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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】照明付き鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/00 20060101AFI20221219BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20221219BHJP
   A47G 1/02 20060101ALI20221219BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A47G1/00 D
A47B67/02 502A
A47B67/02 503A
A47G1/02 C
A47K1/02 B
A47K1/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016236275
(22)【出願日】2016-12-05
(65)【公開番号】P2018089182
(43)【公開日】2018-06-14
【審査請求日】2019-08-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】飛田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】大内田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】久田 高志
(72)【発明者】
【氏名】川畑 良太
(72)【発明者】
【氏名】河野 嘉孝
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】冨永 達朗
【審判官】田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-194380(JP,A)
【文献】特開2009-272094(JP,A)
【文献】特開2004-290531(JP,A)
【文献】特開2003-290249(JP,A)
【文献】特開2014-235978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/00
A47B 67/02
A47G 1/02
A47K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラー部及び照明装置を備える照明付き鏡装置であって、
前記照明装置は、
前記ミラー部の上部に配置される上部照明と、
前記ミラー部の正面に配置される正面照明と、
物体の近接及び/又は動きを検知するセンサ部と、
前記センサ部が検知し続けた時間に応じて、前記上部照明及び前記正面照明の発光部の照度を個別に制御する制御部と、を有し、
前記制御は単一のセンサ部の検知結果に基づいて行われ、前記検知の継続中に、前記上部照明及び前記正面照明のいずれかの照度が段階的に調整される、照明付き鏡装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記上部照明及び前記正面照明それぞれ個別に、調光に替えて調色を行うか、又は調光及び調色を行う請求項に記載の照明付き鏡装置。
【請求項3】
前記センサ部は、前記ミラー部よりも下方に配置される、請求項1又は2に記載の照明付き鏡装置。
【請求項4】
前記センサ部は、前記ミラー部の鏡面よりも奥側に配置される、請求項1~のいずれか1項に記載の照明付き鏡装置。
【請求項5】
前記センサ部の検知範囲は、斜め下方を向くように設定されている、請求項1~のいずれか1項に記載の照明付き鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明付き鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面化粧台等に設けられるミラーキャビネット等の照明付き鏡装置において、ミラー部の周囲に照明装置が配置されている。また、このような照明付き鏡装置において、照明装置が、人間等の物体が近づいたことを検知するセンサ部を含んでおり、センサ部の検知範囲に人体等の物体が近づくと、近づいた距離に応じて、照明を調光するように構成する技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、照明付きの鏡装置において、ミラー部の正面だけでなく、上部にも照明を配置し、ミラー部の前に位置する人等に上部及び正面から照明を当てて人物等をはっきり映すように構成する場合がある。この場合、照明装置は、上部照明及び正面照明を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-255687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上部照明及び正面照明を備える照明装置の点灯や調光等を、センサ部の検知結果により行う場合、上部照明の制御を行うためのセンサ部と、正面照明の制御を行うためのセンサ部との両方が必要となる。この場合、センサ部を二つ近接して配置すると、検知範囲が重複してしまい、別々の制御が難しいという問題があった。一方、センサ部を離して配置すると、使用者にとって操作がわかりにくいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、ミラー部(例えば、後述のミラー部2)及び照明装置(例えば、後述の照明装置4)を備える照明付き鏡装置(例えば、後述のミラーキャビネット)であって、前記照明装置は、前記ミラー部の上部に配置される上部照明(例えば、後述の上部照明410)と、前記ミラー部の正面に配置される正面照明(例えば、後述の正面照明420)と、物体の近接及び/又は動きを検知するセンサ部(例えば、後述のセンサ部42)と、前記センサ部の検知結果に応じて、前記上部照明及び前記正面照明の点灯と消灯を個別に制御する制御部(例えば、後述の制御部43)と、を有し、前記制御は単一のセンサ部にて行う照明付き鏡装置を提供する。
【0007】
前記制御部は、前記上部照明及び前記正面照明のいずれかのみを点灯させるように制御することが好ましい。
【0008】
前記制御部は、前記センサ部が検知し続けた時間に応じて、前記上部照明及び前記正面照明それぞれ個別に、調光及び調色のうち少なくとも一方を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、センサ部の検知により容易に操作できる上部照明と正面照明を備える照明付きの鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態のミラーキャビネットが設けられた洗面化粧台の正面側斜視図である。
図2】本実施形態のミラーキャビネットの斜視図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4】本実施形態の照明装置の上部照明優先モードにおける制御手順のフローチャートである。
図5】本実施形態の照明装置の同時点灯モードにおける制御手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態に係る照明付き鏡装置としてのミラーキャビネット1が設けられた洗面化粧台100の正面側斜視図である。洗面化粧台100は、ミラーキャビネット1と、洗面カウンター7と、下部キャビネット8と、を有する。
洗面カウンター7は、上部が開口して水を受ける凹部を有する洗面ボウル71と、洗面ボウル71が配置されるカウンター部72と、水栓73とを有する。
下部キャビネット8は、洗面カウンター7の下部に配置される。下部キャビネット8は、水栓73及び洗面ボウル71の排水口から延びる配管を収納するとともに、周囲に収納空間を有する。
【0012】
図2は、ミラーキャビネット1の斜視図である。
ミラーキャビネット1は、図2に示すように、洗面化粧台100の洗面ボウル71の奥側で洗面ボウル71よりも上部に配置される鏡付きの収納部である。ミラーキャビネット1は、ミラー部2と、キャビネット本体3と、照明装置4と、表示板5と、を有する。
【0013】
ミラー部2は、ミラーキャビネット1の前面に配置され、長方形の鏡が三枚連続して形成される三面鏡である。ミラー部2は、ミラーキャビネット1における開閉可能な扉として機能する。ミラー部2は、第1ミラー扉21、第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23と、を有する。
第1ミラー扉21は、幅方向の中央に配置され、三枚のうち最も面積の広い鏡である。
第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23は、第1ミラー扉21の左右方向両側にそれぞれ配置され、第1ミラー扉21の幅よりも狭い。第1ミラー扉21、第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23は、幅方向の一方側にヒンジ部(図示せず)が配置され、ヒンジ部を回転させることで他方側を開閉するように構成されている。
【0014】
図3図1のA-A断面図である。
キャビネット本体3は、図3に示すように、ミラー部2の裏側に配置され、ミラー部2と対応する寸法を有する収納棚である。キャビネット本体3は、それぞれが板状の部材で構成される背板部31と、側面部32と、底面部33と、天面部34と、複数の棚板35と、を有する。また、図1及び図2に示すように、キャビネット本体3は、第1収納棚310と、第2収納棚320と、第3収納棚330と、を有する。
【0015】
背板部31は、洗面化粧台100が配置される空間の壁面に沿って配置され、ミラー部2全体の裏側に位置する。
【0016】
側面部32は、ミラー部2の上下方向に全部で四枚配置される。すなわち、側面部32は、キャビネット本体3の左右方向両端部に位置する外側側面部32a、32dと、第1ミラー扉21の左右方向両端部に位置し、第1ミラー扉21と第2ミラー扉22、及び第1ミラー扉21と第3ミラー扉23それぞれの間を区切る仕切り側面部32b及び32cとを有する。側面部32a~32dにより、第1ミラー扉21、第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23の裏側に、三つに分割された第1収納棚310、第2収納棚320及び第3収納棚330が形成される。
【0017】
底面部33は、背板部31の下端部に配置され、背板部31から背板部31に直交する手前方向へ延びる一枚の板材である。底面部33は、第1ミラー扉21の下面にのみ配置されており、第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23の下面には配置されていない。底面部33は、後述するように、センサ部42が取り付けられる取り付け面となる。
【0018】
天面部34は、背板部31の上端部に配置され、背板部31から背板部31に直交する手前方向へ延びる一枚の板面である。
【0019】
棚板35は、外側側面部32a、32d及び仕切り側面部32b、32cの間に略水平方向に延びるように渡される板材である。棚板35は、固定されていてもよく、使用者によって任意の位置に配置を変更できるように構成されてもよく、その両方を含む構成であってもよい。
【0020】
なお、図2に示すように、第三収納棚330の下方には、電気機器用の差し込みプラグ穴6(コンセント)が配置されている。
【0021】
照明装置4は、キャビネット本体3に取り付けられて、ミラー部2を照らす装置である。照明装置4は、上部照明410と、正面照明420と、を有する。また、照明装置4は、上部照明410及び正面照明420を発光させる発光部41と、センサ部42と、制御部43と、電源基板47と、を有する。
また、照明装置4は、後述するように、複数の運転操作モードを有する。照明装置4は、使用者が選択した所定の操作モードにより点灯、消灯及び調光又は調光を行うように制御される。
【0022】
上部照明410は、図2に示すように、天面部34における第1ミラー扉21の上部に配置される。上部照明410は、第1ミラー扉21の鏡面から前方へ突出している。
正面照明420は、ミラー部2の正面に配置される。詳細には、正面照明420は、第1ミラー扉21、第2ミラー扉22及び第3ミラー扉23それぞれの境界に上下方向に延びるように配置される。正面照明420は、仕切り側面部32b、32cに取り付けられる照明カバーの内部に、以下に説明する発光部41が配置されることで構成される。正面照明420は、上部照明410によって上部から光が照らされることで、ミラー部2に映る使用者の姿に影ができるところを、正面からも光を当てて消すことで、ミラー部2に映る使用者の姿全体を明るくする。
【0023】
発光部41は、上部照明410及び正面照明420に配置されるLED素子である。発光部41は、上部照明410及び正面照明420内に配置された基板に取り付けられる。
【0024】
電源基板47は、図3に示すように、第1収納棚310の内部で、仕切り側面部32bの内側に配置されている。電源基板47は、照明装置4を作動させる電源ボタン471と、操作モードを切り替える操作モード切替ボタン472と、を有する。
【0025】
センサ部42は、人間等の物体の近接及び動きを検知する赤外線センサであり、使用者がセンサ部42に手をかざす動きを検知する。センサ部42は、例えば、近赤外線反射検出方式の赤外線センサである。センサ部42は、図2に示すように、ミラー部2よりも下方に配置される。センサ部42は、第1収納棚310の底面部33で、第1ミラー扉21の鏡面よりも奥側、すなわち背板部31側に配置されている。
【0026】
図3に示すように、センサ部42は、底面部33の奥行方向における略中央部から斜め下方を向いて配置されており、検知範囲S1を有する。
検知範囲S1は、この範囲で使用者が手指をかざすと、センサ部42が人体等の物体の接近を正常に検知する範囲である。検知範囲S1は、センサ部42から円錐状に外側に向かって広がるように設定されており、広範囲にわたっているが、第1ミラー扉21のミラー部2より前には出過ぎないように設定されている。
【0027】
表示板5は、第1ミラー扉21の下縁の幅方向における一方側に設けられる。表示板5は、センサ部42の位置を示す目印である。表示板5は、略台形形状で、下底が第1ミラー扉21の下縁に沿うように配置される。表示板5は、第1ミラー扉21の下端部に接着されて取り付けられる。
【0028】
制御部43は、仕切り側面部32b及び32cの上端部に配置される基板に配置されるCPUである。制御部43は、予めいくつかの操作モードを記憶しており、使用者が選択した操作モードによって、照明装置4の操作パターンを切り替える。制御部43は、使用者の手の動きをセンサ部42が検知し続けた時間の長さに応じて、照明装置4の発光部41の光の強さを調整する。すなわち、単一の制御部43が、センサ部42の検知した、使用者が手をかざし続けた時間に応じて、上部照明410及び正面照明420内の発光部41の照度を制御する。これにより、制御部43は、照明の調光を行う。
【0029】
操作モードは、電源基板47にある操作モード切替ボタン472を、所定長さ長押しすることで、予めプログラムされているモードを切り替えることができる。所定長さとは、例えば、6秒以上を例示できる。
【0030】
図4は、本実施形態の上部照明優先モードにおける制御手順のフローチャートである。図4を参照して、上部照明優先モードの制御手順を説明する。
【0031】
まず、使用者は、照明装置4の上部照明410及び正面照明420が消灯している状態から、照明装置4を点灯させようとするとき、センサ部42に手をかざす。
ステップS1において、制御部43は、センサ部42が使用者の手を検知したか否かを判断する。
ステップS2において、センサ部42が使用者を検知した場合、上部照明410及び正面照明420を点灯する。このとき、正面照明420は、光の強さを0%で点灯する。すなわち、正面照明420は点灯されるが、照度をゼロに設定されており、実質的には発光部41は光を発していないため、消灯している。
なお、センサ部42が使用者を検知しない場合は、正面照明420はそのまま消灯し続ける。
【0032】
次に、ステップS3において、制御部43は、センサ部42による使用者の検知が、T0以上継続したか否かを判断する。
ステップS4において、制御部43は、センサ部42の検知が、T0未満であったと判断した場合、正面照明420の照度はゼロのままに確定される。よって、上部照明410が点灯し、正面照明420のみ消灯した状態で終了する。このように、制御部43は、センサ部42の検知結果に応じて上部照明410及び正面照明420を個別に制御し、上部照明410のみを点灯させるように制御する。
【0033】
次に、ステップS5において、センサ部42の検知がT0以上継続した場合、制御部43は、さらにT1以上継続したか否かを判断する。
【0034】
ステップS6において、センサ部42の検知が、T1未満であったと判断した場合、制御部43は、上部照明410を点灯したまま正面照明420の光の強さを上げ、弱に変更する。そして、正面照明420の照度は弱に確定され、終了する。
【0035】
次に、ステップS7において、センサ部42の検知がT1以上継続した場合、制御部43は、さらにT2以上継続したか否かを判断する。
【0036】
ステップS8において、センサ部42の検知が、T2未満であったと判断した場合、制御部43は、上部照明410を点灯したまま正面照明420の光の強さを上げ、中に変更する。そして、正面照明420の照度は中に確定され、終了する。
【0037】
次に、ステップ9において、センサ部42の検知がT2以上継続した場合、制御部43は、上部照明410を点灯したまま正面照明420の光の強さを上げ、強に変更する。そして、正面照明420の照度は強に確定され、終了する。このように、制御部43は、正面照明420の調光を個別に行う。
【0038】
上部照明優先モードは、ループしない。照度が確定した後、センサ部42が新たに使用者を検知するまで、照明装置4は点灯を続ける。照度が確定した後、センサ部42が再び使用者を検知すると、上部照明410及び正面照明420は同時に消灯する。
上部照明優先モードにおいて、T0は、例えば0.5秒であってよい。また、T1及びT2は、それぞれ、例えば1秒であってよい。
【0039】
図5は、本実施形態の同時点灯モードにおける制御手順のフローチャートである。図5を参照して、同時点灯モードの制御手順を説明する。
まず、使用者は、照明装置4の上部照明410及び正面照明420が消灯している状態から、照明装置4を点灯させようとするとき、センサ部42に手をかざす。
ステップS1において、制御部43は、センサ部42が使用者の手を検知したか否かを判断する。
ステップS2において、センサ部42が使用者を検知した場合、上部照明410及び正面照明420を点灯する。このとき、正面照明420は、光の強さを弱で点灯する。
なお、センサ部42が使用者を検知しない場合は、そのまま消灯し続ける。
【0040】
次に、ステップS3において、制御部43は、センサ部42による使用者の検知が、T1以上継続したか否かを判断する。
ステップS4において、制御部43は、センサ部42の検知が、T1未満であったと判断した場合、正面照明420の照度は弱に確定され、終了する。
【0041】
次に、ステップS5において、センサ部42の検知がT1以上継続した場合、さらにT2以上継続したか否かを判断する。
【0042】
ステップS6において、センサ部42の検知が、T2未満であったと判断した場合、制御部43は、上部照明410を点灯したまま正面照明420の光の強さを上げ、中に変更する。そして、正面照明420の照度は中に確定され、終了する。
【0043】
次に、ステップ7において、センサ部42の検知がT2以上継続した場合、制御部43は、上部照明410を点灯したまま正面照明420の光の強さを上げ、強に変更する。そして、正面照明420の照度は強に確定され、終了する。
【0044】
同時点灯モードは、ループしない。照度が確定した後、センサ部42が新たに使用者を検知するまで、照明装置4は点灯を続ける。照度が確定した後、センサ部42が使用者を検知すると、上部照明410及び正面照明420は同時に消灯する。
同時点灯モードにおいて、T1及びT2は、それぞれ、例えば1秒であってよい。
【0045】
なお、図示を省略するが、上部照明優先モードにおいて、正面照明420を消灯(0%点灯)する段階と、弱に点灯する段階との間に、微弱の段階を含めるようにしてもよい。
【0046】
また、正面照明420を消灯(0%点灯)した状態の後、正面照明420を、弱中強の段階ではなく、徐々に光が強くなるように構成した無段階モードを含めるようにしてもよい。無段階モードでは、センサ部42で検知した時間の長さと、検知した時間の長さに対応又は比例する電流量を予め定めておき、センサ部42が使用者の手を検知する時間の長さに応じて、制御部43が調光する。無段階モードでは、使用者が調光中に手を放した時点で照度が確定し、その後新たに手を検知した場合、上部照明410及び正面照明420の両方を同時に消灯する。
【0047】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、ミラー部2及び照明装置4を備えるミラーキャビネット1において、照明装置4を、ミラー部2の上部に配置される上部照明410と、ミラー部2の正面に配置される正面照明420と、物体の近接及び/又は動きを検知するセンサ部42と、センサ部42の検知結果に応じて、上部照明410及び正面照明420の点灯と消灯を個別に制御する制御部43と、を含んで構成し、制御を単一のセンサ部42にて行うようにした。
本実施形態によれば、単一のセンサ部42により、上部照明410及び正面照明420の点灯と消灯とを個別に制御することができる。このため、センサ部42を複数配置する必要がなく、上部照明410及び正面照明420の制御を非接触で行う際に、操作部を一か所にすることができる。よって、容易に操作することができる。
【0048】
本実施形態によれば、制御部43を、上部照明410及び正面照明420のいずれかのみを点灯させるように制御するように構成した。これにより、正面照明420がまぶしいので不要であると感じる使用者が、上部照明410のみを点灯させることができ、使用者の希望に応じて照明装置4を容易に操作できるようになる。
【0049】
本実施形態によれば、制御部を、センサ部42が検知し続けた時間に応じて、上部照明410及び正面照明420それぞれ個別に、調光及び調色のうち少なくとも一方を行うように構成した。これにより、点灯及び消灯のみならず、正面照明420の調光や調色を行うこともできるため、より使用者の希望に応じて照明装置4を容易に操作できるようになる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、発光部41の照度を変更することで調光を行うことを例として説明したが、これに限られない。発光部において異なる色味のLED素子を段階的に並べ、色味を昼光色・昼白色・白色・温白色・電球色等に変更可能に構成してもよい。また、操作モードを増やし、調光及び調色の両方を行うように構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、手をかざすことにより人が接近したことを検知しているが、これに限られない。例えば、センサ部の前で手を振る動作により検知してもよい。すなわち、手がセンサ部の前を横切るように数回移動することで、センサ部の検知状態と非検知状態の移行に応じて、照明の調光及び調色のうち少なくとも一方を行うように構成してもよい。また、手をかざす動作及び手を振る動作の両方の動作で検知するように構成してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、上部照明優先モードのT0を0.5秒、T1及びT2を1秒、上部照明優先モードのT1及びT2を1秒、として説明したが、これに限られない。T0~T2は、仕様に応じて適宜設定されてよい。また、T1及びT2は、同じ値でなく、異なっていてもよい。さらに、使用者が自由に設定できるように構成してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、上部照明410の調光及び調色はしていないが、上部照明410の照度や色味を変更可能に構成し、上部照明410及び正面照明420をそれぞれ個別に制御してもよい。
また、上記実施形態では、洗面化粧台100等に設けられるミラーキャビネット1を例に挙げて説明したが、これに限られない。照明付き鏡装置は、ミラー部と照明装置を備えていればよく、キャビネット本体のような収納部を有さない平坦な鏡体に照明装置を設けたものであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ミラーキャビネット(照明付き鏡装置)
2 ミラー部
4 照明装置
42 センサ部
43 制御部
410 上部照明
420 正面照明
図1
図2
図3
図4
図5