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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】リアコンバージョンレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/12 20060101AFI20221219BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G02B15/12
G02B13/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019074333
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2020173319
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良祐
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/134928(WO,A1)
【文献】特開2020-140021(JP,A)
【文献】特開2020-140197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主レンズの像側に着脱可能に装着し、その焦点距離を拡大するリアコンバージョンレンズであって、
物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正または負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群から成り、
各レンズ群は1枚のレンズまたは1組の接合レンズから成り、
前記第3レンズ群は1枚の負レンズを有し、
以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズ。
(1) 0.40≦BF/h≦1.10
(2) 0.80≦(L-PPO)/L≦1.70
(3) -1.00≦(L+PPI)/L≦0.20
(4) 0.10≦f123/f≦0.60
(6) nd3n≧1.97
但し、
BF:前記主レンズに前記リアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカス
h:最大像高
L:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離
PPO:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPI:前記リアコンバージョンレンズの最も像側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f123:前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成焦点距離
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
nd3n:前記第3レンズ群に含まれる負レンズのd線に対する屈折率

【請求項2】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のリアコンバージョンレンズ。
(5) -0.30≦f2/f3≦0.30
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離

【請求項3】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のリアコンバージョンレンズ。
(7) (D34-PPI123+PPO4)/(-f)≧0.100
但し、
D34:前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間の空気間隔
PPI123:前記第3レンズ群の最も像側のレンズ面から、前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成系の像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPO4:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面から、前記第4レンズ群の物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【請求項4】
前記第4レンズ群は1枚の像側に凸面を向けた正メニスカスレンズから成り、
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズ。
(8) 0.15≦RG4rear/f≦0.50
(9) -8.00≦(RG4rear+RG4front)/(RG4rear-RG4front)≦-1.20
但し、
RG4rear:前記第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
RG4front:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【請求項5】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズ。
(10) S0*HG1*β/h≧21.0
但し、
S0:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から、前記主レンズの結像面までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
HG1:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面の有効光線高
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
h:最大像高
【請求項6】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズ。
(11) 1.85≦β≦2.15
但し、
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
【請求項7】
前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズと負レンズとを接合してなる1組の3枚接合レンズから成り、
前記第2レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成り、
前記第3レンズ群は物体側から順に正レンズと負レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどに用いられる撮影レンズ(主レンズ)の像側に装着し、その焦点距離を拡大するリアコンバージョンレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主レンズとカメラ本体との間に着脱可能に装着して、全系の焦点距離を主レンズ単独の焦点距離に比べて長い方へ変化させるリアコンバージョンレンズが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-191211号公報
【文献】特開2016-177042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、クイックリターンミラーを廃止し、一眼レフレックスカメラに比べてフランジバックが短く、システムとして小型化に有利なミラーレスカメラシステムが人気を博しており、フルサイズのような大型の撮像素子を有したミラーレスカメラシステムも増えている。そのような大型の撮像素子を有したミラーレスカメラシステムに適した小型で高い結像性能を有するリアコンバージョンレンズが求められている。
【0005】
特許文献1に記載のリアコンバージョンレンズは一眼レフレックスカメラシステムの長いフランジバックを前提としており、ミラーレスカメラシステム用のフランジバックの短い主レンズに装着した場合には主レンズとの主点間距離が大きくなり拡大倍率が小さくなってしまう。
【0006】
特許文献2に記載のリアコンバージョンレンズはミラーレスカメラシステムでの使用を目的としているが、実施例は比較的小型の撮像素子向けの光学系のみである。大型の撮像素子向けにスケーリングした場合には対応可能なフランジバックも長くなるため、大型の撮像素子を有したミラーレスカメラシステムに好適とは言えない。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、フランジバックが短く、大型の撮像素子を有するミラーレスカメラシステムに対応し、小型で高い結像性能を有するリアコンバージョンレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するための第1の発明は、主レンズの像側に着脱可能に装着し、その焦点距離を拡大するリアコンバージョンレンズであって、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正または負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群から成り、各レンズ群は1枚のレンズまたは1組の接合レンズから成り、第3レンズ群は1枚の負レンズを有し、以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズ。
(1) 0.40≦BF/h≦1.10
(2) 0.80≦(L-PPO)/L≦1.70
(3) -1.00≦(L+PPI)/L≦0.20
(4) 0.10≦f123/f≦0.60
(6) nd3n≧1.97
但し、
BF:前記主レンズに前記リアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカス
h:最大像高
L:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離
PPO:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPI:前記リアコンバージョンレンズの最も像側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f123:前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成焦点距離
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
nd3n:前記第3レンズ群に含まれる負レンズのd線に対する屈折率

【0009】
また、前述の課題を解決するための手段である第2の発明は、第1の発明であるリアコンバージョンレンズであって、さらに以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
(5) -0.30≦f2/f3≦0.30
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
【0010】
また、前述の課題を解決するための第3の発明は、第1の発明又は第2の発明であるリアコンバージョンレンズであって、さらに以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
(7) (D34-PPI123+PPO4)/(-f)≧0.100
但し、
D34:前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間の空気間隔
PPI123:前記第3レンズ群の最も像側のレンズ面から、前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成系の像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPO4:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面から、前記第4レンズ群の物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【0011】
また、前述の課題を解決するための手段である第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズであって、さらに前記第4レンズ群は1枚の像側に凸面を向けた正メニスカスレンズから成り、以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
(8) 0.15≦RG4rear/f≦0.50
(9) -8.00≦(RG4rear+RG4front)/(RG4rear-RG4front)≦-1.20
但し、
RG4rear:前記第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
RG4front:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【0012】
また、前述の課題を解決するための手段である第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズであって、さらに以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
(10) S0*HG1*β/h≧21.0
但し、
S0:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から、前記主レンズの結像面までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
HG1:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面の有効光線高
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
h:最大像高
【0013】
また、前述の課題を解決するための手段である第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズであって、さらに以下に示す条件式を満足することを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
(11) 1.85≦β≦2.15
但し、
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
【0014】
また、前述の課題を解決するための手段である第7の発明は、第1の発明乃至第6の発明のいずれかに記載のリアコンバージョンレンズであって、さらに前記第1レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズと負レンズとを接合してなる1組の3枚接合レンズから成り、前記第2レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成り、前記第3レンズ群は物体側から順に正レンズと負レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成ることを特徴とするリアコンバージョンレンズである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フランジバックが短く、大型の撮像素子を有するミラーレスカメラシステムに対応し、小型で高い結像性能を有するリアコンバージョンレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】各実施例に用いる主レンズのレンズ構成図である。
図2】各実施例に用いる主レンズの縦収差図である。
図3】各実施例に用いる主レンズの横収差図である。
図4】実施例1のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時のレンズ構成図である。
図5】実施例1のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
図6】実施例1のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の縦収差図である。
図7】実施例1のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の横収差図である。
図8】実施例2のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
図9】実施例2のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の縦収差図である。
図10】実施例2のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の横収差図である。
図11】実施例3のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
図12】実施例3のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の縦収差図である。
図13】実施例3のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の横収差図である。
図14】実施例4のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
図15】実施例4のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の縦収差図である。
図16】実施例4のリアコンバージョンレンズを主レンズに装着した時の横収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のリアコンバージョンレンズは、図5図8図11図14に示すレンズ構成図から分かるように、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正または負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、各レンズ群は1枚のレンズまたは1組の接合レンズから構成される。
また、本発明のリアコンバージョンレンズは、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.40≦BF/h≦1.10
(2) 0.80≦(L-PPO)/L≦1.70
(3) -1.00≦(L+PPI)/L≦0.20
(4) 0.10≦f123/f≦0.60
但し、
BF:前記主レンズに前記リアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカス
h:最大像高
L:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離
PPO:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPI:前記リアコンバージョンレンズの最も像側のレンズ面から前記リアコンバージョンレンズの像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f123:前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成焦点距離
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【0018】
主レンズの焦点距離を長い方へ変化させるリアコンバージョンレンズは、全系として負の屈折力を有している。フランジバックの短いミラーレスカメラシステムでは主レンズの結像点に近い位置にリアコンバージョンレンズが配置されるため、必要な拡大倍率を得るのにリアコンバージョンレンズ全系として強い負の屈折力が必要になる。
その理由の概略を以下に示す。
薄肉近似で考え、リアコンバージョンレンズから主レンズの結像点までの距離をS、リアコンバージョンレンズの焦点距離をf、リアコンバージョンレンズの拡大倍率をβとした時、ニュートンの結像式の変形より、以下の(参考式a)が成り立つ。
(参考式a) S=(1/β-1)*f
拡大倍率βを一定(β>1)とした時、Sが小さくなると、fの絶対値は小さくなる。即ち、主レンズの結像点に近い位置にリアコンバージョンレンズが配置されると、拡大倍率を維持するにはリアコンバージョンレンズの負の屈折力を大きくする必要がある。
【0019】
本発明のリアコンバージョンレンズは、第2レンズ群と第3レンズ群の合成系が強い負の屈折力を有しており、強い負の屈折力により発生する諸収差を正の屈折力を有する第1レンズ群、第4レンズ群で補正している。第2レンズ群、第3レンズ群の持つ球面収差、軸上色収差を比較的軸上光束径の大きい第1レンズ群で補正している。また、第2レンズ群、第3レンズ群の持つ像面湾曲、非点収差、正の歪曲収差の補正には軸上光束径が小さく、軸外光線高が大きい第4レンズ群の寄与が大きくなり、第1レンズ群、第4レンズ群の両方で補正している。
【0020】
条件式(1)は大型の撮像素子を有するミラーレスカメラシステムにおいて適切なバックフォーカスを確保しつつ、リアコンバージョンレンズの小型化を達成するために、主レンズにリアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカスと最大像高との比について好ましい範囲を規定するものである。
【0021】
条件式(1)の上限値を超えて、主レンズにリアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカスが大きくなると、リアコンバージョンレンズの全長が大きくなり、小型化が困難になる。一方、条件式(1)の下限値を超えて、主レンズにリアコンバージョンレンズを装着した状態でのバックフォーカスが小さくなり過ぎるとバックフォーカスの不足によりミラーレスカメラシステムに適用することが困難になる。
【0022】
尚、条件式(1)について、望ましくはその下限値を0.50に、また上限値を1.00に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0023】
条件式(2)はリアコンバージョンレンズの物体側主点の位置について好ましい範囲を規定するものである。物体側主点を主レンズに近づけることで、主レンズとリアコンバージョンレンズの主点間距離が小さくなり、より小さい負の屈折力で所望の拡大倍率を得ることが可能になる。リアコンバージョンレンズの有する負の屈折力が小さくなることで、諸収差の発生量が抑制され、高い結像性能を実現することが容易になる。
【0024】
条件式(2)の下限値を超えて、物体側主点の位置が像側に近づくと、主レンズとリアコンバージョンレンズの主点間距離が大きくなり、所望の拡大倍率を得るためにはリアコンバージョンレンズの負の屈折力が大きくなる。それにより、諸収差の発生量が増加し、高い結像性能を実現することが困難になる。一方、条件式(2)の上限値を超えて、物体側主点の位置を物体側に近づけるためには、リアコンバージョンレンズのフロント側に負の屈折力、リア側に正の屈折力というパワー配置の非対称性を大きくする必要がある。それにより各群で発生する諸収差が増加し、高い結像性能を実現することが困難になる。
【0025】
尚、条件式(2)について、望ましくはその下限値を1.00に、また上限値を1.50に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0026】
条件式(3)はリアコンバージョンレンズの像側主点の位置について好ましい範囲を規定するものである。リアコンバージョンレンズの像側主点から結像面までの距離は、リアコンバージョンレンズの拡大倍率と焦点距離によって決まる。像側主点から結像面までの距離を一定とした時、バックフォーカスは像側主点の位置によって変化する。像側主点の位置を物体側寄りに配置することで、バックフォーカスを小さくして、リアコンバージョンレンズを小型化することが容易になる。
【0027】
条件式(3)の上限値を超えて、像側主点の位置が像側に近づくと、バックフォーカスが大きくなり、リアコンバージョンレンズの小型化が困難になる。一方、条件式(3)の下限値を超えて、像側主点の位置が物体側に近づくと、バックフォーカスの不足によりミラーレスカメラシステムに適用することが困難になる。
【0028】
尚、条件式(3)について、望ましくはその下限値を-0.80に、また上限値を0.00に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0029】
条件式(4)は第1レンズ群から第3レンズ群の合成焦点距離とリアコンバージョンレンズ全系の焦点距離の比について好ましい範囲を規定するものである。第1レンズ群から第3レンズ群の合成系に負の屈折力を配置し、第4レンズ群に正の屈折力を配置し、リアコンバージョンレンズ全系の物体側寄りに負の屈折力、像側寄りに正の屈折力という屈折力配置とすることで、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点を物体側に寄せることが容易になる。
【0030】
条件式(4)の上限値を超えて、第1レンズ群から第3レンズ群の負の屈折力が弱くなると、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点が像側に近づき、その結果として前述の通り高い結像性能と小型化の実現が困難になる。一方、条件式(4)の下限値を超えて、第1レンズ群から第3レンズ群の負の屈折力が強くなり過ぎると、強い負の屈折力により発生する諸収差の補正が困難になり、高い結像性能の実現が困難になる。
【0031】
尚、条件式(4)について、望ましくはその下限値を0.20に、また上限値を0.50に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0032】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、第3レンズ群が1枚の負レンズを有し、以下に示す条件式を満足することが望ましい。
(5) -0.30≦f2/f3≦0.30
(6) nd3n≧1.97
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
nd3n:前記第3レンズ群に含まれる負レンズのd線に対する屈折率
【0033】
条件式(5)は第2レンズ群の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離の比について好ましい範囲を規定するものである。第2レンズ群と第3レンズ群は合成系として強い負の屈折力を有するが、第3レンズ群の負の屈折力分担が大きくなり過ぎると、第1レンズ群から第3レンズ群の合成系の像側主点位置が像側に近づき、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点の位置を物体側に近づけることが困難になる。そのため、第2レンズ群に強い負の屈折力、第3レンズ群に正または負の弱い屈折力を配置することが望ましい。
【0034】
条件式(5)の上限値を超えて、第3レンズ群の負の屈折力が強くなり過ぎると、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点の位置を物体側に近づけることが困難になる。一方、条件式(5)の下限値を超えて、第3レンズ群の正の屈折力が強くなり過ぎると、全系の負の屈折力を維持するために第2レンズ群の負の屈折力を強くせざるを得ず、第2レンズ群で発生する諸収差が大きくなり、高い結像性能を実現することが困難になる。
【0035】
尚、条件式(5)について、望ましくはその下限値を-0.20に、また上限値を0.20に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0036】
条件式(6)は第3レンズ群に含まれる負レンズの材料の屈折率に関するものである。第3レンズ群の負レンズに高屈折率の材料を用いることで、第2レンズ群と第3レンズ群の合成系で発生するペッツバール和を抑制することが容易になる。高屈折率の材料は第2レンズ群に使用するよりも、相対的に軸上光束径が小さく周辺主光線高が高い第3レンズ群に用いる方が像面湾曲、非点収差を補正する上で望ましい。
【0037】
条件式(6)の下限値を超えて、第3レンズ群に含まれる負レンズの材料の屈折率が小さくなると、第2レンズ群と第3レンズ群の合成系で発生する負のペッツバール和が増加し、像面湾曲、非点収差の良好な補正が困難になり、高い結像性能の実現が困難になる。
【0038】
尚、条件式(6)について、望ましくはその下限値を2.02に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0039】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、以下に示す条件式を満足することが望ましい。
(7) (D34-PPI123+PPO4)/(-f)≧0.100
但し、
D34:前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間の空気間隔
PPI123:前記第3レンズ群の最も像側のレンズ面から、前記第1レンズ群から前記第3レンズ群の合成系の像側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
PPO4:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面から、前記第4レンズ群の物体側主点までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【0040】
条件式(7)は第1レンズ群から第3レンズ群の合成系の像側主点位置から第4レンズ群の物体側主点の距離に関するものである。第1レンズ群から第3レンズ群の合成系の負の屈折力と第4レンズ群の正の屈折力の主点間距離を大きくすることで、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点を物体側に寄せることが容易になる。
【0041】
条件式(7)の下限値を超えて、第1レンズ群から第3レンズ群の合成系の像側主点位置から第4レンズ群の物体側主点の距離が小さくなると、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点が像側に近づき、その結果として前述の通り高い結像性能と小型化の実現が困難になる。
【0042】
尚、条件式(7)について、望ましくはその下限値を0.150に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0043】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、第4レンズ群は1枚の像側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成され、以下に示す条件式を満足することが望ましい。
(8) 0.15≦RG4rear/f≦0.50
(9) -8.00≦(RG4rear+RG4front)/(RG4rear-RG4front)≦-1.20
但し、
RG4rear:前記第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径
RG4front:前記第4レンズ群の最も物体側のレンズ面の曲率半径
f:前記リアコンバージョンレンズ全系の焦点距離
【0044】
条件式(8)は第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径とリアコンバージョンレンズ全系の焦点距離の比について、好ましい範囲を規定するものである。第4レンズ群の最も像側のレンズ面がきつい凸面であることにより、第2レンズ群、第3レンズ群で発生する負のペッツバール和を補正することが容易になる。
【0045】
条件式(8)の上限値を超えて、第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径が大きくなると、ペッツバール和の補正が十分にできず、高い結像性能を実現することが困難になる。
一方、条件式(8)の下限値を超えて、第4レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径が小さくなり過ぎると、第4レンズ群の全長や重量が増加し、小型化が困難になる。
【0046】
尚、条件式(8)について、望ましくはその下限値を0.20に、また上限値を0.40に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0047】
条件式(9)は第4レンズ群のシェイプファクターについて好ましい範囲を規定するものである。第4レンズ群は像側に凸面を向けた正メニスカス形状とすることで、第4レンズ群の物体側主点位置を像側に寄せることが可能になり、第1レンズ群から第3レンズ群の合成系と第4レンズ群の主点間距離を大きくすることで、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点を物体側に寄せることが容易になる。
【0048】
条件式(9)の上限値を超えて、第4レンズ群のレンズ形状が平凸形状に近づくと、第4レンズ群の物体側主点が物体側に寄ってしまい、第1レンズ群から第3レンズ群の合成系と第4レンズ群の主点間距離が小さくなることで、リアコンバージョンレンズの物体側主点、像側主点を物体側に寄せることが困難になる。一方、条件式(9)の下限値を超えて、第4レンズ群のレンズ形状がより極端なメニスカス形状になり過ぎると、第4レンズ群の正の屈折力が小さくなり、像面湾曲、非点収差、歪曲収差の良好な補正が困難になる。
【0049】
尚、条件式(9)について、望ましくはその下限値を-6.00に、また上限値を-1.50に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0050】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、以下に示す条件式を満足することが望ましい。
(10) S0*HG1*β/h≧21.0
但し、
S0:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面から、前記主レンズの結像面までの距離(物体側から像側に向かう向きを正とする。)
HG1:前記リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面の有効光線高
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
h:最大像高
【0051】
条件式(10)は主レンズの射出瞳位置から結像点の距離が長い場合にも本発明のリアコンバージョンレンズが適用可能とするための条件式である。フランジバックの短いミラーレスカメラシステムでは主レンズの結像点に近い位置にリアコンバージョンレンズが配置されるため、主レンズの周辺光線がリアコンバージョンレンズ側でケラレやすい。射出瞳位置から結像点の距離が長い主レンズにも適用可能とするためには、リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面の位置と有効光線高を適切に設定することが重要になる。
【0052】
条件式(10)の下限値を超えて、主レンズの結像面から、リアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面までの距離が短くなる、あるいはリアコンバージョンレンズの最も物体側のレンズ面の有効光線高が小さくなると、射出瞳位置から結像点の距離が長い主レンズに適用することが困難になる。
【0053】
尚、条件式(10)について、望ましくはその下限値を22.0に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0054】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、以下に示す条件式を満足することが望ましい。
(11) 1.85≦β≦2.15
但し、
β:前記リアコンバージョンレンズの拡大倍率
【0055】
条件式(11)はリアコンバージョンレンズの拡大倍率を規定するものである。
【0056】
条件式(11)の下限値を超えた場合、リアコンバージョンレンズとして十分な拡大倍率を確保できない。一方、条件式(11)の上限値を超えた場合、リアコンバージョンレンズの負の屈折力が強くなり、諸収差の補正が困難になる。
【0057】
尚、条件式(11)について、望ましくはその下限値を1.90に、また上限値を2.10に限定することで、前述の効果をより確実にすることができる。
【0058】
さらに本発明のリアコンバージョンレンズでは、第1レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズと負レンズとを接合してなる1組の3枚接合レンズから成り、第2レンズ群は物体側から順に負レンズと正レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成り、第3レンズ群は物体側から順に正レンズと負レンズとを接合してなる1組の接合レンズから成ることが望ましい。
【0059】
レンズ群を負レンズ、正レンズ、負レンズからなる3枚接合レンズとすることで、レンズ間隔や偏芯等の製造誤差による性能低下を抑制しつつ、球面収差、軸上色収差を良好に補正することが容易になる。
【0060】
第2レンズ群を負レンズ、正レンズからなる接合レンズとすることで、第2レンズ群内で発生する軸上色収差、倍率色収差を低減し、リアコンバージョンレンズ全系での良好な色収差補正が容易になる。
【0061】
第3レンズ群を正レンズ、負レンズからなる接合レンズとすることで、第3レンズ群内で発生する軸上色収差、倍率色収差を低減し、リアコンバージョンレンズ全系での良好な色収差補正が容易になる。
【0062】
以下に、前述した本発明のリアコンバージョンレンズの各実施例の具体的な数値を示す。
【0063】
[面データ]において、面番号は物体側から数えたレンズ面または開口絞りの番号、rは各面の曲率半径、dは各面の間隔、ndはd線(波長λ=587.56nm)に対する屈折率、vdはd線に対するアッベ数、有効光線高は各面における最も光線高の大きい光線の光線高を示している。
【0064】
面番号に付した(絞り)は、その位置に開口絞りが位置していることを示している。平面又は開口絞りに対する曲率半径には∞(無限大)を記入している。
【0065】
[非球面データ]には[面データ]において*を付したレンズ面の非球面形状を与える各係数値を示している。非球面の形状は、光軸に直交する方向への変位をy、非球面と光軸の交点から光軸方向への変位(サグ量)をz、コーニック係数をK、4、6、8、10次の非球面係数をそれぞれA4、A6、A8、A10と置くとき、非球面の座標が以下の式で表わされるものとする
【0066】
[各種データ]は、撮影距離が無限遠(INF)における値を示している。
【0067】
[可変間隔データ]は、撮影距離が無限遠(INF)における可変間隔及びBF(バックフォーカス)の値を示している。また、d1は、主レンズの最も像側の面とリアコンバージョンレンズの最も物体側の面の間隔である。
【0068】
[レンズ群データ]には、各レンズ群を構成する最も物体側の面番号及び群全体の合成焦点距離を示している。
【0069】
尚、以下のすべての諸元値において、記載している焦点距離f、曲率半径r、レンズ面間隔d、その他の長さの単位は特記のない限りミリメートル(mm)を使用するが、光学系では比例拡大と比例縮小において同等の光学性能が得られるので、これに限定されるものではない。
【0070】
また、図1図4において、Sは開口絞り、Iは像面、Fはフィルタ、中心を通る一点鎖線は光軸である。
【0071】
次に、本発明のリアコンバージョンレンズに係る実施例のレンズ構成について説明する。
尚、以下の説明ではレンズ構成を物体側から像側の順番で記載する。
(主レンズ)
図1は、本発明のリアコンバージョンレンズを装着する主レンズのレンズ構成図である。
ただし、主レンズはこれに限らない。また、主レンズに実施例1のリアコンバージョンレンズを装着したときのレンズ構成図を図4に示す。
【0072】
主レンズは、物体側より順に、両凸レンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凹レンズL3と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7からなる接合レンズと、開口絞りと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と両凸レンズL9からなる接合レンズと、両凹レンズL10と両凸レンズL11と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12との3枚からなる接合レンズから構成される。
【0073】
以下に、各実施例に用いた主レンズの結像光学系の諸元値を示す。
主レンズ
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd 有効光線高
物面 ∞ (d0)
1 111.9173 20.8268 1.43700 95.10 52.60
2 -495.5275 2.0000 51.77
3 113.6922 14.6266 1.43700 95.10 47.32
4 1558.7754 5.4143 45.61
5 -555.2988 4.0000 1.74330 49.22 44.09
6 359.9722 12.0000 42.21
7 87.7955 2.5000 1.78590 43.93 36.69
8 46.7063 16.2148 1.55032 75.50 33.46
9 137.9693 37.1684 31.75
10 822.2693 1.5000 1.83400 37.34 20.80
11 42.0060 5.4599 1.84666 23.78 19.72
12 76.3607 30.7194 19.20
13(絞り) ∞ 16.0306 16.25
14 94.7760 1.0000 2.00100 29.13 15.50
15 61.3988 5.7225 1.62004 36.30 15.48
16 -90.9221 22.2167 15.60
17 -63.4368 1.0000 1.59282 68.62 14.96
18 33.4595 10.0000 1.61340 44.27 15.43
19 -56.0440 1.0000 1.84666 23.78 15.68
20 -943.8831 (BF) 15.97
像面 ∞

[各種データ]
INF
焦点距離 290.00
Fナンバー 2.91
全画角2ω 8.38
像高Y 21.63
レンズ全長 245.40

[可変間隔データ]
INF
d0 ∞
BF 36.0000
【実施例1】
【0074】
図5は、本発明の実施例1のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
実施例1のリアコンバージョンレンズは、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群G1、負の屈折力の第2レンズ群G2、正の屈折力の第3レンズ群G3、正の屈折力の第4レンズ群G4から構成される。
【0075】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3との3枚からなる接合レンズから構成される。第2レンズ群は、両凹レンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5からなる接合レンズから構成される。第3レンズ群は、両凸レンズL6と両凹レンズL7からなる接合レンズから構成される。第4レンズ群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成される。
【0076】
続いて、以下に実施例1に係るリアコンバージョンレンズの諸元値を示す。
数値実施例1
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd 有効光線高
1 ∞ (d1)
2 77.6679 0.9000 2.00100 29.13 8.75
3 18.2216 6.5654 1.72825 28.32 8.69
4 -27.5847 0.9000 1.61997 63.88 8.85
5 -49.4085 2.8454 8.92
6 -41.2287 0.9000 1.88100 40.14 8.78
7 18.2640 3.5266 1.72825 28.32 9.10
8 40.4824 0.1500 9.41
9 28.0116 7.7516 1.59270 35.45 9.79
10 -26.1109 0.9000 2.05090 26.94 10.22
11 252.3233 13.3076 10.79
12 -44.8273 7.3681 1.51742 52.15 15.41
13 -24.5595 (BF) 16.84
像面 ∞

[各種データ]
INF
焦点距離 581.99
Fナンバー 5.83
全画角2ω 4.21
像高Y 21.63
レンズ全長 277.49

[可変間隔データ]
INF
d1 5.1499
BF 17.8254


[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 2 68.99
G2 6 -20.37
G3 9 590.96
G4 12 93.40
【実施例2】
【0077】
図8は、本発明の実施例2のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
実施例2のリアコンバージョンレンズは、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群G1、負の屈折力の第2レンズ群G2、正の屈折力の第3レンズ群G3、正の屈折力の第4レンズ群G4から構成される。
【0078】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3との3枚からなる接合レンズから構成される。第2レンズ群は、両凹レンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5からなる接合レンズから構成される。第3レンズ群は、両凸レンズL6と両凹レンズL7からなる接合レンズから構成される。第4レンズ群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成される。
【0079】
続いて、以下に実施例2に係るリアコンバージョンレンズの諸元値を示す。
数値実施例2
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd 有効光線高
1 ∞ (d1)
2 66.2995 0.9000 2.00100 29.13 8.75
3 16.4056 7.1760 1.72825 28.32 8.66
4 -27.7345 0.9000 1.61997 63.88 8.87
5 -58.0857 3.2163 8.94
6 -43.7911 0.9000 1.88100 40.14 8.87
7 18.0296 3.2214 1.72825 28.32 9.23
8 32.1134 0.1500 9.55
9 26.8903 8.2359 1.59270 35.45 9.91
10 -27.1593 0.9000 2.05090 26.94 10.54
11 244.8695 10.5759 11.22
12 -48.8261 9.1422 1.51742 52.15 15.39
13 -23.0000 (BF) 17.19
像面 ∞

[各種データ]
INF
焦点距離 577.08
Fナンバー 5.78
全画角2ω 4.25
像高Y 21.63
レンズ全長 276.46

[可変間隔データ]
INF
d1 6.2634
BF 15.4787

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 2 76.13
G2 6 -18.95
G3 9 302.62
G4 12 74.99
【実施例3】
【0080】
図11は、本発明の実施例3のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
実施例3のリアコンバージョンレンズは、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群G1、負の屈折力の第2レンズ群G2、負の屈折力の第3レンズ群G3、正の屈折力の第4レンズ群G4から構成される。
【0081】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3との3枚からなる接合レンズから構成される。第2レンズ群は、両凹レンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5からなる接合レンズから構成される。第3レンズ群は、両凸レンズL6と両凹レンズL7からなる接合レンズから構成される。第4レンズ群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成される。
【0082】
続いて、以下に実施例3に係るリアコンバージョンレンズの諸元値を示す。
数値実施例3
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd 有効光線高
1 ∞ (d1)
2 80.3158 0.9000 2.00100 29.13 8.75
3 19.3246 6.5616 1.72825 28.32 8.70
4 -27.3969 0.9000 1.61997 63.88 8.88
5 -52.0568 3.2474 8.95
6 -39.2284 0.9000 1.88100 40.14 8.82
7 18.6096 3.7769 1.72825 28.32 9.19
8 5.1241 0.1500 9.54
9 30.2666 8.7847 1.59270 35.45 9.92
10 -21.7674 0.9000 2.05090 26.94 10.46
11 153.2441 10.1347 11.31
12 -77.4957 10.5318 1.54814 45.82 16.08
13 -24.5879 (BF) 18.02
像面 ∞

[各種データ]
INF
焦点距離 574.77
Fナンバー 5.76
全画角2ω 4.28
像高Y 21.63
レンズ全長 276.30

[可変間隔データ]
INF
d1 6.5664
BF 13.5493

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 2 70.03
G2 6 -20.77
G3 9 -188.40
G4 12 61.38
【実施例4】
【0083】
図14は、本発明の実施例4のリアコンバージョンレンズのレンズ構成図である。
実施例4のリアコンバージョンレンズは、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群G1、負の屈折力の第2レンズ群G2、正の屈折力の第3レンズ群G3、正の屈折力の第4レンズ群G4から構成される。
【0084】
第1レンズ群は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3との3枚からなる接合レンズから構成される。負メニスカスレンズL3の像側の面は所定の非球面形状となっている。第2レンズ群は、両凹レンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5からなる接合レンズから構成される。第3レンズ群は、両凸レンズL6と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL7からなる接合レンズから構成される。第4レンズ群は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8から構成される。
【0085】
続いて、以下に実施例4に係るリアコンバージョンレンズの諸元値を示す。
数値実施例4
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd 有効光線高
1 ∞ (d1)
2 46.7865 0.9000 2.00100 29.13 8.75
3 14.6938 7.3405 1.72825 28.32 8.59
4 -34.5768 0.9000 1.59201 67.02 8.75
5* -138.5516 1.8124 8.79
6 -64.1507 0.9000 1.88100 40.14 8.77
7 16.0395 3.6684 1.72825 28.32 9.01
8 28.5139 0.1500 9.32
9 24.3004 10.9546 1.59270 35.45 9.68
10 -18.0000 0.9000 2.05090 26.94 10.39
11 -306.2165 11.8059 11.37
12 -34.1272 7.3374 1.61340 44.27 15.54
13 -22.8483 (BF) 17.20
像面 ∞

[非球面データ]
5面
K 0.0000
A4 -1.2357E-05
A6 7.7100E-09
A8 -2.2311E-10
A10 0.0000

[各種データ]
INF
焦点距離 576.51
Fナンバー 5.78
全画角2ω 4.31
像高Y 21.63
レンズ全長 275.62

[可変間隔データ]
INF
d1 6.0060
BF 13.5471

[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 2 90.71
G2 6 -19.88
G3 9 165.09
G4 12 90.36
【0086】
また、これらの各実施例における条件式の対応値の一覧を示す。
【0087】
[条件式対応値]
条件式/実施例 ex1 ex2 ex3 ex4
(1) 0.40≦BF/h≦1.10 0.82 0.72 0.63 0.63
(2) 0.80≦(L-PPO)/L≦1.70 1.11 1.21 1.37 1.09
(3) -1.00≦(L+PPI)/L≦0.20 -0.19 -0.39 -0.69 -0.16
(4) 0.10≦f123/f≦0.60 0.42 0.34 0.26 0.41
(5) -0.30≦f2/f3≦0.30 -0.03 -0.06 0.11 -0.12
(6) 1.97≦nd3n 2.05 2.05 2.05 2.05
(7) 下記参照 0.35 0.29 0.22 0.37
(8) 0.15≦RG4rear/f≦0.50 0.34 0.29 0.26 0.33
(9) 下記参照 -3.42 -2.78 -1.93 -5.05
(10) 21.0≦S0*HG1*β/h 25.05 23.94 23.60 24.12
(11) 1.85≦β≦2.15 2.01 1.99 1.98 1.99
※条件式(7)0.10≦(D34-PPI123+PPO4)/(-f)
※条件式(9)-8.00≦(RG4rear+RG4front)/(RG4rear-RG4front)≦-1.20
【符号の説明】
【0088】
ML 主レンズ
RCL リアコンバージョンレンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
S 開口絞り
I 像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16