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特許7195764クラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】クラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221219BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018089249
(22)【出願日】2018-05-07
(65)【公開番号】P2019197254
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】福田 智史
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-257784(JP,A)
【文献】特開2016-091075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0033669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目であって、成功率および累積支援額に関する項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、
前記記憶装置に記憶された項目情報のうち少なくとも前記成功率および累積支援額に基づいて、前記ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定部と、
前記決定部によって生成された前記ユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力部と
を備え、
前記決定部は、前記記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、前記複数の項目毎に順位を決定し、前記複数の項目の順位と、当該複数の項目に予め設定された重み付け係数とに基づいて、前記ランキングを決定してランキング情報を生成するクラウドファンディングシステム。
【請求項2】
前記成功率の重み付け係数は、前記累積支援額の重み付け係数よりも小さく設定されることを特徴とする請求項1に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項3】
前記重み付け係数は、前記第一のユーザによって設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項4】
前記クラウドファンディングシステムは、さらに、
前記第一のユーザにより操作される情報処理装置から前記ネットワークを介して送信された、前記複数の項目の中からの前記成功率および累積支援額を含む複数の項目の選択を受け付ける受付部を備え、
前記決定部は、前記受付部により受け付けられた選択に応じ、選択された項目の順位に基づいて、前記ランキング情報を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記項目情報として、さらに、前記ユーザに対して支援を行った支援ユーザの情報を前記記憶装置に記憶させ、
前記クラウドファンディングシステムは、さらに、
前記記憶装置に記憶された、前記第一のユーザが支援ユーザとして関連付けられたプロジェクトを起案したユーザを抽出する抽出部を備え、
前記出力部は、前記抽出部により抽出されたプロジェクトを起案したユーザのランキング情報を、前記第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記項目情報として、さらに、前記ユーザの前記プロジェクトへの寄与度合に関する情報を前記記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項7】
前記決定部は、前記寄与度合に基づいて、前記複数の項目毎に順位を決定し、
当該複数の項目の順位に基づいて、前記ランキング情報を生成することを特徴とする請求項6に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項8】
前記ユーザは、エンターテインメント作品のクリエータであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項9】
前記出力部は、
前記ユーザのランキング情報を、前記第一のユーザが前記ユーザを選択可能に出力し、かつ、
前記第一のユーザが前記ユーザを選択した場合、当該ユーザが起案したプロジェクトであって、支援を受付中のプロジェクトの内容を表示する表示画面の情報を出力することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項10】
前記記憶部は、前記項目情報として、さらに、前記ユーザの累計プロジェクト件数、平均支援額、累計支援者数、平均支援者数、および累計フォロワー数の少なくとも一つに関する情報を前記記憶装置に記憶させ、
前記決定部は、前記項目情報に基づいて、前記ユーザのランキング情報を生成することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報であって、成功率および累積支援額に関する項目を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された項目情報のうち少なくとも前記成功率および累積支援額に基づいて、前記ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて生成された前記ユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力ステップと
を実行させ、
前記決定ステップでは、前記記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、前記複数の項目毎に順位を決定し、前記複数の項目の順位と、当該複数の項目に予め設定された重み付け係数とに基づいて、前記ランキングを決定してランキング情報を生成する処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報であって、成功率および累積支援額に関する項目を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶機能と、
前記記憶装置に記憶された項目情報のうち少なくとも前記成功率および累積支援額に基づいて、前記ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定機能と、
前記決定機能によって生成された前記ユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力機能と
を実現させ、
前記決定機能は、前記記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、前記複数の項目毎に順位を決定し、前記複数の項目の順位と、当該複数の項目に予め設定された重み付け係数とに基づいて、前記ランキングを決定してランキング情報を生成するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、資金提供を検討するユーザが、支援の対象を容易に検討可能なクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドファンディングに関する技術開発が盛んに行われている。クラウドファンディングは、ウェブ上の決済機能等を利用してユーザから提供された比較的少額の資金を、資金調達を求めるユーザに提供するものである。
【0003】
特許文献1には、投資家から試作品や試行サービスに対するフィードバックを受けることで事業主が製品やサービスを改良して販売する技術が開示されている。また、好意的な反応を返した投資家と年代等が似た顧客を、実際の製品やサービスを提供する相手となる有望顧客として発掘する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-204034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、クラウドファンディングサイトには、外部サービス等において、興味を持つ特定のクリエータがクラウドファンディングを行っていることを知ったユーザが、当該クリエータへの支援を目的として訪れるのが一般的である。
【0006】
そのため、このクリエータに関するプロジェクト以外のプロジェクトに対する興味がさほど高くないという問題があった。
【0007】
このような問題に鑑み、本発明は、ユーザが、資金提供の対象を容易に検討可能なクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクラウドファンディングシステムは、ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定部と、決定部によって生成されたユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力部とを備え、決定部は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキングを決定してランキング情報を生成することを特徴とする。
【0009】
本発明のクラウドファンディングシステムは、さらに、第一のユーザにより操作される情報処理装置からネットワークを介して送信された、複数の項目の中からの1以上の項目の選択を受け付ける受付部を備え、決定部は、受付部により受け付けられた選択に応じ、選択された項目の順位に基づいて、ランキング情報を生成することができる。
【0010】
決定部は、複数の項目の順位と、当該複数の項目に予め設定された重み付け係数とに基づいて、ランキング情報を生成することができる。
【0011】
記憶部は、項目情報として、さらに、ユーザに対して支援を行った支援ユーザの情報を記憶装置に記憶させ、クラウドファンディングシステムは、さらに、記憶装置に記憶された、第一のユーザが支援ユーザとして関連付けられたプロジェクトを起案したユーザを抽出する抽出部を備え、出力部は、抽出部により抽出されたプロジェクトを起案したユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力することができる。
【0012】
記憶部は、項目情報として、さらに、ユーザのプロジェクトへの寄与度合に関する情報を記憶装置に記憶させ、決定部は、寄与度合に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキング情報を生成することができる。
【0013】
出力部は、ユーザのランキング情報を、第一のユーザがユーザを選択可能に出力し、かつ、第一のユーザがユーザを選択した場合、当該ユーザが起案したプロジェクトであって、支援を受付中のプロジェクトの内容を表示する表示画面の情報を出力することができる。
【0014】
記憶部は、項目情報として、さらに、ユーザの累計プロジェクト件数、累計支援額、平均支援額、累計支援者数、平均支援者数、成功率、累計フォロワー数の少なくとも一つに関する情報を記憶装置に記憶させ、決定部は、項目情報に基づいて、ユーザのランキング情報を生成することができる。
【0015】
本発明の処理方法は、コンピュータに、ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶ステップと、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定ステップと、決定ステップにおいて生成されたユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力ステップとを実行させ、決定ステップでは、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキングを決定してランキング情報を生成することを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶機能と、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する決定機能と、決定機能によって生成されたユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力機能とを実現させ、決定機能は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキングを決定してランキング情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、プロジェクトを起案したユーザのランキングを生成することにより、ユーザが、資金提供の対象を容易に検討することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより実現される表示画面の一例を示した図である。
図2】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより実現される表示画面の一例を示した図である。
図3】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの構成を示した構成図である。
図4】本発明に係るクラウドファンディングシステムと情報処理装置とのネットワーク構成を示すネットワーク構成図である。
図5】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムに係る記憶装置に記憶されるデータ構成を示したデータ構成図である。
図6】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより実現される表示画面の一例を示した図である。
図7】本発明の他の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの構成を示した構成図である。
図8】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムに係る情報処理装置の基本構成を示した構成図である。
図9】本発明の実施形態に係る処理方法のフローを示したフロー図である。
図10】本発明の実施形態に係るコンピュータプログラムの機能構成を示した機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のクラウドファンディングシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施形態において、クラウドファンディングは、資金提供者からウェブ上の決済機能等を利用して提供された比較的少額の資金を資金調達者に提供する仕組みを意味するものとする。このクラウドファンディングは、資金提供者が受ける見返り(リターン)の有無及びその種類に応じて、「寄付型」「投資型」「購入型」の3類型に分類することができるものとする。
【0021】
「寄付型」のクラウドファンディングは、資金提供者にリターンを与える仕組みを備えないものとする。「投資型」のクラウドファンディングは、資金調達者が作成した作品等から得られる収益の一部をリターンとして資金提供者に対して支払うものとする。「購入型」のクラウドファンディングは、資金調達者が資金提供者に対して金銭以外のリターンを与える点で他の類型と区別される。この金銭以外のリターンには、物品などの有形物の他、サービス、電子的なアイテムなどの無形物などが含まれる。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより表示されるプロジェクトページの表示画面の一例を示したものである。図1に示される例では、資金調達者となる起案者(クリエータ)がゲームを制作する費用を調達することを目的としたプロジェクトページの一部を示したものである。
【0023】
図1に示されるように、表示画面1には、プロジェクトの概要2、プロジェクトに関する画像3、起案者(クリエータ)名4、支援総額5、目標金額6、支援者数7、残り日数8、達成率9、支援ボタン10、プロジェクトの詳細な説明11などを表示することができる。また、図1の画像3の下方に示されるように、本プロジェクトをSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などの外部サービスに投稿等できるボタンなどが表示されてもよい。
【0024】
また、このプロジェクトは「購入型」の案件であるため、複数のリターンが設定される。図2(a)~(c)は、資金提供を検討するユーザに対し、複数の支援額を表示していずれの支援額により支援を行うかを選択させる表示画面の一例を示したものである。この支援額の表示には、支援額に応じたリターンの内容も併せて表示される。
【0025】
図2(a)に示される例では、支援額が5,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードが設定されている。また、図2(b)に示される例では、支援額が10,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードに加え、ゲーム内カード(レア)が設定されている。同様に、図2(c)に示される例では、支援額30,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、サイン入りポストカード、および、ゲーム内カード(Sレア)に加え、ゲームのクレジットへの名前の掲載が設定されている。
【0026】
なお、リターンとしてのゲームは、記録媒体に記憶されたゲームを提供することのみならず、所定の端末でゲームのプレイを実現するためのコンピュータプログラムを提供することも含まれる。この場合、このコンピュータプログラムはネットワークを介してユーザが無料でダウンロード可能に提供されるものとすることができる。また、ゲーム内カードとは、ゲーム内で利用可能なカードであって、キャラクタのイラスト等が描かれたものとすることができる。このカードには、レアリティが付与されているものとすることができ、NR(ノーマル)、R(レア)、SR(Sレア)の順に希少度が高くなるものとすることができるが、レアリティの種類や数はこれらに特に限定されるものではない。また、ゲームのクレジットへの名前の掲載とは、ゲームのエンドロール等に資金提供者として氏名等を掲載することを意味するものとする。
【0027】
このプロジェクトに対して資金提供を検討するユーザは、図2(a)~(c)のように提示された複数のリターンの中から自分が欲しいと思うリターンが設定された支援額に対応するボタンを選択することで、クリエータに対して資金提供を行うことができる。これに対し、クリエータは、資金提供を行ってくれたユーザに対して、支援額に応じて設定されたリターンを提供する。
【0028】
以上が本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの前提となるクラウドファンディングの流れの一例である。
【0029】
しかしながら、上記課題において記載したように、通常、クラウドファンディングサイトには、外部サービス等において、興味を持つ特定のクリエータがクラウドファンディングを行っていることを知ったユーザが、当該クリエータへの支援を目的として訪れるのが一般的である。そのため、このクリエータに関するプロジェクト以外のプロジェクトに対する興味がさほど高くないという問題があった。
【0030】
そのため、本発明のクラウドファンディングシステムは、以下の構成を備えることにより、上記課題を解決する。
【0031】
すなわち、本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステム100は、図3に示されるように、記憶部110と、決定部120と、出力部130とを備える。本実施形態において、クラウドファンディングシステム100は、図4に示すような複数の情報処理装置200,300とネットワークを介して接続されるサーバ装置100であるとして説明を行うが、これに限定されるものではなく、一部の構成を情報処理装置200,300が備えるシステムとして構成することもできる。
【0032】
記憶部110は、ユーザの情報、および、項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる。
【0033】
この記憶装置は、クラウドファンディングシステム100が備えるものとしてもよいし、有線または無線により接続された外部の記憶装置とすることもできる。
【0034】
ユーザは、資金調達者となりうる起案者(例えば、クリエータ等)とすることができる。この起案者はプロジェクトごとに一名ずつ対応付けられるものであるが、起案者以外の所定の管理権限が付された1以上のユーザが含まれるものとすることができる。この管理権限には、起案者に代わってプロジェクトを起案および編集する権限などが含まれるものとすることができる。
【0035】
また、ユーザは、図4に示したように、本発明のクラウドファンディングシステムにネットワークを介して接続された情報処理装置200であって、パーソナルコンピュータ、携帯端末、ゲーム装置等を操作するものとすることができる。
【0036】
ユーザの情報は、ユーザが一意に特定される情報とすることができ、例えば、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、パスワードなどの情報を含む。また、記憶部110は、これらの情報に加え、氏名、住所、生年月日、年齢、性別、好きなアニメ、好きな声優等の嗜好に関する情報などの属性情報を記憶装置に記憶させることができる。
【0037】
項目情報は、ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含むものである。この項目としては、例えば、過去に起案したプロジェクト毎に、そのプロジェクトID(No.)、プロジェクト名、支援額、支援者数、達成成否、寄与率などである。これらの項目は、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトの運営者により決定されることができる。
【0038】
ここでいう寄与率は、ユーザが、起案したプロジェクトに対して寄与した率であって、通常、一人のユーザがプロジェクトを起案した場合は100%として設定される。一方、複数のユーザが一つのプロジェクトに関わった場合、上述したように、起案者以外の所定の管理権限が付された1以上のユーザが設定されることとなり、複数のユーザごとに寄与した率を記憶しておくのがよい。
【0039】
図5は、本実施形態に係る記憶部110が記憶装置に記憶させるデータの一例を示したものである。図5では、データには、上述したユーザの情報および項目情報の他、ユーザの属性情報を含めた例が示されている。また、図示されない評価情報も含めることができる。この評価情報は、ユーザに対して支援を行った支援ユーザによるユーザへの評価とすることができる。具体的には、星の数や点数などで表される集計可能な評価を評価情報とする。
【0040】
決定部120は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する。このランキングを決定するのに用いられる項目情報は、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトの運営者によって定められるものであってもよいし、第一のユーザにより選択されるものであってもよい。このランキングの決定方法の詳細については後述する。
【0041】
出力部130は、決定部120によって生成された、ユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワーク介して出力する。
【0042】
なお、ここでいう第一のユーザは、資金提供を検討するユーザを代表とするすべてのユーザとすることができる。
【0043】
第一のユーザが操作する情報処理装置は、図4に示したように、本発明のクラウドファンディングシステム100にネットワークを介して接続された情報処理装置300であって、パーソナルコンピュータ、携帯端末、ゲーム装置等とすることができる。
【0044】
図6は、出力部120が出力する情報に基づいて表示された表示画面の一例を示したものである。図6は、ユーザ(ここではクリエータ)のランキングの表示例である。後述するように、第一のユーザは、表示されたユーザを選択することができる。図6では、第一のユーザがランキングの中の「ユーザ(クリエータ)C」を選択した例が示されている。
【0045】
このランキングは、第一のユーザが閲覧する本発明が実現するクラウドファンディングサイトのトップページに表示されるものとしてもよいし、第一のユーザの指示に基づいて表示される、他のページに表示させてもよい。また、ランキングとして、予め設定または第一のユーザにより指定された数だけ上位/下位のユーザを表示するものとしてもよい。
【0046】
そして、決定部130は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキングを決定してランキング情報とすることを特徴とする。
【0047】
この場合の順位は、項目に対応する値の累計値、最大値および/または平均値に対して決定されるものとすることができる。例えば、プロジェクトIDまたはプロジェクト名に対しては、累計プロジェクト数、支援額に対しては、累計支援額/最大支援額/平均支援額、支援者数に対しては、累計支援者数/最大支援者数/平均支援者数、達成成否に対しては、成功率などである。
【0048】
具体的には、決定部130は、あるユーザの項目情報として記憶された複数の項目に対し、総ユーザの中における順位をそれぞれ決定することができる。より具体的には、このユーザの総支援者数の順位が1位、平均支援額の順位が2位、成功率の順位が24位であったとした場合、これら順位に基づいて、このユーザの総合的なランキングを例えば3位と決定し、これをランキング情報として、当該ユーザと対応付けて記憶装置に記憶させることができる。このランキングの決定方法は、各順位の合計値により決定されてもよいし、各順位に後述する重み付け考慮して決定されるものとしてもよい。
【0049】
なお、上記例では順位およびランキングを総ユーザに対するものとして例示したが、ユーザをカテゴリ分けし、各カテゴリにおけるユーザの中の順位およびランキングとしてもよい。
【0050】
このように、本発明のクラウドファンディングシステムは、プロジェクトを起案したユーザの項目情報を活用し、資金提供を検討する第一のユーザに対して、ユーザのランキング情報を提供することができる。
【0051】
また、既に興味を持つ特定のユーザ以外のユーザの情報も第一のユーザに対して提供されることで、第一のユーザが元々知らなかった別のユーザ(クリエータ)に対しても興味を抱き、支援を行う可能性が生まれる。これは、第一のユーザにとっては新しいお気に入りの別のユーザ(クリエータ)が見つかることにつながり、別のユーザにとっては資金提供者が増えることにつながり、また、クラウドファンディングサイトにとってはサイトの活性化につながり、三者すべてにメリットが生まれる。
【0052】
また、プロジェクト単位ではなく、ユーザ単位でランキングを作成することにより、有能なユーザへの支援を行うユーザを増やすことが可能となる。
【0053】
本発明の他の実施形態に係るクラウドファンディングシステムは、図7に示すように、さらに、受付部140を備えることができる。
【0054】
受付部140は、第一のユーザにより操作される情報処理装置300からネットワークを介して送信された、複数の項目の中からの1以上の項目の選択を受け付けるものである。第一のユーザが選択を入力する手段としては、情報処理装置300に接続または内蔵されたキーボードやマウス、トラックパッド、タッチパネルなどのポインティングデバイス等の入力装置を用いることができる他、情報処理装置300に有線/無線により接続されたコントローラ、音声認識装置なども含まれる。
【0055】
そして、このとき、決定部130は、受付部140により受け付けられた選択に応じ、選択された項目の順位に基づいて、ランキング情報を生成する。
【0056】
例えば、第一のユーザが、累計プロジェクト数よりも累計支援金額や累計支援者数を考慮したランキングを見たいと考えた場合には、支援金額や支援者数の項目を選択する。このとき、累計、最大および/または平均などの指定は追加的に選択させるよう構成することもできる。
【0057】
かかる構成により、第一のユーザは自分用にカスタマイズしたユーザのランキング情報を得ることができ、このランキング情報は、第一のユーザが支援を行う対象となり得る有能なユーザを見つけ出すための情報としてより有益に活用されることができる。
【0058】
本発明の他の実施形態に係る決定部130は、複数の項目の順位と、当該複数の項目に予め設定された重み付け係数とに基づいて、ランキング情報を生成することができる。
【0059】
例えば、達成成否などは、目標金額が少額であるほど成功し易く、成功数は大きくなりやすい。したがって、この成功数に基づく成功率の順位の重み付けを小さくし、一方で、支援金額の順位の重み付けを大きくなるよう重み付け係数を設定することで、各項目の順位の重みを調整することができる。なお、この重み付け係数は、第一のユーザによって設定されるものとしてもよい。
【0060】
かかる構成により、より適切なランキング情報の生成が可能となり、第一のユーザが支援を行う対象となり得る有能なユーザを見つけ出すための情報としてより有益に活用されることができる。
【0061】
本発明の一実施形態に係る記憶部は、ユーザに対応付けて、さらに、プロジェクトに対して資金援助を行った支援ユーザの情報を記憶させることができる。
【0062】
このとき、クラウドファンディングシステム100は、図7に示すように、さらに、抽出部150を備える。この抽出部150は、記憶部装置に記憶された第一のユーザが支援ユーザとして関連付けられたプロジェクトを起案したユーザを抽出するものとする。
【0063】
そして、このとき、出力部130は、抽出部150により抽出されたプロジェクトを起案したユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力することができる。
【0064】
かかる構成により、第一のユーザは、自分が支援したユーザの順位を知ることができるようになる。そして、第一のユーザは、ユーザの支援ユーザ、すなわちファンであることから、自分が支援したユーザが、資金提供を受付中のプロジェクトを有している場合には、支援したユーザのランキングをより上位へ上げようという意欲が生じる。そのため、まだこのプロジェクトへ資金提供行っていない場合には資金提供の意欲が向上し、また、既に資金提供を行っている場合には、他のユーザに資金提供を要請したり、応援したりする活動意欲を向上させることができる。
【0065】
本発明の他の実施形態に係る記憶部110は、項目情報として、さらに、ユーザのプロジェクトへの寄与度合に関する情報を記憶装置に記憶させることができる。
【0066】
上述した通り、寄与度合は、ユーザがプロジェクトに対して寄与した度合いを示すものである。例えば、一人のユーザが一つのプロジェクトに関わった場合は、この起案者であるユーザの寄与率は「1」として設定される。一方、複数のユーザが一つのプロジェクトに関わった場合、上述したように、起案者以外の所定の管理権限が付された1以上のユーザが設定されることとなり、これら複数のユーザがそれぞれプロジェクトに寄与した度合いを、例えば、「0.3」、「0.7」などの寄与率として記憶しておくことができる。
【0067】
このとき、決定部120は、寄与度合に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキング情報を生成することができる。
【0068】
具体的には、各項目の値は寄与度合に基づいて各ユーザに割り振けられる。例えば、2名のユーザが関わったプロジェクトに対する一方のユーザの寄与率が「0.3」、他方のユーザの寄与率が「0.7」である場合、このプロジェクトに対する総支援金額である100万円は、30万円と70万円に分けて各ユーザの支援金額として順位決定の値に用いられる。なお、ここでいう寄与率は全体を「1」とした際の寄与割合として例示したが、各ユーザの寄与の度合いがわかるものであれば、「3:7」等の比で定義されるものであってもよいし、パーセント表示としてもよい。なお、この寄与度合に基づく各項目の値は、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶されるものとしてもよい。
【0069】
かかる構成により、複数のユーザが一つのプロジェクトに関わった場合であっても、寄与度合に基づく適切なランキングが決定されることとなり、第一のユーザが支援を行う対象となり得る有能なユーザを見つけ出すための情報としてより有益に活用されることができる。
【0070】
本発明の他の実施形態に係る出力部130は、ユーザのランキング情報を、第一のユーザが前記ユーザを選択可能に出力し、かつ、第一のユーザがユーザを選択した場合、当該ユーザが起案したプロジェクトであって、支援を受付中のプロジェクトの内容を表示する表示画面の情報を出力することができる。
【0071】
ユーザを選択可能に表示するとは、ユーザ名の他、ユーザIDなどのユーザが一意に特定されるユーザの情報を選択可能に表示することを含む。
【0072】
かかる構成により、第一のユーザは、表示されたランキングからユーザのプロジェクトページへ容易に移動することができるため、操作の煩雑さから来る資金提供の意欲の減退を防止することができる。
【0073】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、プロジェクトの内容を、新しいゲームのリリースの告知、既存ゲームの大型アップデートの告知、マンガやアニメ、ゲームに関するグッズやチケットの販売の告知などとすることができる。具体的には、クラウドファンディングシステムは、マーケティングツールとして、ゲームの事前登録に利用することができる。通常はメールアドレスを登録したり、SNSアカウントをフォローしたりすることで登録が行われるが、本発明のシステムを活用することで、プロジェクトとしてゲームに関する限定グッズなどのリターンを設定し、支援としてお金を払って事前登録してもらい、ゲームがリリースされたタイミングで、特定のプロジェクトとしてリリースの情報が開示されたページへのリンクが記載されたメッセージ等を送信することで、支援者に特別な情報を提供することもできる。また、本発明のシステムは、ゲームのリリース時だけではなく、ゲームの大型アップデート等にも利用できる。また、グッズの販路としても本システムを利用可能であるし、ファン感謝イベントのような現実のイベント開催時のチケット販売としても利用可能である。
【0074】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、ユーザによる資金提供は、仮想通貨により行われることもできる。この仮想通貨には、運営会社により発行される専用コインなどが含まれるものとする。これにより、グローバルに支援のネットワークを広げることが可能となる。
【0075】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、ユーザが、スポンサーから毎月定額で支援を受けるスポンサー機能を実現することもできる。この支援は、プロジェクト単位ではなくクリエータ単位で行われるものであり、このスポンサーは、プロジェクト単位での資金提供するユーザよりも、優遇されるべきユーザとなる。したがって、この場合、第一のユーザがユーザのスポンサーである旨の情報を、当該ユーザの支援情報に含めて記憶装置に記憶させるのが好ましい。これにより、第一のユーザは、項目として自身のスポンサーを選択することがより容易に行えるようになる。
【0076】
第一のユーザは、スポンサー限定のプロジェクトを作成したり、スポンサー限定で自身のプロジェクトへのコメントを許可したり、スポンサーはユーザのどのプロジェクトを支援しても常に一定の割引を受けられるような特典を与えるなど、クラウドファンディングでの活用の幅を広げることができる。
【0077】
上述した本発明のクラウドファンディングで実現される各機能は、販売を主目的としたECサイトにも適用が可能である。
【0078】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステム100は、クラウドファンディングを運営する管理端末に接続されるものとすることができる。本発明のシステムは、この管理端末から、クラウドファンディングの運営の他、プロジェクトで製作されるマンガやアニメ、ゲームなどの作品に対する評価を受け付けてもよい。この評価は、この作品のジャンルにおける専門家によるものとするのが好ましい。かかる評価は、ユーザが支援を検討する際に有益な情報となる。
【0079】
なお、上述した実施形態では、図4に示すように、ユーザにより操作される情報処理端末として情報処理装置200を、第一のユーザにより操作される情報処理端末として情報処理装置300を示したが、情報処理装置200、300の数は、特に限定されない。また、クラウドファンディングシステム100としてのサーバ装置は、図8に示すようなサーバ装置100とすることができ、例えば、情報処理装置200、300との間で受け渡しする情報に対する各種処理を実行し、サーバの動作を制御する制御部としてCPU21を有することができる。この制御部が、上述した各機能を実現するための各部を備えるものとすることができる。なお、情報処理装置200、300は、上記サーバ装置と同様、図8に示すようなコンピュータで構成される。
【0080】
具体的は、クラウドファンディングシステム100、情報処理装置200、300は、図8に示すように、CPU21と、メインメモリ22と、ユーザI/F23と、通信I/F24と、外部メモリ25とを含み、これらの各構成要素がバス26を介して互いに電気的に接続されたハードウェアとして構成される。
【0081】
CPU21は、外部メモリ25からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ22にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ22は、CPU21が実行するプログラムを格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0082】
ユーザI/F23は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、CPU21の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F24は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して通信可能に構成される。
【0083】
外部メモリ25は、例えば、磁気ディスクドライブで構成され、オペレーティングシステム等の様々なプログラム等の各種ファイルを格納している。
【0084】
また、本発明の一実施形態に係る記憶装置は、以下の情報を記憶する。
具体的には、CPU21は、クラウドファンディングのプロジェクトが実行される際に収集したデータをデータベースに記憶する。
【0085】
このデータベースには上述したユーザに関する情報のテーブルの他、プロジェクトに関する情報のテーブル、リターンに関する情報のテーブル、アクセスに関する情報のテーブル、販売履歴に関する情報のテーブル、支援ユーザテーブルなどが設けられている。以下、テーブルの内容を順番に説明する。
【0086】
プロジェクトに関する情報のテーブルには、プロジェクトに関するプロジェクト情報が記憶されている。具体的には、プロジェクトに関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、プロジェクト名、起案者のID、プロジェクトの開始日時および終了日時、プロジェクトページのURLの欄が設けられている。
【0087】
リターンに関する情報のテーブルには、第一のユーザがプロジェクトを支援したときに得られるリターンに関するリターン情報が記憶されている。具体的には、リターンに関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、リターンID、名称、販売金額、最大販売数、残り販売数、および、リターン詳細の欄が設けられている。
【0088】
販売履歴に関する情報のテーブルには、第一のユーザがプロジェクトを支援したときにリターンとして販売した商品やサービスの販売履歴情報が記憶されている。具体的には、販売履歴に関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、支援ユーザのユーザID、販売したリターンID、販売価額、販売日時、決済方法等の欄が設けられている。
【0089】
支援者情報テーブルには、支援者ユーザ情報が記憶されている。具体的には、支援ユーザテーブルには、支援者ID、氏名又は名称、住所、生年月日、電話番号、及びメールアドレスの欄が設けられている。
【0090】
なお、本発明のクラウドファンディングシステムで実現される決済システムについては、従来から知られている決済システムと同様の構成とすることができるため、ここではその説明を省略する。
【0091】
以上、本発明のクラウドファンディングシステムの実施形態について説明を行ってきたが、本発明で実現されるクラウドファンディングは、資金調達だけでなく、仲間や同志を集める手段として活用することができる。
【0092】
本発明のクラウドファンディングシステムは、プロジェクトの内容をエンターテインメント分野に特化させることで、より効果が発揮される。この分野に特化させることで、起案者となるクリエータは、資金を集めること以外にも、事前のテストマーケティング・需要調査、熱量(忠誠度)の高い優良顧客へのリーチ、優良顧客との継続的なコミュニケーションを実現することが可能となる。
【0093】
例えば、資金調達達成時実行型のプロジェクトは、アニメの続編や映画化、ゲーム化、CD製作費等のためのマーケティングリサーチ・資金調達ツールとして活用することができる。また、小説やマンガの映画化、新規アニメ制作のためのマーケティングリサーチ・資金調達ツールとして活用されることもができる。また、同人誌やオリジナルグッズの制作のための資金調達ツールとしても活用されることができる。
【0094】
例えば、実行確約型のプロジェクトは、コミュニティ・マーケティングおよびECとして、新製品リリース前のプロモーション企画(試写イベントやオンライン限定の先行販売など)、現実のイベントの先行プロモーション企画(前売りチケット販売、早期予約特典販売など)、ECを活用したコアなファンコミュニティの形成(オリジナルグッズやノベルティの販売)ツールとして活用されることができる。
【0095】
このように、本発明で実現されるクラウドファンディングは、有益な顧客データベース持つマーケティングプラットフォームとして活用されることができ、また、本システムを運営する会社に対しては、良質なIP(知的財産)を早期に優先的に発掘し、直接リーチできる機会を提供することができる。
【0096】
続いて、本発明の処理方法について図9を参照しながら説明する。
本発明の処理方法は、図9に示すように、コンピュータに、記憶ステップS110と、決定ステップS120と、出力ステップS130とを実行させることを特徴とする。ここでいうコンピュータは、上述したクラウドファンディングシステム100とすることができる。
【0097】
記憶ステップS110では、ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる。このステップは、上述した記憶部110により実行されることができる。記憶部110の詳細については上述したとおりである。
【0098】
決定ステップS120では、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、前記ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する。このステップは、上述した決定部120により実行されることができる。決定部120の詳細については上述したとおりである。
【0099】
出力ステップS130では、決定ステップにおいて生成された前記ユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する。このステップは、上述した出力部130により実行されることができる。出力部130の詳細については上述したとおりである。
【0100】
そして、決定ステップS120では、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、ランキングを決定してランキング情報を生成する。
【0101】
続いて、本発明のコンピュータプログラムについて説明する。
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、記憶機能と、決定機能と、出力機能とを実現させることを特徴とする。各機能は、それぞれ図10に示す各回路1110~1130によって実現され、各回路1110~1130は、上述した各部110~130に対応するものとする。ここでいうコンピュータは、上述したクラウドファンディンググシステム100とすることができる。
【0102】
記憶機能は、ユーザの情報、および、当該ユーザが過去に起案したプロジェクトに関する複数の項目を含む項目情報を関連付けて記憶装置に記憶させる。この機能は、上述した記憶回路1110により実現されることができる。
【0103】
決定機能は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、ユーザのランキングを決定してランキング情報を生成する。この機能は、上述した決定回路1120により実現されることができる。
【0104】
出力機能は、決定機能によって生成されたユーザのランキング情報を、第一のユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する。この機能は、上述した出力回路1130により実現されることができる。
【0105】
そして、決定機能は、記憶装置に記憶された項目情報に基づいて、前記複数の項目毎に順位を決定し、当該複数の項目の順位に基づいて、前記ランキングを決定してランキング情報を生成することを特徴とする。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明を行ったが、本発明のクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、第一のユーザが、支援を行う対象となり得るユーザを容易に見つけ出すことが可能となる。そして、本発明によれば、プロジェクトを起案したユーザの項目情報を活用し、資金提供を検討する第一のユーザに対して、ユーザのランキング情報を提供することができる。このランキング情報は、第一のユーザが支援を行う対象となり得る有能なユーザを見つけ出すための情報として有益に活用されることができる。
【0107】
また、本発明の他の実施形態に係るクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、プロジェクトを起案したユーザが、マンガやアニメ、ゲーム等のエンターテインメント作品のクリエータである場合には、制作される作品のクオリティは、クリエータの能力等に大きく依存する。そのため、生成されるランキング情報は、クリエータの能力の評価に利用することができる。そして、クリエータのファンであるユーザは、自身が支援したクリエータのランキングを確認し、自分が支援したクリエータの順位を知ることができるようになる。そして、ファンは、自分が支援したクリエータが、資金提供を受付中のプロジェクトを有している場合には、支援したクリエータのランキングをより上位へ上げようという意欲が生じる。そのため、まだこのプロジェクトへ資金提供行っていない場合には資金提供の意欲が向上し、また、既に資金提供を行っている場合には、他のユーザに資金提供を要請したり、応援したりする活動意欲を向上させることができる。これにより、クリエータとファンとの特別なコミュニティを創造するコミュニティプラットフォームを実現することができる。
【0108】
さらに、本発明の一実施形態に係るクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、同じ作品やクリエータを支援しているファン同士も、本クラウドファンディングシステムにより実現されるプラットフォーム上で交流可能とすることで、仲間としてつながることができるため、ファン同士の特別なコミュニティを創造するコミュニティプラットフォームをも実現することができる。
【0109】
以上、本発明によれば、頑張るクリエータとファンが、そしてファン同士がつながり続けることができる新しいファンコミュニティが創造されることが可能となる。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0111】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0112】
100 クラウドファンディングシステム
110 記憶部
120 決定部
130 出力部
140 受付部
150 抽出部
200 情報処理装置
300 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10