(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】歩行型除雪機
(51)【国際特許分類】
E01H 5/04 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
E01H5/04 Z
(21)【出願番号】P 2018116422
(22)【出願日】2018-06-19
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(73)【特許権者】
【識別番号】592226729
【氏名又は名称】和同産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】下山 昇吾
(72)【発明者】
【氏名】松田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】栗山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚之
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋介
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-126342(JP,U)
【文献】実開昭62-172710(JP,U)
【文献】特開2002-054114(JP,A)
【文献】特開2017-071969(JP,A)
【文献】米国特許第03466767(US,A)
【文献】実公昭47-005148(JP,Y1)
【文献】特開2008-285896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体本体と、
前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、
当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、
スノーカッティングバーと、備え、
前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、
前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、
前記オーガハウジングの側面は、下方から上方に向かうにしたがって、前方に曲がっており、
前記オーガハウジングの側面の上端部は、側面視で前記第1部分の長手方向と略直交する向きで下側の位置、かつ、前記オーガハウジングの前端部の位置に至るまで曲がっており、
前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から
下側に突出する第2支持部とを備える歩行型除雪機。
【請求項2】
帯状の平板部材を折り曲げることにより一対の前記第1部分及び前記第2部分が形成されている請求項1に記載の歩行型除雪機。
【請求項3】
前記第2支持部が、前記第1部分の下側にのみ突出する請求項1または2に記載の歩行型除雪機。
【請求項4】
機体本体と、
前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、
当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、
スノーカッティングバーと、備え、
前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、
前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、
前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から突出する第2支持部とを備えており、
前記第1部分の長手方向に長く、且つ固定部材を挿通可能な長孔が、前記第1支持部及び前記第2支持部に形成されており、前記第1部分を、その長手方向に移動させて固定できるように構成されている歩行型除雪機。
【請求項5】
機体本体と、
前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、
当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、
スノーカッティングバーと、備え、
前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、
前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、
前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から突出する第2支持部とを備えており、
前記第1部分が、前記第1支持部を支点として、前後方向に揺動可能に支持されており、前記第2支持部が前記第1部分の上側と下側に突出しており、固定部材を挿通可能な複数の孔が前記第2支持部に形成されており、固定部材を挿通させる前記孔を変更することによって、前記スノーカッティングバーの設置角度を変更することができるように構成されている歩行型除雪機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体本体と、前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、スノーカッティングバーとを備える歩行型除雪機に関する。
【背景技術】
【0002】
スノーカッティングバーとは、比較的高めに積もった雪を削ってオーガの前に落とし、これにより除雪作業の効率を高めようとするものである。この種の歩行型除雪機として、例えば特許文献1に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の歩行型除雪機では、機体本体の前後方向におけるスノーカッティングバーの前端部の位置が、オーガの位置よりも前の方に張り出していた。そのため、除雪作業の際に、機体本体前方に積もった雪の圧力をスノーカッティングバーがまともに受け易く、これによりスノーカッティングバーにおいて変形等が生じる虞があった。
【0005】
本発明は、除雪作業の効率を高めながらも、変形等の生じ難いスノーカッティングバーを備える歩行型除雪機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による歩行型除雪機は、機体本体と、前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、スノーカッティングバーと、備え、前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、前記オーガハウジングの側面は、下方から上方に向かうにしたがって、前方に曲がっており、前記オーガハウジングの側面の上端部は、側面視で前記第1部分の長手方向と略直交する向きで下側の位置、かつ、前記オーガハウジングの前端部の位置に至るまで曲がっており、前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から下側に突出する第2支持部とを備える。
【0007】
本構成によると、機体本体の前後方向におけるスノーカッティングバーの前端部の位置が、オーガの先端近傍に配置されるため、除雪作業の際、機体本体の前方に積もった雪の圧力をスノーカッティングバーだけでなく、オーガによっても受けることとなる。従って、スノーカッティングバーにかかる負荷が軽減されるため、スノーカッティングバーの変形等を防止することができる。
また、スノーカッティングバーが角ばった「コ」の字状となるため、オーガハウジングの左右幅全体に亘って、機体本体の前方に積もった雪をより効率良く削り落とすことができる。
さらに、オーガハウジングの側面でスノーカッティングバーを支持するとき、スノーカッティングバーに沿って直線的に2つの支持部を並べて設ける従来の場合と比べて、2つの支持部の間の距離を短くしながらも、スノーカッティングバーの強度を維持することができ、オーガハウジングに対するスノーカッティングバーの取り付けがし易くなる。
【0008】
【0009】
【0010】
本発明においては、帯状の平板部材を折り曲げることにより一対の前記第1部分及び前記第2部分が形成されていると好適である。
【0011】
本構成によれば、スノーカッティングバーが帯状の平板部材を折り曲げることにより形成されるため、スノーカッティングバーをより簡易な構成とすることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
本発明においては、前記第2支持部が、前記第1部分の下側にのみ突出すると好適である。
【0015】
本構成によれば、より簡易な構成で第1支持部と第2支持部とを設けることができる。
【0016】
本発明による別の歩行型除雪機は、機体本体と、前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、スノーカッティングバーと、備え、前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から突出する第2支持部とを備えており、前記第1部分の長手方向に長く、且つ固定部材を挿通可能な長孔が、前記第1支持部及び前記第2支持部に形成されており、前記第1部分を、その長手方向に移動させて固定できるように構成されている。
【0017】
本構成によれば、長孔の範囲内で、第1部分を、その長手方向に移動させて固定できるため、機体本体の前後方向におけるスノーカッティングバーの突出量を調節することができる。
【0018】
本発明による別の歩行型除雪機は、機体本体と、前記機体本体の前方に設けられ、雪を掻き集めるオーガと、当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、スノーカッティングバーと、備え、前記機体本体の前後方向における前記スノーカッティングバーの前端部の位置が、前記オーガの先端近傍に配置されており、前記スノーカッティングバーが、前記オーガハウジングの左右の側面のそれぞれに支持される第1部分と、前記第1部分における前記オーガハウジングに支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分とを有し、前記第1部分の支持部分が、前記スノーカッティングバーの後端部に設けられる第1支持部と、前記第1部分の長手方向と略直交する向きで前記第1部分から突出する第2支持部とを備えており、前記第1部分が、前記第1支持部を支点として、前後方向に揺動可能に支持されており、前記第2支持部が前記第1部分の上側と下側に突出しており、固定部材を挿通可能な複数の孔が前記第2支持部に形成されており、固定部材を挿通させる前記孔を変更することによって、前記スノーカッティングバーの設置角度を変更することができるように構成されている。
【0019】
本構成によれば、機体本体の前方に積もった雪の高さに応じて、スノーカッティングバーの設置角度を変更することできるようになるため、作業効率がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施例に係る歩行型除雪機の全体を示す側面図である。
図2は、本発明の実施例に係る歩行型除雪機の全体を示す平面図である。
図1及び
図2に示す[F]の方向が機体本体の「前側」、[B]の方向が機体本体の「後側」、[L]の方向が機体本体の「左側」、[R]の方向が機体本体の[右側]と定義する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、歩行型除雪機は、機体フレーム1に左右一対のクローラ走行装置2が装備された機体本体3を備えている。機体本体3は、後部に設けられた左右一対の操縦ハンドル4を備え、機体本体3の後方を歩行しつつ機体本体3の走行及び操向操作を行なうよう歩行型に構成されている。機体本体3の前方に除雪部10が配置されている。除雪部10の後方における機体本体3の上方にエンジン5が配置されている。エンジン5は、支持フレーム30の上部に載置された状態で支持フレーム30に支持されている。
【0023】
機体フレーム1は、左右一対の機体本体前後向きのトラックフレーム部20と、機体本体横向きの連結フレーム部21とを備えている。連結フレーム部21は、左右のトラックフレーム部20の後部を連結している。
【0024】
左右のクローラ走行装置2は、トラックフレーム部20の前端部に駆動可能に支持された駆動輪体23と、駆動輪体23よりも後方に位置する状態でトラックフレーム部20に回転可能に支持された従動輪体24と、駆動輪体23と従動輪体24とに亘って巻き掛けられたクローラベルト25と、を備えている。駆動輪体23と従動輪体24との間において、クローラベルト25に外れ止め部材26が係合作用している。外れ止め部材26は、トラックフレーム部20に支持されている。左右のクローラ走行装置2及び除雪部10は、エンジン5から駆動力が伝達されることで駆動される。
【0025】
左右一対の操縦ハンドル4は、連結フレーム部21の左右端部から上方向きに、かつ後方向きに延出されている。左右のハンドル支持フレーム部22は、板状部材によって構成されている。板状部材は、板厚方向が機体本体横幅方向となる取付姿勢で連結フレーム部21に取り付けられている。左右の操縦ハンドル4の基部4aは、ハンドル支持フレーム部22の機体横外側の側面に支持されている。左右の操縦ハンドル4は、丸パイプ部材によって構成されている。左右の操縦ハンドル4の基部4aは、外周面の一部が平坦面になった状態に押圧変形処理されている。基部4aは、平坦面がハンドル支持フレーム部22の側面に沿う状態でハンドル支持フレーム部22に連結されている。本実施例では、基部4aとハンドル支持フレーム部22とは、連結ボルトによって連結されている。基部4aとハンドル支持フレーム部22との連結手段としては、連結ボルトに限らず、溶接を採用してもよい。
【0026】
左右の操縦ハンドル4の延出端部に握り部4bが設けられている。左右の操縦ハンドル4の握り部4bは、機体本体3の前後方向に延びている。左右の操縦ハンドル4の握り部4bと基部4aとの間における部位が補強杆41によって連結されている。左右の操縦ハンドル4は、補強杆41による連結によって互いに支持し合うことで、補強し合っている。左右の操縦ハンドル4の間に操作盤42が支持されている。
【0027】
支持フレーム30は、左右のクローラ走行装置2の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zとして上下揺動可能に機体本体3に支持されている。支持フレーム30には、支持フレーム30の後部から後方向きに延出された操作アーム部31が備えられている。操作アーム部31の延出端部と、機体フレーム1とに亘って昇降駆動機構32が設けられている。昇降駆動機構32は、駆動されることで、支持フレーム30を機体フレーム1に対して上下に揺動調節し、停止されることで、支持フレーム30を調節した揺動位置に固定する。
【0028】
昇降駆動機構32を操作することで、除雪部10を機体本体3に対して昇降調節でき、除雪部10の対地高さを調節できる。除雪部10の対地高さを調節するのに、支持フレーム30が左右のクローラ走行装置2の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zにして上下揺動し、除雪部10、エンジン5及び走行ミッション(図示せず)が一体的に左右の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zにして上下揺動するので、エンジン5から除雪部10に駆動力を伝達する作業伝動系、及びエンジン5から左右のクローラ走行装置2に駆動力を伝達する走行伝動系に除雪部10の昇降を許容するための特別な融通構造を設ける必要がない。また、除雪部10の対地高さを変更しても、機体本体3の対地姿勢が変化せず、操縦ハンドル4の対地姿勢も変化しない。
【0029】
昇降駆動機構32と電源用のバッテリー6とが機体本体の横幅方向に並んでいる。昇降駆動機構32よりも後方へのバッテリー6の突出を抑制できる。また、機体本体の後方から昇降駆動機構32の点検及び修理する作業を行なうのに、バッテリー6が障害になり難い。
【0030】
図2に示すように、昇降操作スイッチ7が右の操縦ハンドル4の握り部4bの機体横内側に位置する状態で右の操縦ハンドル4に支持されている。昇降操作スイッチ7は、握り部4bを支持する手の指操作が可能な部位に位置している。具体的には、操縦ハンドル4の握り部4bよりも前側の部位にボス部71が設けられている。ボス部71から支持部材72が後方向きに延出されている。支持部材72の延出端部に昇降操作スイッチ7が支持されている。本実施例では、昇降操作スイッチ7を右の操縦ハンドル4に支持しているが、左の操縦ハンドル4に支持してもよい。
【0031】
昇降操作スイッチ7の前端側部分を押し操作することにより、昇降制御部(図示せず)が電動モータを下降側に制御し、除雪部10を下降操作できる。昇降操作スイッチ7の後端側部分を押し操作することにより、昇降制御部が電動モータを上昇側に制御し、除雪部10を上昇操作できる。昇降操作スイッチ7を押し操作している間、除雪部10がストロークエンドに到達しない限り、除雪部10が継続して上昇及び下降する。
【0032】
前照灯8は、操作盤42に設けられている。
作動油タンク9が機体本体3に支持されている。具体的には、作動油タンク9は、下側の補強杆7を介して操縦ハンドル4に支持されている。作動油タンク9とHST(図示せず)とは、給油路90によって連通されている。給油路90は、可撓性を有したホースによって形成され、可撓性を備えている。作動油タンク9に作動油を貯留しておくことにより、作動油がHSTに自動的に補給される。
【0033】
図3に示すように、歩行型除雪機は、機体本体3を走行させることで、除雪部10によって除雪作業を行なうことができる。即ち、除雪部10のオーガ13によって掻き集められた雪Sが、ブロワ14の噴出力によってシュータ15の放出口15aから放出される。
【0034】
除雪部10は、オーガハウジング11と、オーガハウジング11の後部に連結されたブロワケース12とを備え、ブロワケース12が支持フレーム30の前端部に連結されていることで、支持フレーム30に支持されている。オーガハウジング11にオーガ13が駆動回転可能に支持されている。ブロワケース12にブロワ14が駆動回転可能に内装されている。ブロワケース12からシュータ15が上方向きに突設されている。
【0035】
スノーカッティングバー16が、オーガハウジング11の左右幅全体に亘って設けられている。スノーカッティングバー16は、オーガハウジング11の左右の側面のそれぞれに支持される第1部分16aと、第1部分16aにおけるオーガハウジング11に支持された側とは反対側の端部同士を連結する第2部分16bとを有する。本実施形態におけるスノーカッティングバー16は、帯状の平板部材を折り曲げることにより一対の第1部分16a及び第2部分16bが形成されている。
【0036】
図1の一点鎖線Lに示すように、機体本体の前後方向におけるスノーカッティングバー16の前端部の位置が、オーガ13の先端近傍に配置される。本構成によって、除雪作業の際、機体本体3の前方に積もった雪Sの圧力をスノーカッティングバー16だけでなく、オーガ13によっても受けることとなる。従って、スノーカッティングバー16にかかる負荷が軽減されるため、スノーカッティングバー16の変形等を防止することができる。
【0037】
オーガハウジング11の側面に支持される、第1部分16aの支持部分が、スノーカッティングバー16の後端部に設けられる第1支持部161と、第1部分16aの長手方向と略直交する向きで第1部分16aから突出する第2支持部162とを備える。本実施形態では、第2支持部162が、第1部分16aの下側にのみ突出する。本構成によれば、オーガハウジング11の側面でスノーカッティングバー16を支持するとき、スノーカッティングバー16に沿って直線的に2つの支持部を並べて設ける従来の場合と比べて、2つの支持部の間の距離を短くしながらも、スノーカッティングバー16の強度を維持することができ、オーガハウジング11に対するスノーカッティングバー16の取り付けがし易くなる。
【0038】
〔別実施形態〕
(1)スノーカッティングバー16については上述の実施形態に限らず、
図4に示すように、第1部分16aの長手方向に長く、且つボルト等の固定部材Bを挿通可能な長孔A、A´が、第1支持部161及び第2支持部162のそれぞれに形成されており、第1部分16aを、その長手方向に移動させて固定できるように構成しても良い。本構成によれば、長孔A、A´の範囲内で、第1部分16aを、その長手方向に移動させて固定できるため、機体本体3の前後方向におけるスノーカッティングバー16の突出量を調節することができる。
【0039】
(2)スノーカッティングバー16については上述の実施形態に限らず、
図5に示すように、第1部分16aが、第1支持部161を支点として、前後方向に揺動可能に支持されており、第2支持部162が第1部分16aの上側と下側に突出しており、ボルト等の固定部材Bを挿通可能な複数の孔Cが第2支持部162に形成されており、固定部材Bを挿通させる孔Cを変更することによって、スノーカッティングバー16の設置角度を変更することができるように構成しても良い。本構成によれば、機体本体3の前方に積もった雪Sの高さに応じて、スノーカッティングバー16の設置角度を変更することできるようになるため、作業効率がより一層向上する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、機体本体の前方に設けられて雪を掻き集めるオーガと、当該オーガを回転可能に支持するオーガハウジングと、スノーカッティングバーとを備える歩行型除雪機に適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1:機体フレーム
2:クローラ走行装置
20:トラックフレーム部
21:連結フレーム部
22:ハンドル支持フレーム部
23:駆動輪体
24:従動輪体
25:クローラベルト
26:外れ止め部材
3:機体本体
30:支持フレーム
31:操作アーム部
32:昇降駆動機構
4:操縦ハンドル
4a:基部
4b:握り部
41:補強杆
42:操作盤
5:エンジン
6:バッテリー
7:昇降操作スイッチ
71:ボス部
72:支持部材
8:前照灯
9:作動油タンク
90:給油路
10:除雪部
11:オーガハウジング
12:ブロワケース
13:オーガ
14:ブロワ
15:シュータ
16:スノーカッティングバー
16a:第1部分
161:第1支持部
162:第2支持部
16b:第2部分
A、A´:長孔
Z:揺動軸芯
S:雪
B:固定部材
C:孔
L:一点鎖線