IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図1
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図2
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図3
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図4
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図5
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図6
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図7
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図8
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図9
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図10
  • 特許-撮像装置及びその制御方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20210101AFI20221219BHJP
   G02B 7/34 20210101ALI20221219BHJP
   G02B 7/36 20210101ALI20221219BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20221219BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221219BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G02B7/34
G02B7/36
G03B13/36
G03B15/00 H
H04N5/232 133
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018126164
(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2020003760
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】殖栗 俊明
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-218139(JP,A)
【文献】特開2011-048341(JP,A)
【文献】特開2018-006867(JP,A)
【文献】特開平07-131698(JP,A)
【文献】特開2010-128018(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0268080(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0112396(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28-7/40
G03B 13/36
G03B 15/00
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを含む撮影光学系の異なる瞳領域を通過した光束を光電変換して、一対の焦点検出のための信号を出力することが可能な複数の画素を有する撮像手段と、
ユーザからの撮影準備指示に応じて、前記撮像手段からの出力に基づいて焦点状態を検出する第1の焦点検出手段と、
互いにピント位置が異なる複数の画像であって、合成画像を生成するために用いられる複数の画像を撮像するように前記撮像手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、ユーザの指示に応じて前記複数の画像の撮影回数を制御し、
前記制御手段は、前記複数の画像を撮像する際のピント位置のステップ幅を、前記第1の焦点検出手段による焦点検出結果に基づく合焦位置を基準として、当該基準から無限遠側への前記ピント位置のステップ幅をユーザの指示に応じた第1のステップ幅とするとともに、当該基準から至近側へのピント位置のステップ幅を前記第1のステップ幅よりも小さく、かつ、ピントの精度誤差を補完する第2のステップ幅とすることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記複数の画像を撮像する際のピント位置は、被写界深度に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
ピント位置が無限遠に達した場合には、撮影カウントが前記複数の画像の撮影回数に達していなくても、合成画像を生成するために用いられる複数の画像の撮像を終了することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
フォーカスレンズを含む撮影光学系の異なる瞳領域を通過した光束を光電変換して、一対の焦点検出のための信号を出力することが可能な複数の画素を有する撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
ユーザからの撮影準備指示に応じて、前記撮像手段からの出力に基づいて焦点状態を検出する第1の焦点検出工程と、
互いにピント位置が異なる複数の画像であって、合成画像を生成するために用いられる複数の画像を撮像するように前記撮像手段を制御する制御工程とを有し、
前記制御工程では、ユーザの指示に応じて前記複数の画像の撮影回数を制御し、
前記制御工程では、前記複数の画像を撮像する際のピント位置のステップ幅を、前記第1の焦点検出工程による焦点検出結果に基づく合焦位置を基準として、当該基準から無限遠側への前記ピント位置のステップ幅をユーザの指示に応じた第1のステップ幅とするとともに、当該基準から至近側へのピント位置のステップ幅を前記第1のステップ幅よりも小さく、かつ、ピントの精度誤差を補完する第2のステップ幅とすることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカスブラケット撮影機能を有する撮像装置における焦点調節技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子スチルカメラなどの撮像装置において、撮影後にベストな一枚を選択でき、ピント合わせが難しい接写やワンチャンスで動く被写体を狙うために、1レリーズで焦点距離を前後にずらした複数の画像を記録させる撮像装置が知られている。異なる複数のピントを同時に記録できることから、フォーカスブラケット撮影と呼ばれている。また、この撮影により記録された画像を用いて、撮像装置内で深度合成された画像を作成することも可能である。
【0003】
特許文献1では、合焦点をピント振り撮影の基準値とし、ピントを振りながら数回の撮影を行う。例えば、-1.0D、-0.5D、OD、+0.5D、+1.0Dで5回撮影を行う技術が提案されている。また、特許文献2では、カメラが決定した1つの合焦ポイントの前後を複数枚、フォーカスブラケット撮影する際に、決定された合焦ポイントにおける焦点評価値の大きさが大きいほど、ピント振り間隔を小さくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平09-135812号公報
【文献】特許第5278564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1や特許文献2に開示された従来技術では、合焦点をピント振り撮影の基準値として等間隔に撮影する。このため、例えば、花のような被写体を撮影しようとした場合に、おしべ等にピントが合い、手前の花びらや葉っぱなど手前側の領域にピントが合いにくい場合があった。他にも、時計のような被写体でも、場合によっては、手前側の領域にピントが合いにくい状況があった。
【0006】
そこで、本発明は、手前側の領域にピントが合いにくい被写体に対してもピントの合った画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術的特徴として、フォーカスレンズを含む撮影光学系の異なる瞳領域を通過した光束を光電変換して、一対の焦点検出のための信号を出力することが可能な複数の画素を有する撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、ユーザからの撮影準備指示に応じて、前記撮像手段からの出力に基づいて焦点状態を検出する第1の焦点検出工程と、互いにピント位置が異なる複数の画像であって、合成画像を生成するために用いられる複数の画像を撮像するように前記撮像手段を制御する制御工程とを有し、前記制御工程では、ユーザの指示に応じて前記複数の画像の撮影回数を制御し、前記制御工程では、前記複数の画像を撮像する際のピント位置のステップ幅を、前記第1の焦点検出工程による焦点検出結果に基づく合焦位置を基準として、当該基準から無限遠側への前記ピント位置のステップ幅をユーザの指示に応じた第1のステップ幅とするとともに、当該基準から至近側へのピント位置のステップ幅を前記第1のステップ幅よりも小さく、かつ、ピントの精度誤差を補完する第2のステップ幅とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手前側の領域にピントが合いにくい被写体に対してもピントの合った画像を取得することが可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例における撮像装置の構成を示すブロック図である。
図2】(A)本発明の実施形態における撮像素子22の画素配列を示した図である。(B)本発明の実施形態における撮像素子22の読み出し回路の構成例を示した図である。
図3】本発明の実施形態における撮影光学系の射出瞳面と、像高ゼロ、すなわち像面中央近傍に配置された撮像素子の光電変換部の共役関係を説明する図である。
図4】本発明の実施形態におけるTVAF焦点検出部の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態における撮影モード処理を示すフローチャート図である。
図6】本発明の実施形態における撮影モード処理を示すフローチャート図である。
図7】本発明の実施形態における撮影モード処理を示すフローチャート図である。
図8】本発明の実施形態における画面例を示す模式図である。
図9】本発明の実施形態におけるピント位置、ステップ幅、撮影順序を示す模式図である。
図10】本発明の実施形態2における撮影モード処理を示すフローチャート図である。
図11】本発明の実施形態3における撮影モード処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
<撮像装置の構成>
本実施形態では、撮像装置の一例として、レンズ交換可能な一眼レフタイプのデジタルカメラにおいて、本発明を適用した場合を示す。
【0012】
図1は、撮像装置の主要部の構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮像装置100は、レンズユニット110とカメラ本体120とを有する。
【0013】
レンズユニット110は、図中央の点線で示されるマウントMを介して、カメラ本体120に装着される。レンズユニット110は、光学系(第1レンズ群101、絞り102、第2レンズ群103、フォーカスレンズ群(以下、単に「フォーカスレンズ」という)104)、及び駆動/制御系を有する。本実施形態において、レンズユニット110は、フォーカスレンズ104を含み、被写体の光学像を形成する撮影レンズである。第1レンズ群101は、レンズユニット110の被写体側の先端に配置され、光軸方向OAに移動可能に保持される。絞り102は、撮影時の光量を調節する機能のほか、静止画撮影時には露出時間を制御するメカニカルシャッタとしても機能する。絞り102及び第2レンズ群103は、一体で光軸方向OAに移動可能であり、第1レンズ群101と連動して移動することによりズーム機能を実現する。フォーカスレンズ104も光軸方向OAに移動可能であり、位置に応じてレンズユニット110が合焦する被写体距離(合焦距離)が変化する。フォーカスレンズ104の光軸方向OAにおける位置を制御することにより、レンズユニット110の合焦距離を調節する焦点調節を行う。
【0014】
ここで、フォーカスレンズ104の位置制御を行うレンズ駆動方式について簡単に説明する。レンズ駆動方式には、主に、超音波モータ駆動方式とDCモータ駆動方式がある。超音波モータ駆動方式は、超音波により駆動させる方式である。ステータの駆動子を振動させて、ロータを物理的に移動させるため、駆動音が小さく、レンズ位置決め精度が高い。一方、DCモータ駆動方式は、直流モータにより駆動させる方式である。駆動にはギアを介するので、駆動音が大きく、レンズ位置決め精度が超音波モータ駆動方式に比べて劣る。
【0015】
駆動/制御系は、ズームアクチュエータ111、絞りアクチュエータ112、フォーカスアクチュエータ113、ズーム駆動回路114、絞り絞り駆動回路115、フォーカス駆動回路116、レンズMPU117、レンズメモリ118を有する。ズーム駆動回路114は、ズームアクチュエータ111を用いて第1レンズ群101や第3レンズ群103を光軸方向OAに駆動し、レンズユニット110の光学系の画角を制御する。絞りシャッタ駆動回路115は、絞りアクチュエータ112を用いて絞り102を駆動し、絞り102の開口径や開閉動作を制御する。フォーカス駆動回路116は、フォーカスアクチュエータ113を用いてフォーカスレンズ104を光軸方向OAに駆動し、レンズユニット110の光学系の合焦距離を制御する。また、フォーカス駆動回路116は、フォーカスアクチュエータ113を用いてフォーカスレンズ104の現在位置を検出する。レンズMPU(プロセッサ)117は、レンズユニット110に係る全ての演算、制御を行い、ズーム駆動回路114、絞り駆動回路115、フォーカス駆動回路116を制御する。また、レンズMPU117は、マウントMを通じてシステム制御部50と接続され、コマンドやデータを通信する。例えば、レンズMPU117は、フォーカスレンズ104の位置を検出し、システム制御部50からの要求に対してレンズ位置情報を通知する。このレンズ位置情報は、フォーカスレンズ104の光軸方向OAにおける位置、光学系が移動していない状態の射出瞳の光軸方向OAにおける位置および直径、射出瞳の光束を制限するレンズ枠の光軸方向OAにおける位置および直径などの情報を含む。また、レンズMPU117は、システム制御部50からの要求に応じて、ズーム駆動回路114、絞り駆動回路115、フォーカス駆動回路116を制御する。レンズメモリ118は、自動焦点検出に必要な光学情報が予め記憶されている。システム制御部50は、例えば、内蔵する不揮発性メモリやレンズメモリ118に記憶されているプログラムを実行することで、レンズユニット110の動作を制御する。
【0016】
カメラ本体120は、光学系(光学ローパスフィルタ21及び撮像素子22)と、駆動/制御系とを有する。レンズユニット110の第1レンズ群101、絞り102、第2レンズ群103、フォーカスレンズ104と、カメラ本体120の光学ローパスフィルタ21は、撮影光学系を構成する。
【0017】
光学ローパスフィルタ21は、撮影画像の偽色やモアレを軽減する。撮像素子22は、CMOSイメージセンサと周辺回路で構成され、横方向m画素、縦方向n画素(n、mは2以上の整数)が配置される。本実施形態の撮像素子22は、瞳分割機能を有し、画像データを用いた位相差AFが可能である。画像処理部24は、撮像素子22が出力する画像データから、位相差AF用のデータと、表示、記録、およびコントラスト焦点検出方式(コントラストAF、TVAF)用の画像データを生成する。また、画像処理部24では、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、焦点検出制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0018】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像素子22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0019】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
【0020】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムのことである。
【0021】
システム制御部50は、撮像装置100全体を制御する。システム制御部50は、マウントMの信号線を介してレンズMPU117と接続され、レンズMPU117とコマンドやデータを通信する。また、システム制御部50は、レンズMPU117に対し、レンズ位置の取得要求や、所定の駆動量での絞り、フォーカスレンズ、ズーム駆動要求や、レンズユニット110に固有の光学情報の取得要求などを発行する。また、システム制御部50は、前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0022】
モード切り替えスイッチ60、シャッターボタン61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60で、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ60でメニューボタンに一旦切り換えた後に、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0023】
第1シャッタースイッチ62は、撮像装置100のカメラ本体120に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像素子22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0025】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。また、例えば、ライブビューボタンが押されると撮像素子22を通して取得された映像の表示部28への表示/非表示を切り替えることができる。
【0026】
操作部70の一つとして、表示部28に対する接触を検知可能なタッチパネル70aを有する。タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を構成することができる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下の操作。あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0027】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0028】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル70a上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定するものとする。更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0029】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部81は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像素子22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
【0030】
撮像面位相差焦点検出部29は、画像処理部24により得られる焦点検出用データを用いて位相差AFで焦点検出処理を行う。より具体的には、画像処理部24が、撮影光学系の一対の瞳領域を通過する光束で形成される一対の像データを焦点検出用データとして生成し、撮像面位相差焦点検出部29は、この一対の像データのずれ量に基づいて焦点ずれ量を検出する。このように、本実施形態の撮像面位相差焦点検出部29は、専用のAFセンサを用いず、撮像素子22の出力に基づく位相差AF(撮像面位相差AF)を行う。撮像面位相差焦点検出部29の動作については後で詳細に説明する。
【0031】
TVAF焦点検出部30は、画像処理部24が生成するTVAF用評価値(画像データのコントラスト情報)に基づいてコントラストAFの焦点検出処理を行う。コントラストAFの焦点検出処理は、フォーカスレンズ104を移動して評価値がピークとなるフォーカスレンズ位置を合焦位置として検出する。
【0032】
このように、本実施形態のデジタルカメラは、位相差AFとコントラストAFの両方を実行可能であり、状況に応じて選択的に使用したり、組み合わせて使用したりすることができる。
【0033】
<撮像素子の構成>
図2に画像センサとしての撮像素子22の受光面の一部を示す。撮像素子22は、撮像面位相差AFを可能にするために、一つのマイクロレンズに対して光電変換部であるフォトダイオードを2つ保持している画素部をアレイ状に並べている。これにより、各画素部で、レンズ鏡筒の射出瞳を分割した光束を受光することが可能になっている。言い換えると、撮像素子22は、撮影光学系の異なる瞳領域を通過した光束を光電変換して、一対の焦点検出のための信号を出力することが可能な複数の画素を有する構成である。
【0034】
図2(A)は、本実施形態に係る撮像素子22の画素配列を示した図で、2次元C-MOSエリアセンサの縦(Y方向)6行と横(X方向)8列の範囲を、レンズユニット110側から観察した状態を示している。撮像素子22には、ベイヤー配列のカラーフィルタが設けられ、奇数行の画素には、左から順に緑(G)と赤(R)のカラーフィルタが交互に、偶数行の画素には、左から順に青(B)と緑(G)のカラーフィルタが交互に配置されている。画素211において、円211iは、オンチップマイクロレンズを表し、オンチップマイクロレンズの内側に配置された複数の矩形211a,211bは、それぞれ光電変換部である。
【0035】
撮像素子22は、すべての画素の光電変換部がX方向に2分割され、個々の光電変換部の光電変換信号と、光電変換信号の和が独立して読み出し可能である。また、光電変換信号の和から一方の光電変換部の光電変換信号を減じることで、他方の光電変換部の光電変換信号に相当する信号を得ることができる。個々の光電変換部における光電変換信号は位相差AF用のデータとして用いたり、3D(3-Dimensional)画像を構成する視差画像の生成に用いたりしてもよい。また、光電変換信号の和は、通常の撮影画像データとして用いることができる。
【0036】
図2(B)は、本実施形態の撮像素子22の読み出し回路の構成例を示す図である。水平走査回路151、垂直走査回路153の各画素の境界部には、水平走査ライン152a及び152bと、垂直走査ライン154a及び154bが配線され、各光電変換部は、これらの走査ラインを介して信号が外部に読み出される。
【0037】
図3は、本実施形態の撮像装置において、撮影光学系の射出瞳面と、像高ゼロ、すなわち像面中央近傍に配置された撮像素子の光電変換部の共役関係を説明する図である。撮像素子内の光電変換部と撮影光学系の射出瞳面は、オンチップマイクロレンズによって共役関係となるように設計される。そして、撮影光学系の射出瞳は、一般的に光量調節用の虹彩絞りが置かれる面とほぼ一致する。一方、本実施形態の撮影光学系は、変倍機能を有したズームレンズであるが、光学タイプによっては変倍操作を行うと、射出瞳の像面からの距離や大きさが変化する。図3では、レンズユニット110の焦点距離が至近端と無限遠端の中央にある状態を示している。この状態における射出瞳距離Zepを標準値として、オンチップマイクロレンズの形状や、像高(X,Y座標)に応じた偏心パラメータの最適設計がなされる。
【0038】
図3(A)において、レンズユニット110は、第1レンズ群101を保持する鏡筒部材101b、第3レンズ群105、フォーカスレンズ104を保持する鏡筒部材104bを含む。また、絞り102の開放時の開口径を規定する開口板102a、絞り込み時の開口径を調節するための絞り羽根102bを含む。なお、撮影光学系を通過する光束の制限部材として作用する虚像101b、102a、102b、及び104bは、像面から観察した場合の光学的な虚像を示している。また、絞り102の近傍における合成開口をレンズの射出瞳と定義し、前述したように像面からの距離をZepとしている。
【0039】
画素211は、像面中央近傍に配置されており、本実施形態では、中央画素と呼ぶ。中央画素211は、最下層より、光電変換部211a,211b、配線層211e~211g、カラーフィルタ211h、及びオンチップマイクロレンズ211iの各部材で構成される。そして、2つの光電変換部は、オンチップマイクロレンズ211iによって撮影光学系の射出瞳面に投影される。すなわち、撮影光学系の射出瞳が、オンチップマイクロレンズ211iを介して、光電変換部の表面に投影される。
【0040】
図3(B)は、撮影光学系の射出瞳面上における、光電変換部の投影像を示したもので、光電変換部211a及び211bに対する投影像は、各々EP1a及びEP1bとなる。また、本実施形態では、撮像素子は、2つの光電変換部211aと211bのいずれか一方の出力と、両方の和の出力を得ることができる画素を有している。両方の和の出力は、撮影光学系のほぼ全瞳領域である投影像EP1a、EP1bの両方の領域を通過した光束を光電変換したものである。
【0041】
図3(A)で、撮影光学系を通過する光束の最外部をLで示すと、光束Lは、絞りの開口板102aで規制されており、投影像EP1a及びEP1bは、撮影光学系でケラレがほぼ発生していない。図3(B)では、図3(A)の光束Lを、TLで示している。TLで示す円の内部に、光電変換部の投影像EP1a、EP1bの大部分が含まれていることからも、ケラレがほぼ発生していないことがわかる。光束Lは、絞りの開口板102aでのみ制限されているため、TLは、102aと言い換えることができる。この際、像面中央では、各投影像EP1a及びEP1bのケラレ状態は、光軸に対して対称となり、各光電変換部211a及び211bが受光する光量は等しい。
【0042】
<位相差AF焦点検出動作の説明>
同一画素行に配置された所定範囲内の複数の画素211について、光電変換部211aの出力をつなぎ合わせて編成したものをAF用A像、光電変換部211bの出力をつなぎ合わせて編成したものをAF用B像とする。光電変換部211a、211bの出力は、カラーフィルタの単位配列に含まれる緑、赤、青、緑の出力を加算して算出した疑似的な輝度(Y)信号を用いる。但し、赤、青、緑の色ごとに、AF用A像、B像を編成してもよい。このように生成したAF用A像とB像の相対的な像ずれ量を相関演算により検出することで、所定領域の焦点状態を示す焦点ずれ量(デフォーカス量)を検出することができる。本実施形態では、一方の光電変換部の出力と全光電変換部の出力の和を撮像素子22から読み出すものとする。例えば、光電変換部211aの出力と、光電変換部211a,211bの出力の和とが読み出される場合、光電変換部211bの出力は、和から光電変換部211aの出力を減じることで取得する。これにより、AF用A像とB像の両方を得ることができ、位相差AFが実現できる。
【0043】
位相差AFを行う場合、システム制御部50は、撮像素子22からの出力を読み出すように制御する。そして、システム制御部50は、画像処理部24に対して焦点検出領域の情報を与え、焦点検出領域内に含まれる画素の出力から、AF用A像およびB像のデータを生成して撮像面位相差焦点検出部29に供給するよう命令する。画像処理部24は、この命令に従ってAF用A像およびB像のデータを生成して撮像面位相差焦点検出部29に出力する。
【0044】
なお、本実施形態では、一例として水平方向に射出瞳を2分割する構成を説明したが、撮像素子一部の画素については、垂直方向に射出瞳を2分割する構成としてもよい。また、水平および垂直の両方向に射出瞳を分割する構成としてもよい。垂直方向に射出瞳を分割する画素を設けることにより、水平だけでなく垂直方向の被写体のコントラストに対応した位相差AFが可能となる。
【0045】
<TVAF焦点検出動作の説明>
次に、図4を用いて、コントラストAF(TVAF)について説明する。コントラストAFは、システム制御部50とTVAF焦点検出部30が連携してフォーカスレンズの駆動と評価値の算出を繰り返し行うことで実現される。まず、画像処理部24からRAW画像データがTVAF焦点検出部30に入力されると、AF評価用信号処理回路401で、ベイヤー配列信号からの緑(G)信号の抽出と、低輝度成分を強調して高輝度成分を抑圧するガンマ補正処理が施される。本実施形態では、TVAFを緑(G)信号で行う場合を説明するが、赤(R)、青(B)、緑(G)の全ての信号を用いてもよい。また、RGB全色用いて輝度(Y)信号を生成してもよい。AF評価用信号処理回路401で生成される出力信号は、用いられた信号の種類によらず、以後の説明では、輝度信号Yと呼ぶ。
【0046】
なお、システム制御部50から、領域設定回路413に焦点検出領域が設定されているものとする。領域設定回路413は、設定された領域内の信号を選択するゲート信号を生成する。ゲート信号は、ラインピーク検出回路402、水平積分回路403、ライン最小値検出回路404、ラインピーク検出回路409、垂直積分回路406、410、垂直ピーク検出回路405、407、411の各回路に入力される。また、各焦点評価値が焦点検出領域内の輝度信号Yで生成されるように、輝度信号Yが各回路に入力するタイミングが制御される。なお、領域設定回路413には、焦点検出領域に合わせて複数の領域が設定可能である。
【0047】
次に、Yピーク評価値の算出方法について説明する。ガンマ補正された輝度信号Yは、ラインピーク検出回路402へ入力され、領域設定回路413に設定された焦点検出領域内で水平ラインごとのYラインピーク値が求められる。ラインピーク検出回路402の出力は、垂直ピーク検出回路405において焦点検出領域内で垂直方向にピークホールドされ、Yピーク評価値が生成される。Yピーク評価値は、高輝度被写体や低照度被写体の判定に有効な指標である。
【0048】
次に、Y積分評価値の算出方法について説明する。ガンマ補正された輝度信号Yは、水平積分回路403へ入力され、焦点検出領域内で水平ラインごとにYの積分値が求められる。さらに、水平積分回路403の出力は、垂直積分回路406において焦点検出領域内で垂直方向に積分されて、Y積分評価値が生成される。Y積分評価値は、焦点検出領域内全体の明るさを判断する指標として用いることができる。
【0049】
次に、Max-Min評価値の算出方法について説明する。ガンマ補正された輝度信号Yは、ラインピーク検出回路402に入力され、焦点検出領域内で水平ラインごとのYラインピーク値が求められる。また、ガンマ補正された輝度信号Yは、ライン最小値検出回路404に入力され、焦点検出領域内で水平ラインごとに輝度信号Yの最小値が検出される。検出された水平ラインごとの輝度信号Yのラインピーク値及び最小値は、減算器に入力され、(ラインピーク値-最小値)が垂直ピーク検出回路407に入力される。垂直ピーク検出回路407は、焦点検出領域内で垂直方向にピークホールドを行い、Max-Min評価値を生成する。Max-Min評価値は、低コントラスト・高コントラストの判定に有効な指標である。
【0050】
次に、領域ピーク評価値の算出方法について説明する。ガンマ補正された輝度信号Yは、BPF408に通すことによって特定の周波数成分が抽出され焦点信号が生成される。この焦点信号は、ラインピーク検出回路409へ入力され、焦点検出領域内で水平ラインごとのラインピーク値が求められる。ラインピーク値は、垂直ピーク検出回路411によって焦点検出領域内でピークホールドされ、領域ピーク評価値が生成される。領域ピーク評価値は、焦点検出領域内で被写体が移動しても変化が少ないので、合焦状態から再度合焦点を探す処理に移行するかどうかを判定する再起動判定に有効な指標である。
【0051】
次に、全ライン積分評価値の算出方法について説明する。領域ピーク評価値と同様に、ラインピーク検出回路409は、焦点検出領域内で水平ラインごとのラインピーク値を求める。信号がラインピーク値を垂直積分回路410に入力し、焦点検出領域内で垂直方向に全水平走査ライン数について積分して全ライン積分評価値を生成する。高周波全ライン積分評価値は、積分の効果でダイナミックレンジが広く、感度が高いので、主要なAF評価値である。従って、本実施形態では、単に焦点評価値と記載した場合は、全ライン積分評価値を意味する。
【0052】
システム制御部50のAF制御部50aは、上述したそれぞれの焦点評価値を取得し、レンズMPU117を通じてフォーカスレンズ104を光軸方向に沿って所定方向に所定量移動させる。そして、新たに得られた画像データに基づいて上述した各種の評価値を算出し、全ライン積分評価値が最大値となるフォーカスレンズ位置を検出する。本実施形態では、各種のAF用評価値を水平ライン方向および垂直ライン方向で算出する。これにより、水平、垂直の直交する2方向の被写体のコントラスト情報に対して焦点検出を行うことができる。
【0053】
<実施例1>
以下、図5から図8を参照して、実施例1の動作を説明する。
【0054】
図5は、本実施形態による撮像装置100のカメラ本体120の全体的な動作に関するフローチャート図である。このフローチャートにおける各処理は電源スイッチ72が操作され電源がオンに切り替わると、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0055】
S101において、フラグや制御変数等を初期化する。S111において、システムメモリ52に記録されている撮影設定を読み出す。ここで撮影設定とは、フォーカスブラケット撮影を実行するかを示す設定、フォーカスブラケット撮影における複数回の撮影の撮影回数、フォーカスブラケット撮影のステップ幅の各設定値である。これ以降の説明では、フォーカスブラケット撮影を実行するかを示す設定として「する」が選択されているものとして進める。
【0056】
これらの撮影設定は、操作部70のメニューボタンを押すことで設定可能である。また、システム制御部50は、メニュー画面を表示し、操作部70に対するユーザ操作に応じて、撮影設定を変更する。ここでは連続撮影設定機能について、その設定画面例を図8(a)から図8(e)を用いて説明する。
【0057】
図8(a)には、機能702が一覧表示されている。ユーザは操作部材70に含まれる上下左右ボタンなどを押下することで、カーソル704を移動させ、SETボタンを押下することで任意の機能の設定変更画面へ遷移する。図8(b)はフォーカスブラケット撮影画面の例である。機能タイトル712と、各子機能714~718が表示されている。また、機能714と、それに対する設定値720が一覧表示されている。フォーカスブラケット撮影714は、フォーカスブラケット撮影を実行するかを示す設定する項目である。設定画面例は図8(c)に示す通りであり、ユーザは選択肢732の中から設定値を選択する。初期値である「する」の他に、設定をユーザは選択可能である。「する」設定時は機能の実行を行う。「しない」設定時は機能の実行を行わない。撮影回数716は、フォーカスブラケット撮影における撮影回数を設定する項目である。設定画面例は図8(d)に示す通りであり、ユーザは3桁の各数字を変更することで撮影回数を設定する。初期値は100となっており、ここでは、百の位にフォーカスが当たっていてこの数値を変更できる状態になっている。この時、指標748、指標750が表示されていて、操作部材70に含まれる上下ボタンを押下するか、各指標へのタッチ操作を行うことで数値を変更できる。ステップ幅718は、フォーカスブラケット撮影のフォーカスレンズのステップ幅を設定する項目である。設定画面例は図8(e)に示す通りであり、ユーザは1から9の1桁の数字を変更することでステップ幅を設定する。ステップ幅の1は精度誤差程度のフォーカスステップ幅を示している。また、初期値は4となっており、ここでは、指標764、指標766が表示されていて、操作部材70に含まれる上下ボタンを押下するか、各指標へのタッチ操作を行うことで数値を変更できる。上記設定より、フォーカスブラケット撮影における設定が可能になる。
【0058】
図5の説明に戻って、S102において、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の設定位置を判断し、撮影モードに設定されていたならばS104へ進み、それ以外に設定されていたならばS103へ進む。S103において、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の設定位置を判断し、再生モードに設定されていたならばS105へ進み、それ以外に設定されていたならばS106へ進む。S104における撮影モード処理の詳細は後述する。
【0059】
S106において、システム制御部50は、その他のモードに関わる処理を行う。その他のモードとしては、記録媒体200に格納されたファイルの送受信を行う通信モード等が含まれる。S107において、システム制御部50は、電源スイッチ72がオフであるか否かを判定し、電源オンに設定されていれば、S102へ戻り、電源オフに設定されていれば、S108へ進む。電源OFF処理が完了すると撮像装置の動作を終了する。
【0060】
図6は、本実施形態によるシステム制御部50により実行される撮影モード処理に関するフローチャート図である。
【0061】
S202では表示部28にスルー画像の表示を開始する。S204では撮影操作判断処理により動作指示の入力を検出したかどうかを判定する。撮影操作判断処理により第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、タッチダウン操作70の検知ができる。第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64が押されたことを検出した場合はS208に、タッチダウン操作70を検出した場合はS232に、検出していない場合はS204に進む。
【0062】
S208では撮影操作判断処理により第1シャッタースイッチ62が押されているかどうかを判定する。第1シャッタースイッチ62が押されている場合はS210に、そうでない場合はS212に進む。S210では撮像面AFのAF方式に合わせてAFを行い、同時にAEを行う。S212では表示部28にスルー画像の表示を開始する。すでにスルー画像が表示されている場合は、表示内容の変更はない。
【0063】
S214では撮影操作判断処理により第2シャッタースイッチ64が押されているかどうかを判定する。第2シャッタースイッチ64が押されている場合はS222に、そうでない場合はS216に進む。S216では撮影操作判断処理により第1シャッタースイッチ62が押されているかどうかを判定する。第1シャッタースイッチ62が押されている場合はS212に、そうでない場合はS218に進む。S218では撮像素子22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理が実施されたか、つまり1枚以上の撮影が行われたかを判定する。実施された場合はS220に進み、実施されていない場合はフローチャートを終了する。S220では最後に撮影した画像に関して、メモリ32に格納された表示用の画像データ(クイックレビュー画像)を表示部28に表示する。
【0064】
S222ではシステム制御部50によりフォーカスレンズ104の光軸方向OAにおける位置を記憶する。その後、図7のBに進む。S232では撮像面AFのAF方式に合わせてAFを行い、同時にAEを行う。S234では表示部28にスルー画像の表示を開始する。すでにスルー画像が表示されている場合は、表示内容の変更はない。S236ではシステム制御部50によりフォーカスレンズ104の光軸方向OAにおける位置を記憶する。その後、図7のBに進む。
【0065】
図7は本実施形態によるシャッターボタン操作、およびタッチダウン操作による撮影処理を行うフローチャートである。
【0066】
このフローチャートでは、撮影時に焦点検出を行ったピント位置から至近側にピント位置をずらして撮影を開始する動作について説明する。これにより、後処理で撮影により出力された画像を用いて深度合成処理を行うことで、撮影時に焦点検出を行った位置よりも至近側のピント位置からピントが合った画像を生成することができる様になる。
【0067】
また、至近側にピントを合わせた時の被写界深度は無限遠側に比べて短くなるため、ピントが合った画像を生成するには、より狭いステップ幅でピント位置を刻んで撮影した方が良い。この時のピント位置について、図9(a)を使って説明する。この図では、ピント位置をずらしながら撮影する際に、どのようなピント位置、ステップ幅、撮影順序になるのかを示している。ピント位置は、ピント位置802からピント位置812まで6つが示されていて、左側が至近側のピント位置、右側が無限遠側のピント位置となっている。また、各ピント位置との間隔が、ステップ幅822からステップ幅830である。まず、焦点検出を行った時のピント位置をピント位置806に示す位置とする。焦点検出を行ったピント位置から無限遠側のピント位置の間隔は、ステップ幅826からステップ幅830までステップ幅メニューに従っている。一方、焦点検出を行ったピント位置から至近側のピント位置の間隔は、ステップ幅822からステップ幅824までステップ幅メニューより短いステップ幅となっている。また、撮影される画像のピント位置は(1)から(6)まで至近側から無限遠側に順に行う。このようにピント位置を変えて撮影を行うことで、撮影時に焦点検出を行った位置よりも至近側のピント位置からピントが合った画像を生成することができる様になる。
【0068】
図7の説明に戻って、S302において、システム制御部50は、フォーカスブラケット撮影の撮影枚数のカウントを開始する。S304において、システム制御部50は、レンズメモリ118に記憶されているレンズ駆動方式情報をレンズMPU117経由で取得し、レンズ駆動方式を判断する。DCモータ駆動方式の場合はS316に、そうでない場合はS306に進む。S306において、システム制御部50は、フォーカスレンズ104を移動させるフォーカスステップをメニューで設定したステップ幅よりも小さな値を設定する。例えば、ステップ幅設定が「4」の場合にはフォーカスステップを4未満の値となる「3」に設定する。
【0069】
S308において、システム制御部50は、レンズMPU117経由で、ステップS306で設定したフォーカスステップ幅だけ至近側にフォーカスレンズ104を移動させる。S310において、システム制御部50は、レンズMPU117からエラー信号が届いていないか、つまりフォーカスレンズ104が至近側にこれ以上移動できないかどうかを判断する。エラー信号が届いている場合にはS312に進み、そうでない場合はS308に進む。S312において、システム制御部50は、現在のピント位置情報をレンズMPU117経由で取得し、焦点検出時のピント位置と同じか、あるいは無限遠側にあるか判定する。現在のピント位置が焦点検出時のピント位置と同じか、あるいは無限遠側にある場合はS314に進み、そうでない場合はS322に進む。
【0070】
S314において、システム制御部50は、撮影設定のフォーカスステップをメニューで設定したステップ幅を設定する。S322において、システム制御部50は、撮像素子22からの信号読み出しから画像処理部24による画像処理までの一連の撮影処理の動作を行う。S324において、システム制御部50は、S322で処理した画像データを記録媒体200に書き込む。S326において、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている撮影カウントを1増加させる。
【0071】
S328において、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている撮影カウントがメニューで設定した撮影枚数設定よりも小さいかどうかを判定する。撮影カウントがメニューで設定した撮影枚数設定よりも小さい場合はS330に進み、そうでない場合はS338に進む。S330において、システム制御部50は、レンズMPU117経由で、ステップS316で設定したフォーカスステップ幅だけ無限遠側にフォーカスレンズ104を移動させる。S332において、システム制御部50は、レンズMPU117からエラー信号が届いていないか、つまりフォーカスレンズ104が無限遠側にこれ以上移動できないかどうかを判断する。エラー信号が届いている場合にはS338に進み、そうでない場合はS334に進む。
【0072】
S334において、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64が押されているかどうかを判定する。第2シャッタースイッチ64が押されている場合はS338に進み、そうでない場合はS336に進む。これにより、撮影途中であっても、第2シャッタースイッチを再度押された場合に、撮影をキャンセルすることができるようになる。S336において、システム制御部50は、背面表示パネル28aにタッチされ、タッチパネル70aがタッチダウンを検知したかどうかを判定する。タッチパネル70aがタッチダウンを検知した場合はS338に進み、そうでない場合はS322に進む。これにより、撮影途中であっても、背面表示パネル28aにタッチされた場合に、撮影をキャンセルすることができるようになる。S338において、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている撮影カウントをリセットする。この後、図7のCに進む。
【0073】
このように図5から図7の各フローによって、焦点検出を行ったピント位置から至近側のピント位置の間隔は、ステップ幅メニューより短いステップ幅とする。また、ピント位置を変えて撮影を行うことで、撮影時に焦点検出を行った位置よりも至近側のピント位置からピントが合った画像を生成することが可能になる。
【0074】
また、S304においてレンズ駆動方式がDCモータ駆動方式の場合には、焦点検出を行ったピント位置から至近側にピント位置をずらすことなく撮影を行っているが、DCモータ駆動方式でない場合と同様に至近側にピント位置を移動させて撮影しても良い。
【0075】
以上のようにして、手前側の領域にピントが合いにくい被写体に対しても、撮影時にピント位置を至近側にずらすことで、深度合成したい深度の範囲の撮影を行うことが可能になる。さらに合焦位置から至近側の領域の解像感を高めることが可能になる。
【0076】
<実施例2>
焦点検出時に撮像面位相差AFを行った後に、ピント位置を至近側に移動させる場合には、例えばTVAFのような撮像面位相差AFとは異なるAF方式によりボケ判定を行いながらピント位置を決める。これにAF制御部151より至近側の適切な被写体の位置にピント位置を合わせることができる可能性がある。この時のピント位置について、図9(b)を使って説明する。
【0077】
この図では、図9(a)と異なる部分のみ説明する。撮像面位相差AFにより焦点検出を行ったピント位置から無限遠側のピント位置の間隔は、ステップ幅826からステップ幅830までステップ幅メニューに従っている。また、TVAFによりボケ判定を行いながら決めた至近側のピント位置の間隔は、ステップ幅832からステップ幅834までステップ幅となっている。この時のステップ幅は、TVAFによりボケ判定を行いながら決めるのでステップ幅メニューとは異なる間隔になる。また、撮影される画像のピント位置は(1)から(6)まで至近側から無限遠側に順に行う。
【0078】
このようにピント位置を変えて撮影を行うことで、撮影時に焦点検出を行った位置よりも至近側のピント位置からピントが合った画像を生成することができる様になる。
【0079】
以下、図10を参照して、本発明の実施例の動作を説明する。
【0080】
図10は本実施形態によるシャッターボタン操作、およびタッチダウン操作による撮影処理を行うフローチャート図である。フローチャート図は、実施例1と異なるところのみ説明する。
【0081】
S342において、TVAF焦点検出部30において、コントラスト値を取得してボケ判定を行う。
【0082】
S344において、システム制御部50は、S342の処理結果として、コントラスト値が高い領域が一定領域以上あるかどうかを判定する。コントラスト値が高い領域が一定領域以上ある場合はS346に進み、そうでない場合はS308に進む。これにより、コントラスト値が高い、つまりピントが合った領域を含む画像を深度合成の素材画像の1枚にすることができ、結果として深度合成によりこの領域も解像感のある合成画像を生成することが可能になる。
【0083】
S346において、システム制御部50は、システムメモリ52にピント位置を記憶する。ここで記憶されたピント位置は、図7(b)を使って説明すると撮影順序(2)、撮影順序(1)と遡って確定していくものである。また、ここで記憶されたピント位置は、撮影が開始された時には、撮影順序(1)、撮影順序(2)、撮影順序(3)と撮影するピント位置814、ピント位置816、ピント位置806を決める際に利用される。
【0084】
S348において、システム制御部50は、現在のピント位置から次のピント位置までの差を求めフォーカスステップとして割り当てる。ここでのフォーカスステップとは、図7(b)を使って説明すると、撮影順序(1)の撮影を行う場合、ピント位置814からピント位置816のステップ幅832のことである。
【0085】
このように図10のフローによって、TVAFによりボケ判定を行いながら決めたピント位置に従い撮影することが可能になる。また、S342ではTVAF焦点検出部30を用いてボケ判定を行っているが、その他のAF方式でボケ判定を行えるものがあれば、そのAF方式を用いても良い。
【0086】
以上のようにして、手前側の領域にピントが合いにくい被写体に対しても、撮影時にピント位置を至近側にずらすことで、深度合成したい深度の範囲の撮影を行うことが可能になる。さらに合焦位置から至近側の領域の解像感を高めることが可能になる。
【0087】
<実施例3>
焦点検出時のピント精度は、被写体によって甘くなることがある。そのため、精度誤差程度のステップ幅だけピント位置を至近側にずらして撮影することで精度誤差を補完することができる。ここでは、精度誤差程度のステップ幅をフォーカスステップ設定の1とする。この時のピント位置について、図9(c)を使って説明する。
【0088】
この図では、図9(a)、図9(b)と異なる部分のみ説明する。焦点検出を行ったピント位置から無限遠側のピント位置の間隔は、ステップ幅826からステップ幅830までステップ幅メニューに従っている。また、焦点検出を行ったピント位置から至近側のピント位置の間隔は、ステップ幅836となっている。これは、精度誤差を補完できるようなステップ幅である。また、撮影される画像のピント位置は(1)から(5)まで至近側から無限遠側に順に行う。
【0089】
このようにピント位置を変えて撮影を行うことで、撮影時に焦点検出を行った位置よりも至近側のピント位置からピントが合った画像を生成することができる様になる。
【0090】
以下、図11を参照して、本発明の実施例の動作を説明する。図11は本実施形態によるシャッターボタン操作、およびタッチダウン操作による撮影処理を行うフローチャート図である。フローチャート図は、実施例1、実施例2と異なるところのみ説明する。
【0091】
S352において、システム制御部50は、フォーカスレンズ104を移動させるフォーカスステップにフォーカスステップ設定と異なる最小値を設定する。フォーカスステップ設定が4であれば、最小値として精度誤差程度のステップ幅となる1を設定する。これにより、ピントの精度誤差程度の範囲をカバーした画像を深度合成の素材画像の1枚にすることができ、結果として深度合成によりピントの精度誤差程度の範囲も解像感のある合成画像を生成することが可能になる。
【0092】
このように精度誤差を補完できるようなステップ幅だけ至近側に戻して撮影することが可能になる。なお、S352において、フォーカスステップとして最小値である1を設定しているが、精度誤差を補完できるのであればこれに限らない。
【0093】
以上のようにして、手前側の領域にピントが合いにくい被写体に対しても、撮影時にピント位置を至近側にずらすことで、深度合成したい深度の範囲の撮影を行うことが可能になる。さらに合焦位置から至近側の領域の解像感を高めることが可能になる。
【0094】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0095】
また、上述した各実施形態においては、本発明をレンズが着脱可能なデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本発明は、撮像素子が付随したあらゆるデバイスに適用してもよい。レンズ交換できないタイプのデジタルカメラや、ビデオカメラに対しても適用可能である。また、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、カメラを備えるテレビ、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなど、画像を撮像可能な装置であれば、本発明は適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11