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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20221219BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20221219BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20221219BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20221219BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G06F1/18 F
H05K7/14 G
H05K5/02 N
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018212713
(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公開番号】P2020080033
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢口 裕一朗
(72)【発明者】
【氏名】中島 雄二
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-029567(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047442(WO,A1)
【文献】特開平04-061297(JP,A)
【文献】特開2012-160533(JP,A)
【文献】特開平06-053674(JP,A)
【文献】米国特許第05872333(US,A)
【文献】特開2011-003571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16-1/20
H05K5/00-5/06
H05K7/14;7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、前記底壁から当該底壁と交差した第一方向に延びた第一側壁と、前記底壁から前記第一方向に延びた前記第一側壁とは別の第二側壁と、前記底壁から前記第一方向に延び、該第二側壁と交差した第二方向に前記第二側壁と間隔をあけて平行に設けられた第三側壁と、を有した筐体と、
前記筐体に収容され、前記底壁と前記第一方向に間隔をあけて平行に設けられ、第一発熱体が実装された前記第一方向の第一面と、第二発熱体が実装され前記第一面とは反対側の第二面と、を有した基板と、
前記底壁と前記基板との間で前記底壁と平行に設けられ前記第一側壁と結合された第一端部を有した中間壁と、当該中間壁の前記第一端部とは反対側の第二端部から前記第一方向の反対方向に突出し前記底壁と結合された立壁と、前記底壁と前記中間壁との間に介在し前記第一方向に延びた複数の第一支柱と、前記中間壁と前記基板との間に介在し前記第一方向に延びた複数の第二支柱と、を有した補強構造と、を備え、
前記第二側壁に取り付けられ、ハブと、前記第二方向に見た場合に当該第二方向に延びる回転中心回りに前記ハブの周囲を回転する複数のブレードと、を有し、当該ブレードの回転により前記ハブの回りの環状開口を介して前記筐体内へ空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第一ファンを備え、
前記第二発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向とは反対方向の第三端部よりも前記底壁に近い第一開口領域と重なるように配置され、
前記第一発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向の第四端部よりも前記回転中心から離れた第二開口領域と重なるように配置され、
前記第二側壁に取り付けられ、前記第一ファンの前記第三方向または前記第一ファンの前記第三方向の反対方向に位置され、前記筐体内に空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第二ファンと、
前記第一面に実装され、前記第二ファンと前記第二方向に並んだ第三発熱体と、
前記第二ファンと前記第三側壁に設けられた開口との間に亘って設けられ、前記基板の前記底壁とは反対側から前記第三発熱体を覆ったダクト部材と、を備え、
前記ダクト部材は、前記第二ファンと前記第二方向に隙間をあけて面し前記第三方向に延びた前記基板の端辺と、前記第二ファンとの間に位置され、前記第二ファンから離れるにつれて前記底壁から遠ざかるとともに前記端辺に近づく傾斜部を有し、
前記補強構造は、前記立壁として前記第二側壁と面した第一立壁を有し、
前記傾斜部と前記第一立壁との間には、前記第三方向に延びた配線通路が設けられた、電子機器。
【請求項2】
底壁と、前記底壁から当該底壁と交差した第一方向に延びた第一側壁と、前記底壁から前記第一方向に延びた前記第一側壁とは別の第二側壁と、前記底壁から前記第一方向に延び、該第二側壁と交差した第二方向に前記第二側壁と間隔をあけて平行に設けられた第三側壁と、を有した筐体と、
前記筐体に収容され、前記底壁と前記第一方向に間隔をあけて平行に設けられ、第一発熱体が実装された前記第一方向の第一面と、第二発熱体が実装され前記第一面とは反対側の第二面と、を有した基板と、
前記底壁と前記基板との間で前記底壁と平行に設けられ前記第一側壁と結合された第一端部を有した中間壁と、当該中間壁の前記第一端部とは反対側の第二端部から前記第一方向の反対方向に突出し前記底壁と結合された立壁と、前記底壁と前記中間壁との間に介在し前記第一方向に延びた複数の第一支柱と、前記中間壁を貫通した状態で前記底壁と前記基板との間に介在し前記第一方向に延びた複数の第二支柱と、を有した補強構造と、を備え、
前記第二側壁に取り付けられ、ハブと、前記第二方向に見た場合に当該第二方向に延びる回転中心回りに前記ハブの周囲を回転する複数のブレードと、を有し、当該ブレードの回転により前記ハブの回りの環状開口を介して前記筐体内へ空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第一ファンを備え、
前記第二発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向とは反対方向の第三端部よりも前記底壁に近い第一開口領域と重なるように配置され、
前記第一発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向の第四端部よりも前記回転中心から離れた第二開口領域と重なるように配置され、
前記第二側壁に取り付けられ、前記第一ファンの前記第三方向または前記第一ファンの前記第三方向の反対方向に位置され、前記筐体内に空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第二ファンと、
前記第一面に実装され、前記第二ファンと前記第二方向に並んだ第三発熱体と、
前記第二ファンと前記第三側壁に設けられた開口との間に亘って設けられ、前記基板の前記底壁とは反対側から前記第三発熱体を覆ったダクト部材と、を備え、
前記ダクト部材は、前記第二ファンと前記第二方向に隙間をあけて面し前記第三方向に延びた前記基板の端辺と、前記第二ファンとの間に位置され、前記第二ファンから離れるにつれて前記底壁から遠ざかるとともに前記端辺に近づく傾斜部を有し、
前記補強構造は、前記立壁として前記第二側壁と面した第一立壁を有し、
前記傾斜部と前記第一立壁との間には、前記第三方向に延びた配線通路が設けられた、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底壁を有した筐体と、筐体に収容され底壁と第一方向に間隔をあけて平行に設けられた基板と、底壁と基板との間で底壁と平行に設けられ基板を支持した中間壁を有した補強部材と、を備えた電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-148578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、基板の撓みをより抑制できる新規な構成が得られれば、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電子機器は、筐体と、基板と、補強構造と、を備える。筐体は、底壁と、底壁から当該底壁と交差した第一方向に延びた第一側壁と、前記底壁から前記第一方向に延びた前記第一側壁とは別の第二側壁と、前記底壁から前記第一方向に延び、該第二側壁と交差した第二方向に前記第二側壁と間隔をあけて平行に設けられた第三側壁と、を有する。基板は、筐体に収容され、底壁と第一方向に間隔をあけて平行に設けられ、第一発熱体が実装された前記第一方向の第一面と、第二発熱体が実装され前記第一面とは反対側の第二面と、を有する。補強構造は、底壁と基板との間で底壁と平行に設けられ第一側壁と結合された第一端部を有した中間壁と、当該中間壁の第一端部とは反対側の第二端部から第一方向の反対方向に突出し底壁と結合された立壁と、底壁と中間壁との間に介在し第一方向に延びた複数の第一支柱と、中間壁と基板との間に介在し第一方向に延びた複数の第二支柱と、を有する。さらに、実施形態の電子機器は、前記第二側壁に取り付けられ、ハブと、前記第二方向に見た場合に当該第二方向に延びる回転中心回りに前記ハブの周囲を回転する複数のブレードと、を有し、当該ブレードの回転により前記ハブの回りの環状開口を介して前記筐体内へ空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第一ファンを備え、前記第二発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向とは反対方向の第三端部よりも前記底壁に近い第一開口領域と重なるように配置される。また、前記第一発熱体は、前記第二方向に見た場合に、前記環状開口のうち前記ハブの前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向の第四端部よりも前記回転中心から離れた第二開口領域と重なるように配置される。さらに、実施形態の電子機器は、前記第二側壁に取り付けられ、前記第一ファンの前記第三方向または前記第一ファンの前記第三方向の反対方向に位置され、前記筐体内に空気を導入するかあるいは前記筐体外へ空気を排出する第二ファンと、前記第一面に実装され、前記第二ファンと前記第二方向に並んだ第三発熱体と、前記第二ファンと前記第三側壁に設けられた開口との間に亘って設けられ、前記基板の前記底壁とは反対側から前記第三発熱体を覆ったダクト部材と、を備える。そして、前記ダクト部材は、前記第二ファンと前記第二方向に隙間をあけて面し前記第三方向に延びた前記基板の端辺と、前記第二ファンとの間に位置され、前記第二ファンから離れるにつれて前記底壁から遠ざかるとともに前記端辺に近づく傾斜部を有し、前記補強構造は、前記立壁として前記第二側壁と面した第一立壁を有し、前記傾斜部と前記第一立壁との間には、前記第三方向に延びた配線通路が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態の電子機器の例示的な斜視図である。
図2図2は、実施形態の電子機器の例示的かつ模式的なYZ断面図である。
図3図3は、実施形態の電子機器のファンユニットの例示的な平面図である。
図4図4は、実施形態の電子機器のダクト部材の一部の例示的なXZ断面図である。
図5図5は、変形例の電子機器の例示的かつ模式的なYZ断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0008】
また、以下に開示される実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0009】
[実施形態]
図1は、電子機器1の斜視図である。なお、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、電子機器1の奥行(前後方向)に沿い、Y方向は、電子機器1の幅(左右方向)に沿い、Z方向は、電子機器1の高さ(上下方向)に沿う。Z方向は、第一方向の一例であり、X方向は、第二方向の一例であり、Y方向は、第三方向の一例である。
【0010】
図1に示されるように、電子機器1は、ラックマウント型の産業用コンピュータであり、補強構造3が設けられた筐体2を備えている。筐体2には、ファンユニット4や、基板5、補助記憶装置6、電源装置7、外部記憶装置8、RAID(redundant arrays of inexpensive disks)モジュール9、ダクト部材10等が収容されている。なお、電子機器1は、この例には限定されず、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機、映像表示制御装置、情報記憶装置等、基板5を備えた種々の電子機器1として構成することができる。
【0011】
図1に示されるように、筐体2は、Z方向に薄い直方体状の箱型に構成されている。筐体2は、底壁2aや、天壁2b(図2参照)、前壁2c、左壁2d、後壁2e、右壁2f等の複数の壁部を有している。底壁2aは、下壁等とも称され、天壁2bは、上壁等とも称される。また、前壁2c、左壁2d、後壁2e、および右壁2fは、側壁や周壁等とも称される。
【0012】
底壁2aおよび天壁2bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。底壁2aには、Z方向の反対方向に突出し、筐体2を不図示の棚や、机、台等の載置部から離間した状態に支持する複数の支持部が設けられている。また、底壁2aは、後述する補強構造3の補強プレート31とZ方向に貫通する複数の結合具35によって結合されている。結合具35は、ブラインドリベット等である。
【0013】
左壁2dおよび右壁2fは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。左壁2dは、底壁2aおよび天壁2bのY方向の端部の間に亘り、右壁2fは、底壁2aおよび天壁2bのY方向の反対方向の端部の間に亘っている。左壁2dは、後述する補強プレート31とY方向に貫通するブラインドリベット等の複数の結合具35によって結合されている。左壁2dは、第一側壁の一例である。
【0014】
前壁2cおよび後壁2eは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。前壁2cは、底壁2aおよび天壁2bのX方向の反対方向の端部の間に亘り、後壁2eは、底壁2aおよび天壁2bのX方向の端部の間に亘っている。前壁2cの内側には、後述するファンユニット4が取り付けられている。また、後壁2eは、後述する補強プレート31と不図示の結合具によって結合されている。前壁2cは、第二側壁の一例であり、後壁2eは、第三側壁および第一側壁の一例である。
【0015】
また、前壁2cには、吸気口2rと、複数の開口部2sと、が設けられている。吸気口2rは、ファンユニット4とX方向の反対方向に並んでいる。吸気口2rは、前壁2cに設けられた複数の小孔2r1が集まった部分として構成されている。開口部2sは、吸気口2rのY方向の反対方向にずれて設けられている。開口部2sは、補助記憶装置6および外部記憶装置8のそれぞれとX方向の反対方向に並んでいる。
【0016】
また、後壁2eには、排気口2kが設けられている。排気口2kは、後壁2eに設けられた複数の小孔2k1が集まった部分として構成されている。排気口2kは、RAIDモジュール9のヒートシンク9cや、基板5に実装されたヒートシンク11,12(図3,4参照)等と熱交換を行ったファンユニット4の冷却風(空気流)を筐体2外に排出可能である。
【0017】
また、筐体2は、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されている。具体的には、筐体2は、ケース21と、カバー22(図2参照)と、を有している。カバー22は、少なくとも、天壁2bと、左壁2dおよび右壁2fの一部(外側部分)と、を有している。カバー22は、底壁2a、前壁2c、左壁2d、後壁2e、および右壁2fによって囲まれ、Z方向に開放されたケース21の収容部2gを覆っている。なお、カバー22には、左壁2dと右壁2fとの間に亘った梁等が設けられうる。
【0018】
また、ケース21は、少なくとも、底壁2aと、左壁2dおよび右壁2fの一部(内側部分)と、前壁2cおよび後壁2eと、を有している。ケース21とカバー22とは、ねじ等の結合具によって互いに結合されている。筐体2は、ステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。
【0019】
図1に示されるように、補助記憶装置6は、筐体2内において、前壁2cと右壁2fとの間の隅部に位置されている。補助記憶装置6は、HDD(hard disk drive)や、SSD(solid state drive)等である。本実施形態では、三つの補助記憶装置6がY方向に互いに重ねられて並んでいる。補助記憶装置6は、それぞれのX方向の反対方向の端部が開口部2sから露出した状態で、前壁2cに固定されている。
【0020】
外部記憶装置8は、筐体2内において、補助記憶装置6とファンユニット4との間に位置されている。外部記憶装置8は、ODD(optical disk drive)等である。外部記憶装置8は、補助記憶装置6と同様に、X方向の反対方向の端部が開口部2sから露出した状態で、前壁2cに固定されている。
【0021】
電源装置7は、筐体2内において、後壁2eと右壁2fとの間の隅部に位置されている。言い換えると、電源装置7は、補助記憶装置6とX方向に間隔をあけて並んでいる。電源装置7は、当該電源装置7の内部を冷却する不図示のファン等を有している。
【0022】
基板5は、底壁2aとZ方向に間隔をあけて平行に設けられた四角形状の板状に構成されている。基板5は、筐体2内において、後壁2eと左壁2dとの間の隅部に寄せて位置されている。言い換えると、基板5の大きさは、底壁2aの大きさよりも小さい。基板5は、後述する補強構造3を介して底壁2aに支持されている。また、基板5および補強構造3は、電源装置7とY方向に並ぶとともに、ファンユニット4(前壁2c)とX方向に間隔をあけて並んでいる。基板5は、メイン基板や、第一基板、回路基板、制御基板等とも称されうる。
【0023】
RAIDモジュール9は、基板5に設けられた拡張スロット5cに装着されている。RAIDモジュール9は、左壁2dと間隔をあけて平行に設けられた基板9aを有している。基板9aは、ケース21内の収容部2gを、Y方向に仕切っている。基板9aは、サブ基板や、第二基板等とも称されうる。
【0024】
また、RAIDモジュール9は、基板9aのY方向の面に実装されたコントローラ9bと、コントローラ9bの基板9aとは反対側の面に取り付けられたヒートシンク9cと、を有している。コントローラ9bおよびヒートシンク9cは、ファンユニット4の少なくとも一部とX方向に間隔をあけて並んでいる。なお、基板5には、PCI(peripheral component interconnect)モジュール等が装着される複数の拡張スロット5dが設けられている。
【0025】
また、基板5のZ方向の上面5aには、PCH13(platform controller hub)や、後述するCPU14(central processing unit、図2,3参照)等の複数の電子部品が実装されている。基板5内の配線とこれら複数の電子部品とによって、電子機器1の制御回路の少なくとも一部が構成されている。
【0026】
PCH13の上面には、ヒートシンク11が取り付けられている。ヒートシンク11およびPCH13は、ファンユニット4の少なくとも一部とX方向に間隔をあけて並んでいる。ヒートシンク11は、互いに隙間をあけてX方向およびY方向に並んだ複数のフィンを有している。なお、CPU14(図3参照)の上面にもヒートシンク12が取り付けられている。CPU14は、PCH13のY方向の反対方向に位置されている。
【0027】
ダクト部材10は、PCH13とY方向の反対方向に間隔をあけて並ぶとともに、CPU14とZ方向に間隔をあけて並んでいる。言い換えると、ダクト部材10は、CPU14を基板5の底壁2aとは反対側から覆っている。ダクト部材10は、ファンユニット4と後壁2eに設けられた排気口2kとの間に亘って設けられている。排気口2kは、開口の一例である。
【0028】
次に、補強構造3についてより詳しく説明する。図2は、電子機器1の模式的なYZ断面図である。図2に示されるように、補強構造3は、補強プレート31と、複数のスタッド32および結合具36と、複数のスタッド33および結合具37と、を有している。なお、図2では、便宜上、ダクト部材10は、図示省略されている。
【0029】
補強プレート31は、中間壁31aと、立壁31bと、突出壁31cと、を有している。中間壁31aは、底壁2aと平行に設けられた四角形状の板状に構成されている。中間壁31aは、底壁2aと基板5との間に位置され、底壁2aおよび基板5のそれぞれと間隔をあけて面している。中間壁31aの大きさは、基板5の大きさと略同じかあるいは僅かに大きい。補強プレート31は、アルミニウム等の筐体2よりも軽量な金属材料によって構成されている。
【0030】
また、中間壁31aは、四つの端部(辺部)として左端部31a1、後端部31a2、右端部31a3、および前端部31a4を有している。後端部31a2は、筐体2の内側で後壁2eと当接し、ブラインドリベット等の不図示の結合具によって後壁2eと結合されている。後端部31a2は、第一端部の一例である。
【0031】
突出壁31cは、中間壁31aの左端部31a1に設けられている。突出壁31cは、中間壁31aからZ方向に突出し、X方向に延びている。突出壁31cは、筐体2の内側で左壁2dと重ねられ、上述した結合具35によって左壁2dと結合されている。左端部31a1は、第一端部の一例である。
【0032】
立壁31bは、中間壁31aの右端部31a3および前端部31a4(図4参照)のそれぞれに設けられている。立壁31bは、中間壁31aからZ方向の反対方向に突出し、かつ中間壁31aとは離れた位置で底壁2aに沿って屈曲している。立壁31bは、筐体2の内側で底壁2aと重ねられ、上述した結合具35によって底壁2aと結合されている。右端部31a3は、中間壁31aの左端部31a1とは反対側の第二端部の一例である。また、前端部31a4は、中間壁31aの後端部31a2とは反対側の第二端部の一例である。また、前端部31a4の立壁31b(図1,4参照)は、前壁2cと面した第一立壁の一例である。
【0033】
図2に示されるように、スタッド32は、底壁2aと中間壁31aとの間に介在し、Z方向に延びている。本実施形態では、底壁2aのY方向およびX方向に互いに間隔をあけて複数のスタッド32が設けられている。スタッド32は、第一支柱の一例である。なお、第一支柱は、筐体2とは別部材で構成されたスタッド32には限定されず、筐体2と一体に構成されたボス等であってもよい。
【0034】
また、スタッド32は、頭部32aと、軸部32bと、を有している。頭部32aは、軸部32bのZ方向の反対方向の端部と接続されている。頭部32aは、カシメ加工等によって底壁2aに圧入されている。なお、スタッド32は、この例には限定されず、頭部32aが中間壁31a側に圧入されてもよい。
【0035】
軸部32bは、頭部32aからZ方向に延びている。軸部32bの筒内には、結合具36の雄ネジ部と噛み合う雌ネジ部が設けられている。結合具36は、ネジやボルト等であり、中間壁31aをZ方向に貫通した状態で、軸部32bの雌ネジ部と結合されている。中間壁31aは、複数のスタッド32によって、底壁2aからZ方向に離間した状態で、底壁2aと平行に支持されている。
【0036】
スタッド33は、中間壁31aと基板5との間に介在し、Z方向に延びている。本実施形態では、中間壁31aのY方向およびX方向に互いに間隔をあけて複数のスタッド33が設けられている。また、複数のスタッド33は、Z方向に見た場合に、スタッド32とずれて位置されている。スタッド33は、第二支柱の一例である。
【0037】
また、スタッド33は、スタッド32と同様に、頭部33aと、軸部33bと、を有している。頭部33aは、軸部33bのZ方向の反対方向の端部と接続されている。頭部33aは、カシメ加工等によって中間壁31aに圧入されている。
【0038】
軸部33bは、頭部33aからZ方向に延びている。軸部33bの筒内には、結合具37の雄ネジ部と噛み合う雌ネジ部が設けられている。結合具37は、ネジやボルト等であり、基板5をZ方向に貫通した状態で、軸部33bの雌ネジ部と結合されている。基板5は、複数のスタッド33によって、中間壁31aからZ方向に離間した状態で、中間壁31aと平行に支持されている。
【0039】
そして、本実施形態では、基板5の上面5aとは反対側の下面5bに複数の電子部品15が実装されている。電子部品15は、後述するファンユニット4からの冷却風(空気流)によって冷却される。電子部品15は、第三発熱体の一例である。なお、第三発熱体は、基板5をZ方向に貫通した状態に設けられた拡張スロット5c,5dの下端部等であってもよい。
【0040】
次に、ファンユニット4についてより詳しく説明する。図3は、ファンユニット4の平面図である。図3に示されるように、ファンユニット4は、Y方向に並んだ二つのファン41,42を有している。ファン42は、ファン41のY方向の反対方向、すなわち左壁2dとは反対側に位置されている。ファン41は、第一ファンの一例であり、ファン42は、第二ファンの一例である。
【0041】
ファン41は、複数のブレード41aと、ハブ41bと、を有している。ハブ41bは、X方向に延びる回転中心Ax1(回転軸)を中心とした円筒状に構成されている。複数のブレード41aは、ハブ41bから回転中心Ax1の径方向の外方に突出し、回転中心Ax1回りの周方向に並んでいる。
【0042】
また、複数のブレード41aは、ハブ41bとファンユニット4のケーシングとの間に設けられた環状開口41cに位置されている。ファン41は、ブレード41aの回転中心Ax1回りの回転により、環状開口41cを介して筐体2内に空気を導入する吸気ファンである。なお、ファン41は、この例には限定されず、ブレード41aの回転中心Ax1回りの回転により、環状開口41cを介して筐体2外へ空気を排出する排気ファンであってもよい。
【0043】
そして、本実施形態では、上述した電子部品15が、X方向(図3の視線)に見た場合に、環状開口41cのうちハブ41bのZ方向とは反対方向の下端部41b1よりも底壁2aに近い開口領域41c1と重なるように配置されている。これにより、開口領域41c1からの冷却風(空気流)によって電子部品15の冷却性が高められている。下端部41b1は、第三端部の一例であり、開口領域41c1は、第一開口領域の一例である。
【0044】
また、本実施形態では、PCH13およびヒートシンク11が、X方向に見た場合に、環状開口41cのうちハブ41bのY方向の左端部41b2よりも回転中心Ax1から離れた開口領域41c2と重なるように配置されている。さらに、本実施形態では、RAIDモジュール9のコントローラ9bおよびヒートシンク9cについても、X方向に見た場合に、開口領域41c2と重なるように配置されている。
【0045】
これにより、ヒートシンク11,9c等がハブ41bとX方向に重なるように配置された場合と比べて、PCH13およびヒートシンク11、ならびにコントローラ9bおよびヒートシンク9cの冷却性が高められている。左端部41b2は、第四端部の一例であり、開口領域41c2は、第二開口領域の一例である。また、PCH13およびヒートシンク11、ならびにコントローラ9bおよびヒートシンク9cは、第一発熱体の一例である。
【0046】
ファン42は、ファン41と同様に、複数のブレード42aと、ハブ42bと、を有している。ハブ42bは、X方向に延びる回転中心Ax2(回転軸)を中心とした円筒状に構成されている。複数のブレード42aは、ハブ42bから回転中心Ax2の径方向の外方に突出し、回転中心Ax2回りの周方向に並んでいる。
【0047】
また、複数のブレード42aは、ハブ42bとファンユニット4のケーシングとの間に設けられた環状開口42cに位置されている。ファン42は、ブレード42aの回転中心Ax2回りの回転により、環状開口42cを介して筐体2内に空気を導入する吸気ファンである。なお、ファン42は、この例には限定されず、ブレード42aの回転中心Ax2回りの回転により、環状開口42cを介して筐体2外へ空気を排出する排気ファンであってもよい。
【0048】
ファン42は、CPU14およびヒートシンク12とX方向に並んでいる。本実施形態では、ファン42からの冷却風(空気流)は、後述するダクト部材10内をX方向に流れ、CPU14およびヒートシンク12を経由(通過)して、上述した後壁2eの排気口2kから排出される。これにより、CPU14およびヒートシンク12の冷却性が高められている。CPU14およびヒートシンク12は、第二発熱体の一例である。
【0049】
次に、ダクト部材10についてより詳しく説明する。図4は、ダクト部材10の一部のXZ断面図である。図4に示されるように、ダクト部材10は、底壁10aや、天壁10b、一対の側壁10c、二つの斜壁10d,10f等を有している。
【0050】
底壁10aおよび天壁10bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。天壁10bは、上述したファン42のZ方向の上端部と後壁2eとの間に亘って設けられ、ヒートシンク12のZ方向を覆っている。底壁10aは、ファン42のZ方向の反対方向の下端部と補強プレート31の前端部31a4との間に亘って設けられている。言い換えると、底壁10aのX方向の長さは、天壁10bのX方向の長さよりも短い。底壁10aは、筐体2の内側で底壁2aとZ方向に間隔をあけて面している。
【0051】
一対の側壁10cは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。側壁10cのうち一方は、ファン42のY方向の左端部と後壁2eとの間に亘って設けられ、ヒートシンク12のY方向を覆っている。また、側壁10cのうち他方は、ファン42のY方向の反対方向の右端部と後壁2eとの間に亘って設けられ、ヒートシンク12のY方向の反対方向を覆っている。なお、側壁10cには、それぞれ、補強プレート31および基板5が収容される切欠部10rが設けられている。切欠部10rは、側壁10cのZ方向の反対方向の下端部からZ方向に凹んでいる。切欠部10rは、逃げ穴や、凹部等とも称される。
【0052】
斜壁10dは、底壁10aと基板5のX方向の反対方向の前端部5fとの間に設けられている。斜壁10dは、ファン42からX方向に離れるにつれて底壁2a,10aから遠ざかるとともに前端部5fに近づくように傾斜している。また、斜壁10dは、一対の側壁10cの間に亘って設けられ、Y方向に延びている。斜壁10dは、ダクト部材10内で基板5よりもZ方向の反対方向を流れるファン42からの冷却風(空気流)を基板5に向けてガイドする。斜壁10dは、傾斜部の一例である。また、前端部5fは、ファン42とX方向に隙間をあけて面しY方向に延びた基板5の端辺の一例である。
【0053】
また、斜壁10dと補強プレート31の前端部31a4に設けられた立壁31bとの間には、隙間P1が設けられている。隙間P1は、斜壁10dに沿ってY方向に延びている。また、隙間P1には、配線保持部38が設けられている。配線保持部38は、略O字状のXZ断面を有し、上述した補助記憶装置6とRAIDモジュール9とを電気的に接続する不図示のケーブル等を、Y方向に沿った姿勢で保持することができる。配線保持部38は、立壁31bに接続部39を介して支持されている。隙間P1は、配線通路の一例である。
【0054】
斜壁10fは、天壁10bの内面に設けられるとともに、斜壁10dとX方向にオフセットして位置されている。斜壁10fは、ファン42からX方向に離れるにつれて天壁10bから遠ざかるとともに基板5に近づくように傾斜している。また、斜壁10fは、一対の側壁10cの間に亘って設けられ、Y方向に延びている。斜壁10fは、ダクト部材10内でヒートシンク12よりもZ方向を流れるファン42からの冷却風(空気流)を基板5に向けてガイドする。これにより、冷却風が天壁10bとヒートシンク12との間の隙間を通り、ヒートシンク12と熱交換を行わずに排出されるのが抑制されている。
【0055】
以上のように、本実施形態では、補強構造3は、底壁2aと基板5との間で底壁2aと平行に設けられ左壁2d(第一側壁)と結合された左端部31a1(第一端部)を有した中間壁31aと、中間壁31aの左端部31a1とは反対側の右端部31a3(第二端部)からZ方向(第一方向)の反対方向に突出し底壁2aと結合された立壁31bと、底壁2aと中間壁31aとの間に介在しZ方向(第一方向)に延びた複数のスタッド32(第一支柱)と、中間壁31aと基板5との間に介在しZ方向に延びた複数のスタッド33(第二支柱)と、を有する。
【0056】
このような構成によれば、電子機器1の設置時やメンテナンス時などにおいて、筐体2の左壁2dおよび右壁2f等を把持して持ち上げた場合等に、自重によって底壁2aおよび中間壁31aがZ方向の反対方向へ撓む、あるいは中間壁31aがスタッド32よりもZ方向の反対方向へ撓むのを抑制することができる。よって、中間壁31aにスタッド33を介して支持された基板5の撓みがより抑制されやすい。また、基板5の撓みをより確実に抑制できるため、基板5の下面5bにおけるスタッド33の周囲のスペースにより多くの電子部品15を実装できるという利点もある。
【0057】
また、本実施形態では、電子部品15(第二発熱体)は、X方向(第二方向)に見た場合に、ファン41(第一ファン)の環状開口41cのうちハブ41bの下端部41b1(第三端部)よりも底壁2aに近い開口領域41c1(第一開口領域)と重なるように配置され、PCH13およびヒートシンク11(第一発熱体)は、X方向に見た場合に、環状開口41cのうちハブ41bの左端部41b2(第四端部)よりも回転中心Ax1から離れた開口領域41c2(第二開口領域)と重なるように配置されている。
【0058】
このような構成によれば、ファン41の環状開口41cのうち開口領域41c1を利用して基板5の下面5bに実装された電子部品15の温度上昇をより効果的に抑制することができるとともに、開口領域41c2を利用して基板5の上面5aに実装されたPCH13およびヒートシンク11の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、電子機器1は、ファン41(第一ファン)のY方向(第三方向)とは反対方向に位置され、筐体2内に空気を導入するファン42(第二ファン)と、基板5の上面5a(第一面)に実装され、ファン42とX方向(第二方向)に並んだCPU14およびヒートシンク12(第三発熱体)と、ファン42と後壁2e(第三側壁)に設けられた排気口2k(開口)との間に亘って設けられ、基板5の底壁2aとは反対側からCPU14およびヒートシンク12を覆ったダクト部材10と、を備える。
【0060】
このような構成によれば、ダクト部材10が設けられない構成と比較して、CPU14およびヒートシンク12の温度上昇をより確実に抑制することができる。また、ファン42と後壁2eとの間に亘ったダクト部材10が梁として機能するため、底壁2aおよび中間壁31aのZ方向の反対方向へ撓み、ひいては中間壁31aに支持された基板5の撓みをより確実に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、ダクト部材10は、基板5の前端部5f(端辺)とファン42との間に位置され、ファン42から離れるにつれて底壁2aから遠ざかるとともに前端部5fに近づく斜壁10d(傾斜部)を有し、斜壁10dと補強プレート31の前端部31a4に設けられた立壁31b(第一立壁)との間には、Y方向に延びた隙間P1(配線通路)が設けられている。
【0062】
このような構成によれば、斜壁10dによって、ダクト部材10内で基板5よりもZ方向の反対方向を流れるファン42からの冷却風(空気流)を基板5に向けてガイドできるため、基板5に実装されたCPU14およびヒートシンク12等の温度上昇をより効果的に抑制することができる。また、斜壁10dと立壁31bとの間の隙間P1を有効に利用して、筐体2内に設けられたケーブルを配索することができる。
【0063】
[変形例]
図5は、変形例の電子機器1Aの断面図である。電子機器1Aは、上記実施形態の電子機器1と同様の構成を備えている。よって、電子機器1Aは、当該同様の構成に基づく上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0064】
ただし、本変形例では、図5に示されるように、補強構造3Aのスタッド33Aが中間壁31aをZ方向に貫通した状態で底壁2aと基板5との間に介在している点が、上記実施形態と相違している。スタッド33Aは、第二支柱の一例である。なお、第二支柱は、筐体2Aとは別部材で構成されたスタッド33Aには限定されず、筐体2Aと一体に構成されたボス等であってもよい。
【0065】
スタッド33Aは、底壁2aと基板5との間に介在し、Z方向に延びている。本変形例では、底壁2aのY方向およびX方向に互いに間隔をあけて複数のスタッド33Aが設けられている。また、複数のスタッド33Aは、Z方向に見た場合に、スタッド32Aとずれて位置されている。スタッド33Aの頭部33aは、カシメ加工等によって底壁2aに圧入されている。なお、スタッド33Aは、この例には限定されず、頭部33aが基板5側に圧入されてもよい。
【0066】
軸部33bは、頭部33aからZ方向に延びている。軸部33bの筒内には、結合具37の雄ネジ部と噛み合う雌ネジ部が設けられている。結合具37は、ネジやボルト等であり、基板5をZ方向に貫通した状態で、軸部33bの雌ネジ部と結合されている。基板5は、複数のスタッド33Aによって、中間壁31aからZ方向に離間した状態で、底壁2aおよび中間壁31aと平行に支持されている。
【0067】
また、中間壁31aと基板5との間の隙間は、上記実施形態の中間壁31aと基板5との間の隙間、すなわちスタッド33(図2参照)のZ方向の高さよりも小さく設定されている。これにより、補強構造3Aひいては筐体2AのZ方向の小型化(薄型化)が図られている。また、本変形例では、中間壁31aと基板5との間の隙間は、底壁2aと中間壁31aとの間に介在したスタッド32AのZ方向の高さよりも小さく設定されている。
【0068】
このように、本変形例によれば、スタッド33Aが底壁2aと基板5との間に介在するように設けられているため、基板5と中間壁31aとを互いにより近づけて配置することができる。よって、補強構造3Aひいては筐体2AをZ方向により小型に構成できるという利点がある。また、本変形例によっても、電子機器1Aの設置時やメンテナンス時などにおいて、筐体2Aの左壁2dおよび右壁2f等を把持して持ち上げた場合等に、自重によって底壁2aおよび中間壁31aがZ方向の反対方向へ撓むのを抑制することができる。よって、底壁2aにスタッド33Aを介して支持された基板5の撓みをより確実に抑制できる。
【0069】
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1,1A…電子機器、2…筐体、2a…底壁、2c…前壁(第二側壁)、2d…左壁(第一側壁)、2e…後壁(第三側壁、第一側壁)、2k…排気口(開口)、3,3A…補強構造、5…基板、5a…上面(第一面)、5b…下面(第二面)、5f…前端部(短辺)、10…ダクト部材、10d…斜壁(傾斜部)、11…ヒートシンク(第一発熱体)、12…ヒートシンク(第三発熱体)、13…PCH(第一発熱体)、14…CPU(第三発熱体)、15…電子部品(第二発熱体)、31a…中間壁、31b…立壁(第一立壁)、32,32A…スタッド(第一支柱)、33,33A…スタッド(第二支柱)、41…ファン(第一ファン)、41a…ブレード、41b…ハブ、41b1…下端部(第三端部)、41b2…左端部(第四端部)、41c…環状開口、41c1…開口領域(第一開口領域)、41c2…開口領域(第二開口領域)、42…ファン(第二ファン)、Ax1…回転中心、P1…隙間(配線通路)、X…第二方向、Y…第三方向、Z…第一方向。
図1
図2
図3
図4
図5