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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】ケールの栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 22/15 20180101AFI20221216BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20221216BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20221216BHJP
【FI】
A01G22/15
A01G7/00 601C
A01G31/00 601A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022090941
(22)【出願日】2022-06-03
【審査請求日】2022-06-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108263
【氏名又は名称】株式会社ファームシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 由久
(72)【発明者】
【氏名】北島 正裕
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-171205(JP,A)
【文献】特表2022-518259(JP,A)
【文献】特開2018-174916(JP,A)
【文献】特開2021-145605(JP,A)
【文献】国際公開第2020/067266(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 22/00-22/67
A01G 7/00
A01G 31/00-31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合うケールの苗同士の間に間隔をあけて、前記ケールの苗に光を照射して前記ケールの苗を栽培する、ケールの栽培方法であって、
明期と、前記明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有し、前記暗期は、前記明期よりも温度が低く、
前記光は、白色光であり、
前記ケールの苗の間隔(mm)に対する、前記光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が、2.0~7.0であり、
前記間隔は、等間隔で、20mm以上75mm未満であり、
前記光の前記光量子束密度(μmol/(m 2 s))は150~250であり、
栽培方法が水耕栽培方式であり、前記水耕栽培方式にて栽培する際に養液を用い、前記養液の濃度を一定にする、ケールの栽培方法。
【請求項2】
前記比は、2.0~3.9である、請求項1に記載のケールの栽培方法。
【請求項3】
前記比は、3.0~7.0である、請求項1に記載のケールの栽培方法。
【請求項4】
前記光は、人工光である、請求項1~3のいずれか1項に記載のケールの栽培方法。
【請求項5】
前記ケールの前記苗の株密度が170~2500(株/m2)である、請求項1~3のいずれか1項に記載のケールの栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫量を増やし、かつ栄養素を調整したケールの栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケールは、キャベツの原種に近いアブラナ科の野菜であり、さらに栄養価が高い野菜として知られている。このため、ケールについて、従来から、種々の栽培方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に、光源から赤色光をケールに照射する工程(a)と、光源から青色光をケールに照射する工程(b)とを含み、各工程の照射時間がそれぞれ独立して一回当たり3時間以上48時間未満であり、各工程を交互に行うケールの栽培方法が提案されている。
特許文献1には、ケールの株密度について、25株/m2~100株/m2になるように調整することが記載されている。また、照射される赤色光及び青色光の光合成光量子束密度が、それぞれ30~400μmol/(m2s)であることも記載されている。
また、株間隔15cmで28株(株密度36.5株/m2)定植し、赤色光を200μmol/(m2・s)で連続照射時間を12時間、青色光を70μmol/(m2・s)で連続照射時間を12時間としたことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2020/067266号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、ケールの栽培について、得られるケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多いことが要求されている。さらに、収穫したケールの栄養素についても多いことが要求されている。
しかしながら、上述の特許文献1の赤色光及び青色光を交互に照射して、ケールを栽培する栽培方法では、ケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多くできない。さらには、収穫したケールの栄養素も多くできない。
本発明の目的は、ケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多く、栄養素が多いケールの栽培方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、発明[1]は、隣り合うケールの苗同士の間に間隔をあけて、ケールの苗に光を照射してケールの苗を栽培する、ケールの栽培方法であって、明期と、明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有し、暗期は、明期よりも温度が低く、光は、白色光であり、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が、2.0~7.0である、ケールの栽培方法を提供するものである。
発明[2]は、栽培方法が水耕栽培方式であり、水耕栽培方式にて栽培する際に養液を用い、養液の濃度を一定にする、発明[1]に記載のケールの栽培方法である。
発明[3]は、間隔は、75mm未満である、発明[1]又は[2]に記載のケールの栽培方法である。
発明[4]は、比は、3.0~7.0である、発明[1]~[3]のいずれか1つに記載のケールの栽培方法である。
発明[5]は、光は、人工光である、発明[1]~[4]のいずれか1つに記載のケールの栽培方法である。
発明[6]は、ケールの苗の株密度が170~2500(株/m2)である、発明[1]~[5]のいずれか1つに記載のケールの栽培方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多く、栄養素が多いケールの栽培方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態のケールの栽培方法に用いられる栽培容器の一例を示す模式的平面図である。
図2】本発明の実施形態のケールの栽培方法に用いられる栽培容器の一例を示す模式的側面図である。
図3】本発明の実施形態のケールの栽培方法に用いられる栽培容器の一例を示す模式的断面図である。
【0009】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のケールの栽培方法を詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態及び図示した内容は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
(ケール)
ケールとは、Brassica oleracea L var.acephala、もしくはBrassica oleracea L convar.acephalaに分類される植物、又はこれら植物を片親に持つ植物を広く指す。ケールに分類される具体的な品種としては、例えば、Brassica oleracea L co nvar.acephala(DC)Alef.var.sabellicaL.としての、ジューシーグリーン(品種登録第12578号)、スウィートグリーン(品種登録第17702号)、サンバカーニバル(品種登録第17704号)、キッチン(赤)(品種未登録)、キッチン(緑)(品種登録第17703号)、ゴズィラーナ(カーボロリーフグリーン)(品種登録第17701号)、等;Brassica oleracea L convar.acephala(DC)Alef.var.sabellicaL.を片親として持つミニヴェール8号(品種登録第20651)等;が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。具体的に例示をした品種の中では、サンバカーニバルが特に好ましい。
また、ケールには、ハボタン(フラワーケール)及びハボタン類も含まれる。
また、ケールとの交配によるアレッタ(品種登録第20556号)、及びプチヴェール(登録商標)もケールに含まれる。これ以外にもケールには、様々な、ケールの交配種が含まれる。
【0010】
(ケールの苗)
ケールの苗とは、将来的に移植、すなわち、定植をする目的で育苗されているケールの幼植物体を指す。
定植に供されるケールの苗は、特に限定されるものではなく、本葉が1枚以上で8枚以下の範囲内で展開している苗であることが好ましく、本葉が1枚以上で4枚以下の範囲内で展開している苗であることがより好ましく、本葉が1枚以上で3枚以下の範囲内で展開している苗であることがさらに好ましく、本葉が1枚以上で2枚以下の範囲内で展開している苗であることが特に好ましい。
また、ケールの苗には、収穫直前の段階のものも含まれる。ケールの苗については、将来的に移植、すなわち、定植をすることなく、播種(種まき)の段階から収穫迄、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0~7.0である条件で育苗されたものも、ケールの苗に含まれる。さらには、播種(種まき)の間隔、すなわち、ケールの苗Pの間隔が75mm未満であるもの、播種(種まき)の密度、すなわち、ケールの苗の株密度が170~2500株/m2であるものも含まれる。
【0011】
[ケールの栽培方法]
以下、ケールの栽培方法について説明する。
ケールの栽培方法は、隣り合うケールの苗同士の間に間隔をあけて、ケールの苗に光を照射してケールの苗を栽培する栽培方法である。ケールの栽培方法は、明期と、明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有し、暗期は、明期よりも温度が低く、光は白色光であり、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0~7.0である。これにより、ケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多く、さらには栄養素を多くできる。
【0012】
本明細書において、「明期」とは、光合成が可能な程度の光強度条件下に植物が置かれる継続した期間を意味する。ここで、光合成が可能な程度の光強度条件としては、光強度(光合成光量子束密度)が、約100~1500μmol/(ms)の範囲にあることを例示できる。
また、「暗期」とは、自然条件下の夜に相当する期間であり、本明細書においては、明期以外の期間を意味する。具体的には、通常、光強度が0μmol/(ms)の条件下に植物が置かれる継続した期間を「暗期」とするが、例えば、ハウス内で栽培を行う場合には、月の影響等を考慮し、光強度が5μmol/(ms)以下の条件下に植物が置かれる継続した期間を「暗期」として例示できる。
「栽培サイクル」は、連続する1回の明期と1回の暗期とを繰り返し単位として、上述の繰り返し単位が繰り返されることをいう。
なお、連続する1回の明期と1回の暗期との合計は、本明細書において特に断りのない場合、24時間である。この場合、繰り返し単位は24時間である。例えば、24時間のうち、明期が16時間、暗期が8時間である。24時間が1日に対応する。
【0013】
ここで、図1は本発明の実施形態のケールの栽培方法に用いられる栽培容器の一例を示す模式的平面図であり、図2は本発明の実施形態のケールの栽培方法に用いられる栽培容器の一例を示す模式的側面図である。
ケールは、例えば、図1に示す栽培容器10を用いた水耕栽培方式により栽培される。
図1に示す栽培容器10の表面11に、複数のケールの苗Pが、隣り合うケールの苗P同士の間に間隔をあけて配置される。図1では、例えば、合計25個のケールの苗Pが配置されている。なお、栽培容器10のことをパネルともいう。例えば、栽培容器10の表面11の形状は四角形である。
ケールの苗Pは、直交するX方向及びY方向において等間隔に配置されており、パネル表面を方形格子状に区画した際の正方形の頂点に位置するように、ケールの苗Pが配置されている。図1では、ケールの苗Pは、X方向の間隔Dxと、Y方向の間隔Dyとが同じである。ケールの苗Pの間隔については、間隔DxとDyが異なる場合、これらの間隔のうち、最小の間隔を、ケールの苗Pの間隔とする。
なお、ケールの苗Pの間隔とは、隣接するケールの苗Pの、地際での主軸間の距離のことである。
【0014】
上述のケールの苗Pの間隔である間隔Dx及び間隔Dyのうち、いずれかが75mm未満であること好ましく、間隔Dx及び間隔Dyが75mm未満であることがより好ましい。
ケールの苗Pの間隔(株間)を広くとると、1株毎の重量が重くなるが、1パネル(栽培容器10)当たりのケールの株が少なくなるため1パネル(栽培容器10)における株全体の重量が軽くなる。すなわち、ケールの栽培面積当たりの収穫量が少なくなり、生産性が低くなる。
反対に、ケールの苗Pの間隔を狭くすると、ケール1株の重量は軽くなるが、1パネル当たりのケールの総重量は増える。すなわち、ケールの栽培面積当たりの収穫量が多くなり、生産性が高まる。このため、ケールの苗Pの間隔が75mm未満であることが好ましい。
なお、ケールの苗の間隔が狭くなり過ぎると、成長したケールにおいて軸の割合が増え、見た目も悪く、商品性が落ちるため、ケールの苗の間隔の下限は20mmであることが好ましい。ケールの苗の間隔は、より好ましくは30mm~70mmである。
【0015】
また、ケールの苗の株密度は、170~2500株/m2であることが好ましい。ケールの苗の株密度が200~1100株/m2であれば、1株毎の重量が重く、かつ1パネル当たりの生産性も維持される。ケールの苗の株密度は、ケールの苗の配置密度を表すものである。
ケールの株密度は、例えば、「株密度=栽培面の株数/栽培面の面積」の式により算出することができる。ここでいう栽培面は、ケールの苗が置かれた栽培容器10の表面11上の、ケールの苗の全部が収まる最小の正方形又は長方形の領域を意味する。
【0016】
図2に示すように、栽培容器10の表面11の上方に、白色光を出射する光源20が配置されている。
上述のケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0~7.0である。すなわち、光量子束密度(μmol/(m2s))/ケールの苗の間隔(mm)が2.0~7.0である。ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が3.0~7.0であることが好ましい。これにより、ケールの1株当たりの重量をより重く、かつ栽培面積当たりの収穫量をより多くでき、さらには、ビタミンCの量、及びBrixの値等の栄養素を多くできる。
ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0が未満では、ケールの1株当たりの重量が重くなるが、栽培面積当たりのケールの収穫量が少なくなる。また、ケールの1つの苗(1株)当たりの光量子束密度は大きいが、ビタミンCの量が少なく、Brixの値が低く、硝酸イオンの量が多くなる。
ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が7.0を超えると、栽培面積たりのケールの総重量は重いが、ケールの1株当たりの重量が軽くなる。また、ケールの1つの苗(1株)当たりの光量子束密度が小さく、ビタミンCの量が少なく、Brixの値が低く、硝酸イオンの量が多くなる。
【0017】
ケールの苗に照射する白色光は、特に限定されるものではなく、太陽光等の自然光でもよく、人工光でもよい。例えば、太陽光の光合成光量子束密度は1000μmol/(m2s)以上あるが、人工光は100~500μmol/(m2s)程度である。
光源20は、例えば、無機又は有機のLED(Light Emitting Diode)、又はレーザー等の半導体発光素子、蛍光灯、水銀灯、希ガスランプ、無電極ランプ等の放電管、白熱灯等のフィラメント発光機、放射光又は蛍光等のエネルギー遷移によるもの等、白色光を出射する装置を利用可能である。なお、光源20は、照射範囲を変えるための機構を有する構成でもよい。光源20に、太陽光以外の白色LEDを用いた場合、白色光は人工光である。
【0018】
上述のように、栽培方法では、明期と、明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有する。
人工光では、効率の高いLEDを光源に用いて照明するが、光エネルギーをたくさん照射するために、1日の照射時間を長くする。
太陽は年間を通すと平均照射時間/日は12h/日であるが、人工光の植物工場では16h~20h程度照射し、24h照射も可能ではあるが、光を照射していない期間、すなわち、夜(暗期)がないとケールの作物形態が変わったり、ケールに欠陥等の障害が発生する。
ここで、人工光の積算光エネルギーは、太陽光の積算光エネルギーよりかなり低い。しかしながら、人工光は、積算光エネルギーが低いため、柔らかくて食感が良くなるという利点もある。このため、人工光の場合、照射時間が8~23時間/日であることが好ましく、照射時間は16時間であることがより好ましい。
【0019】
光が照射されている期間(明期)と、光が照射されていない期間(暗期)とでは、光が照射されていない期間(暗期)の温度を、光が照射されている期間(明期)の温度よりも低くする。これにより、収穫したケールの栄養素として、例えば、ビタミンCが増加し、また、Brixの値も高くなる。このようにして、栄養素が多いケールを得ることができる。
ビタミンCは抗酸化物質である。暗期の温度を、光が照射されている明期の温度よりも低くすることにより、暗期においてストレスがかかるため、ビタミンCが増えると考えられる。
【0020】
Brixの値は、糖度を表すものである。Brixの値は、糖用屈折計を用いて常温で測定された造粒液の屈折率を、温度補正表を用いて、20℃における純ショ糖溶液の質量/質量%に換算した値である。Brixの値は、Brixメーターを用いて測定される。
上述のように、暗期の温度を、光が照射されている明期の温度よりも低くすることにより、暗期において糖の消費が少なくなり、Brixの値が高くなると考えられる。
また、上述のようにストレスがかかることにより、肥料(養液)の吸収が低下する。これにより、収穫したケールでは、硝酸イオンの含有量の増加が抑制される。なお、硝酸イオンは、「苦味」又は「えぐ味」を生じさせるものである。硝酸イオンの含有量が多いと「苦味」又は「えぐ味」を強く感じやすくなる。
【0021】
暗期を明期よりも温度を低くしているが、暗期が明期よりも温度が低いとは、明期と暗期との温度差が2℃以上あることをいう。明期と暗期との温度差は、3℃以上がさらに好ましく、4℃以上がよりさらに好ましく、栄養素が増える観点で5℃以上が最も好ましい。また、明期と暗期との温度差の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、20℃である。
暗期の温度と明期の温度とは、室内栽培であれば、室内の温度である。路地栽培であれば、外気温である。いずれも温度計で測定できる。
暗期を明期よりも温度を低くする方法としては、例えば、栽培室の空調の設定温度を低くすることが挙げられる。
【0022】
ケールの苗Pの配置パターンは、上述の図1に示す正方形に限定されるものではなく、三角形、正方形以外の四角形、五角形、及び六角形等の多角形状でもよい。なお、ケールの苗Pの間隔は、方向により間隔が異なる場合、間隔のうち、最小の間隔を、ケールの苗Pの間隔とする。
【0023】
[栽培容器の一例]
栽培容器10は、ケールの苗Pの水耕栽培方式による栽培に用いられるものである。具体的には、図3に示す栽培容器10の内部に、ケールの苗Pの育成に必要な養分を含有する養液L(液体肥料)が溜められている。
ケールの苗Pは、栽培容器10内の養液Lに、ケールの苗Pの根が浸った状態で栽培容器10に入れられて保持される。すなわち、ケールの苗Pは栽培容器10に定植され、その後、収穫される迄、栽培容器10にて育成される。ケールの苗Pの間隔は、ケールの苗Pが栽培容器10に定植された時点における間隔である。なお、図3ではケールの苗Pを1つしか示していないが、図1に示すように栽培容器10には、合計25個のケールの苗Pが間隔をあけて配置されている。
【0024】
養液Lは、水等の溶媒に各種の養分を添加して溶解させ、育成対象の植物の種類に応じて各成分の濃度等が調整されたものである。養液L中の成分としては、窒素(具体的には、アンモニア性窒素、又は硝酸性窒素)、リン酸(P)、加里(KO)、石灰(CaO)、苦土(MgO)、マンガン(MnO)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びモリブデン(Mo)等が挙げられる。
【0025】
図3に示すように、栽培容器10内の養液Lにケールの苗Pの根が浸り、かつケールの苗Pの葉茎部分が栽培容器10の外側に出た状態のケールの苗Pを栽培容器10にて育成させる。以下では、栽培容器10内の養液Lにケールの苗Pの根が浸った状態でケールの苗Pを栽培容器10にて育成させる期間が、ケールの苗の育成期間である。
なお、ケールの苗Pの育成期間中、ケールの苗Pが配置された栽培容器10を、駆動装置(図示せず)によって回転又は揺動させてもよい。これにより、栽培容器10内の養液Lに流れが生じて養液Lが攪拌されるために、栽培容器内において根周辺での養液の濃度低下を抑えることができるので、ケールの苗Pが根から養液L中の養分を適切に吸収するため、ケールの苗Pを良好に育成させることができる。
また、ケールの栽培では、養液の濃度が一定になるように制御することが好ましい。養液の濃度の制御については後に説明する。
【0026】
栽培容器10は、例えば、図3に示すように略箱型の栽培容器であり、底壁10a、側壁10b及び天井壁10cを有する。天井壁10cの表面が、栽培容器10の表面11である。栽培容器10の内部は、これらの壁によって囲まれて閉空間となっている。この閉空間内に養液Lが所定量溜められており、厳密には栽培容器10内で滞留している。ここで、養液Lが栽培容器10内で滞留しているとは、栽培容器10内で養液Lを循環させずに留めておくことを意味する。なお、栽培容器10内の養液Lがケールの苗Pに吸収される分、及び、栽培容器10から自然に蒸発する分については許容することとする。
以上のように、栽培容器10内において養液Lが溜められる空間が閉空間となっていることで、養液Lへの光の照射に起因する藻の発生を良好に抑えることができる。
【0027】
栽培容器10の上部には、図3に示すように矩形状の開口12が設けられている。開口12は、天井壁10cに穿設された貫通孔の上端に位置し、栽培容器10の内部空間と栽培容器10の外側、すなわち、大気とを連通させる。図3では、開口12を1つしか図示していないが、栽培容器10には開口12が複数設けられている。
【0028】
栽培容器10の形状については、図3に図示の形状に限定されず、例えば、フラスコのようなボトル形状であってもよい。栽培容器10のサイズについても、特に限定されるものではないが、運搬可能なサイズであることが好ましい。栽培容器10の構造についても、特に限定されず、天井壁10cがそれ以外の部分から分離可能な構造でもよく、天井壁10cとそれ以外の部分とが一体化した構造でもよい。また、開口12の形状及び個数についても特に限定されるものではなく、円形の開口12でもよい。
【0029】
栽培容器10の材料についても、特に限定されるものではないが、養液Lへの光の照射に起因する藻の発生を抑える目的から、可視光に対する透過率が10%以下である材料からなる栽培容器10を用いて、ケールの苗Pを育成することが好ましい。
栽培容器10の材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMMA)、及びポリエチレンテレフタラート(PET)等のプラスチックが好ましい。
透過率は、公知の測定方法、例えば、積分球付きの分光光度計を用いた測定方法によって測定可能であり、具体的には、積分球の開口に測定対象の材料を配置し、測定光を開口から積分球内に入射させ、球内にて直進又は散乱した光を検出することで透過率を測定することができる。
【0030】
栽培容器10の表面色についても、特に限定されるものではないが、栽培容器10にて光を反射させてケールの苗Pの葉茎部分に効果的に光を照射する目的から、白色等のように光に対する反射能が比較的高い色が好ましい。また、透過率を下げることを優先する場合には、栽培容器10の表面色を黒、青、赤、緑及び黄色等とすること好ましく、栽培容器10の表面に対して、染料又は顔料によって光を吸収する加工がなされることが好ましい。
【0031】
栽培容器10の上部には前述の開口12が設けられており、ケールの苗Pの根が開口12から栽培容器10の内部に入り込んで栽培容器10内の養液Lに浸かっている。ケールの苗Pの葉茎部分は、開口12から栽培容器10の外側に出て露出している。
【0032】
より詳しく説明すると、ケールの苗Pは、ウレタン、ロックウール又はスポンジ等からなる培地14によって保持されている。培地14は、保持部材に相当し、ケールの苗Pを保持する。培地14は、小鉢型のフィルム体からなるカップ部16内に収容されている。カップ部16の底には比較的大きな孔が形成されており、培地14の下面が露出している。ケールの苗Pの根は、図3に示すように、露出した培地14の下面から突出して延びている。他方、ケールの苗Pの茎の基部(根に近い部分)が培地14内に埋まっており、培地14の上面の上方で、ケールの苗Pの葉茎部分が展開している。このような状態でケールの苗Pが培地14に保持されている。
【0033】
カップ部16は、図3に示すように栽培容器10の開口12に上方から嵌り込んでいる。これにより、カップ部16に収容された培地14が栽培容器10に取り付けられている。かかる状態では、培地14の下端が、栽培容器10内の養液Lの液面よりも下方に位置するようになり、培地14の下面から突出したケールの苗Pの根が栽培容器10内の養液Lが浸っている。また、培地14の上面よりも上側にある、ケールの苗Pの葉茎部分は、開口12から栽培容器10の外側に出ている。
【0034】
栽培容器10は、図1に示すように、複数のケールの苗Pが間隔をあけて配置される。
図3に示すように、栽培容器10では、ケールの苗Pを一個体、育成するに当たり、一個のカップ部16が用いられる。ここで、「個体」とは、ケールの苗Pの個数を表す単位であり、一個体とは、ケールの苗Pの1株に相当する。なお、1個のカップ部16を用いて栽培されるケールの苗Pは、1株であってもよく、2株以上であってもよい。なお、1個のカップ部16に、ケールの苗Pが2株以上ある場合でも、本発明では、1株として扱う。
【0035】
<栽培条件等>
水耕栽培方式では、栽培容器10に供給する養液の液温が10℃以上30℃以下であることが好ましく、18℃以上28℃以下が好ましく、20℃以上23℃以下がより好ましい。上述の液温内であれば、植物の根部の栄養吸収に障害が起き、生育が大幅に悪くなることを防止することができる。
養液の制御は、養液の電気伝導度(EC;Electric Conductivity)による濃度制御が一般的であり、養液の電気伝導度を養液濃度の目安として使用する。養液の電気伝導度(EC)が高すぎる場合は栄養過剰による形態異常や、根域の浸透圧ストレスによる生育量低下を引き起こすことがある。養液の電気伝導度(EC)は1.3dS/m以上2.8dS/m以下であることが好ましく、1.5dS/m以上2.0dS/m以下であることがより好ましい。また、ケールの成長促進の点から、溶液のpHを5.5以上6.5以下で栽培することが好ましい。
養液の電気伝導度の制御方法としては、例えば、養液の電気伝導度(EC)を測定して、測定値が電気伝導度(EC)の目標値を0.1下回ったら濃度の濃い養液(液体肥料)を目標値になるまで加え、測定値が電気伝導度(EC)の目標値を0.1上回ったら水を目標値になるまで加えた。
【0036】
水耕栽培方式を、ビニールハウス等の室内で行う場合、室内温度は、一般的な植物の水耕栽培方式を行う温度であり、10℃以上30℃以下が好ましく、15℃以上25℃以下がより好ましく、20℃以上23℃以下がさらに好ましい。
室内の相対湿度は一般的な植物の水耕栽培方式を行う相対湿度であり、40%以上90%以下が好ましく、50%以上80%以下がより好ましく、65%以上75%以下がさらに好ましい。
【0037】
植物群落内の相対湿度は密植されていない状態では、上述のように65%以上75%以下に調整することが好ましい。一方、植物が成長してくると密植状態になるため植物群落内の相対湿度が非常に高くなる。そのため、植物群落内の相対湿度は、好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上80%以下、さらに好ましくは65%以上75%以下に維持する。
【0038】
植物の成長を促進するために、炭酸ガス濃度を高めることも好適に用いられる。炭酸ガス濃度は経済性及び生育への好影響の観点から、400体積ppm以上1600体積ppm以下が好ましい。より好ましくは600体積ppm以上1400体積ppm以下であり、さらに好ましくは700体積ppm以上1300体積ppm以下である。低すぎる場合は栄養不足による生育量低下を引き起こすことがある。
なお、ケールの栽培方法は、上述の水耕栽培方式に限定されるものではなく、他の栽培方法でもよく、路地栽培でもよい。上述のように養液の濃度を制御するためには、水耕栽培方式であることが好ましい。
また、栽培条件としては、上述のように明期と、明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有し、暗期は、明期よりも温度を低くする。
【0039】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のケールの栽培方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
【実施例
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の例に示す材料、試薬、物質量とその割合、及び、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の例に限定されるものではない。
【0041】
以下、本発明のケールの栽培方法ついて、より具体的に説明する。
以下の条件で育苗したグリーンケールの苗に対して光照射を行い、水耕栽培方式にて栽培した。
グリーンケール(中原採種場株式会社)種子を市販の水耕栽培方式用ウレタンスポンジに一穴1粒で播種し、1日間の暗期処理後に光強度140μmol/(m2s)の白色蛍光灯下において日照16時間/日で播種から15日間育苗を行った。養液は播種後3日目から水で潅水し、播種後7日目からは大塚A処方(葉菜類用栽培養液、OATアグリオ株式会社)から調製したEC=1.5dS/m、pH=6.0で潅水した。
【0042】
[実施例1]
上述の方法で播種から15日間かけて育苗したグリーンケール(中原採種場株式会社)の苗を、栽培容器(パネル)に定植し、播種後31日間(定植後16日間)栽培した。
なお、パネルのサイズを1200mm×600mmとした。
栽培は、室内で行い、明期の温度を22℃、暗期の温度を17℃とし、相対湿度は70%、炭酸ガス濃度は1000体積ppmに設定した。また、養液は養液循環装置により制御し、EC=1.5dS/m、pH=6.0、養液温22℃に設定し、ケールの苗の間隔を94mmとして、72株定植した。この場合、ケールの苗の株密度は100株/m2である。
なお、パネルのサイズ1200mm×600mmで、上述のように、株間隔94mmの場合、(1200/94)=12(切り捨て)、(600/94)=6(切り捨て)である。12×6/(1/(1.2×0.6))=100株/m2である。
定植後、以下の条件で光照射を行った。
光源に、白色光源(人工光)として菱電商事株式会社製PGL-NE-200NWBを用いた。
光の光量子束密度を250μmol/(m2s)とした。光量子束密度は、LI-COR製光量子計LI-250Aを用いて測定した。
また、栽培サイクルとしては、24時間を1サイクルとし、明期を18時間、暗期を8時間とした。
【0043】
実施例1では、定植後16日目の収穫サイズに達したケールを収穫し、1パネル当たりのケールの総重量を測定した。また、1つのパネルのケールの株数で、1パネル当たりのケールの総重量を除して、1株当たりのケールの重量を求めた。
また、実施例1では、収穫したケールのビタミンCの含有量を求めた。収穫したケールのビタミンCの含有量は、RQフレックス(メルク株式会社製)を用いて測定した。
また、実施例1では、収穫したケールのBrixの値を求めた。収穫したケールのBrixの値は、Brixメーターを用いて測定した。
また、実施例1では、収穫したケールの硝酸イオンの含有量を求めた。硝酸イオンは、上述のように「苦味」又は「えぐ味」を生じさせるものである。収穫したケールの硝酸イオンの含有量は、RQフレックス(メルク株式会社製)を用いて測定した。
【0044】
[実施例2]
実施例2は、実施例1に比して、ケールの苗の間隔を64mmとした以外は、実施例1と同じとした。実施例2は、ケールの苗の株密度は225株/m2である。
なお、パネルのサイズ1200mm×600mmで、上述のように、株間隔64mmの場合、(1200/64)=18(切り捨て)、(600/64)=9(切り捨て)である。18×9/(1/(1.2×0.6))=225株/m2である。
[実施例3]
実施例3は、実施例1に比して、光量子束密度を150μmol/(m2s)とし、ケールの苗の間隔を64mmとした以外は、実施例1と同じとした。実施例3は、ケールの苗の株密度は225株/m2である。
[実施例4]
実施例4は、実施例2に比して、養液の濃度を制御していないこと以外は、実施例2と同じとした。実施例4は、ケールの苗の株密度は225株/m2である。
実施例4では、養液を養液循環装置により制御せず、栽培当初の養液のままでケールを栽培した。
【0045】
[比較例1]
比較例1は、実施例1に比して、ケールの苗の間隔を150mmとした以外は、実施例1と同じとした。比較例1は、ケールの苗の株密度は44株/m2である。
なお、パネルのサイズ1200mm×600mmで、上述のように、株間隔150mmの場合、(1200/94)×(600/94)×(1/(1.2×0.6))=44株/m2(切り捨て)である。
[比較例2]
比較例2は、比較例1に比して、ケールの苗の間隔を20mmとした以外は、比較例1と同じとした。比較例2は、ケールの苗の株密度は2500株/m2である。
なお、パネルのサイズ1200mm×600mmで、上述のように、株間隔20mmの場合、(1200/20)60、(600/20)=30である。60×30/(1/(1.2×0.6))=2500株/m2である。
[比較例3]
比較例3は、比較例1に比して、光量子束密度を150μmol/(m2s)とした以外は、比較例1と同じとした。比較例3は、ケールの苗の株密度は44株/m2である。
【0046】
[比較例4]
比較例4は、比較例1に比して、光量子束密度を150μmol/(m2s)とし、ケールの苗の間隔を94mmとした以外は、比較例1と同じとした。比較例4は、ケールの苗の株密度は100株/m2である。
[比較例5]
比較例5は、比較例1に比して、光量子束密度を150μmol/(m2s)とし、ケールの苗の間隔を20mmとした以外は、比較例1と同じとした。比較例5は、ケールの苗の株密度は2500株/m2である。
【0047】
[比較例6]
比較例6は、実施例2に比して、暗期の温度を明期の温度と同じ22℃とした以外は、実施例2と同じとした。比較例6は、ケールの苗の間隔が64mmであり、ケールの苗の株密度は225株/m2である。
[比較例7]
比較例7は、実施例3に比して、暗期の温度を明期の温度と同じ22℃とした以外は、実施例3と同じとした。比較例7は、ケールの苗の間隔が64mmであり、ケールの苗の株密度は225株/m2である。
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示す実施例1~実施例4は、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0~7.0を満たす。このため、1パネル当たりのケールの総重量が増え、すなわち、栽培面積当たりの収穫量が多く、かつケールの1株当たりの重量も重かった。また、実施例1~実施例4は、比較例1~比較例7に比して、収穫したケールのビタミンCの含有量が多く、Brixの値が高く、硝酸イオンの含有量が少なかった。このことから、実施例1~実施例4は栄養素が多いケールを栽培できた。
比較例1、比較例3及び比較例4は、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が2.0未満である。ケールの1株当たりの重量が重いが、1パネル当たりのケールの総重量が軽かった。すなわち、栽培面積当たりの収穫量が少なかった。
比較例2及び比較例5は、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が7.0を超える。1パネル当たりのケールの総重量は重いが、ケールの1株当たりの重量が軽かった。
比較例6及び比較例7は、暗期の温度が明期の温度と同じであるため、比較例6、実施例2に比して、比較例7は実施例3に比して、ビタミンCの含有量が少なく、Brixの値が低く、硝酸イオンの含有量が多かった。
比較例1~比較例7では、ケールの苗の間隔(mm)が同じであれば、暗い(光の光量子束密度(μmol/(m2s))が小さい)方が、Brixの値が低くなる傾向にあった。
【符号の説明】
【0050】
10 栽培容器
10a 底壁
10b 側壁
10c 天井壁
11 表面
12 開口
14 培地
16 カップ部
20 光源
Dx、Dy 間隔
L 養液
P 苗
【要約】
【課題】ケールの1株当たりの重量が重く、かつ栽培面積当たりの収穫量が多く、栄養素が多いケールの栽培方法を提供する。
【解決手段】隣り合うケールの苗同士の間に間隔をあけて、ケールの苗に光を照射してケールの苗を栽培する、ケールの栽培方法である。ケールの栽培方法は、明期と、明期よりも暗い暗期とを備える栽培サイクルを有し、暗期は、明期よりも温度が低く、光は、白色光であり、ケールの苗の間隔(mm)に対する、光の光量子束密度(μmol/(m2s))の比が、2.0~7.0である。
【選択図】図2
図1
図2
図3