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特許7195761椅子へ磁界発生デバイスを固定するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】椅子へ磁界発生デバイスを固定するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/10 20060101AFI20221219BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221219BHJP
   A61N 2/02 20060101ALI20221219BHJP
   A61G 15/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61G15/10
A61B34/20
A61N2/02 M
A61G15/00 P
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018083661
(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2018183596
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】62/490,241
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/555,824
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/933,737
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・エフ・サラザール
(72)【発明者】
【氏名】ジェットミア・パルシ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェイ・ケイン
(72)【発明者】
【氏名】ファテメ・アクバリアン
(72)【発明者】
【氏名】イカ・デケル
(72)【発明者】
【氏名】ノーム・ラケーリ
(72)【発明者】
【氏名】ヘレン・ウォルフソン
(72)【発明者】
【氏名】ナウィド・メフザイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エス・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ケタン・ピー・ムニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ドレイク
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・エイ・スミス・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エイ・カーチナー
(72)【発明者】
【氏名】トッド・エイ・ベローニ
(72)【発明者】
【氏名】イタマル・ブスタン
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/007595(WO,A1)
【文献】特開平09-220264(JP,A)
【文献】特表2007-526027(JP,A)
【文献】特開2016-013439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/00 - A61G 15/12
A47C 27/00
A47C 7/00 - A47C 7/74
A61B 34/20
A61N 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)本体であって、患者の背中と椅子の背もたれとの間に位置決めされるように構成された、本体と、
(b)前記本体から上向きに延在する直立部材と、
(c)前記直立部材に装着された枠であって、患者頭部を部分的に囲むように構成された湾曲構成を有する、枠と、
(d)前記枠により支持された複数の磁界発生要素であって、前記枠により部分的に囲まれた患者頭部の周辺に電磁界を発生させるように構成された、磁界構成要素と、を備える、装置。
【請求項2】
前記本体が楔型を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記楔型が、上方部分及び下方部分を有し、前記上方部分の厚みが前記下方部分の厚みより厚い、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記直立部材が、前記上方部分から上向きに延在する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記直立部材が、長手方向軸を画定し、前記枠が、前記直立部材の前記長手方向軸に沿って移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記直立部材が長手方向軸を画定し、前記枠が前記直立部材の前記長手方向軸に横断方向である寸法に沿って移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記直立部材に固定されたヘッドレストを更に備え、前記ヘッドレストが、前記枠により部分的に囲まれた患者頭部を支持するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体に対して横手方向に延在する複数のタブを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記タブが、ストラップを受容するように構成された複数のスロットを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記本体、前記直立部材、及び前記枠が、非金属材料からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
椅子を更に備え、前記椅子が、下部支持体及び背もたれを備え、前記本体が、前記下部支持体上に位置決めされ、前記本体が前記背もたれに係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記背もたれに前記本体を固定する少なくとも1つのストラップを更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記枠が、前記直立部材に対して前後に移動可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記枠は、前記枠の背面が前記背もたれの前面の前記前面から約15cmにある最後方位置を含む移動範囲に沿って、前記直立部材に対して前後に移動可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記枠は、前記枠の背面が前記背もたれの前面の前記前面から約25cmにある最前方位置を含む移動範囲に沿って、前記直立部材に対して前後に移動可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
画像誘導手術ナビゲーションシステムを更に備え、前記磁界発生要素が前記画像誘導手術ナビゲーションシステムに連結されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡張が望まれる場合がある。これには、副鼻腔の口の拡張(例えば、副鼻腔炎を治療するため)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法としては、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを位置決めし、次いでバルーンを、流体(例えば、生理食塩水)を用いて膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、膨張可能なバルーンを副鼻腔の口内に位置決めしてから膨張させることによって、粘膜の切開や骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡張することができる。その後、拡張した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及び副鼻腔の通気を改善することができる。このような処置を行うために用い得るシステムは、米国特許出願公開第2011/0004057号、発明の名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」(2011年1月6日に公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示により得ることができる。このようなシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty(商標)システムがある。
【0002】
かかるシステムとともに可変視野方向内視鏡を使用して、解剖学的通路(例えば、耳、鼻、咽頭、副鼻腔など)内を可視化し、バルーンを所望の位置に配置することができる。可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内で内視鏡のシャフトを曲げる必要なく広範な横断視野角に沿った視野を可能にすることができる。このような内視鏡は、米国特許出願公開第2010/0030031号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(2010年2月4日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示により得ることができる。このような内視鏡の一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるAcclarent Cyclops(商標)マルチアングル内視鏡がある。
【0003】
可変視野方向内視鏡は解剖学的通路内の可視化に使用できるが、バルーンの膨張前に、バルーンの正しい位置決めの視覚的確認を追加することが望ましい場合もある。これは、照明ガイドワイヤを用いて行うことができる。かかるガイドワイヤが標的領域内に位置決めされ、その後、ガイドワイヤの遠位端から投射される光によって照明することができる。この光は、隣接組織(例えば皮下(hypodermis)、皮下(subdermis)組織など)を照明するため、皮膚を通過する照明により患者の体外から肉眼で見ることができる。例えば、遠位端が上顎洞内に位置決めされると、患者の頬を通して光を見ることができる。ガイドワイヤの位置の確認にこのような外部可視化を利用して、バルーンをその後、拡張部位の位置内にガイドワイヤに沿って遠位に進めることができる。このような照明ガイドワイヤは、米国特許第9,155,492号、発明の名称「Sinus Illumination Lightwire Device」(2015年10月13日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示により得ることができる。このような照明ガイドワイヤの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Luma Sentry(商標)副鼻腔照明システムがある。
【0004】
画像誘導手術(IGS)は、コンピュータを使用して、患者の身体内に挿入された機器の位置の、手術前に得られた1セットの画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイム相関を得て、機器の現在位置を手術前に得られた画像に重ね合わせる技術である。いくつかのIGS処置では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次に、特別にプログラムされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁界を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)が装着された特別な機器を用いて処置を実行し、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、機器装着センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対するそれぞれの外科器具のリアルタイム位置を示す指標(例えばクロスヘア又は照明ドットなど)とともにビデオモニタ上に表示される。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在の位置において直接見ることができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0005】
ENT及び洞手術で用い得る電磁IGSシステムの例としては、InstaTrak ENT(商標)システム(GE Medical Systems、Salt Lake City,Utahから入手可能)が挙げられる。本開示に従って用いるように変更することができる電磁気画像誘導システムの他の例としては、これらに限定されないが、CARTO(登録商標)3システム(Biosense-Webster,Inc.、Diamond Bar,California)、Surgical Navigation Technologies,Inc.(Louisville,Colorado)から入手可能なシステム、及びCalypso Medical Technologies,Inc.(Seattle,Washington)から入手可能なシステムが挙げられる。
【0006】
内視鏡下機能的副鼻腔手術(FESS)、バルーンサイナプラスティ(balloon sinuplasty)、及び/又はその他のENT処置に適用した場合、画像誘導システムを用いることによって、外科医は、内視鏡だけを通して見ることによって実現できるよりも、手術用器具のより正確な動き及び位置決めを実現することができる。これは、典型的な内視鏡の画像が空間的に制限された2次元の視線の視界だからである。画像誘導システムの使用により、空間的に制限された2次元の直接視線の内視鏡視野において実際に見えるものだけではなく、術野を囲む生体構造全てのリアルタイムの3次元図が得られる。その結果、画像誘導システムは、切開及び/又は潅注供給源が望ましい場合のあるFESS、バルーンサイナプラスティ、及び/又は他のENT処置の実行中に特に有用であり得、特に、通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に視覚化することが難しい場合に有用である。
【0007】
ENT処置のために、いくつかのシステム及び方法が作られ、使用されてきたが、本発明の発明者以前に、添付の特許請求の範囲に述べた発明を作り、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論となすものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1A】ガイドワイヤが近位位置にあり、拡張カテーテルが近位位置にある、例示的な拡張器具アセンブリの斜視図を示す。
図1B】ガイドワイヤが遠位位置にあり、拡張カテーテルが近位位置にある、図1Aの拡張器具アセンブリの斜視図を示す。
図1C】ガイドワイヤが遠位位置にあり、拡張カテーテルが遠位位置にあり、拡張カテーテルの拡張器が非拡張状態にある、図1Aの拡張器具アセンブリの斜視図を示す。
図1D】ガイドワイヤが遠位位置にあり、拡張カテーテルが遠位位置にあり、拡張カテーテルの拡張器が拡張された状態にある、図1Aの拡張器具アセンブリの斜視図を示す。
図2】例示的な副鼻腔手術ナビゲーションシステムの概略図を示す。
図3】患者頭部を図2のナビゲーションシステムの構成要素とともに示す斜視図を示す。
図4】ナビゲーション構成要素支持アセンブリの図表示を伴う、例示的な医療処置椅子の斜視図を示す。
図5】例示的な別のナビゲーション構成要素支持アセンブリを伴う、図4の椅子の側面概略図を示す。
図6】ナビゲーション支持アセンブリに固定された図4のナビゲーション構成要素を伴う、図4の椅子及び図5の支持アセンブリの側面概略図を示す。
図7】椅子に固定された例示的なナビゲーション構成要素支持アセンブリ、及び椅子にする患者の表示を伴う、例示的な別の医療処置椅子の正面斜視図を示す。
図8図7の椅子及び支持アセンブリの正面斜視図を示す。
図9図7の椅子及び支持アセンブリの背面斜視図を示す。
図10図7の椅子及び支持アセンブリの背面立面図を示す。
図11図7の椅子及び支持アセンブリの側面立面図を示す。
図12】椅子の一部が省略されている、図7の椅子及び支持アセンブリの拡大斜視図を示す。
図13図7の椅子及び支持アセンブリの上方部分の拡大正面立面図を示す。
図14】支持アセンブリの一部が省略されている、図7の支持アセンブリの上方部分の拡大された背面斜視図である。
図15図7の椅子の一部が省略されている、図7の支持アセンブリ下方部分の拡大背面斜視図を示す。
図16】例示的な別のナビゲーション支持アセンブリを伴う、図4の椅子の概略図を示す。
図17図16のナビゲーション支持アセンブリの斜視図を示す。
図18図16のナビゲーション支持アセンブリの側面立面図を示す。
図19図16のナビゲーション支持アセンブリの枠アセンブリの斜視図を示す。
図20】例示的な別のナビゲーション支持アセンブリを伴う、図4の椅子の概略図を示す。
図21図20のナビゲーション支持アセンブリの斜視図を示す。
図22図20のナビゲーション支持アセンブリの側面立面図を示す。
図23図4の椅子に固定されてもよい例示的な別のナビゲーション支持アセンブリの例示的なヘッドレスト支持アセンブリの斜視図を示す。
図24図23のヘッドレスト支持アセンブリに固定されてもよい例示的なヘッドレストアセンブリの斜視図を示す。
図25図23のヘッドレスト支持アセンブリに固定されてもよい例示的な背もたれアセンブリの斜視図を示す。
図26図23のヘッドレスト支持アセンブリの別の斜視図を示す。
図27図25の背もたれアセンブリの支持部材に固定された図23のヘッドレスト支持アセンブリの斜視図を示す。
図28図27の支持部材に固定された図23のヘッドレスト支持アセンブリの斜視断面図を示す。
図29A】ヘッドレストアセンブリロックが係止位置にある、図23のヘッドレスト支持アセンブリの一部の側面立面図を示す。
図29B】ヘッドレストアセンブリロックが係止解除位置にある、図23のヘッドレスト支持アセンブリの一部の側面立面図を示す。
図30図24のヘッドレストアセンブリの別の斜視図を示す。
図31図24のヘッドレストアセンブリの背面立面図を示す。
図32図24のヘッドレストアセンブリの分解斜視図を示す。
図33図24のヘッドレストアセンブリの一部の斜視図を示す。
図34図25の背もたれアセンブリの別の斜視図を示す。
図35図25の背もたれアセンブリの背面立面図を示す。
図36図25の背もたれアセンブリの分解斜視図を示す。
図37A】係止機構が図27の支持部材と嵌合した状態を示す、図25の背もたれアセンブリの一部の正面立面図を示す。
図37B】係止機構が図27の支持部材から解除された状態を示す、図37Aの背もたれアセンブリの一部の正面立面図を示す。
図38】第1の角度位置にある図25の背もたれアセンブリのストラップ支持アセンブリの背面立面図を示す。
図39】第2の角度位置にある図38のストラップ支持アセンブリの背面立面図を示す。
図40】第3の角度位置にある図38のストラップ支持アセンブリの背面立面図を示す。
図41図38のストラップ支持アセンブリを介し図4の椅子へ図25の背もたれアセンブリを固定するために使用されてもよい例示的なストラップアセンブリの平面図を示す。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の種々の実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が示される正確な配置に限定されない点が理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明には、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる、かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0011】
「近位」及び「遠位」なる用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して用いられることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」といった空間に関する用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準として用いられている点も更に理解されよう。しかしながら、外科器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0012】
更に、本明細書に記載の教示、表現要素、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載の教示、表現要素、変形形態、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮することにより、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0013】
I.典型的な拡張カテーテルシステムの概要
図1A図1Dに示すのは、副鼻腔の排液と関連するいくつかの他の通路を拡張するため、耳管を拡張するため、又はいくつかの他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉などの中)を拡張するために使用されてもよい典型的な拡張器具アセンブリ(10)を示す。本実施例の拡張器具アセンブリ(10)は、ガイドワイヤ電源(12)、膨張供給源(14)、潅注液供給源(16)、及び拡張器具(20)を備える。いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ電源(12)は光源を備える。いくつかの他の変形形態において、以下に記載されるように、ガイドワイヤ電源(12)は、IGSシステムの一部である。本実施例において、膨張供給源(14)は、生理食塩水の供給源を備える。しかしながら、任意の他の好適な流体(液体又は別の形態)の供給源が使用されてもよいことを理解されたい。また、本実施例において、潅注液供給源(16)は、生理食塩水の供給源を備える。しかしながら、繰り返すが、任意の他の好適な流体供給源が使用されてもよい。いくつかの変形形態において、洗浄液供給源(16)も省略してもよいことを理解されたい。
【0014】
本実施例の拡張器具(20)は、ガイドワイヤ摺動部(24)、ガイドワイヤ回転部(26)、及び拡張カテーテル摺動部(28)を有するハンドル本体(22)を備える。ハンドル本体(22)は、操作者に片手で把持されるような大きさであり、そのように構成されている。摺動部(24、28)及び回転部(26)はまた、ハンドル本体(22)を握る同じ手で操作されるような位置決めされ、そのように構成されている。したがって、拡張器具(20)は操作者の片手で完全に操作されることができることを理解されたい。
【0015】
A.例示的なガイドカテーテル
ガイドカテーテル(60)はハンドル本体(22)から遠位に延在する。ガイドカテーテル(60)は、開口遠位端(62)及び開口遠位端(62)の近位に形成された湾曲部(64)を含む。本実施例において、拡張器具(20)は、いくつかの異なる種類のガイドカテーテル(60)を取り外し可能に受容するように構成され、各ガイドカテーテル(60)は、湾曲部(64)により形成された異なる角度を有する。これらの異なる角度は、異なる解剖学的構造への接近を容易にすることができる。角度及び関連する解剖学的構造の様々な実施例は、本明細書に引用される1つ又は2つ以上の参照に記載され、更なる実施例は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。本実施例のガイドカテーテル(60)は、拡張器具(20)の使用中ガイドカテーテル(60)が湾曲部(64)の一定した構造を維持するように、硬質な材料(例えば、硬質金属及び/又は硬質プラスチックなど)で形成される。いくつかの変形形態において、拡張器具(20)は、ガイドカテーテル(60)の直線近位部分の長手軸方向を中心にハンドル本体(22)に対して、ガイドカテーテル(60)が回転可能なように更に構成され、それにより様々な解剖学的構造への接近を更に助長する。
【0016】
B.例示的なガイドワイヤ
拡張器具(30)は、ガイドカテーテル(60)に同軸に配置されたガイドワイヤ(30)を更に備える。ガイドワイヤ摺動部(24)は、ハンドル本体(22)に対するガイドワイヤ摺動部(24)の並進が、ハンドル本体(22)に対するガイドワイヤ(30)の対応する並進を提供するように、ガイドワイヤ(30)に固定される。特に、近位位置(図1A)から遠位位置(図1B)へのガイドワイヤ摺動部(24)の並進により、ガイドワイヤ(30)の近位位置(図1A)から遠位位置(図1B)への対応する並進を生じる。ガイドワイヤ(30)が遠位位置にある場合、ガイドワイヤ(30)の遠位部分は、ガイドカテーテル(60)の開口遠位端(62)から遠位に突出する。ガイドワイヤ回転部(26)は、ガイドワイヤ(30)の長手方向軸を中心にガイドワイヤ(30)を回転させるように操作可能である。ガイドワイヤ回転部(26)は、ガイドワイヤ回転部(26)がガイドワイヤ摺動部(24)と長手方向に並進するように、ガイドワイヤ摺動部(24)に連結される。
【0017】
いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ(30)は、ガイドワイヤ(30)の遠位端(32)の直近位に形成された事前形成された湾曲部を含む。いくつかの変形形態において、事前形成された湾曲部及びガイドワイヤ回転部(26)を介しもたらされる回転が、拡張される副鼻腔、耳管、又は他の通路への遠位端(32)の位置調整及び挿入を容易にすることができる。いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ(30)はまた、レンズに向かい延在する少なくとも1つの光ファイバー、又は他の透光性の機構も遠位端(32)に含む。この光ファイバーは、光をガイドワイヤ電源(12)から遠位端(32)へと伝達できるように、ガイドワイヤ電源(12)と光学的に連絡していてもよい。このような変形形態において、遠位端(32)が目的の解剖学的構造に到達したことを操作者に示すための視覚的フィードバックを提供するために、ガイドワイヤ(30)は、患者の皮膚を通る徹照を提供することができる。
【0018】
あくまで一例として、ガイドワイヤ(30)は、米国特許第9,155,492号(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成されることができる。いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ(30)は、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Luma Sentry(商標)Sinus Illumination Systemに類似して構成されている。それに加えて又は別の、1つ又は2つ以上の光ファイバーを含むガイドワイヤ(30)は、より詳細に後述するように、ガイドワイヤ(30)にIGSシステムとの適合性をもたらすことを可能にする、センサ及び少なくとも1つのワイヤを含んでもよい。ガイドワイヤ(30)に組み込んでもよい、他の機構及び操作性能(operability)が、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなろう。
【0019】
C.例示的な拡張カテーテル
拡張器具(30)は、ガイドカテーテル(60)に同軸に配置された拡張カテーテル(40)を更に備える。拡張カテーテル摺動部(28)は、ハンドル本体(22)に対する拡張カテーテル摺動部(28)の並進が、ハンドル本体(22)に対する拡張カテーテル(40)の対応する並進を提供するように、拡張カテーテル(40)に固定される。特に、近位位置(図1B)から遠位位置(図1C)への拡張カテーテル摺動部(28)の並進により、拡張カテーテル(40)の近位位置(図1B)から遠位位置(図1C)への対応する並進を生じる。拡張カテーテル(40)が遠位位置にある場合、拡張カテーテル(40)の遠位部分は、ガイドカテーテル(60)の開口遠位端(62)から遠位に突出する。図1Cでも理解されるように、ガイドワイヤ(30)及び拡張カテーテルが共に遠位位置にある場合、ガイドワイヤ(30)の遠位部分は、拡張カテーテル(40)の開口遠位端から遠位に突出する。
【0020】
本実施例の拡張カテーテル(40)は、拡張カテーテル(40)の開口遠位端(42)の直近位に位置する非伸縮性バルーン(44)を備える。バルーン(44)は、膨張供給源(14)と流体連通している。膨張供給源(14)は、流体(例えば、生理食塩水など)をバルーン(44)へ出し入れし、それによりバルーン(44)が非膨張状態と膨張状態の間を移行するように構成されている。図1Cは、非膨張状態のバルーン(44)を示す。図1Dは、膨張状態のバルーン(44)を示す。いくつかの変形形態において、膨張供給源(14)は、手動で作動される加圧流体の供給源を備える。いくつかのこのような変形形態において、手動で作動される加圧流体の供給源は、米国特許出願公開第2014/0074141号、発明の名称「Inflator for Dilation of Anatomical Passageway」(2014年3月13日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成し動作可能とする。加圧流体の供給源を提供するために使用することができる他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0021】
図示されないが、拡張カテーテル(40)が、互いに対して流体的に分離している少なくとも2つの別々の穴を含む場合のあることを理解されたい。1つの穴はバルーン(44)と膨張供給源(14)との間の流体連通のための経路を提供してもよい。もう一方の穴はガイドワイヤ(30)を摺動可能に受容するための経路を提供してもよい。
【0022】
本実施例の拡張カテーテル(40)が、バルーン(44)を出入りする流体の連通に基づき非拡張状態と拡張状態との間を移行するように構成される一方、拡張カテーテル(40)は拡張器として機能する様々な他の種類の構造を含む場合のあることを理解されたい。あくまで一例として、バルーン(44)は、いくつかの他の変形形態において、機械的な拡張器と置き換えられることができる。拡張カテーテル(40)は、本明細書に引用される様々な参照のうち任意のものに従って構成され、操作可能であってもよい。いくつかの変形形態において、拡張器カテーテル(40)は、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Ultirra(商標)Sinus Balloon Catheterに類似して構成され、操作可能である。いくつかの他の変形形態において、拡張器カテーテル(40)は、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Solo Pro(商標)Sinus Balloon Catheterに類似して構成され、操作可能である。拡張カテーテル(40)の他の好適な変形例は、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなろう。
【0023】
D.例示的な潅注機構
一部の症例においては、解剖学的部位に潅注を行うことが望ましい場合がある。例えば、拡張カテーテル(40)を使用して口又は副鼻腔に関連する他の排液通路を拡張した後に、副鼻腔及び鼻腔に潅注を行うことが望ましい場合がある。このような潅注を行って、拡張処置の後に存在する場合がある血液などを流し出してもよい。このような一部の症例において、ガイドワイヤ(30)及び拡張カテーテル(40)を取り外した後で、ガイドカテーテル(60)を患者体内に残すことができる場合がある。次に、専用の潅注カテーテル(図示せず)は、ガイドカテーテル(60)へ挿入され、チューブ(50)を介し潅注流体供給源(16)に連結されて、患者の解剖学的部位の潅注を可能にすることができる。拡張カテーテル(60)を除去後に潅注部位に到達するようにガイドカテーテル(60)を通して供給されることができる潅注カテーテルの一例は、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Vortex(登録商標)Sinus Irrigation Catheterである。拡張カテーテル(40)を除去後に潅注部位に到達するようにガイドカテーテル(60)を通して供給されることができる潅注カテーテルの別の一例は、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva Ultirra(登録商標)Sinus Irrigation Catheterである。
【0024】
いくつかの他の変形形態において、拡張カテーテル(40)は、拡張カテーテル(40)がチューブ(50)を介し潅注流体供給源(16)に連結可能なように、遠位端(42)近辺に更なる潅注穴及び潅注口と関連するセットを含む。したがって、潅注を行うために必要とされる、別の専用の潅注カテーテルを必要としない。
【0025】
あくまで一例として、潅注は、米国特許出願公開第2008/0183128号、発明の名称「Methods,Devices and Systems for Treatment and/or Diagnosis of Disorders of the Ear,Nose and Throat」(2008年7月31日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により実施されることができる。当然ながら、潅注は拡張処置なしで提供することができ、拡張処置もまた、潅注なしで完了し得る。したがって、潅注流体供給源(16)及びチューブ(50)は単に任意選択的であることを理解されたい。
【0026】
E.例示的変形例
本実施例において、ガイドワイヤ(30)は、ガイドカテーテル(60)内に同軸に配置された拡張カテーテル(40)内に同軸に配置されている。いくつかの他の変形形態において、ガイドカテーテル(60)は、拡張器具(20)から省略される。いくつかのこのような変形形態において、ガイドワイヤ(30)及び拡張カテーテル(40)を誘導するために、柔軟なガイド部材が使用される。いくつかのこのような変形形態において、ガイドワイヤ(30)は省略され、拡張カテーテル(40)が内部の柔軟な誘導部材の外側周辺に摺動可能に配置される。いくつかの他の変形形態において、ガイドワイヤ(30)は、内部の柔軟な誘導部材の外側周辺に摺動可能に配置され、拡張カテーテル(40)は、ガイドワイヤ(30)の外側周辺に摺動可能に配置される。また、いくつかの他の変形形態において、ガイドワイヤ(30)は、内部の柔軟な誘導部材内に摺動可能に配置され、拡張カテーテル(40)は、柔軟なガイド部材の外側周辺に摺動可能に配置される。
【0027】
あくまで一例として、柔軟な誘導部材を含む拡張器具(20)の変形形態は、米国特許出願公開第2016/0310714号、発明の名称「Balloon Dilation System with Malleable Internal Guide」、(2016年10月27日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成され操作可能であってもよい。別の単なる説明例として、柔軟な誘導部材を含む拡張器具(20)の変形形態は、米国特許出願公開第14/928,260号、発明の名称「Apparatus for Bending Malleable Guide of Surgical Instrument」(2015年10月30日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)、及び/又は米国特許出願公開第2012/0071857号、発明の名称「Methods and Apparatus for Treating Disorders of the Sinuses」(2012年3月22日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成され操作可能であってもよい。
【0028】
IGSシステムの観点から以下に記載の拡張器具(20)の変形例は、硬質なガイドカテーテル(60)を有する拡張器具(20)の変形形態へ組み込まれてもよいIGSシステムの観点から、以下に記載の拡張器具(20)の変形例のような柔軟なガイドを有する拡張器具(20)の変形形態に組み込まれてもよいことが理解されよう。
【0029】
以下の様々な実施例は、患者体内への器具のナビゲーションを提供するIGSシステムの使用について記載する。特に、いかに拡張器具アセンブリ(10)をIGSシステム機構へ組み込むために変更可能かについて、以下の様々な実施例に記載する。しかしながら、拡張器具アセンブリ(10)は、従来の画像誘導器具と、更にIGSシステム構成要素と併せて使用されてもよいことも、また理解されよう。例えば、拡張器具アセンブリ(10)は、内視鏡とともに使用され、患者体内のガイドカテーテル(60)の最初の位置決めを少なくとも提供することができる。単に一例として、このような内視鏡は、米国特許出願公開第2010/0030031号(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により構成されることができる。本明細書に記載の拡張器具アセンブリ(10)の様々な変形形態とともに使用されてもよい内視鏡の他の好適な種類は、当業者には明らかとなろう。
【0030】
使用されてもよい他の例示的な拡張カテーテルシステムは、米国特許第8,777,926号及び同第9,095,646号(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)に記載のシステム、及びAcclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva ULTIRRA(登録商標)Sinus Balloon Catheter systemを含む。
【0031】
II.例示的な画像誘導手術ナビゲーションシステム
図2は、IGSを使用してENT処置を実行する、例示的なIGSナビゲーションシステム(100)を示す。場合によっては、IGSナビゲーションシステム(100)は、副鼻腔口を拡張するために、又は何らかの他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉などの中)を拡張するために使用されてもよい拡張器具アセンブリ(10)が使用される処置中に使用されてもよい。しかしながら、IGSナビゲーションシステム(100)は、他の様々な種類の処置に容易に使用されることができることが理解されよう。
【0032】
本明細書に記載の構成要素及び操作性能を有することに加えて、又はその代わりに、IGSナビゲーションシステム(100)は、以下の特許文献の教示の少なくとも一部により構成され操作可能であってもよい。米国特許第8,702,626号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年4月22日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,320,711号、発明の名称「Anatomical Modeling from a 3-D Image and a Surface Mapping」(2012年11月27日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,190,389号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2012年5月29日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第8,123,722号、発明の名称「Devices,Systems and Methods for Treating Disorders of the Ear,Nose and Throat」(2012年2月28日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、及び米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)。
【0033】
同様に、本明細書に記載の構成要素及び操作性能を有することに加えて又はその代わりに、IGSナビゲーションシステム(100)が、下記の特許文献の教示の少なくとも一部により構成され、かつ操作可能であってもよい。米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許出願公開第2014/0200444号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年7月17日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第9,198,736号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2015年12月1日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許出願公開第2011/0060214号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2011年3月10日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、米国特許第9,167,961号、発明の名称「Methods and Apparatus for Treating Disorders of the Ear Nose and Throat」(2015年10月27日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)、及び米国特許出願公開第2007/0208252号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2007年9月6日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)。
【0034】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、1セットの磁界発生器(122)を備える。手術処置開始前に、磁界発生器(122)が患者頭部に固定される。図3で最も良く理解されるように、磁界発生器(122)はフレーム(120)に組み込まれ、このフレームが患者頭部に固定される。この実施例において磁界発生器(122)は患者頭部に固定されているが、磁界発生器(122)は代わりに他の様々な好適な位置及び他の様々な好適な構造に位置決めすることができることが理解されよう。あくまで一例として、磁界発生器(122)は、患者が位置決めされているテーブル若しくは椅子に固定された独立した構造上に、患者頭部に対して適所に係止された床取り付け式スタンド上に、及び/又は任意の他の好適な位置及び/又は任意の他の好適な構造上に装着されることができる。
【0035】
磁界発生器(122)は患者頭部周辺で電磁界を発生させるように操作可能である。特に、磁界発生器(122)は、フレーム(120)に近接する領域内に異なる周波数の交流磁界を伝達するように操作される。それにより、磁界発生器(122)は、患者内の副鼻腔及び患者頭部内の他の位置に挿入されるナビゲーションガイドワイヤ(130)の位置の追跡を可能にする。磁界発生器(122)が形成及び駆動するために使用されてもよい様々な好適な構成部品は、本明細書における教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0036】
ナビゲーションガイドワイヤ(130)は、上述のガイドワイヤ(30)の代替品として使用されてもよく、磁界発生装置(122)により発生した磁界内の動きに反応するセンサ(図示せず)を含んでもよい。特に、ナビゲーションガイドワイヤ(130)のセンサにより発生された信号は、プロセッサ(110)により処理され、患者内のナビゲーションガイドワイヤ(130)の3次元位置を決定することができる。センサが取り得る様々な好適な形状は、本発明の教示を考慮することにより、特に、IGSナビゲーションシステム(100)の観点から本明細書に引用される数々の参照を考慮することにより、当業者には明らかとなろう。拡張器具アセンブリ(10)のガイドワイヤ(30)の代用品として使用される場合、ナビゲーションガイドワイヤ(130)は、副鼻腔口を拡張する、又は何らかの他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉などの中)を拡張する処置の実行中、患者内の拡張器具アセンブリ(10)の器具のナビゲーションを容易にすることができることが理解されよう。拡張器具アセンブリ(10)の他の構成要素は、これに限定されないが、以下に記載の例示的な別の拡張カテーテル(200)を含むナビゲーションガイドワイヤ(130)のセンサなどのセンサを組み込んでもよいことが、理解されよう。
【0037】
本実施例のIGSナビゲーションシステム(100)は、磁界発生器(122)及びIGSナビゲーションシステム(100)の他の構成要素を制御するプロセッサ(110)を更に備える。プロセッサ(110)は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニットを備える。本実施例のプロセッサ(110)は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む操作制御部(112)を備えるコンソール(116)内に装着されている。医師は、手術処置を実行しながら操作制御部(112)を使用してプロセッサ(110)と交信する。
【0038】
コンソール(116)はまた、システム(100)の他の構成要素と接続する。例えば、図2に示されるように、連結ユニット(132)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の近位端に固定されている。本実施例の連結ユニット(132)は、コンソール(116)とナビゲーションガイドワイヤ(130)との間でデータ及び他の信号の無線通信を提供するように構成されている。いくつかの変形形態において、連結ユニット(132)は、データ又は他の信号を単にナビゲーションガイドワイヤ(130)からコンソール(116)へ一方向に通信し、データ又は他の信号をコンソール(116)からも通信することはない。いくつかの他の変形形態において、連結ユニット(132)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)とコンソール(116)との間のデータ又は他の信号の双方向通信を提供する。本実施例の連結ユニット(132)は、無線でコンソール(116)と連結し、いくつかの他の変形形態は、連結ユニット(132)とコンソール(116)との間の有線の連結を提供してもよい。連結ユニット(132)に組み込まれてもよい、様々な他の好適な機構及び機能は、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなろう。
【0039】
プロセッサ(110)は、プロセッサ(110)のメモリに格納されたソフトウェアを使用して、システム(100)を較正及び操作する。このような操作は、磁界発生器(122)の駆動、ナビゲーションガイドワイヤ(130)からのデータ処理、操作制御部(112)からのデータ処理、及びディスプレイ画面(114)の駆動を含む。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して、電子的形態でプロセッサ(110)にダウンロードされてもよいか、又は別の若しくはそれに加えて、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的な有形媒体上に提供及び/又は格納されてもよい。
【0040】
コンピュータ(110)は更に、ディスプレイ画面(114)を介してビデオをリアルタイムで提供するように操作可能であり、患者頭部のビデオカメラ画像、患者頭部のCTスキャン画像、並びに/又は患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造のコンピュータ作成3次元モデルに関連して、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端の位置を示す。ディスプレイ画面(114)は、このような画像を同時に及び/又は互いに重ね合わせて表示することができる。更に、ディスプレイ画面(114)は、手術処置中にこのような画像を表示することができる。このように表示された画像はまた、操作者がリアルタイムに器具の実際の位置での器具のビジュアルレンダリングを見ることができるように、患者頭部に挿入されたナビゲーションガイドワイヤ(130)などの器具のグラフィック表示を含んでもよい。このようなグラフィック表示は、実際の器具のように見えることができるか、又はドット、クロスヘアなどのより単純な表示であってもよい。あくまで一例として、ディスプレイ画面(114)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により、画像を提供してもよい。操作者が内視鏡も使用する場合、内視鏡画像もディスプレイ画面(114)に提供されてもよい。ディスプレイ画面(114)を介して提供された画像は、操作者が患者頭部内の器具の操縦、及び又は操作の誘導を助長することができる。
【0041】
本実施例において、ナビゲーションガイドワイヤ(130)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端に1つ又は2つ以上のコイルを含む。このようなコイルは上述のようなセンサとして機能する。このようなコイルが磁界発生器(122)により発生された電磁界内に位置決めされる場合、その磁界内でのコイルの動きがコイル内に電流を発生させることができ、この電流はナビゲーションガイドワイヤ(130)内の電線導管に沿って、更に連結ユニット(132)を介してプロセッサ(110)へ伝達されることができる。この現象によって、画像ナビゲーションシステム(00)は3次元空間内のナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端の位置を決定することを可能にすることができるが、これについてはより詳細に後述する。特に、プロセッサ(110)は、ナビゲーションガイドワイヤ(130)の遠位端の位置座標をナビゲーションガイドワイヤ(130)内のコイルの位置関係信号から計算するアルゴリズムを実行する。
【0042】
一部の症例においては、ナビゲーションガイドワイヤ(130)を使用して、患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造の3次元モデルを生成することを、患者の鼻腔内の拡張カテーテルシステム(100)に対するナビゲーションをもたらすために用いることに加えて行う。あるいは、任意の他の好適なデバイスを使用して患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造の3次元モデルを生成することを、ナビゲーションガイドワイヤ(130)を使用して患者の鼻腔内の拡張カテーテルシステム(100)に対するナビゲーションを提供する前に行ってもよい。あくまで一例として、この生体構造のモデルは、米国特許出願公開第2016/0310042号、発明の名称「System and Method to Map Structures of Nasal Cavity」(2016年10月27日公開)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部により生成されてもよい。患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造の3次元モデルが生成されることができる更に他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造の3次元モデルを生成する方法又は場所には関係なく、モデルは、コンソール(116)に格納されてもよいことが理解されよう。したがって、コンソール(116)は、モデルの画像の少なくとも一部を、ディスプレイ画面(114)を介してレンダリングしてもよく、更にモデルに関係するナビゲーションガイドワイヤ(130)の位置のリアルタイムビデオ画像を、ディスプレイ画面(114)を介してレンダリングしてもよい。
【0043】
III.ナビゲーションシステム構成要素のための例示的な支持アセンブリ
これらに限定されないが、患者の耳、鼻又は喉へ実行される医療処置(本明細書において「ENT処置」と称される)を含むいくつかの医療処置は、患者が椅子により支持されている間に実行されることができる。図2図3に示されるように、IGSナビゲーションシステム(100)の補助を伴ってENT処置が実行される場合、患者頭部周辺に磁界発生器(122)の配列を位置決めする必要がある場合がある。上述の実施例において、磁界発生器(122)は、患者頭部に装着された枠(120)に装着されている。磁界発生器(122)は、患者頭部へ装着されない支持構造上に位置決めすることがむしろ望ましい場合がある。例えば、患者が椅子に着座している場合、磁界発生器(122)は、患者頭部により支持されるよりも椅子の構造により支持されることが望ましい場合がある。
【0044】
特にENT処置に使用されるために設計されたものを含む従来の医療処置椅子は、椅子のヘッドレストに数種の金属構成要素を含んでいてもよい。このようなヘッドレストは、磁界発生器(122)に適切な構造的な支持を提供することができる一方で、金属構成要素が磁界発生器(122)に近すぎる場合、このようなヘッドレスト(及び/又は椅子内のその他)の金属構造部品は、IGSナビゲーションシステム(100)の機能性又は正確性に影響する場合がある。したがって、椅子の金属機構がIGSナビゲーションシステム(100)の機能性又は正確性を弱めるリスクを回避しながら、椅子に依存して磁界発生器(122)を構造的に支持することが望ましい場合がある。更に、上述の支持機能を得るために消費者が新規の椅子一脚全てを購入する必要のないように、従来の医療処置椅子に容易に後付けされることができる磁界発生器(122)支持アセンブリを提供することが望ましい場合がある。支持アセンブリが従来の医療処置椅子に後付けされた場合の変形形態において、スクリュドライバなどの道具の使用を必要としないそのような後付けを操作者が完了することを可能にすることが望ましい場合がある。
【0045】
次の実施例は、支持アセンブリに関し、その支持アセンブリは、従来の医療処置椅子に後付けされ、(患者頭部よりも)椅子自身に依存し、椅子の任意の金属構成要素がIGSナビゲーションシステム(100)の機能性又は正確性に影響するリスクがなく、かつ後付けを完了するために別の道具の使用を必要とせずに、磁界発生器(122)などのIGSナビゲーションシステム(100)構成要素を構造的に支持することができる。
【0046】
図4は、ナビゲーションシステム構成要素(250)を支持する支持アセンブリ(240)を図によって表した、例示的なENT処置椅子(200)を示す。本実施例の椅子(200)は、基部(202)、下部支持体(204)、背もたれ(206)、ヘッドレスト(208)及び一組のアームレスト(210)を含む。背もたれ(206)は、前面(207)を含み、下部支持体(204)に対して枢動するように構成され、患者を様々なリクライニング角度に位置決めすることを可能にする。本実施例の支持アセンブリ(240)は、通常楔字型をしており、支持アセンブリ(240)の上方部分が前面(207)により画定された垂直面から一定の距離(d)へ延在した状態で、背もたれ(206)の前面(207)と係合するように構成されている。あくまで一例として、距離(d)は、約100mmであってもよい。固定部材(242)は、支持アセンブリ(240)を背もたれ(206)に固定する。支持アセンブリ(240)は、下部支持体(204)の上に一定の高さ(h)でナビゲーションシステム構成要素(250)を支持するように構成されている。本実施例のナビゲーションシステム構成要素(250)は、上述の磁界発生器(122)のような複数の磁界発生器、及びこのような磁界発生器を支持する構造体を含む。
【0047】
A.第1の例示的な支持アセンブリ
図5図6は、支持アセンブリ(240)が取り得る例示的な形態を示す。特に、図5図6は、楔字型本体(302)を含み、背もたれ(206)の前面(207)にある、例示的な支持アセンブリ(300)を示す。本体(302)は、患者が下部支持体(204)に着座している場合、患者の背中をもたれかけてもよい前面(303)を含む。前面(303)の上方部分は、前面(207)により画定された垂直面から距離(d)に延在する。支持柱体(304)は、本体(302)から上向きに延在する。ヘッドレスト支持枠(306)は、支持柱体(304)に固定されている。いくつかの変形形態において、ヘッドレスト支持枠(306)の垂直位置は、支持柱体(304)の高さの少なくとも一部に沿って調節可能である。それに加えて、又は代わりに、ヘッドレスト支持枠(306)は、(例えば、図5図6の頁に沿って左右に延在する寸法に沿って)支持柱体(304)に対して横方向に調節可能であってもよい。ヘッドレスト(308)は、ヘッドレスト支持枠(306)に固定され、患者が下部支持体(204)に着座している場合患者頭部を支持するように位置決めされる。
【0048】
図5に示される実施例において、ヘッドレスト(308)は、本体(302)の前面(303)により画定された垂直面から距離(d)に位置決めされた前面(309)を有する。あくまで一例として、距離(d2)は、約150mmであってもよい。図6に示される実施例において、ナビゲーションシステム構成要素(250)は、ヘッドレスト(308)に装着され、ヘッドレスト(308)の前面(309)は、本体(302)の前面(303)により画定された垂直面から距離(d)に位置決めされている。あくまで一例として、距離(d)は、約50mmであってもよい。
【0049】
B.第2の例示的な支持アセンブリ
図7図15は、支持アセンブリ(240)が取り得る例示的な別の形態を示す。特に、図7図15は、別の例示的なENT処置椅子(400)に装着された例示的な支持アセンブリ(500)を示す。本実施例の椅子(400)は、基部(402)、下部支持体(404)、背もたれ(406)、一組のアームレスト(410)、及びフットレスト(412)を含む。この特定の実施例において、椅子(400)はヘッドレストが欠如している。ある場面において、椅子(400)のヘッドレストは、取り外されて、支持アセンブリ(500)に収容されてもよい。背もたれ(406)は、様々なリクライニング角度を達成するために下部支持体(404)に対して枢動するように構成されている。
【0050】
本実施例の支持アセンブリ(500)は、背もたれ(406)の前面(図示せず)に対向して置かれるように構成された楔字型本体(501)を含む。柱体(540)は、本体(501)から上向きに延在し、筐体(510)を支持している。枠(504)は、筐体(510)の前面に固定されている。枠(504)は、通常、本実施例においては蹄鉄のような形状であり、複数の一体型の磁界発生器(506)を含む。本実施例の磁界発生器(506)は、まさに上述の磁界発生器(122)のように構成され操作可能である。一組の固定機構(508)は、筐体(510)に固定されたプレート(516)(図14で最も良く理解される)へ枠(504)を固定している。ヘッドレスト(542)は、プレート(516)の前面に固定されている。図7に示されるように、ヘッドレスト(542)は、患者(P)が下部支持体(404)に着座する間、患者(P)の頭部(H)を支持するように構成されている。また、図7にも示されるように、枠(504)は、枠(504)が患者(P)の頭部(H)に接触せずに、患者(P)の頭部(H)周辺に通常蹄鉄形状の配置で磁界発生器(506)を保持するように構成されている。
【0051】
図9図11及び図14に最もよく理解されるように、プレート(516)は、プレートを通り延在するケーブル(514)とともにハンドル(512)を画定する。ケーブル(514)は、磁界発生器(506)と連通し、それにより磁界発生器(506)とIGSナビゲーションシステム(100)のプロセッサ(110)との間の通信のための導管を提供する。ハンドル(512)は、操作者により把持され、プレート512(並びにしたがって、枠(504)、磁界発生器(506)、及びヘッドレスト(542))を柱体(540)に対して位置決めするように構成されている。ノブ(541)は、プレート512(並びにしたがって、枠(504)、磁界発生器(506)及びヘッドレスト(542))の柱体(540)に対する垂直位置を選択的に係止及び係止解除するように回転されてもよい。あくまで一例として、プレート(512)(並びにしたがって、枠(504)、磁界発生器(506)及びヘッドレスト(542))の柱体(540)に対する垂直位置は、約15cm又は20cmの間で延在する動きの範囲に沿って調整可能であってもよい。
【0052】
一組のノブ(511)は、プレート(512)(並びにしたがって枠(504)の、磁界発生器(506)の及びヘッドレスト(542)の)柱体(540)に対する横方向位置(すなわち、前後)を選択的に係止及び係止解除するように回転されてもよい。あくまで一例として、枠(504)の背面が本体(501)の前面から少なくとも約15cmにあるように、操作者が、ノブ(511)により、プレート(512)(並びにしたがって、枠(504)、磁界発生器(506)及びヘッドレスト(542))の前後の位置を調節することを可能にしてもよい。あくまで一例として、プレート(512)(並びにしたがって、枠(504)、磁界発生器(506)及びヘッドレスト(542))の前後の位置が、枠(504)の背面が背もたれ(406)の前面から約15cmにある最後方位置と、枠(504)の背面が背もたれ(406)の前面から約25cmにある最前方位置との間に、調節可能であってもよい。
【0053】
本実施例の椅子(400)は、一体型ヘッドレストが欠如しているが、支持アセンブリ(500)が依然として一体型ヘッドレストを有する椅子とともに使用される場面でさえ、ノブ(511、541)が依然として容易にアクセス可能であるように、ノブ(511、541)は位置決めされてもよい。
【0054】
本実施例の支持アセンブリ(500)は、本体(501)の背面プレート(522)から横方向に延在する1セットの装着タブ(520)を更に含む。図15で最も良く理解されるように、各装着タブ(520)はストラップ(530)を受容するように構成されたスロットセット(524)を含む。図10図12で最も良く理解されるように、ストラップ(530)は、支持アセンブリ(500)を椅子(400)の背もたれ(406)へ固定するように構成されている。ストラップ(530)は、操作者により、背もたれ(406)の後方周囲にストラップ(530)を固定し、ストラップ(530)に張力をもたらし、それにより支持アセンブリ(500)を背もたれ(406)にしっかりと固定することを可能にする、ラッチ、バックル、及び/又は、任意の他の好適な機構を含んでもよい。支持アセンブリ(500)を背もたれ(406)に容易に固定すること、及び背もたれ(406)から支持アセンブリ(500)を取り外すことを可能にするストラップ(530)を加えてもよい様々な機構は、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0055】
背もたれ(406)へ支持アセンブリ(500)を固定するためにストラップ(530)を使用することで、ストラップ(530)が支持アセンブリ(500)の異なる種類の椅子へ後付けされる機能を向上することができるように、異なる幅及び厚みを有する様々な種類の背もたれへの支持アセンブリ(500)の固定を容易にすることができることを、当業者は認識するであろう。更に、ストラップ(530)は、操作者による異なる道具(たとえばレンチ、スクリュドライバなど)の使用を必要とせずに、操作者が椅子(400)などの椅子へ支持アセンブリ(500)を固定することを可能にする。加えて、支持アセンブリ(500)の追加により椅子(400)が破損しないように、ストラップ(530)は、背もたれ(406)を破損しない。これにより、椅子(400)は、支持アセンブリ(500)が取り外された後に続く処置に容易に使用されることが可能になる。
【0056】
C.第3の例示的な支持アセンブリ
図16図18は、従来の椅子(200)の背もたれ(206)及びヘッドレスト(208)と係合するように構成された簡易な発泡材パッドで形成された、例示的な別の支持アセンブリ(600)を示す。示されるように、支持アセンブリ(600)は、背面(604)及び前面(606)を有する楔型である。背面(604)は、背もたれ(206)の前面(207)と係合するよう位置決めされ、一方前面(606)は椅子(200)に着座している患者の背中及び頭部が接触するよう位置決めされる。支持アセンブリ(600)は、枠(504)の叉を受容するように構成された一組の溝(602)を画定する。枠(504)が溝(602)に挿入される場合、枠(504)の叉の磁界発生器(506)は支持アセンブリ(600)の本体内に埋め込まれ、一方、最上部の磁界発生器(506)は支持アセンブリ(600)の本体に対して露出している。このような構造により、操作者は、比較的容易に支持アセンブリ(600)の内外に枠(504)を挿入及び取り外しすることができる。
【0057】
図18において最も良く理解されるように、前面(606)は、平面(P)に沿って延在している。溝(602)は、別の平面(P)に沿って枠(504)を指向するように構成されている。本実施例において、支持アセンブリ(600)は、平面(P)が平面(P)と平行になるように構成されている。平面(P、P)はまた、支持アセンブリ(600)にある患者頭部の冠状面とほぼ平行であってもよいことが理解されよう。
【0058】
本実施例において、支持アセンブリ(600)を形成する発泡材は、材料が磁界発生器(506)により発生する電磁界に顕著な悪影響を及ぼさないように構成されている。支持アセンブリ(600)の形成に使用されてもよい様々な好適な材料は、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなろう。
【0059】
図16に示されるように、本実施例の支持アセンブリ(600)は、椅子(200)の下部支持体(204)まで下に続いて延在している。いくつかの他の変形形態において、支持アセンブリ(600)は、ヘッドレスト(208)の垂直高さに沿ってのみ延在する。別の場合において、背もたれ(206)及び/又はヘッドレスト(208)に対して支持アセンブリ(600)を取り外し可能に固定するために、ストラップ及び/又は他の機構が使用されてもよい。
【0060】
D.第4の例示的な支持アセンブリ
図20図22は、本体(702)、及び従来の椅子(200)のヘッドレスト(208)に本体(702)が取り外し可能に固定されることを可能にする連結アセンブリ(704)を備える、別の例示的な代替的支持アセンブリ(700)を示す。このように支持アセンブリ(700)は、椅子(200)に着座する患者が頭部を支持アセンブリ(700)に置くように構成されている。
【0061】
いくつかの変形形態において、枠(504)は、本体(702)内に完全に埋め込まれている。本体(702)は、発泡材及び枠(504)を収容する柔軟な布地材料又は他種の材料により包まれる発泡材を含んでもよい。本体(702)はまた、硬質な裏打ちプレート及び/又は他の構成要素も含み、支持アセンブリ(700)に更なる構造的な一体化をもたらす。本体(702)及び枠(504)を包む本体(702)材料は、磁界発生器(506)により発生する電磁界に悪影響を及ぼさない材料で形成されてもよい。使用されてもよい様々な好適な材料が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。いくつかの変形形態において、本体(702)は、1つ又は2つ以上の空気ポケットを画定し、患者の頭部にクッション性を提供する。このような空気ポケット又は複数の空気ポケットは、発泡材に加え、又は代わりに使用されてもよい。
【0062】
本実施例の連結アセンブリ(704)は、椅子(200)へ本体(702)を取り外し可能に固定するように操作可能な少なくとも1つのストラップを備える。いくつかの他の変形形態において、連結アセンブリ(704)は、椅子(200)に本体(702)を取り外し可能に固定するためのクランプ及び/又は他の機構を備える。加えて、又は代わりに、支持アセンブリ(700)は、支持アセンブリ(700)がヘッドレスト(208)上を単純に摺動することができるように、ヘッドレスト(208)を挿入して受容するように構成されたポケットを画定してもよい。連結アセンブリ(704)がヘッドレスト(208)に取り外し可能に固定されてもよい他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0063】
E.第5の例示的な支持アセンブリ
図23図25は、椅子(200)のような椅子に連結されることができる別の例示的な支持アセンブリの構成要素(800、900、1000)を示す。このアセンブリは、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)(図23)、ヘッドレストアセンブリ(900)(図24)、及び背もたれアセンブリ(1000)(図25)を含む。より詳細に後述するように、ヘッドレストアセンブリ(900)は、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)に固定されるように構成され、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)は、背もたれアセンブリ(1000)に固定されるように構成されている。より詳細に後述するように、背もたれアセンブリ(1000)は、従来の椅子(200)の背もたれ(206)に固定されるように構成されている。いくつかの変形形態において、ヘッドレスト支持アセンブリ(900)は、椅子(200)のヘッドレスト(208)に固定されるように構成されている。
【0064】
図23及び図26図29Bに示されるように、本実施例のヘッドレスト支持アセンブリ(800)は、下方開口部(804)及び上方開口部(806)を画定する本体(802)を備える。解放ボタン(808)は、本体(802)から近位に突出し、本体(802)に対して遠位に押下されるように構成されている。ハンドル(810)もまた本体(802)から近位に突出し、本体(802)に対して及びハンドル(810)に対して近位に引かれるように構成された、係止部材(812)を部分的に収容する。より詳細に後述するように、本実施例のヘッドレスト支持アセンブリ(800)は、係止部材(812)が近位に引かれることを可能にするために解放ボタン(808)が遠位に押下げられなければならないように構成されている。
【0065】
本実施例のヘッドレスト支持アセンブリ(800)は、ヘッドレスト係止ノブ(820)及び対応するピン(822)を更に含み、その両方は、より詳細に後述するように、本体(802)に対して並進するように構成されている。ヘッドレストアセンブリ(800)は、一組のフレンチクリート掛止機構(832)を画定する遠位プレート(830)を更に含む。より詳細に後述するように、フレンチクリート掛止機構(832)は、ヘッドレストアセンブリ(900)の相補的なフレンチクリート掛止機構(912)と嵌合するよう構成され、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)がヘッドレストアセンブリ(900)に構造的な支持を提供することを可能にする。
【0066】
図27図28に示されるように、支持トラック(1100)は開口部(804、806)を通して挿入され、支持トラック(1100)と本体(802)との間に摺動可能な係合をもたらす。支持トラック(1100)は、近位に突出する歯(1110)の配列を含む。図28に示されるように、係止部材(812)は、遠位存在する歯止め機構(814)を含む。歯止め機構(814)は、歯(1110)を係合するように構成され、それにより支持トラック(1100)の長さに沿ってヘッドレスト支持アセンブリ(800)の長手方向位置を固定する。本実施例において、歯止め機構(814)及び歯(1110)は、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が支持トラック(1100)に沿って上向きに摺動するとき、歯止め機構(814)を歯(1110)に沿って段階的に移動させることを可能にする、相補的な角度を有する面を含むが、これらの角度を有する面は、係止部材(812)が近位位置に並進しない限り、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が支持トラック(1100)に沿って下向きに摺動することを防止する。上述の通り、係止部材(812)が近位位置に並進されることを可能にするために、解放ボタン(808)は遠位に押下げられなければならないように、係止部材(8120)が解放ボタン(808)と連結される。本実施例において、係止部材(812)は、遠位方向に向かって係止位置で弾力的に付勢され、一方解放ボタン(808)は、近位方向に向かって係止位置で弾力的に付勢される。開放ボタン(808)が係止部材(812)と連結されることができる様々な好適な手段は、本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなろう。
【0067】
より詳細に後述するように、支持トラック(1100)がヘッドレスト支持アセンブリ(800)を背もたれアセンブリ(1000)と連結するように、支持トラック(1100)は、背もたれアセンブリ(1000)から上向きに延在している。場合によっては、操作者は、(例えば異なる高さの患者を収容するために)背もたれアセンブリ(1000)に対してヘッドレスト支持アセンブリ(800)の垂直高さを調節したい場合がある。このような調節を行うために、操作者は解放ボタン(808)を遠位に押し下げ、次に係止部材(812)を近位に引き、歯(1110)から歯止め機構(814)を解除してもよい。解放ボタン(808)及び係止部材(812)をそのように作動した状態で、次に操作者は、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が所望の位置に到達するまで、支持トラック(1100)に沿ってヘッドレスト支持アセンブリ(800)を摺動してもよい。次に操作者は、係止部材(812)を解放し、歯(1110)を用いて歯止め機構(814)を再度係合し、支持トラック(1100)に沿ってヘッドレスト支持アセンブリ(800)の垂直位置を固定し、次に解放ボタン(808)を解放し、係止部材(812)の位置を固定する。操作者が、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)を支持トラック(1100)に沿って上向きに移動したいのみの場合、操作者は、係止部材(812)を近位に引く必要なく、単純にハンドル(810)を把持し、それによりヘッドレスト支持アセンブリ(800)を支持トラック(1100)に沿って上向きに移動することができる。このような場合において、操作者は、また解放ボタン(808)を遠位に押し下げなければならない。ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が上向きに移動されるとき、歯止め機構(814)は、(1110)に沿って段階的に移動されてもよい。
【0068】
図29A図29Bに示されるように、係止ノブ(820)及びピン(822)は、遠位位置(図29A)と近位位置(図29B)との間で本体(802)に対して並進するように構成されている。本実施例において、係止ノブ(820)及びピン(822)は、(例えば、コイルばねなどにより)遠位位置に向かい弾力的に付勢される。ピン(822)が遠位位置にある場合、ピン(822)は、より詳細に後述するヘッドレストアセンブリ(900)のピン開口部(914)に受容されるように位置決めされる。ピン(822)がピン開口部(914)に位置決めされる場合、それによりヘッドレストアセンブリ(900)はヘッドレスト支持アセンブリ(800)に固定されている。ピン(822)が近位位置にある場合、ピン(822)は、ピン開口部(914)にはすでに配置されておらず、ヘッドレストアセンブリ(900)はヘッドレスト支持アセンブリ(800)から取り外されることができる。加えて、ヘッドレストアセンブリ(900)が最初にヘッドレスト支持アセンブリ(800)に固定されるときに、ピン(822)は、近位位置に保持されてもよい。
【0069】
本実施例において、係止ノブ(820)の位置決めにより、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が、支持トラック(1100)の上端部(1102)が係止ノブ(820)の下端よりも効果的に低い支持トラック(1100)に沿った最大の高さにある場合のみ、係止ノブ(820)は近位位置(図29B)へ格納されてもよい。ヘッドレスト支持アセンブリ(800)が支持トラック(1100)に沿った最大の高さよりも下方の位置にある場合、支持トラック(1100)は、係止ノブ(820)を物理的に遮ることにより、係止ノブ(820)が近位位置へ並進することを防止するであろう。いくつかの別の変形形態において、ヘッドレストアセンブリ(900)とヘッドレスト支持アセンブリ(800)との間の係止係合をもたらす機構は、支持トラック(1100)に沿ったヘッドレスト支持アセンブリ(800)の垂直位置により影響を受けない。
【0070】
図24及び図30図33に示されるように、本実施例のヘッドレストアセンブリ(900)は、肩クッション(902)、頭部クッション(904)、硬質本体(906)、硬質背面プレート(910)、及び中間プレート(940)を備える。クッション(902、904)は、患者の肩及び頭部に衝撃を和らげた支持をもたらすよう構成されている。中間プレート(940)は、本体(906)と背面プレート(910)との間に置かれている。様々な構成要素が、フレンチクリート掛止機構(912)、バンパー(920、922)及びストラップ支持アセンブリ(930)を含む様々な構成要素が、中間プレート(940)にしっかりと装着されている。背面プレート(910)は、これらの構成要素(912、920、922、930)が背面プレート(910)に対して近位に突出することを可能にする開口部を含む。図30図31に最もよく理解されるように、ピン開口部(914)は、上方フレンチクリート掛止機構(912)の上に配置されている。本実施例において、ヘッドレストアセンブリ(900)をヘッドレスト支持アセンブリ(800)へ固定するために、操作者は、係止ノブ(820)を近位位置(図29B)に保持し、フレンチクリート掛止機構(912)をフレンチクリート掛止機構(832)と係合し、次に、係止ノブ(820)を解放し、ピン(822)をピン開口部(914)に入れることを可能にしてもよい。フレンチクリート掛止機構(832、912)の間、及びピン(822)とピン開口部(914)との間の連係により、ヘッドレストアセンブリ(900)をヘッドレスト支持アセンブリ(800)へ固定する。
【0071】
図32に示すように、本実施例の本体(906)は、複数のボビン穴(bobbin recesses)(952)を画定する。本実施例において、本体(906)は、枠(504)及び磁界発生器(506)の構造に対応する楔型の弧に沿った、5つのボビン穴(952)を画定する。複数の正方形のボビン(950)は、各穴(952)がそれぞれのボビン(950)を収容するように、ボビン穴(952)に配置されている。対応するセットの保持具(960)は、本体(906)に固定され、それにより穴(952)にボビン(950)を保持する。各ボビン(950)は、ボビン(950)周囲を包む1つ又は2つ以上のワイヤ(図示せず)を有し、コイル構造を形成する。これらのワイヤは、ブッシング(972)を通り供給され、ブッシングは本体(906)の構造的なウェブ(970)に配置されている。ワイヤは張力緩和アセンブリ(980)を介し、最終的に本体(906)から出る。ワイヤは、IGSナビゲーションシステム(100)に連結されてもよい。ワイヤで包まれた各ボビン(950)は、まさに上述の磁界発生器(122、506)のような磁界発生器としてこれは機能してもよい。
【0072】
各ストラップ支持アセンブリ(930)は、バンパー(932)、アンカー基部(934)、及びスイベルプレート(936)を備える。バンパー(932)及びアンカー基部(934)は、中間プレート(940)に固着されている。スイベルプレート(936)は、スイベルプレート(936)がアンカー基部(934)に対して回転するように操作可能であるように、アンカー基部(934)に枢動可能に連結される。より詳細に後述するように、スイベルプレート(936)は、ストラップアセンブリ(1200)に連結するよう構成され、ストラップアセンブリは、ヘッドレストアセンブリ(900)を椅子(200)のヘッドレスト(208)へ更に固定するために使用されてもよい。いくつかの変形例において、ヘッドレストアセンブリ(900)は、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)とも連結されることもなく、椅子(200)のヘッドレスト(208)に固定されている。換言すれば、ヘッドレストアセンブリ(900)がストラップアセンブリ(1200)及びストラップ支持アセンブリ(930)を介して椅子(200)のヘッドレスト(208)に直接固定される場合、ヘッドレスト支持アセンブリ(800)(及び背もたれアセンブリ(1000))は、省略されてもよい。いくつかの他の変形形態において、ストラップ支持アセンブリ(930)は、ヘッドレストアセンブリ(900)から省略される。
【0073】
図25及び図34図40に示されるように、本実施例の背もたれアセンブリ(1000)は、シェルアセンブリ(1002)、前方クッション(1004)、及び一組のアクチュエータ(1020)を備える。前方クッション(1004)は、患者の背中に接触するように位置決めされ、構成されている。シェルアセンブリ(1002)は、前方シェル(1006)及び背面シェル(1030)を備える。複数のストラップ支持アセンブリ(930)は、背面シェル(1030)の近位側面に固定されている。図34図35は、背面シェル(1030)の最上方のストラップ支持アセンブリ(930)の組のみのスイベルプレート(936)を示し、背面シェル(1030)の残りのストラップ支持アセンブリ(930)のアンカー基部(934)のみを示す。これらの更なるアンカー基部(934)もまたそこへ連結されたスイベルプレート(936)を有し得ることが理解されよう。
【0074】
図36に最もよく理解されるように、支持トラック(1100)は、背面シェル(1030)に形成された対応する穴に摺動可能に配置されている。図36は、支持トラック(1100)の上端部(1102)が背面シェル(1030)の上部近くにあり、支持トラック(1100)の下端部(1104)が背面シェル(1030)の下部近くにある、低い位置での支持トラック(1100)を示す。支持トラック(1100)が背面シェル(1030)に対して摺動することが依然として可能でありながら、保持プレート(1040)は背面シェル(1030)の上端近くで背面シェル(1030)に固定され、支持トラック(1100)を背面シェル(1030)に固定する。また図36でも理解されるように、支持トラック(1100)は、支持トラック(1100)の下端部(1104)近くに一組の側面ノッチ(1120)を確定する。
【0075】
図37A図37Bに最もよく理解されるように、アクチュエータ(1020)は、操作者の指を収容する大きさである輪の形状である。各アクチュエータ(1020)は、対応するアーム(1022)に連結され、次に係止ピン(1050)に枢動可能に連結されている。各係止ピン(1050)は、支持トラック(1100)の下端部(1104)近くで対応する側面ノッチ(1120)に適合するよう構成された自由端(1052)を有する。図37Aは、支持トラック(1100)の下端部(1104)が、背面シェル(1030)の上部近くにあり、係止ピン(1050)がこの上方位置に支持トラック(1100)を固定する、上方位置にある支持トラック(1100)を示す。場合によっては、図37Aに示された状態に到達後、操作者は、支持トラック(1100)を背もたれアセンブリ(1000)へ格納したい場合がある(例えば、輸送、収納、又は背もたれアセンブリの廃棄など)。支持トラック(1100)を背もたれアセンブリ(1000)へ格納するため、図37Bに示されるように、操作者は、アクチュエータ(1020)を互いに向かい内向きに(同時に)動かし、側面ノッチ(1020)から係止ピン(1050)を解除してもよい。係止ピン(1050)を側面ノッチ(1020)から解除した状態で、次に操作者は、支持トラック(1100)を下向きに背もたれアセンブリ(1000)へ動かしてもよい。いくつかの変形形態において、操作者が係止ピン(1050)をこれらの上方側面ノッチに位置決めし、背もたれアセンブリ(1000)に対して格納された位置に支持トラック(1100)を固定することができるように、支持トラック(1100)の上方部分はまた、側面ノッチを含む。
【0076】
本実施例において、一組のコイルばね(1054)は、支持トラック(1100)に向かい内向きに係止ピン(1050)を弾力的に動かす。したがって、コイルばね(1054)は、係止ピン(1050)を側面ノッチ(1020)と係合した状態に弾力的に動かすことができる。加えて、操作者がアクチュエータ(1020)を作動し支持トラック(1100)を背もたれアセンブリ(1000)へ格納する場合、コイルばね(1054)は、支持トラック(1100)の側端と係合した状態に自由端(1052)を動かし続け、支持トラック(1100)が背もたれアセンブリ(1000)へ自由落下するリスクを低減する摩擦をもたらすことができる。
【0077】
図38図40は、様々な例示的な位置にある背面シェル(1030)のストラップ支持アセンブリ(930)を示す。示されるように、スイベルプレート(936)は、ストラップアセンブリ(1200)のシートベルト(1202)を受容するような寸法に構成されたスロット(938)を含む。図41は、ストラップアセンブリ(1200)が取り得る例示的な形態を示す。本実施例において、ストラップアセンブリ(1200)は、バックル(1204)に固定されたシートベルト(1202)を備える。バックル(1204)は、シートベルト(1202)の一端をシートベルト(1202)の別の端部に対して解放可能に固定するように構成されている。ストラップアセンブリ(1200)はまた、操作者がストラップアセンブリ(1200)を効果的な長さに調節することを可能にする調節機構を含んでもよい。本明細書の教示を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろうように、ストラップアセンブリ(1200)は、任意の好適な種類の従来のストラップアセンブリを備えてもよい。上述の通り、スイベルプレート(936)は、アンカー基部(934)に対して枢動するように構成されている。図38は、ストラップアセンブリ(1200)を使用して、背もたれアセンブリ(1000)を一種の椅子(200)の背もたれ(206)へ固定するために好適であり得るスイベルプレート(936)の1つの例示的な角度方向を示す。図39は、ストラップアセンブリ(1200)を使用して、背もたれアセンブリ(1000)を別の種類の椅子(200)の背もたれ(206)へ固定するために好適であり得るスイベルプレート(936)の別の例示的な角度方向を示す。図40は、ストラップアセンブリ(1200)をスイベルプレート(936)へ固定する又はスイベルプレートから取り外すために好適であり得るスイベルプレート(936)の別の例示的な角度方向を示す。他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなろう。
【0078】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点においても提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない点が理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であることが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者に関与する継承者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも必須であるとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして見なされるべきではない。
【実施例
【0079】
(実施例1)
(a)本体であって、患者の背中と椅子の背もたれとの間に位置決めされるように構成された、本体と、(b)本体から上向きに延在する直立部材と、c)直立部材に装着された枠であって、患者頭部を部分的に囲むように構成された湾曲構成を有する、枠と、(d)枠により支持された複数の磁界発生要素であって、枠により部分的に囲まれた患者頭部の周辺に電磁界を発生させるように構成された、磁界構成要素と、を備える、装置。
【0080】
(実施例2)
本体が楔型を有する、実施例1に記載の装置。
【0081】
(実施例3)
楔型が、上方部分及び下方部分を有し、上方部分の厚みが下方部分の厚みより厚い、実施例2に記載の装置。
【0082】
(実施例4)
直立部材が、上方部分から上向きに延在する、実施例3に記載の装置。
【0083】
(実施例5)
直立部材が、長手方向軸を画定し、枠が、直立部材の長手方向軸に沿って移動可能である、実施例1~4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0084】
(実施例6)
直立部材が長手方向軸を画定し、枠が直立部材の長手方向軸に横断方向である寸法に沿って移動可能である、実施例1~5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0085】
(実施例7)
直立部材に固定されたヘッドレストを更に備え、ヘッドレストが、枠により部分的に囲まれた患者頭部を支持するように構成されている、実施例1~6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0086】
(実施例8)
本体に対して横手方向に延在する複数のタブを更に備える、実施例1~7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0087】
(実施例9)
タブが、ストラップを受容するように構成された複数のスロットを含む、実施例8に記載の装置。
【0088】
(実施例10)
本体、直立部材、及び枠が、非金属材料からなる、実施例1~9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0089】
(実施例11)
椅子を更に備え、椅子が、下部支持体及び背もたれを備え、本体が、下部支持体上に位置決めされ、本体が背もたれに係合する、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0090】
(実施例12)
背もたれに本体を固定する少なくとも1つのストラップを更に備える、実施例11に記載の装置。
【0091】
(実施例13)
枠が、直立部材に対して前後に移動可能である、実施例11~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0092】
(実施例14)
枠は、枠の背面が背もたれの前面の前面から約15cmにある最後方位置を含む移動範囲に沿って、直立部材に対して前後に移動可能である、実施例13に記載の装置。
【0093】
(実施例15)
枠は、枠の背面が背もたれの前面の前面から約25cmにある最前方位置を含む移動範囲に沿って、直立部材に対して前後に移動可能である、実施例13~14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0094】
(実施例16)
画像誘導手術ナビゲーションシステムを更に備え、磁界発生要素が画像誘導手術ナビゲーションシステムに連結されている、実施例1~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0095】
(実施例17)
(a)椅子の下部支持体上の椅子の背もたれに支持アセンブリの本体を位置決めすることであって、支持アセンブリが、(i)本体から上向きに延在する直立部材と、直立部材に装着された枠であって、枠が患者頭部を部分的に囲むように構成された湾曲構成を有する、直立部材と枠と、(ii)枠により支持された複数の磁界発生要素と、を更に含み、磁界発生要素が、枠により部分的に囲まれた患者頭部の周辺に電磁界を発生させるように構成されている、位置決めすることと、(b)椅子の背もたれに支持アセンブリの本体を固定することと、を含む、方法。
【0096】
(実施例18)
固定する行為が、椅子の背もたれにストラップを固定し、それにより椅子の背もたれに支持アセンブリの本体を固定することを含む、実施例17に記載の方法。
【0097】
(実施例19)
(a)患者の背中が本体に接触し、枠が患者頭部を部分的に囲むように、椅子に患者を位置決めすることと、
(b)磁界発生要素を起動し患者頭部の周辺に電磁界を発生させることと、を更に含む、実施例17~18のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【0098】
(実施例20)
(a)患者頭部内の医療機器の位置決めを表示するナビゲーション画面を見ることであって、位置決めの表示が、電磁界を使用して生成されるデータに基づく、見ることと、
(b)患者頭部内で医療機器を用いて手術を実行することと、を更に含む、実施例19に記載の方法。
【0099】
V.その他
いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ(200、300)の長さの少なくとも一部(例えば約18センチメートル(約7インチ))は、1つ又は2つ以上の材料でコートされる。あくまで一例として、ガイドワイヤ(200、300)の長さの少なくとも一部は、シリコーンでコートされてもよい。ガイドワイヤ(200、300)のコーティングとして使用されてもよい他の好適な材料は、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0100】
いくつかの変形形態において、ガイドワイヤ(200、300)の遠位部分(204、304)は、事前形成された湾曲部を含んでもよい。あくまで一例として、このような事前形成された湾曲部は、米国特許仮出願第62/453,220号、発明の名称「Navigation Guidewire with Interlocked Coils」(2017年2月1日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部により及び/又は本明細書に引用される様々な他の特許参考文献の教示により提供されてもよい。
【0101】
いくつかの変形形態において、支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)の各変形形態は、全体的に非金属材料で形成される。加えて、支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)を形成するために使用される材料は、消毒剤が支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)を形成する材料にダメージを与えないように、消毒液を用い、支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)が容易に洗浄されることを可能にするように構成されてもよい。患者の皮膚と長時間接触することに成り得る支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)のいずれかの部分を形成するために使用される材料はまた、生体適合性であり、細胞毒性、感作、及び刺激性試験に適合する場合がある。上述の基準の少なくともいくつかに適合する支持アセンブリ(240、300、500、600、700、800、900、1000)を形成するために使用されてもよい様々な好適な材料は、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかとなろう。
【0102】
あくまで更なる一例として、枠(504)及び磁界発生器(506)を含まない支持アセンブリ(240、300、500)の全重量は、約50kg未満であり得る。支持アセンブリ(240、300、500)はまた、十分な機械的な支持を提供するように構成され、椅子(200、400)及び支持アセンブリ(240、300、500)の組み合わせが、約150kgまでの重量の患者を支持することを可能にすることができる
椅子(200、400)が、本明細書に記載の実施例に提供されているが、本明細書の教示は、これらに限定されないが、ENT処置への使用のために設計された様々な他種の椅子を含む、様々な他種の椅子と組み合わせて容易に使用されることができる。したがって、支持アセンブリ(240、300、500)は、椅子の様々な背もたれの幅及び他の構造的な変形例に対応することができる。
【0103】
本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得る点が理解されるべきである。あくまで例としてであるが、本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、参照によって本明細書に援用される様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。
【0104】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現要素、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮することにより、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0105】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるいかなる矛盾する記載にも優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0106】
本明細書に開示される装置の変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。いずれか又は両方の場合において、変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。詳細には、装置の変形形態は分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部品又は部材を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、装置の変形形態は、再調整用の施設において、又は外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0107】
あくまで例としてであるが、本明細書に記載の変形形態は手術に先立って処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意のその他の技術を用いて滅菌され得る。
【0108】
本発明の様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0109】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体であって、患者の背中と椅子の背もたれとの間に位置決めされるように構成された、本体と、
(b)前記本体から上向きに延在する直立部材と、
(c)前記直立部材に装着された枠であって、患者頭部を部分的に囲むように構成された湾曲構成を有する、枠と、
(d)前記枠により支持された複数の磁界発生要素であって、前記枠により部分的に囲まれた患者頭部の周辺に電磁界を発生させるように構成された、磁界構成要素と、を備える、装置。
(2) 前記本体が楔型を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記楔型が、上方部分及び下方部分を有し、前記上方部分の厚みが前記下方部分の厚みより厚い、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記直立部材が、前記上方部分から上向きに延在する、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記直立部材が、長手方向軸を画定し、前記枠が、前記直立部材の前記長手方向軸に沿って移動可能である、実施態様1に記載の装置。
【0110】
(6) 前記直立部材が長手方向軸を画定し、前記枠が前記直立部材の前記長手方向軸に横断方向である寸法に沿って移動可能である、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記直立部材に固定されたヘッドレストを更に備え、前記ヘッドレストが、前記枠により部分的に囲まれた患者頭部を支持するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記本体に対して横手方向に延在する複数のタブを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記タブが、ストラップを受容するように構成された複数のスロットを含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記本体、前記直立部材、及び前記枠が、非金属材料からなる、実施態様1に記載の装置。
【0111】
(11) 椅子を更に備え、前記椅子が、下部支持体及び背もたれを備え、前記本体が、前記下部支持体上に位置決めされ、前記本体が前記背もたれに係合する、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記背もたれに前記本体を固定する少なくとも1つのストラップを更に備える、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記枠が、前記直立部材に対して前後に移動可能である、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記枠は、前記枠の背面が前記背もたれの前面の前記前面から約15cmにある最後方位置を含む移動範囲に沿って、前記直立部材に対して前後に移動可能である、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記枠は、前記枠の背面が前記背もたれの前面の前記前面から約25cmにある最前方位置を含む移動範囲に沿って、前記直立部材に対して前後に移動可能である、実施態様13に記載の装置。
【0112】
(16) 画像誘導手術ナビゲーションシステムを更に備え、前記磁界発生要素が前記画像誘導手術ナビゲーションシステムに連結されている、実施態様1に記載の装置。
(17) (a)椅子の下部支持体上の前記椅子の背もたれに支持アセンブリの本体を位置決めすることであって、前記支持アセンブリが、
(i)前記本体から上向きに延在する直立部材と、前記直立部材に装着された枠であって、前記枠が患者頭部を部分的に囲むように構成された湾曲構成を有する、直立部材と枠と、
(ii)前記枠により支持された複数の磁界発生要素と、を更に含み、前記磁界発生要素が、前記枠により部分的に囲まれた患者頭部の周辺に電磁界を発生させるように構成されている、位置決めすることと、
(b)前記椅子の前記背もたれに前記支持アセンブリの前記本体を固定することと、を含む、方法。
(18) 前記固定する行為が、前記椅子の前記背もたれにストラップを固定し、それにより前記椅子の前記背もたれに前記支持アセンブリの前記本体を固定することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) (a)患者の背中が前記本体に接触し、前記枠が前記患者頭部を部分的に囲むように、前記椅子に前記患者を位置決めすることと、
(b)前記磁界発生要素を起動し前記患者頭部の周辺に電磁界を発生させることと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(20) (a)前記患者頭部内の医療機器の位置決めを表示するナビゲーション画面を見ることであって、前記位置決めの表示が、前記電磁界を使用して生成されるデータに基づく、見ることと、
(b)前記患者頭部内で前記医療機器を用いて手術を実行することと、を更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37A
図37B
図38
図39
図40
図41