(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】登録装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20221216BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
G07G1/12 321K
(21)【出願番号】P 2021142641
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2017029938の分割
【原出願日】2017-02-21
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸幸
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-192090(JP,A)
【文献】特開2013-242857(JP,A)
【文献】特開2015-191574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売する商品を登録する登録手段と、
自装置と、
複数台の会計装置とが設置された領域に存在している顧客の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が
検出した顧客と、
前記登録手段が登録した商品を示す販売登録情報とを関連付けて管理する管理手段と、
前記検出手段が検出した顧客が存在
している位置を記録した、前記自装置から前記会計装置までの移動経路において当該顧客が会計領域に所定時間以上いる場合に、当該会計領域に関連付けられた前記会計装置を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記会計装置に前記販売登録情報を送信する送信手段と、
を備える
登録装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記
自装置の
前方の登録領域から一又は複数の顧客を検出し、
前記管理手段は、前記検出手段が検出した一又は複数の顧客と、前記販売登録情報とを関連付ける、
請求項1に記載の
登録装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記管理手段が関連付けた何れかの顧客
が前記会計領域に所定時間以上いる場合に、当該会計領域に関連付けられた前記会計装置を特定する、
請求項2に記載の
登録装置。
【請求項4】
前記検出手段が検出した顧客が会計処理を完了させる前に、前記領域から退出したことを条件に報知する報知手段を更に備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の
登録装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記領域にいる顧客の人数が閾値以下となったことを条件に報知する、
請求項4に記載の
登録装置。
【請求項6】
コンピュータを、
販売する商品を登録する登録手段と、
自装置と、
複数台の会計装置とが設置された領域に存在している顧客の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段が
検出した顧客と、
前記登録手段が登録した商品を示す販売登録情報とを関連付けて管理する管理手段と、
前記検出手段が検出した顧客が存在
している位置を記録した、前記自装置から前記会計装置までの移動経路において当該顧客が会計領域に所定時間以上いる場合に、当該会計領域に関連付けられた前記会計装置を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記会計装置に前記販売登録情報を送信する送信手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、登録装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売登録は店員が登録装置で行い、商品の会計処理は顧客自身が会計装置で行うセミセルフチェックアウトシステムが知られている。
【0003】
このようなセミセルフチェックアウトシステムにおいて、登録装置は、登録した商品の合計額等を会計装置に送信する。顧客は、登録装置が合計額等を送信した送信先の会計装置で会計処理を行う。従って、店員は、登録装置が合計額等を送信した送信先の会計装置に顧客を誘導しなければならず手間がかかっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、セミセルフチェックアウトシステムにおける店員の手間を軽減することができる登録装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の登録装置は、登録手段と、検出手段と、管理手段と、特定手段と、送信手段と、を備える。前記登録手段は、販売する商品を登録する。前記検出手段は、自装置と、複数台の会計装置とが設置された領域に存在している顧客の位置を検出する。前記管理手段は、前記検出手段が検出した顧客と、前記登録手段が登録した商品を示す販売登録情報とを関連付けて管理する。前記特定手段は、前記検出手段が検出した顧客が存在している位置を記録した、前記自装置から前記会計装置までの移動経路において当該顧客が会計領域に所定時間以上いる場合に、当該会計領域に関連付けられた前記会計装置を特定する。前記送信手段は、前記特定手段が特定した前記会計装置に前記販売登録情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るセミセルフチェックアウトシステムを導入した店舗の一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、登録装置の外観の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、会計装置の外観の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、店舗サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、販売登録情報テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、顧客位置情報テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、取引管理テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、登録装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、会計装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、セミセルフチェックアウトシステムの各装置が有する特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、セミセルフチェックアウト処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、報知処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置及びプログラムについて詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、情報処理装置及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたセミセルフチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、本実施形態に係るセミセルフチェックアウトシステム1を導入した店舗10の一例を示す説明図である。セミセルフチェックアウトシステム1は、店舗サーバ20と、顧客に販売する商品が登録された販売登録情報を生成する登録装置30と、登録装置30から送信された販売登録情報に基づいて顧客自身が会計処理を実行する会計装置40とを備える。店舗サーバ20と、登録装置30と、会計装置40とは、有線又は無線のLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して通信可能に接続している。なお、
図1に示すセミセルフチェックアウトシステム1は、1台の店舗サーバ20と、6台の登録装置30と、6台の会計装置40とを備えている。セミセルフチェックアウトシステム1は、1台以上の店舗サーバ20と、1台以上の登録装置30と、2台以上の会計装置40とを備えていればよい。
【0009】
店舗10は、大別すると、作業場11と、売り場12と、登録会計場13とがある。作業場11は、商品や資材を置いたり、店員が作業したりする場所である。そして、作業場11には、店舗サーバ20が設置される。店舗サーバ20は、情報処理装置の一例である。店舗サーバ20は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置等のコンピュータである。店舗サーバ20は、登録装置30から販売登録した商品の情報等を有する販売登録情報を受信する。そして、店舗サーバ20は、受信した販売登録情報を顧客が選択した会計装置40に送信する。なお、店舗サーバ20は、作業場11以外の場所に設置されていてもよい。また、店舗サーバ20は、ハードウェアやソフトウェア等のコンピュータ資源を提供するクラウドサービス等により提供されるものであってもよい。さらに、店舗サーバ20は、複数台のサーバ装置等により構成されていてもよい。
【0010】
売り場12は、顧客に販売する商品が陳列された場所である。
【0011】
登録会計場13は、商品の販売登録や、商品の会計処理を実行する場所である。登録会計場13には、登録装置30と、会計装置40とが設置される。登録装置30は、店員が販売対象の商品等を販売登録する装置である。会計装置40は、顧客自身が販売登録された商品の会計処理を実行する装置である。なお、
図1に示す登録会計場13の登録装置30と、会計装置40とが配置されている位置は一例であって、各装置は他の位置に配置されていてもよい。
【0012】
登録会計場13には、登録領域131と、会計領域132と、退出領域133とが含まれている。登録領域131は、登録装置30ごとに設けられた領域であって、登録装置30に関連付けられた所定の範囲を示す領域である。例えば、登録領域131は、販売登録の対象となる商品を収集した顧客が販売登録を待つ領域である。会計領域132は、会計装置40ごとに設けられた領域であって、会計装置40に関連付けられた所定の範囲を示す領域である。例えば、会計領域132は、会計処理を実行する顧客が会計装置40を操作する領域である。退出領域133は、登録会計場13の出口の領域である。すなわち、退出領域133は、登録会計場13から退出する顧客が通る領域である。
【0013】
登録会計場13の床には、一又は複数の圧力検知マット50が敷き詰められている。圧力検知マット50は、圧力検知マット50上に存在する人や物の重量等の圧力を検知するセンサである。そして、圧力検知マット50は、検知結果を店舗サーバ20に出力する。店舗サーバ20は、圧力検知マット50上に存在する人間の両足から圧力検知マット50にかかる圧力の位置に基づいて人間の中心位置を割り出すことができる。すなわち、店舗サーバ20は、圧力検知マット50の検知結果に基づいて、登録会計場13において顧客が存在している位置を検出することができる。さらに、店舗サーバ20は、顧客が存在している位置を記録することにより顧客の移動経路を記録することができる。
【0014】
顧客は、売り場12に陳列された商品から購入対象の商品を選択して買物カゴ等に収集する。顧客は、登録会計場13の登録装置30に、買物カゴ等に収集した商品を運ぶ。すなわち、顧客は、
図1に示す矢印方向で、登録会計場13に進入する。店員は、買物カゴ等に収集された商品の販売登録を登録装置30で実行する。顧客は、商品の販売登録が完了すると、登録会計場13に設置された何れかの会計装置40に移動する。店舗サーバ20は、会計装置40に移動する顧客が存在している位置を連続して記録することにより顧客の移動経路を記録する。さらに、店舗サーバ20は、移動した顧客が会計領域132に所定時間以上いる場合に、会計領域132に関連付けられた会計装置40を会計処理に使用する会計装置40として特定する。店舗サーバ20は、特定した会計装置40に、登録装置30から受信した販売登録情報を送信する。会計装置40は、販売登録情報に基づいて、会計処理を実行する。これにより、顧客は、移動先の会計装置40で商品の会計処理を実行することができる。
【0015】
次に、登録装置30と会計装置40との外観について説明する。
【0016】
図2は、登録装置30の外観の一例を示す斜視図である。登録装置30は、カウンタ台310の上面に載置される。登録装置30は、薄型矩形形状のハウジング320に覆われている。ハウジング320は、正面に読取窓321を備える。登録装置30は、読取窓321の奥側にスキャナ330(
図8参照)を備える。
【0017】
スキャナ330は、商品に付されたコードシンボルから商品を識別可能な商品コード等を読み取る装置である。読取窓321は、スキャナ330が照射したレーザ光をハウジング320の外部に透過させる。さらに、読取窓321は、商品に付された商品コード等に照射されたレーザ光の反射光をハウジング320の内部に透過させる。そして、スキャナ330は、ハウジング320の内部に透過された反射光を受光することにより商品コード等を読み取る。なお、スキャナ330は、商品の画像を撮像し、撮像した画像から商品コード等を読み取るものであってもよい。
【0018】
登録装置30は、ハウジング320の上部に表示部340を備える。表示部340は、スキャナ330が読み取った商品の名称や価格等の各種情報を表示する液晶表示装置である。また、表示部340は、各種操作を受け付けるタッチパネル341を備える。さらに、登録装置30は、各種操作を受け付けるキーボード350を備える。
【0019】
図3は、会計装置40の外観の一例を示す斜視図である。会計装置40は、筐体410の内部に釣銭部420(
図9参照)を備えている。また、会計装置40は、筐体410の上面に、プリンタ430と、カードリーダ440と、表示ポール450とを備える。そして、会計装置40は、プリンタ430の上面に、表示部460を備える。
【0020】
釣銭部420は、顧客から投入された貨幣の収納と、釣銭の払出とを実行する釣銭機である。釣銭部420は、硬貨投入口421と、紙幣投入口422と、紙幣出金口423と、硬貨出金口424とを備えている。釣銭部420は、紙幣投入口422に投入された紙幣を筐体410の内部に収納する。また、釣銭部420は、硬貨投入口421に投入された硬貨を筐体410の内部に収納する。そして、釣銭部420は、紙幣出金口423から紙幣の釣銭を払い出す。また、釣銭部420は、硬貨出金口424から硬貨の釣銭を払い出す。
【0021】
プリンタ430は、レシート発行口431を有している。プリンタ430は、一取引に係る各種情報を印字したレシートをレシート発行口431から発行する。
【0022】
カードリーダ440は、プリンタ430の左横であって、筐体410の上面に載置される。カードリーダ440は、カード挿入口441から挿入されたクレジットカード等に対して情報の読み出しや書き込みを実行する。
【0023】
また、会計装置40は、筐体410の上面の後方側に円柱状の表示ポール450を備えている。表示ポール450は、上方の先端部に、会計装置40の現在の状態に応じた色の光を発行する発光部451を備える。また、表示ポール450は、発光部451の下方に、番号表示部452を備える。番号表示部452は、会計装置40を識別可能な会計装置コードを表示する液晶表示装置である。
【0024】
表示部460は、会計装置40の動作状態に関する情報を画像や文字で表示する液晶表示装置である。また、表示部460は、各種操作を受け付けるタッチパネル461を備える。
【0025】
次に、セミセルフチェックアウトシステム1が備える各種装置のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図4は、店舗サーバ20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。店舗サーバ20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、接続インタフェース204と、操作部205と、表示部206とを備える。制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、接続インタフェース204と、操作部205と、表示部206とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス207を介して相互に接続している。
【0027】
制御部201は、店舗サーバ20の全体の動作を制御し、店舗サーバ20が提供する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、店舗サーバ20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換え自在に記憶したりする記憶媒体である。CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)として使い、ROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。
【0028】
記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部202は、制御プログラム208と、販売登録情報テーブル209と、顧客位置情報テーブル210と、取引管理テーブル211とを記憶する。制御プログラム208は、オペレーティングシステムや、店舗サーバ20が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム208には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。
【0029】
図5は、販売登録情報テーブル209のデータ構成の一例を示す説明図である。販売登録情報テーブル209は、登録装置30から受信した販売登録情報を記憶する情報テーブルである。販売登録情報テーブル209は、販売登録情報として、取引コードと、価格情報と、一又は複数の商品情報とを関連付けて記憶する。取引コードは、取引を識別可能な識別情報である。価格情報は、取引の合計額等を示す情報である。商品情報は、販売対象の商品の情報である。商品情報は、例えば、商品名称や商品コードや単価等の情報である。
【0030】
図6は、顧客位置情報テーブル210のデータ構成の一例を示す説明図である。顧客位置情報テーブル210は、検出した顧客の位置を示す顧客位置情報を、顧客ごとに記憶する情報テーブルである。顧客位置情報テーブル210は、顧客コードと、顧客位置情報とを関連付けて記憶する。顧客コードは、顧客を識別可能な識別情報である。すなわち、顧客コードは、検出した顧客を示す情報である。顧客位置情報は、顧客を検出した時刻を示す時刻情報と、検出した顧客の位置を示す位置情報とを備える。位置情報は、例えば、登録会計場13の座標等を示す情報である。
【0031】
図7は、取引管理テーブル211のデータ構成の一例を示す説明図である。取引管理テーブル211は、取引の会計が完了しているか否かを記憶する情報テーブルである。取引管理テーブル211は、取引コードと、会計完了フラグと、一又は複数の顧客情報とを関連付けて記憶する。取引コードは、対象の取引を示す情報である。会計完了フラグは、対象の取引の会計が完了しているか否かを示す情報である。顧客情報は、対象の取引の会計処理を実行する顧客を示す顧客コードと、登録会計場13から顧客が退出しているか否かを示す退出フラグとを有する情報である。
【0032】
通信インタフェース203は、ネットワークに接続された登録装置30や会計装置40等と通信するためのインタフェースである。接続インタフェース204は、圧力検知マット50と接続するためのインタフェースである。なお、店舗サーバ20は、接続インタフェース204に限らず、通信インタフェース203を介して圧力検知マット50と接続されていてもよい。
【0033】
操作部205は、キーボードや、マウス等の入力装置である。表示部206は、例えば、液晶表示装置である。
【0034】
図8は、登録装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。登録装置30は、制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、スキャナ330と、表示部340と、タッチパネル341と、キーボード350とを備える。制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、スキャナ330と、表示部340と、タッチパネル341と、キーボード350とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス304を介して相互に接続している。
【0035】
制御部301は、登録装置30の全体の動作を制御し、登録装置30が提供する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部301は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、登録装置30の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換え自在に記憶したりする記憶媒体である。CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)として使い、ROM又は記憶部302等に格納されたプログラムを実行する。
【0036】
記憶部302は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部302は、制御プログラム305を記憶する。制御プログラム305は、オペレーティングシステムや、登録装置30が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム305には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。
【0037】
通信インタフェース303は、ネットワークに接続された店舗サーバ20や会計装置40等と通信するためのインタフェースである。
【0038】
図9は、会計装置40のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。会計装置40は、制御部401と、記憶部402と、通信インタフェース403と、釣銭部420と、プリンタ430と、カードリーダ440と、発光部451と、番号表示部452と、表示部460と、タッチパネル461とを備える。制御部401と、記憶部402と、通信インタフェース403と、釣銭部420と、プリンタ430と、カードリーダ440と、発光部451と、番号表示部452と、表示部460と、タッチパネル461とは、データバスやアドレスバス等のシステムバス404を介して相互に接続している。
【0039】
制御部401は、会計装置40の全体の動作を制御し、会計装置40が提供する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部401は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、会計装置40の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換え自在に記憶したりする記憶媒体である。CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)として使い、ROM又は記憶部402等に格納されたプログラムを実行する。
【0040】
記憶部402は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部402は、制御プログラム405を記憶する。制御プログラム405は、オペレーティングシステムや、会計装置40が提供する機能を実現させるプログラムである。制御プログラム405には、本実施形態に係る機能を実現させるプログラムが含まれる。
【0041】
通信インタフェース403は、ネットワークに接続された店舗サーバ20や登録装置30等と通信するためのインタフェースである。
【0042】
次に、セミセルフチェックアウトシステム1の各装置が有する特徴的な機能について説明する。ここで、
図10は、セミセルフチェックアウトシステム1の各装置が有する特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
登録装置30の制御部301は、記憶部302に記憶された制御プログラム305をRAMに展開し、制御プログラム305に従って動作することで、各機能部をRAMに生成する。具体的には、登録装置30の制御部301は、機能部として、通信制御部3001と、操作制御部3002と、販売登録部3003と、顧客検出要求部3004とを備える。
【0044】
通信制御部3001は、通信インタフェース303を制御して、店舗サーバ20や会計装置40と通信する。
【0045】
操作制御部3002は、タッチパネル341やキーボード350から入力された操作を受け付ける。例えば、操作制御部3002は、顧客に販売する商品を登録する販売登録を開始する操作や、販売登録を終了する操作を受け付ける。また、操作制御部3002は、商品を登録する操作等を受け付ける。
【0046】
販売登録部3003は、顧客に販売する商品を登録する販売登録を制御する。例えば、販売登録部3003は、スキャナ330がコードシンボルから読み取った商品コードの商品を販売登録する。また、販売登録部3003は、操作制御部3002が受け付けた操作により特定される商品を販売登録する。そして、販売登録部3003は、操作制御部3002が販売登録を終了する操作を受け付けた場合に、販売登録情報を生成する。すなわち、販売登録部3003は、取引コードを割り当てて、販売登録した商品の商品情報と、販売登録した商品の合計額を含む価格情報とを有する販売登録情報を生成する。販売登録部3003は、通信制御部3001に生成した販売登録情報を送信させる。
【0047】
顧客検出要求部3004は、顧客の検出の開始を要求する顧客検出要求を、通信制御部3001に送信させる。例えば、顧客検出要求部3004は、操作制御部3002が販売登録を開始する操作を受け付けた場合に、顧客検出要求を通信制御部3001に送信させる。なお、顧客検出要求部3004が通信制御部3001に顧客検出要求を送信させる送信条件は、操作制御部3002が販売登録を開始する操作を受け付けた場合に限定しない。例えば、送信条件は、スキャナ330が販売登録する商品の商品コードを読み取ったことであってもよいし、販売登録を終了する操作を受け付けたことであってもよい。
【0048】
店舗サーバ20の制御部201は、記憶部202に記憶された制御プログラム208をRAMに展開し、制御プログラム208に従って動作することで、各機能部をRAMに生成する。具体的には、店舗サーバ20の制御部201は、機能部として、通信制御部2001と、検出制御部2002と、顧客識別部2003と、取引管理部2004と、会計装置特定部2005と、情報転送部2006と、報知制御部2007とを備える。
【0049】
通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、登録装置30や会計装置40と通信する。
【0050】
検出制御部2002は、検出手段の一例である。検出制御部2002は、登録会計場13に敷き詰められた圧力検知マット50の検知結果に基づいて、登録会計場13に存在している顧客の位置を検出する。検出制御部2002は、顧客を検出した時刻を示す時刻情報と、顧客を検出した位置を示す位置情報とを関連付けた顧客位置情報を生成する。
【0051】
顧客識別部2003は、検出制御部2002が検出した顧客を識別する。顧客識別部2003は、登録装置30が設置された設置位置から検出された顧客を識別する。例えば、顧客識別部2003は、通信制御部2001が顧客検出要求を受信した場合に、顧客検出要求を送信した登録装置30に関連付けられた登録領域131から検出制御部2002が検出した一又は複数の顧客の各々に顧客コードを割り当てる。そして、顧客識別部2003は、顧客コードに顧客位置情報を関連付けて顧客位置情報テーブル210に記憶させる。
【0052】
さらに、顧客識別部2003は、登録装置30から会計装置40に移動している顧客の各々を識別する。例えば、顧客識別部2003は、最新の顧客位置情報が示す位置から顧客を検出しなくなった場合に、顧客位置情報が示す位置から所定の範囲内であって顧客位置情報が示す時刻から所定の時間内に新たに顧客を検出したことを条件に、顧客が移動したと判定する。すなわち、顧客識別部2003は、顧客位置情報が示す位置から検出しなくなった顧客と、新たに検出した顧客とは同一人物であると判定する。従って、顧客識別部2003は、新たに検出した顧客の顧客位置情報を、該当する顧客の顧客コードに関連付けて顧客位置情報テーブル210に記憶させる。なお、顧客を識別する方法は、上記の方法に限定しない。例えば、顧客識別部2003は、顧客の重量や、重心の位置や、圧力検知マット50が検知した足の形や、歩き方の癖等により顧客を識別してもよい。また、顧客識別部2003は、一又は複数の方法を組み合わせることにより顧客を識別してもよい。
【0053】
取引管理部2004は、管理手段の一例である。取引管理部2004は、通信制御部2001が販売登録情報を受信した場合に、受信した販売登録情報を販売登録情報テーブル209に記憶させる。また、取引管理部2004は、販売登録情報と、登録装置30の設置位置から検出された顧客とを関連付けて管理する。さらに詳しくは、取引管理部2004は、通信制御部2001が販売登録情報を受信した場合に、顧客識別部2003が登録領域131から検出(識別)した一又は複数の顧客と、受信した販売登録情報とを関連付けて取引管理テーブル211を記憶させる。すなわち、取引管理部2004は、販売登録情報に含まれる取引コードと、会計処理が完了していないことを示す会計完了フラグと、顧客検出要求を受信してから販売登録情報を受信するまでの間に登録領域131から検出した顧客の顧客情報とを記憶させる。顧客情報には、検出した顧客の顧客コードと、退出していないことを示す退出フラグとを登録する。
【0054】
会計装置特定部2005は、特定手段の一例である。会計装置特定部2005は、会計処理に使用する会計装置40として顧客が選択した会計装置40を特定する。例えば、会計装置特定部2005は、顧客位置情報テーブル210に記憶された顧客位置情報に基づいて、登録装置30から会計装置40に移動した顧客の移動先の会計装置40を、顧客自身が会計処理を実行する会計装置40と特定する。さらに詳しくは、会計装置特定部2005は、顧客位置情報テーブル210に記憶された顧客位置情報に基づいて、会計領域132に顧客が所定時間以上いるか否かを判定する。会計装置特定部2005は、会計領域132に顧客が所定時間以上いる場合に、会計処理に使用する会計装置40と特定する。一方、会計装置特定部2005は、会計領域132に顧客が所定時間以上いない場合に、移動の途中であると判断する。
【0055】
店舗への買い物には、家族連れ等の複数人のグループで来店する場合がある。このような場合、グループに含まれる複数人が、登録領域131で販売登録を待つ。そして、グループに含まれるいずれかの顧客が会計装置40で会計処理を実行することが想定される。そのため、会計装置特定部2005は、登録領域131に複数の顧客がいた場合には、登録領域131にいた何れかの顧客が移動した移動先の会計装置40を、顧客自身が会計処理を実行する会計装置40と特定する。すなわち、会計装置特定部2005は、取引管理テーブル211において、一つの取引コードに複数の顧客の顧客情報が関連付けられている場合には、それぞれの顧客の顧客位置情報に基づいて、顧客自身が会計処理を実行する会計装置40と特定する。
【0056】
情報転送部2006は、通信制御部2001と協働で、会計装置特定部2005が特定した会計装置40を用いて、会計装置40に移動した顧客の販売登録情報に基づいて顧客自身が会計処理を実行可能となるように、販売登録情報の通信を制御する。すなわち、情報転送部2006は、会計装置特定部2005が特定した会計装置40に対して、該当する顧客の販売登録情報を送信する。さらに詳しくは、情報転送部2006は、会計装置特定部2005が特定した会計装置40の会計領域132にいる顧客の顧客コードに関連付けられた取引コードを取引管理テーブル211から抽出する。情報転送部2006は、抽出した取引コードの販売登録情報を販売登録情報テーブル209から抽出する。そして、情報転送部2006は、通信制御部2001に抽出した販売登録情報を送信させる。
【0057】
報知制御部2007は、報知手段の一例である。報知制御部2007は、顧客位置情報テーブル210に記憶された顧客位置情報に基づいて、会計処理が完了していない顧客が登録会計場13から退出したことを検出した場合に、報知する。報知制御部2007は、顧客位置情報テーブル210に記憶された顧客位置情報に基づいて、退出領域133に顧客がいるか否かを判定する。そして、報知制御部2007は、取引管理テーブル211に記憶された会計完了フラグに基づいて、退出領域133にいる顧客の会計処理が完了しているか否かを判定する。さらに、報知制御部2007は、取引管理テーブル211に記憶された顧客情報に基づいて、会計処理を実行する一又は複数の顧客のうち店舗10にいる最後の顧客であるか否かを判定する。報知制御部2007は、退出領域133にいる顧客の会計処理が完了しておらず、且つ店舗10にいる最後の顧客である場合に、報知する。
【0058】
なお、報知制御部2007は、顧客が店舗10にいる最後の顧客に限らず、店舗10にいる顧客の人数が閾値以下となった場合に報知してもよい。また、報知制御部2007は、如何なる方法で報知してもよい。例えば、報知制御部2007は、会計が完了していない顧客が退出したことを示すメッセージを、登録装置30や店員の携帯端末等に送信することにより報知してもよい。また、報知制御部2007は、店舗10に設置されている警告灯を点滅させてもよいし、店舗10に設置されているスピーカから音声を発してもよい。
【0059】
また、報知制御部2007は、会計処理が完了したことを通知する会計完了通知を通信制御部3001が受信した場合に、取引管理テーブル211において、会計完了通知に含まれる取引コードに関連付けられた会計完了フラグに会計済みを登録する。
【0060】
会計装置40の制御部401は、記憶部402に記憶された制御プログラム405をRAMに展開し、制御プログラム405に従って動作することで、各機能部をRAMに生成する。具体的には、会計装置40の制御部401は、機能部として、通信制御部4001と、会計処理部4002とを備える。
【0061】
通信制御部4001は、通信インタフェース403を制御して、店舗サーバ20や登録装置30と通信する。
【0062】
会計処理部4002は、通信制御部4001が受信した販売登録情報に基づいて、会計処理を実行する。例えば、会計処理部4002は、通信制御部4001が販売登録情報を受信した場合に、価格情報を表示部460に表示して顧客に支払いを要求する。会計処理部4002は、現金により支払われた場合に、釣銭部420には払われた現金を収納させる。また、会計処理部4002は、釣銭がある場合に、釣銭部420に釣銭を排出させる。そして、会計処理部4002は、会計処理が完了した場合に、会計処理が完了したことを通知する会計完了通知を通信制御部4001に送信させる。また、会計完了通知には、対象の取引を示す取引コードが含まれている。
【0063】
次に、セミセルフチェックアウトシステム1が実行するセルフチェックアウト処理について説明する。ここで、
図11は、本実施形態のセミセルフチェックアウトシステム1が実行するセミセルフチェックアウト処理の一例を示すシーケンス図である。
【0064】
登録装置30の操作制御部3002は、販売対象の商品の登録を開始する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。操作制御部3002は、販売対象の商品の登録を開始する操作を受け付けるまで待機する(ステップS10;No)。一方、販売対象の商品の登録を開始する操作を受け付けたことを条件に(ステップS10;Yes)、登録装置30の通信制御部3001は、販売対象の商品を購入する顧客の検出を要求する顧客検出要求を店舗サーバ20に送信する(ステップS11)。
【0065】
店舗サーバ20の検出制御部2002は、顧客検出要求を送信した登録装置30の前方にある登録領域131に敷かれた圧力検知マット50の検知結果に基づいて、顧客を検出する(ステップS20)。店舗サーバ20の顧客識別部2003は、検出した顧客の各々に顧客コードを割り当てて、顧客を識別する(ステップS21)。店舗サーバ20の顧客識別部2003は、識別した顧客ごとに、顧客位置情報を顧客位置情報テーブル210に記憶させる(ステップS22)。
【0066】
一方、登録装置30の販売登録部3003は、顧客に販売する販売対象の商品を登録する販売登録を実行する(ステップS12)。登録装置30の操作制御部3002は、販売登録を終了する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。操作を受け付けていないことを条件に(ステップS13;No)、登録装置30は、ステップS12に移行する。
【0067】
一方、操作を受け付けたことを条件に(ステップS13;Yes)、登録装置30の販売登録部3003は、販売登録情報を生成する(ステップS14)。登録装置30の通信制御部3001は、販売登録情報を送信する(ステップS15)。
【0068】
店舗サーバ20の取引管理部2004は、受信した販売登録情報を販売登録情報テーブル209に記憶させる(ステップS23)。店舗サーバ20の取引管理部2004は、販売登録情報と、顧客とを関連付けて取引管理テーブル211に記憶させる(ステップS24)。すなわち、取引管理部2004は、受信した販売登録情報の取引コードに、会計処理が完了していないことを示す会計完了フラグと、顧客識別部2003が識別した顧客の顧客情報とを関連付けて取引管理テーブル211に記憶させる。
【0069】
店舗サーバ20は、顧客が移動した移動先の会計装置40を特定する特定処理を実行する(ステップS25)。店舗サーバ20の通信制御部2001は、特定処理において特定した会計装置40に、顧客の販売登録情報を送信する(ステップS26)。
【0070】
会計装置40の会計処理部4002は、受信した販売登録情報に基づいて、会計処理を実行する(ステップS31)。会計装置40の会計処理部4002は、会計処理が完了したか否かを判定する(ステップS32)。会計処理が完了していないことを条件に(ステップS32;No)、会計装置40は、待機する。会計処理が完了したことを条件に(ステップS32;Yes)、会計装置40の通信制御部4001は、会計処理の完了を通知する会計完了通知を送信する(ステップS33)。
【0071】
店舗サーバ20の報知制御部2007は、取引管理テーブル211において、会計完了通知に含まれる取引コードに関連付けられている会計完了フラグに会計済みを登録する(ステップS27)。
【0072】
以上により、セミセルフチェックアウトシステム1は、セミセルフチェックアウト処理を終了する。
【0073】
次に、店舗サーバ20が実行する特定処理について説明する。ここで、
図12は、本実施形態の店舗サーバ20が実行する特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
検出制御部2002は、圧力検知マット50の検知結果に基づいて、顧客を検出したか否かを判定する(ステップS51)。店舗サーバ20は、顧客を検出するまで待機する(ステップS51;No)。
【0075】
一方、顧客を検出したことを条件に(ステップS51;Yes)、店舗サーバ20の顧客識別部2003は、検出した顧客の各々を識別する(ステップS52)。検出制御部2002は、会計領域132から顧客を検出したか否かを判定する(ステップS53)。会計領域132から顧客を検出していないことを条件に(ステップS53;No)、顧客識別部2003は、識別した顧客ごとに、顧客位置情報を顧客位置情報テーブル210に記憶させる(ステップS54)。そして、店舗サーバ20は、ステップS51に移行する。
【0076】
一方、会計領域132から顧客を検出したことを条件に(ステップS53;Yes)、会計装置特定部2005は、会計領域132における顧客の滞在時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS55)。顧客の滞在時間が所定時間未満であることを条件に(ステップS55;No)、店舗サーバ20は、顧客が移動の途中であると判断してステップS54に移行する。
【0077】
一方、顧客の滞在時間が所定時間以上であることを条件に(ステップS55;Yes)、会計装置特定部2005は、顧客を検出した会計領域132に関連付けられた会計装置40を、顧客が選択した会計装置40として特定する(ステップS56)。
【0078】
以上により、店舗サーバ20は、特定処理を終了する。
【0079】
次に、店舗サーバ20が実行する報知処理について説明する。ここで、
図13は、本実施形態の店舗サーバ20が実行する報知処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
検出制御部2002は、圧力検知マット50の検知結果に基づいて、退出領域133から顧客を検出したか否かを判定する(ステップS71)。店舗サーバ20は、退出領域133から顧客を検出するまで待機する(ステップS71;No)。
【0081】
一方、退出領域133から顧客を検出したことを条件に(ステップS71;Yes)、店舗サーバ20の顧客識別部2003は、検出した顧客の各々を識別する(ステップS72)。
【0082】
報知制御部2007は、退出領域133から検出した顧客の会計処理が完了しているか否かを判定する(ステップS73)。すなわち、報知制御部2007は、取引管理テーブル211において、検出した顧客の顧客コードに関連付けられている会計完了フラグにより会計処理が完了しているか否かを判定する。
【0083】
顧客の会計処理が完了していることを条件に(ステップS73;Yes)、報知制御部2007は、取引管理テーブル211において、検出した顧客の顧客コードに関連付けられている退出フラグに退出したことを登録する(ステップS74)。そして、店舗サーバ20は、ステップS73に移行する。
【0084】
一方、顧客の会計処理が完了していないことを条件に(ステップS73;No)、報知制御部2007は、一取引に係る顧客のグループにおいて、店内に残っている最後の顧客であるか否かを判定する(ステップS75)。すなわち、報知制御部2007は、取引管理テーブル211において、退出領域133から検出した顧客の顧客情報に関連付けられている他の顧客の顧客情報を抽出する。そして、報知制御部2007は、抽出した顧客情報の退出フラグに基づいて、退出領域133から検出した顧客以外に店内に残っている顧客がいるか否かを判定する。
【0085】
店内に残っている最後の顧客ではないことを条件に(ステップS75;No)、店舗サーバ20は、ステップS74に移行して退出したことを登録する。
【0086】
一方、店内に残っている最後の顧客であることを条件に(ステップS75;Yes)、報知制御部2007は、会計処理が完了していないまま顧客が退出することを報知する(ステップS76)。そして、店舗サーバ20は、ステップS73に移行する。
【0087】
以上により、店舗サーバ20は、報知処理を終了する。
【0088】
以上のように、本実施形態に係るセミセルフチェックアウトシステム1によれば、店舗サーバ20は、圧力検知マット50の検知結果に基づいて、登録装置30から会計装置40に移動した顧客の移動先の会計装置40を特定する。そして、店舗サーバ20は、特定した会計装置40に、移動した顧客の販売登録情報を送信する。従って、店員は、顧客を会計装置40に誘導する必要がない。よって、店舗サーバ20は、セミセルフチェックアウトシステム1における店員の手間を軽減することができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0090】
また、上記実施形態では、店舗サーバ20は、登録装置30から受信した販売登録情報を、会計装置40に送信している。すなわち、会計装置40は、店舗サーバ20を介して、登録装置30から販売登録情報を受信している。しかしながら、会計装置40は、登録装置30から販売登録情報を受信してもよい。この場合、店舗サーバ20は、会計装置特定部2005が特定した会計装置40を登録装置30に通知する。これにより、登録装置30は、顧客が移動した移動先の会計装置40に販売登録情報を送信することができる。または、会計装置40は、店舗サーバ20以外の装置を介して、登録装置30から販売登録情報を受信してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、店舗サーバ20に情報処理装置を適用した場合を例に説明した。しかしながら、情報処理装置は、セミセルフチェックアウトシステム1に含まれる他の装置にも適用することができる。すなわち、情報処理装置は、登録装置30や、会計装置40にも適用することができる。さらに、情報処理装置は、
図1には示されていない装置にも適用することができる。
【0092】
例えば、登録装置30に情報処理装置を適用した場合には、情報転送部2006は、会計装置特定部2005が特定した会計装置40に販売登録情報を送信する。または、情報転送部2006は、他の装置を介して、会計装置特定部2005が特定した会計装置40に販売登録情報を送信する。これにより、会計装置特定部2005が特定した会計装置40は、販売登録情報を受信することができる。
【0093】
例えば、会計装置40に情報処理装置を適用した場合には、情報転送部2006は、販売登録装置を生成した登録装置30に対して、販売登録情報の送信を要求する送信要求を送信する。その際、情報転送部2006は、登録装置30が販売登録情報を送信する送信先を、会計装置特定部2005が特定した会計装置40に指定する。これにより、会計装置特定部2005が特定した会計装置40は、販売登録情報を受信することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、店舗サーバ20は、顧客が移動した移動先の会計装置40に販売登録情報を送信している。しかし、店舗サーバ20は、複数の会計装置40に販売登録情報を送信してもよい。この場合、店舗サーバ20は、会計装置特定部2005が特定した会計装置40に、会計装置40に移動した顧客の販売登録情報の取引コードと、会計装置40に顧客が移動したこととを通知する。会計装置40は、通知された取引コードの販売登録情報を、予め受信した複数の販売登録情報から抽出することにより、顧客に会計処理を実行させることができる。
【0095】
また、上記実施形態では、店舗サーバ20の検出制御部2002は、圧力検知マット50の検知結果に基づいて、顧客が存在している位置を検知した。しかしながら、検出制御部2002は、圧力検知マット50以外の方法により顧客が存在している位置を検知してもよい。例えば、検出制御部2002は、カメラ等が撮像した画像データに基づいて、顧客が存在している位置を検知してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、店舗サーバ20の報知制御部2007は、顧客が会計処理を完了させずに登録会計場13から退出した場合に報知すると説明した。しかしながら、報知制御部2007が報知する条件は、登録会計場13から退出する場合に限定しない。例えば、報知制御部2007は、店舗10や、店舗10がある建物や、店舗10があるショッピングモール等から顧客が会計処理を完了させずに退出した場合に報知してもよい。
【0097】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0098】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 セミセルフチェックアウトシステム
20 店舗サーバ
30 登録装置
40 会計装置
50 圧力検知マット
209 販売登録情報テーブル
210 顧客位置情報テーブル
211 取引管理テーブル
2001 通信制御部
2002 検出制御部
2003 顧客識別部
2004 取引管理部
2005 会計装置特定部
2006 情報転送部
2007 報知制御部
3001 通信制御部
3002 操作制御部
3003 販売登録部
3004 顧客検出要求部
4001 通信制御部
4002 会計処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】