(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】作業機の油圧システム
(51)【国際特許分類】
F15B 11/044 20060101AFI20221219BHJP
F15B 11/16 20060101ALI20221219BHJP
E02F 9/22 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
F15B11/044
F15B11/16 B
E02F9/22 E
(21)【出願番号】P 2019008591
(22)【出願日】2019-01-22
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐史
(72)【発明者】
【氏名】本田 佳吾
(72)【発明者】
【氏名】田中 義実
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-106485(JP,A)
【文献】実開昭59-160661(JP,U)
【文献】特開昭61-294202(JP,A)
【文献】特開2018-053951(JP,A)
【文献】中国特許第101563508(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22;21/14
E02F 3/42- 3/43; 3/84- 3/85; 9/20- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油を貯留する作動油タンクと、
前記作動油タンクに貯留された作動油を吐出する油圧ポンプと、
第1油圧アクチュエータと、
第2油圧アクチュエータと、
第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、
前記油圧ポンプが吐出した作動油を前記第1制御弁に流す吐出油路と、
前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、
前記吐出油路より分流され前記第1制御弁を通過した作動油を、前記第2制御弁を介して前記作動油タンクへと流すため、前記第1制御弁と前記第2制御弁とを接続する中央油路と、
前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる第1戻り油路と、
前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御弁と、
前記第1戻り油路に設けられた前記第1油圧アクチュエータ側の第1分岐部及び前記第1制御弁側の第2分岐部に接続され、中途部に前記水平制御弁が接続されており、前記第1油圧アクチュエータより排出され前記第1戻り油路及び前記第1分岐部を介して前記水平制御弁に供給された戻り油を、前記第2分岐部を介して前記第1戻り油路に流すことを可能とするよう構成されたバイパス油路と、
前記第1戻り油路及び第1制御弁を通過した戻り油を前記第2制御弁に流す第2戻り油路と、
前記第2戻り油路における第1接続部に接続され、当該第2制御弁に向かう戻り油
の少なくとも一部を
前記作動油タンクへと排出可能な戻り排出油路と、
前記第2戻り油路に設けられ前記第1制御弁から前記第2制御弁に向かう戻り油が流れるのを許容し且つ前記第2制御弁から前記戻り排出油路に作動油が流れるのを阻止する第1逆止弁と、
を備え
、
前記第2戻り油路の中途部には、前記中央油路に接続される第2接続部が設けられており、
前記第1接続部は、前記第2戻り油路において、前記第2接続部よりも前記第1制御弁
に近い部分に設けられており、
前記第1逆止弁は、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けられている作業機の油圧システム。
【請求項2】
前記第1油圧アクチュエータは、ブームを作動させるブームシリンダであり、
前記第2油圧アクチュエータは、バケットを作動させるバケットシリンダであり、
前記水平制御弁は、前記バケットシリンダに、前記バケットの水平動作をさせる弁であり、
前記第1戻り油路は、前記ブームを上昇させた場合に前記ブームシリンダから排出された前記戻り油を流す油路である請求項1に記載の作業機の油圧システム。
【請求項3】
前記第1戻り油路において前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の区間に設けられた第2逆止弁を備え、
前記第2逆止弁は、前記第2分岐部から前記第1分岐部に作動油が流れるのを許容し、前記第1分岐部から前記第2分岐部に作動油が流れるのを阻止する請求項1
又は2に記載の作業機の油圧システム。
【請求項4】
前記第1戻り油路において前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の区間に設けられた作動弁を備え、
前記作動弁は、前記第1油圧アクチュエータから前記第1戻り油路に戻った戻り油を前記第1分岐部から前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流して前記水平動作をさせる第1状態と、前記戻り油を前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流さずに前記水平動作をさせない第2状態とに切り換え可能である請求項
1又は
2に記載の作業機の油圧システム。
【請求項5】
前記作動弁は、前記第2分岐部から前記第1分岐部に作動油が流れるのを許容し、前記第1分岐部から前記第2分岐部に作動油が流れるのを阻止する第2逆止弁を備えており、
前記作動弁は、前記第1状態にある時に前記第2逆止弁を機能させ、前記第2状態にある時には前記第2逆止弁を機能させず前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の作動油の流れを許容する請求項
4に記載の作業機の油圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機の油圧システムとして特許文献1が知られている。特許文献1の油圧システムは、油圧ポンプに接続されるアンロード通路と、タンクに接続されるタンク通路と、アンロード通路に接続され油圧ポンプから第1アクチュエータへの圧油の供給を制御する第1方向切換弁と、第1方向切換弁と第1アクチュエータとの間をつなぐ一対の第1給排通路と、第1方向切換弁よりも下流側でアンロード通路に接続され油圧ポンプから第2アクチュエータへの圧油の供給を制御する第2方向切換弁と、第2方向切換弁と第2アクチュエータとの間をつなぐ一対の第2給排通路とを具備してなり、第1アクチュエータを作動させると第1給排通路からアンロード通路へ圧油が戻る多連方向切換弁において、第1方向切換弁は、当該第1方向切換弁の上流側のアンロード通路と第1給排通路の一方とが連通しかつ第1給排通路の他方と当該第1方向切換弁の下流側のアンロード通路およびタンク通路とが連通する切換位置を備え、第1給排通路の他方とタンク通路とを連通させるタンク戻通路が第1方向切換弁に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機の油圧システムでは、第1方向切換弁を切換位置に切り換えた場合に、タンク戻通路と水平制御弁とが連通する構造になっているため、第1アクチュエータから第1方向切換弁に戻った戻り油が、タンク戻通路と水平制御弁との両方に供給されることになる。即ち、第1方向切換弁において、戻り油が分流して水平制御弁に供給されることから水平制御弁の動作が不安定になることがあった。
【0005】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、第1油圧アクチュエータから第1制御弁に戻った戻り油を第2制御弁に供給することが可能な作業機の油圧システムにおいて、水平制御弁を安定して作動させることができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明の作業機の油圧システムは、作動油を貯留する作動油タンクと、前記作動油タンクに貯留された作動油を吐出する油圧ポンプと、第1油圧アクチュエータと、第2油圧アクチュエータと、第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、前記油圧ポンプが吐出した作動油を前記第1制御弁に流す吐出油路と、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、前記吐出油路より分流され前記第1制御弁を通過した作動油を、前記第2制御弁を介して前記作動油タンクへと流すため、前記第1制御弁と前記第2制御弁とを接続する中央油路と、前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる第1戻り油路と、前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御弁と、前記第1戻り油路に設けられた前記第1油圧アクチュエータ側の第1分岐部及び前記第1制御弁側の第2分岐部に接続され、中途部に前記水平制御弁が接続されており、前記第1油圧アクチュエータより排出され前記第1戻り油路及び前記第1分岐部を介して前記水平制御弁に供給された戻り油を、前記第2分岐
部を介して前記第1戻り油路に流すことを可能とするよう構成されたバイパス油路と、前記第1戻り油路及び第1制御弁を通過した戻り油を前記第2制御弁に流す第2戻り油路と、前記第2戻り油路における第1接続部に接続され、当該第2制御弁に向かう戻り油の少なくとも一部を前記作動油タンクへと排出可能な戻り排出油路と、前記第2戻り油路に設けられ前記第1制御弁から前記第2制御弁に向かう戻り油が流れるのを許容し且つ前記第2制御弁から前記戻り排出油路に作動油が流れるのを阻止する第1逆止弁と、を備えている。前記第2戻り油路の中途部には、前記中央油路に接続される第2接続部が設けられている。前記第1接続部は、前記第2戻り油路において、前記第2接続部よりも前記第1制御弁に近い部分に設けられている。前記第1逆止弁は、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けられている。
【0007】
前記第1油圧アクチュエータは、ブームを作動させるブームシリンダである。前記第2油圧アクチュエータは、バケットを作動させるバケットシリンダである。前記水平制御弁は、前記バケットシリンダに、前記バケットの水平動作をさせる弁である。前記第1戻り油路は、前記ブームを上昇させた場合に前記ブームシリンダから排出された前記戻り油を流す油路である。
【0008】
前記の作業機の油圧システムは、前記第1戻り油路において前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の区間に設けられた第2逆止弁を備える。前記第2逆止弁は、前記第2分岐部から前記第1分岐部に作動油が流れるのを許容し、前記第1分岐部から前記第2分岐部に作動油が流れるのを阻止する。
【0009】
前記の作業機の油圧システムは、前記第1戻り油路において前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の区間に設けられた作動弁を備えている。前記作動弁は、前記第1油圧アクチュエータから前記第1戻り油路に戻った戻り油を前記第1分岐部から前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流して前記水平動作をさせる第1状態と、前記戻り油を前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流さずに前記水平動作をさせない第2状態とに切り換え可能である。
【0010】
前記作動弁は、前記第2分岐部から前記第1分岐部に作動油が流れるのを許容し、前記第1分岐部から前記第2分岐部に作動油が流れるのを阻止する第2逆止弁を備えている。
前記作動弁は、前記第1状態にある時に前記第2逆止弁を機能させ、前記第2状態にある時には前記第2逆止弁を機能させず前記第1分岐部と前記第2分岐部との間の作動油の流れを許容する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1油圧アクチュエータから第1制御弁に戻った戻り油を第2制御弁に供給することが可能な作業機の油圧システムにおいて、水平制御弁を安定して作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。
【
図2A】作業機の油圧システムの第1変形例を示す図である。
【
図2B】作業機の油圧システムの第2変形例を示す図である。
【
図2C】作業機の油圧システムの第3変形例を示す図である。
【
図2D】作業機の油圧システムの第4変形例を示す図である。
【
図3】作業機の油圧システムにおいて作動弁を設けていない例を示す図である。
【
図4】作業機として例示するスキッドステアローダの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
まず、作業機から説明する。
図4は、本発明に係る作業機の側面図を示している。
図4では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
【0014】
作業機1は、機体(車体)2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5A、5Bとを備えている。
機体2上にはキャビン3が搭載されている。キャビン3内の後部には運転席8が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(
図4の左側)を前方、運転者の後側(
図4の右側)を後方、運転者の左側(
図4の手前側)を左方、運転者の右側(
図4の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
【0015】
キャビン3は、機体2に搭載されている。作業装置4は、作業を行う装置で、機体2に装備されている。走行装置5Aは、機体2を走行させる装置であって、機体2の左側に設けられている。走行装置5Bは、機体2を走行させる装置であって、機体2の右側に設けられている。機体2内の後部には原動機7が設けられている。原動機7は、ディーゼルエンジン(エンジン)である。なお、原動機7は、エンジンに限定されず、電動モータ等であってもよい。
【0016】
運転席8の左側には、走行レバー9Lが設けられている。運転席8の右側には、走行レバー9Rが設けられている。左側の走行レバー9Lは、左側の走行装置5Aを操作するものであり、右側の走行レバー9Rは、右側の走行装置5Bを操作するものである。
作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ17とを有する。ブーム10は、機体2の側方に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。ブームシリンダ14は、ブーム10を上又は下に駆動する。
【0017】
詳しくは、リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、機体2の側方に設けられている。リフトリンク12の上部は、ブーム10の基部の上部に枢支されている。リフトリンク12の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。制御リンク13は、リフトリンク12の前方に配置されている。制御リンク13の一端は、ブーム10の基部の下部に枢支され、他端が機体2に枢支されている。
【0018】
ブームシリンダ14は、ブーム10を昇降する油圧シリンダである。ブームシリンダ14の上部は、ブーム10の基部の前部に枢支されている。ブームシリンダ14の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。ブームシリンダ14を伸縮すれば、リフトリンク12及び制御リンク13によってブーム10が上下に揺動する。バケットシリンダ17は、バケット11を揺動する油圧シリンダである。バケットシリンダ17は、バケット11の左部と左のブームとの間を連結すると共に、バケット11の右部と右のブームとの間を連結する。なお、ブーム10の先端(前部)には、バケット11の代わりに、油圧圧砕機,油圧ブレーカ,アングルブルーム,オーガー,パレットフォーク,スイーパー,モア,スノウブロア等の予備アタッチメントが装着可能とされている。
【0019】
走行装置5A,5Bは、本実施形態では前輪5F及び後輪5Rを有する車輪型の走行装置5A,5Bが採用されている。なお、走行装置5A,5Bとしてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置5A,5Bを採用してもよい。
次に、スキッドステアローダ1に設けられた作業系油圧回路(作業系油圧システム)について説明する。
【0020】
作業系油圧システムは、ブーム10、バケット11、予備アタッチメント等を作動させるシステムであって、
図1に示すように、複数の制御弁20と、作業系の油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)P1を備えている。また、第1油圧ポンプP1とは異なる第2油圧ポンプP2を備えている。
第1油圧ポンプP1は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。第2油圧ポンプP2は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第2油圧ポンプP2は、油圧システムにおいて、信号用の作動油、制御用の作動油を吐出する。信号用の作動油及び制御用の作動油のことをパイロット油という。
【0021】
複数の制御弁20は、作業機1に設けられた様々な油圧アクチュエータを制御する弁である。油圧アクチュエータとは、作動油によって作動する装置で、油圧シリンダ、油圧モータ等である。この実施形態では、複数の制御弁20は、ブーム制御弁20A、バケット制御弁20B、予備制御弁20Cである。
ブーム制御弁20Aは、ブーム10を作動する油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を制御する弁である。ブーム制御弁20Aは、直動スプール形3位置切換弁である。
ブーム制御弁20Aは、中立位置20a3、中立位置20a3とは異なる第1位置20a1、中立位置20a3及び第1位置20a1とは異なる第2位置20a2に切り換わる。ブーム制御弁20Aにおいて、中立位置20a3、第1位置20a1、第2位置20a2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、ブーム制御弁20Aの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。
【0022】
ブーム制御弁20Aと、第1油圧ポンプP1とは吐出油路27により接続されている。吐出油路27であって、ブーム制御弁20Aと第1油圧ポンプP1との間の区間には、作動油タンク15に繋がる排出油路24aが接続されている。排出油路24aの中途部にリリーフ弁(メインリリーフ弁)25が設けられている。第1油圧ポンプP1から吐出した作動油は、吐出油路27を通過してブーム制御弁20Aに供給される。また、ブーム制御弁20Aと、ブームシリンダ14とは、油路21で接続されている。
【0023】
詳しくは、ブームシリンダ14は、筒体14aと、筒体14aに移動自在に設けられたロッド14bと、ロッド14bに設けられたピストン14cとを備えている。筒体14aの基端部(ロッド14b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート14dが設けられている。筒体14aの先端(ロッド14b側)には、作動油を給排する第2ポート14eが設けられている。
【0024】
油路21は、ブーム制御弁20Aの第1ポート31とブームシリンダ14の第1ポート14dとを接続する第1接続油路21aと、ブーム制御弁20Aの第2ポート32とブームシリンダ14の第2ポート14eとを接続する第2接続油路21bとを有している。
したがって、ブーム制御弁20Aを第1位置20a1にすれば、第1接続油路21aからブームシリンダ14の第1ポート14dに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第2ポート14eから第2接続油路21bに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は伸長し、ブーム10は上昇する。ブーム制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第2接続油路21bからブームシリンダ14の第2ポート14eに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第1ポート14dから第1接続油路21aに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は収縮し、ブーム10は下降する。
【0025】
バケット制御弁20Bは、バケット11を制御する油圧シリンダ(バケットシリンダ)17を制御する弁である。バケット制御弁20Bは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。バケット制御弁20Bは、中立位置20b3、中立位置20b3とは異なる第1位置20b1、中立位置20b3及び第1位置20b1とは異なる第2位置20b2に切り換わる。バケット制御弁20Bにおいて、中立位置20b3、第1位置20b1及び第2位置20b2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、バケット制御弁20Bの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。
【0026】
バケット制御弁20Bと、バケットシリンダ17とは、油路22で接続されている。詳しくは、バケットシリンダ17は、筒体17aと、筒体17aに移動自在に設けられたロッド17bと、ロッド17bに設けられたピストン17cとを備えている。筒体17aの基端部(ロッド17b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート17dが設けられている。筒体17aの先端(ロッド17b側)には、作動油を給排する第2ポート17eが設けられている。
【0027】
油路22は、バケット制御弁20Bの第1ポート35とバケットシリンダ17の第2ポート17eとを接続する第1接続油路22aと、バケット制御弁20Bの第2ポート36とバケットシリンダ17の第1ポート17dとを接続する第2接続油路22bとを有して
いる。
したがって、バケット制御弁20Bを第1位置20b1にすれば、第1接続油路22aからバケットシリンダ17の第2ポート17eに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第1ポート17dから第2接続油路22bに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は収縮し、バケット11はスクイ動作する。バケット制御弁20Bを第2位置20a2にすれば、第2接続油路22bからバケットシリンダ17の第1ポート17dに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第2ポート17eから第1接続油路22aに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は伸長し、ダンプ動作する。
【0028】
なお、第1接続油路21a及び第2接続油路21bには、排出油路24cが接続されている。また、排出油路24cは、第1制御弁20Aの第1排出ポート33a及び第2排出ポート33bに接続されていて、作動油を排出部に排出可能である。なお、排出部は、作動油タンク、油圧ポンプの吸込部(作動油を吸い込む部分)である。排出部は、作動油が排出される部分であればよく、作動油タンク、油圧ポンプの吸込部以外であってもよく限定されない。
【0029】
また、排出油路24cには、リリーフ弁38が設けられている。リリーフ弁38の設定圧は、例えば、メインリリーフ弁25の設定圧よりも高く設定されている。なお、リリーフ弁38の設定圧を、メインリリーフ弁25の設定圧よりも低くすることにより、上流側の油圧アクチュエータを作動させ易くしてもよい。
予備制御弁20Cは、予備アタッチメントに装着された油圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ等)16を制御する弁である。予備制御弁20Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。予備制御弁20Cは、中立位置20c3、中立位置20c3とは異なる第1位置20c1、中立位置20c3及び第1位置20c1とは異なる第2位置20c2に切り換わる。予備制御弁20Cにおいて、中立位置20c3、第1位置20c1及び第2位置20c2の切換は、パイロット油の圧力によってスプールを動かすことによって行う。予備制御弁20Cには、給排油路83a、83bを介して接続部材18が接続されている。接続部材18には、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ(予備油圧アクチュエータ)16に接続された油路が接続される。
【0030】
したがって、予備制御弁20Cを第1位置20c1にすれば、給排油路83aから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。予備制御弁20Cを第2位置20c2にすれば、給排油路83bから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。このように、給排油路83a又は給排油路83bから油圧アクチュエータ16に作動油を供給することにより、当該油圧アクチュエータ16(予備アタッチメント)を作動させることができる。
【0031】
さて、油圧システムにおいては、シリーズ回路(シリーズ油路)が適用されている。シリーズ回路では、油圧アクチュエータから上流側の制御弁に戻った作動油が、下流側の制御弁に供給可能である。例えば、ブーム制御弁20Aと、バケット制御弁20Bとに着目すると、ブーム制御弁20Aが上流側の制御弁であり、バケット制御弁20Bが下流側の制御弁である。
【0032】
以下、上流側の制御弁を「第1制御弁」、下流側の制御弁を「第2制御弁」という。また、第1制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第1油圧アクチュエータ」、第2制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第2油圧アクチュエータ」という。第1油圧アクチュエータから第1制御弁に戻る作動油のことを戻り油という。この実施形態では、ブーム制御弁20Aが「第1制御弁」、バケット制御弁20Bが「第2制御弁」である。また、ブームシリンダ14が「第1油圧アクチュエータ」、バケットシリンダ17が「第2油圧アクチュエータ」である。
【0033】
作業系油圧システムは、連通油路69を備えている。連通油路69は、第1油圧アクチュエータ14から排出された戻り油を、第1制御弁20Aを経て第2制御弁20Bに供給可能する油路である。連通油路69は、第1戻り油路と、第2戻り油路61とを含んでいる。第1戻り油路は、第1油圧アクチュエータ14から排出された戻り油を第1制御弁2
0Aに流す油路であって、この実施形態では、第2接続油路21bである。以降、第2接続油路21bのことを「第1戻り油路」という。第1戻り油路21bは、第1制御弁(ブーム制御弁)20Aを第1位置20a1にして、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を伸長、即ち、ブームを上昇させた場合に、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14から排出された戻り油を、第1制御弁(ブーム制御弁)20Aに流すことができる油路である。
【0034】
第2戻り油路61は、第1制御弁20Aを通過した戻り油を第2制御弁20Bに流す油路である。第2戻り油路61は、第1制御弁20Aの第1出力ポート41aと第2制御弁20Bの第1入力ポート42aとを接続し、且つ、第1制御弁20Aの第2出力ポート41bと第2制御弁20Bの第2入力ポート42bとを接続している。第2戻り油路61の中途部(第2接続部)は、中央油路51に接続されている。
【0035】
第1制御弁20Aと第1油圧ポンプP1の吐出部とは、吐出油路27により接続されている。吐出油路27は接続部27aで分岐している。吐出油路27の分岐後の油路は、第1制御弁20Aの第1入力ポート46a及び第2入力ポート46bに接続されている。また、吐出油路27は、第1制御弁20Aの第3入力ポート46cに接続されている。したがって、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油は、吐出油路27、第1入力ポート46a、第2入力ポート46b、第3入力ポート46cを通じて、第1制御弁20A内に供給することが可能である。
【0036】
第1制御弁20Aと第2制御弁20Bとは、中央油路51により接続されている。中央油路51は、第1制御弁20Aの第3出力ポート41cと、第2制御弁20Bの第3入力ポート42cとを接続している。
さて、連通油路69は、当該連通油路69から分岐するバイパス油路82が設けられている。バイパス油路82は、第1戻り油路21bの中途部から分岐した油路であって、中途部に水平制御弁81が接続される油路である。連通油路69の第1戻り油路21bの中途部には少なくとも2以上の分岐部40a、40bが設けられ、分岐部40aには、バイパス油路82の一端が接続され、分岐部40bには、バイパス油路82の他端が接続されている。第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aと分岐部40bとの区間には、作動弁43が設けられている。この実施形態では、作動弁43が設けられているが、作動弁43は無くてもよい。
図3に示すように、作動弁43が設けられてない場合は、第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aよりも第1制御弁20A側に第2逆止弁85を設ける。例えば、作動弁43に対応する位置、即ち、第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aと分岐部40bとの間に、第2逆止弁85を設ける。第2逆止弁85は、第1制御弁20Aから第1油圧アクチュエータ14に作動油が流れるのを許容し、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに作動油が流れるのを阻止する弁である。
【0037】
水平制御弁81は、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17の水平動作を行う弁である。作動弁43は、第1位置43aと、第2位置43bとに切り換え可能な弁である。作動弁43が第1位置43aである場合、ポート71、72を連通し、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14から戻っていた戻り油を、第1制御弁20A側に流す。即ち、作動弁43が第1位置43aである場合、当該作動弁43は、戻り油をバイパス油路82及び水平制御弁81に流さない状態である。作動弁43が第2位置43bである場合、ポート71、72の連通を遮断する。即ち、作動弁43が第2位置43bである場合、当該作動弁43は、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14から戻っていた戻り油を、バイパス油路82及び水平制御弁81に流す状態である。言い換えれば、作動弁43は、戻り油を水平制御弁81に供給しないことによって水平動作を停止し、戻り油を水平制御弁81に供給することによって水平動作を作動させる弁である。なお、作動弁43は、バネによって第1位置43aに切り換えられ、ソレノイド43cを励磁することで第2位置43bに切り換えられる電磁切換弁である。なお、作動弁43は、手動等によって第1位置43aと第2位置43bとに切換可能な切換弁であってもよい。また、作動弁43は、切換弁でなくてもよく、比例弁であってもその他の弁であってもよい。また、作動弁43の切換(第1位置43aと第2位置43bとの切換)は、運転席8等の近傍
に設けられたスイッチ等により行うことができる。
【0038】
水平制御弁81は、第1切換弁44と、第2切換弁45とを有している。第1切換弁44は、第1位置44aと第2位置44bとに切換可能なパイロット切換方式の二位置切換弁である。第1切換弁44は、バイパス油路82に接続されている。バイパス油路82の作動油の圧力(戻り油の圧力)は、第1切換弁44の受圧部44cに作用する。
第2切換弁45は、第1位置45aと第2位置45bと第3位置45cとに切換可能なパイロット切換方式の三位置切換弁である。第1切換弁44と第2切換弁45とは、油路47a、47bにより接続されている。油路47aには、油路47cが接続され、油路47bには、油路47dが接続されている。油路47cと油路47dとは、油路47eにより繋がっていて、油路47eには、第2切換弁45の受圧部45dが接続されている。なお、第2切換弁45と第1接続油路22aとは油路48により接続されている。したがって、水平制御弁81が作動する場合には、油路47a、47bの作動油の圧力は、第2切換弁45の受圧部45dに作用する。
【0039】
バイパス油路82は、分岐部40aと第1切換弁44とを接続する油路49と、第1切換弁44と第2切換弁45と接続する油路47aと、油路47aに接続された油路47cと、油路47cと分岐部40bとを接続する油路84とを含んでいる。
したがって、第1位置43aである場合(水平動作オフの場合)には、第1制御弁20Aの切換によって、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を伸縮することができ、第2制御弁20Bの切換によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17を伸縮することができる。第2位置43bである場合(水平動作オンの場合)にすると、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14の伸長時、即ち、ブーム10の上昇時における第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14からの戻り油(ブーム戻り油という)が、作動弁43によって遮断される。ブーム戻り油は、分岐部40aから油路49に入り、第1切換弁44の受圧部44cに作用し、且つ、第2切換弁45の受圧部45dに作用する。そして、第1切換弁44及び第2切換弁45の切換によって、ブーム戻り油は、油路48を介して第1接続油路22aに作用する。その結果、ブーム戻り油によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17はダンプする、即ち、水平動作をする。
【0040】
また、第1切換弁44の油路47aを通過した戻り油は、油路47c及び油路84を通過して、第1戻り油路21bに流れ、第1制御弁20Aに向かって流れる。
作業系油圧システムは、戻り排出油路100を備えている。戻り排出油路100は、連通油路69を流れる戻り油の少なくとも一部を排出部に排出する油路である。戻り排出油路100は、連通油路69において、水平制御弁81が設けられた部分よりも第2制御弁20B側に接続された油路である。言い換えれば、連通油路69に着目した場合、戻り油が流れる上流側(第1油圧アクチュエータ14側)に、水平制御弁81が接続され、水平制御弁81の下流側(第2制御弁20B側)に、戻り排出油路100が接続されている。この実施形態では、戻り排出油路100は、連通油路69の第2戻り油路61に接続されている。具体的には、戻り排出油路100の一端は第2戻り油路61に接続され、他端は、排出油路24cに接続されている。戻り排出油路100には、絞り部101が接続されている。絞り部101は、例えば、戻り排出油路100の一部を他の部分よりも細くすることにより構成されている。言い換えれば、絞り部101は、戻り排出油路100において作動油が流れる部分の断面積を他の部分よりも小さくすることにより構成されている。なお、戻り排出油路100の構成は、前述した例に限定されない。
【0041】
第2戻り油路61には、第1逆止弁102が接続されている。第1逆止弁102は、第1制御弁20Aから第2制御弁20Bに向かう戻り油が流れるのを許容し且つ第2制御弁20Bから戻り排出油路100に作動油が流れるのを阻止する弁である。詳しくは、第1逆止弁102は、第2戻り油路61において、第2戻り油路61と戻り排出油路100とが接続する第1接続部110と、第2戻り油路61と第2制御弁20Bとが接続する第3接続部(第1入力ポート42a、第2入力ポート42b)との間の区間、さらには第1接続部110と前記第2接続部との間に設けられている。
【0042】
したがって、作動弁43が第1位置43aである場合(水平動作を停止している場合)において、第1制御弁20Aを第1位置20a1にすれば、第1戻り油路21bと第2戻り油路61とが連通する。そのため、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油は、第1戻り油路21bを通過して第2戻り油路61に流すことができる。上述したように、第2戻り油路61には、戻り排出油路100が接続されているため、戻り油の一部を戻り排出油路100に排出することができる。一方で、作動弁43が第2位置43bである場合(水平動作を作動させている場合)において、第1制御弁20Aを第1位置20a1にすれば、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油を、バイパス油路82を介して水平制御弁81に供給することができる。つまり、水平動作を作動させている場合において、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油を少なくとも、バイパス油路82を通じて水平制御弁81に流すため、水平制御弁81の動作を安定させることができる。
【0043】
また、第2戻り油路61に第1逆止弁102を設けているため、中央油路51の作動油の圧力と、第2戻り油路61から第2制御弁20Bに向かう作動油の圧力との関係によって、第2戻り油路61内の作動油が第1制御弁20Aに逆戻りをしてしまうことを防止することができる。
図2A~
図2Dは、作業系油圧システムの変形例を示している。
図2A~
図2Dにおいて、水平制御弁81は省略されているが、
図1と同様に、当該水平制御弁81は、分岐油路46に接続されていて、水平制御弁81等は
図1と同様であるため説明を省略する。
【0044】
図2Aに示す変形例では、第2戻り油路61は、第1出力ポート41aに接続された油路61aと、第2出力ポート41bに接続された油路61bと、油路61a及び油路61bに接続し且つ第2制御弁20Bに接続する油路61cとを含んでいて、油路61bに戻り排出油路100の一端が接続され、排出油路24cに戻り排出油路100の他端が接続されている。また、油路61bには第1逆止弁102が設けられている。
【0045】
図2Bに示す変形例では、作業系油圧システムは、少なくとも2つ以上(複数)の戻り排出油路100を有していて、一方の戻り排出油路100が油路61a及び排出油路24cに接続され、他方の戻り排出油路100が油路61b及び排出油路24cに接続されている。一方の戻り排出油路100及び他方の戻り排出油路100には、第1逆止弁102が設けられている。
【0046】
図2Cに示す変形例では、戻り排出油路100は、第1制御弁20Aの内部に設けられている。詳しくは、第1制御弁20Aは、当該第1制御弁20Aが第2位置20a2である場合に第1ポート31と第1出力ポート41aとを連通する油路(内部油路)62aを含んでいる。戻り排出油路100の一端は、内部油路62aに接続され、他端は、第1排出ポート33aに接続されている。なお、第1制御弁20Aは、当該第1制御弁20Aが第1位置20a1である場合に第2ポート32と第2出力ポート41bとを連通する油路(内部油路)62bを含み、当該内部油路62bに戻り排出油路100を設けてもよい。
図2Dは、
図2Cの変形例であって、油路61a及び油路61bに第1逆止弁102が設けられている。
【0047】
図2A~
図2Dのいずれの変形例であっても、少なくとも第1油圧アクチュエータ14からの戻り油の一部を、戻り排出油路100から排出油路24cに排出することができ、且つ、残りの戻り油を第2制御弁20Bに流すことができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。第1制御弁及び第2制御弁は上述した実施形態に限定されず、作業機に設けられた制御弁であれば何でもよい。上述した実施形態では、油圧ポンプは定容量ポンプであったが、例えば、斜板の変更によって吐出量が変化する可変容量ポンプであっても、その他の油圧ポンプであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 :作業機
10 :ブーム
11 :バケット
14 :ブームシリンダ(第1油圧アクチュエータ)
15 :作動油タンク
17 :バケットシリンダ(第2油圧アクチュエータ)
20A :第1制御弁(ブーム制御弁)
20B :第2制御弁(バケット制御弁)
21a :第1接続油路
21b :第1戻り油路(第2接続油路)
40 :分岐部
43 :作動弁
43a :第1位置
43b :第2位置
43c :ソレノイド
61 :油路(第2戻り油路)
69 :連通油路
81 :水平制御弁
82 :バイパス油路
85 :第2逆止弁
100 :戻り排出油路
101 :絞り部
102 :第1逆止弁
P1 :第1油圧ポンプ
P2 :第2油圧ポンプ