(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】サービス機能チェイニングネットワークサービス
(51)【国際特許分類】
H04L 45/0377 20220101AFI20221216BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20221216BHJP
【FI】
H04L45/0377
H04L45/42
(21)【出願番号】P 2021529018
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2019120082
(87)【国際公開番号】W WO2020103917
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・イー・イーストレイク・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジー・マリス
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0205643(US,A1)
【文献】特表2018-518927(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0227226(US,A1)
【文献】特表2021-514594(JP,A)
【文献】特開2017-135449(JP,A)
【文献】特表2018-528664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/0377
H04L 45/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内でパケットを転送するためのコンピュータ実行方法であって、
ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信するステップであって、
前記パケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(NSH)によってカプセル化されており、
前記サービスパスが、サービス品質制御処理を適用して前記NSHカプセル化パケットを処理するように前記ネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値に関連付けられている、ステップと、
前記ノードに格納された転送テーブルを評価して前記NSHカプセル化パケットの前記サービスパス及び前記処理値を識別し、前記1つ以上の後続ノードによって実行される、前記NSHカプセル化パケットの前記サービス品質制御処理を判定するステップと、
前記転送テーブルで指定された前記サービスパスに基づいて、かつ前記転送テーブルで識別された前記処理値に対応する前記サービス品質制御処理に従って、前記NSHカプセル化パケットを前記1つ以上の後続ノードに転送するステップと
を含
み、
前記サービスパスヘッダが、
前記サービスパスを示すパスインデックス(PI)及び前記処理値を示す処理インデックスを含む、サービスパス識別子(SPI)と、
前記SFCにおける前記NSHカプセル化パケットの位置を示すサービスインデックス(SI)と
を含み、
前記処理値が、前記NSHカプセル化パケットの前記サービス品質制御処理を示している、コンピュータ実行方法。
【請求項2】
前記SPIが、前記サービスパスヘッダにおける1つ以上の最上位ビットを含み、
前記SIが、前記サービスパスヘッダにおける1つ以上の最下位ビットを含み、
前記SPIのビットの総数が24であり、
前記SIのビットの総数が8であり、
前記サービスパスヘッダを含む1つ以上のビットの総数が32である、請求項
1に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項3】
前記処理インデックスが、前記SPIにおける1つ以上のN個のビットを含み、
前記PIが、前記SPIにおける1つ以上の(24-N)個のビットを含む、請求項1
又は2に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項4】
前記PIを含む前記1つ以上のビットが、前記SPI内の前記1つ以上の最上位ビットにおける固定位置にあり、処理インデックスを含む前記1つ以上のビットが、前記SPI内の前記1つ以上の最下位ビットにおける固定位置にあるか、又は
前記PIの前記1つ以上のビット及び前記処理インデックスが、前記SPI内にランダムに配置されている、請求項1から
3のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項5】
前記転送テーブルが、前記NSHカプセル化パケットの各サービスパスに対してn個のエントリを含み、nが、前記サービスパスに関連付けられた異なる処理値の数である、請求項1から
4のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項6】
前記サービスパスヘッダが、前記処理値及び前記
SFCにおける前記パケットの位置を示す前記サービスインデックスを含み、
前記処理値が、前記NSHカプセル化パケットの前記サービス品質制御処理を示している、請求項1から
5のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項7】
前記転送テーブルが、前記サービスパスを示すサービスパス識別子、前記
SFCにおける前記NSHカプセル化パケットの位置を示すサービスインデックス、及び前記処理値を示す処理インデックスを含み、
前記処理値が、前記NSHカプセル化パケットの前記サービス品質制御処理を示している、請求項1から
6のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項8】
前記ネットワークがSFC対応ドメインである、請求項1から
7のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項9】
前記ノードに関連付けられたサービス機能に従って、前記NSHカプセル化パケットを処理するステップ
をさらに含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項10】
前記NSHを除去することによって前記NSHカプセル化パケットをカプセル化解除し、カプセル化解除されたパケットの
トランスポートヘッダにある情報に従って特定された宛先アドレスに向けて、前記カプセル化解除されたパケットを転送するステップ
をさらに含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載のコンピュータ実行方法。
【請求項11】
ネットワーク内でパケットを転送するためのコンピュータ命令を格納している、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法を実施させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
ネットワーク内でパケットを転送するためのノードであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続され、前記少なくとも1つのプロセッサによる実行のための命令を格納した、1つ以上のメモリと
を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサに命令して、前記ノードに、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法を実施させる、ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月23日に出願され、発明の名称を「Service Function Chaining Network Services」とする、米国仮特許出願第62/770,855号の優先権を主張し、その全体においてあたかも再現されるかのように、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、サービス機能チェイニングドメインにおけるパケットのルーティングに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークオペレータ、具体的にはモバイルネットワークオペレータは、自社の顧客に様々な付加価値サービスを提供したいと考えている。そのようなサービスの例は、ディープパケットインスペクション(deep packet inspection:DPI)、ペアレントコントロール、SSLトラフィックの最適化、ネットワークアドレス変換(network address translation:NAT)などを含む。これまで、ネットワークオペレータは、特定のサービスを提供できるように、特殊なネットワーク要素を配備することが多かった。しかしながら、この手法は柔軟性を欠き、操作に費用がかかり、しかも十分に拡張することができない。
【0004】
近年、ネットワークオペレータは、サービス機能チェイニング又はサービスチェイニングに移行している。この手法では、サポートされるサービスはそれぞれ、1つ以上のサービス機能(service function:SF)の組み合わせとしてモデル化されている可能性があり、各サービス機能の役割は、ネットワークパケット又はパケットのセットに対して特定のタスクを実行することである。所与のサービスに対して、順次的に、即ち指定された方法で、自身を通じてネットワークトラフィックを送ることにより、これらのサービス機能が適用されている。この手法はサービス機能チェイニングとして知られており、これらのチェインは通常、サービス機能チェイン(service function chain:SFC)と呼ばれている。
【0005】
受信したトラフィックに適したチェインを選択するエンティティは通常、「分類器(classifier)」(「サービス分類器」又は「SFC分類器」とも呼ばれる)と呼ばれている。この分類器はまた、ロードバランシング機能を実行して、最も負荷の低いサービス機能チェインを選択するか、又はサービスから取得する必要のあり得るノードを含むサービス機能チェインから、トラフィックを取り除くこともできる。アクティブな分類器が、常時複数存在し得る。これらの分類器が有する、サービス機能を含むサービス機能チェインは、静的構成によって規定される。このチェインを変更するために、例えばシステムユーザによって当該構成が編集され、次いでチェインに沿って、サービス機能フォワーダにインストールされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ネットワーク内でパケットを転送するためのコンピュータ実行方法が提供され、コンピュータ実行方法は、ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信するステップであって、パケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(network service header:NSH)によってカプセル化されており、サービスパスが、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケット処理するようにネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値に関連付けられている、ステップと、ノードに格納された転送テーブルを評価してNSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別し、1つ以上の後続ノードによって実行される、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を判定するステップと、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットを1つ以上の後続ノードに転送するステップと、を含む。
【0007】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、サービスパスヘッダは、サービスパスを示すパスインデックス(path index:PI)及び処理値を示す処理インデックスを含むサービスパス識別子(service path identifier:SPI)と、サービスチェインにおけるNSHカプセル化パケットの位置を示すサービスインデックス(service index:SI)とを含み、処理値は、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を示している。
【0008】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、SPIはサービスパスヘッダにおける1つ以上の最上位ビットを含み、また、SIはサービスパスヘッダにおける1つ以上の最下位ビットを含み、1つ以上の最上位ビットの総数は24であり、1つ以上の最下位ビットの総数は8であり、サービスパスヘッダを含む1つ以上のビットの総数は32である。
【0009】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、処理インデックスはSPIにおける1つ以上のN個のビットを含み、PIはSPIにおける1つ以上の(24-N)個のビットを含む。
【0010】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、PIを含む1つ以上のビットは、SPI内の1つ以上の最上位ビットにおける固定位置にあり、かつ処理インデックスを含む1つ以上のビットは、SPI内の1つ以上の最下位ビットにおける固定位置にあるか、又はPI内の1つ以上のビット及び処理インデックスは、SPI内にランダムに配置されている。
【0011】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、転送テーブルは、NSHカプセル化パケットの各サービスパスに対してn個のエントリを含み、ここでnは、サービスパスに関連付けられた異なる処理値の数である。
【0012】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、サービスパスヘッダは、処理値及びサービスチェインにおけるパケットの位置を示すサービスインデックス(SI)を含み、処理値は、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を示している。
【0013】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、転送テーブルは、サービスパスを示すサービスパス識別子(SPI)、サービスチェインにおけるNSHカプセル化パケットの位置を示すサービスインデックス(SI)、及び処理値を示す処理インデックスを含み、処理値は、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を示している。
【0014】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、ネットワークはSFC対応ドメインである。
【0015】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、コンピュータ実行方法は、ノードに関連付けられたサービス機能に従って、NSHカプセル化パケットを処理するステップをさらに含む。
【0016】
任意選択で、先行する態様のいずれかにおいて、コンピュータ実行方法は、NSHを除去することによってNSHカプセル化パケットをカプセル化解除し、カプセル化解除されたパケットのヘッダにある情報に従って特定された宛先アドレスに向けて、このカプセル化解除されたパケットを転送するステップをさらに含む。
【0017】
本開示の別の一態様によれば、ネットワーク内でパケットを転送するためのコンピュータ命令を格納している、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信することであって、パケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(NSH)によってカプセル化されており、サービスパスが、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケットを処理するようにネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値に関連付けられている、ことと、ノードに格納された転送テーブルを評価してNSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別し、1つ以上の後続ノードによって実行される、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を判定することと、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットを1つ以上の後続ノードに転送することと、を行わせる。
【0018】
本開示の別の一態様によれば、ネットワーク内でパケットを転送するためのノードが提供され、ルータは、命令を含む非一時的な記憶装置と、該記憶装置と通信する1つ以上のプロセッサとを備え、1つ以上のプロセッサは、命令を実行して、ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信することであって、パケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(NSH)によってカプセル化されており、サービスパスが、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケットを処理するようにネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値に関連付けられている、ことと、ノードに格納された転送テーブルを評価してNSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別し、1つ以上の後続ノードによって実行される、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を判定することと、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットを1つ以上の後続ノードに転送することと、を行う。
【0019】
本開示の別の態様によれば、ネットワーク内でパケットを転送するためのノードが提供され、ノードは、ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信する受信モジュールであって、パケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(NSH)によってカプセル化されており、サービスパスが、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケットを処理するようにネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値に関連付けられている、受信モジュールと、ノードに格納された転送テーブルを評価してNSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別し、1つ上の後続ノードによって実行される、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を判定する評価モジュールと、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットを1つ以上の後続ノードに転送する転送モジュールと、を備える。
【0020】
発明を実施するための形態において、以下でさらに記載している概念の選択を簡略化形式で導入するために、この発明の概要を示している。この発明の概要は、特許請求している主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求している主題の範囲を確定する際に補助として使用されることも意図していない。この特許請求している主題は、背景技術に記載している欠点のいずれか又はすべてを解決する実装形態に限定されない。
【0021】
本開示の態様を例示として示しており、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面によって限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】エンド加入者を有するモバイルネットワークにサービスを提供するために、サービス機能チェイニングを実行する例示的なシステムを示す。
【
図2】
図1のサービス機能チェイン及びモバイルネットワーク内のネットワーク要素を示す例示的な図である。
【
図3】ネットワークサービスヘッダのパケット構造の一例を示す。
【
図4】サービス機能パスに沿って転送されるパケットの一例を示す。
【
図5】ネットワークサービスヘッダのフォーマットを示す。
【
図6】トラフィックモニタリング装置の例示的な一実施形態を示す。
【
図7】
図5のサービスパスヘッダのサービスパス識別子フィールドを示す。
【
図8A】サービス機能フォワーダの例示的な転送情報ベーステーブルを示す。
【
図8B】サービス機能フォワーダの転送情報ベーステーブルの別の例を示す。
【
図9】
図1のネットワークのサービス機能チェインにおいてパケットを転送する際のフロー図を示す。
【
図10】本技術による様々な実施形態を実行する際に使用されることができる、ネットワーク処理装置801のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、概してサービス機能チェインに関する図面を参照して、本開示について説明する。
【0024】
本明細書には、サービス機能チェイン及びサービス機能パスに沿ってサービス機能をルーティングし、かつ実行するための様々な実施形態を開示している。マルチメディア伝送や仮想プライベートネットワークなどの多くの新興サービスでは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークにおけるリソースの割り当てを慎重に行うことが必要となる。そのようなサービスに十分なリソースを割り当てるために、サービスプロバイダは、提供するトラフィックをサポートする際の境界を認識する必要がある。顧客とサービスプロバイダとの間で交わされるサービスレベル保証契約(service level agreement:SLA)は、トラフィックポリシー又はサービス品質(quality of service:QoS)を計測し、かつ処理するためのトラフィックポリシー又は機構を構成する、これらの境界を指定するものである。これらの境界に適合するトラフィックは、SLAで指定された所望のQoSに従ってネットワークによってサービスされるが、超過トラフィックは保証なしに転送される。
【0025】
一般に、SLAの適用は、異なるネットワークドメイン間のインターフェースで行われている。以下でより詳細に説明しているように、エッジノード若しくは境界ノード又はエッジルータ若しくは境界ルータは、トラフィックが設定されたポリシーに適合しているかどうかを確認するために、受信トラフィックをメータリングし、かつマーキングする。一実施形態では、NSHカプセル化データパケットのネットワークサービスヘッダ(NSH)を使用して、受信パケットを「色」でマーキングすることによって、様々なポリシーを識別することができる。NSHヘッダは、識別情報、例えばNSHヘッダフィールドのうちの1つのビットなどを使用して、特定の色(又は処理値)を示し、これによって、そのパケットを処理するための特定のポリシング(又はサービス)機構を示すことができる。一実施形態では、これらのビットは、NSHヘッダのサービスパス識別子(SPI)に設定されている。別の実施形態では、これらのビットは、NSHヘッダのサービスインデックス(SI)に設定されている。パケットがマーキングされると、ネットワークドメイン内の輻輳制御機構は、マーキング機構による結果を使用して、輻輳中に処理すべきパケットや、ドロップすべきパケットを判定する。
【0026】
本開示の本実施形態は多くの異なる形態で実行されてもよく、また、特許請求の範囲が、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本発明の実施形態の概念を当業者に十分に伝達するように提供される。実際、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲及び趣旨内に含まれるこれらの実施形態の代替形態、修正形態及び均等物を包含することが意図されている。さらに、本開示の本実施形態における以下の詳細な説明には、十分な理解をもたらすために、数多くの具体的な詳細事項が記載されている。しかしながら、本開示の本実施形態がそのような具体的な詳細事項なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0027】
図1は、エンド加入者を有するモバイルネットワークにサービスを提供するために、サービス機能チェイニングを実行する例示的なシステムを示す。システム100は、サービス機能チェイン(SFC)ネットワーク105と、モバイルネットワーク110と、インターネットなどのネットワーク107と、を備える。一般に、SFCは、様々なネットワークノード上に存在する一連のサービス機能(又はサービス機能インスタンス)を含む。即ち、SFCは、データパケット、データフレーム、及び/又はデータフローに適用される順序付きのサービス機能(SF)のセット及び順序制約条件である。SFCは、SFCに沿って1つ以上のサービス機能パス(service function path:SFP)を含んでいてもよい。ユーザ、又はユーザ機器112などのユーザ機器からSFCを介してトラフィックが転送されるとき、トラフィック内のパケットは順番にSFPを通過し、様々なサービス機能によって処理され、その際、これらのサービス機能はそれぞれ、パケットを次のネットワークノードに転送する前に、ファイアウォール、ネットワークアクセス変換(network access translation:NAT)、ディープパケットインスペクション(DPI)などの特定の機能を適用する。
【0028】
図1の実施形態では、SFCネットワーク105は、コントローラ115と、SFC対応ドメイン117と、境界ノード121と、を備える。コントローラ115は、SFC分類器117A、サービス機能フォワーダ(service function forwarder:SFF)117B、及びサービス機能(SF)117Cを含む、SFC対応ドメイン117を制御することができる。具体的には、コントローラ115は、パケットが処理されるパス(例えば、サービス機能パス(SFP))を決定するパス決定モジュール115A、SFC分類器ノード117A、SFF 117B、及びSF 117Cの状態情報を監視するモニタリング装置115B、決定されたパスをSFC対応ドメイン117に設定するパス設定モジュール115C、様々なポリシーに従って、又は合意されたサービス(本明細書では、個々に、又は総称してサービス品質制御処理と呼ばれる)に従って、パケットがどのように処理されるかを管理するポリシーマネージャ117Dを含む。SFC対応ドメイン117は、その後コントローラ115によって設定されたSFPに基づいて、受信したパケットを処理してもよい。
【0029】
ポリシーマネージャ115Dは、SFC対応ドメイン117内のパケットの色付けを制御するように、ネットワークノード、境界ノード121を構成している。例えば、ポリシーマネージャ115Dは、特定のフローのすべてのボイスオーバIP(Voice Over IP:VoIP)のパケットを「緑」色(例えば、高優先度)で色付けし、特定のフローのすべてのファイル転送プロトコル(File Transfer Protocol:FTP)のパケットを「黄」色(例えば、低優先度)で色付けするように、ネットワークノードを設定してもよい。色は、1つ以上のサービス品質(QoS)制御処理パラメータ、例えば、事前定義された差別化サービスコードポイント(differentiated services code point:DSCP)値、及び場合によっては他の値又は特性と関連付けられていてもよい。図示していないが、ポリシーマネージャ115Dはネットワークノードのいずれかに接続されて、通信してもよい。
【0030】
一実施形態では、ポリシーマネージャ115Dは、SFC対応ドメイン117内の様々なサービス及びフローに適用される初期QoS制御処理をネットワーク管理者が定義できる機構をもたらしている。例えば、管理者は、パケット内でマーキングされている特定の色と関連付けられ得るパケット内の初期DSCP値を設定することによって、特定のフローの初期QoS制御処理を定義してもよい。パケットにマーキングされた色を使用して、ポリシーマネージャ115Dはメータ及びマーカ(後述する)又は他のコンポーネントと通信し、これによってSFC対応ドメイン117の現在の帯域幅又はスループットと、特定のフローそれぞれの帯域幅ニーズとに基づいて、各フローのパケットを動的に色付けしてもよい。
【0031】
サービス分類器117Aは、パケットを分類してSFCに割り当てているノードである。サービス分類器は、分類又はサービス分類を実行する機能エンティティを指していてもよい。ここで、当該分類は、ポリシー、及びプロファイルに従って分類された、対応する顧客によって使用されるSFにより、顧客単位又はサービス単位でトラフィックが分類されるプロセスを指していてもよい。即ち、当該分類は、トラフィック並びにユーザ及びネットワークプロファイルの識別に適した転送ポリシーを通じて、実行されてもよい。
【0032】
SFC分類器117A、SFF 117B、及びSF 117Cは、物理的に同じ場所に配置されてもよい(又はされなくてもよい)。これらのコンポーネントのうちの任意の1つ以上は、1つの物理ノード内の独立したプロセスであり得、又は仮想化され得る。SFを一意に識別するために、各々に対し、サービス機能識別子として知られる一意の識別子が付与されている。このサービス機能識別子に加えて、SFはそれぞれ、サービス機能ロケータ属性を搬送している。このサービス機能属性を、インターネットプロトコル(IP)アドレス、完全修飾ドメイン名(fully qualified domain name:FQDN)、又はレイヤ4ポート番号とすることができる。SFC分類器及びSFは、ロケータをトラフィックの宛先アドレスとして使用している。SFCネットワーク105を実行するために、データプレーンは通常、実際のトラフィックを搬送し、これに対し、制御プレーンは通常、サービスノード間のトラフィックフローを管理し、かつ調整するために使用される。
【0033】
SFF 117Bは、受信したパケットをSF 117Cに転送する機能を実行する。即ち、このSFF 117Bは、トラフィック又はパケットを少なくとも1つのSF 117Cに転送することができる。一実施形態では、SFF 117Bは、パケットを別のSFF 117Bに転送する機能を実行してもよい。
【0034】
前述のパス決定モジュール115Aによって決定される、明示的パスとも呼ばれ得るサービス機能パス(SFP)は、抽象概念のSFCを実行するために、パケットが通過する物理ネットワークパス又は仮想ネットワークパスを指していてもよい。ここからも分かるように(かつ例示的な実施形態に示すように)、1つ以上のSFF 117Bと、1つ以上のSF 117CとがSFP上に存在してもよい。
【0035】
SF 117Cノードは、データパケットの特定の処理を実行する機能であり、プロトコルスタックの様々な層、例えば、ネットワーク層又は他のOSI層で動作することができる。SFは、仮想要素、物理ネットワーク要素として具現化されるか、又は物理ネットワーク要素に組み込まれ得る。1つ以上のSFが同じネットワーク要素に組み込まれ得る。サービス機能の複数のオカレンス又はインスタンスが、同じドメイン内に存在することができる。一実施形態では、SF 117Cのうちの1つは、付加価値サービス機能チェインの特定の機能を実行するサードパーティーのサービスノードであってもよい。SFの例には、ファイアウォール、ワイドエリアネットワーク(wide area network:WAN)及びアプリケーション高速化、ディープパケットインスペクション(DPI)、合法的傍受(lawful interception:LI)、サーバロードバランシング、ネットワークアドレス変換(NAT)-44、NAT-64、インターネットプロトコルバージョン6のネットワークプレフィックス変換(NPTv6)、HOST_IDインジェクション、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)ヘッダ強化機能、並びに伝送制御プロトコル(TCP)最適化が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
境界ノード121は、モバイルネットワーク110などの外部ネットワークからSFCネットワーク105に到来するトラフィック、並びにSFCネットワーク105からモバイルネットワーク110へと向かうトラフィック用のエントリポイント及び出口ポイントであってもよい。例えば、アップストリーム方向において、モバイルネットワーク加入者のクライアント装置112から発信され、例えばPGW 114又は他の任意のネットワーク要素を介してモバイルネットワーク110から退出する暗号化トラフィックを、境界ノード121が受信することができる。この境界ノード121は、SSL/TLS秘密鍵などの暗号化解除情報にアクセスして、トラフィックの暗号化を解除し、クライアント装置112とのセキュア(SSL/TLS)セッションを確立し、次いで、クライアント装置112からのトラフィックに対して特定の付加価値サービスを実行することができる。次いで、当該トラフィックは、特定の機能に応じて、ネットワーク107内のコンテンツプロバイダの発信元に進むか、又はモバイルネットワーク110及び/又はクライアント装置112に戻される。SFCネットワーク105は同様に、クライアント装置112へと向かうダウンストリームトラフィックに付加価値サービスを実行し、ゲートウェイを介してクライアント装置112に送信する前に、セッションでこのトラフィックを暗号化することができる。以下に、モバイルネットワーク110に関する説明を記載している。
【0037】
1つ以上の境界ノード121が存在してもよく、また、システム100は、ネットワーク間での進入/退出のソースとして単一のエッジノード又は境界ノードに限定されないことが理解される。
【0038】
これらのノード、例えば、SFC分類器ノード117A、SFF 117B、SF 117C、及び境界ノード121のいずれかは、プロセッサ119A、メモリ119B、及び通信インターフェース119Cを含む装置であってもよい。プロセッサ119Aは、以下に記載しているように、暗号化、暗号化解除、認証タグ作成及び認証、並びにNSHデータ及びテーブルの更新を含む処理機能を実行するように動作している。メモリ119Bは、プロセッサ119によって使用されるデータを格納するように動作している。通信インターフェース119Cは、ネットワークパケット、チケット、鍵、暗号化アルゴリズム、認証タグ生成アルゴリズム及び認証アルゴリズム、並びに他の任意のデータ(いずれも図示せず)を送信及び/又は受信するように動作している。
【0039】
モバイルネットワーク110は、PDNゲートウェイ(PDN Gateway:PGW)114などの従来のモバイルネットワークコンポーネントを備え、このPDNゲートウェイ(PGW)114は、データパケットネットワークに対するユーザ機器(本明細書ではユーザ機器112とも呼ばれる)セッションのアンカーポイントとして機能し、かつポリシー適用機能を管理している。ユーザ機器112を追跡し、かつ音声セッション及びデータセッションを円滑に行わせるためのモバイル管理エンティティ(mobile management entity:MME)116と、ユーザプレーンモビリティを管理するためのサービングゲートウェイ(serving gateway:SGW)118とが、基地局120に接続されている。モバイルネットワーク110には、他のネットワーク要素が必要とする加入者データベースを維持するためのホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)122と、加入者情報(加入者がサインアップしたアカウントのデータ及びサービスなど)、及びオペレータネットワーク内のエンドポイントと関連付けられているベアラ及びQoSの情報を含む、ポリシー及び課金ルールを維持するためのポリシー及び課金ルール機能(Policy&Charging Rules Function:PCRF)と、がさらに含まれている。本明細書に記載のシステム及び方法では、これらのコンポーネントは、本明細書の開示内容によって修正されるように、従来の方法で機能している。
【0040】
境界ノード121を介した、PGW 114からネットワーク107への、及びPGW 114からSFCネットワーク105へのインターフェースも開示されている。これらのインターフェースは、例えば、S(Gi)インターフェースなどのLAN接続部であってもよい。ただし、特定のネットワーク構成及びインターフェースは非限定的な例である。また、当該図ではモバイルネットワーク110の外側にSFCネットワーク105を図示しているが、モバイルネットワーク110は、モバイルネットワーク110内にSFCネットワーク105を配備する形態をも含み得ることも理解されたい。さらに、SFCネットワーク105は、インターネットなどのネットワーク107全体に配備されるマシンであってもよいことが理解される。
【0041】
図2は、
図1のサービス機能チェイン及びモバイルネットワーク内のネットワーク要素を示す例示的な図である。ネットワーク要素(又はノード)200は、開示している諸実施形態を実行するのに好適であってもよい。ネットワーク要素200は、ネットワーク、システム、及び/又はドメインを介してデータを転送するか、又は転送するのを支援する任意の装置(例えば、モデム、スイッチ、ルータ、ブリッジ、サーバ、クライアント、コントローラなど)であってもよい。例えば、ネットワーク要素200は、SFC分類器117A、SFF 117B、SF 117C、及び境界ノード121など、
図1に示すノードのいずれかに実装されてもよい。ネットワーク要素200は、I/Oポート210と、送受信機(Tx/Rx)220と、プロセッサ230と、サービス機能モジュール250を有するメモリ240と、を備える。I/Oポート210はTx/Rx 220に接続されており、Tx/Rx 220は、送信機、受信機、又はこれらの組み合わせであってもよい。Tx/Rx 220は、I/Oポート210を介してデータを送受信してもよい。プロセッサ230はデータを処理するように構成され、また、メモリ240は、本明細書に記載の諸実施形態を実行するためのデータ及び命令を格納するように構成されている。ネットワーク要素200は、電気信号及び光信号を送受信するために、I/Oポート210とTx/Rx 220とに接続されている電気/光(electrical-to-optical:EO)コンポーネント及び光/電気(optical-to-electrical:OE)コンポーネントをさらに備えていてもよい。
【0042】
プロセッサ230は、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって実行されてもよい。一実施形態では、プロセッサ230は、1つ以上の中央処理装置(CPU)チップ、論理ユニット、コア(例えば、マルチコアプロセッサのコア)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装されてもよい。プロセッサ230は、I/Oポート210、Tx/Rx 220、及びメモリ240と通信している。
【0043】
メモリ240は、ディスク、テープ装置及び/又はソリッドステートドライブのうちの1つ以上を備えていてもよく、また、メモリ240はオーバーフローデータ記憶装置として使用されて、実行するためにそのようなプログラムが選択される場合にプログラムを格納し、かつプログラム実行中に読み出される命令及びデータを格納してもよい。メモリ240は揮発性かつ不揮発性であってもよく、また、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、3値コンテンツアドレス可能メモリ(ternary content-addressable memory:TCAM)、及び静的ランダムアクセスメモリ(static random-access memory:SRAM)であってもよい。サービス機能モジュール250は、SFP情報に基づいて、異なるSFP及び転送パスに沿ってデータパケットをルーティング及び転送し、SFP情報に基づいてSFPエントリを生成し、SFP情報に基づいてステアリングポリシーを生成し、かつローカル又は内部転送ポリシーを生成するための様々な実施形態を実施するための命令を実行するように、プロセッサ230によって実行される。あるいは、サービス機能モジュール250は、プロセッサ230内に格納された命令として実装されている。
【0044】
図3は、ネットワークサービスヘッダのパケット構造の一例を示す。SFC対応ドメイン117(
図1)などのSFC対応ドメイン内でトラフィックを送るために、インターネット技術タスクフォース(Internet Engineering Task Force:IETF)は、ネットワークサービスヘッダ(NSH)と呼ばれるヘッダを標準化している。NSHは、参照により本明細書に援用される、IETF RFC 8300「Network Service Header(NSH)」に記載されているように、パケットをカプセル化している。SFC対応ドメイン117内のトラフィックを送る際は、これも同様に参照により援用される、RFC 7665「Service Function Chaining(SFC)Architecture」に記載されているように実行される。IETF仕様書で説明されているように、NSHはパケット(又はフレーム)に施され、また、サービスパス情報と、必要に応じてパケットに追加され、サービスプレーンを作成するために使用されるメタデータと、を含む。その後、ネットワーク転送に使用される目的で、外部トランスポートカプセル化がNSHに施される。SFC分類器117Aなどのサービス分類器は、SFC対応ドメイン117に進入するときに、NSHをパケットに追加する。NSHは、サービスチェイン内のSFF 117Bなどの最終SFFによって、又はパケットを使用するSF 117CなどのSFによって除去される。
【0045】
より具体的には、図示しているように、パケット302は、トランスポートヘッダ306及び情報パケット308を含んでいてもよい。トランスポートヘッダ306は、例えば、開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)ネットワーク層モデルのトランスポート層に関連するアドレス指定及び/又は他の制御情報を含んでいてもよい。例えば、トランスポートヘッダ306は、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)又はインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)ヘッダであってもよい。情報パケット308は、例えば、ペイロードで構成されたデータを含んでいてもよい。パケット302がネットワークを通過するとき、このパケット302は、NSH 312を使用してカプセル化され得る。このカプセル化は通常、SFC分類器117Aなどの分類ノードで実行され、これにより、
図3に示すようにカプセル化パケット304が得られる。NSH 312は、ある後続ノードにおいて、パケットがカプセル化解除され、NSH 312を除去し、次いでパケット302を返すまで、後継ノード(例えば、SFF及びSF)を通過するパケットの進行を制御し、かつ監視するための様々な機能をもたらしている。
【0046】
ネットワークを通過するパケット302の例については、以下の
図4及びそれに続く説明を参照して確認することができる。NSH 312に関する詳細な説明については、以下の
図5を参照して確認することができる。
【0047】
図4は、サービス機能パスに沿って転送されるパケットの一例を示す。ネットワーク400、例えばSFC対応ドメイン117(
図1)は、SFC分類器117Aなどのイングレスノードと、SFF 117B及び/又はSF 117Cなどのネットワークノードと、を備える。一実施形態では、SFF 117Bノードはまた、データパケットがカプセル化解除されてネットワーク400から退出する際に依拠する、エグレスノードであってもよい。ネットワーク400は、図示のように、又はイングレスノード及びエグレスノードを含む任意の数のネットワークノードを備える、他の任意の構成において構成されてもよいことが理解される。
【0048】
SFC分類器117Aノードは、SPIをNSH 312に挿入し、かつパケット302をNSH 312でカプセル化して、NSHカプセル化パケット304(
図3)を形成する、SFCイングレスノード又はSFPイングレスノード(SFPのヘッドエンドとしても知られる)として構成されている。一実施形態では、SFC分類器ノード117AはSFF 117Bノードである。
【0049】
SFF 117Bノードは、1つ以上のポートと、各ポートに接続された1つ以上のSF 117Cと、を含んでいてもよい。SF 117Cに接続されたポートとは、SF 117Cに物理的に接続されているか、SF 117 Cに接続されるように構成されているか、SF 117Cと関連付けられているか、又はSF 117Cと相互作用するように構成されている、SFF 117Bネットワークノードのポートを指す。SFF 117Bネットワークノードは、NSH 312でカプセル化されたデータパケット(即ち、
図3に示すカプセル化パケット304)などのデータパケットを、接続先のSF 117C及び他のネットワークノードに転送するように構成されている。
【0050】
SFF 117Bネットワークノードは、ネットワーク400を介して、NSHカプセル化パケット304を送信するように構成されている。上述したように、SFC又はSFPの終端にあるSFF 117Bネットワークノードは、エグレスノード又はSFPの最後尾である。
【0051】
SFC分類器117Aネットワークノード、SFF 117Bネットワークノード、及びSF 117Cネットワークノードは、1つ以上のトンネル及び/又はリンクを介して互いに接続されていてもよい。トンネルの例には、マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(multiprotocol label switching:MPLS)トンネル及び仮想拡張可能ローカルエリアネットワーク(virtual extensible local area network:VxLAN)トンネルが含まれるが、これらに限定されない。リンクは、電気リンク及び/又は光リンクなどの物理リンク、並びに/あるいは論理リンク(例えば、仮想リンク)を含んでいてもよい。
【0052】
図示の例では、受信パケット302(
図3)又はフレームは、モバイルネットワーク110又はネットワーク107(
図1)から、SFC対応ドメイン117などのサービスチェインドメインに進入する。パケット302は、イングレスノード(例えば、SFC分類器117A)を介してSFC対応ドメイン117に進入し、エグレスノード(例えば、SFF 117B)を介してサービスドメインから退出する。図示の例では、単一のイングレスノード及び単一のエグレスノードを示しているが、サービスドメイン内に複数のイングレスノード及び複数のエグレスノードが存在し得ることが理解される。
【0053】
SFC分類器117Aネットワークノードは、サービスネットワークからパケット302を受信すると、NSHヘッダ312を追加してNSHパケット304(
図3)を形成することにより、パケット302をカプセル化する。NSHヘッダ312は、後続ノードにおけるパケットの処理を効果的に指示し、かつ/又はパケットが辿るパスを制御する。即ち、NSHカプセル化パケット304のパスは、NSHヘッダ312に基づいて、ネットワーク400のSFPを横断している。例えば、NSHパケット304は、実線の黒い矢印線によって示しているSFP1のような特定のSFPに沿って転送され得る。SFF 117Bとして機能するノード又は仮想機能は、接続先のSF 117Cへのトラフィックの転送を行っている。
【0054】
NSHパケット304がエグレスノード(例えば、SFF 117B)に到達すると、このNSHパケット304はカプセル化解除され(即ち、NSHヘッダが除去される)、また、パケット302はSFC対応ドメイン117から退出する。
【0055】
図5は、ネットワークサービスヘッダのフォーマットを示す。ネットワークサービスヘッダ(NSH)のフォーマット500は、ベースヘッダ502と、サービスパスヘッダ504と、コンテキストヘッダ506とから構成されており、これらはそれぞれ、IETF RFC 8300に詳述されているように、4バイトであってもよい。ベースヘッダ502は、サービスヘッダ及びペイロードプロトコルに関する情報を提供し、サービスパスヘッダ504は、サービスパス内のパスの識別及び位置を提供し、コンテキストヘッダ506は、サービスパス(又はSFP)に沿ってメタデータ(即ち、コンテキストデータ)を搬送している。NSH 500のフォーマットにおける様々なフィールドは、以下のように定義されている。
・「Ver」フィールドは、NSHのバージョンを示し、バージョン0が現在指定又は使用されている。
・「O」フィールドは、1の値を有するとき、パケットが特定のOAM処理を必要とする保守運用管理(Operation,Administration and Maintenance:OAM)パケットとなることを示す1ビットである。
・「U」とラベル付けされた5つのフィールドはそれぞれ1ビットであり、現在は未指定であり、現在は0として送信される必要があり、また受信時に無視されている。
・「TTL」フィールドはループ防止用のものであり、NSHヘッダを処理する各ノードにおいてデクリメントされている。TTLが0である場合、カプセル化パケットは廃棄される。
・「長さ」は、4バイトワード単位のNSHの長さである。
・「MDタイプ」は、NSHの終端に出現する可変長メタデータのタイプである。
・「次のプロトコル」は、NSH又はその情報パケットの最初の部分に続く情報パケットのプロトコルタイプを示す。通常、トランスポートヘッダ306(
図3)は、情報パケット又は情報パケットの最初の部分のプロトコルタイプを示す。NSH 312(
図3)が追加されると、トランスポートヘッダ306は、トランスポートヘッダ306の後のデータがNSH 312で開始されることを示すように変更され、NSH 312を追加する前にトランスポートヘッダ306内にあったパケットコンテンツのプロトコルタイプの表示が、NSH 312の「次のプロトコル」フィールド内に配置される。これは、パケットがカプセル化解除され、NSH 312が除去されるときに逆になり、即ち、除去されるNSH 312の次のプロトコルフィールド内にあるプロトコルタイプの表示が、トランスポートヘッダ306に挿入される。
・「サービスパス識別子」(SPI)及び「サービスインデックス」(SI)は、ネットワークを通過するパケットの処理及びパスの制御と連携して使用されてもよい。通常、SPIはSFPの選択を一意に識別する。SIはSFP内の位置を提供し、NSH 312を処理する各SFFノードでデクリメントされる。SIは、パス内の次のSFF/SFを決定するために、SPIと共に使用される。
・「メタデータ」は、「MDタイプ」によって示しているタイプの可変長情報であり、様々な用途に対応可能である。
【0056】
NSHフォーマット500を使用して、NSHアウェアノード(SFC分類器、SFF、及びSFを含んでいてもよい)は、NSHフォーマット500の内容を変更してもよい。これらのノードは、限定はしないが以下を含む、いくつかの想定可能なNSH関連の動作を行ってもよい。
・NSHの挿入又は除去:これらの動作は、サービスパスの先頭及び終端でそれぞれ発生する可能性がある。SFC分類器は、SFPの先頭にNSHを挿入する。SFPの終端で、SFFは、カプセル化解除されたパケットを転送又は送達する前に、NSHを除去する。
・サービスパスの選択:サービスパスヘッダ504はサービスパス情報を提供し、正しいサービスパスの選択を決定するためにSFFによって使用される。SFFは、サービスパスにおける次のSF又はSFFを選択するために、サービスパスヘッダ504を使用する。
・NSHの更新:SFFはサービスインデックス(SI)を1デクリメントする。SFFが有効なSFPの有効な次ホップに対応していないSPI及びSIを有するパケットを受信した場合、そのパケットはSFFによってドロップされる。新規の又は更新されたコンテキストが利用可能である場合、分類器はコンテキストヘッダ506をさらに更新してもよい。
・サービスポリシーの選択:SFは、NSHからポリシー(即ち、許可又は拒否などのサービス動作)の選択及び適用を導出する。NSHで共有されるメタデータは、トラフィック分類などのサービス関連情報の範囲を示すことができる。
【0057】
図6は、トラフィックモニタリング装置の例示的な一実施形態を示す。図示のように、トラフィックモニタ(又はトラフィックコンディショナ)600は、例えばメータ610と、マーカ620と、プロセッサ650と、メモリ660と、を含む。トラフィックモニタ600は、この図から分かるように、メモリ660(又は他の何らかの類似ソース)から命令を受信して処理する、プロセッサ650と連動して動作している。
【0058】
トラフィックモニタ600は、従来、ネットワーク内のIPパケットストリームをメータリングし、ストリーム内のパケット(例えば、
図3のパケット302)を「色」でマーキングする。受信するIPパケットストリームのメータリング及びマーキングは、例えばサービスのイングレスポリシングに有用であり、ポリシングポリシーは、例えばポリシーマネージャ115D(
図1)によって設定されている。一実施形態では、トラフィックモニタ600は、境界ノード121などのSFCネットワーク105内にあるエッジノード又は境界ノードにあるか、若しくは常駐している。
【0059】
メータ610は、色を表示するために、2つのモードのうちの一方で動作してもよい。カラーブラインドモードでは、メータ610は、トラフィックモニタ600に進入するパケット302が色付けされていないと想定する。カラーアウェアモードでは、メータ610は、各パケットが「色」、例えば緑色、黄色、又は赤色のいずれかとしてラベル付けされるように、ある先行エンティティが受信パケット302を事前に色付けしていると想定する。これは、NSHヘッダ内のトラフィックと関連付けられた1つ以上のビットとして、多くの場合符号化されるラベルであり、このラベルは、当該トラフィックの処理に効果を発揮するか、又はトラフィック計測や他の用途など、ネットワークオペレータによって規定されたものに使用され得る。一実施形態では、この色は、以下に詳述しているように、NSHヘッダ500のフォーマットのパケットにおけるSPIフィールドで符号化されている。
【0060】
マーカ620は、メータ610の結果に従ってパケットを色付け(又は再色付け)する。受信するIPパケットストリームをポリシングする際に、パケット302は、ピーク情報レート(peak information rate:PIR)を超えた場合には赤色でマーキングされてもよく、そうでない場合は、認定情報レート(committed information rate:CIR)を超えたか否かに応じて黄色又は緑色でマーキングされてもよい。PIRは、スループットのオーバーヘッドを発生させ得るネットワークノード(例えば、ルータ又はスイッチ)に設定されるバースト可能なレートであり、CIRは、保証又は限定されている認定レート速度である。例えば、CIRが10 Mbit/sであり、PIRが12 Mbit/sである場合、追加の2 Mbit/sのスロットルを許容するバースト/スパイク制御を用いて、10 Mbit/sの最低速度にアクセスすることができる。
【0061】
より具体的には、IETF RFC 2697及びIETF RFC 2698では、単一レート3色マーカ(Single Rate Three Color Marker:srTCM)及び2レート3色マーカ(Two Rate Three Color Marker:trTCM)がそれぞれ定義され、これらはトラフィックモニタのコンポーネントとして使用され得、その内容は参照により本明細書に援用される。IETF RFC 4115は、トラフィックモニタのコンポーネントとしても使用され得る、プロファイル内トラフィックの効率的な処理を伴う差別化サービス2レート3色マーカを定義しており、その内容も参照により本明細書に援用される。
【0062】
IETF RFC 2697に記載されているこのsrTCMは、トラフィックレート、CIR、及び2つの異なるバーストサイズ、即ち認定バーストサイズ(committed burst size:CBS)と、超過バーストサイズ(excess burst size:EBS)とに基づいて、IPストリーム内のパケットをマーキングしている。上記の説明に従って、パケットは、CBSを超えない場合は「緑色」(例えば、マーカ620によって)でマーキングされ、CBSを超えているが、EBSを超えていない場合は「黄色」でマーキングされ、CBS及びEBSの両方を超える場合は「赤色」でマーキングされる。このsrTCMは、トラフィックと関連付けられた色を判定するために、トラフィックのバーストの長さは使用するが、ピークレートは使用しないという点で制限されている。次いで、サービス、又はサービスのレベルが、その色に基づいてトラフィックに提供される。
【0063】
RFC 2698に記載されているtrTCMは、2つの異なるトラフィックレート、即ちPIR、及びCIR、並びに対応するバーストサイズCBS及びPBSに基づいて、IPストリーム内のパケットをマーキングしている。trTCMによれば、パケットは、PIRを超える場合は「赤色」でマーキングされ、またパケットがPIRを超えない場合は、当該パケットがCIRを超えるか、あるいはCIRを超えないかに応じて「黄色」又は「緑色」でマーキングされる。2つのレート、即ちピークトラフィックレート(又は単にピークレート)と、認定レートとを使用することにより、trTCMは、認定レートのトラフィックとは別にピークレートのトラフィックを監視することができる。
【0064】
srTCM及びtrTCMの両方で、トラフィックストリーム内の各パケットをメータリングし、パケットを事前に色付けするマーカ610などのマーカに対して、当該パケットを転送するか、又は渡すメータリング装置を使用してもよい。事前色付けプロセスや、メータによるパケットの色の検知方法又は判定方法に関する詳細は、実装時固有事項であり、RFC及び本明細書の範囲外である。RFCは、メータの結果に基づいてパケットを再色付けするマーカを開示しており、その一例として、当該色をパケットの差別化サービス(DS)フィールドのコードポイントとして、ホップ単位動作(per-hop behavior:PHB)固有の方式に従って符号化する方法を提供しており、さらに詳細な情報として、IETF RFC 2474の一例を参照している。また、当該色は、RFC 2597に従って、パケットのドロップ優先度として符号化もされ得る。
【0065】
参照したRFCは、インターネットプロトコル(IP)ベースのパケット交換ネットワークを背景としたレート・カラー・マーカ・アルゴリズムについて記載しているが、そのようなアルゴリズムは、セル交換ネットワークなどの通信ネットワークでも実装され得ることが理解される。
【0066】
色付けマーキングの例示的な一実施形態では、識別された受信パケット302の色が使用されて、NSHヘッダ312を処理するノード(例えば、SFF 117B又はSF 117C)がSFCネットワーク105などのネットワークを通過するときに、その動作を制御してもよい。ノードが取る動作は設定可能であり、また、これらの動作は、例えばノードがより優先度の高い、又はより優先度の低いパケットを処理すること、ノードが、通常は処理されなかったはずのパケットを処理すること、あるいは、ノードが、通常は処理されたはずのパケットの処理を省略することを含んでいてもよい。これらの動作(又は類似の動作)を実行する能力は、例えば、顧客区分に基づいてトラフィックを色付けすることで、サービスレベル保証契約(SLA)を満たす際に、通信キャリアにとって有用となり得る。
【0067】
色付けマーキングの第2の例示的な実施形態では、表示された色が使用されて、特定の顧客又は顧客区分に許可されたクォータを超えるトラフィックを特定してもよい。例えば、ある期間中の顧客のトラフィックが最初に1つの色に設定されることができ、その期間中の顧客の累積トラフィックが当該クォータを超えた場合、その期間中の後続トラフィックが異なる色を割り当てられてもよい(その期間の終了時にクォータが更新されるまで)。別の実施例では、移動平均トラフィックレートが維持され、そのレートが顧客購入レートを下回るか上回るかに基づいて、色付けマーキングされ得る。さらに別の実施例では、2つ以上の色で、クォータ内に収まるトラフィック、クォータを若干上回るトラフィック、又はクォータを極端に上回るトラフィックを表示してもよい。
【0068】
色付けマーキングの第3の例示的な実施形態では、フロー内のN個のパケットごとに変化する値にトラフィックの色が設定されてもよく、ここで「フロー」は、サービスパス内の特定のノードを通過するように設定されたパケットのすべて又はサブセットとして定義されている。パスに沿ってパケットを処理することで、フロー内のパケットの数を維持すると想定されているか、又はフロー内の特定の数のパケットを廃棄若しくは生成すると想定されていると仮定すると、その後の(後続)ノードは、それぞれの色が付いたパケットの数をカウントしてもよい。想定されるパケット数に対する受信パケット数に偏差が生じた場合、それがレポートされてもよい。パケットを受信する後続ノードは、遅延パケット又は順序逆転パケットをさらに検出してもよく、パケットが後続送信を表す色で送信された後に、特定の色が付いたパケットが受信される。
【0069】
一実施形態では、十分な数の色が利用可能である場合(即ち、パケットヘッダ内の色を表示するのに十分なビットが利用可能である場合)、色は異なる用途に同時に使用され得る。これは、例えば、上記の実施例のいずれか1つ以上を含むように、複数のビットを符号化することによって達成され得る。
【0070】
図7は、
図5のサービスパスヘッダのサービスパス識別子フィールドを示す。一実施形態では、サービスパス識別子(SPI)フィールド702は、NSHフォーマット500(
図5)におけるトラフィックの色を表示する機構として使用されてもよい。従来の機構とは異なり、SPIフィールド702は、NSHフォーマット500の未定義(「U」)ビットのいずれも使用することなく、またNSHフォーマット500の他のフィールド(例えば、ベースヘッダのフィールド又はコンテキストヘッダフィールド)のいずれも変更することなく、色(トラフィック)の表示を行うことができる。
【0071】
図示の実施形態では、SPIフィールド702は、2つのフィールド、即ちNSHカプセル化パケット304のパスを効果的に識別するパスインデックス(PI)704と、NSHカプセル化パケット304のパス上でトラフィックの色を割り当てるために予約されたビットを含む、カラー部分706(本明細書では処理インデックスとも呼ばれる)と、を含む。上述したように、トラフィックの色は、特定のSFC対応ドメインへの進入時に、イングレスノードによって事前色付けが行われるか(即ち、色が予め設定されていてもよい)、又は色付け(又は再色付け)されてもよい。この場合、色付け(又は再色付け)は、上記で詳述したように、イングレスノードとして受信されるパケットのメータリングを行った結果に基づいていてもよい。
【0072】
図示のように、SPIフィールド702は、PI 704とカラー部分706との間に割り当てられ得る24個のビットを含む。SPI 702フィールドの24個のビットは、RFC 8300によって規定されている、NSHフォーマット500のサービスパスヘッダ504によって指定される設定数である。例えば、SPIフィールド702で下位ビット数が使用されてトラフィックの色を示してもよく、また、SPIフィールド702で上位ビット数が使用されて、NSHカプセル化パケット304のサービスパスを識別してもよい。下位ビット数はカラー部分706として識別され、N個のビットを含む。上位ビット数はPI 704として識別され、(24-N)個のビットを含む。したがって、N個のビット(例えば、N個の下位ビット)が使用されて、サービスパスに沿ったトラフィックの色を表示する場合、サービスパス自体を識別する際にPI 704で使用するために、(24個のビット-N)のビットが残る。
【0073】
図示していないが、一実施形態では、サービスインデックス(SI)フィールドはまた、NSHフォーマット500において色を表示する機構として使用されてもよい。このSIフィールドは、SIビットと、パケットのトラフィックの色を表示するビットとの間に割り当てられ得る8つのビットを含む。SIフィールド内の8つのビットは、RF 8300によって規定されている、NSHフォーマット500のサービスパスヘッダ504によって指定される設定数である。動作的には、SIフィールド内のビットは、上述したSPIの実施形態と同様の方式で設定されてもよい。
【0074】
一実施形態では、SPI 702及びSIフィールドは、NSHフォーマット500で色を表示する機構として共に使用されてもよい。
【0075】
SPI又はSIのいずれかの実施形態では、トラフィックの色は、SPIフィールド又はSIフィールドの固定位置にある1つ以上のビットによって表示され得る。一実施形態では、SPIフィールド702を使用して、当該フィールド内の24個のビットのいずれかを利用することで、トラフィックの色を表示してもよい。別の実施形態では、SIフィールド(
図5)を使用して、当該フィールド内の8つのビットのいずれかを利用することで、トラフィックの色を表示してもよい。トラフィックの色を識別する際に使用されないビットは、SIを示すために使用されてもよい。SPI又はSIを使用するかどうかにかかわらず、任意の数の上位ビット、任意の数の下位ビット、又は任意の数の分散ビットが使用されてもよい。
【0076】
パケット302を受信したノードは、NSHヘッダ312に従ってパケットを処理する。具体的には、このパケットの転送は、NSHヘッダ312を使用してサービスプレーン層で実行されてもよい。このために、SPI 702及びSIが使用される。より具体的には、サービスチェインの所与のサービスパスのインスタンス化を識別するために一意のSPIが使用され、SIは255、又は255とサービスチェイン内のSF及びSFFからSFFホップまでの総数との間のある数に初期化され、パケット(又はフレーム)が当該サービスパスに沿って移動するにつれて、各サービスホップでデクリメントされる。
【0077】
一実施例では、
図1を参照すると、SFC対応ドメイン117内の各NSHベースの転送ノード(例えば、SFC分類器117A又はSFF 117B)は、受信パケットのコンテンツと、パケットが受信及び転送され得る(次ホップの)、対応するポート又はフェースとの関連付けを行っている転送テーブル(パステーブルとも呼ばれる)を含んでいてもよい。
図8A及び
図8Bを参照して以下で述べているように、この転送テーブルは、フィールドの中でもとりわけ、SPI 702、サービスインデックス(SI)、及び/又はカラー部分(又は処理インデックス)を含んでいてもよい。
【0078】
一実施形態では、NSHヘッダ312内のトラフィックを表示する際に使用されるn個の異なる数の色ごとに、n個のSPI 702エントリと、各サービスパスのFIBにおける対応するn個のSIエントリと、が存在する。これに対して、トラフィックの色がテーブル内に含まれていない場合、単一のSPI 702と、対応するサービスインデックス(SI)エントリとが各サービスパスに使用されてもよい。この色は、SPI 702のカラー部分706に基づいて決定され得るため、トラフィックの色を実装する際に使用される任意の追加情報が、パスルックアップテーブルに含まれてもよい。
【0079】
別の一実施形態では、色(処理インデックス)によってインデックス付けされた、独立したテーブルがアクセスされ、又はこれが評価されて、それらの色に基づいてパケットの処理を判定してもよい。本実施形態では、SFF 117Bはそれぞれ、色を表示するSPI 702の最下位ビットの数を解釈するように構成されている。さらに、特定の色は、SPI 702の上位ビット数に関係なく、独立したテーブルで指定されているように、対応するサービス品質制御処理を有する。この場合、転送テーブルは、SPI 702の最上位ビット数(カラービットを除く)及びSIに基づいていてもよく、転送テーブル内の独立した列は、以下でさらに述べているように、サービス品質制御処理を示す色を識別することができる。
【0080】
図8Aは、サービス機能フォワーダの例示的な転送テーブルを示す。転送テーブル800Aは、SFF 117Bなどのネットワークノードに格納されてもよい。図示のように、転送テーブル800Aは、フィールドの中でもとりわけ、SPI 702及びSI 802を含む。SPI 702は、上記の
図7を参照して述べたように、パスインデックス(PI)704、及びカラー部分706(又は処理インデックス)の2つのフィールドに分割されていてもよい。この図から分かるように、このSPI 702は2つのフィールドに分割される必要はなく、任意のランダムな位置又は固定位置にあるビットをさらに使用してもよく、あるいはSPI 702内の3つ以上のフィールドに分割されてもよい。さらに、出力ポート、出力カプセル化、宛先アドレス、カプセル化解除フラグなどの他の様々なフィールドも転送テーブル800Aに含まれていてもよいが、本明細書の主眼とする点ではない。
【0081】
図示の実施形態では、説明を目的として、SPI 702が2つのフィールド、即ちPI 704と、カラー部分706とに分割されていると仮定している。本実施例では、SPIフィールド702の最下位の2つのビットは、受信するNSHカプセル化パケット304のトラフィックの色をマーキングするために使用されている。通常、Nは、
図7に示すようなカラー部分706のビット数である。これらのビットはカラー部分706に設定され、本実施例ではN=2となる。このカラー部分706においてN=2である場合、PI 704は、サービスパスを識別するための22個のビット(例えば、(24-N)=22における)を有する。
【0082】
一実施形態では、上記の実施例を元に続けた場合、特定のサービスパスのトラフィックを表示する色は、最下位の2つのビットを使用して設定されてもよい。これら最下位の2つのビットを設定した場合、受信パケットストリーム内のNSHカプセル化パケット304は色を使用して、様々なレベルのサービスを識別してもよい。例えば、以下の表Iに示すように、N=2である場合、最下位の2つのビットが設定されて、サービスパス上のトラフィックの色を識別してもよい。例えば、最下位の2つのビットがネットワークノードに設定される場合(すべての値が使用される場合)、最大4つの異なる色が任意の1つのサービスパスに使用されてもよい。
【0083】
【0084】
例えば、緑色のパケットは、パケットが確実に送達されることを示してもよく、又は少なくとも廃棄若しくはドロップされる確率の低いパケットが確実に転送されることを示してもよく、一方で黄色のパケットは、ベストエフォート方式でパケットが転送されることを示してもよく、そして赤色のパケットは、廃棄又はドロップされることを示してもよい。他の色、及びそれらの色と関連付けられているサービスもさらに追加されてもよく、これらは、SPI 702で使用中のカラー部分706のビット数に応じて変化してもよい。
【0085】
一実施形態では、許容可能な色の総数よりも少ない色が特定のパスに使用される場合、エントリが削除されるか、又は省略されてもよい。例えば、表Iに示すように、最下位の2つのビットが「1」に設定されている場合、パスAと関連付けられた色は空である。そのような場合、転送テーブル800Aは、色が使用されていない(例えば、「空」である)ことを示してもよく、又はエントリ全体が転送テーブル800Aから削除されるか、若しくは省略されてもよい。上述したように、色を識別する際に使用されるSPI 702のビット数は、最下位の2つのビットに限定されない。このために、SPI 702内の任意の数のビット(N個のビット)が使用されてもよい。
【0086】
図8Aの実施例を元に続けた場合、一意のSPI 702を使用して、サービスチェインの特定のサービスパスのインスタンス化を識別している。説明したように、SPI 702は、PI 704と、カラー部分706とに分割されている。サービスインデックス(SI)802は、SPI 702のインスタンス化ごとにサービスチェイン内のサービスを示す値に初期化され、その結果、SFC内の特定のネットワークノードでのパケットの処理方法に基づいて、SI 802がデクリメントされてもよい。図示のように、表800Aは、カラー部分706によって示される、関連する色付けマーキング(「0」~「3」)を施された2つのPI 704(例えば、パスA及びパスB)と、SI 802(例えば、「k」又は「m」)とを識別している。
【0087】
表800Aは、例えばSFF 117Bなどのネットワークノードの転送テーブルとして格納されてもよい。実装中、NSHカプセル化パケット304(
図3)がネットワークノードに到達すると、SPI 702及びSI 802が転送テーブル800Aでルックアップされる。転送テーブル800A内の情報により、とりわけNSHカプセル化パケット304がどのポートから転送されるか、それを転送する宛先アドレスは何になるか、そして(1)NSHヘッダ312を除去することによって、NSHカプセル化パケット304をカプセル化解除するかどうか、又は(2)NSHヘッダ312を保持し、外部トランスポートヘッダによって指定される特定の出力カプセル化を用いて、NSHカプセル化パケット304を転送するかどうかを判定する。当該パケットがNSHヘッダ312と共にNSHカプセル化パケット304として転送される場合、SI 802はデクリメントされる。
【0088】
次いで、これらの「色」が使用されて、ネットワークによるパケットの処理方法を決定するサービスを差別化してもよい。より具体的には、各PI 704についてカラー部分706に表示されているような色に応じて、NSHカプセル化パケット304は様々な方法で処理されてもよい。
図1を参照して上述したように、ポリシーマネージャ115Dは、受信パケットに対する様々なQoS制御処理の設定を行っていてもよく、ここでQoSは、所与のデータフロー又はサービスパスに対するNSHカプセル化パケット304の色付けによって定義される。例えば、ポリシーマネージャ115Dと相互作用することによって、管理者はQoSポリシーを定義することができ、このQoSポリシーによって、パスAのVoIPパケットが、転送優先度が高い(例えば、ネットワーク帯域幅の60%を割り当てる)ことを表す「緑色」に色付けされ、パスBのFTPパケットが、転送優先度が低い(例えば、ネットワーク帯域幅の20%を割り当てる)ことを表す「黄色」に色付けされる。
【0089】
図8Bは、サービス機能フォワーダの転送テーブルの別の例を示す。転送テーブル800Bは、SFF 117Bなどのネットワークノードに格納されている。一実施形態では、転送テーブル800Bは、SPI 702及びSI 802それぞれに対応するカラー804(処理インデックス)を表示するためにn個のビットを含むように、拡大されるか、又は拡張される(例えば、別の列が追加される)。例えば、図示のように、SPI 702のエントリA1では、SI 802が「k」になり、対応するカラー804が「赤色」になる。
【0090】
別の一実施形態では、転送テーブルのエントリ数は、色の異なる使用中のパスの数に応じた量だけ増加し、ここで「0」のカラー(又は空のフィールド)は、非色付けモードでの動作を示す。例えば、2つのカラーパス(例えば、赤色及び緑色)がパスエントリA1及びA2に使用され、また、4つのカラーパス(例えば、赤色、青色、紫色及び空(0))がパスエントリに使用され、かつパスB1~B4に使用される。
【0091】
転送テーブル800A(
図8A)とは異なり、NSHヘッダ312内のSPI 702は、トラフィックの色を直接表示していない(「カラー部分」のビットがSPI又は他のいずれのフィールドでも使用されないため)。したがって、サービスパスと関連付けられた色を直接判定するために、受信したパケット(即ち、NSHカプセル化パケット304)は使用されることができない。代わりに、転送テーブル800Bは、到達時の特定のパケット色の識別を行っている。例えば、NSHカプセル化パケット304がNSH対応ネットワークノードで受信されると、SPI 702及びSI 802が転送テーブル800Bでルックアップされる。SPI 702にエントリが存在する場合、対応するカラー804も同様に転送テーブル800Bから取得される。次いで受信したパケットは、上述したように、当該色と関連付けられたサービス又はサービスレベルに従って処理されてもよい。一実施形態では、SPIが転送テーブル内に存在しない場合、そのパケットは廃棄される必要がある。
【0092】
図9は、
図1のネットワークのサービス機能チェインにおいてパケットを転送する際のフロー図を示す。説明を目的として、図示の実施形態に記載しているプロセスは、サービス機能チェイン(SFC)内のネットワークノードによって実行される。ただし、この実行はSFC内のネットワークノードに限定されず、ネットワーク内の任意のコンポーネント又はノードが当該プロセスを実行できることが理解される。
【0093】
ステップ902で、ネットワークノードは、SFC対応ドメインのSFCに属するパケットを受信する。一実施形態では、このネットワークノードはSFC分類器ノード117Aである。
【0094】
ステップ904で、ネットワークサービスヘッダ(NSH)によって受信したパケットがカプセル化される。一実施形態では、このパケットはNSHによってカプセル化され、SFC分類器117AなどのSFC分類器ノードによってNSHカプセル化パケット304を形成する。別の実施形態では、このNSHカプセル化パケットは、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含む。このサービスパスは、サービスパス識別子(SPI)702によって識別されてもよい。
【0095】
ステップ906で、NSHカプセル化パケット内のサービスパスは、処理値と関連付けられる。一実施形態では、SPIは、2つの部分、即ちサービスパスを識別するパスインデックス(PI)と、NSHカプセル化パケットを、サービス品質制御処理を表す処理値と関連付けるカラー部分(又は処理インデックス)とに分割されている。別の実施形態では、サービスパスヘッダは、SPI 702及びサービスインデックス(SI)を含み、ここでSIは、NSHカプセル化パケットを、サービス品質制御処理を表す処理値と関連付けている。この処理値は、例えば、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケットを処理するようにSFC対応ドメイン内の1つ以上の後続のネットワークノードに指示してもよい。
【0096】
ステップ908で、NSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別するために、ネットワークノードに格納された転送テーブルが評価される。例えば、転送テーブル800A又は800Bなどの転送テーブルは、ノードで受信されたNSHカプセル化パケットに関する情報を識別するように、「ルックアップ」されるか、又は評価される。一実施形態では、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理が判定されてもよい。このサービス品質制御処理は、例えば、NSHカプセル化パケットを処理する方法を後続のネットワークノードに指示してもよい。例えば、このサービス品質制御処理は、1つ以上の後続のネットワークノードによって実行されるべきサービス又はポリシーを識別してもよい。
【0097】
ステップ910で、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットが1つ以上の後続ノードに転送される。
【0098】
図10は、本技術による様々な実施形態を実行する際に使用することができる、ネットワーク処理装置1001のブロック図である。特定のネットワーク処理装置が、図示しているすべてのコンポーネント又はコンポーネントのサブセットのみを使用してもよく、集積化のレベルは装置ごとに異なっていてもよい。さらに、このネットワーク処理装置1001は、コンポーネントの複数のインスタンス、例えば複数の処理装置、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機などを含んでいてもよい。ネットワーク処理装置1001は、1つ以上の入出力装置、例えばネットワークインターフェース、及びストレージインターフェースなどを備えていてもよい。処理装置1001は、中央処理装置(CPU)1010、メモリ1020、大容量記憶装置1030、及び入出力(I/O)インターフェース1060を含んでいてもよく、これらはバス1070に接続されている。このバス1070は、メモリバス又はメモリコントローラ、又は周辺機器用バスなどを含む任意のタイプのいくつかのバスアーキテクチャのうちの1つ以上であってもよい。
【0099】
CPU 1010は、任意のタイプの電子データプロセッサを含んでいてもよい。メモリ1020は、静的ランダムアクセスメモリ(static random access memory:SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory:DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM:SDRAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory:ROM)、又はこれらの組み合わせなどの任意のタイプのシステムメモリを備えていてもよい。一実施形態では、メモリ1020は、起動時に使用するROMと、プログラム実行時に使用する、プログラムやデータを格納するためのDRAMと、を含んでいてもよい。諸実施形態において、メモリ1020は非一時的である。一実施形態では、メモリ1020は、ネットワーク内のサービス機能チェイン(SFC)に属するノードでパケットを受信する受信モジュール1020Aであって、このパケットが、サービスパスを識別するサービスパスヘッダを含むネットワークサービスヘッダ(NSH)によってカプセル化されており、このサービスパスが、サービス品質制御処理を適用してNSHカプセル化パケットを処理するようにネットワーク内の1つ以上の後続ノードに指示する処理値と関連付けられている、受信モジュール1020Aと、ノードに格納された転送テーブルを評価してNSHカプセル化パケットのサービスパス及び処理値を識別し、1つ以上の後続ノードによって実行される、NSHカプセル化パケットのサービス品質制御処理を判定する評価モジュール1020Bと、転送テーブルで指定されたサービスパスに基づいて、かつ転送テーブルで識別された処理値に対応するサービス品質制御処理に従って、NSHカプセル化パケットを1つ以上の後続ノードに転送する転送モジュール1020Cと、を備える。
【0100】
大容量記憶装置1030は、データ、プログラム、及びその他の情報を格納するように、かつ、バス1070を介してデータ、プログラム、及びその他の情報にアクセスできるように構成された、任意のタイプの記憶装置を含んでいてもよい。大容量記憶装置830は、例えば1つ以上のソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、又は光ディスクドライブなどを含んでいてもよい。
【0101】
処理装置1001は1つ以上のネットワークインターフェース1050をさらに含み、このネットワークインターフェース1050は、ノード又は1つ以上のネットワーク1080にアクセスするための、イーサネット(登録商標)ケーブルなどの有線リンク、及び/又は無線リンクを含んでいてもよい。ネットワークインターフェース1050により、ネットワーク1080を介して、処理装置1001と遠隔装置とが通信できるようになっている。例えば、ネットワークインターフェース1050は、1つ以上の送信機/送信アンテナと1つ以上の受信機/受信アンテナとを介して、無線通信を提供してもよい。一実施形態では、処理装置1001は、データ処理、及び他の処理装置、インターネット、又はリモートストレージ設備などの遠隔装置との通信を行うために、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワークに接続されている。
【0102】
本主題は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本開示内容を当業者に十分に伝達するように提供される。実際、本主題は、添付の特許請求の範囲によって定義される本主題の範囲及び趣旨内に含まれるこれらの実施形態の代替形態、修正形態及び均等物を包含することが意図されている。さらに、本主題の以下の詳細な説明には、本主題の十分な理解をもたらすために、数多くの具体的な詳細事項が記載されている。しかしながら、本主題がそのような具体的な詳細事項なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0103】
本開示の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図並びに/又はブロック図を参照して、本開示の態様が本明細書に記載されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図中のブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることは、理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な命令実行装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック若しくは1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実行するための機構を作成するように、マシンを製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。
【0104】
非一時的なコンピュータ可読媒体は、磁気記憶媒体、光記憶媒体、及びソリッドステート記憶媒体を含む、すべてのタイプのコンピュータ可読媒体を含み、厳密には信号を除く。ソフトウェアは当該装置にインストールされ、当該装置と共に販売され得ることを理解されたい。あるいは、このソフトウェアは、ディスク媒体を介して、又は、例えばソフトウェア作成者が所有するサーバから、若しくはソフトウェア作成者が所有してはいないが、使用しているサーバからを含む、任意の方式のネットワークシステム若しくは配布システムから、ソフトウェアを取得することを含む形態で取得され得、かつ当該装置にロードされ得る。このソフトウェアは、例えば、インターネット上の配布用のサーバに格納され得る。
【0105】
1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は伝搬信号自体を含まず、コンピュータ及び/又は1つ以上のプロセッサによってアクセスされることができ、また、当該コンピュータ可読記憶媒体は、取り外し可能かつ/又は取り外し不可能な揮発性かつ不揮発性の内部媒体及び/又は外部媒体を含む。コンピュータの場合、様々なタイプの記憶媒体は、任意の適切なデジタル形式のデータ格納に対応している。開示しているアーキテクチャの新規な方法(動作)を実行するコンピュータ実行可能命令を格納するために、ジップドライブ、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、フラッシュメモリカード、フラッシュドライブ、及びカートリッジなどの他のタイプのコンピュータ可読媒体が使用され得ることを、当業者には理解されたい。
【0106】
本明細書で使用されている用語は、専ら特定の態様について説明することを目的としており、本開示を限定することを意図してはいない。本明細書で使用されている単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈で特に明示しない限り、複数形をも包含することが意図されている。本明細書で使用される場合、用語「備える(comprise)」、及び/又は「備える(comprising)」は、記述された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらのグループの存在や追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0107】
本開示の記載は、例示及び説明の目的で提示されているが、網羅的であること、又は開示している形態の開示に限定されることが意図されるものではない。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態や変形形態が当業者には明らかになるであろう。本明細書の開示の態様は、本開示の原理及び実際の用途について最良の説明を行い、企図される特定の用途に適した様々な修正を加えた状態で、当業者が本開示を理解することができるようにするために選択され、かつ記載されている。
【0108】
本明細書の目的のために、開示している技術に関連した各プロセスは、連続的に、また1つ以上のコンピューティング装置によって実行されてもよい。1つのプロセスの各ステップは、他のステップで使用されるコンピューティング装置と同じであるか、又は異なるコンピューティング装置によって実行されてもよく、各ステップは、必ずしも単一のコンピューティング装置によって実行される必要はない。
【0109】
本主題は構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本主題が、上述した特定の特徴又は動作に必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実現する例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0110】
100 システム
105 サービス機能チェイン(SFC)ネットワーク
107 ネットワーク
110 モバイルネットワーク
112 ユーザ機器
114 PDNゲートウェイ(PGW)
115 コントローラ
115A パス決定モジュール
115B モニタリング装置
115C パス設定モジュール
115D ポリシーマネージャ
116 モバイル管理エンティティ(MME)
117 SFC対応ドメイン
117A SFC分類器
117B サービス機能フォワーダ(SFF)
117C サービス機能(SF)
117D ポリシーマネージャ
118 サービングゲートウェイ(SGW)
119 プロセッサ
119A プロセッサ
119B メモリ
119C 通信インターフェース
120 基地局
121 境界ノード
122 ホーム加入者サーバ
200 ネットワーク要素
210 入出力ポート
220 送受信機(Tx/Rx)
230 プロセッサ
240 メモリ
250 サービス機能モジュール
302 パケット
304 NSHカプセル化パケット
306 トランスポートヘッダ
308 情報パケット
312 ネットワークサービスヘッダ(NSH)
400 ネットワーク
500 NSHフォーマット
502 ベースヘッダ
504 サービスパスヘッダ
506 コンテキストヘッダ
600 トラフィックモニタ
610 メータ
620 マーカ
650 プロセッサ
660 メモリ
702 サービスパス識別子(SPI)フィールド
704 パスインデックス(PI)
706 カラー部分
800A 転送テーブル
800B 転送テーブル
801 ネットワーク処理装置
804 カラー
830 大容量記憶装置
1001 ネットワーク処理装置
1010 中央処理装置(CPU)
1020 メモリ
1020A 受信モジュール
1020B 評価モジュール
1020C 転送モジュール
1030 大容量記憶装置
1050 ネットワークインターフェース
1060 入出力(I/O)インターフェース
1070 バス
1080 ネットワーク