(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】監視カメラシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20221219BHJP
H04L 12/42 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04L12/42 Z
(21)【出願番号】P 2018121607
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄一郎
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-149541(JP,A)
【文献】特開2003-319375(JP,A)
【文献】特開2000-209565(JP,A)
【文献】特開平08-340529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00
H04L 12/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラシステムであって、
監視対象を撮影する複数の監視カメラと、
前記複数の監視カメラに各々接続し、前記監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、
前記複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、
前記情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを
前記端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、
前記端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを前記情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、前記情報保存装置に接続された映像受信装置は、前記転送された映像データを受信して前記情報保存装置に出力し、
前記複数の映像送信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側管理装置である特定の映像送信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、前記特定の映像送信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
監視カメラシステムであって、
監視対象を撮影する複数の監視カメラと、
前記複数の監視カメラに各々接続し、前記監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、
前記複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、
前記情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを
前記端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、
前記端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを前記情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、前記情報保存装置に接続された映像受信装置は、前記転送された映像データを受信して前記情報保存装置に出力し、
前記複数の映像
受信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、受信側管理装置である特定の映像受信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、前記特定の映像受信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項3】
監視カメラシステムであって、
監視対象を撮影する複数の監視カメラと、
前記複数の監視カメラに各々接続し、前記監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、
前記複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、
前記情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、
前記複数の映像送信装置から送信された映像データを
前記端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、
前記端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを前記情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、前記情報保存装置に接続された映像受信装置は、前記転送された映像データを受信して前記情報保存装置に出力し、
前記情報保存装置に接続する映像受信装置に障害が発生すると、前記端末装置が、接続する映像受信装置で受信した映像データを一時的に記憶することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項4】
前記映像送信装置が、前記映像受信装置又は前記情報集約装置への送信が不能であることを検出すると、接続する前記監視カメラで撮影された映像データを一時的に記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の監視カメラシステム。
【請求項5】
前記映像送信装置及び前記映像受信装置が、前記情報集約装置との通信が不能であることを検出すると、無線通信に切り替えて映像データの送受信を無線通信で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の監視カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラシステムに係り、特に一部の機器に不具合が発生した場合でも、映像の監視や記録を滞りなく行うことができる監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
一般的に、従来の監視カメラシステムにおいて、監視カメラで撮影された映像は、長距離を容易に伝送させるために、符号化され、LAN(Local Area Network)回線もしくは光回線を利用して監視や記録を行う別の場所に届けられている。
その際に、有線ネットワークのスイッチング機能を備えた情報集約装置を用いて、利用者が操作端末から監視カメラを制御することや、監視カメラ映像を監視すること、また撮影した映像を情報保存装置に記録し、再生することを可能としている。
【0003】
そのため、監視カメラシステムを構築する際は、情報集約装置を必須とする場合が多く、この装置が監視カメラや各操作端末を接続しているため、情報集約装置に異常が発生すると、システム全体に異常が発生し、システムが動作しなくなる恐れがある。
【0004】
また、監視カメラシステムでは、システムを構成する各機器がそれぞれ特殊な役割を担っていることが多く、例えば情報保存装置に異常が発生すると、そのシステムでは映像の記録や再生といった動作が困難になるといった問題が頻出することが予想される。
【0005】
[関連技術]
尚、ネットワークを監視する監視装置に関する従来技術としては、特開2000-90025号公報「ネットワーク監視装置」(特許文献1)があり、監視カメラシステムに関する従来技術としては、特開2015-204546号公報「監視カメラシステム」(特許文献2)がある。
【0006】
特許文献1には、ネットワークでの障害を検出した場合や、通常運用時の監視が、本来の情報伝達の流れを妨げないようにするネットワーク監視装置が記載されている。
また、特許文献2には、複数の監視カメラからの映像を監視端末に送信する管理サーバが、ユーザに指定された監視カメラが撮像した監視映像を監視端末に送信し、監視カメラの位置情報は監視端末に表示されない監視カメラシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2000-90025号公報
【文献】特開2015-204546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の監視カメラシステムでは、情報集約装置や、他の機器に不具合が発生した場合に、映像の監視や記録を正常に行うことができなくなる可能性があるという問題点があった。
【0009】
尚、特許文献1及び特許文献2には、カメラからの映像情報を送信する映像送信装置やそれを受信する映像受信装置が巡回的に生存確認を行って、障害発生個所を特定することは記載されていない。
【0010】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、一部の機器に不具合が発生した場合でも、映像の監視や記録を滞りなく行うことができる監視カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、複数の映像送信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側管理装置である特定の映像送信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、前記特定の映像送信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、複数の映像受信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、受信側管理装置である特定の映像受信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、特定の映像受信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定することを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、情報保存装置に接続する映像受信装置に障害が発生すると、端末装置が、接続する映像受信装置で受信した映像データを一時的に記憶することを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、上記監視カメラシステムにおいて、映像送信装置が、映像受信装置又は情報集約装置への送信が不能であることを検出すると、接続する監視カメラで撮影された映像データを一時的に記憶することを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、上記監視カメラシステムにおいて、映像送信装置又は映像受信装置が、情報集約装置との通信が不能であることを検出すると、映像送信装置及び映像受信装置が、無線通信に切り替えて映像データの送受信を無線通信で行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、複数の映像送信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側管理装置である特定の映像送信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、特定の映像送信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定する監視カメラシステムとしているので、複数の映像送信装置における障害発生個所を確実且つ正確に特定することができる効果がある。
【0017】
また、本発明によれば、監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、複数の映像受信装置が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、受信側管理装置である特定の映像受信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、特定の映像受信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定する監視カメラシステムとしているので、複数の映像受信装置における障害発生個所を確実且つ正確に特定することができる効果がある。
【0018】
また、本発明によれば、監視カメラシステムであって、監視対象を撮影する複数の監視カメラと、複数の監視カメラに各々接続し、監視カメラで撮影された映像データを送信する複数の映像送信装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを受信する複数の映像受信装置と、複数の映像受信装置の一つに接続して映像データを記憶する情報保存装置と、情報保存装置が接続していない複数の映像受信装置に各々接続する複数の端末装置と、複数の映像送信装置から送信された映像データを端末装置に接続された複数の映像受信装置に振り分ける情報集約装置と、を備え、端末装置に接続された映像受信装置は、受信した映像データを情報保存装置に接続された映像受信装置に転送し、情報保存装置に接続された映像受信装置は、転送された映像データを受信して情報保存装置に出力し、情報保存装置に接続する映像受信装置に障害が発生すると、端末装置が、接続する映像受信装置で受信した映像データを一時的に記憶する監視カメラシステムとしているので、情報保存装置に映像データを転送できない状態でも、映像データを確実に保存しておくことができる効果がある。
【0019】
また、本発明によれば、映像送信装置が、映像受信装置又は情報集約装置への送信が不能であることを検出すると、接続する監視カメラで撮影された映像データを一時的に記憶する上記監視カメラシステムとしているので、映像送信側から映像受信側への通信ができない状態でも、確実に映像データを保存しておくことができる効果がある。
【0020】
また、本発明によれば、映像送信装置又は映像受信装置が、情報集約装置との通信が不能であることを検出すると、映像送信装置及び映像受信装置が、無線通信に切り替えて映像データの送受信を無線通信で行う上記監視カメラシステムとしているので、有線通信ができない状態でも、無線通信によって映像データを映像受信装置に伝送して、監視を滞りなく行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムの構成ブロック図である。
【
図2】映像送信装置13の概略構成を示す構成ブロック図である。
【
図3】映像受信装置15の概略構成を示す構成ブロック図である。
【
図4】端末装置16の概略構成を示す構成ブロック図である。
【
図5】送信側管理装置の処理を示すフローチャートである。
【
図9】情報保存装置に障害が発生した場合の受信側管理装置の処理を示すフローチャートである。
【
図10】情報保存装置及び映像受信装置(2)に障害が発生した場合の映像受信装置管理テーブルの内容を示す説明図である。
【
図11】更新後の映像受信装置管理テーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムは、カメラで撮影した映像を送信する複数の映像送信装置と、当該映像を受信する複数の映像受信装置と、映像受信装置に接続する端末装置と、映像受信装置で受信した映像を記憶する情報保存装置とを備え、複数の映像送信装置が無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側の管理装置である特定の映像送信装置を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、特定の映像送信装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定するようにしており、いずれかの映像送信装置に障害が発生した場合に、通信網上で当該装置に隣接する2つの映像送信装置で障害発生を確認することができ、映像送信装置の障害を確実に検出することができるものである。
【0023】
また、本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムは、情報保存装置に加えていずれかの映像受信装置に障害が発生した場合、特定の映像受信装置(主となる映像受信装置)が、障害が発生した映像受信装置に接続されている映像送信装置に対応して映像送信装置管理テーブルに記憶されている接続先を、予め設定されている優先接続先情報に基づいて、障害が発生した映像受信装置から別の映像受信装置に書き替えるよう、主となる映像送信装置に指示するようにしており、情報保存装置及び一部の映像受信装置に障害が発生した場合でも映像情報を確実に保存することができるものである。
【0024】
また、本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムは、映像送信装置が、有線による情報集約装置への接続及び、無線による映像受信装置への接続が不能となった場合に、監視カメラから伝送された映像情報を内部の記憶部に記憶するようにしており、有線又は無線による通信が不能となった場合でも、映像情報を確実に保存することができるものである。
【0025】
[実施の形態に係る監視カメラシステムの概略構成:
図1]
図1は、本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムの構成ブロック図である。
本実施の形態に係る監視カメラシステム(本監視カメラシステム)は、監視対象地域に設けられた監視カメラからの映像情報(映像データ)を、有線又は無線で伝送して、監視者や管理者が操作する端末装置に表示すると共に、情報保存装置に格納して保存し、端末装置からの要求で随時閲覧可能とするものである。
そして、本監視カメラシステムは、システム内の機器に障害が発生した場合でも、特定の機器に負荷を集中させることなく映像情報を確実に保存することができるものとしている。
【0026】
図1に示すように、本監視カメラシステムは、監視対象地域の構成として、複数のカメラ(1)11-1~カメラ(n)11-n(カメラ11と記載することもある)と、各カメラ11に接続する中継装置(1)12-1~中継装置(n)12-n(中継装置12と記載することもある)と、映像送信装置(1)13-1~映像送信装置(n)13-n(映像送信装置13と記載することもある)とを備え、操作者側の構成として、映像受信装置(1)15-1~映像受信装置(m)15-m(映像受信装置15と記載することもある)と、端末装置(1)16-1~端末装置16-m-1(端末装置16と記載することもある)と、情報保存装置17とを備え、映像送信装置13と映像受信装置15とを有線で接続する情報集約装置14とを備えている。
また、対応するカメラ11と、中継装置12と、映像送信装置13とは有線で接続され、対応する映像受信装置15と端末装置16又は情報保存装置17とは有線で接続されている。
【0027】
各構成部分について説明する。
カメラ11は、特定の監視場所の映像を常時撮像し、映像信号を中継装置12に出力する。
中継装置12は、接続するカメラ11からの映像信号を伝送用に変換して、映像情報を映像送信装置13に伝送する。
【0028】
映像送信装置13は、中継装置12から受信した映像情報を、対応する映像受信装置15に送信するものであり、情報集約装置14が正常に動作している場合には有線で情報集約装置14を介して送信し、情報集約装置14に障害が発生している場合には、無線で映像受信装置15に送信する。
尚、後述するように、各映像送信装置13には、映像情報の送信先となる映像受信装置15(対応する映像受信装置)が設定されている。特に、本監視カメラシステムでは、システム内の機器に障害が発生した場合に、対応する映像受信装置を変更できるようにしている。
【0029】
また、複数の映像送信装置13の内、1台は複数の映像送信装置13全体の管理を行うものであり、送信側管理装置と称するものとする。
図1では、映像送信装置(1)13-1が送信側管理装置である場合を示している。送信側管理装置は、例えば、管理者が操作する端末装置16から設定される。送信側管理装置は、請求項1における主たる映像送信装置に相当する。
映像送信装置13の構成については後述する。
【0030】
情報集約装置14は、映像送信装置13と映像受信装置15とを接続するスイッチング機能を備えており、複数の映像送信装置13からの映像情報を複数の映像受信装置15に振り分けて配信する。
【0031】
映像受信装置15は、端末装置16又は情報保存装置17に接続している。
端末装置16に接続する映像受信装置(1)15-1(映像受信装置(1)と記載することがある)~映像受信装置(m-1)15-m-1(映像受信装置(m-1)と記載することがある)は、接続された映像送信装置13からの映像情報を受信して、対応する端末装置16に出力すると共に、正常運用時には、当該映像情報を情報保存装置17が接続する映像受信装置(m)15-m(映像受信装置(m)と記載することがある)に転送する。
【0032】
尚、映像受信装置(1)15-1~映像受信装置(m-1)15-m-1には、どの映像送信装置13からの映像情報を受信するかが予め設定されている。映像送信装置13の数に比べて映像受信装置15の数が少ない場合には、1台の映像受信装置15で複数の映像送信装置13からの映像情報を受信するよう設定されている。
【0033】
映像受信装置(m)15-mは、情報保存装置17に接続する通信装置であり、正常運用時には、各映像受信装置(1)15-1~映像受信装置(m-1)15-m-1から転送された映像信号を受信して、情報保存装置17に出力する。
また、映像受信装置(m)15-mは、各映像受信装置(1)15-1~映像受信装置(m-1)15-m-1からの要求に基づいて、情報保存装置17から出力された映像情報を要求元に送信する。
【0034】
更に、端末装置16に接続する複数の映像受信装置15の内、1台は映像受信装置15全体の管理を行うものであり、受信側管理装置と称するものとする。
図1では、映像受信装置(1)15-1が受信側管理装置である場合を示している。受信側管理装置は、端末装置16からの指示で設定され、例えば、主として操作される端末装置16に接続された映像受信装置15が選択される。
更にまた、受信側管理装置は、障害発生時に、映像送信装置13を含むシステム全体の通信制御を行い、例えば、有線通信から無線通信への切り替え指示を行う。
受信側管理装置は、請求項2における主たる映像受信装置に相当する。映像受信装置15の構成については後述する。
【0035】
端末装置16は、監視者や管理者が操作する端末であり、カメラ11から送信された映像や、情報保存装置17に蓄積された映像を表示すると共に、各機器に対する設定や管理を行う。端末装置16の構成については後述する。
情報保存装置17は、入力された映像情報をカメラの識別番号や日時と対応付けて蓄積しておき、端末装置16からの閲覧要求があった場合には該当する映像情報を読み出して、要求元に出力する。
【0036】
[本監視カメラシステムの概略動作:
図1]
次に、本監視カメラシステムの正常運用時の概略動作について
図1を用いて説明する。
本監視カメラシステムでは、カメラ11で撮影された映像は、中継装置12を介して映像送信装置13に送られる。情報集約装置14が正常に動作している場合には、映像情報は、映像送信装置13から情報集約装置14を介して、対応する映像受信装置15に有線で送信される。
【0037】
映像受信装置(1)~映像受信装置(m-1)に受信された映像情報は、それぞれ、接続する端末装置16に出力されて表示されると共に、映像受信装置(m)に転送されて、情報保存装置17に蓄積される。
また、端末装置16から情報保存装置17に対して映像閲覧の要求が入力されると、情報保存装置17から要求に応じた映像情報が読み出され、映像受信装置(m)から要求元の端末装置16に接続する映像受信装置15を介して要求元の端末装置16に送信される。
このようにして、本監視カメラシステムの正常運用時の動作が行われる。
【0038】
[情報集約装置に障害が発生した場合:
図1]
映像受信装置15では、定期的に情報集約装置14と有線通信を行い、情報集約装置14との有線通信が可能であるかどうかを確認する。
そして、受信側管理装置である映像受信装置(1)15-1が、有線通信が不可能であることを検出すると、無線信号を使って、各映像送信装置13及び各映像受信装置15に映像情報の伝送を有線通信から無線通信へ切り替えるよう指示を出力する。映像送信装置13への指示は、送信側管理装置を介して行われる。
映像送信装置13及び他の映像受信装置15は、受信側管理装置から無線通信への切り替え指示を受信すると、無線によって映像情報を送受信する。
尚、ここでは、受信側管理装置が有線通信から無線通信への切り替えを指示するよう構成したが、送信側管理装置が行ってもよい。
【0039】
[映像送信装置13の構成:
図2]
次に、映像送信装置13の概略構成について
図2を用いて説明する。
図2は、映像送信装置13の概略構成を示す構成ブロック図である。
図2に示すように、映像送信装置13は、制御部131と、有線通信部132と、無線通信部133と、データベース部134と、情報格納部135とを備えている。
制御部131は、映像受信装置15への映像情報の送信制御や、後述するように他の映像送信装置13と相互に動作状態を確認する生存確認の動作の制御を行う。生存確認の動作については後述する。
【0040】
有線通信部132は、中継装置12及び情報集約装置14に有線接続し、それらと有線通信を行う。
無線通信部133は、無線アンテナを備え、無線通信を行う。
データベース部134は、システム内の全ての映像送信装置13の状態や、接続先の情報を管理する映像送信装置管理テーブルを記憶している。映像送信装置管理テーブルについては後述する。
情報格納部135は、情報集約装置14や映像受信装置15との通信ができない場合に、映像情報を蓄積する。情報格納部135に蓄積された映像情報は、通信が復帰した後に読み出されて、情報集約装置14又は映像受信装置15に送信される。
【0041】
[映像受信装置15の構成:
図3]
次に、映像受信装置15の概略構成について
図3を用いて説明する。
図3は、映像受信装置15の概略構成を示す構成ブロック図である。
図3に示すように、映像受信装置15は、制御部151と、有線通信部152と、無線通信部153と、データベース部154とを備えている。
制御部151は、映像送信装置13から受信した映像情報の転送制御や、映像受信装置15相互の生存確認を行う。更に、受信側管理装置の制御部151は、情報保存装置17や他の映像受信装置15に不具合が発生した場合に、映像情報を確実に保存するための制御を行う。
【0042】
有線通信部152は、情報集約装置14及び端末装置16に有線接続し、それらと有線通信を行う。
無線通信部153は、無線通信を行う。
データベース部154は、映像受信装置管理テーブルと、映像送信装置監視テーブルとを記憶している。
映像受信装置管理テーブルは、システム内の全ての映像受信装置15の状態や、接続先の情報を管理するテーブルであり、映像送信装置監視テーブルは、全ての映像送信装置13の優先度及び生存情報を記憶するテーブルである。これらのテーブルについては後述する。
【0043】
[端末装置16の構成:
図4]
次に、端末装置16の概略構成について
図4を用いて説明する。
図4は、端末装置16の概略構成を示す構成ブロック図である。
図4に示すように、端末装置16は、制御部161と、有線通信部162と、データベース部163と、情報格納部164とを備えている。更に、図示は省略するが、制御部161に接続するインタフェース部を介して、操作部や表示部が接続されている。
【0044】
制御部161は、操作部からの指示や接続する映像受信装置15からの指示に基づいて、映像情報の表示や格納等の制御を行う。
有線通信部162は、映像受信装置15と有線通信を行う。
データベース部163は、映像受信装置15と同等の生存情報や接続情報等を記憶する。
情報格納部164は、情報保存装置17(又はそれに接続する映像受信装置(m)15-m)に不具合が発生して、情報保存装置17への映像情報の格納ができない場合に、映像情報を保存する。
【0045】
[映像送信装置13における生存確認の動作:
図1]
次に、本監視カメラシステムにおける映像送信装置13相互の生存確認の動作について
図1を用いて説明する。
本監視カメラシステムの映像送信装置13は、映像情報を無線通信によって送信する動作を行っている際に、定期的に互いの生存を監視して、各映像送信装置13の通信状態を確認する生存確認の動作を行う。この動作は本監視カメラシステムの特徴部分となっている。
【0046】
ここで、本監視カメラシステムの映像送信装置13は、環状(ループ状)の無線リンクを構築しており、予め設定された順方向又はその反対方向である逆方向で無線通信を行う。本実施の形態では、映像送信装置(1)→映像送信装置(2)→映像送信装置(3)→…→映像送信装置(n)→映像送信装置(1)を順方向としている。
【0047】
そして、予め設定された生存確認を行うタイミングになると、送信側管理装置である映像送信装置(1)が起点となって、順方向に生存確認信号を送信する。
生存確認信号を受信した映像送信装置(2)は、送信元である映像送信装置(1)に正常に動作している旨を示す応答を送信すると共に、次の映像送信装置(3)に生存確認信号を送信する。
【0048】
以下同様に、各映像送信装置13は、順方向で生存確認信号を受信すると、送信元に応答を送信し、順方向で次の映像送信装置13に生存確認信号を送信していく。
そして、送信側管理装置である映像送信装置(1)が、映像送信装置(n)から生存確認信号を受信すると、送信側管理装置は、全ての映像送信装置13が正常に動作していると認識し、後述する映像送信装置管理テーブルに生存状態(「全て生存」を示す)を書き込む。
【0049】
次に、映像送信装置13が順方向で生存確認信号を送信したのに、応答が返って来ない場合について説明する。
例えば、映像送信装置(k)が映像送信装置(k+1)に生存確認信号を送信し、一定時間内に映像送信装置(k+1)から応答がなかった場合、映像送信装置(k)は、映像送信装置(k+1)に障害が発生していることを示す障害通知を、生存確認信号の送信方向とは反対の方向である逆方向に送信する。つまり、映像送信装置(k)は、映像送信装置(k-1)に障害通知を送信する。
【0050】
障害通知を受信した映像送信装置(k-1)は、そのまま逆方向で当該障害通知を映像送信装置(k-2)に転送する。以下、逆方向で順次障害通知の転送を行って、送信側管理装置まで転送する。
【0051】
送信側管理装置である映像送信装置(1)は、逆方向で送信されてきた障害通知を受信すると、映像送信装置(k+1)に不具合が発生しているという障害通知の内容を保持しておき、今度は逆方向に生存確認信号を送信する。つまり、送信側管理装置は、映像送信装置(n)に生存確認信号を送信する。
逆方向で生存確認信号を送信した場合にも、順方向の場合と同様に、各映像送信装置13は、生存確認信号を受信すると、送信元に応答を送信し、次の映像送信装置13に生存確認信号を送信する。
【0052】
ここでは、映像送信装置(k+1)に障害が発生しているため、映像送信装置(k+2)から逆方向で映像送信装置(k+1)に生存確認信号を送信した際に、応答が得られない。
すると、映像送信装置(k+2)は、生存確認信号の送信方向とは反対の方向である順方向に、映像送信装置(k+1)に不具合が発生している旨を示す障害通知を送信する。つまり、映像送信装置(k+2)は、映像送信装置(k+3)に障害通知を送信する。
【0053】
そして、送信側管理装置が順方向で障害通知を受信する(映像送信装置(n)から受信する)と、当該障害通知の内容と、既に保持している障害内容とを照合し、一致すると障害箇所を特定するようにしている。つまり、送信側管理装置は、映像送信装置(k+1)に障害が発生していることを認識し、映像送信装置管理テーブルを更新する。
これにより、本監視カメラシステムでは、順方向と逆方向の二つの方向から障害箇所を検出して、確実に映像送信装置13の障害を検出することができるものである。
【0054】
[送信側管理装置の処理:
図5]
生存確認に伴う送信側管理装置の処理について
図5を用いて説明する。
図5は、送信側管理装置の処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、送信側管理装置は、まず順方向で生存確認信号を送信し(100)、順方向での生存確認信号か、逆方向での障害通知の受信を待ち受け、受信すると、生存確認信号か障害通知かを判断する(102)。
【0055】
順方向で生存確認信号を受信した場合には、送信側管理装置は、全ての映像送信装置13は正常に動作していると判断し(120)、処理130に移行する。
【0056】
また、処理102で、逆方向で障害通知を受信した場合には、送信側管理装置は、その障害内容を保存し(104)、逆方向で生存確認信号を送信する(106)。
そして、送信側管理装置は、順方向での障害通知の受信を待ち受け(108)、当該障害通知の障害内容と、保存している障害内容とを照合し、一致するかどうかを判断する(110)。
【0057】
障害内容が一致しない場合、送信側管理装置は、処理100に戻って、再度順方向で生存確認信号を送信する(100)。
処理110で障害内容が一致した場合(Yesの場合)、送信側管理装置は、障害箇所を特定し、処理130に移行して障害の情報を書き込んで映像送信装置管理テーブルを更新する。
【0058】
そして、受信側管理装置は、更新された映像送信装置管理テーブルを、順方向又は逆方向で他の映像送信装置13に配信する(132)。その際、送信側管理装置は、全ての映像送信装置13の生存情報を受信側管理装置に送信する。
【0059】
映像送信装置管理テーブルを受信した他の映像送信装置13は、コピーして自装置のデータベース部134に記憶すると共に、次の映像送信装置13に転送する。尚、障害が発生している映像送信装置13については、飛ばして(スキップして)転送する。
これにより、生存状態にある全ての映像送信装置13が同一の映像送信装置管理テーブルを共有できる。
このようにして、送信側管理装置の処理が行われるものである。
【0060】
[生存確認の別の動作(1)]
生存確認の別の動作(1)について説明する。
送信側管理装置から順方向で生存確認信号を送信し、映像送信装置13は、順方向の生存確認信号に対する応答がなかった場合に、逆方向に障害通知を送信する動作は上述した例と同様である。
但し、送信側管理装置では、障害通知の内容を保持した後の逆方向での生存確認信号の送信は行わない。
そして、映像送信装置13(p)に障害が発生した場合、次の映像送信装置13(p+1)には生存確認信号は送信されない。
【0061】
各映像送信装置13は、予め生存確認開始のタイミング(時刻)を記憶しており、生存確認の時刻になると、生存確認信号を待ち受ける。
そして、生存確認開始から所定の時間が経過しても生存確認信号を受信しなかった場合、映像送信装置13(p+1)は、自発的に、順方向で1つ前の映像送信装置13(p)に障害が発生していることを示す障害通知と生存確認信号とを、順方向で次の映像送信装置13(p+2)に出力する。
【0062】
そして、映像送信装置13(p+2)以降の各映像送信装置13も、順次当該障害通知と生存確認信号を順方向で送信し、送信側管理装置に当該障害通知及び生存確認信号が受信される。
送信側管理装置は、逆方向で受信した障害通知の内容と、順方向で受信した障害通知の内容とを照合して、障害個所を特定し、映像送信装置管理テーブルを更新する。
このようにして生存確認の別の動作(1)が行われる。つまり、別の動作(1)では、生存確認は順方向のみとし、障害通知は順方向と逆方向の2方向で送信する。
生存確認の別の動作(1)でも、障害発生個所に隣接する2つの映像送信装置13で障害を検出しており、障害発生を確実に検出できるものである。
【0063】
[生存確認の別の動作(2)]
生存確認の別の動作(2)では、映像送信装置13は、順方向の生存確認信号に対する応答がなかった場合に、逆方向に障害通知を送信するのではなく、当該応答がなかった映像送信装置13をスキップしてその次の映像送信装置13に、生存確認信号と障害通知とを送信する。
【0064】
この場合、送信側管理装置には、順方向で生存確認信号と障害通知とが送信される。逆方向の生存確認及び障害通知の送信はなく、2方向での障害箇所の確認は為されないが、迅速に障害箇所を特定したい場合には適している。
【0065】
逆方向での生存確認を行う(
図5の動作)か、生存確認を順方向のみとする(別の動作(1))か、障害通知も順方向のみとする(別の動作(2))かは、端末装置16からの操作により随時設定変更が可能である。
【0066】
[映像送信装置管理テーブル:
図6]
次に、映像送信装置13のデータベース部134に記憶されている映像送信装置管理テーブルについて
図6を用いて説明する。
図6は、映像送信装置管理テーブルの説明図である。
以降の説明では、カメラ11、映像送信装置13、映像受信装置15が各5台設けられているシステムについて説明する。映像受信装置15の内、1台は情報保存装置17に接続しているため、映像送信装置13に接続可能な映像受信装置15は4台である。
【0067】
具体的には、カメラ11は、カメラ(1)~(5)、映像送信装置13は、映像送信装置(1)~(5)、映像受信装置15は、映像受信装置(1)~(5)とし、映像受信装置(5)は情報保存装置17に接続されているものとする。
【0068】
図6に示すように、映像送信装置管理テーブルは、映像送信装置13毎に、生存確認順、生存情報、送信側管理装置の番号、接続する映像受信装置15の情報が記憶されている。
「生存確認順」は、生存確認信号を送信する順番を示しており、上から下に向かう順番は、順方向での順番を示し、下から上に向かう順番は、逆方向での順番を示している。
例えば、映像送信装置(2)に対応する生存確認順は、上から順に映像送信装置(3),映像送信装置(4),映像送信装置(5),映像送信装置(1)が記憶されている。
そのため、映像送信装置(2)は、順方向の生存確認信号を受信した場合、映像送信装置(3)に生存確認信号を送信し、逆方向で受信した場合には、映像送信装置(1)に送信する。
【0069】
「生存情報」は、生存確認によって検出された各映像送信装置13の生存状態であり、
図6では、全ての映像送信装置13が生存(正常に動作)していることを示している。映像送信装置管理テーブルの生存情報は、
図5に示した処理によって送信側管理装置によって更新される。
「送信側管理装置」は、現在設定されている送信側管理装置を示しており、映像送信装置(1)が送信側管理装置であることを示している。
【0070】
「接続する映像受信装置」は、映像情報を送信する相手先を示す。
ここでは、映像送信装置13が5台で、接続可能な映像受信装置15が4台であるため、映像送信装置(1)と映像送信装置(5)とが映像受信装置(1)に映像情報を送信するよう設定されている。
図6のテーブルにおいて、送信側管理装置の情報及び接続する映像受信装置の情報は、受信側管理装置の指示で更新される。この動作については後述する。
【0071】
そして、送信側管理装置によって更新された映像送信装置管理テーブルは、送信側管理装置から全映像送信装置13に対して配信される。具体的には、上述した生存確認信号と同様に、送信側管理装置から順方向又は逆方向で映像送信装置管理テーブルが送信され、各映像送信装置13は、受信した映像送信装置管理テーブルを内部に記憶すると共に、次に送信する。
これにより、全ての映像送信装置13が同一の映像送信装置管理テーブルを保持することができ、生存情報や接続情報を共有することができるものである。
【0072】
[映像受信装置15における生存確認の動作:
図1]
次に、本監視カメラシステムにおける映像受信装置15相互の生存確認の動作について
図1を用いて説明する。
本監視カメラシステムでは、無線通信時に、上述した映像送信装置13における生存確認と同様に、映像受信装置15も定期的に互いの通信状態を確認する生存確認の動作を行う。
映像受信装置15も映像送信装置13と同様に、環状の無線リンクを利用して、順方向又は逆方向で通信を行って生存確認を行い、障害箇所を特定する。
【0073】
映像受信装置15における生存確認の動作は、受信側管理装置が起点となって行われ、その処理は
図5に示した送信側管理装置の処理と同等であるため、説明は省略する。
そして、受信側管理装置は、検出された生存情報を、後述する映像受信装置管理テーブルに記載して更新する。
更新された映像受信装置管理テーブルは、受信側管理装置から無線リンクを介して全ての映像受信装置15に配布され、全ての映像受信装置15において同一の映像受信装置管理テーブルを保持するようにしている。
【0074】
[映像受信装置管理テーブル:
図7]
次に、映像受信装置15のデータベース部154に記憶された映像受信装置管理テーブルについて
図7を用いて説明する。
図7は、映像受信装置管理テーブルの説明図である。上述したように、映像受信装置15としては、映像受信装置(1)~(5)の5台が設けられている。
図7に示すように、映像受信装置管理テーブルは、映像受信装置(1)~(5)のそれぞれについて、接続装置、接続する映像送信装置(接続する送信装置)、生存確認順、生存情報、受信側管理装置の番号、優先接続先情報、保存情報が記憶されている。
【0075】
「接続装置」は、有線で接続する機器の情報であり、映像受信装置(1)~(4)はそれぞれ端末装置(1)~(4)に接続し、映像受信装置(5)は情報保存装置17に接続していることを示す。
「接続する送信装置」は、どの映像送信装置13から映像情報を受信するかを示す情報であり、映像受信装置(1)は映像送信装置(1)と映像送信装置(5)から受信し、映像受信装置(2)は映像送信装置(2),映像受信装置(3)は映像送信装置(3),映像受信装置(4)は映像送信装置(4)から受信することが設定されている。
【0076】
「生存確認順」は、上述した生存確認を行う順番であり、上から下に向かう順番は順方向での順番を示し、下から上に向かう順番は逆方向での順番を示している。
「生存情報」は、生存確認によって検出された各映像受信装置15の生存状態であり、
図7では、全ての映像受信装置15が正常に動作している状態であることを示している。尚、図示は省略するが、生存情報としては、各映像受信装置15に接続する端末装置16及び情報保存装置17の生存情報も記憶している。
「受信側管理装置」の情報は、現在設定されている受信側管理装置を示しており、映像受信装置(1)が受信側管理装置であることを示している。受信側管理装置は、特定の端末装置16からの指示により設定される。
【0077】
「保存情報」は、各映像受信装置15に接続する端末装置16又は情報保存装置17で実際に保存されている映像情報を示すものである。
図7の例では、全ての映像受信装置15、端末装置16、情報保存装置17が正常に動作している状態を示しており、映像送信装置(1)~(5)に対応するカメラ(1)~(5)の映像情報は、全て情報保存装置に記憶されている。
【0078】
「優先接続先情報」は、本監視カメラシステムの特徴部分であり、当該映像受信装置15に障害が発生した場合に、当該映像受信装置15に接続している映像送信装置13の映像情報をどこに転送するかを規定するものである。
【0079】
情報保存装置17が正常に動作している場合には、映像受信装置(1)~(4)は、受信した映像情報を、接続する端末装置16に出力すると共に、映像受信装置(5)に転送して情報保存装置17に記憶させるため、多数の映像送信装置13からの映像情報を受信しても端末装置16の負担が極端に増えることはない。
しかし、情報保存装置17(又はそれに接続する映像受信装置(5))に不具合が発生した場合には、上述したように、端末装置16は、受信した映像情報を内部の情報格納部164に蓄積する。そのため、特定の端末装置16に映像情報が集中すると、格納しきれない場合が発生する恐れがある。
【0080】
優先接続先情報は、特定の端末装置16に映像情報が集中するのを避けるための情報である。本監視カメラシステムでは、各端末装置16の負荷(蓄積される映像情報量)がなるべく均等になるよう、映像情報を振り分けるように、優先接続先情報を設定している。通常、優先接続先情報は、システム運用開始前に設定される。
【0081】
図7の例では、例えば映像受信装置(2)に障害が発生した場合、映像受信装置(2)に接続する映像送信装置(2)の映像情報は、映像受信装置(2)に対応する優先接続先情報に従って、映像受信装置(3),映像受信装置(4),映像受信装置(1)の優先順で転送される。
更に、優先順位の高い接続先が生存していない場合には、下位の接続先に転送される。
【0082】
また、
図7の例では、元々映像受信装置(1)は2台の映像送信装置13からの映像情報を受信するように設定されているため、他の映像受信装置15に対応する優先接続先としては優先度が低く設定されている。
これにより、情報保存装置17に障害が発生した場合に、映像受信装置(1)に接続する端末装置(1)が3台の映像送信装置13からの映像情報を蓄積する可能性は低くなり、他の映像受信装置15と分担して映像情報を保存でき、映像情報を確実に蓄積できるものである。
【0083】
[映像送信装置監視テーブル:
図8]
次に、映像受信装置15のデータベース部154に記憶されている映像送信装置監視テーブルについて
図8を用いて説明する。
図8は、映像送信装置監視テーブルの説明図である。
映像送信装置監視テーブルは、受信側管理装置(ここでは映像受信装置(1))によって生成されて、全ての映像受信装置15に配信され、記憶されているものである。
【0084】
図8に示すように、映像送信装置監視テーブルは、映像送信装置13の優先順位(順位)に対応して、映像送信装置13の番号と、カメラ番号と、生存情報とを記憶している。
「優先順位」は、映像受信装置15や情報保存装置17に障害が発生して、映像送信装置13において画像情報の送信先を変更する必要が生じた場合に、その変更を行う優先順を示すものである。
上述したように、優先順位は、対応するカメラで撮影する監視対象領域の重要度に応じて設定されており、これは、システム内の機器に不具合が発生した場合でも、重要な映像を確実に保存できるようにするためである。
【0085】
図8の例では、映像送信装置(1)が優先順位が最も高く、映像送信装置(2),映像送信装置(3),…の順で低くなっている。
優先順位は、例えば、端末装置16からシステム運用開始前に設定される。
【0086】
「カメラ番号」は、各映像送信装置13がどのカメラで撮像された映像情報を送信するかを示す情報である。
「生存情報」は、送信側管理装置から受信した各映像送信装置13の生存情報であり、
図8の例では、全ての映像送信装置13は正常に動作していることを示している。
【0087】
そして、上述したように、全ての映像受信装置15が、
図7に示した映像受信装置管理テーブルと、
図8に示した映像送信装置監視テーブルとを保持している。全ての映像受信装置15で接続情報や生存情報を共有することにより、情報保存装置17やいずれかの映像受信装置15に障害が発生した場合に、スムーズに接続先の切り替えを行うことができるものである。
【0088】
[情報保存装置に障害が発生した場合の受信側管理装置の処理:
図6,7,9,10,11]
次に、情報保存装置17又は情報保存装置17に接続する映像受信装置(5)(以下、「情報保存装置17」と記載する)に障害が発生した場合の受信側管理装置の処理について
図9,
図10を用いて説明する。
図9は、情報保存装置に障害が発生した場合の受信側管理装置の処理を示すフローチャートであり、
図10は、情報保存装置及び映像受信装置(2)に障害が発生した場合の映像受信装置管理テーブルの内容を示す説明図であり、
図11は、更新後の映像受信装置管理テーブルの説明図である。
【0089】
受信側管理装置(ここでは映像受信装置(1)15-1)では、定期的に行う生存確認処理によって、映像受信装置15、端末装置16、情報保存装置17の生存情報を取得して、映像受信装置管理テーブルに記憶している。
生存確認処理によって、情報保存装置17と映像受信装置(2)に障害が発生していることを検出した場合、
図10に示すように、映像受信装置管理テーブルの生存情報には、それらに対応して「×」が記憶される。
【0090】
そして、受信側管理装置は、情報保存装置17に不具合が発生したことを検出すると、
図9に示す処理を開始して、生存中の映像受信装置15に情報保存装置17への転送停止を指示すると共に、各端末装置16に、映像情報を格納するよう指示する(200)。これにより、映像送信装置13から送信されてくる映像情報は、情報保存装置17に転送されずに、端末装置16の情報格納部164に格納されていく。
【0091】
次に、受信側管理装置は、内部に記憶している映像受信装置管理テーブルを参照し、障害発生中の映像受信装置15があるかどうかを判断し(202)、障害発生中の映像受信装置15がない場合(
図7参照)には、処理を終わる。
【0092】
また、処理202で、障害発生中の映像受信装置15があった場合(
図10参照)には、受信側管理装置は、映像受信装置管理テーブルを参照して、当該映像受信装置15に接続する映像送信装置13を特定し(204)、映像送信装置監視テーブルを参照して、その生存情報を確認する。
例えば、
図10に示すように、映像受信装置(2)に障害が発生している場合、受信側管理装置は、映像受信装置(2)には映像送信装置(2)のみが接続しており、生存中であることを認識する。
【0093】
次に、受信側管理装置は、送信側管理装置に対して、障害発生中の映像受信装置15に接続している映像送信装置13の接続先(画像情報の送信先)を変更するよう、指示を出力する。
その際、受信側管理装置は、映像受信装置管理テーブルを参照して、障害発生中の映像受信装置15に対応する優先接続先を読み出し(206)、優先度が高く、且つ生存している接続先を当該映像送信装置13の新たな接続先として選択し、送信側管理装置に映像送信装置管理テーブルの接続先を更新させる(208)。
【0094】
具体的には、
図10に示すように、映像受信装置(2)に対応する優先接続先としては、映像受信装置(3)が最も優先順位が高く、且つ生存しているので、受信側管理装置は、障害発生中の映像受信装置(2)に接続している映像送信装置(2)の新たな接続先として映像受信装置(3)を選択し、送信側管理装置に対して、映像送信装置管理テーブルの、映像送信装置(2)に対応する「接続する映像受信装置」の情報を、映像受信装置(2)から映像受信装置(3)に更新するよう指示する。
これにより、送信側管理装置が、
図6に示した映像送信装置管理テーブルにおいて、映像送信装置(2)に対応する「接続する映像受信装置」を映像受信装置(3)に更新し、各映像送信装置13に配信する。
【0095】
そして、受信側管理装置は、送信側管理装置への指示に基づいて、内部に保存している映像受信装置管理テーブルを更新して、各映像受信装置15に配布する(210)。
つまり、
図11に示すように、映像受信装置管理テーブルにおいて、映像受信装置(2)に対応する「接続する送信装置」と「保存情報」をブランクとし、映像受信装置(3)に対応する「接続する送信装置」を映像送信装置(2)及び映像送信装置(3)とし、「保存情報」をカメラ(2)及びカメラ(3)とする。
【0096】
このようにして、情報保存装置17に障害が発生した場合の受信側管理装置の処理が行われるものであり、更に、情報保存装置17に加えて映像受信装置15に障害が発生したとしても、当該映像受信装置15に接続された映像送信装置13からの映像情報を、優先接続先の情報及び生存情報に従って別の映像受信装置15に転送して、別の映像受信装置15に接続する端末装置16で保存することができるものである。
【0097】
尚、
図9の処理204において、障害発生中の映像受信装置15に接続する映像送信装置13が複数あった場合には、受信側管理装置は、
図8に示した映像送信装置監視テーブルに従って、接続先を書き替える処理を、優先順位の高い映像送信装置13から順に行うようにする。
【0098】
更に、受信側管理装置は、定期的な生存確認によって、情報保存装置17が復帰したことを確認すると、各映像受信装置15に対して情報保存装置17への転送再開を指示し、各端末装置16に対して、内部に記憶している映像情報を情報保存装置17に転送するよう指示を出力する。
これにより、一時的に端末装置16に蓄積された映像情報を情報保存装置17に格納できるものである。
【0099】
[実施の形態の効果]
本実施の形態に係る監視カメラシステムによれば、カメラ11で撮影した映像を送信する複数の映像送信装置13と、当該映像を受信する複数の映像受信装置15と、映像受信装置15に接続する端末装置16と、映像受信装置15で受信した映像を記憶する情報保存装置17とを備え、複数の映像送信装置13が無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側管理装置である映像送信装置13(1)以外の複数の映像送信装置13(k)は、生存確認信号を受信すると送信元に応答すると共に次の映像送信装置13(k+1)又は映像送信装置13(k-1)に生存確認信号を送信する動作を行い、次の映像送信装置13から応答を受信しなかった場合に、生存確認信号の送信方向とは反対の方向に当該次の映像送信装置13(k+1)又は映像送信装置13(k-1)で障害が発生していることを示す障害通知を送信し、送信側管理装置である映像送信装置13(1)が、まず生存確認信号を順方向に送信し、順方向で生存確認信号を受信すると、全ての映像送信装置13が正常であると認識し、逆方向で障害通知を受信すると、当該障害通知の内容を保持すると共に逆方向に生存確認信号を送信し、その後順方向で障害通知を受信すると、保持している障害通知の内容と照合して障害が発生している映像送信装置13を特定するという動作を行って、2方向から循環的に生存監視を行う監視カメラシステムとしているので、いずれかの映像送信装置13に障害が発生した場合に、通信網上で当該装置に隣接する2つの映像送信装置13で障害発生を確認することができ、障害を確実に検出することができる効果がある。
【0100】
すなわち、本監視カメラシステムによれば、複数の映像送信装置13が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、送信側管理装置である映像送信装置13(1)を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、送信側管理装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定するようにしているので、映像送信装置13の障害を確実に検出することができる効果がある。
さらに、これにより障害の発生した装置を除いた他の装置群にて引き続き稼働させることができるため、障害発生装置を除いた他の装置群にて再度巡回監視可能となるという効果もある。
【0101】
また、本監視カメラシステムによれば、カメラ11で撮影した映像を送信する複数の映像送信装置13と、当該映像を受信する複数の映像受信装置15と、映像受信装置15に接続する端末装置16と、映像受信装置15で受信した映像を記憶する情報保存装置17とを備え、複数の映像受信装置15が無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、受信側管理装置である映像受信装置15(1)以外の複数の映像送信装置15(k)は、生存確認信号を受信すると送信元に応答すると共に次の映像受信装置15(k+1)又は映像受信装置15(k-1)に生存確認信号を送信する動作を行い、次の映像受信装置15から応答を受信しなかった場合に、生存確認信号の送信方向とは反対の方向に当該次の映像受信装置15(k+1)又は映像受信装置13(k-1)で障害が発生していることを示す障害通知を送信し、受信側管理装置である映像受信装置15(1)が、まず生存確認信号を順方向に送信し、順方向で生存確認信号を受信すると、全ての映像受信装置15が正常であると認識し、逆方向で障害通知を受信すると、当該障害通知の内容を保持すると共に逆方向に生存確認信号を送信し、その後順方向で障害通知を受信すると、保持している障害通知の内容と照合して障害が発生している映像受信装置15を特定するという動作を行って、2方向から循環的に生存監視を行う監視カメラシステムとしているので、いずれかの映像受信装置15に障害が発生した場合に、通信網上で当該装置に隣接する2つの映像受信装置15で障害発生を確認することができ、障害を確実に検出することができる効果がある。
【0102】
すなわち、本監視カメラシステムによれば、複数の映像受信装置15が、無線によって順方向又は逆方向に通信を行う環状の通信網を形成しており、受信側管理装置である映像受信装置15(1)を起点として、順方向で生存確認を行い、障害発生を検出した場合には、逆方向でも生存確認を行って、受信側管理装置が、順方向と逆方向の2方向で検出された障害発生の内容を照合して、障害発生個所を特定するようにしているので、映像受信装置15の障害を確実に検出することができる効果がある。
【0103】
また、本監視カメラシステムによれば、情報保存装置17又はそれに接続する映像受信装置15に障害が発生した場合に、接続する映像受信装置15で受信した映像情報を、端末装置16に記憶するようにしているので、映像情報を欠落させずに保存できる効果がある。
【0104】
また、本監視カメラシステムによれば、情報保存装置17に加えていずれかの映像受信装置15(k)に障害が発生した場合、受信側管理装置(例えば映像受信装置15(1))が、障害が発生した映像受信装置15(k)に接続されている映像送信装置13に対応して映像送信装置管理テーブルに記憶されている接続先を、予め設定されている優先接続先情報に基づいて、障害が発生した映像受信装置15(k)から別の映像受信装置15(i)に書き替えるよう、送信側管理装置(例えば映像送信装置13(1))に指示するようにしており、情報保存装置17及び一部の映像受信装置15に障害が発生した場合でも映像情報を確実に保存することができ、更に映像受信装置15の負荷をできるだけ均等にすることができる効果がある。
【0105】
また、本監視カメラシステムによれば、映像送信装置13が、有線による情報集約装置14への接続及び、無線による映像受信装置15への接続が不能となった場合に、監視カメラ11から伝送された映像情報を内部の情報格納部135に記憶するようにしており、有線又は無線による通信が不能となった場合でも、映像情報を確実に保存でき、通信が復帰したときには、保存した映像情報を映像受信装置15側に送信できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、特に一部の機器に不具合が発生した場合でも、映像の監視や記録を滞りなく行うことができる監視カメラシステムに適している。
【符号の説明】
【0107】
11…カメラ、 12…中継装置、 13…映像送信装置、 14…情報集約装置、 15…映像受信装置、 16…端末装置、 17…情報保存装置、 131,151,161…制御部、 132,152,162…有線通信部、 133,153…無線通信部、 134,154,163…データベース部、 135,164…情報格納部