(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-15
(45)【発行日】2022-12-23
(54)【発明の名称】ロープ及びそれを用いたベルト
(51)【国際特許分類】
D07B 1/02 20060101AFI20221216BHJP
D07B 1/06 20060101ALI20221216BHJP
【FI】
D07B1/02
D07B1/06 Z
(21)【出願番号】P 2022536597
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2022006345
【審査請求日】2022-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】内藤 晋也
(72)【発明者】
【氏名】野口 豊弘
(72)【発明者】
【氏名】安富 淳哉
(72)【発明者】
【氏名】位田 紘一
【審査官】鈴木 祐里絵
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-012967(JP,A)
【文献】特表2021-500490(JP,A)
【文献】特開2017-214661(JP,A)
【文献】特開2010-202404(JP,A)
【文献】国際公開第2017/138228(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/143249(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B7/00-7/12
11/04-11/08
D02G1/00-3/48
D02J1/00-13/00
D07B1/00-9/00
H01B7/00-7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心綱、及び
前記心綱の外周に撚り合わせられている複数本の鋼製ストランド
を備え、
前記心綱は、
心綱ストランドを有しており、
前記心綱ストランドは、複数本のヤーンを撚り合わせて構成されており、
各前記ヤーンは、複数本の繊維フィラメントの集合体であり、
前記複数本の繊維フィラメントの全て又は一部は、芯鞘構造繊維フィラメント
であり、
前記芯鞘構造繊維フィラメントは、フィラメント芯と、前記フィラメント芯の外周を覆っている鞘体とを有しており、
前記フィラメント芯は、第1材料により構成され、
前記鞘体は、前記第1材料とは異なる第2材料により構成されており、
前記第1材料の弾性率は、前記第2材料の弾性率よりも高く、
前記第2材料の耐摩耗性は、前記第1材料の耐摩耗性よりも高いロープ。
【請求項2】
前記第1材料は、ポリアリレート樹脂である請求項
1記載のロープ。
【請求項3】
前記第2材料は、ポリエステル樹脂である請求項1
又は請求項
2に記載のロープ。
【請求項4】
互いに間隔をおいて配置されている複数本のロープ、及び
前記複数本のロープを覆っているロープ被覆体
を備え、
前記複数本のロープのうちの少なくともいずれか1本は、請求項1から請求項
3までのいずれか1項に記載のロープであるベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロープ及びそれを用いたベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のハイブリッドロープでは、高強度合成繊維心の外周に、複数本の側ストランドが撚り合わせられている。高強度合成繊維心は、高強度合成繊維ロープを有している。高強度合成繊維ロープは、複数本の高強度合成繊維束を有している。各高強度合成繊維束は、複数本の高強度合成繊維フィラメントからなっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のハイブリッドロープでは、高強度合成繊維心が経年的に繰り返し曲げ伸ばしされると、複数の高強度合成繊維フィラメント同士が繰り返し擦られる。これにより、複数の高強度合成繊維フィラメントが摩耗したり破断したりして、高強度合成繊維心の強度が低下する。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、心綱の経年的な強度低下を抑制することができるロープ及びそれを用いたベルトを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るロープは、心綱、及び心綱の外周に撚り合わせられている複数本の鋼製ストランドを備え、心綱は、芯鞘構造繊維フィラメントを含んでおり、芯鞘構造繊維フィラメントは、フィラメント芯と、フィラメント芯の外周を覆っている鞘体とを有しており、フィラメント芯は、第1材料により構成され、鞘体は、第1材料とは異なる第2材料により構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、心綱の経年的な強度低下を抑制することができるロープ及びそれを用いたベルトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1によるエレベーターを示す側面図である。
【
図3】
図2の心綱ストランドに含まれている芯鞘構造繊維フィラメントの断面図である。
【
図4】実施の形態1の主ロープの第1変形例を示す断面図である。
【
図5】実施の形態1の主ロープの第2変形例を示す断面図である。
【
図6】実施の形態2による主ロープの断面図である。
【
図7】実施の形態3による主ロープの断面図である。
【
図8】実施の形態4による主ロープの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベーターを示す側面図である。
図1において、昇降路1の上には、機械室2が設けられている。機械室2には、巻上機3及びそらせ車6が設置されている。
【0010】
巻上機3は、巻上機本体4と、駆動シーブ5とを有している。巻上機本体4は、図示しない巻上機モータと、図示しない巻上機ブレーキとを有している。巻上機モータは、駆動シーブ5を回転させる。巻上機ブレーキは、駆動シーブ5の静止状態を保持する。また、巻上機ブレーキは、駆動シーブ5の回転を制動する。
【0011】
駆動シーブ5及びそらせ車6には、複数本の主ロープ7が巻き掛けられている。複数本の主ロープ7は、それぞれエレベーターロープである。
【0012】
かご8及び釣合おもり9は、複数本の主ロープ7によって昇降路1内に吊り下げられている。また、かご8及び釣合おもり9は、駆動シーブ5を回転させることによって、昇降路1内を昇降する。
【0013】
昇降路1内には、一対のかごガイドレール10と、一対の釣合おもりガイドレール11とが設置されている。
図1では、片側のかごガイドレール10、及び片側の釣合おもりガイドレール11のみが示されている。
【0014】
一対のかごガイドレール10は、かご8の昇降を案内する。一対の釣合おもりガイドレール11は、釣合おもり9の昇降を案内する。
【0015】
かご8は、かご枠12及びかご室13を有している。かご枠12には、複数本の主ロープ7が接続されている。かご室13は、かご枠12に支持されている。
【0016】
図2は、
図1の主ロープ7の断面図であり、主ロープ7の長さ方向に直角な断面を示している。実施の形態1の主ロープ7は、JIS G 3525に準拠する8×S(19)タイプのロープである。
【0017】
主ロープ7は、心綱21と、複数本の鋼製ストランド22とを有している。この例では、8本の鋼製ストランド22が心綱21の外周に撚り合わせられている。
【0018】
心綱21は、主ロープ7の長さ方向に直角な断面における中心に配置されている。また、心綱21は、複数本の心綱ストランド23が互いに撚り合わせられて構成されている。この例では、3本の心綱ストランド23が用いられている。即ち、実施の形態1の心綱21は、いわゆる三つ打ちロープである。心綱21には、グリース又は油がしみ込ませられていてもよい。
【0019】
各鋼製ストランド22は、複数本の鋼製素線を有している。複数本の鋼製素線には、中心素線24と、複数本の中間素線25と、複数本の外層素線26とが含まれている。
【0020】
中心素線24は、鋼製ストランド22の長さ方向に直角な断面における中心に配置されている。複数本の中間素線25は、中心素線24の外周に撚り合わせられている。この例では、9本の中間素線25が用いられている。
【0021】
複数本の外層素線26は、複数本の中間素線25からなる中間層の外周に撚り合わせられている。この例では、9本の外層素線26が用いられている。即ち、各鋼製ストランド22において、中間素線25の本数と外層素線26の本数とは同じである。
【0022】
各外層素線26の直径は、中心素線24の直径よりも小さい。各中間素線25の直径は、各外層素線26直径よりも小さい。
【0023】
なお、主ロープ7にかご8及び釣合おもり9の荷重が実際に作用した場合、各鋼製ストランド22は、心綱21の外周に押し当てられる。
【0024】
ここで、各心綱ストランド23は、複数本のヤーンを撚り合わせて構成されている。各ヤーンは、複数本の繊維フィラメントの集合体である。複数本の繊維フィラメントの全ては、
図3に示すような芯鞘構造繊維フィラメント30である。即ち、実施の形態1の心綱21は、複数本の芯鞘構造繊維フィラメント30を含んでいる。
【0025】
なお、心綱21に含まれている全ての繊維フィラメントのうちの一部のみを、芯鞘構造繊維フィラメント30としてもよい。
【0026】
図3は、芯鞘構造繊維フィラメント30の長さ方向に直角な断面を示している。
図3において、芯鞘構造繊維フィラメント30は、フィラメント芯31と、筒状の鞘体32とを有している。鞘体32は、フィラメント芯31の外周を覆っている。
【0027】
フィラメント芯31は、第1材料により構成されている。鞘体32は、第2材料により構成されている。第2材料は、第1材料とは異なる材料である。
【0028】
第1材料の弾性率は、第2材料の弾性率よりも高い。第1材料の引張強度は、第2材料の引張強度よりも高い。第2材料の耐摩耗性は、第1材料の耐摩耗性よりも高い。第1材料は、例えばポリアリレート樹脂である。第2材料は、例えばポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂としては、特にポリエチレンテレフタラートが好ましい。
【0029】
また、芯鞘構造繊維フィラメント30の径は、数μm以上、数百μm以下である。また、互いに径が異なる複数種類の芯鞘構造繊維フィラメント30が使用されてもよい。
【0030】
このような主ロープ7では、心綱21に複数本の芯鞘構造繊維フィラメント30が含まれている。各芯鞘構造繊維フィラメント30において、フィラメント芯31は第1材料により構成され、鞘体32は第2材料により構成されている。
【0031】
このため、フィラメント芯31に適した第1材料と、鞘体32に適した第2材料とをそれぞれ選択することができ、心綱21の経年的な強度低下を抑制することができる。これにより、長期に渡って、心綱21が受ける荷重の低下を抑制することができる。
【0032】
また、第1材料の弾性率は、第2材料の弾性率よりも高い。このため、フィラメント芯31により荷重を十分に支持することができる。
【0033】
また、第2材料の耐摩耗性は、第1材料の耐摩耗性よりも高い。このため、主ロープ7が繰り返し曲げ伸ばしされても、各芯鞘構造繊維フィラメント30の摩耗及び破断をより確実に抑制することができる。
【0034】
また、第1材料としてポリアリレート樹脂を用いることにより、フィラメント芯31によって荷重をより確実に支持することができる。
【0035】
また、第2材料としてポリエステル樹脂を用いることにより、各芯鞘構造繊維フィラメント30の耐摩耗性をより確実に向上させることができる。
【0036】
また、繊維製の心綱21と複数本の鋼製ストランド22とが組み合わされているため、各主ロープ7における質量比強度を高めることができる。
【0037】
図4は、実施の形態1の主ロープ7の第1変形例を示す断面図である。第1変形例では、各鋼製ストランド22が径方向外側から圧縮されることにより、各鋼製ストランド22の長さ方向に直角な断面形状が円形にされている。即ち、各鋼製ストランド22の断面形状が異形化されている。
【0038】
このような第1変形例による主ロープ7によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0039】
なお、心綱21に含まれる心綱ストランド23の本数は、3本に限定されない。
【0040】
また、鋼製ストランド22の本数も、8本に限定されない。
【0041】
図5は、実施の形態1の主ロープ7の第2変形例を示す断面図である。第2変形例では、12本の鋼製ストランド22が用いられている。また、各鋼製ストランド22の断面形状が、第1変形例と同様に、異形化されている。
【0042】
このような第2変形例による主ロープ7によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0043】
実施の形態2.
次に、
図6は、実施の形態2による主ロープ7の断面図であり、主ロープ7の長さ方向に直角な断面を示している。実施の形態2の主ロープ7は、心綱21及び複数本の鋼製ストランド22に加えて、心綱コーティング35を有している。心綱コーティング35は、心綱21の外周を覆っている。即ち、心綱コーティング35は、心綱21と複数本の鋼製ストランド22との間に介在している。
【0044】
心綱コーティング35の材料としては、樹脂又はゴムを用いることができる。具体的には、心綱コーティング35の材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、又はポリウレタンエラストマーを用いることができる。
【0045】
また、心綱コーティング35は、ケーブル類にコーティングを設ける要領と同様の製造工程により、心綱21の外周に設けられる。即ち、心綱コーティング35は、心綱21を中心に通した押出被覆成形により、心綱21の外周に設けられる。
【0046】
実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0047】
このような主ロープ7では、心綱21の外周における隣り合う心綱ストランド23間の3箇所の隙間が、心綱コーティング35によってそれぞれ埋められている。このため、心綱21内の隙間を低減することができ、主ロープ7の不要な伸びを抑制することができる。
【0048】
また、心綱21が複数本の鋼製ストランド22と直接接触しないため、心綱21の摩耗及び損傷を抑制することができる。
【0049】
なお、
図4に示した第1変形例の主ロープ7に、心綱コーティング35が設けられてもよい。
【0050】
また、
図5に示した第2変形例の主ロープ7に、心綱コーティング35が設けられてもよい。
【0051】
実施の形態3.
次に、
図7は、実施の形態3による主ロープ7の断面図であり、主ロープ7の長さ方向に直角な断面を示している。実施の形態3の主ロープ7では、
図5に示した第2変形例における複数本の鋼製ストランド22からなる層の外周が、外層コーティング36により覆われている。
【0052】
外層コーティング36の材料としては、エラストマーが用いられている。また、エラストマーとしては、高摩擦性、耐摩耗性、及び耐加水分解性の観点から、エーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。なお、外層コーティング36は、難燃剤を含んでいてもよい。これにより、外層コーティング36を難燃化することができる。
【0053】
実施の形態3における他の構成は、第2変形例と同様である。
【0054】
このような主ロープ7では、複数本の鋼製ストランド22が駆動シーブ5と直接接触しないため、複数本の鋼製ストランド22の摩耗及び損傷を抑制することができる。
【0055】
なお、
図2に示した実施の形態1の主ロープ7に、外層コーティング36が設けられてもよい。
【0056】
また、
図4に示した第1変形例の主ロープ7に、外層コーティング36が設けられてもよい。
【0057】
また、
図6に示した実施の形態2の主ロープ7に、外層コーティング36が設けられてもよい。
【0058】
実施の形態4.
次に、
図8は、実施の形態4による主ロープ7の断面図であり、主ロープ7の長さ方向に直角な断面を示している。実施の形態4の主ロープ7では、
図5に示した第2変形例における心綱21が、19本の心綱ストランド23により構成されている。また、心綱21の外周が、心綱コーティング35により覆われている。
【0059】
実施の形態4における他の構成は、第2変形例と同様である。
【0060】
このように、心綱21は、多数の心綱ストランド23によって構成されてもよく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0061】
なお、実施の形態4の主ロープ7に、外層コーティング36が設けられてもよい。
【0062】
また、実施の形態4の心綱コーティング35は、省略されてもよい。
【0063】
実施の形態5.
次に、
図9は、実施の形態5によるベルトの断面図であり、ベルトの長さ方向に直角な断面を示している。
図9において、ベルト41は、
図1に示したエレベーターの主ロープ7の代わりに用いることができる。また、ベルト41は、複数本のロープ42と、ロープ被覆体43とを有している。
【0064】
複数本のロープ42は、ベルト41の幅方向に互いに等間隔をおいて配置されている。ベルト41の幅方向は、
図9の左右方向である。実施の形態5では、4本のロープ42が用いられている。
【0065】
各ロープ42の構成は、
図2に示した実施の形態1の主ロープ7と同様である。複数本のロープ42は、強度部材として機能する。
【0066】
ロープ被覆体43は、全てのロープ42からなる群の全体を覆っている。即ち、複数本のロープ42は、ロープ被覆体43によって一体化されている。
【0067】
ロープ被覆体43の材料としては、エラストマーが用いられている。また、エラストマーとしては、高摩擦性、耐摩耗性、及び耐加水分解性の観点から、エーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。なお、ロープ被覆体43は、難燃剤を含んでいてもよい。これにより、ロープ被覆体43を難燃化することができる。
【0068】
このようなベルト41においても、各ロープ42の心綱21の経年的な強度低下を抑制することができる。これにより、ベルト41全体として、長期に渡って強度の低下を抑制することができる。
【0069】
なお、ベルト41に含まれるロープ42の本数は、特に限定されず、3本以下でも5本以上であってもよい。
【0070】
また、ベルト41に含まれる各ロープ42の構成は、
図4に示した第1変形例、
図5に示した第2変形例、
図6に示した実施の形態2、
図7に示した実施の形態3、又は
図8に示した実施の形態4と同様であってもよい。
【0071】
また、ベルト41には、構成及び径の少なくともいずれか一方が互いに異なる複数種類のロープ42が含まれてもよい。
【0072】
また、ベルト41には、芯鞘構造繊維フィラメント30を含まないロープが含まれてもよい。即ち、ベルト41に含まれている複数本のロープ42のうち、少なくともいずれか1本に、芯鞘構造繊維フィラメント30が含まれていればよい。
【0073】
また、実施の形態1~5において、エレベーター全体のレイアウトは、
図1のレイアウトに限定されるものではない。例えば、ローピング方式は、2:1ローピング方式であってもよい。
【0074】
また、エレベーターは、機械室レスエレベーター、ダブルデッキエレベーター、ワンシャフトマルチカー方式のエレベーター等であってもよい。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
【0075】
また、ロープは、主ロープ7の他のエレベーターロープ、例えばコンペンロープ又はガバナーロープであってもよい。また、ベルトは、例えば、コンペンロープの代わりに用いられるコンペンベルト、又はガバナーロープの代わりに用いられるガバナーベルトであってもよい。
【0076】
また、ロープは、エレベーターロープに限らず、他の用途に用いられるロープ、例えば揚重装置に用いられるクレーンロープであってもよい。また、ベルトは、例えば揚重装置に用いられるクレーンベルトであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
7 主ロープ、21 心綱、22 鋼製ストランド、30 芯鞘構造繊維フィラメント、31 フィラメント芯、32 鞘体、41 ベルト、42 ロープ、43 ロープ被覆体。
【要約】
ロープは、心綱、及び複数本の鋼製ストランドを有している。複数本の鋼製ストランドは、心綱の外周に撚り合わせられている。心綱は、芯鞘構造繊維フィラメントを含んでいる。芯鞘構造繊維フィラメントは、フィラメント芯と、鞘体とを有している。鞘体は、フィラメント芯の外周を覆っている。フィラメント芯は、第1材料により構成されている。鞘体は、第2材料により構成されている。第2材料は、第1材料とは異なる材料である。