IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立楼宇技▲術▼(▲広▼州)有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-非接触式キーおよびその制御方法 図1
  • 特許-非接触式キーおよびその制御方法 図2
  • 特許-非接触式キーおよびその制御方法 図3
  • 特許-非接触式キーおよびその制御方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】非接触式キーおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20221216BHJP
   E05B 19/00 20060101ALN20221216BHJP
【FI】
H01H35/00 C
E05B19/00 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020563701
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2020110929
(87)【国際公開番号】W WO2021196509
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】202010250190.8
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520433920
【氏名又は名称】日立楼宇技▲術▼(▲広▼州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HITACHI BUILDING TECHNOLOGY (GUANGZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.2, NANXIANG 3 ROAD, SCIENCE CITY, HIGH‐TECH INDUSTRIAL DEVELOPMENT ZONE, GUANGZHOU, GUANGDONG 510660, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】黄 立明
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 永生
(72)【発明者】
【氏名】仲 兆峰
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲偉▼文
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲賢▼▲チョウ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲偉▼杰
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-088872(JP,A)
【文献】特開2013-206836(JP,A)
【文献】特開2002-317482(JP,A)
【文献】特開2020-009682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/00-43/32
E05B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのキーユニットを備え、前記少なくとも1つのキーユニットが、センシング領域拡張モジュールと、距離検出モジュールと、信号処理モジュールとを備え、前記距離検出モジュールと前記信号処理モジュールとが接続されている非接触式キーであって、
前記センシング領域拡張モジュールは、前記距離検出モジュールのセンシング領域を調節するように構成され、
前記距離検出モジュールは、前記センシング領域内に位置する物体から前記非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して前記距離信号を前記信号処理モジュールに伝送するように構成され、
前記信号処理モジュールは、前記距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成され、
前記距離信号に応じてキー制御信号を生成することは、
前記距離信号に対応する距離が予め設定された距離以下であると判定し、且つ物体のセンシング時間幅が予め設定された時間幅に達したことを確定した場合、第1制御信号を生成し、前記第1制御信号に対応する動作を実行するようにターゲットデバイスに指示することであって、前記予め設定された距離が予め設定された最大センシング距離よりも小さく、前記予め設定された時間幅が予め設定されたセンシング時間幅よりも小さいことと、
前記距離信号に対応する距離が前記予め設定された最大センシング距離以下で前記予め設定された距離よりも大きいと判定し、且つ物体のセンシング時間幅が前記予め設定されたセンシング時間幅に達したことを確定した場合、前記第1制御信号を生成することと、
前記距離信号に対応する距離が前記予め設定された最大センシング距離よりも大きいと判定した場合、第2制御信号を生成し、元の動作を保持するように前記ターゲットデバイスに指示することと、を含む、非接触式キー。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキーユニットはハウジングを更に備え、前記センシング領域拡張モジュールは前記ハウジングの頂部の内面に固定され、前記距離検出モジュールは前記ハウジング内に配置され、且つ前記センシング領域拡張モジュールと対向して設けられ、前記信号処理モジュールは前記ハウジング内または前記ハウジングの外に配置されている、請求項1に記載の非接触式キー。
【請求項3】
前記センシング領域拡張モジュールはレンズを備え、前記レンズは対向して設けられた平面および凹円弧面を含み、前記平面は前記ハウジングの内面に固定されている、請求項2に記載の非接触式キー。
【請求項4】
前記少なくとも1つのキーユニットはキー状態フィードバックモジュールを更に備え、前記キー状態フィードバックモジュールは前記ハウジングの外側に設けられ、キー状態信号をフィードバックするように構成され、ここで、前記キー状態信号は、物体が接近していない指示信号、物体が接近した指示信号、物体が前記センシング領域に進入した指示信号、センシングが成功した指示信号の少なくともの1つを含み、
前記信号処理モジュールは前記キー状態フィードバックモジュールに接続される、請求項2に記載の非接触式キー。
【請求項5】
前記キー状態フィードバックモジュールは、表示デバイスと音声デバイスとの少なくともの1つを備える、請求項4に記載の非接触式キー。
【請求項6】
各キーユニットは各信号処理モジュールと1対1で対応して設けられているか、または前記少なくとも1つのキーユニットは1つの信号処理モジュールを共用する、請求項1に記載の非接触式キー。
【請求項7】
前記距離検出モジュールはTOFセンサを備える、請求項1に記載の非接触式キー。
【請求項8】
前記少なくとも1つのキーユニットの予め設定された最大センシング距離と前記少なくとも1つのキーユニットの予め設定されたセンシング時間との少なくともの1つが調整可能である、請求項1に記載の非接触式キー。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の非接触式キーに適用され、
前記非接触式キーにおける距離検出モジュールにより、センシング領域内に位置する物体から前記非接触式キーまでの距離を指示するための距離信号を取得することと、
前記距離信号に応じてキー制御信号を生成することと、
を含む、キー制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年04月01日に中国専利局に提出された出願番号が202010250190.8である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、該出願の全ての内容を引用により本出願に援用する。
【0002】
本開示は、キー分野に関し、例えば、非接触式キーおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大部分のキーはいずれも機械的なものであり、すなわち、実体のキーを押すことにより、キー導体を導通させて信号入力機能を実現し、機械的な変形が不要な接触式の電子センシングのキーもあるが、このようなキーはいずれも直接接触する必要がある。
【0004】
一実施例において、近接式容量によりセンシングされた非接触式キーもあるが、このようなキーの要求する近接距離が比較的小さいため、キーは環境干渉を受けて誤操作しやすく、制御しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、キーのセンシング領域を調節し、耐干渉性を強化し、キーの使用効率を向上させるための非接触式キーおよびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも1つのキーユニットを備え、前記少なくとも1つのキーユニットが、センシング領域拡張モジュールと、距離検出モジュールと、信号処理モジュールとを備え、前記距離検出モジュールと前記信号処理モジュールとが接続されている非接触式キーであって、
前記センシング領域拡張モジュールは、前記距離検出モジュールのセンシング領域を調節するように構成され、
前記距離検出モジュールは、前記センシング領域内に位置する物体から前記非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して前記距離信号を前記信号処理モジュールに伝送するように構成され、
前記信号処理モジュールは、前記距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成される非接触式キーを提供する。
【0007】
上記非接触式キーに適用され、
前記非接触式キーにおける距離検出モジュールにより、センシング領域内に位置する物体から前記非接触式キーまでの距離を指示するための距離信号を取得することと、
前記距離信号に応じてキー制御信号を生成することと、を含むキー制御方法を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係る非接触式キーの構造模式図である。
図2】本発明の実施例1に係る別の非接触式キーの構造模式図である。
図3】本発明の実施例2に係る非接触式キーの構造模式図である。
図4】本発明の実施例3に係るキー制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面および実施例を参照しながら本開示について説明する。図面において、構造全体ではなく、本開示に関連する部分のみを示す。
【0010】
(実施例1)
本発明の実施例は、非接触式キーを提供し、図1は、本発明の実施例1に係る非接触式キーの構造模式図である。図1に示すように、非接触式キーは少なくとも1つのキーユニットを備え、少なくとも1つのキーユニットが、センシング領域拡張モジュール10と、距離検出モジュール20と、信号処理モジュール30とを備え、距離検出モジュール20と信号処理モジュール30とが接続されている。
【0011】
一実施例において、センシング領域拡張モジュール10は、距離検出モジュール20のセンシング領域を調節するように構成される。
【0012】
距離検出モジュール20は、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して距離信号を信号処理モジュール30に伝送するように構成される。
【0013】
信号処理モジュール30は、距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成される。
【0014】
一実施例において、非接触式キーは少なくとも1つのキーユニットを備え、少なくとも1つのキーユニットが、センシング領域拡張モジュール10と、距離検出モジュール20と、信号処理モジュール30とを備える。距離検出モジュール20と信号処理モジュール30との間が接続されている。ここで、センシング領域拡張モジュール10は、距離検出モジュール20のセンシング領域を調節するように構成され、距離検出モジュール20は、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出するように構成される。センシング領域は、キーユニットにおける距離検出モジュール20が物体を検出できる空間範囲であり、例えば、センシング領域拡張モジュール10が距離検出モジュール20のセンシング領域を増大する時、図1に示すように、センシング領域拡張モジュール10が距離検出モジュール20のセンシング領域を増大できることは、センシング領域拡張モジュール10が設けられていないセンシング領域bからセンシング領域拡張モジュール10が設けられたセンシング領域aまで増大されるように現れ、即ち、光領域の大きさが調整されることにより、センシング領域は調整される。センシング領域拡張モジュール10は、距離検出モジュール20のセンシング領域を縮小するように構成されてもよく、実際の状況に応じて設定される。距離検出モジュール20がセンシング領域内に位置する物体を検出する場合、距離検出モジュール20は、更に、センシング領域内の物体から非接触式キーまでの距離に応じて距離信号を生成するように構成される。距離検出モジュール20と信号処理モジュール30との間が通信接続され、距離検出モジュール20は距離信号を信号処理モジュール30に伝送することができ、信号処理モジュール30は距離信号に応じてキー制御信号を生成してキーを制御する。距離検出モジュール20と信号処理モジュール30との間の接続方式は、有線接続であってもよく、無線接続であってもよく、ここでは、距離検出モジュール20と信号処理モジュール30との間の接続態様を限定しない。本発明の実施例において、センシング領域拡張モジュール10の設定はキーのセンシング領域の調節を実現する。また、近接式容量によるセンシングにより非接触式のキーを実現し、このようなキーは、検出物体の近接距離を小さくに要求し、制御しにくく、環境干渉を受けて誤操作しやすい一方、本願の実施例に係る距離検出モジュール20は、物体の遠距離の監視を実現でき、キーのセンシング領域を増大し、キーの耐干渉性を強化し、キーの使用効率を向上させることを実現する。
【0015】
好ましくは、距離検出モジュール20は、TOF(Time-Of-Flight)センサを備える。TOFセンサは、物体が媒体を通過して伝播するのに必要な時間を測定し、通常、波パルスがTOFセンサから発されてから、物体によって反射されてTOFセンサに戻るまで経過した時間のメトリクスであり、距離に換算することにより、TOFセンサと物体との距離を測定できる。TOFセンサは、0mm~100mmの範囲内またはより大きな範囲で3mmの解像度で物体を正確に検出することを実現できる。距離検出モジュール20は、キーのセンシング領域を増大し、キーの耐干渉性を強化し、キーの使用効率を向上させるというニーズを満たす。
【0016】
好ましくは、図1に示すように、少なくとも1つのキーユニットはハウジング40を更に備え、センシング領域拡張モジュール10はハウジング40の頂部の内面に固定され、距離検出モジュール20はハウジング40内に配置されてセンシング領域拡張モジュール10と対向して設けられ、信号処理モジュール30はハウジング40内に配置されている。
【0017】
好ましくは、図2は、本発明の実施例1に係る別の非接触式キーの構造模式図であり、図2に示すように、キーユニットはハウジング40を更に備え、センシング領域拡張モジュール10はハウジング40の頂部の内面に固定され、距離検出モジュール20はハウジング40内に配置されてセンシング領域拡張モジュール10と対向して設けられ、信号処理モジュール30はハウジング40の外に配置されている。
【0018】
一実施例において、各キーユニットはハウジング40を更に備え、キーのパッケージ構造を形成する。キーユニットにおけるセンシング領域拡張モジュール10はハウジング40の頂部の内面に固定され、距離検出モジュール20はハウジング40のキャビティ内に配置され、且つ距離検出モジュール20はセンシング領域拡張モジュール10と対向して設けられている。信号処理モジュール30はハウジング40のキャビティの内部に配置されてもよく、信号処理モジュール30をハウジング40の外部に設け、外部の信号処理モジュール30により距離検出モジュール20が収集した距離信号を処理してもよい。好ましくは、各キーユニットは各信号処理モジュール30と1対1で対応して設けられている。
【0019】
好ましくは、図1に示すように、センシング領域拡張モジュール10はレンズ11を備え、レンズ11は対向して設けられた平面および凹円弧面を含み、平面は前記ハウジング40の内面に固定されている。レンズ11の材料および/またはラジアンの半径を調整することによりレンズ11の焦点距離を調節することで、光領域の大きさを調整する。レンズ11の焦点距離が小さければ小さいほど、光線がレンズ11を通過して発散した後の広がり角は大きく、センシング領域の範囲を増大することを実現し、即ち、レンズ11は凹レンズである。本実施例に係る別の態様において、レンズ11の材料および/またはラジアンの半径を調整することによりレンズ11の焦点距離を調節することで、光領域の大きさを縮小することができ、この場合、レンズ11は対向して設けられた平面および凸円弧面を含み、平面は前記ハウジング40の内面に固定され、即ち、レンズ11は凸レンズである。
【0020】
好ましくは、図1に示すように、少なくとも1つのキーユニットはキー状態フィードバックモジュール50を更に備え、キー状態フィードバックモジュール50はハウジング40の外側に設けられ、キー状態フィードバックモジュール50はキー状態信号をフィードバックするように構成され、ここで、キー状態信号は、物体が接近していない指示信号、物体が接近した指示信号、物体がセンシング領域に進入した指示信号、およびセンシングが成功した指示信号のうちの少なくとも1種を含み、信号処理モジュール30はキー状態フィードバックモジュール50に接続され、信号処理モジュール30は、更に、距離信号、予め設定された最大センシング距離および予め設定されたセンシング時間幅に応じて、前記キー状態フィードバックモジュール50に対する制御信号を出力するように構成される。好ましくは、キー状態フィードバックモジュール50は表示デバイスおよび/または音声デバイスを備え、キーユニットの物体に対するセンシング状態を視覚的および/または聴覚的にフィードバックする。
【0021】
例示的には、キー状態フィードバックモジュール50は表示灯であり、キーユニットが長時間にわたって物体をセンシングしていない場合、表示灯は、呼吸灯の形式で物体が接近していない指示信号を示し、キーユニットは待機状態にある。キーユニットの距離検出モジュール20が、物体が接近したことを発見した場合、表示灯は微点灯で物体が接近した指示信号を示し、キーユニットの距離検出モジュール20が、物体がセンシング領域に入ったことを検出した場合、表示灯は高速点滅の形式で物体がセンシング領域に入った指示信号を示し、キーユニットの距離検出モジュール20が、センシングが成功したことを確認した場合、表示灯は常時点灯の形式でセンシングが成功した指示信号を示す。
【0022】
好ましくは、各キーユニットの予め設定された最大センシング距離は個別に設けることができる。
【0023】
一実施例において、各キーユニットは予め設定された最大センシング距離を個別に設計することができる。距離検出モジュール20が物体の距離信号を収集した後、物体の距離信号を信号処理モジュール30に送信し、信号処理モジュール30は受信した物体の距離信号に対応する距離と予め設定された最大センシング距離とを比較し、予め設定された最大センシング距離が受信した物体の距離信号に対応する距離よりも大きければ、キーユニットによるセンシングが成功したことを意味する。
【0024】
本実施例に係る別の態様において、少なくとも1つのキーユニットの予め設定された最大センシング距離は調整可能であり、製品出荷後に、パラメータは固定値であってもよい。信号処理モジュール30により異なる予め設定された最大センシング距離を設定して物体の予め設定された最大センシング距離を個別に設計することができる。キーの間隔が大きい場合、キーの予め設定された最大センシング距離を増加してもよく、キーの間隔が小さい場合、キーの予め設定された最大センシング距離を小さくしてもよい。年寄りおよび子供による操作が多い場合、キーの予め設定された最大センシング距離を増加してもよく、オフィスビル等の人が密集している場合、キーの予め設定された最大センシング距離を小さくしてもよい。予め設定された最大センシング距離をパラメータ化してもよく、製品が納品されて使用された後、ユーザは使用状況に応じて調整することができ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0025】
好ましくは、各キーユニットの予め設定されたセンシング時間は個別に設けることができる。信号処理モジュール30は、異なる予め設定されたセンシング時間を設定することにより、各キーユニットに予め設定されたセンシング時間を個別に設計することを実現する。
【0026】
本実施例に係る別の態様において、少なくとも1つのキーユニットの予め設定されたセンシング時間は調整可能であり、製品出荷後に、パラメータは固定値であってもよい。効率要求が高い場合、センシング時間の閾値である予め設定されたセンシング時間を少し小さく設計してもよく、空間環境が悪くて干渉を受けやすい場合、センシング時間の閾値である予め設定されたセンシング時間を少し大きく設計してもよい。予め設定されたセンシング時間をパラメータ化してもよく、製品が納品されて使用された後、ユーザは使用状況に応じて調整することができる。該設計はユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0027】
好ましくは、キーユニットは、物体の距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離の設定値よりも大幅に小さいと検出した場合、今回確認したセンシング時間を減少することができるように設計されてもよい。例えば、予め設定された最大センシング距離の設定値が10mmであり、予め設定されたセンシング時間の設定値が700msである場合、物体の距離が5mmであると検出すると、センシング時間が500ms越えれば有効信号であると考えられ、700msに達する必要がない。本発明の実施例は、キーユニットの環境適応能力および耐干渉性を向上させ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0028】
本発明の実施例に係る非接触式キーは少なくとも1つのキーユニットを備え、キーユニットが、センシング領域拡張モジュールと、距離検出モジュールと、信号処理モジュールとを備え、距離検出モジュールと信号処理モジュールとが接続され、ここで、センシング領域拡張モジュールは、距離検出モジュールのセンシング領域を増大するように構成され、距離検出モジュールは、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して距離信号を信号処理モジュールに伝送するように構成され、信号処理モジュールは、距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成される。本発明の実施例に係る技術案は、キーの耐干渉性を強化し、キーの使用効率を向上させ、センシング領域拡張モジュールを設けることによりキーのセンシング領域を増大し、予め設定された最大センシング距離および/または予め設定されたセンシング時間の個別な設計により、キーユニットの環境適応能力および耐干渉性を向上させ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0029】
(実施例2)
本発明の実施例は非接触式キーを提供し、上記実施例1の基に、本発明の実施例に係る非接触式キーにおける少なくとも1つのキーユニットは1つの信号処理モジュールを共用する。
【0030】
本発明の実施例は、非接触式キーを提供し、図3は、本発明の実施例2に係る非接触式キーの構造模式図であり、図3に示すように、非接触式キーは少なくとも1つのキーユニットを備え、キーユニットが、センシング領域拡張モジュール10と、距離検出モジュール20と、信号処理モジュール30とを備え、距離検出モジュール20と信号処理モジュール30とが接続されている。
【0031】
ここで、センシング領域拡張モジュール10は、距離検出モジュール20のセンシング領域を調節するように構成される。
【0032】
距離検出モジュール20は、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して距離信号を信号処理モジュール30に伝送するように構成される。
【0033】
信号処理モジュール30は、距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成される。
【0034】
好ましくは、距離検出モジュール20はTOFセンサを備える。TOFセンサは、物体が媒体を通過して伝播するのに必要な時間を測定し、通常、波パルスがTOFセンサから発されてから、物体によって反射されてTOFセンサに戻るまで経過した時間のメトリクスであり、距離に換算することにより、TOFセンサと物体との距離を測定できる。TOFセンサは、0mm~100mmの範囲内またはより大きな範囲で3mmの解像度で物体を正確に検出することを実現できる。距離検出モジュール20は、キーのセンシング領域を増大し、キーの耐干渉性を強化し、キーの使用効率を向上させるというニーズを満たす。
【0035】
好ましくは、図3に示すように、キーユニットはハウジング40を更に備え、センシング領域拡張モジュール10はハウジング40の頂部の内面に固定され、距離検出モジュール20はハウジング40内に配置され、且つセンシング領域拡張モジュール10と対向して設けられ、信号処理モジュール30はハウジング40の外に配置され、少なくとも1つのキーユニットは1つの信号処理モジュール30を共用し、非接触式キーにおける信号処理モジュール30の個数を減少し、更にデバイスのコストおよび占有空間を低減する。
【0036】
好ましくは、図3に示すように、センシング領域拡張モジュール10はレンズ11を備え、レンズ11は対向して設けられた平面および凹円弧面を含み、平面は前記ハウジング40の内面に固定されている。レンズ11の材料および/またはラジアンの半径を調整することによりレンズ11の焦点距離を調節することで、光領域の大きさを調整する。レンズ11の焦点距離が小さければ小さいほど、光線がレンズ11を通過して発散した後の広がり角は大きく、センシング領域の範囲を増大することを実現し、即ち、レンズ11は凹レンズである。本実施例に係る別の態様において、レンズ11の材料および/またはラジアンの半径を調整することによりレンズ11の焦点距離を調節することで、光領域の大きさを縮小することができ、この場合、レンズ11は対向して設けられた平面および凸円弧面を含み、平面は前記ハウジング40の内面に固定され、即ち、レンズ11は凸レンズである。
【0037】
好ましくは、図3に示すように、キーユニットはキー状態フィードバックモジュール50を更に備え、ハウジング40の外側に設けられ、キー状態信号をフィードバックするように構成され、ここで、キー状態信号は、物体が接近していない指示信号、物体が接近した指示信号、物体がセンシング領域に進入した指示信号、およびセンシングが成功した指示信号のうちの少なくとも1種を含み、信号処理モジュール30はキー状態フィードバックモジュール50に接続され、信号処理モジュール30は、更に、距離信号、予め設定された最大センシング距離および予め設定されたセンシング時間幅に基づき、前記キー状態フィードバックモジュール50に対する制御信号を出力するように構成される。好ましくは、キー状態フィードバックモジュール50は表示デバイスおよび/または音声デバイスを備え、キーユニットの物体に対するセンシング状態を視覚的および/または聴覚的にフィードバックする。
【0038】
例示的には、キー状態フィードバックモジュール50は表示灯であり、キーユニットが長時間にわたって物体をセンシングしていない場合、表示灯は、呼吸灯の形式で物体が接近していない指示信号を示し、キーユニットは待機状態にある。キーユニットの距離検出モジュール20が、物体が接近したことを発見した場合、表示灯は微点灯で物体が接近した指示信号を示し、キーユニットの距離検出モジュール20が、物体がセンシング領域に入ったことを検出した場合、表示灯は高速点滅の形式で物体がセンシング領域に入った指示信号を示し、キーユニットの距離検出モジュール20が、センシングが成功したことを確認した場合、表示灯は常時点灯の形式でセンシングが成功した指示信号を示す。
【0039】
好ましくは、各キーユニットの予め設定された最大センシング距離は個別に設けることができる。
【0040】
一実施例において、各キーユニットは予め設定された最大センシング距離を個別に設計することができる。距離検出モジュール20が物体の距離信号を収集した後、物体の距離信号を信号処理モジュール30に送信し、信号処理モジュール30は受信した物体の距離信号に対応する距離と予め設定された最大センシング距離とを比較し、予め設定された最大センシング距離が受信した物体の距離信号に対応する距離よりも大きければ、キーユニットによるセンシングが成功したことを意味する。
【0041】
本実施例に係る別の態様において、キーユニットの予め設定された最大センシング距離は調整可能であり、製品出荷後に、パラメータは固定値であってもよい。信号処理モジュール30により異なる予め設定された最大センシング距離を設定して物体の予め設定された最大センシング距離を個別に設計することができる。キーの間隔が大きい場合、キーの予め設定された最大センシング距離を増加してもよく、キーの間隔が小さい場合、キーの予め設定された最大センシング距離を小さくしてもよい。年寄りおよび子供による操作が多い場合、キーの予め設定された最大センシング距離を増加してもよく、オフィスビル等の人が密集している場合、キーの予め設定された最大センシング距離を小さくしてもよい。予め設定された最大センシング距離をパラメータ化してもよく、製品が納品されて使用された後、ユーザは使用状況に応じて調整することができ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0042】
好ましくは、各キーユニットの予め設定されたセンシング時間は個別に設けることができる。信号処理モジュール30は、異なる予め設定されたセンシング時間を設定することにより、各キーユニットに予め設定されたセンシング時間を個別に設計することを実現する。
【0043】
本実施例に係る別の態様において、キーユニットの予め設定されたセンシング時間は調整可能であり、製品出荷後に、パラメータは固定値であってもよい。効率要求が高い場合、センシング時間の閾値である予め設定されたセンシング時間を少し小さく設計してもよく、空間環境が悪くて干渉を受けやすい場合、センシング時間の閾値である予め設定されたセンシング時間を少し大きく設計してもよい。予め設定されたセンシング時間をパラメータ化してもよく、製品が納品されて使用された後、ユーザは使用状況に応じて調整することができる。該設計はユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0044】
好ましくは、キーユニットは、物体の距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離の設定値よりも大幅に小さいと検出した場合、今回確認したセンシング時間を減少することができるように設計されてもよい。例えば、予め設定された最大センシング距離の設定値が10mmであり、予め設定されたセンシング時間の設定値が700msである場合、物体の距離が5mmであると検出すると、センシング時間が500ms越えれば有効信号であると考えられ、700msに達する必要がない。本発明の実施例は、キーユニットの環境適応能力および耐干渉性を向上させ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができる。
【0045】
本発明の実施例は非接触式キーを提供し、少なくとも1つのキーユニットを備え、キーユニットが、センシング領域拡張モジュールと、距離検出モジュールと、信号処理モジュールとを備え、距離検出モジュールと信号処理モジュールとが接続され、ここで、センシング領域拡張モジュールは、距離検出モジュールのセンシング領域を増大するように構成され、距離検出モジュールは、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して距離信号を信号処理モジュールに伝送するように構成され、信号処理モジュールは、距離信号に応じてキー制御信号を生成するように構成され、少なくとも1つのキーユニットは1つの信号処理モジュールを共用する。キーの耐干渉性を強化し、キーのセンシング領域を調節し、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができるとともに、デバイスのコストおよび占有空間を低減する。
【0046】
(実施例3)
本発明の実施例はキー制御方法を提供し、上記いずれかの実施例に記載の非接触式キーに適用され、信号処理モジュールにより実行可能である。図4は、本発明の実施例3に係るキー制御方法のフローチャートであり、図4に示すように、該方法はS10~S20を含む。
【0047】
S10において、非接触式キーにおける距離検出モジュールにより、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を指示するための距離信号を取得する。
【0048】
一実施例において、非接触式キーは少なくとも1つのキーユニットを備え、キーユニットが、センシング領域拡張モジュールと、距離検出モジュールと、信号処理モジュールとを備え、距離検出モジュールと信号処理モジュールとが接続されている。ここで、センシング領域拡張モジュールは、距離検出モジュールのセンシング領域を調節するように構成され、距離検出モジュールは、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、センシング領域に位置する物体から非接触式キーまでの距離を指示するための距離信号を生成するように構成される。
【0049】
S20において、距離信号に応じてキー制御信号を生成する。
【0050】
一実施例において、距離検出モジュールと信号処理モジュールとが接続され、距離検出モジュールは、センシング領域内に位置する物体から非接触式キーまでの距離を検出し、距離信号を生成して距離信号を信号処理モジュールに伝送し、信号処理モジュールは、距離信号に応じてキー制御信号を生成する。
【0051】
好ましくは、距離信号に応じてキー制御信号を生成することは、
距離信号に対応する距離が予め設定された距離以下であると判定した場合、物体のセンシング時間が予め設定された時間に達したことを確定すると、第1制御信号を生成し、前記第1制御信号に対応する動作を実行するようにターゲットデバイスに指示することであって、予め設定された距離が予め設定された最大センシング距離よりも小さく、予め設定された時間が予め設定されたセンシング時間よりも小さいことと、
距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離以下で予め設定された距離よりも大きいと判定した場合、物体のセンシング時間が予め設定されたセンシング時間に達したことを確定すると、第1制御信号を生成することと、
距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離よりも大きいと判定した場合、第2制御信号を生成し、元の動作を保持するようにターゲットデバイスに指示することと、
を含む。
【0052】
例示的には、予め設定された最大センシング距離の設定値が10mmであり、予め設定されたセンシング時間の設定値が700msである場合、予め設定された距離は5mmである。物体の距離信号に対応する距離が3mmで、即ち、距離信号に対応する距離が予め設定された距離以下であると検出した場合、物体のセンシング時間が予め設定された時間500msに達したことを確定すると、信号処理モジュールは第1制御信号を生成し、対応動作を実行するようにターゲットデバイスに指示することができ、予め設定されたセンシング時間700msに達する必要がない。物体の距離信号に対応する距離が8mmで、即ち、距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離以下で予め設定された距離よりも大きいと検出した場合、物体のセンシング時間が必要として予め設定されたセンシング時間700msに達すれば、信号処理モジュールは第1制御信号を生成し、対応動作を実行するようにターゲットデバイスを指示することができる。物体の距離信号に対応する距離が12mmで、即ち、物体の距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離よりも大きいと検出した場合、信号処理モジュールは第2制御信号を生成し、元の動作を保持するようにターゲットデバイスを指示する。
【0053】
本発明の実施例に係る技術案は、物体の距離信号に対応する距離が予め設定された最大センシング距離の設定値よりも大幅に小さいと検出した場合、今回確認したセンシング時間を減少することができ、キーの環境適応能力および耐干渉性を向上させ、設計がユーザフレンドリーであり、ユーザにより有効なサービスを提供することができることを実現する。
図1
図2
図3
図4