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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】クレーンおよびクレーン制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/22 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
B66C13/22 M
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018226374
(22)【出願日】2018-12-03
(65)【公開番号】P2020090332
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】桃井 康行
(72)【発明者】
【氏名】小田井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】家重 孝二
(72)【発明者】
【氏名】及川 裕吾
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-156976(JP,A)
【文献】特開2005-187209(JP,A)
【文献】実開平01-096488(JP,U)
【文献】特開2018-070341(JP,A)
【文献】特開2002-019605(JP,A)
【文献】特開2005-104665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンであって、
前記速度指令生成部が生成する前記速度指令は、停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンが前記第1の減速終了速度に達した時点において、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すために前記第1の減速終了速度から一旦加速して最大速度Vdmaxに達した時点から減速を行う第2速度パターンとで生成されており、
前記第2速度パターンの駆動時間T2は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、前記第2速度パターンにおける前記最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めるようにし、
前記クレーン制御部は、前記速度指令に従い前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーン。
【請求項2】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは三角波であって、
前記三角波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr-T1、
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*Vmax
により演算することを特徴とするクレーン。
ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:
前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第
1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、である。
【請求項3】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは三角波であって、
前記三角波の最高速度Vdmaxと時間幅T2は、
T2=π/wr-2*T1-2*θ01/wr
Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*A01
の演算により求められることを特徴とするクレーン。
ここで、
A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)、
θ0=atan(a/(b/wr))、
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4-2*Vmax^
2*cos(T1*wr)-2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0)+2
*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2)、
θ01=atan((-Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2
*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))
であり、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:急減速の減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、a:停止動作開始時の荷振れ量、b:停止動作開始時の荷振れ速度、である。
【請求項4】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは正弦半波であって、
前記正弦半波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr-T1、
Vdmax=(π^2-T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/
2))*Vmax、
により演算されることを特徴とするクレーン。
ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、である。
【請求項5】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記第2速度パターンは正弦半波であって、
前記正弦半波の時間幅T2と最高速度Vdmaxは、
T2=π/wr-2*T1-2*θ01/wr、
Vdmax=(π^2-T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/
2))*A01
により演算することを特徴とするクレーン。
ここで、
A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)、
θ0=atan(a/(b/wr))、
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4-2*Vmax^
2*cos(T1*wr)-2*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0)+2
*A0*T1*Vmax*wr^2*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2
)、
θ01=atan((-Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))
であり、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:前記吊荷の振子周期、L:前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離、g:重力加速度)、T1:前記第1速度パターンの減速時間、Vmax:停止動作開始時のトロリ速度、a:停止動作開始時の荷振れ量、b:停止動作開始時の荷振れ速度、である。
【請求項6】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記吊荷の荷振れ量および荷振れ速度を取得する荷振れ取得装置を有し、前記速度指令生成部は該荷振れ量および該荷振れ速度を前記速度指令の生成に利用することを特徴とするクレーン。
【請求項7】
請求項6記載のクレーンにおいて、
前記荷振れ取得装置は、前記吊荷の前記荷振れ量を計測する荷振れ量検出器と、前記荷振れ量から前記荷振れ速度を演算する荷振れ速度演算装置とで構成することを特徴とする
クレーン。
【請求項8】
請求項6記載のクレーンにおいて、
前記荷振れ取得装置は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離と前記クレーンの前記速度指令から前記荷振れ量および前記荷振れ速度を推定する荷振れ推定装置であることを特徴とするクレーン。
【請求項9】
請求項1記載のクレーンにおいて、
前記吊荷および前記クレーンの周辺の障害物を検出する障害物検出器と、
該障害物検出器の検出信号から前記障害物と前記吊荷および前記クレーンとが衝突する危険の有無を判定し、該衝突の危険がある場合に前記速度指令生成部に前記停止動作開始信号を出力する衝突判定装置と、を設けたクレーン。
【請求項10】
ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンの制御方法であって、
前記速度指令は、停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンが前記第1の減速終了速度に達した時点において、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すために前記第1の減速終了速度から一旦加速して最大速度Vdmaxに達した時点から減速を行う第2速度パターンとで生成されており、
前記第2速度パターンの駆動時間T2は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、前記第2速度パターンにおける前記最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めるようにし、
前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーン制御方法。
【請求項11】
請求項10記載のクレーン制御方法において、
前記第1速度パターンは減速度一定の減速であり、前記第2速度パターンは三角波または正弦半波であるクレーン制御方法。
【請求項12】
請求項10記載のクレーン制御方法において、
前記吊荷の荷振れ量および荷振れ速度を取得し、該荷振れ量および該荷振れ速度を前記速度指令の生成に利用することを特徴とするクレーン制御方法。
【請求項13】
請求項12記載のクレーン制御方法において、
前記荷振れ量を検出し、前記荷振れ速度は前記荷振れ量を微分演算して求めるクレーン制御方法。
【請求項14】
請求項12記載のクレーン制御方法において、
前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離と前記クレーンの前記速度指令から前記荷振れ量および前記荷振れ速度を推定演算して求めるクレーン制御方法。
【請求項15】
請求項10記載のクレーン制御方法において、
前記吊荷および前記クレーンの周辺の障害物を検出し、該検出した障害物検出信号から前記障害物と前記吊荷および前記クレーンとが衝突する危険の有無を判定し、該衝突の危険が有ると判定した場合に前記停止動作開始信号を出力するクレーン制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊荷を吊下げて搬送するクレーンおよびクレーン制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレーンの熟練作業者の高齢化や、クレーン設置台数の増加による人手不足に伴い、経験の浅い非熟練作業者がクレーンを運転(操作)する場合が増加している。非熟練作業者によるクレーン操作においては、障害物の位置や高さの見誤りや、周辺障害物の見落し、吊荷の荷振れなどのクレーンの挙動予測の未熟さ、クレーン操作に不慣れなための誤操作などが生じるリスクがある。このため、非熟練作業者によるクレーン操作では、熟練作業者のクレーン操作に比べ、吊荷と障害物の衝突や挟まれ等の事故発生が高くなりがちである。
【0003】
事故を防ぐ対策の一つとして、クレーンを速やかに安全に停止させることがあげられる。すなわち、停止時の荷振れを抑制しつつ、制動距離が短いことが望ましい。クレーンを急峻に停止させると、停止するまでにトロリが移動する制動距離は短いものの、大きな荷振れが発生する。荷振れを低減させるには減速時間を長くしたり、荷振れを抑制するための制御を加えればよいが、この場合、荷振れを抑制できるものの、制動距離が長くなるという問題がある。
荷振れを抑制しつつ、クレーンを停止する制御方法として、例えば、特許文献1の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-324960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によると、クレーンを停止動作開始時に、一度ノッチの投入あるいは機械的制動を行った後、その振れ周期の1/2後のタイミングで1回又は複数回の逆ノッチの投入又は機械的制動を行うか、その振れ周期の1/4後のタイミングで1回又は複数回の逆ノッチ投入又は機械的制動を行う、としている。この方法はノッチもしくは機械的制動による減速後に1回以上のノッチ(三角波速度パターン)に入れて荷振れを抑制しているが、1回の操作で確実に停止させるものではなく、結果、制動距離の低減を期待できるものではない。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、荷振れを抑制しながらも制動距離を短くすることが可能な、より安全性の高いクレーンおよびクレーンの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、その一例を挙げると、ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンであって、
前記速度指令生成部が生成する前記速度指令は、停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンが前記第1の減速終了速度に達した時点において、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すために前記第1の減速終了速度から一旦加速して最大速度Vdmaxに達した時点から減速を行う第2速度パターンとで生成されており、
前記第2速度パターンの駆動時間T2は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、前記第2速度パターンにおける前記最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めるようにし、
前記クレーン制御部は、前記速度指令に従い前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーンである。
【0008】
また、本発明の他の一例を挙げると、ロープの巻上巻下げにより吊荷を上下方向に移動させる巻上機と、該巻上機を有しており該吊荷を水平方向に移動させる水平移動装置と、該水平移動装置を制御するための速度指令を生成する速度指令生成部と、前記速度指令に従い前記水平移動装置の速度を制御するクレーン制御部とを有するクレーンの制御方法であって、前記速度指令は、停止動作開始信号による減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンが前記第1の減速終了速度に達した時点において、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すために前記第1の減速終了速度から一旦加速して最大速度Vdmaxに達した時点から減速を行う第2速度パターンとで生成されており、前記第2速度パターンの駆動時間T2は、前記ロープの回転中心から前記吊荷の重心までの距離Lと、前記第1速度パターンの駆動時間T1に基づいて求め、前記第2速度パターンにおける前記最大速度Vdmaxを前記前記第2速度パターンの駆動時間T2と、前記距離Lと、前記減速開始時の速度Vmaxに基づいて求めるようにし、前記減速開始時から前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を制御し、前記第1の減速終了速度に減速した時点からは前記第2速度パターンにより前記水平移動装置を制御するクレーン制御方法クレーン制御方法である。
【0009】
なお、ここで、上記の「ロープ」という用語は、ロープだけでなく、チェーン、紐、縄、ベルト、ケーブル等、荷物の吊下げに用いることができる道具全般を表すものとして定義する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、減速による荷振れを1回の加減速で打消すことができるので、荷振れを抑制しつつ制動距離を低減することが可能となり、クレーンの安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の対象とするクレーンの一例における機構を示す図である。
図2】本発明における実施例1のクレーンの構成を示す図である。
図3】実施例1で生成される速度パターンを示す図である。
図4】実施例1の動作例を説明する図である。
図5】本発明における実施例2のクレーンの構成を示す図である。
図6】実施例2の動作例を説明する図である。
図7】実施例2の動作例を説明する図である。
図8】実施例2の動作例を説明する図である。
図9】実施例2の動作例を説明する図である。
図10】実施例3の動作例を説明する図である。
図11】実施例3の動作例を説明する図である。
図12】実施例3の動作例を説明する図である。
図13】実施例3の動作例を説明する図である。
図14】実施例3の動作例を説明する図である。
図15】本発明における実施例4のクレーンの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明におけるクレーンのいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。
ここで、本発明は、吊荷を水平方向に移動可能なクレーン全般に有効であり、トロリにより吊荷を横行および走行させるクレーン(例えば、天井クレーン)はもちろん、横行又は走行のみを行うクレーン(例えば、アンローダ)においても適用できる技術である。つまり、本明細書において、「クレーン」という用語は、吊荷を水平方向に移動可能なすべての種類のクレーンを含む。
【0013】
また、クレーンで搬送する荷物(吊荷)は、ロープやチェーン等により吊下げられて搬送されるが、本発明においては荷物の吊下げに用いることができる道具であればなんでも良く、材質や形状等にも無関係である。そのため、上述したように、本明細書において「ロープ」という用語は、荷物の吊下げに用いる道具を総称する用語として記載している。すなわち、「ロープ」には、いわゆるロープだけでなく、チェーン、ベルト、ワイヤー、ケーブル、紐、縄、等が含まれる。
【0014】
<実施例1>
図1から図4を用いて、本発明における実施例1のクレーンを説明する。なお、各図において、同一機器(装置)には同一符号を付し、後の図の説明では既出の機器の説明は省略する場合がある。
【0015】
図1は、天井クレーンの機構の概略を示す図である。なお、本発明が天井クレーンに限定されないことは上述したとおりである。
【0016】
図1において、クレーン1は、建屋(図示せず)の両側の壁に沿って設けられたランウェイ2と、このランウェイ2の上面を移動するガーダ3と、ガーダ3の下面に沿って移動するトロリ4から構成される。トロリ4の下部には図示しない巻上機(ホイスト)が設けられており、これを用いてロープ5を巻上げ、または、巻下げることにより、ロープ5の先端のフック6を昇降させる。このフック6に直接ないしはワイヤー7を介して吊荷8を吊下げており、フック6の昇降に伴い、吊荷8が昇降する。すなわち、クレーン1は、ガーダ3の水平方向の移動(以下、単に「走行」と称する)とトロリ4の水平方向の移動(以下、単に「横行」と称する)により吊荷8を水平方向に移動させ、巻上機により吊荷8を垂直方向(上下方向)に昇降させることができる。この実施例では、このトロリ4による横行、ガーダ3による走行により、水平方向移動が行われる。この図1では、トロリ4とガーダ3が水平移動装置に該当する。本発明は吊荷を水平方向に移動する動作に関係するので、本発明の実施例1に関する以下の説明は横行と走行による水平方向移動の動作を中心に説明する。したがって、以下の実施例の説明において、吊荷の移動とは、トロリ4を駆動した移動(横行)、ガーダ3を駆動した移動(走行)のいずれか、あるいは両方を示す。
【0017】
図2は、本発明の実施例1におけるクレーンの構成を示す図である。図2では、説明を簡単にするためにトロリ4により横行するクレーン1を示しており、ガーダ3による走行は図では省略している。また、トロリ4とガーダ3を移動するためのモータ等の駆動部は省略している。
【0018】
図2において、10は、吊荷8を目的位置まで移動するために水平移動装置(ガーダ3とトロリ4)を制御する速度パターン等を生成する速度指令生成部であり、ここでは汎用の計算機を使用した例を示している。101は、内蔵しているプログラムやデータ等を用いて、速度パターンを生成するなどの演算処理を実行するMPU(マイクロプロセッシングユニット)である。102は、そのプログラムやデータ等を記憶するメモリである。103は、外部からのデータや信号の入力やMPUが演算処理した信号等を外部に出力するための入出力制御部である。104は、速度指令生成部10内の各構成機器の相互の信号やデータの授受を行うためのバスである。12はクレーン制御部であり、速度指令生成部10から出力される速度パターンを入力しトロリ4の水平方向移動(横行)速度を制御する。なお、図2では省略しているが、速度指令生成部10は、トロリ4だけでなく、走行制御する場合にはガーダ3の水平方向移動(走行)速度を制御する速度パターンを出力する。ガーダ3側ではこの速度パターンにより吊荷の水平方向移動(走行)速度が制御される。また、速度指令生成部10には、図示しないロープ長検出器の出力であるロープ長さL0と、同じく図示しない速度検出器から減速開始時点の速度Vmaxが入力される。なお、ロープ長L0および速度Vmaxが変動しない場合には、それらのデータをメモリ102に記憶しておけばよい。なお、9は障害物を示す。この障害物9は吊荷の搬送経路途中に常に存在するわけではないが、存在する可能性がある場合を想定したものである。
【0019】
次に、図2のクレーンの制御内容の詳細について説明する。図2において、操作者が操作入力装置100により吊荷の移動方向を指示すると、速度指令生成部10は指示された移動方向に対応した方向にガーダ3、トロリ4を移動させる速度指令を生成する。クレーン制御部は生成された速度指令に従いガーダ3、トロリ4を駆動して、吊荷8を水平方向に移動(この場合、横行)させる。
【0020】
水平方向の移動(横行、走行)を停止させる場合、操作者は操作入力装置100を使い停止動作開始信号11を速度指令生成部10に指示する。例えば、操作入力装置100に移動方向に対応した押しボタンが配置され、移動を開始するときは移動したい方向に対応するボタンを押し、停止させたい時はそのボタンを離すことにより操作する場合、押しボタンが離されたときに停止動作開始のトリガーとなる停止動作開始信号11が速度指令生成部10に入力される。または、別途設けられた停止ボタンや、外部機器から停止動作開始信号11が入力されるようにしてもよい。
【0021】
図3は、停止動作開始信号11が入力されたときに速度指令生成部10が生成する速度パターンの図である。停止動作開始信号11が入力されると、まず、ガーダ・トロリ速度を停止前のVmaxからVdminへ時間幅T1で減速する第1速度パターンが生成される。第1速度パターンに従いガーダ・トロリを駆動すると、吊荷の荷振れが発生する。この荷振れを打消すように、速度VdminからVdmaxへ加速した後に減速(加減速)して停止させる時間幅T2の第2速度パターンを生成する。これらの速度パターンは、次のような関係式により演算される。
【0022】
まず、クレーンの速度指令から荷振れ量までの伝達関数P(s)は次式で与えられる。

P(s)=-s/(s^2+wr^2)

ここで、wr=2*π/Tc=sqrt(g/L)(Tc:吊荷の振子周期、g:重力加速度、L:ロープの回転中心から吊荷の重心までの距離)である。なお、ロープの回転中心から吊荷の重心までの距離Lは、この実施例ではロープ長さL0に、フック位置からとワイヤーにより吊り下げられている吊荷の重心までの距離△Lを加算して求める。距離△Lは、予めメモリ102に記憶しておく。
第1速度パターンが時間tに関する関数v1(t)で与えられると、第1速度パターンを入力したときに発生する荷振れx1(t)は、v1(t)をラプラス変換してV1(s)を求め、X1(s)=P(s)*V1(s)を逆ラプラス変換することにより求めることができ、次式のように与えられる。

x1(t)=A1*sin(wr*t+θ1)
【0023】
第2速度パターンが時間tに関する関数v2(t)で与えられると、第2速度パターンを入力したときに発生する荷振れx2(t)は、v2(t)をラプラス変換してV2(s)を求め、X2(s)=P(s)*V2(s)を逆ラプラス変換することにより求めることができ、次式のように与えられる。

x2(t)=A2*sin(wr*t+θ2)

x1(t)をx2(t)で打消すためには、x1(t)とx2(t)の位相を一致させ、振幅を打消し合うようにすればよいので、

θ1=θ2、A1=-A2

を満たすようにすればよい。T1、Vdminはガーダ・トロリの性能により決められるパラメータなので、停止時にはVmax、wr、T1、VdminからT2、Vdmaxを計算すればよい。
なお、T1はできるだけ小さく、Vdminはできるだけ0近傍にすると、制動距離の短縮効果が大きくなる。
【0024】
第1速度パターンとして0近傍まで減速度一定で減速、第2速度パターンとして三角波を採用する。第1速度パターンで駆動したときに生じる荷振れの振幅A1、位相θ1は、次式のようになる。

A1=2*Vmax*sin(T1*wr/2)/(T1*wr^2)

θ1=-T1*wr/2
【0025】
また、第2速度パターンで駆動したときに生じる荷振れの振幅A2、位相θ2は、次式のようになる。

A2=-8*Vdmax*sin(T2*wr/4)^2/(T2*wr^2)

θ2=π/2-(T1+T2/2)*wr
【0026】
2つの荷振れを打消し合うようにするには、θ1=θ2、A1=-A2となるようにT2、Vdmaxを決定すればよい。

T2=π/wr-T1
【0027】

Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*Vmax
【0028】
図4は本実施例1の動作を説明する図であり、上から(a)はトロリ速度、(b)は吊荷位置、(c)は荷振れ量の時間的な推移を示している。時間t0は、停止操作開始時(停止動作開始信号11の出力時点)を示す。図4から分かるように、停止操作開始で減速を開始し、その後、三角波速度指令により駆動させることにより、減速により生じた荷振れが三角波速度指令により打消され、トロリが停止して以降の荷振れが抑制できていることが分かる。また、1回の三角波により停止できるので、複数回の操作を行う方法に比べ制動距離も短くすることができる。
【0029】
以上のように、この実施例1によれば、減速による荷振れを1回の加減速で打消すことができ、荷振れを抑制しつつ制動距離を低減することが可能となり、クレーンの安全性を高めることができる。
【0030】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通点についての重複説明は省略する。図5に本発明における実施例2のクレーンの構成を示す。図5において、図1および図2と同一機器には同一符号を付し説明を省略する。
【0031】
図5に示す実施例2において、図2に示す実施例1と大きく異なる点は、図5では吊荷の荷振れ量と荷振れ速度を取得する荷振れ量取得装置を有している点である。図2に示す実施例の場合、停止動作開始時には吊荷の振れは非常に小さい(あるいは吊荷の振れは無い)ものとして速度パターンを求めたが、図5ではその点を一般化し、停止動作開始時に吊荷の振れが存在する場合にも停止時に吊荷の振れを無くす速度パターンを求めている点で異なる。
【0032】
荷振れ取得装置は、吊荷の荷振れ量及び荷振れ速度を求める装置である。この実施例における荷振れ取得装置は、吊荷の荷振れ量を計測する荷振れ量検出器13と、計測された荷振れ量から荷振れ速度を演算する荷振れ速度演算装置とで構成している。荷振れ量検出器13は、例えばトロリに下向きに取付けたカメラや3次元レーザー距離センサによりフック6あるいは吊荷8の振れを観測(計測)することで実現できる。また、荷振れ速度演算装置は計測された荷振れ量に、例えば微分演算や疑似微分演算を行う。この実施例では、荷振れ速度演算装置は個別に設置するのではなく、速度指令生成部10の一つの機能として構成した。
【0033】
また、荷振れ取得装置は、荷振れ量検出器13により直接荷振れ量を検出しなくても、荷振れ量および荷振れ速度を推定する荷振れ推定装置を設け、ロープの回転中心から吊荷の重心までの距離L とクレーンの速度指令から荷振れ量および荷振れ速度を推定することで求めることができる。荷振れ推定装置の機能は、速度指令生成部10内で演算するように構成しても良い。荷振れ量および荷振れ速度の推定は、クレーンの速度指令をvt(t)、荷振れ量をx(t)とすると、こられをラプラス変換したVT(s)、X(s)は次式で計算することができる。

X(s)=P(s)*VT(s)
【0034】
したがって、荷振れ推定装置はvt(t)に対して伝達関数がP(s)で与えられるフィルター演算を行うことで荷振れ量を推定でき、得られた荷振れ量を微分することで荷振れ速度を推定することができる。
【0035】
上記の荷振れ取得装置により得られた停止動作開始時の荷振れ量をa、荷振れ速度をbとすると、停止動作開始前の荷振れx0(t)は次式のように与えられる。

x0(t)=A0*sin(wr*t+θ0)

ここで、

A0=sqrt(a^2+(b/wr)^2)

θ0=atan(a/(b/wr))

である。
【0036】
停止動作開始前に荷振れが生じていたときに第1速度パターンによる減速を行うと、それにより生じる荷振れx01(t)はx0(t)とx1(t)を重ね合わせたものであり、次式のように与えられる。

x01(t)=A01*sin(wr*t+θ01)
【0037】
ここで、
A01=sqrt(2*Vmax^2+A0^2*T1^2*wr^4-2*Vmax^2*cos(T1*wr)-2*A0*T1*wr^2*Vmax*sin(θ0)+2*A0*T1*wr^2*Vmax*sin(θ0+T1*wr))/(T1*wr^2)

θ01=atan((-Vmax+Vmax*cos(T1*wr)+A0*T1*wr^2*sin(θ0))/(A0*T1*wr^2*cos(θ0)+Vmax*sin(T1*wr)))

である。
【0038】
x01(t)を第2速度パターンにより生じる荷振れx2(t)で打ち消すには、θ01=θ2、A01=-A2、とすればよい。したがって、

T2=π/wr-2*T1-2*θ01/wr

Vdmax=(T2*wr^2)/(8*sin(T2*wr/4)^2)*A01

とすればよい。
【0039】
図6図9は、本発明の実施例2の動作を説明する図である。図6は、停止開始時の吊荷の位相がπ/2の場合の動作図である。図7は、停止開始時の吊荷の位相が-π/2の場合の動作図である。図8は、停止動作開始時の吊荷の位相が-πの場合の動作図である。図9は、停止動作開始時の吊荷の位相が0の場合の動作図である。
図6図9から分かるように、停止動作開始時の荷振れの位相が違っていても、減速により生じた荷振れが三角波速度指令により打消され、トロリが停止して以降の荷振れが抑制できている。
【0040】
以上のように、この実施例2のクレーンによれば減速による荷振れを1回の加減速で打消すことができ、荷振れを抑制しつつ制動距離を低減することが可能となり、クレーンの安全性を高めることができる。また、停止動作開始時に荷振れがあっても、停止時の荷振れを抑制することが可能となる。
【0041】
<実施例3>
次に、本発明の実施例3のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通点についての重複説明は省略する。この実施例3におけるクレーンの機器構成は、上記した図2又は図5に示す構成と同様であるが、実施例3では速度パターンにおける第2速度パターンに用いる波形が三角波でなく、正弦半波を用いている点で異なる。
【0042】
本実施例では第2速度パターンとして正弦半波を採用し、停止動作開始時の荷振れがないとしたとき(図2の場合)、第2速度パターンで駆動したときに生じる荷振れの振幅A2、位相θ2は次式のようになる。

A2=-2*π*T2*cos(T2*wr/2)/(π^2-T2^2*wr^2)*Vdmax

θ2=π/2-(T1+T2/2)*wr

したがって、この場合は、

T2=π/wr-T1

Vdmax=(π^2-T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*Vmax

とすれば、停止後の荷振れを抑制することができる。
【0043】
図10は、この実施例3において停止動作開始時の荷振れ量がない場合の動作状況を示す図である。図10から分かるように、減速により生じた荷振れが正弦半波速度指令により打ち消され、トロリが停止して以降の荷振れが抑制できている。
【0044】
また、停止動作開始時の荷振れを考慮し、第2速度パターンとして正弦半波を採用した場合(図5の場合)には、

T2=π/wr-2*T1-2*θ01/wr

Vdmax=(π^2-T2^2*wr^2)/(2*π*T2*cos(T2*wr/2))*A01

とすればよい。
【0045】
図11図14は、停止動作開始時の荷振れを考慮し、第2速度パターンとして正弦半波を採用した場合の動作状況を示す図である。図11は、停止開始時の吊荷の位相がπ/2の場合の動作図である。図12は、停止開始時の吊荷の位相が-π/2の場合の動作図である。図13は、停止動作開始時の吊荷の位相が-πの場合の動作図である。図14は、停止動作開始時の吊荷の位相が0の場合の動作図である。図11図14から分かるように、停止動作開始時の荷振れの位相が違っていても、減速により生じた荷振れが正弦半波速度指令により打消され、トロリが停止して以降の荷振れが抑制できている。
【0046】
以上のように、本発明の実施例3のクレーンによれば、減速による荷振れを1回の加減速で打消すことができるので、荷振れを抑制しつつ制動距離を低減することが可能となり、クレーンの安全性を高めることができる。
【0047】
さらに、クレーンの加速度が不連続に変化すると高い周波数の振れが生じる恐れがあるが、正弦半波を用いた場合には加速度が連続に変化させることができるので、より高い周波数の振れの場合でも吊荷の振れを低減することができる。なお、同様の考え方により、三角波、正弦半波以外にも第1速度パターンにより生じる荷振れを打消す第2速度パターンを決定することができる。
【0048】
<実施例4>
次に、本発明の実施例4のクレーンを説明する。なお、上述の実施例との共通内容についての重複説明を省略する。
【0049】
図15は、本発明における実施例4のクレーンの構成を示す図である。本実施例では、吊荷8やトロリ4、ガーダ3の周辺の障害物9を検出する障害物検出器14を有する。また、障害物検出器14の検出信号を入力し、障害物9と吊荷8、トロリ4、ガーダ3のいずれかが衝突する危険の有無を判定し、衝突する危険有と判定した場合に、速度指令生成部10に停止動作開始信号11を出力する衝突判定装置15を有する。
【0050】
障害物検出器14は、例えばトロリ4に下向きに取付けたカメラや3次元レーザー距離センサにより吊荷8周辺を観測することで、吊荷周辺の障害物を検出できる。衝突判定装置15は、検出された障害物と吊荷との衝突が予測された場合、速やかに停止動作開始信号11を出力する。速度指令生成部10は、この停止動作開始信号11を入力すると、上記した実施例と同様の速度パターンを生成する。すなわち、減速開始時の速度から第1の減速終了速度まで減速する第1速度パターンと、前記第1速度パターンにより前記水平移動装置を駆動した際に生じる荷振れを打消すような加減速を行う第2速度パターンとを生成する。そして、この生成された速度パターンをクレーン制御部12に出力し、ガーダ3、トロリ4の速度を制御してクレーンを停止させる。この制御動作により、吊荷と障害物との衝突や挟まれ事故を防ぐことができる。
【0051】
また、例えばトロリ4、ガーダ3に取付けた測長センサを使って壁やストッパー、同一レール上を走行する別のクレーンまでの距離を測定することで、クレーンが壁やストッパー、別クレーンとの衝突が予測でき、これらは予測されたときに速やかに停止動作開始信号を出力してクレーンを停止させれば、クレーンと壁やストッパー、別クレーンとの衝突や挟まれ事故を防ぐことが可能となる。
【0052】
以上説明した本発明の実施例4のクレーンによれば、減速による荷振れを1回の加減速で打消すことができるので、荷振れを抑制しつつ制動距離を低減することが可能となり、クレーンの安全性を高めることができる。さらに、衝突や挟まれ事故を防ぐことが可能となり、クレーンの安全性をより一層高めることができる。
【0053】
なお、本発明は上記したいくつかの実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…クレーン、2…ランウェイ、3…ガーダ、4…トロリ、5…ロープ、6…フック、7…ワイヤー、8…吊荷、9…障害物、10…速度指令生成部、11…停止動作開始信号、12…クレーン制御部、13…荷振れ量検出器、14…障害物検出器、15…衝突判定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15