(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20221219BHJP
G01J 3/46 20060101ALI20221219BHJP
G01V 8/10 20060101ALI20221219BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01N21/27 A
G01J3/46 Z
G01V8/10 S
G06T1/00 285
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017092842
(22)【出願日】2017-05-09
【審査請求日】2020-05-08
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジェイ・クレイン
(72)【発明者】
【氏名】パメラ・エル・ブレーク
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-076178(JP,A)
【文献】特表2013-531244(JP,A)
【文献】国際公開第2016/005411(WO,A1)
【文献】特開2000-222565(JP,A)
【文献】E.J. IENTILUCCI and S.D. BROWN,Advances in wide-area hyperspectral image simulation,Proc. of SPIE,2003年09月05日,Vol. 5075,pp. 110-121,doi:10.1117/12.488706
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-G01N 23/2276
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01J 3/00-G01J 4/04
G01J 7/00-G01J 9/04
G01B 9/00-G01B 9/10
G01B 11/00-G01B 11/30
G01V 8/00-G01V 8/26
G06T 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心領域のスペクトルをシミュレートする方法であって、
前記関心領域を複数の地理空間部分にマップすることであって、
前記複数の地理空間部分は、物理地理的情報システム(GIS)データ・セット内の領域であり、前記複数の地理空間部分の各々が土地の特徴を示す物理特性に関連付けられている、ことと、
地理的
情報システム(GIS)データを用いて前記複数の地理空間部分の各々から前記関心領域の物理特性を決定することと、を含む、
前記関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップと、
前記決定された物理特性を、
反射率スペクトルで定義された1つ又は複数の素材についての情報を有するスペクトル・ライブラリの中の1つの素材と関連付けるステップ
であって、前記情報は、1つまたは複数の範囲の波長にわたる前記1つ又は複数の素材の反射率に関する、ステップと、
前記地理空間部分の各々に最も適合するスペクトル・ライブラリ名を
地図名に基づいて割り当てることにより、前記1つ又は複数の素材の各々を定義する
反射率スペクトルを前記素材に関連付けられた前記関心領域の前記地理空間部分と関連付けるステップであって、前記素材は少なくとも部分的に前記関心領域の前記地理空間部分を表す、ステップと、
前記複数の地理空間部分の各々に関連付けられた前記素材を定義する前記
反射率スペクトルを
、前記複数の地理空間部分の各々の中の前記1つ又は複数の素材の反射率値の合計または組合せを画素ごとに計算することによって、前記複数の地理空間部分の各々に融合することと、
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成することと、を含む、
前記関心領域のスペクトルをシミュレートするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記決定された物理特性を、
反射率スペクトルで定義された1つ又は複数の素材についての情報を有する前記スペクトル・ライブラリの中の前記1つ
の素材と関連付けるステップはさらに、
前記決定された物理特性を前記スペクトル・ライブラリの第2の素材と関連付けるステップ、
を含み、
前記地理空間部分の各々に最も適合するスペクトル・ライブラリ名を
地図名に基づいて割り当てることにより、前記素材を定義する
反射率スペクトルを前記関心領域の前記素材に関連付けられた前記複数
の地理空間部分の各々と関連付けるステップであって、前記素材は前記関心領域
の少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップはさらに、
前記第2の素材を定義する
反射率スペクトルを前記関心領域の前記少なくとも一部と関連付けるステップであって、前記第2の素材は前記関心領域の前記少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップ、
を含み、
関心領域のスペクトルをシミュレートするステップはさらに、
前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを
、前記複数の地理空間部分の各々の中の前記1つ又は複数の素材の反射率値の合計または組合せを画素ごとに計算することによって、前記複数の地理空間部分の各々に融合することと、
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法はさらに、
前記関心領域の第2の地理空間部分の第2の物理特性を決定するステップと、
前記第2の物理特性をスペクトル・ライブラリの第3の素材と関連付けるステップであって、前記スペクトル・ライブラリはさらに前記第3の素材を定義する少なくとも1つの
反射率スペクトルを有する、ステップと、
前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記関心領域の前記第2の地理空間部分に関連付けるステップであって、前記第3の素材は前記関心領域を少なくとも部分的に表す、ステップと、
を含み、
前記素材を定義する前記
反射率スペクトルおよび前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルから少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップは、
前記素材を定義する前記
反射率スペクトル、前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトル、および前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルから少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成することは、
第1の重みに従って前
記1つの素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第2の重みに従って前記第2の素材を定義する前記反射率スペクトルを重み付けるステップと、
前
記1つの素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記第2の素材の前記重み付けされたスペクトル定義から少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップと、
を含む、請求項2または
3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成することは、
第1の重みに従って前記素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第2の重みに従って前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
少なくとも部分的に前記素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記第2の素材の前記重み付けされたスペクトル定義から前記素材および前記第2の素材の結合スペクトル定義を生成するステップと、
第4の重みに従って前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第3の重みに従って前記結合スペクトル定義を重み付けるステップと、
少なくとも部分的に前記第3の素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記重み付けされた結合スペクトル定義から前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記地理空間部分の各々の前記決定された物理特性を前記スペクトル・ライブラリの関連付けられた素材に関連付けるステップは、
前記地理空間部分の各々の前記決定された物理特性を前記スペクトル・ライブラリの複数の素材に関連付けるステップ
を含み、
前記スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記素材に関連付けられた前記地理空間部分の前記物理特性に関連付けるステップは、
前記スペクトル・ライブラリの前
記関連付けられた素材の各々を定義する前記
反射率スペクトルを前記素材に関連付けられた前記地理空間部分の前記物理特性と関連付けるステップ
を含み、
前記複数の地理空間部分の各々に関連付けられた前記素材の前記関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間領域に融合するステップは、
前記複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられた前記スペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップ
を含み、
前記シミュレートされたスペクトルを、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた素材の前記融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップは、
前記シミュレートされたスペクトルを、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた各素材の前記融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられた前記スペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップは、
各素材に関連付けられた前記スペクトル定義の各々を重み付けるステップと、
各素材に関連付けられた前記重み付けされたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
関心領域のシミュレートされたスペクトルを生成するための装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に接続されたメモリであって、前記メモリは、
前記関心領域を複数の地理空間部分にマップすることであって、
前記複数の地理空間部分は、物理地理的情報システム(GIS)データ・セット内の領域であり、前記複数の地理空間部分の各々が土地の特徴を示す物理特性に関連付けられている、ことと、
地理的情
報システム(GIS)データを用いて前記複数の地理空間部分の各々から前記関心領域の物理特性を決定することと、を含む、
前記関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップと、
前記決定された物理特性を、
反射率スペクトルで定義された1つ又は複数の素材についての情報を有するスペクトル・ライブラリの中の1つの素材と関連付けるステップ
であって、前記情報は、1つまたは複数の範囲の波長にわたる前記1つ又は複数の素材の反射率に関連する、ステップと、
前記地理空間部分の各々に最も適合するスペクトル・ライブラリ名を
地図名に基づいて割り当てることにより、前記1つ又は複数の素材の各々を定義する
反射率スペクトルを前記素材に関連付けられた前記関心領域の前記地理空間部分と関連付けるステップであって、前記素材は少なくとも部分的に前記関心領域の前記地理空間部分を表す、ステップと、
前記複数の地理空間部分の各々に関連付けられた前記素材を定義する前記
反射率スペクトルを
、前記複数の地理空間部分の各々の中の前記1つ又は複数の素材の反射率値の合計または組合せを画素ごとに計算することによって、前記複数の地理空間部分の各々に融合することと、
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成することと、を含む、
前記関心領域のスペクトルをシミュレートするステップと、
を含む命令を格納する、メモリと、
を備える、装置。
【請求項9】
前記決定された物理特性を、
反射率スペクトルで定義された1つ又は複数の素材についての情報を有する前記スペクトル・ライブラリの中の前記1つ
の素材と関連付けるための前記命令はさらに、
前記決定された物理特性を前記スペクトル・ライブラリの第2の素材と関連付ける
ための命令を含み、
前記地理空間部分の各々に最も適合するスペクトル・ライブラリ名を
地図名に基づいて割り当てることにより、前記素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記関心領域の前記素材に関連付けられた前記複数
の地理空間部分の各々と関連付けるための命令であって、前記素材は前記関心領域
の少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、命令はさらに、
前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記関心領域の前記少なくとも一部と関連付けるステップであって、前記第2の素材は前記関心領域の前記少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップ
のための命令を含み、
前記関心領域のスペクトルをシミュレートするための前記命令はさらに、
前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記複数の地理空間部分の各々に融合し、
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成する
ための命令を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記命令はさらに、
前記関心領域の第2の地理空間部分の第2の物理特性を決定するステップと、
前記第2の物理特性をスペクトル・ライブラリの第3の素材と関連付けるステップであって、前記スペクトル・ライブラリはさらに前記第3の素材の少なくとも1つのスペクトル定義を有する、ステップと、
前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルを前記関心領域の前記第2の地理空間部分に関連付けるステップであって、前記第3の素材は前記関心領域を少なくとも部分的に表す、ステップと、
のための命令を含み、
前記素材を定義する前記
反射率スペクトルおよび前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルから少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するための命令は、
前記素材を定義する前記
反射率スペクトル、前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトル、および前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルから少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップ
のための命令を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成する
ための前記命令は、
第1の重みに従って前
記1つの素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第2の重みに従って前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
前
記1つの素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記第2の素材の前記重み付けされたスペクトル定義から少なくとも部分的に前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップと、
のための命令を含む、請求項9または1
0に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記素材を定義する前記融合されたスペクトルに加え、前記複数の地理空間部分の各々に対する前記地理空間部分に関連付けられた前記第2の素材を定義する前記融合されたスペクトルから、シミュレートされたスペクトルを生成する
ための前記命令は、
第1の重みに従って前記素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第2の重みに従って前記第2の素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
少なくとも部分的に前記素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記第2の素材の前記重み付けされたスペクトル定義から前記素材および前記第2の素材の結合スペクトル定義を生成するステップと、
第4の重みに従って前記第3の素材を定義する前記
反射率スペクトルを重み付けるステップと、
第3の重みに従って前記結合スペクトル定義を重み付けるステップと、
少なくとも部分的に前記第3の素材の前記重み付けされたスペクトル定義および前記重み付けされた結合スペクトル定義から前記関心領域の前記シミュレートされたスペクトルを生成するステップと、
のための命令を含む、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地理的領域からスペクトル情報を収集するためのシステムおよび方法に関し、特に、地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル監視プラットフォームは地理的データのリッチなソースである。かかるモバイル・プラットフォームは、低地球軌道(LEO)、媒体地球軌道(MEO)、または対地同期/地球静止軌道内の衛星を含みうる。モバイル・プラットフォームは1つまたは複数のセンサを使用して地理的データを収集する。これらのセンサは、アプリケーションおよび所望の情報に依存して、帯域幅、波長解像度、およびセンシング技術を含む多種多様のセンサ特性を有する。
【0003】
センシング技術に関して、モバイル監視プラットフォームセンサ(複数可)104がパッシブ(例えば、単にターゲットから放射されたエネルギを検知する)であってもよく、または、アクティブ(例えば、センサにより検知されたエネルギが人造エネルギソースまたは発光体により提供される)であってもよい。波長に関して、センサは、ガンマ線帯域幅、x線、紫外線、可視光線、赤外線、および無線波を含む様々な帯域幅で動作しうる。センサ解像度は空間解像度(例えば、画像の画素サイズは、センサの瞬間的な視野により決定された監視された表面の領域)、スペクトル解像度(例えば、波長の解像度および波長間隔の数)、時間的解像度(例えば、測定間の期間)、放射計解像度(例えば、センサの効果的なビット深度または動的範囲)、および幾何解像度の点で定義されうる。
【0004】
多くの場合、モバイル監視プラットフォームは、特定の領域における「ターゲットの」地理的特徴を探索し発見するために使用される。例えば、モバイル監視プラットフォームは、最近の森林火災に起因する損害の範囲を決定するために使用されうる。かかるケースでは、センサ特性は通常、「ターゲット」と背景の間の判別子を最大化するために選択される。ターゲットおよび背景の特性は一般に先験的に知られていないので、これは、具体的にはモバイル監視プラットフォーム、特に、リアルタイムまたはほぼリアルタイムにリモートに構成できないモバイル・プラットフォームで問題となりうる。
【0005】
この問題に対する1つの潜在的な解決策は、ハイパースペクトル撮像装置を使用することである。他のセンサまたはセンサ・スイートと同様、ハイパースペクトル撮像装置は電磁波スペクトルにわたってデータを収集し処理する。しかし、(少数の広い、別々の波長帯域で表面から反射された放射を測定する)他のマルチスペクトル撮像装置と異なり、ハイパースペクトル撮像装置は反射された放射を一連の狭い(一般に)連続的な波長帯域で測定する。これは、マルチスペクトル画素スペクトルよりも表面に関する情報をかなり多く提供でき、どれだけ最良に、関心のある情報を収集するようにモバイル監視プラットフォームセンサをスペクトル的に構成するかを選択する際の推量を減らせる、より詳細なスペクトル情報の収集を可能とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この解決策は、モバイル監視プラットフォームおよび/または帯域幅に対するハイパースペクトル撮像処理の要件と、モバイル監視プラットフォームと基地局の間の通信リンクのレイテンシ要件とに厳しくストレスをかけうる。さらに、ハイパースペクトルセンシングはどのスペクトル帯域を収集すべきかの計画を容易にするかもしれないが、それらはセンサ解像度を解決せず、悪化させるおそれがあり、新たな懸案を生み出しうる。
【0007】
必要なものは、特定の地理的関心領域のスペクトル情報を正確にシミュレートし、所望の地理空間データを収集および/または処理するようにリモートセンサをインテリジェントに構成するためのシステムおよび方法である。本明細書で説明する方法およびシステムはそのニーズを満たす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の要件を解決するために、本明細書は、関心領域のスペクトル表現をシミュレートするためのシステムおよび方法を開示する。1実施形態では、当該方法は、当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップと、当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップであって、当該スペクトル・ライブラリは少なくとも1つのスペクトル定義素材を有する、ステップと、当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるステップであって、当該素材は少なくとも部分的に当該関心領域の地理空間部分を表す、ステップと、当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップとを含む。
【0009】
別の実施形態は、プロセッサと、上述の動作を実施するためのプロセッサ命令を格納する通信可能に結合されたメモリとを有する装置により実現される。
【0010】
説明した特徴、機能、および利点は本発明の様々な実施形態で独立に実現でき、またはさらに他の実施形態で結合してもよく、そのさらなる詳細は以下の説明および図面を参照して理解することができる。
【0011】
次に、同じ参照番号が図面にわたって対応する部分を表す図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】モバイル監視プラットフォームを用いたリモート・センシング・システムの1実施形態を示す図である。
【
図2】例示的なグローバル情報システムの図である。
【
図3】地理空間部分および地理空間部分内の関心領域の例示的な実施形態を表す図である。
【
図4】地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図5】スペクトル・シミュレーション・システムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図6A】例示的な素材のスペクトル・シグネチャを示す図である。
【
図6B】例示的な素材のスペクトル・シグネチャを示す図である。
【
図6C】例示的な素材のスペクトル・シグネチャを示す図である。
【
図6D】例示的な素材のスペクトル・シグネチャを示す図である。
【
図7A】第2の素材が地理空間部分内に存在する地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図7B】第2の素材が地理空間部分内に存在する地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図7C】第2の素材が地理空間部分内に存在する地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図8】第1の素材のスペクトル定義および第2の素材のスペクトル定義からの関心領域のシミュレートされた表現の生成を示す図である。
【
図9A】シミュレートされたスペクトル結果を測定結果に相関付けるためのスペクトルの重み付けを示す図である。
【
図9B】シミュレートされたスペクトル結果を測定結果に相関付けるためのスペクトルの重み付けを示す図である。
【
図10】第2のグローバル情報システムデータ・セットの地理空間部分を示す図である。
【
図11】第2のグローバル情報システムデータ・セットからスペクトル・データを融合するために使用される例示的な動作を示す図である。
【
図12】地理空間部分内の第1の素材および第2の素材のスペクトル定義からの関心領域のシミュレートされた表現の生成を示す図である。
【
図13】関心領域が複数の地理空間部分にマップされる、関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための例示的な動作を示す図である。
【
図14】複数の地理空間部分を含む関心領域のシミュレートされた表現の生成を示す図である。
【
図15A】センサ・データを収集するように監視プラットフォーム上の1つまたは複数のセンサを構成するために使用可能な例示的な動作を示す図である。
【
図15B】センサ・データを収集するように監視プラットフォーム上の1つまたは複数のセンサを構成するために使用可能な例示的な動作を示す図である。
【
図16】スペクトル・データのスペクトル部分を選択するために使用できるユーザ・インタフェースの1実施形態を示す図である。
【
図17】赤外線波長内の単一の帯域を用いた関心領域に対するシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。
【
図18】赤外線波長内の単一の帯域を用いた関心領域に対するシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。
【
図19】赤外線波長内の単一の帯域を用いた関心領域に対するシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。
【
図20A】連続または準連続の周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するハイパースペクトル・センサを用いて関心領域を調査するために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図20B】連続または準連続の周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するハイパースペクトル・センサを用いて関心領域を調査するために使用できる例示的な動作を示す図である。
【
図21】上の開示の要素の処理を実装するために使用できる例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、例として示された、幾つかの実施形態の部分を構成する添付図面を参照する。他の実施形態を利用してもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造的変更を加えてもよいことは理解される。
【0014】
概要
本明細書では、地理的関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成し使用するための方法およびシステムの3つの主要な実施形態を説明する。
【0015】
第1の実施形態では、(場合によっては、特定のセンサ特性を有するセンサにより検知された)地理的領域のシミュレートされたスペクトル表現が、関心領域に関するGISデータを決定し、当該GISデータをスペクトル・ライブラリ内のスペクトル的に定義された1つまたは複数の素材に相関付け、当該GISデータの素材に相関する素材のスペクトル定義を当該GISデータにより定義された地図の特定の領域に関連付けることによって生成される。このシミュレートされたスペクトル・データを、実際のセンサ測定値に基づいてセンサを再構成する費用を生じさせずに所望のデータを取得するようにセンサシステムを構成するために使用することができる。
【0016】
第2の実施形態では、上述のシミュレートされたスペクトル表現は、地理的データをリモートに検知し処理する際に関心素材を隔離するために使用される最良のスペクトル帯域を識別するために使用される。上述のGISデータおよびスペクトル・ライブラリ情報は、特定の地理的領域および土壌被覆関連条件に対するかかるリモートセンサの正確かつ高速な構成を可能とし、指定のターゲット関心素材に関する情報の収集を最適化する。この第2の実施形態では、センサ・イメージをもたらす特定の後収集分析がターゲット素材(複数可)を識別するために推奨されてもよい。これは、ミッション固有の目的を、削減された能力センサシステム(関心領域に対するミッション目的を満たすもの)で満足することを可能とし、システムの複雑性を減らすことができる。
【0017】
第3の実施形態では、GISベースのスペクトルモデルから生成された情報が、ハイパースペクトル・センサを有するプラットフォームに適用される。このオンプラットフォームソフトウェアの解決策は、どの波長が1つまたは複数のターゲット素材をリモートに識別するために最適であるかを判定し、当該ハイパースペクトル・センサにより提供されたデータのハイパースペクトル・データキューブからこれらの波長で帯域をスライスまたは選択し、これらの帯域のみを地上局に送信する。当該帯域は上述の大規模領域スペクトルモデルを用いて識別されるので、選択された帯域は、当該プラットフォームが撮像している領域に基づいて動的に変化しうる。さらに、隔離された帯域の分析を、収集プラットフォームおよび送信された結果に対してオンボードで実施することができる。これは、これらの選択された関心帯域内のデータのみが送信されるので、大規模なデータ・セットを地上局に送信する要件を改善する。
【0018】
リモート・センシング・システム
図1は、モバイル監視プラットフォーム102を用いたリモート・センシング・システム100の1実施形態を示す図である。示した実施形態において、モバイル監視プラットフォーム102(以降代替的に「プラットフォーム」と称される)は衛星であるが、監視プラットフォームが航空機、水上車両、または遠隔操作車両から構成されてもよい。プラットフォーム102は、表面関心領域(ROI)114から発せられる電磁気エネルギをリモートに検知するための1つまたは複数のセンサ104(以降単に「センサ」と称する)を備える。
図1に示すROIは楕円形または円形に見えるが、それが任意の形状であってもよい。センサ104は、ガンマ線、x線、紫外線帯域、可視光線、赤外線帯域幅、および無線波帯域を含む広範囲のスペクトル帯域で動作する撮像または非撮像センサを含んでもよく、パッシブ、アクティブ、またはセミアクティブ(例えば、リモート・センシング・システム100の別の要素により照射されたエネルギの検知)であってもよい。
【0019】
プラットフォーム102はまた、センサ104、メモリ108および通信モジュール110に通信可能に接続されたプロセッサ106を備える。当該通信可能に結合されたメモリ108に格納されたプロセッサ命令を用いて、当該プロセッサはセンサ104からデータを受信し、通信モジュール110と通信リンク116を介して通信用のデータを地上局112に提供する。プロセッサ106は、センサ・データを送信前に処理してもよく、または、単に当該データを送信用に再フォーマットしてもよい。通信モジュール110はまた、コマンドおよびメッセージを基地局112から受信し、これらのコマンドおよびメッセージをプロセッサ106に提供し、コマンドをプラットフォーム102から基地局112に送信してもよい。
【0020】
示したプラットフォーム102は衛星を含むが、プラットフォーム102は、任意のタイプの宇宙船、航空機、水上車両、または遠隔操作車両(RPV)を含んでもよい。
【0021】
GISシステム
地理的情報システム(GIS)は、地理的に参照され、空間的に分散されるデータを収集し、格納し、操作し、表示するためのコンピュータベースのツールを備える。かかるシステムは、例えば、リソースの管理、地球の表面の科学的調査、資産計画および位置決め、犯罪学、人口研究、災害管理、都市計画、および環境影響評価において有用である。
【0022】
一般に、GISシステムは、多数の形態のデータを、当該データが地理的に参照可能である(例えば、位置に対して参照可能である)限り、受けいれ、使用する。かかる位置を、緯度および経度、郵便番号、または地政学的境界を含む様々な方法で表現することができる。当該データが、土壌のタイプ、草木、小川の位置、湖および他の水域のような土地の特徴に関する情報を含んでもよく、自然および人造の特徴に関する情報を含むことができる。当該データがまた、人口または他の人口学的データを含んでもよい。
【0023】
GISシステムは、かかるデータ(幾つかの異なるソースからきてもよい)を受け付け、(例えば、空間歪みおよび視点を説明するために)当該データを操作し、異なるスケールを説明するために当該データを拡大し、異なるソースからのデータを結合できるように既知のデータ点を整列する。GISシステムは、異なるソースからのデータを階層化して多種多様の独立なマップを生成することができる。
【0024】
図2は例示的なGISシステム200の図である。GISシステム200は、1つまたは複数のGISデータ・セット202または他のデータソース202からの位置ベースの地理的データを格納するGISデータベース204を含む。GISエンジン206は、ユーザ・インタフェース210からのコマンドに従ってGISデータベース204に格納されたデータを抽出および処理し、ユーザ・インタフェース210を介してその結果をユーザに提供する。当該GISエンジンに通信可能に接続されたデータ処理モジュール208においてデータ拡大、操作、およびデータ階層化を実施することができる。拡大され、操作され、および階層化されたデータをまた、高速な抽出およびさらなる分析のために当該GISデータベースに格納してもよい。
【0025】
本明細書で開示されたシステムおよび方法はかかるGISデータを使用して、センサ・データの収集を計画し実行する。
【0026】
地理的領域のスペクトル情報のシミュレート
以下の議論では、スペクトル・ライブラリ情報を物理的地理空間データと融合するための方法および装置を開示する。この物理的地理空間データは関心領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用される。当該物理的地理空間データは、例えば、土地利用/土壌被覆(LULC)情報、土壌情報、およびビルトアップ領域(BUA)情報を含むことができる。
【0027】
当該スペクトル・ライブラリ情報は様々な素材に対する反射率情報を含む。当該素材は、緑草から鉄鋼のペイントの特定の影にわたりうる。かかるライブラリは、質量分光計を用いて生成され、アメリカ地質調査所(USGS)およびジェット推進ライブラリ(JPL)のような機関から利用可能である。当該スペクトル・ライブラリ情報は、当該物理的地理空間データに融合されると、当該関心領域のスペクトル・コンテンツをシミュレートすることを可能とする。さらに以下で説明するように、かかるシミュレーションを、関心領域114内の特定の素材を対象とするように構成されたセンサ104の有効性を予測するために使用することができる。この予測された有効性を、関心領域114内の他の(背景)素材の予測されたスペクトルと比較されたときに、それらの予測されたスペクトルによりターゲット素材を検出し区別するように、センサ104および関連付けられたプロセッサ106を構成するために使用することができる。
【0028】
図3は、地理空間部分302Aないし302C(以降代替的に地理空間部分(複数可)302と称する)および地理空間部分302C内の関心領域114の例示的な実施形態を表す図である。上述のように、地理空間部分302は物理GISデータ・セット内の領域を含む。当該領域は、(土壌および地質学を記述する)地表のデータ・セット、LULCデータ・セット、およびBUAデータ・セットを含んでもよい。一般に、かかるデータ・セット202は、基盤となるデータの変更を説明できるように、大規模領域を記述し、日付を付けられる。これらの物理GISデータ・セット202は、領域的地理空間分析(例えば、人口、炭素負荷推定および都市計画)に使用することができる。
【0029】
上述の地理空間部分302の各は、それらの境界内に1つまたは複数の素材を含んでもよい。以下の議論の目的のため、地理空間部分302Aは落葉樹林地の領域であり、地理空間部分302Bは耕作地および牧草地の領域であり、地理空間部分302Cは混合型の森林地の領域である。さらに、落葉樹林地の地理空間部分302Aは落葉樹を含み、耕作地および牧草地の地理空間部分302Bは緑草および枯草を含み、混合型の森林地の地理空間部分302Cは針葉樹および落葉樹の混合を含む。
【0030】
図4は、地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。ブロック402において、関心領域114の地理空間部分302の物理特性が決定される。例えば、関心領域114を当該物理特性に関連付けられた地理空間部分302にマップしてもよい。例えば、
図3で示す例示的な実施形態では、地理空間部分302Cが、(GISデータを用いて)、上述のように混合型の森林地に含まれる物理特性を含むと判定してもよい。したがって、関心領域114がマップされる。
【0031】
ブロック404において、決定された物理特性が、素材のスペクトル定義を有するスペクトル・ライブラリの素材に関連付けられる。1実施形態では、これを、当該領域(草、農地、赤砂質ローム等)を記述する値を各地理空間部分302に割り当てることで実現することができる。例えば、混合型の森林物理特性が地理空間部分302Cに関連付けられている。
【0032】
図5は、
図4で説明した動作を実施するために使用できるスペクトル・シミュレーション・システムの例示的な実施形態(SSC)500を示す図である。当該例示的な実施形態は、
図2に示すGISシステム200の特徴を含み、シミュレーション・エンジン502を追加する。ユーザ・インタフェース210からのコマンドに応答して、シミュレーション・エンジン502はデータをスペクトル・ライブラリ504およびセンサ・モデルライブラリ506から受け取り、関心領域114に対するシミュレートされたスペクトルを生成し、結果のシミュレーションデータを、ユーザ・インタフェース210を介してユーザに提供する。示した実施形態において、GISシステム200のユーザ・インタフェース210が当該シミュレーション機能を含むように拡張されるが、しかし、別々のユーザ・インタフェース210を代わりに提供してもよい。
【0033】
スペクトル・ライブラリ504は、1つまたは複数の範囲の波長にわたる素材の反射率に関する(一般に、必ずしも表形式ではない)情報を含む。スペクトル・ライブラリ504内の情報は当該素材の反射率スペクトル(例えば、スペクトル・シグネチャ)を定義し、グラフィカル形式で提示することができる。例えば、
図6A乃至6Dは、地理空間部分302に発見しうる(反射率および波長の点での)例示的な素材のスペクトル・シグネチャを示す図である。
図6Aは針葉樹600Aの例示的なスペクトル・シグネチャを示し、
図6Bは草600Bの例示的なスペクトル・シグネチャを示す。
図6A乃至6Dは針葉樹林600A、草600B、落葉樹林600Cおよび枯草600Dの例示的なスペクトル・シグネチャを示す。
【0034】
ブロック406において、当該素材のスペクトル定義が関心領域114の地理空間部分302に関連付けられる。例えば、針葉樹林600Aのスペクトル・シグネチャまたは定義が混合型の森林地の地理空間部分302Cに関連付けられてもよい。当該針葉樹林は少なくとも部分的に混合型の森林地の地理空間部分302Cを表す。1実施形態では、これを、各地理空間部分302(ポリゴンにより表してもよい)に最も適合するスペクトル・ライブラリ名を地図名に基づいて割り当てることにより実現することができる。複数のライブラリ名は受理可能である。これを、GISライブラリ(例えば、土壌、LULC、人造特徴)ごとに繰り返してもよい。例えば、表Iは地図単位とライブラリの間の関係を示す。
【0035】
【0036】
次に、ブロック408で、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現が、少なくとも部分的に当該少なくとも1つの素材の関連付けられたスペクトル定義から生成される。したがって、針葉樹林600Aのスペクトル定義は関心領域114のスペクトル表現をシミュレートするために使用される。なぜならば、関心領域114が混合型の森林地の地理空間部分302内に完全に入り込み、1つの素材(針葉樹林)のみが地理空間領域302Cに関連付けられているからである。
【0037】
図7A乃至7Cは、第2の素材が地理空間部分302で提示される、地理的領域のスペクトル情報をシミュレートするために使用できる例示的な動作を示す図である。
図7Aのブロック702において、関心領域114の地理空間部分302の決定された物理特性は、スペクトル・ライブラリ504の第2の素材に関連付けられる。スペクトル・ライブラリ504はまた、第2の素材のスペクトル定義またはシグネチャを含む。
図3を再度参照すると、地理空間領域302Cの地理空間特性(混合型の森林)が第2の素材(落葉樹林)に関連付けられる。
【0038】
図7Bのブロック704において、第2の素材(当該例では落葉樹林)のスペクトル定義は、地理空間部分(302C、または上述の例における混合型の森林地)に関連付けられる。第2の素材は少なくとも部分的に関心領域114の地理空間部分302Cを表す。例えば、落葉樹林600Cのスペクトルが地理空間部分302Cに関連付けられてもよい。
【0039】
ブロック706において、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現が少なくとも部分的に第1の素材のスペクトル定義および第2の素材のスペクトル定義から生成される。
【0040】
図8は、第1の素材のスペクトル定義および第2の素材のスペクトル定義からの関心領域114のシミュレートされた表現の生成を示す図である。示すように、関心領域114のシミュレートされた表現は、第1の素材スペクトル600Aおよび第2の素材スペクトル600Cを結合し、結合スペクトル802を地理空間部分302Cに融合することにより生成される。
【0041】
1実施形態では、地理空間部分302C内の結合スペクトル定義に寄与する素材のスペクトル定義がそれらの結合の前に重み付けされる。これを、例えば、地理空間部分302C内の素材を共に構成する素材のうち1つまたは複数のスペクトル定義を重み付けすることによって実現することができる。例えば、第1の素材のスペクトル定義が第1の重みまたは因子により重み付けされ(例えば、乗算により拡大され)てもよく、第2の素材が第2の重みまたは因子により重み付けされてもよい。かかる重み付けに続いて、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現が、第1の素材の重み付けされたスペクトル定義および第2の素材の重み付けされたスペクトル定義から少なくとも部分的生成される。したがって、波長ごとの反射率値は、タイル、画素、または地理空間部分302が各素材から構成される割合に基づく。
【0042】
上述の重みまたは因子の選択を、関心領域の予測されたシグネチャを実際の測定されたシグネチャと相関付けるために使用することができる。例えば、
図8に示す結合スペクトル802がセンサ104で取得された実際のスペクトル測定値とマッチしない場合、当該スペクトルを、当該素材スペクトルのうち1つまたは複数の反射率を関心のある波長μの何れかまたは全てで上げ下げするように重みづけすることができる。
【0043】
図9Aおよび9Bは、シミュレートされたスペクトル結果を測定結果に相関付けるためのスペクトルの重み付けを示す図である。
図9Aは、針葉樹スペクトル600Aおよび落葉スペクトル600Cを結合することにより到達した結合されたシミュレートされたスペクトル802を示す。示すように、シミュレートされた結合スペクトル802は特定された結合スペクトル902と最大波長でマッチするが、幾つかの波長に対しては、結合された測定されたスペクトル902はシミュレートされた結合スペクトル802よりも大きい反射率を示す。シミュレートされた結合スペクトル902を特定された結合スペクトル902とより良くマッチするために、(波長の関数として変化しうる)重み付け因子を、当該結合スペクトルに寄与するスペクトルの何れか、または当該結合スペクトル自体に適用してもよい。示した実施形態において、周波数が変動する重み付け因子904が、測定された結合スペクトル902にマッチするために、シミュレートされた結合スペクトル802に適用される。勿論、そのように示されているが、重み付け因子904が波長依存である必要はない。
【0044】
関心領域114の任意の特定の部分は、複数のGISデータ・セット202からのデータを含んでもよい。例えば、上述の例ではLULC情報(森林、草等)から導出した地理空間部分302の利用を提供したが、関心領域114が、他のGISデータ・セット202、例えば、BUA GISデータ・セット202からのデータを含んでもよい。
【0045】
図10は、第2のGISデータ・セット202の地理空間部分302Dおよび302Eを示す図である。これらの地理空間部分302D、302Eが物理特性に関連付けられてもよい。例えば、地理空間部分302Dがアスファルト駐車場に関連付けられてもよく、地理空間部分302Eがコンクリート駐車場に関連付けられてもよい。
【0046】
図11は、第2のGISデータ・セット202からのスペクトル・データを融合するために使用される例示的な動作を示す図である。ブロック1102において、関心領域114の第2の地理空間部分1102Aの第2の物理特性が決定される。例えば、
図10を参照すると、地理空間部分302Eおよび302Dに関連付けられた物理特性が土壌の物理特性であってもよい。ブロック1104において、当該決定された第2の物理特性は、関心領域114の第2の地理空間部分302Eを少なくとも部分的に表すスペクトル・ライブラリ504の素材に関連付けられる。
図10の例示的な例において、この素材が土壌の砂質ロームタイプであってもよい。ブロック1106において、第3の素材(砂質ローム)のスペクトル定義は関心領域114の第2の地理空間部分302Eに関連付けられる。最後に、ブロック1108で示すように、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現が、第1の関心素材、第2の関心素材、および第3の関心素材(上述の例では、針葉樹600A、落葉600C、および砂質ローム1004)の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から生成される。
【0047】
一般に、当該スペクトル定義の地理空間部分302への融合は、地理空間部分302内に表示された素材の各々の反射率値の合計または組合せを画素ごとに計算することを含む(各画素は、当該関心領域内の特定の地理的領域を表す)。関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現を計算するとき、当該関心領域内の各画素からの寄与が次いで含まれる。
【0048】
図12は、地理空間部分302C内の第1の素材および第2の素材のスペクトル定義、ならびに地理空間部分302E内の第3の素材のスペクトル定義からの、関心領域114のシミュレートされた表現(例えば、結合スペクトル1202)の生成を示す図である。
【0049】
地理空間部分内の異なる素材のスペクトルの各々に対する寄与が、それらが結合される前に独立に重み付けできるように、異なるGISデータ・セット202からのスペクトルの寄与もそうであってもよい。さらに、かかる重み付けは、場合によっては周波数依存でありうる。例えば、結合された落葉樹および針葉樹スペクトル802を、アスファルト・スペクトル302Dと結合する前に重み付けてもよく、または、アスファルト・スペクトル302Dをかかる組合せの前に重み付けてもよい。
【0050】
上述の例では、関心領域114は第1の地理空間部分302Cおよび第2の地理空間部分302Eにより完全に画されていた。したがって、関心領域114内の全ての画素表現は、関心領域114が含まれる地理空間部分302C、302E内の素材からのスペクトルを含むであろう。しかし、関心領域114が地理空間領域境界を跨ってもよく、異なるGISデータ・セット202からの異なる地理空間領域の部分を含んでもよい。この場合、当該関心領域は複数の地理空間部分302にマップされ、その各々は物理特性に関連付けられる。
【0051】
図13は、関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための例示的な動作を示す図である。当該関心領域は複数の地理空間部分302にマップされ、それぞれは物理特性に関連付けられる。ブロック1302において、物理特性が、少なくとも部分的に関心領域114内で複数の地理空間部分302の各々に対して決定される。
【0052】
図14は、複数の地理空間部分302A乃至302Cを含む関心領域114のシミュレートされた表現(例えば、結合スペクトル1202)の生成を示す図である。示した実施形態において、複数の地理空間部分302A乃至302Cの各々は同一のGISデータ・セットで説明される。示すように、地理空間部分302A乃至302Cの少なくとも一部は当該関心領域内に含まれ、したがって、地理空間部分302A乃至302Cの物理特性が決定される。示した実施形態において、それらは、混合型の森林に関連付けられた第1の地理空間部分302C、落葉樹林地に関連付けられた地理空間部分302Bおよび耕作地および牧草地に関連付けられた地理空間部分302Aを含む。
【0053】
図13を再度参照すると、ブロック1304で、関心領域114内の302A乃至302Cに含まれる地理空間部分の各々の決定された物理特性がスペクトル・ライブラリ504内の素材に関連付けられる。
図14の例を参照すると、針葉樹および落葉樹の素材が混合型の森林地理空間領域302Cに関連付けられ、落葉樹の素材は落葉樹林地理空間領域302Aに関連付けられ、緑草および枯草の素材は作物および牧草地地理空間領域302Bに関連付けられてもよい。
【0054】
図13に戻ると、ブロック1306で、スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分302の物理特性に関連付ける。
図14は、当該スペクトル定義が地理空間部分302に関連付けられていることを示す。例えば、針葉樹600Aおよび落葉スペクトル600Cは混合型の森林地理空間部分に関連付けられ、落葉スペクトル600Cは落葉地理空間部分に関連付けられ、緑草スペクトル600Bおよび枯草スペクトル600Dは耕作地および牧草地地理空間部分302Bに関連付けられる。次に、ブロック1308で、複数の地理空間部分の各々に関連付けられた素材の関連付けられたスペクトル定義の各々を各地理空間部分に融合する。
図14に示すように、結合された針葉樹および落葉スペクトル802は混合型の森林地理空間部分302Cに融合され、結合された緑草600Bおよび枯草スペクトル600Dは耕作地および牧草地地理空間部分302Bに融合され、落葉スペクトル600Cは落葉地理空間部分302Aに融合される。上述のように、スペクトル600または結合スペクトルの何れかが重み付けされてもよく、当該スペクトルの何れかの重み付けが異なる地理空間部分302において異なってもよい。
【0055】
上述の動作の結果は、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現である。作物および牧草地地理空間部分302Bに入る関心領域114の部分は、結合された緑草スペクトル600Bおよび枯草スペクトル600Dのシミュレートされたスペクトル表現を呈する。したがって、この関心領域114の画像または表現内の画素は、関連付けられた結合された緑草600Bおよび枯草600Dスペクトルでシミュレートされる。落葉地理空間部分302Aに入る関心領域114の部分は関連付けられた落葉スペクトル600Cでシミュレートされ、混合型の森林地理空間部分302Cに入る関心領域114の部分は関連付けられたスペクトル802でシミュレートされる。
【0056】
シミュレートされたスペクトルを用いたセンサの構成
上述のように、監視プラットフォーム102で使用されるセンサ(複数可)104が、多数のタイプ(例えば、アクティブ、パッシブ、またはセミアクティブ)のうち1つまたは複数であってもよく、多種多様の波長、帯域幅、解像度および/またはセンシング技術で動作してもよい。センサ104は、これらのセンサ特性が、関心領域114の期待される特性とマッチするように選択されたときに最も良くターゲット情報を背景情報から区別する。正確なスペクトル・シミュレーション関心領域114を生成する上の説明された技術は、センサ(複数可)104特性をそうでない場合可能である場合よりも正確かつ効率的に選択することを可能とし、したがってより正確なセンサ104データの取得を少ない推量で可能とする。
【0057】
図15Aは、センサ・データを収集するように監視プラットフォーム102上の1つまたは複数のセンサ104を構成するために使用可能な例示的な動作を示す図である。ブロック1502において、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現が生成される。上述のように、当該シミュレートされたスペクトル表現は関心領域114に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分302を含む。各地理空間部分302は、夫々の地理空間部分302に配置された複数の素材のスペクトル特性を有する。ブロック1504において、関心領域114内の当該複数の素材のうち少なくとも1つが関心素材として識別される。関心領域114内の複数の素材を関心素材として識別してもよい。例えば、ユーザが、砂質ロームを含む土壌に植えられた小麦を有するフィールドの測定を行うことに関心があるかもしれない。その場合、2つの「関心素材」、即ち、砂質ロームおよび小麦がある。それらのスペクトル・シグネチャの組合せを上述のように重み付けして、合成シグネチャを形成してもよい。
【0058】
ブロック1506で示すように、関心領域114内の複数の素材のうち他の素材を背景素材として識別する。1実施形態では、当該背景素材は、関心素材の1つとして識別されていない他の全ての素材を含む。他の実施形態では、当該背景素材は、関心素材として識別されていない関心領域114内の全ての素材を含まないかもしれない。これは、センサ・データを収集するために使用される考えられているセンサ(複数可)104の範囲の明らかに外部に特定の素材がスペクトル・シグネチャを有する場合に生じうる。例えば、関心領域114内の素材は、x線スペクトルでのみエネルギを放出してもよく、所望のセンサ104がx線スペクトルで情報を検知しない場合、その素材は背景素材の間に含まれる必要はない。
【0059】
ブロック1508において、当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分が選択される。当該選択は、当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って行われる。
【0060】
図15Bは任意の後処理を示す図である。ブロック1512において、スペクトル・データの収集されたサブセット・スペクトル部分は、当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および関心領域内のサブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って後処理される。かかる後処理は、スペクトル特徴フィッティング、スペクトル角度マッピング、線形スペクトル・アンミクシングおよびマッチされたフィルタリングを含んでもよい。
【0061】
図16は、スペクトル・データのスペクトル部分を選択するために使用できるユーザ・インタフェース1600の1実施形態を示す図である。本実施形態では、関心素材(所望のターゲット素材)に対するスペクトルがターゲット・スペクトルコントロール1602を介してスペクトル・ライブラリ504から選択され、スペクトル・ライブラリ504の位置がスペクトル・ライブラリ位置コントロール1604を介して選択される。関心領域(ユーザ・インタフェース1600では、これは「関心領域」またはAOIと称される)は、ポリゴンまたは他の一般的な形状としてユーザ定義されることができ、関心領域コントロール1606を介して選択される。関心領域114を、センサ104により調査すべき特定の静的領域、または時間とともに監視プラットフォーム102のセンサ・フィールド・オブ・ビュー(FOV)の飛行経路であるように、ユーザ選択することができる。本実施形態では関心領域114は時間成分を含むので、シミュレーション結果は同様に、本質的に時間的に変化する(例えば、シミュレートされる地理的領域が変化すると、時間とともに、シミュレートされたスペクトルが変化する)。参照特徴コントロール1607により、ユーザは、ウィンドウ1610で示されたシミュレーションに含めるために選択されるGISデータ・セット202とともに、当該シミュレーションに含めるためのGISデータ・セット202を発見することができる。GISデータ・セット202を、ウィンドウ1610の制御権を用いて優先度付けし重み付けしてもよい。コントロール1612により、ユーザは、生じたシミュレーション結果をどこに格納するかを選択でき、センサ構成ウィンドウ1614によりユーザは特定のセンサ構成を選択することができる。コントロール1602A乃至1614Aにより、ユーザは、関連付けられたコントロール1602乃至1614に対するサブディレクトリ内で、夫々ナビゲートすることができる。
【0062】
図17乃至19は、赤外線(IR/温度)波長内の単一の帯域を使用し、前方監視型赤外線(FLIR)構成を模倣する、関心領域114に対するシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。この場合、センサ構成が表IIで示すように説明されてもよい。
【0063】
【0064】
図17は、関心素材1702(示した例では、メタン)および背景土壌素材1704のシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。当該土壌背景素材に対して、関心素材は4乃至7および9乃至12マイクロメートルの間の任意の波長で容易に区別可能でありうるが、当該当該関心素材を約3.5および7.5マイクロメートルで区別するのはより困難であることに留意されたい。したがって、このケースに対して、
図15Aのブロック1508で説明したサブセット・スペクトル部分の選択は、当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は9乃至12周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きいので、周波数帯(例えば、9乃至12マイクロメートル)を選択するステップを含む。他のサブセット部分を、例えば、4乃至7マイクロメートル部分として選択してもよい。
【0065】
図18は、関心素材のシミュレートされたスペクトル表現1702および土壌被覆1802の背景のプロットを示す図である。当該関心素材は4乃至7および9乃至12マイクロメートルの間の波長でより容易に区別可能であることに再度留意されたい。
【0066】
図19は、人造背景素材1902に対する関心素材1702のシミュレートされたスペクトル表現のプロットを示す図である。当該人造背景素材は、ターゲット関心素材を背景素材1902から区別するようにセンサ104を構成する際により大きな困難性をもたらすことに留意されたい。例えば、当該背景素材の反射率は、4乃至7および9乃至12マイクロメートル波長におけるターゲット素材1702の反射率の10%以内にある。これは十分な区別を提供しうるが、
図19に示す結果を使用して、さらに当該ターゲット素材を当該背景素材から区別してもよい。例えば、80乃至90%の反射率範囲内の背景素材のプロットは殆どの周波数でターゲット素材1702の反射率に近いが、それらは3.5マイクロメートルおよび7.5マイクロメートルの領域におけるターゲット素材1702の反射率より大幅に大きい。この特性を、当該ターゲット素材を当該背景素材から区別するために使用することができる。即ち、
図17および18に示すプロットは、3.5および7.5マイクロメートルのスペクトル領域を回避するようにセンサが構成されることを示唆するように見えるが、
図19は、これらの領域は、ターゲット素材の反射率が背景素材の反射率未満であるので別の判別子を提供することを示唆する。
【0067】
上述の結果を、センサ104を構成するために使用することができる。例えば、背景素材が
図17および18に示された場合、センサ104は、情報を、例えば、9乃至12マイクロメートル領域において収集するように構成される。しかし、センサ104が人造素材を有する関心領域(または関心領域の部分)から情報を収集するように構成されるとき、センサは、情報を7.5マイクロメートル領域から収集し、ターゲット素材の期待される反射率がこれらの波長でより小さいという事実を、当該人造素材背景から区別するための判別子として使用するように構成される。さらに、3.5マイクロメートル領域を使用してもよいが、ターゲット関心素材に対するシミュレーション結果1702は、7.5マイクロメートル範囲内に反射率のより区別可能で永続的な窪みがあるので、7.5マイクロメートル領域がより良い選択であることを示唆することに留意されたい。
【0068】
ブロック1510において、センサ104はスペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を収集するように構成される。1実施形態では、センサ104は事前設定されたセンサ構成に従って構成される。別の実施形態では、センサ104構成をまた、上の表IIに列挙したパラメータを有するファイルをカスタマイズされた値で生成することにより、カスタマイズしてもよい。さらに、センサ104をまた、動的な範囲、解像度、画素サイズ、雑音、および幾つかの他の因子のような他のパラメータに従って定義してもよい。例えば、関心素材を背景素材から区別するための多重バンドセンサを、以下の表IIIで示すテキストファイルにより表してもよい。
【0069】
【0070】
ブロック1512において、スペクトル・データの収集されたサブセット・スペクトル部分が、場合によっては、関心領域114内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の、当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされた表現に従って後処理される。例えば、上述の例では、ターゲット関心素材を、帯域B01およびB02内の収集されたデータを後処理し、B01ではなくB02で閾値反射率を有する領域を当該ターゲット関心素材として識別することにより、識別してもよい。
【0071】
後処理が他の処理技術を含んでもよい。例えば、センサ・データを、より広域の波長にわたって収集してもよく、関心がないスペクトル帯域、または、ターゲット・スペクトルを背景スペクトルから区別する際に有用でないスペクトル帯域からデータを除去するために後処理を用いてフィルタされた帯域幅にわたって収集してもよい。同様に、雑音フィルタ、マッチ・フィルタ、または他の平滑化技術を使用してもよい。
【0072】
上述の技術はまた、スペクトル・ライブラリ504、センサ・モデル506またはその両方を、センサ(複数可)104により収集されたデータを用いて更新することができる。例えば、シミュレートされたターゲット・スペクトルが測定されたターゲット・スペクトルのものと異なるケースでは、その差異を、スペクトル・ライブラリ504のターゲット・スペクトルを更新するために使用することができる。ジオメトリ、照明、および他の因子の参照する際の差異をこのプロセスで考慮してもよい。同様に、スペクトル・ライブラリ504を、背景素材のシミュレートされたスペクトルと測定されたスペクトルの間の差異を反映するように更新してもよい。これらの更新されたスペクトル・ライブラリを、将来のシミュレートされたスペクトル表現を生成するために使用することができる。
【0073】
ハイパースペクトル撮像装置を用いたオンプラットフォーム検知
上述のように、ハイパースペクトル撮像装置は、反射された放射を一連の狭く一般に連続的な波長帯域で測定することによってデータを電磁気波スペクトルにわたって収集し処理するセンサまたはセンサ・スイートである。かかるセンサは他のセンサ104に固有な計画および構成の問題の幾つかを改善するが、モバイル監視プラットフォーム102および基地局112の処理要件に非常にストレスをかける。後述する実施形態では、関心領域114のシミュレートされたスペクトル表現は、ハイパースペクトル撮像装置を用いたオンプラットフォームの検知および処理を実施するために使用される。1実施形態では、このオンボードの処理により、監視プラットフォーム102は関心のあるデータのみを送信でき、したがって通信リンク116上の送信帯域幅およびレイテンシ懸案を改善する。
【0074】
図20Aおよび20Bは、連続または準連続の周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するハイパースペクトル・センサを用いて関心領域114を調査するために使用できる例示的な動作を示す図である。
【0075】
まず
図20Aを参照すると、ブロック2002で、関心領域のシミュレートされたスペクトル表現が生成される。関心領域114のシミュレートされた表現は関心領域114に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分302を含み、各地理空間部分302は夫々の地理空間部分302に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する。ブロック2004において、当該関心領域の各地理空間部分302内に配置された複数の素材のうち少なくとも1つが、関心素材として識別される。上述のように、当該関心素材は、スペクトル・ライブラリ504からの1つまたは複数の素材を含んでもよい。ブロック2006において、当該関心領域内の当該複数の素材のうちその他のものが背景素材として識別される。また上述のように、当該背景素材は、関心素材でない当該関心領域内の他の素材の全てを含んでもよく、または、かかる他の素材のサブセットのみを含んでもよい。
【0076】
ブロック2008において、センサ104は、複数の狭帯域内の関心領域内のスペクトル・データを検知するために使用される。場合によっては、当該スペクトル・データを、上述のセンサ構成技術を用いて当該複数の狭帯域のサブセットのみで検知してもよい。または、当該複数の狭帯域の全てを使用して当該スペクトル・データを収集してもよい。
【0077】
ブロック2010において、当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データが、関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および関心領域内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って選択される。例えば、
図19に示す例示的なシミュレートされたスペクトル表現が、以下の表IVで示すように7.138THzの連続的な狭いスペクトル帯域で収集されたデータを結合するハイパースペクトル画像とともに生成されることを考える。
【0078】
【0079】
この場合、B0XおよびB0Yのスペクトル帯域が上述の理由のために選択されてもよい。なぜならば、関心素材は、9.05マイクロメートルのB0Y波長で(少量だけであるが)背景素材より大きな反射率を有し、11.95マイクロメートルのB0X波長で大幅に小さい反射率を有するからである。
【0080】
図20Bを参照すると、ブロック2012で示すように、調査データが、1つまたは複数の選択されたスペクトル帯域のスペクトル・データから少なくとも部分的に生成され、当該複数のスペクトル帯域のその他からは生成されない。
図19の例を再度参照すると、当該調査データが、帯域B0XおよびB0Yで収集されたスペクトル・データから生成されてもよい。
【0081】
ブロック2014において、当該調査データがモバイル・プラットフォーム102から基地局112に送信される。当該基地局が地上局であってもよい。この時点の調査データは帯域B0XおよびB0Yで収集されたスペクトル・データのみを含むので、送信されるデータの量は全ての帯域からの情報が送信された場合よりも大幅に少ない。
【0082】
1実施形態では、モバイル・プラットフォーム102は他の動作を実施して調査データを生成する。例えば、モバイル・プラットフォーム102は、帯域B0XおよびB0Yで収集されたデータを使用して、帯域B0Xおよび帯域B0Yで収集されたデータを用いて関心領域内の画素ごとに値を計算してもよい。1実施形態では、当該計算された値は素材ごとの反射率の和である。ターゲット素材1702からの寄与はB0X帯域内の背景素材1902の寄与未満であり、B0Y帯域内とほぼ同じであるので、当該ターゲット素材は当該背景素材より小さい反射率を有し、削減された全体の(合計)反射率を有する画素の領域として突出する。同様に、当該計算された値がB0Y帯域およびB0X帯域で収集されたデータの間の差異であってもよく、この場合、当該ターゲット素材を有する領域は、増大した合計(差異)反射率を有する画素の領域とともに突出する。当該調査データが別のまたは追加の後処理により生成されてもよい。かかる後処理は、スペクトル特徴フィッティング、スペクトル角度マッピング、線形スペクトル・アンミクシングおよびマッチされたフィルタリングを含んでもよい。
【0083】
スペクトル特徴フィッティング(SFF)は、最小二乗和技術を用いて画像スペクトルの適合が参照スペクトルと比較される技術である。
【0084】
スペクトル角度マッピング(SAM)はn-D角度を用いて画素を参照スペクトルにマッチする。2つのスペクトルの間のスペクトル類似性は、スペクトル間の角度を計算し、それらを帯域の数に等しい次元を有する空間内のベクトルとして扱うことにより決定される。この技術は照明およびアルベド効果に対して相対的に鈍感である。
【0085】
線形スペクトル・アンミクシングは、素材のスペクトル特性に基づいてマルチスペクトルまたはハイパースペクトルのイメージ内に描画された素材の相対的な豊富さを決定するために使用される技術である。この技術により、画像の各画素での反射率は、当該画素内に存在する各素材(または端成分)の反射率の線形結合であると仮定される。例えば、画素の1/4が素材Aを含み、当該画素の別の1/4が素材Bを含み、当該画素の1/2が素材Cを含む場合、当該画素に対するスペクトルは、素材Aのスペクトルに0.25を乗じたものと、素材Bのスペクトルに0.25を乗じたものと、素材Cのスペクトルに0.5を乗じたものの和の重み付け平均である。したがって、当該素材の和の総反射率スペクトルおよび素材A、BおよびCのスペクトルが提供されるとき、線形スペクトル・アンミクシングにより、総スペクトルから計算される素材A、B、およびCに対する重み付け値(0.25、0.25、および0.50)の計算を行うことができる。素材に対するかかる値は、画素または関心領域114内の素材の豊富さを反映し、基地局112で計算するのではなく、モバイル・プラットフォーム102により計算し、基地局112に送信することができる。(シミュレートされたスペクトル表現に基づく)帯域の賢明な選択は、モバイル・プラットフォーム102の処理負荷を削減し、相対的な豊富さのみが基地局112に送信されるので、通信リンク116要件も削減される。
【0086】
マッチされたフィルタリングは既知の素材の反射性を最大化し、複合背景素材の測定された反射性を抑制し、その結果、素材をスペクトル・ライブラリ504へのマッチに基づいて検出することができる。
【0087】
上述の動作を、モバイル・プラットフォーム102が関心領域114内の領域を通過する際にリアルタイムにまたはほぼリアルタイムに実施することができる。本実施形態では、1つまたは複数の帯域のスペクトル・データの選択は、モバイル監視プラットフォーム102が関心領域114の異なる部分を通過する間に連続的に行われ、各選択は、監視されている関心領域114の部分のシミュレートされたスペクトル表現に基づく。
【0088】
ハードウェア環境
図21は、モバイル監視プラットフォーム102および基地局112での処理要素を含む上の開示の要素の処理を実装するために使用できる例示的なコンピュータシステム2100を示す。コンピュータ2102はプロセッサ2104および、ランダムアクセスメモリ(RAM)2106のようなメモリを含む。コンピュータ2102はディスプレイ2122に動作可能に接続される。ディスプレイ2122は、ウィンドウのような画像をユーザにグラフィカルユーザ・インタフェース2118B上で提供する。コンピュータ2102を、キーボード2114、マウスデバイス2116、プリンタ等のような他のデバイスに接続されてもよい。勿論、当業者は、上述のコンポーネントの組合せ任意の、または任意数の異なるコンポーネント、周辺機器、および他のデバイス、をコンピュータ2102とともに使用してもよいことを認識するであろう。
【0089】
一般に、コンピュータ2102は、当該メモリ2106に格納されたオペレーティング・システム2108の制御のもとで動作し、入力とコマンドを受け入れ、グラフィカルユーザ・インタフェース(GUI)モジュール2118Aを通じて結果を提供するためにユーザとインタフェースする。GUIモジュール2118Bを別々のモジュールとして示してあるが、当該GUI機能を実施する当該命令は、オペレーティング・システム2108、当該コンピュータ・プログラム2110内に常駐または分散することができ、または特殊な目的メモリおよびプロセッサで実装することができる。コンピュータ2102はまた、COBOL、C++、FORTRANのようなプログラミング言語、または他の言語で書かれたアプリケーションプログラム2110をプロセッサ2104可読コードに変換できるコンパイラ2112を実装する。完了の後、当該アプリケーション2110は、コンパイラ2112を用いて生成された関係と論理を用いてコンピュータ2102のメモリ2106に格納されたデータにアクセスし、操作する。コンピュータ2102はまた場合によってはモデム、衛星リンク、イーサネットカード、または他のコンピュータと通信するための他のデバイスのような外部通信デバイスを含む。
【0090】
1実施形態では、オペレーティング・システム2108、コンピュータ・プログラム2110、およびコンパイラ2112を実装する命令は、コンピュータ可読媒体、例えば、ジップドライブ、フロッピーディスクドライブ2124、ハードドライブ、CD-ROMドライブ、テープドライブ等のような1つまたは複数の固定のまたは取外し可能なデータ記憶装置を含みうるデータ記憶装置2120で有形に具現化され、さらに、オペレーティング・システム2108および当該コンピュータ・プログラム2110は、コンピュータ2102により読み取られ実行される命令に含まれ、コンピュータ2102に本明細書で説明した動作を実施させる。コンピュータ・プログラム2110および/または動作命令はまた、メモリ2106および/またはデータ通信デバイス2130で有形に具現化し、それによりコンピュータ・プログラム製品または製品を生成してもよい。したがって、本明細書で説明する際、「製品」、「プログラム記憶装置」および「コンピュータ・プログラム製品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたは媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含することを意図している。
【0091】
当業者は、本開示の範囲を逸脱することなく多数の修正を本構成に加えてもよいことを認識するであろう。例えば、当業者は、上述のコンポーネント、または任意数の異なるコンポーネント、周辺機器、および他のデバイスの任意の組合せを使用してもよいことを認識する。
【0092】
結論
以上で本開示の好適な実施形態の説明を完了する。好適な実施形態の上述の説明は例示および説明の目的のため提供されている。それは、包括的であることを意図したものではなく、本開示を開示された厳密な形態に限定しようとする意図もない。多数の修正および変形が上述の教示事項に照らして可能である。権利範囲は上述の詳細な説明によっては限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲により限定されることが意図されている。
【0093】
さらに、本開示は以下の項に従う実施形態を含む。
【0094】
項1.関心領域のスペクトル表現をシミュレートする方法であって、
当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップと、
当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップであって、当該スペクトル・ライブラリは少なくとも1つのスペクトル定義素材を有する、ステップと、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるステップであって、当該素材は少なくとも部分的に当該関心領域の地理空間部分を表す、ステップと、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップと、
を含む、方法。
【0095】
項2.当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップはさらに、
当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの第2の素材と関連付けるステップを含み、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるステップであって、当該素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップはさらに、
当該第2の素材のスペクトル定義を当該関心領域の当該少なくとも一部と関連付けるステップであって、当該第2の素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップを含み、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップは、
当該素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップを含む、
項1に記載の方法。
【0096】
項3.当該方法はさらに、
当該関心領域の第2の地理空間部分の第2の物理特性を決定するステップと、
当該第2の決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの第3の素材と関連付けるステップであって、当該スペクトル・ライブラリはさらに当該第3の素材の少なくとも1つのスペクトル定義を有する、ステップと、
当該第3の素材のスペクトル定義を当該関心領域の当該第2の地理空間部分に関連付けるステップであって、当該第3の素材は当該関心領域を少なくとも部分的に表す、ステップと、
を含み、
当該素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップは、
当該素材のスペクトル定義、当該第2の素材のスペクトル定義、および当該第3の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップ
を含む、項2に記載の方法。
【0097】
項4.少なくとも部分的に当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップは、
第1の重みに従って当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第2の重みに従って当該第2の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
当該少なくとも1つの素材の重み付けされたスペクトル定義および当該第2の素材の重み付けされたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップと
を含む、項2または3の何れか1項に記載の方法。
【0098】
項5.少なくとも部分的に当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップは、
第1の重みに従って当該素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第2の重みに従って当該第2の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
少なくとも部分的に当該素材の重み付けされたスペクトル定義および当該第2の素材の重み付けされたスペクトル定義から当該素材および当該第2の素材の結合スペクトル定義を生成するステップと、
第4の重みに従って当該第3の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第3の重みに従って当該結合スペクトル定義を重み付けするステップと、
少なくとも部分的に当該第3の素材の重み付けされたスペクトル定義および当該重み付けされた結合スペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップと、
を含む、項3に記載の方法。
【0099】
項6.当該関心領域の物理特性を決定するステップは、
当該関心領域を当該物理特性に関連付けられた地理空間部分にマップするステップと、
当該物理特性を当該マップされた地理空間部分から決定するステップと、
を含む、項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【0100】
項7.当該関心領域は各々が物理特性に関連付けられた複数の地理空間部分にマップされ、
当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップは、
当該複数の地理空間部分の各々の物理特性を決定するステップ
を含み、
当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップは、
当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの関連付けられた素材に関連付けるステップと、
を含み、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分に関連付けるステップであって、当該素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、ステップは、
当該スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性と関連付けるステップと、
を含み、
当該シミュレートされたスペクトル表現当該関心領域を、当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に生成するステップは、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた素材の関連付けられたスペクトル定義を各地理空間部分に融合するステップと、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップと
を含む、項6に記載の方法。
【0101】
項8.当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの関連付けられた素材に関連付けるステップは、
当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該空間ライブラリの複数の素材に関連付けるステップと、
を含み、
当該スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性に関連付けるステップは、
当該スペクトル・ライブラリの当該複数の関連付けられた素材の各々のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性と関連付けるステップと、
を含み、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた素材の関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間領域に融合するステップは、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップ、
を含み、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップは、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた各素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップ
を含む、項7に記載の方法。
【0102】
項9.当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップは、
各素材に関連付けられたスペクトル定義の各々を重み付けするステップと、
各素材に関連付けられた重み付けされたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップと、
を含む、項8に記載の方法。
【0103】
項10.関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための装置であって、
プロセッサと、
当該プロセッサに通信可能に接続されたメモリであって、当該メモリは、
当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するステップと、
当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップであって、当該スペクトル・ライブラリは少なくとも1つのスペクトル定義素材を有する、ステップと、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるステップであって、当該素材は少なくとも部分的に当該関心領域の地理空間部分を表す、ステップと、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップと、
を含む命令を格納する、メモリと、
装置。
【0104】
項11.当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの素材と関連付けるための命令はさらに、
当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの第2の素材と関連付けるための命令を含み、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるための命令であって、当該素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、命令はさらに、
当該第2の素材のスペクトル定義を当該関心領域の当該少なくとも一部と関連付けるための命令であって、当該第2の素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、命令を含み、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令は、
当該素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令を含む、
項10に記載の装置。
【0105】
項12.当該命令はさらに、
当該関心領域の第2の地理空間部分の第2の物理特性を決定するステップと、
当該第2の決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの第3の素材と関連付けるステップであって、当該スペクトル・ライブラリはさらに当該第3の素材の少なくとも1つのスペクトル定義を有する、ステップと、
当該第3の素材のスペクトル定義を当該関心領域の当該第2の地理空間部分に関連付けるステップであって、当該第3の素材は当該関心領域を少なくとも部分的に表す、ステップと、
のための命令を含み、
当該素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令は、
当該素材のスペクトル定義、当該第2の素材のスペクトル定義、および当該第3の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令を含む、
項11に記載の装置。
【0106】
項13.少なくとも部分的に当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令は、
第1の重みに従って当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第2の重みに従って当該第2の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
当該少なくとも1つの素材の重み付けされたスペクトル定義および当該第2の素材の重み付けされたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップ
のための命令を含む、項11または12の何れか1項に記載の装置。
【0107】
項14.少なくとも部分的に当該少なくとも1つの素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令は、
第1の重みに従って当該素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第2の重みに従って当該第2の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
少なくとも部分的に当該素材の重み付けされたスペクトル定義および当該第2の素材の重み付けされたスペクトル定義から当該素材および当該第2の素材の結合スペクトル定義を生成するステップと、
第4の重みに従って当該第3の素材のスペクトル定義を重み付けするステップと、
第3の重みに従って当該結合スペクトル定義を重み付けするステップと、
少なくとも部分的に当該第3の素材の重み付けされたスペクトル定義および当該重み付けされた結合スペクトル定義から当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップ
のための命令を含む、項12に記載の装置。
【0108】
項15.当該関心領域の物理特性を決定するための命令は、
当該関心領域を当該物理特性に関連付けられた地理空間部分にマップするステップと、
当該物理特性を当該マップされた地理空間部分から決定するステップと、
のための命令を含む、項10乃至14の何れか1項に記載の装置。
【0109】
項16.当該関心領域は各々が物理特性に関連付けられた複数の地理空間部分にマップされ、
当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するための命令は、
当該複数の地理空間部分の各々の物理特性を決定するステップと、
のための命令を含み、
するための命令当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるステップは、
当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの関連付けられた素材に関連付けるステップ、
のための命令を含み、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分に関連付けるための命令であって、当該素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、命令は、
当該スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性と関連付けるステップと、
のための命令を含み、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための命令は、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた素材の関連付けられたスペクトル定義を地理空間部分に融合するステップと、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップと、
のための命令を含む、項15に記載の装置。
【0110】
項17.当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの関連付けられた素材に関連付けるための命令は、
当該地理空間部分の各々の当該決定された物理特性を当該空間ライブラリの複数の素材に関連付けるステップと、
のための命令を含み、
当該スペクトル・ライブラリの各関連付けられた素材のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性に関連付けるための命令は、
当該スペクトル・ライブラリの当該複数の関連付けられた素材の各々のスペクトル定義を当該素材に関連付けられた地理空間部分の物理特性と関連付けるための命令
を含み、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた素材の関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間領域に融合するための命令は、
当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップと、
のための命令を含み、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するための命令は、
当該シミュレートされたスペクトル表現を、当該複数の地理空間部分の各々に対する当該地理空間部分に関連付けられた各素材の融合された関連付けられたスペクトル定義から生成するステップ
のための命令を含む、項16に記載の装置。
【0111】
項18.当該複数の地理空間部分の各々に関連付けられた各素材に関連付けられたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合ための命令は、
各素材に関連付けられたスペクトル定義の各々を重み付けするステップと、
各素材に関連付けられた重み付けされたスペクトル定義を各関連付けられた地理空間部分に融合するステップと、
のための命令を含む、項17に記載の装置。
【0112】
項19.関心領域のスペクトル表現をシミュレートするための装置であって、
当該関心領域の地理空間部分の物理特性を決定するための手段と、
当該決定された物理特性をスペクトル・ライブラリの素材と関連付けるための手段であって、当該スペクトル・ライブラリは少なくとも1つのスペクトル定義素材を有する、手段と、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるための手段であって、当該素材は少なくとも部分的に当該関心領域の地理空間部分を表す、手段と、
当該シミュレートされたスペクトル表現当該関心領域を、当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に生成するための手段と、
を備える、装置。
【0113】
項20.当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの素材と関連付けるための当該手段はさらに
当該決定された物理特性を当該スペクトル・ライブラリの第2の素材と関連付けるための手段、
を含み、
当該素材のスペクトル定義を当該関心領域の地理空間部分と関連付けるための手段であって、当該素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、手段はさらに
当該第2の素材のスペクトル定義を当該関心領域の当該少なくとも一部と関連付けるための手段であって、当該第2の素材は当該関心領域の当該少なくとも一部を少なくとも部分的に表す、手段と、
を含み、
当該少なくとも1つの素材の少なくとも当該関連付けられたスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための手段は、
当該素材のスペクトル定義および当該第2の素材のスペクトル定義から少なくとも部分的に当該関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための手段
を含む、項19に記載の装置。
【0114】
項21.センサで関心領域のスペクトル・データを収集する方法であって、
(a)関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップであって、当該シミュレートされたスペクトル表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、ステップと、
(b)当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するステップと、
(c)関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するステップと、
(d)当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を選択するステップと、
(e)当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を収集するように当該センサを構成するステップと、
を含む、方法。
【0115】
項22.当該サブセット・スペクトル部分は周波数帯を含み、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は当該周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きい、
項21に記載の方法。
【0116】
項23.当該サブセット・スペクトル部分はさらに第2の周波数帯を含み、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は、当該第2の周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現より大きい、
項22に記載の方法。
【0117】
項24.当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するステップ
をさらに含む、項21乃至23の何れか1項に記載の方法。
【0118】
項25.当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するステップは、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を帯域幅フィルタするステップと、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を雑音フィルタするステップと、
を含む、項24に記載の方法。
【0119】
項26.当該スペクトル・データの当該サブセット・スペクトル部分を収集するステップと、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分に従って当該複数の素材のうち少なくとも幾つかのスペクトル特性を更新するステップと、
をさらに含む、項21乃至25の何れか1項に記載の方法。
【0120】
項27.当該複数の素材のうち当該少なくとも幾つかの更新されたスペクトル特性を用いてステップ(a)乃至(e)を実施するステップをさらに含む、項26に記載の方法。
【0121】
項28.センサで関心領域のスペクトル・データを収集するための装置であって、
プロセッサと、
当該プロセッサに通信可能に接続されたメモリであって、当該メモリは、
(a)関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップであって、当該シミュレートされたスペクトル表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、ステップと、
(b)当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するステップと、
(c)関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するステップと、
(d)当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を選択するステップと、
(e)当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を収集するように当該センサを構成するステップ
するための命令を含む命令を格納する、メモリと、
を備える、装置。
【0122】
項29.当該サブセット・スペクトル部分は周波数帯を含み、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は当該周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きい、
項28に記載の装置。
【0123】
項30.当該サブセット・スペクトル部分はさらに第2の周波数帯を含み、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は、当該第2の周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現より大きい、
項29に記載の装置。
【0124】
項31.当該命令はさらに、
当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するステップ
のための命令を含む、項28乃至30の何れか1項に記載の装置。
【0125】
項32.当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するための命令は、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を帯域幅フィルタするステップと、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を雑音フィルタするステップ
のための命令を含む、項31に記載の装置。
【0126】
項33.当該命令はさらに、
当該スペクトル・データの当該サブセット・スペクトル部分を収集するステップと、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分に従って当該複数の素材のうち少なくとも幾つかのスペクトル特性を更新するステップ
のための命令を含む、項28乃至32の何れか1項に記載の装置。
【0127】
項34.当該命令はさらに当該複数の素材のうち当該少なくとも幾つかの更新されたスペクトル特性を用いてステップ(a)乃至(e)を実施するための命令を含む、項33に記載の装置。
【0128】
項35.センサで関心領域のスペクトル・データを収集するための装置であって、
関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための手段であって、当該シミュレートされたスペクトル表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、手段と、
当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するための手段と、
関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するための手段と、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を選択するための手段と、
当該スペクトル・データのサブセット・スペクトル部分を収集するように当該センサを構成するための手段と、
を備える、装置。
【0129】
項36.当該サブセット・スペクトル部分は周波数帯を含み、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は当該周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きい、
項35に記載の装置。
【0130】
項37.当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するための手段
をさらに含む、項35または36の何れか1項に記載の装置。
【0131】
項38.当該サブセット・スペクトル部分内の関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の当該サブセット・スペクトル部分内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現に従って、当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を後処理するための当該手段は、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を帯域幅フィルタするための手段と、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分を雑音フィルタするための手段と、
を含む、項37に記載の装置。
【0132】
項39.当該スペクトル・データの当該サブセット・スペクトル部分を収集するための手段と、
当該スペクトル・データの当該収集されたサブセット・スペクトル部分に従って当該複数の素材のうち少なくとも幾つかのスペクトル特性を更新するための手段と、
をさらに含む、項35乃至38の何れか1項に記載の装置。
【0133】
項40.当該複数の素材のうち当該少なくとも幾つかの更新されたスペクトル特性を用いてステップ(a)乃至(e)を実施するための手段をさらに含む、項39に記載の装置。
【0134】
項41.連続周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するセンサを有するモバイル・プラットフォームで関心領域を調査する方法であって、
(a)関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップであって、当該シミュレートされた表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、ステップと、
(b)当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するステップと、
(c)関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するステップと、
(d)当該センサで、当該複数の狭いスペクトル帯域内の関心領域内のスペクトル・データを検知するステップと、
(e)当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされた表現に従って当該センサの当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを選択するステップと、
(f)少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しないステップと、
(g)当該モバイル・プラットフォームから基地に、当該調査データを送信するステップと、
を含む、方法。
【0135】
項42.当該調査データは当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを含む、項41に記載の方法。
【0136】
項43.少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しないステップは、
当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを処理して、当該調査データを生成するステップ
を含む、項41または42の何れか1項に記載の方法。
【0137】
項44.当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを処理するステップは、
スペクトル特徴フィッティングと、
スペクトル角度マッピングと、
線形スペクトル・アンミクシングと、
マッチされたフィルタリング
のうち少なくとも1つを含む、項43に記載の方法。
【0138】
項45.当該センサはハイパースペクトル・センサである、項41乃至44の何れか1項に記載の方法。
【0139】
項46.(d)乃至(f)は関心がある複数の領域に対して動的に実施される、項41乃至45の何れか1項に記載の方法。
【0140】
項47.(b)および(c)は当該関心がある複数の領域に対して動的に実施される、項46に記載の方法。
【0141】
項48.当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされた表現に従って当該センサの当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを選択するステップは、
当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は当該周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きい1つまたは複数のスペクトル帯域のスペクトル・データとして選択するステップ
を含む、項41乃至47の何れか1項に記載の方法。
【0142】
項49.連続周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するセンサを有するモバイル・プラットフォームで関心領域を調査するための装置であって、
プロセッサと、
当該プロセッサに通信可能に接続されたメモリであって、当該メモリは、
(a)関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するステップであって、当該シミュレートされた表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、ステップと、
(b)当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するステップと、
(c)関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するステップと、
(d)当該センサで、当該複数の狭いスペクトル帯域内の関心領域内のスペクトル・データを検知するステップと、
(e)当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされた表現に従って当該センサの当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを選択するステップと、
(f)少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しないステップと、
(g)当該モバイル・プラットフォームから基地に、当該調査データを送信するステップ
するためのプロセッサ命令を格納する、メモリと、
を備える、装置。
【0143】
項50.当該調査データは当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを含む、項49に記載の装置。
【0144】
項51.少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しないための命令は、
当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを処理して、当該調査データを生成するステップ
のための命令を含む、項49または50の何れか1項に記載の装置。
【0145】
項52.当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを処理するための命令は、
スペクトル特徴フィッティングと、
スペクトル角度マッピングと、
線形スペクトル・アンミクシングと、
マッチされたフィルタリング
のうち少なくとも1つを実施するための命令を含む、項51に記載の装置。
【0146】
項53.当該センサはハイパースペクトル・センサである、項49乃至52の何れか1項に記載の装置。
【0147】
項54.命令(d)乃至(f)は関心がある複数の領域に対して動的に実施される、項49乃至53の何れか1項に記載の装置。
【0148】
項55.命令(b)および(c)は当該関心がある複数の領域に対して動的に実施される、項54に記載の方法。
【0149】
項56.当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされた表現に従って当該センサの当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを選択するための命令は、
当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅は当該周波数帯内の背景素材のシミュレートされたスペクトル表現の振幅より大きい1つまたは複数のスペクトル帯域のスペクトル・データとして選択するステップ
のための命令を含む、項49乃至55の何れか1項に記載の方法。
【0150】
項57.連続周波数空間にまたがる複数の狭いスペクトル帯域を有するセンサを有するモバイル・プラットフォームで関心領域を調査するための装置であって、
関心領域のシミュレートされたスペクトル表現を生成するための手段であって、当該シミュレートされた表現は、
当該関心領域に少なくとも部分的に配置された複数の地理空間部分であって、各地理空間部分は当該夫々の地理空間部分に配置された複数の素材の融合されたスペクトル特性を有する、複数の地理空間部分
を含む、手段と、
当該複数の素材のうち少なくとも1つを当該関心領域内の関心素材として識別するための手段と、
関心素材として識別されないその他の複数の素材を当該関心領域内の背景素材として識別するための手段と、
当該センサで、当該複数の狭いスペクトル帯域内の関心領域内のスペクトル・データを検知するための手段と、
当該関心素材のシミュレートされたスペクトル表現および当該関心領域内の背景素材のシミュレートされた表現に従って当該センサの当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを選択するための手段と、
少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しない手段と、
当該モバイル・プラットフォームから基地に、当該調査データを送信するための手段と、
を備える、装置。
【0151】
項58.当該調査データは当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを含む、項57に記載の装置。
【0152】
項59.少なくとも部分的に当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データから当該調査データを生成し当該複数のスペクトル帯域のその他からは当該調査データを生成しないための命令は、
当該複数のスペクトル帯域のうち1つまたは複数のスペクトル・データを処理して、当該調査データを生成するステップ
するための命令を含む、項57または58、の何れか1項に記載の装置。
【0153】
項60.当該複数のスペクトル帯域のうち当該1つまたは複数のスペクトル・データを処理するための命令は、
スペクトル特徴フィッティングと、
スペクトル角度マッピングと、
線形スペクトル・アンミクシングと、
マッチされたフィルタリング
のうち少なくとも1つを実施するための命令を含む、
項59に記載の装置。
【符号の説明】
【0154】
202 GISデータ・セット(複数可)
204 GISデータベース
206 GISエンジン
2014A 汎用目的プロセッサ
2104B 特殊目的プロセッサ
2106 メモリ
2110 コンピュータ・プログラム
2112 コンパイラ
2114 キーボード
2116 ポインティング・デバイス
2118A GUIモジュール
2124 記憶部
2128 プリンタ