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特許7195954インライン製品検査システムのための回収箱、およびインライン製品検査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】インライン製品検査システムのための回収箱、およびインライン製品検査システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/10 20060101AFI20221219BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20221219BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20221219BHJP
   B65B 61/28 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
B65B57/10 E
B65B57/10 D
B65G47/46 C
B07C5/36
B65B61/28
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019015334
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2019177951
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】18154718.3
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511241516
【氏名又は名称】メトラー-トレド・セーフライン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(72)【発明者】
【氏名】ミハウ・カニア
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-026115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/10
B65G 47/46
B07C 5/36
B65B 61/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インライン製品検査システム(1)のための回収箱(2)であって、
前記検査システム(1)が、支持構造体(3)と、搬送コンベヤ(4)と、検査デバイス(5)と、排出デバイス(6)と、1つまたは複数の前記回収箱(2)とを備えており、
前記搬送コンベヤ(4)が、前記検査デバイス(5)を通る搬送経路(7)に沿って物品(8)を連続的に搬送し、
前記検査デバイス(5)は、前記物品(8)が移動している間に前記物品(8)を検査し、所与の検査基準に従って個々の物品(8)を選別し、
前記排出デバイス(6)が、前記検査デバイス(5)の下流の前記搬送経路(7)に配置されており、前記選別された物品(8)を、前記搬送コンベヤ(4)から排出し、
前記回収箱(2)は、前記回収箱(2)の後方側(9)が、前記搬送コンベヤ(4)に面し、前方側(10)が前記搬送コンベヤ(4)から離れる方向に面している状態で、前記搬送コンベヤ(4)の横方向に隣接して配置され、前記排出された物品(8)を受けるように位置決めされている、回収箱において、
前記回収箱(2)が、上部分(11)と下部分(16)に分けられた囲まれた区画として構成されており、
前記上部分(11)が、前記支持構造体(3)に固定して取り付けられており、シュート(11)を備えており、
前記シュートが、前記搬送コンベヤ(4)に面している前記シュート(11)の入口開口部(13)と、前記シュート(11)の下開口部(15)につながる下向きに傾斜した摺動表面(14)とを有しており、
前記排出された物品(8)を回収する上部開放受け部(16)を備えている前記下部分(16)は、
前記受け部(16)の開放上部(17)が前記シュート(11)の前記下開口部(15)に整合する閉位置と、
前記下部分(16)が、前記シュート(11)の前記下開口部(15)の下から出るように移動されることにより、前記回収された物品(8)が、前記受け部(16)から取り出されることが可能になる開位置との間で、
制限され案内されて移動する状態で、前記支持構造体(3)に拘束されており、
さらに、前記回収箱(2)が、前記上開口部(17)のリム区分において、ヒンジ軸(19)に沿って前記下部分(16)にヒンジ連結された閉鎖ゲート(18)を備えており、
前記リム区分は、前記閉位置から前記開位置への前記移動の後ろ側に位置しており、
前記閉鎖ゲート(18)は、前記下部分(16)が前記閉位置にあるときには、前記シュート(11)の前記傾斜した摺動表面(14)に重なる、または前記傾斜した摺動表面(14)の間に入れられるように構成され、前記下部分(16)が前記開位置にあるときには、前記傾斜した摺動表面(14)から滑り出て、前記シュート(11)の前記下開口部(15)を遮る位置に来るように構成されていることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項2】
請求項1に記載の回収箱(2)において、
前記下部分(16)が、前記下部分(16)の前記後方側(9)の下縁部において、傾斜軸(20)に沿って前記支持構造体(3)に回転可能にヒンジ連結されることにより
記下部分(16)は、
前記受け部(16)の前記開放上部(17)が前記シュート(11)の前記下開口部(15)に位置合わせされ、前記シュート(11)の前記傾斜した摺動表面(14)に前記閉鎖ゲート(18)が重なるまたはその間に入れられる直立した閉位置から、
前記下部分(16)が前記上部分(11)の下から離れるように傾斜することにより、前記受け部(16)に前記受け部(16)前記開放上部(17)からアクセスすることができ、前記シュート(11)の前記下開口部(15)が、前記閉鎖ゲート(18)によって遮られる開位置まで、
前記傾斜軸を中心として傾くことができることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項3】
請求項1に記載の回収箱(2)において、
前記下部分(16)が、前記上部分(11)および/または前記支持構造体(3)に固定して取り付けられた摺動トラック(21)で滑動する引出しとして構成されることで
記下部分(16)は、
前記受け部(16)の前記開放上部(17)が前記下開口部(15)または前記シュート(11)と位置合わせされ、前記閉鎖ゲート(18)が前記シュート(11)の前記傾斜した摺動表面(14)に重なるまたは前記傾斜した摺動表面(14)の間に入れられる閉位置から、
前記下部分(16)が前記上部分(11)の下から引き出されることにより、前記受け部(16)に前記開放上部(17)からアクセスすることができ、前記シュート(11)の前記下開口部(15)が、前記閉鎖ゲート(18)によって遮られる開位置に、
前向きに引き出されることが可能になることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の回収箱(2)において、
前記上部開放受け部(16)が、前記下部分(16)と一体化した容器ボックスを備えることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の回収箱(2)において、
前記上部開放受け部(16)が、前記下部分(16)に挿入されることが可能な、または前記下部分(16)に取り外し可能に取り付けることが可能な容器ボックスまたは容器バッグを備えることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の回収箱(2)において、
前記回収箱(2)は、前記回収された物品(8)が前記受け部の充填容量レベルを超えたときに過充填信号を生成するように動作可能である過充填警告センサを備えることを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項7】
請求項6に記載の回収箱(2)において、
前記過充填警告センサが、前記下部分(16)の正反対の位置に位置付けられた光エミッタ/センサと光反射体とを備えており、
前記回収された物品(8)が前記充填容量レベルを超えたときに、前記光エミッタ/センサによって発せられ前記光反射体によって反射された光ビームが、遮断されることにより、また、遮断され続けることにより、前記過充填警告センサが前記過充填警告信号を生成することを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項8】
請求項7に記載の回収箱(2)において、
前記過充填警告センサが、さらに機能検証センサとして使用され、
前記受け部(16)内に落ちる排出された物品に起因して前記光ビームが一時的に遮断されることによって、前記過充填警告センサが排出検証信号を生成し、
前記排出デバイス(6)の作動後に排出検証信号または過充填信号のないことが、前記排出デバイス(6)の動作不良、前記シュート(11)での物品の詰まり、または前記警告センサの故障を示すことを特徴とする、回収箱(2)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の1つまたは複数の回収箱(2)と、前記回収箱(2)に関連付けられた排出デバイス(6)とを備えている、インライン製品検査システム(1)。
【請求項10】
1つの回収箱(2)を備える請求項9に記載のインライン製品検査システム(1)において、
前記検査システム(1)が、二者択一式の物品(8)の受入れ/拒絶仕分けを実行するように動作可能であり、
受入れ可能な物品(8)が、前記搬送コンベヤ(4)上に残り、拒絶された物品(8)が、前記排出デバイス(6)によって前記搬送コンベヤ(4)から前記回収箱(2)に移動されることを特徴とする、インライン製品検査システム(1)。
【請求項11】
複数の回収箱(2)および関連付けられた排出デバイス(6)を備える請求項9に記載のインライン製品検査システム(1)において、
前記回収箱(2)および関連付けられた排出デバイス(6)が、前記検査された物品(8)の異なる属性クラスにそれぞれ割り当てられ、
前記検査デバイス(5)は、物品が属する前記属性クラスを判定し、前記物品は、前記判定に応じて、前記それぞれの回収箱(2)に方向付けられる、または、前記搬送コンベヤ(4)上に残され得ることを特徴とする、インライン製品検査システム(1)。
【請求項12】
請求項11に記載のインライン製品検査システム(1)において、
前記インライン製品検査システム(1)が、前記物品(8)を重量クラスに仕分けする重量分類器システムであることを特徴とする、インライン製品検査システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、インライン検査機器、すなわち典型的には生産および梱包ライン内の物品を検査するために使用されるシステムの分野に関する。これは、いかなる限定を示唆することもなく、例えば重量測定コンベヤスケール、金属検出器システム、またはX線スキャナシステムを含む。重量不足もしくは重量超過の物品を特定する、または梱包済みの食品もしくは医薬品の異物もしくは汚染物を検出するために使用されるこの種類の製品検査システムは、公知の先行技術に属する。典型的にはこの種類のシステムにおいて、ベルトコンベヤまたはカルーセルコンベヤなどの搬送コンベヤは、物品を検査装置に通すように搬送し、その検査装置において、物品は移動している間にスキャンおよび/または秤量される。
【背景技術】
【0002】
[0002]製品検査システムは、通常、検査デバイスの下流に配置され検査基準に満たなかった物品を取り除く役割を果たす排出機構を含み、またはそれに動作可能に連結されており、それによりラインの下流に続く物品の流れには受入れ可能な物品だけが含まれるようにする。排出機構は、排出された物品を搬送コンベヤから出るように移動させ、その後の検査、廃棄、または他の特別な処置に備えて別個のロケーションに区分けする。典型的には本発明の場合のように、排出された物品は、搬送コンベヤから横向きに押しのけられて回収箱に入れられ、そこでその後の処理に備えて一時的に保持される。
【0003】
[0003]製品検査システムは、二者択一式の物品の受入れ/拒絶仕分けを行うことができ、または製品検査システムは物品を3つ以上のクラスに仕分けすることができる。後者の場合には、例えば、物品を搬送コンベヤから、著しい重量不足、かろうじて重量不足、かろうじて重量超過、著しい重量超過に対応した異なる回収箱に押し入れ、受入れ可能な物品は搬送コンベヤ上に残った状態にするために、複数の排出デバイスを使用することができる。
【0004】
[0004]実験室バイアルの自動充填およびハンドリングシステムの例が、US2005/0133729A1に記述されている。「シャッカー(shucker)」デバイスが、拒絶バイアルをコンベヤカルーセルから拒絶シュート上に押し出し、それによりバイアルが回収箱の中に落ちる。
【0005】
[0005]正確な着色について小さい物品を検査し、拒絶された物品を区分けするためのシステムが、US3,750,881に記述されている。検査された物品は、受け入れられた物品のための箱につながる傾斜したシュートを滑り落ちる。拒絶物品がシュートを下りるときに、拒絶物品は、圧縮空気を吹き付けられることによってメインシュートから横向きに方向変更されて拒絶シュートに入り、それによりその物品が拒絶シュートを滑り落ちて回収箱に入る。
【0006】
[0006]別の例として、WO2011/068478A1では、集積回路ユニットを検査および仕分けするためのシステムならびに方法であって、ユニットのバッチが1つの検査ステーションから別の検査ステーションに保持フレーム内で一緒に搬送されるシステムおよび方法が記述されている。ユニットは、それぞれのユニットをそれぞれの検査結果に応じて「良品」箱、「再加工」箱、または「拒絶」箱に入れるピッキング機構によってハンドリングされる。
【0007】
[0007]先行技術のさらなる例として、重量測定器および金属検出器を有するインライン製品検査システムが、DE10357982A1の図2に記述され示されている。送り出しコンベヤベルトに沿って、すなわち重量測定器および金属検出器の下流に、2つの拒絶機構が配置されており、その一方は重量超過/重量不足の物品用であり、他方は金属汚染された物品用である。拒絶機構は、拒絶された物品をコンベヤベルトから横向きに移動させて、横方向に配置された回収箱に入れる。
【0008】
[0008]先行技術の前述した例のすべては、回収箱を装着することができる製品検査システムを示しているが、本発明は特に、すぐ上のパラグラフで記述したタイプの製品検査システムのための回収箱であって、拒絶された物品が、例えば空気圧により作動するプッシュラム、経路内に振れる方向変更バリア、圧縮空気の噴射、またはコンベヤ経路の横断方向に作用する任意の他の適切な排出手段によって、コンベヤ経路から横向きに押され、拒絶された物品が、コンベヤ経路の横方向に配置されている回収箱に受けられる、回収箱を対象としている。
【0009】
[0009]排出された物品で回収箱が一杯になった時点で、回収箱を空にする必要がある。しかし作業員が箱から物品を取り除いている間にコンベヤラインが停止されない限り、回収箱を空にしている間にさらなる物品が搬送経路から排出されてくる可能性がある。したがって、箱の中に手を伸ばしている人に、排出された物品が当たる恐れがあるので、潜在的に危険な状況が生じる。排出の速度が速いこと、および物品の重量が5kgにもなる可能性があることを考慮すると、この状況には労働災害を防止するための効果的な対策が必要であることは明らかである。
【0010】
[0010]また、例えばシュート内または排出デバイス内で詰まった物品を解放するために、オペレータが回収箱を開け、またはそれを取り外して、シュート内に手を伸ばす場合には、排出デバイスまたはベルトコンベヤの動いている機械部分により負傷する、およびX線スキャナシステムの場合には、検査区画から排出デバイスおよび排出シュートの領域に漏れ出てくる迷放射線に対する暴露により負傷するというさらなるリスクが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】US2005/0133729A1
【文献】US3,750,881
【文献】WO2011/068478A1
【文献】DE10357982A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[0011]したがって、本発明の目的は、検査システムの動作中に回収箱を開けるまたは取り除くことに関連付けられたオペレータの負傷のリスクを未然に防ぐ回収箱のための概念を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0012]このタスクは、独立請求項1に記載の回収箱によって解決される。本発明の有利な実施形態、および詳細な特徴は、従属請求項に記載される。
[0013]本発明により想定される包括的なタイプの回収箱は、支持構造体、搬送コンベヤ、検査デバイス、排出デバイス、および1つまたは複数の前記回収箱を含むインライン製品検査システムにおいて使用されるように設計され、搬送コンベヤは、検査デバイスを通る搬送経路に沿って物品を連続的に搬送する役割を果たし、検査デバイスは、物品が移動している間にそれらの物品を検査し、所与の検査基準に従って個々の物品を選別する役割を果たし、排出デバイスは、検査デバイスの下流の搬送経路に配置され、選別された物品を搬送コンベヤから排出する役割を果たし、前記回収箱は、搬送コンベヤの横方向に隣接して配置され、回収箱の後方側が搬送コンベヤの方向に面し、前方側が搬送コンベヤから離れる方向に面した状態で、排出された物品を受けるように位置付けられている。
【0014】
[0014]本発明により特許請求される回収箱は、上部分と下部分に分けられた囲まれた区画として構成されている。上部分は、支持構造体に固定して取り付けられており、シュートを含んでおり、シュートは、搬送コンベヤに面しているシュートの入口開口部と、シュートの下開口部につながる下向きに傾斜した摺動表面とを有している。排出された物品を回収する役割を果たす上部開放受け部を含む下部分は、受け部の開放上部がシュートの下開口部に整合する閉位置と、下部分が、シュートの下開口部の下から出るように移動され、それにより回収された物品を受け部から取り出すことができる開位置との間で、制限され案内されて移動する状態で、支持構造体に拘束されている。特に、回収箱は、上開口部のリム区分において、ヒンジ軸に沿って下部分にヒンジ連結された閉鎖ゲートを含んでおり、前記リム区分は、閉位置から開位置への前記移動の後ろ側に位置しており、閉鎖ゲートは、下部分が閉位置にあるときには、シュートの傾斜した摺動表面に重なる、またはその間に入れられるように設計され、下部分が開位置にあるときには、傾斜した摺動表面から滑り出て、シュートの下開口部を遮る位置に来るように設計されている。
【0015】
[0015]閉位置から開位置への下部分の移動が、シュートの下開口部を同時に遮ることと機械的に結合されていることから、排出された物品は、下部分が開位置にある限り上部分に引き留められ、それにより排出された物品による上述した負傷のリスクが回避される。さらに、シュートの下開口部を遮ることによって、閉鎖ゲートは、オペレータがシュートを通して排出デバイスおよび搬送コンベヤに手を伸ばし、それにより動いている機械部分により、および/またはX線スキャナシステムの場合には、検査区画から排出デバイスおよび排出シュートの領域に漏れ出てくる迷放射線に対する暴露により、負傷するというリスクが生じることを防止するための安全バリアとしても機能する。
【0016】
[0016]本発明による回収箱の有利な実施形態では、閉位置と開位置の間で下部分が制限され案内されて移動することは、下部分を、下部分の後方側の下縁部において、傾斜軸に沿ってヒンジを介して支持構造体に連結することによって実現され、それにより、下部分は、受け部の開放上部が下開口部またはシュートに位置合わせされ、シュートの傾斜した摺動表面に閉鎖ゲートが重なるまたはその間に入れられる直立した閉位置から、下部分が上部分の下から離れるように傾斜し、それにより、受け部にその開放上部からアクセスすることができ、シュートの下開口部が閉鎖ゲートによって遮られる開位置まで、前記傾斜軸周りに傾くことができる。
【0017】
[0017]あるいは、閉位置と開位置の間で下部分が制限され案内されて移動することは、上部分および/または支持構造体に固定して取り付けられている摺動トラック内で滑動する引出しとして下部分が構成されている実施形態においても、有利に実現することができる。これにより、下部分を、閉位置から開位置に前向きに引き出すことが可能になる。この場合も、本発明の概念に即して、受け部の開放上部がシュートの下開口部に位置合わせされる閉位置に下部分があるときには、閉鎖ゲートはシュートの傾斜した摺動表面に重なるまたはその間に入れられ、下部分が上部分の下から引き出されて、それにより受け部にその開放上部からアクセスすることができる開位置に下部分があるときには、シュートの下開口部が閉鎖ゲートによって遮られる。
【0018】
[0018]本発明の好ましい実施形態では、排出された物品が回収される上部開放受け部は、下部分と一体化した容器ボックスとして構成される。
[0019]本発明の別の有利な実施形態では、排出された物品が回収される上部開放受け部は、下部分に挿入されることが可能な、またはそれに取り外し可能に取り付けることが可能な容器ボックスまたは容器バッグとして構成される。
【0019】
[0020]有利な追加的な特徴として、回収箱に過充填警告センサを装着することができる。過充填警告センサは、例えば下部分の正反対の位置に位置付けられた光エミッタ/センサと光反射体とを用いて実現することができ、回収された物品が受け部内で十分な高さに積み上がったときに、光エミッタ/センサによって発せられ光反射体によって反射された光ビームが、遮断され、かつ遮断され続け、それにより過充填警告センサが過充填警告信号を生成する。
【0020】
[0021]さらに有利な特徴として、過充填警告センサは、機能検証センサとしてさらに使用されることが可能である。上述したエミッタ/センサ/反射体の配置において、受け部内に落ちる排出された物品に起因して光ビームが一時的に遮断されることによって、過充填警告センサが排出検証信号を生成し、その一方で、排出デバイスの作動後に排出検証信号または過充填信号のないことは、排出デバイスの動作不良、シュート内での物品の詰まり、または警告センサの故障を示す。
【0021】
[0022]上の記述による実施形態の回収箱に加えて、本発明の範囲は、本明細書において記述され特許請求される1つまたは複数の回収箱が装着された任意のインライン製品検査システムも含む。
【0022】
[0023]1つの回収箱および関連付けられた排出デバイスを有するインライン製品検査システムは、一般的に二者択一式の物品の受入れ/拒絶仕分けを実行するために使用され、受入れ可能な物品は搬送コンベヤ上に残り、拒絶された物品は排出デバイスによって搬送コンベヤから回収箱に移動される。
【0023】
[0024]複数の回収箱および関連付けられた排出デバイスを有するインライン製品検査システムは、物品を異なる属性クラスに仕分けするために使用することができる。それぞれの回収箱および関連付けられた排出デバイスは、異なる属性クラスに割り当てられる。検査デバイスは、物品が属する属性クラスを判定し、物品はそれに応じて、それぞれの回収箱に方向付けられる、または搬送コンベヤ上に残される。例えば、物品を異なる重量クラスに仕分けする重量分類器システムとして、移動中重量測定システムを動作させることができる。
【0024】
[0025]本発明による回収箱が、図面に概略的に示されている実施形態を通して以下に記述され、1つの図面から次の図面において同一である要素には、同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】回収箱の下部分が閉位置にある状態の、インライン製品検査システムに設置された本発明による回収箱の斜視図である。
図2】回収箱の下部分が開位置にある状態の、図1の回収箱の斜視図である。
図3】半分開いた位置にある回収箱の下部分の代替的な構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0026]図1は、支持下部構造体3を有する搬送コンベヤ4の側部に対して横方向に設置された回収箱2を有する、インライン製品検査システム1、例えば金属検出システムの一部分を示している。この場合ベルトコンベヤである搬送コンベヤ4は、矢印の頭が搬送方向を示している破線によって表された搬送経路7に沿って、検査デバイス5を通るように物品8を移動させる。この検査デバイス5は、ここではプッシュラム6により表されている排出デバイス6によって回収箱2に方向付けられるべき物品8を特定し、そのプッシュラム6は、選別された物品8を搬送経路7から横方向に移動させて回収箱2に入れる。回収箱2は、上部分11と下部分16に分けられる。上部分11は、入口開口部13、下向きに傾斜した摺動表面14、および下開口部15を有するシュート11として構成されている。下部分16は、上部開放容器16として構成されており、または上部開放容器16を挿入物として含むことができる。図1は、閉位置にある回収箱2を示しており、容器16の開放上部17が、シュート11の下開口部15に整合している。ヒンジ軸19に沿って下部分の後方リム区分にヒンジ連結されている閉鎖ゲート18は、ここでは平行なバーのグリッドとして実現され、閉位置では、リブ付き摺動表面14の対応したチャネル内で静止している。
【0027】
[0027]図2では、回収箱2の下部分16は開位置にある、すなわち傾斜軸20周りに前向きに傾斜している。ヒンジ軸19に沿って下部分にヒンジ連結されている閉鎖ゲート18の平行なバーは、リブ付き摺動表面14のチャネルから引き出されており、このときにシュート11の下開口部15を遮り、それにより排出された物品は、下部分16が開位置にある限り、上部分11内に引き留められる。
【0028】
[0028]図3は、回収箱2の代替的な実施形態を示しており、下部分16は、上部分11および/または下部構造体3に取り付けることができる滑動トラック21上を移動する引出し16として構成されている。この図において引出し16は開位置に向かって前方に半分引き出されており、ヒンジ軸19に沿って引出し16にヒンジ連結されている閉鎖ゲート18は、傾斜した摺動表面14の下に途中まで摺動している。図3内の他の要素はすべて、すでに上で網羅していることから、それらの記述は同じままであり、したがってここでは繰り返されない。
【0029】
[0029]本発明は、いくつかの具体的な実施形態を提示することによって記述されているが、本発明の教示に基づいて、例えば個々の実施形態の特徴を互いに組み合わせることによって、および/または実施形態の個々の機能的ユニットを互いに交換することによって、多数の追加的な変形形態を展開することができることが、自明であると考えられる。例えば、回収箱の下部分が制限され案内されて移動することは、図に示された傾斜する受け部または引出し状の受け部以外のやり方でも実現することができるということが、関連分野の当業者には明らかであろう。別の例として、平行なバーのグリッドとして図に示されている閉鎖ゲートは、シュートの同じく平坦な傾斜した摺動表面上に重なる単純な平板として実現することもできる。したがって、すべてのそのような変形形態および組合せは、本発明の範囲内にあると考えられることが、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1 インライン製品検査システム
2 回収箱
3 支持構造体
4 搬送コンベヤ
5 検査デバイス
6 排出デバイス
7 搬送経路および搬送方向
8 物品
9 後方側
10 前方側
11 回収箱2の上部分、シュート
13 上部分11の入口開口部
14 下向きに傾斜した摺動表面
15 上部分11の下開口部
16 回収箱2の下部分、上部開放受け部
17 下部分16の開放上部
18 閉鎖ゲート
19 ヒンジ軸
20 傾斜軸
21 引出し滑動トラック
図1
図2
図3