(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】耐切断性、耐切裂き性および/または耐摩耗性の布帛、およびそれから作られる軽量保護衣類
(51)【国際特許分類】
A41D 31/24 20190101AFI20221219BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20221219BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20221219BHJP
A41D 31/04 20190101ALI20221219BHJP
A41D 31/14 20190101ALI20221219BHJP
D04B 1/14 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A41D31/24 100
A41D13/00 102
A41D31/00 502C
A41D31/00 503M
A41D31/04 B
A41D31/14
D04B1/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018242345
(22)【出願日】2018-12-26
(62)【分割の表示】P 2015226815の分割
【原出願日】2007-05-18
【審査請求日】2019-01-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2006-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508348509
【氏名又は名称】コルメス、ナタニエル
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ナタニエル・コルメス
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・エルトン・ドライバー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター・ゴードン・シュレイン
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】石田 智樹
【審判官】山崎 勝司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-54042(JP,A)
【文献】特開2003-306817(JP,A)
【文献】特開2003-147651(JP,A)
【文献】特開平6-65830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
A41D20/00
A41D31/00-31/32
D02G 1/00- 3/48
D02J 1/00-13/00
D04B 1/00- 1/28
D04B21/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の成形ニット布帛パネルから製造された衣類であって、
前記成形ニット布帛パネルは、10g/デニール超の靭性値を有する合成または天然の繊維を含
むヤーンである、少なくとも1つの
耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンを含み、
前記成形ニット布帛パネルは1000ないし
1600の耐切断性(ASTM-F1790-04によって測定されたものとして)、および0.95kg/m
2以下の布帛重量を持ち、
前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンは、高機能ヤー
ンまたは1つ以上の高機
能ヤーンを含むヤーンブレンドから選択される要素を含み、前記高機能ヤーンは、延伸鎖ポリエチレン、アラミド、および液晶性ポリエステルから選択され、
前記成形ニット布帛パネルはワイヤを含まない、
前記衣類は、シャツ、セーター、ベスト、下着、パンツ、ジャンプスーツ、ディッキー、
またはヘッドカバーである、衣類。
【請求項2】
前記布帛重量が0.24ないし0.95kg/m
2である、請求項1の衣類。
【請求項3】
前記衣類が、請求項1の前記1以上の成形ニット布帛パネルから全体的に作られる、請求項1の衣類。
【請求項4】
前記布帛重量が0.27ないし0.68kg/m
2である、請求項1の衣類。
【請求項5】
前記布帛重量が0.27ないし0.58kg/m
2である、請求項1の衣類。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
1. 発明の分野
本発明は、耐切断性、耐切裂き性および/または耐摩耗性の軽量保護布帛、およびそれから作られた衣類に関する。
【0002】
2. 背景の検討
多くの産業および職業において、耐切断性、耐切裂き性および/または耐摩耗性であり、しかも軽量かつ着用者に快適な保護衣類についての需要が存在する。HVAC換気シャフトを通って這い回るメンテナンス作業者から種々のスポーツイベントに参加する週末戦士まで、多くの個人が、彼らの日常生活を営むに際しての切傷および引掻きからの保護を必要としている。
【0003】
従来の衣類およびモジュラーシステムの典型的な例は、Gillenに対する米国公開第2004/0199983号、Cryeに対する米国特許第6,892,392号、Gravesに対する米国特許第6,698,024号、Bowenに対する米国特許第6,263,509号、Algerに対する米国特許第6,185,745号、Kibbeeに対する米国特許第6,182,288号、Rileyに対する米国特許第6,158,056号、Ostに対する米国特許第6,029,270号、Chenefrontに対する米国特許第5,894,600号、Gainerに対する米国特許第5,754,982号、Ostに対する米国特許第5,718,000号、Lurryに対する米国特許第5,717,999号、Bushに対する米国特許第5,673,836号、Luhtalaに対する米国特許第5,584,737号、Kibbeeに対する米国特許第5,495,621号、Widderに対する米国特許第5,072,453号、Lewisに対する米国特許第5,060,314号、Braunhutに対する米国特許第4,497,069号およびHerbertに対する米国特許第4,467,476号に開示され、その開示はここでそれら全体の参照によって組入れられる。
【0004】
しかしながら、これらの衣類および既知のこのような衣類は、多くの欠点に苛まれている。前記衣類は、衣類の着用者に対してしばしば十分なレベルの保護を提供することができず、容易に損傷され、着用者にとって扱いにくく、かつ快適でなく、それらを通しての通気がなされず、着用者の肌からの過剰な水蒸気を逃がすことができず、しばしば特殊な上着および下着の使用を要する。これらの特許における大抵のモジュラーシステムは、システムの他の部材に接続するための、中央ベスト部品の存在を要する。
【0005】
耐切断性、耐切裂き性および耐磨耗性布帛ならびに衣類を作製する際のさらなる問題は、高機能繊維を用いて十分な切断保護および切裂き保護を達成するために、前記衣類は典型的に、過剰に嵩高く、過剰に重くなり、前記繊維は、切断装置に高い代価をかけることなく必要なサイズおよび形状に容易に切断され得ないので、取り付けることが難しいということである。
【0006】
したがって、耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性である一方で軽量なままである布帛に対する需要が存在する。このような布帛から衣類またはカバーを作製する方法、ならびにそれから作られる衣類およびカバーに対する需要も存在する。
【0007】
発明の概要
既知の耐切断性、耐裂き性および/または耐磨耗性布帛の、これらの欠点または他の欠点を克服することが、本発明の1つの目的である。
【0008】
着用者に対して十分なレベルの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性を与えることができ、損傷に耐えることができ、軽量で、快適であり、それを通した通気が可能で、着用者の肌からの過剰な水蒸気を逃がすことができ、下着として肌に直接着用することができ、特殊な上着または下着を使用することなく街着もしくは制服の下に着込むことが可能な、耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性の衣類またはカバーを作製するための方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0009】
本発明のこれらの目的および他の目的は、1以上の成形ニット布帛パネルから製造された衣類であって、前記成形ニット布帛パネルは、10g/デニール超の靭性値を有する合成または天然の繊維を含む複合ヤーンである、少なくとも1つのヤーンを含み、前記成形ニット布帛パネルは少なくとも500の耐切断性(ASTM-F1790-04によって測定されたものとして)、および0.95kg/m2以下の布帛重量を持ち、前記成形ニット布帛パネルは、ガラス繊維または金属糸を含まず、前記衣類は、シャツ、セーター、ベスト、下着、パンツ、ジャンプスーツ、ディッキー、またはヘッドカバーである、衣類を使用することによって提供され得る。
【0010】
本発明のより完全な理解、および付随するその多くの利点は、それらが添付の図面と関連付けて考慮される場合に、以下の詳細な記載を参照することによって、より良く理解されるにつれて、容易に確認されかつ取得されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明によるセーターの模範的な態様である。
【
図2A】
図2Aは、
図1によるセーターをアセンブルするために使用され得る、本発明の好ましい態様による、成形
ニット布帛パネルを示す。
【
図2B】
図2Bは、
図1によるセーターをアセンブルするために使用され得る、本発明の好ましい態様による、成形
ニット布帛パネルを示す。
【
図2C】
図2Cは、
図1によるセーターをアセンブルするために使用され得る、本発明の好ましい態様による、成形
ニット布帛パネルを示す。
【0012】
発明の詳細な説明
ここで用いた用語「繊維」は、ヤーンおよび布帛のアセンブリに使用される基本成分のことを言う。一般に、繊維は、直径または幅よりもはるかに大きな長さ寸法を有する成分である。この用語は、規則的または不規則な断面を有するリボン、ストリップ、ステープル、ならびに他の細断、切断された、または不連続な繊維等の形態を含む。「繊維」は、上記したもののうちのいずれか1種の複数本、または上記したものの組合せも含み得る。
【0013】
ここで用いた用語「高機能繊維」は、10g/デニール超の高い靭性値を有する合成または天然の非ガラス繊維のクラスを意味し、高摩耗および/または切断耐性が重要である用途に適する。典型的に、高機能繊維は、最終繊維構造中に高度の分子配向性および結晶性を持つ。
【0014】
ここで用いた用語「フィラメント」は、絹において自然に認められるような不定長または極度に長い繊維を言う。この用語は、特に押出しプロセスによって製造される人造繊維のことも言う。繊維を形成する個々のフィラメントは、円形、鋸歯状、または小円鋸歯状(crenular)、豆形状、その他を含む種々の断面のいずれか1つを有し得る。
【0015】
ここで用いた用語「ヤーン」は、テキスタイル繊維、フィラメントまたは編み、織り、さもなければテキスタイル布帛を形成するための絡合に適切な形態の材料の連続ストランドを言う。ヤーンは、通常、撚ることによって結合されたステープル繊維からなるスパンヤーン、多くの連続フィラメントまたはストランドからなるマルチフィラメントヤーン、またはシングルストランドからなるモノフィラメントヤーンを含む種々の形態で存在し得る。
【0016】
用語「複合ヤーン」(または「エンジニアードヤーン(engineered yarn)」)は、同一または異なるものであり得る2つ以上のヤーン(または「経糸」)から作製されるヤーンを言う。複合ヤーンは種々の形態で存在し得、2つ以上の経糸を含む最終複合ヤーンが安定にアセンブルされるかぎり(すなわち、強いて分離されたり、または脱アセンブルされない限り、無傷のままであろう)、2つ以上の経糸は互いに対して異なる配向にある。例えば、2つ以上の経糸は平行で、一方が他方の周りに巻かれ、一緒に撚られ得るか、またはこれらの任意もしくは全ての組合せ、および所望される複合ヤーンの特性に依存した他の配向にもなり得る。好ましくは布帛への編みまたは織りを含むが、それに限定されない任意の所望されるプロセスによって布帛に成形され得る適切な複合ヤーンは、各々がKolmesに対する米国特許第4,777,789号, 米国特許第4,838,017号, 米国特許第4,936,085号, 米国特許第5,177,948号, 米国特許第5,628,172号, 米国特許第5,632,137号, 米国特許第5,644,907号, 米国特許第5,655,358号, 米国特許第5,845,476号, 米国特許第6,212,914号, 米国特許第6,230,524号, 米国特許第6,341,483号, 米国特許第6,349,531号, 米国特許第6,363,703号, 米国特許第6,367,290号および米国特許第6,381,940号に記載されるものであり、その各々の内容はここで参照によって組入れられる。複合ヤーンが知られる他の用語は、「エンジニアードヤーン」である。
【0017】
本発明は、ASTM-F1790-04(複合ヤーンに対する標準切断試験)による少なくとも500の耐切断性、および0.95kg/m
2
(27.9オンス/平方ヤード)以下の布帛重量を有する、成形ニット保護布帛、ならびに、それから作られた保護衣類およびカバーに関する。
【0018】
本発明の布帛パネルは、布帛に必要なレベルの耐切断性を与えるために十分な耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンを含み、布帛は、全ての内容が参照によりここに組入れられる、複合ヤーンに対する標準切断試験ASTM-F1790-04によって測定された少なくとも500の耐切断性を有する。これらの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンは任意の高機能ヤーン、複合ヤーン、1つ以上の高機能または複合ヤーンなどを含むヤーンブレンドであり得る。適切な高機能ヤーンは、延伸鎖ポリエチレン(SPECTRAまたはDYNEEMAのような)、アラミド(KEVLARのような)、および液晶性ポリエステル(VECTRANのような)を含むが、それに限定されない。布帛は、好ましくは500ないし6200、より好ましくは1000ないし6200の耐切断性を持つ。布帛は、好ましくは、単一の、または任意の他の天然もしくは合成繊維と組合わせて、1つ以上の複合ヤーンを含み得る。このような天然または合成繊維は、綿、ウール、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、酢酸セルロースなどを含むが、これに限定されない。
【0019】
本発明の布帛は、さらに0.95kg/m
2
(27.9オンス/平方ヤード(OPSY))以下の布帛重量、好ましくは0.24ないし0.95kg/m
2
(7ないし27.9OPSY)、より好ましくは0.27ないし0.68kg/m
2
(8ないし20OPSY)、最も好ましくは0.27ないし0.58kg/m
2
(8ないし17OPSY)の布帛重量を有し、着用に実用的であるに十分に軽量である布帛重量を持つ。
【0020】
本発明の保護衣類は、保護布帛から作られ、シャツ、ソックス、セーター、ベスト、下着、パンツ、ジャンプスーツ、ディッキー、およびヘッドカバーを含む任意の形態の衣類であり得る。本発明の保護衣類は、以下の、着用者の受傷の防止または低減、耐損傷性、および軽量構造を含む利点の1つ以上を提供し得る。本発明の好ましい態様において、保護衣類は、耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性の複合ヤーンから全体的に形成された布帛を含む。衣類は、布帛から衣類を作製するのに有用な任意の既知の方法により作られる。好ましくは、衣類は布帛の作製の間に成形編みによって作られる。成形編みは、衣類の種々のパネルが、編みプロセスの間にアセンブリのために必要な形状に直接成形されるプロセスである。これは本発明に好適である。なぜならば、本発明の布帛は耐切断性および耐切裂き性を有し、それ故に通常の布帛切断手段を用いて切断することは極めて難しいからである。布帛を切断することは可能だが、切断プロセスは、切断表面上で非常に困難なもので、切断装置の動作間のインターバルを著しく減じ、したがって稼動コストを増大させる。したがって、成形編みは、好ましくは本発明の衣類を作製するためにアセンブルされる布帛のパネルを作製するために使用される。これらのパネルは、その後衣類を形成するために一緒に結合される。パネルを互いに接続するために多くのタイプの縫目構造が使用され得る。これらのパネルは、それらの構築の間に成形されているので、着用者の肌に接する縫目によって与えられるより高い快適性および強度のためには、結束、襟のかがりまたはまつり縫いが最も好ましい。編物構造は、3, 4, 5, 6, 7, 8, 10, 12, 13, 14, 16および18ゲージのような種々のゲージであり得、本発明の文脈内で、用語「ゲージ」は、部品が編まれる具体的な機械におけるインチあたりの針数を意味する。一例として、18ゲージは通常、精密に織られる部品を作るのに対し、3ゲージ部材は通常、より粗い布帛となるであろう。
【0021】
好ましい態様において、布帛は衣類、または他のタイプの縫目の無いカバーに作製される。このような衣類またはカバーは、日本のShima Seikiによって販売される「ホールガーメント(WholeGarment)」機のような編み機、またはドイツのStoll Gmbh.のニット-トゥ-ウエア(Knit - To - Wear)機を用いて作製され得る。これらの衣類またはカバーは、任意の所望される構造を持ち得るが、典型的に、構造において実質的に管状ニットになり得るが、管状構造は、衣類を着用した場合、またはカバーが対象に用いられた場合に、付属物(appendage)が通過して突出し得る開口を持ち得る。本発明の布帛から作られたカバーは、ブックカバー、配線保護体、サック、およびスキューバの空気ホースカバー(またはソックス)を含むが、これに限定されない任意のタイプのカバーであり得る。
【0022】
例
模範的な態様として、布帛は以下のタイプのヤーンから作られる。
【0023】
ヤーン1:
コア:グラスファイバー♯450
ボトムカバー : 9.7ターン/インチ(tpi)で巻かれた215デニールのSPECTRA
ミドルカバー : 18.5 tpiで巻かれた70デニールのポリエステル(PET)
トップカバー : 16.3 tpiで巻かれた70デニールのポリエステル(PET)
ヤーン2:
コア1 : 9.9 tpiにて0.002in ワイヤで巻かれ、その後7.8 tpiで375デニールのSPECTRAのトップカバーによって巻かれたグラスファイバー♯225(コア2)と組合された36/1スパンポリエステル
コア1および2は配向において平行である
ボトムカバー : 7.5 tpiで巻かれた150デニールのポリエステル(PET)
トップカバー:5 tpiで巻かれた36/1スパンポリエステル
ヤーン3
コア1 : 650デニールのSPECTRA
コア2: 0.0035、0.003および0.003inのワイヤの3つの平行ストランド
コア1およびコア2は配向において平行である
ボトムカバー : 9.9 tpiで巻かれた1000デニールのポリエステル(PET)
トップカバー : 8.0 tpiで巻かれた1000デニールのポリエステル(PET)
ヤーン4
コア : 70デニールのLYCRA T-162C ( DuPontからの)
カバー : 7.8 tpiで巻かれた375デニールのSPECTRA
得られた布帛は、以下に示す耐切断性(ASTM-F1790-04により測定された)および布帛重量を持つ。
【0024】
【0025】
本発明により作製された衣類の例として、
図1はニットセーター構造の例を示す。セーターは、意図された着用者のサイズに依存して任意の所望される寸法を持つことができる。このようなサイズおよび必要とされる寸法は、当業者に周知である。例えば、
図1に示されるようなニットセーター(1)は、首穴(11)周りの典型的におよそ1インチ幅のリブ(10)、4 ~ 4.75インチのフロントネックドロップ、およびおよそ1インチのバックネックドロップを持つ。袖(12)は、端部にて典型的におよそ2.5インチ幅のリブ(13)を持つであろう。セータートルソの底は、同じくおよそ2.5インチ幅のリブ(14)を持つであろう。
【0026】
図2A~2Cは、
図1中のものと同様の好ましい態様のセーターを作製するために使用され得る、成形
ニット布帛パネルを示す。
図2Aは、
図1のようなセーターの袖を作製するために使用され得る、成形
ニットパネルを示す。袖は、成形されたパネルの右と左の端を縫目によって結合し、一方の端から他方の端に向けて先細り、その後より幅広の端がトルソパネルに接続される、実質的に円筒形の袖を形成することによって形成され得る。
図2Bは、セーターのフロントまたはバックパネル(主な違いはネックドロップの程度である)を形成するために使用され得る、成形
ニットパネルを示す。フロントパネルおよびバックパネルは、適当な端に沿って一緒に結合され首および袖および底穴のための開口を残す。
図2Cは、フロントおよびバックトルソパネルの結合によって形成される首穴に接続され得る
ニットリブ部分を示す。種々のパネルのサイズおよび寸法は、編物および裁縫の当業者にとって容易に把握され得る。
【0027】
本発明の数多くの追加の軽量および変形は、上記した技術に照らして可能である。それ故に、添付の請求項の範囲内で、本発明はここで具体的に記載されたもの以外でも実施され得ることが理解される。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]成形編地布帛パネルであって、
少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンを含み、前記成形編地布帛パネルは少なくとも500の耐切断性(ASTM-F1790-04によって測定されたものとして)、および27.9オンス/平方ヤード(OPSY)以下の布帛重量を持つ、成形編地布帛パネル。
[2]前記耐切断性が500ないし6200である、[1]の成形編地布帛パネル。
[3]前記布帛重量が7ないし27.9 OPSYである、[1]の成形編地布帛パネル。
[4]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが高機能ヤーンである、[1]の成形編地布帛パネル。
[5]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが複合ヤーンである、[1]の成形編地布帛パネル。
[6]1つ以上の[1]による成形編地布帛パネルから作られた、耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[7]前記衣類が、シャツ、ソックス、セーター、ベスト、下着、パンツ、ジャンプスーツ、ディッキー、およびヘッドカバーからなる群より選択される要素である、[6]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[8]前記耐切断性が500ないし6200である、[6]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[9]前記布帛重量が7ないし27.9 OPSYである、[6]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[10]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが高機能ヤーンである、[6]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[11]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが複合ヤーンである、[6]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[12][1]による成形編地布帛パネルから全体的に作られた耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性衣類。
[13]編地布帛から作製された耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のカバーであって、前記カバーは少なくとも500の耐切断性(ASTM-F1790-04によって測定されたものとして)、および27.9オンス/平方ヤード(OPSY)以下の布帛重量を持つカバー。
[14][13]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性カバーであって、前記カバーはブックカバー、配線保護体、サック、およびスキューバの空気ホースカバーからなる群より選択される要素であるカバー。
[15]前記耐切断性が500ないし6200である、[13]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性カバー。
[16]前記布帛重量が7ないし27.9 OPSYである、[13]による耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性カバー。
[17]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが高機能ヤーンである、[13]による耐切断性、耐切裂き性および耐磨耗性カバー。
[18]前記少なくとも1つの耐切断性、耐切裂き性および/または耐磨耗性のヤーンが複合ヤーンである、[13]による耐切断性、耐切裂き性および耐磨耗性カバー。