(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20221219BHJP
A01B 63/10 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A01C11/02 350F
A01B63/10 Z
(21)【出願番号】P 2018202255
(22)【出願日】2018-10-26
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】野坂 健吉
(72)【発明者】
【氏名】門脇 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 瑛史
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-300860(JP,A)
【文献】特開平10-004728(JP,A)
【文献】特開平07-322720(JP,A)
【文献】特開2009-232769(JP,A)
【文献】特開平11-268503(JP,A)
【文献】特開2011-109976(JP,A)
【文献】特開2007-312711(JP,A)
【文献】特開平05-111311(JP,A)
【文献】特開2018-000026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/00 - 14/00
A01B 27/00 - 31/00
A01B 35/00 - 49/06
A01B 63/00 - 63/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、
前記走行体の後方に装着された機枠と、前記機枠に支持され且つ圃場に苗を植え付ける植付装置と、を有する移植機と、
前記走行体に対して前記機枠を昇降させる昇降駆動装置と、
圃場の凹凸に追従して上下動する検出部材と、
前記検出部材の上下動に伴って移動するワイヤと、
前記ワイヤの移動に伴って前記機枠を上昇させる第1状態と前記機枠を下降させる第2状態とに前記昇降駆動装置を切り換える制御バルブと、
前記検出部材を前記機枠に対して上下動可能に支持する支持フレームと、
を備え、
前記移植機は、複数の植付装置を有する移植ユニットを備え、
前記移植ユニットは、前記複数の植付装置のそれぞれに対応して前記機枠に装着された複数の覆土装置を有し、
前記覆土装置は、前記検出部材を構成する覆土輪を有し、
前記移植機は、前記覆土装置の移植機幅方向の位置を調整する調整部を有し、
前記調整部は、前記支持フレームの前部の位置を前記移植機幅方向に調整する前部位置調整機構と、前記支持フレームの後部の位置を前記移植機幅方向に調整する後部位置調整機構と、により構成されて
おり、
前記移植機は、
当該移植機の幅方向の一方側に配置され且つ複数の第1植付装置を有する第1移植ユニットと、当該移植機の幅方向の他方側に配置され且つ複数の第2植付装置を有する第2移植ユニットと、を有する前記移植ユニットと、
前記第1移植ユニットと前記第2移植ユニットとの間の距離を調整する距離調整機構と、
前記複数の第1植付装置間の相対角度を調整可能とする第1角度調整機構と、
前記複数の第2植付装置間の相対角度を調整可能とする第2角度調整機構と、
を備えている作業機。
【請求項2】
前記支持フレームの後部を下方に押すことによって前記検出部材を接地させるウエイトを備え、
前記支持フレームの後部は、前記機枠の後部に設けられた取付板に取り付けられ、
前記後部調整機構は、前記取付板に対する前記支持フレームの後部の位置を前記ウエイトの位置と共に調整可能である請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記支持フレームは、前記機枠に対して上下揺動自在であって且つ前記検出部材の上端よりも上方を通って配置されている請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記走行体の後方に配置され且つ前記幅方向に延びるツールバーを備え、
前記距離調整機構は、前記ツールバーに沿って移動可能に取り付けられ且つ前記第1移植ユニットに固定された第1取付具と、前記ツールバーに沿って移動可能に取り付けられ且つ前記第2移植ユニットに固定された第2取付具と、を有している請求項
1~3のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項5】
前記機枠は、前記複数の第1植付装置が装着される第1機枠と、前記複数の第2植付装置が装着される第2機枠と、を含み、
前記第1移植ユニットは、前記第1機枠を有し、
前記第2移植ユニットは、前記第2機枠を有し、
前記第1角度調整機構は、前記複数の第1植付装置の前記第1機枠に対する装着角度を個別に調整可能とし、
前記第2角度調整機構は、前記複数の第2植付装置の前記第2機枠に対する装着角度を個別に調整可能とする請求項
1~4のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記第1移植ユニットは、前記複数の第1植付装置のそれぞれに対応して前記第1機枠に装着された複数の第1覆土装置を有し、
前記第2移植ユニットは、前記複数の第2植付装置のそれぞれに対応して前記第2機枠に装着された複数の第2覆土装置を有し、
前記移植機は、前記調整部として、前記第1覆土装置の前記幅方向の位置を調整する第1位置調整部と、前記第2覆土装置の前記幅方向の位置を調整する第2位置調整部と、を有している請求項
5に記載の作業機。
【請求項7】
原動機と、
前記原動機からの動力を受けて前記幅方向に延びる軸回りに回転する主軸と、
前記主軸の回転動力を前記第1移植ユニット及び前記第2移植ユニットに伝達する伝動機構と、
を備え、
前記主軸は、前記原動機からの動力を受けて回転する第1回転軸と、前記第1回転軸から動力を受けて回転する第2回転軸と、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結軸と、を有し、
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、前記連結軸に対して前記幅方向に移動可能である請求項
1~6のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項8】
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、スプライン軸であり、
前記連結軸は、前記スプライン軸が噛み合うスプライン軸受である請求項
7に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、圃場に苗を植え付ける作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
特許文献1に開示の作業機は、鎮圧輪と覆土輪とを連動させて支持高さを調整する植深調整部材を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記作業機では、鎮圧輪と覆土輪とを連動させて支持高さを調整することから、苗の植付深さを調整するための機構が複雑化してしまうという問題があった。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、簡易な構成で正確に苗の植付深さを調整することができる作業機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る作業機は、走行体と、前記走行体の後方に装着された機枠と、前記機枠に支持され且つ圃場に苗を植え付ける植付装置と、を有する移植機と、前記走行体に対して前記機枠を昇降させる昇降駆動装置と、圃場の凹凸に追従して上下動する検出部材と、前記検出部材の上下動に伴って移動するワイヤと、前記ワイヤの移動に伴って前記機枠を上昇させる第1状態と前記機枠を下降させる第2状態とに前記昇降駆動装置を切り換える制御バルブと、前記検出部材を前記機枠に対して上下動可能に支持する支持フレームと、を備え、前記移植機は、複数の植付装置を有する移植ユニットを備え、前記移植ユニットは、前記複数の植付装置のそれぞれに対応して前記機枠に装着された複数の覆土装置を有し、前記覆土装置は、前記検出部材を構成する覆土輪を有し、前記移植機は、前記覆土装置の移植機幅方向の位置を調整する調整部を有し、前記調整部は、前記支持フレームの前部の位置を前記移植機幅方向に調整する前部位置調整機構と、前記支持フレームの後部の位置を前記移植機幅方向に調整する後部位置調整機構と、により構成されており、前記移植機は、当該移植機の幅方向の一方側に配置され且つ複数の第1植付装置を有する第1移植ユニットと、当該移植機の幅方向の他方側に配置され且つ複数の第2植付装置を有する第2移植ユニットと、を有する前記移植ユニットと、前記第1移植ユニットと前記第2移植ユニットとの間の距離を調整する距離調整機構と、前記複数の第1植付装置間の相対角度を調整可能とする第1角度調整機構と、前記複数の第2植付装置間の相対角度を調整可能とする第2角度調整機構と、を備えている。
【0006】
また、作業機は、前記支持フレームの後部を下方に押すことによって前記検出部材を接地させるウエイトを備え、前記支持フレームの後部は、前記機枠の後部に設けられた取付板に取り付けられ、前記後部調整機構は、前記取付板に対する前記支持フレームの後部の位置を前記ウエイトの位置と共に調整可能である。
また、前記支持フレームは、前記機枠に対して上下揺動自在であって且つ前記検出部材の上端よりも上方を通って配置されている。
【0007】
また、作業機は、前記走行体の後方に配置され且つ前記幅方向に延びるツールバーを備え、前記距離調整機構は、前記ツールバーに沿って移動可能に取り付けられ且つ前記第1移植ユニットに固定された第1取付具と、前記ツールバーに沿って移動可能に取り付けられ且つ前記第2移植ユニットに固定された第2取付具と、を有している。
また、前記機枠は、前記複数の第1植付装置が装着される第1機枠と、前記複数の第2植付装置が装着される第2機枠と、を含み、前記第1移植ユニットは、前記第1機枠を有し、前記第2移植ユニットは、前記第2機枠を有し、前記第1角度調整機構は、前記複数の第1植付装置の前記第1機枠に対する装着角度を個別に調整可能とし、前記第2角度調整機構は、前記複数の第2植付装置の前記第2機枠に対する装着角度を個別に調整可能とする。
【0008】
前記第1移植ユニットは、前記複数の第1植付装置のそれぞれに対応して前記第1機枠に装着された複数の第1覆土装置を有し、前記第2移植ユニットは、前記複数の第2植付装置のそれぞれに対応して前記第2機枠に装着された複数の第2覆土装置を有し、前記移植機は、前記調整部として、前記第1覆土装置の前記幅方向の位置を調整する第1位置調整部と、前記第2覆土装置の前記幅方向の位置を調整する第2位置調整部と、を有している。
【0009】
また、作業機は、原動機と、前記原動機からの動力を受けて前記幅方向に延びる軸回りに回転する主軸と、前記主軸の回転動力を前記第1移植ユニット及び前記第2移植ユニットに伝達する伝動機構と、を備え、前記主軸は、前記原動機からの動力を受けて回転する第1回転軸と、前記第1回転軸から動力を受けて回転する第2回転軸と、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結軸と、を有し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、前記連結軸に対して前記幅方向に移動可能である。
【0010】
また、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、スプライン軸であり、前記連結軸は、前記スプライン軸が噛み合うスプライン軸受である。
【発明の効果】
【0011】
上記作業機によれば、圃場の凹凸に追従する検出部材の上下動に伴うワイヤの移動によって、制御バルブを移植機の機枠を上昇させる第1状態と下降させる第2状態に切り換えることができるため、簡易な構成で正確に苗の植付深さを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図7】ロータリ耕耘機に伝達された動力の伝達系統を示す側面断面図である。
【
図8】ロータリ耕耘機、畝立て器の後方斜視図である。
【
図9】ロータリ耕耘機、畝立て器、取付体の側面図である。
【
図10】ロータリ耕耘機、畝立て器、取付体の背面図である。
【
図11】作業機の動力伝達系統を示す構成図である。
【
図12】椅子支持体、苗供給台を示す前方斜視図である。
【
図13】ロータリ耕耘機、連結リンク機構、予備苗台を示す平面図である。
【
図14】昇降駆動装置を駆動したときの椅子支持体及び移植機の動きを示す側面図である。
【
図15】中間畝立て器の取り付け構造を示す後方斜視図である。
【
図19】複数の植付装置間の相対角度を調整する角度調整機構の作用を示す正面図である。
【
図20】苗供給装置、第1後方椅子、第2後方椅子等を示す平面図である。
【
図21】連結フレーム、スタンドの後方斜視図である。
【
図24】移植機の動力伝達系統の一部を示す平面図である。
【
図27】移植機の動力伝達系統の一部及び植付装置等を示す側面図である。
【
図29】複数の植付装置間の相対角度を調整する角度調整機構、及び覆土装置の位置を調整する位置調整部(第1位置調整部)等を示す前方斜視図である。
【
図30】検出部材(覆土輪)及び支持フレームが機枠に対して上下揺動している様子を示す側面図である。
【
図31】検出部材(覆土輪)、支持杆、支持フレームの平面図である。
【
図32】支持フレーム、第1揺動板、ワイヤ等を示す側面図である。
【
図34】前部位置調整機構及び後部位置調整機構によって支持フレーム及び検出部材(覆土輪)の位置を調整している様子を示す正面図である。
【
図35】制御バルブ、ワイヤ等を示す側面図である。
【
図36】第1操作レバーの動作を示す側面図である。
【
図38】供給カップの蓋の配置を示す平面図である。
【
図39】第2開放位置の周辺を上方から見て示す斜視図である。
【
図40】第2開放位置の周辺を下方から見て示す斜視図である。
【
図41】供給カップ、中間ホッパ及び植付具を示す側面図である。
【
図42】第2開放位置における第1ガイド部材、第2ガイド部材等の縦断面図である。
【
図46】位置調整機構、支持機構の一部を示す斜視図である。
【
図47】第1前方椅子、足置き板等を示す斜視図である。
【
図48】足置き板の取り付け方法を示す斜視図である。
【
図50】回動支持機構の作用(動作)を示す斜視図である。
【
図51】回動支持機構の作用(動作)を示す背面図である。
【
図54】苗供給台の入れ替え方法を示す平面図である。
【
図56】ロータリ耕耘機、マルチフィルム敷設装置の平面図である。
【
図57】ロータリ耕耘機、マルチフィルム敷設装置の機幅方向の略中央における側面図である。
【
図58】ロータリ耕耘機、マルチフィルム敷設装置の左部の平面図である。
【
図59】ロータリ耕耘機、マルチフィルム敷設装置の左部の側面図である。
【
図60】第1フィルムロールの左部周辺の背面図である。
【
図61】ロータリ耕耘機、マルチフィルム敷設装置の機幅方向の略中央における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、走行しながら対地作業(耕耘等)と共に苗の植え付け(移植)を行うことができる作業機1を示している。作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後部に装着された対地作業装置1Bを有する。対地作業装置1Bは、走行体1Aの後部に昇降可能に装着された第1対地作業機2と、第1対地作業機2の後部に昇降可能に装着された第2対地作業機3とを備えている。
【0014】
本実施形態では、走行体1Aとして走行車両であるトラクタを例示している。また、第1対地作業機2としてロータリ耕耘機を例示している。また、第2対地作業機3として圃場に苗を植え付ける移植機を例示している。以下、走行体をトラクタ1Aといい、第1対地作業機をロータリ耕耘機2といい、第2対地作業機を移植機3という。
なお、走行体1Aは、トラクタには限定されず、他の走行車両であってもよい。また、第1対地作業機2は、ロータリ耕耘機に限定されることはなく、圃場に対して作業をする機械であればよい。また、ロータリ耕耘機2は、センタードライブ式のロータリ耕耘機を例示しているが、サイドドライブ式のロータリ耕耘機であってもよい。
【0015】
図1は、作業機1の側面図を示す。実施形態において特に断らない限り、トラクタ1Aの運転席5に着座した運転者の前側(
図1の左側)を前方、運転者の後側(
図1の右側)を後方、運転者の左側(
図1の手前側)を左方、運転者の右側(
図1の奥側)を右方として説明する。また、トラクタ1Aの前後方向K1(
図1参照)に直交する方向である水平方向K2(
図2参照)を機幅方向K2として説明する。
【0016】
また、トラクタ1Aの機幅方向中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機幅外方として説明する。言い換えれば、機幅外方とは、機幅方向K2であってトラクタ1Aの機幅方向中央部から離れる方向のことである。トラクタ1Aの機幅方向右部、或いは、左部から中央部へ向かう方向を機幅内方として説明する。即ち、機幅内方とは、機幅方向外方とは反対の方向である。言い換えれば、機幅内方とは、機幅方向K2であってトラクタ1Aの機幅方向中央部に近づく方向である。
【0017】
図1に示すように、トラクタ1Aは、車体6と、車体6の前部に装着された前輪7F及び車体6の後部に装着された後輪7Rを含む走行装置7と、を有する。車体6は、原動機(駆動源)E1と、原動機E1の後部に連結された動力伝達ケースT1と、を有する。
原動機E1は、例えば、ディーゼルエンジンである。また、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0018】
動力伝達ケースT1は、クラッチを内蔵したクラッチハウジング、変速装置を内蔵したミッションケース、差動装置を内蔵したデフケース等を直結して構成されている。
車体6の後部には、運転席5が搭載されていると共に、原動機E1の動力を取り出す動力取出軸(所謂PTO軸)22が後方突出状に装備されている。即ち、走行体1Aは、原動機E1の動力を取り出す動力取出軸22を有する。運転席5の前方には、ステアリングホイール8が設けられている。また、トラクタ1Aは、前部にバッテリ(図示略)を搭載している。
【0019】
図4は、原動機E1の動力を動力取出軸22及び走行装置7に伝達する動力伝達装置4を示している。
動力伝達装置4は、主推進軸4aと、主変速部4bと、副変速部4cと、シャトル部4dと、PTOクラッチ4eと、PTO推進軸4fとを有する。
主推進軸4aには、原動機E1からの動力がクラッチを介して断続可能に伝達される。主変速部4bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主推進軸4aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。副変速部4cは、主変速部4bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部4bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。シャトル部4dは、副変速部4cからの回転動力を正転(前進回転)状態で又は逆転(後進回転)させて出力軸4gに伝達する。出力軸4gに伝達された動力は、後輪デフ装置4hを経て後輪7Rに伝達される。出力軸4gに伝達された動力は、前輪7Fにも伝達される場合がある。即ち、原動機E1は、走行装置7を駆動する。
【0020】
PTOクラッチ4eは、主推進軸4aからの回転動力を断続可能にPTO推進軸4fに伝達する。PTO推進軸4fに伝達された原動機E1からの回転動力は、ギア等を介して動力取出軸22に伝達される。したがって、トラクタ1Aの車速を原動機E1の回転数の変更によって変化させることで、動力取出軸22の回転が車速に連動する。
図1に示すように、ロータリ耕耘機2は、トラクタ1Aの後部に三点リンク機構9等の装着機構を介して昇降可能に装着されている。三点リンク機構9は、トップリンク9Aとロワーリンク9Bとを有し、車体6の後部に装着されている。車体6の後部には、上下揺動可能なリフトリンク10Aが設けられ、リフトリンク10Aはリフトロッド10Bを介してロワーリンク9Bに連結されている。リフトリンク10Aは、車体6の後上部に設けられた油圧装置10Cによって昇降駆動され、リフトリンク10Aが上下動することでロワーリンク9Bが上げ下げされる。これにより、ロータリ耕耘機2が昇降する。
【0021】
図5、
図6、
図8に示すように、ロータリ耕耘機2は、ロータリ機枠11を有する。ロータリ機枠11は、伝動ケース12と、前サポートフレーム13Fと、後サポートフレーム13Rと、左サイドフレーム15Lと、右サイドフレーム15Rとを有する。伝動ケース12は、ロータリ耕耘機2の幅方向(機幅方向K2と同じ方向)の中央部に位置している。前サポートフレーム13Fは、伝動ケース12の前方に、機幅方向K2に延伸して配置されている。後サポートフレーム13Rは、伝動ケース12の後方に、機幅方向K2に延伸して配置されている。前サポートフレーム13F及び後サポートフレーム13Rは、伝動ケース12に連結されている。左サイドフレーム15Lは、前サポートフレーム13Fと後サポートフレーム13Rの左端同士を連結している。右サイドフレーム15Rは、前サポートフレーム13Fと後サポートフレーム13Rの右端同士を連結している。ロータリ機枠11には、三点リンク機構9が連結される装着フレーム14が取り付けられている。
【0022】
図6に示すように、装着フレーム14は、前サポートフレーム13Fから前方に延びる前方延出部34L,34Rを有している。前方延出部34L,34Rには、三点リンク機構9のロワーリンク9Bが接続される。前方延出部34L,34Rの上部には、当該上部から後方に延びる延設材35L,35Rの前部が取り付けられている。延設材35L,35Rの後部は、後サポートフレーム13Rの上部に取り付けられている。
【0023】
図5~
図7に示すように、伝動ケース12の下部には、機幅方向K2の軸心を有する回転軸16が機幅方向K2の一方及び他方に突出状に設けられている。回転軸16の外周には、ブラケットを介して多数の耕耘爪17が固定されている。回転軸16が軸心回りに
図5の矢印X1方向に回転することにより、耕耘爪17が圃場を耕起(耕耘)すると共に耕起した土壌を後方の後部カバー19Bへと放擲する。これら回転軸16及び耕耘爪17は、圃場を耕耘する耕耘部18を構成している。
【0024】
図5、
図6、
図8に示すように、耕耘部18は、ロータリ機枠11に取り付けられたロータリカバー19により覆われている。ロータリカバー19は、上部カバー19A、後部カバー19B、側部カバー19Cを有している。耕耘部18の上方は、上部カバー19Aで覆われている。耕耘部18の後方は、後部カバー19Bで覆われている。後部カバー19Bは、上端がロータリ機枠11に枢軸19Dを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されていて上下揺動自在である。後部カバー19Bは、弾圧装置20で下方に付勢されている。弾圧装置20は、バネの力で後部カバー19Bを下方に付勢する装置である。後部カバー19Bは、後述する畝立て器51により成形される畝の上面を形成する。
【0025】
耕耘部18の側方は、側部カバー19Cで覆われている。側部カバー19Cは、第1側部カバー19CLと第2側部カバー19CRとを有している。第1側部カバー19CLは、ロータリ耕耘機2の幅方向(機幅方向K2)の一方側(左側)に配置されている。第2側部カバー19CRは、ロータリ耕耘機2の幅方向(機幅方向K2)の他方側(右側)に配置されている。
【0026】
第1側部カバー19CLは、左サイドフレーム15Lに取り付けられている。第2側部カバー19CRは、右サイドフレーム15Rに取り付けられている。第1側部カバー19CLと第2側部カバー19CRとは、取り付けられている位置が異なるのみで構成は同じである。そのため、第1側部カバー19CLの構成について説明し、第2側部カバー19CRについての説明は省略する。
【0027】
図8、
図9に示すように、第1側部カバー19CLは、上側部カバー19C1、下側部カバー19C2、前側部カバー19C3、支持カバー19C4を有している。上側部カバー19C1は、耕耘部18の側方の上部を覆っている。下側部カバー19C2は、耕耘部18の側方の下部を覆っている。上側部カバー19C1は、左サイドフレーム15Lに取り付けられている。下側部カバー19C2は、接続板19C5を介して上側部カバー19C1と接続されている。前側部カバー19C3は、上側部カバー19C1の前端から前方に延びている。
【0028】
図8、
図9に示すように、支持カバー19C4は、側板19Csと、上板19Cuと、下板19Cdとを有している。側板19Csは、左サイドフレーム15Lの機幅外方側の面に取り付けられている。上板19Cu及び下板19Cdは、側板19Csから機幅外方側に延出されている。上板19Cuと下板19Cdとは、上下方向に間隔をあけて配置されている。上板19Cuと下板19Cdとの間に、取付体196の前部が支持されている。
【0029】
図2、
図8に示すように、取付体196は、第1側部材196Aと、第2側部材196Bと、中間部材196Cと、を有する。第1側部材196Aは、ロータリ耕耘機2の左側方に配置され、左側の支持カバー19C4に取り付けられている。第2側部材196Bは、ロータリ耕耘機2の右側方に配置され、右側の支持カバー19C4に取り付けられている。第1側部材196A及び第2側部材196Bは、ロータリ耕耘機2の前端部から後方に向けて延在している。中間部材196Cは、第1側部材196Aと第2側部材196Bとの間に配置されている。中間部材196Cは、ロータリ耕耘機2の幅方向(機幅方向K2)の中央に配置され、ロータリ機枠11の後サポートフレーム13Rに取り付けられている。
【0030】
図8~
図10に示すように、取付体196には、畝立て器51が取り付けられている。畝立て器51は、例えば、培土器(リッジャー)から構成される。畝立て器51は、平面視にて、前方から後方に向けて幅(機幅方向の長さ)が拡がる形状を有する。
図8、
図10に示すように、畝立て器51は、側部畝立て器51L,51Rと中間畝立て器51Mとを含む。側部畝立て器51L,51Rは、第1側部畝立て器51Lと第2側部畝立て器51Rとを含む。したがって、ロータリ耕耘機2で耕耘した土壌に3つの畝立て器(第1側部畝立て器51L、中間畝立て器51M、第2側部畝立て器51R)で溝を形成することで2畝を形成することができる。畝の上面は、後部カバー19Bで形成される。なお、3畝以上を形成するようにしてもよい。
【0031】
第1側部畝立て器51Lは、ロータリ耕耘機2の幅方向の一方側(左側)に配置されている。第2側部畝立て器51Rは、ロータリ耕耘機2の幅方向の他方側(右側)に配置されている。中間畝立て器51Mは、ロータリ耕耘機2の幅方向の中央に配置されている。
第1側部畝立て器51Lは、2つの畝のうち、左側の畝の左側面を形成する。第2側部畝立て器51Rは、2つの畝のうち、右側の畝の右側面を形成する。中間畝立て器51Mは、左側の畝の右側面と右側の畝の左側面とを形成する。
【0032】
第1側部畝立て器51Lは、ロータリ耕耘機2に取り付けられる取付部51La,51Lbを有している。取付部51La,51Lbは、第1側部畝立て器51Lの前部に設けられた前取付部51Laと、第1側部畝立て器51Lの後部に設けられた後取付部51Lbと、を含む。
図6、
図8、
図9に示すように、第1側部畝立て器51Lの前取付部51Laは、第1側部畝立て器51Lの前端部に設けられており、前取付体52を介して第1側部カバー19CLに取り付けられている。前取付体52の前部は、第1側部カバー19CLの外面(機幅外方側の面)に取り付けられている。前取付体52は、後方に向かうにつれて機幅外方に移行するように屈曲している。前取付体52の後部に、第1側部畝立て器51Lの前取付部51Laが取り付けられている。前取付体52に対する前取付部51Laの上下方向の位置は調整することができる。
【0033】
第1側部畝立て器51Lの後取付部51Lbは、側部連結体53を介して第1側部材196Aに取り付けられている。第1側部畝立て器51Lの後取付部51Lbは、第1側部畝立て器51Lから後方に突出している。側部連結体53は、上下方向に延びており、下端部が第1側部畝立て器51Lの後取付部51Lbに接続され、上端部が第1側部材196Aに接続されている。側部連結体53は、上部材53aに対して下部材53bを出し入れすることにより、長さを調整することが可能となっている。側部連結体53の長さを調整することにより、第1側部畝立て器51Lの高さを調整することができる。
【0034】
第2側部畝立て器51Rの前取付部51Ra及び後取付部51Rbの取り付け構造は、第1側部畝立て器51Lの前取付部51La及び後取付部51Lbの取り付け構造と同様であるため、説明を省略する。
図6に示すように、側部畝立て器51L,51Rのロータリ耕耘機2の幅方向の外端部(機幅外方側の端部)は、側部カバー19Cのロータリ耕耘機2の幅方向の外端部(機幅外方側の端部)よりも外側に位置している。具体的には、第1側部畝立て器51Lの左端部は、第1側部カバー19CLの左端部よりも左方に位置している。第2側部畝立て器51Rの右端部は、第2側部カバー19CRの右端部よりも右方に位置している。
【0035】
図7、
図15に示すように、中間畝立て器51Mの前取付部51Maは、中間取付体54を介して伝動ケース12の下部に取り付けられている。中間取付体54は、前端部が伝動ケース12の前下部に取り付けられ、後端部が中間畝立て器51Mの前取付部51Maに取り付けられている。中間取付体54は、前端部と後端部との間の中途部に、長さの調整が可能な長さ調整部54aを有している。長さ調整部54aの長さを調整することによって、伝動ケース42に対する前取付部51Maの位置を調整することができる。
【0036】
図8、
図15に示すように、中間畝立て器51Mの後取付部51Mbは、中間連結体55を介して中間部材196Cに取り付けられている。中間畝立て器51Mの後取付部51Mbは、中間畝立て器51Mから後方に突出している。中間連結体55は、上下方向に延びており、下端部が中間畝立て器51Mの後取付部51Mbに接続され、上端部が中間部材196Cに接続されている。中間連結体55は、上部材55aに対して下部材55bを出し入れすることにより、長さを調整することが可能となっている。中間連結体55の長さを調整することにより、中間畝立て器51Mの高さを調整することができる。
【0037】
図5、
図6、
図8、
図9に示すように、ロータリ耕耘機2の前方には土寄せディスク56L,56Rが配置されている。土寄せディスク56L,56Rは、耕耘部18に向けて機幅内方に土を寄せるための部材である。土寄せディスク56Lは、機幅方向の一方側(左側)に配置されており、ロータリ耕耘機2の左前方に位置する。土寄せディスク56Rは、機幅方向の他方側(右側)に配置されており、ロータリ耕耘機2の右前方に位置する。土寄せディスク56L,56Rは、平面視において、前方から後方に向かうにつれて機幅外方から機幅内方に移行するように斜め向きに配置されている。土寄せディスク56L,56Rは、ディスク取付体57及びブラケット(図示略)を介してロータリ機枠11の前サポートフレーム13Fに取り付けられている。ディスク取付体57は、上部材57aに対して下部材57bを出し入れすることにより、長さを調整することが可能となっている。ディスク取付体57の長さを調整することにより、土寄せディスク56L,56Rの高さを調整することができる。
【0038】
図5、
図7に示すように、伝動ケース12の上部の前部には、ロータリ耕耘機2に動力を取り入れる入力軸(所謂PIC軸)21が設けられている。
図1に示すように、入力軸21は、ジョイント(ユニバーサルジョイント)J1によって動力取出軸22に連動連結されている。したがって、動力取出軸22からジョイントJ1を介して入力軸21に動力が伝達される。言い換えると、動力取出軸22からロータリ耕耘機(第1対地作業機)2に動力が伝達される。
【0039】
図7、
図11に示すように、入力軸21の後部には、第1ギア(ベベルギア)G1が設けられている。第1ギアG1は、第2ギア(ベベルギア)G2に噛合している。第2ギアG2は、機幅方向K2の軸心を有する第1伝動軸S1に設けられている。第1伝動軸S1には、第3ギア(平歯車)G3が設けられている。第3ギアG3は、該第3ギアG3の下方に位置する第4ギア(平歯車)G4に噛合している。第4ギアG4は、該第4ギアG4の下方に位置する第5ギア(平歯車)G5に噛合している。第5ギアG5は、回転軸16に設けられている。したがって、入力軸21に伝達された動力は第1~第5ギアG1~G5を介して回転軸16に伝達され、該回転軸16が
図5の矢印X1方向に回転する。
【0040】
図6に示すように、第1伝動軸S1は、ロータリ耕耘機2の幅方向の略中央から機幅外方の一方(左方)に向けて延びている。第1伝動軸S1の機幅外方側の一端部(左端部)には、第1スプロケットSP1が設けられている。第1伝動軸S1の前方には、機幅方向に延びる第2伝動軸S2が設けられている。第2伝動軸S2には、第2スプロケットSP2が設けられている。第1スプロケットSP1と第2スプロケットSP2には、チェーン26が掛け渡されている。これにより、第1伝動軸S1に伝達された動力は、第2伝動軸S2に伝達される。
【0041】
図11に示すように、第2伝動軸S2の一端部(左端部)には、第6ギアG6が設けられている。第6ギアG6は、第2伝動軸S2と一体に回転する。第6ギアG6は、第2伝動軸S2の回転数を計測するためのパルス検出ギアである。第2伝動軸S2の回転数を計測することで、原動機E1の回転数を算出することができる。
図11に示すように、第6ギアG6の近傍には、第6ギアG6の凹凸を検出することによりパルス状の信号を出力する(パルスを発生させる)パルスセンサ25が設けられている。パルスセンサ25は、例えば、磁気抵抗素子式の回転センサが採用される。パルスセンサ25は、制御装置(図示略)に接続されており、発生したパルスは制御装置に入力される。制御装置は、パルスセンサ25からの信号に基づいて(信号処理を行って)第2伝動軸S2の回転数を計測する。第2伝動軸S2の回転数を計測することで、原動機E1の回転数を算出することができ、原動機E1の回転数から作業機1の移動量を算出することができる。また、植付具64の位置(上限位置)を検出することもできる。制御装置は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。制御装置は、例えば、トラクタ1Aのバッテリに接続され、このバッテリから電力が供給される。
【0042】
図11に示すように、第2伝動軸S2の一端側(左端側)には、電磁クラッチ24が設けられている。電磁クラッチ24は、第2伝動軸S2に伝達された動力を第3伝動軸S3に断続可能に伝達する。第3伝動軸S3に伝達された動力は、
図11に示す動力伝達系統を介して移植機3に伝達され、該移植機3が駆動される(具体的には、移植機3に装備された後述する植付具64及び苗供給装置38A、38Bが駆動される)。
【0043】
電磁クラッチ24は、上述した制御装置に接続されており、制御装置によって制御される。電磁クラッチ24は、制御装置からのクラッチ切断信号によって切断された後、制御装置からのクラッチ接続信号によって接続される。即ち、電磁クラッチ24は、制御装置からの指令信号によって所要時間だけ切断される。なお、電磁クラッチ24を切断せずに(植付具64及び苗供給装置38A、38Bの駆動を止めないで)、連続的に移植機3を駆動させる場合もある。
【0044】
次に、
図11を参照して、第3伝動軸S3から移植機3に至る動力伝達系統を説明する。
第3伝動軸S3にはウォーム30が設けられ、ウォーム30はウォームホイール31に噛合している。ウォームホイール31は、第4伝動軸S4に設けられている。第4伝動軸S4はブレーキ27を介して出力軸32に連結されている。第3伝動軸S3に伝達された動力は、ウォーム30、ウォームホイール31、第4伝動軸S4及びブレーキ27を介して出力軸32に伝達される。したがって、原動機E1からの動力は、ウォーム30等を介して出力軸32から移植機3に伝達される。
【0045】
原動機E1からの動力を、ウォーム30を介して移植機3に伝達することにより、ウォームのセルフロック機能(ウォームホイールからウォームを回すことができない状態)によって、植付具64のシャクリ(植付具64が停止位置(上死点位置)の手前で停止し逆転すること)の発生を防止することができる。また、ブレーキ27は、バネの付勢力によって、上死点の手前で電磁クラッチ24を切断しても、植付具64が上死点まで惰性で動ききらずに逆転する(下降する)という事態を防止する。
【0046】
図6に示すように、ウォーム30及びウォームホイール31は、ロータリ耕耘機2の左上部に設けられたケーシング28に内蔵されている。また、ケーシング28の右方には、電磁クラッチ24、第6ギア(パルス検出ギア)G6、パルスセンサ25の上方を覆うカバー29が設けられている。
ブレーキ27、第6ギア(パルス検出ギア)G6、パルスセンサ25、電磁クラッチ24は、ロータリ耕耘機2の幅方向(機幅方向K2)の一端側(左端側)に設けられている。これにより、作業者は、ロータリ耕耘機2の側方からブレーキ27、第6ギア(パルス検出ギア)G6、パルスセンサ25、電磁クラッチ24に容易にアクセスして調整することができる。
【0047】
出力軸32は、プロペラシャフトから構成されている。出力軸32は、ロータリ耕耘機2の左上部から後方に向けて延びている。
図11に示すように、出力軸32の前寄りの中途部には、チェーン伝動機構等からなる動力分岐機構35が設けられている。出力軸32の回転動力の一部は、動力分岐機構35により分岐されてギア機構49を介して灌水ポンプ50に伝達され、灌水ポンプ50を駆動する。
図6に示すように、灌水ポンプ50は、ロータリ耕耘機2の左上部に載置されており、走行体1A等に搭載された水タンクから植付具の近傍に配置された灌水チューブ(図示略)に水を送る。
【0048】
次に、移植機3について説明する。
図2、
図11に示すように、移植機3は、複数の移植ユニット(第1移植ユニット36A、第2移植ユニット36B)を有する。第1移植ユニット36Aは、移植機3の機幅方向K2の一側部(左側部)に設けられている。第2移植ユニット36Bは、移植機3の機幅方向K2の他側部(右側部)に設けられている。
【0049】
第1移植ユニット36Aは、1つの機枠(第1機枠という)37Aと、1つの苗供給装置(第1苗供給装置という)38Aと、複数の植付装置(第1植付装置という)39Aと、植付装置39Aの数に対応した数の覆土装置(第1覆土装置という)40Aを有する。第1苗供給装置38A、第1植付装置39A及び第1覆土装置40Aは、第1機枠37Aに搭載されている。
【0050】
第2移植ユニット36Bは、1つの機枠(第2機枠という)37Bと、1つの苗供給装置(第2苗供給装置という)38Bと、複数の植付装置(第2植付装置という)39Bと、植付装置39Bの数に対応した数の覆土装置(第2覆土装置という)40Bを有する。第2苗供給装置38B、第2植付装置39B及び第2覆土装置40Bは、第2機枠37Bに搭載されている。
【0051】
以下において、第1機枠37Aと第2機枠37Bを纏めて機枠37ともいう。また、第1苗供給装置38Aと第2苗供給装置38Bを纏めて苗供給装置38ともいう。また、第1植付装置39Aと第2植付装置39Bを纏めて植付装置39ともいう。第1覆土装置40Aと第2覆土装置40Bを纏めて覆土装置40ともいう。
苗供給装置38は、植付装置39に対して苗(ソイルブロック苗等)を供給する装置である。植付装置39は、苗供給装置38から供給される苗を圃場に植え付ける装置であり、原動機E1の動力によって昇降し、苗を保持して下降すると共に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64を有する。覆土装置40は、植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する装置である。
【0052】
図11に示すように、複数の第1植付装置39Aは、左の第1植付装置39ALと右の第1植付装置39ARとを含む。複数の第1覆土装置40Aは、第1植付装置39ALに対応する左の第1覆土装置40ALと、第1植付装置39ARに対応する第1覆土装置40ARとを含む。また、複数の第2植付装置39Bは、左の第2植付装置39BLと右の第2植付装置39BRとを含む。複数の第2覆土装置40Bは、第2植付装置39BLに対応する左の第2覆土装置40BLと、第2植付装置39BRに対応する第2覆土装置40BRとを含む。
【0053】
なお、移植ユニットは、3つ以上であってもよい。また、移植ユニットは、複数設けられることが好ましいが、1つであってもよい。即ち、移植機3は、少なくとも、1つの移植ユニットを有していればよい。したがって、移植機3は、少なくとも1つの苗供給装置を有していればよい。また、植付装置は、1つの移植ユニットに対して少なくとも1つ設けられていればよい。即ち、移植機3は、少なくとも1つの植付装置(植付具)を有していればよい。
【0054】
図2、
図3に示すように、移植機3は、ロータリ耕耘機2の後部に作業機連結機構41を介して昇降可能に連結されている。また、移植機3は、昇降駆動装置42によって昇降駆動される。
図13に示すように、作業機連結機構41は、移植機3が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43をロータリ耕耘機2に昇降可能に連結する連結リンク機構44とを有する。
【0055】
ツールバー43は、角パイプによって形成され、後サポートフレーム13Rの後方に機幅方向K2に延伸して設けられている。ツールバー43に移植機3が装着されている。詳しくは、ツールバー43に第1移植ユニット36A(第1機枠37A)と第2移植ユニット36B(第2機枠37B)とが取り付けられている。また、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとは、ツールバー43に機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。
【0056】
図12等に示すように、ツールバー43には、椅子支持体150が接続されている。椅子支持体150は、移植機3に対して作業をする作業者が座る椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)を支持する。椅子支持体150は、ロータリ耕耘機2と移植機3との間に配置されている。椅子支持体150は、第1支持体151と、第2支持体152と、接続体153と、位置調整機構230と、を有している。
【0057】
第1支持体151は、前支持材151aと、後支持材151bと、連結支持材151cと、を有している。前支持材151aと後支持材151bとは、前後方向に間隔をあけて配置されており、互いに平行に機幅方向K2に延びている。連結支持材151cは、前後方向に延びており、前支持材151aと後支持材151bとを連結している。連結支持材151cは、複数本(6本)の連結支持材151cを含む。複数本の連結支持材151cは、機幅方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。複数本の連結支持材151cのうち、機幅方向の中心を挟んで配置された2本の連結支持材151c1と連結支持材151c2には、それぞれ上方に延びる柱材155L,155Rが取り付けられている。柱材155Lの上部と柱材155Rの上部には、機幅方向に延びる支軸156が取り付けられている。
【0058】
第2支持体152は、縦支持材157L,157Rと、横支持材158と、を有している。縦支持材157Lは、前支持材151aの左端部に接続され、当該左端部から上方に延びている。縦支持材157Rは、前支持材151aの右端部に接続され、当該右端部から上方に延びている。横支持材158は、機幅方向に延びており、縦支持材157Lの上端部と縦支持材157Rの上端部とを連結している。
【0059】
第2支持体152には、位置調整機構230が取り付けられており、当該位置調整機構230を介して椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)が支持されている。位置調整機構230の構成については後述する。
接続体153は、第1接続材153L1,153R1と第2接続材153L2,153R2とを有している。第1接続材153L1,153R1は、前後方向に延びている。第1接続材153L1は、ツールバー43の左部と縦支持材157Lとを接続している。第1接続材153R1は、ツールバー43の右部と縦支持材157Rとを接続している。第1接続材153L1の後部には、左方に向けて突出する支軸159Lが設けられている。第1接続材153R1の後部には、右方に向けて突出する支軸159Rが設けられている。第2接続材153L2,153R2は、上下方向に延びている。第2接続材153L2は、後支持材151bの左端部と第1接続材153L1の前部とを接続している。第2接続材153R2は、後支持材151bの右端部と第1接続材153R1の前部とを接続している。
【0060】
図2、
図3、
図12、
図13に示すように、連結リンク機構44は、下部リンク(第1下部リンク44A、第2下部リンク44B)と、上部リンク44Cと、連結部材44Dと、を有している。連結リンク機構44は、平行リンク機構から構成されている。
第1下部リンク44Aと第2下部リンク44Bとは、互いに平行に、同じ高さ位置に配置されている。上部リンク44Cは、第1下部リンク44A及び第2下部リンク44Bの上方に配置されている。第1下部リンク44A、第2下部リンク44B、上部リンク44Cは、後方に向かうにつれて上方に移行するように、水平面に対して同じ傾斜角度で延びている。連結部材44Dは、機幅方向に延びており、第1下部リンク44Aの前後方向の中途部と第2下部リンク44Bの前後方向の中途部とを連結している。
【0061】
第1下部リンク44Aは、ツールバー43の長さ方向(機幅方向K2)の一端側(左側)において、椅子支持体150とロータリ耕耘機2とを連結している。第2下部リンク44Bは、ツールバー43の長さ方向(機幅方向K2)の他端側(右側)において、椅子支持体150とロータリ耕耘機2とを連結している。詳しくは、第1下部リンク44Aの前端部は、ロータリ耕耘機2の後サポートフレーム13Rの左部に固定された左ブラケット160L(
図13参照)に、支軸161Lを介して枢支されている。第1下部リンク44Aの後端部は、椅子支持体150の支軸159L(
図12、
図13参照)に枢支されている。第2下部リンク44Bの前端部は、ロータリ耕耘機2の後サポートフレーム13Rの右部に固定された右ブラケット160R(
図13参照)に、支軸161Rを介して枢支されている。第2下部リンク44Bの後端部は、椅子支持体150の支軸159R(
図12、
図13参照)に枢支されている。
【0062】
上部リンク44Cは、ツールバー43の長さ方向(機幅方向K2)の中央部において、椅子支持体150とロータリ耕耘機2とを連結している。詳しくは、上部リンク44Cの前端部は、ロータリ耕耘機2の伝動ケース12の上部に固定された中央ブラケット160M(
図13参照)に、支軸161Mを介して枢支されている。上部リンク44Cの後端部は、椅子支持体150の支軸156に枢支されている。
【0063】
上記構成の作業機連結機構41にあっては、昇降駆動装置42の駆動によって、下部リンク44A,44Bが支軸161L,161R回りに上下に揺動すると、上部リンク44Cが支軸161M回りに上下に揺動する。これにより、椅子支持体150に支持された椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)及び移植機3が一体的に昇降する。ここで、連結リンク機構44が平行リンク機構で構成されているため、椅子187A,187B及び移植機3は地面に対して平行に昇降する。
【0064】
図13、
図14に示すように、昇降駆動装置42は、昇降シリンダ(油圧アクチュエータ)C1を有する。昇降シリンダC1は、シリンダ本体C1aと、ピストンロッドC1bとを有する油圧シリンダで構成されている。ピストンロッドC1bの先端部は、上支軸162に枢支されている。上支軸162は、上部リンク44Cの前後方向の中途部に取り付けられている。シリンダ体C1aのボトム側は、下支軸163に枢支されている。
図6、
図15に示すように、下支軸163は、軸取付部材164に取り付けられている。軸取付部材164は、前部がロータリ機枠11の後サポートフレーム13Rの上部に取り付けられ、後部が中間部材196Cの上部に取り付けられている。
【0065】
図14に示すように、昇降シリンダC1を伸長させる(ピストンロッドC1bをシリンダ本体C1aから進出させる)と、上部リンク44C及び下部リンク44A,44Bが上方に揺動し、椅子支持体150に支持された椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)及び移植機3(機枠37)が上昇する。また、昇降シリンダC1を短縮させる(ピストンロッドC1bを後退させる)と、上部リンク44C及び下部リンク44A,44Bが下方に揺動し、椅子支持体150に支持された椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)及び移植機3(機枠37)が下降する。
【0066】
昇降駆動装置42は、昇降シリンダC1を制御する制御バルブ165(
図35参照)と接続されている。制御バルブ165は、油圧ホースを介して、昇降シリンダC1のシリンダ本体C1aに接続されると共に、油圧ポンプ及び作動油タンクに接続されている。油圧ポンプ及び作動油タンクは、作業機1に搭載されている。制御バルブ165は、作動油タンクの作動油の流れを切り換えることによって、シリンダ本体C1aのボトム側に作動油を供給して昇降シリンダC1を伸長させる、又は、シリンダ本体C1aのロッド側に作動油を供給して昇降シリンダC1を短縮させることができる。
【0067】
なお、昇降駆動装置42は、電動シリンダ(電動アクチュエータ)又は電動油圧シリンダ(電動油圧アクチュエータ)で構成されていてもよい。電動シリンダは、電気駆動のシリンダであって、例えば、電動モータによってボールネジを軸心回りに回転させてボールねじナットを移動させ、このボールねじナットの移動によってロッドを進退させるシリンダである。電動油圧シリンダは、例えば、電動モータ、オイルタンク、油圧ポンプ、バルブ、油圧シリンダ等を一体化したアクチュエータであり、電動モータの回転によって油圧ポンプが回転すると共にバルブが切り替えられて油圧シリンダが作動するシリンダである。
【0068】
次に、
図16~
図18を参照して移植機3の機枠37について説明する。
第1機枠37Aと第2機枠37Bは構成が同じであるので、第1機枠37Aについてのみ説明し、第2機枠37Bについての説明は省略する。
機枠37は、メインフレーム65と連結ブラケット61とを有する。第1機枠37Aのメインフレーム65に苗供給装置38A、植付装置39A及び覆土装置40A等が搭載され、第2機枠37Bのメインフレーム65に苗供給装置38B、植付装置39B及び覆土装置40B等が搭載される。
【0069】
連結ブラケット61は、メインフレーム65をツールバー43に連結する部材である。連結ブラケット61は、ツールバー43の上面に機幅方向K2に移動可能に当接する取付壁61aと、取付壁61aの左端から上方に延出された一側壁61bと、取付壁61aの右端から上方に延出された他側壁61cとを有する。取付壁61aは、Uボルト等を有する固定具77によってツールバー43に固定されている。したがって、固定具77を緩めることにより、機枠37の機幅方向K2の位置が変更(調整)可能である。つまり、連結ブラケット61は、ツールバー43に沿って機幅方向K2に移動可能である。
【0070】
図20に示すように、第1機枠37Aの連結ブラケット61(以下、「第1取付具61A」ともいう)と第2機枠37Bの連結ブラケット61(以下、「第2取付具61B」ともいう)とは、機幅方向K2に並んで配置されている。第1取付具61Aと第2取付具61Bとは、それぞれツールバー43に沿って移動可能に取り付けられる。これにより、第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bがそれぞれツールバー43に沿って移動可能となる。第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bがそれぞれツールバー43に沿って移動可能となることで、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離を調整することができる。
【0071】
つまり、移植機3は、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離を調整する調整機構を備えている。以下、説明の便宜上、この調整機構を「距離調整機構」という。距離調整機構は、第1機枠37Aの連結ブラケット61(第1取付具61A)と第2機枠37Bの連結ブラケット61(第2取付具61B)とを有している。
メインフレーム65は、角パイプで形成された複数のフレーム材(第1フレーム材65a~第19フレーム材65t)を有する。第1フレーム材65aは、メインフレーム65の上部の左部を構成しており、前後方向K1に延伸して配置されている。第2フレーム材65bは、メインフレーム65の上部の右部を構成しており、前後方向K1に延伸して配置されている。第3フレーム材65cは、第1フレーム材65aと第2フレーム材65bの前部同士を連結している。第4フレーム材65d及び第5フレーム材65eは、第1フレーム材65aと第2フレーム材65bの後部同士を連結している。第4フレーム材65dは、第5フレーム材65eの前方に位置している。第6フレーム材65fは、メインフレーム65の上部で且つ機幅方向K2の略中央部に配置されている。
【0072】
第6フレーム材65f及び第7フレーム材65gは、前後方向K1に延伸して配置されている。第6フレーム材65fは、メインフレーム65の上部に位置している。第7フレーム材65gは、メインフレーム65の下部に位置している。第8フレーム材65hは、第3フレーム材65cの機幅方向K2の中央部と第7フレーム材65gの前端部とを連結している。第19フレーム材65tは、第2フレーム材65bと第6フレーム材65fとを連結している。第19フレーム材65tは、第3フレーム材65cの後方であって第4フレーム材65dの前方に配置されている。第9フレーム材65iは、第19フレーム材65tと第7フレーム材65gとを連結している。第10フレーム材65jは、第4フレーム材65dと第7フレーム材65gとを連結している。第9フレーム材65iは、第10フレーム材65jの前方に位置している。
【0073】
第11フレーム材65kは、第1フレーム材65aと第6フレーム材65fとの間に位置していて、第3フレーム材65cから下方に延出している。第12フレーム材65mは、第2フレーム材65bと第6フレーム材65fとの間に位置していて、第3フレーム材65cから下方に延出している。第11フレーム材65kと第12フレーム材65mとの間に連結ブラケット61が配置されている。連結ブラケット61の一側壁61bが第11フレーム材65kに固定され、他側壁61cが第12フレーム材65mに固定されている。
【0074】
第13フレーム材65nは、第1フレーム材65aの後方寄りの部位から下方に延出している。第13フレーム材65nは、第10フレーム材65jと平行に配置されている。第14フレーム材65oは、第1フレーム材65aの後端部から下方に延出している。第15フレーム材65pは、第2フレーム材65bの後方寄りの部位から下方に延設されている。第15フレーム材65pは、第9フレーム材65iと平行に配置されている。第16フレーム材65qは、第2フレーム材65bの後端部から下方に延出している。第17フレーム材65rは、第14フレーム材65oと第16フレーム材65qの下端部同士を連結している。第18フレーム材65sは、第7フレーム材65gの前部から上方に延出している。
【0075】
第11フレーム材65kの下部と第12フレーム材65mの下部とにわたって第1取付板65uが固定されている。第1取付板65uの左部には、第1植付フレーム78Lの前部に設けられた前部板78Laがボルト固定されている。第1取付板65uの右部には、第2植付フレーム78Rの前部に設けられた前部板78Raがボルト固定されている。第1植付フレーム78Lには、第1植付装置39ALが装着される。第2植付フレーム78Rには、第1植付装置39ARが装着される。
【0076】
図18に示すように、第1取付板65uの左部には、調整溝66L及び調整孔67Lが設けられている。調整溝66Lは、調整孔67Lよりも上方に設けられている。第1取付板65uの右部には、調整溝66R及び調整孔67Rが設けられている。調整溝66Rは、調整孔67Rよりも上方に設けられている。
調整溝66Lは、機幅方向K2に間隔をあけて2つ並んで設けられている。2つの調整溝66Lは、下に凸の円弧状のラインに沿って並んでいる。調整孔67Lは、機幅方向K2に間隔をあけて複数(5つ)並んで設けられている。
【0077】
2つの調整溝66Lには、それぞれボルトB1が挿通され、当該ボルトB1は前部板78Laの上部の貫通孔に挿通されてナットと締結されている。複数の調整孔67Lのうちの1つにはボルトB2が挿通され、当該ボルトB2は前部板78Laの下部の貫通孔に挿通されてナットと締結されている。つまり、前部板78Laは、上部が2点(2つのボルトB1)と下部が1点(1つのボルトB2)の合計3点で、第1取付板65uの左部に取り付けられている。
【0078】
調整溝66Lに挿通されたボルトB1を、調整溝66Lに沿って移動させ、且つ、複数の調整孔67Lの中でボルトB2が挿通される調整孔67Lを変更することにより、第1取付板65uに対する第1植付フレーム78Lの取り付け角度を変更することができる(
図18の左部、
図19の仮想線及び両方向矢印参照)。これにより、第1取付板65uに対する第1植付装置39ALの取り付け角度を変更することができる。言い換えれば、第1植付装置39ALの鉛直線に対する傾斜角度を変更することができる。
【0079】
調整溝66Rは、機幅方向K2に間隔をあけて2つ並んで設けられている。2つの調整溝66Rは、下に凸の円弧状のラインに沿って並んでいる。調整孔67Rは、機幅方向K2に間隔をあけて複数(5つ)並んで設けられている。
2つの調整溝66Rには、それぞれボルトB3が挿通され、当該ボルトB3は前部板78Raの上部の貫通孔に挿通されてナットと締結されている。複数の調整孔78Raのうちの1つにはボルトB4が挿通され、当該ボルトB4は前部板78Raの下部の貫通孔に挿通されてナットと締結されている。つまり、前部板78Raは、上部が2点(2つのボルトB3)と下部が1点(1つのボルトB4)の合計3点で、第1取付板65uの右部に取り付けられている。
【0080】
調整溝66Rに挿通されたボルトB3を、調整溝66Rに沿って移動させ、且つ、複数の調整孔67Rの中でボルトB4が挿通される調整孔67Rを変更することにより、第1取付板65uに対する第2植付フレーム78Rの取り付け角度を変更することができる(
図18の右部の仮想線及び両方向矢印参照)。これにより、第1取付板65uに対する第1植付装置39ARの取り付け角度を変更することができる。言い換えれば、第1植付装置39ARの鉛直線に対する傾斜角度を変更することができる。
【0081】
上記のように、調整溝66L,66R及び調整孔67L,67Rを利用して、第1植付装置39ALと第1植付装置39ARとの相対角度を調整することができる。つまり、調整溝66L,66R及び調整孔67L,67Rは、複数の第1植付装置(第1植付装置39ALと第1植付装置39AR)間の相対角度を調整可能とする角度調整機構(以下、「第1角度調整機構」という)を構成している。第1角度調整機構は、複数の第1植付装置(第1植付装置39ALと第1植付装置39AR)の第1機枠37Aに対する装着角度を個別に調整可能である。
【0082】
第2機枠37Bにも、上述した第1機枠37Aと同様の角度調整機構が設けられている。第2機枠37Bに設けられた角度調整機構(以下、「第2角度調整機構」という)は、第2植付装置39BLと第2植付装置39BRとの相対角度を調整することができる。つまり、第2角度調整機構は、複数の第2植付装置(第2植付装置39BLと第2植付装置39BR)間の相対角度を調整可能とする。第2角度調整機構は、複数の第2植付装置(第2植付装置39BLと第2植付装置39BR)の第2機枠37Bに対する装着角度を個別に調整可能である。
【0083】
第1角度調整機構によれば、第1植付装置39ALによる苗の植え付け位置と第1植付装置39ARによる苗の植え付け位置との間隔(条間)を調整することができる。第2角度調整機構によれば、第2植付装置39BLによる苗の植え付け位置と第2植付装置39BRによる苗の植え付け位置との間隔(条間)を調整することができる。
なお、第1植付フレーム78L及び第2植付フレーム78Rは、機枠37(第1機枠37A、第2機枠37B)に対して機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられていてもよい。
【0084】
図16~
図18に示すように、第10フレーム材65jの下部と第13フレーム材65nの下部とにわたって第2取付板65vが固定されている。第9フレーム材65iの下部と第15フレーム材65pの下部とにわたって第3取付板65wが固定されている。第2取付板65vには、第1覆土装置40ALの後部が取り付けられる。第3取付板65wには、第1覆土装置40ARの後部が取り付けられる。
【0085】
図2、
図20に示すように、作業機1は、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとを連結する連結フレーム130を備えている。
図21に示すように、連結フレーム130は、第1連結フレーム材131、第2連結フレーム材132、第3連結フレーム材133、第4連結フレーム材134、第5連結フレーム材135、第6連結フレーム材136を有している。
【0086】
図20に示すように、第1連結フレーム材131は、機幅方向に延びており、第1機枠37Aの後部と第2機枠37Bの後部とを連結している。
図20、
図21に示すように、第2連結フレーム材132は、第1連結フレーム材131の機幅方向の中央の上面に取り付けられ、当該上面から上方に延びている。第3連結フレーム材133は、第2連結フレーム材132の上下方向の中途部から前方に延びている。第3連結フレーム材133の前部は、椅子支持体150の第2支持体152に接続されている。第4連結フレーム材134は、第3連結フレーム材133の前方寄りの位置から上方に延びている。第5連結フレーム材135は、第2連結フレーム材132の上部と第4連結フレーム材134の上部とを連結している。第6連結フレーム材136は、第3連結フレーム材133の前方寄り位置から下方に延びている。第6連結フレーム材136の下端部は、ツールバー43の上部に取り付けられる。
【0087】
第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとを連結フレーム130により連結することによって、第1移植ユニット36Aの高さと第2移植ユニット36Bの高さを揃えることができる。そのため、第1移植ユニット36Aで植え付けられる苗と、第2移植ユニット36Bで植え付けられる苗の植え付け深さを揃えることができる。また、第1移植ユニット36Aで植え付けられる苗と、第2移植ユニット36Bで植え付けられる苗の条間の調整を正確に行うことができる。
【0088】
図21~
図23に示すように、連結フレーム130には、スタンド137L,137Rが取り付けられている。スタンド137Lは、第1連結フレーム材131の左端部に取り付けられている。スタンド137Rは、第1連結フレーム材131の右端部に取り付けられている。スタンド137L,137Rは、第1連結フレーム材131から下方に延びる立ち姿勢と、第1連結フレーム材131に沿って機幅内方側に延びる折り畳み姿勢とに姿勢変更可能である。
図21、
図22には、スタンド137L,137Rの折り畳み姿勢を実線で示し、立ち姿勢を仮想線で示している。
図23は、スタンド137L,137Rの立ち姿勢を示している。
【0089】
スタンド137L,137Rを立ち姿勢として、スタンド137L,137Rの下端部を接地させることにより、移植機3を地面から浮かせて支持することができる。そのため、作業機1の保管や運搬、ロータリ耕耘機2に対する移植機3の着脱等を容易に行うことができる。作業(移植作業等)を行うときには、スタンド137L,137Rを折り畳み姿勢とする。
【0090】
連結フレーム130には、制御バルブ165等を収容する収容体166が取り付けられている。収容体166は、第3連結フレーム材133の上部と第4連結フレーム材134の前部に取り付けられている。収容体166の上部からは、制御バルブ165等を操作する第1操作レバー167と第2操作レバー168とが突出している。
次に、原動機E1からの動力を苗供給装置38及び植付装置39に伝達する動力伝達機構105について説明する。
【0091】
図11、
図24に示すように、原動機E1からの動力を伝達する出力軸32の後端部には、第7ギア(ベベルギア)G7が設けられている。第7ギアG7は、第8ギア(ベベルギア)G8と噛み合っている。第8ギアG8は、主軸107の一端部(左端部)に設けられている。これにより、原動機E1からの動力は出力軸32から主軸107に伝達される。
【0092】
図20、
図24に示すように、主軸107は、出力軸32に対して直角に機幅方向K2に延びている。
図20に示すように、主軸107は、第1機枠37Aと第2機枠37Bとにわたって設けられている。主軸107は、複数の軸及び、軸同士を連動連結する連結軸によって構成され、各機枠37A、37Bの機幅方向K2の位置調整に対応して伸縮可能である。主軸107は、出力軸32から伝達される原動機E1からの動力を受けて回転する。主軸107から各移植ユニット36A、36Bの苗供給装置38及び植付装置39に動力が伝達される。
【0093】
図11に示すように、主軸107には、第1トルクリミッタ108、第2トルクリミッタ109が設けられている。第1トルクリミッタ108は、第1移植ユニット36Aに過負荷が加わったとき、主軸107から第1移植ユニット36Aへの動力の伝達(トルク伝達)を遮断する。第2トルクリミッタ109は、第2移植ユニット36Bに過負荷が加わったとき、主軸107から第2移植ユニット36Bへの動力の伝達(トルク伝達)を遮断する。
【0094】
図24、
図25に示すように、主軸107は、回転軸(第1回転軸107A、第2回転軸107B、第3回転軸107C)及び連結軸107L,107Rを有している。第1回転軸107Aは、原動機E1からの動力を受けて回転する。第2回転軸107Bは、第1回転軸107Aから動力を受けて回転する。第2回転軸107Bは、カップリングCPにより接続された左軸107B1と右軸107B2とから構成されている。第3回転軸107Cは、第2回転軸107Bから動力を受けて回転する。
【0095】
第1回転軸107Aの左端部には、第7ギアG7と噛み合う第8ギアG8が設けられており、第1回転軸107Aは出力軸32から伝達される動力を受けて回転する。連結軸107Lは、第1回転軸107Aの右端部と第2回転軸107Bの左端部とを連結している。連結軸107Rは、第2回転軸107Bの右端部と第3回転軸107Cの左端部とを連結している。
【0096】
第1回転軸107A、第2回転軸107B、第3回転軸107Cは、周方向に凹凸を有するスプライン軸である。連結軸107L,107Rは、スプライン軸が噛み合う筒状のスプライン軸受である。第1回転軸107A及び第2回転軸107Bは、連結軸107L,107Rに対して移植機3の幅方向(機幅方向K2と同じ)に移動可能である。言い換えれば、第1回転軸107A及び第2回転軸107Bは、連結軸107L,107Rに対する噛み合い部分の長さを変化させることにより、機幅方向K2(左方又は右方)に移動可能である。
図25に示すように、第1回転軸107A及び第2回転軸107Bを連結軸107L,107Rに対して機幅方向K2に移動させることにより、主軸107が機幅方向K2に伸縮可能となる。つまり、スプライン軸をスプライン軸受に対して摺動させることにより、主軸107が機幅方向K2に伸縮可能となる。
【0097】
主軸107の外周は、機幅方向K2に延びるカバー筒110により覆われている。カバー筒110は、可撓性のシート(例えば、樹脂製のシート)を円筒状に丸めて形成されている。
図26に示すように、カバー筒110は、周方向に重なり部分OLを有するように丸められている。カバー筒110は、重なり部分OLの長さを変化させることによって、直径を増減することができる。これにより、様々な太さの主軸107に対応することができる。また、カバー筒110は、重なり部分を無くして開くことができる。これにより、主軸107を装着した後に、カバー筒110により主軸107の外周を覆うことができる。
【0098】
図25に示すように、カバー筒110は、複数のカバー筒(第1カバー筒110A、第2カバー筒110B)を含む。複数のカバー筒110A,110Bは、主軸107に沿って機幅方向K2に移動可能である。第1カバー筒110Aは、連結軸107Lの外周を覆っている。第2カバー筒110Bは、連結軸117Rの外周を覆っている。
主軸107の外周がカバー筒110により覆われていることにより、主軸107を構成する第1回転軸107A、第2回転軸107B、第3回転軸107C及び連結軸107L,107Rを、外部から保護することができる。また、カバー筒110が、主軸107に沿って機幅方向に移動可能な複数のカバー筒110を含むことにより、主軸107の機幅方向K2の伸縮に対応することができる。
【0099】
主軸107(第1回転軸107A、第2回転軸107B、第3回転軸107C及び連結軸107L,107R)に伝達された動力は、伝動機構を介して第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bに伝達される。
図11に示すように、伝動機構は、第1伝動機構115a~第12伝動機構115mを含む。
図11、
図24、
図27に示すように、主軸107に伝達された動力は、第1伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115aを介して第1軸111に伝達される。また、主軸107に伝達された動力は、第2伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115bを介して第2軸112に伝達される。
【0100】
第1軸111に伝達された動力は、第3伝動機構(ベベルギア伝動機構)115c及び第4伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115dを介して第1苗供給装置38Aに伝達される。第2軸112に伝達された動力は、第5伝動機構(ベベルギア伝動機構)115e及び第6伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115fを介して第2苗供給装置38Bに伝達される。
【0101】
また、第1軸111に伝達された動力は、第7伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115gを介して右の第1植付装置39ARに伝達され、且つ第8伝動機構115h、第3軸113、第9伝動機構115iを介して左の第1植付装置39ALに伝達される。第2軸112に伝達された動力は、第10伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)115jを介して右の第2植付装置39BRに伝達され、且つ第11伝動機構115k、第4軸114、第12伝動機構115mを介して左の第2植付装置39BLに伝達される。
【0102】
次に、植付装置39について説明する。
第1植付装置39A及び第2植付装置39Bは、同様に構成されるので、
図27、
図28に図示した第1植付装置39Aの構造を説明し、第2植付装置39Bについての構造の説明は省略する。また、左の第1植付装置39ALと右の第1植付装置39ARとは、左右対称に構成されている他は、同様に構成されるので、共通部分の説明を省略して説明する。
【0103】
図27、
図28に示すように、第1植付装置39ALと第1植付装置39ARとは、機幅方向K2で並べて配置されていると共に、前後方向K1において異なる位置に配置されている。第1植付装置39ALは、第1植付フレーム78Lに取り付けられ、第1植付装置39ARは、第2植付フレーム78Rに取り付けられている。
第1植付装置39ALは、植付具64と、植付昇降機構139とを有する。第1植付装置39ARは、第1植付装置39ALと同様に、植付具64と、植付昇降機構139とを有する。
【0104】
以下、第1植付装置39ALにおける植付具64を植付具64ALと称し、第1植付装置39ARにおける植付具64を植付具64ARと称することがある。また、第1植付装置39ALにおける植付昇降機構139を植付昇降機構139ALと称し、第1植付装置39ARにおける植付昇降機構139を植付昇降機構139ARと称することがある。
植付具64は、圃場(畝)に苗を植え付ける部材である。植付具64は先端が下方に向いたくちばし状を呈し(
図27参照)、前構成体140と後構成体141を有している。植付具64は、前構成体140と後構成体141とが前後方向K1で離反及び近接することにより開閉自在とされている。なお、前構成体140と後構成体141とは引張りバネによって閉じる方向に付勢されている。
【0105】
図27に示すように、第7伝動機構115gは、第1軸111と一体回転する駆動スプロケット116Rと、第1植付フレーム78Rに支軸118Rを介して支持された従動スプロケット117Rと、駆動スプロケット116Rと従動スプロケット117Rとにわたって巻掛けられたチェーン119Rとを有する。この第7伝動機構115gによって第1軸111から支軸118Rに動力が伝達されて、支軸118Rが回転する。
【0106】
第9伝動機構115iは、第3軸113と一体回転する駆動スプロケット116Lと、第2植付フレーム78Lに支軸118Lを介して支持された従動スプロケット117Lと、駆動スプロケット116Lと従動スプロケット117Lとにわたって巻掛けられたチェーン119Lとを有する。この第9伝動機構115iによって第3軸113から支軸118Lに動力が伝達されて、支軸118Lが回転する。
【0107】
第10伝動機構115jは、第7伝動機構115gと同様に構成される。この第10伝動機構115jによって第2軸112から右の第2植付装置39BRの支軸118Rに動力が伝達され、第2植付装置39BRの支軸118Rが回転する。
第12伝動機構115mは、第9伝動機構115iと同様に構成される。この第12伝動機構115mによって第4軸114から左の第2植付装置39BLの支軸118Lに動力が伝達され、第2植付装置39BLの支軸118Lが回転する。
【0108】
図27、
図28に示すように、植付昇降機構139は、植付具64を支持して、当該植付具64を昇降させる装置である。詳しくは、植付昇降機構139ALは植付具64ALを昇降させる装置であり、植付昇降機構139ARは植付具64ARを昇降させる装置である。
植付昇降機構139は、第1ケース120と、第2ケース121と、取付部材122とを有する。植付昇降機構139Lの第1ケース120は、第1植付フレーム78Lに支軸118Lを介して回転自在に支持されている。植付昇降機構139Rの第1ケース120は、第2植付フレーム78Rに支軸118Rを介して回転自在に支持されている。第2ケース121は、第1ケース120の遊端側に回転自在に支持されている。取付部材122は、第2ケース121に支持されている。取付部材122に植付具64が支持されている。
【0109】
支軸118L,118Rの回転に伴って第1ケース120及び第2ケース121が回転する。第1ケース120及び第2ケース121内には、第1ケース120が水平方向の軸心回りの一方に回転すると、第1ケース120の回転に連動して第2ケース121が第1ケース120とは逆方向(水平方向の軸心回りの他方)に回転するように動力伝達装置が設けられている。
【0110】
第1ケース120及び第2ケース121が回転することにより、取付部材122が前後に移動しながら上下に平行移動して、植付具64が、上下方向に長い楕円状の軌跡を描いて上下運動(昇降)する。
植付具64には、上昇した位置(上死点位置)で苗が落下供給される。このとき植付具64は閉じた状態であって、該植付具64の内部に苗が収容され且つ保持される。その後、植付具64は、苗を保持して下降すると共に下部が圃場に突入する。また、植付具64は、圃場に突入した際に開き、圃場に植穴を形成すると共に開いた状態で苗を下方に落下して放出する。これにより、圃場に苗が植え付けられる。
【0111】
上記構成の植付装置39にあっては、支軸118L,118Rが一回転すると植付具64が上下に一往復する。
第1植付装置39ALと第1植付装置39ARとは、機幅方向K2に並んで、前後方向K1において異なる位置に配置されている。これによって、一つの移植ユニットによって、畝に苗を千鳥状に2条植えする(機幅方向K2で隣接する苗の一方を他方に対して前後一方に位置ずれして植え付ける)ようにしている。
【0112】
本実施形態では、左と右の植付具64が同時に昇降する。また、植付具64が停止する際には、左と右の植付具64が上死点位置で停止する。
図11に示すように、移植機3は、複数のアシスト装置123を有する。複数のアシスト装置123は、第1移植ユニット36Aに設けられた第1アシスト装置123Aと、第2移植ユニット36Bに設けられた第2アシスト装置123Bとを含む。アシスト装置123は、植付具64の昇降動作をアシストする装置である。アシスト装置123は、植付具64を上昇させる方向に付勢するアシストスプリングを有している。アシスト装置123を有することにより、上死点の手前で電磁クラッチ24を切断しても、植付具64が上死点まで惰性で動ききらずに逆転するという事態を防止することができる。
【0113】
次に、覆土装置40について説明する。
第1覆土装置40A、第2覆土装置40Bの構造は、同様に構成されるので、第1覆土装置40Aを説明し、第2覆土装置40Bの構造の説明は省略する。
また、第1覆土装置40ALと第1覆土装置40ARの構成は同様に構成されるので、第1覆土装置40ALの構造を説明し、第1覆土装置40ARの構造の説明は省略する。
【0114】
図29~
図32に示すように、第1覆土装置40ALは、複数の覆土器(第1覆土器81L、第2覆土器81R)と、覆土器81L,81Rを支持する支持フレーム82と、を有する。本実施形態の場合、覆土器81L,81Rは覆土輪であるため、以下、覆土器81L,81Rを覆土輪81L.81Rとして説明する。
覆土輪81L及び覆土輪81Rは、植付具64の後方の圃場上面(地面)に当接して回転し、植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する。
【0115】
覆土輪81Lと覆土輪81Rは、それぞれ独立して上下動自在であり、圃場の凹凸に追従して上下動する。覆土装置40は、植付装置39を機幅方向K2に位置調整可能とした場合、これに対応して機幅方向K2に位置調整可能に構成される。
覆土輪81L及び覆土輪81Rは、機枠37の対地高さを検出する検出部材83として機能する。機枠37の対地高さは、苗が植え付けられる植付面に対する機枠37の下端の相対高さである。植付面は、ロータリ耕耘機2の後部カバー19Bで整地される圃場表面である。圃場に畝が形成される場合は、植付面は畝の上面である。
【0116】
検出部材83(覆土輪81L及び覆土輪81R)は、機枠37に上下揺動自在に支持された支持フレーム82の後部に取り付けられている。支持フレーム82は、機枠37に対して検出部材83を上下動可能に支持する。支持フレーム82は、前部に機幅方向K2の軸心を有する筒状のボス84が設けられている。ボス84は、機枠37に設けられた支持杆85に支持されている。支持杆85は、機幅方向K2に延伸する軸心を有し、第7フレーム材65gから下方に延出する支持部材86に軸受を介して支持されている。支持杆85は、機幅方向K2に延伸する軸心回りに回転可能である。ボス84は、支持杆85の外周に嵌められており、支持杆85と共に軸心回りに回転可能である。ボス84は、支持杆85に対して機幅方向K2に移動可能に嵌められている。これにより、支持フレーム82は、上下に揺動可能であると共に、機幅方向K2に位置調整可能である。支持フレーム82が上下に揺動することにより、検出部材83が上下動可能である。
【0117】
ボス84は、機幅方向K2の任意の位置で支持杆85に固定具によって固定可能である。具体的には、支持杆85には機幅方向K2に間隔をあけて複数の貫通孔85aが設けられており、ボス84の左側と右側でそれぞれ固定具(ピン)87を貫通孔85aに挿入することにより、ボス84の機幅方向の位置を決めることができる。そして、ボス84の機幅方向の位置を変更するとともに、固定具(ピン)87を挿入する貫通孔85aの位置を変更することにより、ボス84の機幅方向の位置を変更して位置決めすることができる。ボス84の機幅方向の位置を変更することによって、支持フレーム82の前部の位置を機幅方向に調整することができる。以下、この支持フレーム82の前部の位置を機幅方向に調整する機構を「前部位置調整機構」という。
【0118】
図30~
図32に示すように、支持フレーム82は、検出部材83(覆土輪81L及び覆土輪81R)の上方を通って配置されている。支持フレーム82は、覆土輪81Lの上方に配置されて前後方向に延びる左後部位82aと、覆土輪81Rの上方に配置されて前後方向に延びる右後部位82bとを有している。左後部位82aには、取付板88Lを介して覆土輪81Lが取り付けられている。右後部位82bには、取付板88Rを介して覆土輪81Rが取り付けられている。
【0119】
また、支持フレーム82は、左後部位88aの後部と右後部位88bの後部とを繋ぐ繋ぎ部位82cと、左後部位88aから前方に延びる前部位82dと、を有している。
繋ぎ部位82cには、取付ステー89U,89Dを介してロッド部材90が取り付けられている。取付ステー89Uは、ロッド部材90の下部に取り付けられている。取付ステー89Dは、繋ぎ部位82cに取り付けられている。取付ステー89U,89Dには、機幅方向K2に延びる下軸91が取り付けられている。ロッド部材90の下部は、下軸91の軸心回りに回動自在に支持されている。ロッド部材90の上部は、下軸91の上方に配置された上軸92に設けられた貫通孔に挿通されている。上軸92は、第2取付板65vに取り付けられた軸支部材93に支持されており、機幅方向の軸心回りに回転可能である。ロッド部材90は、検出部材83の上下動に伴って傾動し且つ上下動する。
【0120】
図33、
図34に示すように、第1機枠37Aに設けられた第2取付板65vには、機幅方向に間隔をあけて複数の貫通孔68が設けられている。軸支部材93は、貫通孔68に挿通されたボルトB5によって第2取付板65vに取り付けられる。ボルトB5を挿通する貫通孔68の位置を機幅方向K2に変更する(ずらす)ことによって、第2取付板65vに対する軸支部材93の位置を機幅方向に変更することができる。これにより、
図34に仮想線で示すように、ロッド部材90及び支持フレーム82の後部の位置を機幅方向K2に調整することができる。以下、この支持フレーム82の後部の位置を機幅方向に調整する機構を「後部位置調整機構」という。
【0121】
前部位置調整機構と後部位置調整機構によって、第1覆土装置40Aの機幅方向K2の位置を調整する調整部(第1位置調整部)が構成されている。つまり、移植機3は、第1覆土装置40Aの機幅方向の位置を調整する調整部(第1位置調整部)を有している。また、移植機3は、第2覆土装置40Bの機幅方向の位置を調整する調整部(第2位置調整部)を有している。第2位置調整部の構成は、第1位置調整部の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0122】
図33等に示すように、取付ステー89Uにはウエイト94が載せられている。ロッド部材90は、ウエイト94を貫通している。ウエイト94は、支持フレーム82の後部(繋ぎ部位82c)を下方に押すことによって、検出部材83(覆土輪81L,81R)を接地させる。
図29、
図31に示すように、支持フレーム82の前部位82dの前端部は、取付板95を介してボス84に取り付けられている。これにより、支持フレーム82の上下の揺動に伴って、支持杆85が軸心回りに回転する。支持杆85には、第1揺動板96が取り付けられている。第1揺動板96は、後部が支持杆85に固定されており、支持杆85の回転に伴って前部が上下に揺動する(
図30参照)。
【0123】
図32に示すように、第1揺動板96の前部には、ワイヤ(ケーブル)97の一端部(下端部)が接続されている。ワイヤ97は、一端部と他端部を除く中途部が外殻体98により被覆されており、外殻体98に沿って移動可能(進退可能)である。外殻体98の一端部(下端部)は、支持部材240から前方に突出する前突出部材99に固定されている。ワイヤ97の一端部は、外殻体98の一端部から突出して第1揺動板96の前部に接続されている。
【0124】
尚、ワイヤ97が接続される第1揺動板96は、第1覆土装置40Aを支持する支持杆85と、第2覆土装置40Bを支持する支持杆85のいずれか一方のみに設ければよい。つまり、ワイヤ97は、覆土装置の数に関わらず、1本のみで足りる。
図35に示すように、外殻体98の他端部(上端部)は、収容体166に収容された第2揺動板100に固定されている。第2揺動板100は、第1操作レバー167の下端部に接続されている。第1操作レバー167は、収容体166の上部に形成された溝166a(
図21参照)から上方に突出しており、当該溝166aに沿って前後方向に揺動可能である。第1操作レバー167は、溝166aに沿った前後方向の複数の位置で選択的に停止可能である。第1操作レバー167を停止することにより、第2揺動板100の位置及び外殻体98の他端部の位置が定まる。
【0125】
図35に示すように、ワイヤ97の他端部(上端部)は、外殻体98の他端部から突出して収容体166に収容された制御バルブ165の揺動片165aに接続されている。揺動片165aは、制御バルブ165のスプールに接続されている。揺動片165aの揺動に伴って制御バルブ165のスプールが移動して作動油の流れが切り換えられる。これにより、シリンダ本体C1aのボトム側又はロッド側に作動油が供給され、昇降シリンダC1が伸長又は短縮する。
【0126】
検出部材83(覆土輪81L,81R)が圃場の凹凸に追従して上下動すると、支持フレーム82が上下動して、ボス84及び支持杆85が機幅方向の軸回りに回転する。これにより、第1揺動板96の前部が上下動し、ワイヤ97が上方又は下方に移動する。制御バルブ165は、ワイヤ97の移動に伴って昇降駆動装置42を、機枠37を上昇させる第1状態と機枠37を下降させる第2状態とに切り替える。具体的には、検出部材83が上動したとき、ワイヤ97が上方に移動し、制御バルブ165が昇降駆動装置42の昇降シリンダC1を短縮させ、機枠37(移植機3)が上昇する。検出部材83が下動したとき、ワイヤ97が下方に移動し、制御バルブ165が昇降駆動装置42の昇降シリンダC1を伸長させ、機枠37(移植機3)が下降する。これにより、圃場の凹凸に起因して苗の植付深さのばらつきが生じることが防止できる。
【0127】
また、
図36に仮想線で示すように、第1操作レバー167を前後方向に揺動することによって、第2揺動板100が上下方向に揺動する。第2揺動板100の揺動に伴って、第2揺動板100に固定された外殻体98の他端部の位置を上下方向に変更することができる。これにより、検出部材83とワイヤ97との相対的な位置関係が変化するため、検出部材83の上下動によるワイヤ97の移動量を調整することができる。そのため、検出部材83による検出結果に基づいて設定された植付深さを変更することができる。つまり、第1操作レバー167を揺動することによって、検出部材83による検出結果に基づく植付深さ(検出部材83の高さと植付深さとの関係)を変更することができる。
【0128】
より詳しく説明すると、検出部材83による検出結果(検出部材83の高さ)に応じた植付深さが予め設定されており、検出部材83による検出結果はワイヤ97の移動量により定まる。そのため、第1操作レバー167を揺動してワイヤ197の移動の基準位置(外殻体98の位置)を変更し、検出部材93の上下動に伴うワイヤ97の移動量を増減する(検出部材83の上下動の大きさとワイヤ97の移動量との対応関係を変更する)ことにより、検出部材93の上下動に対応する植付深さを変更することができる。
【0129】
また、
図35に示すように、第2操作レバー168の下端部には、第3揺動板169が取り付けられている。第3揺動板169は、ワイヤ170を介して制御バルブ165のスプールに接続されている。第2操作レバー168を前後方向に揺動することによっても、制御バルブ165を作動させて、機枠37を上昇させる第1状態と機枠37を下降させる第2状態とに昇降駆動装置42を切り替えることができる。
【0130】
圃場の凹凸に応じた移植機3の昇降制御は、トラクタ1Aの後部に装着したロータリ耕耘機2とは独立して行われる。これにより、苗の植付精度を良くすることができる。
次に、苗供給装置38について説明する。
図3に示すように、苗供給装置38は、第1植付装置39A及び第2植付装置39Bの上方に配置されている。詳しくは、第1苗供給装置38Aは、第1植付装置39Aの上方に配置されている。第2苗供給装置38Bは、第2植付装置39Bの上方に配置されている。
【0131】
苗供給装置38は、当該苗供給装置38の下方に位置する植付具64に苗を落下させて供給する装置である。
第1苗供給装置38Aと第2苗供給装置38Bとは、構成が同じであるので、
図37~
図42に第1苗供給装置38Aの構造を図示して説明し、第2苗供給装置38Bの説明は省略する。
【0132】
図3、
図20、
図37に示すように、第1苗供給装置38Aは、第1機枠37Aに支持される装置フレーム176を有する。同様に、第2苗供給装置38Bも第2機枠37Bに支持される装置フレーム176を有する。
図20、
図37に示すように、苗供給装置38は、苗が投入される多数の供給カップ171、172を有する。多数の供給カップは、多数の第1供給カップ171と、多数の第2供給カップ172とを含む。本実施形態の場合、第1供給カップ171と第2供給カップ172とは11個ずつあり、供給カップの合計数は22個である。第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、前後方向K1に延設されたループ状の移送経路R1に沿って配置されている。
【0133】
詳しくは、第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、平面視で前後方向K1に長い長円形を呈するようにループ状に並べて配置されている。また、第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、長円形の移送経路R1に沿って交互に配置されている。
図20に示すように、第1苗供給装置38Aの供給カップ(第1供給カップ171と第2供給カップ172)の配置と、第2苗供給装置38Bの供給カップ(第1供給カップ171と第2供給カップ172)の配置とは、機幅方向K2の中心線を挟んで対称である。
【0134】
図37に示すように、第1供給カップ171と第2供給カップ172は、移送機構177によって移送経路R1に沿って矢印Y1方向に間欠的に移送される。移送機構177は、第1回転体178と、第2回転体179と、索体180とを有する。第1回転体178及び第2回転体179はスプロケットによって構成され、索体180は、第1回転体178と第2回転体179とにわたって巻掛けられた無端状(ループ状)のチェーンによって構成されている。第1回転体178及び第2回転体179は、装置フレーム176に縦軸心(上下方向に延伸する軸心)回りに回転自在に支持されている。第1供給カップ171及び第2供給カップ172は、索体180の外周側に索体180に沿って配置されている。
【0135】
図11、
図24に示すように、第1回転体178は、第3伝動機構115c及び第4伝動機構115dを介して動力が伝達されて回転する。これにより、索体180、第1供給カップ171及び第2供給カップ172が矢印Y1方向(
図37参照)に移動する。なお、
図11に示すように、第2苗供給装置38Bの第1回転体178には、第5伝動機構115e及び第6伝動機構115fを介して動力が伝達される。
【0136】
図41に示すように、第1供給カップ171は、投入される苗N1を収容する収容部181aと、索体180に取り付けられる取付部182aと、収容部181aの下端の開口を塞ぐ蓋183aとを有する。第2供給カップ172も、同様に、収容部181bと、取付部182bと、蓋183bとを有する。蓋183a、183bは、収容部181a、181bの下部にヒンジによって枢支されていて、収容部181a、181bの下端開口を開閉自在としている。蓋183a、183bが閉じていることにより、収容部181a、181b内に苗N1を保持可能である。また、蓋183a、183bが開くことにより、収容部181a、181bから下方に苗N1を排出可能である。
【0137】
図38に示すように、第1供給カップ171の蓋183aは、第1係合部184aを有する。第2供給カップ172の蓋183bは、第2係合部184bを有する。第1係合部184aは、供給カップ171、172の移送経路R1(索体180)の内周側に突出している。第2係合部184bは、供給カップ171、172の移送経路R1(索体180)の外周側に突出している。
【0138】
図37に示すように、第1供給カップ171は、移送経路R1の左側で蓋183aが開く。符号OP1で示す第1供給カップ171が、蓋183aが開いている第1供給カップ171である。また、符号D1で示す位置が、第1供給カップ171の蓋183aが開く第1開放位置(機幅方向一方側の開放位置)である。第2供給カップ172は、移送経路R1の右側で蓋183bが開く。符号OP2で示す第2供給カップ172が、蓋183bが開いた第2供給カップ172である。また、符号D2で示す位置が、第2供給カップ172の蓋183bが開く第2開放位置(機幅方向他方側の開放位置)である。
図40は、第2開放位置D2において蓋183bが開いた状態を示している。
【0139】
また、第1開放位置D1及び第2開放位置D2は、植付具64に苗を落下させて供給する位置である苗落とし位置である。即ち、苗供給装置38は、移送経路R1の前後方向の中途部に、植付具64に苗を落下させて供給する位置である苗落とし位置を有する。
図37に示すように、第1開放位置D1と第2開放位置D2とは、前後方向K1において異なる位置に設定されている。本実施形態では、第1開放位置D1が第2開放位置D2に対して後方に位置ずれしている。第1開放位置D1が第2開放位置D2に対して後方に位置ずれしているのに対応して、各移植ユニットにおける左の植付装置が右の植付装置に対して後方に位置ずれしている。
【0140】
図38に示すように、苗供給装置38は、供給カップ171、172の開放位置を設定する(第1開放位置D1、第2開放位置D2を設定可能な)設定部材185を有する。設定部材185は、複数の規制杆(第1規制杆186a~第6規制杆186f)を含んでいる。
第1規制杆186aは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の前方側において、蓋183a、183bの下面に当接する。したがって、第1規制杆186aは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の前方側において、蓋183a、183bの開きを規制する。第2規制杆186bは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の後方側において、蓋183a、183bの下面に当接する。したがって、第2規制杆186bは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の後方側において、蓋183a、183bの開きを規制する。
【0141】
第3規制杆186cは、第1開放位置D1の前方側において、蓋183aの第1係合部184aに当接する。これによって、第3規制杆186cは、第1開放位置D1の前方側において、蓋183aの開きを規制する。第4規制杆186dは、第2開放位置D2の後方側において、蓋183bの第2係合部184bに当接する。これによって、第4規制杆186dは、第2開放位置D2の後方側において、蓋183bの開きを規制する。
【0142】
第5規制杆186eは、第1開放位置D1の左側に位置し、第1開放位置D1にある蓋183bの第2係合部184bに当接する。これによって、第1開放位置D1における蓋183bの開きを規制する。また、第1開放位置D1における蓋183aの開きを許容する。第6規制杆186fは、第2開放位置D2の左側に位置し、第2開放位置D2にある蓋183aの第1係合部184aに当接する。これによって、第2開放位置D2における蓋183aの開きを規制する。また、第2開放位置D2における蓋183bの開きを許容する。
【0143】
図41に示すように、第1開放位置D1の下方には、植付具64が位置しており、蓋183aが開いて苗N1が落下すると、中間ホッパ126を介して植付具64に苗N1が供給される。また、第2開放位置D2の下方にも、植付具64が位置しており、蓋183bが開いて苗N1が落下すると、中間ホッパ126を介して植付具64に苗N1が供給される。
【0144】
図37に示すように、第1苗供給装置38Aは、移送機構177を支持する装置フレーム176を有している。装置フレーム176は、第1機枠37Aの上部に固定されている。装置フレーム176は、左杆176a、右杆176b、ベース杆176c、前杆176d,176e、後杆176f,176g、中間杆176h,176i、湾曲体176j,176kを有している。
【0145】
左杆176aは、第1苗供給装置38Aの左部において前後方向に延びている。右杆176bは、第1苗供給装置38Aの右部において前後方向に延びている。ベース杆176cは、左杆176aと右杆176bとの間において前後方向に延びている。前杆176d,176eは、第1苗供給装置38Aの前部において機幅方向に延びている。前杆176dは、ベース杆176cの前部と左杆176aの前部とを接続している。前杆176eは、ベース杆176cの前部と右杆176bの前部とを接続している。後杆176f,176gは、第1苗供給装置38Aの後部において機幅方向に延びている。後杆176fは、ベース杆176cの後部と左杆176aの後部とを接続している。後杆176gは、ベース杆176cの後部と右杆176bの後部とを接続している。ベース杆176cの前端部は、前杆176d,176eよりも前方に位置している。ベース杆176cの後端部は、後杆176f,176gよりも後方に位置している。
【0146】
中間杆176hは、ベース杆176cの前寄り部位と左杆176aの前寄り部位とを接続している。中間杆176iは、ベース杆176cの後寄り部位と右杆176bの後寄り部位とを接続している。湾曲体176j,176kは、平面視にてU字状を呈している。湾曲体176jは、装置フレーム176の前部に配置されており、U字の開放側が後方を向いている。湾曲体176kは、装置フレーム176の後部に配置されており、U字の開放側が前方を向いている。湾曲体176j,176kは、供給カップ171、172の移送経路R1(索体180)の外周側に設けられている。湾曲体176jの前部は、ベース杆176cの前端部に立設された前立設体176mに固定されている。湾曲体176kの後部は、ベース杆176cの後端部に立設された後立設体176nに固定されている。
【0147】
ベース杆176cの前部には、第1回転体178が縦軸心(上下方向に延伸する軸心)回りに回転自在に支持されている。ベース杆176cの後部には、第2回転体179が縦軸心回りに回転自在に支持されている。前杆176dの左部には、第1アイドラ251が縦軸心回りに回転自在に支持されている。前杆176eの右部には、第2アイドラ252が縦軸心回りに回転自在に支持されている。後杆176fの左部には、第3アイドラ253が縦軸心回りに回転自在に支持されている。後杆176gの右部には、第4アイドラ254が縦軸心回りに回転自在に支持されている。中間杆176hの左部には、第5アイドラ255が縦軸心回りに回転自在に支持されている。中間杆176iの右部には、第6アイドラ256が縦軸心回りに回転自在に支持されている。第1アイドラ251~第6アイドラ256は、スプロケットから構成されている。当該スプロケットは、索体180を構成するチェーンと噛み合って回転する。
【0148】
第1アイドラ251~第6アイドラ256は、第1回転体178と第2回転体179とにわたって巻掛けられた索体180に対して張力を付与する張力付与体を構成している。張力付与体(第1アイドラ251~第6アイドラ256)は、索体180が弛まないように、索体180の外周側に向けて張力を付与する。張力付与体のうち、第5アイドラ255と第6アイドラ256は、蓋183a、183bの開放位置D1,D2において索体180に対して張力を付与する。具体的には、第5アイドラ255は、第1開放位置D1において索体180に対して張力を付与する。第6アイドラ256は、第2開放位置D2において索体180に対して張力を付与する。
【0149】
図37、
図39、
図40に示すように、移送機構177は、索体180の移動をガイドするガイド部材173を有している。ガイド部材173は、第1ガイド部材174L,174Rと第2ガイド部材175とを含む。
第1ガイド部材174L,174Rは、供給カップ171,172の移送経路R1(索体180)の外周側に配置されている。第1ガイド部材174L,174Rは、装置フレーム176に取り付けられている。詳しくは、第1ガイド部材174Lは、装置フレーム176の左杆176aの上部に取り付けられており、左杆176aに沿って前後方向に延びている。第1ガイド部材174Rは、装置フレーム176の右杆176bの上部に取り付けられており、右杆176bに沿って前後方向に延びている。
【0150】
第1ガイド部材174L,174Rは、索体180の移動方向に沿って延びる延設面174La,174Raを有している。本実施形態の場合、延設面174La,174Raは、前後方向K1に沿って延びている。延設面174Laは、右方を向く面である。延設面174Raは、左方を向く面である。延設面174Laと延設面174Raとは、互いに平行に且つ対向して配置されている。
【0151】
第1ガイド部材174Lの上方及び機幅外方(左方)は、カバー176oにより覆われている。カバー176oは、左杆176aに取り付けられている。第1ガイド部材174Rの上方及び機幅外方(右方)は、カバー176pにより覆われている。カバー176pは、右杆176bに取り付けられている。
第2ガイド部材175は、索体180に取り付けられており、索体180と共に移動する。第2ガイド部材175は、取付部位175aと、当接部位175bと、連結部位175cと、を有している。取付部位175aは、内部位175a1と外部位175a2とを有している。内部位175a1は、索体180の上部にピンPNを介して取り付けられている。ピンPNは索体180から上方に延びており、内部位175a1はピンPNが挿通される孔を有している。外部位175a2は、内部位175a1の外方(内部位175a1よりも供給カップ171,172から離れた側)に配置されている。外部位175a2と内部位175a1とは、互いに当接(面接触)又は接続されている。つまり、外部位175a2と内部位175a1とは、一体であっても別体であってもよい。
【0152】
当接部位175bは、索体180の外周側に配置されており、索体180の回転に伴って第1ガイド部材174L及び第1ガイド部材174Rに順次当接する。言い換えれば、当接部位175bは、第1ガイド部材174L,174Rの延設面174La,174Raと当接しながら移動する。連結部位175cは、取付部位175aと当接部位175bとを連結している。外部位175a2と当接部位175bと連結部位175cとは一体的に形成されている。
【0153】
第2ガイド部材175は、供給カップ171、172のそれぞれに対応して配置されている。つまり、第2ガイド部材175の数と供給カップ171、172の数とは等しい。第2ガイド部材175の取付部位175aは、対応する供給カップ171(又は172)の内周側(索体180側)に配置されている。第2ガイド部材175の当接部位175bは、対応する供給カップ171(又は172)の外周側(索体180側と反対側)に配置されている。連結部位175cは、対応する供給カップ171(又は172)の内周側から外周側にわたって配置されている。尚、第2ガイド部材175の形状は変更可能である、また、第2ガイド部材175は、供給カップ171、172と一体に形成してもよい。例えば、供給カップ171、172の外周に鍔状の延出部を形成し、当該延出部を第2ガイド部材175としてもよい。
【0154】
第2ガイド部材175の当接部位175bと、第1ガイド部材174L及び第1ガイド部材174Rの延設面174La,174Raとが当接することにより、索体180の機幅方向への揺れや弛みを防止することができる。また、
図42に示すように、第2ガイド部材175の当接部位175bと、第1ガイド部材174L及び第1ガイド部材174Rの延設面174La,174Raとは、面同士で当接する(面接触する)。そのため、索体180の機幅方向への揺れや弛みと、索体180の上下方向への揺れや弛みを抑制することができる。
【0155】
索体180が上下方向に揺れたり弛んだりした場合、取付部位175aに対して当接部位175bが傾斜する(高位置又は低位置となる)が、当接部位175bと延設面174La,174Raとが面接触しているため、当接部位175bは傾斜することができない。そのため、索体180の上下方向への揺れや弛みを抑制することができる。
ガイド部材173は、少なくとも蓋183a、183bの開放位置において索体180の移動をガイドする。具体的には、第1ガイド部材174Lは、少なくとも蓋183aの開放位置(第1開放位置D1)において索体180の移動をガイドする。第1ガイド部材174Rは、少なくとも蓋183bの(第2開放位置D2)において索体180の移動をガイドする。言い換えれば、ガイド部材173は、索体180が蓋183a,183bの開放位置D1,D2を通過するように移動するときに、索体180を移動方向に沿ってガイドする。
【0156】
これにより、少なくとも蓋183a、183bの開放位置において、索体180の揺れや弛みを抑制することができる。そのため、蓋183a、183bが意図しない位置やタイミングで開いて苗が落下してしまうことを防止できる。
尚、ガイド部材173は、少なくとも索体180が開放位置D1,D2を通過するときに索体180をガイドすればよいが、開放位置D1,D2を通過する前後にわたって索体180をガイドすることが好ましい。
【0157】
図2、
図3に示すように、作業機1は、対地作業装置1Bの第2対地作業機(移植機3)に対して作業する作業者が座る複数の椅子を有する。複数の椅子は、複数の前方椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子187B)と、複数の後方椅子(第1後方椅子187C、第2後方椅子187D)である。第1前方椅子187Aは、第1移植ユニット36Aの前方に設けられ、第2前方椅子187Bは、第2移植ユニット36Bの前方に設けられている。また、第1後方椅子187Cは、第1移植ユニット36Aの後方に設けられ、第2後方椅子187Dは、第2移植ユニット36Bの後方に設けられている。
【0158】
言い換えると、機幅方向K2で並べて設けられた第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bを有する移植機3において、第1前方椅子187Aは、第1苗供給装置38Aの前方に設けられ、第2前方椅子187Bは、第2苗供給装置38Bに前方に設けられている。また、第1後方椅子187Cは、第1苗供給装置38Aの後方に設けられ、第2後方椅子187Dは、第2苗供給装置38Bの後方に設けられている。
【0159】
第1前方椅子187A及び第2前方椅子187Bは、作業者が後方(苗供給装置38側)を向いて座る椅子である。第1後方椅子187C及び第2後方椅子187Dは、作業者が前方(苗供給装置38側)を向いて座る椅子である。
苗供給装置38の前後に作業者が座る椅子を設けることにより、作業機1(対地作業装置1B)の機幅方向K2の幅を減少させる(狭くする)ことができ、圃場間の移動が容易になると共にトラック輸送の際の輸送が容易(有利)になる。また、第1開放位置D1(苗落とし位置)及び第2開放位置D2(苗落とし位置)が、供給カップ171、172の移送経路R1の前後方向中途部に位置するので、即ち、苗を落とす位置が目の前にないので、供給カップ171、172への苗の供給作業が容易になる。また、前の作業者と後の作業者の作業が統一されるため、作業者の交代が容易になる。
【0160】
図43~
図45に示すように、第1前方椅子187A及び第2前方椅子187Bは、位置調整機構230を介して椅子支持体150に支持されている。
位置調整機構230は、移植機(第2対地作業機)3に対する椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)の位置を調整可能とする機構である。位置調整機構230は、第1位置調整機構231と、第2位置調整機構232と、第3位置調整機構233と、を含む。第1位置調整機構231は、椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)の位置を、機幅方向K2に調整可能とする機構である。第2位置調整機構232は、椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)の位置を、前後方向に調整可能とする機構である。第3位置調整機構233は、椅子(第1前方椅子187A及び第2前方椅子187B)の位置を、上下方向に調整可能とする機構である。
【0161】
位置調整機構230は、第1前方椅子187Aの位置を調整可能とする位置調整機構230Aと、第2前方椅子187Bの位置を調整可能とする位置調整機構230Bと、を含む。位置調整機構230Aの構成と位置調整機構230Bの構成とは同じであるため、位置調整機構230Aの構成について説明し、位置調整機構230Bの構成の説明は省略する。
【0162】
図43、
図46に示すように、位置調整機構230Aの第1位置調整機構231は、椅子支持体150の第2支持体152に固定された固定板231aと、固定板231aに対して取り付け具(ボルト231c及びナット231d)により取り付けられた可動板231bとから構成されている。
図12に示すように、固定板231aは、第2支持体152の横支持材158の左部に固定されている。
図46、
図52に示すように、固定板231aには、機幅方向K2に並んだ複数の貫通孔231eが形成されている。可動板231bにも、機幅方向に並んだ複数の貫通孔231fが形成されている。
【0163】
固定板231aに形成された複数の貫通孔231eと、可動板231bに形成された複数の貫通孔231fとは、同じ間隔(ピッチ)で並んで形成されている。固定板231aに形成された貫通孔231eと可動板231bに形成された貫通孔231fとを重ねてボルト231cを挿通し、ナット231dを螺合することにより、固定板231aに対して可動板231bが位置決めされて取り付けられる。また、
図43に仮想線で示すように、可動板231bを固定板231aに対して機幅方向K2にずらして、重ね合わせる貫通孔を変えて取り付けることにより、固定板231aに対する可動板231bの位置を機幅方向K2に調整することができる。
【0164】
図45、
図46に示すように、位置調整機構230Aの第3位置調整機構233は、可動板231bに固定された筒体233aと、筒体233aに対して取り付け具(ピン)233cにより取り付けられた柱体233bとから構成されている。筒体233aは、四角筒状であって上下方向に延びている。筒体233aには、貫通孔233dが形成されている。柱体233bは、筒体233aよりも細い四角筒状であって筒体233aに挿入されて上下方向に延びている。柱体233bには、上下方向に並んだ複数の貫通孔233eが形成されている。筒体233aに形成された貫通孔233dと柱体233bに形成された貫通孔233eとを重ねてピン233cを挿通することにより、筒体233aに対して柱体233bが位置決めされて取り付けられる。また、
図45に仮想線で示すように、柱体233bを筒体233aに対して上下方向にずらして、重ね合わせる貫通孔を変えて取り付けることにより、筒体233aに対する柱体233bの位置を上下方向に調整することができる。
【0165】
図44、
図46に示すように、位置調整機構230Aの第2位置調整機構232は、柱体233bの上端部に固定された支持台232aと、支持台232aに対して取り付け具(ボルト)232cにより取り付けられて椅子187Aの底部を受ける底受け部材232bとから構成されている。支持台232aは、前部位232dと、中間部位232eと、後部位232fと、を有している。中間部位232eは、前後方向に延びており、前部が柱体233bの上端部に固定されている。前部位232dは、中間部位232eの前端部に固定されている。前部位232dには、椅子187Aの底面後部を支持するスプリング234が取り付けられている。後部位232fは、中間部位232eの後端部に固定されている。
図54に示すように、後部位232fは、機幅方向K2に延びる軸体232hが挿通される貫通孔232iを有している。
【0166】
図46、
図54に示すように、底受け部材232bは、支持台232aの後部位232fの上部に取り付けられている。底受け部材232bは、上部位232b1と側部位232b2とを有している。上部位232b1は、水平向きに配置された板状の部位であって、上面に第1前方椅子187Aの底面前部が取り付けられる。側部位232b2は、上部位232b1の機幅方向の一端側と他端側からそれぞれ下方に延びている。側部位232b2には、前後方向に間隔をあけて複数の貫通孔232gが形成されている。底受け部材232bを支持台232aの上部に載置すると、側部位232b2の複数の貫通孔232gのうちの1つが支持台232aの後部位232fに形成された貫通孔と重なる。重なった側部位232b2の貫通孔232gと後部位232fの貫通孔に軸体232hを挿通し、βピン等の止め具で抜け止めをすることにより、支持台232aに対して底受け部材232bが位置決めされて取り付けられる。また、
図44に仮想線で示すように、底受け部材232bを支持台232aに対して前後方向にずらして、重ね合わせる貫通孔を変えて取り付けることにより、支持台232aに対する底受け部材232bの位置を前後方向に調整することができる。
【0167】
第2位置調整機構232によって、底受け部材232bの位置を前後方向に調整することにより、底受け部材232bに取り付けられた第1前方椅子187Aの位置を前後方向に調整することができる。また、第3位置調整機構233によって、筒体233aに対する柱体233bの位置を上下方向に調整することによって、第1前方椅子187Aの位置を上下方向に調整することができる。また、第1位置調整機構231によって、固定板231aに対する可動板231bの位置を機幅方向に調整することによって、第1前方椅子187Aの位置を機幅方向に調整することができる。
【0168】
従って、位置調整機構230Aによれば、第1前方椅子187Aの位置を前後方向、上下方向、機幅方向に調整することができる。また、位置調整機構230Bによれば、位置調整機構230Aと同様の作用によって、第2前方椅子187Bの位置を前後方向、上下方向、機幅方向に調整することができる。
尚、第1位置調整機構231、第2位置調整機構232、第3位置調整機構233の構成は、上述した構成には限定されない。例えば、第1位置調整機構231について、第2支持体152の横支持材158を角パイプとして、固定板231aに代えてUボルトを有する固定具を横支持材158に固定し、当該固定具に可動板231bを取り付ける構成とすることができる。この構成によれば、固定具を緩めることにより、固定具と共に可動板231bを横支持材158に沿って機幅方向に移動させることができる。そのため、固定板231aに対する可動板231bの位置を機幅方向に調整することができる。
【0169】
図2に示すように、第1前方椅子187Aと移植機3との間には、第1前方椅子187Aに座った作業者が足を置く足置き板235Aが設けられている。第2前方椅子187Bと移植機3との間には、第2前方椅子187Bに座った作業者が足を置く足置き板235Bが設けられている。足置き板235A,235Bは、平面視矩形状の板である。
足置き板235Aは、第1前方椅子187Aの後方且つ下方に配置されている。足置き板235Bは、第2前方椅子187Bの後方且つ下方に配置されている。足置き板235A,235Bは、ロータリ耕耘機2の弾圧装置20の後方且つ上方に配置されている。また、足置き板235Aは、第1機枠37Aの連結ブラケット61(第1取付具61A)の前上方に配置されている。足置き板235Bは、第2機枠37Bの連結ブラケット61(第2取付具61B)の前上方に配置されている。
【0170】
図47、
図48に示すように、足置き板235Aには、多数のリブ付き穴236と、ボルト(蝶ボルト)B6が挿通される複数(4つ)の貫通孔237が形成されている。足置き板235Bについても同様である。
足置き板235A,235Bは、椅子支持体150に対して着脱可能に取り付けられている。具体的には、足置き板235A,235Bは、椅子支持体150に設けられた取付部260A,260B(
図12参照)に対して着脱可能に取り付けられている。取付部260Aは、足置き板235Aを取り付ける部分である。取付部260Bは、足置き板235Bを取り付ける部分である。取付部260A,260Bは、椅子支持体150の第1支持体151に設けられている。
【0171】
図12、
図48に示すように、取付部260Aは、第1支持体151の前支持材151a及び後支持材151bと、第1支持体151の左部に配置された連結支持材151cから構成されている。前支持材151a及び後支持材151bには、機幅方向K2に隣り合う連結支持材151cの間にナットが固着された複数(4つ)の第1ステー261が取り付けられている。足置き板235Aは、第1前方椅子187Aの後方且つ下方において、前支持材151及び後支持材151bと、第1支持体151の左部に配置された連結支持材151cの上部に載置され、ボルト(蝶ボルト)B6によって第1ステー261に固定されている。
【0172】
図12に示すように、取付部260Bは、第1支持体151の前支持材151a及び後支持材151bと、第1支持体151の右部に配置された連結支持材151cから構成されている。前支持材151a及び後支持材151bには、機幅方向K2に隣り合う連結支持材151cの間にナットが固着された第2ステー262が取り付けられている。第2ステー262は、第1ステー261と同様に複数(4つ)設けられている。足置き板235Bは、前支持材151a及び後支持材151bと、第1支持体151の右部に配置された連結支持材151cの上部に載置され、ボルト(蝶ボルト)によって第2ステー262に固定される。
【0173】
足置き板235Aは、ボルト(蝶ボルト)B6を第1ステー261から外すことによって、椅子支持体150に設けられた取付部260Aから取り外すことができる。同様に、足置き板235Bは、ボルト(蝶ボルト)を第2ステー262から外すことによって、椅子支持体150に設けられた取付部260Bから取り外すことができる。これにより、ロータリ耕耘機2の弾圧装置20のバネの調整を容易に行うことができる。また、第1機枠37Aの連結ブラケット61及び第2機枠37Bの連結ブラケット61をツールバー43に沿って移動させることによる、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整(条間調整)を容易に行うことができる。また、後述する灌水チューブの位置調整も容易に行うことができる。
【0174】
尚、足置き板235A,235Bは、椅子支持体150に対して開閉可能に取り付けてもよい。例えば、足置き板235A,235Bの前部をヒンジ(蝶番)を介して第1支持体151の前支持材151aに取り付ける、或いは、足置き板235A,235Bの後部をヒンジ(蝶番)を介して第1支持体151の後支持材151bに取り付けることができる。この構成の場合、足置き板235A,235Bは、椅子支持体150に対して開くことによって、弾圧装置20のバネの調整、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整(条間調整)、灌水チューブの位置調整等を容易に行うことができる。
【0175】
図20等に示すように、第1後方椅子187C及び第2後方椅子187Dは、シートフレーム197に取り付けられている。シートフレーム197は、椅子が取り付けられるフレームである。具体的には、シートフレーム197には、第1後方椅子187C及び第2後方椅子187Dが取り付けられる。シートフレーム197は、ロータリ耕耘機2に取り付けられた取付体196に上下動可能に連結される。
【0176】
シートフレーム197は、フレーム本体199と、フレーム連結機構200と、複数の車輪(第1車輪206A~第3車輪206C)とを有する。
フレーム本体199に第1後方椅子187C及び第2後方椅子187Dが取り付けられる。フレーム本体199は、移植機3の左側方(一側方)に配置された第1フレーム部201と、移植機3の右側方(他側方)に配置された第2フレーム部202と、第1フレーム部201と第2フレーム部202の後部同士を連結する第3フレーム部203とを有する。第1フレーム部201及び第2フレーム部202は、角パイプ材で形成されている。第1フレーム部201は、第1側部材196Aの後方に前後方向K1に延伸するように配置されている。第2フレーム部202は、第2側部材196Bの後方に前後方向K1に延伸するように配置されている。
【0177】
第3フレーム部203は、移植機3の後方に機幅方向K2に延伸するように配置されている。第3フレーム部203は、複数の角パイプ材(第1部材203A、第2部材203B、第3部材203C)で構成されている。第1部材203Aは、左端部が第1フレーム部201の後部に連結されている。第2部材203Bは、右端部が第2フレーム部202の後部に連結されている。第3部材203Cは、第1部材203Aと第2部材203Bとを連結している。第1部材203Aと第2部材203Bは、第3部材203Cに沿って機幅方向K2に位置調整可能である。
【0178】
図20、
図49に示すように、第3フレーム部203の第3部材203Cの左部に、シート支持部材227Aを介して第1後方椅子187Cが取り付けられている。第1後方椅子187Cは、シート支持部材227Aに対して前後方向及び上下方向に位置調整可能に取り付けられている。
図20に示すように、第3部材203Cの右部に、シート支持部材227Bを介して第2後方椅子187Dが取り付けられている。シート支持部材227Bの構成は、シート支持部材227Aの構成と同様である。第2後方椅子187Dは、シート支持部材227Bに対して前後方向及び上下方向に位置調整可能に取り付けられている。また、シート支持部材227A,227Bは、第3部材203Cに対して機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。つまり、シート支持部材227A,227Bは、第1後方椅子187C及び第2後方椅子187Dの位置を、前後方向、機幅方向、上下方向にそれぞれ調整可能な位置調整機構を有している。この位置調整機構の構成は、第1前方椅子187A及び第2前方椅子187Bの位置を調整する位置調整機構230(第1位置調整機構231、第2位置調整機構232、第3位置調整機構233)と同様である。
【0179】
図20、
図49に示すように、第1後方椅子187Cの前下方には、第1後方椅子187Cに着座した作業者が足を置くための足置き板235Cが配置されている。第2後方椅子187Dの前下方には、第2後方椅子187Dに着座した作業者が足を置くための足置き板235Dが配置されている。足置き板235C,235Dは、シートフレーム197のフレーム本体199上に支持されている。具体的には、足置き板235C,235Dは、第3フレーム部203の第3部材203C上に支持されている。
【0180】
フレーム連結機構200は、フレーム本体199を取付体196に上下動可能に連結する機構である。フレーム連結機構200は、第1機構200Aと、第2機構200Bとを有する。第1機構200Aは、第1側部材196Aに第1フレーム部201を連結している。第2機構200Bは、第2側部材196Bに第2フレーム部202を連結している。第1機構200A及び第2機構200Bは、平行リンク機構で構成されている。
【0181】
複数の車輪(第1車輪206A~第3車輪206C)は、例えば、タイヤによって構成され、接地してフレーム本体199を支持する。したがって、シートフレーム197は、ロータリ耕耘機2及び移植機3に対して圃場の凹凸に追従して上下動する。
フレーム本体199における機幅方向K2の一側部(左側部)に第1車輪206Aが設けられ、フレーム本体199における機幅方向K2の他側部(右側部)に第2車輪206Bが設けられている。第3車輪206Cは、フレーム本体199における機幅方向K2の中途部(中央部)に設けられている。言い換えると、第3車輪206Cは、第1後方椅子187Cと第2後方椅子187Dとの間に配置されている。
【0182】
図20、
図49に示すように、作業機連結機構41とシートフレーム197とにわたってリンク部材215が設けられている。リンク部材215は、第1リンク部材215Aと第2リンク部材215Bとを含む。リンク部材215は、ツールバー43と、フレーム連結機構200の上側のリンク209Aとにわたって設けられている。
なお、リンク部材215は、1本であってもよい。言い換えると、少なくとも一本のリンク部材215を有していればよい。また、リンク部材215は、シートフレーム197と、移植機3と共に昇降する部材又は移植機3とにわたって設けられていればよい。
【0183】
図20に示すように、第1リンク部材215Aは、第1側部材196A及び第1機構200Aの機幅内方に配置されている。第2リンク部材215Bは、第2側部材196B及び第2機構200Bの機幅内方に配置されている。
図20、
図49に示すように、第1リンク部材215Aの前端部(上端部)は、ツールバー43の後面に固定されたブラケット部材228Aに枢軸229Aを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。第2リンク部材215Bの上部(前部)は、ツールバー43の後面に固定されたブラケット部材228Bに枢軸229Bを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。
【0184】
係合ピン221は、第1機構200Aのリンク209Aと、第2機構200Bのリンク209Bとに機幅内方に突出状に設けられている。左の係合ピン221は、第1リンク部材215Aの長穴220に挿通され、右の係合ピン221は、第2リンク部材215Bの長穴220に挿通されている。なお、係合ピン221は、フレーム本体199に設けられていてもよい。また、リンク部材215の前端部は、機枠37に枢支されていてもよい。
【0185】
作業時において、シートフレーム197が上下動すると、係合ピン221が長穴220内を移動することで、シートフレーム197の上下動が許容される。また、作業機1をトラック等に積み込む際やトラック等から降ろす際などにおいて、ツールバー43を上昇させて移植機3を持ち上げると、リンク部材215が上動すると共に係合ピン221が長穴220の下端に当接し、且つ係合ピン221が長穴220の下端に当接した状態でリンク部材215が上動することで、シートフレーム197を持ち上げる(引き上げる)ことができる。
【0186】
以上のように、リンク部材215は、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容し、且つ昇降駆動装置42によって移植機3を持ち上げる際に、第2対地作業機の上昇に伴って上動してシートフレーム197を引き上げることができる。
図2等に示すように、第1前方椅子187Aの後方には、苗供給台188Aが設けられている。第2前方椅子187Bの後方には、苗供給台188Bが設けられている。また、第1後方椅子187Cの前方には、苗供給台188Cが設けられている。第2後方椅子187Dの前方には、苗供給台188Dが設けられている。苗供給台188Aは、第1前方椅子187Aに着座した作業者の正面側に位置する。苗供給台188Bは、第2前方椅子187Bに着座した作業者の正面側に位置する。苗供給台188Cは、第1後方椅子187Cに着座した作業者の正面側に位置する。苗供給台188Dは、第2後方椅子187Dに着座した作業者の正面側に位置する。
【0187】
苗供給台188A~188Dには、多数の苗を有する苗トレイを置くことができる。作業者は、苗供給台188A~188Dに置いた苗トレイから苗供給装置38の供給カップ171、172に苗を供給することができる。
先ず、苗供給台188A,188Bの構成について説明する。
図12に示すように、苗供給台188A,188Bは、前方椅子を位置調整可能に支持する位置調整機構230に取り付けられている。詳しくは、苗供給台188Aは、第1前方椅子187Aを支持する位置調整機構230に取り付けられている。苗供給台188Bは、第2前方椅子187Bを支持する位置調整機構230に取り付けられている。苗供給台188Aと苗供給台188Bとは、作業機1の機幅方向K2の中心線を挟んで対称に構成されている。この構成(対称の構成)を除き、苗供給台188Aの構成と苗供給台188Bの構成とは同じであるため、苗供給台188Aの構成について説明し、苗供給台188Bの構成の説明は省略する。
【0188】
図12、
図43~
図48に示すように、苗供給台188Aは、支持機構270を介して第2位置調整機構232の支持台232aに取り付けられている。支持機構270は、受け筒271と、支持アーム272と、回動支持機構273と、を有している。受け筒271は、円筒状であって機幅方向に延びており、支持台232aの中間部位232eに固定されている。支持アーム272は、円筒状のパイプを2箇所で屈曲して形成されている。
図47等に示すように、支持アーム272は、アーム基端部272aと、アーム中間部272bと、アーム先端部272cと、を有している。
図43、
図46に示すように、アーム基端部272aは、機幅方向K2に延びており、一端側が受け筒271に機幅内方(右方)から挿入されている。
図45~
図47に示すように、アーム中間部272bは、アーム基端部272aの他端側から屈曲して後方に延びており、後方に延びるにつれて上方に移行している。アーム中間部272bは、第1前方椅子187Aの機幅内方側に位置している。
図45、
図47に示すように、アーム先端部272cは、アーム中間部272bの後端から屈曲して上方に延びている。
【0189】
図50に示すように、回動支持機構273は、基部274と支軸275とを有している。基部274は、外筒体274aと、基板274bと、規制板274cと、を有している。外筒体274aは、アーム先端部272cの上部に外嵌されている。基板274bは、外筒体274aの上部に固定されている。基板274bは、前部と後部とからそれぞれ起立する2つの起立部274dと、バネ276の一端部が係止される第1係止部274eと、を有している。規制板274cは、基板274bに固定されている。規制板274cは、機幅外方側(左側)で上方に突出した外方突出部274c1と、機幅内方側(右側)で上方に突出した内方突出部274c2と、を有している。外方突出部274c1は、基板274bの左側において基板274bよりも上方に突出している。内方突出部274c2は、基板274bの右側において基板274bよりも上方に突出している。
図51に示すように、外方突出部274c1の高さは、内方突出部274c2の高さよりも高い。支軸275は、基板274bの2つの起立部274dにわたって延設されている。支軸275は、内方突出部274c2と外方突出部274c1との間で前後方向に延びている。
【0190】
図50~
図53に示すように、苗供給台188Aは、回動支持機構273に回動可能に支持されている。苗供給台188Aは、苗トレイを置くことができる載置部191と、この載置部191を支持する支持構造体192と、を有している。支持構造体192は、屈曲材193F,193Bと棒材194とを有している。屈曲材193F,193Bは、一端部と他端部との間の中途部で鈍角のV字状に屈曲している。以下、屈曲材193F,193Bの一端部と中途部(屈曲部)との間の部位を「一端側部位」といい、屈曲材193F,193Bの他端部と中途部(屈曲部)との間の部位を「他端側部位」という。
【0191】
屈曲材193Fの一端部は、支軸275の前部に取り付けられている。屈曲材193Bの一端部は、支軸275の前部に取り付けられている。棒材194は、屈曲材193F,193Bの一端側部位に設けられている。棒材194は、屈曲材193Fと屈曲材193Bとにわたって前後方向に延びている。棒材194の一端部には、バネ276の他端部が係止される第2係止部194aが設けられている。
【0192】
載置部191は、屈曲材193F,193Bの他端側部位に設けられている。載置部191は、屈曲材193Fと屈曲材193Bとにわたって前後方向に延びる複数(2つ)の受け材191aと、この受け材191aに取り付けられた四角環状の受け枠191bと、を有している。受け材191a及び受け枠191bによって苗トレイの底面を支持する略矩形状の苗置き面を構成している。
【0193】
図50~
図52に示すように、屈曲材193F,193Bは、支軸275の軸回りに回動することができる。屈曲材193F,193Bの回動範囲は、規制板274cによって規制される。
屈曲材193F,193Bを機幅外方側に回動させると、棒材194が規制板274cの外方突出部274c1に当接し、それ以上の回動が不能となる。この状態では、苗供給台188Aは、苗置き面が水平方向を向く第1姿勢となる。屈曲材193F,193Bを機幅内方側に回動させると、棒材194が規制板274cの内方突出部274c2に当接し、それ以上の回動が不能となる。この状態では、苗供給台188Aは、苗置き面が上下方向を向く第2姿勢となる。尚、第2姿勢には、苗置き面が垂直方向(鉛直方向)を向く場合と、垂直方向に対して若干傾斜した方向を向く場合とが含まれる。
【0194】
バネ276は、苗供給台188Aが第1姿勢となったとき、棒材194を内方突出部274c2に向けて引っ張る。これにより、作業者が特に力を加えない限り、棒材194が内方突出部274c2に当接した状態が維持されるため、第1姿勢が維持される。バネ276は、苗供給台188Aが第2姿勢となったとき、棒材194を外方突出部274c1に向けて引っ張る。これにより、作業者が特に力を加えない限り、棒材194が外方突出部274c1に当接した状態が維持されるため、第2姿勢が維持される。
【0195】
苗供給台188Aが第1姿勢となったときに苗置き面に苗トレイが置かれる。載置部191は、苗供給台188Aが第1姿勢となったときに、第1前方椅子187Aの後方であって且つ第1苗供給装置38Aの前方に位置する。そのため、第1前方椅子187Aに着座して第1苗供給装置38Aの方を向いた作業者は、目の前にある載置部191の苗置き面に置かれた苗トレイ上の苗を取って、当該苗を第1苗供給装置38Aの供給カップ171、172に供給することができる。
【0196】
載置部191の苗置き面に苗トレイを置かないとき(苗供給作業の開始前や終了後)には、苗供給台188Aを苗置き面が上下方向を向く第2姿勢とする。苗供給台188Aが第2姿勢となったときに、載置部191は第1前方椅子187Aの機幅内方側に位置する。また、苗供給台188Aが第2姿勢となったときに、載置部191は第2前方椅子187Bの機幅内方側に位置する。これにより、作業者は、苗供給台188A,188Bに邪魔されずに、第1前方椅子187A及び第2前方椅子187Bに対する乗り降りを行うことができる。
【0197】
また、
図46の矢印A1に示すように、支持アーム272のアーム基端部272aは、受け筒271の軸心回り(機幅方向の軸心回り)に回動可能である。
図53に示すように、アーム基端部272aを受け筒271の軸心回りに回動することにより、載置部191を第1前方椅子187Aの前方から側方に移動させることができる。
また、上述したように、苗供給台188Aと苗供給台188Bとは、作業機1の機幅方向の中心線を挟んで対称に構成されているため、苗供給台188Aと苗供給台188Bとを入れ替えて使用することができる。具体的には、
図54に示すように、苗供給台188Aを取り外し、苗供給台188Bのアーム基端部272aの一端側を、苗供給台188Aを支持する支持機構270の受け筒271に機幅外方(左方)から挿入して支持台232aに取り付けることもできる。
【0198】
同様に、苗供給台188Bを取り外し、苗供給台188Aのアーム基端部272aの一端側を、苗供給台188Bを支持する支持機構270の受け筒271に機幅外方(右方)から挿入して支持台232aに取り付けることができる。
苗供給台188Aと苗供給台188Bとを入れ替えた場合、載置部191は、苗供給台188A,188Bが第2姿勢となったときに、第1前方椅子187A,第2前方椅子187Bの機幅外方側に位置する。
【0199】
次に、苗供給台188C,188Dの構成について説明する。
苗供給台188Cは、第1後方椅子187Cを支持するシート支持部材227Aに取り付けられている。苗供給台188Dは、第2後方椅子187Dを支持するシート支持部材227Bに取り付けられている。苗供給台188Cと苗供給台188Dとは、作業機1の機幅方向の中心線を挟んで対称に構成されている。この構成(対称の構成)を除き、苗供給台188Cの構成と苗供給台188Cの構成とは同じである。
【0200】
また、苗供給台188Cと苗供給台188Aとは、第1後方椅子187Cと第1前方椅子187Aとを機幅方向にて同位置に配置した場合、第1苗供給装置38Aの前後方向の中心線を挟んで対称に構成されている。この構成(対称の構成)及び取り付け位置(椅子支持体150ではなくシート支持部材227Aに取り付けられている点)を除き、苗供給台188Aの構成と苗供給台188Cの構成とは同じである。
【0201】
また、苗供給台188Dと苗供給台188Bとは、第2後方椅子187Dと第2前方椅子187Bとを機幅方向にて同位置に配置した場合、第2苗供給装置38Bの前後方向の中心線を挟んで対称に構成されている。この構成(対称の構成)及び取り付け位置(椅子支持体150ではなくシート支持部材227Bに取り付けられている点)を除き、苗供給台188Bの構成と苗供給台188Dの構成とは同じである。
【0202】
苗供給台188Cと苗供給台188Dとは、作業機1の機幅方向の中心線を挟んで対称に構成されているため、苗供給台188Cと苗供給台188Dとを入れ替えて使用することができる。
図2、
図20に示すように、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bの上方に苗トレイを置くことができる苗載せ台190が設けられている。苗載せ台190上には、複数の苗トレイを置くことができる。
【0203】
図21に示すように、苗載せ台190は、長方形状の枠体190aと、この枠体190aの下部に設けられた底板190bと、を有している。底板190bは、平板から構成してもよいし、網体やパンチングメタルから構成してもよい。底板190b上に複数の苗トレイを置くことができる。
苗載せ台190は、前後方向K1に比べて機幅方向K2が長く形成されており、第1苗供給装置38Aの上方と第2苗供給装置38Bの上方とに跨るように配置されている。但し、苗載せ台190は、各椅子に着座した作業者の正面に位置する供給カップ171、172の上方は覆っていない。
【0204】
図21に示すように、苗載せ台190は、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとを連結する連結フレーム130に設けられた台受け189上に取り付けられている。台受け189は、第5連結フレーム材135上に設けられている。台受け189は、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bの上方に配置される。
作業者は、苗載せ台190上の苗トレイから苗を供給カップ171、172に苗を供給することができる。苗載せ台190は、第1苗供給装置38Aの上方と第2苗供給装置38Bの上方とに跨るように配置されているため、第1前方椅子187A、第2前方椅子187B、第1後方椅子187C、第2後方椅子187Dの各椅子に着座した作業者が、苗載せ台190上の苗トレイから苗を取ることができる。即ち、苗載せ台190は、各椅子に着座した作業者が苗載せ台190上の苗トレイから苗を取ることができる位置に配置されている。
【0205】
作業者は、苗供給台188上の苗トレイの苗がなくなると、苗載せ台190上の苗トレイの苗を供給カップ171、172に供給することができる。即ち、苗載せ台190は、予備の苗トレイが載置される台である。また、苗供給台188上の苗トレイの苗がなくなると、空の苗トレイを苗載せ台190上の苗トレイと交換してもよい。また、各作業者の正面に位置する苗供給台188を設けずに、苗載せ台190を各作業者に共通の苗供給台としてもよい。
【0206】
図2、
図13、
図55に示すように、作業機1は、苗トレイを収容するコンテナCNを載せるための予備苗台280L,280Rを備えている。予備苗台280L,280Rは、ロータリ耕耘機2の上方に配置されている。予備苗台280Lは、ロータリ耕耘機2の左部の上方であって、第1前方椅子187Aの前方に配置されている。予備苗台280Rは、ロータリ耕耘機2の右部の上方であって、第2前方椅子187Bの前方に配置されている。
【0207】
予備苗台280Lと予備苗台280Rとは配置が異なるのみで構成は同じである。そのため、以下、予備苗台280Lの構成について説明し、予備苗台280Rの構成の説明は省略する。
図55に示すように、予備苗台280Lは、第1支柱281、第2支柱282、第3支柱283、第4支柱284、第1ブラケット285、第2ブラケット286、載せ枠体287、載せ板288を有している。第1支柱281、第2支柱282、第3支柱283、第4支柱284は、上下方向に延びている。
図13に示すように第1支柱281及び第2支柱282は、支持カバー19C4の下板19Cdに固定されている。
図55に示すように、第3支柱283及び第4支柱284は、装着フレーム14の前方延出部34Lに取り付けられた延設材289に固定されている。第1支柱281は、第2支柱282の前方に配置されている。第3支柱283は、第4支柱284の前方に配置されている。第1支柱281は、第3支柱283の左方に配置されている。第2支柱282は、第4支柱284の左方に配置されている。
【0208】
第1ブラケット285は、第1支柱281の上部と第2支柱282の上部とを連結している。第2ブラケット286は、第3支柱283の上部と第4支柱284の上部とを連結している。載せ枠体287は、外形が平面視にて長方形状の枠体である。載せ枠体287は、断面L字形のアングル材を組み合わせて構成されている。載せ枠体287の下部は、第1ブラケット285及び第2ブラケット286により支持されている。
図13、
図55に示すように、載せ板288は、載せ枠体287に載置されている。尚、
図2では、載せ板288は省略している。
【0209】
載せ板288は、機幅方向の長さが前後方向の長さよりも長い長方形の板である。載せ板288とロータリ耕耘機2との間(上部カバー19Aとの間)には空間SPAが形成されている。言い換えれば、載せ板288はロータリ耕耘機2の上方に浮かせて配置されている。
図1、
図3に示すように、予備苗台280L,280Rの載せ板288上には、苗トレイを収容するコンテナCNが載置される。コンテナCNは、上下方向の長さが前後方向の長さ及び機幅方向の長さよりも長い直方体の箱である。コンテナCNには、複数の苗トレイを上下方向に並べて収容することができる。コンテナCNは前方が開放されており、作業者は前方からコンテナCNに収容された苗トレイを取り出すことができる。また、苗供給台188又は苗載せ台190上の空の苗トレイを、コンテナCN内の苗トレイと交換することができる。この苗トレイの交換は、第1前方椅子187A、第2前方椅子187Bに着座した作業者が行う。
【0210】
図2、
図3に示すように、作業機1は、灌水チューブを巻回したチューブロール290を備えている。灌水チューブは、植え付けた苗に水を供給するチューブである。チューブロール290は、走行体1Aとロータリ耕耘機2との間に配置されている。つまり、チューブロール290は、走行体1Aの後方であって、ロータリ耕耘機2の前方に配置されている。また、チューブロール290は、灌水ポンプ50の前方に配置されている。また、チューブロール290は、機幅方向において、伝動ケース12と左サイドフレーム15Lとの間に配置されている。また、図示していないが、チューブロール290は、機幅方向において、伝動ケース12と右サイドフレーム15Rとの間にも配置することができる。
【0211】
チューブロール290は、ロール支持体291により、機幅方向の軸回りに回転可能に支持されている。
図55に示すように、ロール支持体291は、軸体292と、軸受293L,293Rと、支持杆294L,294Rと、を有している。
図2に示すように、軸体292は、ロータリ耕耘機2の前方に配置され、機幅方向K2に延びている。
図55に示すように、軸体292は、ロータリ耕耘機2の予備苗台280Lの載せ板288よりも低い位置に配置されている。
【0212】
軸受293Lは、軸体292の一端側を回転可能に支持している。軸受293Rは、軸体292の他端側を回転可能に支持している。支持杆294Lは、前後方向に延びており、第1支柱281及び第2支柱282に接続されている。支持杆294Rは、前後方向に延びており、第3支柱283及び第4支柱284に接続されている。支持杆294Lの後部に軸受293Lが支持されている。支持杆294Rの後部に軸受293Rが支持されている。
【0213】
チューブロール290は、軸体292に装着されている。チューブロール290は、軸体292の回転に伴って機幅方向の軸回りに回転する。チューブロール290を回転させることにより、灌水チューブを繰り出すことができる。灌水チューブは、予備苗台280Lの載せ板288とロータリ耕耘機2との間の空間SPAを通して後方に延ばすことができる。また、灌水チューブは、足置き板235A,235Bの下方を通すことができる。
【0214】
灌水チューブは、作業機1を走行させる前に、一端(巻き出し側の端部)が圃場に固定される。この一端を圃場に固定した状態で、作業機1を走行させる。すると、灌水チューブが引っ張られてチューブロール290及び軸体292が一体的に回転する。これにより、灌水チューブがチューブロール290から巻き出されて作業機1によって形成された畝に敷設される。敷設された灌水チューブから畝に植え付けられた苗に灌水することができる。
【0215】
図1、
図56、
図57に示すように、作業機1は、対地作業装置1Bとして、圃場に成形された畝にマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置300を備えていてもよい。マルチフィルム敷設装置300は、トラクタ1Aの後方に装着される。詳しくは、マルチフィルム敷設装置300は、トラクタ1Aの後部に装着されたロータリ耕耘機2に装着される。マルチフィルム敷設装置300は、ロータリ耕耘機2の後方且つ移植機3の前方に配置される。
【0216】
マルチフィルム敷設装置300は、トラクタ1Aの幅方向(機幅方向K2と同じ)に並んで成形される2つの畝UN1,UN2に対してそれぞれマルチフィルムを敷設する。以下、説明の便宜上、2つの畝UN1,UN2のうち、左側に成形される畝を「第1の畝UN1」、右側に成形される畝を「第2の畝UN2」という。
図56に示すように、マルチフィルム敷設装置300は、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とを有している。第1ロール支持軸301は、第1の畝UN1に敷設されるマルチフィルムが巻回された第1フィルムロール303を支持する。第2ロール支持軸302は、第2の畝UN2に敷設されるマルチフィルムが巻回された第2フィルムロール304を支持する。
【0217】
第1ロール支持軸301及び第2ロール支持軸302は、トラクタ1Aの幅方向(機幅方向K2)に延設されている。第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、トラクタ1Aの幅方向(機幅方向K2)においてオーバラップしている。言い換えれば、第1ロール支持軸301の機幅内方側の部位301aは、第2ロール支持軸302の機幅内方側の部位302aとは、機幅方向K2においてオーバラップしている。
【0218】
第1ロール支持軸301の右端部(機幅内方側の端部)は、マルチフィルム敷設装置300の機幅方向K2の中心よりも右方に位置している。また、第1ロール支持軸301の右端部は、第2ロール支持軸302の左端部及び第2フィルムロール302の左端部よりも右方に位置している。
第2ロール支持軸302の左端部(機幅内方側の端部)は、マルチフィルム敷設装置300の機幅方向K2の中心よりも左方に位置している。また、第1ロール支持軸301の右端部及び第1フィルムロール301の右端部よりも左方に位置している。
【0219】
図56に示すように、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、前後方向K1にずらして配置されている。これにより、
図1、
図57に示すように、第1フィルムロール303と第2フィルムロール304とは、前後方向K1にずらして配置される。本実施形態の場合、第1ロール支持軸301が第2ロール支持軸302の前方に配置されている。但し、第1ロール支持軸301が第2ロール支持軸302の後方に配置されていてもよい。また、図示しないが、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、上下方向にずらして配置されていてもよい。
【0220】
第1ロール支持軸301の両端部は、第1軸支持体305L,305Rにより支持されている。第1軸支持体305Lは、第1ロール支持軸301の左端部(機幅外方側の端部)を支持している。第1軸支持体305Rは、第1ロール支持軸301の右端部(機幅内方側の端部)を支持している。
第2ロール支持軸302の両端部は、第2軸支持体306L,306Rにより支持されている。第2軸支持体306Lは、第2ロール支持軸302の左端部(機幅内方側の端部)を支持している。第2軸支持体306Rは、第2ロール支持軸302の右端部(機幅外方側の端部)を支持している。
【0221】
図58~
図60に示すように、第1軸支持体305Lは、取付体196の第1側部材196Aに取り付けられており、機幅方向K2に延びている。第1軸支持体305Lは、第1支持材307~第5支持材311を有している。第1支持材307は、第1側部材196Aに固定されている。第2支持材308は、第3支持材309を介して第1支持材307に取り付けられ、第1支持材307から下方に延びている。第4支持材310は、第2支持材308の下部に取り付けられ、当該下部から機幅外方(左方)に延びている。第5支持材311は、一端部(前端部)が第4支持材310の機幅方向の外端に支軸312を介して接続されている。第5支持材311は、支軸312を中心として上方又は下方に揺動可能である。第5支持材311の他端部(後端部)には、上方から下方に向けて切り欠かれた凹状の係止部311aが形成されており、当該係止部311aに第1ロール支持軸301の一端部(左端部)が係止される。係止部311aの上方には、係止部311aに係止された第1ロール支持軸301の一端部の脱離を防ぐためのカバー板313がボルト等により固定される。これにより、第1軸支持体305Lに対して第1ロール支持軸301の一端部(左端部)が支持される。
【0222】
図60に示すように、第1支持材307は、機幅方向K2に間隔をあけて並設された複数の取付穴307aを有している。第3支持材309は、取付穴309aの1つ又は複数に対応する取付穴309aを有している。第1支持材307と第3支持材309とは、取付穴307aと取付穴309aとを重ねてボルトを挿通してナットを螺合することにより固定される。第1支持材307に対して第3支持材309を機幅方向K2にずらして、取付穴307aに重ね合わせる取付穴309aを変更することにより、第1支持材307に対して第3支持材309を機幅方向K2にずらして固定することができる。これにより、第1ロール支持軸301を機幅方向K2に移動させることができる。同様に、第2ロール支持軸302も機幅方向K2に移動させることができる。そのため、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とがオーバラップする範囲(長さ)を変更することができる。
【0223】
図57、
図61に示すように、第1軸支持体305Rは、中間連結体55に取り付けられている。上述の通り、中間連結体55は、中間畝立て器51Mの後取付部51Mbと取付体196の中間部材196Cとを連結している。第1軸支持体305Rは、第5支持材313と第6支持材314とを有している。第5支持材313は、中間連結体55(上部材55a)に固定されて右方に延びている。第6支持材314は、第5支持材313の右端部から後方に延びている。第6支持材314の前部は、第5支持材313に対して揺動可能に枢支されている。これにより、第6支持材314は、第5支持材313に対して上方又は下方に揺動可能である。第6支持材314の後端部には、第1ロール支持軸301の他端部(右端部)に設けられた取付片315が取り付けられている。これにより、第1軸支持体305Rに対して第1ロール支持軸301の他端部(右端部)が支持される。
【0224】
図56に示すように、第2軸支持体306Rは、取付体196の第2側部材196Bに取り付けられている。第2軸支持体306Rは、第1軸支持体305L,305Rよりも後方に配置されている。第2軸支持体306Rは、第1軸支持体305Lと前後方向K1の位置を揃えた場合、機幅方向K2の中心を挟んで第1軸支持体305Lと対称形である。この点を除き、第2軸支持体306Rの構成は、第1軸支持体305Lの構成と同じであるため、説明を省略する。
【0225】
図56、
図61に示すように、第2軸支持体306Lは、中間連結体55に取り付けられている。第2軸支持体306Lは、第1軸支持体305L,305Rよりも後方に配置されている。第2軸支持体306Lは、第2軸支持体306Rと前後方向K1にて同じ位置に配置されている。第2軸支持体306Lは、第1軸支持体305Rと前後方向K1の位置を揃えた場合、機幅方向K2の中心を挟んで第1軸支持体305Rと対称形である。この点を除き、第2軸支持体306Lの構成は、第1軸支持体305Rの構成と同じであるため、説明を省略する。
【0226】
図56に示すように、マルチフィルム敷設装置300は、第1覆土部材321、第2覆土部材322、第3覆土部材323、第4覆土部材324を有している。第1覆土部材321、第2覆土部材322、第3覆土部材323、第4覆土部材324は、円板状の覆土ディスクから構成されている。
第1覆土部材321及び第3覆土部材323は、後方に行くに従って第1の畝UN1側に移行する傾斜状に設けられている。第2覆土部材322及び第4覆土部材324は、後方に行くに従って第2の畝UN2側に移行する傾斜状に設けられている。
【0227】
第1覆土部材321は、第1フィルムロール303の右部の後方に配置されている。第1覆土部材321は、第1フィルムロール303から巻き出されて第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの第2畝UN2側の一端部(右端部)に土を被せる。第2覆土部材322は、第2フィルムロール304の左部の後方に配置されている。第2覆土部材322は、第2フィルムロール304から巻き出されて第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの第1畝UN1側の一端部(左端部)に土を被せる。
【0228】
第3覆土部材323は、第1フィルムロール303の左部の後方に配置されている。第3覆土部材323は、第1フィルムロール303から巻き出されて第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの他端部(左端部)に土を被せる。第4覆土部材324は、第2フィルムロール304の右部の後方に配置されている。第4覆土部材324は、第2フィルムロール304から巻き出されて第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの他端部(右端部)に土を被せる。
【0229】
第1覆土部材321と第2覆土部材322とは、前後方向K1にずらして配置されている。本実施形態の場合、第1覆土部材321が第2覆土部材322の前方に配置されている。但し、第1覆土部材321と第2覆土部材322のいずれか一方の覆土部材が、いずれか他方の覆土部材の後方に配置されていればよい。第1覆土部材321と第2覆土部材322のいずれを後方に配置するかは、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302との前後関係によって定めることができる。具体的には、第2ロール支持軸302が第1ロール支持軸301の後方に配置された場合、第2覆土部材322が第1覆土部材321の後方に配置される。第1ロール支持軸301が第2ロール支持軸302の後方に配置された場合、第1覆土部材321が第2覆土部材322の後方に配置される。
【0230】
また、第1覆土部材321と第2覆土部材322とは、トラクタ1Aの幅方向(機幅方向K2)においてオーバラップして配置されている。また、第1覆土部材321と第2覆土部材322とは、前後方向K1においてもオーバラップしている。
第3覆土部材323は、前後方向K1において、第1覆土部材321と同位置に配置されている。第4覆土部材324は、前後方向K1において、第2覆土部材322と同位置に配置されている。つまり、第3覆土部材323と第4覆土部材324とは、第1覆土部材321と第2覆土部材322の配置と同様に、前後方向K1にずらして配置されている。
【0231】
後方に配置された覆土部材(一方の覆土部材)の下端部は、前方に配置された覆土部材(他方の覆土部材)の下端部よりも下方に位置していることが好ましい。本実施形態の場合、第2覆土部材322の下端部が第1覆土部材321の下端部よりも下方に位置している構成とすることが好ましい。当該構成によれば、第2覆土部材322により第1覆土部材321よりも深い位置から土を寄せることができるため、第1覆土部材321と第2覆土部材322とが機幅方向K2においてオーバラップして配置されていても、後方に配置された第2覆土部材322により寄せられる土が不足することがない。
【0232】
図56、
図57、
図61に示すように、第1覆土部材321及び第2覆土部材322は、第1接続フレーム325及びブラケット326を介して中間連結体55に取り付けられている。第1接続フレーム325は、中間連結体55に固定されたブラケット326に対して上方又は下方に揺動可能に接続されている。
図56、
図58、
図59に示すように、第3覆土部材323は、第2接続フレーム327、ブラケット328、第1支持材307を介して第1側部材196Aに取り付けられている。第2接続フレーム327は、第1支持材307に固定されたブラケット328に対して、支軸316を介して上方又は下方に揺動可能に接続されている。
【0233】
図56に示すように、第4覆土部材324は、第3接続フレーム329等を介して第2側部材196Bに取り付けられている。第4覆土部材324の第2側部材196Bに対する取付構造は、第3覆土部材323の第1側部材196Aに対する取付構造と同様であるため、説明を省略する。
図56に示すように、マルチフィルム敷設装置300は、第1フィルム押え器331、第2フィルム押え器332、第3フィルム押え器333、第4フィルム押え器334を有している。第1フィルム押え器331、第2フィルム押え器332、第3フィルム押え器333、第4フィルム押え器334は、例えば、車輪から構成されている。
【0234】
第1フィルム押え器331及び第3フィルム押え器333は、前方に行くに従って第1の畝UN1側に移行する傾斜状に設けられている。第2フィルム押え器332及び第4フィルム押え器334は、前方に行くに従って第2の畝UN2側に移行する傾斜状に設けられている。
第1フィルム押え器331は、第1フィルムロール303の後方に配置されている。第1フィルム押え器331は、第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの第2の畝UN2側(右側)の一端部(右端部)を押さえる。第2フィルム押え器332は、第2フィルムロール304の後方に配置されている。第2フィルム押え器332は、第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの第1畝UN1側(左側)の一端部(左端部)を押さえる。第3フィルム押え器333は、第1フィルムロール303の後方に配置されている。第3フィルム押え器333は、第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの他端部(左端部)を押さえる。第4フィルム押え器334は、第2フィルムロール304の後方に配置されている。第4フィルム押え器334は、第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの他端部(右端部)を押さえる。
【0235】
第1フィルム押え器331と第2フィルム押え器332とは、前後方向K1にずらして配置されている。本実施形態の場合、第1フィルム押え器331が第2フィルム押え器332の前方に配置されている。第1ロール支持軸301が第2ロール支持軸302の後方に配置された場合、第1フィルム押え器331が第2フィルム押え器332の後方に配置される。
【0236】
第3フィルム押え器333は、前後方向K1において、第1フィルム押え器331と同位置に配置されている。第4フィルム押え器334は、前後方向K1において、第2フィルム押え器332と同位置に配置されている。つまり、第3フィルム押え器333と第4フィルム押え器334とは、第1フィルム押え器331と第2フィルム押え器332の配置と同様に、前後方向K1にずらして配置されている。
【0237】
図61に示すように、第1フィルム押え器331は、第1接続体335を介して第1接続フレーム325に接続されている。第2フィルム押え器332は、第2接続体336を介して第1接続フレーム325に接続されている。
図58、
図59に示すように、第3フィルム押え器333は、第3接続体337を介して第2接続フレーム327に取り付けられている。
図56に示すように、第4フィルム押え器334は、第4接続体338を介して第3接続フレーム329に取り付けられている。
【0238】
本実施形態の作業機1は、以下に記載する効果を奏する。
作業機1は、走行体1Aの後部に装着される第1対地作業機2と、第1対地作業機2の後部に昇降可能に装着され且つ圃場に苗を植え付ける第2対地作業機3と、第2対地作業機3を昇降駆動する昇降駆動装置42と、第2対地作業機3に対して作業をする作業者が座る椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)と、第1対地作業機2に対して第2対地作業機3及び椅子187A,184Bを一体的に昇降可能に連結する作業機連結機構41と、を備えている。
【0239】
この構成によれば、第1対地作業機2に対して第2対地作業機3及び椅子187A,187Bを一体的に昇降可能に連結する作業機連結機構41を備えているため、走行体1Aに装着される第1対地作業機2と、第2対地作業機3に昇降可能に装着された第2対地作業機3を備えた作業機において、作業者が座る椅子187A,187Bの高さと第2対地作業機3の高さとの関係を一定とすることができる。そのため、第2対地作業機3を昇降させたときにも、椅子187A,187Bに座った作業者が第2対地作業機3に対する作業を容易に行うことができる。
【0240】
また、作業機連結機構41は、第2対地作業機3が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43に接続され且つ椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)を支持する椅子支持体150と、ツールバー43及び椅子支持体150を第1対地作業機2に昇降可能に連結する連結リンク機構44と、を有している。
この構成によれば、連結リンク機構44によってツールバー43及び椅子支持体150を一体的に昇降可能となるため、ツールバー43を昇降することによって、作業者が座る椅子187A,187Bと第2対地作業機3とを一体的に昇降することができる。
【0241】
また、連結リンク機構44は、下部リンク44A,44Bと上部リンク44Cとを有し、下部リンク44A,44Bは、ツールバー43の長さ方向の一端側において椅子支持体150と第1対地作業機2とを連結する第1下部リンク44Aと、ツールバー43の長さ方向の他端側において椅子支持体150と第1対地作業機2とを連結する第2下部リンク44Bと、を有し、上部リンク44Cは、ツールバー43の長さ方向の中央部において椅子支持体150と第1対地作業機2とを連結している。
【0242】
この構成によれば、連結リンク機構44を平行リンクに構成することができるため、椅子支持体150及び第2対地作業機3を地面に対して平行に昇降させることができる。
また、連結リンク機構44は、第1下部リンク44Aと第2下部リンク44Bとを連結する連結部材44Dを有している。
この構成によれば、第1下部リンク44Aと第2下部リンク44Bとを連結して一体化することができるため、第1下部リンク44Aと第2下部リンク44Bとの間にねじりが発生を防止することができる。
【0243】
また、昇降駆動装置42は、第1対地作業機2と上部リンク44Cとを連結する昇降シリンダC1を有している。
この構成によれば、昇降シリンダC1を伸縮することにより上部リンク44Cを昇降させて、椅子支持体150及び第2対地作業機3を第1対地作業機2に対して昇降させることができる。
【0244】
また、第2対地作業機3は、作業機連結機構41に連結されて昇降駆動装置42によって昇降される機枠37と、機枠37に昇降可能に支持され且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64と、を有し、機枠37はツールバー43に取り付けられている。
この構成によれば、昇降駆動装置42によってツールバー43を昇降させることによって、機枠37と共に植付具64を昇降させて植付深さを調整することができる。
【0245】
また、作業機1は、苗トレイを収容するコンテナCNを載せるための予備苗台280L,280Rを備え、予備苗台280L,280Rは、第1対地作業機2の上方に配置されている。
この構成によれば、第1対地作業機2の上方に配置された予備苗台280L,280Rに、苗トレイを収容したコンテナCNを載せることができる。そのため、苗トレイをコンテナCNから出すことなく、コンテナCNに収容された状態で第1対地作業機2の上方に補充することができる。
【0246】
また、作業機1は、植え付けた苗に水を供給する灌水チューブを巻回したチューブロール290を備え、チューブロール290は、走行体1Aと第1対地作業機2との間に配置されている。
この構成によれば、灌水チューブを巻回したチューブロール290を第1対地作業機2の上方に配置した場合と比べて、チューブロール290を低い位置に配置することができる。そのため、チューブロール290の取り付けや取り外しを容易に行うことができる。
【0247】
また、作業機1は、走行体1Aの後部に装着される第1対地作業機2と、第1対地作業機2の後部に装着され且つ圃場に苗を植え付ける第2対地作業機3と、第1対地作業機2の上方に配置され且つ第2対地作業機3に対して作業をする作業者が座る椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)と、第2対地作業機3に対する椅子187A、184Bの位置を調整可能な位置調整機構230と、を備えている。
【0248】
この構成によれば、苗を受け付ける第2対地作業機3に対する位置を調整可能な位置調整機構230を備えているため、植え付けられる苗の条間や畝の高さの変更等に対応して椅子187A,187Bの位置を調整することができる。
また、位置調整機構230は、椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)の位置を作業機1の幅方向である機幅方向K2に調整可能な第1位置調整機構231を有している。
【0249】
この構成によれば、第1位置調整機構231によって、植え付けられる苗の条間の変更等に対応して椅子187A,187Bの位置を機幅方向K2に調整することができる。
また、位置調整機構230は、椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)の位置を前後方向K1に調整可能な第2位置調整機構232を有している。
この構成によれば、第2位置調整機構232によって、作業者の体格等に対応して椅子187A,187Bの位置を前後方向に調整することができる。
【0250】
また、位置調整機構230は、椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)の位置を上下方向に調整可能な第3位置調整機構232を有している。
この構成によれば、第3位置調整機構233によって、畝高さ、スリーブ(供給カップ171,172内に嵌入されるスリーブ)の高さ、作業者の体格等に対応して椅子187A,187Bの位置を上下方向に調整することができる。
【0251】
また、作業機1は、第1対地作業機2に対して第2対地作業機3及び椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)を一体的に昇降可能に連結する作業機連結機構41を備え、作業機連結機構41は、第2対地作業機3が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43に接続され且つ椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)を支持する椅子支持体150と、を有し、位置調整機構230は椅子支持体150に設けられている。
【0252】
この構成によれば、作業者が座る椅子187A,187Bの高さと第2対地作業機3の高さとの関係を一定とした上で、位置調整機構230によって椅子187A、187Bの位置を調整することができる。そのため、第2対地作業機3に対する椅子187A,187Bの位置を正確に且つ容易に調整することができる。
また、作業機1は、椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)と第2対地作業機3との間に配置され且つ椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子184B)に座った作業者が足を置く足置き板235A,235Bを備え、椅子支持体150は、足置き板235A,235Bが着脱可能又は開閉可能に取り付けられる取付部260A,260Bを有している。
【0253】
この構成によれば、足置き板235A,235Bを取付部260A,260Bに対して取り外す又は開放することにより、足置き板235A,235Bの下方へのアクセスが容易となる。そのため、例えば、ロータリ耕耘機2の弾圧装置20のバネの調整、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整(条間調整)、灌水チューブの位置調整等を容易に行うことができる。
【0254】
また、作業機1は、苗を収容する多数の供給カップ171,172をループ状の移送経路R1に沿って移送する苗供給装置38と、苗供給装置38に供給される苗を置くための苗供給台188と、を備え、苗供給台188は椅子支持体150に取り付けられている。
この構成によれば、苗供給台188が椅子支持体150に取り付けられていることにより、苗供給台188と椅子支持体150に支持された椅子との位置関係を一定することができる。そのため、苗供給台188から苗供給装置38に対する苗の供給を安定して行うことができる。
【0255】
また、苗供給台188は、苗置き面が水平方向を向く第1姿勢と、苗置き面が上下方向を向く第2姿勢とに姿勢変更可能である。
この構成によれば、苗供給装置38に対する苗の供給を行わないときには、苗置き台188を第2姿勢とすることにより、苗置き台188が作業者の移動等の妨げになることが防止できる。
【0256】
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後方に装着された機枠37と、機枠37に支持され且つ圃場に苗を植え付ける植付装置39と、を有する移植機3と、走行体1Aに対して機枠37を昇降させる昇降駆動装置42と、圃場の凹凸に追従して上下動する検出部材83と、検出部材83の上下動に伴って移動するワイヤ97と、ワイヤ97の移動に伴って機枠37を上昇させる第1状態と機枠37を下降させる第2状態とに昇降駆動装置42を切り換える制御バルブ165と、を備えている。
【0257】
この構成によれば、圃場の凹凸に追従する検出部材83の上下動に伴うワイヤ97の移動によって、制御バルブ165を移植機3の機枠37を上昇させる第1状態と下降させる第2状態に切り換えることができるため、簡易な構成で正確に植付深さを調整することができる。これにより、植付深さのばらつきを小さくすることができる。
また、作業機1は、検出部材83を機枠37に対して上下動可能に支持する支持フレーム82を備え、支持フレーム82は、機枠37に対して上下揺動自在であって且つ検出部材83の上方を通って配置されている。
【0258】
この構成によれば、支持フレーム82を検出部材82の側方を通って配置した場合と比べて、隣り合う検出部材83(例えば、左の第1覆土装置40ALの覆土輪81L,81Rと、右の第1覆土装置40ARの覆土輪81L,81R)の間隔を狭くすることができる。そのため、支持フレーム82同士が干渉することを回避しつつ、苗の植え付けの条間を狭くすることができる。
【0259】
また、移植機3は、当該移植機3の幅方向の一方側に配置され且つ複数の第1植付装置39AL,39ARを有する第1移植ユニット36Aと、当該移植機3の幅方向の他方側に配置され且つ複数の第2植付装置39BL,39BRを有する第2移植ユニット36Bと、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離を調整する距離調整機構と、複数の第1植付装置39AL,39AR間の相対角度を調整可能とする第1角度調整機構と、複数の第2植付装置39BL,39BR間の相対角度を調整可能とする第2角度調整機構と、を備えている。
【0260】
この構成によれば、距離調整機構によって、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離を調整することができる。加えて、第1角度調整機構と第2角度調整機構によって、それぞれの移植ユニットにおける植付装置間の相対角度を調整することで、それぞれの移植ユニットにおける植付装置間の距離を調整することができる。つまり、ユニット単位での調整と、各ユニット内の植付装置単位での調整を行うことができる。そのため、1畝4条、2畝2条等の多様な植え付け形態に対応した条間調整が可能となる。
【0261】
また、作業機1は、走行体1Aの後方に配置され且つ前記幅方向に延びるツールバー43を備え、距離調整機構は、ツールバー43に沿って移動可能に取り付けられ且つ第1移植ユニット36Aに固定された第1取付具61Aと、ツールバー43に沿って移動可能に取り付けられ且つ第2移植ユニット36Bに固定された第2取付具61Bと、を有している。
【0262】
この構成によれば、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとをツールバー43に沿って独立して移動可能となるため、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整を容易に行うことができる。
また、機枠37は、複数の第1植付装置39AL,39ARが装着される第1機枠37Aと、複数の第2植付装置39BL,39BRが装着される第2機枠37Bと、を含み、第1移植ユニット36Aは第1機枠37Aを有し、第2移植ユニット36Bは第2機枠37Bを有し、第1角度調整機構は、複数の第1植付装置39AL,39ARの第1機枠37Aに対する装着角度を個別に調整可能とし、第2角度調整機構は、複数の第2植付装置39BL,39BRの第2機枠37Bに対する装着角度を個別に調整可能とする。
【0263】
この構成によれば、複数の第1植付装置39AL,39ARの第1機枠37Aに対する装着角度と、複数の第2植付装置39BL,39BRの第2機枠37Bに対する装着角度とが、それぞれ個別に調整可能となるため、多様な植え付け形態に対応した条間調整を容易に行うことが可能となる。
また、第1移植ユニット36Aは、複数の第1植付装置39AL,39ARのそれぞれに対応して第1機枠37Aに装着された複数の第1覆土装置40AL,40ARを有し、第2移植ユニット36Bは、複数の第2植付装置39BL,39BRのそれぞれに対応して第2機枠37Bに装着された複数の第2覆土装置40BL,40BRを有し、移植機3は、第1覆土装置40AL,40ARの前記幅方向の位置を調整する第1位置調整部と、第2覆土装置40BL,40BRの前記幅方向の位置を調整する第2位置調整部と、を有している。
【0264】
この構成によれば、複数の植付装置のそれぞれ位置の調整に対応して、複数の覆土装置の位置を調整することができるため、多様な植え付け形態に対応した植え付け及び覆土の作業を行うことが可能となる。
また、作業機1は、原動機E1と、原動機E1からの動力を受けて前記幅方向に延びる軸回りに回転する主軸107と、主軸107の回転動力を第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bに伝達する伝動機構と、を備え、主軸107は、原動機E1からの動力を受けて回転する第1回転軸107Aと、第1回転軸107Aから動力を受けて回転する第2回転軸107Bと、第1回転軸107Aと第2回転軸107Bとを連結する連結軸107Lと、を有し、第1回転軸107A及び第2回転軸107Bは、連結軸107Lに対して前記幅方向に移動可能である。
【0265】
この構成によれば、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整に対応して、主軸107の長さを調整することができるとともに、第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bに対する動力の伝達を確実に行うことができる。
また、第1回転軸107A及び第2回転軸107Bはスプライン軸であり、連結軸107Lはスプライン軸が噛み合うスプライン軸受である。
【0266】
この構成によれば、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間の距離の調整に対応して、主軸107の長さの調整を容易に行うことができると共に、第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bに対する動力の伝達を確実に行うことができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後方に装着された対地作業機であって、苗を収容する多数の供給カップ171,172をループ状の移送経路R1に沿って移送する移送機構177を含む苗供給装置38と、苗供給装置38から供給された苗を圃場に植え付ける植付具64とを有する対地作業機(第2対地作業機)3と、を備え、移送機構177は、第1回転体178と、第2回転体179と、第1回転体178と第2回転体179とにわたって巻掛けられ且つ第1回転体178及び第2回転体179の回転に伴って供給カップ171,172と共に移動する無端状の索体180と、索体180の移動をガイドするガイド部材173と、を有している。
【0267】
この構成によれば、供給カップ171,172と共に移動する無端状の索体180の移動をガイドするガイド部材173を備えているため、索体180の弛みを防いで供給カップ171,172の移送を円滑に行うことができる。
また、苗供給装置38は、移送機構177を支持する装置フレーム176を有し、ガイド部材173は、装置フレーム176に取り付けられた第1ガイド部材174L,174Rと、索体180に取り付けられ且つ第1ガイド部材174L,174Rに当接しながら移動する第2ガイド部材175と、を有している。
【0268】
この構成によれば、索体180の移動に伴って、第2ガイド部材175が第1ガイド部材174L,174Rに当接しながら移動する。そのため、索体180の移動中の弛みを防いで供給カップ171,172の移送を円滑に行うことができる。
また、供給カップ171,172は、苗を収容し且つ下端に開口を有する収容部181a,181bと、索体180に取り付けられる取付部182a,182bと、収容部181a,181bの開口を塞ぐ開閉可能な蓋183a,183bとを有し、苗供給装置38は、移送経路R1の一部に蓋183a,183bの開放位置D1,D2を設定する設定部材185を有し、ガイド部材173は、少なくとも開放位置D1,D2において索体180の移動をガイドする。
【0269】
この構成によれば、蓋183a、183bの開放位置D1,D2において、ガイド部材173により索体180の揺れや弛みを抑制することができる。そのため、蓋183a、183bが意図しない位置やタイミングで開いて苗が落下してしまうことを防止することができる。
また、作業機1は、索体180に張力を付与する張力付与体(第5アイドラ255、第6アイドラ256)を有し、張力付与体は、開放位置D1,D2において索体180に張力を付与する。
【0270】
この構成によれば、蓋183a、183bの開放位置D1,D2において、張力付与体により索体180の揺れや弛みを抑制することができる。そのため、蓋183a、183bが意図しない位置やタイミングで開いて苗が落下してしまうことを防止することができる。
また、索体180はチェーンであり、張力付与体(第5アイドラ255、第6アイドラ256)はチェーンと噛み合って回転するスプロケットである。
【0271】
この構成によれば、張力付与体によって、索体180の回転を妨げることなく索体180に張力を付与することができる。
また、第1ガイド部材174L,174Rは、索体180の移動方向に沿って延びる延設面174La,174Raを有し、第2ガイド部材175は、索体180に取り付けられた取付部位175aと、延設面174La,174Raと当接しながら移動する当接部位175bと、を有している。
【0272】
この構成によれば、第2ガイド部材175の当接部位175bと、第1ガイド部材174L及び第1ガイド部材174Rの延設面174La,174Raとを、面同士で当接させることができる。そのため、索体180の機幅方向への揺れや弛みと、索体180の上下方向への揺れや弛みを抑制することができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後部に装着されたロータリ耕耘機2と、ロータリ耕耘機2に取り付けられる取付部を有する畝立て器51と、を備え、取付部は、畝立て器51の前部に設けられた前取付部51La,51Ra,51Maと、畝立て器51の後部に設けられた後取付部51Lb,51Rb,51Mbと、を含む。
【0273】
この構成によれば、畝立て器51が前取付部51La,51Ra,51Maと後取付部51Lb,51Rb,51Mbによってロータリ耕耘機2に取り付けられているため、畝立て器の取付部分に加わる負荷を分散することができる。そのため、事前の耕耘が十分になされていない圃場であっても、畝立て器51の取り付け部分に過剰な負荷が加わることを防止できる。
【0274】
また、ロータリ耕耘機2は、圃場を耕耘する耕耘部18と、ロータリ機枠11と、ロータリ機枠11に取り付けられて耕耘部18を覆うロータリカバー19と、耕耘部18に動力を伝動する伝動機構を収容する伝動ケース12と、を有し、ロータリ機枠11には、取付体196が取り付けられており、前取付部51La,51Ra,51Maは、ロータリカバー19又は伝動ケース12に取り付けられ、後取付部51Lb,51Rb,51Mbは、取付体196に取り付けられている。
【0275】
この構成によれば、前取付部51La,51Ra,51Ma及び後取付部51Lb,51Rb,51Mbを、ロータリ耕耘機2に対して確実に取り付けることができる。特に、センタードライブ式のロータリ耕耘機2では、伝動ケース12の後方に畝立て器があると、残耕により畝立て器は損耗し易くなるが、前取付部51Maを伝動ケース12に取り付けることにより、伝動ケース12の後方の畝立て器の損耗を防止することができる。
【0276】
また、ロータリカバー19は、耕耘部18の上方を覆う上部カバー19Aと、耕耘部18の後方を覆う後部カバー19Bと、耕耘部18の側方を覆う側部カバー19Cと、を有し、伝動ケース12は、ロータリ耕耘機2の幅方向の中央に配置され、畝立て器51は、前取付部51La,51Raが側部カバー19Cに取り付けられた側部畝立て器51L,51Rと、前取付部51Maが伝動ケース12に取り付けられた中間畝立て器51Mとを含む。
【0277】
この構成によれば、側部畝立て器51L,51R及び中間畝立て器51Mを、ロータリ耕耘機2の幅方向の異なる位置に確実に取り付けることができる。
また、側部畝立て器51L,51Rの前記幅方向の外端部は、側部カバー19Cの前記幅方向の外端部よりも外側に位置している。
この構成によれば、側部畝立て器51L,51Rと中間畝立て器51Mとの距離を長くすることができるため、畝幅を広く形成することができる。
【0278】
また、側部カバー19Cは、前記幅方向の一方側に配置された第1側部カバー19CLと、前記幅方向の他方側に配置された第2側部カバー19CRと、を含み、取付体196は、第1側部カバー19CLに取り付けられた第1側部材196Aと、第2側部カバー19CRに取り付けられた第2側部材196Bと、第1側部材196Aと第2側部材196Bとの間に配置された中間部材196Cと、を有し、側部畝立て器51L,51Rは、前記幅方向の一方側に配置された第1側部畝立て器51Lと、前記幅方向の他方側に配置された第2側部畝立て器51Rと、を含み、第1側部畝立て器51Lの後取付部51Lbは、第1側部材196Aに取り付けられ、第2側部畝立て器51Rの後取付部51Rbは、第2側部材196Bに取り付けられ、中間畝立て器51Mの後取付部51Mbは、中間部材196Cに取り付けられている。
【0279】
この構成によれば、後取付部51Lb,51Rbを第1側部材196Aと第2側部材196Bを介して側部カバー19Cに取り付けることができる。また、後取付部51Mbを中間部材196Cにより第1側部材196Aと第2側部材196Bとの間に配置することができる。
また、作業機1は、ロータリ耕耘機2の後部に装着され且つ圃場に苗を植え付ける移植機3を備え、畝立て器51は移植機3の前方に配置され、移植機3は、畝立て器51により成形された畝に苗を植え付ける。
【0280】
この構成によれば、事前の耕耘が十分になされていない圃場であっても、畝立て器51により確実に畝を成形し、移植機3により成形された畝に苗を植え付けることができる。
また、マルチフィルム敷設装置300は。走行体1Aの後方に装着され、且つ圃場に成形された畝にマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置であって、第1の畝UN1に敷設されるマルチフィルムが巻回された第1フィルムロール303を支持する第1ロール支持軸301と、第1の畝UN1と隣り合う第2の畝UN2に敷設されるマルチフィルムが巻回された第2フィルムロール304を支持する第2ロール支持軸302と、を備え、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、走行体1Aの幅方向に延設されており且つ前記幅方向においてオーバラップしている。
【0281】
この構成によれば、第1フィルムロール303と第2フィルムロール303との間隔を狭くすることができるため、隣り合う2つの畝に対して畝間を狭くしてマルチフィルムを敷設することができる。そのため、狭い間隔で多数の畝を成形した圃場に対しても良好にマルチフィルムの敷設を行うことができる。
また、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、前後方向にずらして配置されている。
【0282】
この構成によれば、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とが前後方向にずれることで、走行体1Aの幅方向において第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とを確実にオーバラップさせることができる。
また、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とは、上下方向にずらして配置されている。
【0283】
この構成によれば、第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とが上下方向にずれることで、走行体1Aの幅方向において第1ロール支持軸301と第2ロール支持軸302とを確実にオーバラップさせることができる。
また、マルチフィルム敷設装置300は、第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの第2畝UN2側の端部に土を被せる第1覆土部材321と、第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの第1畝UN1側の端部に土を被せる第2覆土部材322と、を備え、第1覆土部材321と第2覆土部材322とは、前後方向にずらして配置されている。
【0284】
この構成によれば、走行車両1Aの幅方向において、第1覆土部材321と第2覆土部材322との間隔を狭くすることができる。そのため、狭い間隔で成形された畝に敷設されたマルチフィルムの端部に対する覆土を良好に行うことができる。
また、第1覆土部材321と第2覆土部材322とは、走行車両1Aの幅方向においてオーバラップして配置されている。
【0285】
この構成によれば、隣り合う2つの畝(第1の畝と第2の畝)に対して畝間を狭くしてマルチフィルムを敷設した後に、敷設されたマルチフィルムの端部に、第1覆土部材321と第2覆土部材322により確実に土を被せることができる。
また、第1覆土部材321と第2覆土部材322のいずれか一方の覆土部材は、いずれか他方の覆土部材の後方に配置され、一方の覆土部材の下端部は、他方の覆土部材の下端部よりも下方に位置している。
【0286】
この構成によれば、第1覆土部材321と第2覆土部材322のうち前方の覆土部材により土を寄せて覆土した後、後方にある覆土部材によって前方の覆土部材よりも深い位置から土を寄せて覆土することができる。そのため、前方の覆土部材により土が寄せられることで、後方にある覆土部材により寄せられる土が不足することがなく、第1覆土部材321と第2覆土部材322の両方で確実に覆土することが可能となる。
【0287】
また、マルチフィルム敷設装置300は、第1の畝UN1に敷設されたマルチフィルムの第2畝UN2側の端部を抑える第1フィルム押え器331と、第2の畝UN2に敷設されたマルチフィルムの第1の畝UN1側の端部を押さえる第2フィルム押え器332と、を有し、第1フィルム押え器331と第2フィルム押え器332とは、前後方向にずらして配置されている。
【0288】
この構成によれば、隣り合う2つの畝(第1の畝と第2の畝)に対して畝間を狭くしてマルチフィルムを敷設する際に、敷設されるマルチフィルムの一端部を、第1フィルム押え器331と第2フィルム押え器332により確実に押さえることができる。
また、作業機1は、上記マルチフィルム敷設装置300と、走行体1Aの後方に装着され、且つ畝に苗を植え付ける移植機3と、を備えている。
【0289】
この構成によれば、苗の移植作業とマルチフィルムの敷設作業とを合わせて行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0290】
1 作業機
1A 走行体
37 機枠
39 植付装置
42 昇降駆動装置
83 検出部材
97 ワイヤ
42 昇降駆動装置
82 支持フレーム
39AL 第1植付装置
39AR 第1植付装置
39BL 第2植付装置
39BR 第2植付装置
36A 第1移植ユニット
36B 第2移植ユニット
43 ツールバー
61A 第1取付具
61B 第2取付具
37A 第1機枠
37B 第2機枠
40AL 第1覆土装置
40AR 第1覆土装置
40BL 第2覆土装置
40BR 第2覆土装置
107 主軸
107A 第1回転軸(回転軸)
107B 第2回転軸(回転軸)
107C 第3回転軸(回転軸)
107L 連結軸(回転軸)
E1 原動機