(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】吸収性物品における結合パターン
(51)【国際特許分類】
A61F 13/56 20060101AFI20221216BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
A61F13/56 210
A61F13/496 100
(21)【出願番号】P 2020547344
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019022896
(87)【国際公開番号】W WO2019183041
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-09-10
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】レイ、デニス、ドリア
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、ジョーセフ、ペイジ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ、レスリー、グロルメス
(72)【発明者】
【氏名】スコット、アラン、キング
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、スティーブン、リッター
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、コリン、アルプ
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特許第5282020(JP,B2)
【文献】特開2017-063942(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069885(JP,U)
【文献】特開2014-090724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0089616(US,A1)
【文献】米国特許第06713159(US,B1)
【文献】国際公開第02/017842(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシートと、バックシートと、前記トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、複合体と、を含む吸収性物品であって、
前記複合体が、結合領域で接合されている第1の基材及び第2の基材を含み、
前記第1の基材は、耳、脚部ガスケットシステム若しくはその一部分、又は腰部要素を含み、
前記第2の基材は、シャーシの一部分を含み、
前記第1の基材が、第1の平均ピーク力引張強度を含み、前記第2の基材が、第2の平均ピーク力引張強度を有し、前記第1の平均ピーク力引張強度が、前記第2の平均ピーク力引張強度以上であり、
前記結合領域が、
複数の不連続結合部、
約10%~約22%の結合部密度、及び
前記第2の平均ピーク力引張強度の約15%以内である平均複合体引張強度を含み、
前記複数の不連続結合部が、3.5mm未満の主要寸法を含む1つ以上の結合部と、3.5mm以上の主要寸法を有する1つ以上の結合部と、を含み、
前記結合領域が、2以下のより大きい結合部対より小さい結合部の主要寸法の比を含
み、
前記結合領域が、繰り返し単位を有する結合パターンを含み、前記繰り返し単位が、5個以上15個以下の前記不連続結合部を含み、
2つ以下の前記より大きい不連続結合部が1つの前記繰り返し単位に挿入され、
長手方向及び横方向の結合パターン全体にわたって、それぞれ少なくとも0.2mmの厚さを有する直線を、前記結合部の一部分と交差することなく引くことができない、吸収性物品。
【請求項2】
前記結合領域が、複数の機械的結合部を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記結合領域が、接着剤結合を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記結合領域が、軸外に向けられた不連続結合部から本質的になる、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記結合領域が、約7以下の不連続結合部サイズ比を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記結合領域が、約0.9mm以上の最小結合部間隔を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記結合領域が、長手方向及び/又は横方向に連結する結合パターンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記繰り返し単位が、同じ結合部面積を有する不連続結合部から本質的になる、請求項
1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記結合領域が、約20~約105の最小不連続結合部面積比、及び/又は約8~約25の最大不連続結合部面積比を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記結合領域が、約1.0N以上の平均長手方向剥離強度を含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記平均長手方向剥離強度が、約4.0N以上である、請求項
10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記結合領域が、少なくとも約1.75Nの平均横方向ピーク剥離強度を更に含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的に結合された複合体、より具体的には、吸収性物品に有用な機械的に結合された複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収性物品(例えば、おむつ、成人用失禁物品、婦人衛生パッド)などの吸収性物品が、尿及び/又は他の身体排出物(例えば、糞便、月経、糞便と尿との混合物、月経と尿との混合物など)を受容し、封入するという利点を提供することは、かなり以前から知られている。このような物品のアセンブリは、様々な結合技術を通じて異なる構成要素を一緒に接合することを必要とする。そうする際には、製造業者は、感触、材料費、及び加工上の考慮事項と、結合強度とのバランスを保たなければならない。
【0003】
結合の一形態は機械的結合であり、これは、例えば米国特許第4919738号及び同第4854984号により詳細に開示されるように、基材がアンビル部材とパターン付き部材との間で圧縮される、高圧力の動的結合によって行われ得る。このような結合は強力であり得るが、作り出される積層体は、製品の適用中に著しい応力の集中を招き得、これは、結合位置での破損をもたらし得る。具体的には、既知の結合パターンは、複数の方向からの高い応力を支えるように設計されていない。同様に、既知の結合パターンは、更なる裂けを阻害するのではなく、裂けの伝播を向上させる結合形状、サイズ、及び間隔を含む。
【0004】
多くの場合、糊は、これらの機械的な高圧結合の機械的性能を改善するために基材間に添加される。しかしながら、物品の寸法、結合される基材の重複面積、及び他の物理的制約を考慮すると、結合部領域に添加することができる糊の量が制限される。更に、接着剤に関連する好ましくない臭気の可能性及びコストに起因して、より少ない接着剤を使用することが望ましい。また、より柔らかくより薄い物品を提供することも望ましく、これは、結合に対して更に高い要求(例えば、より滑らかな感触、結合した材料の感触による干渉の低下、及び目立たないか又は審美的な設計)をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第4919738号
【文献】米国特許第4854984号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、より少ない裂けなどの、より良好な製品性能を提供する結合設計を提供することが必要である。皮膚上のより柔らかくかつ/又は優しい結合型押を提供することが更に必要とされている。また、製品が所望に応じて機能するであろう、審美的に心地良く視覚的なシグナルである結合ゾーンを提供する必要性も存在する。加えて、コスト効率の良い様式で、当該利益を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、複合体は、結合領域で接合されている第1の基材及び第2の基材を含み、第1の基材が、第1の平均ピーク力引張強度及び第2の平均ピーク力引張強度を含む。第1の平均ピーク力引張強度は、第2の平均ピーク力引張強度以上である。結合領域は、約22%以下の結合部密度を有し得る。非限定的な例では、結合領域は、約10%~約22%の結合部密度を有し得る。ある特定の実施形態では、結合領域は、第2の平均ピーク力引張強度の約15%以内である平均複合体引張強度を有する。加えて又はあるいは、結合領域は、少なくとも約1.75N/cmの平均横方向ピーク剥離強度、及び/又は約4.0N以上の平均長手方向剥離強度を有し得る。複合体は、吸収性物品の一部分を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な複合体の概略平面図である。
【
図2】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。
【
図3】本発明の非限定的な一実施形態による、別の例示的な吸収性物品の概略平面図である。
【
図4A】本発明の非限定的な実施形態による例示的な結合パターンの概略平面図である。
【
図4B】本発明の非限定的な実施形態による例示的な結合パターンの概略平面図である。
【
図4C】本発明の非限定的な実施形態による例示的な結合パターンの概略平面図である。
【
図4D】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な複合体の概略横断面図である。
【
図5A】先行技術の結合パターンの概略平面図である。
【
図5B】先行技術の結合パターンの概略平面図である。
【
図5C】先行技術の結合パターンの概略平面図である。
【
図6】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、平坦な非収縮状態で示されている。
【
図7】本発明の非限定的な一実施形態による、例示的な複合体の顕微鏡写真である。
【
図8】本明細書の複合体引張試験方法で使用するのに好適なグリップの概略斜視図である。
【
図9】本明細書の複合体引張試験方法で使用するのに好適なグリップの概略側面図である。
【
図10】本明細書の複合体引張試験方法に使用するための試験片の概略平面図である。
【
図11】本明細書の複合体引張試験方法に使用するための試験片の概略側面図である。
【
図12】本明細書の長手方向剥離試験方法に使用するための試験片の概略平面図である。
【
図13】本明細書の長手方向剥離試験方法に使用するための試験片の概略側面図である。
【
図14】本明細書の横方向剥離試験方法に使用するための試験片の概略平面図である。
【
図15】本明細書の横方向剥離試験方法に使用するための試験片の概略側面図である。
【
図16】本発明の非限定的な一実施形態による、パッケージの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「吸収性物品」とは、身体滲出液を吸収及び収容するデバイスを意味し、より具体的には、着用者の身体に接触して、又は近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収及び収容するデバイスを意味する。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ式おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているようなあらかじめ形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。
【0010】
物品に関連する「使い捨て」とは、その物品が一般に、洗濯されるか、又は同じ容量で復元若しくは再利用されることが意図されていない(すなわち物品が、単回使用後に廃棄される、好ましくはリサイクル、堆肥化、又は環境に適合する様式で廃棄されることが意図されている)ことを意味する。
【0011】
「弾性」及び「エラストマー性」とは、本明細書に記載のヒステリシス試験による、方向のうちの1つで所与の負荷で断裂又は破損なく少なくとも100%伸張し、負荷が取り除かれると、弾性材料又は構成要素が少なくとも80%の回復を呈する(すなわち、20%未満の硬化を有する)材料の能力を意味する。歪み、歪みパーセント、工学歪み、延伸比、又は伸長と称されることもある伸張は、回復及び硬化と同様に、以下でより詳しく記載されるヒステリシス試験によって各々測定され得る。弾性ではない材料は、非弾性として称される。
【0012】
「延伸可能」とは、本明細書のヒステリシス試験での工程5(a)による、少なくとも50%まで(特定の100%の歪みを50%の歪みに置き換える)、断裂又は破損なく引き伸びるか又は伸張する能力を意味する。
【0013】
「接合された」とは、要素を他の要素に直接固着することにより、要素を別の要素に直接固定する構成、及び要素を中間部材(複数可)に固着し、これが次に他の要素に固着されることにより、要素が別の要素に間接的に固定される構成を意味する。
【0014】
「積層体」とは、当該技術分野で既知の任意の好適な方法(例えば、加熱されていない若しくは加熱されたパターン付きロールを用いる、接着剤結合、熱結合、超音波結合、又は高圧結合)によって、互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0015】
「長手方向」とは、構成要素の長さでの方向を意味し、長手方向が構成要素のx-y平面の最大直線寸法に対して平行に延びる。本明細書に記載の吸収性物品では、長手方向は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態のときに腰部端縁から対向する腰部端縁まで、又は2つ折りにされた物品の腰部端縁から股部底部まで、実質的に垂直に延びる。
【0016】
「横方向」とは、一般に、長手方向に対して垂直な方向を指す。本明細書に記載の吸収性物品では、横方向は、側縁から対向する側縁まで、実質的に平行に延びる。
【0017】
「機械方向」すなわち「MD」は、製造プロセスにおいてウェブの移動方向に対して平行な方向である。「横断機械方向」すなわち「CD」は、MDに対して実質的に垂直な、ウェブによって概ね画定される平面での方向である。
【0018】
結合基材
図1に示されるように、複合体100は、結合領域106で接合されている第1の基材102及び第2の基材104を備え得る。第1の基材及び/又は第2の基材は、限定されないが、不織布、フィルム、及びこれらの組み合わせを含む任意の好適な材料を含み得る。第1及び/又は第2の基材は、材料の積層体を備え得る。積層体は、延伸性であっても、非延伸性であってもよい。延伸性積層体又は基材は、弾性であっても非弾性であってもよい。
【0019】
図2及び3の非限定的な実施形態は、平らな非収縮状態で示されている例示的なk吸収性物品10の概略図である。図中の吸収性物品10は、複合体100を備える。非限定的な一例では、第1の基材102は、耳30、脚部ガスケットシステム70若しくはその一部分、又は腰部要素80、又は他の別個の構成要素などの物品の構成要素を備え、これらの各々は、材料の積層体を備え得る。第2の基材104は、バックシートなどのシャーシ20の一部分を備え得、これは、脚部カフ材料及び/又はトップシートなどの他の構成要素と共に積層されてもよい。他の実施形態では、第1の基材102は、耳30などの物品の別の構成要素を備え得、第2の基材は、更なる構成要素、例えば締結システム48及び/又は締結具50を備え得る。物品の任意の好適な構成要素は、本明細書に記載の結合によって接合することができる。例示的な吸収性物品の追加の詳細及び特色は、以下に提供される。
【0020】
第1の基材及び第2の基材は、結合領域106で接合される。
図2に示されるように、結合領域は長手方向軸116を含み得、非限定的な例では、物品10の長手方向軸90に対して平行である。同様に、結合領域は横方向軸118を含み得、非限定的な例では、物品10の横方向軸95に対して平行である。
図1に戻ると、結合領域は、複数の不連続結合部108を含み得る。結合部は、圧力を含む機械的手段によって形成され得る。好適な結合は、米国特許第4919738号、及び同第7056404号、及び米国特許出願公開第2015/0173961号に開示されているように、パターン付き要素とアンビル部材との間に斜めにニップ圧力をかけることを通じた動的結合によって形成される。非限定的な例では、当該結合部は、高いライン速度で約20,000psi~約200,000psiのパターン要素負荷圧力下で形成される。
【0021】
結合部108は、任意の好適な形状を含み得る。非限定的な例では、結合部は、円形、楕円形、卵形、輪、棒、及びこれらの組み合わせである。結合部は、尖った縁を有さないか、又は実質的に有さない形状(すなわち、多角形)を含んでもよい。ほとんどの結合部は、同じ形状又は異なる形状を含んでもよい。同様に、結合部は、同じサイズ又は異なるサイズを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、結合領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、約10%以上、又は約12%以上、又は約15%以上、又は約22%以下、又は約10%~約22%、又は約15%~約20%の結合部密度を含み得、当該範囲内の1%刻みごとを列挙している。非限定的な例では、結合領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、少なくとも約14、又は少なくとも約25、又は約105以下、又は約20~約105の最小不連続結合部面積比を含み得、当該範囲内の5刻みごとを列挙している。更なる非限定的な例では、結合部領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、少なくとも約8、又は少なくとも約16、又は約25以下、又は約20以下、又は約8~約25、又は約10~約20、又は約15~約19の最大不連続結合部面積比を含み得、当該範囲内の1刻みごとを列挙している。
【0023】
ある特定の実施形態では、結合領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、約7以下、約6.5以下、又は約2.5以下、又は約2以下、又は約1~約7の不連続結合部サイズ比を含み得、当該範囲内の0.1刻みごとを列挙している。不連続結合部は、3.5mm未満、又は3.4mm以下の主要寸法(任意の方向での最大寸法)を有し得る。ある特定の実施形態では、不連続結合部は、2.2mm以下、又は2.1mm以下、又は約0.5~約2.2mmの横断方向での最大幅を含み、当該範囲内の0.1mm刻みごとを列挙している。いくつかの実施形態では、結合領域は、約3.5mm以上、又は約3mm以上、又は約2.5mm以上、又は約2.2mm以上の主要寸法を有する不連続結合部を有さない。ある特定の実施形態では、大部分又は全ての不連続結合部のアスペクト比は、約10以下、又は約5以下、又は約2.6以下、又は約1~約10、又は約1.5~約3であり、当該範囲内の0.1刻みごとを列挙している。
【0024】
加えて又はあるいは、結合領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、約0.8mm以上、又は約0.9mm以上、又は約1.0mm以上、又は約0.5~約1mmの最小結合部間隔を含み得、当該範囲内の0.1mm刻みごとを列挙している。最小結合部間隔は、2つの隣接する結合部で最も近い点間の最小距離である。非限定的な例では、最大結合部間隔(2つの隣接する結合部で最も近い点間の最大距離)は十分に小さく、以下に考察されるように、結合領域が長手方向に連結する結合パターン及び/又は横方向に連結する結合パターンを含む。
【0025】
結合領域は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、45mm2以下、又は約40mm2以下、又は少なくとも約25mm2、又は約25mm2~約45mm2、又は約30mm2~約40mm2の総計結合部面積を含んでもよく、当該範囲内の0.5mm2刻みごとを列挙している。
【0026】
理論に束縛されるものではないが、当該結合部のサイズ、相対サイズ、配置、及び/又は結合部密度は、物品が使用中又は適用されているときに、裂けの伝播の低下、及び印加される応力のより高い拡散を生じると考えられる。加えて、特定の結合機構は、単独で及び/又は本開示の他の原理と組み合わせて、1つの不連続結合部が断裂した場合に、製品に印加される応力を支持するための複数の補助結合部位が存在するように、結合部の好適な数及び配置を提供して、それ自体で支持するパターンを作り出すと考えられる。
【0027】
結合部は、パターン110内に配設されてもよい。パターンは、結合部に関して本明細書に記載の機構のうちのいずれかを備え得る。例示的なパターン110を、例えば、
図4A及び4Bに示す。パターン110は、繰り返し単位112を含み得る。繰り返し単位は、約15個以下の不連続結合部、又は約12個以下の結合部、又は約5個の結合部~約15個の結合部を含み得、当該範囲内の1個刻みごとを列挙している。一部の非限定的な例では、繰り返し単位は、約15mm以下、又は約12mm以下、又は約11mm以下、又は約7mm~約15mmの長手方向長さを含み、当該範囲内の0.5mm刻みごとを列挙している。更なる非限定的な例では、繰り返し単位は、約9mm以下、又は約8.5mm以下、又は約5.5mm~約10mmの横方向幅を含み、当該範囲内の0.5mmごとを列挙している。繰り返し単位は、同じサイズの不連続結合部を含み得、異なるサイズの結合部を含まなくてもよい。あるいは、繰り返し単位は、異なるサイズの不連続結合部を含み得る。
【0028】
加えて又はあるいは、結合部108は、1つ以上の側面上の結合領域の周辺に沿って起伏114が形成されるように配設され得る。起伏とは、結合領域内の結合部のうちの一部分が、周辺が波状又は非直線状であるように挿入されることを意味する。起伏は、より大きい経路長を隣接する結合部位間に作り出すので、長い裂けを抑制すると考えられる。したがって、例えば、
図4Aの起伏によって、第1の結合部で開始し、長手方向に延在する裂けは、長手方向に隣接する次の結合部に到達する前に、基材材料の引張強度に起因して、更なる伝搬を抑止することができる。
【0029】
様々な実施形態では、結合領域は、例えば、
図4A及び4Bに示されるような連結するパターン120を含み得る。パターンは、長手方向及び/又は横方向に連結してもよい。連結とは、所与の方向のパターン全体にわたって、少なくとも0.2mmの厚さを有する直線を、結合部の一部分と交差することなく引くことができないことを意味する。換言すれば、長手方向に連結するパターンでは、長手方向軸に対して平行であり、少なくとも0.2mmの厚さを有する線を、結合部又は結合部の一部分と交差することなく任意の点でパターンの長手方向長さを通って引くことができない。同様に、横方向に連結するパターンでは、横方向軸に対して平行であり、少なくとも0.2mmの厚さを有する線を、結合部又は結合部の一部分と交差することなく任意の点でパターンの幅全体に引くことができない。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つ以上の結合部は、長手方向軸線116に対して、及び/又は結合領域の横方向軸118に対してある角度で配設され得る。非限定的な例では、結合領域内の各結合部は、
図4Aに示されるように軸外であってもよい。軸外とは、結合部位の主要寸法が、長手方向軸又は横方向軸に対して平行でないことを意味する。いくつかの非限定的な例では、結合部位は、長手方向に対して及び/又は横方向軸に対して約20~約60度、又は約30~約50度、又は約45度の角度で配設され、各範囲内の1度刻みごとを列挙している。
【0031】
図4Cを参照すると、ある特定の実施形態では、1つ以上のより大きい不連続結合部109がパターンに介在している。より大きい不連続結合部とは、結合部が、3.5mm以上の主要寸法(すなわち、複合体のx-y平面での任意の方向の最大長)を有することを意味する。したがって、より小さい不連続結合部107は、3.5mm未満である主要寸法を含む。理論に束縛されるものではないが、より大きい不連続結合部を、より小さい不連続結合要素を大部分に有するパターンに導入することにより、強度特性及び多方向の応力に耐える能力を維持しながら、二次的利益を複合体に提供すると考えられる。二次的利益としては、美的特色、及び(結合中により大きい不連続結合要素が弾性ストランドを切断する傾向があるので)結合領域での弾性材料のストランドからの収縮の低減を挙げることができる。
【0032】
より大きい不連続結合部109は、規則的な又は不規則的な様式で上述のパターン110に挿入することができる。非限定的な例では、2つ以下のより大きい不連続結合部、又は1つ以下のより大きい不連続結合部を、1つの繰り返し単位112に挿入してもよい。非限定的な例では、パターンでのより大きい結合部対より小さい結合部の比は、本明細書の結合部寸法試験方法によって決定して、2以下、又は1以下、又は0.5以下であり得る。過度に多くのより大きい不連続結合部を導入することにより、上述のパターンに由来する利益を弱める場合がある。より大きい不連続結合部は、少なくとも3.5mmの主要寸法を含むことを条件として、任意の好適な形状又はサイズであってもよい。非限定的な例では、より大きい結合部は、棒(bar)、棒(rod)、又は楕円の形態である。
【0033】
図4Dに示されるように、より大きい不連続結合部は、結合されている基材の横方向材料縁から長手方向に挿入され得る(不連続の耳31の横方向縁及びシャーシ13の横方向縁など)。より大きい結合部109を差し込むことによって、より大きい結合部に起因して、パターン内の裂け及び弱まりを回避することができると考えられる。より大きい結合部での断裂は、より小さい結合部位での断裂よりも広く伝搬するので、結合領域での強度をより大幅に低減させる場合がある。したがって、力が印加され、裂けがより容易に開始される面積から離して、より大きい結合部を配置することがより望ましいと考えられる。例えば、おむつの適用中、及び後方耳の使用中、力は、典型的には、シャーシ及び耳の横方向材料縁に印加される。より大きい結合部を長手方向に挿入することにより、当該結合部は、このような力から離れて配置される。したがって、有害な裂けの可能性が低減され、結合領域の完全性は、無傷のままである可能性が高い。
【0034】
理論に束縛されるものではないが、結合領域は、本明細書に記載の機構を有することにより、複数の方向から印加される応力に、より良好に耐えることができると考えられる。実際に、
図5A~5Cに示されるパターンなどの既知の結合領域は、ある特定の方向、具体的には、力ベクトルV及びベクトルの±75度以内のベクトルによって示される方向で印加される応力から形成される裂け又は欠陥を阻害することができない。それとはまったく異なり、本発明の結合領域は、ベクトルV及びVの±75度以内の角度のベクトルの方向を含む、実質的に任意の方向からの応力に耐えることができる。不連続結合部及び結合パターンのサイズ、配置、形状、及び他の特徴は、複数の方向からの応力のより良好な拡散を生じると考えられる。
【0035】
結合領域は、例えば、
図4Bに示されるような接着剤結合122を更に備え得る。接着剤結合は、連続的であっても非連続的であってもよい。限定されないが、ホットメルト接着剤を含む、当該技術分野で既知の任意の好適な形態の接着剤を使用することができる。加えて又はあるいは、結合領域は、熱結合、超音波結合、及び当該技術分野で既知の他の結合などの他の形態の結合を含み得る。
【0036】
図1に戻ると、複合体100は、複合体を含む2つの基材/積層体の、ピーク力での平均引張強度の弱いほう(又はそれら両方が実質的に同じ引張強度を含む場合には基材のうちのいずれか)の約15%以下、又は12%以下、又は約10%以下、又は約5%以下、又は約2%~約18%、又は約5%~約15%以内である平均複合対引張強度を含み得、各範囲内の1%刻みごとを列挙している。例えば、第1の基材102は、第1の平均ピーク力引張強度を含み得、第2の基材は、第1の平均ピーク力引張強度未満であり得る第2の平均ピーク力引張強度を含み得る。基材の平均ピーク力引張強度は、本明細書の複合体引張強度試験方法によって決定することができる。複合体は、第2の平均ピーク力引張強度の15%以下以内である平均複合体引張強度を有し得る。このようにして、複合体は、基材材料の強度を実質的に保持する。
【0037】
ある特定の実施形態では、複合体の結合領域は、本明細書の長手方向剥離強度試験方法によって決定して、少なくとも約1N、又は少なくとも約1.15Nの平均長手方向剥離強度を含み得る。接着剤結合を有するある特定の実施形態では、複合体は、少なくとも約4N、又は少なくとも約6N、又は少なくとも約7N、又は約5N~約10Nの平均長手方向剥離強度を含み得、当該範囲内で1N刻みごとを列挙している。小さい数の(すなわち、より大きい結合部対より小さい結合部の比が2未満である)より大きい不連続結合部を組み込む実施形態では、結合領域は、少なくとも約4N、又は約4N~約10Nの平均長手方向剥離強度を含み得、当該範囲内で1N刻みごとを列挙している。更なる実施形態、特に、より大きい不連続結合部を有さない実施形態では、結合領域は、少なくとも約0.9N/cmの平均横方向剥離強度、及び/又は少なくとも約1.75N/cmの平均横方向ピーク剥離強度を含み得る。接着剤結合を有する実施形態では、複合体は、本明細書の横方向剥離強度試験方法に従って、少なくとも約2.5N/cm、若しくは少なくとも約2.6N/cmの平均横方向剥離強度、及び/又は少なくとも約3.5N/cm、若しくは少なくとも約4N/cmの平均横方向ピーク剥離強度を含み得る。小さい数の(すなわち、より大きい結合部対より小さい結合部の比が2未満である)より大きい結合部を組み込む実施形態では、結合領域は、少なくとも0.7N/cmの平均横方向ピーク剥離強度、及び/又は少なくとも約1N/cmの平均横方向剥離強度を含み得る。接着剤結合及びより小さい数のより大きい結合部を有する実施形態では、複合体は、本明細書の横方向剥離強度試験方法に従って、少なくとも約1.75N/cm、若しくは少なくとも約1.8N/cmの平均横方向剥離強度、及び/又は少なくとも約2.95N/cm、若しくは少なくとも約3N/cmの平均横方向ピーク剥離強度を含み得る。当業者であれば、長手方向及び横方向剥離強度は、第1及び第2の基材、並びに結合パターン及び材料に依存し、十分に高い剥離強度が基材の破損を生じ得ることを認識するであろう。しかしながら、本開示の結合パターン及び結合技術は、本発明の結合パターン及び結合技術を用いずに、同じ材料で作製された複合体よりも高い剥離強度を生じる。更に、本発明のパターンは、以下の実施例によって示されるように力が印加される方向にかかわらず、力をより良好に分散する。
【実施例】
【0038】
次の複合体の実施例は、本明細書の発明の特性を実証する。
【0039】
比較例Aは、基材の最初の組を含む。最初の例示的な組は、2つの不織布の間に挟まれた弾性フィルムを有するリングロール活性化積層体である第1の基材を含み、1つの不織布がスパンボンドウェブを含み、他方の不織布はカードウェブを含む。積層体層は、接着剤によって接合されている。積層体は、Clopay(USA)から商標名ELASTIPRO(商標)8004で市販されている。積層体は、非弾性領域で第2の基材に結合している。第2の基材は、Avgol(USA)から商標名AVMN1071984001で市販されている19gsmのポリプロピレンスパンボンド不織布材料、Clopay(USA)から商標名CLNT0045465363で市販されている15gsmのポリマーフィルム、及びBerry Globalから商標名PGWVN03956で市販されている12gsmのSMSポリプロピレン不織布材料を含むカフ-バックシート積層体である。複合体を形成するとき、19gsmのポリプロピレン不織布は、第1の基材の最も近くに配置し、12gsmのSMS不織布は、第1の基材から最も遠く離れて配置する。結合領域は、
図5Aに示されるパターンを含み、繰り返し長さは、長手方向に30.4mmである。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。
【0040】
比較例A(adh)は、接着剤結合も結合領域に適用する以外は、比較例Aと同じである。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に13g/m2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名H2401で市販されている。
【0041】
比較例Bは、2つの不織布の間に挟まれた弾性フィルムを有するリングロール活性化積層体である第1の基材を含み、1つの不織布がスパンボンドウェブを含み、他方の不織布はカードウェブを含む、代替的な組の基材を含む。積層体層は、接着剤によって接合されている。積層体は、Mondi Group(Germany)から商標名PK6508で市販されている。積層体は、非弾性領域で第2の基材に結合している。第2の基材はSGN Nonwovensから商標名SGKS184318206で市販されている15gsmのポリプロピレンスパンボンド不織布材料、RKW(Germany)から商標名RKPA1404198で市販されている15gsmのポリマーフィルム、及びPegas Nonwovensから商標名PNELPAG8A19372で市販されている13gsmのSMSポリプロピレン不織布材料を含むカフ-バックシート積層体である。複合体を形成するとき、15gsmのポリプロピレン不織布は、第1の基材の最も近くに配置し、13gsmのSMS不織布は、第1の基材から最も遠く離れて配置する。結合領域は、
図5Aに示されるパターンを含み、繰り返し長さは、長手方向に30.4mmである。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。
【0042】
比較例B(adh)は、接着剤結合も結合領域に適用する以外は、比較例Bと同じである。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に9.3g/m2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名4376で市販されている。
【0043】
本発明の実施例1は、比較例A(すなわち、最初の組)と同じ第1及び第2の基材を含む。しかしながら、結合領域は、
図4Aに示されるパターンを含み、繰り返し長さは、長手方向に10.8mmである。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。
【0044】
本発明の実施例1(adh)は、接着剤結合も結合領域に適用する以外は本発明の実施例1と同じである。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に13g/m2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名H2401で市販されている。
【0045】
本発明の実施例2は、比較例A(すなわち、最初の組)と同じ第1及び第2の基材を含む。しかしながら、結合領域は、
図4Bに示されるパターンを含み、繰り返し長さは、長手方向に10mmである。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。
【0046】
本発明の実施例2(adh)は、接着剤結合も結合領域に適用する以外は本発明の実施例2と同じである。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に13g/m2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名H2401で市販されている。
【0047】
本発明の実施例3(adh)は、比較例B(すなわち、代替的な組)と同じ第1及び第2の基材を含む。しかしながら、結合領域は、
図4Aに示されるパターンを含み、繰り返し長さは、長手方向に10.8mmである。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。接着剤結合も適用される。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に9.3g/m
2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名4376で市販されている。
【0048】
本発明の実施例4は、比較例B(すなわち、代替的な組)と同じ第1及び第2の基材を含む。しかしながら、結合領域は、
図4Cに示されるパターンを含む。結合領域は、第2の基材(カフ-バックシート積層体)の長手方向軸に対して平行な長手方向軸を含む。結合部は、米国特許第4919738号に開示されているように、パターン付きロールとアンビルロールとの間の加圧ニップを通して形成される。これらの機械的結合部は、結合領域での第1の基材の最大長手方向長さを超えて延在する。
【0049】
本発明の実施例4(adh)は、接着剤結合も結合領域に適用する以外は本発明の実施例4と同じである。接着剤は、12.7mmの横断機械幅(この場合は横幅)、及び結合領域での第1の基材の最大長手方向長さよりもおよそ10%短い長手方向長さで、第1の基材上に9.3g/m2の添加速度でスロットコーティングする。接着剤は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、機械的結合パターンの下で長手方向及び横方向の両方のほぼ中心にある。接着剤は、Bostik(USA)から商標名4376で市販されている。
【0050】
明確にするために、表1は、どの実施例が同じ基材を有するかを特定する。
【0051】
【0052】
表2及び3は、結合パターンの寸法を示す。
【0053】
【0054】
【0055】
表4は、実施例の複合体引張強度、並びにそれぞれの複合体の第2の基材のピーク力引張強度を示す。第2の基材は、複合体の2つの基材のうちの弱いほうである。以下に見ることができるように、本発明の実施例は、結合後でさえも、基材の引張強度特性の大部分を維持した。重要なことに、本発明の実施例の結合パターンは、接着剤結合の支援がなくとも、引張強度特性を維持することができるが、比較例は、同様の能力がない。理論に束縛されるものではないが、本発明のパターンの機械的結合は、比較結合パターンよりも高い強度を複合体に提供すると考えられる。接着剤は、比較パターンに必要な強度(複合体強度、長手方向剥離強度、及び横方向剥離強度)をより多く提供するが、本発明のパターンは接着剤にあまり依存しないと考えられる。換言すれば、本発明のパターンは、次の表に示されるように、比較パターンよりも高い強度に寄与し、かつより良好な性能を与える。
【0056】
【0057】
表5は、様々な実施例の長手方向剥離強度を比較する。本発明の実施例の(本明細書の長手方向剥離強度試験によって決定した)平均長手方向剥離強度は、比較例のものよりも大きい。理論に束縛されるものではないが、これらの本発明の結合パターンは、複合体を組み込んだ製品の使用又は適用中に、力をより良好に分散させることを可能にすると考えられる。平均長手方向剥離強度は、吸収性物品の適用及び使用中に経験する応力に耐える、後方耳-バックシート/カフ積層体複合体の能力を表す。実際には、望ましくない裂けは、多くの場合、長手方向に生じる。上述のように、接着剤は、比較パターンに必要な強度(複合体強度、長手方向剥離強度、及び横方向剥離強度)をより多く提供するが、本発明のパターンは接着剤にあまり依存しないと考えられる。
【0058】
【0059】
表6は、様々な実施例の横方向剥離強度及び横方向ピーク剥離強度を比較する。本発明の実施例の(本明細書の横方向剥離強度試験によって決定した)平均横方向剥離及びピーク剥離強度は、比較例のものよりも大きい。理論に束縛されるものではないが、本発明の結合パターンは、複合体を組み込んだ製品の使用又は適用中に作用すると、力をより良好に分散させることを可能にすると考えられる。表5と一緒に考慮すると、本発明のパターンは、力が印加される方向にかかわらず、力をより良好に分配することを見ることができる。これは、特に例えば、結合された耳又は脚部カフの縁に沿った裂けを防止するのに特に重要である。同様に、本発明のパターンは剥離強度については接着剤にあまり依存しないことを見ることができる。
【0060】
【0061】
複合体を備える物品
図6は、平坦な非収縮状態にある、本発明の吸収性物品10の例示的な、非限定的な実施形態の平面図である。吸収性物品10の身体対向面115が、こちらを向いている。吸収性物品10は、長手方向中心線90及び横方向中心線95を含む。
【0062】
吸収性物品10は、シャーシ20を備えている。吸収性物品10及びシャーシ20は、第1の腰部領域14、第1の腰部領域14の反対側にある第2の腰部領域18、及び第1の腰部領域14と第2の腰部領域18との間に位置する股部領域16を有するものとして示されている。腰部領域14及び18は、着用時に着用者の腰部を取り囲む、吸収性物品10のそれらの一部分を概ね含む。腰部領域14及び18は、フィット感及び封じ込め性が向上するように、着用者の腰部周囲でギャザーをなすような弾性部材55を含んでいてもよい。股部領域16は、吸収性物品10が着用されると、着用者の両脚の間に概ね位置付けられる吸収性物品10の部分である。
【0063】
シャーシ20の外周縁は、長手方向縁12及び腰縁(第1の腰領域14における第1の腰縁13及び第2の腰領域18における第2の腰縁19)によって画定される。シャーシ20は、長手方向中心線90に対して概ね平行に向けられた、対向する長手方向縁12を有し得る。しかしながら、より良いフィット感のために、長手方向縁12は、例えば、
図1に示されるように平面図で見たときに「砂時計」形の物品が作製されるように、湾曲しているか又は角度が付けられていてもよい。シャーシ20は、横方向中心線95に対して概ね平行に向けられた、対向する横方向縁13、19(すなわち、第1の腰部縁13及び第2の腰部縁19)を有し得る。
【0064】
シャーシ20は、液体透過性のトップシート24、バックシート26、及びトップシート24とバックシート26との間の吸収性コア28を備えていてもよい。吸収性コアは、例えば、超吸収性粒子及び吸収性ゲル化材料(absorbent gelling material、AGM)を含む、吸収性材料を含み得る。トップシート24は、コア28及び/又はバックシート26に接合されていてもよい。バックシート26は、コア28及び/又はトップシート24に接合されていてもよい。コア28とトップシート24との間、及び/又はコア28とバックシート26との間に、他の構造体、要素又は基材が位置付けられていてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、トップシート24と吸収性コア28との間に、捕捉分散システム27が配設される。本発明の物品は、本明細書のトップシートAGM残留(Topsheet AGM Residue、TAGMR)方法によって決定して、20以下、又は15以下、又は10以下のパッド当たりの平均粒子数を含み得る。非限定的な例では、本発明の物品は、本明細書のTAGMR方法によって決定して、少なくとも20%、又は少なくとも50%、又は10%~100%の残留粒子を含まないパッドの百分率を含み得、当該範囲内の10%刻みごとを列挙している。このようにして、吸収性材料は、着用者の皮膚から離れて保持される。
【0065】
特定の実施形態では、シャーシ20は、複合吸収性物品構造を形成するために付加される他の機構と共に、吸収性物品10の主要構造を含む。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、種々の周知の構成で組み立てられ得るが、吸収性物品の構成は、概して米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。
【0066】
本発明の複合体100は、限定されないが、シャーシ、耳、脚部カフ、腰部の要素、及びこれらの組み合わせを含む、物品の1つ以上の構成要素によって形成され得る。
【0067】
トップシート:
トップシート24は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触するか又はより近位に配置され得る、吸収性物品10の一部分である。好適なトップシート24は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブなどを含み得る。トップシート24は、一般に、着用者の肌に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。一般に、トップシート24の少なくとも一部は、液体透過性であり、液体をトップシート24の厚みを通って容易に透過させることができる。本明細書において有用なトップシート24の1つは、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コード055SLPV09Uとして入手可能である。トップシート24は、有孔であってよい。
【0068】
トップシート24の任意の部分が、当分野において公知のローション又はスキンケア組成物によりコーティングされていてもよい。好適なローションの非限定的な例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、及び同第5,643,588号に記載のものが挙げられる。トップシート24とコア28との間に空隙空間が設けられるよう、トップシート24が、全体に又は部分的に弾性化されていてもよく、又は縮小されていてもよい。弾性化又は収縮されたトップシートを含む例示的な構造体が、米国特許第4,892,536号、同第4,990,147号、同第5,037,416号、及び同第5,269,775号により詳細に記載されている。
【0069】
吸収性コア:
吸収性コア28は、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含み得る。好適な吸収性材料の例として、一般的にエアフェルトクレープ紙綿と称される粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に堅固化、改質、又は架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料(AGM)、又は任意の他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態においては、吸収性コアの少なくとも一部分は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有するか、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの一部の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば、吸収性粒子状高分子材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネル29を備えていてもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状高分子材料を実質的に含んでいない。チャネル29は、長手方向又は横方向に延在し得る。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に備えていてもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な一例では、長手方向軸の周りに、2つのチャネルが対称に配設される。いくつかの実施形態では、コアは、本発明の複合体を備え得る。
【0070】
吸収性コア28として使用するための例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び米国特許出願第13/491,642号及び同第15/232,901号に記載されている。
【0071】
バックシート:
バックシート26は、一般に、吸収性物品10の表面に面する衣類の少なくとも一部となり得るように位置付けられる。バックシート26は、吸収性物品10によって吸収され、その中に収容された排出物が、ベッドシーツ及び下着などの、吸収性物品10と接触し得る物品を汚すのを防止するように設計され得る。ある種の実施形態では、バックシート26は、実質的に不透水性である。好適なバックシート26の材料としては、Tredegar Industries Inc.(Terre Haute、IN)により製造され、商品名X15306、X10962、及びX10964で販売されているものなどのフィルムが挙げられる。他の好適なバックシート26の材料としては、吸収性物品10から蒸気を逃がすことが可能でありながら依然として排出物がバックシート26を通過することを防止する、通気性材料を挙げることができる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、並びにESPOIR NOの名称でMitsui Toatsu Co.(Japan)により製造されているもの、及びEXXAIREの名称でEXXON Chemical Co.(Bay City、TX)により製造されている微多孔質フィルムなどの材料を挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、HYTRELブレンドP18-3097という名称で、Clopay Corporation(Cincinnati、OH)から入手可能である。このような通気性複合材料は、PCT出願WO95/16746号及び米国特許第5,865,823号に、一層詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを含めた他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号に記載されている。例示的な好適なバックシートは、米国特許第6,107,537号に開示されている。以下に限定されないが、表面処理、特定のフィルムの選択及び加工、特定のフィラメントの選択及び加工などを含めた、他の好適な材料及び/又は製造技法が、好適なバックシート26を提供するために使用されてもよい。
【0072】
バックシート26はまた、2層以上の層から構成されてもよい。バックシート26は、外側カバー及び内側層を備えてもよい。外側カバーは、柔らかい不織布材料から作製されてもよい。内側層は、高分子フィルムなどの実質的に液体不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって1つに接合されていてもよい。特に好適な外側カバーは、供給元コードA18AH0としてCorovin有限会社(Germany、Peine)から入手可能であり、特に好適な内側層は、供給元コードPGBR4WPRとしてRKW Gronau有限会社(Germany、Gronau)から入手可能である。本明細書において様々なバックシート構成が企図されているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明白であると思われる。
【0073】
耳/締結具:
吸収性物品10は、例えば第1の腰領域に配設された前方耳32及び/又は第2の腰領域に配設された後方耳34を含む、1つ以上の耳30を含み得る。耳30は、シャーシと一体であってもよく、耳の1層以上をシャーシに接合し得るシャーシ取り付け結合部35においてシャーシ20に接合された別個の要素であってもよい。耳30は、延伸性又は弾性であり得る。耳部30は、1つ以上の不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマーフィルム及びエラストマー性フィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、又はこれらのいずれかの組み合わせ及び/若しくは積層体から形成され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、耳30は、エラストマーを含み得るので、耳は伸縮性になる。特定の実施形態では、耳30は、不織布/エラストマー性材料積層体又は不織布/エラストマー性材料/不織布積層体などの伸縮性積層体で形成され得、このこともまた、耳が伸縮性となることをもたらす。耳30は、物品の横方向に延伸可能であり得る。いくつかの実施形態では、耳は、横方向に弾性である。更なる実施形態では、耳30は、長手方向よりも横方向に長く延伸し得る。代替的に、耳は、横方向よりも長手方向に延伸し得る。ある特定の非限定的な例では、耳は、別々の弾性領域に沿って1つ以上の非弾性面積を含み得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、耳は、1つ以上の不織布及び1つ以上の弾性材料の積層体を含む。エラストマー性材料は、2つの不織布の間に挟まれ得る。追加の層が含まれていてもよい(例えば、追加の不織布、非弾性材料、弾性又は延伸性材料など)。
【0076】
任意の好適な不織布が、耳30において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は少なくとも約22gsm、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約17gsmの坪量を含み得、当該範囲内の1刻みごとを列挙している。耳30が1つ超の不織布を含む場合、不織布は、同じ又は異なる坪量を有していてもよい。同様に、不織布は、同じ層構成又は異なる層構成を含み得る。更に、耳における不織布は、バックシート、トップシート、脚部ガスケットシステム、及び/又は腰機構に同じ又は異なる機構の不織布を含み得る。
【0077】
好適なエラストマー性材料の非限定的な例としては、フィルム(例えば、ポリウレタンフィルム、ゴム及び/又は他のポリマー材料に由来するフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー性接着剤、印刷エラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー性不織布、スクリムなどが挙げられる。エラストマー性材料は、スチレン誘導体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリオレフィン、これらの組み合わせを含むエラストマー性ポリマー、又は共押出されたVISTAMAXX(登録商標)が挙げられるがこれに限定されない任意の好適な公知のエラストマーから形成され得る。例示的なエラストマー及び/又はエラストマー性材料は、米国特許第8,618,350号、同第6,410,129号、同第7,819,853号、同第8,795,809号、同第7,806,883号、同第6,677,258号、及び米国特許公開第2009/0258210号に開示されている。市販されているエラストマー性材料としては、KRATON(スチレン系ブロックコポリマー;Kraton Chemical Company(Houston,TX)から入手可能)、SEPTON(スチレン系ブロックコポリマー;Kuraray America,Inc.(New York,NY)から入手可能)、VECTOR(スチレン系ブロックコポリマー;TSRC Dexco Chemical Company(Houston,TX)から入手可能)、ESTANE(ポリウレタン;Lubrizol,Inc(Ohio)から入手可能)、PEBAX(ポリエーテルブロックアミド;Arkema Chemicals(Philadelphia,PA)から入手可能)、HYTREL(ポリエステル;DuPont(Wilmington,DE)から入手可能)、VISTAMAXX(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、EXXON Mobile(Spring,TX)から入手可能)、及びVERSIFY(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、Dow Chemical Company(Midland,Michigan)から入手可能)が挙げられる。
【0078】
耳は、例えば、米国特許公開第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号、同第5,993,432号、同第5,156,793号、同第5,167,897号、同第7,062,983号、及び同第6,843,134号に開示のプロセスによって活性化され得る。耳は、例えば、米国特許出願第15/674,559号に開示のように、超音波結合された耳を含んでもよい。
【0079】
耳は、シャーシ取り付け結合部35でシャーシに接合され得る。シャーシ取り付け結合部は、複合体がシャーシ及び耳を第1及び第2の基材として含む場合、複合体の結合領域106を含み得る。いくつかの非限定的な例では、シャーシ取り付け結合部は、耳の非弾性領域に位置する。
【0080】
吸収性物品10はまた、締結システム48を含み得る。締結システム48は、締結されると、第1の腰部領域14と後方腰部領域18とを相互接続し、吸収性物品10の着用中に着用者を取り囲むことができる腰部外周を生じる。締結システム48は、例えば、テープタブ、フック・ループ締結構成部品、タブ及びスロットなどの相互係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体の締結構成部品などの締結要素50を備えていてよいが、任意の他の公知の締結手段も概ね許容可能である。吸収性物品は、締結要素が係合可能なランディングゾーン及び/又は使用前に締結要素を損傷(insult)から保護するリリーステープを更に含み得る。いくつかの例示的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な相互係合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。いくつかの実施形態では、締結システム48及び/又は要素50は、折り畳み可能である。
【0081】
締結システム48は、任意の好適な手段によって物品10の任意の好適な一部分に接合され得る。いくつかの実施形態では、締結システムは、
図6に示されるように、締結取り付け結合部52で耳30に接合される。締結システムは、層間で耳に接合されてもよい。締結取り付け結合部52は、本開示による複合体の結合領域106を含み得る。
【0082】
脚部ガスケットシステム:
吸収性物品10は、シャーシ20に取り付けられた脚部ガスケットシステム70を含み得、脚部ガスケットシステムは、1つ以上のカフ71を含み得る。脚部ガスケットシステムは、一対のバリア脚部カフ72を備え得る。各バリア脚部カフは、吸収性物品に接着される一片の材料によって形成され得るため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴と脚との接合部付近で流体及びその他の排泄物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリア脚部カフは、トップシート24及び/又はバックシート26に直接又は間接的に接合された近位縁と、着用者の皮膚に接触し、封止部を形成することを意図する自由端縁75とによって境界が定められる。いくつかの実施形態では、自由端縁75は折り曲げられた縁を含む。バリア脚部カフ72は、長手方向中心線100の両側において吸収性物品の前方腰縁13と後方腰縁19との間に少なくとも部分的に延在し、かつ股部領域内に少なくとも存在する。バリア脚部カフは、接着、溶融接合、又は他の好適な接合処理の組合せによって行うことができる、接合によって、近位縁で物品のシャーシと接合され得る。
【0083】
バリア脚部カフは、トップシート24又はバックシート26と一体であってもよいか、物品のシャーシに接合された別々の材料であってもよい。各バリア脚部カフ72は、より良好な封止を提供するために、自由端縁75に近接して1つ、2つ、又はそれ以上の弾性要素55を備え得る。
【0084】
バリア脚部カフ72に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート26に接合され、かつバリア脚部カフ72に対して外側に設置されたガスケットカフ76を備え得る。ガスケットカフ76は、着用者の大腿の周りにより良好な封止部を設けることができる。ガスケットカフは、近位縁及び自由端縁77を含み得る。自由端縁77は、折り曲げられた縁を備え得る。各ガスケットカフは、脚開口部の領域におけるトップシート24とバックシート26との間の吸収性物品のシャーシに1つ以上の弾性要素55を備え得る。バリア脚部カフ及び/又はガスケットカフの全部又は一部を、ローション又は別のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0085】
更なる実施形態では、脚部ガスケットシステムは、ガスケットカフと一体化されたバリア脚部カフを備える。吸収性物品の一部であり得る好適な脚部ガスケットシステムは、米国特許出願第62/134,622号、同第14/077,708号、米国特許第8,939,957号、同第3,860,003号、同第7,435,243号、同第8,062,279号に開示されている。
【0086】
脚部ガスケットシステムは、本開示による複合体の結合領域を含み得るカフ取り付け結合部79でシャーシに取り付けられ得る。
【0087】
弾性腰部機構:
図6に示されるように、吸収性物品10は、改善されたフィット感及び封じ込めを提供するのに役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構80を備え得る。弾性腰機構80は、一般的に、伸び縮みして着用者の腰に動的にフィットすることが意図される。弾性化腰機構は、腰バンド、シャーシ20から取り外される腰機構80の一部から形成されるポケットを有する腰カフ、及び着用者の腹部の周りにしっかりとフィットするように設計された腰パネルを含む。弾性化腰部機構の非限定的な例は、米国特許出願第13/490,543号、同第14/533,472号、及び同第62/134,622号に開示されている。腰部機構80は、第1の腰部領域14及び/又は第2の腰部領域18でシャーシ20に接合され得る。腰機構は、着用者に物品を適切にフィットさせるための望ましい伸縮及び可撓性を提供するために、耳30と併用され得る。腰部機構は、本開示による複合体の結合領域を含み得る腰部機構結合部82でシャーシに取り付けられ得る。
【0088】
パッケージ
本開示の吸収性物品10は、パッケージに入れられてもよい。パッケージは、高分子フィルム及び/又はその他の材料を含み得る。吸収性物品の特性に関する図形及び/又は目印は、パッケージの外側部分に形成され、印刷され、位置付けられ、及び/又は配置されてよい。各パッケージは、複数の吸収性物品を含んでもよい。吸収性物品は、パッケージのサイズを小さくする一方で1パッケージ当たり十分な量の吸収性物品を提供するように圧縮下で包装することができる。吸収性物品を圧縮下で包装することによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができると共に、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。
【0089】
したがって、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に基づいて、約110mm未満、約105mm未満、約100mm未満、約95mm未満、約90mm未満、約85mm未満、約80mm未満、約78mm未満、約76mm未満、約74mm未満、約72mm未満、又は約70mm未満のバッグ内積み重ね高さを有してもよく、具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する。あるいは、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内スタック高さ試験基づいて、約70mm~約110mm、約70mm~約105mm、約70mm~約100mm、約70mm~約95mm、約70mm~約90mm、約70mm~約85mm、約72mm~約80mm、又は約74mm~約78mmのバッグ内スタック高さを有してもよく、具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する。
【0090】
図16は、複数の吸収性物品1004を含む例示的なパッケージ1000を示す。パッケージ1000は、複数の吸収性物品1004が置かれる内部空間1002を画定している。複数の吸収性物品1004は、1つ以上の積み重ね1006として配置されている。
【0091】
試験方法
結合部寸法試験方法
結合部寸法試験を使用して、複合体の結合領域の結合部密度を測定する。結合部寸法試験は、実体光学顕微鏡(Zeiss V20 Stereoscopeなど)及び取り付けカメラ(Carl Zeiss AxioCam MRc5など)を使用して生成される反射光顕微鏡画像で実施する。取得したときの画像内に配置した定規に対して較正したImage Pro Plusソフトウェア(Version 7.0.0.591、Media Cybernetics(USA))を使用して、測定を実施する。この方法の目的上、結合は、2層以上の意図的な接合であり、結合プロセス中に生じる変形した領域である(例えば、結合部位における低減されたキャリパ)。均一なパターンを有する結合領域の結合部密度を測定するために、対象の複数の結合部を特定し、得られた周辺部を少なくとも2cm
2の面積の直線試験片に輪郭を描き、周辺に沿って切断することによって収集する。異なる場合、隣接する領域(例えばパターンのない非結合部)から試験片を収集することを回避するように注意を払わなければならない。結合領域の長手方向に対して平行な2本の線が結合領域の横方向周辺と一致するように(
図7に示されるように)選択されるように、少なくとも2cm
2の面積を有する実質的に矩形の形状で試験片を収集し、試験片が2cm
2の矩形面積を完成するような方式で、2つのより短い寸法の横方向の線を選択する。十分に大きい試料が利用できない場合、最低1つの繰り返し結合パターンセルを有するより小さい試料を使用し、測定された結合部面積値は、2cm
2の試験片面積に対して正規化してもよい。立体鏡撮像にはパターンが大きすぎる場合、試料の背景に黒色背景を用いてSLRカメラ(Pentax R20Dなど)又はスキャナ(Epson Perfection V750 Pro Flatbed Scannerなど)を使用して、画像を収集するべきである。結合領域が1つ以上のより大きい不連続結合部を含む場合、より大きい不連続結合部のうちの1つは、2cm
2の試験片を作り出す2つの横方向の線の間で中心合わせをするべきである。
【0092】
画像を取得するときに、各画像で、結合パターンの長手方向に対して平行に定規を置く。最小結合部間隔は、Image Pro Plusソフトウェアのラインツールで測定する。不連続結合部面積は、線引きされた2cm
2の矩形試験片内の不連続結合部の領域を選択した例を示す、
図7の結合部位内の白い楕円形の線で示されるように、結合部のより暗い面積のみを選択し、より明るい灰色のスケールとして見える隣接する周辺を除外することによって、Image Pro Plusソフトウェアの不規則面積ツールを用いて測定する。全ての特定された測定値は、精度0.01mm又は0.01mm
2の精度で測定する。
【0093】
試験片内の全ての不連続結合部面積を加算して、試験片の総計結合部面積を計算し、次いで、総計結合部面積を試験片の面積で除して、結合部密度を決定し、これは次の式で表すことができる。
【0094】
【0095】
不連続結合部の一部分のみが2cm2以内に入る場合、2cm2内に入るその一部分の面積のみを、総計結合部面積の計算に使用する。しかしながら、最大不連続結合部、最小不連続結合部、及び不連続結合部の最大アスペクト比の決定には、完全に2cm2以内の不連続結合部位のみを使用する。最小不連続結合部面積比及び最大不連続結合部面積比、不連続結合部サイズ比、及び不連続結合部の最大アスペクト比は、次の式を使用して計算する。
【0096】
【0097】
最大アスペクト比は、試験片内の結合部の最大アスペクト比である。
【0098】
より大きい不連続結合部及びより小さい不連続結合部は、それぞれの結合部の主要寸法によって区別することができ、主要寸法は、結合部内の任意の方向の最大長さである。単一の不連続結合部が、任意の方向で3.5mm以上の長さを有する場合、結合部は、より大きい不連続結合部として定義する。任意の方向の不連続結合部の最大長さが3.5mm未満である場合、結合部は、より小さい不連続結合部として定義する。より小さい結合部の総計面積は、2cm2の試験片内のより小さい不連続結合部の個々の不連続結合部面積の合計である。より大きい結合部の総計面積は、2cm2の試験片内のより大きい結合部の個々の不連続結合部面積の合計である。より大きい又はより小さい不連続結合部の一部分のみが2cm2の試験片内に入る場合、2cm2内に入るその一部分の面積のみを、それぞれより大きい結合部の総計面積又はより小さい結合部の総計面積の計算に使用する。
【0099】
より大きい結合部対より小さい結合部の比は、次の式を使用して計算する。
【0100】
【0101】
ヒステリシス試験方法
ヒステリシス試験は、様々な特定された歪み値に使用することができる。ヒステリシス試験は、コンピュータと接続された市販の引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)製、SINTECH-MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)製又は同等のもの)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、データの収集、計算、及び報告をする。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試験前24時間、試験片をコンディショニングする。
【0102】
試験片を、構成要素の意図する伸張方向に10mm×構成要素の意図する伸張方向に対して垂直な方向に25.4mmの寸法に切断する。非弾性領域から又は弾性領域から試験片を収集する。
【0103】
試験プロトコル
1.適切なグリップ及びロードセルを選択する。グリップは、平面を有していなければならず、その全幅に沿って試験片を把持するのに十分広くなければならない。また、グリップは、試験片が試験中に滑らないことを確実にするのに十分な力及び好適な表面を提供しなくてはならない。ロードセルは、試験される試験片からの引張応答が使用されるロードセル容量の25%~75%になるように選択される。
2.製造者の指示書に従って試験機を較正する。
3.グリップ間の距離(ゲージ長)を7mmに設定する。
4.均一な幅がゲージ長方向に対して垂直な方向に沿って位置するように、グリップの平面に試験片を置く。試験片を上グリップで固定し、試験片をたるんだ状態で垂れ下がるようにし、次いで下グリップを閉じる。予負荷されたたるみを、5グラム/力に設定する。これは、たるみが5重量グラムの力で取り除かれた(13mm/分の一定のクロスヘッド速度で)ときに、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は5重量グラムの力の引張試験機のグリップの間の試験片の長さである。この調整されたゲージ長を最初の試験片長さとし、それは歪み0%に対応している。試験の任意の点における歪み率は、調整されたゲージ長で割って100を掛けた、調整されたゲージ長さに対する長さの変化として定義される。
5(a)第1周期負荷:70mm/分の一定のクロスヘッド速度で100%歪みまで試験片を引っ張る。グリップ間の伸長した試験片長さをlmaxとして報告する。
5(b)第1周期負荷解除:試験片を100%歪みで30秒間保持し、次いで、70mm/分の一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドをその開始位置(0%歪み又は初期試料長さ、lini)に戻す。試験片を1分間緩んだ状態で保持する。
5(c)第2周期負荷:70mm/分の一定のクロスヘッド速度で100%歪みまで試験片を引っ張る。
5(d)第2周期負荷解除:次に、100%のひずみで試験片を30秒間保持し、次いで、70mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(すなわち、0%のひずみ)に戻す。
【0104】
コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた力を、適用された歪みの関数として記録する。作成された得られたデータから、以下の量を報告する。
i.0.001mm単位の、予負荷されたたるみ5重量グラム(lini)におけるグリップ間の試験片長さ。
ii.0.001mm単位の、100%歪み(lmax)での第1サイクルにおけるグリップ間の試験片長さ。
iii.0.001mm単位の、7重量グラム(lext)の第2サイクル負荷力におけるグリップ間の試験片長さ。
iv.0.01%単位の、(lext-lini)/(lmax-lini)×100%と定義される永久歪%。
【0105】
6つの別個の試料で試験を繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0106】
複合体引張試験方法
複合体引張試験を使用して、製品用途を表す比較的高い歪み速度で試験片の強度を測定する。この方法は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie Minn.)から入手可能なMTS810、又は同等のものなどの、28mm移動後5m/秒を超える速度、及び40mm移動後6m/秒の接近が可能であるサーボ油圧作動装置を備える好適な引張試験機を使用する。引張試験機は、22℃±2℃及び相対湿度50±10%の恒温室内に置かれる。引張試験機は、50lbの力変換器(例えばKistler North America(Amherst,N.Y.)から製品コード9712 B50(50lb)として入手可能)、及びデュアルモードアンプを備えるシグナルコンディショナー(例えば、Kistler North Americaから製品コード5010として入手可能)を装着している。引張試験中に試験片を固定するために、
図8及び9に示されているグリップを使用するべきである。(
図9は、滑りを防止するための材料505を有する、
図8のグリップのうちの1つの側面図である。)
【0107】
(a)グリップ
ライングリップは、標準寸法の明確な定義を提供し、過度の滑りを回避するように選択する。最小限のたるみを有し、試験片がグリップ間の中心になるように、試験片を配置する。試験片の破損又は切断を回避しながら、良好な標準寸法定義を与えるようにグリップの頂部507を接地させる。頭部を接地させて0.5~1.0mmの範囲の半径を設ける。
図9に示されるように、グリップの一方又は両方の一部分は、試験片が滑る傾向を低減する材料505(例えば、50~70のショアA硬度を有するウレタン又はネオプレンゴム片)を含むように構成してもよい。26mm幅の上部及び底部グリップを使用して、試験片をクランプする。
【0108】
(b)吸収性物品からの試験片の複合体引張試験
最低4つの試験片を収集し、同一の吸収性物品製品の同じ一部分から切断し、分離プロセス中の試験片の損傷を防止するように注意を払わなければならない。結合領域の長手方向(すなわち、最大直線寸法)を決定する。試験片及びグリップラインA及びBの正面図を概略的に示している
図10に示されるように、試験片の長さの中央を中心として、結合部の1つの長手方向縁を有するように結合領域を配置して、物品から所与の複合ウェブの横方向(すなわち、結合部の長手方向に対して垂直)(SL)に32mm×長手方向(SW)に25mmの長さの試験片を慎重に切断する。試験片は、次のように試験する:ゲージ長さ、垂直のL
0、(すなわちグリップからグリップまでの分離)、第1のグリップ位置から第2のグリップ位置までの長さの距離は、25mmであり、定規を使用して0.1mmの精度まで測定する。試験片は、およそ0.5m/秒のクロスヘッド変位速度を提供する試験速度で試験する。試験前に、グリップ間に5mmのたるみを作る。試験片の結合領域の長手方向寸法がグリップ頭部と平行になるように、グリップ500の間に試験片を配置し、第1のグリップがグリップラインAで第1の基材を保持し、第2のグリップがグリップラインBで第2の基材を保持し、それによって、例えば
図11に示されるように、試験中の基材間の接続の複合体引張強度を試験する。第2の基材がグリップラインAの位置まで延在するのに十分な長さであるか、又は第1の基材がグリップラインBの位置まで延在するのに十分な長さである場合、この余分な材料は、それがそれぞれのグリップに誤って入るのを防止するために、慎重に折り畳むべきである。
【0109】
各引張曲線力は、次の式を使用して試験片横方向寸法に対して正規化する。
【0110】
【0111】
各試験片の歪みは、歪み(%)でx軸上に報告し、各試験片の力は、力(N/cm)でy軸上に報告する。歪み%は、次の式を使用して、グリップライン間の延在する長さL、及び初期ゲージ長さL0から計算する。
【0112】
【0113】
試験片が断裂する(すなわち、ピーク後の応答が、ピーク力の10%未満の値に到達する)まで引っ張る。試験中、グリップのうちの1つを静止状態に保ち、対向するグリップを移動させる。試験中に生成された力及びアクチュエータ変位データは、MOOG SmarTEST ONE STO03014-205独立制御器を使用して記録し、データ取得周波数は、10kHzに設定する。試験した試験片の複合体引張強度としてピーク力値を記録する。ピークは、材料が破損又は断裂する点として定義する破断とは対照的に、最大力値に続く実質的な力の低下として定義し、力は、ゼロ値まで急速に低下する。ピークでの歪み%は、最大力での歪み%として定義する。
【0114】
少なくとも4つの試験片のピークでの平均歪み%、平均複合体引張強度(N/cm)、及び標準偏差を記録する。記録した標準偏差が15%よりも高い場合、新しい組の4つの試験片を試験する。平均は、算術平均である。
【0115】
(a)基材の引張試験
最低4つの試験片を収集し、同一の吸収性物品製品の同じ一部分から切断し、分離プロセス中の試験片の損傷を防止するように注意を払わなければならない。試験するときに基材に破損が生じるであろうような結合領域を回避して、複合体試験片と同じ寸法及び方向的な向きを有する、結合パターンに隣接する試験片を物品から慎重に切断する。各グリップが同じ基材を保持することを除いて、複合体試験片と同じ様式で、試験片を試験する。前に定義したピーク力は、基材試験片のピーク力引張強度、又はピーク力での引張強度として記録する。少なくとも4つの試験片のピーク力(N/cm)での試験片基材引張強度及び標準偏差の算術平均を記録し、ピーク力での平均引張強度又は平均ピーク力引張強度として報告する。記録した標準偏差が15%よりも高い場合、新しい組の4つの試験片を試験する。
【0116】
長手方向剥離強度試験方法
TestWorks4(登録商標)ソフトウェア又は同等のものを備えたMTSモデルAlliance RT/1などのコンピュータと接続された好適な引張試験機を使用する。引張試験機は、22℃±2℃及び相対湿度50±10%の恒温室内に置かれる。製造業者の指示書に従って計器を較正する。データ取得速度は少なくとも50ヘルツに設定される。試験に使用されるグリップは試料よりも幅が広い。幅50.8mmのグリップを使用することができる。グリップは、全グリップ力を試験応力の方向に対して垂直な単一の線に沿って集中させるように設計された、1つの平坦面及び対向面を有する空気圧式のグリップであり、対向面からは、試料の滑りを最小限に抑えるための半円形(半径=6mm、例えばMTS Systems Corp.からの部品番号:56-163-827)が突出しているか、又は同等なグリップである。ロードセルは、測定される力が使用されるロードセルの容量の10%~90%であるように選択される。把捉力線間の初期距離(ゲージ長)は25.4mmに設定されている。器具の負荷測定値は、取付具及びグリップの質量を考慮してゼロにされる。
【0117】
最低4つの試験片を収集し、同一の吸収性物品製品の同じ一部分から切断し、分離プロセス中の試験片の損傷を防止するように注意を払わなければならない。結合領域の長手方向(すなわち、最大直線寸法)を決定する。
図12に示されるように、試験片の幅の中央に結合領域を配置して、所与の複合ウェブの結合領域の長手方向SL2に110mm×横断方向SW
2に25mmの長さの試験片を吸収性物品から慎重に切断する。試験片の横断方向端部200のうちの1つで開始し、第1の基材が第2の基材からおよそ5mm分離されるまで、ピンセット又はデリケートな指を使用することによって、結合の境界で第1の基材102を第2の基材104から慎重に分離することによって、試験片の剥離を開始する。次いで、長さ30~40mmの切片の3M SCOTCH(登録商標)234などの幅25mmのテープ210を使用して、第1の基材に取り付けて、
図13に示されるように、テープリーダー205を作り出して、材料のほどけた長さを増加させる。標準的な事務用ステープラを使用して、テープリーダーを第1の基材上に留めて、テープリーダーが剥離試験中に分離しないことを確実にする。加えて、同じ概説された手順に従って、テープリーダー及びステープルを第2の基材にも加える。
【0118】
たるみがなく、かつ測定される負荷が0.00N~0.02Nであるような様式で、試験片をグリップに取り付ける。試験片の剥離方向が、印加される引張応力と平行になるように、試験片をグリップの中心に取り付ける。結合領域の長手方向寸法が、グリップ頭部に対して垂直になるように、試験片をグリップ間に置き、第1のグリップがグリップラインCで第1の基材のテープリーダーを保持し、第2のグリップがグリップラインDで第2の基材のテープリーダーを保持し、それによって180°の剥離方向で第2の基材から第1の基材を剥離する。長手方向剥離方法では、他の寸法の結合試験片を使用してもよいが、しかしながら、有効な結合面積は、試験片の中心にあり続けるべきであることを、当業者は認識するべきである。剥離試験を開始し、試験片が完全に分離されるまで、少なくとも50ヘルツのデータ取得速度で、試験片を127mm/分で延伸する。各試験片の剥離変位は、ミリメートル単位でのクロスヘッド移動をx軸上に報告し、各試験片の力は、力(N、ニュートン)でy軸上に報告する。剥離強度力(N)は、10mm~およそ100mmの剥離変位から平均化し、これを試験片長手方向剥離強度として報告する。少なくとも4つの試験片のNでの試験片長手方向剥離強度及び標準偏差の算術平均を記録し、平均長手方向剥離強度(N)として報告する。記録した標準偏差が20%よりも高い場合、新しい組の4つの試験片を試験する。
【0119】
横方向剥離強度試験方法
TestWorks4(登録商標)ソフトウェア又は同等のものを備えたMTSモデルAlliance RT/1などのコンピュータと接続された適切な引張試験機が使用される。引張試験機は、22℃±2℃及び相対湿度50±10%の恒温室内に置かれる。製造業者の指示書に従って計器を較正する。データ取得速度は少なくとも50ヘルツに設定される。本明細書の複合体引張試験方法に記載され、
図8及び9に示されるグリップは、154mm幅の上部及び底部グリップを使用して試験片をクランプすることを除いて、引張試験中に試験片を固定するために使用するべきである。グリップ力のライン間の初期の距離(ゲージ長)を10mmに設定する。器具の負荷読み取り値は、取り付け具及びグリップの質量を考慮して零点規正する。
【0120】
最低4つの試験片を収集し、同一の吸収性物品製品の同じ一部分から切断し、分離プロセス中の試験片の損傷を防止するように注意を払わなければならない。結合領域の長手方向(すなわち、最大直線寸法)を決定する。
図14に示されるように、試験片の長さの中央に結合領域を配置して、所与の複合ウェブの結合領域の横方向SL
3に25mm×結合領域の長手方向SW
3に107mmの長さの試験片を吸収性物品から慎重に切断する。試験片の長さの端部300で開始して、試験片を伸長に検査して、第1又は第2の基材の結合していないほどけた縁をグリップにしっかり固定するのに十分にある、すなわち、第1及び第2の基材が、合わせて10mm超の結合していないほどけた縁を有することを確実にする。第1又は第2の基材の結合していないほどけた縁が、グリップにしっかり固定するのに十分でない場合、グリップ力のライン(ゲージ長)間の最初の距離を、10mm未満に調節してもよいことを、当業者は認識するべきである。あるいは、長手方向剥離強度試験方法に概説された手順に従ってテープリーダー205を使用して、慎重に試験片を取り扱って、第1及び第2の基材の不完全な分離を防止しでもよい。
【0121】
たるみがなく、かつ測定される負荷が0.00N~0.02Nであるような様式で、試験片をグリップに取り付ける。試験片の剥離方向が、印加される引張応力と平行になるように、試験片をグリップの中心に取り付ける。結合領域の長手方向寸法が、グリップ頭部に対して平行になるように、試験片をグリップ間に置き、
図15に示されるように、第1のグリップがグリップラインEで第1の基材を保持し、第2のグリップがグリップラインFで第2の基材を保持し、それによって180°の剥離方向で第2の基材から第1の基材を剥離する。横方向剥離方法では、他の寸法の結合試験片を使用してもよいが、しかしながら、有効な結合面積が試験片の中心にあり続けるべきであり、横方向剥離力が、次の式を使用して、試験片の幅SW
3によって正規化されるべきであることを当業者は認識するべきである。
【0122】
【0123】
剥離試験を開始し、試験片が完全に分離されるまで、少なくとも50ヘルツのデータ取得速度で、試験片を127mm/分で延伸する。各試験片の剥離変位は、ミリメートル単位でのクロスヘッド移動をx軸上に報告し、各試験片の力は、力(N/cm)でy軸上に報告する。N/cmでの横方向ピーク剥離強度を記録し、ピークは最大力値に続く力の実質的な低下として定義する。試験片の横方向剥離強度は、剥離変位全体にわたってN/cmでの剥離力を平均化することによって記録する。少なくとも4つの試験片の横方向ピーク剥離強度(N/cm)及び標準偏差の算術平均も記録し、平均横方向ピーク剥離強度として報告する。少なくとも4つの試験片の試験片横方向剥離強度(N/cm)及び標準偏差の算術平均を記録し、平均横方向剥離強度(N/cm)として報告する。記録した標準偏差が20%よりも高い場合、新しい組の4つの試験片を試験する。
【0124】
トップシートAGM残留方法
トップシートAGM残留(TAGMR)方法を使用して、吸収性物品のトップシートの皮膚に面する側でのAGM粒子の存在を評価する。この方法では、吸収性物品の試料のように、皮膚に面する側を上にして平らに伸張し、硫酸銅水溶液を霧吹きする。硫酸銅によってAGM粒子を青色に着色し、AGM粒子の広がりを視覚的に評価する。温度23℃±2.0℃、及び相対湿度45%±10%で調整した室内で全ての試験を行い、試料は、試験前最低12時間の間これらの同じ条件で調整した。
【0125】
吸収性物品の名目上同等な10個の試料を無作為に選択する。各試料物品について、弾性脚部カフを除去し、接着剤又はフック材料を装備したボード上に試料を平らに保持する。手持ち式ポンプ噴霧器を用いて、15±5mLの0.5%w/wの硫酸銅水溶液を、物品のトップシート全体におよそ均一に噴霧する。この溶液を送達して1分以内に、トップシートを視覚的に評価し、トップシート上に観察される不連続のAGM粒子の数を記録する。
【0126】
10個の試料全体で観察される粒子の数の算術平均を計算し、パッドごとの粒子の平均数として最も近い整数まで報告する。粒子が観察されなかった試料の数を10(試料の総数)で除し、残留粒子がなかったパッドの百分率として百分率として報告する。
【0127】
バッグ内積み重ね高さ試験
吸収性物品のパッケージのバッグ内積み重ね高さは、以下のように測定する。
機器
平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さ試験機を使用する。厚さ試験機は、水平スライディングプレートが平坦な剛性の水平ベースプレートのすぐ上で水平の向きに常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成されている。厚さ試験機は、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±0.5mm以内で測定するのに好適なデバイスを含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、各プレートと接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい(すなわち、各プレートは全ての方向において吸収性物品パッケージの接触表面を越えて延在する)。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力850±1重量グラム(8.34N)を加えるが、これはスライディングプレートの合計質量に付加重量を足して850±1グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成され得る。
【0128】
試験手順
吸収性物品パッケージを、測定前に、23±2℃及び50±5%の相対湿度で平衡化する。
【0129】
水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平の向きとなるようにして吸収性物品パッケージを水平スライディングプレート下で中心に置く(
図16参照)。プレートのいずれかに接触するであろうパッケージの表面上にある任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから10秒後に、水平プレート間の間隙を±0.5mm以内になるように測定する。5つの同じパッケージ(同じサイズのパッケージ及び同じ吸収性物品数)を測定し、算術平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内積み重ね高さ」=(パッケージ幅/積み重ね当たりの吸収性物品数)×10を計算し、±0.5mm以内で報告する。
【0130】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0131】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、このような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。