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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20221219BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20221219BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20221219BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20221219BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03G21/00 500
G03G15/01 Y
B41J29/46 Z
B41J2/47 101Z
G02B26/10 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018192763
(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2020060713
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄哉
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-025564(JP,A)
【文献】特開2010-145949(JP,A)
【文献】特開2012-011632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/04
G03G 15/01
G03G 15/20
B41J 29/00-29/70
B41J 2/47
G02B 26/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラックのトナー像が形成される第1の感光体と、
光を出力する第1の光源と、前記第1の光源から出力される前記光を偏向して前記第1の感光体を走査する第1の回転多面鏡と、前記第1の回転多面鏡を駆動する第1のモータと、前記第1のモータの回転速度を検出する第1検出手段と、を備える第1のレーザスキャナユニットと、
前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記第1のモータを制御する第1制御手段と、
前記ブラックとは異なる色のトナー像が形成される第2の感光体と、
光を出力する第2の光源と、前記第2の光源から出力される前記光を偏向して前記第2の感光体を走査する第2の回転多面鏡と、前記第2の回転多面鏡を駆動する第2のモータと、前記第2のモータの回転速度を検出する第2検出手段と、を備える第2のレーザスキャナユニットと、
前記第2検出手段の検出結果に基づいて前記第2のモータを制御する第2制御手段と、
前記第1のモータ及び前記第2のモータに電力を供給する電源を含む電源ユニットと、
前記第1検出手段の検出結果及び前記第2検出手段の検出結果に基づいて、前記第のレーザスキャナユニット、前記第のレーザスキャナユニット、前記電源ユニットのいずれのユニットに異常が生じたかを判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果に基づいて、前記異常が生じたユニットを示す情報を通知する通知手段と、
を有し、
前記第2制御手段は、前記第1のレーザスキャナユニットによって前記ブラックの画像が形成され且つ前記第2のレーザスキャナユニットが動作しないモノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出された場合は、前記第2のモータの駆動を開始し、
前記判別手段は、前記モノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出されたことに起因して前記第2制御手段が前記第2のモータの駆動を開始したにもかかわらず前記第2のモータが正常に動作していないことが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記電源ユニットに異常が生じたと判定し、
前記判別手段は、前記モノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出されたことに起因して前記第2制御手段が前記第2のモータの駆動を開始した後に前記第2のモータが正常に動作していることが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記第1のレーザスキャナユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の検出手段はホール素子であり、
前記第1のレーザスキャナユニットは、前記第1の回転多面鏡によって偏向された前記光を受光する第1のBDセンサを有し、
前記判別手段は、前記モノクロプリントの実行中に前記第1のモータが正常に動作していることが前記第1の検出手段によって検出され、且つ、前記第1のBDセンサが前記光を受光する時間間隔が所定範囲内の間隔でない場合は、前記第1のレーザスキャナユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記第1のレーザスキャナユニットによって前記ブラックの画像が形成され且つ前記第2のレーザスキャナユニットによって前記ブラックとは異なる色の画像が形成されるカラープリントの実行中に、前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出され、且つ、前記第2制御手段による前記第2のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第2のモータが正常に動作していないことが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記電源ユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判別手段は、前記第1のレーザスキャナユニットによって前記ブラックの画像が形成され且つ前記第2のレーザスキャナユニットによって前記ブラックとは異なる色の画像が形成されるカラープリントの実行中に、前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出され、且つ、前記第2制御手段による前記第2のモータの制御が行われている状態において前記第2のモータが正常に動作していることが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記第1のレーザスキャナユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判別手段は、前記第1のレーザスキャナユニットによって前記ブラックの画像が形成され且つ前記第2のレーザスキャナユニットによって前記ブラックとは異なる色の画像が形成されるカラープリントの実行中に、前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われている状態において前記第1のモータが正常に動作していることが前記第1の検出手段によって検出され、且つ、前記第2制御手段による前記第2のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第2のモータが正常に動作していないことが前記第2の検出手段によって検出され場合は、前記第2のレーザスキャナユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に設けられた各種ユニット異常の判定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置のエラーが検知されると、当該エラーが生じた原因となるユニットを特定する構成が知られている。特許文献1では、電力を供給する電源の故障に起因してエラーが生じたのか、電力が供給される負荷の故障に起因してエラーが生じたのか、を判別する構成が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-237046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1においては、以下の課題が生じる可能性がある。具体的には、例えば、電源から電力が供給される対象として負荷が当該電源に複数個接続されている場合、故障を判別するための構成が、電源及び複数の負荷のそれぞれに設けられる必要がある。この結果、回路規模が増大してしまう。
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、回路規模の増大を抑制しつつ、装置のエラーの原因を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
光を出力する第1の光源と、ブラックのトナー像が形成される第1の感光体と、前記第1の光源から出力される前記光を偏向して前記第1の感光体を走査する第1の回転多面鏡と、前記第1の回転多面鏡を駆動する第1のモータと、前記第1のモータの回転速度を検出する第1検出手段と、を備える第1のレーザスキャナユニットと、
前記第1検出手段の検出結果に基づいて前記第1のモータを制御する第1制御手段と、
光を出力する第2の光源と、前記ブラックとは異なる色のトナー像が形成される第2の感光体と、前記第2の光源から出力される前記光を偏向して前記第2の感光体を走査する第2の回転多面鏡と、前記第2の回転多面鏡を駆動する第2のモータと、前記第2のモータの回転速度を検出する第2検出手段と、を備える第2のレーザスキャナユニットと、
前記第2検出手段の検出結果に基づいて前記第2のモータを制御する第2制御手段と、
前記第1のモータ及び前記第2のモータに電力を供給する電源を含む電源ユニットと、
前記第1検出手段の検出結果及び前記第2検出手段の検出結果に基づいて、前記第のレーザスキャナユニット、前記第のレーザスキャナユニット、前記電源ユニットのいずれのユニットに異常が生じたかを判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果に基づいて、前記異常が生じたユニットを示す情報を通知する通知手段と、
を有し、
前記第2制御手段は、前記第1のレーザスキャナユニットによって前記ブラックの画像が形成され且つ前記第2のレーザスキャナユニットが動作しないモノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出された場合は、前記第2のモータの駆動を開始し、
前記判別手段は、前記モノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出されたことに起因して前記第2制御手段が前記第2のモータの駆動を開始したにもかかわらず前記第2のモータが正常に動作していないことが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記電源ユニットに異常が生じたと判定し、
前記判別手段は、前記モノクロプリントの実行中に前記第1制御手段による前記第1のモータの制御が行われているにもかかわらず前記第1のモータが正常に動作していないことが前記第1の検出手段によって検出されたことに起因して前記第2制御手段が前記第2のモータの駆動を開始した後に前記第2のモータが正常に動作していることが前記第2の検出手段によって検出された場合は、前記第1のレーザスキャナユニットに異常が生じたと判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、装置のエラーの原因を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。
図2】レーザスキャナユニットの構成を示すブロック図である。
図3】レーザスキャナユニットとレーザスキャナユニットに電力を供給する電力供給基板との構成を示すブロック図である。
図4】画像形成シーケンスにおけるCPUの処理を示すフローチャートである。
図5】CPUが故障箇所を特定する方法の一例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるCPUが故障箇所を特定する方法の一例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態におけるCPUが故障箇所の特定方法の一例を示すフローチャートである。
図8】ソレノイド制御部とソレノイド制御部に電力を供給する電力供給基板との構成を示すブロック図である。
図9】第3実施形態におけるCPUが故障箇所を特定する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。
【0010】
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、カラーの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
【0011】
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、画像読取装置(以下、リーダーと称する)700及び画像印刷装置701を有する。
【0012】
リーダー700の読取位置において照明ランプ103によって照射された原稿からの反射光は、反射ミラー104A、104B、104C及びレンズ105からなる光学系によってカラーセンサ106に導かれる。リーダー700は、カラーセンサ106に入射された光を、ブルー(以下、Bと称する)、グリーン(以下、Gと称する)、レッド(以下、Rと称する)の色毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。更に、リーダー700は、B,G,Rの画像信号の強度に基づいて色変換処理を行うことによって画像データを得て、当該画像データを画像印刷装置701に出力する。
【0013】
画像印刷装置701の内部には、シート収納トレイ118が設けられている。シート収納トレイ118に収納された記録媒体は、給紙ローラ119によって給送されて、搬送ローラ122,121,120によって停止状態のレジストレーションローラ(以下、レジローラと称する)123へ送り出される。搬送ローラ120によって搬送方向に搬送される記録媒体の先端は、停止状態のレジローラ123のニップ部に当接する。そして、記録媒体の先端が停止状態のレジローラ123のニップ部に当接している状態で搬送ローラ120が記録媒体を更に搬送することによって記録媒体が撓む。この結果、記録媒体に弾性力が働き、記録媒体の先端がレジローラ123のニップ部に沿って当接する。このようにして記録媒体の斜行補正が行われる。レジローラ123は、記録媒体の斜行補正が行われた後、後述するタイミングで記録媒体の搬送を開始する。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。
【0014】
リーダー700によって得られた画像データは、後述する画像制御部205によって補正され、レーザ及びポリゴンミラーを含むレーザスキャナユニット107YM、107CKに入力される。また、感光ドラム108Yは、帯電器109Yによって外周面が帯電される。感光ドラム108Yの外周面が帯電された後、レーザスキャナユニット107YMに入力された画像データに応じたレーザ光が、レーザスキャナユニット107YMから感光ドラム108Yの外周面に照射される。この結果、感光ドラム108Yの外周面を覆う感光層(感光体)に静電潜像が形成される。
【0015】
続いて、静電潜像が現像器110Y内のトナーによって現像され、感光ドラム108Yの外周面にトナー像が形成される。感光ドラム108Yに形成されたトナー像は、感光ドラム108Yと対向する位置(転写位置)に設けられ1次転写部112Yによって転写ベルト111に転写される。
【0016】
なお、感光ドラム108Mへの画像の形成は、感光ドラム108Yへの画像の形成が開始されてから所定時間後に、上述した方法で開始される。また、感光ドラム108Cへの画像の形成は、感光ドラム108Mへの画像の形成が開始されてから所定時間後に、上述した方法で開始される。また、感光ドラム108Kへの画像の形成は、感光ドラム108Cへの画像の形成が開始されてから所定時間後に、上述した方法で開始される。このように、各色の画像形成の開始時間をずらすことによって、転写ベルト111に転写される各色のトナー像が所定の位置で重なり、転写ベルトにカラー画像が形成される。
【0017】
転写ベルト111に形成されたトナー像は、転写位置に設けられた二次転写部114,116によって記録媒体に転写される。なお、レジローラ123は、記録媒体の所定の位置にトナー像が転写されるようなタイミングに合わせて当該記録媒体を転写位置へ送り込む。
【0018】
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、定着器124へ送り込まれ、定着器124によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。
【0019】
トナー像が定着された記録媒体が排紙トレイ128に排出される場合、フラッパ125は、記録媒体が排紙トレイ128のほうへ搬送されるように制御される。その結果、記録媒体は、搬送ローラ126、127によって排紙トレイ128に排出される。一方、トナー像が定着された記録媒体が排紙トレイ132に排出される場合、フラッパ125は、記録媒体が排紙トレイ132のほうへ搬送されるように制御される。その結果、記録媒体は、搬送ローラ129、130、131によって排紙トレイ132に排出される。
【0020】
このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。
【0021】
[レーザスキャナユニット]
図2は、本実施形態におけるレーザスキャナユニット107YMの構成を示すブロック図である。以下に、レーザスキャナユニット707の構成について説明する。なお、レーザスキャナユニット107CKの構成はレーザスキャナユニット107YMの構成と同様の構成である。以下の説明においては、イエローの画像形成の構成について説明するが、マゼンタの画像形成の構成も同様の構成である。
【0022】
図2に示すように、レーザ光はレーザ光源200Yの両端部から出射される。レーザ光源200Yの一端部から出射されたレーザ光はフォトダイオード201Yに入射する。フォトダイオード(PD)201Yは、入射されたレーザ光を電気信号に変換しPD信号としてレーザドライバIC1YMに出力する。レーザドライバIC1YMは、入力されたPD信号に基づいて、レーザ光源200Yの出力光量が所定の光量となるように、レーザ光源200Yの出力光量の制御(Auto Power Control、以下APCと称する)を行う。
【0023】
一方、レーザ光源200Yの他端部から出射されたレーザ光はコリメータレンズ202Yを介して回転多面鏡としてのポリゴンミラー203YMに照射される。
【0024】
ポリゴンミラー203YMは、ポリゴンモータ209YMによって回転駆動される。ポリゴンモータ209YMは、エンジン制御部208YMから出力される駆動信号(Acc/Dec)によって制御される。
【0025】
回転するポリゴンミラー203YMに照射されたレーザ光は、ポリゴンミラー203YMによって偏向されることによって、感光ドラム108Yの外周面の走査が行われる。
【0026】
感光ドラム108Yの外周面を走査するレーザ光は、感光ドラム108Yの外周面上を等速で走査するようにF-θレンズ206Yによって補正され、折り返しミラー207Yを介して感光ドラム108Yの外周面に照射される。
【0027】
また、ポリゴンミラー203YMによって偏向されたレーザ光は、当該レーザ光を受光する受光素子を備えるBD(Beam Detect)センサ204YMに入射する。なお、本実施形態では、BDセンサ204YMは、BDセンサ204YMがレーザ光を検知してから再びレーザ光を検知するまでの期間において、BDセンサ204YMがレーザ光を検知した後に当該レーザ光が感光ドラム108Yの外周面に照射される位置に配置される。
【0028】
BDセンサ204YMは、検出したレーザ光に基づいてBD信号を生成し、エンジン制御部208YMに出力する。エンジン制御部208YMは、入力されたBD信号に基づいて、ポリゴンミラー203YMの回転周期が所定周期になるようにポリゴンモータ209YMを制御する。
【0029】
エンジン制御部208YMは、入力されるBD信号に応じて作像用BD信号を画像制御部205へ出力する。作像用BD信号はBD信号と同期しており、レーザ光が感光ドラム108Yを走査する1走査周期を示す信号に対応する。
【0030】
画像制御部205は、入力される作像用BD信号に応じて、画像データをレーザドライバIC1YMへ出力する。
【0031】
レーザドライバIC1YMは、入力される画像データに基づいてレーザ光源200Yを点灯させることによって、感光ドラム108Yの外周面に画像を形成するためのレーザ光を発生させる。発生したレーザ光は、上述した方法で感光ドラム108Yの外周面に照射される。
【0032】
以上が、レーザスキャナユニット107YMの構成の説明である。
【0033】
図3は、レーザスキャナユニット107YM及びレーザスキャナユニット107CKとそれぞれのレーザスキャナユニットに電力を供給する電力供給基板との構成を示すブロック図である。
【0034】
本実施形態においては、ポリゴンモータ209YMとして、例えば、ブラシレスDCモータが用いられる。ポリゴンモータ209YMには、モータの回転子の回転速度を検出するためのホール素子210YMが設けられている。また、ポリゴンモータ209CKには、モータの回転子の回転速度を検出するためのホール素子210CKが設けられている。ホール素子の検出結果としてのFG信号はエンジン制御部208YMに出力される。
【0035】
エンジン制御部208YMは、画像制御部205に設けられたCPU305からの指令に応じてポリゴンモータ209YMや画像印刷装置701に設けられた各種装置の制御を行う。エンジン制御部208YMは、ポリゴンモータ209YMが所定の回転速度で回転するように、FG信号に基づいてポリゴンモータ209YMに供給すべき電流を決定し、Acc/Dec信号としてモータドライバ303YMに出力する。
【0036】
モータドライバ303YMは、エンジン制御部208YMから出力される信号に基づいて、ポリゴンモータ209YMに供給する電流を制御する。
【0037】
図3に示すように、ポリゴンモータ209YMに供給する電流(電力)は、レーザスキャナユニット107YMの外部に設けられた電源供給基板301から供給される。電源供給基板301は、例えば、商用電源から供給される電力を24V電圧に変圧してレーザスキャナユニットに供給する。
【0038】
なお、レーザスキャナユニット107CKの構成は上述したレーザスキャナユニット107YMの構成と同様の構成である。
【0039】
[故障箇所診断]
CPU305には、画像印刷装置701における印刷状況(例えば、エラーが発生したか否か)、FG信号の検出結果及び作像用BD信号がエンジン制御部208YM、208CKから入力される。CPU305は、画像印刷装置701においてエラーが発生したことがエンジン制御部208YM又はエンジン制御部208CKから通知されると、FG信号の検出結果及び作像用BD信号に基づいて、エラーが発生した原因箇所を特定する処理(故障箇所診断)を実行する。
【0040】
本実施形態では、例えば、ポリゴンモータ209YMが回転しないことに起因してポリゴンモータ209YMからFG信号(又は作像用BD信号)が出力されなくなることがエラーとしてCPU305に通知される。また、例えば、ポリゴンモータ209YMの制御が開始されてから所定時間が経過しても、ポリゴンモータ209YMの回転速度が目標速度に到達しない(FG信号の周期が目標周期に到達しない、又は、作像用BD信号の周期が目標周期に到達しない)ことがエラーとしてCPU305に通知される。
【0041】
図4は、画像形成シーケンスにおけるCPU305の処理を示すフローチャートである。図4の処理はCPU305によって実行される。
【0042】
S401において、画像形成が開始されると、CPU305は処理をS402に進める。
【0043】
S402において、エンジン制御部208YM,208CKからエラーが通知されていない場合は、処理はS403に進む。
【0044】
S403において、画像形成が終了しない場合は処理はS402に戻り、画像形成が終了する場合は、CPU305は、このフローチャートの処理を終了する。
【0045】
一方、S402において、エンジン制御部208YM,208CKからエラーが通知された場合は、S404において、CPU305は、画像形成動作を中止するようにエンジン制御部208YM,208CKに指令する。その結果、画像形成動作が停止される。
【0046】
その後、S405において、CPU305は、後述する故障箇所診断を行い、処理をS406に進める。
【0047】
S406において、CPU305は、S405における診断結果を、画像形成装置100に設けられた表示部702に表示することによってユーザに通知し、このフローチャートの処理を終了する。
【0048】
<故障箇所の特定方法>
図5は、CPU305が故障箇所を特定する方法の一例を示す図である。なお、本実施形態においては、部品がユーザによって取り換えられる場合、電源供給基板301、レーザスキャナユニット107YM、レーザスキャナユニット107CKがそれぞれ1つのユニットとして取り出される。したがって、本実施形態においては、CPU305は、エラーの原因となる故障箇所が電源供給基板301、レーザスキャナユニット107YM及びレーザスキャナユニット107CKの何れであるかを特定する。
【0049】
図5には、ポリゴンモータ209YMのFG信号(「FG信号(YM)」)がエンジン制御部208YMに検知されたか否か、ポリゴンモータ209CKのFG信号(「FG信号(CK)」)がエンジン制御部208CKに検知されたか否か、及び、検知結果に基づく故障箇所診断の結果が記載されている。
【0050】
例えば、「FG信号(YM)」と「FG信号(CK)」との一方のFG信号がエンジン制御部に検知され、他方のFG信号がエンジン制御部に検知されない場合、前記一方のモータには電源供給基板301から電力が供給されている。したがって、「FG信号(YM)」と「FG信号(CK)」との一方のFG信号がエンジン制御部に検知され、他方のFG信号がエンジン制御部に検知されない場合、前記他方のモータが備えられているレーザスキャナユニットが故障していると判定される。
【0051】
また、例えば、「FG信号(YM)」と「FG信号(CK)」との両方のFG信号がエンジン制御部に検知されない場合、ポリゴンモータ209YMとポリゴンモータ209CKとのいずれのモータにも電源供給基板301から電力が供給されていない。したがって、「FG信号(YM)」と「FG信号(CK)」との両方のFG信号がエンジン制御部に検知されない場合、電源供給基板301が故障していると判定される。
【0052】
なお、「FG信号(YM)」と「FG信号(CK)」との両方のFG信号がエンジン制御部に検知されている場合は、電源供給基板301、レーザスキャナユニット107YM及びレーザスキャナユニット107CKの何れも故障していないと判断される。また、FG信号が検知されたか否かを検知することは、当該FG信号を出力する装置(ポリゴンモータ)を含むユニットが異常であるか否かを検知することに対応する。
【0053】
図6は、CPU305が故障箇所を特定する方法の一例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、図4に示すフローチャートのS405において、CPU305によって実行される。
【0054】
故障箇所診断フローが開始されると、S601において、エンジン制御部208CKが「FG信号(CK)」を検知していない場合は、CPU305は処理をS602に進める。
【0055】
S602において、エンジン制御部208YMが「FG信号(YM)」を検知していない場合は、S603において、CPU305は、電源供給基板301が故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0056】
一方、S602において、エンジン制御部208YMが「FG信号(YM)」を検知している場合は、S604において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0057】
また、S601において、エンジン制御部208CKが「FG信号(CK)」を検知している場合は、CPU305は処理をS605に進める。
【0058】
S605において、エンジン制御部208YMが「FG信号(YM)」を検知していない場合は、S606において、CPU305は、レーザスキャナユニット107YMが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0059】
一方、S605において、エンジン制御部208YMがポリゴンモータ209YMからFG信号を検知している場合は、CPU305は処理をS607に進める。
【0060】
次に、S607において、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S608において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、ポリゴンモータ209CKが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0061】
一方、S607において、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、処理はS609に進む。
【0062】
S609において、「FG信号(YM)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S610において、CPU305は、レーザスキャナユニット107YMが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、「FG信号(YM)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、ポリゴンモータ209YMが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、「FG信号(YM)」の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0063】
一方、S609において、「FG信号(YM)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、処理はS611に進む。
【0064】
S611において、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S612において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、BDセンサ204CK、レーザ光源200C、200K、レーザドライバIC1CKのうち少なくとも1つが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0065】
一方、S611において、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、処理はS613に進む。
【0066】
S613において、レーザスキャナユニット107YMにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S614において、CPU305は、レーザスキャナユニット107YMが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、レーザスキャナユニット107YMにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、BDセンサ204YM、レーザ光源200Y、200M、レーザドライバIC1YMのうち少なくとも1つが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、レーザスキャナユニット107YMにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0067】
一方、S613において、レーザスキャナユニット107YMにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、S615において、CPU305は故障箇所特定不可と判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0068】
なお、図4のフローチャートのS406において、CPU305は、例えば、故障箇所が故障箇所診断によって特定(判別)された場合は、判別結果に基づいて、特定された故障箇所を異常が生じたユニットに関する情報として表示部702に表示する。また、図4のフローチャートのS406において、CPU305は、故障箇所が特定不可である場合は、画像形成中にエラーが生じたことを表示部702に表示する。
【0069】
以上のように、本実施形態では、ポリゴンモータを制御するために用いられる信号(FG信号、BD信号)を、故障箇所の特定と兼用することによって、故障箇所を特定するための構成を新たに設けることなく故障箇所の特定を行うことができる。この結果、回路規模の増大を抑制しつつ、装置のエラーの原因を特定することができる。
【0070】
〔第2実施形態〕
画像形成装置100の構成は、第1実施形態における画像形成装置100の構成と同様であるため説明を省略する。
【0071】
<故障箇所の特定方法>
図7は、モノクロプリント動作、即ち、レーザスキャナユニットYMは動作されず、レーザスキャナユニットCKが動作される場合における故障箇所の特定方法の一例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、図4に示すフローチャートのS405において、CPU305によって実行される。
【0072】
故障箇所診断フローが開始されると、S701において、エンジン制御部208CKが「FG信号(CK)」を検知していない場合は、S702において、CPU305は、レーザスキャナユニットYMの動作を開始させる。
【0073】
次に、S703において、エンジン制御部208YMが「FG信号(YM)」を検知していない場合は、S704において、CPU305は、電源供給基板301が故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0074】
一方、S703において、エンジン制御部208YMが「FG信号(YM)」を検知している場合は、S705において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0075】
また、S701において、エンジン制御部208CKが「FG信号(CK)」を検知している場合は、CPU305は処理をS706に進める。
【0076】
次に、S706において、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S707において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、ポリゴンモータ209CKが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0077】
一方、S706において、「FG信号(CK)」の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、処理はS708に進む。
【0078】
S708において、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、S709において、CPU305は、レーザスキャナユニット107CKが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。より具体的には、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内でない場合は、CPU305は、BDセンサ204CK、レーザ光源200C、200K、レーザドライバIC1CKのうち少なくとも1つが故障していると判定する。なお、所定範囲は、例えば、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔の目標値の±5%の範囲に設定される。
【0079】
一方、S708において、レーザスキャナユニット107CKにおける作像用BD信号の隣接するパルスの時間間隔が所定範囲内である場合は、S710において、CPU305は故障箇所特定不可と判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0080】
なお、図4のフローチャートのS406において、CPU305は、例えば、故障箇所が故障箇所診断によって特定された場合は当該特定箇所を表示部702に表示する。また、CPU305は、故障箇所が特定不可である場合は、画像形成中にエラーが生じたことを表示部702に表示する。
【0081】
以上のように、本実施形態では、ポリゴンモータを制御するために用いられる信号(FG信号、BD信号)を、故障箇所の特定と兼用することによって、故障箇所を特定するための構成を新たに設けることなく故障箇所の特定を行うことができる。この結果、回路規模の増大を抑制しつつ、装置のエラーの原因を特定することができる。
【0082】
なお、第1実施形態、第2実施形態では、電源供給基板301から電力が供給される対象としてモータドライバ303YM及びモータドライバ303CKの2個の回路が設けられているが、電源供給基板301から電力が供給される回路は3個以上設けられてもよい。例えば、電源供給基板301から電力が供給される回路が3個設けられている構成において、3個のうち少なくとも2個の回路の異常が検知された場合は電源供給基板301が故障していると判定される。また、3個のうち1個の回路の異常が検知された場合は当該回路が故障していると判定される。
【0083】
モータドライバ303YM及びポリゴンモータ209YMは第1の負荷に対応する。また、モータドライバ303CK及びポリゴンモータ209CKは第2の負荷に対応する。また、電源供給基板301は、電源ユニットに対応する。
【0084】
レーザスキャナユニット107YMは第1ユニットに対応し、レーザスキャナユニット107CKは第2ユニットに対応する。
【0085】
また、ホール素子210YMはポリゴンモータ209YMの動作状態(回転周期)を検出する第1検出手段に対応し、ホール素子210CKはポリゴンモータ209CKの動作状態(回転周期)を検出する第2検出手段に対応する。
【0086】
なお、第1実施形態、第2実施形態において、FG信号が検知されていないことは、ポリゴンモータが正常に動作していないことに対応する。
【0087】
〔第3実施形態〕
画像形成装置100の構成は、第1実施形態における画像形成装置100の構成と同様であるため説明を省略する。
【0088】
また、第1実施形態、第2実施形態では、電源供給基板301から電力が供給される対象である負荷としてモータドライバ(ポリゴンモータ)が用いられる構成における故障箇所の特定方法について説明した。本実施形態では、負荷としてソレノイドが用いられる構成に上述の故障箇所の特定方法が適用される。
【0089】
[ソレノイドユニット]
図8は、ソレノイド制御部A及びソレノイド制御部Bとそれぞれのソレノイド制御部に電力を供給する電力供給基板301との構成を示すブロック図である。なお、ソレノイド制御部Aは、例えば、記録媒体の搬送を案内するフラッパAの動作を制御するソレノイドAを制御する。また、ソレノイド制御部Bは、例えば、記録媒体の搬送を案内するフラッパBの動作を制御するソレノイドBを制御する。
【0090】
ソレノイド制御部A(又はソレノイド制御部B)からソレノイドA(又はソレノイドB)に電流が供給されると、当該電流によりソレノイドが動作することに起因してフラッパが動作する。図8では、フラッパを示す実線がソレノイドに電流が供給されていない状態におけるフラッパの状態(第1の状態)を表し、フラッパを示す破線がソレノイドに電流が供給されている状態におけるフラッパの状態(第2の状態)を表す。
【0091】
図8に示すように、フラッパの状態は検出部により検出される。例えば、フラッパが第1の状態である場合、検出部は信号‘L’を出力する。また、フラッパが第2の状態である場合、検出部は信号‘H’を出力する。検出部は、例えば、フォトセンサで構成される。
【0092】
[故障箇所診断]
CPU305には、画像印刷装置701における印刷状況(例えば、エラーが発生したか否か)及び検出部の検出結果が入力される。CPU305は、例えば、ソレノイドへの通電を行うようにソレノイド制御部を制御しているにもかかわらず検出部から信号‘L’が出力されている(エラーが発生した)場合、エラーが発生した原因箇所を特定する処理(故障箇所診断)を実行する。
【0093】
<故障箇所の特定方法>
図9は、CPU305が故障箇所を特定する方法の一例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理は、図4に示すフローチャートのS405において、CPU305によって実行される。
【0094】
故障箇所診断フローが開始されると、S801において、CPU305は、ソレノイドA,Bに電流を供給するようにソレノイド制御部A、Bを制御する。その結果、ソレノイド制御部A、Bは制御対象のソレノイドに電流を供給する。
【0095】
その後、S802において、検出部Aから検出信号として‘L’が出力されている場合は、CPU305は処理をS803に進める。
【0096】
S803において、検出部Bから検出信号として‘L’が出力されている場合は、S804において、CPU305は、電源供給基板301が故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0097】
一方、S803において、検出部Bから検出信号として‘H’が出力されている場合は、S805において、CPU305は、ソレノイドユニットAが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0098】
また、S802において、検出部Aから検出信号として‘H’が出力されている場合は、CPU305は処理をS806に進める。
【0099】
S806において、検出部Bから検出信号として‘L’が出力されている場合は、S807において、CPU305は、ソレノイドユニットBが故障していると判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0100】
一方、S806において、検出部Bから検出信号として‘H’が出力されている場合は、S808において、CPU305は故障箇所特定不可と判定し、このフローチャートの処理を終了する。
【0101】
なお、図4のフローチャートのS406において、CPU305は、例えば、故障箇所が故障箇所診断によって特定された場合は当該特定箇所を表示部702に表示する。また、図4のフローチャートのS406において、CPU305は、故障箇所が特定不可である場合は、画像形成中にエラーが生じたことを表示部702に表示する。
【0102】
以上のように、本実施形態では、フラッパの状態を検知するために用いられる信号を、故障箇所の特定と兼用することによって、故障箇所を特定するための構成を新たに設けることなく故障箇所の特定を行うことができる。この結果、回路規模の増大を抑制しつつ、装置のエラーの原因を特定することができる。
【0103】
なお、本実施形態では、電源供給基板301から電力が供給される対象としてソレノイド制御部A及びソレノイド制御部Bが設けられているが、電源供給基板301から電力が供給される回路は3個以上設けられてもよい。例えば、電源供給基板301から電力が供給される回路が3個設けられている構成において、3個のうち少なくとも2個の回路の異常が検知された場合は電源供給基板301が故障していると判定される。また、3個のうち1個の回路の異常が検知された場合は当該回路が故障していると判定される。
【0104】
ソレノイド制御部A及びソレノイドAは第1の負荷に対応する。また、ソレノイド制御部B及びソレノイドBは第2の負荷に対応する。また、電源供給基板301は、電源ユニットに対応する。
【0105】
ソレノイドユニットAは第1ユニットに対応し、ソレノイドユニットBは第2ユニットに対応する。
【0106】
また、検出部AはソレノイドAの動作状態を検出する第1検出手段に対応し、検出部BはソレノイドBの動作状態を検出する第2検出手段に対応する。
【0107】
なお、本実施形態において、ソレノイドに通電しているにもかかわらず検出部からの信号が‘L’であることは、ソレノイドが正常に動作していないことに対応する。
【符号の説明】
【0108】
100 画像形成装置
107YM,107CK レーザスキャナユニット
208YM、208CK エンジン制御部
210YM、210CK ホール素子
301 電源供給基板
305 CPU
702 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9