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特許7195354浸食マトリックス中に1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む医薬製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】浸食マトリックス中に1またはそれ以上のフマル酸エステルを含む医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/225 20060101AFI20221216BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221216BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 5/16 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221216BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
A61K31/225
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/38
A61P17/06
A61P19/02
A61P17/00
A61P1/04
A61P25/00
A61P3/10
A61P5/14
A61P5/16
A61P37/02
A61P37/06
A61P7/06
A61P1/16
A61P29/00 101
A61P13/12
A61P21/00
A61P27/02
A61P29/00
A61P25/04
A61P35/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021027017
(22)【出願日】2021-02-24
(62)【分割の表示】P 2018090566の分割
【原出願日】2010-01-08
(65)【公開番号】P2021088591
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】PA200900034
(32)【優先日】2009-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】61/143,613
(32)【優先日】2009-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518340429
【氏名又は名称】エフダブリューピー・アイピー・アンパルトセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】FWP IP APS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・ニルソン
(72)【発明者】
【氏名】ローラント・ルップ
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-515822(JP,A)
【文献】国際公開第2007/042034(WO,A1)
【文献】特表2008-529959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春季カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植拒絶、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療に用いられる医薬の製造のための医薬製剤の使用であって、該医薬製剤が
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C-C)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C-C)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースよりなる群から選択される水溶性ポリマーである、15~50重量%の律速物質、および
iii)ラクトース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、およびマンニトールよりなる群から選択される水溶性糖である、5~30重量%の結合剤、
を含有するモノリシックな浸食マトリックス錠であり、
該医薬製剤が崩壊剤を含まず、該浸食マトリックスの浸食が、該活性物質の制御放出または持続性放出を可能にする、使用。
【請求項2】
該医薬製剤が、活性物質としてフマル酸ジメチルを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
該医薬製剤が、活性物質としてフマル酸モノメチルを医薬的に許容される塩の形態で含有する、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
該律速物質が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項1~3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
該医薬製剤が、さらに腸溶コーティングを含む、請求項1~4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
乾癬の治療のための、請求項1~5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
乾癬性関節炎の治療のための、請求項1~5のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
多発性硬化症の治療のための、請求項1~5のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
関節リウマチの治療のための、請求項1~5のいずれかに記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浸食マトリックスを含む医薬製剤に関する。より詳細には、本発明は、1またはそれ以上のフマル酸エステルおよび1またはそれ以上の律速物質を含む、浸食され得るマトリックスを含む医薬製剤に関するものである(ここで、該浸食マトリックスの浸食は、該フマル酸エステルの制御放出または持続放出を可能にする)。
【背景技術】
【0002】
乾癬は、遺伝的素因の率が高い慢性皮膚疾患である。この疾患は急性再燃と完全な静止時の間で変動する。乾癬に罹患した患者は、該疾患の外見的特徴のため重度の障害があることがある。これは、生活のすべての部分、例えば職歴や個人生活に影響する。
【0003】
本発明の療法までに利用可能な治療的可能性は、特に中等度~重度の乾癬の患者では限られ、それらはいずれも一時的で短期間の改善しかもたらさず、そして/または重度の有害作用/副作用がある。乾癬は再発率が高いので、患者の大部分は長期治療を受けなければならない。
【0004】
フマル酸エステルは、30年以上も中等度~重度の乾癬に治療に用いられてきた。1994年に、フマル酸ジメチルとフマル酸モノエチル(塩)の規定混合物、Fumaderm(登録商標)initial(イニシャル)/Fumaderm(登録商標)がドイツで承認された。Fumaderm(登録商標)の腸溶コート(coated)錠は以下の活性成分を含む:フマル酸ジメチル 120 mg;フマル酸水素エチル,カルシウム塩87 mg;フマル酸水素エチル,マグネシウム塩5 mg;フマル酸水素エチル,亜鉛塩3 mg、および以下の他の成分:クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、着色料E 171およびE 132、メタクリル酸-メチルメタクリル酸-コポリマー(1:1)、メタクリル酸-アクリル酸エチル-コポリマー(1:1)、Macrogol 6000、シメチコン、ポビドン、クエン酸トリエチル、微晶質セルロース、高分散二酸化ケイ素 [Summary of Product Characteristics、Fumaderm(登録商標)2009年1月版]。今日まで、Fumaderm(登録商標)はドイツにおける乾癬の全身治療の全処方の約66%に相当する。しかし、副作用の頻度が高いため、治療初期で中止する患者がいる。消化管の副作用および紅潮の少なくとも一部は、腸内の高い局所濃度をもたらす処方製剤の放出特性により説明することができると考えられる。
【0005】
本発明者らは、改善された治療計画が、活性成分が、制御されて、市販の製品に比べて長期に、持続して、遅延して(retarded)、緩徐に、および/または遅れて(delayed)送達されるように設計された医薬組成物を投与することにより得ることができると考える。
【0006】
フマル酸エステル、例えばフマル酸ジメチルは分解および加水分解することができる。例えば、フマル酸ジメチルは、より酸性の環境下よりアルカリ性/低酸性環境下で加水分解されやすい傾向がある(Litjens et al、「In vitro pharmacokinetics of anti-psoriatic humaric acid esters」、BMC Pharmacology 2004、4:22)。すなわち、フマル酸ジメチルは、胃(gastric ventricle)より小腸で加水分解される傾向がより強いと考えられる。上記pHの効果に加えて、エステラーゼがフマル酸エステルの加水分解に関与すると考えられる。
【0007】
WO 2006/037342は、フマル酸エステルを活性物質として含む、制御放出プロフィールがGI(消化管)関連副作用の減少をもたらす制御放出医薬組成物を開示している。
(本発明の目的)
【0008】
本発明のある態様は、従来技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて GI(消化管)関連副作用の減少および/または紅潮の減少を示す、フマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、従来技術の製剤に比べて改善された薬物動態プロフィールを有するフマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤を提供することを目的とする。特に、本発明は、従来技術の制御放出製剤に比べてAUCおよび/またはCmax値の変動性の減少を示す、フマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤を提供することを目的とする。特に、本発明は、例えば従来技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて適切な相対バイオアベイラビリティを示す、フマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤を提供することを目的とする。特に、本発明は、例えば先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べてAUCおよび/またはCmax値の変動性の減少を示す、フマル酸エステルを活性物質として含む制御または持続放出医薬製剤を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(発明の要約)
本発明者らは、1またはそれ以上のフマル酸エステルの制御または持続放出が浸食マトリックス錠により得られることをみいだした。APIの放出の延長は、その他の成分に対する律速ポリマーの量で調節することができ、APIの高い局所濃度を避けるか低下させることができると考えられる。
【0010】
医薬的関連レベルでの1またはそれ以上のフマル酸エステルの制御または持続放出は患者のコンプライアンスを改善するためにFumaderm(登録商標)に比べて小さな錠剤から得られ、吸収部位に到達した後所定時間内に活性物質ができるだけ完全に確実に送達されるようにしながらAPIの高い局所濃度を避けることができると同時にFumaderm(登録商標)に比べて変動性の低下をもたらすことができることが解った。
【0011】
本発明の製剤は良好なin vitro/in vivo相関を有することがわかった。ある局面において、該in vitro/in vivo相関は、該製剤からフマル酸エステルの80%が放出される時間を該製剤の投与後にin vivoで測定されるCmaxと比較することにより決定される。
【0012】
さらに、該マトリックスの浸食によるAPIの制御放出は、消化管内でAPIが加水分解に曝されるのを減少させるかもしくは最小限にすることにより、吸収前のAPIの分解を軽減すると考えられる。
【0013】
第一の局面において、これにより治療効果を維持すると同時に、Fumaderm(登録商標)について知られている望ましくない副作用もしくは有害作用を実質的に減少させるか、またはFumaderm(登録商標)に比べて耐容性を改善すると考えられる。
【0014】
別の局面において、これによりFumaderm(登録商標)に比べて治療効果を改善すると同時に、従来技術のFumaderm(登録商標)による乾癬治療による望ましくない副作用を減少させることができると考えられる。
【0015】
別の局面において、これによりFumaderm(登録商標)に対する耐容性を維持すると同時に治療効果を改善することができると考えられる。
【0016】
別の局面において、これによりFumaderm(登録商標)に対する耐容性を改善すると同時に治療効果を改善することができると考えられる。
【0017】
さらなる局面において、第一の局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
i) 活性物質として、10%~80重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 1~50重量%の1またはそれ以上の律速物質、
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0018】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 3~40重量%の1またはそれ以上の律速物質;
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0019】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
i) 活性物質として、10~80重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 1~50重量%の1またはそれ以上の律速物質、
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0020】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 3~40重量%の1またはそれ以上の律速物質;
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0021】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 4~6重量%の律速物質、
iii) 35~55重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0022】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0023】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 4~6重量%の律速物質、
iii) 35~55重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0024】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0025】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0026】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0027】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 30~60重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~65重量%のラクトース、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下のように該浸食マトリックスの浸食はフマル酸ジメチルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤に含まれるフマル酸ジメチルの総量の約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0028】
ある局面において、本発明は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックスの形の医薬製剤に関する:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 30~60重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~65重量%のラクトース、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下のように該浸食マトリックスの浸食はフマル酸ジメチルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約0%w/w~約5%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤に含まれるフマル酸ジメチルの総量の約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0029】
本発明の文脈において、用語「重量%」は、外部コーティングまたはフィルムを除くコア錠中の各成分の重量パーセンテージを表す。
【0030】
別の局面において、本発明は以下の工程を含む本発明製剤の製造方法に関する:
a) フマル酸エステルおよび重合マトリックス物質の形の律速物質の1つまたは両方を水に溶解もしくは懸濁させて、その水性懸濁液を得、
b) フマル酸エステルの顆粒に該水性懸濁液および/または結合剤をその上に均質なコーティングが得られるのに充分な時間スプレーし、
c) 得られた顆粒を乾燥し、
d) 所望により該顆粒を篩過または粉砕し、
e) 既知の方法に従ってあらゆる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を混合して錠剤を得、
f) 所望により既知の方法に従って該錠剤をフィルムもしくは腸溶コーティングする;
ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。
【0031】
例えば、フマル酸ジメチルは昇華して消失し得ることが知られており、該昇華はより高温で明確である。
【0032】
ある局面において、本発明の製剤の製造は、昇華を減らすか最小限にするため比較的低温で実施され、中間工程をほとんど含まず、機械を使わない操作工程の介在も最小限である。これらの因子は、商業的状況においてその製造方法を商業規模に拡張可能であり、実施できることに寄与する。ある局面において、本発明の製剤は、より大規模、例えば少なくとも15 kg規模、例えば少なくとも20 kg規模、例えば少なくとも30 kg規模で製造することができることがわかった。
【0033】
別の局面において、本発明は以下の工程を含む本発明製剤の製造方法に関する:
a) 重合マトリックス物質の形の律速物質を水に溶解または懸濁してその水性懸濁液を得、
b) フマル酸エステルの顆粒上に均一なコーティングが得られるのに充分な時間該顆粒に該水性懸濁液をスプレーし、
c) 得られた顆粒を乾燥し、
d) 所望により該顆粒を篩過または粉砕し、
e) 既知の方法に従ってあらゆる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を混合して錠剤を得、
f) 所望により既知の方法に従って該錠剤をフィルムもしくは腸溶コーティングする;
ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。
【0034】
別の局面において、本発明は以下の工程を含む本発明製剤の製造方法に関する:
a) 所望によりフマル酸エステルの結晶を篩過または粉砕し、
b) フマル酸エステルの結晶、重合マトリックス物質の形の律速物質、および医薬的に許容される賦形剤および添加剤を直接圧縮法により混合して錠剤を得、
c) 所望により既知の方法により該錠剤をフィルムおよび/または腸溶コーティングする;
ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。
【0035】
別の局面において、本発明の医薬製剤は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療のために用いられる。
【0036】
本発明の別の局面は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための本発明の医薬製剤の使用である。
【0037】
本発明の別の局面は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、有効量の本発明制御放出医薬組成物をそれを必要とする患者に経口投与することを含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質とし、次いで残りの試験時間は0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いる、実施例16、18、20、および22に記載の本発明のフィルムおよび腸溶コート浸食マトリックス錠の37℃におけるin vitro溶解プロフィールを示す。
図2】0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質とし、次いで残りの試験時間は0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いる、実施例23に記載の本発明のフィルムコート浸食マトリックス錠の37℃におけるin vitro溶解プロフィールを示す。
【0039】
(発明の詳細な説明)
本発明の文脈において、用語「API」(「活性医薬成分」の略語)および用語「活性物質」は、互換性に用いられ、本発明の医薬製剤から放出されるフマル酸エステルを表す。
【0040】
本発明の文脈において、用語「制御または持続放出」は、同等の条件下(例えば、in vivo試験では、用量等価(標準食などにするかまたはしない)、またはin vitro試験では、用量等価、溶解試験装置、および操作条件(例えば、用いる溶解媒質の組成、容量、および温度、回転速度など))で試験すると、市販の製品であるFumaderm(登録商標)の放出に比べてフマル酸エステルを持続して、遅れて、緩徐に、および/または遅延して放出するよう設計された製剤からの放出を表す。
【0041】
in vivo放出は、予め決定した時間に血漿中濃度を測定することにより該フマル酸エステルまたは関連性があればその代謝物の血漿中濃度対時間プロフィールを得ることにより試験することができる。さらに、代謝は、消化管内で、または消化管粘膜の通過時に、または肝循環を介した一次通過時にすでに生じていると考えられる。したがって、フマル酸エステルを投与するときに調べる血漿中の関連成分は、フマル酸のジメチルエステルではなくモノエチルエステルであろう。
【0042】
他の試験を用いてin vivoの活性物質の放出を測定するかまたは測定値を得ることもできる。すなわち、動物(例えば、ミニブタ、イヌなど)をモデルとして用いることができる。該動物に観察下で一定時間後に組成物を投与し、血液試料を回収し、血漿または特定臓器中の活性成分(または関連があればその代謝物)の含有量を決定するか、該活性成分を腸内容物から抽出する。
【0043】
別の試験は、動物またはヒト腸の特定の断片の使用を伴う。該断片を、断片により分離した2つのコンパートメント(ドナーおよびレシーバー)を含む適切な装置に置き、観察下で該組成物を1つのコンパートメント(ドナーコンパートメント)中の適切な媒質中に入れる。該組成物は活性物質を放出し、次いで該活性物質は腸断片を横切って運ばれる。したがって、適切な時間間隔で、レシーバーコンパートメント中の活性物質(または関連があれば代謝物)の濃度を測定する。
【0044】
当業者は、上記方法を特定の組成物に適合させることができるだろう。
【0045】
in vitro法については十分確立された方法、特に公式モノグラフ、米国薬局方(USP)または欧州薬局方などに記載の方法が利用可能である。当業者は、どの方法を選び、in vitro試験を実施するための具体的条件をどのように選択するかを理解しているだろう。例えば、USPは、in vitro試験を37±1.0、例えば37±0℃で行うように規定している。ある局面において、適切な溶解試験は、溶解プロフィールを、米国薬局方に記載のごとく37℃で、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで残りの試験時間については0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用い、パドル溶解装置を100rpmで用いて測定する。当業者は、適用条件、例えば、温度、pH、パドル速度、継続時間などを調整する方法を理解しているだろう。さらなる局面において、in vitro溶解試験は以下のごとく実施する:1リットル容器およびUSP装置II(パドル)を用いる。浴温度を37℃±0.5℃に、パドル速度を100rpmに設定する。1錠を750 mlの0.1N HCl(pH 1.2)を含む1つの容器中に2時間置く。その後、220 mlの0.2 Mリン酸ナトリウム緩衝液を加えてpHを6.8に変更する。各サンプリング時点で1.5mlの試料をとり、HPLCでDMFを分析する。HPLCパラメーターは以下の通りである:カラム:Phenomenex Luna C18、50 x 4.6 mm、3μm;カラム オーブン温度30℃:移動相:メタノール:20 mM リン酸緩衝液pH3.0(35:65 V/V)、注入容量:5μl、流速:0.8 ml/min、検出器の波長:210 nm、操作時間5 min、DMF保持時間 3.5 min。
【0046】
本発明の文脈において、用語「相対的バイオアベイラビリティ」は、2つの異なる製剤または基準製品を投与後の吸収された薬剤の量(曲線下面積(AUC)で表す)の比較を表す。本発明の文脈において、吸収された薬剤の量(AUCで表す)は、投与した実際の薬剤の形、またはその代謝物として検出することができる。相対的バイオアベイラビリティは、基準AUCのパーセンテージ、すなわちAUC%で表すことができる。
【0047】
本発明の文脈において、用語「変動性」は、医薬製剤または基準製剤を投与後のPKパラメーター(例えば、CmaxおよびAUC)の変動性を表す。変動性は、PKパラメーターの変動係数(CV)、すなわち、標準偏差/平均の比として表すことができる。
【0048】
本発明の文脈において、用語「耐容性」は、対象および/または患者が薬剤に耐える可能性を表す。ある局面において、「耐容性」は、治療の初期、例えば治療を開始して最初の3月間以内、例えば治療を開始して最初の1月間以内、例えば治療を開始して最初の2週間以内、例えば治療を開始して最初の1週間以内、例えば治療を開始して最初の3日間以内、例えば治療を開始して最初の1日間以内、例えば治療の最初の投与後に対象および/または患者が薬剤に耐える可能性として表す。より良好な耐容性を有する薬剤は、対象および/または患者における副作用が、耐容性の悪い薬剤に比べて少ない。
【0049】
本発明の文脈において、用語「~が実質的にない」は、約1%以下、例えば約0.5%以下、例えば約0.3%以下、例えば約0.0%のレベルを表す。
【0050】
本発明の文脈において、用語「律速物質」および「重合マトリックス物質の形の律速物質」は、互換性に用い、活性物質のin vivoおよび/またはin vitroでの放出を遅延/持続および/または延長させることができる薬剤を表す。
【0051】
上記のように、活性物質のin vivoおよび/またはin vitroでの放出を、市販のFumaderm(登録商標)組成物に比べて延長し、緩徐にし、および/または遅延させる。本発明の文脈において、用語「延長(prolonged)」は、Fumaderm(登録商標)より長時間、Fumaderm(登録商標)より、例えば少なくとも1.2倍、例えば少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍以上長く放出されることを示すことを意図する。すなわち、例えば、100%のフマル酸ジメチルが適切な試験開始後3時間にFumaderm(登録商標)錠から放出される場合は、本発明の組成物中の100%のフマル酸ジメチルは適切な試験開始後の少なくとも3.6時間に放出される。
【0052】
本発明の文脈において、用語「遅延(delayed)」は、活性物質の放出がFumaderm(登録商標)に比べて後の時点で(例えば、30分またはそれ以降、例えば45分間もしくはそれ以降、例えば1時間それ以降、または1.5時間またはそれ以降に)開始することを示すことを意図する。
【0053】
本発明の文脈において、用語「モノリシック(monolithic)」は、単一単位からなるか、または単一単位を構成することを表す。本発明の製剤は、改善された耐容性、例えば消化管(GI)の副作用の重症度の減少および/または低下、例えば発赤発現の重症度の減少および/または低下、紅潮発現の重症度の減少および/または低下をもたらすと考えられる。
【0054】
本発明の使用において、消化管(GI)の副作用には、限定されるものではないが、下痢、腹痛(stomach ache、stomach pain、abdominal pain)、腹部痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、膨満(meteorism)、排便回数の増加、膨満感、および上腹部痙攣が含まれよう。
【0055】
本発明の文脈において、GI関連副作用の減少は、Fumaderm(登録商標)投与後にみられるGI副作用と本発明製剤投与後にみられるGI副作用を比較すると、ある治療患者ポピュレーションにおいて、重症度および/または発生率の減少を示すことを意図する。すなわち、この定義によればGI関連副作用の減少は、上記のあらゆるGI副作用の発生率の実質的な減少、例えば発生率の少なくとも10%の減少、より好ましくは発生率の少なくとも20%の減少、さらにより好ましくは発生率の少なくとも30%の減少と解釈される。GI関連副作用の減少は、下痢、腹痛(stomach ache、stomach pain、abdominal pain)、腹部痙攣、悪心、鼓腸、しぶり、膨満(meteorism)、排便回数の増加、膨満感、または上腹部痙攣の重症度および/または頻度の実質的な減少として表現することもできる。上記GI関連副作用の減少は、Fumaderm(登録商標)またはプラセボと本発明の製剤の投与を比較する臨床試験においてモニターすることができる。プラセボ対照臨床試験の場合は、プラセボ群と比較した本発明の製剤を投与した患者のGI関連副作用の発生率を、Fumaderm(登録商標)とプラセボを比較するヒストリカル臨床試験と比較することができる(例えば、Altmeyer et al、J. Am. Acad. Dermatol. 1994;すべてを参照:Altmeyer PJ et al、Antipsoriatic effect of Fumaric acid derivatives. Results of a multicenter double-blind study in 100 patients. J. Am. Acad. Dermatol. 1994;30:977-81参照)。
【0056】
さらなる局面において、本発明の製剤を経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与後に比べてGI副作用(頻度および/または重症度)が減少する。
【0057】
ある態様において、そのような臨床試験は、下記の「患者に対する臨床試験」に示すごとく実施することができる。別の態様において、そのような臨床試験は、下記の「健康ボランティアに対する臨床試験」に示すごとく実施することができる。
患者に対する臨床試験
【0058】
典型的には乾癬に罹患した患者を試験に含め、典型的には体表面積の10%以上が乾癬に罹患している(重症の乾癬)。しかし、体表面積の2~10%が罹患している患者も含むことができる(中等度の乾癬)。患者は感染面積重症度指標(PASI)スコアに基づいて選ぶこともできる。典型的にはPASIスコアが一定の範囲内、例えば10~40、例えば12~30、または例えば15~25の患者を含む。別の態様において、一定の最小PASIスコア、例えばPASIスコアが少なくとも8、例えば少なくとも10、例えば少なくとも12、例えば少なくとも15の患者を含む。あらゆる種類の乾癬(慢性プラーク型、発疹滴状型、膿疱型、乾癬性紅皮症、または手掌足底型)の患者を含みうるが、ある場合には、慢性プラーク型の患者のみを含む。ほとんどの場合、各処置群(本発明製剤、Fumaderm(登録商標)、またはプラセボ)につき約15~20名の患者で十分であるが、各治療群に約30~50名の患者を含むことがより好ましい。試験の総継続時間は、わずか1日間~1週間でありうるが、より好ましくは、試験は8~12週間、または16週間またはそれ以上継続する。副作用は、例えば、ある副作用が各群について報告された総回数(何名の患者が副作用を経験したかにかかわらず)で評価するか、または試験の継続期間中にある副作用をある回数、例えば少なくとも1回、少なくとも2回、または少なくとも3回経験した患者の数で評価することができる。さらに、副作用の重症度をモニターすることができるか、または試験において副作用とみなすには副作用の一定の重症度が必要でありうる。副作用の重症度の好都合な評価方法は、視覚アナログ(VAS)スケールを用いる。
健康ボランティアに対する臨床試験
【0059】
本試験は、典型的には、非盲検無作為化交差デザインに従って、おそらく市販製剤であるFumaderm(登録商標)を標準として用いる本発明の医薬製剤の血漿中濃度、薬物動態、安全性、および耐容性を検討する一施設臨床試験である。該臨床試験は、下記実施例25で詳細に記載するように実施することができる。
【0060】
さらなる局面において、本発明の製剤は経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与に比べて紅潮(頻度および/または重症度)を減少させる。
【0061】
本発明の文脈において、用語「紅潮」は、顔および/または首、および頻度は少ないが上幹および上腹部または全身の温感または熱感を伴う皮膚の突発的発赤を表す。紅潮は、発症が一過性である点で、光線過敏症や急性接触反応の持続性紅斑と区別される。長期間にわたる反復性紅潮は、毛細血管拡張症および時として顔面の古典的酒さをもたらしうる(Greaves MW. Flushing and flushing syndromes、rosacea and perioral dermatitis. In:Champion RH.ら編、Rook/Wilkinson/Ebling textbook of dermatology、第6版、vol.3. Oxford、UK:Blackwell Scientific、1998:2099-2104)。
【0062】
本発明の文脈において、紅潮の減少とは、所定の処置患者間で、本発明の製剤を投与した後にみられる紅潮の重症度および/または発生率/頻度が、Fumaderm(登録商標)投与後にみられる紅潮に比べて減少することを意味し、これは例えばO'toole et al. Cancer 2000、88(4):p. 770~776の記載に従って測定することができる。すなわち、この定義によれば紅潮の減少は、紅潮の発生率および/または重症度の減少と解釈することができよう。本発明のある局面において、紅潮の発生率は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/2減少し、本発明のさらなる局面において、紅潮発生率は約2/3またはそれ以上減少する。同様に、本発明のある局面において、該重症度は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において少なくとも約1/3、本発明の別の局面において少なくとも1/2、本発明のさらなる局面において少なくとも約2/3減少する。紅潮発生率および重症度の100%の減少が最も好ましいが、必要ではない。上記のように臨床試験において、例えば本発明の組成物の投与と例えばFumaderm(登録商標)の投与を比較することにより紅潮の減少をモニターすることができる。Fumaderm(登録商標)を対照とする臨床試験の場合は、本発明の化合物を投与された患者の紅潮の軽度、中等度、または重度で定義した発生率および重症度をFumaderm(登録商標)群と比較することができる。
【0063】
ある局面において、紅潮の重症度は、罹患した体表面積で決定する。
【0064】
ある態様において、該臨床試験は「患者に対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。別の態様において、該臨床試験は、「健康ボランティアに対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。
【0065】
さらなる局面において、本発明の製剤を経口投与すると、同用量のFumaderm(登録商標)錠の経口投与後に比べて発赤(頻度および/または重症度)が減少する。
【0066】
本発明の文脈において、用語「発赤」は、皮膚の突発的な発赤を表す。ある局面において、発赤は顔、首、および頻度は少ないが上幹および上腹部に生じる。
【0067】
本発明の文脈において、発赤の減少は、所定の処置患者間で、本発明の製剤を投与した後にみられる発赤の重症度および/または発生率/頻度が、Fumaderm(登録商標)投与後にみられる発赤に比べて減少することを意味し、例えば医師や看護師が評価することができる。すなわち、この定義によれば発赤の減少は、発赤の発生率および/または重症度の減少と解釈することができよう。本発明のある局面において、発赤の発生率は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/3減少し、本発明の別の局面において、該発生率は少なくとも約1/2減少し、本発明のさらなる局面において、発赤の発生率は、約2/3またはそれ以上減少する。同様に、本発明のある局面において、該重症度は、少なくとも約1/4減少し、本発明の別の局面において少なくとも約1/3、本発明の別の局面において少なくとも1/2、本発明のさらなる局面において少なくとも約2/3減少する。発赤発生率および重症度の100%の減少が最も好ましいが、必要ではない。臨床試験において、上記のごとく発赤の減少を、例えば本発明の組成物の投与と例えばFumaderm(登録商標)の投与を比較することによりモニターすることができる。Fumaderm(登録商標)を対照とする臨床試験の場合は、本発明の化合物を投与された患者の発赤の軽度、中等度、または重度で定義した発生率および重症度をFumaderm(登録商標)群と比較することができる。
【0068】
ある局面において、発赤の重症度は、罹患した体表面積で決定する。
【0069】
ある態様において、該臨床試験は「患者に対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。別の態様において、該臨床試験は、「健康ボランティアに対する臨床試験」の項に記載のごとく実施することができる。
【0070】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、少なくとも約75%、例えば少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%、例えば少なくとも約95%、例えば約100%である。
【0071】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、少なくとも約100%、例えば少なくとも約110%、例えば少なくとも約120%、例えば少なくとも約125%、例えば少なくとも約130%である。
【0072】
ある態様において、Fumaderm(登録商標)と比較した本発明製剤の相対的バイオアベイラビリティは、最大で約130%、例えば最大で約125%、例えば最大で約120%、例えば最大で約110%、例えば最大で約100%である。
【0073】
本発明の文脈において、用語「浸食マトリックス」は、APIの放出が、固有の拡散プロセスに依存せず、マトリックスの浸食速度の結果であるマトリックスを表す。十分制御された方法で浸食されうるマトリックス層を除去することにより予め決定した量のAPIが得られ、APIの放出は、マトリックスの膨潤および溶解または浸食速度、ならびにAPIの溶解速度、可溶性、および拡散速度に依存する。
【0074】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックス含有医薬製剤に関する:
i) 活性成分として、10%~80%、例えば20%~70%、例えば20%~60%、例えば30%~60%、例えば35%~60%、例えば35%~55%、例えば40%~55%、例えば44%~55%、例えば40%~50%、例えば42%~48重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 1%~50重量%の1またはそれ以上の律速物質;
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0075】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックス含有医薬製剤に関する:
i) 活性成分として、30%~60%、例えば35%~60%、例えば35%~55%、例えば40%~55%、例えば40%~50%、例えば44%~55%、例えば42%~48重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 3%~40重量%の1またはそれ以上の律速物質;
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御または持続放出を可能にする。
【0076】
本発明のある態様において、小腸で利用可能な吸収がわずかで充分な薬剤暴露を得ながら、比較的低量の律速物質を用いて持続放出を得ることにより、例えば、先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて好都合な薬物動態特性、例えば適切な相対的バイオアベイラビリティが得られることがわかった。
【0077】
さらなる態様において、小腸で利用可能な吸収がわずかで充分な薬剤暴露を得ながら、本発明の腸溶コート持続放出製剤を得ることにより、例えば、先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べて好都合な薬物動態特性、例えば適切な相対的バイオアベイラビリティが得られることがわかった。
【0078】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーである。
【0079】
本明細書で用いている用語「水溶性ポリマー」は、水に10mg/mLより大きい可溶性を有する医薬に用いるための常套的ポリマーを意味する。適切な水溶性ポリマーには、限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースが含まれる。ある局面において、水溶性ポリマーはヒドロキシプロピルセルロースである。
【0080】
本明細書で用いている用語「水に不溶性のポリマー」は、水に10mg/mL以下の可溶性を有する医薬に用いるための好都合なポリマーを意味する。
【0081】
本発明のさらなる局面において、浸食マトリックスは、実質的に水に不溶性のポリマーを含まない。さらなる局面において、浸食マトリックスは、水に不溶性のポリマーを含まない。
【0082】
本発明の文脈において、用語「実質的に無い(含まない)」は、約1%以下、例えば約0.5%以下、例えば約0.3%以下、例えば約0.0%のレベルを表す。
【0083】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーであり、該浸食マトリックスは、実質的に水に不溶性のポリマーを含まない。
【0084】
本発明のある局面において、該律速物質は水溶性ポリマーであり、該浸食マトリックスは、水に不溶性のポリマーを含まない。
【0085】
本発明のある態様において、該律速物質は、セルロースポリマーもしくはセルロース誘導体またはその混合物である。セルロースポリマーもしくはセルロース誘導体またはその混合物の非限定的例として、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびその混合物があげられる。
【0086】
本発明のある態様において、該律速物質はヒドロキシプロピルセルロースである。例えば、その分子量、エーテル化度、粘度などに応じて種々の異なるグレードのヒドロキシプロピルセルロースが存在する。市販のヒドロキシプロピルセルロースの非限定的な典型的態様は、例えば、登録商標Klucel(登録商標) HPC-L、HPC-SL、HPC-SSL、HPC-M、HPC-HなどをAqualonまたはNippon Sodaから得ることができる。本発明のある態様において、該律速物質は、20℃で2重量%の乾燥HPCを含む水性溶液中で測定すると3.0~5.9の粘度(mPa.s)を有するヒドロキシプロピルセルロースである。本発明の態様において、該律速物質はHPC-SLである。
【0087】
本発明のある態様において、該律速物質は1~40重量%、例えば約3~35重量%、例えば約4~15重量%、例えば約4~10重量%、例えば約3~15重量%、例えば約3~10重量%、例えば約3~6重量%、例えば約3~5.5重量%、例えば約4~6重量%の量で存在する。
【0088】
本発明のある態様において、該律速物質は1~40重量%、例えば3~35重量%、例えば4~15重量%、例えば4~10重量%、例えば3~15重量%、例えば3~10重量%、例えば3~6重量%、例えば3~5.5重量%、例えば4~6重量%の量で存在する。
【0089】
本発明の別の態様において、該律速物質は、15~40重量%、例えば約15-25重量%の量で存在する。
【0090】
本発明の別の態様において、該律速物質は、約25~40重量%、例えば約35~40重量%の量で存在する。
【0091】
本発明の別の態様において、該律速物質は、約0~5重量%、例えば約0~3重量%の量で存在し、例えば実質的に如何なる律速物質も含まない。
【0092】
ある局面において、本発明は、以下のものを含む浸食マトリックスを含む医薬製剤に関する:
i) 活性物質として、10%~80%、例えば20%~70%、例えば20%~60%、例えば30%~60%、例えば35%~60%、例えば35%~55%、例えば40%~55%、例えば40%~50%、例えば44%~55%、例えば42%~48%(重量)の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、および
ii) 0%~40%、例えば0%~20%、例えば0%~10%、例えば0%~5%、例えば0%~1%(重量)の、1またはそれ以上の律速物質;
ここで、該浸食マトリックスの浸食は該活性物質の制御放出を可能にする。
【0093】
律速物質が存在する場合はその量は、用いる具体的な律速物質、目的とする放出プロフィール、コア錠中に存在するあらゆる賦形剤および添加物の濃度と性質などにしたがって変化する。
【0094】
本発明のある態様において、該製剤はさらに結合剤を含む。その非限定的例には、水溶性糖、および糖アルコール、例えばラクトース、サッカロース、グルコース、ソルビトール、マンニトールなどが含まれる。その態様において、該結合剤はラクトースである。ラクトースは、特に、種々の粒子サイズ、粒子サイズ分布などをもたらすのに用いる製造方法に応じて多くの種々のグレードが市販されている。ラクトースの例には、限定されるものではないが、無水ラクトース、α-ラクトース一水和物から作られたラクトース、凝集ラクトース、粒状ラクトース、結晶ラクトース、結晶、篩過したラクトース(例えば、PrismaLac(登録商標)、例えばPrismaLac(登録商標) 40)、結晶、研磨ラクトース(例えば、GranuLac(登録商標)、例えばGranuLac(登録商標) 70、GranuLac(登録商標) 140、GranuLac(登録商標) 200、GranuLac(登録商標) 230およびGranuLac(登録商標) 400)、改良ラクトース、凝集ラクトース(例えば、Tablettose(登録商標)、例えばTablettose(登録商標) 70、Tablettose(登録商標) 80およびTablettose(登録商標) 100)、改良ラクトース、噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標)、例えばFlowLac(登録商標)90およびFlowLac(登録商標) 100)が含まれる。ラクトースは、例えば、商標名PrismaLac(登録商標)、Capsulac(登録商標)、例えばCapsulac(登録商標)60、SacheLac(登録商標)、SpheroLac(登録商標)、Inhalac(登録商標) GranuLac(登録商標)、例えばGranuLac(登録商標) 70、GranuLac(登録商標) 140、GranuLac(登録商標) 200、GranuLac(登録商標) 230、およびGranuLac(登録商標) 400、SorboLac(登録商標)、Tablettose(登録商標)、例えばTablettose(登録商標) 70、Tablettose(登録商標) 80およびTablettose(登録商標) 100、FlowLac(登録商標)、例えばFlowLac(登録商標)90およびFlowLac(登録商標) 100でMeggle Pharmaから得ることができる。
【0095】
ある局面において、該ラクトースは凝集ラクトースである。別の局面において、該ラクトースは噴霧乾燥ラクトースである。別の局面において、該ラクトースは研磨ラクトースである。
【0096】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 4~6重量%の律速物質、
iii) 35~55重量%の結合剤。
【0097】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 15~50重量%の律速物質、
iii) 5~30重量%の結合剤。
【0098】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、30%~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤。
【0099】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、35%~55重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 40~60重量%の結合剤。
【0100】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、40%~50重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 45~55重量%の結合剤。
【0101】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、42%~48重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~5.5重量%の律速物質、
iii) 45~52重量%の結合剤。
【0102】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
iv) 0.15-0.7重量%の潤滑剤、および
所望により0.05~0.25重量%の流量調節剤。
【0103】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、35%~55重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 40~60重量%の結合剤、
iv) 0.15~0.7重量%の潤滑剤、および
所望により0.05~0.25重量%の流量調節剤。
【0104】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、40%~50重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 45~55重量%の結合剤、
iv) 0.15-0.7重量%の潤滑剤、
および所望により0.05~0.25重量%の流量調節剤。
【0105】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 活性物質として、42%~48重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~5.5重量%の律速物質、
iii) 45~52重量%の結合剤、
iv) 0.2~0.5重量%の潤滑剤、および
所望により0.05~0.2重量%の流量調節剤。
【0106】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 30%~60重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 35~65重量%のラクトース。
【0107】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 35%~55重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 40~60重量%のラクトース。
【0108】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 40%~50重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 45~55重量%のラクトース。
【0109】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 42%~48重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~5.5重量%のHPC、
iii) 45~52重量%のラクトース。
【0110】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 30%~60重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 35~65重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウム、および
所望により0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素。
【0111】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 35%~55重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 40~60重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウム、および
所望により0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素。
【0112】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 40%~50重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 45~55重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウム、および
所望により0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素。
【0113】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
i) 42%~48重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~5.5重量%のHPC、
iii) 45~52重量%のラクトース、
iv) 0.2~0.5重量%のステアリン酸マグネシウム、および
所望により0.05~0.2重量%の二酸化ケイ素。
【0114】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、30%~60重量%の、0~5%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、45~53%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、7~15%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 35~65重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウム、および0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0115】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、35%~55重量%の、0~5%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、45~53%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、7~15%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 40~60重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0116】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、40%~50重量%の、0~5%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、45~53%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、7~15%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 45~55重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0117】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、42%~48重量%の、0~5%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、45~53%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、7~15%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~5.5重量%のHPC、
iii) 45~52重量%のラクトース、
iv) 0.2~0.5重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.2重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0118】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、30%~60重量%の、0~7%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、42~59%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、3~12%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 35~65重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0119】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、35%~55重量%の、0~7%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、42~59%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、3~12%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 40~60重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0120】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、40%~50重量%の、0~7%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、42~59%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、3~12%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 45~55重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0121】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、42%~48重量%の、0~7%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、42~59%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、3~12%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~5.5重量%のHPC、
iii) 45~52重量%のラクトース、
iv) 0.2~0.5重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.2重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0122】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、30%~60重量%の、0~10%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、40~65%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、2~10%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 35~65重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0123】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、35%~55重量%の、0~10%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、40~65%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、2~10%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 40~60重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0124】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i) 活性成分として、40%~50重量%の、0~10%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、40~65%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、2~10%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のHPC、
iii) 45~55重量%のラクトース、
iv) 0.15~0.7重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.25重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0125】
本発明のある態様において、本発明の製剤は以下のものを含む:
A) 以下からなる錠剤コア:
i)活性成分として、42%~48重量%の、0~10%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、40~65%の粒子が粒子サイズ>250μmを有し、2~10%の粒子が粒子サイズ<100μmを有するような粒子サイズ分布を有するフマル酸ジメチル、
ii) 3~5.5重量%のHPC、
iii) 45~52重量%のラクトース、
iv) 0.2~0.5重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.05~0.2重量%の二酸化ケイ素、および
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング。
【0126】
ある態様において、本発明の製剤は、さらに1またはそれ以上の潤滑剤を含む。
【0127】
ある態様において、本発明の製剤は、さらに1またはそれ以上の流量調節剤を含む。
【0128】
ある態様において、本発明の製剤は、さらに1またはそれ以上の潤滑剤、および1またはそれ以上の流量調節剤を含む。
【0129】
ある態様において、本発明の製剤は、さらに潤滑剤、流動促進剤、崩壊剤、流量調節剤、可溶化剤、pH調節剤、界面活性剤、および乳化剤からなる群から選ばれる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を含む。
【0130】
ある態様において、本発明の製剤は、崩壊剤を用いないで製造される。
【0131】
本発明の製剤のあるものは、二相性in vitro崩壊プロフィールを示し、API、例えばフマル酸ジメチルの放出は、APIの可溶性が酸環境とアルカリ環境で同じかもしれないにも関わらず、USP溶解装置の最初2時間の酸環境では遅く、溶解媒質をpH6.8に変更すると速くなる。胃での暴露が比較的低いことが望ましく、同時に小腸における放出/吸収が必要な薬剤については、それによりAPIの小腸での暴露を最適化しながら、胃に対するAPIの暴露を制限することが可能であろう。ある態様において、該製剤のin vitro溶解プロフィールは二相性であり、APIの放出は、USP溶解装置の最初2時間の酸環境では遅く、溶解媒質をpH6.8に変更すると速くなる。
【0132】
該in vitro溶解速度は、本発明の製剤中に含まれるAPIの放出量が、in vitro溶解試験を行うとどのように経時的に変化するかを説明する。より高く/より速いin vitro溶解速度は、より大量のAPIが一定時間にわたり放出され、より遅く/より遅いin vitro溶解速度は同じin vitro溶解試験条件において同じ時間にわたってより少量のAPIが放出されることを意味する。
【0133】
本発明のある態様において、in vitro溶解速度を測定するのに用いるin vitro溶解試験には、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いる。
【0134】
本発明のある態様において、本発明の非腸溶コート製剤に含まれるAPIのin vitro溶解速度は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該緩衝液(pH 6.8)相ではin vitro溶解試験の酸相(0.1N塩酸を溶解媒質として)に比べて高く、該緩衝液(pH 6.8)相ではin vitro溶解試験の酸相(0.1N塩酸を溶解媒質として)に比べて例えば少なくとも10%高く、例えば少なくとも20%高く、例えば少なくとも30%高く、例えば少なくとも40%高く、例えば少なくとも50%高く、例えば少なくとも60%高く、例えば少なくとも70%高く、例えば少なくとも80%高く、例えば少なくとも90%高く、例えば少なくとも100%高く、例えば少なくとも125%高く、例えば少なくとも150%高く、例えば少なくとも200%高く、例えば少なくとも250%高く、例えば少なくとも300%高く、例えば少なくとも350%高く、例えば少なくとも400%高い。ある態様において、該比較は、該試験の最初1時間におけるin vitro溶解速度(時間=0~時間=1時間)と試験の第3時間のin vitro溶解速度(時間=2~時間=3時間)の間で行う。別の態様において、該比較は、該試験の最初2時間におけるin vitro溶解速度(時間=0~時間=2時間)と試験の第3時間のin vitro溶解速度(時間=2~時間=3時間)の間で行う。別の態様において、該比較は、該試験の最初2時間におけるin vitro溶解速度(時間=0~時間=2時間)と試験の次の2時間のin vitro溶解速度(時間=2時間~時間=4時間)の間で行う。別の態様において、該比較は、該試験の最初1時間におけるin vitro溶解速度(時間=0~時間=1時間)と該試験の時間=2時間~時間=2.5時間のin vitro溶解速度の間で行う。
【0135】
ある態様において、本発明の製剤は、さらに1またはそれ以上のコーティング剤を含む。本発明のある態様において、該1またはそれ以上のコーティング剤は、該錠剤の安定性および燕下特性を改善するか、またはAPIの放出を遅延させるために添加する。そのある態様において、該コーティング剤は、フィルムコーティング剤、および/または腸溶コーティング剤である。該フィルムコーティング剤は、燕下特性と安定性を改善し、活性医薬成分の昇華のリスクを軽減することができる。さらに、フィルムコーティング剤は、錠剤の取り扱いでの安全面を改善しうる。腸溶コートを重層するかまたはそれ自身が腸溶コートであるフィルムコートは、フィルムコーティング剤について上記したものと同様の利点があるかもしれない。しかし、さらに、活性医薬成分は、胃の酸環境に放出されず、APIが胃粘膜に対して潜在的に刺激性である場合は胃粘膜を刺激から保護しうる。
【0136】
本発明のある態様において、該コーティング剤は腸溶コーティング剤である。
【0137】
腸溶コーティング物質は、多くのあらゆる市販のコーティング物質から選ぶことができる。その非限定的例には、Eudragit(登録商標) E、L、S、L30D55、Kollicoat(登録商標) 3OD、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、およびヒプロメロースフタレートが含まれる。
【0138】
本発明のある態様において、該腸溶コーティング剤は、コアの約1.0~5.0重量%の量で適用する。
【0139】
本発明のある態様において、該腸溶コーティング剤は、コアの約1.0~4.5重量%、例えばコアの1.5~4.0重量%、例えばコアの約1.5~3.5重量%、例えばコアの約2.0~3.5重量%、例えばコアの約2~3重量%のレベルで適用される。
【0140】
本発明のある態様において、該腸溶コーティング剤は、コアの約1.5~3.5重量%のレベルで適用される。
【0141】
腸溶コーティングは、胃内での薬剤放出を抑制または最小限にし、小腸での放出を可能にするための十分に確立された方法である。そのような腸溶ポリマーコーティングは、pH依存可溶性の原理で作用し、胃の低pH条件では不溶性であるが、pHが5~6の範囲の近位小腸のほぼ中性pHの環境で可溶性である。
【0142】
小腸での吸収を必要とする薬剤については、これは、放出がわずかに開き、腸溶コーティング剤の可溶化と製剤からのAPIの放出の間が例えば約5時間、例えば約4時間、例えば約3時間、例えば約2 1/2時間、例えば約2時間だけ開く。本発明のある態様において、腸溶コーティング剤の急速な可溶化は、比較的薄いコートを適用することにより可能であり、2時間にわたり、0.1N塩酸を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、例えば、製剤に含まれるフマル酸エステルの10%以下、例えば5%以下、例えば2%以下、例えば約0%の放出を示し、驚くべきことに胃の酸環境に対する必要な保護が得られることがわかった。
【0143】
本発明のある態様において、フマル酸エステルのin vivo放出は、先行技術製剤のFumaderm(登録商標)より早い放出開始を示し、絶食条件下でFumaderm(登録商標)より例えば少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間、または少なくとも120分間早い。
【0144】
本発明のある態様において、本発明の製剤は腸溶コーティング剤を含み、フマル酸エステルのin vivo放出は、先行技術製剤のFumaderm(登録商標)より早い放出開始を示し、絶食条件下でFumaderm(登録商標)より例えば少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも60分間、少なくとも70分間、少なくとも80分間、少なくとも90分間、少なくとも100分間、少なくとも110分間、または少なくとも120分間早い。
【0145】
本発明のある態様において、フマル酸エステルのin vivo放出は、絶食条件下で15分間~2時間のラグタイム、例えば、絶食条件下で、最大で120分間、最大で110分間、最大で100分間、最大で90分間、最大で80分間、最大で70分間、最大で60分間、最大で50分間、最大で40分間、最大で30分間、最大で20分間、または最大で15分間のラグタイムを示す。
【0146】
本発明のある態様において、本発明の製剤は腸溶コーティング剤を含み、フマル酸エステルのin vivo放出は、絶食条件下で15分間~2時間のラグタイム、例えば、絶食条件下で、最大で120分間、最大で110分間、最大で100分間、最大で90分間、最大で80分間、最大で70分間、最大で60分間、最大で50分間、最大で40分間、最大で30分間、最大で20分間、または最大で15分間のラグタイムを示す。
【0147】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験にかけると以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約50%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%w/w~約75%w/wが放出される。
【0148】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約95%w/wが放出される。
【0149】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約98%w/wが放出される。
【0150】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約60%w/w、例えば約0%w/w~約50%w/w、例えば約0%w/w~約40%w/w、例えば約0%w/w~約30%、例えば約0%w/w~約20%、例えば約0%w/w~約10%、例えば約0%w/w~約5%、例えば約0%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約95%w/w、例えば約20%w/w~約95%w/w、例えば約20%w/w~約75%w/w、例えば約25%w/w~約75%w/w、例えば約40%w/w~約95%w/w、例えば約40%w/w~約75%w/w、例えば約50%w/w~約95%w/w、例えば約50%w/w~約75%、例えば約60%w/w~約95%w/w、例えば約60%w/w~約75%、例えば約70%w/w~約95%、例えば約80%w/w~約95%、例えば約90%w/w~約95%が放出される。
【0151】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約60%w/w、例えば約0%w/w~約5%w/w、例えば約0%w/w~約10%w/w、または例えば、約15%w/w~約35%w/w、または例えば、約35%w/w~約55%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約95%w/w、例えば約15%w/w~約75%w/w、例えば約20%w/w~約75%w/w、例えば約15%w/w~約35%w/w、または例えば、約35%w/w~約55%w/w、または例えば、約55%w/w~約75%、または例えば、約65%w/w~約85%、または例えば、約70%w/w~約80%、または例えば、約75%w/w~約95%、または例えば、約85%w/w~約95%が放出される。
【0152】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約1%w/w~約25%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約95%w/w、例えば約15%w/w~約75%w/w、例えば約25%w/w~約95%w/w、例えば約25%w/w~約75%w/w、例えば約40%w/w~約95%w/w、例えば約40%w/w~約75%w/w、例えば約50%w/w~約95%w/w、例えば約50%w/w~約75%、例えば約60%w/w~約95%w/w、例えば約60%w/w~約75%、例えば約70%w/w~約95%w/w、例えば約80%w/w~約95%w/w、例えば約90%w/w~約95%w/wが放出される。
【0153】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約1%w/w~約25%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約95%w/w、例えば約15%w/w~約75%w/w、例えば約15%w/w~約35%w/w、または例えば約35%w/w~約55%w/w、または例えば約55%w/w~約75%、または例えば約65%w/w~約85%、または例えば約70%w/w~約80%、または例えば約75%w/w~約95%、または例えば約85%w/w~約95%が放出される。
【0154】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の3.5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約100%w/w、例えば約30%w/w~約100%w/w、例えば約30%w/w~約95%w/w、例えば約40%w/w~約100%w/w、例えば約40%w/w~約95%w/w、例えば約50%w/w~約100%w/w、例えば約50%w/w~約95%、例えば約60%w/w~約100%w/w、例えば約60%w/w~約95%、例えば約70%w/w~約100%w/w、例えば約70%w/w~約95%、例えば約80%w/w~約100%w/w、例えば約80%w/w~約95%、例えば約90%w/w~約100%w/w、例えば約90%w/w~約95%w/wが放出される。
【0155】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の3.5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約100%w/w、例えば約30%w/w~約90%w/w、例えば約30%w/w~約50%w/w、または例えば、約60%w/w~約80%、または例えば、約80%w/w~約95%が放出される。
【0156】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約100%w/w、例えば約35%w/w~約100%w/w、例えば約35%w/w~約98%w/w、例えば約40%w/w~約100%w/w、例えば約40%w/w~約98%w/w、例えば約50%w/w~約100%w/w、例えば約50%w/w~約98%、例えば約60%w/w~約100%w/w、例えば約60%w/w~約98%、例えば約70%w/w~約100%w/w、例えば約70%w/w~約98%、例えば約80%w/w~約100%w/w、例えば約80%w/w~約98%、例えば約90%w/w~約100%w/w、例えば約90%w/w~約98%が放出される。
【0157】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約100%w/w、例えば約35%w/w~約98%w/w、例えば約50%w/w~約70%、または例えば約85%w/w~約95%w/wが放出される。
【0158】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の最大で約95%w/w、例えば最大で約90%w/w、例えば最大で約70%が放出される。
【0159】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約35%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約50%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約50%w/w~約70%w/wが放出される。
【0160】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約35%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約50%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約50%w/w~約70%w/wが放出され、
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0161】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約55%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約60%w/w~約80%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約95%w/wが放出される。
【0162】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約55%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約60%w/w~約80%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約95%w/wが放出され、
試験開始後の最初の5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約100%w/wが放出される。
【0163】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約60%w/w~約85%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約95%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約85%w/w~約100%w/wが放出される。
【0164】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約60%w/w~約85%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約100%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約85%w/w~約100%w/wが放出される。
【0165】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約15%w/w~約35%w/wが放出される、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約55%w/w~約80%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約70%w/w~約90%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に 製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約80%w/w~約100%w/wが放出される。
【0166】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約10%w/w~約30%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約40%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約50%w/wが放出される。
【0167】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約10%w/w~約30%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約15%w/w~約40%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約50%w/wが放出され、
試験開始後の最初の6時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約75%w/w~約100%w/wが放出される。
【0168】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約25%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約10%w/w~約30%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%w/w~約40%w/wが放出される。
【0169】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約25%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約10%w/w~約30%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約20%w/w~約40%w/wが放出され、
試験開始後の最初の5時間以内に 製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約30%w/w~約50%w/wが放出される。
【0170】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約2%w/w~約20%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約20%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約25%w/wが放出される。
【0171】
本発明のある態様において、フマル酸エステルの放出は、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下の通りである:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約0%w/w~約5%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約2%w/w~約20%w/wが放出され、
試験開始後の最初の3.5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約20%w/wが放出され、
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの総量の約5%w/w~約25%w/wが放出され、
試験開始後の最初の5時間以内に製剤に含まれるフマル酸エステルの総量の約10%w/w~約30%w/wが放出される。
【0172】
本発明のある態様において、該放出は、ゼロ次、一次、または平方根(Higuchi's)動力学放出プロフィールを有する。
【0173】
さらなる態様において、該in vitro放出は、ゼロ次、一次、または平方根(Higuchi's)動力学in vitro放出プロフィールの組み合わせ、ゼロ次および一次in vitro放出プロフィールの組み合わせを有する。
【0174】
種々の動力学モデル、例えばゼロ次(1)、一次(2)、平方根(Higuchiの方程式)(3)を、薬物放出動力学の解釈に適用することができる。
1:Mt = M0 + ko*t
2:InMt = InM + k1*t
3:Mt = M0 + kH*t1/2
【0175】
これらの方程式において、Mtは、あらゆる特定時点で放出される薬剤の蓄積量であり、M0は、医薬組成物中に組み込まれた活性物質の用量である。k0、k1、およびkHはそれぞれゼロ次、一次、およびHiguchiの方程式の速度定数である。
【0176】
本発明のある局面はゼロ次溶解放出プロフィールに関する。別の局面は一次溶解放出プロフィールに関する。さらなる局面は、平方根(Higuchiの方程式)溶解放出プロフィールに関する。
【0177】
本発明の製剤中の活性物質はあらゆるフマル酸エステルである。
【0178】
本発明のある態様において、フマル酸エステルは、好ましくは、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、メチルエチルフマレート、メチルプロピルフマレート、メチルブチルフマレート、メチルペンチルフマレート、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、およびフマル酸モノペンチル(その医薬的に許容される塩を含む)からなる群から選ばれる。
【0179】
その医薬的に許容される塩には、金属塩、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、または亜鉛塩を含む)、アミノ酸塩などが含まれる。
【0180】
本発明の別の態様において、フマル酸エステルは、例えばEP06753340.6に記載のようなその単糖エステルの形で存在する。
【0181】
本発明の別の態様において、フマル酸エステルは、そのアミノ酸塩の形で存在する。アミノ酸は、天然のアミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、イソバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、トレオニン(thereonine)、システイン、ペニシラミン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロリン、4-ヒドロキシプロリン、およびピペコリン酸でありうる。
【0182】
本発明のある態様において、フマル酸エステルは、医薬的に許容される塩の形で存在するフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルである。適切な塩は、例えば金属塩、例えば、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、または亜鉛塩を含む)である。
【0183】
用語(C1-C5)アルキルは、炭素数1~5(含む)の分枝状または非分枝状アルキル基(例えば、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-l-プロピル、およびペンチル)を表す。
【0184】
別の態様において、本発明の製剤は活性物質としてフマル酸ジメチルを含む。
【0185】
さらなる態様において、本発明の製剤は、活性物質として、所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形のフマル酸モノメチルを含む。
【0186】
さらなる態様において、本発明の製剤は、活性物質として、所望によりそのアミノ酸塩の形のフマル酸モノメチルを含む。
【0187】
別の態様において、本発明の製剤は、本質的に活性物質としてフマル酸ジメチルからなる。
【0188】
別の態様において、本発明の製剤は、活性成分としてフマル酸ジメチルからなる。
【0189】
さらなる態様において、本発明の製剤は、本質的に、活性成分として、所望により、例えばそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩のような医薬的に許容される塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0190】
さらなる態様において、本発明の製剤は、所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩の形のフマル酸モノメチルからなる。
【0191】
さらなる態様において、本発明の製剤は、活性成分として、重量比が約1:10~約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)を含む。
【0192】
さらなる態様において、本発明の製剤は、本質的に、活性成分として、重量比が約1:10~約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)からなる。
【0193】
さらなる態様において、本発明の製剤は、活性成分として、重量比が約1:10~約10:1のフマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル(所望により、例えば、そのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、および/または亜鉛塩などの医薬的に許容される塩の形の)からなる。
【0194】
ある態様において、本発明の製剤は、1日に1回、2回、または3回投与するためのものである。
【0195】
ある態様において、該製剤は、1日に1回投与するためのものである。
【0196】
ある態様において、該製剤は、1日に2回投与するためのものである。
【0197】
患者を治療するために投与する本発明の制御放出医薬製剤の1日用量は、限定されるものではないが、体重、年齢、および治療する病状もしくは疾患の根本原因を含む多くの因子に左右され、これを決定するのは医師の技術の範囲内である。
【0198】
本発明のある局面において、1日用量は、例えば、200~400 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、300~500 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、400~600 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、500~700 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、600~800 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、700~900 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、800~1000 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、900~1100 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、1000~1200 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、1100~1300 mg活性成分(1~3用量投与する)、別の局面において、1200~1400 mg活性成分(1~3用量投与する)、およびさらなる別の局面において1300~2000 mg活性成分(1~3用量投与する)でありうる。
【0199】
本発明のある態様は、以下のものを含む医薬製剤である:
i) 40%~55重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 4~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~55重量%のラクトース。
【0200】
本発明のある態様は、以下のものを含む医薬製剤である:
i) 30%~60重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 3~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~65重量%のラクトース。
【0201】
本発明のある態様は、以下のものを含む浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 4~6重量%の律速物質、
iii) 35~55重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0202】
本発明のある態様は、以下のものを含む浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0203】
本発明のある態様は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、40~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 4~6重量%の律速物質、
iii) 35~55重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0204】
本発明のある態様は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 活性物質として、30~60重量%の、フマル酸のジ-(C1-C5)アルキルエステルおよびフマル酸のモノ-(C1-C5)アルキルエステルから選ばれる1またはそれ以上のフマル酸エステル、またはその医薬的に許容される塩、
ii) 3~6重量%の律速物質、
iii) 35~65重量%の結合剤、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、該浸食マトリックスの浸食は以下のごとくフマル酸エステルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0205】
本発明のある態様は、以下のものを含む浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 40~55重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 4~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~55重量%のラクトース、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下のように該浸食マトリックスの浸食はフマル酸ジメチルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの総量の約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0206】
本発明のある態様は、以下のものを含むモノリシック浸食マトリックス錠の形の医薬製剤である:
A) 以下のものを含む錠剤コア:
i) 40~55重量%のフマル酸ジメチル、
ii) 4~6重量%のヒドロキシプロピルセルロース、
iii) 35~55重量%のラクトース、
B) 該コアの約1.5~3.5重量%の量の腸溶コーティング;
ここで、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと以下のように該浸食マトリックスの浸食はフマル酸ジメチルの放出をもたらす:
試験開始後の最初の2時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約0%w/w~約10%w/w以下が放出され、および/または
試験開始後の最初の3時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの約20%w/w~約75%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の4時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸エステルの約50%w/w~約98%w/wが放出され、および/または
試験開始後の最初の5時間以内に該製剤中に含まれるフマル酸ジメチルの総量の約70%w/w~約100%w/wが放出される。
【0207】
本発明の浸食マトリックス錠の製造は、造粒、次いで打錠、および所望により得られたコア錠のフィルムおよび/または腸溶コーティング剤により得られる。該コアは、例えば、常套的湿式造粒または連続造粒、例えば、押し出し成形、次いで該顆粒を圧縮して錠剤とすることにより製造することができる。次に、該コアを適切な技術を用い、好ましくは空気サスペンジョンによりコーティングすることができる。
【0208】
本発明のある局面は、以下の工程を含む本発明の製剤の製造方法である:
a) フマル酸エステルおよび所望により重合マトリックス物質の形の律速物質の1または両方を水に溶解し(または懸濁し)てその水性懸濁液を得;
b) フマル酸エステルの顆粒に該水性懸濁液および/または結合剤をその上に均質なコーティングが得られるのに充分な時間スプレーし、
c) 得られた顆粒を乾燥し、
d) 所望により該顆粒を篩過または粉砕し、
e) 既知の方法に従ってあらゆる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を混合して錠剤を得、
f) 所望により既知の方法により該錠剤をフィルムおよび/または腸溶コーティングする、 ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。本発明のある態様において、上記工程のいずれかもしくは全てを、生成物の温度が40℃以下、例えば35℃以下、例えば30℃以下となるような温度で行う。すなわち、驚くべきことに、本発明の製剤の製造は、溶媒に水のみを用いることにより、すなわち、如何なる有機溶媒も必要とせずに得ることができることがわかった。さらに、すべての製造工程は、かなり低温で行うことができ、それによって、活性医薬成分の昇華を最小限にするかまたは減少させ、エネルギー効率のよい方法が得られ、APIの損失を軽減してコストを下げ、環境と労働者の安全性を改善する。
【0209】
本発明の文脈において、粒子サイズを当業者に知られた常套的ふるい分析により測定する。
【0210】
本発明のある態様において、フマル酸エステルは、上記工程a)の前に、粒子の少なくとも90%が最大で50μm、例えば最大で30μm、例えば最大で10μmの粒子サイズである粒子サイズが得られるように微粉化する。
【0211】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均粒子サイズは、例えば、篩過または粉砕により減少し、粒子の少なくとも50%が、上記工程a)の前に、800μm未満、例えば600μm未満、例えば500μm未満、例えば400μm未満、例えば200μm未満の粒子サイズを有する。
【0212】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均粒子サイズは、例えば、篩過または粉砕により減少し、粒子の少なくとも80%が、上記工程a)の前に、800μm未満、例えば600μm未満、例えば500μm未満、例えば400μm未満、例えば200μm未満の粒子サイズを有する。
【0213】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均粒子サイズは、例えば、篩過または粉砕により減少し、粒子の少なくとも90%が、上記工程a)の前に、800μm未満、例えば600μm未満、例えば500μm未満、例えば400μm未満、例えば200μm未満の粒子サイズを有する。
【0214】
別の態様において、フマル酸エステルの結晶を篩過するかまたは粉砕し、上記工程a)の前に、粒子の90%が粒子サイズ5~1000μmの範囲、例えば10~900μmの範囲、例えば20~800μmの範囲、例えば30~750μmの範囲、例えば40~600μmの範囲、例えば50~500μmの範囲、例えば100~400μmの範囲、例えば200~300μmの範囲、例えば300~600μmの範囲、例えば300~400μmの範囲、例えば400~600μmの範囲、または例えば500~600μmの範囲を有する。
【0215】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均サイズは、上記工程a)の前に、5~1000μmの範囲、例えば10~900μmの範囲、例えば20~800μmの範囲、例えば30~750μmの範囲、例えば40~600μmの範囲、例えば50~500μmの範囲、例えば100~400μmの範囲、例えば200~300μmの範囲、例えば300~600μmの範囲、例えば300~400μmの範囲、例えば400~600μmの範囲、または例えば500~600μmの範囲である。
【0216】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の粒子サイズ分布は、上記工程a)の前に、0~5%の粒子が粒子サイズ>500μmを有し、45~53%の粒子が粒子サイズ>250μmを有する。この変形として、上記工程a)の前に、該粒子の7~15%が粒子サイズ<100μmを有する。
【0217】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の粒子サイズ分布は、上記工程a)の前に、該粒子の0~7%が粒子サイズ>500μmであり、該粒子の42~59%が粒子サイズ>250μmである。この変形として、該粒子の3~12%が上記工程a)の前に、粒子サイズ<100μmである。
【0218】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の粒子サイズ分布は、上記工程a)の前に、該粒子の0~10%が粒子サイズ>500μmであり、該粒子の40~65%が粒子サイズ>250μmである。この変形として、該粒子の2~10%が上記工程a)の前に、粒子サイズ<100μmである。
【0219】
本発明のある態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均粒子サイズは、例えば篩過または粉砕により減少し、該篩過または粉砕は、熱の発生が最小限となるように実施する。これにより、活性医薬成分の昇華を最小限にするかまたは減少させ、エネルギー効率の良い方法を得、APIの損失を軽減してコストを下げ、環境と労働者の安全性を改善する。該篩過または粉砕は、単一の篩過または粉砕工程として行うか、または所望により数回反復し、所定の粒子分布を得ることができる。本発明のある態様において、該篩過または粉砕は2工程のプロセスとして実施する。本発明のある態様において、該篩過または粉砕を数工程で行う場合は、凝集を減少させる物質を工程間に加える。
【0220】
理論に縛られずに、本発明者らは、上記範囲内の粒子サイズ分布を有する活性医薬成分(フマル酸エステル)は、よりゆっくりとしたin vitro溶解を生じ、より高粒子サイズの粒子サイズ分布を有する製剤に比べてより低量の律速物質を使用することができ、例えば、該粒子の10%以上が粒子サイズ>500μmであり、および/または該粒子の65%以上が粒子サイズ>250μmである。
【0221】
ある局面において、より低量の律速物質は、薬剤量がより高い、例えば、総錠剤重量に基づいて少なくとも40%、45%、50%、55%、または60%の活性医薬成分を有する錠剤を製造することができる。
【0222】
本発明のある態様において、工程b)では流動層造粒を用いる。
【0223】
本発明の別の局面は、以下の工程を含む本発明製剤の製造方法である:
a) 重合マトリックス物質の形の律速物質を水に溶解(または懸濁)してその水性懸濁液を得、
b) フマル酸エステルの顆粒上に均一なコーティングが得られるのに充分な時間該顆粒に該水性懸濁液をスプレーし、
c) 得られた顆粒を乾燥し、
d) 所望により該顆粒を篩過または粉砕し、
e) 既知の方法に従ってあらゆる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を混合して錠剤を得、
f) 所望により既知の方法により該錠剤をフィルムおよび/または腸溶コーティングする、
ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。本発明のある態様において、上記工程のいずれかまたは全てを、生成物の温度が40℃未満、例えば35℃未満、例えば30℃未満となるような温度で行う。それにより、活性医薬成分の昇華を減少させるかまたは最小限にしてエネルギー効率の良いプロセスを得、APIの損失を軽減してコストを下げ、環境と労働者の安全性を改善する。
【0224】
本発明のある態様において、該フマル酸エステルを微小化し、粒子の少なくとも90%の粒子サイズが、上記工程b)の前に、最大で50μm、例えば最大で30μm、例えば最大で10μmであるような粒子サイズを得る。
【0225】
別の態様において、活性医薬成分(フマル酸エステル)の平均粒子サイズは例えば篩過または粉砕により減少し、該粒子の少なくとも90%の粒子サイズが、上記工程b)の前に、最大で800μm、例えば最大で600μm、例えば最大で500μm、例えば最大で400μm、例えば最大で200μmとなる。
【0226】
本発明のある態様において、工程b)は流動層造粒機で行う。
【0227】
本発明の別の態様は、以下の工程を含む本発明製剤の製造方法である:
a) 所望によりフマル酸エステルの結晶を篩過または粉砕し、
b) フマル酸エステルの結晶、所望により重合マトリックス物質の形の律速物質、およびあらゆる医薬的に許容される賦形剤および添加剤を直接圧縮により混合して錠剤を得、
c) 所望により既知の方法により該錠剤をフィルムおよび/または腸溶コーティングする、
ここで、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が45℃以下となる温度で行う。本発明のある態様において、上記のあらゆるもしくはすべての工程は、生成物の温度が40℃以下、例えば35℃以下、例えば30℃以下となるような温度で行う。それにより、活性医薬成分の昇華を減少させるかまたは最小限にしてエネルギー効率の良いプロセスを得、APIの損失を軽減してコストを下げ、環境と労働者の安全性を改善する。
【0228】
本発明の別の態様は、以下の工程を含む本発明製剤の製造方法である:
a) 所望によりフマル酸エステルの結晶を篩過または粉砕し、
b) フマル酸エステルの結晶をあらゆる医薬的に許容される賦形剤、および所望により重合マトリックス物質の形の律速物質と既知の方法で混合して錠剤を得、
c) この混合物をローラー圧縮にかけ、次いでこれを篩過/粉砕して顆粒を得、
d) 該顆粒をあらゆるさらなる医薬的に許容される賦形剤と混合して、打錠する準備が整った最終混合物を得、
e) 圧縮して錠剤とし、
f) 所望により該錠剤をフィルムおよび/または腸溶コーティングする。
【0229】
本発明のある態様において、該フマル酸エステルを、上記工程a)の前に、予め1またはそれ以上の医薬的に許容される賦形剤と混合する。
【0230】
本発明製剤の安定性は、錠剤の初期in vitro溶解プロフィールおよび種々の保存期間後のin vitro溶解プロフィールを測定し、得られたin vitro溶解プロフィールを比較することにより測定することができる。本発明のある態様において、該錠剤は、少なくとも6ヶ月間、例えば少なくとも9ヶ月間、例えば少なくとも12ヶ月間、例えば少なくとも18ヶ月間、例えば少なくとも24ヶ月間安定である。本発明製剤の安定性は、例えばアッセイ、色、または分解産物のあらゆる変化を測定するための標準法により測定することもできる。
【0231】
本発明のある態様において、製剤の安定性は、客観的基準、例えば最初の時点と後の時点を比較したときの、標準in vitro溶解試験時の予め決定された時点で放出されるAPIの量の一定の最大変化により定義することができる。本発明のある態様において、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験を行うと、最初の時点(安定性試験の時間=0とみなす)と比較したICH条件下(例えば、25℃/60% RH、例えば30℃/65% RH、例えば40℃/75% RH)で一定期間(例えば少なくとも1ヶ月間、例えば少なくとも3ヶ月間、例えば少なくとも6ヶ月間、例えば少なくとも9ヶ月間、例えば少なくとも12ヶ月間)保存した製剤から放出されるAPIの量は以下の通りである:
試験開始後1時間に、該製剤から放出される活性医薬成分の量の10%ポイント未満、例えば9%ポイント未満、例えば8%ポイント未満、例えば6%ポイント未満、例えば4%ポイント未満、例えば2%ポイント未満、例えば1%ポイント未満の差が観察され、および/または
試験開始後2時間に、該製剤から放出される活性医薬成分の量の10%ポイント未満、例えば9%ポイント未満、例えば8%ポイント未満、例えば6%ポイント未満、例えば4%ポイント未満、例えば2%ポイント未満、例えば1%ポイント未満の差が観察され、および/または
試験開始後3時間に、該製剤から放出される活性医薬成分の量の10%ポイント未満、例えば9%ポイント未満、例えば8%ポイント未満、例えば6%ポイント未満、例えば4%ポイント未満、例えば2%ポイント未満、例えば1%ポイント未満の差が観察され、および/または
試験開始後4時間に、該製剤から放出される活性医薬成分の量の10%ポイント未満、例えば9%ポイント未満、例えば8%ポイント未満、例えば6%ポイント未満、例えば4%ポイント未満、例えば2%ポイント未満、例えば1%ポイント未満の差が観察され、および/または
試験開始後5時間に、該製剤から放出される活性医薬成分の量の10%ポイント未満、例えば9%ポイント未満、例えば8%ポイント未満、例えば6%ポイント未満、例えば4%ポイント未満、例えば2%ポイント未満、例えば1%ポイント未満の差が観察される。
【0232】
ある態様において、本発明の医薬製剤は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年性糖尿病、橋本甲状腺炎、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(ルポイド)肝炎、リウマチ性関節炎(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するために用いられる。
【0233】
ある態様は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫を治療するための医薬を製造するための本発明の医薬製剤の使用である。
【0234】
本発明の別の態様は、乾癬、乾癬性関節炎、神経皮膚炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、多発性関節炎、多発性硬化症(MS)、若年発症糖尿病、橋本甲状腺炎、バセドウ病、SLE(全身性エリテマトーデス)、シェーグレン症候群、悪性貧血、慢性活動性(狼瘡)肝炎、関節リウマチ(RA)、ループス腎炎、重症筋無力症、ブドウ膜炎、難治性ブドウ膜炎、春期カタル、尋常性天疱瘡、強皮症、視神経炎、痛み、例えば神経根痛、神経根障害関連痛、ニューロパシー痛、または坐骨神経痛/坐骨神経痛の痛み、臓器移植(拒絶の予防)、サルコイドーシス、リポイド類壊死症、または環状肉芽腫の治療方法であって、有効量の本発明制御放出医薬組成物をそれを必要とする患者に経口投与することを含む方法である。
【0235】
本発明のある態様において、本発明の製剤は、乾癬の治療に使用するためのものである。
【0236】
本発明のある態様において、本発明の製剤は、乾癬性関節炎の治療に使用するためのものである。
【0237】
本発明のある態様において、本発明の製剤は、多発性硬化症または再発寛解多発性硬化症の治療に使用するためのものである。
【0238】
本発明のある態様において、本発明の製剤は、リウマチ性関節炎の治療に使用するためのものである。
【0239】
本発明は、記載した具体的態様に限定されず、したがって当然に変化しうると理解すべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で用いている用語は、特定の態様を説明するためだけのものであり、限定を意図するものではないと理解すべきである。ある範囲の値を示す場合は、その範囲の上限と下限の間の各値(文脈がそうでないと明確に示さない限り下限の単位の1/10)、ならびにその記載した範囲内のあらゆる他のもしくはその間の値が本発明内に含まれると理解される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して該小さい範囲に含まれ、示した範囲のあらゆる具体的に除外した限界があることを条件として本発明内に含まれる。示した範囲が該限界の1または両方を含む場合は、それらに含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に含まれる。特記しないかぎり、本明細書で用いているすべての技術用語および科学用語は、本発明の属する分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと同様もしくは等価なあらゆる方法および物質を、本発明の実施または試験において用いることもできるが、好ましい方法および物質を記載する。本明細書に記載のすべての刊行物は、本明細書の一部を構成し、該刊行物を引用することについて該方法および/または物質を説明する。本明細書および特許請求の範囲で用いている、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないと記載しない限り、複数形への言及を含むことに注意すべきである。本明細書に記載の特許および刊行物は、単に本願の出願日前のそれらの開示を示す。本明細書の如何なる記載も、先行発明により本発明がそのような特許または刊行物に先行する権利がないことを承認すると解釈すべきではない。さらに、記載した刊行物の日付は実際の公表日と異なることがあり、独立して確認する必要があるかもしれない。この開示を読めば当業者に明らかであろうように、本明細書に記載の個々の態様のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく他の種々の態様のいずれかの特徴と容易に分離または結合することができる分離した要素および特徴を有する。本明細書に記載の図面は必ずしも尺度通りではなく、ある要素および特徴は明確にするために誇張されている。前記発明の理解を明確にするため図解および実施例により幾分詳細に説明したが、特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくある程度の変更および修飾を行って良いことは、本発明の開示に照らして当業者に容易に解ることである。
【発明を実施するための形態】
【0240】
実施例1~24および26~42のすべての下記工程の実施中は必要な予防措置をとる(外気導入式防護服、二重手袋、腕カバー、呼吸マスクなど)。
【実施例1】
【0241】
コア錠の製造
540.5gの微粉化フマル酸ジメチル(平均粒子サイズ10μm)および31.5gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを、1716gの精製水に懸濁した。懸濁液を、流動層造粒機のバスケットに入れた405.5gのGranulac(登録商標)140 ラクトース上に約2時間スプレーした。該顆粒を5分間乾燥した。2265.5gの精製水中の22.5gのHPC-SLの溶液を約2時間スプレーしてシールコートを適用した。生成物温度は決して35℃を超えなかった。種々のバッチを混合し、1.1mmふるいで篩過した。
【0242】
183.3gの乾燥篩過顆粒を、58.7gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)とバレルブレンダーで30rpmにて15分間混合した。最後に、2.4gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮して直径10mmおよび重量375mgの両凸錠とした。
【実施例2】
【0243】
コア錠の製造
540.5gの非微粉化フマル酸ジメチルおよび405.5gのGranulac(登録商標) 140を、流動層造粒機のバスケットに入れた。62.1gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを3043gの精製水に撹拌しながら溶解し、DMF錠に2.5時間スプレーした。該顆粒を29℃で4分間乾燥し、1.1mmふるいで篩過した。生成物温度は決して30℃を超えなかった。
【0244】
135gの乾燥顆粒を、30.4gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)、24.4gのHPC-SL、および0.3gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、1.8gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮して直径10mmおよび重量315.5 mgの両凸錠とした。
【実施例3】
【0245】
コア錠の製造
621.5gの非微粉化フマル酸ジメチル(平均粒子サイズ500μm)を1793.5gの精製水に懸濁し、Ultra-turraxで5時間撹拌して粒子サイズを減少させた。次に、36.2gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを加えた。懸濁液を流動層造粒機のバスケットに入れた405.5gのGranulac(登録商標) 140錠に約2時間スプレーした。該顆粒を5分間乾燥した。次に、2605gの精製水中の26.3gのHPC-SLから製造したシールコートを、該溶液を顆粒に約2時間スプレーすることにより適用した。生成物温度は決して30℃を超えなかった。
【0246】
183.3gの乾燥顆粒を、58.7gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLacl(登録商標) 100)および0.5gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、2.2gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮して直径10mmおよび重量375.4 mgの両凸錠とした。
【実施例4】
【0247】
コア錠の製造
1200gの非微粉化フマル酸ジメチルを、流動層造粒機のバスケットに入れた。75gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを撹拌しながら2925gの精製水に溶解し、70gのHPCがスプレーされるまでDMF上に約2.5時間スプレーした。該顆粒を29℃で4分間乾燥し、次いで1.1mmふるいで篩過した。生成物温度は決して30℃を超えなかった。
【0248】
378.2gの乾燥顆粒を、400.6gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)、14.6gのHPC-SLおよび0.9gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、5,8gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量275 mgの両凸錠を得た。
【実施例5】
【0249】
実施例4のコア錠のフィルムコーティング
フィルムコーティング
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を36gのOpadryを204gの精製水に加えて調製した。この懸濁液の約66%を流動層チャンバー中でコア錠上に35分間スプレーした。生成物温度は40℃を超えなかった。コーティングプロセスに次いで30℃で16分間乾燥した。
【実施例6】
【0250】
実施例4のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを800gのコア錠に実施した。Opadryの15%懸濁液を、18gのOpadryを102gの精製水に加えて調製した。この懸濁液の約66%を流動層チャンバー中でコア錠上に20分間スプレーした。生成物温度は決して40℃を超えなかった。コーティングプロセスに次いで30℃で9分間乾燥した。
腸溶コーティング
【0251】
1kgの胃酸耐性コーティング液を、350mlの精製水を70~80℃に加熱し、20gのクエン酸トリエチル、3gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、1gのTween 80を加え、次いでUltraTurraxで10分間撹拌して均一な混合物を得ることにより調製した。427.8gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを、210gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液の約66%を、30℃で約2.5時間、流動層チャンバー中の780gのフィルムコート錠にスプレーした。30℃で30分間乾燥し、さらに30分間35℃で硬化させた。
【実施例7】
【0252】
実施例4のコア錠の腸溶コーティング
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を調製し、実施例6に記載のコア錠にスプレーした。
【実施例8】
【0253】
顆粒剤を実施例4に記載のごとく製造した。
【0254】
416gの乾燥顆粒を、360.8gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)、16gのHPC-SLおよび1gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、6.4gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量250 mgの両凸錠を得た。
【実施例9】
【0255】
実施例8のコア錠のフィルムコーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを実施例5に記載のごとく製造した。
【実施例10】
【0256】
実施例8のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを800gの実施例6に記載のコア錠に実施した。
【0257】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を実施例6に記載のごとく調製し、適用した。
【実施例11】
【0258】
顆粒剤を実施例4に記載のごとく製造した。
【0259】
404.5gの乾燥顆粒を、272.9gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac 100(登録商標))、15.5gのHPC-SL、および0.9gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合する。最後に、6.2gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに30rpmで10分間混合する。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量250 mgの両凸錠を得る。
【実施例12】
【0260】
コア錠のフィルムコーティングを実施例11に従って実施する。
【0261】
フィルムコーティング
フィルムコーティングは、800gのコア錠を実施例5に記載のごとくコーティングする。800gの錠剤をコーティングに利用可能にするために活性錠剤を着色したプラセボと混合する。
【実施例13】
【0262】
実施例11に記載のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを、800gのコア錠を実施例5に記載のごとくコーティングした。800gの錠剤をコーティングに利用可能にするために活性錠剤を着色したプラセボと混合した。
【0263】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を実施例6に記載のごとく調製し、適用した。
【実施例14】
【0264】
顆粒を実施例4に記載のごとく調製した。
【0265】
130gの乾燥顆粒を、52.7gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)、40gのHPC-SL、および0.3gのAerosilとバレルブレンダーにて30rpmで15分間混合した。最後に、2.0gのステアリン酸マグネシウムを加え、さらに10分間30rpmで混合した。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量225 mgの両凸錠を得た。
【実施例15】
【0266】
実施例14に記載のコア錠のフィルムコーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを、800gのコア錠を実施例5に記載のごとくコーティングした。800gの錠剤をコーティングに利用可能にするために活性錠剤を着色したプラセボと混合した。
【実施例16】
【0267】
実施例14に記載のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
フィルムコーティングを800gのコア錠に実施した。したがって、APIを含む錠剤を着色プラセボと混合し、所要量を得た。Opadryの15%懸濁液を、実施例6に記載のごとく調製し、適用した。
【0268】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を、実施例6に記載のごとく調製し、適用した。
【0269】
本実施例のフィルムおよび腸溶コート錠の溶解プロフィールを米国薬局方(USP) in vitro試験に従って得た。該試験は、37℃で、パドル溶解装置(100rpm)を用い、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで残りの試験時間は0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いて行った。結果を図1に示す。
【実施例17】
【0270】
1.2kgのフマル酸ジメチルを、700μmふるいで篩過し、流動層造粒機のバスケットに入れた。70.6gのポリマーヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを、撹拌しながら2753gの精製水に溶解し、2.5~3時間DMFにスプレーした。該顆粒を29℃で3分間乾燥した。種々のバッチを混合し、800μmふるいで篩過した。
【0271】
1730.7gの乾燥し、さらに500μmの篩過した顆粒を、781.3gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、66.7gのHPC-SL、ならびにAerosil(登録商標)とTablettose(登録商標)を事前混合物とバレルブレンダーにて20 rpmで15分間混合した。事前混合物は、ポリエチレン袋中で、4gのコロイド状ケイ酸(Aerosil(登録商標))および390.6gのTablettose(登録商標)から調製し、500μmで篩過した。最後に、26.7gのステアリン酸マグネシウムを加えた。最終混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量225mgの両凸錠を得た。
【実施例18】
【0272】
実施例17のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を18gのOpadryを102gの精製水に加えて調製した。この懸濁液の約66%を流動層チャンバー中でコア錠上に20分間スプレーした。生成物温度は決して40℃を超えなかった。コーティングプロセスに次いで30℃で9分間乾燥した。
【0273】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を350mlの精製水を70~80℃に加熱し、9.5gのクエン酸トリエチル、1.9gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、0.7gのTween 80を加え、次いでUltraTurraxで10分間撹拌し、均一な混合物を得た。427.8gの精製水を加え、混合物をエマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを210gのEudragit(登録商標) L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液の約66%を、流動層チャンバー中で780gのフィルムコート錠にスプレーした。
【0274】
本実施例のフィルムおよび腸溶コート錠の溶解プロフィールを、実施例16に記載のin vitro溶解試験に従い、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いて得た(図1参照)。
【実施例19】
【0275】
1.2kgのフマル酸ジメチルを、700μmふるいで篩過し、流動層造粒機のバスケットに入れた。70.6gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを、撹拌しながら2753gの精製水に溶解し、2.5~3時間DMFにスプレーした。該顆粒を29℃で3分間乾燥し、次いで500μmふるいで篩過した。
【0276】
964gの乾燥し篩過した顆粒を、565.5gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、37.4gのHPC-SL、ならびにAerosil(登録商標)およびTablettose(登録商標)の事前混合物とバレルブレンダーにて20 rpmで15分間混合した。事前混合物を、ポリエチレン袋中で2.3gのコロイド状ケイ酸(Aerosil(登録商標))および282.7gのTablettose(登録商標)から調製し、次いで500μmで篩過した。最後に、14.9gのステアリン酸マグネシウムを加えた。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量250 mgの両凸錠を得た。
【実施例20】
【0277】
実施例19のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を実施例18に記載のごとく調製し、適用する。
【0278】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を、350mlの精製水を70~80℃に加熱し、9.5gのクエン酸トリエチル、1.9gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、0.7gのTween 80を加え、次いでUltraTurraxで10分間撹拌し、均一な混合物を得ることにより調製した。427.8gの精製水を加え、混合物をエマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを210gのEudragit(登録商標) L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液の約66%を、温度30℃で約2.5時間、流動層チャンバー中の780gのフィルムコート錠にスプレーした。30℃で30分間乾燥し、次いで35℃でさらに30分間硬化させた。
【0279】
フィルムおよび腸溶コート錠の溶解プロフィールを、実施例16に記載のin vitro溶解試験に従い、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いて得た(図1参照)。
【実施例21】
【0280】
1.2kgのフマル酸ジメチルを、700μmふるいで篩過し、流動層造粒機のバスケットに入れた。70.6gのヒドロキシプロピルセルロース HPC-SLを、撹拌しながら2753gの精製水に溶解し、2.5~3時間DMFにスプレーした。該顆粒を29℃で3分間乾燥した。数バッチを混合し、800μmで篩過した。
【0281】
1416gの、乾燥し、さらに500μmで篩過した顆粒を、1002.9gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、54.6gのHPC-SL、およびAerosil(登録商標)およびTablettose(登録商標)の事前混合物と、バレルブレンダーにて20 rpmで15分間混合した。3.3gのコロイド状ケイ酸(Aerosil(登録商標))および501.4gのTablettose(登録商標)の事前混合物をポリエチレン袋中で調製し、500μmで篩過した。最後に、21.8gのステアリン酸マグネシウムを加えた。最終混合物を圧縮し、直径8 mmおよび重量275 mgの両凸錠を得た。
【実施例22】
【0282】
実施例21のコア錠のフィルムおよび腸溶コーティング
フィルムコーティング
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を、実施例18に記載のごとく調製し、適用した。
【0283】
腸溶コーティング
1kgの胃酸耐性コーティング液を、350mlの精製水を70~80℃に加熱し、9.5gのクエン酸トリエチル、1.9gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、0.7gのTween 80を加え、次いでUltraTurraxで10分間撹拌し、均一な混合物を得ることにより調製した。427.8gの精製水を加え、次いで混合物をエマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを210gのEudragit(登録商標) L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液の約66%を、780gのフィルムコート錠に、流動層チャンバー中、温度30℃で約2.5時間スプレーした。30℃で30分間乾燥し、次いでさらに30分間35℃で硬化させた。
【0284】
実施例16に記載のin vitro溶解試験に従い、0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いた、フィルムおよび腸溶コート錠の溶解プロフィールを図1に示す。
【実施例23】
【0285】
実施例18のコア錠のフィルムコーティング
フィルムコーティング
800gのコア錠をフィルムコーティングするために、Opadryの15%懸濁液を、36gのOpadryを204gの精製水に加えて調製した。この懸濁液の約66%を流動層チャンバー中でコア錠上に35分間スプレーした。生成物温度は決して40℃を超えなかった。コーティングプロセスに次いで30℃で16分間乾燥した。
【0286】
0.1N塩酸を試験の最初の2時間溶解媒質として、次いで0.05Mリン酸緩衝液pH6.8を溶解媒質として用いるin vitro溶解試験にかけた本実施例のフィルムコート錠の溶解プロフィールを図2に示す。
【実施例24】
【0287】
18gの純DMF(粒子サイズ250~500μm)を6.3gのHPC-SL、9.1gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)および0.045gのAerosilと混合した。最後に、0.3gのステアリン酸マグネシウムを加え、混合した。最終混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量225mgの両凸錠を得た。
【実施例25】
【0288】
本試験は、非盲検無作為化交差デザインの一施設試験であり、市販製剤のFumaderm(登録商標)を基準品として、本発明の医薬製剤の血漿中濃度、薬物動態、安全性、および耐容性を試験した。該錠剤の240 mg(各120mgを含む2錠)1回経口用量を、20人の健常白人男性対象に、各処置期間に無作為化して投与した。試験を、少なくとも7日間のウォッシュアウト期間で分離した4つの処置期間(処置期間1、2、3および4)に分けた。
【0289】
対象を、第1投与前少なくとも21~2日間に、以下のものを含む適格性についてスクリーニングした:包含/除外基準のチェック;人工統計データ(年齢、身長、体重、肥満指数(BMI)、人種を含む);健康診断;全病歴;12誘導心電図(ECG);生命兆候(血圧(BP)、脈拍数(PR)、および体温(BT));臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併発疾患および薬物治療の記録資料による裏付け。
【0290】
4つの各処置期間において、対象は試験施設に第-1日の夜から来て、PK分析用の24時間血液試料を採取し、すべての安全性検査を行うまで(=第2日の朝)滞在した。
【0291】
対象を一夜絶食させた。本発明の製剤(実施例18、20、または22)の1つの単回経口用量(2錠)、または標準品の薬物薬剤Fumaderm(登録商標)の腸溶コート錠2錠(それぞれ120 mg フマル酸ジメチルを含む(総用量240 mg フマル酸ジメチル))を第1日に(無作為化に従って)投与した。絶食状態の対象に240mLの水道水と共に投与を行った。各投与間に少なくとも7日間のウォッシュアウト期間を維持した。
【0292】
以下の評価/測定を行った:投与前および予め計画した投与後の時間に血液を採取し、血漿中濃度およびPK-パラメーターの測定を行った。
【0293】
試験を通して有害事象を詳細に記録した。
【0294】
投与前および予め計画した投与後の時間に尿を採取した。
【0295】
以下のものを含む追跡試験を最終投与(処置期間4)の少なくとも7日間後に行った:健康診断;生命兆候(BP、PR、およびBT);体重;12誘導ECG;臨床検査パラメーター(血液学、血清生化学、および尿検査);併用薬物療法および有害事象の記録資料による裏付け。
【実施例26】
【0296】
コア錠の製造
フマル酸ジメチルを、500μmのハンドスクリーンで篩過した。29.3gの篩過したフマル酸ジメチル、2.93gのHPC-SL、22.17gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、0.07gのAerosil(登録商標)、および0.49gのステアリン酸マグネシウムを10分間混合した。混合物を圧縮して直径8mm、重量225mgの両凸錠を得た。
【実施例27】
【0297】
(実施例27a)
コア錠の製造
フマル酸ジメチルを、500μmのハンドスクリーンで篩過した。500gの篩過したフマル酸ジメチル、48gのHPC-SL、447gの噴霧乾燥ラクトース(FlowLac(登録商標) 100)、および1.2gのAerosil(登録商標)をバレルブレンダーにて20 rpmで15分間混合した。最後に、4gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。
【0298】
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、247gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで9gのクエン酸トリエチル、1.8gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および0.72gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。495gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、エマルジョンを200gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。該錠剤上にスプレーした溶液の量は、1.5%固体w/wであり、コア錠に比べてコート錠の重量は1%増加した。
【0299】
(実施例27b)
コア錠の製造を実施例27aに記載のごとく実施した。
【0300】
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、247gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで9gのクエン酸トリエチル、1.8gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および0.72gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。495gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、エマルジョンを200gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。該錠剤上にスプレーした溶液の量は、2.5%固体w/wであり、コア錠に比べてコート錠の重量は1.8%増加した。
【実施例28】
【0301】
コア錠の製造
フマル酸ジメチルを、500μmのハンドスクリーンで篩過した。500gの篩過したフマル酸ジメチル、48gのHPC-SLおよび447gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、および1.2gのAerosil(登録商標)を、バレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、4gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。
【0302】
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、99gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで10.1gのクエン酸トリエチル、2.0gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および0.8gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。198gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを224gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。該溶液をコア錠の重量増加が3%となるようスプレーした。
【実施例29】
【0303】
(実施例29a)
コア錠の製造
フマル酸ジメチルを、1143μm~610μmスクリーンを通して粉砕した。500gの篩過したフマル酸ジメチル、48gのHPC-SL、および447gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)、および1.2gのAerosil(登録商標)を、バレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、4gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。
【0304】
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、247gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで9gのクエン酸トリエチル、1.8gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および0.72gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。495gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、エマルジョンを200gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。
錠剤上にスプレーしたEudragitの量は、2.5%固体w/wであり、コア錠に比べてコート錠の重量増加は1.5%であった。
【0305】
(実施例29b)
コア錠の製造を実施例29aに記載のごとく実施した。
【0306】
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、247gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで9gのクエン酸トリエチル、1.8gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および0.72gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。495gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、エマルジョンを200gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。錠剤上にスプレーしたEudragitの量は、3.5%固体w/wであり、コア錠に対するコート錠の重量増加は2%であった。
【実施例30】
【0307】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを、1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第二粉砕工程前に6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、約11%が>500μm、約70%が>250μm、および約7%が<100μmであった。平均粒子サイズは358μmであった。
【0308】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2714gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量275mgの両凸錠を得た。該コア錠を所望により実施例33aに記載のごとく腸溶コーティングした。
【実施例31】
【0309】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを、1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、約3%が>500μm、約65%が>250μm、および約6%が<100μmであった。平均粒子サイズは290μmであった。
【0310】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2714gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量275mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例32】
【0311】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、約3%が>500μm、約50%が>250μm、および約10%が<100μmであった。平均粒子サイズは250μmであった。
【0312】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2714gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量275mgの両凸錠を得た。コア錠を所望により実施例33bに記載のごとく腸溶コートした。
【実施例33】
【0313】
(実施例33a)
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、1193gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで45gのクエン酸トリエチル、13.5gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および5.4gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより製造した。2385gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを、1500gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。錠剤上にスプレーしたEudragitの量は、3.0%w/wであり、コア錠に比べてコート錠の重量増加は2.5%であった。
【0314】
(実施例33b)
腸溶コーティング
胃酸耐性コーティング液を、1193gの精製水を70~80℃に加熱し、次いで45gのクエン酸トリエチル、13.5gのモノステアリン酸グリセリン(Cutina GMS V)、および5.4gのTween 80を加え、UltraTurraxで10分間撹拌し、均質な混合物を得ることにより調製した。2385gの精製水を加え、混合物を、エマルジョンが室温に達するまでプロペラスターラーで撹拌した。次に、このエマルジョンを1500gのEudragit L30 D 55分散物に徐々に加えた。得られた胃酸耐性コーティング液を有孔ドラムコーター中で直接コア錠にスプレーした。錠剤上にスプレーしたEudragitの量は、3.5%w/wであり、コア錠に比べてコート錠の重量増加は3%であった。
【実施例34】
【0315】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、8%が>500μm、80%が>250μm、および0%が<100μmであった。平均粒子サイズは360μmであった。
【0316】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2234gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例35】
【0317】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、6%が>500μm、65%が>250μm、および6%が<100μmであった。平均粒子サイズは305μmであった。
【0318】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2234gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例36】
【0319】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加えた。得られた粒子サイズ分布は、3%が>500μm、63%が>250μm、および6%が<100μmであった。平均粒子サイズは290μmであった。
【0320】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび2234gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例37】
【0321】
コア錠の製造
2500gのフマル酸ジメチルを、1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕する。第2粉砕工程前に、6gのAerosil(登録商標)を加える。
【0322】
粉砕した物質を、さらに240gのHPC-SLおよび1714gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合する。最後に、20gのステアリン酸マグネシウムを加え、混合物を再度20rpmで10分間混合する。混合物を圧縮して直径8mm、重量225mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例38】
【0323】
2.500gのDMFを、1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕する。240gのHPC-SL、2.734gのTablettose 100、および6gのAerosilを加え、DMFと混合する。混合物をローラー転圧し、1mmのスクリーンを通して顆粒を得た。20gのステアリン酸マグネシウムを混合し、打錠の準備ができた最終混合物を得る。該混合物を圧縮し、重量275mgの錠剤を得る。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例39】
【0324】
2.50OgのDMFを、6gのAerosilと混合し、次いで1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕する。240gのHPC-SLおよび2.734gのTablettose 100を加え、DMFおよびAerosilと混合する。混合物をローラー転圧し、1mmのスクリーンを通して顆粒を得た。20gのステアリン酸マグネシウムを混合し、打錠の準備ができた最終混合物を得る。該混合物を圧縮し、重量275mgの錠剤を得る。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例40】
【0325】
2000gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、4.8gのAerosil(登録商標)を加えた。
【0326】
475.3gの粉砕した物質を、さらに519.8gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、3.8gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮して直径8mm、重量263mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例41】
【0327】
2000gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、4.8gのAerosil(登録商標)を加えた。
【0328】
468.2gの粉砕した物質を、さらに15gのHPC-SLおよび512gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、3.7gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮して直径8mm、重量267mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例42】
【0329】
2000gのフマル酸ジメチルを1575μm~813μmスクリーンを通して粉砕した。第2粉砕工程前に、4.8gのAerosil(登録商標)を加えた。
【0330】
500gの粉砕した物質を、さらに32gのHPC-SLおよび562,8gの顆粒状ラクトース(Tablettose(登録商標) 100)とバレルブレンダーにて20rpmで15分間混合した。最後に、4gのステアリン酸マグネシウムを加え、次いで混合物を再度20rpmで10分間混合した。混合物を圧縮し、直径8mmおよび重量250mgの両凸錠を得た。該コア錠を実施例33aまたはbに記載のごとく腸溶コートすることができる。
【実施例43】
【0331】
実施例25に記載のものと同様の試験を実施例18および22に記載の錠剤について実施し、先行技術製剤のFumaderm(登録商標)に関する対応するデータと比較した。試験結果を下記表Iおよび表IIに示す。
【0332】
臨床試験の上記結果は、試験した製剤のFumaderm(登録商標)に対する有害作用の顕著な減少(表II)と低い変動性(表I)を示す。すなわち、本実施例は、本発明製剤では、先行技術のFumaderm(登録商標)製剤に比べてAUCおよびCmaxの変動性の予期しない大きな減少が得られることを示す。
図1
図2