(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2020125960
(22)【出願日】2020-07-24
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古橋 和宏
【審査官】尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-081456(JP,A)
【文献】特開2005-224341(JP,A)
【文献】特開2018-033535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が所定領域に進入した場合に抽選を行う抽選手段と、
前記抽選にて大当たりに当選した場合に大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、
前記抽選にて小当たりに当選した場合に小当たり遊技を実行する小当たり実行手段と、
遊技状態として、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記抽選にて小当たりに当選し易い第2遊技状態と、があり、前記大当たり遊技の実行後の遊技状態を、
前記第1遊技状態とする場合と前記第2遊技状態とする
場合とがある状態制御手段と、
前記抽選の結果には、第1のハズレと第2のハズレとが含まれ、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、前記第2のハズレを引いた場合にポイントを加算し、前記第1のハズレを引いた場合
あるいは遊技状態が前記第2遊技状態でない場合に前記ポイントを加算しないポイント演算手段と、
前記ポイントが所定値に達したことを条件として、特別演出を実行可能に
し、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中での前記第2のハズレに対応する演出では、大当たりに当選する可能性があることを示唆する演出手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載する遊技機において、
前記ポイント演算手段では、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、前記第2のハズレが連続する回数をカウントし、前記第2のハズレを引いた場合に、前記回数に対応するポイントを加算し、前記第1のハズレを引いた場合あるいは遊技状態が前記第2遊技状態でない場合に前記ポイントを加算しない、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技球が所定領域に進入した場合に抽選を行う抽選手段と、
前記抽選にて大当たりに当選した場合に大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、
前記抽選にて小当たりに当選した場合に小当たり遊技を実行する小当たり実行手段と、
遊技状態として、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記抽選にて小当たりに当選し易い第2遊技状態と、があり、前記大当たり遊技の実行後の遊技状態を、
前記第1遊技状態とする場合と前記第2遊技状態とする
場合とがある状態制御手段と、
前記抽選の結果がハズレであることを示す演出には、
大当たりに当選する可能性があることを示唆するリーチ演出を行うリーチハズレ演出があり、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中
における前記リーチハズレ演出の実行回数に基づいて、特別演出を実行可能にする特別演出手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には、始動口(入球口)への遊技球の入球に基づいて大当たりの当選可否の判定処理を実行し、大当たりの当選である場合に遊技者に有利な大当たり遊技を実行するものがある。また、大当たりの当選でないものの、小当たり遊技と呼ばれる大当たり遊技ほどではないが遊技者に有利な遊技を実行するものがあり、これが頻繁に行われる小当たりラッシュという遊技状態に制御するものがある。そして、この種のパチンコ遊技機において、例えば下記特許文献1では、累積賞球数を表示する機能を備え、大当たり遊技中に獲得した累計の賞球数を表示し、さらに小当たり遊技の場合にも同様に累積の賞球数を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の遊技機では、小当たり遊技を含めた累積賞球数を表示することで、遊技者に有利な遊技状態において、小当たり遊技を含めた遊技を継続することの満足感を遊技者に与え易くなるが、小当たりラッシュ中の演出そのものは単調であり興趣性に欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明の遊技機は、
遊技球が所定領域に侵入した場合に抽選を行う抽選手段と、
前記抽選にて大当たりに当選した場合に大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、
前記抽選にて小当たりに当選した場合に小当たり遊技を実行する小当たり実行手段と、
遊技状態として、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記抽選にて小当たりに当選し易い第2遊技状態と、があり、前記大当たり遊技の実行後の遊技状態を、前記第1遊技状態とする場合と前記第2遊技状態とする場合とがある状態制御手段と、
前記抽選の結果には、第1のハズレと第2のハズレとが含まれ、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、前記第2のハズレを引いた場合にポイントを加算し、前記第1のハズレを引いた場合あるいは遊技状態が前記第2遊技状態でない場合に前記ポイントを加算しないポイント演算手段と、
前記ポイントが所定値に達したことを条件として、特別演出を実行可能にし、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中での前記第2のハズレに対応する演出では、大当たりに当選する可能性があることを示唆する演出手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、小当たり遊技が可能な遊技機において、演出の興趣性を高める技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図3】(A)電チューの開閉部材が開状態であるときの遊技球の流れを示す図である。(B)電チューの開閉部材が閉状態であるときの遊技球の流れを示す図である。
【
図4】
図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図7】
図6に示す内枠本体の下側部の拡大斜視図である。
【
図8】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図11】(A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄種別判定テーブルである。(D)リーチ判定テーブルである。
【
図12】大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。
【
図13】非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図14】時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図15】(A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン(作動態様)決定テーブルである。
【
図16】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図17】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図21】第1特別動作処理のフローチャートである。
【
図22】第2特別動作処理のフローチャートである。
【
図23】第1特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図24】特
図1大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図25】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】第2特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図27】特
図2大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】第1特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図31】第2特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】第1特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図34】特
図2強制停止処理のフローチャートである。
【
図35】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図36】第2特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図37】特
図1強制停止処理のフローチャートである。
【
図38】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図39】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図40】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図41】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図42】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図43】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図44】特
図2変動開始コマンド受信処理のフローチャートである。
【
図45】大当たりオープニングコマンド受信処理のフローチャートである。
【
図46】実施形態に係る遊技機の遊技フローを説明する図である。
【
図47】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図48】特図変動演出のノーマルリーチの具体例を示す説明図である。
【
図49】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図50】小当たりラッシュ中の演出のノーマルリーチの具体例を示す説明図である。
【
図51】小当たりラッシュ中の演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図52】小当たりラッシュ後の大当たり遊技中の演出の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0009】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(
図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6(
図2参照)を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。なお、外枠22を「基枠部」とした場合、内枠21及び前扉23が「開閉部」に相当することになり、内枠21が「第1の開閉部」であり、前扉23が「第2の開閉部」ということができる。
【0010】
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(
図1において不図示)が設けられている。
【0011】
この遊技機枠2の内枠21には、その内枠21が外枠22に対して開放(回動)していることを検出可能な枠開放センサ(枠開放検出手段)2a(
図5参照)が設けられている。そのため、内枠21が外枠22に対して閉鎖しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出していない状態(OFF状態)になる。一方、内枠21が外枠22に対して開放しているときには、枠開放センサ2aが内枠21の開放を検出している状態(ON状態)になり、ON状態を示す検出信号を出力する。以下では、内枠21の外枠22に対する開放を、遊技機枠2の開放として説明することがある。
【0012】
本形態の枠開放センサ2aは、フォトスイッチ(フォトセンサ)である。しかしながら、押しボタンとスプリングとによって物理的な接触を検出するスイッチや、圧力スイッチ(圧力センサ)、近接スイッチ(近接センサ)等であっても良く、適宜変更可能である。なお枠開放検出手段は、内枠21の外枠22に対する開放を検出するものに限られるわけではない。例えば、前扉23の内枠21に対する開放を検出するものであっても良く、内枠21の外枠22に対する開放と、前扉23の内枠21に対する開放の両方を検出できるものであっても良い。また枠開放検出手段の配置箇所は、内枠21に限られるものではなく、外枠22や前扉23であっても良く、適宜変更可能である。
【0013】
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0014】
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0015】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリア(後述する左演出図柄領域50b1)には左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリア(後述する中演出図柄領域50b2)には中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリア(後述する右演出図柄領域50b3)には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81a(
図4参照)および第2特図表示器81b(
図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0016】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0017】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0018】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(
図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0019】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0020】
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口の一例)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0021】
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口に相当)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(
図8参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
【0022】
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口の一例)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、可変始動口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。
【0023】
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12s(
図8参照)により駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
【0024】
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、他の特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(
図8参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0025】
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0026】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0027】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0028】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0029】
ここで、
図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、
図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
【0030】
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球し易い。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている一般入賞口10や第2大入賞口15の方に向かい難い。よって、後述する電サポ制御状態(時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、殆ど第2始動口12に入球して、一般入賞口10に入球することが殆どない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することが殆どない。
【0031】
一方、
図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、一般入賞口10の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、一般入賞口10に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
【0032】
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。
図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図4に示すように、第1特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0033】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0034】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0035】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(大当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(小当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
【0036】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0037】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報)は、後述の特図保留記憶部105(
図8参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0038】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従ってパチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
【0039】
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており(
図4参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0040】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0041】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0042】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106(
図8参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0043】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0044】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており(
図4参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0045】
2.内枠の構成及び排出口センサの配置
次に
図5~
図7に基づいて、内枠21を詳細に説明する。本形態では、内枠21に排出口センサ30aを設けているが、この点については後述する。内枠21は、
図5に示すように、内枠本体21aと、発射機構21bと、施錠装置21cとを備えている。
【0046】
内枠本体21aは、
図6に示すように、枠状に形成されていて、下側に発射機構21bを取付ける下側部21fを有し、右下側に施錠装置21cを有している。また内枠本体21aは、後方(裏側)に透明な合成樹脂材で構成された裏ケース21kを有している。発射機構21bは、遊技球を遊技領域6に向けて発射させるための機構であり、前方側に発射機構本体21dを有し、後方側に取付プレート21eを有している。発射機構本体21dは、取付プレート21eを介して内枠本体21aの下側部21fに取付けられている。
【0047】
施錠装置21cは、遊技機枠2の閉鎖状態を維持するものである。つまり、施錠装置21cによって、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が維持されると共に、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が維持される。施錠装置21cに対して鍵を差し込んで、時計方向に回すと、内枠21の外枠22に対する閉鎖状態が解除され、反時計方向に回すと、前扉23の内枠21に対する閉鎖状態が解除されるようになっている。
【0048】
ここで、
図7は、
図6に示す内枠本体21aの下側部21fの拡大斜視図である。下側部21fは、上側に左右方向に長く開口している落下進入部21gを有している。落下進入部21gは、遊技領域6に打込まれた遊技球が遊技盤1外へ排出された際に、それらの遊技球を進入させる部分である。つまり、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10の各種入賞口に入賞した遊技球と、アウト口19に進入した遊技球は、遊技盤1外へ流下して、全て落下進入部21gに進入するようになっている。
【0049】
そして、落下進入部21gの先には通過する遊技球を検出可能な排出口センサ30a(排出球検出手段)(
図8参照)が設けられている。排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチで構成されている。具体的に、排出口センサ30aは、高周波発振回路を有し、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体(遊技球)を検出するものである。なお、排出口センサ30aは、電磁式のスイッチである近接スイッチに限られるものではなく、光学式のフォトセンサや、機械式のスイッチ(マイクロスイッチ)等であっても良い。
【0050】
本パチンコ遊技機PY1では、排出口センサ30aにより、排出口(遊技球をパチンコ遊技機PY1外に排出するための通過口)を通過する遊技球を1球ずつ検出することが可能である。ここで、排出口を通過する遊技球は、各種入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に入賞した遊技球、又はアウト口19に進入した遊技球であって、言い換えれば、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球(発射球数)である。こうして、内枠本体21aの下側部21fに設けた1つの排出口センサ30aにより、発射球数を1球ずつ精度良く検出することが可能である。なお、遊技領域6に打込まれた全ての遊技球の数は、総発射球数と呼ぶこともできる。また、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じことであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
【0051】
3.遊技機の電気的構成
次に
図8及び
図9に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図8及び
図9に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0052】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0053】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0054】
図8に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0055】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、排出口センサ30a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0056】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。排出口センサ30aは、アウト口19を通過した遊技球を検出するものである。遊技球が各種入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)に入賞した場合でも、遊技球が各種入賞口に入賞せずにアウト口19に進入した場合でも、パチンコ遊技機PY1外に排出される遊技球を排出口センサ30aが検出する。
【0057】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
【0058】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0059】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0060】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0061】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0062】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0063】
図9に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0064】
また
図9に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
【0065】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0066】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データ(音声データともいう)は、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0067】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光データの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0068】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0069】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0070】
なお
図8及び
図9は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図8及び
図9に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図8及び
図9に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図8及び
図9に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0071】
4.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、
図10(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
【0072】
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このような停止表示を、仮停止表示と称し、全く動いていない停止表示を、確定停止表示や最終停止表示と称する。
【0073】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。
変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
【0074】
また、パチンコ遊技機PY1は、ゲート13への遊技球の通過に基づいて、
図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0075】
パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、
図11(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりの当選か否か、及び、小当たりの当選か否かを決定する。本形態では、大当たり当選確率の異なる2つの遊技状態がある。通常確率状態(低確率状態)と高確率状態である。
図11(A)に示すように、低確率状態では、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特
図1)の抽選も、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特
図2)の抽選も、大当たり当選確率は約1/300である。一方、高確率状態では、特
図1の抽選も特
図2の抽選も、大当たり当選確率は約1/100である。このように高確率状態は、低確率状態よりも大当たりに当選し易い遊技状態である。また本形態では、特
図2の抽選において小当たりに当選可能であるが、小当たり当選確率は、高確率状態も低確率状態も同じである。
【0076】
パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特
図1の抽選では、20%の割合で「特
図1_大当たり図柄A」に決定し、70%の割合で「特
図1_大当たり図柄B」に決定し、10%の割合で「特
図1_大当たり図柄C」に決定する。一方、特
図2の抽選では、20%の割合で「特
図2_大当たり図柄D」に決定し、25%の割合で「特
図2_大当たり図柄E」に決定し、55%の割合で「特
図2_大当たり図柄F」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(
図12参照)。この点については後述する。
【0077】
またパチンコ遊技機PY1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図11(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特
図2の抽選では、80%の割合で「特
図2_小当たり図柄a」に決定し、20%の割合で「特
図2_小当たり図柄b」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技における大入賞口の開放パターンが異なる(
図12参照)。この点については後述する。
【0078】
またパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、
図11(D)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
【0079】
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレについて、
図12に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特
図1の抽選や特
図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図1_大当たり図柄C」、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、「特
図2_大当たり図柄F」がある。また、「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0080】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。
【0081】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0082】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0083】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では
図12に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別、及び、第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別は、それぞれ3種類ある。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特
図2の抽選では、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、「特
図2_大当たり図柄F」に当選する可能性がある。
【0084】
図12に示すように、「特
図1_大当たり図柄A」及び「特
図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、「特
図1_大当たり図柄C」は、10R大当たりである。いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0085】
また、「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は100回に設定される。また、「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数(高確率状態における特図変動の上限実行回数)および時短回数は共に、次回まで(次回の大当たりの当選まで、あるいは大当たりに当選することなく実行回数が10000回となるまで)に設定される。また、「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・非時短状態」(小当たりラッシュ)であり、確変回数は次回までに設定される。なお、遊技状態の詳細については後述する。
【0086】
また、「特
図2_大当たり図柄D」、「特
図2_大当たり図柄E」、及び「特
図2_大当たり図柄F」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄D」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、時短回数は100回に設定される。また、「大当たり図柄E」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」であり、確変回数および時短回数は共に、次回までに設定される。また、「大当たり図柄F」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・非時短状態」(小当たりラッシュ)であり、確変回数は次回までに設定される。
【0087】
また特
図2の抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技が実行される。本形態では
図12に示すように、特
図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類ある。具体的には特
図2の抽選では、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」に当選する可能性がある。
【0088】
「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の0.3秒開放が1回行われる。これに対して、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技では、0.008秒のオープニング時間の経過後、第2大入賞口15の1.8秒開放が1回行われる。よって、「小当たり図柄b」に基づく小当たり遊技の方が、「小当たり図柄a」に基づく小当たり遊技よりも、第2大入賞口15への入賞が多く見込める。また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。
【0089】
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確時短状態(低確率状態且つ時短状態)、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)、高確非時短状態(高確率状態且つ非時短状態)がある。低確非時短状態を、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)や通常遊技状態ともいい、低確時短状態を、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)ともいい、高確時短状態を、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)ともいい、高確非時短状態を、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)ともいう。パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
【0090】
高確率状態は、
図11(A)に示すように、低確率状態(通常確率状態)と比べて、大当たりの当選確率が高い遊技状態である。すなわち、高確率状態では、特図表示器81の確率変動機能が作動する。高確率状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。高確率状態における上限実行回数(確変回数)は、何れの確変大当たりに当選した場合でも、次回までに設定される(
図12参照)。
【0091】
また時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dに遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。時短状態は、上述したように大当たり遊技の終了後に移行する(
図12参照)。
【0092】
またパチンコ遊技機PY1は、非時短状態と時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)を決定する(
図13及び
図14参照)。時短状態における特図変動パターン判定テーブル(
図14)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(
図13)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。具体的に特図変動パターンは、遊技状態(時短状態か非時短状態か、高確率状態か低確率状態か)、大当たり判定結果、リーチ判定結果、保留個数、に基づいて、特図変動パターン判定テーブルに照らし合わせて決定される。例えば大当たりに当選している場合、ハズレの場合と比較して、変動時間が長い特図変動パターンが選択され易い。またハズレの場合であっても、リーチ有りの場合、リーチ無しと比較して、変動時間が長い特図変動パターンが選択され易い。
【0093】
また時短状態では、
図15(A)に示すように、普通図柄抽選の当選確率が、非時短状態よりも高くなる。すなわち時短状態では、普図表示器82の確率変動機能が作動する。
【0094】
また時短状態では、
図15(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では2.5秒であるが、時短状態では1.5秒である。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。
【0095】
また時短状態では、
図15(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり1.0秒であるが、時短状態では2.0秒である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
【0096】
また時短状態では、
図15(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態では1回であるが、時短状態では2回である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
【0097】
普図表示器82の確率変動機能や、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(すなわち時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(すなわち非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態(高ベース状態)は、「特典遊技状態」の一例である。
【0098】
なお、時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、及び、電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよい。
【0099】
時短状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。時短状態における上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機となった特別図柄の種別に基づいて決定される。本形態では、時短回数が、100回に設定される場合と、次回までに設定される場合とがある(
図12参照)。
【0100】
本形態では、電サポ制御を伴う時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0101】
これに対して、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)では、左打ちにより左遊技領域6L(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態(低確非時短状態)で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(
図13の表の特
図2且つ低確の欄参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
【0102】
本形態では、第2特別図柄の抽選において、
図11(A)に示すように、約4分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的頻繁に当選することが可能である。そのため、第2特別図柄の抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
【0103】
ここで電サポ制御を伴う高確時短状態や低確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放していることで、殆ど第2始動口12に入球してしまい、小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入賞することが殆どない。つまり、特
図2の抽選が頻繁に実行されて、小当たり遊技によって第2大入賞口15が比較的頻繁に開放しても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることができない。
【0104】
これに対して、電サポ制御を伴わない高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。そのため、第2特別図柄の抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放し得る。この場合、右打ちされた遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、
図3(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞させることができる。こうして電サポ制御を伴わない高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることができる。更に本形態では、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、
図3(B)に示すように、一般入賞口10にもある程度入球し得るように設定されている。
【0105】
よって、電サポ制御を伴わない高確非時短状態は、電サポ制御を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ」と称する。
【0106】
ここで本形態では、電サポ制御を伴わない高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた場合には、遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
【0107】
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、
図13に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間が、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定されている。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、電サポ制御を伴わない通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
【0108】
5.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に
図16~
図40に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から
図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理は、まず初期設定を行う(S001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0109】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図10に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0110】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0111】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0112】
出力処理(S101)に次いで後述する入力処理(S102)を行う。次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0113】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0114】
[入力処理]
図18に示すように、遊技制御用マイコン101は、入力処理(S102)ではまず、排出口センサ30aがONか否かを判定し(S301)、ONでなければS303に進むが、ONであれば(S301でYES)、遊技球がパチンコ遊技機PY1の外部に排出されたことを通知するための排出コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S302)、S303に進む。
【0115】
S303では、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口センサ14aがONか否かを判定し、ONでなければS305に進むが、ONであれば(S303でYES)、第1大入賞口14への入賞があったことを通知するための第1大入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S304)、S305に進む。
【0116】
S305では、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口センサ15aがONか否かを判定し、ONでなければS308に進むが、ONであれば(S305でYES)、第2大入賞口15への入賞があったことを通知するための第2大入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S306)、S308に進む。
【0117】
S308では、遊技制御用マイコン101は、一般入賞口センサ10aがONか否かを判定し、ONでなければS310に進むが、ONであれば(S308でYES)、一般入賞口10への入賞があったことを通知するための一般入賞口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S309)、S310に進む。
【0118】
S310では、遊技制御用マイコン101は、第1始動口センサ11aがONか否かを判定し、ONでなければS312に進むが、ONであれば(S310でYES)、第1始動口11への入賞があったことを通知するための第1始動口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S311)、S312に進む。
【0119】
S312では、遊技制御用マイコン101は、第2始動口センサ12aがONか否かを判定し、ONでなければS314に進むが、ONであれば(S312でYES)、第2始動口12への入賞があったことを通知するための第2始動口入賞コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S313)、S314に進む。
【0120】
その後、遊技制御用マイコン101は、賞球処理(S314)を行う。賞球処理(S314)では、上述の処理にて入賞があったと判定した入賞口の種類に応じた賞球情報を、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。賞球情報が払出制御基板170に出力されると、払出制御基板170は、賞球情報に応じた賞球の払出を行う。本形態では、第1始動口11への入賞に基づく賞球の数は3球に設定され、第2始動口12への入賞に基づく賞球の数は1球に設定され、第1大入賞口14への入賞に基づく賞球の数は15球に設定され、第2大入賞口15への入賞に基づく賞球の数は10球に設定され、一般入賞口10への入賞に基づく賞球の数、第1始動口11への入賞に基づく賞球の数、第2始動口12への入賞に基づく賞球の数はそれぞれ1球に設定されている。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球の数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0121】
[センサ検出処理]
図19に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S401)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S401でNO)、S405に進む。遊技球が通過していれば(S401でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S402)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S402でYES)、S405に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S402でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S403)。
【0122】
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S404)。普図関係乱数取得処理(S404)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、
図10(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0123】
S405では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S405でNO)、S409に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S405でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S406)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合には(S406でYES)、S409に進むが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S406でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S407)。
【0124】
続いて、特
図1関係乱数取得処理を行う(S408)。特
図1関係乱数取得処理(S408)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、図柄種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0125】
S409では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S409でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S409でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S410)。そして、特
図2保留球数が、「4」に達している場合には(S410でYES)、本処理を終えるが、特
図2保留球数が「4」に達していない場合には(S410でNO)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S411)。
【0126】
続いて特
図2関係乱数取得処理を行って(S412)、本処理を終える。特
図2関係乱数取得処理(S412)では、特
図1関係乱数取得処理(S408)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0127】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(
図17参照)。
図20に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S501)。電チュー12Dの作動中でなければ(S501でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S502)。普通図柄の停止表示中でなければ(S502でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S503)。普通図柄の変動表示中でなければ(S503でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S504)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S504でYES)、本処理を終える。
【0128】
S504において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S504でNO)、当たり判定処理を行う(S505)。当たり判定処理(S505)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定し、時短状態であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S506)。つまり図柄決定処理(S506)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0129】
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S507)。普通図柄変動時間決定処理(S507)では、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が2.5秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.5秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0130】
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S508)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S509)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、S507で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S510)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0131】
上述のS503にて普通図柄の変動表示中であれば(S503でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S511)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S511でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S512)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S513)、普通図柄の停止時間をセットして(S514)、本処理を終える。
【0132】
また、上述のS502にて普通図柄の停止表示中であれば(S502でYES)、続いて、S514でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S515)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S515でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S516)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S516でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S516でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S517)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態用の開放パターンをセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態用の開放パターンをセットする。そして、S517でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S518)。
【0133】
また、上述のS501にて電チュー12Dの作動中であれば(S501でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S519)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S519でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S520)。
【0134】
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、
図21に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。
図21に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0135】
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
【0136】
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002、S1004でともにNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002、S1004、S1006ですべてNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
【0137】
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、
図22に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。
図22に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D,第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0138】
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
【0139】
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第2特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102、S1104でともにNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102、S1104、S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102、S1104、S1106、S1108ですべてNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
【0140】
[第1特別図柄待機処理]
図23に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特
図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1202)及び特
図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
【0141】
その後、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
【0142】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図1変動開始処理を実行する(S1207)。特
図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図1の変動時間)を、特
図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1207)でセットされる特
図1変動開始コマンドには、特
図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特
図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0143】
[特
図1大当たり判定処理]
図24に示すように、特
図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0144】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ低確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特
図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
【0145】
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特
図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特
図1の処理と特
図2の処理とを並行して行っているところ、特
図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特
図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特
図2の変動表示中に、特
図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
【0146】
S1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、S1302でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定するとともに(S1306)、その大当たり図柄の種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、S1309に進む。そして、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、処理を終える。
【0147】
[特
図1変動パターン選択処理]次に
図25に基づいて特
図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。
図25に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1401)。
【0148】
非時短状態であれば(S1401でYES)、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0149】
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(
図13に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0150】
またS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、ハズレであるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。
図11(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
【0151】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図1且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。
【0152】
なお、非時短状態におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。これは、特
図2の変動パターンの判定についても同様である。
【0153】
またS1401において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、時短状態用のテーブル(
図14参照)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。そして、選択した変動パターンをセットして(S1408)、本処理を終える。S1408でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるS1207でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0154】
[第2特別図柄待機処理]
図26に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特
図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特
図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1502)及び特
図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
【0155】
その後、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
【0156】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2変動開始処理を実行する(S1507)。特
図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特
図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特
図2の変動時間)を、特
図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1507)でセットされる特
図2変動開始コマンドには、特
図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特
図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0157】
[特
図2大当たり判定処理]
図27に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0158】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち低確率状態且つ特
図2用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち高確率状態且つ特
図2用のテーブルをセットする。
【0159】
次に、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特
図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである。S1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、S1602でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1604)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1606)、大当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1607)、処理を終える。
【0160】
一方、S1604において「大当たり」でないと判定した場合には(S1604でNO)、続いて、S1602でセットした大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図11(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別の判定を行うとともに(S1610)、小当たり図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1611)、処理を終える。
【0161】
また、S1608において「小当たり」でないと判定した場合には(S1608でNO)、ハズレ図柄種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1613)、処理を終える。
【0162】
また、S1603において第1大当たりフラグがONであると判定した場合(S1603でYES)、大当たりの当否判定(S1604)や小当たりの当否判定(S1608)を行うことなく、ハズレ図柄に対応する特図停止図柄データをセットして(S1613)、処理を終える。このように本形態では、大当たり当選を示す特
図1の変動表示中に、特
図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定される。
【0163】
[特
図2変動パターン選択処理]次に
図28~
図29に基づいて特
図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。
図28に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が非時短状態であるか否か(後述する時短フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1701)。
【0164】
非時短状態であれば(S1701でYES)、続いて、遊技状態が低確率状態であるか否か(後述する確変フラグがOFFであるか否か)を判定する(S1702)。低確率状態であれば(S1702でYES)、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。そしてS1740に進む。
【0165】
またS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。そしてS1740に進む。
【0166】
またS1705において、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ低確且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。そしてS1740に進む。
【0167】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、
図13に示すように、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルと、高確非時短状態における特
図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特
図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間の変動パターンP21,P22,P23が選択されるようになっている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球させても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
【0168】
またS1702において低確率状態でないと判定した場合(S1702でNO)、高確非時短状態である。この場合には、
図29に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定し(S1711)、ONであれば(S1711でYES)、高確非時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1712)。そしてS1740に進む。
【0169】
またS1711において第2大当たりフラグがONでなければ(S1711でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1713)。ONであれば(S1713でYES)、高確非時短状態中小当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。そしてS1740に進む。
【0170】
またS1713において小当たりフラグがONでなければ(S1713でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1719)。
図11(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1719でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。そしてS1740に進む。
【0171】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1719でNO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち特
図2且つ高確且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。そしてS1740に進む。
【0172】
またS1701において遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1701でNO)には、時短状態であるのでS1708に進む。S1708では、時短状態用のテーブル(
図14参照)に基づいて変動パターンを選択する(S1708)。そして、S1740に進む。S1740では、選択した変動パターンをセットして、本処理を終える。S1740でセットした変動パターンの情報は第2特別図柄待機処理(S1103)におけるS1507でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0173】
[第1特別図柄変動中処理]
図30に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特
図1変動時間タイマにセットされている値(特
図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特
図1の変動時間が経過したか、即ち特
図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特
図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
【0174】
本形態では、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、
図21に示すS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、
図30に示すS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(
図40のS2913参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、
図30に示すS1801で、特
図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特
図1の変動表示中に特
図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特
図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
【0175】
[第2特別図柄変動中処理]
図31に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特
図2変動時間タイマにセットされている値(特
図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特
図2の変動時間が経過したか、即ち特
図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特
図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
【0176】
[第1特別図柄確定処理]
図32に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101-1)。経過していなければ(S2101-1でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101-1でYES)、後述する遊技状態管理処理(S2101-2)を行って、S2102に進む。
【0177】
S2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
【0178】
S2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0179】
一方、S2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
【0180】
[遊技状態管理処理]
図33に基づいて遊技状態管理処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄確定処理(S1007)中の遊技状態管理処理(S2101-2)と、後述する第2特別図柄確定処理(S1107、
図36参照)中の遊技状態管理処理(S2501-2)とをまとめて説明する。
図33に示すように、遊技状態管理処理(S2101-2,S2501-2)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2201)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2202)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2203)。「0」であれば(S2203でYES)、確変フラグをOFFして(S2204)、S2205に進む。一方、S2201又はS2203の判定結果がNOであれば、S2205に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」(次回まで)にセットされる。
【0181】
S2205では、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2205)。ONであれば(S2205でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2206)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2207)。「0」であれば(S2207でYES)、時短フラグをOFFして(S2208)、S2214に進む。
【0182】
S2214では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2214)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。
図33中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、低確・非時短状態であれば「1」にセットされ、低確・時短状態であれば「2」にセットされ、高確・非時短状態であれば「3」にセットされ、高確・時短状態であれば「4」にセットされる。
【0183】
この遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、確変フラグがONであるか否か、時短フラグがONであるか否か等に基づいて、遊技状態フラグの値を更新する。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2214)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そして演出制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0184】
[特
図2強制停止処理]特
図2強制停止処理(S2104)は、特
図2の変動表示中に、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図34に示すように、特
図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特
図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
【0185】
[遊技状態リセット処理]
図35に基づいて遊技状態リセット処理について説明する。ここでは、上述した第1特別図柄確定処理(S1007)中の遊技状態リセット処理(S2105)と、後述する第2特別図柄確定処理(S1107、
図36参照)中の遊技状態リセット処理(S2505)とをまとめて説明する。
図35に示すように、遊技状態リセット処理(S2105,S2505)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態(低確率状態)且つ非時短状態に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2405)、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
【0186】
[第2特別図柄確定処理]
図36に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501-1)。経過していなければ(S2501-1でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501-1でYES)、遊技状態管理処理(S2501-2)を行って、S2502に進む。遊技状態管理処理(S2501-2)は、
図33に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
【0187】
S2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特
図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、
図35に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
【0188】
S2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
【0189】
一方、S2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(小当たりオープニングコマンド)をセットして(S2511)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2512)。続いて遊技制御用マイコン101は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは
図12参照)をセットして(S2513)、本処理を終える。
【0190】
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509でともにNO)、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2514)、本処理を終える。
【0191】
[特
図1強制停止処理]特
図1強制停止処理(S2504)は、特
図1の変動表示中に、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特
図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。
図37に示すように、特
図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特
図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特
図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
【0192】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。
図38に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0193】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
【0194】
S2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図12参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2704)。続いてS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、S2704での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、S2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
【0195】
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のS2702において、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(
図12参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
【0196】
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
【0197】
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
【0198】
またS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特
図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図22に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103、S1105、S1107、S1109、S1110が実行されない。また、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、
図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003、S1005、S1007、S1009が実行されないことになる。
【0199】
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(
図12参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、低確率状態且つ時短状態、高確率状態且つ時短状態、又は、高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に制御するための処理である。
図39に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、時短状態への制御契機となる図柄(
図12参照)であるか否かを判定する(S2801)。この判定結果がNOであればS2804に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2802)、大当たり図柄の種別に応じた時短回数(すなわち「100」又は「10000」(次回まで))を時短カウンタにセットして(S2803)、S2804に進む。
【0200】
S2804では、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、高確率状態への制御契機となる図柄(
図12参照)であるか否かを判定する。この判定結果がNOであればS2807に進むが、判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S2805)、確変回数(すなわち「10000」)を確変カウンタにセットして(S2806)、S2807に進む。
【0201】
S2807では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2807)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、時短フラグがONであって確変フラグがOFFであれば低確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットし、時短フラグがOFFであって確変フラグがONであれば高確率状態且つ非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「3」にセットし、時短フラグがONであって確変フラグがONであれば、高確率状態且つ時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「4」にセットする(
図33中の表参照)。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2807)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そして演出制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0202】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。
図40に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0203】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では、開放前インターバル時間(OP時間)は「0.008秒」であり(
図12参照)、極めて短い時間に設定している。
【0204】
S2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(
図12の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
【0205】
S2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では小当たり図柄aであれば0.3秒、小当たり図柄bであれば1.8秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。なお、第2大入賞口15への最大入賞個数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0206】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
【0207】
またS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)、処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
【0208】
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2910)、小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)に小当たり遊技の終了を知らせるべく、小当たり遊技終了コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2912)。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2913)、本処理を終える。こうして特
図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、
図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003、S1005、S1007、S1009が実行されないことになる。
【0209】
6.演出制御用マイコン121の動作
次に、
図41~
図45に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0210】
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図41に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0211】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0212】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0213】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、S4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0214】
受信割り込み処理(S4010)は、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0215】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図42に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0216】
入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ212、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ212、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体55kなどの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kなどを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0217】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0218】
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。なお、受信コマンド解析処理では、遊技状態指定コマンドの受信に基づいてその遊技状態指定コマンドが示す遊技状態の情報を、演出用RAM124に格納する。
【0219】
演出タイマ更新処理(S4202)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン40kやセレクトボタン42kといった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理(S4203)では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板161への出力が行われる。演出用データ作成処理(S4204)では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0220】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
【0221】
[特
図2変動開始コマンド受信処理]特
図2変動開始コマンド受信処理について
図44を参照しつつ説明する。特
図2変動開始コマンド受信処理は、特
図2変動開始コマンドを受信したことに応じて演出制御用マイコン121が実行する処理であり、S4201の受信コマンド解析処理の中で実行される処理である。
【0222】
特
図2変動開始コマンド受信処理では先ず、前述したように受信した特
図2変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択する(S4301)。そして、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする(S4302)。これにより、選択された演出パターンに従って画像表示装置50、各種のランプ、可動体、スピーカ610が制御され、例えば演出画像が画像表示装置50に表示され、枠ランプ212や盤ランプ54が適切なタイミングで点灯する。
【0223】
次に小当たりラッシュ中か否かを判定する(S4303)。小当たりラッシュ中か否かは、例えば遊技制御用マイコン101から受信する遊技状態指定コマンドに基づいて判定できる。本形態では、
図12に示したように、遊技状態が高確率非時短状態であれば小当たりラッシュ中と判定できる。小当たりラッシュ中でなければ(S4303でNO)、本処理を終了する。
【0224】
小当たりラッシュ中であれば(S4303でYES)、特図変動パターンがリーチ有りハズレであるか否かを判定する(S4304)。具体的に本形態では、特図変動パターンがP34やP35であれば、図柄種別がハズレ図柄であり、リーチ判定結果がリーチ有りであることから(
図13参照)、リーチ有りハズレであると判定される。リーチ有りハズレであると判定した場合(S4304でYES)、回避カウンタの値を1インクリメントする(S4305)。
【0225】
さらにリーチ有りハズレであると判定した場合(S4304でYES)、SPリーチハズレであるか否かを判定する(S4306)。具体的に本形態では、特図変動パターンがP34であれば、変動時間が60000msと長く、SPリーチに発展する演出が選択されることから(
図13参照)、SPリーチハズレであると判定される。SPリーチハズレであると判定した場合(S4306でYES)、回避カウンタの値をさらに4インクリメントする(S4307)。すなわち、本形態では、SPリーチハズレであればS4305とS4307とで回避カウンタの値を合計5インクリメントすることになる。一方、ノーマルリーチハズレであればS4305のみで回避カウンタの値を1インクリメントすることになる。
【0226】
S4307の後、あるいはSPリーチハズレでなければ(S4306でNO)、現在の回避カウンタの情報を含むカウンタ表示更新コマンドを出力バッファにセットする(S4308)。画像表示装置50には、小当たりラッシュ中、現在の回避カウンタの値に基づく数値がプレミアポイントとして表示されており、このカウンタ表示更新コマンドによって画像表示装置50に表示されるプレミアポイントが更新される。プレミアポイントは、回避カウンタの値そのものであってもよいし、回避カウンタの値に基づく遊技者への特典が付与されるまでの残りの値であってもよい。
【0227】
S4308の後、あるいはリーチ有りハズレでなければ(S4304でNO)、本処理を終了する。つまり小当たりラッシュ中のリーチ有りハズレを引いた際に回避カウンタの値が加算され、小当たりラッシュ中であっても特図変動パターンがリーチ有りハズレ以外であれば回避カウンタの値は加算されない。
【0228】
回避カウンタは、前述したようにリーチ有りハズレを引いた場合に加算されるカウンタである。遊技者から見るとプレミアポイントは、大当たりの当選の可能性を予告された後、大当たりの当選を回避した場合に加算されるポイントである。さらに回避カウンタは、SPリーチハズレのように大当たりの当選の期待度が高い場合により大きくなるように、加算値に重み付けがされている。すなわち遊技者から見るとプレミアポイントは、大当たりの当選の危険度が高い場合(小当たりラッシュが終了する危険度が高い場合)に回避すると、より多くのポイントが加算されるポイントである。
【0229】
[大当たりオープニングコマンド受信処理]大当たりオープニングコマンド受信処理について
図45を参照しつつ説明する。大当たりオープニングコマンド受信処理は、大当たりのオープニングコマンドを受信したことに応じて演出制御用マイコン121が実行する処理であり、S4201の受信コマンド解析処理の中で実行される処理である。
【0230】
大当たりオープニングコマンド受信処理では先ず、回避カウンタの値が10よりも大きいか否かを判定する(S4401)。そして回避カウンタの値が10よりも大きい場合(S4401でYES)、プレミア演出の演出パターンの中から大当たり遊技演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する(S4402)。すなわち、回避カウンタの値が所定値(本形態では11)に達したことに対する遊技者への利益として、回避カウンタの値が所定値に達していない場合には選択されないプレミア演出が実行される。プレミア演出の演出パターンが複数ある場合、演出制御用マイコン121がランダムに選択してもよいし、遊技者に選択させてもよい。一方、回避カウンタの値が10よりも大きくない場合(S4401でNO)、通常の演出パターンの中から大当たり演出パターンを選択する(S4403)。なお、回避カウンタの値が10よりも大きい場合(S4401でYES)、S4403で選択可能な通常の演出パターンを選択肢に含めてもよい。
【0231】
S4402あるいはS4403の後、回避カウンタの値を0にリセットし(S4404)、さらに選択された大当たり演出パターンの情報をセットするとともに、その大当たり演出パターンの情報を含む大当たり演出開始コマンドを出力バッファにセットする(S4405)。これにより、選択された演出パターンに従って画像表示装置50、各種のランプ、可動体、スピーカ610が制御され、例えば演出画像が画像表示装置50に表示され、枠ランプ212や盤ランプ54が適切なタイミングで点灯する。
【0232】
回避カウンタは、大当たりに当選した際、すなわち大当たりのオープニングコマンドを受信した際にリセットされ、小当たりラッシュ中のリーチ有りハズレを引いた際に加算されるため、小当たりラッシュ中の連続抽選回数が多くなるほど回避カウンタの値は大きくなり易い。そして、回避カウンタは、大当たりに当選した際の大当たり遊技中の演出の選択に用いられ、パチンコ遊技機PY1では、回避カウンタの値が閾値よりも大きい場合に、回避カウンタの値が閾値よりも大きくない場合に選択されない特殊な演出(プレミア演出)が選択される。つまり遊技者から見るとプレミアポイントの値が大きくなるほど、プレミア演出が実行されることへの期待感が高まる。
【0233】
7.遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、
図46に基づいて説明する。
図46に示すように、まず、低確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、特
図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。
【0234】
特
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」(4R通常大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が100回の低確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。また、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄B」(4R確変大当たり)であれば、4Rの大当たり遊技の後、確変回数及び時短回数が共に次回までの高確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。また、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄C」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、確変回数が次回までの高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に移行する(
図12参照)。高確率状態且つ非時短状態は、小当たり当選に基づいて開放される第2大入賞口15への入賞が容易な「小当たりラッシュ」である。この小当たりラッシュ中、第2大入賞口15への入賞によって、遊技者は持ち球を増加させることが可能である。
【0235】
時短状態中や高確率状態且つ非時短状態中は、右打ちにて遊技を進行し、特
図2の抽選に基づく大当たり当選を狙う。特
図2の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄D」(10R通常大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が100回の低確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。一方、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄E」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、高確率状態且つ時短状態に移行する(
図12参照)。一方、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄F」(10R確変大当たり)であれば、10Rの大当たり遊技の後、高確率状態且つ非時短状態(小当たりラッシュ)に移行する(
図12参照)。なお低確率状態且つ時短状態において大当たりに当選することなく100回の特図変動がなされた場合、低確率状態且つ非時短状態に戻る。
【0236】
8.演出
8-1.通常変動演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0237】
パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、例えば、
図47(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、
図47(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示が開始される。なお、
図47中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ無しのハズレであった場合には、
図47(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、
図47(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、
図47(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0238】
8-2.ノーマルリーチ演出
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとノーマルリーチ(Nリーチ)を行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0239】
Nリーチでは、
図48(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、
図48(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りのハズレのうち変動時間が短い変動の場合には、
図48(C―1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば大当たりのうち変動時間が短い変動の場合には、
図48(C―2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0240】
8-3.SPリーチ演出
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0241】
SPリーチでは、例えば、
図49(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図49(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば大当たりのうち変動時間が長い変動の場合には、
図49(C―1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りのハズレのうち変動時間が長い変動の場合には、
図49(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0242】
8-4.小当たりラッシュ中の演出
続いて本発明の特徴部分である小当たりラッシュ中の演出について説明する。本形態では、高確率非時短状態において小当たりに当選し易くなるため、高確率非時短状態が小当たりラッシュの期間となる。小当たりラッシュの期間においては、前述したようにベースが「1」を超えるように設定されている。そのため、遊技者に有利な遊技状態であり、抽選回数が多くなるほど、すなわち高確率非時短状態の遊技状態が長く継続するほど、賞球数が多くなることが期待できる。この小当たりラッシュが開始される条件は、特
図1_大当たり図柄Cあるいは特
図2_大当たり図柄Fに当選することであり、小当たりラッシュが終了する条件は、特
図1_大当たり図柄Cおよび特
図2_大当たり図柄F以外の大当たりに当選することである。つまり、小当たりラッシュ中は、大当たりに当選すると小当たりラッシュが終了してしまうリスクがあるため、大当たりに当選せずに抽選を繰り返す方が遊技者に有利になる。このように小当たりラッシュ中は、大当たりに当選した可能性を示すと遊技者が不利に感じるという特殊な状態になる。そのため、他の状態とは異なる演出が可能になる。
【0243】
具体的には、小当たりラッシュ中であっても、小当たりラッシュでない他の状態と同様にNリーチやSPリーチの演出を行う。NリーチやSPリーチは、前述したように大当たりに当選した可能性を示す演出である。小当たりラッシュ中のNリーチの場合、
図50(A)に示すように、リーチが成立した状態が表示画面50aに表示される。このとき、プレミアポイントと称した画像であるプレミアポイント画像GPPを表示する。プレミアポイント画像GPPに示される数値は、前述したように小当たりラッシュ中にリーチ演出が生じることで加算されるポイントであり、演出制御用マイコン121によってカウントされる回避カウンタの値を示している。また、プレミアポイント画像GPPは、分数表記し、分子は現在のポイント数であり、分母はプレミア演出が発生するポイント数(本形態では10)を表示する。
【0244】
リーチ演出は、大当たりの当選を煽る演出であり、大当たりの当選は小当たりラッシュの終了のリスクを伴うことから、
図50(B)に示すように小当たりラッシュの終了のピンチであることを示すメッセージ画像GM1を表示する。
【0245】
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りのハズレのうち変動時間が短い変動の場合(Nリーチハズレの場合)には、
図50(C―1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3を停止表示させる。ハズレになることで小当たりラッシュが終了せずに継続するため、小当たりラッシュが継続することを示すメッセージ画像GM2を表示する。さらにNリーチが生じることで回避カウンタの値が1インクリメントされるため(S4305)、ポイントの加算量を示すポイントアップ画像GPUを表示し、その後、
図50(D)に示すように、プレミアポイント画像GPPに示すポイントをポイント加算後の値に更新する。その後、次の特図の変動表示が開始されることで、その変動用の演出を開始する。
【0246】
一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば大当たりのうち変動時間が短い変動の場合(Nリーチ大当たりの場合)には、
図50(C―2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で仮停止表示する。大当たりに当選した場合は回避ポイントが加算されず、プミレアポイント画像GPPが示す値も変更されない。
【0247】
大当たりに当選した場合であっても、大当たりの種別によって大当たり遊技後の遊技状態が異なる。具体的に本形態では、特
図2_大当たり図柄Fであれば高確非時短状態が継続する、すなわち小当たりラッシュが継続する。一方、特
図2_大当たり図柄Eであれば高確時短状態に移行し、小当たりラッシュが終了する。また、特
図2_大当たり図柄Dであれば低確時短状態に移行し、小当たりラッシュが終了するとともに時短回数にも上限が設けられる。そのため、大当たりの当選を示唆する図柄の組み合わせを表示した後、大当たり遊技を開始するまでの間に、
図50(E)に示すように、演出ボタン40kを操作することを示すメッセージ画像GM3を表示し、演出ボタン40kが操作された後、あるいは操作されることなく所定時間が経過した後、当選した大当たりの種別を示す図柄の組み合わせを停止表示し、どの大当たりの種別に当選したかを報知する。
【0248】
例えば特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りの大当たりのうち変動時間が短い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Fの場合(確変小当たりラッシュ有り)には、小当たりラッシュが終了せずに継続するため、
図50(F-1)に示すように、小当たりラッシュが継続するあるいは再度開始ことを示すメッセージ画像GM2を表示する。また、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りの大当たりのうち変動時間が短い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Eの場合(確変小当たりラッシュ無し)には、小当たりラッシュが終了するものの次の大当たりまで時短状態が継続するため、
図50(F-2)に示すように、小当たりラッシュになるようにリトライことを示すメッセージ画像GM2を表示する。また、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りの大当たりのうち変動時間が短い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Dの場合(通常)には、小当たりラッシュが終了して制限回数付きの時短状態に移行するため、
図50(F-3)に示すように、小当たりラッシュが終了したことを示すメッセージ画像GM2を表示する。
【0249】
当選した大当たりの種別を示す図柄の組み合わせを停止表示した後、大当たり遊技が開始されることで、その大当たり遊技用の演出を開始する。なお、当選した大当たりの種別の報知は、特図の変動表示中の演出で行う代わりに、大当たり遊技用の演出の中で行ってもよい。
【0250】
また、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えばリーチ有りハズレのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチハズレの場合)あるいは大当たりのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)には、NリーチからSPリーチに発展させる。
【0251】
SPリーチの場合、
図51(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1を表示させる。このときの背景画像やタイトル画像は、小当たりラッシュ中の専用画像であってもよいし、通常時等と同様の画像であってもよい。その後、
図51(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。
【0252】
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、リーチ有りのハズレのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチハズレの場合)には、
図51(C-1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示させる。さらに小当たりラッシュが終了せずに継続するため、小当たりラッシュが継続するあるいは再度開始ことを示すメッセージ画像GM2を表示する。さらにSPリーチが生じることで回避カウンタの値が4インクリメントされるため(S4307)、ポイントアップ画像GPUを表示し、
図51(D)に示すように、プレミアポイント画像GPPに示すポイントをポイント加算後の値に更新する。その後、次の特図の変動表示が開始されることで、その変動用の演出を開始する。
【0253】
また、特図の可変表示の特図変動パターンが、リーチ有りの大当たりのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Fの場合(確変小当たりラッシュ有り)には、
図51(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。さらに小当たりラッシュが終了せずに継続するため、小当たりラッシュが継続するあるいは再度開始ことを示すメッセージ画像GM2を表示し、大当たり遊技の演出に移行する。
【0254】
また、特図の可変表示の特図変動パターンが、リーチ有りの大当たりのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Eの場合(確変小当たりラッシュ無し)には、
図51(C-3)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。さらに小当たりラッシュが終了するものの次の大当たりまで時短状態が継続するため、小当たりラッシュになるようにリトライことを示すメッセージ画像GM2を表示し、大当たり遊技の演出に移行する。
【0255】
また、特図の可変表示の特図変動パターンが、リーチ有りの大当たりのうち変動時間が長い変動の場合(SPリーチ大当たりの場合)であって、さらに大当たりの種別が特
図2_大当たり図柄Dの場合(通常)には、
図51(C-4)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。小当たりラッシュが終了して制限回数付きの時短状態に移行するため、小当たりラッシュが終了したことを示すメッセージ画像GM2を表示し、大当たり遊技の演出に移行する。
【0256】
8-5.小当たりラッシュ後の大当たり遊技中の演出
続いて本発明の特徴部分である小当たりラッシュ後の大当たり遊技中の演出について説明する。本形態では、小当たりラッシュ中に加算された回避カウンタの値(演出上はプレミアポイントの値)に応じて、大当たり遊技中の演出パターンを選択する。
【0257】
具体的に大当たり遊技中の演出では、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図52(A)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。そして、大当たりオープニング演出が終了するまでの間に、大当たり遊技におけるラウンド中の演出が選択される。本形態では、演出制御用マイコン121が複数の演出パターンの中から実行対象の演出パターンを自動的に選択するが、遊技者に選択させてもよい。
【0258】
選択対象となる演出パターンは、回避カウンタの値によって異なり、回避カウンタの値が10以下の場合(プレミアポイントの値が10以下の場合)、通常の演出パターンの中から選択し、大当たり遊技におけるラウンド中、選択された通常の演出パターンの演出が実行され、
図52(B―1)に示すように、表示画面50aにおいて、選択された通常の演出パターンの演出の通常演出画像GE0が表示される。大当たり遊技のラウンド中の演出では、ラウンド数や払い出された賞球数が表示されるラウンド演出が行われる。
【0259】
一方、回避カウンタの値が10よりも大きい場合(プレミアポイントの値が10よりも大きい場合)、通常では選択できない特別な演出(プレミア演出)の演出パターンを選択し、大当たり遊技におけるラウンド中、プレミア演出の演出パターンの演出が実行され、
図52(B―2)に示すように、表示画面50aにおいて、プレミア演出の演出パターンの演出のプレミア演出画像GPEが表示される。プレミア演出であっても、ラウンド数や払い出された賞球数が表示されるラウンド演出が行われる。
【0260】
なお、プレミア演出が複数ある場合、その中から演出制御用マイコン121が自動的に選択してもよいし、遊技者に選択させてもよい。また、選択肢には通常の演出パターンを含めてもよい。また、本形態では、プレミア演出について、プレミアポイントの値が10以下の場合には選択されないとしているが、選択される可能性が低いが選択可能であってもよい。この場合、プレミアポイントの値が10よりも大きい場合、プレミアポイントの値が10以下の場合と比較して、プレミア演出が選択される可能性を高めるとよい。
【0261】
大当たり遊技におけるエンディング中には、
図52(C)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技後の遊技状態を示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数が表示される大当たりエンディング演出が行われる。そして、次の特図の変動表示が開始されることで、その変動用の演出を開始する。
【0262】
9.効果
本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たりラッシュ中、リーチ有りのハズレを引いた場合にプレミアポイント(回避カウンタの値)が加算され、そのプレミアポイントが所定値に達することで、大当たり遊技中の演出としてプレミアポイントが所定値に達してない場合には選択されないプレミア演出が実行可能になる。これにより、小当たりラッシュ中にプレミアポイントの加算が生じ、プレミアポイントを加算することの嬉しさも生じることから、小当たりラッシュの遊技状態が長くなっても継続することの演出面での嬉しさが生じる。その結果として、演出の興趣性が高まる。
【0263】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。また、前述のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更可能もしくは並行実行可能である。
【0264】
また、実施の形態では、プレミアポイント画像GPPに表示されるポイントを回避カウンタの値と同値とし、回避カウンタの値と同期してカウントアップ表示しているが、プレミアポイント画像GPPに表示されるポイントの初期値をプレミア演出が発生するポイント数とし、回避カウンタの値が加算されるタイミングで、プレミアポイント画像GPPに表示されるポイントを減算するようにカウントダウン表示してもよい。
【0265】
また、実施の形態では、大当たりに当選した後、低確率状態であって時短回数が少ない大当たりと、高確率状態であって小当たりラッシュになる大当たりと、高確率状態であって小当たりラッシュにならない大当たりと、の3種類の大当たりを用意しているが、例えば低確率状態であって時短回数が少ない大当たりと、高確率状態であって小当たりラッシュになる大当たりと、の2種類のみであってもよい。この場合、普図抽選の当選確率や電チューの開放パターンを変更することで、小当たりラッシュは非時短状態ではなく時短状態であってもよい。
【0266】
また、実施の形態では、大当たりに当選した場合、回避カウンタをリセットすることで(S4404)、大当たりに当選した後、次の大当たりに当選するまでのポイントを加算しているが、大当たりの種別によって回避カウンタをリセットするか否かを決定してもよい。例えば大当たりの種別が小当たりラッシュを伴う大当たり(実施の形態では特
図2_大当たり図柄F)の場合には回避カウンタをリセットせず(S4404を実行せず)、回避カウンタの値をその後の小当たりラッシュに持ち越してもよい。この場合、プレミア演出を行うか否かのポイントを、大当たり遊技を挟んで小当たりラッシュが継続している際の累積値とすることができ、プレミア演出が実行される頻度が高まり、より興趣性が高まる。
【0267】
また、実施の形態では、回避カウンタの値が10を超えた場合にあらかじめ用意した全てのプレミア演出の中から選択が可能になるが、回避カウンタの値に応じて選択可能なプレミア演出の数が増える構成であってもよい。例えばあらかじめ用意したプレミア演出の種類が5本とし、回避カウンタの値が10を超えた場合は、そのうち決められた3本の中から選択され、回避カウンタの値が20を超えた場合は、5本全ての中から選択されるようにしてもよい。あるいは回避カウンタの値によって選択されるプレミア演出が異なる構成であってもよい。例えばあらかじめ用意したプレミア演出をPE1、PE2、PE3とし、回避カウンタの値が10~15の場合は、プレミア演出PE1が選択され、回避カウンタの値が16~20の場合は、プレミア演出PE2が選択され、回避カウンタの値が21~25の場合は、プレミア演出PE3が選択され、回避カウンタの値が26以上の場合は、全ての中から遊技者に選択させるようにしてもよい。
【0268】
また、実施の形態では、回避カウンタの値が10を超えた後の大当たり遊技中の演出においてプレミア演出を行っているが、回避カウンタの値が10を超えたことの利益となるプレミア演出は、例えば小当たりラッシュ中の遊技状態において実行してもよい。例えば回避カウンタの値が10を超えた場合に、プレミア演出として楽曲や演出映像をプレミア演出用のものに切り替えてもよい。
【0269】
また、実施の形態では、小当たりラッシュ中、SPリーチハズレを引いた場合、ノーマルリーチハズレを引いた場合よりも多くのポイントが加算されるように回避カウンタの値を更新している(S4307)、すなわち回避カウンタを加算する際の重み付けを行っているが、重み付けの条件はSPリーチの有無(つまり変動表示時間の長短)に限るものではない。例えば連続してリーチハズレを引いた場合に、加算されるポイントが2倍となるように重み付けを行ってもよい。具体的には、リーチ有りハズレであった場合(S4304でYES)に1インクリメントされ、リーチ有りハズレでなかった場合(S4304でNO)に0にリセットされる連続カウンタを設け、回避カウンタを加算する際(S4305、S4307)に加算される値に連続カウンタの値を積算するとよい(例えばS4305であれば「回避カウンタ+1×連続カウンタ」、S4307であれば「回避カウンタ+4×連続カウンタ」)。
【0270】
また、実施の形態では、小当たりラッシュ中、加算されるポイントに重み付けを行っているが、重み付けを行わなくてもよい。すなわち、単純にリーチ演出が行われた回数のカウント値や、SPリーチ演出が行われた回数のカウント値が所定値に達したか否か、すなわち所定の演出の実行回数が所定値を超えたか否かに基づいて、プレミア演出を行うか否かを決定してもよい。
【0271】
また、実施の形態では、リーチ有りハズレの場合に、必ず回避カウンタを加算しているが、回避カウンタを加算する条件はこれに限るものではない。リーチ有りハズレの場合に回避カウンタを加算するか否かの抽選を行ってもよい。また、リーチ無しハズレの場合に回避カウンタを加算するか否かの抽選を行い、リーチ有りハズレの場合に回避カウンタを加算しないとしてもよい。
【0272】
また、実施の形態に開示されている処理は、主として遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101の遊技用CPU102、演出制御基板120の演出制御用マイコン121の演出用CPU122、および画像制御基板140の画像用CPU141によって実行されるが、例えば、単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140に加え、他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理のうち、遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140の各マイコンによる処理の一部を、他の基板のマイコンが実行してもよい。つまり、遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140の各マイコン、これらを包含した1つのマイコン、他のハードウェアと組み合わせ、これらすべて各種の処理を実行する手段の一例である。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【0273】
なお、上記遊技機の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納する、コンピュータによる読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【0274】
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下に示す構成の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0275】
第1の発明における遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、遊技球が所定領域(第1始動口11、第2大入賞口15)に進入した場合に抽選を行う抽選手段(遊技制御用マイコン101、S1202、S1502)と、前記抽選にて大当たりに当選した場合に大当たり遊技を実行する大当たり実行手段(遊技制御用マイコン101、S1009、S1109)と、前記抽選にて小当たりに当選した場合に小当たり遊技を実行する小当たり実行手段(遊技制御用マイコン101、S1110)と、遊技状態として、第1遊技状態(高確時短状態や低確時短状態)と、前記第1遊技状態よりも前記抽選にて小当たりに当選し易い第2遊技状態(高確非時短状態)と、があり、前記大当たり遊技の実行後の遊技状態を、前記第2遊技状態とすることが可能な状態制御手段(遊技制御用マイコン101、S2716)と、前記抽選の結果には、第1のハズレ(リーチ無しハズレ)と第2のハズレ(リーチ有りハズレ)とが含まれ、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、前記第2のハズレを引いた場合にポイント(回避カウンタ、プレミアポイント)を加算し、前記第1のハズレを引いた場合に前記ポイントを加算しないポイント演算処理(演出制御用マイコン121、S4305、S4307)と、前記ポイントが所定値に達したことを条件として、特別演出(プレミア演出)を実行可能にする演出手段(演出制御用マイコン121、S4402)と、を備えることを特徴としている。
【0276】
小当たりラッシュを可能にする遊技機では、小当たり遊技を含めた累積賞球数を表示することで、遊技者に有利な小当たりラッシュを継続することの満足感を遊技者に与え易くなるが、小当たりラッシュ中の演出そのものは単調であり興趣性に欠ける。小当たりラッシュは、その遊技状態を長く継続させることが遊技者にとって重要になるが、単調な演出が続くと遊技者に飽きが生じ易くなることから問題になる。第1の発明における遊技機によれば、小当たりラッシュ中、第1のハズレを引いた場合にポイントが加算され、そのポイントが所定値に達することで特別演出が実行可能になることで、小当たりラッシュの遊技状態が長くなっても継続することの演出面での嬉しさが生じる。そのため、演出の興趣性が高まる。
【0277】
また、前記第2のハズレは、前記第1のハズレよりも前記抽選の結果の導出にかかる時間が長いとよい。抽選結果の導出にかかる時間が長いと、遊技者に大当たりに当選する期待感が高まり、ハズレであったことに対する高揚感(ハズレがうれしい)、あるいはハズレであったことの喪失感(大当たりに当選したかった)、が高まることから、さらにポイントを付与して別の期待感を高めることで、演出の興趣性が一層高まる。
【0278】
また、前記第2のハズレの場合、リーチ演出が行われ、前記第1のハズレの場合、リーチ演出が行われないとよい。リーチ演出を行うと、遊技者に大当たりに当選する期待感が高まり、ハズレであったことに対する高揚感(ハズレがうれしい)、あるいはハズレであったことの喪失感(大当たりに当選したかった)、が高まることから、さらにポイントを付与して別の期待感を高めることで、演出の興趣性が一層高まる。
【0279】
また、前記第2のハズレには複数の種類があり、種類ごとに前記ポイント演算手段にて加算される前記ポイントの量が異なるとよい。複数のパターンでポイントが加算され、ポイントの加算量も変えることで、演出の興趣性が一層高まる。
【0280】
また、前記特別演出は、前記ポイントが所定値に達した後の前記大当たり遊技の実行中に、前記演出手段にて実行される演出であるとよい。特別演出を大当たり遊技中の演出に実行することで、大当たりに当選するまでの遊技意欲を継続でき、演出の興趣性が一層高まる。
【0281】
また、第1の発明における遊技機は、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、現在の前記ポイントの値を示す情報を表示するポイント表示手段を備えるとよい。現在のポイントの値を示すことで、遊技者がポイントが加算されていることを認識でき、演出の興趣性が一層高まる。
【0282】
また、第2の発明における遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、遊技球が所定領域(第1始動口11、第2大入賞口15)に進入した場合に抽選を行う抽選手段(遊技制御用マイコン101、S1202、S1502)と、前記抽選にて大当たりに当選した場合に大当たり遊技を実行する大当たり実行手段(遊技制御用マイコン101、S1009、S1109)と、前記抽選にて小当たりに当選した場合に小当たり遊技を実行する小当たり実行手段(遊技制御用マイコン101、S1110)と、遊技状態として、第1遊技状態(高確時短状態や低確時短状態)と、前記第1遊技状態よりも前記抽選にて小当たりに当選し易い第2遊技状態(高確非時短状態)と、があり、前記大当たり遊技の実行後の遊技状態を、前記第2遊技状態とすることが可能な状態制御手段(遊技制御用マイコン101、S2716)と、前記抽選の結果がハズレであることを示す演出には、リーチ演出を行うリーチハズレ演出があり、遊技状態が前記第2遊技状態である期間中、前記リーチハズレ演出を所定回数以上実行した場合に、特別演出を実行可能にする特別演出手段(演出制御用マイコン121、S4402)と、を備えることを特徴としている。
【符号の説明】
【0283】
PY1 パチンコ遊技機
50 画像表示装置
50a 表示画面