(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】スプライシングモジュレーターのスクリーニングおよび特定を行うための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
G01N 24/08 20060101AFI20221216BHJP
G01N 24/00 20060101ALI20221216BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20221216BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20221216BHJP
C12Q 1/6816 20180101ALI20221216BHJP
【FI】
G01N24/08 510Q
G01N24/00 530K
G01N33/53 M
C12N15/11 Z ZNA
C12Q1/6816 Z
(21)【出願番号】P 2020538770
(86)(22)【出願日】2018-09-25
(86)【国際出願番号】 US2018052743
(87)【国際公開番号】W WO2019060917
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-04-13
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520042663
【氏名又は名称】スカイホーク・セラピューティクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,キャサリーン
(72)【発明者】
【氏名】ルッツィオ,マイケル
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-510384(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300968(US,A1)
【文献】ROBERTA SPADACCINI et al.,"Biochemical and NMR analyses of an SF3b155-p14-U2AF-RNA interaction network involved in branch point definition during pre-mRNA splicing",RNA,RNA Society,2006年03月,Vol.12, No.3,pp.410-425
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 24/00-24/14
G01N 33/53
C12N 15/11
C12Q 1/6816
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、
(b)標的ポリヌクレオチドに核内低分子RNA(snRNA)またはその一部
を含む第1の結合剤を接触させるステップであって、
標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤が、第1の複合体を形成するステップ、
(c)第1の複合体に第2の結合剤を接触させるステップであって、第2の結合剤が低分子であり、第1の複合体および第2の結合剤が第2の複合体を形成するステップ、
(d)核磁気共鳴(NMR)装置を使用して、第1の複合体、および第2の複合体のNMRスペクトルを得るステップ、
(e)第1の複合体のNMRスペクトルを第2の複合体のNMRスペクトルと比較して、第1の複合体と第2の複合体のNMRスペクトルにおいて
ケミカルシフトの変化があるかについて判断するステップ、
(f)第1の複合体に
第2の結合剤が結合するかについて特定するステップ
を含む方法。
【請求項2】
標的ポリヌクレオチドが、メッセンジャーRNA前駆体(mRNA前駆体)またはその一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位またはその一部を含有し、スプライス部位またはその一部が、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’スプライス部位、またはそれらの任意の組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
低分子が低分子のライブラリーの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
snRNAが、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac
snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(c)の前に、第1の複合体がさらに核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
snRNPが、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の複合体が結合ポケットを含み、結合ポケットが、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2の結合剤が結合ポケットに結合する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
バルジまたは変異が、標的ポリヌクレオチドまたは第1の複合体において、3次元構造変化を引き起こす、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
標的ポリヌクレオチドが、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、
USH2Aおよびそれらの遺伝子バリアントからなる群から選択される、遺伝子によってコードされる配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2の結合剤が最大で約2000ダルトン、1500ダルトン、1000ダルトンまたは900ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2017年9月25日に出願された米国仮特許出願第62/562,941号への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]タンパク質-核酸相互作用は、転写、RNAスプライシング、mRNA分解およびmRNA翻訳を含めた、多くの細胞機能に関与している。一本鎖または二本鎖核酸の特異的配列および構造上の構成成分に、高い親和性で結合することができる容易に入手可能な合成分子は、制御可能に、これらの相互作用を妨害する可能性を有しており、上記の分子は、分子生物学および医薬に対する魅力あるツールとなる。
【0003】
[0003]ヒトトランスクリプトームは、スプライシングによって、さらなる多様化を受ける膨大なRNA集団からなる。ゲノムの幅広い検討は、90%の遺伝子が、ヒトにおいて選択的にスプライシングされ、プロテオーム多様性の主なドライバー、その結果、細胞機能の決定因子がスプライシングされることに着目したものである。その程度を考慮すると、多数のスプライスアイソフォームが、がんを含めたいくつかの疾患に関連していると説明されていることは驚くことではない。興味深いことに、がんに関与するこれらのスプライスアイソフォームの多くは、同一遺伝子に由来しており、拮抗機能、例えば、血管新生促進性および抗血管新生性、またはアポトーシス促進性および抗アポトーシス促進性(それらの翻訳後のタンパク質形態で)を有する。したがって、スプライシングは、特に、非がん性からがん性へと細胞の切り替えに、重要な調節プロセスを推進することができる。
【0004】
[0004]さらに、mRNA発現に影響を及ぼす変異は、疾患誘発性遺伝子変質全体のうちの最大で半分を引き起こすことが示された。この可能性は、遺伝性疾患の最も頻度の高い原因となっている。これらの変異のなかで、最も一般的な結果は、エクソンスキッピングである。この大きな配列プールにおける特定のスプライス部位の検出は、さらなる数百のスプライシング因子と協調している主要なおよび微量のスプライセオソームが担っている。コアスプライス部位モチーフの外側では、スプライシングに必要な情報の大部分は、隣接スプライス部位の使用を活性化するかまたは抑制するかのどちらかとなる配列特異的RNA結合タンパク質因子の動員により機能する、エクソンおよびイントロンシス調節エレメントに含まれていると考えられる。この複雑さにより、スプライシングは、配列多形および有害変異に敏感となる。この先では、スプライシングの複雑で動力学的なプロセスは、いくつかの重要な相互作用が、スプライシングプロセスの間に、タイミングよく特定の動力学点で起こることが必要となり得る。実際に、RNAミススプライシングは、多数の社会的結果を伴うヒト疾患の数の増大が根底にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]しかし、RNAスプライシングを標的とすること、より詳細には、RNA標的を標的とすることは、RNAの2次元および3次元構造、RNA結合親和性または選択性を生じさせるケモタイプ、特定のmRNAスプライシングホットスポットにおいて、RNA結合親和性および選択性を生じさせるケモタイプ、ならびに低分子結合ポケットを形成するRNA構造要素の特定などの利用可能なデータが限られるために困難である。RNA標的に結合するための低分子ライブラリーのスクリーニングにより、RNA結合を生じるケモタイプに関するデータが作成され得る。しかし、RNA結合剤に富む低分子のスクリーニングコレクションはほとんどない。実際に、大部分のライブラリーは、タンパク質に結合する化合物に偏っている。さらに、入手可能なRNA結合剤のライブラリーのいくつかは、特定のRNAに非特異的であるか、または非選択的である。これらの必要性などに対処するため、様々な実施形態における本開示は、RNAおよび/またはRNAタンパク質複合体に結合する低分子を特定するため、特定のRNA結合ポケットに適合することができる新規分子を設計するため、および疾患関連mRNA前駆体スプライシング欠損に対する低分子の特異性および選択性を改善するために使用することができる構造ベースのスクリーニングプラットフォームを提供する。
参照による組み込み
[0006]本明細書において明記されている、刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、具体的かつ個々に示されて、参照により組み込まれているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0007]一部の態様では、本開示は、標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、標的ポリヌクレオチドに第1の結合剤、第2の結合剤またはそれらの両方を接触させるステップであって、標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤が第1の複合体を形成し、第2の結合剤および第1の複合体が第2の複合体を形成するステップ、および核磁気共鳴(NMR)装置を使用して、第1の複合体、第2の複合体またはそれらの両方のNMRスペクトルを得るステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的リボ核酸(RNA)である。一部の実施形態では、標的RNAは、メッセンジャーRNA前駆体(mRNA前駆体)またはその一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位またはその一部を含有する。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた(cryptic、異所性)5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’スプライス部位、またはそれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、第1の結合剤は、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、タンパク質またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第2の結合剤は低分子である。一部の実施形態では、第1の結合剤は低分子を含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は、第2のポリヌクレオチド、第2のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、第2のRNAである。一部の実施形態では、第2のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、タンパク質またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1の複合体は結合ポケットを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まない。一部の実施形態では、バルジまたは変異は、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす。一部の実施形態では、第2の結合剤は、結合ポケットに結合する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。
【0007】
[0008]一部の実施形態では、第1の複合体に関する第1のNMRスペクトルが得られ、第2の複合体に関する第2のNMRスペクトルが得られる。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとの比較に基づいて第2の結合剤を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1および第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。
【0008】
[0009]一部の態様では、本開示は、標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料であって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、標的ポリヌクレオチドに第1の結合剤を接触させるステップ、およびNMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的RNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA前駆体またはその一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、エクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位を含有する。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’スプライス部位、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、第1の結合剤は、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、タンパク質またはそれらの一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤は、第1の複合体を形成する。一部の実施形態では、第1の複合体は結合ポケットを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まない。一部の実施形態では、バルジまたは変異は、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす。一部の実施形態では、本方法は、第1の複合体に第2の結合剤を接触させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、低分子、イオン、塩および原子を含む群から選択される1つまたは複数の分子を含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は低分子である。一部の実施形態では、低分子は、低分子のライブラリーである。一部の実施形態では、本方法は、第1の複合体に第2の結合剤を接触させた後に、第2のNMRスペクトルを得るステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1および第2のNMRスペクトルから、1個または複数の原子のケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。
【0009】
[0010]一部の態様では、本開示は、ポリヌクレオチドに対する結合剤を選択する方法であって、(a)標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、(b)NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップ、(c)ポリヌクレオチド試料に結合剤を接触させるステップ、(d)結合剤を接触させた後に、ポリヌクレオチド試料の第2のNMRスペクトルを得るステップ、および(e)第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップ、および(f)この比較に基づいて結合剤を選択するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、結合剤は、低分子、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合剤は、低分子のライブラリーを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド試料は、第1のポリヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドは、ほぼ等モル量で添加される。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U4atac、U5もしくはU6atac snRNA、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドは、二本鎖を形成する。一部の実施形態では、二本鎖は、結合ポケットを含有する。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの一部を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルまたは第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、ポリヌクレオチドおよび結合した低分子の3次元原子分解能構造を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造は、構造予測ソフトウェアによって決定される。一部の実施形態では、構造予測ソフトウェアは、Atnos/Candidプログラムスイート(program suite)である。一部の実施形態では、構造予測ソフトウェアは、MC-fold|MC-Symパイプラインである。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造を決定するステップは、ヌクレオチド配列および1つまたは複数の2次元構造予測アルゴリズムを使用する、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデルを生成するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデル、ならびに場合により1つもしくは複数の既知のおよび/または仮定のポリヌクレオチド2次元モデルを使用する3次元構造予測アルゴリズムを使用して、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、予測されるケミカルシフトセットとケミカルシフト(1つまたは複数)とを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、1つまたは複数の3次元原子分解能構造として、個々の予測されるケミカルシフトセットとケミカルシフト(1つまたは複数)との間の一致を有する1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、二次元(dimensinal)構造予測アルゴリズムは、近傍アルゴリズムである。一部の実施形態では、本方法は、エネルギー最小化および/または分子動力学シミュレーションを含む1つまたは複数の関数を行うモデリングソフトウェアを使用して、選択した1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを精密化することにより、1つまたは複数の精密3次元原子分解能構造を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットは、各理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルとNMRデータ-構造データベースとを比較することにより生成される。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップは、実験により決定された1つまたは複数のポリヌクレオチド3次元構造からの原子座標、スタッキング相互作用、磁化率、電磁場または二面角を含む、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、実験により決定された3次元ポリヌクレオチド構造の実験的ケミカルシフトとポリヌクレオチド構造メトリックとの間の関係を説明する、一式の数学関数またはオブジェクトを生成するための回帰アルゴリズムを使用するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、予測されるケミカルシフトセットを生成するために、一式の数学関数またはオブジェクトに、理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを入力するステップをさらに含む。一部の実施形態では、回帰アルゴリズムは、ランダムフォレストアルゴリズムを含む機械学習アルゴリズムである。一部の実施形態では、NMRスペクトルは、約1GHzMHz~約20MHzの範囲のNMR分光計周波数で得られる。一部の実施形態では、NMRスペクトルは、500MHz~900MHzの範囲のNMR分光計周波数で得られる。一部の実施形態では、NMR装置は、AVANCE IIIである。一部の実施形態では、本方法は、ステップ(f)から選択される結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの結合速度を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、ステップ(f)から選択される結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNPの結合速度を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、ステップ(f)から選択される結合剤を使用して決定した結合速度と結合剤を使用しないで決定した結合速度を比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の低分子および第2の低分子を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の低分子を使用してまたはこれを使用しないで標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの第1の結合速度、および第2の低分子を使用してまたはこれを使用しないで標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの第2の結合速度を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の結合速度と第2の結合速度を比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、結合速度は、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性によって決定される。一部の実施形態では、本方法は、第1の低分子および第2の低分子の2次元モデルまたは3次元構造を決定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1および第2の低分子の2次元モデルまたは3次元構造を比較するステップを含む。
【0010】
[0011]一部の態様では、本開示は、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドによって形成される1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位の配列、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、および1つまたは複数の結合ポケットに対して1つもしくは複数の低分子またはその断片を仮想的にスクリーニングするステップであって、仮想スクリーニングプロセスが推定上の低分子または断片のヒット(hit)を特定するステップを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップは、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドを含む3次元原子分解能構造を解明するステップを含む。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造は、NMRスペクトルによって決定される。一部の実施形態では、本方法は、実験アッセイを使用する仮想スクリーニングから、1つもしくは複数の低分子または断片のヒットを試験するステップをさらに含む。一部の実施形態では、実験アッセイは、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、RNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA前駆体である。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位または隠れた3’スプライス部位である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の推定上の低分子または第2の推定上の低分子を特定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、標的ポリヌクレオチドに結合する、第1の推定上の低分子または断片のヒットの第1の結合速度、および標的ポリヌクレオチドに結合する、第2の推定上の低分子または断片のヒットの第2の結合速度を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の結合速度および第2の結合速度を比較し、これによって、より強い低分子または断片のヒットを選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、結合速度は、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性を使用して決定される。
【0011】
[0012]一部の態様では、本開示は、標的ポリヌクレオチドへの結合剤を選択する方法であって、標的ポリヌクレオチドを含有する試料に結合剤を接触させるステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含有するステップ、第1のアッセイにおいて結合剤および標的ポリヌクレオチドの構造を得るステップ、第2のアッセイにおいて結合剤の結合速度を得るステップ、ならびに構造および結合速度に基づいて結合剤を選択するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、第1のアッセイおよび第2のアッセイは同じである。一部の実施形態では、第1のアッセイおよび第2のアッセイは、NMRである。一部の実施形態では、第1のアッセイはNMRであり、第2のアッセイは、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性である。一部の実施形態では、結合剤は低分子である。一部の実施形態では、試料は、第1のポリヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、RNAである。
【0012】
[0013]一部の実施形態では、RNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U4atac、U5もしくはU6atac snRNA、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドは、二本鎖を形成する。一部の実施形態では、二本鎖は、結合ポケットを含有する。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まない。一部の実施形態では、試料は、タンパク質またはその一部をさらに含む。一部の実施形態では、タンパク質はリボ核タンパク質である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、タンパク質は、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される。
【0013】
[0014]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、GGGA/gtgagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagc、AGA/gugagu、AGA/gugagu、GGA/gugagu、CGA/guccgu、GGAguaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guagau、UGA/gugaau、GGA/guuagu、AGA/guaggu、AGA/guaggu、GGA/guaggu、またはAGA/gugcguを含む。
【0014】
[0015]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、ACA/gugagg、AAA/auaagu、GAA/ggaagu、GAA/guaaau、GCA/guagga、CAA/gugagu、GUA/gugagu、GAA/guggg、CCA/guaaac、UUA/guaaau、CAA/guaaac、ACA/guaaau、GAA/guaaac、UCA/guaaac、UCA/guaaau、GCA/guaaau、ACA/guaaau、CAA/gcaag、CAA/guaagg、UCA/guaagu、AUA/gugaau、CAA/gugaaa、CCA/gugaga、UCA/gugauu、GAA/gugugu、GAA/uaaguu、CAA/guaugu、AAA/guaugu、CAA/guauuu、ACA/guuagu、GCA/guuagu、またはACA/guuugaを含む。
【0015】
[0016]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CAA/guaacu、AUA/gucagu、GAA/gucuggまたはAAA/guacauを含む。
[0017]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、NNBgunnnn、NNBhunnnnまたはNNBgvnnnnを含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはuであり、vは、a、cまたはgである。
【0016】
[0018]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、NNBgurrrn、NNBguwwdn、NNBguvmvn、NNBguvbbn、NNBgukddn、NNBgubnbd、NNBhunngn、NNBhurmhdまたはNNBgvdnvnを含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはuであり、vは、a、cまたはgであり、rは、aまたはgであり、mは、aまたはcであり、dは、a、gまたはuであり、kは、gまたはuであり、wは、aまたはuである。
【0017】
[0019]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CAC/gugagc、UCC/gugagc、AGC/gugagu、AGC/gugagu、AGG/gugagg、GUG/gugagc、GAG/gugagg、CCG/gugagg、UUG/gugagc、GUG/gugagu、UUU/gugagc、UUU/gugagc、GAU/gugagg、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、AAC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagg、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GAG/guaaga、CAG/guaagu、AGU/guaagc、AAU/guaagc、AAU/guaagg、CCU/guaagc、AGU/guaagu、GGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、GAU/guaagu、UCC/gugaau、CCG/gugaau、ACG/gugaac、CUG/gugaau、AGG/gugaau、UUG/gugaau、CCG/gugaau、GAG/gugaag、CCU/gugaau、CGU/gugaau、CCU/gugaau、GAG/guagga、CAU/guaggg、UGG/guggau、CAG/guggau、UGG/guggau、CGG/gugggu、GCG/guggga、UGG/guggggg、UGG/gugggug、CGU/gugggu、AUC/gguaaaa、GGG/guaaau、GCG/guaaaa、CAG/guaaag、UGG/guaaag、AAG/guaaag、AAG/guaaau、CAG/guaaag、UAG/guaaag、UUG/guaaag、GAG/guaaag、CAG/guaaag、AUG/guaaaa、AAG/guaaag、CAG/guaaag、CAG/guaaaa、GAG/guaaag、AAG/guaaag、UGU/guaaau、GUU/guaaau、GUU/guaaau、UCU/guaaau、GCU/guaaau、GAU/guaaau、GCU/guaaau、UCU/guaaau、ACU/guaaau、CCU/guaaau、CCU/guaaau、ACU/guaaau、AAU/guaaau、AGG/guagac、UUG/guagau、CAG/guagag、AAG/guagag、AAU/gugagu、CAG/gugagc、AAG/gugggu、AAG/guaggg、CAG/guaggc、またはAGC/guagguを含む。
【0018】
[0020]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CAG/guaau、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、GAG/guaauac、GAG/guaauau、GAG/guaaugu、AAG/guaauaa、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、AAG/guaaugua、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、GCU/guaauu、CCU/guaauu、GAU/guaauu、CAU/guaauu、AAU/guaauu、AGG/guauau、CAG/guauau、UAG/guauau、CAG/guauau、CGG/guauau、GAG/guauau、CGG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauac、UAG/guauau、CAG/guauag、CAG/guauau、AAG/guuaag、AUC/guuaga、GCG/guuagu、AAG/guuagc、UGG/guuagu、GCG/guuagu、CUG/guuugu、CUG/guauga、CAG/guauga、UAG/guauga、AAG/guaugg、AAG/guauga、GAG/guaugg、CAG/guauga、CAG/guaugg、AAG/guaugg、UGG/guaugc、CAG/guaugu、AUG/guaugu、AAG/guaugu、AAG/guaugg、CAG/guaugg、GAG/guauga、CGG/guaugg、AAU/guaugu、AAG/guauuu、AUG/guauuu、UAG/guauug、AAG/guauuu、CAG/guauug、CAG/guauug、CAU/guauuu、ACU/guauu、AAG/guuuau、AAG/guuuaa、CAG/guuugg、CAG/guuugg、CAG/guuugc、AAG/guuugg、AAG/guuugg、またはUGG/guaugcを含む。
【0019】
[0021]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CCG/guaacu、UUG/guaaca、AUG/guaacc、GGG/guaacu、AAG/guaaca、AAG/guaacu、UUG/guaaca、GCU/guaacu、ACU/guaacu、GCU/guaacu、UAG/guaccc、AAG/guaccu、CAG/guaccg、UGG/guacca、CAG/gucaau、AAG/gucaau、AAG/gucaag、AUG/guacau、GGG/guacau、UUG/guacau、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、AAG/guacag、CAG/guacag、GAG/guacaa、AAG/guacag、CAG/guacaa、UGU/guacau、CAG/gugcac、GGG/gugcau、CUG/gugcau、UAG/gugcau、CAG/gugcag、CAG/gugcag、AGG/gugcaa、AAC/gugacu、UCC/gugacu、CCG/gugacu、GCG/gugacu、GGG/gugacg、GGG/gugacg、GCG/gugacu、AUG/gugacc、GAU/gugacu、GGC/gucagu、またはUAG/gucagaを含む。
【0020】
[0022]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、AAG/guacgg、AAG/guacgg、AAG/guacug、AAG/guagcg、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagug、AAG/guauca、AAG/guaucg、AAG/guaucu、AAG/gucucu、AAG/gugccu、AAG/guggua、AAG/guguua、ACG/guagcu、AGC/guacgu、CAG/guacug、CAG/guagua、CAG/guagug、CAG/guagug、CAG/guaucc、CAG/gugcgc、またはGAG/gugccuを含む。
【0021】
[0023]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CGG/guguau、AAG/guguau、GAG/guguac、CAG/guguau、UAG/guguau、CAG/guguag、GAG/guguau、AAG/gugugc、CAG/guguga、AAG/gugugu、CAG/guguga、CAG/gugugu、UGG/gugugg、CUG/guguga、CGG/gugugu、GAG/gugugc、CAG/guguga、AAU/gugugu、CAG/gugugu、CAG/gugugu、GAG/gugugu、CAG/guuguu、CAG/guuguc、GUG/guugua、CAG/guuguu、AAC/gugauu、CAG/gugaua、AGG/gugauc、GUG/gugauc、CCU/gugauu、GAU/gugauu、CAC/guuggu、CAG/guuggc、AAG/guuagc、またはCAG/guugauを含む。
【0022】
[0024]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、AUG/gucauu、CGG/gucauaauc、AAG/gucugu、AAG/gucuggg、CAG/gucugga、CAG/gucuggu、CAG/gucuga、GAG/gucuggu、AAG/gugucu、AAG/gugucu、AGG/gugucu、CUG/gugcuu、CAG/gucuuu、CAG/guugcu、GAG/gcgcug、またはCAG/gugcugを含む。
【0023】
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CGC/auaagu、UUC/auaagu、UGG/auaagg、ACG/auaagg、GUU/auaagu、CCU/auaagu、UUU/auaagc、GAG/aucugg、AAC/augagga、GAC/augagg、ACC/augagu、GGG/augagu、AAG/augagc、CAG/augagg、GAG/augagg、GCG/augagu、AAG/gaugag、CCU/augagu、GAU/augagu、GAU/augagu、UAG/augcgu、CAG/auuggu、AAG/auuugu、ACG/cuaagc、CAG/cugugu、CUG/uuaag、GAG/uuaagu、AAG/uuaagg、AUU/uuaagc、CUG/uugaga、CAG/uuuggu、またはGGG/auaaguを含む。
【0024】
[0025]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、CAG/auaacu、GAG/cugcagまたはAAG/uuaauaを含む。
[0026]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、GCG/gagagu、AAG/ggaaaa、AUC/gguaaaa、AAG/gcaaaa、UGU/gcaagu、GAG/gcaggu、GAG/gcgugg、GAG/gcuccc、CAG/gcugguまたはAAG/gaugagを含む。
【0025】
[0027]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に特に記載されている。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理を利用する例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】[0028]BLIによる例示的な結合速度アッセイを示す図である。
【
図2】[0029]本開示の様々な実施形態において使用され得る、例示的な標的RNA-RNA二本鎖を示す図である。
【
図3】[0030]
図3は、本開示において記載されている選択された低分子結合剤の効果を試験する、細胞をベースとするアッセイの例示的な結果を示す図である。
【
図4A】[0031]
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図4B】
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図4C】
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図4D】
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図4E】
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図4F】
図4A~Fは、NMRまたは速度検討に関する1つまたは複数の結合剤に結合する標的ポリヌクレオチドの例示的な結合事象を示す図である。第1の結合剤および第2の結合剤のどちらも、1つまたは複数の分子を含むことができる。1つを超える分子が結合剤に含まれる場合、これらの分子は、同時にまたは逐次に加えられ得る。
【
図5A】[0032]
図5Aは、SMN2 RNA二本鎖の模式図である。上側の鎖は、U1 snRNA 5’末端に相当する。下側の鎖は、SMN2エクソン7の5’スプライス部位に相当する。
【
図5B】[0033]
図5Bは、例となる化合物(化合物A)の構造を示す図である。
【
図5C】[0034]
図5Cは、化合物Aの濃度の関数としての、RNA二本鎖(イミノ領域)の
1D
1Hスペクトルを重ね合わせたもの(左)、および化合物Aの濃度の関数としての、RNA(ピリミジン領域)の2D
1H-
1H TOCSYスペクトルを重ね合わせたもの(右)を示す実験でのNMRデータを示す図である。RNA二本鎖:化合物Aの比が示されている。
【
図6A】[0035]
図6Aは、観察されたケミカルシフトと一緒にしたプロトン(擬原子)の名称が示されている化合物Aの平面構造を示す図である。
【
図6B】[0036]
図6Bは、特定された分子内核オーバーハウザー効果(NOE)が示されている、化合物Aの平面構造を示す図である。
【
図6C】[0037]
図6Cは、分子内NOEに注釈が付されている2D
1H-
1H NOESYの一部を示す実験NMRデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0038]本明細書において使用される用語は、特定の例となる実施形態を説明するために過ぎず、限定することを意図するものでない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図され得る。したがって、例えば、「結合剤」という場合、結合剤の混合物を含み、「NMR共鳴」という場合、1つを超える共鳴を含むなどである。用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含むこと(including)」および「有すること(having)」は包括的であり、明記されている特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または構成成分が存在することを指定するが、他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成成分および/またはそれらの群のうちの1つもしくは複数の存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載されている方法ステップ、プロセスおよび操作は、成績の順序として具体的に特定しない限り、議論または例示されている特定の順序での成績を必ず要求しているものと解釈されるべきではない。追加のステップまたは代替ステップが使用されてもよいことをやはり理解すべきである。
【0028】
[0039]一態様では、標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、標的ポリヌクレオチドに第1の結合剤、第2の結合剤またはそれらの両方を接触させるステップであって、標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤が第1の複合体を形成し、第2の結合剤および第1の複合体が第2の複合体を形成するステップ、ならびに核磁気共鳴(NMR)装置を使用して、第1の複合体、第2の複合体またはそれらの両方のNMRスペクトルを得るステップを含む方法が、本明細書において提供される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的リボ核酸(RNA)である。一部の実施形態では、標的RNAは、メッセンジャーRNA前駆体(mRNA前駆体)またはその一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位またはその一部を含有する。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’ スプライス部位、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、第1の結合剤は、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、タンパク質、またはタンパク質-RNA複合体のタンパク質構成成分である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、トランス作用因子のタンパク質またはタンパク質構成成分である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、RNAスプライシングに関連するタンパク質の一部、例えば、ドメインまたはサブドメインである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、SR、TRA2、SF、SRSF、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、Smタンパク質、FBP11、SF3A、SF3B、U2AF65、U2AF35、PRP19複合体タンパク質、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、ASF、SF2、9G8、SRP20、TRA2a/b、SRP36、SRP35C、SRP30C、SRP38、SRP40、SRP55、SRP75、HUR、NFAR、NF45、YB1および接合複合体タンパク質を含む群から選択されるタンパク質のうちの1つのタンパク質構成成分またはその一部である。RNAスプライシングに関連する他の例示的なタンパク質には、mBBP、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、nPTB、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、SAM68、STAR/GSG、ASD-2b、ASD-1、SUP-12、RNPC1、ASF、snRNP補助因子-35(U2AF35)、ASF/SF2、Nova-1/2、Fox-1/2、マッスルブラインド様(MBNL)、CELF、Hu、TIA、TIARおよびそれらの別名が含まれる。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第2の結合剤は低分子である。一部の実施形態では、第1の結合剤は低分子を含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は、第2のポリヌクレオチド、第2のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、第2のRNAである。一部の実施形態では、第2のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、第1の複合体は結合ポケットを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、ステムループ構造に隣接する領域または配列を含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まない。一部の実施形態では、バルジまたは変異は、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす。一部の実施形態では、結合ポケットを標的とする結合剤は、結合ポケットに結合すると、3次元構造の変化を引き起こすことができる。一部の実施形態では、第2の結合剤は、結合ポケットに結合する。一部の実施形態では、mRNA前駆体は、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、CD46、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。一部の実施形態では、第1の複合体に関する第1のNMRスペクトルが得られ、第2の複合体に関する第2のNMRスペクトルが得られる。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルの比較に基づいて第2の結合剤を選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1および第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。
【0029】
[0040]一態様では、標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップを含む方法であって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、標的ポリヌクレオチドに第1の結合剤を接触させるステップ、およびNMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、標的RNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA前駆体またはその一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、エクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位またはその一部を含有する。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’スプライス部位、またはそれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、第1の結合剤は、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である。一部の実施形態では、リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNPは、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、トランス作用因子のタンパク質またはタンパク質構成成分である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、RNAスプライシングに関連するタンパク質の一部、例えば、ドメインまたはサブドメインである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、SR、TRA2、SF、SRSF、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、Smタンパク質、FBP11、SF3A、SF3B、U2AF65、U2AF35、PRP19複合体タンパク質、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、ASF、SF2、9G8、SRP20、TRA2a/b、SRP36、SRP35C、SRP30C、SRP38、SRP40、SRP55、SRP75、HUR、NFAR、NF45、YB1および接合複合体タンパク質を含む群から選択されるタンパク質のうちの1つのタンパク質構成成分またはその一部である。RNAスプライシングに関連する他の例示的なタンパク質は、mBBP、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、nPTB、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、SAM68、STAR/GSG、ASD-2b、ASD-1、SUP-12、RNPC1、ASF、snRNP補助因子-35(U2AF35)、ASF/SF2、Nova-1/2、Fox-1/2、マッスルブラインド様(MBNL)、CELF、Hu、TIA、TIARおよびそれらの別名が含まれる。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤は、第1の複合体を形成する。一部の実施形態では、第1の複合体は結合ポケットを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、バルジまたは変異は、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす。一部の実施形態では、本方法は、第1の複合体に第2の結合剤を接触させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、低分子、イオン、塩および原子を含む群から選択される1つまたは複数の分子を含む。一部の実施形態では、第2の結合剤は低分子である。一部の実施形態では、低分子は、低分子のライブラリーである。一部の実施形態では、第2の結合剤は、第1の複合体の検出可能な構造変化をさらに引き起こす。一部の実施形態では、本方法は、第1の複合体に第2の結合剤を接触させた後に、第2のNMRスペクトルを得るステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1および第2のNMRスペクトルから、1個または複数の原子のケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、CD46、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。
【0030】
[0041]一態様では、ポリヌクレオチドに対する結合剤を選択する方法であって、標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップ、ポリヌクレオチド試料に結合剤を接触させるステップ、結合剤を接触させた後に、ポリヌクレオチド試料の第2のNMRスペクトルを得るステップ、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップ、およびこの比較に基づいて結合剤を選択するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、結合剤は、低分子、ポリヌクレオチドもしくはタンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド試料は、第1のポリヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドは、ほぼ等モル量で添加される。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、第1のRNAである。一部の実施形態では、第1のRNAは、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である。一部の実施形態では、snRNAは、U1~U12 snRNAまたはその一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドは、二本鎖を形成する。一部の実施形態では、二本鎖は、結合ポケットを含有する。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、変異、バルジまたはステムループを含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルまたは第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、ポリヌクレオチドおよび結合した低分子または分子レベルで(molecularly)相互作用している低分子の3次元原子分解能構造を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造は、構造予測ソフトウェアによって決定される。一部の実施形態では、構造予測ソフトウェアは、Atnos/Candidプログラムスイートである。一部の実施形態では、構造予測ソフトウェアは、MC-fold|MC-Symパイプラインである。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造を決定するステップは、ヌクレオチド配列および1つまたは複数の2次元構造予測アルゴリズムを使用する、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデルを生成するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデル、ならびに場合により1つもしくは複数の既知のおよび/または仮定のポリヌクレオチド2次元モデルを使用する3次元構造予測アルゴリズムを使用して、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、予測されるケミカルシフトセットと1個または複数の原子のケミカルシフトとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、NMR装置を使用して、共鳴の帰属を行い、NOE誘導距離を特定して構造計算を推進する。一部の実施形態では、本方法は、1つまたは複数の3次元原子分解能構造として、個々の予測されるケミカルシフトセットと1個または複数の原子のケミカルシフトとの間の一致を有する1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを選択するステップをさらに含む。一部の実施形態では、2次元構造予測アルゴリズムは、近傍アルゴリズムである。一部の実施形態では、本方法は、エネルギー最小化および/または分子動力学シミュレーションを含む1つまたは複数の関数を行うモデリングソフトウェアを使用して、選択した1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを精密化することにより、1つまたは複数の精密3次元原子分解能構造を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットは、各理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルとNMRデータ-構造データベースとを比較することにより生成される。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップは、実験により決定された1つまたは複数のポリヌクレオチド3次元構造からの原子座標、スタッキング相互作用、磁化率、電磁場または二面角を含む、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、実験により決定された3次元ポリヌクレオチド構造の実験的ケミカルシフトとポリヌクレオチド構造メトリックとの間の関係を説明する、一式の数学関数またはオブジェクトを生成するための回帰アルゴリズムを使用するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、予測されるケミカルシフトセットを生成するための一式の数学関数またはオブジェクトに、理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを入力するステップをさらに含む。一部の実施形態では、回帰アルゴリズムは、ランダムフォレストアルゴリズムを含む機械学習アルゴリズムである。一部の実施形態では、NMRスペクトルは、約1GHzMHz~約20MHzの範囲のNMR分光計周波数で得られる。一部の実施形態では、本方法は、500MHz~900MHzの範囲のNMR分光計周波数でNMRスペクトルを得ることをさらに含む。
一部の実施形態では、NMR装置は、AVANCE IIIである。一部の実施形態では、本方法は、二本鎖への結合剤の結合速度を決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、結合速度は、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性によって決定される。一態様では、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドによって形成される1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップであって、第1のポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、および1つまたは複数の結合ポケットに対して1つまたは複数の低分子を仮想的にスクリーニングするステップであって、仮想スクリーニングプロセスが推定上の低分子ヒットを特定するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップは、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドを含む3次元原子分解能構造を解明するステップを含む。一部の実施形態では、3次元原子分解能構造は、NMRスペクトルによって決定される。一部の実施形態では、本方法は、実験アッセイを使用する仮想スクリーニングから、1つまたは複数の低分子ヒットを試験するステップをさらに含む。一部の実施形態では、実験アッセイは、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、RNAである。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、mRNA前駆体である。一部の実施形態では、スプライス部位は、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位または隠れた3’スプライス部位である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含有する。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、少なくとも8ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、少なくとも25ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、100~200ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、CD46、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む。
定義
[0042]用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書で使用する場合、一般に、1つまたは複数の核酸サブユニットまたはヌクレオチドを含む分子を指し、「核酸」または「オリゴヌクレオチド」と互換的に使用され得る。ポリヌクレオチドは、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)およびウラシル(U)またはそれらのバリアントから選択される、1つまたは複数のヌクレオチドを含むことができる。ヌクレオチドは、一般に、ヌクレオシド、および少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれより多いリン酸(PO3)基を含む。ヌクレオチドは、核酸塩基、五炭糖(リボースまたはデオキシリボースのどちらか)、および1つまたは複数のリン酸基を含むことができる。リボヌクレオチドは、糖がリボースであるヌクレオチドである。デオキシリボヌクレオチドは、糖がデオキシリボースである、ヌクレオチドである。ヌクレオチドは、ヌクレオシド一リン酸またはヌクレオシドポリリン酸とすることができる。ヌクレオチドは、例えば、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などのデオキシリボヌクレオシドポリリン酸とすることができ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸は、発光タグまたはマーカー(例えば、フルオロフォア)などの検出可能なタグを含む、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、ウリジン三リン酸(dUTP)およびデオキシチミジン三リン酸(dTTP)dNTPから選択され得る。ヌクレオチドは、例えば、2H、13C、15N、19Fおよび31Pにより同位体標識され得る。ヌクレオチドは、成長中の核酸鎖に組み込まれ得る任意のサブユニットを含むことができる。このようなサブユニットは、A、C、G、TもしくはU、あるいは1つもしくは複数の相補性A、C、G、TまたはUに特異的な、またはプリン(すなわち、AもしくはG、またはそれらのバリアント)もしくはピリミジン(すなわち、C、TもしくはU、またはそれらのバリアント)に相補性の任意の他のサブユニットとすることができる。一部の例では、ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはそれらの誘導体もしくはバリアントである。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、数例を挙げると、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、プラスミドDNA(pDNA)、小ヘアピンRNA(shRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、前駆体mRNA(mRNA前駆体)、アンチセンスRNA(asRNA)であり、一本鎖、二本鎖、三本鎖、らせん形、ヘアピンなどの、ヌクレオチド配列およびその任意の構造上の実施形態のどちらも包含する。一部の場合、ポリヌクレオチド分子は、円形である。ポリヌクレオチドは、様々な長さを有することができる。核酸分子は、少なくとも、約10塩基、20塩基、30塩基、40塩基、50塩基、100塩基、200塩基、300塩基長、400塩基、500塩基、1キロ塩基(kb)、2kb、3kb、4kb、5k、10kb、50kb、またはそれより多い長さを有することができる。ポリヌクレオチドは、細胞または組織から単離され得る。本明細書において具現化される通り、ポリヌクレオチド配列は、単離および精製されたDNA/RNA分子、合成DNA/RNA分子、合成DNA/RNAアナログを含むことができる。
【0031】
[0043]ポリヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログおよび/または修飾ヌクレオチドを含む、1つまたは複数のヌクレオチドバリアントを含むことができる。修飾ヌクレオチドの例には、以下に限定されないが、ジアミノプリン、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルクエオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルクエオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-D46-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリンなどが含まれる。一部の場合、ヌクレオチドは、三リン酸部分への修飾を含めた、それらのリン酸部分における修飾を含むことができる。このような修飾の非限定例は、より長いリン酸鎖(例えば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれより多いリン酸部分を有するリン酸鎖)、およびチオール部分による修飾(例えば、アルファ-チオ三リン酸およびベータ-チオ三リン酸)を含む。核酸分子はまた、塩基部分(例えば、相補性ヌクレオチドとの水素結合を形成するために通常、利用可能な1個または複数の原子において、および/または相補性ヌクレオチドと水素結合を形成することが通常、可能ではない1個または複数の原子において)、糖部分またはリン酸主鎖において修飾され得る。核酸分子はまた、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)などのアミン反応性部分の共有結合を可能にする、アミノアリル1-dUTP(aa-dUTP)およびアミノヘキシルアクリルアミド-dCTP(aha-dCTP)などのアミン修飾基を含むことができる。本開示のオリゴヌクレオチドにおける標準DNA塩基対またはRNA塩基対への代替により、より高い密度(立方mmあたりのビット数)、より高い安全性(天然毒素の偶然の合成または意図的な合成に対する抵抗性)、光プログラム化ポリメラーゼにおけるより容易な区別、またはより低い二次構造を実現することができる。デノボおよび/または増幅合成のための天然および変異体ポリメラーゼと適合可能なこのような代替塩基対は、すべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれている、Betz K、Malyshev DA、Lavergne T、Welte W、Diederichs K、Dwyer TJ、Ordoukhanian P、Romesberg FE、Marx A.Nat.Chem.Biol.2012年7月;8巻(7号):612~4頁に記載されている。
【0032】
[0044]用語「ポリヌクレオチド試料」は、ポリヌクレオチド、または場合により溶媒に溶解しているある量(例えば、モル数またはある濃度のポリヌクレオチド)のポリヌクレオチドを含み、この場合、ポリヌクレオチド試料中のポリヌクレオチドは、1つのヌクレオチド配列を有する。一部の例では、ポリヌクレオチド試料中のポリヌクレオチドは、同一ヌクレオチドだけを有してもよく、またはポリヌクレオチド試料は、異なるヌクレオチドを用いて合成されたポリヌクレオチドを含有することができる。一部の例では、ポリヌクレオチドは、いかなる標識も含まない。一部の他の例では、ポリヌクレオチドは、1個または複数の原子標識により標識されている。
【0033】
[0045]本明細書で使用する場合、用語「タンパク質」とは、ペプチド結合を介して連結しているアミノ酸残基の長いポリマーであって、1つまたは複数のポリペプチド鎖からなることができる長いポリマーを指す。より詳細には、用語「タンパク質」は、特定の順序、例えば、タンパク質をコードする遺伝子中のヌクレオチドの塩基配列によって決定される順序で、アミノ酸の1つまたは複数の鎖からなる分子を指す。タンパク質は、体細胞の構造、機能および調節、組織、ならびに臓器に必須であり、各タンパク質は、特有の機能を有する。例は、ホルモン、酵素、抗体、および任意のその断片である。一部の場合、タンパク質は、タンパク質の一部、例えば、タンパク質のドメイン、サブドメインまたはモチーフとすることができる。一部の場合、タンパク質は、1つまたは複数のアミノ酸残基が、タンパク質の天然に存在する(または、少なくとも既知の)アミノ酸配列に挿入されている、これから欠失される、および/またはこれらに置換されている、タンパク質のバリアント(または変異)とすることができる。タンパク質またはそのバリアントは、天然または組換えとすることができる。
【0034】
[0046]本明細書で使用する場合、用語「ペプチド」は、モノマーがアミド結合を介して一緒に連結しているアミノ酸であるポリマーであり、代わりに、ポリペプチドと称される。本明細書の文脈において、アミノ酸は、L-光学異性体またはD-光学異性体とすることができることを理解すべきである。ペプチドは、2つ以上のアミノ酸モノマーの長さであり、多くの場合、20を超えるアミノ酸モノマーの長さとすることができる。
【0035】
[0047]結合ポケットは、スプライシングプロセスを本質的に阻害するまたは活性化するよう、RNAの確認(confirmation)および構造に影響を及ぼすそのような位置において結合剤の特異的相互作用を可能にする十分な構造的複雑さ(例えば、二次または三次構造)を有するポリヌクレオチド(例えばRNA)上の任意の位置を指すことができる。結合ポケットは、ステムループ、変異含有一本鎖および二本鎖に隣接する、バルジ、非変異一本鎖および二本鎖RNA、ステムループまたは配列を含有することができる。結合ポケットは、変異を含んでもよく、または含まなくてもよい。一部の場合、結合ポケットは、結合ポケットの上流/下流に変異を有する配列部分を含み、このような変異は、結合ポケットにおけるRNAの構造に影響を及ぼす。
【0036】
[0048]「結合剤」は、本明細書で使用する場合、核酸分子に特異的に結合することができる分子、2つ以上の核酸分子により形成される複合体、または核酸およびタンパク質により形成される複合体を指す。結合剤は、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質または低分子量化合物であってもよい。本明細書において開示されている結合剤は、RNAミススプライシングをモジュレートすることができるか、または修正することができる。
【0037】
[0049]本明細書で使用する場合、「低分子量化合物」は、「低分子」または「有機低分子」と互換的に使用され得る。低分子は、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはそれらのアナログ以外の化合物を指し、通常、約2,000ダルトン未満の分子量を有する。
【0038】
[0050]リボ核タンパク質(RNP)は、RNAを含有する核タンパク質を指す。それは、リボ核酸とRNA結合タンパク質を一緒にする会合である。このような組合せはまた、タンパク質-RNA複合体と呼ばれ得る。これらの複合体は、DNA複製、遺伝子発現の調節およびRNAの代謝の調節を含む、いくつかの生物学的機能において機能することができる。RNPのいくつかの例は、リボソーム、酵素のテロメラーゼ、ヴォールトリボ核タンパク質、RNアーゼP、異質核内RNP(hnRNP)および低分子核内RNP(snRNP)を含む。
【0039】
[0051]mRNA前駆体とまとめて称される、タンパク質をコードする遺伝子、およびmRNAプロセシング中間体に由来する新生RNA転写物は、一般に、真核細胞の核内のタンパク質によって結合される。新生転写物が、RNAポリメラーゼIIから最初に出現して成熟mRNAが細胞質に輸送されるまでの期間、RNA分子は、多数の一連の核内タンパク質に関わる。これらのタンパク質は、hnRNPの主要なタンパク質構成成分であり、これは、mRNA前駆体をまとめて指す用語である異質核内RNA(hnRNA)、および様々なサイズの他の核内RNAを含有する。
【0040】
[0052]スプライシング因子は、スプライシングまたはスプライシング調節において機能する、タンパク質またはタンパク質複合体である。スプライシング因子は、恒常的スプライシング、調節スプライシングおよび特異的メッセージのスプライシング、または一群のメッセージに必要となり得るものを含む。関連タンパク質の一群である、SRタンパク質は、恒常的mRNA前駆体スプライシングにおいて機能することができ、濃度依存的に、選択的スプライス部位選択をやはり調節することができる。SRタンパク質は、1つまたは2つのRNA認識モチーフ(RRM)、ならびにアルギニンおよびセリン残基(RSドメイン)に富むC末端からなるモジュール構造を有する。選択的スプライシングにおけるその活性は、タンパク質のhnRNP A/Bのメンバーにより拮抗され得る。スプライシング因子はまた、1つまたは複数のsnRNAに関連するタンパク質を含むことができる。ヒトにおけるSRタンパク質には、SC35、SRp55、SRp40、SRm300、SFRS10、TASR-1、TASR-2、SF2/ASF、9G8、SRp75、SRp30c、SRp20およびP54/SFRS11が含まれる。スプライス部位の選択に関与し得るヒトにおける他のスプライシング因子には、以下に限定されないが、U2 snRNA補助因子(例えばU2AF65、U2AF35)、Urp/U2AF1-RS2、SF1/BBP、CBP80、CBP20、SF1およびPTB/hnRNP1が含まれる。ヒトにおけるhnRNPタンパク質には、以下に限定されないが、A1、A2/B1、L、M、K、U、F、H、G、R、IおよびC1/C2が含まれる。スプライシング因子は、安定的かつ一過的に、snRNPまたは転写に関連し得る。
【0041】
[0053]用語「イントロン」は、遺伝子内のDNA配列とプロセッシングされていないRAN転写物における対応する配列の両方を指す。RNAプロセッシング経路の一部として、イントロンは、転写直後または転写と同時のどちらかで、RNAスプライシングにより除去される。イントロンは、大部分の生物および多数のウイルスの遺伝子に見いだされる。それらは、タンパク質、リボソームRNA(rRNA)およびトランスファーRNA(tRNA)を生成するものを含めた、幅広い範囲の遺伝子に位置し得る。「エクソン」は、イントロンがRNAスプライシングによって除去された後、その遺伝子によって産生された最終の成熟RNAの部分をコードする遺伝子の任意の部分とすることができる。用語「エクソン」は、遺伝子内のDNA配列と、RNA転写物における対応する配列の両方を指す。「スプライセオソーム」は、snRNAおよびタンパク質複合体から組み立てられる。スプライセオソームは、転写後mRNA前駆体からイントロンを取り除く。
【0042】
[0054]本明細書で使用する場合、用語「標的」または「標的分子」は、分子上の認識部分に結合している結合剤によってモジュレートされる任意の生物分子から選択され得る分子を指す。モジュレートは、活性化、阻害、または任意の構造変化とすることができる。例えば、本開示の一部の実施形態では、結合剤は、標的分子(例えば、mRNA)に結合して、RNAスプライシングをモジュレートし、スプライシングにおいていくつかの欠損を修正することができる。現在の技術によって包含される標的分子は、RNAおよびDNAを含めた、ポリヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、リボ核タンパク質および核酸を含む、多様な多数の化合物を含むことができる。一部の場合、標的分子は、標的ポリヌクレオチド、標的RNAまたは標的DNAとすることができる。分子上の認識部分は、結合剤と相互作用する構造部分を指す。認識部分は、1つまたは複数の分子(例えばRNAおよびRNA二本鎖)によって形成される、結合ポケット(例えば、mRNA上の結合ポケット)とすることができる。本明細書において提供される様々な実施形態では、標的ポリヌクレオチドによって形成される結合ポケットは、バルジ、もしくは変異、もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含み、低分子などの結合剤を収容することができる。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まないことがある。
スプライシング
[0055]スプライシングまたはRNAスプライシングとは、通常、新生前駆体メッセンジャーRNA(mRNA前駆体)転写の成熟メッセンジャーRNA(mRNA)への編集を指す。スプライシングは、イントロンの除去とその後のエクソンライゲーションを含む生化学的プロセスである。連続エステル交換反応は、下流のイントロンにおける分岐アデノシン(分岐点;BP)による5’スプライス部位(5’ss)の求核攻撃により開始され、2’,5’-ホスホジエステル連結基を有するイントロンラリアート中間体の形成をもたらす。この後に、3’スプライス部位(3’ss)上での5’ss媒介性攻撃が続き、イントロンラリアートの除去、およびスプライシングされたRNA産生物の形成に至る。
【0043】
[0056]スプライシングは、様々なシス作用性エレメントおよびトランス作用因子によって調節され得る。シス作用性エレメントは、mRNAの配列であり、コアコンセンサス配列および他の調節エレメントを含むことができる。コアコンセンサス配列は、通常、5’ss、3’ss、ポリピリミジントラクトおよびBP領域を含む、保存されたRNA配列モチーフを指すことができ、これは、スプライセオソームの動員に機能することができる。コアコンセンサス配列は、実験のためにインビトロで使用された場合、構築体足場と称され得る。BPは、一般に、3’ssの上流の50未満のヌクレオチドである、mRNA前駆体の部分保存された配列を指す。BPは、スプライシング反応の第1の工程の間、5’ssと反応する。他の調節シス作用性エレメントは、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)およびイントロンスプライシングサイレンサー(ISS)を含むことができる。トランス作用因子は、シス作用性エレメントに結合するタンパク質またはリボ核タンパク質とすることができる。
【0044】
[0057]スプライス部位の特定および調節されたスプライシングは、2つの動的マクロ分子機構、すなわち主要な(U2依存性)および微量の(U12依存性)スプライセオソームによって主に行われ得る。スプライセオソームはそれぞれ、主要なスプライセオソーム(これは、すべてのイントロンの約95.5%を有する)の場合、5つのsnRNPs:U1、U2、U4、U5およびU6 snRNP;ならびに微量のスプライセオソームの場合、U11、U12、U4atac、U5およびU6atac snRNPを含有する。特定の構造RNAの特徴を伴うコンセンサス配列エレメントのスプライセオソーム認識。通常、U1 snRNPは、イントロンの5’ssにおいて、GU配列に結合する。さらに、U2核内低分子RNA補助因子1(U2AF35)およびUSAF2(U2AF65)およびスプライシング因子1(分岐点結合タンパク質としても知られているSF1)を含む、いくつかのタンパク質は、時として、主要なスプライセオソーム集合体に必要となることがある。U2AF1は、イントロンの3’ssにおいて結合することができ、U2AF2は、ポリピリミジントラクトに結合することができる。SF1は、イントロンBP配列に結合することができる。U2 snRNPは、SF1に置き換わり、分岐点配列に結合し、ATPが加水分解される。U5/U4/U6 snRNP三量体、およびU5 snRNPは、5’部位のエクソンに結合し、U6はU2に結合する。U1 snRNPは、次に、放出されて、U5はエクソンからイントロンに移り、U6は、5’ssにおいて結合する。次に、U4が放出され、U6/U2は、エステル交換反応を触媒し、これにより、イントロンの5’末端は、イントロン上の「A」にライゲーションされ、ラリアートを形成する。U5は、3’ssにおいてエクソンに結合し、5’部位が開裂し、これにより、ラリアートが形成する。U2/U5/U6は、ラリアートに結合した状態のままであり、3’部位は開裂し、エクソンは、ATP加水分解を使用してライゲーションされる。スプライシングされたRNAは放出されて、ラリアートが放出されて分解し、snRNPが再利用される。5’ss、3’ssおよびBP部位におけるコンセンサス配列エレメントのスプライセオソーム認識は、スプライシング経路における工程の1つであり、SRタンパク質およびhnRNPを含めた、補助スプライシング因子により認識され得る、ESE、ISE、ESSおよびISSによりモジュレートされ得る。ポリピリミジントラクト-結合タンパク質(PTBP、またはPTBもしくはhnRNP1としても知られている)は、イントロンのポリピリミジントラクトに結合することができ、RNAのループ形成を促進することができる。
【0045】
[0058]選択的スプライシングは、単一遺伝子がいくつかの異なるタンパク質を最終的に生じることができる機構である。選択的スプライシングは、mRNA前駆体に関連する「選択的スプライシング調節タンパク質」と呼ばれる様々な異なるタンパク質の協調作用により行われ得、個別の選択的エクソンを成熟mRNAに含ませる。遺伝子の転写のこのような選択的形態は、特定のタンパク質の個別のアイソフォームを生じ得る。選択的スプライシング調節タンパク質に結合することができるmRNA前駆体分子における配列は、以下に限定されないが、ISS、ISE、ESS、ESEおよびポリピリミジントラクトを含めた、イントロンまたはエクソンに見いだされ得る。多数の変異または上流のシグナル伝達経路は、スプライシングパターンを改変することができる。例えば、変異は、シス作用性エレメントとすることができ、コアコンセンサス配列(例えば5’ss、3’ssおよびBP)、またはESE、ESS、ISEおよびISSを含めたスプライセオソームの動員をモジュレートする調節エレメント、またはステムループなどにおけるRNA構造をモジュレートする領域に位置し得る。変異はまた、変異の結果として、スプライシング機構により活性化および認識される選択的5’ssと見なされる配列に存在することができ、5’ss内の変異は、選択的5’ssの使用を引き起こすことができる。例えば、ミスシグナル伝達は、多かれ少なかれトランス作用スプライシング因子をmRNA前駆体に結合させて、特定のmRNAアイソフォームの産生をモジュレートすることができる。
【0046】
[0059]隠れたスプライス部位、例えば隠れた5’ssおよび隠れた3’ssは、スプライセオソームによって通常、認識されないスプライス部位を指すことができ、したがって、通常、休眠状態にある。隠れたスプライス部位は、シス作用性エレメントまたはトランス作用因子における変異によって、認識され得るか、または活性化され得るかのどちらかとなる。
【0047】
[0060]スプライシング因子は、がんにおいて調節解除され得、一部の場合、それ自体が発がん遺伝子および偽発がん遺伝子であり、がん進行を推進する正のフィードバックループに寄与することができる。例えば、ヒトおよびマウスの上皮における、CD44スプライスアイソフォーム切り替えは、上皮間葉転換および乳がん進行に必須である。FOXM1は、3つの別個のスプライスバリアントにおいて発現し、これらのバリアントは、2つの条件的エクソンのディファレンシャルスプライシングにより、同一遺伝子から発生する。FoxM1BおよびFoxM1Cは、どちらも転写活性であり、これらの転写物に由来するタンパク質は、がん細胞周期の進行を推進する一方、FoxM1Aは、発現した場合、エクソンの付加により、FOXM1のいずれの転写活性も消失し、ドミナントネガティブ体として作用するので、転写不活性である。別の例は、IG20/MADDであり、これらは、単一エクソンによって区別される、がん細胞およびマウスにおける、同格作用(apposing effect)を有する2つのスプライスアイソフォームである。IG20は、TRAIL誘発性アポトーシスを防止する抗アポトーシス形態である一方、MADDは、TRAIL誘発性アポトーシスを誘発するアポトーシス促進形態である。実際に、RNAミススプライシングは、多数の社会的結果を伴うヒト疾患の数の増大が根底にある。
【0048】
[0061]しかし、RNAスプライシングを標的とすること、より詳細には、RNA標的を標的とすることは、RNAの2次元および3次元構造、RNA結合親和性または選択性を生じさせるケモタイプ、特定のmRNAスプライシングホットスポットにおいて、RNA結合親和性および選択性を生じさせるケモタイプ、ならびに低分子結合ポケットを形成するRNA構造要素の特定などの利用可能なデータが限られるために困難である。さらに、mRNA前駆体のRNAスプライシングは、速度論的構成成分によって大きく影響を受け、こうして、特定の3次元構造は、特定の時点で、RNAおよび/またはRNA-タンパク質複合体により形成される。RNAスプライシングは、RNAに結合して、RNA二次および三次構造に関わるいくつかのトランス作用性タンパク質因子を必要とする動的プロセスである。したがって、RNAスプライシングを修正する特異的および選択的低分子結合剤に関するスクリーニングは、時として、RNA上への複数の薬剤の結合を正確に評価し、結合剤の結果としての構造変化を測定/確認することができるツールの使用を必要とし、その結果、分子の会合の変化、および時として、特定の重要な結合領域、またはアイソフォームRNA発現を推進するRNAの重要な領域を含ませる/排除するRNAスプライシングの方向に影響を及ぼすmRNAホットスポットにおける、特定の重要なタンパク質の速度論的親和性(解離定数)を決定することができる。したがって、これらの3-D結合ポケットを有する低分子相互作用は、疾患におけるRNA誤発現に影響を及ぼし、これを修正することができる。RNA標的に結合するための低分子ライブラリーのスクリーニングにより、RNA結合を生じるケモタイプに関するデータが作成され得る。しかし、RNA結合剤に富む低分子のスクリーニングコレクションはほとんどない。実際に、大部分のライブラリーは、タンパク質に結合する化合物に偏っている。さらに、入手可能なRNA結合剤のライブラリーのいくつかは、特定のRNAに非特異的であるか、または非選択的である。これらの必要性などに対処するため、様々な実施形態における本開示は、RNAおよび/またはRNAタンパク質複合体に結合する低分子を特定するため、特定のRNA結合ポケットに適合することができる新規分子を設計するため、および疾患関連mRNA前駆体スプライシング欠損に対する低分子の特異性および選択性を改善するために使用することができる構造ベースのスクリーニングプラットフォームを提供する。
標的ポリヌクレオチド
[0062]様々な実施形態における本開示は、ポリヌクレオチドおよびタンパク質によって形成されるポリヌクレオチドおよび/または複合体(すなわち、ポリヌクレオチド-タンパク質複合体)に結合することができる低分子であって、RNAの立体構造に影響を及ぼし、こうしてRNA発現に影響を及ぼす低分子を特定する、構造ベースのスクリーニングプラットフォームまたは方法を提供する。本開示はまた、RNAスプライシングに関与するポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチド-タンパク質複合体に結合することができる低分子を特定する方法を提供する。本開示はまた、RNAの構造およびトランス作用性タンパク質の結合親和性に影響を及ぼすことができる低分子を特定する方法を提供する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、RNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNAである。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、mRNA前駆体またはmRNA前駆体の一部である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、5’ss、隠れた5’ss、3’ssまたは隠れた3’ssを含む、スプライス部位またはその一部を含有する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、BP、ESE、ESS、ISE、ISSおよびポリピリミジントラクトを含めた、1つまたは複数の他のシス作用性エレメントまたはその一部を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2、3、4、5、6つもしくはそれより多いイントロンまたはその断片を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、2、3、4、5、6つもしくはそれより多いエクソンまたはその断片を含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む。本明細書で使用する場合、エクソン-イントロン境界は、イントロンとエクソンとの間の境界に位置するイントロンおよびエクソン配列を含むいずれのポリヌクレオチドも指すことができる。一部の実施形態では、エクソン-イントロン境界は、エクソンの完全配列、およびイントロンの断片配列を含有することができる。一部の他の実施形態では、エクソン-イントロン境界は、イントロンの完全配列、およびエクソンの断片配列を含有することができる。一部の場合、標的ポリヌクレオチドは、エクソンおよびイントロン配列のどちらも含有し、エクソンおよびイントロンの順序は変わり得ることを理解すべきである。例えば、エクソンは、イントロンの5’末端に存在することができるか、またはエクソンは、イントロンの3’末端に存在することができる。一部の実施形態では、エクソン-イントロン境界は、5’ssを含む。一部の実施形態では、エクソン-イントロン境界は、3’ssを含む。標的ポリヌクレオチドは、長さを様々とすることができる。例えば、一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも5ヌクレオチド、少なくとも8ヌクレオチド、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも15ヌクレオチド、少なくとも20ヌクレオチド、少なくとも25ヌクレオチド、少なくとも30ヌクレオチド、少なくとも35ヌクレオチド、少なくとも40ヌクレオチド、少なくとも45ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、少なくとも55ヌクレオチド、少なくとも60ヌクレオチド、少なくとも70ヌクレオチド、少なくとも75ヌクレオチド、少なくとも80ヌクレオチド、少なくとも85ヌクレオチド、少なくとも90ヌクレオチド、少なくとも95ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、または少なくとも500ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、最大で20ヌクレオチド、最大で50ヌクレオチド、最大で100ヌクレオチド、最大で150ヌクレオチド、最大で200ヌクレオチド、最大で300ヌクレオチド、最大で400ヌクレオチド、最大で500ヌクレオチド、最大で600ヌクレオチド、最大で700ヌクレオチド、最大で800ヌクレオチド、最大で900ヌクレオチドまたは最大で1000ヌクレオチド長である。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、3~5ヌクレオチド、5~10ヌクレオチド、10~20ヌクレオチド、20~40ヌクレオチド、40~50ヌクレオチド、50~100ヌクレオチド、100~150ヌクレオチド、150~200ヌクレオチド、200~250ヌクレオチド、250~300ヌクレオチド、300~350ヌクレオチド、350~400ヌクレオチド、400~450ヌクレオチド、または450~500ヌクレオチド長である。
【0049】
[0063]一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、CD46、およびUSH2Aからなる群から選択される遺伝子によってコードされる配列を含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、上述した遺伝子に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされるmRNA前駆体である。
【0050】
[0064]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のヌクレオチド上に標識化されていてもよく、または修飾されていてもよい。
[0065]本開示は、核磁気共鳴(NMR)分光法によって、ポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチド-タンパク質複合体に結合する低分子結合剤を特定する、プラットフォームスクリーニング法を提供する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、いかなる標識も含まない。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、同位体標識されているヌクレオチドを含まない。一部の他の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、1つまたは複数の原子標識により同位体標識されている少なくとも1つのヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、同位体標識されている2つ以上のヌクレオチドを含む。通常、NMR分光法に使用される原子標識は、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含むことができる。
結合剤
[0066]本開示の様々な実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、標的ポリヌクレオチドを含有する試料中に導入される。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、それ自体、認識部分、または低分子などの結合剤を収容する結合ポケットを形成することができる。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの結合剤と複合体を形成し、さらなる結合剤を収容する認識部分または結合ポケットを形成する。本明細書において開示されている結合剤は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、リボ核タンパク質、低分子またはそれらの任意の組合せとすることができる。一部の実施形態では、結合剤は、結合剤の混合物とすることができる。一部の実施形態では、2つ以上の結合剤が、標的ポリヌクレオチドに導入される。一部の実施形態では、2つ以上の結合剤が、標的ポリヌクレオチドと一緒に導入される。一部の実施形態では、2つ以上の結合剤が、連続した順序で、標的ポリヌクレオチドに導入され得る。
【0051】
[0067]一部の実施形態では、結合剤はポリヌクレオチドである。好ましい実施形態では、結合剤は、snRNAまたはその一部ある。一部の実施形態では、結合剤は、U1 snRNAまたはその一部である。一部の実施形態では、結合剤は、U2 snRNAまたはその一部である。一部の他の実施形態では、結合剤は、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの任意の一部である。一部の実施形態では、結合剤は、ポリペプチドである。一部の実施形態では、結合剤は、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分である。一部の実施形態では、結合剤は、タンパク質のドメイン、モチーフ、または任意の部分である。一部の実施形態では、結合剤は、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、タンパク質またはその一部とすることができる。一部の実施形態では、結合剤は、補助スプライシング因子またはその一部とすることができる。例示的な補助スプライシング因子には、以下に限定されないが、SRタンパク質およびhnRNPが含まれる。一部の実施形態では、結合剤は、SC35、SRp55、SRp40、SRm300、SFRS10、TASR-1、TASR-2、SF2/ASF、9G8、SRp75、SRp30c、SRp20、P54/SFRS11、U2AF65、U2AF35、Urp/U2AF1-RS2、SF1/BBP、CBP80、CBP 20、PTB/hnRNP I、A1 hnRNP、A2/B1 hnRNP、L hnRNP、M hnRNP、K hnRNP、U hnRNP、F hnRNP、H hnRNP、G hnRNP、R hnRNP、I hnRNP、C1/C2 hnRNP、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択されるタンパク質またはその一部とすることができる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、トランス作用因子のタンパク質またはタンパク質構成成分である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、RNAスプライシングに関連するタンパク質の一部、例えば、ドメインまたはサブドメインである。一部の実施形態では、ポリペプチドは、SR、TRA2、SF、SRSF、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、Smタンパク質、FBP11、SF3A、SF3B、U2AF65、U2AF35、PRP19複合体タンパク質、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、ASF、SF2、9G8、SRP20、TRA2a/b、SRP36、SRP35C、SRP30C、SRP38、SRP40、SRP55、SRP75、HUR、NFAR、NF45、YB1および接合複合体タンパク質を含む群から選択されるタンパク質のうちの1つのタンパク質構成成分またはその一部である。RNAスプライシングに関連する他の例示的なタンパク質には、mBBP、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、nPTB、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、SAM68、STAR/GSG、ASD-2b、ASD-1、SUP-12、RNPC1、ASF、snRNP補助因子-35(U2AF35)、ASF/SF2、Nova-1/2、Fox-1/2、マッスルブラインド様(MBNL)、CELF、Hu、TIA、TIARおよびそれらの別名が含まれる。一部の実施形態では、タンパク質は、タンパク質バリアント、変異体またはタンパク質の一部である。一部の実施形態では、結合剤は低分子である。一部の実施形態では、結合剤は、低分子のライブラリーである。様々な低分子ライブラリーは、本明細書において開示されている方法と共に使用され得る。
【0052】
[0068]一部の実施形態では、第1の結合剤は、標的ポリヌクレオチドに導入され、それによって、第1の結合剤および標的ポリヌクレオチドは、第1の複合体の形成が可能となる。一部の実施形態では、第2の結合剤は、標的ポリヌクレオチドに導入され、それによって、第1の複合体に接触する。一部の実施形態では、第2の結合剤は、第1の複合体と共に第2の複合体を形成する。この複合体は、核酸二本鎖、またはポリヌクレオチド-タンパク質複合体、またはポリヌクレオチド-低分子複合体とすることができる。例えば、ポリヌクレオチドを含む第1の結合剤は、標的ポリヌクレオチドに導入されて、二本鎖を形成することができ、ポリペプチドおよび低分子を含む第2の結合剤が次に、導入され得る。別の例の場合、ポリヌクレオチドを含む第1の結合剤は、標的ポリヌクレオチドに導入されて、二本鎖を形成することができ、次に、低分子を含む第2の結合剤が、導入され得る。さらに別の例の場合、ポリヌクレオチドを含む第1の結合剤は、標的ポリヌクレオチドに導入され得、次に、低分子を含む第2の結合剤が、導入され得る。標的ポリヌクレオチドに結合剤を導入するために、必要な順序はないことを理解すべきである。一部の実施形態では、結合剤は、1つを超える分子を含むことができ、それらの分子は、同時にまたは逐次に導入され得る。
【0053】
[0069]ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド-ポリヌクレオチド複合体またはポリヌクレオチド-タンパク質複合体によって形成される結合ポケットが使用されて、低分子などの結合剤を収容することができる。様々な実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、結合ポケットを形成する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、さらなるポリヌクレオチドに結合して、結合ポケットを含む複合体を形成する。一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、タンパク質-RNA複合体に結合し、結合ポケットを形成する。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、結合ポケットは、バルジ、変異およびステムループを含まないことがある。
MRNA前駆体変異およびミススプライシング
[0070]スプライシングのシス作用性エレメントにおける変異は、スプライシングパターンを改変することができる。共通の変異は、5’ss、3’ssおよびBP領域を含めたコアコンセンサス配列、またはESE、ESS、ISEおよびISSを含めた他の調節エレメントに見いだされ得る。これらのシス作用性エレメントにおける変異は、複数の疾患をもたらす恐れがある。例示的な疾患が、表1~3に含まれている。本開示は、シス作用性エレメントにおける1つまたは複数の変異を含有する、mRNA前駆体を標的とすることができる、低分子結合剤をスクリーニングする方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、スプライス部位またはBP領域における1つまたは複数の変異を含有する、mRNA前駆体を標的とすることができる、低分子結合剤をスクリーニングする方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、他の調節エレメント、例えば、ESE、ESS、ISEおよびISSにおける1つまたは複数の変異を含有する、mRNA前駆体を標的とすることができる、低分子結合剤をスクリーニングする方法を提供する。
【0054】
[0071]シス作用性エレメントおよび上流のミスシグナル伝達における変異は、mRNA前駆体における3次元構造変化を誘発することができる。シス作用性エレメントおよび上流のミスシグナル伝達における変異は、mRNA前駆体が、少なくとも1つのsnRNAまたは少なくとも1つのsnRNPまたは少なくとも1つの他の補助スプライシング因子に結合している場合、mRNA前駆体の3次元構造変化を誘発し得る。一部の実施形態では、5’ssがU1 snRNAまたはその一部に結合している場合、結合ポケットが形成され得る。結合ポケットは、バルジ、非変異一本鎖もしくは二本鎖RNA、ステムループ、またはステムループ、変異含有一本鎖および二本鎖RNAに隣接する配列を含有することができる。結合ポケットは、変異を含むことがあるか、または変異を含まないことがある。一部の場合、結合ポケットは、結合ポケットの上流/下流での変異を有する配列部分を含み、このような変異は、結合ポケットにおけるRNAの構造に影響を及ぼす。一部の実施形態では、5’ssが、スプライシングに関連する他のタンパク質結合パートナーを使用して、またはこれを使用しないでU1 snRNAまたはその一部に結合している場合、バルジが形成され得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの変異を含有する5’ssが、U1 snRNAまたはその一部に結合している場合、バルジが誘発されて形成する。一部の実施形態では、変異が、U1 snRNAまたはその一部に結合している場合、この変異は、隠れた5’ssの使用を誘発してバルジを生成することができる。一部の実施形態では、3’ssがU2AFまたはその一部に結合している場合、結合ポケットが形成され得る。一部の実施形態では、変異が、U2AFまたはその一部に結合している場合、この変異は、隠れた3’ssの使用を誘発し、結合ポケットを生成することができる。一部の実施形態では、BP領域がU2 snRNAに結合している場合、結合ポケットが形成され得る。snRNPのタンパク質構成成分は、このような結合ポケットを形成するように存在することがあり、または存在しないことがある。例示的な5’ss配列が、表1に要約されている。本明細書において開示されている方法におけるポリヌクレオチドは、表1に要約されている5’ss配列のうちのいずれか1つを含有することができる。一部の実施形態では、低分子は、バルジに結合することができる。
【0055】
[0072]本開示の一態様では、標的ポリヌクレオチド上に形成される結合ポケットは、バルジを含む。一部の実施形態では、バルジは、天然に存在する。一部の実施形態では、バルジは、スプライス部位と核内低分子RNAとの間の非標準的な塩基対により形成される。例えば、バルジは、5’ssとU1~U12 snRNAのいずれか1つとの間の非標準的塩基対により形成され得る。バルジは、1個のヌクレオチド、2個のヌクレオチド、3個のヌクレオチド、4個のヌクレオチド、5個のヌクレオチド、6個のヌクレオチド、7個のヌクレオチド、8個のヌクレオチド、9個のヌクレオチド、10個のヌクレオチド、11個のヌクレオチド、12個のヌクレオチド、13個のヌクレオチド、14個のヌクレオチドまたは15個のヌクレオチドを含むことができる。
【0056】
[0073]一部の実施形態では、3次元構造変化は、バルジを形成することなく、変異または上流のミスシグナル伝達によって3次元構造変化が誘発され得る。ある実施形態では、バルジは、スプライス部位において、いかなる変異もなしに形成され得る。バルジ形成を伴う、または伴わないさらに例示的な5’ss変異が、表1に要約されている。本明細書において開示されている方法におけるポリヌクレオチドは、表1に要約されている5’ss配列のうちのいずれか1つを含有することができる。一部の実施形態では、認識部分は、シス作用性エレメントのいずれかにおける変異によって形成され得る。一部の実施形態では、低分子は、変異によって誘発される結合ポケットに結合することができる。
【0057】
[0074]一部の実施形態では、本来の5’ssにおける変異は、スプライシングの間に、隠れた5’ssの使用を活性化することができる。例示的な変異した本来の5’ssおよび対応する活性化された隠れたスプライス部位が、表2に要約されている。
【0058】
[0075]一部の実施形態では、変異は、ESE、ESS、ISEおよびISSを含めた、調節エレメントの1つに存在することができる。
[0076]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位を含み、スプライス部位は、NGAgunvrn、NHAdddddn、NNBnnnnnnおよびNHAddmhvkからなる群から選択される配列を含み、N(またはn)は、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、Hは、A、CまたはUであり、dは、a、gまたはuであり、mは、aまたはcであり、rは、aまたはgであり、vは、a、cまたはgであり、kは、gまたはtである。
【0059】
[0077]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位を含み、スプライス部位は、NNBgunnnn、NNBhunnnnまたはNNBgvnnnnからなる群から選択される配列を含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはtであり、vは、a、cまたはgである。
【0060】
[0078]一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、スプライス部位を含み、スプライス部位は、NNBgtrrrn、NNBgtwwdn、NNBgtvmvn、NNBgtvbbn、NNBgtkddn、NNBgtbnbd、NNBhtnngn、NNBhtrmhdまたはNNBgvdnvnからなる群から選択される配列を含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはuであり、vは、a、cまたはgであり、rは、aまたはgであり、mは、aまたはcであり、dは、a、gまたはuであり、kは、gまたはuであり、wは、aまたはuである。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
NMR
[0079]核磁気共鳴(NMR)分光法は、有機分子に関する定性的および定量的な情報を決定するために使用される、強力な分析技法とすることができる。NMRを使用して、小さな有機化合物からタンパク質および核酸などの複雑なポリマーに及ぶ、多様な化学および生物分子の構造に関する価値ある情報を解読して提供することができる。NMRでは、試料は磁場中に置かれ、ラーモア周波数(f):
【0081】
【0082】
(式中、γは、核の磁気回転比であり、B0は、磁場強度である)と呼ばれる特徴的な周波数で、高周波(RF)励起が施される。磁場中の核は、供給されたエネルギーを吸収し、エネルギーを得た状態になる。吸収に必要な照射の周波数は、励起すべき核のタイプ(例えば、1Hまたは13Cまたは15N)に依存し、周波数は、通常、核の化学環境(例えば、様々な化学的負電荷基、塩、溶液のpHおよび結合剤の存在)にも依存し、最後には、周波数は、磁場が均一ではない、すなわち磁場が均質ではない場合、磁場中の空間位置にも依存する。
【0083】
[0080]様々な実施形態では、2-D構造および/または3-D原子構造を決定する方法は、市販の分光計の周波数を有するNMR装置を利用し、例えば、約1GHz超、約1GHz、約1GHz~約20MHzまたは約900MHz、約800MHz、約700MHz、約600MHz、約500MHz、約400MHz、約300MHz、約200MHz、約100MHz、約75MHz、約50MHzまたは約20MHzの1Hラーモア周波数が、バイオ分子、例えばポリヌクレオチドの構造を決定するために使用され得る。単なる便宜的な目的のため、本方法の開示は、ポリヌクレオチドの使用を例示しているが、本明細書に記載されている方法は、目的とする標的バイオ分子または所望のバイオ分子として、タンパク質もしくはポリペプチドの相互作用または構造の決定に適用可能である。タンパク質およびポリペプチドを選択的に標識する方法は、当分野において公知である。一部の実施形態では、本技術の方法は、300MHz以下の1Hラーモア周波数を供給するように操作可能なNMRモジュールを使用して行われ得る。
【0084】
[0081]一部の実施形態では、繰り返し遅延は、低磁場において顕著に短縮されるTi緩和時間に依存するので、より低い磁場(例えば、300MHz以下)を使用することができ、これは、繰り返し遅延を著しく短縮することができ、全実験時間が、高磁場の繰り返し遅延の1/4~1/5に短縮され得る。(すなわち、4~8nsの相関時間となる分子の場合、100MHzにおけるTi緩和時間は、600MHzのTi緩和時間よりも6分の1倍、短い(25~50の塩基からなるオリゴヌクレオチド))。高磁場と低磁場との間におけるTi緩和時間の差異は、分子量または分子のサイズが大きくなるにつれて、大きくなる。所与の時間内では、低磁場で、さらに4~5回の測定が繰り返されて、追加されると、2倍のシグナル対ノイズゲインを得ることができる。
【0085】
[0082]一部の実施形態では、低磁場NMR装置、例えば、300MHz以下の分光計周波数を有するNMR装置を使用することが、予期せぬ利点である。一部の実施形態では、本方法は、低磁場NMRは、ポリヌクレオチドなどの複雑な構造に関する構造上の詳細な情報を得るために使用することができるという驚くべき知見から導きだされる。低磁場NMR(すなわち、300MHz以下の1Hラーモア周波数)の使用と試料の選択的標識化とを組み合わせると、ケミカルシフト情報を使用して、複雑な3-D構造のNMR検討を可能にする十分な分解能が得られる。
【0086】
[0083]一部の実施形態では、本開示の方法は、低磁場NMRを利用する。これらの方法は、静磁場、および300MHz以下、または約299MHz以下、または約250MHz以下、または約225MHz以下、または約200MHz以下、または約175MHz未満、または約150MHz未満、または約125MHz未満、または約100MHz未満、好ましくは約20MHz~約300MHz、または約20MHz~約299MHz、または約50MHz~約275MHz、または約75MHz~約250MHz、または約75MHz~約225MHz、または約75MHz~約200MHz、または約75MHz~約175MHz、または約100MHz~約300MHz、または約125MHz~約275MHz、または約20MHz~約250MHz、または約20MHz~約225MHz、または約20MHz~約200MHz、または約20MHz~約150MHz、または約20MHz~約100MHzの範囲の基準周波数を使用して、標的または1つもしくは複数のヌクレオチドにより選択的に標識された選択されたポリヌクレオチドの調査を例示的に含む。
【0087】
[0084]一部の実施形態では、低分子に結合した場合に決定されるバイオ分子構造に一般に依存する、コンピュータ支援薬創薬努力を含む使用のために、いくつかの低分子が結合した二分子構造が決定され得る。
【0088】
[0085]一部の実施形態では、どの低分子がバイオ分子と相互作用するかを特定するため、均質に同位体標識されているバイオ分子試料を個別に合成するか、または比較的、密に結合している低分子の場合、組合せ様式で、NMRシグナルの変化を見ることが期待される比(低いμMでのKdの場合、2:1または4:1の比が使用され得る)で各低分子を混合し、ケミカルシフト、共鳴強度および/またはNOEなどのNMRデータを収集し、低分子の存在下でのバイオ分子のNMRデータと低分子の非存在下でのバイオ分子のNMRデータを比較する、ならびにNMRデータの有意な変化を引き起こす低分子を選択する。一部の実施形態では、NMRデータの変化は、ケミカルシフトの線幅の一部、例えば1本の線幅を含む。一部の実施形態では、NMRデータの変化は、低分子が存在しない場合および低分子が存在する場合のバイオ分子のNMRデータの比較が有意である場合、NOEおよび/または共鳴強度の有意な低下を含む。様々な実施形態では、低分子のNMRデータをモニタリングでき、目的のバイオ分子の添加時に類似の摂動が観察され、一部の実施形態では、バイオ分子は同位体標識されていない。様々な実施形態では、各試料に対する同一溶液条件(例えば、緩衝液または可溶化溶液)を使用して、溶液環境の差異によるランダムノイズを最小化する。
方法
[0086]一部の態様では、本明細書に記載されている方法は、医薬およびバイオ産業において使用される薬物発見パラダイムに適合する。第1の例において、本明細書に記載されている主題は、核酸(例えば、RNA)を利用して、原子分解能核酸(例えば、RNA)構造を柔軟に解いて、重要な低分子核酸(例えば、RNA)相互作用を特定するために最適化された結合ポケットを明らかにする。様々な実施形態では、これらの結合ポケットは、標的のスクリーニングの間に、原子レベルでの誘導を伴う効率的なヒットの特定がもたらされる。第2の例では、ヒットツーリード(hit-to-lead)検討およびリードの最適化に低分子を探索する際に、原子レベルの相互作用により、医薬品化学者は、新規化合物を妥当に設計することが可能となる。一部の実施形態では、これにより、正確かつ効率的な標的検証がもたらされる。
【0089】
[0087]一部の態様では、本開示は、ポリヌクレオチドの2次元(2-D)または3次元(3-D)原子分解能構造を決定するための方法を提供する。本方法は、ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料であって、ポリヌクレオチドが、2H、13C、15N、19Fおよび31Pからなる群から選択される、1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む、上記ポリヌクレオチド試料を用意するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料のNMRスペクトルを得るステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、密な分子相互作用を有する1個もしくは複数の原子、または原子のサブセットのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、ケミカルシフトから、ポリヌクレオチドの2-Dまたは3-D原子分解能構造を決定するステップをさらに含む。
【0090】
[0088]一部の実施形態では、試料中の第1の複合体に関する第1のNMRスペクトルを得ることができ、試料中の第2の複合体に関する第2のNMRスペクトルを得ることができる。第2の複合体は、第1の複合体だけではなく、1つまたは複数の分子(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは低分子)を含有することができる。一部の実施形態では、本方法は、第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む。一部の実施形態では、低分子を含まないポリヌクレオチド試料に関するNMRスペクトルが得られる。一部の実施形態では、NMRスペクトルは、低分子を含有するポリヌクレオチド試料について得られる。一部の実施形態では、本方法は、様々なNMRスペクトルの比較に基づいて、結合剤を選択または特定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、様々なNMRスペクトルの比較に基づいて、低分子を選択または特定するステップを含む。
【0091】
[0089]一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの2-Dまたは3-D構造を決定する方法は、同じヌクレオチド配列を有するが、各ポリヌクレオチドが、様々なヌクレオチド上で同位体標識されている点で互いに異なる、複数のポリヌクレオチドの調査を必要とすることがある。言い換えると、本方法は、複数のポリヌクレオチドのケミカルシフトを決定し、各ポリヌクレオチドは、分析される第1のポリヌクレオチドと同じヌクレオチド配列を有し、各ポリヌクレオチドは、1個または複数の原子標識により標識されている異なるヌクレオチドを用いて合成される。例えば、ポリヌクレオチドが5つのヌクレオチドを有する場合、本方法は、5つのポリヌクレオチド試料を必要とし、各ポリヌクレオチドは、異なるヌクレオチド上に1個または複数の原子標識により標識化されている。この同じ5量体ポリヌクレオチドの例では、本方法は、本明細書に記載されている1個または複数の原子標識を有するポリヌクレオチド中に1つまたは複数のヌクレオチドを戦略的に標識することにより、ヌクレオチドの数がヌクレオチド配列中で示すよりも少ない数の異なるポリヌクレオチドを利用することができる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチド試料は、1つのヌクレオチド標識パターンを有するたった1つのポリヌクレオチドしか有していない。他の実施形態では、ポリヌクレオチド試料は、2つ以上のポリヌクレオチドを含有してもよく、それぞれは、1個または複数の原子標識により標識化されている様々なヌクレオチドを有する。
【0092】
[0090]一部の態様では、本方法は、約1GHz~約20MHzの範囲のNMR分光計周波数によってポリヌクレオチド試料を調査することにより、ポリヌクレオチド試料のNMRスペクトルを得る。これらの態様の1つでは、NMR分光計周波数は、300MHz以下、例えば約20MHz~約100MHzである。
【0093】
[0091]一部の実施形態では、NMR調査は、以下の6つのステップのうちの1つまたは複数を含む。第1に、一部の実施形態では、温度調節ステップを含む。この態様では、適切な化学環境にある目的のポリヌクレオチドを含有する液体試料を試料用導管に移送し、NMR調査のために試料を分析空間(volume)に充填する。第2に、一部の実施形態では、試料用導管中の試料を、0~60℃の範囲の選択した温度で平衡にする。第3に、一部の実施形態では、チューニングおよび突合せステップが行われ得る。このプロセスは、共振回路周波数およびインピーダンスが、回路に伝送されるパルスの周波数、および伝送線のインピーダンス(通常、50オーム)と一致するまで、これらを調整する。シグナル対ノイズが最良であり、RFコイル加熱が最小となる場合、このチューニングおよび突合せが各試料について行われ得る。しかし、低磁場磁石の調整は、製造プロセス中に事前調整を用いると最小限となるか、またはこれを必要としない。第4に、一部の実施形態では、ロックするステップが行われる。このプロセスでは、磁場ドリフトが相殺され得る、内部フィードバック機構の場合、2Hシグナルは重水素化溶媒から見いだされる。1Hシグナルから離れた2Hシグナル(例えば、200MHz分光計では30.7MHz)が必要であり、独立して処理される。ロックシグナルはまた、ケミカルシフト基準としても働く。
【0094】
[0092]第5に、一部の実施形態では、試料に関するNMRデータを取得する前に調査されることは、シム調節ステップである。一部の実施形態では、調査ステップは、様々な幾何学形状および強度の小さな静磁場を生成して、B0の不均質性を補正する一組のコイルにおいて、電流を制御することによって、分析空間における均一磁場を生成することを必要とすることがある。本開示のバイオ分子のNMR調査に関すると、NMRを使用して試料を解析する場合、少なくとも50ppb(10億分の1)の磁場の均質性を有することが好ましい。
【0095】
[0093]第6に、一部の実施形態では、正確なパルスの順序および遅延が、分析空間周囲の各共振回路に接続されている1Hおよび13C伝送線に適用され、試料中の核のスピン量子状態を操作する。その結果、13Cに結合している1Hの核スピンなどの所望のシグナルだけが選択されて測定され、他の核に結合しているすべての他の1H核のスピンが除外されるか、または成形パルス(選択的パルス)を使用して、あるケミカルシフト範囲を有する核を検出する。1-D、2-Dおよび3-Dの実験設定において、バイオ分子の構造決定のために、多様なHSQC、HMQC、COSY、TOCSY、NOESY、ROESYを含めた様々な目的のために、多数の様々なタイプのパルスシーケンスが適用可能となり得る。一部の実施形態では、パルスシーケンスの後に、同じ共振回路(2つ以上のRFコイルを含む)は、分析空間の周辺の磁場の変動(FIDと呼ばれる;自由誘導減衰)を、所定の期間にデジタル化されて記録される電圧として感知する。シグナル対ノイズ(S/N)を改善するため、パルス処理および記録という一連のステップが、複数回、繰り返され、間に、パルス処理の開始前に、スピンシステムが初期状態に戻るのを可能にする遅延時間と呼ばれるある程度の遅延が追加される。
【0096】
[0094]一部の態様では、本開示は、目的のバイオ分子と相互作用することができる、低分子、バイオ分子、リガンドまたは他の化学実体(まとめて、結合剤と称する)と混合されたときに、標的バイオ分子の構造を決定するための方法を提供する。結合剤の添加時のケミカルシフトの変化は、バイオ分子が結合剤と相互作用することができることを示す。結合剤の存在下におけるケミカルシフトを収集して、これを使用し、バイオ分子および結合した結合剤からなるバイオ分子の構造を決定することができる。この態様の一部の実施形態では、本方法は、同じヌクレオチド配列を有する複数のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップであって、各ポリヌクレオチドが、2H、13C、15N、19Fおよび31Pからなる群から選択される1個または複数の原子標識により同位体標識されている少なくとも1つのヌクレオチドを含むステップ、ポリヌクレオチド試料を結合剤と混合して、複数の結合した複合体を形成させるステップ、NMR装置を使用して、結合した複合体のNMRスペクトルを得るステップ、1個または複数の原子標識のケミカルシフトを決定するステップ、およびケミカルシフトからポリヌクレオチドの3D原子分解能構造を決定するステップを含む。
【0097】
[0095]本方法の一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドは、複数のポリヌクレオチドであって、このすべてが同一ヌクレオチド配列を有するが、同位体標識されているヌクレオチドの位置が異なる、複数のポリヌクレオチドを生成することにより分析される。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの二次構造を使用して、標識化されているヌクレオチドまたはヌクレオチドの存在する場所を決定し、ポリヌクレオチド試料の数を低減する。ポリヌクレオチドの一次配列を用いて、二次構造を予測する。次に、二次構造予測アルゴリズム(例えば、近傍アルゴリズム)またはコンピュータプログラムを使用して、複数の二次構造予測を計算することができる。次に、この方法は、上位の10種またはそのような二次構造予測を用いるアライメントステップを使用し、次に、二次構造における最大分散を示す部位を決定する。次に、NMRによる検出のために、最大分散を示すポリヌクレオチド配列における部位(単数または複数)が、同位体により標識され、この場合、1つまたは複数のヌクレオチドが、ポリヌクレオチド毎に標識される。標識スキームは、ケミカルシフトデータベースから情報提供され得、これにより、ケミカルシフト分散を最大化しながら、複数の同位体標識がポリヌクレオチドに組み込まれ得る。
【0098】
[0096]一部の実施形態では、本開示は、3-D原子分解能構造を決定するための、ポリヌクレオチド配列内の1つまたは複数のヌクレオチドの1つまたは複数の特定の同位体標識位置を決定するための、またはポリヌクレオチドの他のNMR相互作用データを収集するための方法を提供する。本方法は、1つまたは複数のポリヌクレオチドであって、1つまたは複数のポリヌクレオチドの各々が同一のポリヌクレオチド配列を有しており、1つまたは複数のポリヌクレオチドの各々が、2H、13C、15N、19Fまたは31Pを含む同位体標識により標識されている、1つまたは複数のポリヌクレオチドを用意するステップ、計算アルゴリズム(例えば、MC-Sym|MC-fold)を使用するポリヌクレオチド配列の複数の構造を予測するステップ、S2<0.8および/またはRMSF>0.5Åを含むメトリックを使用して大きな構造多様を示す複数のポリヌクレオチド構造の各々に対する1つまたは複数の領域を特定するステップ、NymirumのRANDOM FOREST(商標)予測装置(RAMSEY)、SHIFTS、NUCHEMICS、および予測構造からのQM法などのケミカルシフト予想装置を使用して大きな構造バリエーションを有する予測構造の領域から複数のケミカルシフトを計算するステップ、およびポリヌクレオチド試料の各々における1つまたは複数の特定の同位体標識位置を決定し、こうして、ケミカルシフト分散を最大化して、試料数を最小化するステップを含む。MC-Fold|MC-SymパイプラインはRNA二次および三次構造予測に関するウエブホスティングサービスである。このパイプラインは、MC-Foldへの入力配列は、MC-Symに直接、入力される二次構造を出力し、これにより、三次構造が出力されることを意味する。
【0099】
[0097]一部の態様では、本発明は、標準実験台の上に設置するのに十分に小さいNMR装置を提供する。第2の態様の一部の実施形態では、NMR装置は、筐体、ポリヌクレオチドを含む試料を受け取るよう操作可能な試料取り扱い装置、およびNMRモジュールを含む。NMRモジュールは、試料取り扱い装置からの試料の少なくとも一部を受け取るよう操作可能な分析空間を含む試料用導管、分析空間に近接して配設されている複数の高周波コイルであって、各コイルが、分析空間にわたり個別の励起周波数パルスを生成して、分析空間中のポリヌクレオチドの核の核磁気共鳴を生成するよう操作可能なコイル、ならびに分析空間および高周波コイル全体に静磁場をもたらすよう操作可能な少なくとも1つの磁石を含むことができる。NMRモジュールは、300MHz以下の1Hラーモア周波数を有することができ、RFコイルは、分析空間に励起周波数パルスを伝送するよう操作可能であり、分析空間中に含まれるポリヌクレオチドの核によって生じるNMRからのシグナルを検出する。場合により、この装置は、分析空間との熱的接続部において、加熱および冷却装置をさらに備える。この点に関すると、NMR装置は、試料用導管、またはバイオ分子、例えば、タンパク質または核酸、例えば、RNAポリヌクレオチドを含有する試料を加熱するための分析空間の加熱および冷却装置の使用を用いて、NMRスペクトルの取得前に、ポリヌクレオチドをアニールしてこのポリヌクレオチドに緩和または安定立体構造をもたらす。
【0100】
[0098]ある種の実施形態では、ポリヌクレオチド試料を用意するステップを含む方法は、それぞれ、2-Dまたは3-D構造予測アルゴリズムを使用して、ポリヌクレオチド配列の1つもしくは複数の2-Dまたは3-Dモデルを決定するステップ、ポリヌクレオチド配列の1つもしくは複数の2-Dまたは3-Dモデルの各々に対する1つまたは複数の構造的不均質領域を特定するステップ、1つまたは複数の構造上の不均質領域から1つまたは複数のケミカルシフトを計算するステップ、および最小化したケミカルシフトの重なりを有するポリヌクレオチドをもたらす1つまたは複数の核に位置する1つまたは複数の原子標識を有する1つまたは複数のヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを合成するステップを含む。
【0101】
[0099]一部の実施形態では、3-D原子分解能構造を決定するステップは、ヌクレオチド配列、および1つまたは複数の2-D構造予測アルゴリズムを使用する、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2-Dモデルを生成するステップ、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2-Dモデルおよび場合により1つもしくは複数の既知のまたは仮定のポリヌクレオチド2-Dモデルを使用する3-D構造予測アルゴリズムを使用して、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルを生成するステップ、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対する予測されるケミカルシフトセットを生成するステップ、予測されるケミカルシフトセットと1個または複数の原子のケミカルシフトとを比較するステップ、および1つまたは複数の3-D原子分解能構造として、個々の予測されるケミカルシフトセットと1つまたは複数の原子標識のケミカルシフトとの間の一致(例えば、最良の一致)を有する1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルを選択するステップを含む。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットは、各理論構造上のポリヌクレオチド3-DモデルとNMRデータのポリヌクレオチド構造データベースとを比較することにより生成される。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップは、1つまたは複数の実験的に決定されたポリヌクレオチド3-D構造からの原子座標、スタッキング相互作用、磁化率、電磁場または二面角を含むポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップ、実験的なケミカルシフトと回帰アルゴリズムを使用して、実験的に決定された3-Dポリヌクレオチド構造のポリヌクレオチド構造メトリックとの間の関係を説明する一組の数学関数またはオブジェクトを生成するステップ、理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップ、および各理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを、一式の数学関数またはオブジェクトに入力して、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップを含む。
【0102】
[0100]一部の実施形態では、回帰アルゴリズムは、ランダムフォレストアルゴリズムを含む機械学習アルゴリズムである。一部の実施形態では、一式の実験的ケミカルシフトを決定するステップは、約1GHz~約20MHzのNMR分光計周波数を使用してケミカルシフトセットをモデル化するステップを含む。
【0103】
[0101]一部の実施形態では、3-D原子分解能構造を決定するステップは、ヌクレオチド配列、および1つまたは複数の2-D構造予測アルゴリズムを使用する、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2-Dモデルを生成するステップ、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2-Dモデルおよび場合により1つもしくは複数の既知のまたは仮定のポリヌクレオチド2-Dモデルを使用する3-D構造予測アルゴリズムを使用して、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルを生成するステップ、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対する予測されるケミカルシフトセットを生成するステップ、予測されるケミカルシフトセットと1個または複数の原子のケミカルシフトとを比較するステップ、および1つまたは複数の3-D原子分解能構造として、個々の予測されるケミカルシフトセットと1つまたは複数の原子標識のケミカルシフトとの間の一致(例えば、最良の一致)を有する1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルを選択するステップを含む。
【0104】
[0102]一部の実施形態では、本方法はまた、1つまたは複数の3-D原子分解能構造における結合ポケットを特定するステップも含む。一部の実施形態では、本方法はまた、1つまたは複数の3-D原子分解能構造の各々の特定された結合ポケットと別の分子とが会合するステップを含む。一部の実施形態では、本方法はまた、エネルギー最小化および/または分子動力学シミュレーションを含む1つまたは複数の関数を行うモデリングソフトウェアを使用して、別の分子と1つまたは複数の3-D原子分解能構造の各々の結合ポケットとの会合を精密化するステップを含む。一部の実施形態では、本方法はまた、1つまたは複数の精密化された3-D原子分解能構造における結合ポケットを特定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法はまた、精密化された3-D構造における会合した別の分子および1つまたは複数の3-D原子分解能構造の各々の結合ポケットの1つまたは複数の座標を使用するステップを含む。一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットは、各理論構造上のポリヌクレオチド3-DモデルとNMRデータのポリヌクレオチド構造データベースとを比較することにより生成される。
【0105】
[0103]一部の実施形態では、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップは、1つまたは複数の実験的に決定されたポリヌクレオチド3-D構造からの原子座標、スタッキング相互作用、磁化率、電磁場または二面角を含むポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップ、回帰アルゴリズムを使用して、実験的なケミカルシフトと、実験的に決定された3-Dポリヌクレオチド構造のポリヌクレオチド構造メトリックとの間の関係を説明する一組の数学関数またはオブジェクトを生成するステップ、理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップ、および各理論構造上のポリヌクレオチド3-Dモデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを、一式の数学関数またはオブジェクトに入力して、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップを含む。
【0106】
[0104]一部の実施形態では、構造動力学は、一時的にNMRによって構造情報を得ることにより決定することができる。例えば、標的ポリヌクレオチドへの低分子の結合では、標的ポリヌクレオチドに結合する低分子の構造情報は、低分子を標的ポリヌクレオチドに接触させた後のNMRによって、様々な時間に決定され得る。構造情報は、様々な時点においてNMRスペクトルを用いて得ることができる。様々な時点において測定したNMRスペクトルを使用して、ケミカルシフトを計算することができ、結合速度を決定するために、ケミカルシフトが比較され得る。
【0107】
[0105]一部の実施形態では、低分子と標的ポリヌクレオチドとの間の結合速度は、当分野における様々な方法により決定され得る。例えば、結合速度を測定するための速度アッセイには、以下に限定されないが、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性が含まれる。一部の実施形態では、結合速度アッセイのうちの1つまたは複数を使用して、特定した低分子および標的ポリヌクレオチドを確認する。
【0108】
[0106]RNAスプライシングの結合速度は、選択的スプライシング機構が、構造RNAと関連して機能し、mRNA前駆体スプライシング、イントロンの除外、およびエクソンの融合という機能を実行して、最終的な成熟mRNAアイソフォームを産生する機構を幅広く包含することができる。スプライシングの速度は、エクソン含有の正の制御因子と負の制御因子の両方に関与する高度な速度論的プロセスとなり得、こうして、全体の正味の効果は、エクソン含有またはエクソン含有となり得る。低分子などの結合剤は、このプロセスと相互作用することができ、特に、スプライセオソーム複合体を形成する関連トランス作用結合因子の親和性に影響を及ぼすことにより、1つの方向に対するエクソンスプライシングに影響を及ぼすことができる。結合速度は、kon、koffおよびKdを含めた、様々なパラメータによって反映され得る。通常、Kdが低いほど、強い結合であること、したがって、結合親和性が高いことを示す。
【0109】
[0107]標的への低分子の結合の結合速度を使用して、低分子が強い結合剤であるか否かを判定することができる。低分子を使用する、またはこれを使用しないで別のポリヌクレオチド(例えば、標的ポリヌクレオチド)に結合するポリヌクレオチドの結合速度を使用して、2つのポリヌクレオチドが、低分子の存在下でより強く結合するかまたはより弱く結合するかどうかを判定することができる。低分子を使用する、またはこれを使用しないで標的ポリヌクレオチドに結合するタンパク質の結合速度を使用して、このタンパク質が、低分子の存在下でより強く結合するかまたはより弱く結合するかどうかを推測することができる。Kdは、一定濃度の標的の存在下で、様々な濃度の結合剤によって決定され得る。例えば、標的mRNAまたはRNA-RNA二本鎖に結合する低分子のKdを決定する際に、低分子の濃度を変化させることができる。Kdは、結合プロセスの間のkonおよびkoffを測定することによっても決定することができ、これらを使用して、Kdを計算することができる。
【0110】
[0108]一部の実施形態では、結合剤と標的ポリヌクレオチドとの間の結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、結合剤とRNA-RNA複合体との間の結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、結合剤とRNA-タンパク質複合体との間の結合速度が決定され得る。例えば、低分子と標的ポリヌクレオチド(例えばmRNA)との間の結合速度を決定して、その結合がどの程度強いかを推測することができる。
【0111】
[0109]一部の実施形態では、低分子結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合してRNA-RNA二本鎖を形成する結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、低分子結合剤を使用するおよびこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するポリヌクレオチドの結合速度が決定され、低分子を使用するおよびこれを使用しない結合速度を比較して、ポリヌクレオチドが、低分子により、標的ポリヌクレオチドにより強く結合するか、またはより弱く結合するかを推測することができる。
【0112】
[0110]一部の実施形態では、低分子結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的RNAに結合してタンパク質-RNA複合体を形成するタンパク質またはタンパク質構成成分/ポリペプチドの結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、低分子結合剤を使用する、およびこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するタンパク質またはポリペプチドの結合の結合速度が決定され、低分子を使用する、および使用しない結合速度を比較して、タンパク質が低分子により、標的ポリヌクレオチドにより強く結合するか、またはより弱く結合するかを推測することができる。
【0113】
[0111]一部の実施形態では、低分子結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的RNAに結合して複合体を形成するタンパク質-RNA複合体の結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、低分子結合剤を使用する、およびこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するタンパク質-RNA複合体の結合速度が決定され、低分子を使用する、および使用しない結合速度を比較して、タンパク質-RNA複合体が低分子により、標的ポリヌクレオチドに強く結合するか、またはより弱く結合するかどうかを推測することができる。
【0114】
[0112]一部の実施形態では、低分子結合剤は、NMRアッセイによって選択され、次に、速度アッセイにおいて試験される。例えば、速度アッセイを使用して、同一標的(例えば、RNA、RNA-RNA複合体またはRNA-タンパク質複合体)に対する2つ以上の異なる分子の結合速度を測定し、Kdを比較して、どの低分子が強力な結合剤であるかを推測することができる。速度アッセイは、NMRによる最初のスクリーニングの後に、二次スクリーニングアッセイとして働くことができる。一部の実施形態では、速度アッセイはまた、最初にスクリーニングアッセイとして働き、次いで、構造決定のためにNMRを行うことができる。
【0115】
[0113]一部の実施形態では、結合速度は、SPRおよび/またはBLIによって測定される。このような場合、ポリヌクレオチドは、表面上に固定される。一部の状況では、標的ポリヌクレオチド(例えば、標的mRNA)は、表面に固定されている。一部の状況では、snRNAなどのポリヌクレオチドが表面に固定される。表面にポリヌクレオチドを固定化する方法は、ポリヌクレオチドをビオチンで標識し、その表面をストレプトアビジンによりコンジュゲートし、これにより、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用によりポリヌクレオチドを固定化することを含むことができる。
【0116】
[0114]一部の実施形態では、結合速度は蛍光異方性によって測定され、ポリヌクレオチドは、フルオロフォアによって標識化され得る。一部の他の実施形態では、結合速度は、ITCによって測定される。
【0117】
[0115]上述の実施形態のいずれかにおいて、速度アッセイは、1つもしくは複数のポリヌクレオチド分子、あるいは1つもしくは複数のポリペプチドまたはそれらの一部の存在下で試験され得る。例えば、5’ssを含む標的mRNAに結合しているU1 snRNPは、スプライシングに関与する1つもしくは複数の補助スプライシング因子またはタンパク質の存在下で試験され得る。本明細書において使用されるタンパク質は、一部、例えばタンパク質のドメインを含むことができる。
【0118】
[0116]同様に、低分子の特異性を決定するための方法が、本明細書において提供される。例えば、最初のNMRスクリーニングにより選択される低分子は、上記の速度アッセイのいずれかで試験されて、様々な標的に対する低分子の結合親和性を決定することができる。標的は、タンパク質またはその一部の存在下または非存在下で、snRNAに結合している標的mRNAとすることができる。一部の実施形態では、低分子の特異的は、標的mRNA(例えば5’ss)およびsnRNA(例えばU1 snRNA)を含む様々なRNA-RNA二本鎖に対して試験される。一部の実施形態では、低分子の特異性は、標的mRNA(例えば5’ss)、snRNA(例えば、U1 snRNA)、およびタンパク質またはタンパク質ドメイン(例えばU1-Cジンクフィンガードメイン)を含む様々なタンパク質-RNA複合体に対して試験される。
【0119】
[0117]仮想スクリーニングまたは構造ベースの薬物設計は、NMR検討に後に行われ得る。上述のNMR検討では、任意の結合パートナー(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)の存在下で、各標的ポリヌクレオチドに関する3次元構造のモデルが生成され得る。例えば、snRNAまたはその一部に結合した標的mRNAに対する3次元構造のモデルが生成され得、RNA-RNA二本鎖に対する結合ポケットが特定され得る。別の例の場合、タンパク質結合パートナーまたはタンパク質のドメインの存在下で、snRNAに結合した標的mRNAに対する3次元構造のモデルが生成され得、RNA-タンパク質複合体の場合の結合ポケットが特定され得る。構造ベースの薬物設計または仮想スクリーニングプロセスに対する特定された結合ポケットがさらに使用され得る。構造ベースの薬物設計(または、直接的な薬物設計)は、X線結晶学またはNMR分光法などの方法によって得られた生物的標的分子(例えば、mRNA)の3次元構造の知識に依存し得る。標的の実験構造が入手可能でない場合、関連分子の実験構造に基づいた標的の相同性モデルを作成することが可能となることがある。生物的標的の構造を使用して、標的に高い親和性および選択性で結合することが予測される候補薬物が、対話型グラフィックスおよび医薬品化学者の直観を使用して設計され得る。代替として、様々な自動化計算手順が使用されて、新規な薬物候補を示唆することができる。
【0120】
[0118]構造ベースの薬物設計のための現在の方法は、大まかに3つの主な分類に分けることができる。第1の方法は、迅速なほぼ近似したドッキングプログラムを使用して、標的の結合ポケットに適合するものを見つけ出すために、低分子の3D構造の大きなデータベースを探索することにより、所与の受容体に対する新規リガンドを特定することである。第2の分類は、新規なリガンドのデノボ設計である。この方法では、リガンド分子は、段階的に小片を組み立てることにより、結合ポケットの制約内で構築される。これらの片は、個々の原子または分子断片のどちらか一方とすることができる。このような方法の重要な利点は、いかなるデータベースにも含まれていない新規な構造が示唆され得るということである。第3の方法は、結合ポケット内の提案されたアナログを評価することにより、既知のリガンドを最適化することである。構造ベースの薬物は、コンピュータプログラム(例えば、GOLD)によって支援され得、したがって、仮想スクリーニングプロセスと称され得る。本明細書で使用する場合、仮想スクリーニングまたはスクリーニングは、上記の方法である、構造ベースの薬物設計分類のすべてを幅広く包含することができる。本開示の一態様では、デノボでの薬物設計および/またはリードの最適化のために、低分子またはその断片を選択する仮想スクリーニングプロセスが提供される。一部の実施形態では、本開示は、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドによって形成される1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、および1つまたは複数の結合ポケットに対して1つもしくは複数の低分子またはその断片を仮想的にスクリーニングするステップであって、仮想スクリーニングプロセスが推定上の低分子または断片のヒットを特定するステップを含む方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、第1および第2の低分子ヒットは、仮想スクリーニングプロセスにより特定され得、第1および第2の低分子ヒットの結合速度が決定され得る。一部の実施形態では、第1および第2の低分子の結合速度が比較されて、低分子ヒットの結合親和性を推測し、より強力な低分子(すなわち、より高い結合親和性)を選択することができる。結合速度は、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性を含めた様々なアッセイによって決定され得る。
低分子およびスプライシング
[0119]RNA転写量への変化に関連する疾患は、異常なタンパク質発現に焦点をおいて処置されることが多い。しかし、このプロセスが、スプライシングプロセス、または関連転写因子、または関連安全性因子の構成成分などの、RNAレベルの異常変化の原因となるプロセスが、低分子による処置によって標的化され得る場合、RNA転写物または関連タンパク質の異常なレベルの発現が望ましくない作用となるようなタンパク質発現レベルを回復させることが可能になると思われる。本開示は、RNA転写物または関連タンパク質の発現異常に関連する疾患を予防または処置する方法として、ある種の遺伝子によってコードされるRNA転写物の量をモジュレートする方法を提供する。
【0121】
[0120]様々な実施形態では、本開示は、標的ポリヌクレオチド、例えばmRNAに結合する低分子結合剤を特定する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ポリヌクレオチド-タンパク質複合体、例えば、スプライシングに関与するmRNA前駆体およびタンパク質によって形成される複合体に結合する、低分子結合剤を特定する方法を提供する。様々な実施形態では、本開示は、ポリヌクレオチド-タンパク質複合体に結合することができる低分子結合剤を選択するためのスクリーニング法を提供する。様々な実施形態では、本開示は、異常なRNAスプライシングを修正することができる、低分子結合剤を選択するためのスクリーニング法を提供する。様々な実施形態では、本開示は、NMRによって低分子結合剤を選択するための方法を提供する。
【0122】
[0121]異常なスプライシングは、以下に限定されないが、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aを含めた、様々な遺伝子から転写されたmRNA前駆体に起こり得る。
【0123】
[0122]そのような異常なスプライシングによって引き起こされる例示的な疾患は、嚢胞性線維症、先天性筋緊張症、プロトポルフィリン症(赤芽球性)、リンパ増殖症候群(X連鎖)、神経線維腫症、網膜炎色素沈着、遅延性脊椎骨端異形成、てんかん(進行性ミオクローヌス)、ルビンシュタイン-テイビ症候群、筋ジストロフィー(メロシン欠損型)、後頭角症候群、中鎖アシル-CoA DH欠乏症、結節性硬化症、パーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症、骨形成不全症、先天性筋緊張症、後頭角症候群、家族性自律神経失調、脊髄性筋萎縮症、がん、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠乏症、エーラスーダンロス症候群、ファンコーニ貧血、マルファン症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、糖原病III型および非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)を含むことができる。
【0124】
[0123]一部の実施形態では、本開示により予防/処置され得る、非がん性疾患および/またはその関連状態は、ハッチンソン-ギルフォードプロジェリア症候群(HGPS)、肢帯型筋ジストロフィー1B型、2型家族性部分型リポジストロフィー、パーキンソン症候群染色体17を伴う前頭側頭型認知症、新生児低酸素症-虚血、家族性自律神経失調、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠乏症、エーラスーダンロス症候群、後頭角症候群、ファンコーニ貧血、マルファン症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、糖原病III型、チロシン血症(I型)、メンケス病、無アルブミン血症、先天性アセチルコリンエステラーゼ欠乏症、血友病B欠乏症(凝固第IX因子欠乏症)、劣性栄養障害性表皮水泡症、優性栄養障害性表皮水疱症、腎尿細管上皮細胞の体細胞変異、X連鎖性副腎白質ジストロフィー(X-ALD)、FVII欠乏症、ホモ接合性低ベータリポ蛋白症、毛細血管拡張性運動失調症、アンドロゲン感受性、一般的な先天性無フィブリノゲン血症、気腫のリスク、ムコ多糖症II型(ハンター症候群)(ハンター症候群)、重度のIII型骨形成不全症、エーラス-ダンロス症候群IV、グランツマン血小板無力症、軽度ベスレムミオパチー、ダウリング-メアラ型単純型表皮水疱症、度のMTHFR欠乏症、急性間欠性ポルフィリア、テイサックス症候群、筋型ホスホリラーゼ欠損症(マックアードル病)、慢性チロシン血症1型、胎盤の変異、白血球付着欠乏症、遺伝性C3欠乏症、胎盤アロマターゼ欠乏症、脳腱黄色腫症、デュシェンヌ型およびベッカー型筋ジストロフィー、重度の第V因子欠乏症、アルファ-サラセミア、ベータ-サラセミア、遺伝性HL欠乏症、レッシューナイハン症候群、家族性高コレステロール血症、ホスホグリセレートキナーゼ欠損症、カウデン症候群、X連鎖網膜色素変性(RP3)、クリグラー-ナジャー症候群1型、慢性チロシン血症I型、サンドホフ病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、家族性結節性硬化症、多発性嚢胞腎1、一次甲状腺機能亢進症、嚢胞性線維症、脊髄性筋萎縮症、神経線維腫症、神経線維腫症I型および神経線維腫症II型からなる群から選択される非がん状態または疾患を含む。
【0125】
[0124]具体的な実施形態では、本開示の化合物により処置されるがんは、白血病、急性骨髄性白血病、結腸がん、胃がん、黄斑変性、急性単球性白血病、乳がん、肝細胞癌、錐体杆体ジストロフィー、胞状軟部肉腫、骨髄腫、皮膚黒色腫、前立腺炎、膵臓炎、膵臓がん、網膜炎、腺癌、咽頭扁桃炎、腺様嚢胞癌、白内障、網膜変性、胃腸管間質腫瘍、ウェゲナー肉芽腫症、肉腫、ミオパチー、前立腺腺癌、ホジキンリンパ腫、卵巣がん、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、腎細胞癌、移行上皮癌、結腸直腸がん、慢性リンパ球性白血病、未分化大細胞型リンパ腫、腎臓がん、乳がん、子宮頚がんである。
【0126】
[0125]具体的な実施形態では、本開示により予防および/または処置されるがんは、基底細胞癌、杯細胞異形成または悪性神経膠腫、肝臓、乳房、肺、前立腺、子宮頸部、子宮、結腸、膵臓、腎臓、胃、膀胱、卵巣または脳のがんである。
【0127】
[0126]具体的な実施形態では、本発明により予防および/または処置されるがんには、以下に限定されないが、頭部、頸部、眼、口、咽喉、食道、食道、胸部、骨、肺、腎臓、結腸、直腸または他の胃腸管臓器、胃、脾臓、筋骨格、皮下組織、前立腺、乳房、卵巣、睾丸または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓および脳または中枢神経系のがんが含まれる。
【0128】
[0127]本開示により予防および/または処置され得るがんの具体例には、以下に限定されないが、以下:腎がん、腎臓がん、多形膠芽細胞腫、転移性乳がん;乳癌;乳房肉腫;神経線維腫;神経線維腫症;小児腫瘍;神経芽細胞腫;悪性黒色腫;表皮の癌;白血病(以下に限定されないが、急性白血病、急性リンパ性白血病など)、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄性、骨髄単球性、単球性、赤芽球系白血および骨髄異形成症候群など)、慢性白血病(以下に限定されないが、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病など);真性多血症;以下に限定されないが、ホジキン病、非ホジキン病などのリンパ腫;以下に限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨軟化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫および髄外性形質細胞腫などの多発性骨髄腫;ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症;意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症;良性単クローン免疫グロブリン血症;重鎖病;以下に限定されないが硬骨肉腫、骨髄腫骨疾患、多発性骨髄腫、コレステリン腫誘発骨肉腫、骨ページェット病、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘種、横紋筋肉腫および滑膜肉腫などの骨がんおよび結合組織肉腫; 以下に限定されないが、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、乏突起神経膠腫、非グリア系腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫および原発性脳リンパ腫などの脳腫瘍;以下に限定されないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、乳管内癌、髄様乳がん、粘液性乳がん、管状乳がん、乳頭状乳がん、パジェット病(若年性パジェット病を含む)および炎症性乳がんを含めた乳がん;以下に限定されないが、褐色細胞腫(pheochromocytom)および副腎皮質癌などの副腎がん;以下に限定されないが、乳頭または甲状腺濾胞がん、甲状腺髄様がんおよび未分化甲状腺がんなどの甲状腺がん;以下に限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍およびカルチノイドまたは膵島細胞腫瘍などの膵臓がん;以下に限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症および尿閉症(diabetes insipius)などの下垂体がん;眼がん(以下に限定されないが、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫および毛様体黒色腫などの眼内黒色腫など)および網膜芽細胞腫;扁平上皮癌、腺癌および黒色腫などの膣がん;扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫およびパジェット病などの外陰がん;以下に限定されないが、扁平上皮癌および腺癌などの子宮頚がん;以下に限定されないが、子宮内膜癌および子宮肉腫などの子宮がん;以下に限定されないが、卵巣上皮癌、境界腫瘍、胚細胞腫瘍および間質腫瘍などの卵巣がん;子宮頸癌;以下に限定されないが、扁平がん、腺癌、腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、プラズマ細胞腫、疣贅性がんおよび燕麦細胞(小細胞)癌などの食道がん;以下に限定されないが、腺癌、菌状(ポリープ)、潰瘍性、表在拡大型、広範囲拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫および癌肉腫などの胃がん;結腸がん;KRAS変異型結腸直腸がん;結腸癌;直腸がん;以下に限定されないが肝細胞癌および肝芽腫などの肝臓がん、腺癌などの胆嚢がん;以下に限定されないが乳頭性、結節性およびびまん性などの胆管癌;KRAS変異型非小細胞肺がん、非小細胞肺がん、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌および小細胞肺がんなどの肺がん;肺癌;以下に限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化、従来的(典型的)、精母細胞、非精上皮腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)、前立腺がん(下に限定されないが、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性前立腺がん、腺癌、平滑筋肉腫および横紋筋肉腫など)などの精巣がん;陰茎(penal)がん;以下に限定されないが、扁平上皮癌などの口腔がん;基底がん;以下に限定されないが腺癌、粘表皮癌および腺様嚢胞癌などの唾液腺がん;以下に限定されないが、扁平上皮細胞がんおよびいぼ状などの咽頭がん;以下に限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮癌および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、末端黒子型黒色腫などの皮膚がん;以下に限定されないが、腎細胞がん、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行上皮がん(腎盂および/または子宮)などの腎臓がん;腎癌;ウィルムス腫瘍;以下に限定されないが、移行上皮癌、扁平上皮細胞がん、腺癌、癌肉腫などの膀胱がんが含まれる。ないが移行上皮癌、扁平上皮細胞がん、腺癌、癌肉腫などの膀胱がんが含まれる。さらに、がんには、粘液肉腫、骨原性肉種、内皮肉腫、リンパ管内皮細胞肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮性癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌および乳頭腺癌が含まれる。
【0129】
[0128]ある種の実施形態では、本開示による予防および/または処置され得るがんには、以下:小児固形腫瘍、ユーイング肉腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、神経線維腫、表皮の癌、悪性黒色腫、子宮頸癌、結腸癌、肺癌、腎癌、乳癌、乳房肉腫、転移性乳がん、HIV関連カポジ肉腫、前立腺がん、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性前立腺がん、神経線維腫症、肺がん、非小細胞肺がん、KRAS変異型非小細胞肺がん、悪性黒色腫、黒色腫、結腸がん、KRAS変異型結腸直腸がん、多形膠芽細胞腫、腎がん、腎臓がん、膀胱がん、卵巣がん、肝細胞癌、甲状腺癌、横紋筋肉腫、急性骨髄性白血病および多発性骨髄腫が含まれる。
【0130】
[0129]一部の実施形態では、本開示による予防および/または処置される、がんおよびこれに関連する状態は、トリプルネガティブ乳がん、転移性結腸直腸がん、子宮内膜がん、転移性黒色腫、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸がん、腺癌、肉腫、黒色腫、肝臓がん、肝細胞癌、肝芽腫、肝臓癌、前立腺がん、前立腺腺癌、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性前立腺がん、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、前立腺癌、脳がん、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹グリオーマ、上衣腫、乏突起神経膠腫、非グリア系腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫、退形成性星細胞腫、若年性毛様細胞性星細胞腫、乏突起神経膠腫と星状細胞腫要素との混合物型、乳がん、転移性乳がん、乳癌、乳房肉腫、腺癌、小葉(小細胞)癌、乳管内癌、髄様乳がん、粘液性乳がん、管状乳がん、乳頭性乳がん、パジェット病、若年性パジェット病、炎症乳がん、肺がん、KRAS変異型非小細胞肺がん、非小細胞肺がん、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、小細胞肺がん、肺癌、結腸がん、KRAS変異型結腸直腸がん、結腸癌、膵臓がん、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、カルチノイド腫瘍、膵島細胞腫瘍、膵臓癌、皮膚がん、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、末端黒子型黒色腫、皮膚癌、子宮頚がん、子宮頚がん、扁平上皮癌、腺癌、子宮頸癌、卵巣がん、卵巣上皮癌、境界腫瘍、胚細胞腫瘍、間質腫瘍、卵巣癌、口腔のがん、血液がん、白血病、急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病、骨髄異形成症候群、慢性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、形質細胞性白血病、神経系のがん、中枢神経系のがん、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、CNS胚細胞腫瘍、杯細胞化生、腎臓がん、腎細胞がん、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行上皮がん(腎盂および/または子宮)、膀胱がん、移行上皮癌、扁平上皮細胞がん、腺癌、癌肉腫、胃がん、胃がん、腺癌、菌状(ポリープ)、潰瘍性、表在拡大型、広範囲拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、癌肉腫、子宮がん、子宮内膜癌、子宮肉腫、食道がん、扁平がん、腺癌、腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、プラズマ細胞腫、疣贅性がんおよび燕麦細胞(小細胞)癌、食道癌、直腸のがん、結腸直腸がん、直腸がん、直腸結腸癌、胆嚢がん、腺癌、胆管癌、乳頭型胆管癌、結節胆管癌、びまん性胆管癌、精巣がん、胚腫瘍、精上皮腫、未分化精巣がん、従来的な(典型的な)精巣がん、精母細胞性精巣がん、非精上皮腫、精巣がん、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)、胃がん、胃腸管間質腫瘍、他の消化管臓器のがん、胃癌、骨がん、結合組織肉腫、硬骨肉腫、骨髄腫骨疾患、多発性骨髄腫、コレステリン腫誘発骨肉腫、骨ページェット病、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(血管肉腫)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘種、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、リンパ節のがん、リンパ管内皮腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨軟化性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、胞状軟部肉腫、腺様嚢胞癌、腎細胞癌、移行上皮癌、胚細胞がん、悪性神経膠腫、腎癌、膣がん、扁平上皮癌、腺癌、黒色腫、外陰がん、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、肉腫、パジェット病、他の生殖器のがん、甲状腺がん、甲状腺乳頭がん、甲状腺濾胞がん、甲状腺髄様がん、未分化甲状腺がん、甲状腺癌、唾液腺がん、腺癌、粘表皮癌、眼がん、眼内黒色腫、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、毛様体黒色腫、網膜芽細胞腫、陰茎がん、口腔がん、扁平上皮癌、基底がん、咽頭がん、扁平上皮細胞がん、いぼ状咽頭がん、ウィルムス腫瘍、頭部のがん、頸部のがん、眼のがん、咽頭部のがん、胸部のがん、脾臓のがん、骨格筋のがん、皮下組織のがん、副腎がん、褐色細胞腫、副腎皮質癌、下垂体がん、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、先端巨大症、夜尿病、粘液肉腫、骨原性肉種、内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮性癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、脳室上皮腫(ependyoma)、視神経膠腫、原始神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、腎がん、多形膠芽細胞腫、神経線維腫、神経線維腫症、小児がん、神経芽細胞腫、悪性黒色腫、表皮の癌、真性多血症、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、良性単クローンガンマグロブリン血症、重鎖病、小児固形腫瘍、ユーイング肉腫、ウィルムス腫瘍、表皮の癌、HIV関連カポジ肉腫、横紋筋肉腫、卵胞膜細胞腫、男化腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜過形成、子宮内膜症、線維肉腫、絨毛癌、鼻咽頭癌、喉頭癌、肝芽腫、カポジ肉腫、血管腫、海綿状血管腫、血管芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経膠芽腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨原性肉種、平滑筋肉腫、尿路癌、母斑症を伴う異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、下垂体腺腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫(medullblastoma)および聴神経鞘腫である。
【0131】
[0130]ある種の実施形態では、本開示により予防および/または処置されるがんならびにそれに関連する状態は、乳癌、肺癌、胃癌、食道癌、結腸直腸癌、肝臓癌、卵巣癌、卵胞膜細胞腫、男化腫瘍、子宮癌、子宮内膜癌、子宮内膜過形成、子宮内膜症、線維肉腫、絨毛癌、頭頸部がん、鼻咽頭癌、喉頭癌、肝芽腫、カポジ肉腫、黒色腫、皮膚癌、血管腫、海綿状血管腫、血管芽細胞腫、脾臓癌、網膜芽細胞腫、星状細胞腫、神経膠芽腫、神経鞘腫、乏突起神経膠腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨原性肉種、平滑筋肉腫、尿路癌、甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、腎細胞癌、前立腺癌、母斑症を伴う異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)またはメイグス症候群である。具体的な実施形態では、がん、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、乏突起神経膠腫と星状細胞腫要素との混合型、上衣腫、髄膜腫、下垂体腺腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、またはCNS胚細胞腫瘍。
【0132】
[0131]具体的な実施形態では、本開示により処置されるがんは、聴神経鞘腫、退形成性星細胞腫、多形膠芽細胞腫または髄膜腫である。
[0132]他の具体的な実施形態では、本開示により処置されるがんは、脳幹グリオーマ、頭蓋咽頭腫、脳室上皮腫、若年性毛様細胞性星細胞腫、髄芽腫、視神経膠腫、原始神経外胚葉性腫瘍またはラブドイド腫瘍である。
【0133】
[0133]本開示の一部の態様では、スクリーニング法によって特定される低分子は、静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、鼻腔投与、皮膚投与または眼投与による哺乳動物への投与向けに製剤化され得る。一態様では、スクリーニング法によって特定された低分子が使用されて、疾患または状態に関連するタンパク質のRNAスプライシングをモジュレートすることにより処置され得る疾患または状態を処置することができる。
【0134】
[0134]一部の実施形態では、本開示により特定される低分子は、最大で約2000ダルトン、1500ダルトン、1000ダルトンまたは900ダルトンの分子量を有する。一部の実施形態では、本開示により特定される低分子は、少なくとも100ダルトン、200ダルトン、300ダルトン、400ダルトンまたは500ダルトンの分子量を有する。一部の実施形態では、本開示により特定される低分子は、ホスホジエステル連結基を含まない。
【0135】
[0135]本開示において特定される低分子を使用して、5’ss、隠れた5’ss、3’ss、隠れた3’ss、ESE、ESS、ISEおよび/またはISSの変異により引き起こされるスプライシングの異常をモジュレートすることができる。モジュレートは、増強/活性化および予防/阻止の両方を含むことができる。一部の実施形態では、モジュレートは、増強/活性化とすることができ、この場合、低分子は、標的ポリヌクレオチドに結合する1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの結合を安定化または増強する。例えば、低分子は、標的mRNAに結合することができ、したがって、標的ポリヌクレオチドに結合する追加のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの結合を促進することができる。一部の場合、低分子は、標的mRNAに結合するRNAの結合を促進することができる。一部の場合、低分子は、標的mRNAに結合するタンパク質またはその一部の結合を促進することができる。一部の場合、低分子は、標的RNA-RNA二本鎖に結合するタンパク質またはその一部の結合を促進することができる。一部の場合、低分子は、標的mRNAに結合するタンパク質-RNA複合体(例えば、snRNP)の結合を促進することができる。一部の場合、低分子は、標的mRNAの二次もしくは三次構造、または分子部分を変更することにより、標的RNA-RNA二本鎖に結合するタンパク質またはその一部の結合を促進することができる。例えば、低分子は、5’ssもしくは3’ss、またはそれらの一部を含有する標的mRNAに結合するポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの結合を促進し、これにより、隣接エクソンの取り込みを促進することができる。
【0136】
[0136]一部の実施形態では、モジュレートは、予防/阻害とすることができ、この場合、低分子は、1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、標的ポリヌクレオチドに結合するのを不安定化または阻止する。例えば、低分子は、標的mRNAに結合することができ、したがって、追加のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、標的ポリヌクレオチドに結合するのを阻止する。一部の場合、低分子は、RNAが標的mRNAに結合するのを阻止することができる。一部の場合、低分子は、タンパク質またはその一部が標的mRNAに結合するのを阻止することができる。一部の場合、低分子は、タンパク質またはその一部が標的RNA-RNA二本鎖に結合するのを阻止することができる。一部の場合、低分子は、タンパク質-RNA複合体(例えばsnRNP)が標的mRNAに結合するのを阻止することができる。一部の場合、低分子は、標的mRNAの二次もしくは三次構造、または分子部分を変更することにより、標的RNA-RNA二本鎖に結合するタンパク質またはその一部の結合を促進することができる。例えば、低分子は、隠れた5’ssもしくは隠れた3’ss、またはそれらの一部を含有する標的mRNAに結合するポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを阻止し、これにより、隣接エクソンの取り込みを促進することができる。例えば、低分子は、本来の5’ssもしくは本来の3’ss、またはそれらの一部を含有する標的mRNAに結合するポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを阻止し、これにより、エクソンの喪失を促進することができる。
【0137】
[0137]本開示において特定される低分子を使用して、1つまたは複数のタンパク質におけるスプライシングの異常に関連する疾患または状態を処置することができる。本開示において特定された低分子が使用されて、スプライシングをモジュレートする、例えば、産生したRNA転写物の量をモジュレートすることができる。一部の実施形態では、本開示において特定された低分子が使用されて、シス作用性エレメントにおけるいかなる変異にも関連しないスプライシングをモジュレートすることができる。
【0138】
[0138]一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列GGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagc、AGA/gugagu、AGA/gugagu、GGA/gugagu、CGA/guccgu、GGAguaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guagau、UGA/gugaau、GGA/guuagu、AGA/guaggu、AGA/guaggu、GGA/guaggu、またはAGA/gugcguを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列ACA/gugagg、AAA/auaagu、GAA/ggaagu、GAA/guaaau、GCA/guagga、CAA/gugagu、GUA/gugagu、GAA/guggg、CCA/guaaac、UUA/guaaau、CAA/guaaac、ACA/guaaau、GAA/guaaac、UCA/guaaac、UCA/guaaau、GCA/guaaau、ACA/guaaau、CAA/guaagc、CAA/guaagg、UCA/guaagu、AUA/gugaau、CAA/gugaaa、CCA/gugaga、UCA/gugauu、GAA/gugugu、GAA/uaaguu、CAA/guaugu、AAA/guaugu、CAA/guauuu、ACA/guuagu、GCA/guuagu、またはACA/guuugaを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CAA/guaacu、AUA/gucagu、GAA/gucugg、AAA/guacauを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列NNBgunnnn、NNBhunnnnまたはNNBgvnnnnを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列NNBgurrrn、NNBguwwdn、NNBguvmvn、NNBguvbbn、NNBgukddn、NNBgubnbd、NNBhunngn、NNBhurmhdまたはNNBgvdnvnを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。それらの実施形態では、N(またはn)は、A、U、GまたはCであり、B(またはb)は、C、GまたはUであり、H(またはh)は、A、CまたはUであり、dは、a、gまたはuであり、mは、aまたはcであり、rは、aまたはgであり、vは、a、cまたはgであり、kは、gまたはuであり、wは、aまたはuである。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CAC/gugagc、UCC/gugagc、AGC/gugagu、AGC/gugagu、AGG/gugagg、GUG/gugagc、GAG/gugagg、CCG/gugagg、UUG/gugagc、GUG/gugagu、UUU/gugagc、UUU/gugagc、GAU/gugagg、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、AAC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagg、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GAG/guaaga、CAG/guaagu、AGU/guaagc、AAU/guaagc、AAU/guaagg、CCU/guaagc、AGU/guaagu、GGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、GAU/guaagu、UCC/gugaau、CCG/gugaau、ACG/gugaac、CUG/gugaau、AGG/gugaau、UUG/gugaau、CCG/gugaau、GAG/gugaag、CCU/gugaau、CGU/gugaau、CCU/gugaau、GAG/guagga、CAU/guaggg、UGG/guggau、CAG/guggau、UGG/guggau、CGG/gugggu、GCG/guggga、UGG/guggggg、UGG/gugggug、CGU/gugggu、AUC/gguaaaa、GGG/guaaau、GCG/guaaaa、CAG/guaaag、UGG/guaaag、AAG/guaaag、AAG/guaaau、CAG/guaaag、UAG/guaaag、UUG/guaaag、GAG/guaaag、CAG/guaaag、AUG/guaaaa、AAG/guaaag、CAG/guaaag、CAG/guaaaa、GAG/guaaag、AAG/guaaag、UGU/guaaau、GUU/guaaau、GUU/guaaau、UCU/guaaau、GCU/guaaau、GAU/guaaau、GCU/guaaau、UCU/guaaau、ACU/guaaau、CCU/guaaau、CCU/guaaau、ACU/guaaau、AAU/guaaau、AGG/guagac、UUG/guagau、CAG/guagag、AAG/guagag、AAU/gugagu、CAG/gugagc、AAG/gugggu、AAG/guaggg、CAG/guaggc、またはAGC/guagguを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CAG/guaau、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、GAG/guaauac、GAG/guaauau、GAG/guaaugu、AAG/guaauaa、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、AAG/guaaugua、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、GCU/guaauu、CCU/guaauu、GAU/guaauu、CAU/guaauu、AAU/guaauu、AGG/guauau、CAG/guauau、UAG/guauau、CAG/guauau、CGG/guauau、GAG/guauau、CGG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauac、UAG/guauau、CAG/guauag、CAG/guauau、AAG/guuaag、AUC/guuaga、GCG/guuagu、AAG/guuagc、UGG/guuagu、GCG/guuagu、CUG/guuugu、CUG/guauga、CAG/guauga、UAG/guauga、AAG/guaugg、AAG/guauga、GAG/guaugg、CAG/guauga、CAG/guaugg、AAG/guaugg、UGG/guaugc、CAG/guaugu、AUG/guaugu、AAG/guaugu、AAG/guaugg、CAG/guaugg、GAG/guauga、CGG/guaugg、AAU/guaugu、AAG/guauuu、AUG/guauuu、UAG/guauug、AAG/guauuu、CAG/guauug、CAG/guauug、CAU/guauuu、ACU/guauu、AAG/guuuau、AAG/guuuaa、CAG/guuugg、CAG/guuugg、CAG/guuugc、AAG/guuugg、AAG/guuugg、またはUGG/guaugcを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CCG/guaacu、UUG/guaaca、AUG/guaacc、GGG/guaacu、AAG/guaaca、AAG/guaacu、UUG/guaaca、GCU/guaacu、ACU/guaacu、GCU/guaacu、UAG/guaccc、AAG/guaccu、CAG/guaccg、UGG/guacca、CAG/gucaau、AAG/gucaau、AAG/gucaag、AUG/guacau、GGG/guacau、UUG/guacau、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、AAG/guacag、CAG/guacag、GAG/guacaa、AAG/guacag、CAG/guacaa、UGU/guacau、CAG/gugcac、GGG/gugcau、CUG/gugcau、UAG/gugcau、CAG/gugcag、CAG/gugcag、AGG/gugcaa、AAC/gugacu、UCC/gugacu、CCG/gugacu、GCG/gugacu、GGG/gugacg、GGG/gugacg、GCG/gugacu、AUG/gugacc、GAU/gugacu、GGC/gucagu、またはUAG/gucagaを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列AAG/guacgg、AAG/guacgg、AAG/guacug、AAG/guagcg、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagug、AAG/guauca、AAG/guaucg、AAG/guaucu、AAG/gucucu、AAG/gugccu、AAG/guggua、AAG/guguua、ACG/guagcu、AGC/guacgu、CAG/guacug、CAG/guagua、CAG/guagug、CAG/guagug、CAG/guaucc、CAG/gugcgc、またはGAG/gugccuを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CGG/guguau、AAG/guguau、GAG/guguac、CAG/guguau、UAG/guguau、CAG/guguag、GAG/guguau、AAG/gugugc、CAG/guguga、AAG/gugugu、CAG/guguga、CAG/gugugu、UGG/gugugg、CUG/guguga、CGG/gugugu、GAG/gugugc、CAG/guguga、AAU/gugugu、CAG/gugugu、CAG/gugugu、GAG/gugugu、CAG/guuguu、CAG/guuguc、GUG/guugua、CAG/guuguu、AAC/gugauu、CAG/gugaua、AGG/gugauc、GUG/gugauc、CCU/gugauu、GAU/gugauu、CAC/guuggu、CAG/guuggc、AAG/guuagc、またはCAG/guugauを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。
一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列AUG/gucauu、CGG/gucauaauc、AAG/gucugu、AAG/gucuggg、CAG/gucugga、CAG/gucuggu、CAG/gucuga、GAG/gucuggu、AAG/gugucu、AAG/gugucu、AGG/gugucu、CUG/gugcuu、CAG/gucuuu、CAG/guugcu、GAG/gugcugまたはCAG/gugcugを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CGC/auaagu、UUC/auaagu、UGG/auaagg、ACG/auaagg、GUU/auaagu、CCU/auaagu、UUU/auaagc、GAG/aucugg、AAC/augagga、GAC/augagg、ACC/augagu、GGG/augagu、AAG/augagc、CAG/augagg、GAG/augagg、GCG/augagu、AAG/gaugag、CCU/augagu、GAU/augagu、GAU/augagu、UAG/augcgu、CAG/auuggu、AAG/auuugu、ACG/cuaagc、CAG/cugugu、CUG/uuaag、GAG/uuaagu、AAG/uuaagg、AUU/uuaagc、CUG/uugaga、CAG/uuuggu、またはGGG/auaaguを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列CAG/auaacu、GAG/cugcagまたはAAG/uuaauaを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。一部の実施形態では、本開示において特定される低分子は、配列GCG/gagagu、AAG/ggaaaa、AUC/gguaaaa、AAG/gcaaaa、UGU/gcaagu、GAG/gcaggu、GAG/gcgugg、GAG/gcuccc、CAG/gcugguまたはAAG/gaugagを含むスプライス部位配列のスプライシングをモジュレートする。
【0139】
[0139]本開示によって特定され得る例示的な低分子が、表3に要約されている。
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【実施例】
【0163】
実施例1
[0140]本実施例は、標的RNAに結合する結合剤を特定するための、本明細書において提供されている方法を使用する例示的な実験計画を提供する。この実験は、以下の工程を含む:
[0141]工程1は、RNA二本鎖形成およびNMRスクリーニングを含むことができる。低分子を使用したNMRと低分子を使用しないNMRスペクトルを比較して、低分子がRNA二本鎖に結合するかどうかを判定することができる。本明細書に記載されている標的遺伝子のスプライシングモディファイヤーを特定するため、化合物のライブラリーは、RNA二本鎖に結合する能力に関して試験することができる。この場合、フリーRNA二本鎖の2D 1H-1H TOCSYの指紋領域を記録し、候補分子を添加した後の同じ指紋領域と比較する。これらの2つの指紋スペクトルを比較することにより、これらのスペクトルが差異を示すか否かを迅速に分かり得る。候補分子の添加により、RNAのケミカルシフトの変化が誘発された場合、これは、分子とRNA二本鎖との間に直接的な相互作用があることを支持する。2つの異なるスペクトルに由来するケミカルシフトと指紋領域の比較から、本発明者らは、RNA二本鎖に結合する低分子またはRNA二本鎖に結合しない分子を判定して特定することができる。
【0164】
[0142]工程2は、U1-Cジンクフィンガードメインの結合特異性および効果を含むことができる。このスクリーニングは、自由RNAと、低分子添加後との間の比較に基づく。さらなる検討のため、RNA二本鎖結合剤を選択する。第1に、相互作用の強度を決定することができる。目的の低分子によりRNAの滴定を行うことにより、相互作用の強度を判定することができる。第2に、相互作用の特異性を判定することができ、目的の低分子は、いくつかの異なるRNA二本鎖に対して試験することができるので、他のRNA二本鎖上のヒット分子を試験することにより、特定された相互作用の特異性を試験することができる。第3に、RNA二本鎖上の低分子結合剤の特異性および特有の結合位置は、様々なRNA結合剤を互いに比較することにより、解明することができる。最後に、U1-Cのジンクフィンガーをアッセイに加え、これがRNA二本鎖-低分子の相互作用にどのように影響を及ぼすか、または相互作用と競合するかどうかを試験する可能性を提供する。
【0165】
[0143]工程3は、RNA二本鎖-低分子複合体のNMR構造決定を含むことができる。溶液状態のNMRを使用して構造決定を行うために、最も有望な低分子-RNA二本鎖を選択する。このような複合体の構造を解明するために、共鳴帰属を行うためだけではなく、NOE誘導距離を特定して構造計算を推進するのにも高磁場NMR分光計の利用が極めて重要である。このような複合体の構造を解明するため、NMR900MHz以上の分光計を使用してデータを修正することが要求されることがある。
【0166】
実施例2
[0144]この実施例は、最大で200ヌクレオチド長を有するエクソン-イントロン境界を含有するmRNA断片を使用する方法を提供する。いくつかの実験では、mRNAは標識化されていない。非標識化標的の1Hスペクトルを得る。他のいくつかの例では、5’ss配列の8~12のヌクレオチドに関与するエクソン/イントロンヌクレオチドは、NMRを用いる測定のために、同位体標識され得る。これにより、本発明者らは、この実験の分解能をなんら失うことなく、および配列の残りに結合する化合物を判定できなくなることなく、mRNAの二次構造を保存することが可能となる。様々な標的のU1(5’-AUACΨΨACCUG-3’)の5’末端と5’ssとの間の二本鎖RNA(表1~2を参照されたい)は、NMR緩衝液中で、U1 snRNAおよび5’ssをほぼ等モル量で添加することにより形成され得る。この実験は、以下の工程:1)mRNA配列のより大きな領域を非標識状態に留めながら、mRNA配列の区域、この場合、5’ssを場合により放射標識する工程(しかし、2-D/3-Dの精巧な構造を提供する)、2)NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料、例えば二本鎖RNAのNMRスペクトルを得る工程、3)U1タンパク質、次に目的の低分子を導入して、snRNAとの5’ss二本鎖の1個または複数の原子のケミカルシフトを決定する工程、4)U1タンパク質の添加時に、ケミカルシフトの変化を測定し、mRNAがU1タンパク質と相互作用し得るか、または相互作用し得ないかを示す工程、5)低分子およびU1タンパク質の添加時にケミカルシフトの変化を測定し、mRNAが、低分子およびタンパク質と、U1タンパク質単独の添加とは異なる相互作用し得ることを示す工程、および6)U1タンパク質および/または低分子の存在下で、ケミカルシフトを収集する工程を含む。ケミカルシフトを使用して、mRNAの二分子構造および結合した低分子を決定することができる。NMRスペクトルから、5’ssと低分子との構造の2-Dまたは3-D原子分解能を計算によりモデル化することができる。二次構造予測アルゴリズム(例えば、近傍アルゴリズム)またはコンピュータプログラムを使用して、複数の二次構造予測を計算することができる。MC-fold|MC-Symパイプラインとは、RNA二次および三次構造予測に関するウエブホスティングサービスである。このパイプラインは、MC-Foldへの入力配列は、MC-symに直接、入力される二次構造を出力し、これにより、三次構造が出力されることを意味する。
【0167】
実施例3
[0145]この実施例は、RNAのNMR調製、およびRNA-化合物複合体の試料に関する例示的な実験手順を提供する。運動ニューロン(SMN)タンパク質が生存するためのRNAを、ここでは実施例として使用する。SMN 5’ss RNA(5’-GGAGUAAGUCU)、U1 snRNA(5’-GAUACUUACCUG)およびSMN ssRNA/U1 snRNP連結RNA(5’-GGAGUAAGUCU-GAUACUUACCUG)は、TriLink BioTechnologiesまたはIntegrated DNA Technologiesによって合成することができる。dsRNAは、NMR緩衝液(20mMリン酸カリウム、pH6.2、100mM KClおよび0.1mM EDTA)中で、等モル濃度のSMN ssRNAおよびU1 snRNAを混合することにより調製することができる。様々なRNA-RNA二本鎖をこの実験に使用することができ、
図2に例がある。この混合物を5分間、60℃に加熱し、次に、室温まで冷却することができる。1次元NMR結合検討のための試料は、D2O緩衝液中で、100μMの化合物および5μMのdsRNAを用いて作製することができる。SMN ssRNA/U1 snRNP連結RNAは、ステムループ塩基対パターンが、TOCSYによって、SMN ssRNA/snRNP RNA dsRNAのそれと同じであることを確認した後に、計算によるモデル構造の決定に使用することができる。D
2OまたはH
2O 緩衝液中のSMN ssRNAとU1 snRNAとのTOCSY用の試料を5分間、85℃に加熱し、次に、室温まで冷却することができる。SMN ssRNA-U1 snRNA-NVS-SM2複合体は、化合物濃度が飽和に到達するまで、350~500μMのdsRNAにNVS-SM2の10mM DMSO-d6保存溶液を加えることにより調製することができる。
【0168】
実施例4
[0146]AVANCE III 600MHzまたは800MHzの分光計(Bruker)でNMR実験を行うことができる。試料温度は、dsRNAを使用する結合実験の場合、20℃とすることができ、RNA-11およびRNA-12を用いる、1D 1H、ならびに2-D COSYおよびTOCSYを含めた構造決定実験の場合、5~37℃とすることができる。このモデルは、TOCSYスペクトルの分析を含んだデータセットから組み立てた。
【0169】
[0147]NMRスペクトルは、クライオプローブを装備したBruker Avance III 500、600、700または900MHzの分光計、および室温プローブを装備したBruker Avance III 750MHz分光計で、RNA-タンパク質複合体の場合、303Kおよび313Kで、または他のすべてのタンパク質複合体の場合、313Kで取得することができる。スペクトルは、Topspin2.1またはTopspin3.0で処理し、Sparky 3.0で解析することができる。RNAおよびタンパク質の1H、13Cおよび15Nの帰属は、当分野における標準法によって実現することができる。RNA-タンパク質複合体のモデル化の場合、HHC-およびHHN-3D-NOESY実験、ならびに主鎖アミドおよびRNA-C1’-H1’、C5-H5、C6-H6、C8-H8およびC2-H2結合について測定した残余双極子カップリングから誘導した分子内距離拘束を使用することができる。分子内距離拘束は、13C15N標識タンパク質および非標識RNAから、または15N標識タンパク質および13C15N標識RNAのどちらか一方から再構成した複合体に関して記録した、3-D 13C-F1編集、F3-フィルター-NOESY-HSQCおよび2-D 1H-1H F1-13C-フィルター、F2-13C-編集NOESYスペクトルから抽出することができる。
【0170】
実施例5
[0148]この実施例は、例示的なモデル化戦略を提供する。RNA-タンパク質複合体のモデル化は、構造予測およびタンパク質-RNA複合体の決定に古典的に必要な様々なソフトウェアの組合せ物を用いて実行することができる。Atnos/Candidプログラムスイートおよび人工RRM NOESYマトリックスを使用して、RRM foldに典型的な分子内NOESYパターンに対応するピークリストを作成することができる。CYANA3.0およびより詳細にはCYANAのnoeassignコマンドを使用して、距離および角拘束を一体化して、モデルを計算することができる。モデル化の場合、架橋部位は、それぞれ、核酸の塩基環とアミノ酸の側鎖との間の様々な距離を規定するので、CLIR-MS/MS-データは、曖昧な距離拘束として盛り込まれ得る。分子内拘束は、RCSBタンパク質データバンク(PDB)における公開されているタンパク質構造、ならびにMC-FOLDおよびMC-SYMによって予測されるRNA構造から誘導することができる。入手可能な複合体構造から抽出した追加的な特異的タンパク質-RNA拘束は、明確な距離拘束として統合され得る。すべてのモデルに関して、サイクル当たり約200の構造が計算され得、最低エネルギーのうちの約20種が、次のサイクルの開始集団として選択され得る。RNA-タンパク質複合体のモデル化の場合、RNA部分を除いた、サイクル1におけるPBDからの平均的なタンパク質-RNA複合体構造を用いて、CYANA noeassign計算を開始することができる。立体衝突を回避し、静電性および疎水性タンパク質-RNA拘束を改善するため、amber12力場により、CYANA noeassignを用いて得られた最終的な20種の最低エネルギーモデルを精密化した。
【0171】
実施例6
[0149]この実施例は、RNAに結合するU1 snRNPのSPR分析による結合速度を示す。ビオチン化RNA(5’-ビオチンTEG/UCUAAGGCGUAAGUCUGCCAG-3’および5’-ビオチンTEG/UCUAAGCAGUAAGUCUGCCAG-3’)は、Integrated DNA Technologiesにより合成することができる。結合相において化合物だけを用いた最初のSRP検討は、25℃でBiacore T100で行うことができる。SPR緩衝液(38mM HEPES、pH7.6、60mM KCl、0.12mM EDTA、3.2MgCl2、0.05% P20)にRNAを希釈し、90℃まで加熱し、室温までゆっくりと冷却し、14,000gで10分間、遠心分離にかけ、110相対単位(RU)の目標レベルを、ストレプトアビジンコーティングSAチップ(GE Healthcare)に捕捉する。DMSOまたは化合物のどちらか一方を含有するSPR緩衝液を用いて、U1 snRNPを1:50に希釈する。最終DMSO濃度は0.5%であり、泳動用緩衝液を同じ割合に調節する。表面を1M NaCl、10mM NaOHを用いて再生成させる。25RUという最小限の表面にロードした標的RNAを用いて、NLCチップ(Bio-Rad)を使用して、25℃でProteOn XPR36で同じ緩衝条件下で共注入実験を行う。ProteOnの共注入機能により、結合相および解離相の両方において、NVS-SM2またはDMSOの試験が可能となった。解離速度定数は、分析対象物の濃度に無関係であり、二連の注入からProteOnソフトウェアを使用して測定することができる。データはすべて、タンパク質だけの表面、および緩衝液の注入に二重参照し、体積を除外するためのDMSO補正を行う。
【0172】
実施例7
[0150]この実施例は、RNAに結合するU1 snRNのSPR分析による結合速度を示す。300RUという最小限の表面にロードした標的RNAを用い、NLCチップ(BioRad)を使用して、20℃でProteOn XPR36でSPR検討を行う。DMSOまたは化合物のどちらか一方を含有するSPR緩衝液を用いて、U1 snRNA(5’-AUACUUACCUG-3’)を1μMまで希釈する。共注入機構を使用し、その結果、結合相および解離相は、DMSOまたは化合物のどちらかを含んだ。表面再生成および参照は、上記の実施例5として行う。
【0173】
実施例8
[0151]
図1は、バイオレイヤー干渉法(BLI)による、結合速度アッセイの模式図を示している。この例示的な実験設計では、snRNAは、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用により表面に固定する。溶液中で、標的mRNAおよびU1-Cジンクフィンガードメインを加え、これらは、固定化したsnRNAに結合して、複合体を形成する。低分子結合剤の存在下で、上記の複合体は、RNA-RNA二本鎖に結合して、タンパク質がRNA-RNA二本鎖に結合するのを阻害することにより、タンパク質-RNA複合体を不安定化することができる。結合速度を決定するため、様々な濃度の低分子を同じ標的複合体(例えばmRNA-snRNA-U1-C)に滴定する。K
dは、低分子滴定により決定することができる。
【0174】
実施例9
[0152]本明細書において開示されている目的の低分子は、有効性測定に関する、細胞をベースとするアッセイ、例えば、IC
50で試験することができる。細胞生存率を測定するため、5×10
3細胞/ウェルの密度で96ウェルのプラスチック組織培養プレートでプレート培養した。プレート培養して24時間後に、細胞をRG-11-1 化合物で処置した。72時間後、細胞培養培地を取り除き、0.5%クリスタルバイオレットおよび25%メタノールを含有する溶液100mL/ウェルを使用してプレートを染色し、脱イオン水でゆすぎ、一晩、乾燥させて、100mlのクエン酸緩衝液(50%エタノール中の0.1Mクエン酸ナトリウム)中で再懸濁させて、プレート培養効率を評価した。570nmで評価し、Vmax KineticマイクロプレートリーダーおよびSoftmaxソフトウェア(Molecular Devices Corp.、Menlo Park、CA)を使用して定量したクリスタルバイオレット染色の強度は、細胞数に直接、比例した。データをビヒクル処置細胞に正規化し、代表的な実験からの平均値±SEとして
図3A~Fに表す。
【0175】
実施例10
[0153]例えば、開示されている方法を使用して、FOXM1遺伝子から発現したmRNAのスプライシングをモジュレートするための低分子結合剤を選択することができる。例示的な低分子は、FOXM1 mRNA(エクソン9の5’ss)の5’ssを標的とすることができる。これらの低分子はまた、mRNAの一部の他のエレメントを標的とすることができるか、または他の遺伝子の場合、他のmRNAを標的とすることができる。例示的な構造は、本明細書において要約されている:
[0154]一態様では、本開示の方法によって特定することができる化合物は、式(I)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0176】
【0177】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-、-S(=O)2NR1-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0178】
[0155]別の態様では、本開示の方法によって特定することができる化合物は、式(II)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0179】
【0180】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
R2は、H、D、-F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2である)
を有する。
【0181】
[0156]一部の実施形態では、本明細書において特定することができる化合物は、式(III)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0182】
【0183】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
環Dは、単環式炭素環または単環式複素環であり、
RDはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L5は、-X3-L6-または-L6-X3-であり、
X3は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L6は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6であり、
pは、0、1、2、3または4である)
を有する。
【0184】
[0157]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(IV)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0185】
【0186】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
R2は、H、D、-F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
環Dは、単環式炭素環または単環式複素環であり、
RDはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L5は、-X3-L6-または-L6-X3-であり、
X3は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L6は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
pは、0、1、2、3または4である)
を有する。
【0187】
[0158]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(V)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0188】
【0189】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
Y1は、-W1-Y2-または-Y2-W1-であり、
W1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
Y2は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-、-S(=O)2NR1-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0190】
[0159]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(VI)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0191】
【0192】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、 L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
Y1は、-W1-Y2-または-Y2-W1-であり、
W1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
Y2は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
R2は、H、D、-F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2である)
を有する。
【0193】
[0160]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(VII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0194】
【0195】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
Y1は、-W1-Y2-または-Y2-W1-であり、
W1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
Y2は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
環Dは、単環式炭素環または単環式複素環であり、
RDはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L5は、-X3-L6-または-L6-X3-であり、
X3は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L6は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6であり、
pは、0、1、2、3または4である)
を有する。
【0196】
[0161]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(VIII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0197】
【0198】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
Y1は、-W1-Y2-または-Y2-W1-であり、
W1は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
Y2は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-N(R1)2、-S(=O)2R1、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、NR10C(=N-CN)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
R2は、H、D、-F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルキニルおよび置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルから独立して選択され、
環Dは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RDはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L5は、-X3-L6-または-L6-X3-であり、
X3は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2NR1-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-または-NR1-であり、
L6は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C4アルキレンであり、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
pは、0、1、2、3または4である)
を有する。
【0199】
[0162]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(IX)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0200】
【0201】
(式中、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-S(=O)2NR1-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-または-NR1S(=O)2-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-、-S(=O)2NR1-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0202】
[0163]一態様では、式(X)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物が、本明細書に記載されている:
【0203】
【0204】
(式中、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-S(=O)2NR1-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-または-NR1S(=O)2-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-、-S(=O)2NR1-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0205】
[0164]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XI)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0206】
【0207】
(式中、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC3~C6シクロアルキル、置換または無置換のC2~C6アルケニル、置換または無置換のC2~C6アルキニル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキルおよび置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキルから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、-S(=O)2NR1-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-または-NR1S(=O)2-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-、-S(=O)2NR1-または-NR1-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C3アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R11、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1または2であり、
mは、0、1または2であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0208】
[0165]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0209】
【0210】
(式中、
Aはそれぞれ、独立して、NまたはCRAであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ハロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0211】
[0166]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XIII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0212】
【0213】
(式中、
Aはそれぞれ、独立して、NまたはCRAであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ハロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
RCは、-CN、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルであり、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3である)
を有する。
【0214】
[0167]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XIV)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0215】
【0216】
(式中、
Aはそれぞれ、独立して、NまたはCRA1であり、
RA1はそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
RA2は、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC3~C6シクロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、または置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキルであり、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ハロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、または置換または無置換のヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、 L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0217】
[0168]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XV)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0218】
【0219】
(式中、
Aはそれぞれ、独立して、NまたはCRA1であり、
RA1はそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
RA2は、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC3~C6シクロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、または置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキルであり、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L3は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ハロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、または置換または無置換のヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
RCは、-CN、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のC3~C8シクロアルキル、または置換もしくは無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルであり、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3である)
を有する。
【0220】
[0169]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XVI)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0221】
【0222】
(式中、
環Aは、6員のアリールまたは6員のヘテロアリールであり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
L1は、-X1A-L3-X1B-、-L3-X1A-X1B-または-X1A-X1B-L3-であり、
X1Aは、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=N-OR2)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-,-NOR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、-P(=O)(CR1
3)-、-CR2=CR2-、-N=CR2-、-CR2=N-、または-NR2-NR2-であり、
L3は、存在しない、置換または無置換のC1~C2アルキレンであるか、または
【0223】
【0224】
であり、
X1Bは、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=N-OR2)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-,-NOR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、-P(=O)(CR1
3)-、-CR2=CR2-、-N=CR2-、-CR2=N-、または-NR2-NR2-であり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくじゃ無置換のアリール、または置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0225】
[0170]一態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XVII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0226】
【0227】
(式中、
環Aは、二環式炭素環または二環式複素環であり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=N-OR2)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-,-NOR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、-P(=O)(CR1
3)-、-CR2=CR2-、-N=CR2-、-CR2=N-、-C≡C-、または-NR2-NR2-であり、
L3は、存在しない、置換または無置換のC1~C2アルキレン、または
【0228】
【0229】
であり、
環Bは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、または置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)OR1-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0230】
[0171]別の態様では、本明細書において特定することができる化合物は、式(XVIII)の構造、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物:
【0231】
【0232】
(式中、
環Aは、二環式炭素環または二環式複素環であり、
RAはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
L1は、-X1-L3-または-L3-X1-であり、
X1は、存在しない、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-C(=O)-、-C(=N-OR2)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-S(=O)2NR1-、-NR1S(=O)2-、-NR1-,-NOR1-、-P(=O)R2-、-P(=O)(N(R1)2)-、-P(=O)(CR1
3)-、-CR2=CR2-、-N=CR2-、-CR2=N-、-C≡C-、または-NR2-NR2-であり、
L3は、存在しない、置換または無置換のC1~C2アルキレン、または
【0233】
【0234】
であり、
RBはそれぞれ、H、D、ハロゲン、-CN、-OH、-OR1、=O、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-NR1S(=O)(=NR1)R2、-NR1S(=O)2R2、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-P(=O)(R2)2、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキル、置換または無置換のC2~C7ヘテロシクロアルキル、置換または無置換のアリールおよび置換または無置換の単環式ヘテロアリールから独立して選択され、
R1はそれぞれ、独立して、H、D、置換もしくは無置換のC1~C6アルキル、置換もしくは無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換もしくは無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、または置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、
R2はそれぞれ、独立して、H、D、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のアリール、置換または無置換の単環式ヘテロアリール、-OH、-OR1、-N(R1)2、-CH2OR1、-C(=O)OR1、-OC(=O)R1、-C(=O)N(R1)2または-NR1C(=O)R1であり、
L2は、-X2-L4-または-L4-X2-であり、
X2は、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(=NR1)-、-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-OC(=O)O-、-C(=O)C(=O)-、-C(=O)NR1-、-NR1C(=O)-、-OC(=O)NR1-、-NR1C(=O)O-、-NR1C(=O)NR1-、-NR1S(=O)2-,-S(=O)2NR1-、-NR1-、-P(=O)OR1-、-P(=O)(N(R1)2)-、または-P(=O)(CR1
3)-であり、
L4は、存在しない、または置換もしくは無置換のC1~C2アルキレンであり、
環Cは、単環式炭素環、二環式炭素環、単環式複素環または二環式複素環であり、
RCはそれぞれ、H、D、F、-CN、-OH、-OR1、-SR1、-S(=O)R1、-S(=O)2R1、-N(R1)2、-CH2-N(R1)2、-NHS(=O)2R1、-S(=O)2N(R1)2、-C(=O)R1、-OC(=O)R1、-CO2R1、-OCO2R1、-C(=O)N(R1)2、-OC(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)N(R1)2、-NR1C(=O)R1、-NR1C(=O)OR1、置換または無置換のC1~C6アルキル、置換または無置換のC1~C6フルオロアルキル、置換または無置換のC1~C6ヘテロアルキル、置換または無置換のC3~C8シクロアルキルおよび置換または無置換のC2~C8ヘテロシクロアルキルから独立して選択され、
nは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2、3、4、5または6である)
を有する。
【0235】
実施例11
[0172]新規なSMN2スプライシングモディファイヤーを開発またはスクリーニングするため、化合物Aによって媒介されるSMN2特異的スプライシング修正に関する分子的基礎を探索した。U1 snRNAの5’末端およびSMN2エクソン7の5’スプライス部位により形成されるRNA二本鎖に、スプライシングモディファイヤー化合物Aが結合する能力を最初に確認した。次に、化合物A-RNA二本鎖複合体の溶液中での構造を、溶液状態のNMR分光法により解明した。自由RNA二本鎖の溶液中での構造と、スプライシングモディファイヤーとの複合体での溶液中の構造を比較することにより、化合物Aの作用機序を決定した。化合物Aは、主溝におけるエクソン-イントロンのレベルにおいて、RNA二本鎖と相互作用し、RNAらせんの塩基スタックに不対アデニンを引っ張る。スプライシングモディファイヤーは、SMN2エクソン7の弱い5’スプライス部位をより強い5’スプライス部位に変換する。複合体の構造により、化合物Aは、位置-1におけるバルジを修復し、SMN2エクソン7のスプライシングを修正することが明らかになった。
【0236】
[0173]脊髄性筋萎縮症(SMA)は、幼児の死亡の主要な遺伝的原因を呈する常染色体劣性神経筋疾患である。この障害は、脊髄および脳幹からの運動ニューロンの進行性変性を特徴とし、筋力低下および萎縮に至る。SMAは、複数の細胞プロセスにおいて偏在的に発現して、これに関与するSMNタンパク質の主要源である、運動ニューロン-1遺伝子(SMN1)の生存の遺伝性ホモ接合性不活性化によって引き起こされる。パラログ遺伝子SMN2は、ヒトゲノムに見いだされるが、エクソン7を欠失し、不安定なタンパク質をコードする異なるmRNAアイソフォームの産生を主に誘発する、いくつかのサイレント変異(エクソン7におけるC6T変異を含む)により異なる。機能性SMNタンパク質量の低下は、運動ニューロンの機能を損なう恐れがあるが、正確な機構は依然として不明瞭である。SMN2は依然として、少量の機能性SMNタンパク質(約20%)を産生するが、SMN1の喪失を相殺するほど十分ではないので、SMA患者はすべて、SMN2遺伝子の少なくとも1つのコピーを有しており、この疾患の重症度は、SMN2遺伝子コピー数と逆相関する。最近、SMN2 E7の取り込みを促進するスプライシングモディファイヤーが発見された。それらは、機能性SMNタンパク質の産生、およびSMAマウスモデルの生存を向上することができる。スプライシングモディファイヤーは、SMN2 E7に対して高い特異性で、mRNA前駆体スプライシングレベルで作用することができ、5’ss E7における特異的エンハンサー複合体を安定化することにより、スプライセオソーム集合体の早期プロセスに好都合となることがある。スプライシングの補正が原子レベルでどのように推進されるかを深く理解するため、および新規治療分子を開発するため、化合物Aによって媒介されるSMN2スプライシング修正の分子機構を探索した。
化合物Aは、SMNエクソン7のU1 snRNA5’末端および5’スプライス部位により形成されるRNA二本鎖に結合する。
【0237】
[0174]化合物Aは、mRNA前駆体レベルで作用し、SMN2エクソン7の5’スプライス部位におけるスプライシングエンハンサーに好都合となるはずである。スプライセオソーム集合時におけるRNA二本鎖への化合物Aの結合を評価するため、インビトロ結合アッセイを溶液状態NMRにより行った。RNA二本鎖は、MES d-8 5mM pH5.5、NaCl 50mM中、250μMで調製し、参照スペクトル(1D
1Hおよび2D
1H-
1H TOCSY)は、クライオプローブを装備した600MHz AVIII HD分光計で記録した。次に、同じ緩衝液に溶解した化合物AをRNA試料に加えた。スプライシングモディファイヤーを添加すると、RNAの共鳴は、両パートナー間の直接相互作用と一致する、ケミカルシフトの変化を受けた(
図5C)。留意すべきことに、ケミカルシフトの変化は、U
+2のH5-H6芳香族プロトンおよびC8、ならびにイミノプロトンG
-2に観察された。要するに、これらのプロトンは、エクソン-イントロン連結部における主溝に位置するRNA上の分子結合ポケットを規定している。
化合物AとRNA二本鎖との間の分子内NOE誘導距離の特定
[0175]化合物Aによって誘発される特異的スプライシング修正に関する構造的な洞察を得るため、化合物Aに結合しているRNA二本鎖の溶液中での構造を調査した。第1の工程として、化合物Aのプロトン共鳴を帰属した(
図6A)。ケミカルシフト予測ツール(nmrdb.com)を使用して、化合物Aのケミカルシフトを、複合体の等核NMRスペクトルに関して特定した。化合物Aの共鳴を一旦、帰属すると、2D
1H-
1H TOCSYおよびNOESYスペクトルを解析して、RNA二本鎖の共鳴、およびスプライシングモディファイヤーの1個のプロトンとRNA二本鎖の1個のプロトンとの間の相関関係に相当する分子内NOEを特定した。化合物Aが4個のメチル基を含有しているので、分子内接点の大部分が特定された(30個の分子内距離)(
図6B)。第1の環は、分子内NOEを主に提供し、分子のこの部分は、5’スプライス部位の領域G
-1-G
+1と相互作用することを示す。中央の芳香族環は、いかなる分子内拘束ももたらさない一方、ピペラジン部分は、U1 snRNA 5’末端からC9の最近接部に存在する。NOESYスペクトルに関する分子内NOEの存在を示す実験データが
図6Cに例示されている。次に、これらの分子内NOEは、NOE誘導距離に変換され、化合物A-RNA二本鎖の複合体の構造計算を導くために使用した。
化合物A-RNA二本鎖複合体の溶液中の構造
[0176]化合物A-RNA二本鎖複合体の溶液中の構造は、RNA二本鎖の18の制約に対して316の分子内距離を使用して解き、塩基対、146の角度拘束を維持して、リボースパッカーおよび30の分子内NOEを確保にした。RNAの構造は、提供されるケミカルシフトに基づいてNMRデータを解析し、この解釈を、ひずみ角をシミュレーテッドアニーリングに連携するCYANA NOEASSIGNを使用して、RNA部分に半自動化手法を使用して計算した。このプログラムは、NOEの帰属、較正、構造計算、および構造と実験データとの間の一致の評価というサイクルを7回、行う。次に、自動構造計算からの出力を、手作業で統合した分子内NOE誘導距離と組み合わせて、依然としてひずみ角空間にある複合体の構造を計算した。一旦、標的の低い関数が実現すると、この構造をAMBER12のSANDERモジュールを使用して、カルテシアン空間におけるシミュレーテッドアニーリングにより精密化した。次に、この構造を利用して、新規なSMN2スプライシングモディファイヤーを開発してスクリーニングした。
【0238】
[0177]SMN2エクソン7およびU1 snRNPの5’スプライス部位を認識すると形成されるRNA二本鎖に結合している化合物Aスプライシングモディファイヤーの溶液中の構造を解明することにより、化合物Aは、エクソン-イントロン連結部における、不対アデニンを安定化して、RNAらせん塩基スタックにすることが見いだされた。アデニンの立体構造の切り替えは、強力な5’スプライス部位を疑似し、特異的なスプライシング修正を誘発する。化合物Aの結合ポケットの原子の詳細は、SMN2および他の標的に対する新規なスプライシングモディファイヤーを合理的に設計することができることを例示するものである。
【0239】
[0178]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示されて、記載されているが、このような実施形態が単なる例として提示されていることは、当業者に明白である。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更および置換が、今や、当業者に思いつくであろう。本発明の実施に、本明細書に記載されている本発明の実施形態の様々な代替を使用することができることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定すること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの等価物が、これらにより包含されることを意図とする。本明細書は以下の発明の開示を包含する。
[1](a)標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、
(b)標的ポリヌクレオチドに第1の結合剤、第2の結合剤またはそれらの両方を接触させるステップであって、
標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤が、第1の複合体を形成し、
第2の結合剤および第1の複合体が、第2の複合体を形成するステップ、
(c)核磁気共鳴(NMR)装置を使用して、第1の複合体、第2の複合体またはそれらの両方のNMRスペクトルを得るステップ
を含む方法。
[2]標的ポリヌクレオチドが標的リボ核酸(RNA)である、[1]に記載の方法。
[3]標的RNAが、メッセンジャーRNA前駆体(mRNA前駆体)またはその一部である、[2に記載の方法。
[4]標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位またはその一部を含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[5]スプライス部位が、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’ スプライス部位、またはそれらの任意の組合せである、[4]に記載の方法。
[6]標的ポリヌクレオチドが、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[7]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する、[1]から[6]のいずれかに記載の方法。
[8]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する、[1]から[7]のいずれかに記載の方法。
[9]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含有する、[1]から[8]のいずれかに記載の方法。
[10]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも8ヌクレオチド長である、[1]から[9]のいずれかに記載の方法。
[11]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも25ヌクレオチド長である、[1]から[10]のいずれかに記載の方法。
[12]標的ポリヌクレオチドが、最大で1000ヌクレオチド長である、[1]から[10]のいずれかに記載の方法。
[13]標的ポリヌクレオチドが、100~200ヌクレオチド長である、[1]から[12]のいずれかに記載の方法。
[14]標的ポリヌクレオチドが、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む、[1]から[13]のいずれかに記載の方法。
[15]第1の結合剤が、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む、[1]から[14]のいずれかに記載の方法。
[16]第1のポリヌクレオチドが、第1のRNAである、[15]に記載の方法。
[17]第1のRNAが、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である、[16]に記載の方法。
[18]snRNAが、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である、[17]に記載の方法。
[19]第1のポリペプチドが、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である、[15]から[18]のいずれかに記載の方法。
[20]リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である、[19]に記載の方法。
[21]snRNPが、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である、[20]に記載の方法。
[22]第1のポリペプチドが、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択されるタンパク質またはその一部である、[15]から[18]のいずれかに記載の方法。
[23]第2の結合剤が低分子である、[1]から[22]のいずれかに記載の方法。
[24]第1の結合剤が低分子を含む、[1]から[14]のいずれかに記載の方法。
[25]第2の結合剤が、第2のポリヌクレオチド、第2のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む、[1]から[14]および[24]のいずれかに記載の方法。
[26]第2のポリヌクレオチドが、第2のRNAである、[25]に記載の方法。
[27]第2のRNAが、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である、[26]に記載の方法。
[28]snRNAが、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である、[27]に記載の方法。
[29]第2のポリペプチドが、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である、[25]から[28]のいずれかに記載の方法。
[30]リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である、[29]に記載の方法。
[31]snRNPが、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である、[30]に記載の方法。
[32]第2のポリペプチドが、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択されるタンパク質またはその一部である、[25]から[28]のいずれかに記載の方法。
[33]第1の複合体が結合ポケットを含む、[1]から[32]のいずれかに記載の方法。
[34]結合ポケットが、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む、[33]に記載の方法。
[35]結合ポケットが、バルジ、変異およびステムループを含まない、[33]に記載の方法。
[36]バルジまたは変異が、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす、[34]に記載の方法。
[37]第2の結合剤が結合ポケットに結合する、[33]から[36]のいずれかに記載の方法。
[38]標的ポリヌクレオチドが、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む、[1]から[37]のいずれかに記載の方法。
[39]第1の複合体に関する第1のNMRスペクトルが得られ、第2の複合体に関する第2のNMRスペクトルが得られる、[1]から[38]のいずれかに記載の方法。
[40]第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む、[39]に記載の方法。
[41]第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルの比較に基づいて第2の結合剤を選択するステップをさらに含む、[40]に記載の方法。
[42]第1および第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む、[39]から[41]のいずれかに記載の方法。
[43](a)標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、
(b)第1の結合剤に標的ポリヌクレオチドを接触させるステップ、および
(c)NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップ
を含む方法。
[44]標的ポリヌクレオチドが標的RNAである、[43]に記載の方法。
[45]標的ポリヌクレオチドがmRNA前駆体またはその一部である、[43]または[44]に記載の方法。
[46]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含有する、[43]から[45]のいずれかに記載の方法。
[47]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含有する、[43]から[46]のいずれかに記載の方法。
[48]標的ポリヌクレオチドが、エクソン-イントロン境界を含有する、[43]から[47]のいずれかに記載の方法。
[49]標的ポリヌクレオチドがスプライス部位を含有する、[43]から[48]のいずれかに記載の方法。
[50]スプライス部位が、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位もしくは隠れた3’スプライス部位、またはそれらの一部である、[43]から[49]のいずれかに記載の方法。
[51]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも8ヌクレオチド長である、[43]から[50]のいずれかに記載の方法。
[52]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも25ヌクレオチド長である、[43]から[51]のいずれかに記載の方法。
[53]標的ポリヌクレオチドが、最大で1000ヌクレオチド長である、[43]から[52]のいずれかに記載の方法。
[54]標的ポリヌクレオチドが、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む、[43]から[53]のいずれかに記載の方法。
[55]第1の結合剤が、第1のポリヌクレオチド、第1のポリペプチドまたはそれらの組合せを含む、[43]から[54]のいずれかに記載の方法。
[56]第1のポリヌクレオチドが、第1のRNAである、[55]に記載の方法。
[57]第1のRNAが、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である、[56]に記載の方法。
[58]snRNAが、U1 snRNA、U2 snRNA、U4 snRNA、U5 snRNA、U6 snRNA、U11 snRNA、U12 snRNA、U4atac snRNA、U5 snRNA、U6atac snRNA、またはそれらの一部である、[57]に記載の方法。
[59]第1のポリペプチドが、リボ核タンパク質のタンパク質構成成分またはその一部である、[55]から[58]のいずれかに記載の方法。
[60]リボ核タンパク質は、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である、[59]に記載の方法。
[61]snRNPが、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である、[60]に記載の方法。
[62]第1のポリペプチドが、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択されるタンパク質またはその一部である、[55]から[58]のいずれかに記載の方法。
[63]標的ポリヌクレオチドおよび第1の結合剤が、第1の複合体を形成する、[43]から[62]のいずれかに記載の方法。
[64]第1の複合体が結合ポケットを含む、[63]に記載の方法。
[65]結合ポケットが、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む、[64]に記載の方法。
[66]結合ポケットが、バルジ、変異およびステムループを含まない、[64]に記載の方法。
[67]バルジまたは変異が、第1のポリヌクレオチドにおいて、3次元構造変化を引き起こす、[65]に記載の方法。
[68]第1の複合体に第2の結合剤を接触させるステップをさらに含む、[63]から[67]のいずれかに記載の方法。
[69]第2の結合剤が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、低分子、イオン、塩および原子を含む群から選択される1つまたは複数の分子を含む、[68]に記載の方法。
[70]第2の結合剤が低分子である、[68]または[69]に記載の方法。
[71]低分子が低分子のライブラリーである、[70]に記載の方法。
[72]第1の複合体に第2の結合剤を接触させた後に、第2のNMRスペクトルを得るステップをさらに含む、[68]から[71]のいずれかに記載の方法。
[73]第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルとを比較するステップをさらに含む、[72]に記載の方法。
[74]第1および第2のNMRスペクトルから、1個または複数の原子のケミカルシフトを決定するステップをさらに含む、[43]から[73]のいずれかに記載の方法。
[75]標的ポリヌクレオチドが、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む、[43]から[74]のいずれかに記載の方法。
[76]ポリヌクレオチドへの結合剤を選択する方法であって、
(a)標的ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド試料を用意するステップ、
(b)NMR装置を使用して、ポリヌクレオチド試料の第1のNMRスペクトルを得るステップ
(c)ポリヌクレオチド試料に結合剤を接触させるステップ
(d)結合剤を接触させた後に、ポリヌクレオチド試料の第2のNMRスペクトルを得るステップ
(e)第1のNMRスペクトルと第2のNMRスペクトルを比較するステップ、および
(f)比較に基づいて結合剤を選択するステップ
を含む方法。
[77]結合剤が、低分子、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはそれらの任意の組合せを含む、[76]に記載の方法。
[78]結合剤が低分子のライブラリーを含む、[77]に記載の方法。
[79]ポリヌクレオチド試料が、第1のポリヌクレオチドをさらに含む、[76]から[78]のいずれかに記載の方法。
[80]標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドが、ほぼ等モル量で添加される、[79に記載の方法。
[81]第1のポリヌクレオチドが第1のRNAである、[79]または[80]に記載の方法。
[82]第1のRNAが、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である、[81に記載の方法。
[83]snRNAが、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U4atac、U5もしくはU6atac snRNA、またはそれらの一部である、[82]に記載の方法。
[84]標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドが二本鎖を形成する、[79]から[83]のいずれかに記載の方法。
[85]二本鎖が結合ポケットを含む、[84]に記載の方法。
[86]結合ポケットが、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む、[85に記載の方法。
[87]結合ポケットが、バルジ、変異およびステムループを含まない、[85]に記載の方法。
[88]標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの一部を含む、[76]から[87]のいずれかに記載の方法。
[89]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含む、[76]から[88]のいずれかに記載の方法。
[90]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含む、[76]から[89]のいずれかに記載の方法。
[91]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む、[76]から[90]のいずれかに記載の方法。
[92]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも8ヌクレオチド長である、[76]から[91]のいずれかに記載の方法。
[93]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも25ヌクレオチド長である、[76]から[92]のいずれかに記載の方法。
[94]標的ポリヌクレオチドが、最大で1000ヌクレオチド長である、[76]から[93]のいずれかに記載の方法。
[95]標的ポリヌクレオチドが、100~200ヌクレオチド長である、[76]から[94]のいずれかに記載の方法。
[96]標的ポリヌクレオチドが、2H、13C、15N、19Fおよび31Pを含む1個または複数の原子標識により同位体標識されているヌクレオチドを含んでいないか、または少なくとも1つ含む、[76]から[95]のいずれかに記載の方法。
[97]第1または第2のNMRスペクトルのケミカルシフトを決定するステップをさらに含む、[76]から[96]のいずれかに記載の方法。
[98]ポリヌクレオチドおよび結合した低分子の3次元原子分解能構造を決定するステップをさらに含む、[1]から[97]のいずれかに記載の方法。
[99]3次元原子分解能構造が、構造予測ソフトウェアによって決定される、[98]に記載の方法。
[100]構造予測ソフトウェアが、Atnos/Candidプログラムスイートである、[99]に記載の方法。
[101]構造予測ソフトウェアが、MC-fold|MC-Symパイプラインである、[99に記載の方法。
[102]3次元原子分解能構造を決定するステップが、ヌクレオチド配列および1つまたは複数の2次元構造予測アルゴリズムを使用する、複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデルを生成するステップを含む、[98]から[101]のいずれかに記載の方法。
[103]複数の理論構造上のポリヌクレオチド2次元モデル、ならびに場合により1つもしくは複数の既知のおよび/または仮定のポリヌクレオチド2次元モデルを使用する3次元構造予測アルゴリズムを使用して、複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを生成するステップをさらに含む、[102]に記載の方法。
[104]複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、予測されるケミカルシフトセットを生成するステップをさらに含む、[103]に記載の方法。
[105]予測されるケミカルシフトセットとケミカルシフト(1つまたは複数)とを比較するステップをさらに含む、[104]に記載の方法。
[106]1つまたは複数の3次元原子分解能構造として、各々の予測されるケミカルシフトセットとケミカルシフト(1つまたは複数)との間の一致を有する1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを選択するステップをさらに含む、[105]に記載の方法。
[107]2次元構造予測アルゴリズムが近傍アルゴリズムである、[102]から[106]のいずれかに記載の方法。
[108]エネルギー最小化および/または分子動力学シミュレーションを含む1つまたは複数の関数を行うモデリングソフトウェアを使用して、選択した1つまたは複数の理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルを精密化することにより、1つまたは複数の精密3次元原子分解能構造を生成するステップをさらに含む、[102]から[107]のいずれかに記載の方法。
[109]予測されるケミカルシフトセットが、各理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルとNMRデータ-構造データベースとを比較することにより生成される、[104]から[108]のいずれかに記載の方法。
[110]予測されるケミカルシフトセットを生成するステップが、実験により決定された1つまたは複数のポリヌクレオチド3次元構造からの原子座標、スタッキング相互作用、磁化率、電磁場または二面角を含む、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップを含む、[109]に記載の方法。
[111]実験により決定された3次元ポリヌクレオチド構造の実験的ケミカルシフトとポリヌクレオチド構造メトリックとの関係を説明する、一式の数学関数またはオブジェクトを生成するための回帰アルゴリズムを使用するステップをさらに含む、[110]に記載の方法。
[112]理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対する、ポリヌクレオチド構造メトリックを計算するステップをさらに含む、[111]に記載の方法。
[113]予測されるケミカルシフトセットを生成するために、一式の数学関数またはオブジェクトに、理論構造上のポリヌクレオチド3次元モデルの各々に対するポリヌクレオチド構造メトリックを入力するステップをさらに含む、[112]に記載の方法。
[114]回帰アルゴリズムが、ランダムフォレストアルゴリズムを含む機械学習アルゴリズムである、[111]から[113]のいずれかに記載の方法。
[115]NMRスペクトルが、約1GHzMHz~約20MHzの範囲のNMR分光計周波数で得られる、[1]から[96]のいずれかに記載の方法。
[116]NMRスペクトルが、500MHz~900MHzの範囲のNMR分光計周波数で得られる、[1]から[115]の一項に記載の方法。
[117]NMR装置がAVANCE IIIである、[1]から[116]のいずれかに記載の方法。
[118]ステップ(f)から選択される結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの結合速度を決定するステップをさらに含む、[76]から[117]のいずれかに記載の方法。
[119]ステップ(f)から選択される結合剤を使用してまたはこれを使用しないで、標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNPの結合速度を決定するステップをさらに含む、[76]から[117]のいずれかに記載の方法。
[120]ステップ(f)から選択される結合剤を使用して決定した結合速度と結合剤を使用しないで決定した結合速度を比較するステップをさらに含む、[118]または[119]に記載の方法。
[121]第1の低分子および第2の低分子を選択するステップをさらに含む、[78]から[117]のいずれかに記載の方法。
[122]第1の低分子を使用してまたはこれを使用しないで標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの第1の結合速度、および第2の低分子を使用してまたはこれを使用しないで標的ポリヌクレオチドに結合するsnRNAの第2の結合速度を決定するステップをさらに含む、[121]に記載の方法。
[123]第1の結合速度と第2の結合速度を比較するステップをさらに含む、[122]に記載の方法。
[124]結合速度が、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性によって決定される、[118]から[123]のいずれかに記載の方法。
[125]第1の低分子および第2の低分子の2次元モデルまたは3次元構造を決定するステップを含む、[121]から[124]のいずれかに記載の方法。
[126]第1および第2の低分子の2次元モデルまたは3次元構造を比較するステップを含む、[125]に記載の方法。
[127](a)標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドにより形成される1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位の配列、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、および
(b)1つまたは複数の結合ポケットに対して、1つまたは複数の低分子またはその断片を仮想スクリーニングするステップであって、仮想スクリーニングプロセスが、推定上の低分子または断片のヒットを特定するステップ
を含む方法。
[128]1つまたは複数の結合ポケットを特定するステップが、標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドを含む3次元原子分解能構造を分析するステップを含む、[127]に記載の方法。
[129]3次元原子分解能構造がNMRスペクトルによって決定される、[128]に記載の方法。
[130]実験アッセイを使用する仮想スクリーニングから、1つもしくは複数の低分子または断片のヒットを試験するステップをさらに含む、[127]から[129]のいずれかに記載の方法。
[131]実験アッセイが、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性である、[130]に記載の方法。
[132]標的ポリヌクレオチドがRNAである、[127]から[131]のいずれかに記載の方法。
[133]標的ポリヌクレオチドがmRNA前駆体である、[127]から[132]のいずれかに記載の方法。
[134]スプライス部位が、5’スプライス部位、隠れた5’スプライス部位、3’スプライス部位または隠れた3’スプライス部位である、[127]から[133]のいずれかに記載の方法。
[135]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのイントロンまたはその断片を含む、[127]から[134]のいずれかに記載の方法。
[136]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソンまたはその断片を含む、[127]から[135]のいずれかに記載の方法。
[137]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのエクソン-イントロン境界を含む、[127]から[136]のいずれかに記載の方法。
[138]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも8ヌクレオチド長である、[127]から[137]のいずれかに記載の方法。
[139]標的ポリヌクレオチドが、少なくとも25ヌクレオチド長である、[127]から[138]のいずれかに記載の方法。
[140]標的ポリヌクレオチドが、最大で1000ヌクレオチド長である、[127]から[139]のいずれかに記載の方法。
[141]標的ポリヌクレオチドが、100~200ヌクレオチド長である、[127]から[140]のいずれかに記載の方法。
[142]標的ポリヌクレオチドが、ABCA4、ABCB4、ABCD1、ACADSB、ADA、ADAMTS13、AGL、ALB、ALDH3A2、ALG6、APC、APOB、AR、ATM、ATP7A、ATR、B2M、BMP2K、BRCA1、BRCA2、BTK、C3、CAT、CD46、CDH1、CDH23、CFTR、CHM、COL11A1、COL11A2、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A5、COL6A1、COL6A3、COL7A1、COL9A2、COLQ、CUL4B、CYBB、CYP17、CYP19、CYP27、CYP27A1、DES、DMD、DYSF、EGFR、EMD、ETV4、F13A1、F5、F7、F8、FAH、FANCA、FANCC、FANCG、FBN1、FECH、FGA、FGFR2、FGG、FIX、FLNA、FOXM1、FRAS1、GALC、GH1、GHV、HADHA、HBA2、HBB、HEXA、HEXB、HLCS、HMBS、HMGCL、HNF1A、HPRT1、HPRT2、HSF4、HSPG2、HTT、IDS、IKBKAP、INSR、ITGB2、ITGB3、JAG1、KRAS、KRT5、L1CAM、LAMA3、LDLR、LMNA、LPL、MADD、MAPT、MLH1、MSH2、MST1R、MTHFR、MUT、MVK、NF1、NF2、OAT、OPA1、OTC、PAH、PBGD、PCCA、PDH1、PGK1、PHEX、PKD2、PKLR、PLEKHM1、PLKR、POMT2、PRDM1、PRKAR1A、PROC、PSEN1、PTCH1、PTEN、PYGM、RP6KA3、RPGR、RSK2、SBCAD、SCN5A、SERPINA1、SLC12A3、SLC6A8、SMN2、SPINK5、SPTA1、TP53、TRAPPC2、TSC1、TSC2、TSHB、UGT1A1、およびUSH2Aからなる群から選択される、遺伝子またはその遺伝子バリアントによってコードされる配列を含む、[127]から[141]のいずれかに記載の方法。
[143]第1の推定上の低分子または第2の推定上の低分子を特定するステップをさらに含む、[127]から[142]のいずれかに記載の方法。
[144]標的ポリヌクレオチドに結合する、第1の推定上の低分子または断片のヒットの第1の結合速度、および標的ポリヌクレオチドに結合する、第2の推定上の低分子または断片のヒットの第2の結合速度を決定するステップをさらに含む、[143]に記載の方法。
[145]第1の結合速度および第2の結合速度を比較し、これによって、より強い低分子または断片のヒットを選択するステップをさらに含む、[144]に記載の方法。
[146]結合速度が、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性を使用して決定される、[145]に記載の方法。
[147]標的ポリヌクレオチドに対する結合剤を選択する方法であって、
(a)標的ポリヌクレオチドを含む試料に、結合剤を接触させるステップであって、標的ポリヌクレオチドが、スプライス部位、分岐点(BP)、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソンスプライシングサイレンサー(ESS)、イントロンスプライシングエンハンサー(ISE)、イントロンスプライシングサイレンサー(ISS)もしくはポリピリミジントラクト、またはそれらの任意の組合せを含むステップ、
(b)第1のアッセイにおいて結合剤および標的ポリヌクレオチドの構造を得るステップ、
(c)第2のアッセイにおいて結合剤の結合速度を得るステップ、および
(d)構造および結合速度に基づいて結合剤を選択するステップ
を含む方法。
[148]第1のアッセイおよび第2のアッセイが同じである、[147]に記載の方法。
[149]第1のアッセイおよび第2のアッセイがNMRである、[148]に記載の方法。
[150]第1のアッセイがNMRであり、第2のアッセイが、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(BLI)技術(Octet Systems)、等温滴定熱量計(ITC)または蛍光異方性である、[147]に記載の方法。
[151]結合剤が低分子である、[147]から[150]のいずれかに記載の方法。
[152]試料が、第1のポリヌクレオチドをさらに含む、[147]から[151]のいずれかに記載の方法。
[153]第1のポリヌクレオチドがRNAである、[152]に記載の方法。
[154]RNAが、核内低分子RNA(snRNA)またはその一部である、[153]に記載の方法。
[155]snRNAが、U1、U2、U4、U5、U6、U11、U12、U4atac、U5もしくはU6atac snRNA、またはそれらの一部である、[154]に記載の方法。
[156]標的ポリヌクレオチドおよび第1のポリヌクレオチドが二本鎖を形成する、[147]から[155]のいずれかに記載の方法。
[157]二本鎖が結合ポケットを含む、[156]に記載の方法。
[158]結合ポケットが、バルジもしくは変異もしくはステムループ、またはそれらの任意の組合せを含む、[157]に記載の方法。
[159]結合ポケットが、バルジ、変異およびステムループを含まない、[157]に記載の方法。
[160]試料が、タンパク質またはその一部をさらに含む、[147]から[159]のいずれかに記載の方法。
[161]タンパク質がリボ核タンパク質である、[160]に記載の方法。
[162]リボ核タンパク質が、核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)またはその一部である、[161]に記載の方法。
[163]snRNPが、U1 snRNP、U2 snRNP、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U4atac snRNP、U5 snRNP、U6atac snRNP、またはそれらの一部である、[162]に記載の方法。
[164]タンパク質が、9G8、A1 hnRNP、A2 hnRNP、ASD-1、ASD-2b、ASF、B1 hnRNP、C1 hnRNP、C2 hnRNAP、CBP20、CBP80、CELF、F hnRNP、FBP11、Fox-1、Fox-2、G hnRNP、H hnRNP、hnRNP 1、hnRNP 3、hnRNP C、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP M、hnRNP U、Hu、HUR、I hnRNP、K hnRNP、KHタイプスプライシング調節タンパク質(KSRP)、L hnRNP、M hnRNP、mBBP、マッスルブラインド様(MBNL)、NF45、NFAR、Nova-1、Nova-2、nPTB、P54/SFRS11、ポリピリミジントラクト結合タンパク質(PTB)、PRP19複合体タンパク質、R hnRNP、RNPC1、SAM68、SC35、SF、SF1/BBP、SF2、SF3A、SF3B、SFRS10、Smタンパク質、SRタンパク質、SRm300、SRp20、SRp30c、SRP35C、SRP36、SRP38、SRp40、SRp55、SRp75、SRSF、STAR、GSG、SUP-12、TASR-1、TASR-2、TIA、TIAR、TRA2、TRA2a/b、U hnRNP、U1 snRNP、U11 snRNP、U12 snRNP、U1-C、U2 snRNP、U2AF1-RS2、U2AF35、U2AF65、U4 snRNP、U5 snRNP、U6 snRNP、Urp、YB1、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される、[160]に記載の方法。
[165]標的ポリヌクレオチドが、GGA/gtgagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagu、AGA/gugagc、AGA/gugagu、AGA/gugagu、GGA/gugagu、CGA/guccgu、GGAguaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagg、AGA/guaagu、AGA/guaagu、GGA/guaagu、AGA/guaagu、AGA/guaaga、AGA/guaagu、AGA/guagau、UGA/gugaau、GGA/guuagu、AGA/guaggu、AGA/guaggu、GGA/guaggu、またはAGA/gugcguを含む、[1]から[164]のいずれかに記載の方法。
[166]標的ポリヌクレオチドが、ACA/gugagg、AAA/auaagu、GAA/ggaagu、GAA/guaaau、GCA/guagga、CAA/gugagu、GUA/gugagu、GAA/guggg、CCA/guaaac、UUA/guaaau、CAA/guaaac、ACA/guaaau、GAA/guaaac、UCA/guaaac、UCA/guaaau、GCA/guaaau、ACA/guaaau、CAA/gcaag、CAA/guaagg、UCA/guaagu、AUA/gugaau、CAA/gugaaa、CCA/gugaga、UCA/gugauu、GAA/gugugu、GAA/uaaguu、CAA/guaugu、AAA/guaugu、CAA/guauuu、ACA/guuagu、GCA/guuagu、またはACA/guuugaを含む、[1]から[164]のいずれかに記載の方法。
[167]標的ポリヌクレオチドが、CAA/guaacu、AUA/gucagu、GAA/gucuggまたはAAA/guacauを含む、[1]から[164]のいずれかに記載の方法。
[168]標的ポリヌクレオチドが、NNBgunnnn、NNBhunnnnまたはNNBgvnnnnを含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはuであり、vは、a、cまたはgである、[1]から[164]のいずれかに記載の方法。
[169]標的ポリヌクレオチドが、NNBgurrrn、NNBguwwdn、NNBguvmvn、NNBguvbbn、NNBgukddn、NNBgubnbd、NNBhunngn、NNBhurmhdまたはNNBgvdnvnを含み、N/nは、A、U、GまたはCであり、Bは、C、GまたはUであり、hは、a、cまたはuであり、vは、a、cまたはgであり、rは、aまたはgであり、mは、aまたはcであり、dは、a、gまたはuであり、kは、gまたはuであり、wは、aまたはuである、[168]に記載の方法。
[170]標的ポリヌクレオチドが、CAC/gugagc、UCC/gugagc、AGC/gugagu、AGC/gugagu、AGG/gugagg、GUG/gugagc、GAG/gugagg、CCG/gugagg、UUG/gugagc、GUG/gugagu、UUU/gugagc、UUU/gugagc、GAU/gugagg、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGU/gugagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、AAC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagg、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GGC/guaagu、GGC/guaagu、AGC/guaagu、GAG/guaaga、CAG/guaagu、AGU/guaagc、AAU/guaagc、AAU/guaagg、CCU/guaagc、AGU/guaagu、GGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、AGU/guaagu、GAU/guaagu、UCC/gugaau、CCG/gugaau、ACG/gugaac、CUG/gugaau、AGG/gugaau、UUG/gugaau、CCG/gugaau、GAG/gugaag、CCU/gugaau、CGU/gugaau、CCU/gugaau、GAG/guagga、CAU/guaggg、UGG/guggau、CAG/guggau、UGG/guggau、CGG/gugggu、GCG/guggga、UGG/guggggg、UGG/gugggug、CGU/gugggu、AUC/gguaaaa、GGG/guaaau、GCG/guaaaa、CAG/guaaag、UGG/guaaag、AAG/guaaag、AAG/guaaau、CAG/guaaag、UAG/guaaag、UUG/guaaag、GAG/guaaag、CAG/guaaag、AUG/guaaaa、AAG/guaaag、CAG/guaaag、CAG/guaaaa、GAG/guaaag、AAG/guaaag、UGU/guaaau、GUU/guaaau、GUU/guaaau、UCU/guaaau、GCU/guaaau、GAU/guaaau、GCU/guaaau、UCU/guaaau、ACU/guaaau、CCU/guaaau、CCU/guaaau、ACU/guaaau、AAU/guaaau、AGG/guagac、UUG/guagau、CAG/guagag、AAG/guagag、AAU/gugagu、CAG/gugagc、AAG/gugggu、AAG/guaggg、CAG/guaggc、またはAGC/guagguを含む、[169]に記載の方法。
[171]標的ポリヌクレオチドが、CAG/guaau、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、CAG/guaaugu、GAG/guaauac、GAG/guaauau、GAG/guaaugu、AAG/guaauaa、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、AAG/guaaugua、AAG/guaaugu、AAG/guaaugu、GCU/guaauu、CCU/guaauu、GAU/guaauu、CAU/guaauu、AAU/guaauu、AGG/guauau、CAG/guauau、UAG/guauau、CAG/guauau、CGG/guauau、GAG/guauau、CGG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauau、CAG/guauag、AAG/guauac、UAG/guauau、CAG/guauag、CAG/guauau、AAG/guuaag、AUC/guuaga、GCG/guuagu、AAG/guuagc、UGG/guuagu、GCG/guuagu、CUG/guuugu、CUG/guauga、CAG/guauga、UAG/guauga、AAG/guaugg、AAG/guauga、GAG/guaugg、CAG/guauga、CAG/guaugg、AAG/guaugg、UGG/guaugc、CAG/guaugu、AUG/guaugu、AAG/guaugu、AAG/guaugg、CAG/guaugg、GAG/guauga、CGG/guaugg、AAU/guaugu、AAG/guauuu、AUG/guauuu、UAG/guauug、AAG/guauuu、CAG/guauug、CAG/guauug、CAU/guauuu、ACU/guauu、AAG/guuuau、AAG/guuuaa、CAG/guuugg、CAG/guuugg、CAG/guuugc、AAG/guuugg、AAG/guuugg、またはUGG/guaugcを含む、[169]に記載の方法。
[172]標的ポリヌクレオチドが、CCG/guaacu、UUG/guaaca、AUG/guaacc、GGG/guaacu、AAG/guaaca、AAG/guaacu、UUG/guaaca、GCU/guaacu、ACU/guaacu、GCU/guaacu、UAG/guaccc、AAG/guaccu、CAG/guaccg、UGG/guacca、CAG/gucaau、AAG/gucaau、AAG/gucaag、AUG/guacau、GGG/guacau、UUG/guacau、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、CAG/guacag、AAG/guacag、CAG/guacag、GAG/guacaa、AAG/guacag、CAG/guacaa、UGU/guacau、CAG/gugcac、GGG/gugcau、CUG/gugcau、UAG/gugcau、CAG/gugcag、CAG/gugcag、AGG/gugcaa、AAC/gugacu、UCC/gugacu、CCG/gugacu、GCG/gugacu、GGG/gugacg、GGG/gugacg、GCG/gugacu、AUG/gugacc、GAU/gugacu、GGC/gucagu、またはUAG/gucagaを含む、[169]に記載の方法。
[173]標的ポリヌクレオチドが、AAG/guacgg、AAG/guacgg、AAG/guacug、AAG/guagcg、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagua、AAG/guagug、AAG/guauca、AAG/guaucg、AAG/guaucu、AAG/gucucu、AAG/gugccu、AAG/guggua、AAG/guguua、ACG/guagcu、AGC/guacgu、CAG/guacug、CAG/guagua、CAG/guagug、CAG/guagug、CAG/guaucc、CAG/gugcgc、またはGAG/gugccuを含む、[169]に記載の方法。
[174]標的ポリヌクレオチドが、CGG/guguau、AAG/guguau、GAG/guguac、CAG/guguau、UAG/guguau、CAG/guguag、GAG/guguau、AAG/gugugc、CAG/guguga、AAG/gugugu、CAG/guguga、CAG/gugugu、UGG/gugugg、CUG/guguga、CGG/gugugu、GAG/gugugc、CAG/guguga、AAU/gugugu、CAG/gugugu、CAG/gugugu、GAG/gugugu、CAG/guuguu、CAG/guuguc、GUG/guugua、CAG/guuguu、AAC/gugauu、CAG/gugaua、AGG/gugauc、GUG/gugauc、CCU/gugauu、GAU/gugauu、CAC/guuggu、CAG/guuggc、AAG/guuagc、またはCAG/guugauを含む、[169]に記載の方法。
[175]標的ポリヌクレオチドが、AUG/gucauu、CGG/gucauaauc、AAG/gucugu、AAG/gucuggg、CAG/gucugga、CAG/gucuggu、CAG/gucuga、GAG/gucuggu、AAG/gugucu、AAG/gugucu、AGG/gugucu、CUG/gugcuu、CAG/gucuuu、CAG/guugcu、GAG/gugcugまたはCAG/gugcugを含む、[169]に記載の方法。
[176]標的ポリヌクレオチドが、CGC/auaagu、UUC/auaagu、UGG/auaagg、ACG/auaagg、GUU/auaagu、CCU/auaagu、UUU/auaagc、GAG/aucugg、AAC/augagga、GAC/augagg、ACC/augagu、GGG/augagu、AAG/augagc、CAG/augagg、GAG/augagg、GCG/augagu、AAG/gaugag、CCU/augagu、GAU/augagu、GAU/augagu、UAG/augcgu、CAG/auuggu、AAG/auuugu、ACG/cuaagc、CAG/cugugu、CUG/uuaag、GAG/uuaagu、AAG/uuaagg、AUU/uuaagc、CUG/uugaga、CAG/uuuggu、またはGGG/auaaguを含む、[169]に記載の方法。
[177]標的ポリヌクレオチドが、CAG/auaacu、GAG/cugcagまたはAAG/uuaauaを含む、[169]に記載の方法。
[178]標的ポリヌクレオチドが、GCG/gagagu、AAG/ggaaaa、AUC/gguaaaa、AAG/gcaaaa、UGU/gcaagu、GAG/gcaggu、GAG/gcgugg、GAG/gcuccc、CAG/gcugguまたはAAG/gaugagを含む、[169]に記載の方法。
【配列表】