(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20221219BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2017249701
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恭平
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-082261(JP,A)
【文献】特開平05-284396(JP,A)
【文献】特開2013-172245(JP,A)
【文献】特開2002-223378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、
前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、
前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、
前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、
前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、
放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、
前記信号伝達部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域におけるグランドパターンの占有率は、前記延長部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域におけるグランドパターンの占有率よりも小さいことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、
前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、
前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、
前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、
前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、
放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、
前記接続基板は、第1の配線層と、前記第1の配線層よりも前記撮像基板から離れた位置に配置された第2の配線層と、を有し、
前記延長部において前記第1の配線層はグランド層であり、
前記延長部は補強板を有し、
前記撮像基板側から見て、前記第1の配線層、前記第2の配線層、前記補強板の順に配置されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、
前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、
前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、
前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、
前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、
放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、
前記撮像素子は、前記撮像基板の一方の面に形成され、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部は、前記撮像基板の他方の面に形成され、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部は、前記撮像素子と重畳しており、
前記延長部、前記信号伝達部は、前記撮像基板の他方の面と接触しておらず、前記撮像基板接続部は、コネクタ部を介して前記撮像基板の他方の面と接触しており、
前記延長部の先端は、他の部材に固定されていないことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記接続基板は、第1の配線層と、前記第1の配線層よりも前記撮像基板から離れた位置に配置された第2の配線層と、を有することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記延長部において前記撮像基板接続部との境界に対向する端面は、前記撮像素子よりも外側に位置することを特徴する請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光軸方向において、前記撮像素子、前記撮像基板、前記画像処理基板の順に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接続基板は、フレキシブルプリント基板であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記信号伝達部において前記第1の配線層は前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部との間で画像信号を伝達する信号層であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記信号伝達部において前記第2の配線層はグランド層であることを特徴とする請求項4又は7に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記延長部において前記第2の配線層はグランド層であることを特徴とする請求項4、7乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記信号伝達部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域における第2の配線層に形成されたグランドパターンの占有率は、前記画像処理基板接続部に近い領域よりも遠い領域の方が大きいことを特徴とする請求項4、7乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記延長部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域における第1の配線層に形成されたグランドパターンの占有率は、前記撮像基板接続部に近い領域よりも遠い領域の方が大きいことを特徴とする請求項4、7乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記延長部において第1の配線層および第2の配線層に形成されたグランドパターンの形状は略同一であることを特徴とする請求項4、7乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記接続基板は、前記接続基板を除く部材に貼付可能な貼付部を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部を結ぶ方向において、前記貼付部、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記貼付部において前記延長部との境界と対向する端面は、前記撮像素子よりも外側にあることを特徴する請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記撮像素子の光軸方向に、前記貼付部、前記撮像基板接続部、および前記画像処理基板接続部の順に配置されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記貼付部において前記第1の配線層はグランド層であることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記貼付部において前記第2の配線層はグランド層であることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項19】
光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、
前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、
前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、
前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、
前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、
放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続する際に位置決めとして用いられる第1の位置決め部を有し、
前記撮像基板は、前記第1の位置決め部に対応する第2の位置決め部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項20】
光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、
前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、
前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、
前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、
前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、
前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、
放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、
前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、
前記接続基板に備えられ、前記画像処理基板接続部に接続するコネクタ部は、複数のリードを有し、
前記複数のリードのうち前記接続基板に形成されたグランドパターンに接続されるグランドリードは、前記画像処理基板に実装された前記画像処理装置から離れた位置に配置されていることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に関し、特に、撮像装置に備えられる撮像基板と画像処理基板とを接続する接続基板に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CCD又はCMOSセンサーなどの撮像素子を備える撮像装置では、撮像素子は撮影レンズを介して光学像を受光して、光学像に応じた画像信号を得る。そして、画像処理部において画像信号に対して所定の画像処理を行って画像データを生成し、当該画像データをメモリカードなどの記録媒体に記録する。
【0003】
ところで、温度が高くなると、撮像素子では、光電変換の際の暗電流が増加し、この結果、画像に暗電流ノイズが生じて画質が低下する。また、撮像素子において、画素領域の位置で温度が異なる場合には、各画素領域の温度に応じて、画像に生じる暗電流ノイズが異なる。この結果、一つの画像において領域毎に画質が異なることがある。
【0004】
このため、画像における暗電流ノイズを均一化して画質を均質化するためには、撮像素子における温度を均一化する必要がある。撮像素子の温度を均一化するため、例えば、撮像素子の非受光面側にグラファイトシートなどの熱伝導部材を貼付するようにした撮像装置がある(特許文献1)。
【0005】
一方、撮像素子から出力される画像信号を画像処理部に送るため、撮像素子が実装された撮像基板と画像処理部が実装された画像処理基板とを、接続基板で接続するようにした撮像装置が知られている。そして、画像信号に対する様々なノイズの影響を極小化するため、撮像基板と画像処理基板との接続は、可能な限り短い配線長で行う必要がある。
【0006】
従って、画像処理基板において、画像処理部と接続基板とを接続するコネクタは、可能な限り画像処理部の近くに配置する必要がある。さらに、接続基板と撮像基板とを接続するコネクタは、接続基板と画像処理基板とを接続するコネクタの近くに配置して、接続基板との配線長を短くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような構成をとると、接続基板と画像処理装置との距離が近くなるので、消費電力が大きい画像処理部で生じる熱エネルギーが接続基板に伝熱して、接続基板が高温となり易い。加えて、接続基板は撮像素子の一部のみを覆う構成となるので、接続基板に覆われた撮像素子の一部の領域のみが接続基板から熱を受けて、高温化するという現象が生じる。この結果、撮像素子において画素領域間の温度差が拡大して、画像においては領域によって暗電流ノイズが異なり、画質が不均質となる。
【0009】
上述のような現象を、特許文献1に記載の技術で改善しようとすると、熱伝導部材を追加する必要がある。この結果、部品点数が増加してコストアップとなってしまう。さらに、近年、コストダウンなどを図るため、撮像素子のパッケージ形態を、BGA、LGA、又はLCCとすることが多い。この場合、撮像素子と撮像基板との距離が近接して熱伝導部材を配置するスペースを確保することが困難となってしまう。
【0010】
そこで、本発明の目的は、熱伝導部材などの部品を追加することなく、撮像素子の温度を均一化して画質を均質化することのできる撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明による撮像装置は、光学像に応じた画像信号を生成する撮像素子が実装された撮像基板と、前記撮像素子の出力である画像信号について所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理装置が実装された画像処理基板と、前記撮像基板と前記画像処理基板とを接続し、前記撮像基板から前記画像処理基板に前記画像信号を送る接続基板と、を有し、前記接続基板は、前記撮像基板に接続される撮像基板接続部と、前記画像処理基板と接続する画像処理基板接続部と、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを接続する信号伝達部と、放熱用のグランドパターンを備える延長部と、を有し、前記撮像素子の光軸方向を投影方向とした際、前記撮像基板接続部と前記画像処理基板接続部とを結ぶ方向において、前記延長部、前記撮像基板接続部、前記信号伝達部、および前記画像処理基板接続部の順に配置され、前記信号伝達部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域におけるグランドパターンの占有率は、前記延長部において前記撮像素子と当該撮像素子の光軸方向で重なる領域におけるグランドパターンの占有率よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、伝導部材などの部品を追加することなく、撮像素子の温度を均一化して画質を均質化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態による撮像装置を説明するための図である。
【
図2】
図1に示すカメラにおいて背面カバーを取り外した状態を説明するための図である。
【
図3】
図2に示す接続基板の一例を正面側から見た示す斜視図である。
【
図4】
図2に示すカメラから画像処理基板を取り外した状態を示す図である。
【
図5】
図2に示すカメラに備えられた基板を説明するための図である。
【
図6】
図5に示す接続基板に形成された配線パターンを説明するための図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態によるカメラに備えられた基板を説明するための図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態によるカメラにおいて接続基板に形成された配線層を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置を説明するための図である。そして、
図1(a)は正面図であり、
図1(b)は背面図である。
【0016】
図示の撮像装置は、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)100であり、撮影レンズユニット(以下単に撮影レンズと呼ぶ)が交換可能である。
図1(a)においては撮影レンズ(図示せず)が取り外された状態でシャッター(図示せず)を解放し、撮像素子200が露出した状態が示されている。
【0017】
撮像素子200は、例えば、CCD又はCMOSセンサーである。撮像素子200には撮影レンズを介して光学像が受光し、撮像素子200は光電変換によって光学像に応じた画像信号を出力する。
【0018】
図1(b)において、カメラ100の後部(背面)は、背面カバー110によって覆われている。そして、背面カバー110には、液晶パネルなどの表示部120などか配置されている。
【0019】
図2は、
図1に示すカメラにおいて背面カバーを取り外した状態を説明するための図である。そして、
図2(a)は背面カバーを取り外した状態を示す背面図であり、
図2(b)は
図2(a)に示す接続基板を取り外した状態を示す背面図である。また、
図3は、
図2(a)に示す接続基板の一例を正面側から見た示す斜視図である。
【0020】
まず、
図2(a)を参照して、カメラ100の後部(背面側)には、撮像素子200が実装され、さらに、撮像素子200の出力である画像信号が送られる撮像基板210が配置されている。また、カメラ100の後部には画像処理基板310が配置され、画像処理基板310には画像処理装置300が実装されている。そして、画像処理装置300は画像信号に所定の画像処理を施して画像データを生成する。さらに、カメラ100の後部には接続基板400が配置され、接続基板400は撮像基板210と画像処理基板310とを接続して、画像信号を撮像基板210から画像処理基板310に送る。
【0021】
なお、画像処理基板310は、6本のビス320~325によって、カメラ100のシャーシ500に取り付けられている。
【0022】
続いて、
図2(b)および
図3を参照して、撮像基板210および画像処理基板300には、それぞれ第1および第2のコネクタ220および330が実装されている。また、接続基板400は第3および第4のコネクタ410および420が実装されている。そして、第1のコネクタ220と第3のコネクタ410とを接続することによって、撮像基板210と接続基板400とが電気的に接続される。これによって、撮像素子200の出力である画像信号が撮像基板210から接続基板400に送られる。
【0023】
第2のコネクタ330と第4のコネクタ420とを接続することによって、画像処理基板310と接続基板400とが電気的に接続される。これによって、画像信号が接続基板400から画像処理基板310に送られる。
【0024】
このようにして、撮像素子200の出力である画像信号が撮像基板210から接続基板400を介して画像処理基板310に送られて、画像処理装置300に画像信号が入力される。
【0025】
前述のように、画像信号に対する種々のノイズの影響を極小化するため、撮像素子200と画像処理装置300とを接続する際には、可能な限り短い配線長で接続を行うことが望ましい。このためには、第2のコネクタ330を画像処理装置300の近傍に配置すればよく、さらに、第1のコネクタ220を第2のコネクタ330の近傍に配置すればよい。
【0026】
画像信号を画像処理して画像データを生成する際、画像処理装置300は多量の電力を消費するので、多量の熱エネルギーを放出する。第2のコネクタ330が画像処理装置300近傍に配置されていると、熱エネルギーは第2のコネクタ330および第4のコネクタ420を経由して、接続基板400に伝熱する。従って、接続基板400は高温になり易い。
【0027】
図2(a)に示すように、接続基板400には、第3のコネクタ410を第2のコネクタ220に接続する際、位置決めとして用いられる第1の位置決め部401が形成されている。図示の例では、接続基板400の外形の一部を切欠くことによって第1の位置決め部401を設けるようにしたが、他の手法を用いるようにしてもよい。
【0028】
一方、撮像基板210には、
図2(b)に示すように、第1の位置決め部401に対応する第2の位置決め部211が形成されている。第2の位置決め部211を形成する際には、導体パターン又はレジストなどを用いることが望ましい。
【0029】
図3に示すように、第3のコネクタ410は接続基板400の端に配置されていないので、第1のコネクタ220と第3のコネクタ410とを接続する際、第1のコネクタ220と第3のコネクタ410との位置合わせを行うことが難しい。そこで、第1のコネクタ220と第3のコネクタ410とを接続する際、第1の位置決め部401および第2の位置決め部211を用いて、接続基板400の位置決めを行えば、支障なく容易に接続作業を行うことができる。
【0030】
図4は、
図2(b)に示すカメラから画像処理基板を取り外した状態を示す図である。
【0031】
図中斜線で示す撮像素子200は、撮像素子保持部材600に形成された3つの腕部610~612と半田で接合されている。撮像素子保持部材600は3本のビス620~622によってシャーシ500に取り付けられ、これによって撮像素子200と撮像基板210とはシャーシ500に固定されている。
【0032】
図5は、
図2に示すカメラに備えられた基板を説明するための図である。そして、
図5(a)は
図2(a)に示すA-A線に沿った断面図であり、
図5(b)は
図5(a)に示す部分Bを拡大して示す図である。
【0033】
図5(a)には、撮像基板210、画像処理基板310、および接続基板400とこれらの基板に実装されている部品が示されている。接続基板400は2層構造を有している。例えば、接続基板400は第1および第2の配線層470および480を有し、第2の配線層480は第1の配線層470よりも撮像基板210から離れた位置に配置されている。
【0034】
加えて、接続基板400は、
図5(a)に示すように、延長部430、撮像基板接続部431、信号伝達部432、および画像処理基板接続部433の4つの部分を備えている。撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433には、それぞれ第3のコネクタ410および第4のコネクタ420が実装されている。
【0035】
撮像基板接続部431には、第3のコネクタ410を介して画像信号が入力する。そして、画像処理基板接続部433から第4のコネクタ420に画像信号が出力される。
【0036】
信号伝達部432は、撮像基板接続部431と画像処理基板接続部433との間に配置され、撮像基板接続部431に入力された画像信号を画像処理基板接続部433に送る。延長部430は、放熱用のグランドパターンを有している。光軸方向201を投影方向として見た際、撮像基板接続部431と画像処理基板接続部433を結ぶ方向において、延長部430、撮像基板接続部431、信号伝達部432、および画像処理基板接続部433の順に配列されている。
【0037】
接続基板400の端面440は、延長部430において、延長部430と撮像基板接続部の境界441と対向する。端面440は、撮像素子200の端面202よりも外側に位置することが望ましい。
【0038】
上述の構成によって、接続基板400は、撮像素子200全体を覆うことになる。このため、接続基板400が高温となったとしても、撮像素子200全体に亘って接続基板400から熱エネルギーが伝熱する。この結果、撮像素子200の温度分布を均一化することができ、画像における暗電流ノイズが均一化されて画質を均質化することができる。
【0039】
前述のように、撮像素子200の光軸方向201に沿って、撮像素子200、撮像基板210、および画像処理基板310の順に配置することが望ましい。このような配置によって、接続基板400において画像処理装置300に近い部分を、他の部分と比べて撮像素子200から光軸方向201に離間させることができる。
【0040】
接続基板400は、画像処理装置300の熱エネルギーを受けて高温化するので、画像処理装置300に近い部分ほど高温となる。熱エネルギーの伝熱量は、放熱する領域の温度に比例し領域間の距離に反比例する。図示の構成によって、接続基板400において画像処理装置に近いため温度が高くなる部分は、撮像素子200から光軸方向201に離間させることができる。これによって、接続基板400から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布は均一となる。この結果、撮像素子200の温度分布が均一化されて、画像おける暗電流ノイズが均一化されて画質を均質化することができる。
【0041】
図示の構成では、撮像基板210と画像処理基板310とは、光軸方向201に離間して配置されることとなる。従って、撮像基板210と画像処理基板310とを接続する接続基板400は、撮像基板210と画像処理基板との距離による変動を吸収するために、柔軟性のあるフレキシブルプリント基板であることが望ましい。
【0042】
図5(a)に示すように、接続基板400の延長部430と撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433とは、それぞれ補強板450および460を有することが望ましい。補強板450および460は、第1の配線層470および第2の配線層480、補強板450又は460の順となるように配置される。
【0043】
第1のコネクタ220を第3のコネクタ410に接続し、第2のコネクタ330を第4のコネクタ420に接続する。この際、補強板450および460によって、第3のコネクタ410および第4のコネクタ420と接続基板400とを接合する半田などの破壊を防止することができる。
【0044】
また、延長部430に補強板450を設けることによって、延長部430の変形を抑制することができる。その結果、撮像基板210と延長部430との距離を安定させることが可能となる。
【0045】
図6は、
図5に示す接続基板に形成された配線パターンを説明するための図である。そして、
図6(a)は第1の配線層に形成された配線パターンの形状を背面側から見た図であり、
図6(b)は第2の配線層に形成された配線パターンの形状を背面側から見た図である。なお、
図6(a)においては、説明の便宜上、第3および第4のコネクタ410、420の形状が示されている。
【0046】
第1の配線層470に備えられた撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433には、それぞれ第3のコネクタ410および第4のコネクタ420の信号リード411および421が半田によって接続されている。そして、撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433には、それぞれ画像信号を伝達するための信号パッド471aおよび471bが配置されている。
【0047】
さらに、第1の配線層470に備えられた信号伝達部431には、信号パターン471cが配置されている。信号パッド471aおよび471bは、信号パターン471cによって接続され、信号パターン471cは、撮像基板接続部431と画像処理基板接続部433との間で画像信号を伝達するために用いられる。
【0048】
配線スペースの関係上、画像信号を送るために第3のコネクタ410の信号リード412と第4のコネクタ420の信号リード422とを接続するに当たっては、信号ビア492a~492dを用いて第2の配線層480を経由するようにしてもよい。
【0049】
複数の信号リード412および422は、それぞれ撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433に形成された信号パッド472aおよび472bに半田付けされる。そして、信号リード412および422によって画像信号が伝達される。信号パッド472aおよび472bはそれぞれ信号ビア492aおよび492dに接続され、第2の配線層480に画像信号を伝達する。
【0050】
第2の配線層480において、撮像基板接続部431に形成された信号パターン482aによって信号ビア492aおよび492bが接続される。また、画像処理基板接続部433に形成された信号パターン482bによって信号ビア492cおよび492dが接続される。これによって、画像信号が再び第2の配線層480から第1の配線層470に送られる。信号ビア492bおよび492cは、信号伝達部431に形成された信号パターン472cによって接続される。
【0051】
上述の構成によって、第3のコネクタ410の信号リード412から第4のコネクタ420の信号リード422に、第2の配線層480を経由して、画像信号を送ることができる。
【0052】
第3のコネクタ410のグランドリード413は、撮像基板接続部431に設けられたグランドパッド473aに半田によって接合される。また、グランドパッド473aは、延長部430に設けられたグランドパターン473bに接続される。一方、第4のコネクタ420のグランドリード423は、画像処理部433に設けられたグランドパッド474aに半田によって接合される。そして、グランドパッド474aはグランドパターン474bに接続される。
【0053】
グランドパターン473bおよび474bは、各パターンに設けられたグランドビア493および494によって、第2の配線層480に設けられたグランドパターン483に接続される。
【0054】
このような構成によって、第3のコネクタ410のグランドリード413から第4のコネクタ420のグランドリード423までグランド電流を送ることができる。
【0055】
ここで、グランドパターン473b、474b、および483に接続されるグランドリード423は、
図2(b)および
図6(a)に示すように、画像処理基板310に実装された画像処理装置300から離れた位置に配置することが望ましい。
【0056】
グランドパターンは、グランド電位を安定させるため、信号パターンに比べてその面積が広いことが望ましい。このため、グランドパターンの方が信号パターンよりも伝熱量が多くなってグランドパターンが主たる伝熱経路となる。画像処理基板310においても、グランドパターン(図示せず)が画像処理装置300と接続しているので、画像処理装置300で生じた熱エネルギーがグランドパターンに伝熱して、グランドパターンが高温化し易い。
【0057】
従って、画像処理基板310に形成されたグランドパターンに、第2のコネクタ330および第4のコネクタ420を経由して接続されるグランドパッド474aには、信号パッド471bおよび472bと比較して、熱エネルギーの流入が多い。この結果、グランドパッド474aに電気的に接続するグランドパターン473b、474b、および483aに熱エネルギーが伝熱し易い。従って、グランドパターン473b、474b、および483aは信号パターン471cおよび472cよりも高温化し易い。
【0058】
ところで、熱エネルギーは熱源から離れるほど伝熱しにくくなる。よって、画像処理装置300から離れた位置に、グランドリード423を配置することによって、画像処理装置300で生じた熱エネルギーが接続基板400のグランドパターン473b、474b、および483に伝熱しにくくなる。この結果、接続基板400のグランドパターン473b、474b、483から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの量が減少して、撮像素子200の温度が上昇しにくくなる。従って、画像における暗電流ノイズが低減して、画質を向上させることができる。
【0059】
図6(a)および
図6(b)に示すように、延長部430においては、第1の配線層470および第2の配線層480が、それぞれグランドパターン473bおよび483aが形成されたグランド層である。一方、信号伝達部431においては、第1の配線層470が信号パターン471cおよび472cが配置された信号層であり、第2の配線層480がグランドパターン483aが配置されたグランド層である。
【0060】
同一のグランドパターン473bおよび483aにおいても、熱エネルギーが流入している領域に近い程高温となる。従って、画像処理基板接続部433に近い領域程温度が高い。
【0061】
図示の構成によって、グランドパターン483aが比較的高温となる信号伝達部432においては、撮像素子200から遠い第2の配線層480にグランドパターン473bを形成する。一方、グランドパターン473bが比較的低温となる延長部430においては、撮像素子200に対して光軸方向201において近い第1の配線層470にグランドパターン483aを配置することができる。
【0062】
このような構成によって、接続基板400のグランドパターン473bおよび483aから撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布を均一化することができる。この結果、撮像素子200における温度分布が均一化されて、画像における暗電流ノイズが均一化されて、画質を均質化することが可能となる。
【0063】
また、延長部430において第2の配線層480にもグランドパターン483aを形成することによって、延長部430における伝熱経路を太くすることができる。これによって、延長部430における温度分布が均一化することができ、延長部430から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布が均一化する。この結果、撮像素子200における温度分布が均一化されて、画像における暗電流ノイズを均一化することができ、画質を均質化することができる。
【0064】
ここで、
図6(a)および
図6(b)において、光軸方向201において撮像素子200と重なる領域を明確化するために、撮像素子200の端202および203を破線で示す。
【0065】
延長部430で光軸方向201における撮像素子200と重なる領域において第1の配線層470のグランドパターン473bの占有率を第1の占有率とする。また、信号伝達部432で光軸方向201における撮像素子200と重なる領域において第2の配線層480のグランドパターン483aの占有率を第2の占有率とする。この場合、第1の占有率は第2の占有率よりも大きい方が望ましい。
【0066】
加えて、信号伝達部432で光軸方向201における撮像素子200と重なる領域において第2の配線層480のグランドパターン483aの占有率は、画像処理基板接続部431に近い領域よりも遠い領域の方が大きいことが望ましい。さらに、延長部430で光軸方向201おける撮像素子200と重なる領域において第1の配線層470のグランドパターン473bの占有率は、撮像基板接続部431に近い領域よりも遠い領域の方が大きいことが望ましい。
【0067】
図示の例では、グランドパターン473bおよび483aにそれぞれ抜き穴473cおよび483bを形成して、その密度を変化させることによって占有率を調整する。例えば、抜き穴473cおよび483bの数を減らすことによって、グランドパターン473bおよび483aの占有率を大きくする。なお、図示の例に限定されることなく、例えば、信号線471cおよび472cのインピーダンスを調整するためのメッシュパターンをグランドパターン483aに形成するようにしてもよい。この場合には、メッシュパターンを設けた状態における占有率に合わせて周辺の占有率を調整することが望ましい。
【0068】
撮像素子200に対する熱エネルギーの伝熱量は、放熱する領域の温度および当該領域間の投影面積に比例する。図示の構成によって、グランドパターン473bおよび483aは、画像処理基板接続部433に近い領域程高温となる一方、その占有率は減少し、光軸方向201における撮像素子200に対する投影面積も減少する。
【0069】
従って、グランドパターン473bおよび483aから撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布を均一化することができる。この結果、撮像素子200における温度分布が均一化されて、画像における暗電流ノイズを均一化することができ、画質を均質化することができる。
【0070】
図6(a)および
図6(b)に示すように、延長部430において、第1の配線層470および第2の配線層480のグランドパターン473bおよび483aの形状は、略同一であることが望ましい。これによって、グランドパターン473bおよび483aの撮像素子200に対する投影面積を保った状態として、延長部430における伝熱経路を最大化することができる。
【0071】
従って、延長部430における温度分布が均一化されて、延長部430から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布が均一化する。この結果、撮像素子200における温度分布が均一化されて、画像における暗電流ノイズを均一化することができ、画質を均質化することができる。
【0072】
このように、本発明の第1の実施形態では、熱伝導部材などの部品を追加することなく、撮像素子における温度を均一化することができる。この結果、画像における暗電流ノイズが均一化されて画質を均質化することができる。
【0073】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
【0074】
図7は、本発明の第2の実施形態によるカメラに備えられた基板を説明するための図である。なお、
図7は、前述の
図5(a)に対応する断面図である。
【0075】
図7において、接続基板400は、延長部430、撮像基板接続部431、信号伝達部432、画像処理基板接続部433、および貼付部434を有している。貼付部434は、両面テープ434aを備えて、他の部材に貼付可能である。ここでは、貼付部434は撮像基板210に貼付されている。
【0076】
図示の例では、撮像基板210に貼付部434を貼付するようにしたが、貼付する箇所はこの箇所に限定されるものではなく、接続基板400以外の部材であれば、例えば、撮像素子保持部材600に貼付するようにしてもよい。また、貼付手法についても、両面テープ434aを用いず、例えば、接着剤を用いるようにしてもよい。
【0077】
接続基板400において、撮像素子200の光軸方向201を投影方向として見た際、撮像基板接続部431と画像処理基板接続部433とを結ぶ方向を配列方向とする。当該配列方向において、貼付部434は、貼付部434、延長部430、撮像基板接続部431、信号伝達部432、および画像処理基板接続部433の順となるように配置することが望ましい。
【0078】
このような構成をとれば、貼付部434から貼付部434が貼付された部材に熱エネルギーが流出して、接続基板400の温度が低下する。この結果、接続基板400から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーが低減して、撮像素子200における温度上昇を抑制することができる。この結果、画像における暗電流ノイズが低減して、画質が向上する。
【0079】
貼付部434と延長部430との境界442と対向する端面440である接続基板400の端面440は、撮像素子200の端面202よりも外側にあることが望ましい。これによって、接続基板400が撮像素子200全体を覆うので、撮像素子200全体に接続基板400から熱エネルギーが伝熱することになって、撮像素子200における温度分布が均一化する。この結果、画像における暗電流ノイズが均一化されて、画質を均質化することができる。
【0080】
貼付部434は、光軸方向201に、貼付部434、撮像基板接続部431、および画像処理基板接続部433の順となるように配置することが望ましい。延長部430においては、熱源である画像処理装置300に近い撮像基板接続部431は比較的高温となり易い。また、貼付部434は画像処理装置300から遠く比較的低温である。上記の配置によって、撮像基板接続部431を貼付部434よりも光軸方向201において撮像素子200に対する距離を離すことができる。この結果、延長部430から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーの分布が均一化される。従って、撮像素子200における温度分布が均一化されて、画像における暗電流ノイズが均一化し、画質を均質化することができる。
【0081】
撮像基板接続部431および画像処理基板接続部433は補強板450および460を有している。これによって、第1のコネクタ220を第3のコネクタ410に接続する際、第3のコネクタ410と接続基板400とを接合する半田などの破損を防止することができる。同様に、第2のコネクタ330を第4のコネクタ420に接続する際、第4のコネクタ420と接続基板400とを接合する半田などの破壊を防止することができる。
【0082】
図8は、本発明の第2の実施形態によるカメラにおいて接続基板に形成された配線層を説明するための図である。そして、
図8(a)は第1の配線層に形成された配線パターンの形状をカメラの背面側から見た図である。また、
図8(b)は第2の配線層に形成された配線パターンの形状をカメラの背面側から見た図である。
【0083】
貼付部434に形成された第1の配線層470はグランドパターン473bが設けられたグランド層であることが望ましい。これによって、貼付部434から、貼付部434が貼付された部材に伝熱する熱エネルギーが増加して、接続基板400における温度がさらに低下する。この結果、接続基板400から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーが低下し、撮像素子200の温度上昇が抑制される。よって、画像における暗電流ノイズが低減して画質が向上する。
【0084】
また、貼付部434に形成された第2の配線層480はグランドパターン483aが設けられたグランド層であることが望ましい。これによって、貼付部434に設けられたグランドパターン473bに流入する熱エネルギーが増加する。これに伴って、貼付部434から、貼付部434が貼付された部材に伝熱する熱エネルギーが増加して、接続基板400の温度がさらに低下する。この結果、接続基板400から撮像素子200に伝熱する熱エネルギーが低下して、撮像素子200の温度上昇が抑制される。よって、画像における暗電流ノイズが低減して画質が向上する。
【0085】
このように、本発明の第2の実施形態によっても、熱伝導部材などの部品を追加することなく、撮像素子における温度を均一化することができる。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
100 撮像装置(カメラ)
200 撮像素子
210 撮像基板
300 画像処理装置
310 画像処理基板
400 接続基板
430 延長部
431 撮像基板接続部
432 信号伝達部
433 画像処理基板接続部