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特許7195570教材データ作成プログラム及び教材作成方法
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  • 特許-教材データ作成プログラム及び教材作成方法 図1
  • 特許-教材データ作成プログラム及び教材作成方法 図2
  • 特許-教材データ作成プログラム及び教材作成方法 図3
  • 特許-教材データ作成プログラム及び教材作成方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】教材データ作成プログラム及び教材作成方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20221219BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20221219BHJP
【FI】
G09B7/04
G06Q50/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018061028
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019174580
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】517300512
【氏名又は名称】株式会社HIGH-STANDARD&CO.
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良平
(72)【発明者】
【氏名】井河澤 達雄
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-078732(JP,A)
【文献】特開2013-072927(JP,A)
【文献】国際公開第03/050782(WO,A1)
【文献】特開2010-262248(JP,A)
【文献】特開平08-160849(JP,A)
【文献】特開2006-215482(JP,A)
【文献】特開2003-216015(JP,A)
【文献】特開2005-070465(JP,A)
【文献】国試学習E-ラーニング ナーシング・パスポート <簡易マニュアル> 教員編,2013年09月20日,https://www.elsevierjapan.com/Portals/0/Data/e-product/%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88_%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E6%95%99%E5%93%A1%E7%94%A8)_20130924.pdf,特に本文、図を参照。[検索日2022年3月30日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B17/00-19/26
G06Q10/00-10/10
G06Q30/00-30/08
G06Q50/00-50/20
G06Q50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出題された県名及び学校名の少なくともいずれかを含む集団に関する情報を含む集団データ、出題年度データ、及び、出題カテゴリーデータを含む複数の入試問題データを記録するステップ、
前記複数の入試問題データに対応した解答データを記録するステップ、
前記入試問題データの各々に、前記集団の受験生がどのくらいの割合で正答したかを示す数値のデータである正答率データを対応させて記録するステップ、
選択する正答率範囲データ及び除外する集団データを記録するステップ、
前記正答率範囲データに含まれる前記正答率データに対応した前記入試問題データのみを選択し、かつ、前記除外する集団データが含まれる前記入試問題データを除去し、前記出題カテゴリーデータ毎に並び替えて問題集を作成するステップ、
選択された前記入試問題データに対応した前記解答データを選択し、前記入試問題データの並び順に併せて前記解答データを並び替えて解答集を作成するステップ、を有し、コンピュータにより実行される教材データ作成方法。
【請求項2】
前記正答率データは、前記集団データに基づき補正された補正後正答率データとなっている請求項1記載の教材データ作成方法。
【請求項3】
コンピュータに、
出題された県名及び学校名の少なくともいずれかを含む集団に関する情報を含む集団データ、出題年度データ、及び、出題カテゴリーデータを含む複数の入試問題データを記録する手段と、
前記複数の入試問題データに対応した解答データを記録する手段と、
前記入試問題データの各々に、前記集団の受験生がどのくらいの割合で正答したかを示す数値のデータである正答率データを対応させて記録する手段と、
選択する正答率範囲データ及び除外する集団データを記録する手段と、
前記正答率範囲データに含まれる前記正答率データに対応した前記入試問題データのみを選択し、かつ、前記除外する集団データが含まれる前記入試問題データを除去し、前記出題カテゴリーデータ毎に並び替えて問題集を作成する手段と、
選択された前記入試問題データに対応した前記解答データを選択し、前記入試問題データの並び順に併せて前記解答データを並び替えて解答集を作成する手段と、を実行させるための教材データ作成プログラム。
【請求項4】
前記正答率データは、前記集団データに基づき補正された補正後正答率データとなっている請求項3記載の教材データ作成プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教材データ作成プログラム及び教材作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
学校や塾等においては、学習効果を高めるために、問題を複数掲載した問題集を主教材又は補助教材として用いることが一般的である。
【0003】
公知の教材としては、一冊で基本問題から応用問題まで幅広く適用しようとするものが広く販売されており、また、基本問題を主として集めた基本問題集、応用問題を主とした応用問題集もそれぞれ提供されている。また、実際の入試問題集についても掲載した市販されている。
【0004】
ところで、下記特許文献1には、問題と、その正答率を組み合わせて分類する技術について記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-78732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一冊で基本問題から応用問題まで幅広く適用しようとする教材は、習熟度の低い生徒にとって応用問題は、(少なくともその時点において)徒に時間を費やすものとなってしまう一方、習熟度の高い生徒にとって基本問題を解くことは時間の無駄となってしまうため、効率の良い教材とは到底言えなかった。
【0007】
また、習熟度の低い生徒には基本問題集が、習熟度の高い生徒には応用問題集が良いものであると考えられるが、それぞれにおいて、どの程度の基本問題であるか、どの程度の応用問題であるのかといった明確な指標が存在しておらず、市販の教材で申込者が掲げる高品質な教育には十分対応できるとは言い難かった。
【0008】
また、実際に力をつけるためには実際の入試問題集を解くのが効率的であるが、入試問題においても基本問題、応用問題があり、これらの区別なく解くことも申込者が行おうとする高品位な教育には十分対応できなかった。
【0009】
さらに、上記特許文献1に記載の技術は、解いた問題の正答率を表示させることが主であり、所望の正答率の問題のみを選択して問題集を作成すること等については考えが及んでいない。
【0010】
そして、これらの問題作成において近年は電子データ化されたものに基づきいわゆるコンピュータにより作製されるのが一般的であるが、結局は人間の手作業で行う場合も多く、たとえコンピュータを使用したとしても漏れのない正確な作業は現実的ではない。
【0011】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、所望の正答率の問題を選択して効率の良い教材を作成するための教材データ作成プログラム及び教材作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る教材データ作成方法は、複数の問題データを記録し、問題データの各々に正答率データを対応させて記録し、選択する正答率範囲データを記録し、正答率範囲データに含まれる正答率データが対応した前記問題データのみを選択するものである。
【0013】
また、本発明の他の一観点に係る教材データ作成プログラムは、コンピュータに、複数の問題データを記録する手段と、問題データの各々に正答率データを対応させて記録する手段と、選択する正答率範囲データを記録する手段と、正答率範囲データに含まれる正答率データが対応した問題データを選択する手段と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明により、所望の正答率の問題を選択して効率の良い教材を作成するための教材データ作成プログラム及び教材作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る教材データ作成方法の流れの概略を示す図である。
図2】実施形態に係る問題データの問題例について示す図である。
図3】実施形態に係る正答率範囲データの入力画面例について示す図である。
図4】実施形態に係る解答データの解答及び解説例について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載された具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0017】
(問題作成)
図1は、本実施形態に係る教材データ作成方法(以下「本方法」という。)の流れについて説明する図である。本方法は、本図で示すように、(A)複数の問題データを記録し、(B)問題データの各々に正答率データを対応させて記録し、(C)選択する正答率範囲データを記録し、(D)正答率範囲データに含まれる正答率データが対応した問題データのみを選択する、ものである。
【0018】
また、本方法は、所望の効果を得ることができる限りにおいて限定されるわけではないが、情報処理装置、いわゆるコンピュータを用いて実現することができる。より具体的に説明すると、上記情報処理装置のハードディスク等の記録媒体に、コンピュータプログラムを記録し、このコンピュータプログラムを実行することにより、上記方法を実現することができる。つまり、本方法は、コンピュータに、複数の問題データを記録する手段と、問題データの各々に正答率データを対応させて記録する手段と、選択する正答率範囲データを記録する手段と、正答率範囲データに含まれる正答率データが対応した問題データを選択する手段と、を備える教材データ作成プログラム用い、これを実行することで実現できる。
【0019】
なおここで、情報処理装置、いわゆるコンピュータは、広く市販されているものを利用することができる。具体的には、中央演算装置(CPU)と、ハードディスク等の記録媒体と、メモリ等の一時的記憶媒体と、キーボードやマウス等の入力装置と、これらを電気的に接続し、データの送受信を行うことのできるバスと、液晶ディスプレイ等のモニタ装置と、作成されたデータに基づき紙等の媒体に印刷するプリンタと、を備えていることが好ましい。
【0020】
まず、本方法では、(A)複数の問題データを記録するステップを備える。ここで、「問題データ」とは、数学、国語、理科、社会、英語等の勉強科目毎における問題に関する情報を含むデータである。図2は、この問題データに含まれる情報の例(数学)を示す。本図で示すように、問題データは一つの問題毎に記録されていくことになる。
【0021】
本ステップにおいて、問題データは、テキストデータであってもよく、また文章を画像情報として含む画像データであってもよく、これら両方を含むデータであってもよい。
【0022】
また、本ステップにおいて、問題データは、多数の科目の問題に関する情報を含む場合、当該問題がどの科目の問題であるのかの情報を含む科目データを含むことが好ましい。具体的には、限定されるわけではないが、例えば、科目が数学である場合、数学に対応する識別番号データを付しておくことが好ましい。
【0023】
また、本ステップにおいて、問題データは、上記科目データに加えてされに、出題カテゴリーデータを含んでいることも好ましい。例えば数学でも単純計算問題や文章問題、更には図形問題であるか等の問題の種類や分野(カテゴリー)に分けることができる。このため、出題カテゴリーデータを含ませることでより細かな分類が可能となるといった利点がある。この場合においても、具体的には、限定されるわけではないが、例えば、単純計算問題、図形問題などにそれぞれ対応する識別番号データを付しておくことが好ましい。
【0024】
また本ステップにおいて、問題データには、出題年度データが含まれていることが好ましい。出題年度データとは、当該問題データに含まれる問題情報が何年度に出題されたものであるかを把握するために用いられる年度に関する情報を含むデータである。このデータは、上記問題データと同様、テキストデータであってもよく、また年度に関する情報を含む画像データであってもよく、これら両方を含んでもよいが、問題のより精度の高い整理を行う観点からするとテキストデータを含むことが好ましい。本ステップでは、問題データに出題年度データを含ませることで、何年度のテストにどのような問題が出たのかを容易に把握することができる。
【0025】
また本ステップにおいて、問題データには、集団データが含まれていることも好ましい。ここで「集団データ」とは、問題が出されたのがどの集団であるのかに関する情報を含むデータをいい、例えばある県の高校入試問題として出題された場合は、「××県」等の県名情報を含むテキストデータや、これに対応する符号や記号の識別番号データを例示することができる。また、ある私立校の入試である場合は、当該学校名の情報を含むテキストデータ、当該学校の所在地(都道府県)に関するテキストデータや、これに対応する符号や記号の識別番号データであることが好ましい。テストにおける正答率はテストを受験する集団によって異なる。したがって、この集団に関するデータを入れておくことで、後述の正答率データの処理において正答率を補正し、多数の集団に関する問題を集積させた場合でもより統一の取れた客観性のある正答率を求めることができるようになる。また、多数の集団か特定の集団を除外することも可能となる。例えば集団全体の正答率があまりに高すぎる集団やあまりに低すぎる集団は正答率の正確性に疑義がある場合があるため、このような集団は除外しておくことが好ましい場合もある。
【0026】
また、本方法では、(B)問題データの各々に正答率データを対応させて記録するステップを備える。ここで「正答率データ」とは、当該問題データに情報として含まれる問題が、試験を受けた受験生にどのくらいの割合で正答されたかを示す数値のデータである。このように正答率データを含ませることで、問題の難易度を判断し、当該問題が基本問題であるか、応用問題であるのか等を客観的に評価・選択が可能となり、より効率の良い教材を作成することができるようになる。
【0027】
また、本ステップにおける正答率データは、そのままの正答率データに加え、又はそのままの正答率データに代えて、修正を行った補正後正答率データを含んでいることも好ましい。上記集団データのところで述べたように、例えば二つの問題データにおいて同じ正答率であっても、受験者の集団が異なりその能力に差がある場合、当然その問題の難易度は異なっていると考えられる。そこで、正答率に対して修正を加えることで、より客観的な正答率を把握し、より効率よく精度の高い教材を作成することができるようになる。
【0028】
上記補正後正答率データの補正方法は特に限定されるわけではないが、例えば複数の集団の集合における各集団の偏差値に関する情報を含む偏差値データを用いることが好ましい。この偏差値データを用いることで、より客観的な数値に基づき正答率の補正を行うことができる。なおこの偏差値データは、例えば県立入試であれば、その直近に行われた全国統一のテスト等の結果を採用することができる。
【0029】
また、本方法では、(C)選択する正答率範囲データを記録するステップを備える。本ステップを用いることで、本方法は、応用問題を集中的に選択するか、基本問題を選択的に集中するか、その間とするか等、所望のレベルの問題を選択することができるようになる。ここで正答率範囲データとは、抽出したい問題における正答率範囲の情報を含むデータであり、例えば正答率40%以上60%以下の中級問題集を作成したい場合は、40%以上60%以下を正答率範囲データとすることが想定される。図3に、作成したい教材における正答率の範囲を入力する画面の例について示しておく。
【0030】
また、本方法では、(D)正答率範囲データに含まれる正答率データが対応した問題データのみを選択するステップを備える。具体的には、入力した正答率範囲データの範囲に含まれる正答率データを備える問題データのみを抽出する。これにより、所望の正答率範囲のみを抽出でき、より効率の良い教材作成が可能になる。
【0031】
また、本方法では、限定されるわけではないが、上記の通り問題データに出題カテゴリーデータが含まれている場合、(E)選択された問題データについて、出題カテゴリーデータ毎に並べ替えを行うステップを備えていることが好ましい。このようにすることで、類似した問題は類似した問題とまとめることが可能となり、より効率の良い教材を作成することができるようになる。
【0032】
(解答作成)
ところで、本方法では、上記問題集を作成するだけではなく、これに対応した解答集を作成することが好ましい。この場合、予め上記複数の問題データに対応した解答データを記録しておき、上記作製した問題集における問題データの並び順に上記回答データを選択及び並べ替えを行うことで、解答集を作成することができる。ここで「解答データ」とは、数学、国語、理科、社会、英語等の勉強科目毎、かつ、上記問題データに対応して記録される、解答に関する情報を含むデータである。図4は、この解答データに含まれる情報の例(数学)を示す。本図で示すように、解答データは問題データ毎に対応して一つの問題毎に記録されていくことになる。
【0033】
以上、本方法によると、所望の正答率の問題を選択して効率の良い教材を作成するための教材データ作成プログラム及び教材作成方法を提供することができる。より具体的に説明すると、本方法によると生徒の学習習熟度に応じて問題集を作成することが容易になるため、より細やかな指導が可能となる。特に、当技術は、客観的な正答率という値を用いることができるため、学習成果も定量的に評価が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、教材データ作成プログラム及び教材作成方法として産業場利用可能性がある。

図1
図2
図3
図4