(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018040093
(22)【出願日】2018-03-06
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【審査官】篠崎 正
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-029311(JP,A)
【文献】特開2007-135620(JP,A)
【文献】特開2016-178970(JP,A)
【文献】特開2011-083376(JP,A)
【文献】特開2017-196343(JP,A)
【文献】特開2012-010858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定結果を報知する報知演出を構成する演出として当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出が発生することがあり、前記報知演出の内容を決定するためのモードとして、第一モードと、当該第一モードよりも複数種の
前記特定演出の発生頻度が高まる第二モードと、が設定された遊技機であって、
前記第二モードが設定された状態で、複数種の前記特定演出のそれぞれが少なくとも一回発生した場合には、当該第二モードを自動的に終了させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
当否判定結果を報知する報知演出を構成する演出として当否判定結果が当たりとなる蓋然性を示唆する特定演出が発生することがあり、前記報知演出の内容を決定するためのモードとして、第一モードと、当該第一モードよりも
前記特定演出の発生頻度が高まる第二モードと、前記第一モードよりも前記特定演出の発生頻度が高まる第三モードと、が設定された遊技機であって、
前記第二モードが設定された状態で、前記特定演出が発生することに基づく所定条件が成立した場合には、当該第二モードを自動的に終了させ、
前記第三モードが設定された状態で、前記所定条件が成立した場合であっても、当該第三モードが設定された状態が維持され、
前記第三モードは、遊技者が任意に設定することが可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプレミア演出等の特定演出の発生頻度を変化させることが可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特定演出の発生頻度が高まるモードを設定することが可能な遊技機の趣向性の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技中に実行される演出を決定するためのモードとして、第一モードと、当該第一モードよりも当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示す特定演出の発生頻度が高まる第二モードと、が設定された遊技機であって、前記第二モードが設定された状態で、前記特定演出が発生することに基づく所定条件が成立した場合には、当該第二モードを自動的に終了させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定演出の発生頻度が高まるモードを設定することが可能な遊技機の趣向性の低下を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示装置の表示領域に表示される識別図柄と保留画像を示した図である。
【
図3】モード(通常モード、特定モード)の概要を説明するための図である。
【
図4】特定モード設定時に特定演出が発生した場合には、通常モードに自動的に移行することを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する発射通路50を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80(
図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
【0015】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留画像70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留画像70が表示装置91の表示領域911に表示される(
図2参照)。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。当否判定結果の報知は完了していないが、既に当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始されているもの(いわゆる当該変動)に対応する保留画像70も表示される。以下では、当否判定結果を報知する演出が開始されていないものに対応する保留画像70を未変動画像101と、当否判定結果を報知する演出が開始されているものに対応する保留画像70を当該変動画像102と称することもある。保留画像70は、静止画であってもよいし動画であってもよい。
【0017】
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄80の変動開始から変動停止までの演出)について、当該演出の具体的内容を決定する抽選の態様を変化させることが可能である。具体的には、当該抽選態様が異なる状態(モード)として、通常モード(本発明における第一モードに相当する)および特定モード(本発明における第二モードに相当する)が設定されている(
図3参照)。なお、これらのモードが設定されるのは、通常遊技状態中である。通常遊技状態は、いわゆる確率変動状態や高ベース状態(時間短縮遊技状態)ではない。つまり、大当たり当選を目指して遊技する、低確率かつ低ベース状態において設定されるモードである。ただし、確率変動状態や高ベース状態において設定されるモードとした構成とすることを否定するわけではない。
【0018】
通常モードは、デフォルトのモードであり、遊技者が後述するモード切替行動をとらなければ、当該通常モードが維持される。特定モードは、報知演出中に発生しうる演出である特定演出10の発生頻度(発生する蓋然性)が通常モードが設定されているときよりも高まるモードである。なお、本実施形態では、通常モードが設定されている場合であっても特定演出10は発生しうる。本実施形態における特定演出10は、当該演出が発生した場合には、発生しなかった場合に比して、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり信頼度)と称することもある)が高まる演出(いわゆるチャンスアップ演出)である。当該特定演出10の具体的態様はどのようなものであってもよい(一例として、
図4(b)に示すようないわゆるカットイン画像が表示領域911表示される演出が挙げることができる)ため、説明を省略する。
【0019】
通常モードから特定モードへの移行は、遊技者がモード切替行動をとることで発生する。当該切替行動の具体的態様はどのようなものであってもよい。例えば、いわゆるカスタマイズ機能の一種として行うことができるようにすることが考えられる。つまり、種々の演出の発生頻度や音量・光量等を調整することが可能な公知のカスタマイズ機能の一つとして、特定モードへの切り替え機能を搭載したものとする。なお、特定モードから通常モードへの移行は、基本的には後述する自動切替機能の発現により発生することになるが、本実施形態ではカスタマイズ機能の一種として特定モードから通常モードへの切り替えを遊技者が任意に行うことができるようにされている。また、所定時間遊技がなされないことを契機として特定モードから通常モードへの切り替えが発生するようにされている。ただし、後述する自動切替機能の発現によってのみ特定モードから通常モードへの切り替えが発生するようにしてもよい。
【0020】
本実施形態では、特定モードが設定されているときに、所定条件が成立したときには、当該特定モードを自動的に終了させて通常モードに移行するように制御される(自動切替機能)(
図3参照)。上記所定条件は、特定演出10が発生することに基づいて成立する条件である。本実施形態では、特定演出10が発生すること自体が所定条件の成立として設定されている。つまり、特定モードが設定されている状態において、特定演出10が一回発生したときには、それを契機として通常モードに移行させる(
図4参照)。なお、特定演出10が発生してすぐに通常モードに移行するような制御としてもよいし、特定演出10が発生した報知演出が終了した時点(または、次の報知演出が開始される時点)で通常モードに移行するような制御としてもよい。つまり、いずれにせよ、特定演出10が発生した報知演出の次の報知演出は通常モードに基づき、当該報知演出の内容が決定される。
【0021】
特定モードは、通常モードに比して特定演出10が発生しやすい演出であるため、特定演出10を見たいという遊技者が設定する蓋然性が高い。しかし、一度でも特定演出10に接した遊技者は、特定演出10がどのような演出であるか把握したから、特定演出10の発生頻度が高められた状態である必要がないと判断する可能性がある。それを踏まえ、本実施形態では、特定モードにおいて特定演出10が発生したときには、自動的に通常モードに移行するように設定している。このようにすることで、特定モードが維持され続けること(必要以上に特定演出10が発生してしまうこと)による趣向性の低下が抑制される。また、遊技者自らが通常モードに移行させる必要がないから、利便性が向上する。
【0022】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0023】
○第一具体例
特定演出10は、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する演出(いわゆるチャンスアップ演出)であることを説明したが、対応する当否判定結果が大当たりとなることが確定する演出(いわゆるプレミア演出)としてもよい。このようなプレミア演出は、一度でも見れば十分だと考える遊技者が多いから、当該プレミア演出としての特定演出10が発生したことを契機として、自動的に通常モードに移行するように制御する。
【0024】
○第二具体例
特定モードが設定されている場合、当否判定結果が大当たりとなるときに限り、対応する報知演出において特定演出10が発生する蓋然性が高まるものとする。つまり、当否判定結果がはずれとなる報知演出において特定演出10が発生する蓋然性は、通常モードでも特定モードでも変わらないものとする。このようにすれば、特定モードが設定されているときには、特定演出10が発生したことによって対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まることになる。つまり、本例によれば、特定モードの設定により、特定演出10の大当たり信頼度が高まることになるという作用も奏される。
【0025】
○第三具体例
上記実施形態では、特定モードを通常モードに自動的に移行させる所定条件の成立として、特定演出10の発生が設定されていることを説明したが、特定演出10が発生することに加え、当該特定演出10を含む報知演出によって報知される当否判定結果が大当たりとなることが設定されているものとする。つまり、特定演出10を含む報知演出によって報知される当否判定結果が大当たりとなる場合には、通常モードへの自動的な移行が発生する(
図5(a)(b)参照)ものの、特定演出10を含む報知演出によって報知される当否判定結果がはずれとなるものである場合には、通常モードへの自動的な移行は発生しない(
図5(a)(c)参照)ものとする。
【0026】
遊技者が特定演出10を経てはずれが報知されたことを体験しただけでは、特定演出10が発生したことによる作用を十分に受けていないともいえるから、特定演出10が大当たりに繋がる状況を体験したときに通常モードに移行するように制御するとよい。なお、このような構成とする場合には、特定モードが設定された状態と通常モードが設定された状態との間には必ず大当たり遊技が実行されることになる。つまり、モード変化が発生する区切として必ず大当たり遊技が存在することになるという点でも有効である。
【0027】
○第四具体例
一回ではなく、複数回(二以上の所定回数)の特定演出10が発生したこと所定条件の成立として、通常モードから特定モードに移行させる。つまり、一回の特定演出10を見ただけでは遊技者にとって不十分である可能性があるから、複数回の発生を契機として自動的に通常モードに移行する構成とする。
【0028】
特定演出10が発生する度に、特定演出10の発生頻度が低下するようにしてもよい。例えば、特定モード設定後、二回の特定演出10が発生することで自動的に通常モードに移行するような設定とする場合、一度も特定演出10が発生していない特定モード中における特定演出10の発生頻度よりも、一回の特定演出10が発生した特定モード中における特定演出10の発生頻度が低くなるようにする。そして、二回目の特定演出10が発生したときには、さらに特定演出10の発生頻度が低くなる通常モードに移行する。
【0029】
○第五具体例
通常モード設定時には特定演出10が発生しない設定とする。つまり、特定演出10は、特定モードが設定されているときに限って発生しうる演出(特定モード専用演出)とする。このような構成においても、特定モードにおいて特定演出10が発生したときには、当該モードにおける専用演出がどのような演出であるか把握したから、当該モードを終了し通常モードに移行するような構成とすることが考えられる。
【0030】
○第六具体例
上記実施形態では、いわゆるカスタマイズ機能を利用することにより、通常モードから特定モードへの切り替えを行うことができるものであることを説明した。つまり、上記実施形態では、通常モードから特定モードへの切り替え方法は、遊技者に対して明示されるものである。これに対し、通常モードから特定モードへの切り替え方法が、遊技者に対して明示されないものとすることが考えられる。
【0031】
例えば、遊技者が押しボタン等の操作手段20(
図1参照)を所定の操作(特定操作;例えば所定時間以上の長押し操作)することで通常モードから特定モードへの切り替えが行われるものとする。所定の期間(例えば、報知演出が実行されている期間)において特定操作がなされた場合に限り、特定モードへの移行が発生するようにしてもよい。つまり、当該特定操作の具体的態様は、表示領域等を介して、遊技者に明示されないものとする(いわゆる「裏ボタン」「裏ワザ」的なものとする)。
【0032】
このように、遊技者に明示されない手法により通常モードから特定モードへの切り替わりがなされるものとする場合、特定モードは「隠れモード」のようなものであるといえる。つまり、遊技者に対して明らかにされているカスタマイズ機能の一種ではなく、「隠れモード」である特定モードについては、特定演出10の発生を契機として自動的に通常モードに移行するような設定とすることが考えられる。
【0033】
○第七具体例
通常モードに比して特定演出10の発生頻度が高まる特定モードとして、第一特定モードおよび第二特定モードが設定されている構成とする。第一特定モードは、上記実施形態における特定モードと同様に、所定条件の成立(特定演出10の発生)を契機として、自動的に通常モードに移行するものである(
図6(a-1)(a-2)参照)。一方、第二特定モード(本願発明における第三モードに相当する)は、所定条件が成立したとしても、通常モードに移行せず、現在のモードが維持されるものである(
図6(b-1)(b-2)参照)。
【0034】
このように、特定演出10が発生したときには自動的に通常モードに移行する第一特定モードと、特定演出10の発生の有無によらず特定演出10の発生頻度が高まった状態が維持される第二特定モードが設定された構成とすることで、遊技者の利便性が向上する。具体的に言えば、とりあえず一度特定演出10を見てみたいという遊技者用に第一特定モードが、常時特定演出10の発生頻度を高めておきたいという遊技者用に第二特定モードが設けられたものであるといえる。
【0035】
この場合、第一特定モードについては、上記第六具体例で説明したように遊技者に明示されない手法により当該第一特定モードへの移行が実現される一方、第二特定モードについては、遊技者に明示される手法(例えば、いわゆるカスタマイズ機能の一種として設定される)により当該第二特定モードへの移行が実現される構成としてもよい。つまり、第二特定モードのようにある演出の発生頻度が高まった状態が維持されるのは従来一般のものであるといえるから遊技者に対してオープンにされる一方、第一特定モードのように自動的に切り替わるものについては「隠れモード」として設定することが考えられる。
【0036】
○第八具体例(第七具体例を発展させた例)
第一特定モードおよび第二特定モードは、いずれも特定演出10の発生頻度が高まるモードであるが、当該発生頻度の程度が両モードで異なるものとする。具体的には、第一特定モードの方が、第二特定モードよりも、特定演出10の発生頻度が高いものとする。つまり、特定演出10の発生頻度の高低が「通常モード<第二特定モード<第一特定モード」の関係にあるものとする。
【0037】
上述したように、第一特定モードは、とりあえず一度特定演出10を見てみたいという遊技者を想定して設定されたモードであるから、特定演出10の発生頻度を第二特定モードよりも高くし、遊技者の要求に応えるようなモードとする。一方、第二特定モードは、通常モードよりも特定演出10の発生頻度が高い状態を維持しつつ継続的に遊技したいと願う遊技者を想定して設定されたモードであるから、特定演出10の発生頻度を第一特定モードほど高くしないようにする(演出バランスを考慮する)。
【0038】
○第九具体例
特定演出10として、複数種の演出が設定されたものとする。つまり、特定モードは、特定演出10として設定された複数種の演出のいずれについても、発生頻度が高まるモードであるとする。
【0039】
この場合、複数種の特定演出10のそれぞれが、少なくとも一回発生したときに所定条件が成立したと判断し通常モードに移行させる構成とするとよい。つまり、複数種の特定演出10のうち、いずれか一つの特定演出10が発生しただけでは通常モードには移行しないようにする。このようにすることで、複数種の特定演出10の全てを遊技者が体験した上で通常モードに移行するという構成となる。ただし、複数種の特定演出10のうち、いずれか一つの特定演出10が発生したときに所定条件が成立したと判断し通常モードに移行させる構成とすることを否定するものではない。例えば、複数種の特定演出10が類似する演出(例えば、表示されるキャラクタが異なるだけであって、実質的には同価値(同信頼度)の演出)であり、一つの特定演出10を体験すれば、その他の特定演出10を体験させる必要がないような設定においては、いずれか一つの特定演出10が発生したときに通常モードに移行させる構成とするとよい。
【0040】
○第十具体例(第九具体例を発展させた例)
上記第九具体例にて説明したように、複数種の特定演出10が設定され、当該複数種の特定演出10のそれぞれが、少なくとも一回発生したときに所定条件が成立したと判断し通常モードに移行させる構成とする場合において、特定モードが設定された後、初めて複数種の特定演出10のうちのある特定演出10が発生した場合、特定モードは維持されるものの、当該ある特定演出10の発生頻度が低下するようなものとする。つまり、特定モードが設定された後、未だ発生していない特定演出10の発生頻度は維持されるものの、既に発生した特定演出10の発生頻度は低下させられる(例えば、通常モード時と同じ発生頻度とされる)ような構成とする。
【0041】
このような構成とすれば、複数種の特定演出10のうち、未だ発生していない特定演出10が発生する蓋然性が高まることになる。つまり、未だ発生していない特定演出10があるにも拘わらず、既出の特定演出10が重ねて発生してしまう蓋然性が低下する。よって、複数種の特定演出10をなるべく早い段階で遊技者に体験させることが可能となる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0043】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0044】
・手段1
遊技中に実行される演出を決定するためのモードとして、第一モードと、当該第一モードよりも特定演出の発生頻度が高まる第二モードと、が設定された遊技機であって、
前記第二モードが設定された状態で、前記特定演出が発生することに基づく所定条件が成立した場合には、当該第二モードを自動的に終了させることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、第二モードが維持され続けること(必要以上に特定演出が発生してしまうこと)による趣向性の低下を抑制することが可能である。
【0045】
・手段2
一回の前記特定演出が発生することが、前記所定条件の成立として設定されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように、一度でも特定演出が発生したときには、遊技者は特定演出がどのような演出であるのかを把握するから、それを契機として第二モードが終了するようにする。
【0046】
・手段3
前記特定演出が発生した上で、当該特定演出を含む報知演出により報知される当否判定結果が当たりとなったことが、前記所定条件の成立として設定されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
当たりに繋がる特定演出を遊技者が見たいと考えている可能性があるから、特定演出が当たりに繋がらなかった場合には第二モードが維持されるようにしてもよい。
【0047】
・手段4
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者に対して明示されない特定操作で前記操作手段を操作した場合に、前記第一モードが設定された状態から前記第二モードが設定された状態への移行が発生することを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このように、遊技者に対して移行させる手法が明示されないもの(「隠れモード」のようなもの)について、所定条件成立時に自動的に当該モードが終了するような構成とすることができる。
【0048】
・手段5
遊技中に実行される演出を決定するためのモードとして、前記第二モードと同様に、前記第一モードに比して前記特定演出の発生頻度が高まる第三モードが設定されており、
前記第三モードが設定されている場合には、前記所定条件が成立したとしても、当該第三モードが維持されることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このように、遊技者の好みに合わせて、所定条件成立時に自動的に終了するモードと、所定条件成立時であってもそれが維持されるモードを選択することができるようにするとよい。
【符号の説明】
【0049】
1 遊技機
10 特定演出
20 操作手段
91 表示装置
911 表示領域