(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】腫瘍性疾患の治療に使用するための組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4709 20060101AFI20221219BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221219BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221219BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20221219BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20221219BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221219BHJP
A61K 33/243 20190101ALI20221219BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20221219BHJP
A61K 31/337 20060101ALI20221219BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221219BHJP
A61K 35/763 20150101ALI20221219BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20221219BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61K31/4709
A61P35/00
A61P35/02
A61P27/02
A61K31/475
A61P43/00 121
A61K33/243
A61K31/282
A61K31/337
A61K39/395 T
A61K35/763
A61K39/395 N
A61K47/68
A61K38/17
(21)【出願番号】P 2021031318
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2017557130の分割
【原出願日】2016-05-03
【審査請求日】2021-03-29
(32)【優先日】2016-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515146419
【氏名又は名称】アドヴェンチェン ファーマスーティカルズ,エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】517375819
【氏名又は名称】チン,グオチャン,ポール
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】チン,グオチャン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】エン,チャンレン
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102344438(CN,A)
【文献】特許第5522371(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍性疾患の治療に使用するための
組成物であって、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの結晶形、または、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの結晶形の塩またはビス塩酸塩と、
シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはシスプラチン/パクリタキセルから選択される1つ以上の化学療法剤との組み合わせ、または、
ニボルマブ、ペンボロリズマブ、イピリムマブ、ブリナツモマブ、エロッズマブ、ダラツムマブ、タリモジーン・ラハーパレプベックから選択される免疫療法剤との組み合わせである
組成物。
【請求項2】
塩は、ビス塩酸塩、ビス塩酸一水和物塩、ビスマレイン酸塩及びビスマレイン酸塩の結晶形から選択される、請求項1に記載の
組成物。
【請求項3】
腫瘍性疾患は、肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がん、またはALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫から選択された血液がんから選択された固体腫瘍である、請求項1または2に記載の
組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年5月4日出願の米国仮特許出願第62/156734号及び2015年8月14日出願の米国仮特許出願第62/205272号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の新規な合成方法に関する。AL3818の安定結晶形は既に調製された。AL3818の塩及びその結晶形もまた調製された。AL3818の抗がん及び視機能活性もまた試験された。
【背景技術】
【0003】
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)は、国際特許第2008112407号で、いくつかの調製方法と共に、血管形成阻害剤として、構造的に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
略称及び定義
参照を容易にするために、下記の略称を使用し、下記の意味を有する。EtOH:エタノール、MeOH:メタノール、IPA:イソプロパノール、EtOAc:酢酸エチル、RT:室温、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DMF:N,N-ジメチルホルムアミド、DMAP:4-N,N-ジメチルアミノピリジン、MsCl:メタンスルホニルクロリド、THF:テトラヒドロフラン、TFA:トリフルオロ酢酸、TEA:トリエチルアミン、Pd/C:活性炭上のパラジウム、
eq:当量、g:グラム、mg:ミリグラム、ml:ミリリットル、min:分、bis=di:二または二重、DSC:示差走査熱量計、TGA:熱重量分析、XRPD:粉末X線回折、Exo:発熱、Endo:吸熱、
ALL:急性リンパ性白血病、CLL:慢性リンパ球性白血病、AML:急性骨髄性白血病、CML:慢性骨髄性白血病。
【0005】
用語「C1-C6アルキル」は、本文書で使用されているように、他に記載されない限り、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等を限定されずに含む、直線または分岐部分を有する1~6個の飽和一価炭化水素ラジカルを含む。
【0006】
用語「C1-C6アルコキシ」は、本文書で使用されているように、他に記載されない限り、-OC1-C6アルキル基(但し、C1-C6アルキルは、上記に定義されたように、メトキシ及びエトキシである)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、KIまたはNalの存在下の溶媒中で中間体(XI)を(YI)に、または中間体(X2)を(Y2)に縮合させ、中間体(Z)を形成し、脱保護し、それによって、下記の化1の最終化合物(AL3818)を生成することによる、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の新規な合成方法に関する。1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形及び、その塩及び塩の結晶形もまた調製された。
【0008】
【0009】
ここで、RはH及びC1-C6アルコキシから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの結晶形のDSCグラフである。
【
図2】
図2は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの結晶形のTGAグラフである。
【
図3】
図3は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの結晶形のXRPDグラフである。第三の実施態様による熱装置の概略図である。
【
図4】
図4は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸性塩の結晶形のDSCグラフである。
【
図5】
図5は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸性塩の結晶形のTGAグラフである。
【
図6】
図6は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸性塩の結晶形のXRPDグラフである。
【
図7】
図7は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩水和物酸塩の結晶形のDSCグラフである。
【
図8】
図8は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩水和物酸塩の結晶形のTGAグラフである。
【
図9】
図9は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩水和物酸塩の結晶形のXRPDグラフである。
【
図10】
図10は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビスマレイン酸塩の結晶形のDSCグラフである。
【
図11】
図11は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビスマレイン酸塩の結晶形のTGAグラフである。
【
図12】
図12は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビスマレイン酸塩の結晶形のXRPDグラフである。
【
図13】
図13は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのコハク酸塩の結晶形のDSCグラフである。
【
図14】
図14は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのコハク酸塩の結晶形のTGAグラフである。
【
図15】
図15は1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのコハク酸塩の結晶形のXRPDグラフである。
【
図16】
図16はヒトの子宮内膜がんIshikawa異種移植無胸腺マウスへのAL3818及びその塩の作用を示している。
【
図17】
図17はヒトの子宮内膜がんIshikawa異種移植無胸腺マウスへのCarboplatin(CBX)/Paclitaxel(Taxol)と組み合わせたAL3818塩の作用を示している。
【
図18】
図18はレーザー誘起CNVへのAL3818の経口投与の作用を示している。
【
図19】
図19はレーザー誘起CNVへのAL3818(0.15mg/kg 体重)及び硝子体内の抗-VEGF抗体の作用を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、KIまたはNalの存在下の溶媒で中間体(X1)を(Y1)に、または溶媒で中間体(X2)を(Y2)に縮合させ、脱保護されて、化1の最終化合物(AL3818)を生成する中間体(Z)を形成することによる1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の新規な合成方法に関する。
【0012】
ここで、RはH及びC1-C6アルコキシから選択され、好ましくはH及び-OMeから選択される。
【0013】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形の調製に関する。
【0014】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの塩または安定結晶塩形の調製に関する。
【0015】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸、ビスマレイン酸及びコハク酸塩、及びそれらの安定結晶塩形または安定結晶遊離塩基に関する。
【0016】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形を含む医薬組成物及び薬学的に許容できる担体の調製に関する。
【0017】
本発明は、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの塩または安定結晶塩形を含む医薬組成物及び薬学的に許容できる担体の調製に関する。
【0018】
本発明は、腫瘍性疾患の治療方法のための1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形または塩または安定結晶塩形に関する。
【0019】
本発明は、腫瘍性疾患の治療方法のための医薬の製造に使用される1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形または塩または安定結晶塩形に関する。
【0020】
本発明は、肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がんから選択される充実性腫瘍;及びALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫から選択される血液がんの治療で、モノセラピーまたは白金ベースの、または、タキサンベースの薬剤から選択される化学療法薬剤と組み合わせる方法のための1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンの安定結晶形または塩または安定結晶塩形に関する。
【0021】
本発明は、肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がんから選択される充実性腫瘍;及びALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫から選択される血液がんの治療で、モノセラピーまたは白金を主成分とした、または、タキサンベースの薬剤から選択される化学療法薬剤と組み合わせる方法のための1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸、ビス塩酸塩水和物酸、ビスマレイン酸及びコハク酸塩、及びそれらの安定結晶塩形または安定結晶遊離塩基に関する。
【0022】
本発明は、肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がんの治療で、モノセラピーまたは白金ベースの、または、タキサンベースの薬剤から選択される化学療法薬剤と組み合わせる方法のための1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸、ビス塩酸塩水和物酸、ビスマレイン酸及びコハク酸塩、及びそれらの安定結晶塩形または安定結晶遊離塩基に関する。
【0023】
本発明は、肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がんから選択される充実性腫瘍;及びALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫から選択される充実性腫瘍の治療で、ニボルマブ、ペンボロリズマブ、イピリムマブ、ブリナツモマブ、エロッズマブ、ダラツムマブ、タリモジーン・ラハーパレプベックなどのPD-IまたはPD-LI、SLAM7、腫瘍崩壊ウイルス治療、bi-specific T cell engager(BiTE)及びキメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療を中心とした薬剤から選択される免疫療法薬剤と組み合わせる方法のための1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンのビス塩酸塩の酸、ビス塩酸塩水和物酸、ビスマレイン酸及びコハク酸塩、及びそれらの安定結晶塩形または安定結晶遊離塩基に関する。
【0024】
本発明は、下記の化2のプロセスAに従って、KIまたはNalの存在下の溶媒で中間体(X1)を(Y1)に縮合させ、脱保護されて、下記の化2の最終化合物(AL3818)を生成する中間体(Z)を生成することによる、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の新規な合成方法に関する。
【0025】
【0026】
ここで、RはH及びC1-C6アルコキシから選択される。
【0027】
最終化合物(AL3818)は、RがHのとき、下記の化3のプロセスA1に従って、MeOHのようなアルコール溶媒中で、25~80℃で、0.1~4時間、HCOONH4(ギ酸アンモニウム)及びPd/Cで脱保護することによって調製された。(Z-1)は、中間体(X1)を、アセトンまたはDMFのような溶媒中で、K2CO3と共にKIまたはNaIの存在下で、60~160℃の温度で、2~24時間、中間体(Z-1)を(Y1-1)と反応させることによって調製された。
【0028】
【0029】
最終化合物(AL3818)は、Rが4-OMeのとき、下記の化4のプロセスA2に従って、中間体(Z-2)を、DCM中で、0~30℃で、1~24時間、TFAで脱保護することによって調製された。(Z-2)は、アセトンまたはDMFのような溶媒中で、K2CO3と共にKIまたはNaIの存在下で、60~160℃の温度で、2~24時間、中間体(X1)を、(Y1-2)と反応させることによって調製された。
【0030】
【0031】
本発明は、下記の化5のプロセスBに従って、溶媒中で中間体(X2)を(Y2)と反応させて、脱保護させて、中間体Zを生成することによる、1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の新規な合成方法に関する。
【0032】
【0033】
ここで、RはH及びC1-C6アルコキシから選択される。
【0034】
最終化合物(AL3818)は、RがHのとき、下記の化6のプロセスB1に従って、中間体(Z-1)を、MeOHのようなアルコール溶媒中で、25~80℃で、0.1~4時間、HCOONH4(ギ酸アンモニウム)及びPd/Cで脱保護することによって調製された。(Z-1)は、ピリジンまたはルチジンのような溶媒中で、60~160℃の温度で、1~12時間、中間体(X2-1)を(Y2)と反応させることによって調製された。
【0035】
【0036】
最終化合物(AL3818)は、Rが4-OMeのとき、下記の化7のプロセスB2に従って、中間体(Z-2)をDCM中で、0~30℃で、1~24時間、TFAで脱保護することによって調製された。(Z-2)は、ピリジンまたはルチジンのような溶媒中で、60~160℃の温度で、1~12時間、中間体(X2-2)を(Y2)と反応させることによって調製された。
【0037】
【0038】
下記の実施例は、本発明をより明らかにするが、いずれにしても、本発明の範囲を限定するものではない。
【0039】
実施例1
プロセスA1、プロセスAの表示
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の調製方法
ベンジル-1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピルカルバメート(50g)及びDCM(200ml)の攪拌混合物に、DIPEA(39g)を添加した。結果溶液を水/氷で0~5℃に冷却し、さらにこの温度で15分間攪拌した。MsCl(30g)を、5℃未満の温度を維持して、1.5時間の間添加漏斗を介して滴下添加した。添加終了後、反応混合物を0~3℃で、30分間攪拌させ、飽和NaHCO3(150ml)で急冷した。溶液を150mlのDCMで二回抽出した。結合したDCM層を0.1N HCl(400ml)で、続いて、塩水によって洗浄した。Na2SO3上で乾燥させ、濃縮して、(1-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロプロピル)メチルメタンスルフォネート(Y1-1)、MS:(M+1)300として、オフホワイト色の固体60gを得た。
【0040】
(Y1-1)(16g)、X1[(4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシ-7-ヒドロキシキノリン)、12g]、K2CO3(21g)及びKI(21g)の攪拌混合物に、DMF(100ml)を添加し、反応懸濁液を80℃で10時間加熱し、(Y1-1)(10g)を添加して、連続して80℃で、10時間加熱した。次に、反応物を水(150ml)で急冷し、150mlDCMで二回抽出した。結合したDCM層を2N NaOH(100ml)で、続いて、水及び塩水によって洗浄した。Na2SO3上で乾燥させ、濃縮し、さらにEtOHから再結晶させ、ベンジル 1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート(Z-1)9.5g、Ms:(M+1)542として、黄色の固体を得た。
【0041】
(Z-1)(9.5g)、HCOONH4(4.7g)及びPd/C(10%、wet50%、4.7g)の攪拌混合物に、MeOHを添加し、反応混合物を45℃で1.5時間加熱した。次に冷却し、セライトを介して濾過し、さらに蒸発させた。2N HCl(200ml)を添加し、DCM/MeOH(10/1、100ml)で二回抽出した。水層を3N NaOHで塩基性化し、pH11-12に調整し、固体沈殿物を生成した。固体を濾過し、水で洗浄し、無色にし、さらに乾燥吸引した。固体をDCM/MeOHの混合物(250ml、10/1)に溶解させ、さらに水及び塩水で洗浄した。MgSO4上で乾燥させ、濾過し、さらに蒸発させて、淡黄色の固体の5.5g粗生成物を提供した。さらに粗生成物をDCM/MeOH(40ml、10/1)に溶解させ、2時間ゆっくり攪拌しながら、石油エーテルで粉砕して、精製をおこなった。沈殿物を濾過し、オーブンで乾燥させ、最終結晶生成物4.4g(MP:203~208℃)を提供し、及び、EtOHから再結晶させ、同じ結晶形としてより純粋な最終生成物を得ることができる。MS:(M+1)408;1H NMR(DMSO-d6)δ0.60~0.63(d,4H),2.41(s,1H),2.42~2.51(t,2H),3.31(s,2H),3.96(s,3H),4.04(s,2H),6.27(s,1H),6.31~6.32(m,1H),6.97~7.02(d,1H),7.20~7.22(d,1H),7.36(s,1H),7.60(s、1H),8.40~8.42(d、1H),11.41(s,1H)。MP:208~210℃;DSC融解範囲(Endo):207~220℃、ピーク温度は216℃。TGAは約210℃(205~215℃間)で溶解しない物質として重量損失と共に示す。XRPDは、下記の表1のようにd値及び角度で表示される10%より大きい強度%を有する10の特性ピークを備えるパターンを有する。
【0042】
【0043】
XRPDは、下記の表2のようにd値及び角度で表示される全ての強度%を有する26の特性ピークを備えるパターンを有する。
【0044】
【0045】
DSC、TGA及びXRPDのグラフは、各々
図1、
図2及び
図3によって示されている。
【0046】
実施例2
プロセスA、プロセスA2の表示
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の調製方法
実施例1に記載した(Z-1)の調製手順に従って、4-メトキシベンジル 1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピルカルバメートを使用することによって、同様に調製し、最初に(1-((4-メトキシベンジロキシ)カルボニルアミノ)シクロプロピル)メチルメタンスルホネート(Y1-2)を生成し、次に、4-メトキシベンジル 1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート(Z-2)、MS:(M+1)572を生成した。
【0047】
0℃のDCM(15ml)中の(Z-2)(1.5g)の攪拌混合物に、約30分間TFA(1.5ml)を添加し、RTまで温めた。水層をDCMで二回(100ml×2)抽出し、2N NaOHで塩基性化し、pH11~12に調整した。混合物をDCMで三回(100ml×3)抽出し、さらに塩水(100ml)で洗浄した。MgSO4を使用して乾燥させ、濾過した。溶液を蒸発させ、粗最終生成物1.05gを得た。さらに、精製を実行し、粗生成物をDCM/MeOHに溶解させ、石油エーテルで粉砕し、オーブンで乾燥させ、同一の結晶形を有する最終純生成物AL3818、0.8gを得た。
【0048】
実施例3
プロセスA、プロセスB1の表示
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の調製方法
ベンジル 1-((4-クロロ-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロピル-カルバメート(X2-1)(5g)、4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-オル(Y2)及びDMPA(4g)の混合物に、1,6-ルチジン(15ml)を添加した。混合物を5時間攪拌し、135℃に加熱し、冷却して、続いて、2時間RTでゆっくり攪拌しながら、IPAを添加した。固体を濾過し、さらにIPAで洗浄し、乾燥させて、固体として(Z-1)5.2gを得た。それから、実施例1の(Z-1)で記載した脱保護手順によって同様に調製し、同一の結晶形を有する最終化合物AL3818を得た。
【0049】
実施例4
プロセスA、プロセスB1の表示
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の調製方法
(Z-2)は、実施例3に記載した手順に従って、4-メトキシベンジル 1-((4-クロロ-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート(X2-2)及び(Y2)を使用して、動揺に調製された。それから、実施例2に記載した(Z-2)の脱保護手順によって同様に調製し、同一の結晶形を有する最終化合物AL3818を得た。
【0050】
実施例5
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミン(AL3818)の調製方法
25mlフラスコに、遊離塩基(AL3818)250mg、10mlEtOH中のジオキサン0.625ml中の4N HCl(2.5ml、4eq)を添加し、反応を30分間75℃に加熱し、RTまで冷却し、一晩攪拌した。固体を濾過し、アセトンで二回すすいだ。オーブンで50℃で4時間乾燥させ、結晶として、ビス塩酸塩としての白色固体126mgが生成し、さらにEtOHから再結晶させ、同一の結晶形としてより純粋な生成物が得られた。1H NMR(DMSO-d6)δ1.09~1.24(m,4H),2.43(s,3H),4.08(s,3H),4.40(s、2H),6.32(s,1H),6.76(s,1H),7.05~7.11(t,1H),7.27~7.30(d,1H),7.65(s,1H),7.82(s,1H)、8.64(s,2H),8.70~8.73(m,1H),11.51(s,1H)。塩化物イオンクロマトグラフィーは2分子比イオン(16.1%)を示した。DSC融解範囲(Exo):249~280℃、ピーク温度は268℃。TGAは約230℃(225~235℃間)で重量損失と共に溶解しない物質として示す。XRPDは、下記の表3のようにd値及び角度で表示される10%より大きい強度%を有する21の特性ピークまたは全ての強度%を有する27のピークを備えるパターンを有する。
【0051】
【0052】
DSC、TGA及びXRPDのグラフは、各々
図4、
図5及び
図6によって示されている。
【0053】
実施例6
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンビス塩酸塩水和物酸性塩及びその結晶の調製
10mlフラスコに、前記の実施例4からの3818-2HCl 140mg、H2O中の80%MeOH0.7ml(×5 塩容量で)を装填した。結果懸濁液を70℃に加熱して溶液を形成し、RTまで冷却し、さらに一晩攪拌した。固体を濾過し、アセトンで二回すすいだ。オーブンで50℃で4時間乾燥させ、結晶ビス塩酸塩水和物塩としてのオフホワイト色の固体110mgが得られた。1H NMR(DMSO-d6)δ1.09(s,2H),1.22(s,2H),2.44(s,1H),2.52(s,2H),4.09(s,3H),4.44(s,2H),6.32(s,1H),6.81-6.82(d,1H),7.08-7.14(t,1H),7.29-7.32(d,1H),7.79(s,1H)、7.85(s,1H),8.75-8.78(d,1H),8.85(s,2H),11.66(s,1H)。塩化物イオンクロマトグラフィーは2分子比イオン(17.8%)を示した。DSC融解範囲(Exo):207-260℃、ピーク温度は226℃。TGAは120℃(125-135℃間)までで2.68%(~3%、1水)の重量損失及び約170℃(165-175℃間)でさらなる重量損失を示す。XRPDは、下記の表4のようにd値及び角度で表示される10%より大きい強度%を有する9の特性ピークまたは全ての強度%を有する12のピークを備えるパターンを有する。
【0054】
【0055】
DSC、TGA及びXRPDのグラフは、各々
図7、
図8及び
図9によって示されている。
【0056】
実施例7
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンビスマレイン酸塩及びその結晶の調製
25mlフラスコに、1.5mL EtOH中の遊離塩基(AL3818)50mgを添加し、反応物を攪拌しながら、70℃まで加熱した。結果溶液に、固体としてマレイン酸36mg(2.5eq)を添加し、70℃で0.5時間加熱した。それをRTまで冷却し、さらに一晩攪拌した。固体を濾過し、アセトンで二回すすぎ、さらにオーブンで50℃で4時間乾燥させ、結晶固体として68mgが得られ、さらにEtOHから再結晶させ、二(ビス)マレイン酸塩として同一の結晶形としてより純な生成物が得られた。
1H NMR(DMSO-d6)δ0.73(s,2H),0.88(s,2H),3.43(s,2H),3.53(s,2H),3.59(s,2H),3.86(s,4H),3.97(s,3H),4.41(s,1H),6.07(s,2H),7.26(s,1H),7.44-7.50(t,1H),7.76-7.79(d,1H),7.88(s,1H),8.10-8.12(d,1H),8.55(s,1H),9.54(s,1H)。マレインイオンクロマトグラフィーは2分子比イオン(37.1%)を示した。DSC融解範囲(Endo):165-202℃、ピーク温度は183℃。TGAは約160℃(155~165℃間)で重量損失と共に溶解しない物質として示す。XRPDは、下記の表5のようにd値及び角度で表示される10%より大きい強度%を有する22の特徴的なピークまたは全ての強度%を有する35のピークを備えるパターンを有する。
【0057】
【0058】
【0059】
実施例8
1-((4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イロキシ)-6-メトキシキノリン-7-イロキシ)メチル)シクロプロパンアミンコハク酸塩及びその結晶の調製
50mlフラスコに、4mL EtOH中の遊離塩基(AL3818)100mgを添加し、反応物を攪拌しながら、70℃まで加熱した。結果溶液に、固体としてコハク酸36mg(0.308mmol,1.25eq)を添加し、75℃で0.5時間加熱した。それをRTまで冷却し、さらに一晩攪拌した。固体を濾過し、アセトンで二回すすぎ、さらにオーブンで50℃で4時間乾燥させ、結晶固体84mgが得られ、さらにEtOHから再結晶させ、同一の結晶形としてより純粋な生成物が得られた。1H NMR(DMSO-d6)δ0.72(s,4H),2.37-2.42(m,7H),3.99(s,3H),4.10(s,2H),6.27(s,1H),6.32-6.33(d,1H),6.97-7.02(t,1H),7.20-7.23(d,1H),7.39(s,1H),7.61(s,1H),8.42(s,2H),11.41(s,1H)。コハクイオンクロマトグラフィーは1分子比イオン(23.2%)を示した。DSC融解範囲(Endo):176-202℃、ピーク温度は198℃。TGAは約180℃(175~185℃間)で重量損失と共に溶解しない物質として示す。XRPDは、下記の表6のように10%より大きい強度%を有する11の特徴的なピークまたは全ての強度%を有する19のピークを備えるパターンを有する。
【0060】
【0061】
【0062】
実施例9
前記の実施例からの化合物を使用して、インビトロで、MTT(増殖)分析を実施し、下記の表7の阻止結果を得た。
【0063】
【0064】
実施例10
本発明者のAL3818遊離塩基、その2HCl塩、そのビスマレイン酸塩及びそのコハク酸塩を使用する研究経験に基づいて、下記の腫瘍阻止結果を実施例9によるMTT分析で予想した。
腎臓、メラノーマ、頭頚部、膀胱、脳のような様々な固体腫瘍細胞株;及び、ALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫のような血液がんについて、2-10μM±1.7μMのインビトロ阻止活性が予想される。
【0065】
実施例11
子宮内膜Ishikawa細胞株(異種移植片)を使用して、動物抗がん活性インビトロ試験を下記のように実施した。
子宮内膜がんIshikawaの良好に整調した主要組織を3mm片に切断し、各ヌードマウスの右脇に一つの片で皮下接種した。動物は下記のようにグループ化され、投与された:
1)AL3818-H1(ビス塩酸塩、2HCl)、MW:480、3.54mg/kg
2)AL3818-H1(ビス塩酸塩水和物酸塩、2HCl.H2O)、MW:598、3.67mg/kg
3)AL3818-S(コハク酸塩)、MW:525、3.87mg/kg
4)AL3818-M(マレイン酸塩)、MW:639、4.71mg/kg
5)AL3818-F(遊離塩基)、MW:407、3mg/kg
6)対照
【0066】
13日後、腫瘍サイズが100mm
3以上に達した時、治療が開始された。腫瘍のサイズによって、サイズの大きい、または小さい腫瘍を持つ動物を取り除き、同様な平均腫瘍体積を持つ動物をグループ化した。次に、前記のように、0.5ml/20gの容量で連続して14日間毎日、13日間接種後、動物に経口投与した。大きな直径a(mm)及び小さな直径b(mm)を週に二回測径器で測定した。腫瘍体積は、式:TV=ab
2/2によって算出した。相対腫瘍体積は、RTV=V
t/V
0として算出し、V
0は治療第一日の腫瘍体積を示し、V
tは各測定日の腫瘍体積を示す。接種後30日で、動物は処分され、腫瘍を解剖によって取り出した。次に、個々の体重及び主要重量を測定し、下記の式として算出した。腫瘍阻止活性は50~95%の範囲である。結果は、
図16に図示した。
【0067】
実施例12
本発明者のAL3818遊離塩基、そのHCl塩(モノまたはビス)、そのビスマレイン酸塩及びそのコハク酸塩を使用する研究経験に基づいて、下記のインビボ腫瘍阻止結果(異種移植片)を実施例11にしたがって予想した。
【0068】
肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸部がん及び子宮内膜がんのような様々な固体腫瘍細胞株;及び、ALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫のような血液がんについて、50~100%のインビボ腫瘍阻止活性が予想される。
【0069】
実施例13
AL3818ビスHCl塩及びビスマレイン酸塩をまた、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはシスプラチン/パクリタキセルの組み合わせのような白金ベースの、またはタキサンベースの、または両方を使用した化学療法に組み合わせて、テストした。カルボプラチン/パクリタキセルとの組み合わせ実験は、実施例11の記載と同様に実施された。腫瘍阻止活性は50~100%の範囲である。結果は、
図17に図示した。
【0070】
実施例14
本発明者のAL3818遊離塩基、そのHCl塩(モノまたはビス)、そのビスマレイン酸塩及びそのコハク酸塩を使用する研究経験に基づいて、下記のインビボの結合化学療法(白金ベースの、またはタキサンベースの、または両方を使用した化学療法のような標準ケア)の腫瘍阻止結果(異種移植片)を実施例13にしたがって、特にシスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはシスプラチン/パクリタキセルと共に組み合わせて、予想した。
【0071】
肺、腎臓、結腸直腸、胃、メラノーマ、頭頚部、甲状腺、膵臓、肝臓、前立腺、膀胱、脳、肉腫、乳、卵巣、子宮頸部がんのような様々な固体腫瘍細胞株;及び、ALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫のような血液がんについて、50~100%の退行インビボ腫瘍阻止活性が予想される。
【0072】
実施例15
本発明者のAL3818遊離塩基、そのHCl塩(モノまたはビス)、そのビスマレイン酸塩及びそのコハク酸塩を使用する研究経験に基づいて、肺、腎臓、結腸直腸、胃、メラノーマ、頭頚部、甲状腺、膵臓、肝臓、前立腺、膀胱、脳、肉腫、乳、卵巣、子宮頸部及び子宮内膜がんのような様々な固体腫瘍細胞株;及び、ALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫のような血液がんの治療において、下記のインビボの組み合わせ効果(PD-1またはPD-LI、SLAM7から選択した免疫療法剤、腫瘍崩壊ウイルス療法、限定されないが、ニボルマブ、ペンボロリズマブ、イピリムマブ、ブリナツモマブ、エロッズマブ、ダラツムマブ、タリモジーン・ラハーパレプベックなどの薬剤を使用するBi-specific T cell engager(BiTE)及びキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法に組み合わせて)を予想した。
【0073】
肺がん、腎臓がん、結腸直腸がん、胃がん、メラノーマ、頭/頸部がん、甲状腺がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、脳腫瘍、肉腫、乳がん、卵巣がん及び子宮頸部がんのような様々な固体腫瘍細胞株;及び、ALL、CLL、AML、CML及び多発性骨髄腫のような血液がんについて、50~100%の退行インビボ腫瘍阻止活性が予想される。
【0074】
実施例16
レーザー誘起CNV(脈絡膜血管新生)のマウスモデル
(1)10~12週齢のC57 BL/6マウスに対して実験を行った。レーザーCNVは、スポットサイズ50μm、期間100ms及びレーザーエネルギー100mWを使用する細隙灯に取り付けられた532nmダイオードレーザーで誘起される。各眼は4つのレーザーによる火傷を受けた。AL3818-H1のストック溶液は、化合物を水中に25mg/ml濃度で溶解させることによって作製され、さらに水中に250または25μg/mlのどちらかの作業溶液に希釈される。マウスは、レーザー治療の一日前から10日後まで一日に一回、2.5または0.25mg/体重1kg、体積では体重20g当たり200μlの投薬量で、強制経口投与された。対照群マウスには、化合物を溶解するのに使用する水を強制経口投与する。実験終了までに、マウスは蛍光血管造影を受け、手順によって引き起こされた」出血点及び他の物理的な損傷を排除した。マウスは犠牲にされ、FITCコンジュゲートイソレクチンB4及び抗ICAM2抗体と共染色されたRPE/脈絡膜フラットマウントの免疫染色によってCNVサイズを測定した。対照、0.25mg/kg及び2.5mg/kgの群について、我々はRPE/脈絡膜フラットマウントで43、44及び49個の眼を検査した。CNVサイズはImage J ソフトウェアで測定した。本出願人の結果(
図18)では、AL3818を0.25または2.5mg/体重1kgで使用して治療したマウスは、レーザー誘起CNVの平均サイズでほとんど70%縮小したことが分かった。
【0075】
(2)AL3818-M及び抗VEGF抗体間の潜在的な相乗または付加的作用もまた研究した。レーザーによる火傷の後すぐに、マウスをR&D Systems(mAb AF564)からのモノクローナルVEGF中和抗体を1μgの投薬量で、硝子体内注射によって治療した。本出願人は4つの実験グループ:対照(水で治療)、AL3818-M、抗VEGF及びAL3818-M+抗VEGFを試験した。対照またはAL3818-M単独群のマウスは同じ2μl体積の生理的食塩水の硝子体内注射を受けた。結果(
図19)は、AL3818、0.15mg/kg及び抗VEGF抗体1μgで治療した眼は、対照群と比較するとレーザーCNVでほとんど30%の縮小があることを示した(P<0.01、一元配置分散分析(ANOVA)、ダネット多重比較検定)。
【0076】
実施例17
本発明者のAL3818遊離塩基、そのHCl塩(モノまたはビス)、そのビスマレイン酸塩及びそのコハク酸塩を使用する研究経験に基づいて、限定されないが、AMD(加齢性黄斑変性症)のような視機能疾患の有効な治療に関するインビボ動物モデルCNV有効性は、実施例16によって確かに期待され、すなわち、これらの化合物を、限定されないがラニビズマブまたはアフリベルセプトのような抗VEGF抗体またはVEGFトラップと組み合わせて、層状治療効果を生むことが同様に実施例16によって確かに期待される。
【0077】
実施例18
従来の水溶性試験を行い、下記の表8の結果を得た。
【0078】