(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】ロータ、モータ、圧縮機、及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
H02K 1/276 20220101AFI20221216BHJP
【FI】
H02K1/276
(21)【出願番号】P 2021508467
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2019012858
(87)【国際公開番号】W WO2020194504
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】矢部 浩二
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/026032(WO,A1)
【文献】特開2008-187778(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03273581(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/069438(WO,A1)
【文献】米国特許第04658165(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/276
H02K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁極中心部を持つロータであって、
前記ロータの軸方向と直交する平面においてV字形状を持つ磁石挿入孔を持つロータコアと、
前記磁石挿入孔に配置された永久磁石と
を備え、
前記ロータコアは、
前記磁石挿入孔と前記ロータコアの外周面との間に設けられた、前記ロータコアの周方向に延びている外側スリットと、
前記磁極中心部と前記外側スリットとの間に設けられており、前記周方向に配列された複数の内側スリットと
を有し、
前記複数の内側スリットは、前記磁極中心部に隣接する第1の内側スリット
と、前記第1の内側スリットに隣接している第2の内側スリットと、前記第2の内側スリットに隣接している第3の内側スリットとを含み、
前記第1の内側スリット、前記第2の内側スリット、及び前記第3の内側スリットは、前記磁極中心部から離れる方向にこの順で配列されており、
前記第1の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離は、前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の他のどの内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離よりも長
く、
前記第1の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの前記最小距離をLo1とし、前記第2の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離をLo2とし、前記第3の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離をLo3としたとき、
Lo1>Lo3>Lo2を満たす
ロータ。
【請求項2】
前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離のうちの最小値をLo_minとしたとき、
3<Lo1/Lo_minを満たす請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1の内側スリットから前記磁石挿入孔までの最小距離は、前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の他のどの内側スリットから前記磁石挿入孔までの最小距離よりも長い請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1の内側スリットから前記磁石挿入孔までの前記最小距離をLi1とし、前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の内側スリットから前記磁石挿入孔までの最小距離のうちの最小値をLi_minとしたとき、
1<Li1/Li_minを満たす請求項1から3のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項5】
前記ロータの軸方向と直交する平面において、前記第1の内側スリットの短手方向の幅をWs1とし、前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の内側スリットの前記短手方向の幅の総計をWs2_totalとしたとき、
Ws1/Ws2_total>0.85を満たす請求項1から4のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項6】
前記磁極中心部から前記外側スリットまでの最短距離をWrとし、前記複数の内側スリットの短手方向の幅の総計をWs1_totalとしたとき、
Ws1_total/Wr<0.62を満たす請求項1から5のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項7】
前記ロータコアは、一組の内側スリットをさらに有し、
前記複数の内側スリット及び前記一組の内側スリットは、前記磁極中心部に関して対称である請求項1から6のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項8】
ステータと、
前記ステータの内側に配置された請求項1から7のいずれか1項に記載のロータと
を備えるモータ。
【請求項9】
密閉容器と、
前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
前記圧縮装置を駆動する請求項8に記載のモータと
を備える圧縮機。
【請求項10】
請求項9に記載の圧縮機と、
熱交換器と
を備える空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに用いられるロータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、モータに用いられるロータとして、ロータ鉄心の磁石挿入孔とロータ鉄心の外周面との間に設けられた複数のスリットを有するロータが提案されている。このロータでは、ロータの極間部における磁束密度波形の高調波成分が低減され、コギングトルクが低減される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、磁石挿入孔とロータコアの外周面との間の複数のスリットが磁気抵抗を大きくし、インダクタンスを低下させる。その結果、ステータ巻線における誘起電圧の高調波成分が増加し、モータにおける振動及び騒音が増加する。
【0005】
本発明の目的は、モータにおける振動及び騒音を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るロータは、
磁極中心部を持つロータであって、
前記ロータの軸方向と直交する平面においてV字形状を持つ磁石挿入孔を持つロータコアと、
前記磁石挿入孔に配置された永久磁石と
を備え、
前記ロータコアは、
前記磁石挿入孔と前記ロータコアの外周面との間に設けられた、前記ロータコアの周方向に延びている外側スリットと、
前記磁極中心部と前記外側スリットとの間に設けられており、前記周方向に配列された複数の内側スリットと
を有し、
前記複数の内側スリットは、前記磁極中心部に隣接する第1の内側スリットと、前記第1の内側スリットに隣接している第2の内側スリットと、前記第2の内側スリットに隣接している第3の内側スリットとを含み、
前記第1の内側スリット、前記第2の内側スリット、及び前記第3の内側スリットは、前記磁極中心部から離れる方向にこの順で配列されており、
前記第1の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離は、前記複数の内側スリットのうちの前記第1の内側スリット以外の他のどの内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離よりも長く、
前記第1の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの前記最小距離をLo1とし、前記第2の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離をLo2とし、前記第3の内側スリットから前記ロータコアの外周面までの最小距離をLo3としたとき、
Lo1>Lo3>Lo2を満たす。
本発明の他の態様に係るモータは、
ステータと、
前記ステータの内側に配置された前記ロータと
を備える。
本発明の他の態様に係る圧縮機は、
密閉容器と、
前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
前記圧縮装置を駆動する前記モータと
を備える。
本発明の他の態様に係る空気調和機は、
前記圧縮機と、
熱交換器と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るモータの構造を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図2に示されるロータの一部の構造を概略的に示す拡大図である。
【
図4】比率Lo1/Lo_minとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図5】比率Lo1/Lo_minとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図6】
図2に示されるロータの一部の構造を概略的に示す拡大図である。
【
図7】比率Li1/Li_minとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図8】比率Li1/Li_minとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図9】
図2に示されるロータの一部の構造を概略的に示す拡大図である。
【
図10】比率Ws1/Ws2_totalとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図11】比率Ws1/Ws2_totalとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図12】比率Ws1_total/Wrとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図13】比率Ws1_total/Wrとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
【
図14】モータにおけるキャリア波の波形を示す図である。
【
図15】本発明の実施の形態2に係る圧縮機の構造を概略的に示す断面図である。
【
図16】本発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
各図に示されるxyz直交座標系において、z軸方向(z軸)は、モータ1の軸線Axと平行な方向を示し、x軸方向(x軸)は、z軸方向(z軸)に直交する方向を示し、y軸方向(y軸)は、z軸方向及びx軸方向の両方に直交する方向を示す。軸線Axは、ロータ2の回転中心である。軸線Axと平行な方向は、「ロータ2の軸方向」又は単に「軸方向」ともいう。径方向は、ロータ2又はステータ3の半径方向であり、軸線Axと直交する方向である。xy平面は、軸方向と直交する平面である。矢印D1は、軸線Axを中心とする周方向を示す。ロータ2又はステータ3の周方向を、単に「周方向」ともいう。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係るモータ1の構造を概略的に示す断面図である。
モータ1は、ロータ2と、ステータ3とを有する。モータ1は、例えば、永久磁石埋込型電動機などの永久磁石同期電動機(ブラシレスDCモータともいう)である。モータ1は、さらに、ステータ3を覆うモータフレーム4(単に「フレーム」とも称する)を有してもよい。
【0011】
ロータ2は、ステータ3の内側に回転可能に配置されている。ロータ2とステータ3との間には、エアギャップが存在する。ロータ2は、軸線Axを中心として回転する。
【0012】
ステータ3は、ステータコア31と、少なくとも1つの巻線32とを有する。
【0013】
ステータコア31は、例えば、複数の電磁鋼板で作られている。この場合、複数の電磁鋼板は、軸方向に積層されている。複数の電磁鋼板は、カシメで固定されている。各電磁鋼板は、打ち抜き処理などのプレス加工で予め定められた形状を持つように加工されている。
【0014】
ステータコア31は、環状のヨーク部311と、複数のティース部312とを有している。ヨーク部311は、周方向に延在する。各ティース部312は、径方向に延在する。具体的には、各ティース部312は、ヨーク部311から軸線Axに向けて突出している。複数のティース部312は、周方向に等間隔で配置されており、放射状に延在する。
【0015】
巻線32は、ステータコア31、具体的には、各ティース部312に巻回されている。ステータコア31と巻線32との間にインシュレータが配置されていてもよい。
【0016】
図2は、ロータ2の構造を概略的に示す断面図である。
ロータ2は、複数の磁極中心部C1及び複数の極間部C2を持つ。
図2に示される例では、磁極中心部C1及び極間部C2は、破線で示されている。
【0017】
各磁極中心部C1は、ロータ2の各磁極(すなわち、ロータ2のN極又はS極)の中心に位置する。ロータ2の各磁極(単に「各磁極」又は「磁極」とも称する)とは、ロータ2のN極又はS極の役目をする領域を意味する。
【0018】
各極間部C2は、周方向において隣接する2つの磁極(すなわち、ロータ2のN極及びS極)の境界である。
【0019】
ロータ2は、ロータコア21と、ロータコア21に設けられた少なくとも1つの永久磁石22と、ロータコア21に固定されたシャフト24とを有する。
【0020】
ロータコア21は、少なくとも1つの磁石挿入孔211と、シャフト孔212とを持っている。
【0021】
ロータコア21は、例えば、複数の電磁鋼板で作られている。この場合、複数の電磁鋼板は、軸方向に積層されている。複数の電磁鋼板は、カシメで固定されている。各電磁鋼板は、打ち抜き処理などのプレス加工で予め定められた形状を持つように加工されている。
【0022】
本実施の形態では、ロータコア21は、複数の磁石挿入孔211(具体的には、6個の磁石挿入孔211)を有する。xy平面において、複数の磁石挿入孔211は、周方向に配列されている。ロータ2の磁極数は、2以上である。各磁石挿入孔211は、ロータ2の各磁極に対応する。したがって、本実施の形態では、ロータ2の磁極数は、6極である。各磁石挿入孔211には、少なくとも1つの永久磁石22が配置されている。
【0023】
xy平面において、磁石挿入孔211の中央部は、軸線Axに向けて突出している。すなわち、xy平面において、各磁石挿入孔211はV字形状を持っている。各磁石挿入孔211の形状は、V字形状に限定されるものではなく、例えばストレート形状であってもよい。
【0024】
本実施の形態では、1つの磁石挿入孔211内には、2つの永久磁石22が配置されている。すなわち、1磁極について2つの永久磁石22が配置されている。したがって、xy平面において、1組の永久磁石22は、V字形状を持つように1つの磁石挿入孔211内に配置されている。本実施の形態では、ロータ2は、12個の永久磁石22を有する。
【0025】
シャフト24は、焼き嵌め、圧入などの方法で、シャフト孔212に固定されている。
【0026】
各永久磁石22は、軸方向に長い平板状の磁石である。各永久磁石22は、例えば、ネオジウム(Nd)、鉄(Fe)、及びボロン(B)を含む希土類磁石である。1つの磁石挿入孔211内に配置された、2つの永久磁石22は、ロータ2の1つの磁極の役目をする。
【0027】
ロータコア21は、複数の外側スリット213と、複数の内側スリット214とをさらに有する。
【0028】
各外側スリット213は、磁石挿入孔211とロータコア21の外周面21aとの間に設けられている。各外側スリット213は、ロータコア21の周方向に延びている。
図3に示されるように、1つの磁極について2つの外側スリット213が磁石挿入孔211とロータコア21の外周面21aとの間に設けられている。したがって、本実施の形態では、ロータコア21は、12個の外側スリット213を有する。
【0029】
各磁極において、2つの外側スリット213のうちの1つは、磁石挿入孔211の一端側に設けられており、もう1つの外側スリット213は、磁石挿入孔211の他端側に設けられている。言い換えると、各磁極において、2つの外側スリット213のうちの1つは、磁石挿入孔211の一端に対向しており、もう1つの外側スリット213は、磁石挿入孔211の他端に対向している。これにより、各外側スリット213は、ロータ2における漏れ磁束を低減する。すなわち、各外側スリット213は、フラックスバリアの役目をする。
【0030】
各内側スリット214は、磁石挿入孔211とロータコア21の外周面21aとの間に設けられている。具体的には、各磁極において、複数の内側スリット214は、2つの外側スリット213の間に設けられている。これらの複数の内側スリット214は、ロータコア21の周方向に配列されている。より具体的には、これらの複数の内側スリット214は、xy平面において、磁極中心部C1を通る仮想線と直交する方向に配列されている。
図2及び
図3に示される例では、磁極中心部C1を通る仮想線は、2つの永久磁石22の間を通る。磁極中心部C1を通る仮想線は、
図2及び
図3において破線で示されている。各磁極において、各内側スリット214は、磁極中心部C1を通る仮想線と平行に延びている。
【0031】
複数の内側スリット214は、少なくとも1つの第1の内側スリット214a、少なくとも1つの第2の内側スリット214b、及び少なくとも1つの第3の内側スリット214cを含む。
【0032】
各第1の内側スリット214aは、磁極中心部C1に隣接している。すなわち、各第1の内側スリット214aは、内側スリット214のうちで最も磁極中心部C1に近い。
【0033】
各第2の内側スリット214bは、第1の内側スリット214aに隣接しており、第1の内側スリット214aと第3の内側スリット214cとの間に位置する。
【0034】
各第3の内側スリット214cは、第2の内側スリット214bに隣接している。
【0035】
xy平面において、各第1の内側スリット214a、各第2の内側スリット214b、及び各第3の内側スリット214cは、磁極中心部C1から離れる方向にこの順で配列されている。すなわち、磁極中心部C1と1つの外側スリット213(例えば、
図3において右側の外側スリット213)との間に、1組の内側スリット214(具体的には、1つの第1の内側スリット214a、1つの第2の内側スリット214b、及び1つの第3の内側スリット214c)が設けられている。同様に、磁極中心部C1ともう1つの外側スリット213(例えば、
図3において左側の外側スリット213)との間に、もう1組の内側スリット214(具体的には、もう1つの第1の内側スリット214a、もう1つの第2の内側スリット214b、及びもう1つの第3の内側スリット214c)が設けられている。
【0036】
すなわち、ロータ2の各磁極において、ロータコア21は、磁極中心部C1と1つの外側スリット213との間に一組の内側スリット214を有し、磁極中心部C1ともう1つの外側スリット213との間にもう一組の内側スリット214を有する。
【0037】
本実施の形態では、ロータ2の各磁極において、複数の内側スリット214(例えば、
図3において右側の一組の内側スリット214及び左側のもう一組の内側スリット214)は、磁極中心部C1に関して対称である。言い換えると、ロータ2の各磁極において、複数の内側スリット214は、磁極中心部C1に関して対称的に設けられている。
【0038】
ロータ2の各磁極において、2つの外側スリット213の間に、2つの第1の内側スリット214a、2つの第2の内側スリット214b、及び2つの第3の内側スリット214cが設けられている。すなわち、本実施の形態では、各磁極において、2つの外側スリット213の間に、6個の内側スリット214が設けられている。しかしながら、各磁極における内側スリット214の数は6個に限定されない。
【0039】
複数の内側スリット214が磁石挿入孔211とロータコア21の外周面21aとの間に設けられているので、ロータ2からの磁束密度波形の高調波成分が低減される。これにより、巻線32における誘起電圧の高調波成分及びコギングトルクを低減することができる。
【0040】
しかしながら、通常、磁石挿入孔とロータコアの外周面との間の孔は、磁気抵抗を大きくし、インダクタンスを低下させる。その結果、例えば、パルス幅変調制御方式(PWM制御方式とも称する)において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が増加し、モータにおける振動及び騒音が増加する。
【0041】
図3は、
図2に示されるロータ2の一部の構造を概略的に示す拡大図である。
距離Lo1は、第1の内側スリット214aからロータコア21の外周面21aまでの最小距離である。距離Lo2は、第2の内側スリット214bからロータコア21の外周面21aまでの最小距離である。距離Lo3は、第3の内側スリット214cからロータコア21の外周面21aまでの最小距離である。
【0042】
本実施の形態では、第1の内側スリット214aからロータコア21の外周面21aまでの最小距離である距離Lo1は、第1の内側スリット214a以外の他のどの内側スリット214からロータコア21の外周面21aまでの最小距離よりも長い。言い換えると、複数の内側スリット214からロータコア21の外周面21aまでの距離の中で、距離Lo1が最も長い。
図3に示される例では、距離Lo1は、距離Lo2及び距離Lo3よりも長い。
【0043】
磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214のうちの第1の内側スリット214a以外の内側スリット214からロータコア21の外周面21aまでの最小距離のうちの最小値をLo_minとしたとき、距離Lo1及び最小値Lo_minの関係は、3<Lo1/Lo_minを満たす。
【0044】
図3に示される例では、Lo1>Lo3>Lo2である。
図3に示される例では、各内側スリット214からロータコア21の外周面21aまでの最小距離のうちの最小値は、Lo2である。すなわち、
図3に示される例では、Lo_min=Lo2である。この場合、距離Lo1及び最小値Lo2の関係は、3<Lo1/Lo2を満たす。
【0045】
図4は、比率Lo1/Lo_minとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
Lo1/Lo_min≦3では、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が増加するため、
図4に示されるように、q軸インダクタンスが急激に低下する。
【0046】
上述のように、本実施の形態では、距離Lo1及び最小値Lo_minの関係は、3<Lo1/Lo_minを満たす。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が低下し、q軸インダクタンスの低下を抑えることができる。すなわち、Lo1/Lo_minが3より大きいとき、充分なq軸インダクタンスが得られる。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0047】
図5は、比率Lo1/Lo_minとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
図5に示されるように、3<Lo1/Lo_minでは、d軸インダクタンスが増加する。したがって、距離Lo1及び最小値Lo_minの関係は、3<Lo1/Lo_minを満たすことが望ましい。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてd軸方向における磁気抵抗が低下する。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0048】
図6は、
図2に示されるロータ2の一部の構造を概略的に示す拡大図である。
距離Li1は、第1の内側スリット214aから磁石挿入孔211までの最小距離である。距離Li2は、第2の内側スリット214bから磁石挿入孔211までの最小距離である。距離Li3は、第3の内側スリット214cから磁石挿入孔211までの最小距離である。
【0049】
本実施の形態では、第1の内側スリット214aから磁石挿入孔211までの最小距離は、磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214のうちの第1の内側スリット214a以外の他のどの内側スリット214から磁石挿入孔211までの最小距離よりも長い。言い換えると、複数の内側スリット214から磁石挿入孔211までの距離の中で、距離Li1が最も
長い。
図6に示される例では、距離Li1は、距離Li2及び距離Li3よりも
長い。
【0050】
磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214のうちの第1の内側スリット214a以外の内側スリット214から磁石挿入孔211までの最小距離のうちの最小値をLi_minとしたとき、距離Li1及び最小値Li_minの関係は、1<Li1/Li_minを満たす。
【0051】
図6に示される例では、第1の内側スリット214a以外の内側スリット214から磁石挿入孔211までの最小距離のうちの最小値は、Li3である。すなわち、
図6に示される例では、Li_min=Li3である。
図6に示される例では、Li1
>Li3<Li2である。この場合、距離Li1及び最小値Li3の関係は、1<Li1/Li3を満たす。
【0052】
図7は、比率Li1/Li_minとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
Li1/Li_min≦1では、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が増加するため、
図7に示されるように、q軸インダクタンスが急激に低下する。
【0053】
上述のように、本実施の形態では、距離Li1及び最小値Li_minの関係は、1<Li1/Li_minを満たす。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が低下し、q軸インダクタンスの低下を抑えることができる。すなわち、Li1/Li_minが1より大きいとき、充分なq軸インダクタンスが得られる。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0054】
図8は、比率Li1/Li_minとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
図8に示されるように、比率Li1/Li_minに関わらず、d軸インダクタンスの変化は小さい。したがって、距離Li1及び最小値Li_minの関係は、1<Li1/Li_minを満たすことが望ましい。これにより、上述のように、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0055】
図9は、
図2に示されるロータ2の一部の構造を概略的に示す拡大図である。
幅Ws1は、xy平面における第1の内側スリット214aの短手方向の最大幅である。第1の内側スリット214aの短手方向は、xy平面において、磁極中心部C1を通る仮想線と直交する方向である。幅Ws2は、xy平面における第2の内側スリット214bの短手方向の最大幅である。第2の内側スリット214bの短手方向は、xy平面において、磁極中心部C1を通る仮想線と直交する方向である。幅Ws3は、xy平面における第3の内側スリット214cの短手方向の最大幅である。第3の内側スリット214cの短手方向は、xy平面において、磁極中心部C1を通る仮想線と直交する方向である。すなわち、「短手方向」は、
図9では、x軸方向である。
【0056】
磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214のうちの第1の内側スリット214以外の内側スリット214の短手方向の幅の総計をWs2_totalとしたとき、Ws1/Ws2_total>0.85を満たす。
【0057】
図9に示される例では、磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の第1の内側スリット214以外の内側スリット214の短手方向の幅の総計は、幅Ws2と幅Ws3との総計である。すなわち、
図9に示される例では、Ws2_total=Ws2+Ws3である。この場合、幅Ws1及び幅の総計Ws2_totalの関係は、Ws1/(Ws2+Ws3)>0.85を満たす。
【0058】
図10は、比率Ws1/Ws2_totalとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
Ws1/Ws2_total≦0.85では、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が増加するため、
図10に示されるように、q軸インダクタンスが低い。
【0059】
上述のように、本実施の形態では、幅Ws1及び幅の総計Ws2_totalの関係は、Ws1/(Ws2+Ws3)>0.85を満たす。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が低下し、q軸インダクタンスが増加する。すなわち、Ws1/(Ws2+Ws3)が0.85より大きいとき、充分なq軸インダクタンスが得られる。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0060】
図11は、比率Ws1/Ws2_totalとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
図11に示されるように、比率Ws1/Ws2_totalに関わらず、充分なd軸インダクタンスが維持されている。したがって、幅Ws1及び幅の総計Ws2_totalの関係は、Ws1/(Ws2+Ws3)>0.85を満たすことが望ましい。これにより、上述のように、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0061】
図9に示されるように、磁極中心部C1から1つの外側スリット213までの最短距離をWrとし、磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214の短手方向の幅の総計をWs1_totalとしたとき、最短距離Wr及び幅の総計Ws1_totalの関係は、Ws1_total/Wr<0.62を満たす。
【0062】
図9に示される例では、磁極中心部C1から1つの外側スリット213の間の複数の内側スリット214の短手方向の幅の総計は、幅Ws1、幅Ws2、及び幅Ws3の総計である。すなわち、
図9に示される例では、Ws1_total=Ws1+Ws2+Ws3である。この場合、最短距離Wr及び幅の総計Ws1_totalの関係は、(Ws1+Ws2+Ws3)/Wr<0.62を満たす。
【0063】
図12は、比率Ws1_total/Wrとq軸インダクタンスとの関係を示す図である。
図12に示されるように、Ws1_total/Wrが0.62よりも小さいとき、q軸インダクタンスの変化は小さい。さらに、Ws1_total/Wrが0.62よりも小さいとき、比率Ws1_total/Wrに関わらず、充分なq軸インダクタンスが維持されている。
【0064】
図13は、比率Ws1_total/Wrとd軸インダクタンスとの関係を示す図である。
0.62≦Ws1_total/Wrでは、ロータコア21の外周面21a付近においてd軸方向における磁気抵抗が増加するため、
図13に示されるように、q軸インダクタンスが急激に低下する。
【0065】
上述のように、本実施の形態では、最短距離Wr及び幅の総計Ws1_totalの関係は、Ws1_total/Wr<0.62を満たす。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてd軸方向における磁気抵抗が低下し、d軸インダクタンスの低下を抑えることができる。すなわち、Ws1_total/Wrが0.62より小さいとき、充分なd軸インダクタンスが得られる。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0066】
最短距離Wr及び幅の総計Ws1_totalの関係は、Ws1_total/Wr<0.6を満たすことがより望ましい。これにより、ロータコア21の外周面21a付近においてd軸方向における磁気抵抗がさらに低下し、d軸インダクタンスの低下を効果的に抑えることができる。すなわち、Ws1_total/Wrが0.60より小さいとき、d軸インダクタンスがさらに増加する。その結果、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0067】
図14は、モータ1におけるキャリア波の波形を示す図である。
図14における太線は、モータ1におけるキャリア波を示し、細線は、参考例としてのモータにおけるキャリア波を示す。参考例としてのモータにおけるロータでは、Lo1=Lo2=Lo3であり、且つLi1=Li2=Li3である。
【0068】
上述のように、ロータ2を有するモータ1では、ロータコア21の外周面21a付近においてq軸方向における磁気抵抗が低下し、q軸インダクタンスの低下を抑えることができ、充分なq軸インダクタンスが得られる。その結果、
図14に示されるように、PWM制御方式において、PWM制御信号を生成するためのキャリア波の高調波成分が減少し、モータにおける振動及び騒音を低減することができる。
【0069】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る圧縮機6について説明する。
図15は、実施の形態2に係る圧縮機6の構造を概略的に示す断面図である。
【0070】
圧縮機6は、電動要素としてのモータ1と、ハウジングとしての密閉容器61と、圧縮要素(圧縮装置ともいう)としての圧縮機構62とを有する。本実施の形態では、圧縮機6は、ロータリー圧縮機である。ただし、圧縮機6は、ロータリー圧縮機に限定されない。
【0071】
圧縮機6内のモータ1は、実施の形態1で説明したモータ1である。モータ1は、圧縮機構62を駆動する。
【0072】
密閉容器61は、モータ1及び圧縮機構62を覆う。密閉容器61は、円筒状の容器である。密閉容器61の底部には、圧縮機構62の摺動部分を潤滑する冷凍機油が貯留されている。
【0073】
圧縮機6は、さらに、密閉容器61に固定されたガラス端子63と、アキュムレータ64と、吸入パイプ65と、吐出パイプ66とを有する。
【0074】
圧縮機構62は、シリンダ62aと、ピストン62bと、上部フレーム62c(第1のフレームとも称する)と、下部フレーム62d(第2のフレームとも称する)と、上部フレーム62c及び下部フレーム62dに取り付けられた複数のマフラ62eとを有する。圧縮機構62は、さらに、シリンダ62a内を吸入側と圧縮側とに分けるベーンを有する。圧縮機構62は、密閉容器61内に配置されている。圧縮機構62は、モータ1によって駆動される。
【0075】
モータ1は、圧入又は焼き嵌めで密閉容器61内に固定されている。圧入及び焼き嵌めの代わりに溶接でモータ1を密閉容器61に直接取り付けてもよい。
【0076】
モータ1のコイル(例えば、実施の形態1で説明した巻線32)には、ガラス端子63を通して電力が供給される。
【0077】
モータ1のロータ2(具体的には、シャフト24の片側)は、上部フレーム62c及び下部フレーム62dの各々に備えられた軸受けによって回転自在に支持されている。
【0078】
ピストン62bには、シャフト24が挿通されている。上部フレーム62c及び下部フレーム62dには、シャフト24が回転自在に挿通されている。上部フレーム62c及び下部フレーム62dは、シリンダ62aの端面を閉塞する。アキュムレータ64は、吸入パイプ65を通して冷媒(例えば、冷媒ガス)をシリンダ62aに供給する。
【0079】
次に、圧縮機6の動作について説明する。アキュムレータ64から供給された冷媒は、密閉容器61に固定された吸入パイプ65からシリンダ62a内へ吸入される。モータ1が回転することにより、シャフト24に嵌合されたピストン62bがシリンダ62a内で回転する。これにより、シリンダ62a内で冷媒が圧縮される。
【0080】
圧縮された冷媒は、マフラ62eを通り、密閉容器61内を上昇する。このようにして、圧縮された冷媒が、吐出パイプ66を通って冷凍サイクルの高圧側へ供給される。
【0081】
圧縮機6の冷媒として、R410A、R407C、又はR22等を用いることができる。ただし、圧縮機6の冷媒は、これらの種類に限られない。圧縮機6の冷媒として、GWP(地球温暖化係数)が小さい冷媒、例えば、下記の冷媒を用いることができる。
【0082】
(1)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えばHFO(Hydro-Fluoro-Orefin)-1234yf(CF3CF=CH2)を用いることができる。HFO-1234yfのGWPは4である。
(2)組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素、例えばR1270(プロピレン)を用いてもよい。R1270のGWPは3であり、HFO-1234yfより低いが、可燃性はHFO-1234yfより高い。
(3)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素又は組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素の少なくとも何れかを含む混合物、例えばHFO-1234yfとR32との混合物を用いてもよい。上述したHFO-1234yfは低圧冷媒のため圧損が大きくなる傾向があり、冷凍サイクル(特に蒸発器)の性能低下を招く可能性がある。そのため、HFO-1234yfよりも高圧冷媒であるR32又はR41との混合物を用いることが実用上は望ましい。
【0083】
実施の形態2に係る圧縮機6は、実施の形態1で説明した利点を持つ。
【0084】
さらに、実施の形態2に係る圧縮機6は、実施の形態1に係るモータ1を有するので、圧縮機6における振動及び騒音を低減することができる。
【0085】
実施の形態3.
実施の形態2に係る圧縮機6を有する、空気調和機としての冷凍空調装置7について説明する。
図16は、本発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置7の構成を概略的に示す図である。
【0086】
冷凍空調装置7は、例えば、冷暖房運転が可能である。
図16に示される冷媒回路図は、冷房運転が可能な空気調和機の冷媒回路図の一例である。
【0087】
実施の形態3に係る冷凍空調装置7は、室外機71と、室内機72と、室外機71及び室内機72を接続する冷媒配管73とを有する。
【0088】
室外機71は、圧縮機6と、熱交換器としての凝縮器74と、絞り装置75と、室外送風機76(第1の送風機)とを有する。凝縮器74は、圧縮機6によって圧縮された冷媒を凝縮する。絞り装置75は、凝縮器74によって凝縮された冷媒を減圧し、冷媒の流量を調節する。絞り装置75は、減圧装置とも言う。
【0089】
室内機72は、熱交換器としての蒸発器77と、室内送風機78(第2の送風機)とを有する。蒸発器77は、絞り装置75によって減圧された冷媒を蒸発させ、室内空気を冷却する。
【0090】
冷凍空調装置7における冷房運転の基本的な動作について以下に説明する。冷房運転では、冷媒は、圧縮機6によって圧縮され、凝縮器74に流入する。凝縮器74によって冷媒が凝縮され、凝縮された冷媒が絞り装置75に流入する。絞り装置75によって冷媒が減圧され、減圧された冷媒が蒸発器77に流入する。蒸発器77において冷媒は蒸発し、冷媒(具体的には、冷媒ガス)が再び室外機71の圧縮機6へ流入する。室外送風機76によって空気が凝縮器74に送られると冷媒と空気との間で熱が移動し、同様に、室内送風機78によって空気が蒸発器77に送られると冷媒と空気との間で熱が移動する。
【0091】
以上に説明した冷凍空調装置7の構成及び動作は、一例であり、上述した例に限定されない。
【0092】
実施の形態3に係る冷凍空調装置7によれば、実施の形態1から2で説明した利点を持つ。
【0093】
さらに、実施の形態3に係る冷凍空調装置7は、実施の形態2に係る圧縮機6を有するので、冷凍空調装置7における振動及び騒音を低減することができる。
【0094】
以上に説明したように、好ましい実施の形態を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【0095】
以上に説明した各実施の形態における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 モータ、 2 ロータ、 3 ステータ、 6 圧縮機、 7 冷凍空調装置、 21 ロータコア、 21a 外周面、 22 永久磁石、 61 密閉容器、 62 圧縮機構、 211 磁石挿入孔、 213 外側スリット、 214 内側スリット、 214a 第1の内側スリット、 214b 第2の内側スリット、 214c 第3の内側スリット。