記ネットワーク機器からRRCシグナリングにより送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップ、又は、前記ネットワーク機器から前記ウェイクアップ信号により送信された前記物理信号の設定情報を受信するステップを含む。
【0085】
前記物理信号の設定情報は、前記物理信号の送信に占有される時間周波数リソース位置、前記物理信号の送信に占有される帯域幅、前記物理信号の送信に占有される密度、前記物理信号のマッピングパターン、物理信号の繰り返し送信回数及び信号系列設定情報などの少なくとも1つを含む。
【0086】
本開示の実施例において、前記設定情報には、前記物理信号の送信に占有される時間周波数リソース位置が含まれ、前記時間周波数リソース位置は、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置及び前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置のうちの少なくとも一方を含む。
【0087】
占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置とは、無線フレーム(frame)番号、サブフレーム(subframe)番号、スロット(slot)、又はシンボル(symbol(s))の少なくとも1つを含む。
【0088】
前記時間周波数リソース位置が前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を含む場合、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、以下の方式で決定される。
(1)前記ウェイクアップ信号の送信時刻及び時間オフセットT1(0≦T1≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定する;又は、
(2)PO/DRX On Durationの開始時間位置及び時間オフセットT2(0≦T2≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定する;又は、
(3)Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定する。例えば、時間周波数同期のための物理信号の送信サブフレーム番号は、mod(UE group ID,X)番目のサブフレームであり、Xは、1つの正の整数である。modは、剰余関数である。
【0089】
ここで、(1)の態様では、選択可能に、前記物理信号の前記占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、前記ウェイクアップ信号の送信時刻とT1との和である。
【0090】
前記T1は、ミリ秒(ms)又はslotを単位とする数値である。前記T1の値は、プロトコルによって予め定義されてもよく、ネットワーク機器によって設定されてもよい。T1の数値は、異なる端末又は端末グループについて同じであってもよいし、異なっていてもよい。選択可能に、T1は、端末の能力に関連し、選択可能に、異なる処理能力レベルは、異なるT1値又はT1値のセットに対応する。例えば、異なるタイプの端末は、異なるT1の最小値(minimum value)をサポートする。T1がネットワーク機器によって設定される場合、選択可能に、前記物理信号の設定情報を取得するステップの前に、前記端末の非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを前記ネットワーク機器に報告するステップと、前記処理能力レベルに応じて前記ネットワーク機器により設定されるT1を受信するステップとを更に含む。前記ネットワーク機器は、RRCシグナリング又はDCIメッセージによってT1を端末に送信する。
【0091】
(2)の態様では、POは、ページング時刻である。選択可能に、前記物理信号の前記占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置は、PO/DRX On Durationの開始時間位置とT1との和である。
【0092】
前記T2は、ミリ秒(ms)又はslotを単位とする数値である。前記T2の値は、プロトコルによって予め定義されていてもよいし、ネットワーク機器によって設定されてもよい。T2の数値は、異なる端末又は端末グループについて同じであってもよいし、異なっていてもよい。選択可能に、T2は端末の能力に関連し、選択可能に、異なる処理能力レベルは、異なるT2値又はT2値のセットに対応する。例えば、異なるタイプの端末は、異なるT2の最小値(minimum value)をサポートする。T2がネットワーク機器によって設定される場合、選択可能に、前記物理信号の設定情報を取得するステップの前に、前記端末の非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを前記ネットワーク機器に報告するステップと、前記処理能力レベルに応じて前記ネットワーク機器により設定されるT2を受信するステップとを更に含む。前記ネットワーク機器は、RRCシグナリング又はDCIメッセージによってT2を端末に送信する。
【0093】
本開示の実施例において、前記物理信号の設定情報が前記物理信号の占有するタイムスロット(slot(s))内で占有する時間周波数リソース位置を含む場合、前記物理信号の設定情報を取得するステップは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を決定するステップを含む。
【0094】
本開示の実施例において、前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置は、離散的に分布している。
【0095】
本開示の実施例において、前記端末は、更に、受信した時間周波数同期のための物理信号に基づいてRRM測定を行う。すなわち、前記ネットワーク機器から送信された物理信号を受信したステップの後に、前記物理信号に基づいて、RRM測定を実行するステップを更に含む。選択可能に、前記端末は、受信した時間周波数同期のための物理信号に加え、既存のRRM参照信号(たとえばSS Block、CSI-RS)とともに、RRMの性能を向上させる。
【0096】
本開示の実施例において、前記端末が前記ネットワーク機器から送信された物理信号を受信するステップは、前記ウェイクアップ信号と前記物理信号を同一の受信機(single receiver)で受信するステップ、又は、前記ウェイクアップ信号と前記物理信号を異なる受信機(different receiver)で受信するステップを含む。
【0097】
前記端末が異なる受信機で前記ウェイクアップ信号と前記物理信号とを受信する場合、狭帯域受信機で前記ウェイクアップ信号を受信し、広帯域受信機で前記物理信号を受信する。
【0098】
端末は、前記ウェイクアップ信号の送信時刻と時間オフセット量T1とに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定する場合、異なる受信機を用いると、他の受信機に切り替えるまでにある程度の処理時間を要する。その場合、その端末に対しT1値を長く設定する必要がある。選択可能に、前記T1は、0よりも大きい値を取る。すなわち、ウェイクアップ信号と物理信号とは異なる時刻で送信される。同一の受信機を用いる場合、受信機間の時間的な切り替えがない。この場合、この端末に対しT1の値を短く設定する。
【0099】
以下、具体的な応用シーンを通じて、本開示の実施例の時間周波数同期方法を詳細に説明する。
【0100】
実施例1
図6を参照する。図6は、本開示の実施例1の時間周波数同期のための物理信号とウェイクアップ信号(WUS)、ダウンリンク信号の送信の時間的な位置関係を示す図である。
【0101】
図6から分かるように、時間周波数同期のための物理信号(本開示の実施例ではTRS)の送信の時間的な位置は、ウェイクアップ信号(WUS)の送信時間よりも早くなく、ダウンリンク信号の初回の送信時間よりも遅くない。
【0102】
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の送信の時間的な位置は、ウェイクアップ信号の送信時刻から一定のT1ms(又はslot)オフセットを有する。
【0103】
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の送信の時間的な位置は、PO又はOn duration開始時間位置から一定のT2ms(又はslots)オフセットを有する。
【0104】
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の送信の時間的な位置は、Cell ID、前記端末のID、及び前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。例えば、時間周波数同期のための物理信号の送信サブフレーム番号は、mod(UE group ID,X)番目のサブフレームであり、Xは、1つの正の整数である。modは、剰余関数である。
【0105】
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の設定情報は、ネットワーク機器によりRRCシグナリングを介して設定される。設定情報は、例えば、前記物理信号が送信される無線フレーム番号、サブフレーム番号、具体的な時間周波数位置、占有される帯域幅などのうち少なくとも1つを含む。
【0106】
本開示の実施例において、ウェイクアップ信号が物理チャネルの形態、例えばPDCCHの形態で送信される場合、時間周波数同期のための物理信号の設定情報(前記物理信号が送信される無線フレーム番号、サブフレーム番号、具体的な時間周波数位置、占有される帯域幅、系列の設定情報など)は、DCI情報によって設定される。この情報によって使用されるフィールドは、定義されたPDCCHフォーマットにおける既存のフィールドを再利用してもよい。
【0107】
本開示の実施例において、ネットワーク機器がダウンリンク信号を端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を複数回繰り返し送信(複数のリソースを使用して送信)して、端末が前記物理信号を受信できることを保証する。繰り返し送信の回数は、プロトコルによって予め定義されていてもよいし、ネットワーク機器によって設定されてもよい。
【0108】
実施例2
端末は、同じ又は異なる受信機を使用してウェイクアップ信号及び同期信号/PDCCH/PDSCHを受信する。
【0109】
異なる受信機を使用する場合、他の受信機への切り替えにある程度の時間を要し、その場合、この端末に対しT1の値を長く設定する必要がある。
【0110】
同一の受信機を用いる場合、受信機間の時間的な切り替えがなく、この場合、この端末に対しT1の値を短く設定する。
【0111】
T1の値は、異なる端末又は端末グループに対してネットワーク機器により設定される。
【0112】
選択可能に、端末は、前記端末の非連続受信又はページング受信の処理能力レベルをネットワーク機器に報告し、ネットワーク機器は、前記処理能力レベルに応じてT1の値を決定し、T1の値をRRCシグナリング又はDCIメッセージによって端末に対し設定する。選択可能に、異なる処理能力レベルは、異なるT1値又はT1値のセットに対応する。
【0113】
実施例3
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号は、B個の物理リソースブロック(Physical Resource Block、PRBと略称される)に分布し、X個のSlot(各slotは14個のOFDMシンボルを含む)を占有し、各Slot内でN個のOFDMシンボルに分布し、物理信号が占有するOFDMシンボル間の間隔は、St(個のOFDMシンボル)であり、物理信号を搬送するために、周波数方向に12個のサブキャリアごとにSf個のサブキャリアが使用される。
【0114】
図7を参照する。図7は、本開示の実施例3の時間周波数同期のための物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を示す図である。図7から分かるように、時間周波数同期のための物理信号(メッシュ付きブロック)は、50個のPRB(物理リソースブロック)に分布し、2個のSlot(各slotは、14個のOFDMシンボルを含む)を占有し、各Slot内で2個のOFDMシンボル上に分布し、物理信号が占有するOFDMシンボル間の間隔は、7個のOFDMシンボルであり、物理信号を搬送するために、周波数方向に12個のサブキャリアごとに3個のサブキャリアを有する。
【0115】
実施例4
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の系列は、Gold系列であり、Gold系列は、以下のように生成される。
【0116】
1つの系列は、以下のように初期化される。
Gold系列は、2つのm系列の排他的論理和であり、出力されるGold系列c(n)の長さは、Mである。ここで、n=0,1,...,M-1。
c(n)=(x1(n+NC)+x2(n+NC))mod2 (1)
1(n+3l)=(x1(n+3)+x1(n))mod2 (2)
2(n+3l)=(x2(n+3)+x2(n+2)+x2(n+1)+x2(n))mod2 (3)
ここで、NC=1600、X1の初期化状態は、
1(0)=1,x1(n)=0,n=1,2,...,30
であり、X2の初期化状態は、
init=(210・(14ns,f+l+1)(2nID+1)+nID)mod231
である。
ここで、nIDは、セル/仮想セルID、異なる端末又は端末グループのID、ネットワーク機器によって設定されるIDのうちの少なくとも1つに関連付けられる。
【0117】
式(2)及び(3)は、それぞれ2つのm系列を生成する生成多項式を表す。
生成されたgold系列は、d(n)=1-2c(n)である。
【0118】
ウェイクアップ信号の系列のシンボル数をS(S=X*N*B*Sf)個とし、時間周波数リソースにマッピングされるシンボルが、上記で生成されたGold系列に対する直交位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying、QPSKと略称される)であると仮定すると、Gold系列cの長さは、M=2*Sである。すると、時間周波数同期のための物理信号が時間周波数リソースにマッピングされるシンボルr(s)は、以下となる。
【0119】
【0120】
実施例5
本開示の実施例において、ウェイクアップ信号(WUS)は、狭帯域の連続マッピングされた信号系列であり、例えば、長さ31/63/127/255のZC系列、m系列、gold系列、CGS系列、又はこれらの繰り返しであり、連続するOFDMシンボル、連続するサブキャリアで、周波数領域が先であって時間領域が後であるという順序でマッピングされる。
【0121】
時間周波数同期のための物理信号は、実施例3及び4で説明したように生成された離散マッピングGold系列である。
【0122】
ウェイクアップ信号は、連続的にマッピングされるリソースとして、オーバーヘッドが小さいことが利点であり、より低い複雑度でウェイクアップ信号の検出を行うのに有利である。
【0123】
時間周波数同期のための物理信号は、離散マッピングの系列であり、時間周波数の精密な同期及びRRM測定に有利であるという利点を有する。
【0124】
実施例6
本開示の実施例において、時間周波数同期のための物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置(すなわち、占有されているOFDMシンボルの番号及びサブキャリアのオフセット)は、Cell ID、端末のID、及び端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに関連付けられる。
【0125】
例えば、時間周波数同期のための物理信号の、位置するタイムスロット内の開始OFDMシンボルの位置は、UE/UE Group ID及び/又はCell IDに基づいて算出される。例えば、mod(UE ID,3)+2は、OFDMシンボルの開始位置である。
【0126】
時間周波数同期のための物理信号の、位置するタイムスロット内の開始サブキャリア位置は、Cell ID及び/又はUE/UE Group IDに基づいて計算される。例えば、開始サブキャリア番号は、mod(Cell ID,4)である。
【0127】
本開示の実施例において、各OFDMシンボル上の開始サブキャリア位置は、同一であっても異なってもよい。
【0128】
実施例7
本開示の実施例において、端末は、非連続受信状態の受信開始時点、又はアイドル状態の受信開始時点において、時間周波数同期のための物理信号の受信を、予め定義され又は設定された時間周波数リソース、又は、UE/UE Group IDに関連する時間周波数リソースで前もって行う。
【0129】
ダウンリンク信号の受信を行う場合、具体的なステップは、前記物理信号に基づいてチャネル推定を行い、チャネル推定に基づいてパワー遅延プロファイルと周波数オフセットの推定を行うステップと、推定したパワー遅延プロファイルに基づいて、アイドル状態又は非連続受信状態にある前記端末の次回受信の受信開始時刻を調整し、推定した周波数オフセットに基づいて、次回の受信信号に対し周波数オフセット補償を行うステップと、周波数オフセット補償を行った受信信号に基づいて、PDCCH及び/又はPDSCHの検出を行うステップである。
【0130】
本開示の実施例の上記方法は、LTE、5G、他の新たに定義されたOFDM無線通信システム、物ネットワーク通信システム、狭帯域通信システム、又は車載通信システムに適用される。
【0131】
同一の発明の思想に基づいて、図8を参照し、本開示の実施例は、ネットワーク機器80を更に提供する。当該ネットワーク機器80は、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定した後、及び、ダウンリンク信号を前記端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を前記端末に送信するための第1送信モジュール81を含む。
【0132】
本開示の実施例において、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定してから、ダウンリンク信号を端末に送信する前に、時間周波数同期のための物理信号を端末に送信することによって、端末は、ダウンリンク信号の受信前に、この物理信号に基づく時間周波数同期を完了することができ、アイドル状態又は非連続受信状態における信号処理の消費電力を低減しつつ、受信性能を向上させることができる。
【0133】
選択可能に、前記第1送信モジュールは、アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を送信する場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定することに用いられる。又は、前記第1送信モジュールは、アイドル状態又は非連続受信状態の端末に、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に送信しない場合、アイドル状態又は非連続受信状態の端末がダウンリンク信号を受信するためにウェイクアップする必要があると判定することに用いられる。
【0134】
選択可能に、前記ネットワーク機器は、前記物理信号の系列を生成するための生成モジュールを更に含む。
【0135】
前記物理信号の系列は、Gold系列、m系列、ZC系列及びコンピュータ生成系列CGSのうちのいずれかである。
【0136】
選択可能に、前記生成モジュールは、セル識別子Cell ID、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の系列を生成することに用いられる。ここで、前記ネットワーク機器は、前記物理信号を端末に送信する際に、同一の端末グループに属するすべての端末に同時に前記物理信号を送信する。
【0137】
選択可能に、前記生成モジュールは、前記端末の国際移動加入者識別符号IMSI及び国際移動機器識別符号IMEIのうちの少なくとも1つによって前記端末のIDを決定し、及び/又は、前記端末が属する端末グループにおける端末のIMSI及びIMEIのうちの少なくとも1つによって前記端末が属する端末グループのIDを決定することに用いられる。
【0138】
選択可能に、前記ネットワーク機器は、前記物理信号の系列を決定するためのIDを前記端末に送信するための第2送信モジュールを更に含む。前記物理信号の系列を決定するためのIDを前記端末に送信することによって、端末は、ネットワーク機器によって設定されるIDに基づいて、前記物理信号の系列を決定することができる。前記物理信号の系列を決定するためのIDは、セル識別子Cell ID、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つであり、又はほかのIDである。
【0139】
選択可能に、前記第1送信モジュールは、前記物理信号の設定情報を決定し、前記配置情報に基づいて、物理信号を前記端末に送信することに用いられる。
【0140】
選択可能に、前記ネットワーク機器は、前記物理信号の設定情報を前記端末に送信するための第3送信モジュールを更に含む。
【0141】
選択可能に、前記第3送信モジュールは、前記物理信号の設定情報を無線リソース制御RRCシグナリングにより前記端末に送信することに用いられる。又は、前記第3送信モジュールは、前記ウェイクアップ信号により前記物理信号の設定情報を前記端末に送信することに用いられる。
【0142】
選択可能に、前記第1送信モジュールは、予め定義された物理信号の設定情報を取得することに用いられる。
【0143】
選択可能に、前記設定情報には、前記物理信号の時間周波数リソース位置が含まれ、前記時間周波数リソース位置は、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置及び前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置のうちの少なくとも一方を含む。
【0144】
選択可能に、前記第1送信モジュールは、前記ウェイクアップ信号の送信時刻及び時間オフセットT1(0≦T1≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定することに用いられる。又は、前記第1送信モジュールは、PO/DRX On Durationの開始時間位置及び時間オフセットT2(0≦T2≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定することに用いられる。又は、前記第1送信モジュールは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定することに用いられる。
【0145】
選択可能に、前記ネットワーク機器は、前記端末から報告した非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを受信するための受信モジュールと、前記処理能力レベルに応じて、前記T1又は前記T2を決定するための決定モジュールとを更に含む。
【0146】
選択可能に、前記第1送信モジュールは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を決定することに用いられる。
【0147】
選択可能に、前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置は、離散的に分布している。
【0148】
図9を参照し、本開示の実施例は、端末90を更に提供する。当該端末90は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後に、ネットワーク機器から送信された時間周波数同期のための物理信号を受信するための第1受信モジュール91と、前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うための時間周波数同期モジュール92とを含む。
【0149】
本開示の実施例において、端末は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後、時間周波数同期のための物理信号をネットワーク機器から受信する。それによって、端末は、ダウンリンク信号の受信前に、この物理信号に基づく時間周波数同期を完了することができ、アイドル状態又は非連続受信状態における信号処理の消費電力を低減しつつ、受信性能を向上させることができる。
【0150】
選択可能に、前記端末は、ダウンリンク信号の受信を行うための第2受信モジュールを更に含む。
【0151】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、前記端末をウェイクアップしてダウンリンク信号の受信を行うためのウェイクアップ信号を前記ネットワーク機器から受信した場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、前記端末がスリープし続けることを指示するためのスリープ信号を所定時刻に受信しなかった場合、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定することに用いられる。
【0152】
選択可能に、前記端末は、受信した前記物理信号の系列を決定するための決定モジュールを更に含む。
【0153】
前記物理信号の系列は、Gold系列、m系列、ZC系列及びコンピュータ生成系列CGSのうちのいずれかである。
【0154】
選択可能に、前記決定モジュールは、セル識別子Cell ID、前記端末のID、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の系列を決定することに用いられる。又は、前記決定モジュールは、前記ネットワーク機器により設定されたIDに基づいて、前記物理信号の系列を決定することに用いられる。
【0155】
選択可能に、前記決定モジュールは、前記端末の国際移動加入者識別符号IMSI及び国際移動機器識別符号IMEIのうちの少なくとも1つによって前記端末のIDを決定し、及び/又は、前記端末が属する端末グループにおける端末のIMSI及びIMEIのうちの少なくとも1つによって前記端末が属する端末グループのIDを決定することに用いられる。
【0156】
選択可能に、前記端末に含まれる前記第1受信モジュールは、前記物理信号の設定情報を取得し、前記設定情報に基づいて、前記ネットワーク機器から送信された物理信号を受信することに用いられる。
【0157】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、前記ネットワーク機器から送信された前記物理信号の設定情報を受信することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、予め定義された物理信号の設定情報を取得することに用いられる。
【0158】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、前記ネットワーク機器からRRCシグナリングにより送信された前記物理信号の設定情報を受信することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、前記ネットワーク機器から前記ウェイクアップ信号により送信された前記物理信号の設定情報を受信することに用いられる。
【0159】
選択可能に、前記設定情報には、前記物理信号の時間周波数リソース位置が含まれ、前記時間周波数リソース位置は、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置及び前記物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置のうちの少なくとも一方を含む。
【0160】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、前記ウェイクアップ信号の送信時刻及び時間オフセットT1(0≦T1≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソース位置を決定することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、PO/DRX On Durationの開始時間位置及び時間オフセットT2(0≦T2≦T0(T0:前記ウェイクアップ信号とPO/DRX On Durationの開始時間位置との間の時間間隔))に基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、前記物理信号の占有する無線フレーム内で占有する時間周波数リソースを決定することに用いられる。
【0161】
前記T1又はT2は、予め定義され、又は、ネットワーク機器により設定される。
【0162】
選択可能に、前記端末は、前記端末の非連続受信又はページング受信の処理能力レベルを前記ネットワーク機器に報告するための報告モジュールと、前記処理能力レベルに応じて前記ネットワーク機器により設定されるT1又はT2を受信するための第3受信モジュールとを更に含む。
【0163】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、Cell IDと、前記端末のIDと、前記端末が属する端末グループのIDのうちの少なくとも1つに基づいて、物理信号の占有するタイムスロット内で占有する時間周波数リソース位置を決定することに用いられる。
【0164】
選択可能に、前記端末は、前記物理信号に基づいて、無線リソース管理RRM測定を実行するための無線リソース管理RRM測定モジュールを更に含む。
【0165】
選択可能に、前記第1受信モジュールは、前記ウェイクアップ信号と前記物理信号を同一の受信機で受信することに用いられる。又は、前記第1受信モジュールは、前記ウェイクアップ信号と前記物理信号を異なる受信機で受信することに用いられる。
【0166】
選択可能に、前記第2受信モジュールは、前記物理信号に基づいてチャネル推定を行い、チャネル推定に基づいてパワー遅延プロファイルと周波数オフセットの推定を行うことと、推定したパワー遅延プロファイルに基づいて、アイドル状態又は非連続受信状態にある前記端末の次回受信の受信開始時刻を調整し、推定した周波数オフセットに基づいて、次回の受信信号に対し周波数オフセット補償を行うことと、周波数オフセット補償を行った受信信号に基づいて、PDCCH及び/又はPDSCHの検出を行うこととに用いられる。
【0167】
本開示の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するコンピュータプログラムとを含むネットワーク機器を更に提供し、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記のネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0168】
本開示の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するコンピュータプログラムとを含む端末を更に提供し、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記の端末に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。
【0169】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記のネットワーク機器に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。ここで、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、たとえば、リードオンリーメモリROM(Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなど等である。
【0170】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記の端末に応用される時間周波数同期方法のステップが実現される。ここで、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、たとえば、リードオンリーメモリROM(Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなど等である。
【0171】
図10は、本開示の各実施例を実現する一種の移動端末のハードウェア構造を示す図である。当該移動端末100は、ラジオ周波数ユニット101と、ネットワークモジュール102と、音声出力ユニット103と、入力ユニット104と、センサ105と、表示ユニット106と、ユーザ入力ユニット107と、インターフェイスユニット108と、メモリ109と、プロセッサ1010と、電源1011などの構成要素を含むが、これらに限定されない。図10に示される移動端末の構造は、移動端末を限定するものではなく、移動端末は、図示されるよりも多い又は少ない構成要素を含むことができ、又は一部の構成要素を組み合わせることができ、又は異なる構成要素の構成を含むことができることを、当業者は理解可能である。本開示の実施例において、移動端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップパソコン、車載端末、ウェアラブルデバイス及び歩数計などを含むが、それらに限定されない。
【0172】
ここで、ラジオ周波数ユニット101は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後、時間周波数同期のための物理信号をネットワーク機器から受信することに用いられる。プロセッサ110は、前記物理信号に基づいて時間周波数同期を行うことに用いられる。
【0173】
本開示の実施例において、端末は、ダウンリンク信号を受信するためにアイドル状態又は非連続受信状態からウェイクアップする必要があると判定した後、時間周波数同期のための物理信号をネットワーク機器から受信する。それによって、端末は、ダウンリンク信号の受信前に、この物理信号に基づく時間周波数同期を完了することができ、アイドル状態又は非連続受信状態における信号処理の消費電力を低減しつつ、受信性能を向上させることができる。
【0174】
なお、本開示の実施例において、ラジオ周波数ユニット101は、情報の送受信又は通話中で信号の送受信に用いられ、具体的に、ネットワーク機器からのダウンリンクデータを受信した後、プロセッサ1010による処理をさせ、また、アップリンクデータをネットワーク機器に送信する。一般に、ラジオ周波数ユニット101は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、トランシーバ、結合器、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限定されない。また、ラジオ周波数ユニット101は、無線通信システムを介してネットワークや他の機器と通信を行うこともできる。
【0175】
移動端末は、ネットワークモジュール102を介して、電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスを支援するなど、無線ブロードバンドインターネットアクセスをユーザに提供する。
【0176】
音声出力ユニット103は、ラジオ周波数ユニット101やネットワークモジュール102が受信した音声データや、メモリ109に記憶された音声データを音声信号に変換して音声として出力することができる。また、音声出力ユニット103は、移動端末100が実行する決定の機能に関する音声(例えば、呼出信号着信音、メッセージ着信音等)を出力してもよい。音声出力ユニット103は、スピーカ、ブザー及びレシーバなどを含む。
【0177】
入力ユニット104は、音声や映像の信号を受信することに用いられる。入力ユニット104は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードでカメラなどの画像キャプチャ装置によって取得された静止画又は動画の画像データを処理するグラフィックスプロセッサGPU(Graphics Processing Unit)1041と、マイク1042とを含む。処理された画像フレームは、表示ユニット106上に表示される。グラフィックスプロセッサ1041で処理された画像フレームは、メモリ109(又は他の記憶媒体)に記憶されるか、又はラジオ周波数ユニット101又はネットワークモジュール102を介して送信される。マイク1042は、音声を受信し、音声データに加工することができる。処理された音声データは、電話通話モードの場合、ラジオ周波数ユニット101を介して移動体通信基地局に送信可能な形式に変換して出力することができる。
【0178】
移動端末100は、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサのような少なくとも1つのセンサ105を更に含む。具体的には、光センサは、周辺光センサ及び近接センサを含む。周辺光センサは、周辺光の明暗に応じて表示パネル1061の輝度を調節し、近接センサは、移動端末100が耳に移動したときに表示パネル1061及び/又はバックライトを消灯する。モーションセンサの1種として、加速度計センサは、様々な方向(一般的には3軸)の加速度の大きさを検出でき、静止時は重力の大きさ及び方向を検出でき、端末姿勢の認識(例えば、縦横画面切替、関連ゲーム、磁力計姿勢キャリブレーション)、振動認識関連機能(たとえば、歩数計、ストローク)などに用いることができる。センサ105は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどを更に含むことができるが、ここでは枚挙しない。
【0179】
表示ユニット106は、ユーザが入力した情報やユーザに提供した情報を表示するために用いられる。表示ユニット106は、液晶ディスプレイLCD(Liquid Crystal Display)、有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)などからなる表示パネル1061を含んでもよい。
【0180】
ユーザ入力ユニット107は、数字や文字情報の入力を受け付け、ユーザによる端末の設定や機能制御に関するキー信号の入力を行うことに用いられる。具体的に、ユーザ入力ユニット107は、タッチパネル1071と、その他の入力装置1072とを含む。タッチパネル1071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又は付近でのユーザのタッチ操作を取得可能である(たとえばユーザが指やスタイラスなどの任意の適切な物体や付属部材を用いたタッチパネル1071の上又はタッチパネル1071の付近での操作)。タッチパネル1071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの2つの部分を含みうる。ここで、タッチ検出装置は、ユーザのタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出してタッチコントローラに伝達する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からのタッチ情報を受信し、それを接点座標に変換してプロセッサ1010に送り、プロセッサ1010からの命令を受信して実行する。なお、タッチパネル1071は、抵抗式、静電容量式、赤外線、表面弾性波など、種々の方式を用いて実現することができる。ユーザ入力ユニット107は、タッチパネル1071の他に、他の入力装置1072を含んでもよい。具体的に、他の入力装置1072は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、音量調節キー、スイッチキーなど)、トラックボール、マウス、レバーを含むが、ここでは枚挙しない。
【0181】
更に、タッチパネル1071は、表示パネル1061に重ねられる。タッチパネル1071は、その上又はその近くでタッチ操作を検出すると、プロセッサ1010に送信して、タッチイベントのタイプを決定する。次いで、プロセッサ1010は、タッチイベントのタイプに応じて、対応する視覚的出力を表示パネル1061に提供する。図10では、タッチパネル1071と表示パネル1061は、独立した2つの部品として移動端末の入出力機能を実現するが、実施例によっては、タッチパネル1071と表示パネル1061を一体化して移動端末の入出力機能を実現することもでき、具体的にここでは限定しない。
【0182】
インターフェイスユニット108は、外部装置と移動端末100とを接続するためのインターフェィスである。例えば、外部装置は、有線又は無線ヘッドホンポート、外部電源(又はバッテリ充電器)ポート、有線又は無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置を接続するためのポート、オーディオ入出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、ヘッドホンポート等を含む。インターフェイスユニット108は、外部装置から入力(たとえば、データ情報、電力など)を受信し、受信した入力を移動端末100内の1つ以上の要素に伝送するために使用されてもよく、又は移動端末100と外部装置との間でデータを伝送するために使用されてもよい。
【0183】
メモリ109は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを格納するために使用される。メモリ109は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーション(たとえば、音声再生機能、画像再生機能など)などを格納することができるプログラム格納領域と、データ格納領域とを主に含んでもよい。データ格納領域は、音声データや電話帳など、携帯電話機の使用に応じて作成されたデータを記憶することができる。更に、メモリ109は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性固体記憶デバイスなどの非揮発性メモリを含んでもよい。
【0184】
プロセッサ1010は、端末の制御センタであり、各種インターフェィスや回線を用いて端末全体の各部を接続し、メモリ109に格納されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを実行、メモリ109に格納されたデータを呼び出して端末の各種機能及び処理データを実行し、端末全体の監視を行う。プロセッサ1010は、1つ以上の処理ユニットを含んでもよい。選択可能に、プロセッサ1010は、オペレーティングシステム、ユーザインターフェィス及びアプリケーションなどを主に処理するアプリケーションプロセッサと、ワイヤレス通信を主に処理するモデムプロセッサとを統合することができる。上述のモデムプロセッサは、プロセッサ1010に統合されなくてもよいことが理解される。
【0185】
移動端末100は、各構成要素に電力を供給するためのバッテリのような電源1011を更に含んでもよい。選択可能に、電源1011は、電源管理システムを介してプロセッサ1010に論理的に接続されてもよく、電源管理システムを介して充電、放電、及び消費電力管理などを管理する機能を実現してもよい。
【0186】
また、移動端末100は、図示しない機能モジュールを更に含んでもよく、ここでの説明は省略する。
【0187】
なお、本明細書において、「含む」や「含有する」又はそれ以外のあらゆる変形用語は、非排他的に含むことを意味する。よって、一連の要素を含むプロセス、方法、モノ又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確に列挙されていない他の要素を更に含み、又はこのようなプロセス、方法、モノ又は装置に固有の要素を更に含む。特に限定されない限り、「…を1つ含む」の表現によって限定される要素について、当該要素を含むプロセス、方法、モノ又は装置に他の同一要素の存在を除外しない。
【0188】
以上の実施形態の記載から、上記実施例の方法が、ソフトウェアに必須の汎用ハードウェアプラットフォームの形態で実現され、もちろんハードウェアによっても実現されてもよく、多くの場合では前者がより好適な実施形態であることは、当業者にとって自明である。このような理解に基づき、本開示の技術手段の実質的又は従来技術に貢献した部分は、ソフトウェアプロダクトの形式で現れる。当該コンピュータソフトウェアプロダクトは、記憶媒体(たとえばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、本開示の各実施例の方法を1台の移動端末(携帯電話、コンピュータ、サーバー、空調機又はネットワークデバイスなど)に実行させるいくつかの指令を含む。
【0189】
以上、本開示の実施例を図面に基づいて記載したが、本開示は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。上記の具体的な実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。本開示の示唆を受け、当業者が本開示の趣旨及び特許請求の範囲から逸脱することなくなしえる多くの形態は、すべて本開示の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10