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特許7195397向上した投薬計画順守のための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】向上した投薬計画順守のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/02 20060101AFI20221216BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
A61J7/02
A61J7/04 B
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164779
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2018552841の分割
【原出願日】2017-03-31
(65)【公開番号】P2022002744
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】62/320,234
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/223,779
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518122744
【氏名又は名称】クアンテッド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】メーラン・メーレガニー
(72)【発明者】
【氏名】マソウド・ロハム
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520702(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0319902(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/02
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形フィルム(202)と、不透明な蓋フィルム(204)と、第1の配列に配置され、前記成形フィルムおよび前記蓋フィルムによって画定された複数のリザーバの異なるリザーバ(206)に各錠剤が収容された、第1の複数の錠剤(210)とを含み、前記第1の複数の錠剤が複数のリザーバの第1のリザーバ(206)に収容された第1の錠剤(210)を含む、少なくとも1つのブリスタカード(102)の状態を監視するシステムであって、
前記ブリスタカードを第1の位置に配置するように動作するハウジング(104)と、
第1のセンサ(606-1)を含む第1の複数のセンサ(606)を備える第1の検出モジュール(108)であって、前記第1のセンサが、(a)前記第1のリザーバ内の前記第1の錠剤の存在、および(b)前記蓋フィルムの第1の分配領域(212)の物理的状態、の少なくとも1つに基づく第1の電気信号(804)を提供するように動作する、第1の検出モジュールと、
前記第1の電気信号に基づいて第1の出力信号(112)を提供するように動作する電子機器モジュール(110)と、を備え、
前記第1のセンサが、
(i)前記第1の分配領域の物理的状態に基づく第1の静電容量(C1)を有し、前記第1の電気信号が前記第1の静電容量に基づく、第1の静電容量センサ(700)であって、第1の電極(608)および第2の電極(702)を含み、前記第1の電極および前記第2の電極が集合的に第1のコンデンサ(C1)を画定し、前記第1のコンデンサの静電容量が、前記分配領域と前記第1の電極との間のフリンジ電界に基づく、第1の静電容量センサ(700)であることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記第1のセンサが、第1の電極(608)と、第2の電極(702)と、第3の電極(902)とを含み、前記第2の電極および前記第3の電極が集合的に前記第1のコンデンサ(C6)を画定し、前記第1の電極および前記第2の電極が集合的に、前記分配領域と前記第1の電極との間のフリンジ電界に基づく第2の静電容量を有する第2のコンデンサ(C1)を画定し、前記第1の静電容量が前記第2の静電容量に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の平面内で前記第2の電極を取り囲むシールド線(1102)をさらに備え、前記第2の電極が前記第1の電極と前記第3の電極との間にあり、前記第1の電極、前記第3の電極、および前記シールド線が集合的に、前記第2の電極のための電気シールドを画定する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電子機器モジュールが、前記第1の出力信号を無線信号として提供するように動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムが、第2の成形フィルムと、第2の蓋フィルムと、第2の配列に配置された第2の複数の錠剤とを含む第2のブリスタカード(102-2)の状態を監視するようにさらに動作し、
前記第2の配列に配置された第2の複数のセンサを備える第2の検出モジュール(1906-2)であって、第2の複数の電気信号の各電気信号が前記第2の蓋フィルムの異なる分配領域の物理的状態に基づくように、前記第2の複数のセンサの各センサが、前記第2の複数の電気信号の電気信号を提供するように動作する、第2の検出モジュールをさらに備え、
前記電子機器モジュールが、前記第2の複数の電気信号に基づく第2の出力信号を提供するようにさらに動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
成形フィルム(202)と、不透明な蓋フィルム(204)と、第1の配列に配置された複数の錠剤(210)とを含むブリスタカード(102)の状態を監視する方法であって、
前記第1の配列に配置された複数のセンサ(606)を備える検出モジュール(108)を提供するステップと、
前記複数のセンサの各センサが前記ブリスタカード内の前記複数の錠剤の各錠剤の存在に基づく電気信号(804)を提供するように動作するように、前記複数のセンサおよび前記ブリスタカードを動作可能に連結するステップと、
前記複数の電気信号に基づいて前記ブリスタカードの物理的状態を決定するステップと、
前記ブリスタカードの物理的状態を前記ブリスタカードの所期状態と比較するステップであって、前記所期状態が、前記複数の錠剤のための所定の処方投薬計画に基づいている、比較するステップと、
前記所期状態に対する前記ブリスタカードの物理的状態に基づいて出力信号(112)を提供するステップと、を含み、
前記複数のセンサが、
(i)前記第1の分配領域の物理的状態に基づく第1の静電容量(C1)を有する第1の静電容量センサ(700)であって、前記第1の電気信号が前記第1の静電容量に基づき、第1の電極(608)および第2の電極(702)を含み、前記第1の電極および前記第2の電極が集合的に第1のコンデンサ(C1)を画定し、前記第1のコンデンサの静電容量が、前記分配領域と前記第1の電極との間のフリンジ電界に基づく、第1の静電容量センサ(700)
である第1のセンサを含むように、前記検出モジュールが提供されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
前記出力信号が無線信号として提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
時間および日付を監視するステップをさらに含み、前記所期状態が、監視された時間および日付に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記物理的状態と前記所期状態とが異なる場合に、エラー信号を開始するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2016年4月8日に出願された米国仮特許出願第62/320,234号(代理人整理番号:3005-004PR1)の優先権を主張するものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医薬品の非順守性は、医療費の上昇から製薬業界の財政的損失、深刻な人への負の影響に至るまで、多くの点で大きな問題である。
・投薬計画を順守しなかった結果、毎年125,000人が米国で死亡する。
・研究によれば、医薬品の非順守に関する医療への影響は年間2,900億ドルである。
・世界の製薬市場は、非順守のために年間推定5,640億ドルを損失しており、2011年の世界の製薬売上総額の9560億ドルの59%を失う。
・先進国では、一般市民の長期療法の順守率は約50%であり、途上国ではそれよりはるかに低い。
・4人のアメリカ人のうち3人近くが指示通り服薬しておらず、特に慢性疾患を患っている人にとっては深刻な健康上の結果となっている。
【0003】
経口避妊薬(OCP)の場合、投薬計画に適切に従う必要性が特に重要である。例えば、上記の問題に加えて、OCPの適切な処方に従わなかったことにより、すでに多くの望まない妊娠がもたらされており、さらに多くがもたらされ得る。OCPは、特に若い女性の中で最も一般的な避妊薬の一つである。2012年10月18日に発表された政府報告書は、米国の以下の統計を提供している:
生殖年齢の女性の62%が現在避妊をしている。インタビューの月に避妊法を使用していた女性のうち、最も一般的な方法は、ピル(28%、または1億6百万人の女性)および不妊手術(27%、または1億2百万人の女性)である。現在の方法として子宮内装置の使用が1995年から増加しているが(1995年の0.8%から2006~2010年の5.6%まで)、現在の最も効果的な避妊法として、パートナーがコンドームを使用していると報告している女性は少ない。意図しない妊娠のリスクがある女性のうち、11%が現在避妊の方法を使用していないと報告している。
【0004】
2011年に発表された国連報告書は、世界中の以下の統計を提供している:
先進国では、最も一般的に使用されている方法は、ピル(結婚している生殖年齢の女性の18%が使用)および男性のコンドーム(18%の普及率)である。これらの2つの方法は、先進国におけるすべての避妊薬使用の半分を占める。対照的に、発展途上国では、最も普及率の高い方法は不妊手術(21%)およびIUD(15%)であり、避妊薬使用全体の58%を占めている。
【0005】
ピルの服用忘れは、OCPに依拠している女性が緊急避妊法(例えば、モーニングアフターピル)を求める主な理由の1つである。したがって、これらの女性の意図しない妊娠の主な原因は、服薬順守の低さである。研究によれば、全世界の女性の47%は服薬順守が低く、1周期あたり2回以上ピルを服用していないことが示唆されている(月経周期は平均28日である)。英国最大のOCP製造業者であるシェリングヘルスケア社(Schering Health Care Ltd)は、平均的な女性は1年に8回ピルの服用を忘れると報告している。ほとんどの人は、ピルを忘れたときに是正措置をとる必要があることを知っているが、何かを知っている人はほとんどいない。1つのピルを服用しなかったことで妊娠のリスクが生じることを知っている人はわずか10%である。
【0006】
OCPの成功は、処方された毎日の投薬計画に従うこと、すなわち、女性の月経周期の間、正しい日に正しいピルを服用することと緊密に結びついている。このため、経口避妊薬は、どの日にどのピルを服用するかを患者に案内するために、カレンダーが印刷されたブリスタカードに包装される。さらに、推奨される日ごとの服用間隔は、24時間である。このため、多くのユーザは、コンプライアンスを維持するために、(例えばモバイル機器など)毎日のリマインダを使用する。患者が順守しなかった場合、製造業者は、順守を取り戻し、その間の意図しない妊娠の機会を低減するための具体的な措置を推奨する。残念ながら、推奨される仲介方法は必ずしも正しく行われているとは限らず、望ましくない妊娠のリスクが高まる。
【0007】
改善された患者の順守/コンプライアンス、治療結果、認証、パッケージングおよび分配の手法のうちの1つ以上を提供するパッケージング手法は、製薬業界にとっては歓迎すべき前進であり、OCP投薬計画コンプライアンス、および他の薬物投与計画の分野において特に有益である。
【0008】
本発明は、接続されたスマートパッケージングを介して、医薬処方投薬計画などの投薬計画に対する順守の追跡を可能にする。本発明の実施形態は、経口避妊薬ピル投与計画の順守の改善に特に適している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、ブリスタカードの状態を自動的に監視することを可能にし、これにより投薬計画に対する順守が追跡および/または改善されることを可能にする。いくつかの実施形態では、ブリスタカードの状態は、定期的に自動的に評価され、以前の状態と比較されて、介在期間中に錠剤が分配されたか否かが決定される。いくつかの実施形態では、錠剤を分配する動作は、分配事象が自動的に記録されることを可能にする出力信号を生成する。次に、分配事象の履歴は、分配事象が処方された通りであるか否かを評価するために、ブリスタカードに含まれる薬剤の処方投薬計画と比較される。分配履歴のエラー(すなわち、不適合)が検出された場合、ユーザおよび/またはユーザのケアサークル内の1人または複数の指定された人(例えば、介護者、看護師、医師、診療所/病院、親、パートナー、親戚、友人など)に警告が送られる。
【0010】
本発明の実施形態は、複数の薬剤錠剤を含むブリスタカードを収容して位置決めするハウジングを備えるパッケージを含む。このパッケージは、ブリスタカード上の錠剤の配列に一致するように配置された複数のセンサを備える検出モジュールを含む。その結果、各錠剤位置は、異なるセンサと動作可能に結合される。錠剤が分配されると、それぞれのセンサは、分配事象を示す出力信号を提供するように動作し、ブリスタカードの分配履歴を処方投薬計画と比較する。
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、各々が感知電極を含む複数の静電容量センサを備える検知モジュールを含むハウジングを備えるパッケージである。ブリスタカードがハウジング内に配置されると、ブリスタカードおよび検出モジュールは、各錠剤位置の分配領域内の蓋ホイルおよびそれぞれのセンサの電極が集合的に、その静電容量が分配領域の物理的状態に基づくコンデンサを画定するように、動作可能に接続される。この静電容量の変化は、そのセンサ位置における錠剤が分配されたことを示すものである。
【0012】
いくつかの実施形態では、検出モジュールは、外部ノイズおよび干渉から遮蔽された複数の静電容量センサを含む。これらの実施形態のいくつかでは、感知電極は、感知電極と分配領域との間に配置された駆動電極によってブリスタカードの他方の側から生じる浮遊容量および電気ノイズから遮蔽される。駆動電極および感知電極は、それぞれの分配領域の物理的状態に基づくフリンジ電界によって影響を受ける相互静電容量によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、感知電極は一対の駆動電極の間にある。駆動電極は、ブリスタカード/検出モジュールの構成の上面および底面から受ける浮遊容量および電気ノイズから感知電極を遮蔽する。いくつかの実施形態では、感知電極は、接地されたシールド線によって面内で実質的に囲まれている。結果として、感知電極はさらに、側方から向けられる電気的ノイズおよび浮遊容量から遮蔽される。
【0013】
いくつかの実施形態では、パッケージは、静電容量感知以外の感知技術を使用する検出モジュールを含む。いくつかの実施形態では、検出モジュールは光学センサを含む。いくつかの実施形態では、検出モジュールは音響センサを含む。いくつかの実施形態では、検出モジュールは、触覚センサを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、パッケージは、OCPに依拠する女性を支援するために、付随するモバイルアプリケーションと動作可能に連結され、処方された投薬計画に対する良好な順守および有効性要件のより良い管理を有する。
【0015】
本発明の一実施形態は、成形フィルムと、蓋フィルムと、成形フィルムおよび蓋フィルムによって画定される第1のリザーバ内に収容された第1の錠剤とを含むブリスタカードの状態を監視するためのシステムであって、該システムは、ブリスタカードを第1の位置に配置するように動作するハウジングと、(a)第1のリザーバ内の第1の錠剤の存在および(b)蓋フィルムの第1の分配領域の物理的状態の少なくとも1つに基づく第1の電気信号を提供するように動作する第1のセンサを備える検出モジュールと、第1の電気信号に基づいて第1の出力信号を提供するように動作する電子機器モジュールとを備える。
【0016】
本発明の別の実施形態は、成形フィルムと、蓋フィルムと、第1の配列に配置された複数の錠剤とを含むブリスタカードの状態を監視するためのシステムであって、該システムは、各センサが蓋フィルムの異なる分配領域の物理的状態に基づく電気信号を提供するように動作する、前記第1の配列に配置された複数のセンサを備える検出モジュールと、複数の電気信号に基づく出力信号を提供するように動作する電子機器モジュールとを含む。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態は、成形フィルムと、蓋フィルムと、第1の配列に配置された複数の錠剤とを含むブリスタカードの状態を監視する方法であって、該方法は、第1の配列に配置された複数のセンサを備える検出モジュールを提供するステップと、複数のセンサの各センサがブリスタカード内の複数の錠剤の異なる錠剤の存在に基づく電気信号を提供するように動作するように、複数のセンサおよびブリスタカードを動作可能に連結するステップと、複数の電気信号に基づいてブリスタカードの物理的状態を決定するステップと、ブリスタカードの物理的状態をブリスタカードの所期状態と比較するステップであって、所期状態が、複数の錠剤のための所定の処方投薬計画に基づいている、比較するステップと、所期状態に対するブリスタカードの物理的状態に基づいて出力信号を提供するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の例示的な実施形態によるパッケージのブロック図を示す。
図2A】ブリスタカード102の斜視図の概略図を示す。
図2B】ブリスタカード102の断面図の概略図を示す。
図3】例示的な実施形態による投薬計画を監視するための方法の動作を示す。
図4】ブリスタカード102が挿入されたパッケージ100の斜視図の概略図を示す。
図5】代替的なレシーバ106の一部の拡大断面図を示す。
図6A】本発明の例示的な実施形態による静電容量感知型検出モジュールの上面図の概略図である。
図6B】本発明の例示的な実施形態による静電容量検出型検出モジュールの断面図の概略図である。
図7】本発明による改善されたノイズ耐性を有する代替的な静電容量センサの断面図を示す。
図8】センサ700の電気接続の概略図を示す。
図9】本発明による改善されたノイズ耐性を有する別の代替的な静電容量センサの断面図を示す。
図10】センサ900の電気接続の概略図を示す。
図11】感知電極の各々の周囲に形成されたシールド線によってノイズ耐性が改善された検出モジュールの平面図を示す。
図12A】ブリスタカード102からの2つの錠剤の順次分配に応答する2つの個々のセンサ900の測定結果を示す。
図12B】ブリスタカード102からの2つの錠剤の順次投与に応答する2つの個々のセンサ900の測定結果を示す。
図13A】別の静電容量感知型検出モジュールを有するパッケージ100の断面図の概略図を示す。
図13B】本発明による錠剤の分配の前の検出モジュール1300の一部の断面図を示す。
図13C】本発明による錠剤の分配の後の検出モジュール1300の一部の断面図を示す。
図13D】本発明による錠剤の分配の前のさらに別の静電容量感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図13E】本発明による錠剤の分配の後のさらに別の静電容量感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図14A】本発明による錠剤の分配の前の代替の音響感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図14B】本発明による錠剤の分配の後の代替の音響感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図15】本発明の別の音響感知型の実施形態による複数のマイクロフォンを備えるブリスタカードの斜視図の概略図を示す。
図16A】本発明による錠剤の分配の前の触覚検出型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図16B】本発明による錠剤の分配の後の触覚検出型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図17A】本発明による錠剤の分配の前の光感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図17B】本発明による錠剤の分配の後の光感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図18A】本発明による錠剤の分配の前の光感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図18B】本発明による錠剤の分配の後の光感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。
図19】本発明の別の実施形態によるマルチブリスタカードパッケージの斜視図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、部分的に、ブリスタカードを含む医薬品容器に焦点を当てた、医薬品のための接続パッケージングの解決策を対象とする。本明細書の焦点はOCPに関するものであるが、本発明は、ブリスタカードベースのパッケージ製品に向けられ得ることに留意すべきである。添付の特許請求の範囲を含む本明細書の目的のために、「錠剤」という用語は、ピル、カプセル、粉末、ゲルキャップなどを含むがこれに限定されない任意のおよびすべての様々な薬品を意味するものと定義される。本明細書に記載された実施形態のいくつかは、「ブリスタカード」を対象とした接続パッケージングの解決策のために開発された概念を利用しており、これは、2015年10月9日に出願された「Connected Packaging」と題する米国特許出願第14/879,874号(代理人整理番号:3005-002US1)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるパッケージのブロック図を示す。パッケージ100は、OCPブリスタカード102の状態を監視し、含有する錠剤の投薬計画の追跡を可能にし、ユーザおよび/または介護者等へメッセージを伝える、等のスマートパッケージング能力を有する経口避妊薬保護ケースである。パッケージ100は、ハウジング104と、レシーバ106と、検出モジュール108と、電子機器モジュール110とを含む。パッケージ100は、28日間の経口避妊錠剤の投与を含む従来の「プッシュスルーパック」ブリスタカードを収容するように寸法設定され配置され、ブリスタカードが検出モジュールと動作可能に結合されるようにブリスタカードを配置する。
【0021】
図2Aおよび図2Bは、それぞれブリスタカード102の斜視図および断面図の概略図を示す。ブリスタカード102は、成形フィルム202と、蓋フィルム204と、リザーバ206と、錠剤210とを含む従来のブリスタカードである。
【0022】
成形フィルム202は、空洞208が形成された熱成形プラスチックの層である。
【0023】
蓋フィルム204は、アルミニウム箔の薄いシートである。いくつかの実施形態では、蓋フィルム204は、別の導電性材料のシートである。いくつかの実施形態では、蓋フィルム204は、導電性材料のシートと、紙シート(印刷されたカレンダーまたは指示書付き)、ポリマー等のような電気絶縁材料のシートとを含む。錠剤210が空洞208内に分配された後、蓋フィルム204は、成形フィルム202と結合されて空洞を封止することにより、リザーバ206が形成される。典型的には、投薬計画を記載するカレンダーがカード上に印刷され、かつ/またはブリスタカードの一部として提供される。
【0024】
各空洞の下に位置する蓋フィルム204の領域は、錠剤を蓋ホイルに押し通すことによってそれぞれの錠剤210が分配される分配領域212を画定する。
【0025】
図3は、例示的な実施形態による投薬計画を監視するための方法の動作を示す。方法300は、ブリスタカード102をパッケージ100内に配置する操作301から開始される。方法300は、引き続き図1及び図2A~Bを参照して説明される。
【0026】
図4は、挿入されたブリスタカード102を含むパッケージ100の斜視図の概略図を示す。
【0027】
ブリスタカード102は、パッケージ100に装着されたとき、ハウジング104によって、損傷および意図しない錠剤の分配から保護される。ハウジング104は、例えば、ブリスタカード102がそのような保護なしに財布またはポケットに入れられた場合に起こり得るような通常の取扱いおよび保管中の損傷からブリスタカード102を保護するのに十分な強度を有する射出成形プラスチックケースである。
【0028】
パッケージ100内のブリスタカード102の位置は、レシーバ106によって決定される(すなわち、レシーバ106がブリスタカード102の位置を特定する)。レシーバ106は、ブリスタカード102のリザーバ206を露出させるための開口部を含む剛性フレームである。ブリスタカード102をハウジング104内に配置するために、ブリスタカードはハウジング104(図示せず)の底部に形成されたシート内に配置され、ブリスタカードを適所に捕捉するためにブリスタカード上でレシーバ106が閉じられる。レシーバ106は、ブリスタカードの表面上に分散された圧力を提供して、検出モジュール108と動作可能に結合されることを確実にするように寸法設定され、かつ配置される。
【0029】
いくつかの実施形態では、ブリスタカード102は、その成形フィルム側に印刷された情報(例えば、ユーザのための指示、広告、ロゴ等)を含む。そのような実施形態では、印刷された情報の上に配置されるパッケージ部材(例えば、レシーバ106)は、光学的に透明な材料で作られ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、レシーバ106は、検出モジュール108と動作可能に結合されるようにブリスタカードをハウジング104内に配置するための異なる従来のラッチシステムを含む。
【0031】
図5は、代替的なレシーバ106の一部分の拡大断面図を示す。図5に示される断面図は、図4の領域406を切り取ったものである。レシーバ106は、ハウジング104の外壁の一部として形成された複数のラッチ502および肩部504を備える。ラッチ502は、ブリスタカード102を肩部504に対して固定することを可能にするために押し下げることができる変形可能なタブである。タブは、ブリスタカードが肩部に対して適切な位置に配置されると、ブリスタカードをこの位置にロックするように外側に飛び出すように、弾力性を有する。例示的な実施形態では、後述するように、ブリスタカード102の所望の位置は、検出モジュール108の上面に当接する。典型的には、ラッチ502および肩部504は、従来の射出成形技術に従ってハウジング104の側壁の一部として形成される。当業者であれば、レシーバ106を形成するための無数の従来の方法が存在し、図4および図5に示されるレシーバの設計は、本発明での使用に適したレシーバの単なる例であることを認識するであろう。
【0032】
検出モジュール108は、ブリスタカード102の錠剤210の配置に実質的に一致するセンサの二次元配列である。いくつかの実施形態では、検出モジュール108は、錠剤210が分配される複数の穴を含む機械的に頑丈なプレートを含む。以下に記載するように、検出モジュール108は、ブリスタカード102の状態を監視するために静電容量感知技術を使用する。しかし、本明細書を読むことによって、当業者には、多くの代替感知技術を本発明の範囲から逸脱することなく検出モジュール108に採用することができることが明らかとなるであろう。本発明の実施形態での使用に適した感知技術には、とりわけ、光学感知、音響感知、および触覚感知が含まれるが、これらに限定されない。検出モジュール108については、以下でより詳細に説明する。
【0033】
電子機器モジュール110は、検出モジュール108と動作可能に結合された電子パッケージである。電子機器モジュール110は、検出モジュールのセンサとのインタフェースに適した電子回路、各センサの出力信号を受信するための信号調整電子機器(例えば、前置増幅器、比較器等)、出力信号112を提供するための出力電子機器等を含む。いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、以下のものを含むがそれらに限定されない。
1.通信電子機器(有線および/または無線、例えばブルートゥース(登録商標)、セルラー方式等)、または
2.処理機能、または
3.メモリ、または
4.オンボードクロック回路、または
5.電力(例えばバッテリ等)および/または発電電子機器、または
6.センサインタフェース回路、または
7.ウェイクアップ検出回路、または
8.オンアラート(例えば発光ダイオード、ブザー等)、または
9.環境(例えば温度、湿度、衝撃、地理位置情報等)センサ、または
10.1、2、3、4、5、6、7、8、及び9の任意の組み合わせ
【0034】
図示された例では、電子機器モジュール110は、出力信号112および入力信号116を介してモバイル機器114と無線通信する。
【0035】
モバイル機器114は、処方された投薬計画に対する良好な順守を達成し維持するために、患者および/または介護者に支援を提供するソフトウェアアプリケーション(すなわち、モバイルアプリケーション)を実行する携帯電話である。いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、コンピュータおよび/または基地局などの異なるデバイスと通信する。さらに、いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、同じ基板上で検出モジュール108と一体化されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、充電間の長い電池寿命を促進するスリープモード回路を含む。そのような実施形態では、感知は、所望されるときにのみ作動され、器具はほとんどの時間スリープモードにある。本発明の実施形態での使用に適したスリープモード回路の例としては、低電力加速度計、タッチ/近接センサなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0037】
当業者であれば、本明細書を読むことによって、ハウジング100の設計特徴は、その状態を監視するために使用される感知技術と同様に、ブリスタカード102の特定の配置に基づいていることを認識するであろう。結果として、本明細書で提供される設計の詳細は単なる例示であり、本発明の範囲から逸脱することなく無数の代替設計が可能である。
【0038】
図4に図示されたパッケージ構成では、検出モジュール108および電子機器モジュール110は、ハウジング104の底面内に埋設されている。しかしながら、本発明の範囲内から逸脱することなく検出モジュール108および/または電子機器モジュール110をハウジング104内に一体化する方法は数多く存在することに留意すべきである。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、検出モジュール108はハウジング104の底部に埋設され、電子機器モジュール110は蓋402に取り付けられる。ハウジング104に埋設された配線(図示せず)は、ヒンジ404を貫通し、検出および電子機器モジュールを電気的に連結する。別の実施形態では、ハウジング104は、電子機器モジュール110を収容するための別の区画を含む。いくつかの実施形態では、検出モジュール108および電子機器モジュール110は、ハウジング104に取り付けられた1つまたは複数のプリント回路基板(PCB)の中または上に配置される(すなわち、ハイブリッド実装)。
【0039】
いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、表示されたテキスト、グラフィックス、ユーザ入力などを介してユーザとの直接対話を可能にするために、ハウジング104上に配置されたタッチディスプレイを含む。
【0040】
本開示は、適切な電子機器等をケース内または上に配置することによって電子機器/感知/表示機能を提供するが、そのような機能の一部または全ては、本発明の範囲から逸脱することなくブリスタカード自体への一体化によって提供することができる。
【0041】
動作302において、電子機器モジュール110は、搭載時計を介して時間および日付を監視する。いくつかの実施形態では、モバイル機器114が時間および日付を監視する。いくつかの実施形態では、電子機器モジュール110は、モバイル機器114から時間および日付の情報を要求する。いくつかの実施形態では、時間および日付は別の従来の方法で追跡される。
【0042】
動作303において、ブリスタカード102の状態が監視される。当業者であれば、ブリスタカード102の状態を決定する方法は、使用される感知技術に基づくものであることを認識するであろう。先に簡単に述べたように、ブリスタカードの状態を感知するために多くの感知技術を使用することができ、いくつかの感知方法の例を以下で詳細に説明する。
【0043】
動作304において、ブリスタカード102の状態が、そこに含まれる処方薬(すなわち、錠剤210)の投薬計画と比較される。例示的な実施形態では、この比較は、所期の28日間の投薬期間中、毎日(例えば毎分、毎時間、数時間など)定期的に行われる。図示の例では、所定の投薬計画は、モバイル機器114上で動作するモバイルアプリケーション内に維持され、入力信号116を介して電子機器モジュール110に投薬計画のデータを提供する。いくつかの実施形態では、投薬計画は、電子機器モジュール110内に含まれるメモリモジュールにダウンロードされる。いくつかの実施形態では、出力信号112は、ブリスタカード状態の情報をモバイル機器114に提供し、モバイル機器114がそれを投薬計画と比較する。
【0044】
本発明の一態様では、ブリスタカードの分配事象を自動的に記録する能力は、モバイルアプリなどの改良されたソフトウェアが処方された投薬計画をユーザが順守することを支援すること可能にする。現在、自動カレンダーのリマインダを使用してOCPの順守を支援する多数の携帯電話ベースおよびコンピュータベースのアプリケーションが存在する。これらのアプリケーションは、通常、順守を追跡し、有効性要件のある程度の管理のための機能を提供するだけでなく、良好な順守を達成し、維持し、有効性要件を管理するための基本的方法論の概形を示す。
【0045】
従来のOCPアプリは、通常、アプリが最初にダウンロードされたときにステージの設定から開始される。設定ステップでは、通常、ユーザが、例えば以下の数ビットの個人情報を入力する必要がある。
・ログイン情報、
・プライバシーに関する合意(同意または同意しない)、
・周期の長さ(初めてユーザがアプリを起動したときのみ)、
・最後の生理の開始日(初めてユーザがアプリを起動したときのみ)、
・現在のカードを開始してからの日数(初めてユーザがアプリを起動したときのみ)、および
・毎日のリマインダ設定:
・ピルを服用する時間または時間ウィンドウ、
・リマインダの種類:アラーム、テキスト、または電子メール、
・リマインダメッセージのカスタマイズ(例えば、「ピルを飲む」)、
・スヌーズの作動、および
・アラームの種類(例えば、サウンド)。
【0046】
アプリが設定されると、日常的な使用方法には、適切な時間に(または適切な時間ウィンドウ内に)正しいピルを服用するためのアラーム通知が含まれる。ピルを服用した後、ユーザは手動で時間、日付、および服用したピルをアプリに入力する。時間‐日付‐ピルデータは保存され、ユーザがアクセスして順守を分析することができる。順守データおよび傾向は、ユーザのケアサークル内の1人または複数の指定された人物に転送することも可能である。
【0047】
現在利用可能なアプリには実際の順守データを自動的に取得する機能がないため、これらのモバイルアプリの基本的な制限として、必要なデータの全てをユーザが手動で入力する必要がある。結果として、従来のOCPアプリは、使用が面倒であり、頻繁に誤って使用され、非常に意欲的な患者にのみ最も効果的である。
【0048】
モバイルアプリを介して投薬の順守を追跡するための自動化システムが知られている。しかしながら、これらは通常、ボトルに包装された薬を対象としたものである。これらの従来のシステムは、無線接続およびセンサを組み込み、付随するモバイルアプリおよび/またはネットワークサーバ内で順守データを監視及び通信する。投薬が行われなかった場合、システムは、システム自体のまたは自動呼出しもしくはテキストメッセージを介してユーザのケアサークルに送られたサインによって、アラーム通知を自動的に提供する。リマインダメッセージを自動的に生成する機能は、良好な順守をサポートする重要なステップである。
【0049】
しかしながら、本発明の実施形態は、上述した従来の方法をさらに改良することができる装置および方法を含む。これらの改良はOCPの順守に特に適しているが、他の多くの投薬順守アプリケーション、特に順守の質に大きく影響されるものにも適している。具体的には、本発明は、以下を可能にすることによって、従来技術を改善することができる。
・ブルートゥース無線信号範囲(例えば、最大約20メートル)を介して、装置とモバイル機器との間の距離を監視する、
・モバイル機器上のモバイルアプリに格納されたOCP作製者の指示と、機器からの実際の順守データとを比較する、および
・モバイルアプリを介して、装置自体に順守状況フィードバックを提供する。
【0050】
結果として、本発明は、従来技術の自動追跡システムに対していくつかの重要な利点を提供する。例えば、本発明は、ブリスタカード102とモバイル機器との間の距離を監視することを可能にする。これは、ブリスタカードとモバイル機器が同じ一般空間(例えば、家)内にあるか否かを判定することができる監視能力を提供する。その結果、例えば、ユーザがピルなしで自宅を離れた場合に、ユーザに警告を送信することができる。リマインダの甲高さは、次回の投与が近づいている(例えば、1時間後または同日内)か、または翌日であるかによって、重要性が重み付けされ得る。いくつかの実施形態では、例えば一泊旅行の計画があるかなど、モバイル機器上の電子カレンダー上の情報にアクセスして、ピルを置き忘れる際のリスクを判定する。
【0051】
ブリスタカード102のOCP投与計画とパッケージ100によって取得された実際の順守情報とを比較する能力は、本発明の実施形態が次の推奨ステップをユーザに提供することを可能にする。これは、ピルの服用を忘れて、意図しない妊娠のリスクを最善に緩和する方法についてユーザが確信がない場合など、順守が中断された場合に特に有利である。
【0052】
さらに、本発明は、順守状況のフィードバックを可能にし、それによりユーザが行動をそれに応じて調整することを助ける。このようなフィードバックはまた、順守を改善するための必要な介入のためにユーザのケアサークルに提供することもできる。さらに、いくつかの実施形態では、順守状況のフィードバックは、長期治療処置計画において使用するために監視サイトで長期メモリに保存されて、訴訟、民事訴訟(例えば、父子関係確定訴訟など)などにおける証拠として使用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ブリスタカードの状態(例えば、分配されたピルの数、どのピルが分配されたかなど)は、ケース閉鎖時に保存される。ケースの次の開放時に、ブリスタカードの状態が再び調査され、最後に保存された状態と比較される。これにより、ブリスタカードの不意の変更が検出され、モバイルアプリを通じて関連する質問がユーザに問われる。さらに、開放時のブリスタパックの状態は、状態の変化を測定する基準を提供する。いくつかの実施形態では、閉鎖および開放時のブリスタパックの状態の予期しない相違の検出によって、ユーザおよび/または第三者に、エラーの可能性の1つまたは両方を警告するために、アラーム、エラーフラグ、または伝達信号を生成する。
【0054】
ここで方法300に戻り、動作304が不適切な事象を明らかにする場合には、方法300は動作305Aに進み、エラー信号が電子機器モジュール110によって開始される。ユーザまたはユーザのケアサークルに対するエラー信号を開始し得る不適切な事象は、以下を含むがそれらに限定されない。
1.投薬時間ウィンドウが経過し、かつ所期の錠剤210が分配されていない、または
2.投薬時間ウィンドウの間に誤った錠剤210が分配された、または
3.適切な投薬時間ウィンドウ以外の時間に錠剤210が分配された、または
4.2つ以上の錠剤210が分配された、または
5.1、2、3、および4の任意の組み合わせ。
【0055】
加えて、いくつかの実施形態では、錠剤を分配する時間が近づいているが、錠剤が分配されていないと判断された場合、ユーザに適切なピルを服用させるよう促すリマインダを送ることができる。
【0056】
動作304において、正しい錠剤210がその割り当てられた投薬時間ウィンドウ内に分配されたことが明らかとなった場合、動作305Bにおいて、錠剤が分配された時間が電子機器モジュール110によってメモリに記録される。加えて、分配された錠剤がブリスタカード102内の最後の錠剤であった場合には、方法300は動作306に進み、ユーザまたはユーザのケアサークルに対する警告が開始され、ブリスタカード102が空であることを警告する。いくつかの実施形態では、この警告は、ブリスタカード102内の錠剤の数が閾値レベルに低下したときに生成され、ユーザまたはユーザのケアサークルに対する補充のリマインダを開始するか、または薬局への直接補充要求を生成する。
【0057】
ブリスタカード102が空になっていない場合、方法300は、動作302~306の繰り返しを続ける。
【0058】
モバイルアプリには、ユーザが健康状態をよりよく管理するための追加機能が組み込まれ得る。例えば、動作305Bにおいて、ユーザには、例えば、副作用の経験を記録する、直近の24時間内に性交渉をするなど、モバイルを介する恩恵および/またはモバイルアプリにメモを入力する機会が与えられ得る。動作305Aにおいて、モバイルアプリは、ユーザにカウンセリングおよび教育情報を提供し得る。ユーザのサイクルのポイントを認識しているので、モバイルアプリは、状況から得られる健康およびウェルネス情報をユーザに提供することができる。
【0059】
当業者であれば、本明細書を読むことで、方法300は投薬計画を改善するための1つの非限定的な例示的方法であり、本発明の範囲から逸脱することなく無数の代替方法を用いることができることを認識するであろう。
【0060】
[ブリスタカードの状態を監視するための感知手法]
上述したように、ブリスタカードの状態を監視するために、静電容量感知、音響感知、光学感知、熱感知、および触覚感知を含む、多くの感知技術を利用することができる。しかしながら、静電容量感知技術は、本発明で使用するのに特に魅力的である。したがって、例示的な実施形態では、検出モジュール108は、本明細書で説明するように、複数の静電容量センサを含む。
【0061】
[静電容量感知]
図6A及び6Bは、本発明の例示的な実施形態による静電容量感知型検出モジュールの上面図および断面図の概略図である。検出モジュール108は、基板602と、穴604と、センサ606-1から606-28(集合的にセンサ606と称する)とを備える。
【0062】
基板602は、従来のPCB基板である。基板602は、パッケージ100の底部を形成するように、ハウジング104に嵌合するように寸法設定される。典型的には、基板602は、上述したレシーバ106に類似するレシーバを介してハウジング104に保持される。いくつかの実施形態では、基板602は、プレーナ処理に適した半導体ウェハなどの別の基板である。いくつかの実施形態では、剛性基板(例えば、基板602)の代わりに、検出モジュール108は、図13A及び13Bを参照して以下で説明されるように、可撓性かつ任意選択的に視覚的に透明な基板を備える。
【0063】
ブリスタカードから分配されたときに錠剤210の各々が検出モジュール108を通過できるように、穴604は、基材602を貫通している。
【0064】
センサ606の各々は、電極608と、蓋フィルム204のそれぞれの分配領域212とを備える。電極608は、穴604を完全に取り囲む円形の円形金属電極である。電極608は、基板602の本体内に形成され、ブリスタカード102が検出モジュール108と接触しているときに、電極および蓋フィルム204が静電容量センサ606を形成し、その静電容量は、図6Bに示すように、それぞれの分配領域212における蓋フィルムの状態に基づく。いくつかの実施形態では、センサ606(および本明細書に記載される他のセンサ)はハウジング104の底面に直接形成され、それによって基板602が省略される。
【0065】
センサ606の各々は、電気トレース(明確にするために図示せず)を介して電子機器モジュール110の感知回路に電気的に接続されている。結果として、各センサは、ブリスタカード102の各錠剤210の分配の特定を可能にするために個別に監視することができる。いくつかの実施形態では、センサ606は、行/列アドレス方式を使用して電気的に接続され、データが得られる。
【0066】
OCPは、分配事象の間に錠剤がいつ分配されたかを識別できることが重要である多くの用途の1つを表す。しかしながら、当業者であれば、本明細書を読むことで、全ての薬が分配された錠剤を独自に特定する必要があるわけではなく、結果として、錠剤分配を検出するために使用される感知手法は、大幅に簡略化され得ることを認識するであろう。例えば、ある場合には、ブリスタカードの全ての錠剤は実質的に同一である。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、センサ606の全てが並列または直列に電気接続され、どの錠剤210が分配されたかを特定することはできない。そのようないくつかの実施形態では、分配事象を検出するために、ブリスタカードと動作可能に結合された加速度計、各分配事象が単独のコンデンサの静電容量の変化によって示されるように全ての錠剤の位置に広がる単一の静電容量センサなどの単一のセンサが使用される。
【0067】
代替的に、いくつかの実施形態では、行/列感知は、例えば静電容量センサの一方の電極が錠剤位置の行または列全体に共通であり、他方の電極が部位固有の個々の電極に分割された行または列感知に簡略化される。
【0068】
そのような実施形態では、ブリスタカードの枯渇(補充の期限であることを示す)は、単に分配事象を追跡し、それらのカウントを提供された際のブリスタカード上の錠剤の合計カウントと比較する、または分配事象でのセンサ出力信号の変化の大きさの合計を監視し、例えば、事前の較正操作によって決定された基準の大きさの変化と結果を比較するなど、多数の方法で検出することができる。
【0069】
各センサ606において、分配領域212の導電性材料(すなわち、蓋フィルム204)は、電極608と共にフリンジ電界を形成する。これらのフリンジ電界は、分配領域が無損傷のときに第1の値を与える静電容量センサの静電容量に影響を与える。しかしながら、錠剤210が分配されると、分配領域212の破損は、蓋フィルム材料と電極608との間の物理的構成を変化させ、フリンジ電界に、すなわちセンサ606の静電容量に影響を及ぼす。センサ606の静電容量は、分配領域212の材料が完全に破られているか否か、またはその後破片が穴604にぶら下がったままであるかによって変化することに留意すべきである。
【0070】
各センサ606の静電容量を感知するために、蓋フィルム204は電気的に接地され、各電極608は高インピーダンス検出回路に接続される。いくつかの実施形態では、蓋フィルム204は電気的に「フローティング」の状態であるが、感知信号の安定性およびノイズ耐性が向上するので蓋フィルムを設置することが好ましい。残念なことに、センサ606は、浮遊容量または寄生容量、電磁干渉(EMI)などの外部ノイズおよび干渉に敏感であり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、ノイズおよび干渉の影響を緩和するために、電極608は、一対のハーフリングに分割される。いくつかの実施形態では、電極608は2つより多くの円周部分に分割される。このような電極構成を使用して、静電容量感知は、電極セグメント間の静電容量の変化を監視することによって実施され、静電容量の変化は、電極セグメントと穴の上のアルミニウム箔との間のフリンジ電界の影響を受ける。残念ながら、セグメント化電極608はある程度のノイズ耐性を提供するが、ノイズおよび干渉は依然として問題となり得る。
【0072】
図7は、本発明による改善されたノイズ耐性を有する代替的な静電容量センサの断面図を示す。センサ700は、検出モジュール108での使用に適しており、基板602と、電極608と、電極702とを備える。センサ700は、センサ606と比較して大幅に改善されたノイズ耐性を有する。
【0073】
電極702は、電極608に類似している。しかしながら、電極702は、ブリスタカード102がパッケージ100内に配置されるとき、電極608と平行であり、蓋フィルム204の遠位に位置するように、基板602内に形成される。電極608および702は、集合的に基板602内に平行平板コンデンサを画定する。
【0074】
センサ700は、2010年1月5日に公開された「mTouch Projected Capacitive Touch Screen Sensing Theory of Operation」と題するマイクロチップアプリケーションノートTB3064に記載されているような投影型静電容量感知技術に従って動作するものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
図8は、センサ700の電気接続の概略図を示す。
【0076】
回路800において、電極608および702は集合的にコンデンサC1を画定し、その値は電極間の相互静電容量によって決定される。
【0077】
電極608および蓋フィルム204は集合的にコンデンサC2を画定し、その静電容量は、電極608と蓋フィルムとの間のフリンジ電界によって決定される。これらのフリンジ電界は、検出領域212の状態に基づいている。
【0078】
静電容量C3は、電極608とユーザの指との間のタッチ容量であり、これは、以下で説明するように、ユーザが錠剤210を蓋フィルム204から押し出すために成形フィルム202を押している間、および分配領域212の蓋フィルムが破損した後のみに発生する。
【0079】
電極608はまた、実質的に固定された電極容量C4によって特徴付けられる。
【0080】
同様にして、電極702は、それ自体の実質的に固定された電極容量C5によって特徴付けられる。
【0081】
動作時、電極608は送信器として駆動され、電子機器モジュール110から駆動信号802を受け取る。電極702は受信器として動作し、出力信号804を電子機器モジュール110内の感知回路に供給し、出力信号は相互静電容量C1に基づく。
【0082】
錠剤210を分配する前には、検出領域212は全体であり、それぞれの素子の物理的構成が固定されているので、フリンジング容量C2および相互静電容量C1は実質的に変化しない。さらに、検出領域212内の無損傷の蓋フィルム204が電極608を浮遊容量および電極からの蓋フィルム204の反対側の領域からの電気ノイズから遮蔽するので、コンデンサC3の値は実質的にゼロである。言い換えれば、検出領域212内の無損傷の蓋フィルム204は、電極608のための「電気シールド」として作用する。添付の特許請求の範囲を含むこの明細書の目的のために、「電気シールド」は、他の素子で測定された電気的パラメータに対する浮遊容量、電気的ノイズ、および電気的干渉の影響を緩和する素子として定義される。
【0083】
しかしながら、錠剤210が分配されると、検出領域212が破損し、蓋フィルム204の導電性材料と電極608との間の物理的構成、ひいてはコンデンサC2のフリンジング容量が変化する。また、コンデンサC3の静電容量の生成を可能にする。C2の素子の構成の変化は、相互静電容量C1に影響を及ぼす。蓋フィルム204の遮蔽能力は、分配領域212の破損によって損なわれるので、C1の値は、タッチ容量C3の発生によってさらに影響を受ける。結果として生じるC1の変化は、電子機器モジュール110の感知回路によって検出される。
【0084】
残念ながら、センサ606のノイズ耐性を改善する一方で、センサ700における高インピーダンス電極702は、ハウジング104の上部以外の方向から受け取ったノイズおよび干渉に対して遮蔽されない状態である。
【0085】
図9は、本発明による改善されたノイズ耐性を有する別の代替的な静電容量センサの断面図を示す。センサ900は、検出モジュール108での使用に適しており、基板602と、電極608および702と、電極902とを備える。センサ900は、センサ606および700と比較して大幅に改善されたノイズ耐性を有する。
【0086】
電極902は、電極702に類似している。しかしながら、電極902は、電極608および電極702と平行であるが、電極702が電極608と902との間に位置するように基板602内に形成される。電極608および702は集合的に基板602内に第1の平行平板コンデンサを画定し、電極702および902は集合的に基板に第2の平行平板コンデンサを画定する。
【0087】
図10は、センサ900の電気接続の概略図を示す。回路1000において、電極702は、駆動電極608と902との間に挟まれた感知電極として動作し、駆動電極はブリスタカード102の上およびハウジング104の下から発せられるノイズおよび干渉から感知電極を遮蔽する。
【0088】
電極702および902は集合的にコンデンサC6を画定し、その値はこれらの電極間の相互静電容量によって決定される。
【0089】
電極902および蓋フィルム204は集合的にコンデンサC7を画定し、その静電容量は、電極902と蓋フィルム204との間の物理的構成によって決定される。コンデンサC2のように、この静電容量の値は、検出領域212の状態に基づく。
【0090】
電極902はまた、上述したコンデンサC3と同様のコンデンサC8を特徴とする。
【0091】
電極902はまた、実質的に固定された電極容量C9を特徴とする。
【0092】
センサ900の動作は、センサ700の動作に類似している。しかしながら、センサ900のフリンジ電界容量はC7およびC8をさらに含み、それらの容量は、電極902と蓋フィルム204との間のフリンジ電界ならびにタッチ容量C3およびC8によって決定される。センサ700の場合と同様に、フリンジ電界容量C7およびC8の値は、検出領域212の状態に基づいているが、C7の値は、ハウジング104の背面のユーザの接触によっても影響され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、基板602内のその面内の各感知電極を囲むシールド線を追加することによって、感知電極702に対して追加の遮蔽が提供される。
【0094】
図11は、その感知電極の各々の周囲に形成されたシールド線によってノイズ耐性が改善された検出モジュールの平面図を示す。検出モジュール1100は、検出モジュール108に類似しているが、検出モジュール1100は、複数のセンサ900およびシールド線1102を含む。図11は、電極702の平面を通る検出モジュール1100の断面を示す。
【0095】
シールド線1102は、電極の平面内で感知電極702をほぼ完全に囲むように形成された導電性トレースである。シールド線1102は、図に示すように電気的に接地されている。
【0096】
電極608および902ならびにシールド線1102によって提供されるシールドのおかげで、感知電極702の各々は、すべての外部ノイズおよびEMI源からの干渉から事実上完全に遮蔽される。シールド線1102は、上述したセンサ606および700に組み込むこともできることに留意されたい。
【0097】
図示された例では、電極702は、任意選択的に、センサ900の7×4のアレイの各列に一緒に電気的に接続されていることに注意すべきである。図示のように電気的に接続されていても、駆動電極608および902の各行が時分割多重方式または別の駆動周波数のいずれかで駆動される行列アドレス指定方式を採用することによって、各センサ900を個別に検出することができる。いくつかの実施形態では、電極702の各々は、電子機器モジュール110と個別に電気的に接続される。
【0098】
また、図12Aおよび図12Bは、ブリスタカード102からの2つの錠剤の連続的な分配に応答する2つの個々のセンサ900の測定結果を示す。プロット1200および1202は、検出モジュール1100の2つのセンサ900の時間に対する相互コンデンサC6の静電容量を示す。プロット1200において、錠剤210は、34秒の時間に分配されている。プロット1202において、錠剤210は、45秒の時間に分配されている。プロット1200および1202が示すように、各センサについて、対応する相互静電容量が大幅に変化し、各分配事象の検出を可能にする。各リザーバ206内の錠剤の有無は、各リザーバ206内の錠剤の有無を示すために事前に較正された閾値を使用して、これらの感知静電容量の絶対値によって決定することができることにも留意されたい。
【0099】
さらに、感知原理は、手段の実施において変更され得ることに留意されたい。2015年10月9日に出願された米国特許出願第14/879,874号(代理人整理番号:3005-002US1)および2006年6月1日に出願された米国特許出願第15/170,121号(代理人整理番号:3005-002US2)において、ブリスタカードの状態(すなわち、ピルが分配されている、および無損傷である)を画像化し、分配事象を検出するために、電気インピーダンストモグラフィ(EIT)および電気容量トモグラフィ(ECT)を使用することが開示されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、そこに記載された装置および方法は、OCPカードの状態の画像化を可能にし、分配事象を検出するために本発明において使用される。
【0100】
さらに、いくつかの実施形態では、モデル化および実験に基づく予測モデル/アルゴリズムを使用して、特定のセンサ出力シグネチャを分配事象に関連付ける。次いで、このモデルは、センサ出力に基づいて、分配事象中の錠剤の識別に使用される。例えば、検出モジュール内のモーションセンサの出力シグネチャは、それぞれの予測モデル/アルゴリズムを利用することによって、発生した分配事象の位置の検出を可能にする。
【0101】
図13Aは、代替の静電容量感知式検出モジュールを有するパッケージ100の断面図の概略図を示す。パッケージ100は、開いた状態で示され、ブリスタカード102は、レシーバ106(明確にするために図示せず)によってパッケージ内に配置されている。図13Aに示されるパッケージの断面は、図4のb-b線に沿った面である。
【0102】
検出モジュール1300は、センサ基板602と、センサ1302-1から1302-28(まとめてセンサ1302と称する)とを備え、センサは、ブリスタカード102上の錠剤210の配列と一致する配列で基板上に配置される。
【0103】
検出モジュール1300は、上述の検出モジュール108に類似している。しかしながら、検出モジュール1300は、上述のレシーバ106に類似するレシーバ(明確にするために図示せず)によって蓋402内に配置される。蓋402の閉鎖により、検出モジュール1300がブリスタカード102に近接し、それにより、センサ1302の各々をその対応する錠剤210に動作可能に連結する。
【0104】
また、図13B図13Cは、本発明による錠剤の分配の前後の検出モジュール1300の一部の断面図をそれぞれ示す。
【0105】
センサ1302の各々は、電極1304および1306とシールド1308とを備える。
【0106】
電極1304および1306は、基板602の第1の表面上に配置された導電性電極である。
【0107】
シールド1308は、基板602の第2の表面上に配置された導電性電極である。シールド1308は、電極1304および1306を検出モジュール1300の上側から発せられる干渉および電気ノイズから遮蔽するように接地されている。典型的には、蓋フィルム204は接地されており、それによって、電極1304および1306のための底面からのシールドとして作用することが可能になる。
【0108】
蓋402が閉じられ、錠剤210がリザーバ206内に配置されると、電極1304および1306は、フリンジ電界1310を介して錠剤210と容量結合する。結果として、電極1304および1306の間の静電容量は、これらのフリンジ電界に基づく。
【0109】
しかしながら、蓋402が閉じられ、リザーバ206の錠剤が空である場合、フリンジ電界1310は、リザーバ206の残部(すなわち、変形した成形フィルム202)のみと結合され、フリンジ電界1310が空のリザーバと結合する異なる方法のために、充填されたリザーバとは電極1304および1304の間の静電容量に相違が生じる。
【0110】
動作中、典型的には、検出モジュール1300は、蓋402が閉じられるたびにブリスタカード102を調査する。次いで、検出モジュールからの出力信号は、直近の前回のブリスタパック状態と比較されて、錠剤が分配されたか否か、分配されたのであれば、どの錠剤であるかを決定する。いくつかの実施形態では、各リザーバ206内の錠剤の有無は、各リザーバ206内の錠剤の有無を示すために事前に較正された閾値を使用して、蓋の閉鎖の間の感知静電容量の絶対値の変化によって決定される。
【0111】
図13Dおよび図13Eは、本発明による錠剤の分配の前後の、さらに別の静電容量感知型検出モジュールの一部の断面図をそれぞれ示している。検出モジュール1312は、上述の検出モジュール1300に類似している。しかしながら、検出モジュール1312は、動作中にブリスタカード102と接触するように寸法設定され配置された柔軟な検出モジュールである。
【0112】
検出モジュール1312は、上述したように、基板1314と、複数の静電容量型センサ1302とを備える。
【0113】
基板1314は、ポリイミドを含む可撓性基板である。いくつかの実施形態では、基板1314は、ポリ(メチルアクリレート)(PMMA)、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリマーのような可撓性電子機器に適した別の材料で形成される。好ましくは、基板1314は、それに加えられる力が成形フィルム202を変形させ、蓋フィルム204を介して錠剤210を押し出すことを可能にするのに十分に可撓性である。
【0114】
検出モジュール1312がブリスタカード102と接触しているとき、電極1304および1306は、フリンジ電界1310を介して錠剤210と容量結合する。上述のように、各センサ1302の静電容量がそれぞれの錠剤210の存在に基づくように、電極1304と1306との間の静電容量はフリンジ電界1310に基づく。
【0115】
可撓性基板の使用はまた、成形フィルム202内または上に検出モジュール1312を組み込むことを可能にする。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態では、検出モジュール1312は、ブリスタカード102を収容するための内部体積を含むように形成される(すなわち、検出モジュールは可撓性パウチに類似の形態を有する)。内部体積は、ブリスタカード102がパウチ内に位置するとき、パウチがブリスタカードを上面(成形フィルム側)および底面(蓋フィルム側)に密接して保持するように、寸法設定され、配置される。また、パウチの上面および底面には、リザーバ206および分配領域212へのアクセスを可能にするための穴が組み込まれている。あるいは、上記のいくつかの実施形態で説明したように、検出モジュールは、上面の穴を部分的にまたは完全に覆うのに十分な可撓性を有する基板を備え得る。本発明のそのような実施形態は、本明細書に記載されている異なる感知手法のうちの2つ以上を使用して実施することができることに留意されたい。これらの実施形態は、静電容量感知および触覚感知技術での使用に特に好適である。
【0117】
〔音響感知〕
図14Aおよび図14Bは、本発明による、錠剤の分配の前後それぞれにおける代替の音響感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。検出モジュール1400は、上述の検出モジュール108に類似している。しかしながら、検出モジュール1400は、基板602と、複数の音響センサ1402とを備え、各センサは、検出モジュールが成形フィルム側からブリスタカードと動作可能に連結されているとき、ブリスタカードリザーバー内の錠剤の存在を検出するように動作する。
【0118】
音響センサ1402の各々は、送信器1404と、音響検出器1406とを備える。
【0119】
送信器1404は、従来の音響送信器として動作する圧電変換器である。送信器1404は、検出モジュール1400がブリスタカード102と位置合わせされたときに、音響エネルギー(例えば、超音波など)を錠剤210に向けるように構成される。
【0120】
音響検出器1406は、従来の音響受信器として動作する圧電変換器である。音響検出器1406は、検出モジュール1400がブリスタカード102と位置合わせされたときに、錠剤210の方向から音響エネルギーを受信するように構成される。
【0121】
図示の例では、検出モジュール1400はハウジング104の蓋402の内側表面に取り付けられている。センサ1402は、蓋402が閉じられると、センサがブリスタカード102のリザーバ206と接触して各センサが異なるリザーバと動作可能に連結するように基板602上に配置される。いくつかの実施形態では、蓋402が閉じられたときに、センサ1402およびリザーバ206は小さなエアギャップによって分離される。いくつかの実施形態では、検出モジュール1400は、上述したように、レシーバを介してハウジング104内に配置される。
【0122】
当業者であれば、本明細書を読むことで、リザーバ206の音響インピーダンスが、錠剤210で占有されている場合には、リザーバが空の場合と比較して異なることを認識するであろう。動作中、蓋402が閉じられる毎に、センサ1402の各々は、そのそれぞれのリザーバが錠剤を含むか否かを示す電気信号を提供する。ブリスタカード102の以前の調査からの音響インピーダンスの変化が感知されると、電子機器モジュール110は、錠剤分配事象が発生したと判断し、どの錠剤が分配されたのかを識別することができる。いくつかの実施形態では、事前に較正された閾値を使用して各リザーバ206内の錠剤の有無を示す音響シグネチャの絶対値に基づいて各リザーバ206内の錠剤210の有無が決定される。
【0123】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1400は、上述した基板1312に類似した可撓性基板を備える。そのような実施形態では、センサ1402は、従来のフレキシブル電子機器製造技術に従って可撓性圧電フィルム(例えば、PVDFとしても知られているポリフッ化ビニリデンまたは二フッ化ポリビニリデン、など)を用いてそのような基板に形成される。上述したように、検出モジュール1400における可撓性基板の使用は、検出モジュールに加えられる力が成形フィルム202を変形させ、蓋フィルム204を介して錠剤210を押し出すことを可能にする。また、検出モジュール1400を成形フィルム202内または上に組み込むことを可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、可撓性基板は、センサ1402の圧電材料を使用して機械的エネルギー(例えば、錠剤が分配されている間に生成されるものなど)を収集し、検出モジュール1400に電力を供給するのに使用可能な電気エネルギーへと変換することを可能にする。
【0124】
当業者であれば、検出モジュール1400は、本発明の範囲から逸脱することなく、ブリスタカード102の蓋フィルム側からの動作のために寸法設定され配置され得ることを認識するであろう。
【0125】
いくつかの実施形態では、3つ以上のマイクロフォンをブリスタカード102上に配置することによって、送信器のない音響感知が実現される。
【0126】
図15は、本発明の別の音響感知型の実施形態による複数のマイクロフォンを備えるブリスタカードの斜視図の概略図を示す。ブリスタカード1500は、ブリスタカード102に類似している。しかしながら、ブリスタカード1500は、6つのマイクロフォン1502を備え、それらは成形フィルム202上に配置され、その領域にわたって分布される。
【0127】
動作中、各マイクロフォンは、分配される錠剤の音を検出する。電子機器モジュール110および/またはモバイル機器114に含まれる信号処理能力は、マイクロフォンの出力を処理して音を三角測量し、音を発する特定の錠剤の位置を識別する。
【0128】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1500は、ハウジング104内のブリスタカード102と接触して配置される可撓性基板を備える。
【0129】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1500は、ハウジング104の蓋402の内側表面に取り付けられた従来のPCB基板を備える。
【0130】
いくつかの実施形態では、マイクロフォン1502は、リザーバ206に力が加えられることを可能にする穴を有するPCB基板上に配置される。例えば、PCB基板は、ブリスタカード102に隣接するハウジング104の内側壁の1つまたは複数に沿って延びるフレームの形状であり得る。いくつかの実施形態では、検出モジュール1500は、その中に取り付けられる。いくつかの実施形態では、検出モジュール1500は、レシーバを介してその中に配置される。
【0131】
〔触覚感知〕
図16Aおよび図16Bは、それぞれ、本発明による錠剤の分配の前後の触覚感知型検出モジュールの一部の断面図を示す。検出モジュール1600は、上述の検出モジュール108に類似している。しかしながら、検出モジュール1600は、基板602と、複数の触覚センサ1602とを備え、各センサは、検出モジュール1600がその成形フィルム側からブリスタカード102と動作可能に結合されたときに、ブリスタカードリザーバー内の錠剤の存在を検出するように動作する。センサ1602は、ブリスタカード102内の錠剤の配置と実質的に一致する配置で基板602上に配置される。
【0132】
図示の例では、検出モジュール1600は、ハウジング104の蓋402の内側表面に取り付けられている。いくつかの実施形態では、検出モジュール1600は、上述したように、レシーバを介してハウジング104内に配置される。
【0133】
図示された例では、触覚センサ1602の各々は、電極1604および1606と、任意選択のシールド1308とを備える。
【0134】
触覚センサ1602の各々は、従来の平面電極1604及び1606と、電極1604及び1606の間及びその周りに配置された軟質誘電材料(例えば、PMMAなど)の突起である突起1608とを備える平行平板コンデンサである。センサ1602の静電容量は、その電極間の間隔に基づく。
【0135】
動作中、蓋402が閉じられると、センサ1602がリザーバ206に接触する。錠剤がリザーバに収容されていると、センサ1602とリザーバとの間に圧力/力が発生し、これはリザーバ206の成形フィルム202を押すのに十分であるが、分配領域212において蓋フィルム204を破損するほどは大きくない力である。この力により、電極1604と1606との間で材料の圧縮が引き起こされ、センサ1602に比較的大きな静電容量を発生させる。しかしながら、錠剤が含まれていないリザーバにセンサが接触すると、センサとリザーバとの間に力がほとんど生じない。その結果、電極1604と電極1606との間の材料の圧縮量は最小であり、センサの静電容量は比較的低くなる。
【0136】
従って、蓋402の閉鎖の度に、電子機器モジュール110は、各センサ1602の静電容量を読み取り、どの錠剤がブリスタカード102から分配されたかを決定する。
【0137】
いくつかの実施形態では、電極1604と1606との間の領域は、触覚センサ1602に加えられる力に基づいて電気出力を提供する圧電材料によって占有される。このような実施形態は、圧電材料からエネルギーを収集して、ブリスタカード102の状態を検出し、検出モジュール1600に電力を供給する。
【0138】
いくつかの実施形態では、基板602は、基板1314などの可撓性基板で置き換えられる。典型的には、センサ1602は、フレキシブル電子機器製造技術を使用してそのような基板内に形成される。そのような実施形態では、検出モジュール1600は、それに加えられる力が成形フィルム202を変形させて錠剤210を蓋フィルム204を通して押し出すことを可能にするのに十分に可撓性である。このような実施形態は、検出モジュール1600をブリスタカードの成形フィルム内または上に組み込むことを可能にする。
【0139】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1600は、蓋フィルム側からブリスタカードと動作可能に結合される。センサ1602は、各分配動作の間にブリスタカード104に与えられる力を感知するように作用するように、分配領域212の間に配置される。
【0140】
触覚感知を実施するための様々な方法が存在することは、本明細書を読むことにより当業者には明らかであろう。例えば、センサ1602は、触覚刺激の結果として、電気的またはその他の検出可能な信号を生成する任意の原理に基づいて実現することができる。触覚感知のより広い解釈は、例えば、その表面に直接印刷された可撓性基板上の/中に歪みセンサを利用することによって、ブリスタカード102またはハウジング104の表面の変形を測定することを含む。
【0141】
〔光学感知〕
図17Aおよび図17Bは、本発明による、錠剤の投与の前後の、光学感知型検出モジュールの一部の断面図をそれぞれ示す。検出モジュール1700は、上述の検出モジュール108に類似している。しかしながら、検出モジュール1700は、基板602と、複数の光学センサ1702とを備え、それらの各々は、検出モジュールが成形フィルム側からブリスタカードと動作可能に結合されたときにブリスタカードのリザーバ内の錠剤の存在を検出するように動作する。図示された例では、検出モジュール1700は、蓋402の内側表面上に配置される。
【0142】
センサ1702の各々は、光1706を検出するように動作する光検出器1704を備える。複数の光検出器は、ブリスタカード102の錠剤210の配列と実質的に一致する配列で基板602上に配置される。
【0143】
図示された例では、光1706はハウジング104の外側から発せられる周囲光である。いくつかの実施形態では、光1706は、パッケージ100内に含まれ、典型的には検出モジュール108の下に取り付けられた光源によって提供される。本発明による光源には、限定はしないが、拡散光源、光検出器1704と整列された発光体のアレイ(例えば、LED、レーザ等)等を含む。
【0144】
動作中、錠剤210が分配されると、不透明な蓋フィルム204が破砕され、それにより光がその錠剤の部位の検出領域212を通過して光検出器1704に到達するようになる。その結果、光検出器による光検出は、それぞれのセンサの位置から錠剤が分配されたことを合図する。いくつかの実施形態では、ブリスタカード102の状態は、蓋402が閉じられる度に調査される。
【0145】
検出モジュール1700は、図示の例ではブリスタカード102の上面側(すなわち、成形フィルム側)に配置されているが、本明細書を読むことで、光信号1706がブリスタカードを上面側から底面側に通過するように、検出モジュール1700がブリスタカード102の底面(すなわち、蓋フィルム側)に配置される代替実施形態の作製および使用の方法は当業者には明らかであろう。これらの実施形態のいくつかにおいて、ブリスタカード102の状態は、蓋402の開放時に決定される。
【0146】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1700の基板は、PMMA、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、PEEKなどの実質的に透明なポリマーを含む透明な可撓性基板から形成される。このような実施形態では、検出モジュール1700をブリスタカード102と接触させて配置することができる。好ましくは、そのような実施形態では、基板はフレキシブル電子機器の形成に適した材料でできており、加えられる力により成形フィルム202を変形して錠剤を蓋フィルム204を通して押し出すことができる程度に十分な可撓性を有する。可撓性基板の使用はまた、成形フィルム202の中または上に検出モジュール1700を組み込むことを可能にする。
【0147】
いくつかの実施形態では、検出モジュール1700は、その表面導波路がセンサ1702から離れた光源から発生した光を各センサに運び、センサ領域を透過した光を集めて遠隔検出器に伝える平面光波回路(PLC)を備える。好ましくは、そのような実施形態では、PLCはブリスタカード102と実質的に平行であり、光はPLCから垂直格子結合器を介してセンサ領域に出入りする。
【0148】
図18Aおよび図18Bは、本発明による、錠剤の投与の前後の、光学感知型検出モジュールの一部の断面図をそれぞれ示す。検出モジュール1800は、上述した検出モジュール1700に類似している。しかしながら、検出モジュール1800は、ハウジング104の内側底面に配置され、反射モードで動作する。検出モジュール1800は、ブリスタカード104内の錠剤の配置と一致するように配置された複数のセンサ1802を備える。
【0149】
各センサ1802は、それぞれの分配領域212が無損傷の場合にのみ蓋フィルム204から反射された光を検出するように寸法設定され、配置された光ダイオード1704を備える。図示の例では、センサ1802は周囲光を検出する。いくつかの実施形態では、センサ1802の各々は、分配領域212を照明する光源をさらに備える。いくつかの実施形態では、単一の光源が検出モジュール1800に含まれ、拡散光で蓋フィルム全体を照射する。
【0150】
〔熱感知〕
上で簡単に述べたように、本発明に従って錠剤分配事象を検出するために、熱感知もまた使用することができる。ブリスタカード102の各分配領域212にわたる熱伝導を監視することにより、分配領域における蓋フィルムの破損を検出することができる。いくつかの実施形態では、分配領域212の一側で蓋フィルム204上に配置された第1の抵抗器が駆動されて蓋フィルム内に熱を発生させる。次いで、熱は、分配領域の他側で蓋フィルム204上に配置された温度センサによって検出される。ヒータの温度が増加分だけ上昇したときに、蓋フィルムが分配領域内で無損傷である場合、温度センサによって温度上昇が検出される。しかし、蓋フィルムが破損している場合、分配領域212を通る熱伝導が妨げられ、温度センサでの検出温度上昇が著しく小さくなる。
【0151】
本発明の概念は、複数のブリスタパックの状態を監視するのに適したスマートパッケージに適用可能であることに留意されたい。
【0152】
図19は、本発明の代替的実施形態によるマルチブリスタカードパッケージの斜視図の概略図を示す。パッケージ1900は、複数のブリスタカード102の状態を監視するように動作するメタパッケージであり、各ブリスタカードは、異なる処方または同じ処方の複数のコピーを有することができる。
【0153】
パッケージ1900は、ハウジング1902と、電子機器モジュール110と、レシーバ1904-1~1904-Nと、検出モジュール1906-1~1906-Nとを備える。パッケージ1900は、ブリスタカード102-1~102-Nを収容して位置決めするように寸法設定され、構成される。
【0154】
ハウジング1902はハウジング104に類似している。しかしながら、ハウジング1902は、複数のレシーバ、検出モジュール、およびブリスタカードを収容するように寸法設定され構成されている。
【0155】
レシーバ1904-1~1904-Nのそれぞれ(レシーバ1904と総称する)は、レシーバ106に類似している。しかしながら、各レシーバ1904は、それを回転させて異なるブリスタカードを露出させることを可能にするヒンジを備える。
【0156】
検出モジュール1906-1~1906-N(検出モジュール1906と総称する)の各々は、検出モジュール108に類似している。しかしながら、各検出モジュール1906は、異なるブリスタカードの状態を監視するように寸法設定され、配置される。いくつかの実施形態では、検出モジュール108は、複数のセンサ技術を使用する。
【0157】
検出モジュール1906の各々は、上述のように電子機器モジュール110と電気的に結合され、上述したように、およびパッケージ100に関してパッケージ408の動作を可能にする。
【0158】
本開示は、本発明の実施形態のほんのいくつかの例を教示するものであり、本発明の多くの変形は、本開示を読んだ当業者によって容易に考案され得るものであり、本発明の範囲は以下の請求項によって決定されるべきものである。
【符号の説明】
【0159】
100 パッケージ
102 ブリスタカード
104 ハウジング
106 レシーバ
108 検出モジュール
110 電子機器モジュール
112 出力信号
114 モバイル機器
116 入力信号
202 成形フィルム
204 蓋フィルム
206 リザーバ
208 空洞
210 錠剤
212 分配領域
402 蓋
602 基板
604 穴
606 センサ
608,702,902 電極
804 電気信号
1102 シールド線
1404 音響送信器
1406 音響受信器
1602 触覚センサ
1704 光検出器
1706 光信号
1906 検出モジュール
C1,C2,C6 コンデンサ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19