(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20221219BHJP
D06F 33/37 20200101ALI20221219BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F33/37
(21)【出願番号】P 2019018054
(22)【出願日】2019-02-04
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 範史
(72)【発明者】
【氏名】根岸 昭博
(72)【発明者】
【氏名】杉本 淳一
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127339(JP,A)
【文献】特表2018-514333(JP,A)
【文献】特開2017-070539(JP,A)
【文献】特開2018-042770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
D06F 33/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の運転コースを実行可能な洗濯機であって、
洗濯物を収容する洗濯槽と、
前記洗濯槽内に洗濯処理剤を自動的に投入する自動投入装置と、
前記自動投入装置によって前記洗濯槽内に投入される洗濯処理剤を収容する処理剤タンクと、
前記処理剤タンク内に収容されている洗濯処理剤の量を検出するタンク検出部と、
複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのユーザ操作を受け付ける操作部と、
報知部と、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記タンク検出部によって検出された洗濯処理剤の量が、前記操作部が受け付けたユーザ操作によって選択された運転コースにおいて必要とされる洗濯処理剤の量未満であると判断した場合は、洗濯処理剤が不足していることを示す不足情報が報知されるように前記報知部を制御
し、
前記操作部が受け付けたユーザ操作によって選択された運転コースが開始されるタイミングで前記不足情報が報知されるように前記報知部を制御し、
前記処理剤タンク内に洗濯処理剤を追加することを要求する追加要求情報が前記不足情報と共に報知されるように前記報知部を制御し、前記追加要求情報が報知されてから所定時間が経過した場合、または、選択された運転コースを開始するためのユーザ操作を前記操作部が受け付けた場合は、選択された運転コースを開始する、洗濯機。
【請求項2】
前記制御部は、運転コースを選択するためのユーザ操作を前記操作部が受け付けたタイミングで前記不足情報が報知されるように前記報知部を制御する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記洗濯槽内に収容されている洗濯物の重量を検出する重量検出部を更に備えており、
前記制御部は、前記タンク検出部によって検出された洗濯処理剤の量が、前記重量検出部によって検出された洗濯物の重量に応じて必要とされる洗濯処理剤の量未満であると判断した場合は、前記不足情報が報知されるように前記報知部を制御する、請求項1
又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記洗濯槽内に収容されている洗濯物を撮像する撮像部を更に備えており、
前記制御部は、前記タンク検出部によって検出された洗濯処理剤の量が、前記撮像部によって撮像された洗濯物の画像に基づいて特定される洗濯物の重量に応じて必要とされる洗濯処理剤の量未満であると判断した場合は、前記不足情報が報知されるように前記報知部を制御する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記制御部は、前記タンク検出部によって検出された洗濯処理剤の量が、予め設定された洗剤の種類に応じて必要とされる洗濯処理剤の量未満であると判断した場合は、前記不足情報が報知されるように報知部を制御する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯槽内に収容されている水の状態を検出する状態検出部を更に備えており、
前記制御部は、選択された運転コースが開始された場合は、その後に前記状態検出部によって検出された水の状態に基づいて前記洗濯槽内に洗濯処理剤を追加で投入するか否かを判断する、請求項1から
5のいずれか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯槽と、洗濯槽内に洗剤を自動的に投入する自動投入装置と、自動投入装置によって洗濯槽内に投入される洗剤を収容するタンクと、タンク内に収容されている洗剤の量を検出する検出部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の洗濯機ではユーザが運転コースを選択することができる。この構成では、選択可能な複数の運転コースが存在する場合に、複数の運転コースのそれぞれにおいて必要とされる洗剤の量が異なることが考えられる。このような場合には、ユーザによって選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の量に対して、タンク内に収容されている洗剤の量が不足してしまうことも考えられる。そこで本明細書は、選択された運転コースにおいて必要とされる洗濯処理剤の量に対して処理剤タンク内に収容されている洗濯処理剤の量が不足する場合にそのことを報知することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する洗濯機は、複数の運転コースを実行可能である。この洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽内に洗濯処理剤を自動的に投入する自動投入装置と、前記自動投入装置によって前記洗濯槽内に投入される洗濯処理剤を収容する処理剤タンクと、前記処理剤タンク内に収容されている洗濯処理剤の量を検出するタンク検出部と、複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択するためのユーザ操作を受け付ける操作部と、報知部と、制御部と、を備えている。前記制御部は、前記タンク検出部によって検出された洗濯処理剤の量が、前記操作部が受け付けたユーザ操作によって選択された運転コースにおいて必要とされる洗濯処理剤の量未満であると判断した場合は、洗濯処理剤が不足していることを示す不足情報が報知されるように前記報知部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施例に係る洗濯機を模式的に示す図である。
【
図4】実施例に係る自動投入装置を模式的に示す図である。
【
図5】洗濯機の操作部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】洗濯機の操作部に表示される画面の他の一例を示す図である。
【
図7】各運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量の一例を示す表である。
【
図8】第1実施例に係る報知処理のフローチャートである。
【
図9】表示部に表示される不足情報の一例を示す図である。
【
図10】第2実施例に係る洗濯機のブロック図である。
【
図11】第2実施例に係る報知処理のフローチャートである。
【
図12】第3実施例に係る報知処理のフローチャートである。
【
図13】第4実施例に係る報知処理のフローチャートである。
【
図14】表示部に表示される不足情報及び追加要求情報の一例を示す図である。
【
図15】運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量の一例を示す表である。
【
図16】第5実施例に係る報知処理のフローチャートである。
【
図17】第6実施例に係る洗濯機のブロック図である。
【
図18】第6実施例に係る追加投入処理のフローチャートである。
【
図19】第7実施例に係る洗濯機のブロック図である。
【
図20】第7実施例に係る追加投入処理のフローチャートである。
【
図21】第8実施例に係る洗濯機のブロック図である。
【
図22】第8実施例に係る追加投入処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例に係る洗濯機10について図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、実施例に係る洗濯機10は、本体11と、蓋12と、洗濯槽13と、ドラム14と、モータ15とを備えている。実施例に係る洗濯機10はドラム式の洗濯機である。また、洗濯機10は、給水路16と、排水路17と、自動投入装置20と、洗剤タンク30(処理剤タンクの一例)と、柔軟剤タンク50(処理剤タンクの他の一例)とを備えている。また、洗濯機10は、
図3に示すように、重量検出部46と、タンク検出部43と、表示部44(報知部の一例)と、操作部45と、制御部41と、記憶部42とを備えている。
【0008】
図1及び
図2に示すように、洗濯機10の本体11は、開口部111を備えている。洗濯機10の蓋12は、本体11に取り付けられており、本体11の開口部111を開閉する。本体11の上部には電源ボタン80が設けられている。本体11の内部には、洗濯槽13、ドラム14及びモータ15が配置されている。
【0009】
洗濯槽13は、本体11の内部の中央部に配置されている。洗濯槽13は洗濯用の水を収容する。ドラム14は、洗濯槽13の内部に配置されており、洗濯槽13の内部で回転する。ドラム14は、洗濯物を収容した状態で回転する。モータ15は、ドラム14の後方に配置されており、ドラム14を回転させる。
【0010】
洗濯機10の給水路16は、その上流端部が給水源(図示省略)に接続されており、下流端部が洗濯槽13に接続されている。給水路16は、給水源から洗濯槽13内に水を供給する。給水路16には給水弁18が設けられている。給水弁18は給水路16を開閉する。給水弁18が開状態になると洗濯槽13に水が供給される。
【0011】
洗濯機10の排水路17は、その上流端部が洗濯槽13に接続されており、下流端部が例えば洗濯パンの排水口(図示省略)に接続されている。排水路17は、洗濯槽13内の水を排水口に排出する。排水路17には排水弁19が設けられている。排水弁19は、排水路17を開閉する。排水弁19が開状態になると洗濯槽13内の水が排出される。
【0012】
図3に示す重量検出部46は、本体11の内部に配置されている(
図1及び
図2では図示省略)。重量検出部46は、洗濯槽13内のドラム14内に収容されている洗濯物の重量を検出することができる。例えば、重量検出部46は、ドラム14内に洗濯物が収容されている状態で、モータ15の回転負荷の変化を検出することによって、洗濯物の重量を検出することができる。重量検出部46は、例えば1kgのオーダーで洗濯物の重量を検出することができる。重量検出部46の検出重量の情報は、制御部41に送信される。
【0013】
洗濯機10の自動投入装置20は、本体11の内部に配置されている。自動投入装置20は、
図1及び
図2に示すように、本体11の上部に配置されている。自動投入装置20は、洗濯槽13内に洗濯処理剤(例えば、洗剤、柔軟剤、漂白剤等)を自動的に投入することができる装置である。自動投入装置20は、洗剤タンク30が自動投入装置20に取り付けられている状態で、洗剤タンク30内に収容されている洗剤を洗濯槽13に自動的に投入する。また、自動投入装置20は、柔軟剤タンク50が自動投入装置20に取り付けられている状態で、柔軟剤タンク50内に収容されている柔軟剤を洗濯槽13に自動的に投入する。
【0014】
図4に示すように、自動投入装置20は、着脱容器21と、蓋28と、第1洗剤供給路22と、ピストンポンプ23と、第2洗剤供給路24とを備えている。着脱容器21は洗剤タンク30を収容する。洗濯機10のユーザが、洗剤タンク30を着脱容器21に収容する、或いは、着脱容器21から洗剤タンク30を取り出す。着脱容器21に対して洗剤タンク30が着脱される。自動投入装置20の蓋28は、着脱容器21の開口部211を開閉する。洗剤タンク30には液体の洗剤(洗濯処理剤の一例)が収容される。また、自動投入装置20の着脱容器21は、柔軟剤タンク50(
図4では図示省略)を収容する。柔軟剤タンク50には液体の柔軟剤(洗濯処理剤の他の一例)が収容される。以下の説明では、柔軟剤タンク50については内部に収容されている液体の種類以外は洗剤タンク30と同様の構成なので詳細な説明を省略する。
【0015】
洗剤タンク30は、注入口31と、排出口32とを備えている。洗剤タンク30の注入口31から洗剤タンク30内に洗剤が注入される。洗濯機10のユーザが、洗剤タンク30内に洗剤を注入する。ユーザは、洗剤タンク30が着脱容器21に取り付けられている状態で、或いは、洗剤タンク30が着脱容器21から取り出されている状態で、洗剤タンク30内に洗剤を注入することができる。洗剤タンク30内の洗剤は洗剤タンク30の排出口32から排出される。洗剤タンク30の側面には、洗剤タンク30内に収容されている洗剤の量を計測するための目盛り39が付されている。ユーザは、目盛り39を視ることによって、洗剤の量を計測することができる。
【0016】
自動投入装置20の第1洗剤供給路22は、その上流端部が着脱容器21に接続されており、下流端部がピストンポンプ23に接続されている。第1洗剤供給路22の上流端部は、着脱容器21に洗剤タンク30が取り付けられたときに洗剤タンク30の排出口32に接続される。第1洗剤供給路22は、洗剤タンク30からピストンポンプ23に洗剤を供給する。第1洗剤供給路22には第1逆止弁25が設けられている。第1逆止弁25は、着脱容器21側からピストンポンプ23側への洗剤の流れを許容し、その反対側への洗剤の流れを禁止する。
【0017】
自動投入装置20の第2洗剤供給路24は、その上流端部がピストンポンプ23に接続されており、下流端部が洗濯機10の給水路16に接続されている。第2洗剤供給路24は、ピストンポンプ23から給水路16へ洗剤を供給する。第2洗剤供給路24には第2逆止弁26が設けられている。第2逆止弁26は、ピストンポンプ23側から給水路16側への洗剤の流れを許容し、その反対側への洗剤の流れを禁止する。
【0018】
ピストンポンプ23は、第1洗剤供給路22を介して洗剤タンク30から洗剤を吸引し、第2洗剤供給路24を介して給水路16へ洗剤を吐出する。ピストンポンプ23は、予め設定された重量の洗剤を洗剤タンク30から吸引して給水路16へ吐出する。給水路16へ吐出された洗剤は、給水路16を流れる水と合流して洗濯槽13内に供給される。このようにして、洗剤タンク30内に収容されている洗剤が洗濯槽13内に自動的に投入される。なお、上記の洗濯機10では、ユーザが手動で洗濯槽13内に洗剤を投入してもよい。
【0019】
自動投入装置20の着脱容器21の下部にはタンク検出部43が固定されている。タンク検出部43は、例えば重量センサであり、洗剤タンク30の重量を検出することができる。洗剤タンク30が自動投入装置20に取り付けられたときに、タンク検出部43が洗剤タンク30の重量を検出する。これによってタンク検出部43は、洗剤タンク30が自動投入装置20に取り付けられたことを検出することができる。また、タンク検出部43は、自動投入装置20から洗剤タンク30が取り外されたことを検出することができる。また、タンク検出部43は、洗剤タンク30内に収容されている洗剤の重量を検出することができる。タンク検出部43は、例えば、洗剤タンク30内に洗剤が収容されているときの検出重量と、洗剤タンク30内に何も収容されていないときの重量との差分に基づいて、洗剤の重量を検出することができる。タンク検出部43の検出重量の情報は、制御部41に送信される。
【0020】
図1に示すように、洗濯機10の表示部44は、本体11の上部に配置されている。この表示部44は例えば液晶パネルである。表示部44には洗濯機10に関する様々な情報が表示される。表示部44は例えば液晶のタッチパネルである。洗濯機10の操作部45は、表示部44と一体的に構成されている。操作部45は洗濯機10に関する様々な操作を受け付ける。洗濯機10のユーザが操作部45を操作することによって様々な操作を実行する。
【0021】
図3に示す制御部41は、例えばCPU等を備えている。制御部41は、例えば記憶部42に記憶されている所定のプログラムに基づいて様々な処理を実行することができる。制御部41が実行する処理については後述する。
【0022】
次に、上記の洗濯機10で実行される運転について説明する。上記の洗濯機10は、洗濯運転、洗濯/乾燥運転、及び、乾燥運転を実行可能に構成されている。また、洗濯機10は、各運転において、複数の運転コースを実行可能に構成されている。例えば、洗濯機10は、洗濯運転において、標準コース、つけおきコース、スピードコース等を実行可能に構成されている。
【0023】
図5に示すように、洗濯機10の操作部45の初期画面には、洗濯ボタン61と、洗濯/乾燥ボタン62と、乾燥ボタン63とが表示されている。洗濯機10のユーザが操作部45における洗濯ボタン61をタッチ操作すると洗濯運転が選択される。洗濯運転は、洗濯槽13内のドラム14内に収容されている洗濯物を洗濯する運転である。洗濯運転では、例えば、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程が実行される。また、ユーザが洗濯/乾燥ボタン62をタッチ操作すると洗濯/乾燥運転が選択される。また、ユーザが乾燥ボタン63をタッチ操作すると乾燥運転が選択される。乾燥運転は、洗濯槽13内のドラム14内に収容されている洗濯物を乾燥させる運転である。
【0024】
また、操作部45の初期画面には、コースボタン90及びスタートボタン93が表示されている。操作部45におけるコースボタン90がタッチ操作されると、
図6に示すように、運転コース選択画面92が操作部45に表示される。運転コース選択画面92は、複数の運転コース(例えば、標準コース、つけおきコース、スピードコース等)の中から任意の運転コースを選択するための画面である。運転コース選択画面92には、複数の運転コースボタン91(91a、91b、91c等)が表示されている。例えば、標準コースボタン91a、つけおきコースボタン91b、スピードコースボタン91c等が運転コース選択画面92に表示されている。洗濯機10のユーザが運転コース選択画面92における複数の運転コースボタン91(91a、91b、91c等)の中から任意の運転コースボタン91(例えば標準コースボタン91a)をタッチ操作することにより任意の運転コース(例えば標準コース)を選択することができる。また、運転コース選択画面92には、スタートボタン93及び閉じるボタン94が表示されている。複数の運転コースの中から1つの運転コース(例えば標準コース)が選択されている状態で操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されると、選択されている運転コース(例えば標準コース)が開始される。
【0025】
上記の洗濯機10では、
図7に示すように、複数の運転コースのそれぞれにおいて、必要とされる洗剤の重量が予め設定されている。また、重量検出部46によって検出される洗濯物の重量に応じて、必要とされる洗剤の重量が予め設定されている。運転コースと洗濯物の重量に基づいて、1回の運転コースを実行するために必要とされる洗剤の重量が決定される。例えば、標準コースにおいて、洗濯物の重量が6kg以上である場合は、20gの洗剤が必要とされる。すなわち、6kg以上の洗濯物を標準コースによって洗濯する場合は20gの洗剤が必要になる。1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量が20gである。また、つけおきコースにおいて、洗濯物の重量が3kg以上6kg未満である場合は、45gの洗剤が必要とされる。すなわち、3kg以上6kg未満の洗濯物をつけおきコースによって洗濯する場合は45gの洗剤が必要になる。1回のつけおきコースを実行するために必要な洗剤の重量が45gである。必要とされる洗剤の重量の情報は記憶部42に記憶されている。
図7に示す表の情報が記憶部42に記憶されている。
【0026】
(第1実施例)
次に、上記の洗濯機10において実行される報知処理について説明する。
図8は、第1実施例に係る報知処理のフローチャートである。
図8に示す報知処理は、例えば、洗濯機10の電源ボタン80が押されて電源が投入されたときに開始される。報知処理が開始されると、報知処理のS10では、タンク検出部43が洗剤タンク30内に収容されている洗剤の重量を検出する。タンク検出部43の検出重量の情報は制御部41に送信される。制御部41がタンク検出部43の検出重量の情報を取得する。
【0027】
続くS11では、制御部41が、洗濯機10において複数の運転コース(例えば、標準コース、つけおきコース、スピードコース等)の中から1つの運転コース(例えば、標準コース)が選択されたか否かを判断する。制御部41は、操作部45が受け付けたユーザ操作に基づいて運転コースが選択されたか否かを判断する。例えば、洗濯機10のユーザが
図5に示す操作部45において洗濯ボタン61をタッチ操作すると洗濯運転が選択される。また、洗濯機10のユーザが
図6に示す操作部45の運転コース選択画面92において標準コースボタン91aをタッチ操作すると、洗濯運転における標準コースが選択される。洗濯機10のユーザが、自分の希望に応じて任意の運転コースを選択する。運転コースが選択された場合は、S11で制御部41がYESと判断してS12に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。
【0028】
続くS12では、制御部41が、上記のS11で操作部45において選択された運転コースを特定する。例えば、
図6に示す操作部45において標準コースボタン91aがタッチ操作された場合は、制御部41が標準コースを特定する。続くS13では、制御部41が、操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されたか否かを判断する。
図6に示す操作部45においてスタートボタン93がタッチ操作された場合は、S13で制御部41がYESと判断してS14に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。
【0029】
続くS14では、重量検出部46が洗濯槽13内のドラム14内に収容されている洗濯物の重量を検出する。重量検出部46の検出重量の情報は制御部41に送信される。制御部41が重量検出部46の検出重量の情報を取得する。
【0030】
続くS15では、制御部41が、洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、上記のS11で選択された運転コース(S12で特定された運転コース)と、上記のS14で検出された洗濯物の重量と、に基づいて洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、記憶部42に記憶されている表(
図7参照)に基づいて洗剤の必要重量を特定する。S15で特定される洗剤の必要重量は、上記のS14で検出された重量の洗濯物を上記のS11で選択された運転コースによって洗濯するために必要とされる洗剤の重量である。例えば、S11で選択された運転コースが標準コースであり、S14で検出された洗濯物の重量が6kg以上である場合は、
図7に示すように、1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量として20gが特定される。
【0031】
図8に示すように、続くS16では、制御部41が、上記のS10で検出された洗剤の重量が、上記のS15で特定された洗剤の必要重量未満であるか否かを判断する。S10で検出された洗剤の重量は、タンク検出部43によって検出された洗剤の重量であり、洗剤タンク30内に現在収容されている洗剤の重量である。洗剤の検出重量が洗剤の必要重量未満である場合は、S16で制御部41がYESと判断してS17に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS20に進む。
【0032】
続くS17では、制御部41が、不足情報を表示部44に表示する。不足情報は、洗剤が不足していることを示す情報である。不足情報は、洗剤タンク30内に現在収容されている洗剤の重量が、1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量未満であることを示す情報である。制御部41は、例えば、
図9に示すように、「洗剤タンク内の洗剤が不足しています。」という不足情報を表示部44に表示する。これによって、洗濯機10のユーザに不足情報が報知される。なお、不足情報は予め記憶部42に記憶されている。
【0033】
図8に示すように、続くS18では、制御部41が、操作部45における閉じるボタン94がタッチ操作されたか否かを判断する。
図9に示す操作部45において閉じるボタン94がタッチ操作された場合は、S18で制御部41がYESと判断してS19に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。続くS19では、制御部41が、表示部44における不足情報の表示を終了させる。制御部41は、S19の処理が終了すると報知処理を終了する。
【0034】
上記のS16でNOの後のS20では、制御部41が、洗濯機10の自動投入装置20を動作させることによって洗濯槽13内に洗剤を自動的に投入する。自動投入装置20は、上記のS15で特定された必要重量の洗剤を洗濯槽13内に自動的に投入する。例えば、自動投入装置20は、1回の標準コースを実行するために必要な重量の洗剤として20gの洗剤を洗濯槽13内に投入する。続くS21では、制御部41が、上記のS11で選択された運転コース(例えば標準コース)を開始する。制御部41は、S21の処理が終了すると報知処理を終了する。
【0035】
以上、第1実施例について説明した。上記の説明から明らかなように、洗濯機10は、複数の運転コース(例えば、標準コース、つけおきコース、スピードコース等)を実行可能に構成されている。この洗濯機10は、洗濯物を収容する洗濯槽13と、洗濯槽13内に洗剤を自動的に投入する自動投入装置20と、自動投入装置20によって洗濯槽13内に投入される洗剤を収容する洗剤タンク30と、洗剤タンク30内に収容されている洗剤の重量を検出するタンク検出部43と、複数の運転コースの中から任意の運転コース(例えば、標準コース)を選択するためのユーザ操作を受け付ける操作部45と、表示部44と、制御部41とを備えている。制御部41は、タンク検出部43によって検出された洗剤の重量が、操作部45が受け付けたユーザ操作によって選択された運転コース(例えば、標準コース)において必要とされる洗剤の重量未満であると判断した場合は、洗剤が不足していることを示す不足情報が報知されるように表示部44を制御する(
図8のS16でYES、S17)。例えば、
図7に示すように、洗濯槽13に収容されている洗濯物の重量が6kg以上である場合に、タンク検出部43によって検出される洗剤の重量(すなわち、洗剤タンク30に収容されている洗剤の重量)が18gである場合は、20gの洗剤を必要とする標準コースでは洗剤が不足し、15gの洗剤を必要とするスピードコースでは洗剤が不足しない。制御部41は、標準コースが選択された場合は、不足情報を表示部44に表示する。
【0036】
複数の運転コースの中から任意の運転コースを選択することができる構成では、選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量に対して、洗剤タンク30内に収容されている洗剤の重量が不足することがある。上記の構成によれば、このような場合に、洗剤が不足していることを示す不足情報をユーザに報知することができる。洗剤が不足している状態で運転コースが実行されると、洗濯物を十分にキレイに洗濯することができないことが考えられるが、上記の構成では不足情報が報知されるので、洗剤が不足している状態で運転コースが実行されることを防ぐことができる。また、洗剤を洗剤タンク30に追加することをユーザに促すことができる。
【0037】
また、上記の洗濯機10は、洗濯槽13内に収容されている洗濯物の重量を検出する重量検出部46を備えている。制御部41は、タンク検出部43によって検出された洗剤の重量が、重量検出部46によって検出された洗濯物の重量に応じて必要とされる洗剤の重量未満であると判断した場合は、不足情報が報知されるように表示部44を制御する。
【0038】
洗濯槽13内に収容されている洗濯物が洗濯される際に、その重量に対して洗剤タンク30内に収容されている洗剤の重量が不足することが考えられる。上記の構成によれば、このような場合に、洗剤が不足していることを示す不足情報をユーザに報知することができる。そのため、洗剤が不足している状態で運転コースが実行されることを防ぐことができる。
【0039】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上記の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
(第2実施例)
次に第2実施例について説明する。第2実施例では、
図10に示すように、洗濯機10が撮像部47を備えている。撮像部47は、洗濯機10の洗濯槽13内のドラム14内を撮像することができる。撮像部47は、ドラム14内に収容されている洗濯物を撮像することができる。撮像部47は、洗濯機10の本体11の内部に配置されている(図示省略)。撮像部47は、例えば、静止画又は動画を撮像するカメラである。
【0041】
次に、第2実施例で実行される報知処理について説明する。第2実施例では、上記の第1実施例におけるS14とS15の処理(
図8参照)に代えて、
図11に示すように、S40、S41及びS42の処理が実行される。第2実施例のS13でYESの後のS40では、洗濯機10の撮像部47がドラム14内に収容されている洗濯物を撮像する。撮像部47が撮像した洗濯物の画像の情報は、制御部41に送信される。制御部41が撮像部47の撮像画像の情報を取得する。
【0042】
続くS41では、制御部41が、上記のS40で取得した撮像部47の撮像画像の情報に基づいて、洗濯機10のドラム14内に収容されている洗濯物の重量を特定する。例えば、制御部41は、撮像部47の撮像画像において、洗濯物の画像が占有している領域の面積に基づいて洗濯物の重量を特定する。例えば、撮像部47の撮像画像において、洗濯物の画像の面積が大きい場合にはドラム14内に収容されている洗濯物の重量が重い状態であり、洗濯物の画像の面積が小さい場合にはドラム14内に収容されている洗濯物の重量が軽い状態である。撮像部47の撮像画像における洗濯物の画像の面積に応じてドラム14内に収容されている洗濯物の重量が決定される。
【0043】
続くS42では、制御部41が、洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、上記のS11で選択された運転コース(S12で特定された運転コース)と、上記のS41で特定された洗濯物の重量と、に基づいて洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、記憶部42に記憶されている表(
図7参照)に基づいて洗剤の必要重量を特定する。S42で特定される洗剤の必要重量は、上記のS41で特定された重量の洗濯物を上記のS11で選択された運転コースによって洗濯するために必要とされる洗剤の重量である。例えば、S11で選択された運転コースが標準コースであり、S41で特定された洗濯物の重量が6kg以上である場合は、
図7に示すように、1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量として20gが特定される。
【0044】
以上、第2実施例について説明した。第2実施例では、制御部41が、タンク検出部43によって検出された洗剤の重量が、撮像部47によって撮像された洗濯物の画像に基づいて特定される洗濯物の重量に応じて必要とされる洗剤の重量未満であると判断した場合は、不足情報を表示部44に表示する。この構成によれば、撮像部47の撮像画像に基づいて洗剤が不足しているか否かを判断することができる。
【0045】
(第3実施例)
次に第3実施例について説明する。第3実施例では、上記の第2実施例におけるS13の処理(
図8参照)が省略されてもよい。第3実施例では、
図12に示すように、制御部41が、S11で運転コースが選択されたか否かを判断する。制御部41は、操作部45が運転コースを選択するためのユーザ操作を受け付けた場合は、S11でYESと判断してS12に進む。その後、S12からS16までの処理が実行される。制御部41は、タンク検出部43によって検出された洗剤の重量が、操作部45が受け付けたユーザ操作によって選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量未満であると判断した場合は(S16でYES)、不足情報を表示部44に表示する(S17)。第3実施例では、制御部41が、運転コースを選択するためのユーザ操作を操作部45が受け付けたタイミングで不足情報を表示部44に表示する(S11からS17)。例えば、洗濯機10のユーザが
図6に示す操作部45において標準コースボタン91aをタッチ操作したタイミングで表示部44に不足情報が表示される。
【0046】
この構成によれば、運転コースが開始される前に不足情報をユーザに報知することができる。そのため、洗剤が不足している状態で運転コースが実行されることを防ぐことができる。また、運転コースが開始される前に洗剤を洗剤タンク30に追加することをユーザに促すことができる。
【0047】
(第4実施例)
次に第4実施例について説明する。第4実施例では、上記の第3実施例におけるS16でYES(
図12参照)の後に、
図13に示すように、S30の処理が実行される。また、S16でNOの後に、S31の処理が実行される。
【0048】
第4実施例のS16でNOの後のS31では、制御部41が、
図6に示す操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されたか否かを判断する。スタートボタン93がタッチ操作された場合は、S31で制御部41がYESと判断してS20に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。その後、S20とS21の処理が実行される。S20とS21の処理については上記で説明したので詳細な説明を省略する。
【0049】
一方、第4実施例のS16でYESの後のS30では、上記のS31と同様に、制御部41が、
図6に示す操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されたか否かを判断する。スタートボタン93がタッチ操作された場合は、S30で制御部41がYESと判断してS32に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。
【0050】
続くS32では、制御部41が、上記のS11で選択された運転コース(例えば標準コース)を一時停止する。上記のS16でYESの場合は、洗剤タンク30内に現在収容されている洗剤の重量が、上記のS11で選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量未満の場合である。そのため、S32では、制御部41が上記のS11で選択された運転コースを続行しない。
【0051】
続くS33では、制御部41が、不足情報を表示部44に表示する。不足情報は、洗剤が不足していることを示す情報である。不足情報は、洗剤タンク30内に現在収容されている洗剤の重量が、1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量未満であることを示す情報である。制御部41は、例えば、
図14に示すように、「洗剤タンク内の洗剤が不足しています。」という不足情報を表示部44に表示する。これによって、洗濯機10のユーザに不足情報が報知される。なお、不足情報は予め記憶部42に記憶されている。
【0052】
続くS34では、制御部41が、追加要求情報を表示部44に表示する。追加要求情報は、洗剤タンク30内に洗剤を追加することを要求する情報である。制御部41は、例えば、
図14に示すように、「洗剤タンク内に洗剤を追加してください。」という追加要求情報を表示部44に表示する。これによって、洗濯機10のユーザに追加要求情報が報知される。洗濯機10のユーザが洗剤タンク30内に洗剤を追加することができる。なお、追加要求情報は予め記憶部42に記憶されている。
【0053】
続くS35では、制御部41が、
図14に示す操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されたか否かを判断する。スタートボタン93がタッチ操作された場合は、S30で制御部41がYESと判断してS37に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS36に進む。
【0054】
続くS36では、制御部41が、上記のS34で追加要求情報を表示部44に表示してから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間は例えば5分である。上記のS34から所定時間が経過した場合は、S36で制御部41がYESと判断してS37に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS35に戻る。
【0055】
続くS37では、制御部41が、洗濯機10の自動投入装置20を動作させることによって洗濯槽13内に洗剤を自動的に投入する。自動投入装置20は、上記のS15で特定された必要重量の洗剤を洗濯槽13内に自動的に投入する。例えば、自動投入装置20は、1回の標準コースを実行するために必要な重量の洗剤として20gの洗剤を洗濯槽13内に投入する。また、上記のS34で制御部41が追加要求情報を表示部44に表示したとしても、洗剤タンク30内に洗剤が追加されなかった場合には、洗剤タンク30内に現在収容されている洗剤の重量が上記のS11で選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量未満のままである。この場合であっても、自動投入装置20は洗濯槽13内に洗剤を自動的に投入する。自動投入装置20は、洗剤タンク30内に残っている洗剤の全てを洗濯槽13内に投入する。
【0056】
続くS38では、制御部41が、上記のS11で選択された運転コース(例えば標準コース)を開始する。制御部41は、S38の処理が終了すると報知処理を終了する。
【0057】
以上、第4実施例について説明した。第4実施例では、制御部41が、操作部45におけるスタートボタン93がタッチ操作されたタイミングで不足情報を表示部44に表示する(
図13のS30でYES、S33)。すなわち、制御部41が、運転コースを選択するためのユーザ操作によって選択された運転コースが開始されるタイミングで不足情報を表示部44に表示する。この構成によれば、運転コースが開始されるタイミングで不足情報をユーザに報知することができる。そのため、早い段階で不足情報を報知することができ、洗剤が不足している状態で運転コースが進行していくことを防ぐことができる。
【0058】
(第5実施例)
次に第5実施例について説明する。第5実施例の洗濯機10では、
図15に示すように、各運転コース(
図15に示す例では標準コース)において、洗剤の種類に応じて、必要とされる洗剤の重量が予め設定されている。
図15に示す標準コース以外の運転コース(例えば、つけおきコース、スピードコース等)のそれぞれにおいても、洗剤の種類に応じて、必要とされる洗剤の重量が予め設定されている。第5実施例では、運転コースと、洗剤の種類と、洗濯物の重量とに基づいて、1回の運転コースを実行するために必要とされる洗剤の重量が決定される。例えば、標準コースにおいて、洗剤の種類が「A」であり、洗濯物の重量が6kg以上である場合は、20gの洗剤が必要とされる。すなわち、洗剤Aを使用して、6kg以上の洗濯物を標準コースによって洗濯する場合は20gの洗剤が必要になる。洗剤の種類に応じて必要とされる洗剤の重量の情報は記憶部42に記憶されている。
図15に示す表の情報が記憶部42に記憶されている。
【0059】
第5実施例の洗濯機10では、使用される洗剤の種類が予め設定される。洗濯機10のユーザが操作部45を操作することによって、使用される洗剤の種類(例えば、洗剤A)を設定することができる。予め設定される洗剤の種類は、洗剤タンク30に収容されている洗剤の種類であって、自動投入装置20によって洗濯槽13内に自動的に投入される洗剤の種類である。洗濯機10のユーザが、操作部45を操作することによって、洗剤タンク30に収容されている洗剤の種類と同じ種類を、洗濯運転の各運転コースにおいて使用される洗剤の種類として予め設定する。
【0060】
次に、第5実施例で実行される報知処理について説明する。第5実施例では、上記の第1実施例におけるS12の処理(
図8参照)の後に、
図16に示すように、S50の処理が実行される。また、S14の処理の後にS51の処理が実行される。第5実施例のS50では、制御部41が、予め設定されている洗剤の種類を特定する。制御部41が、洗濯機10のユーザが操作部45を操作することによって設定された洗剤の種類(例えば、洗剤A)を特定する。
【0061】
第5実施例のS51では、制御部41が、洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、上記のS11で選択された運転コース(S12で特定された運転コース)と、上記のS50で特定された洗剤の種類と、上記のS14で検出された洗濯物の重量と、に基づいて洗剤の必要重量を特定する。制御部41は、記憶部42に記憶されている表(
図15参照)に基づいて洗剤の必要重量を特定する。S51で特定される洗剤の必要重量は、上記のS50で特定された種類の洗剤を使用して、上記のS14で検出された重量の洗濯物を上記のS11で選択された運転コースによって洗濯するために必要とされる洗剤の重量である。例えば、S11で選択された運転コースが標準コースであり、S50で特定された洗剤の種類が「A」であり、S14で検出された洗濯物の重量が6kg以上である場合は、
図15に示すように、洗剤Aを使用して1回の標準コースを実行するために必要な洗剤の重量として20gが特定される。第5実施例のその他の処理については第1実施例と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0062】
以上、第5実施例について説明した。第5実施例では、制御部41が、タンク検出部43によって検出された洗剤の量が、予め設定された洗剤の種類(例えば、洗剤A)に応じて必要とされる洗剤の量未満であると判断した場合は、不足情報を表示部44に表示する。洗濯機10によって洗濯物を洗濯する際には使用される洗剤の種類によって必要とされる洗剤の重量が異なることがある。上記の構成によれば、使用される洗剤の種類に応じて、洗剤タンク30に収容されている洗剤が不足する場合は、不足情報を洗濯機10のユーザに報知することができる。そのため、洗剤が不足している状態で運転コースが開始されることを防ぐことができる。
【0063】
(第6実施例)
次に第6実施例について説明する。第6実施例では、
図17に示すように、洗濯機10が濁度検出部70(状態検出部の一例)を備えている。濁度検出部70は、洗濯槽13内に収容されている水の濁度(水の状態の一例)を検出する。濁度検出部70は、洗濯機10の本体11の内部に配置されている(図示省略)。濁度検出部70は、例えば光センサである。濁度検出部70は、例えば、洗濯槽13内に収容されている水に光を透過させたときの光の透過率に基づいて水の濁度を検出することができる。
【0064】
次に、第6実施例で実行される追加投入処理について説明する。
図18は、第6実施例に係る追加投入処理のフローチャートである。
図18に示す追加投入処理は、例えば、洗濯機10の電源ボタン80が押されて電源が投入されたときに開始される。追加投入処理が開始されると、追加投入処理のS60では、制御部41が、上記のS11(
図8参照)で選択された運転コースが開始されたか否かを判断する。選択された運転コースが開始された場合は、S60で制御部41がYESと判断してS61に進む。例えば、上記のS21(
図8参照)で運転コースが開始された場合は、制御部41がS60でYESと判断する。そうでない場合は制御部41がNOと判断して待機する。
【0065】
続くS61では、濁度検出部70が洗濯槽13内に収容されている水の濁度を検出する。濁度検出部70の検出濁度の情報は制御部41に送信される。制御部41が濁度検出部70の検出濁度の情報を取得する。続くS62では、制御部41が、濁度検出部70の検出濁度が所定の閾値濁度以上であるか否かを判断する。検出濁度が閾値濁度以上である場合は、S62で制御部41がYESと判断してS63に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS61に戻る。
【0066】
続くS63では、制御部41が、洗濯槽13内に洗剤を追加で投入すると判断する。そして制御部41は、洗濯機10の自動投入装置20を動作させることによって洗濯槽13内に追加の洗剤を自動的に投入する。洗濯槽13内に追加で投入される洗剤の重量は、例えば、上記のS15(
図8参照)で特定された必要重量の2割の重量である。自動投入装置20は、例えば、上記のS20(
図8参照)で洗濯槽13内に投入した洗剤の重量の2割の重量の洗剤を洗濯槽13内に追加で投入する。制御部41は、S63の処理が終了すると追加投入処理を終了する。
【0067】
以上、第6実施例について説明した。上記の説明から明らかなように、第6実施例では、洗濯機10が、洗濯槽13内に収容されている水の濁度を検出する濁度検出部70を備えている。また、第6実施例では、制御部41が、運転コースが開始された場合は(
図18のS60でYES)、その後に濁度検出部70によって検出される水の濁度に基づいて洗濯槽13内に洗剤を追加で投入するか否かを判断する(S61、S62、S63)。
【0068】
上記の洗濯機10で運転コースが開始された場合には、例えば、洗濯物の汚れがひどいために洗濯槽13内に収容されている水が濁ってしまうことがある。このような場合には、洗濯物を十分にキレイに洗濯するために洗濯槽13内に洗剤を追加で投入することが効果的である。上記の構成では、例えば濁度検出部70の検出濁度が閾値濁度以上である場合には、制御部41が洗濯槽13内に洗剤を追加で投入すると判断する。この構成によれば、運転コースが開始された後に洗濯槽13内に収容されている水が濁ってしまったとしても、洗剤を追加で投入することによって、洗濯物を十分にキレイに洗濯することができる。
【0069】
(第7実施例)
次に第7実施例について説明する。第7実施例では、
図19に示すように、洗濯機10が温度検出部71(状態検出部の一例)を備えている。温度検出部71は、洗濯槽13内に収容されている水の温度(水の状態の一例)を検出する。温度検出部71は、洗濯機10の本体11の内部に配置されている(図示省略)。
【0070】
また、第7実施例では、上記の第6実施例におけるS61とS62の処理(
図18参照)に代えて、
図20に示すように、S71とS72の処理が実行される。第7実施例のS71では、温度検出部71が洗濯槽13内に収容されている水の温度を検出する。温度検出部71の検出温度の情報は制御部41に送信される。制御部41が温度検出部71の検出温度の情報を取得する。続くS72では、制御部41が、温度検出部71の検出温度が所定の閾値温度未満であるか否かを判断する。検出温度が閾値温度未満である場合は、S72で制御部41がYESと判断してS63に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS71に戻る。
【0071】
上記の洗濯機10で運転コースが開始された場合には、例えば、洗濯槽13内に収容されている水の温度が低いために洗濯物の汚れが落ち難くなる場合がある。このような場合には洗濯槽13内に洗剤を追加で投入することが効果的である。第7実施例の構成によれば、第6実施例と同様に、洗剤を追加で投入することによって、洗濯物を十分にキレイに洗濯することができる。
【0072】
(第8実施例)
次に第8実施例について説明する。第8実施例では、
図21に示すように、洗濯機10が硬度検出部72(状態検出部の一例)を備えている。硬度検出部72は、洗濯槽13内に収容されている水の硬度(水の状態の一例)を検出する。硬度検出部72は、洗濯機10の本体11の内部に配置されている(図示省略)。
【0073】
また、第8実施例では、上記の第6実施例におけるS61とS62の処理(
図18参照)に代えて、
図22に示すように、S81とS82の処理が実行される。第8実施例のS81では、硬度検出部72が洗濯槽13内に収容されている水の硬度を検出する。硬度検出部72の検出硬度の情報は制御部41に送信される。制御部41が硬度検出部72の検出硬度の情報を取得する。続くS82では、制御部41が、硬度検出部72の検出硬度が所定の閾値硬度以上であるか否かを判断する。検出硬度が閾値硬度以上である場合は、S82で制御部41がYESと判断してS63に進む。そうでない場合は制御部41がNOと判断してS81に戻る。
【0074】
上記の洗濯機10で運転コースが開始された場合には、例えば、洗濯槽13内に収容されている水の硬度が高いために洗剤の洗浄力が十分に得られないことがある。このような場合には洗濯槽13内に洗剤を追加で投入することが効果的である。第8実施例の構成によれば、第6実施例と同様に、洗剤を追加で投入することによって、洗濯物を十分にキレイに洗濯することができる。
【0075】
(他の実施例)
(1)上記の実施例では、表示部44が報知部の一例であったが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、洗濯機10が音声発生装置(報知部の他の一例)を備えていてもよい。また、他の実施例では、不足情報が音声による情報であってもよい。この場合は、制御部41は、例えば、「洗剤タンク内の洗剤が不足しています。」という音声による不足情報が音声発生装置から発せられるように音声発生装置を制御してもよい。洗濯機10のユーザは、音声発生装置から発せられる不足情報によって、洗剤タンク30内に収容されている洗剤が不足していることを認識することができる。
【0076】
(2)他の実施例では、不足情報が色による情報であってもよい。例えば、不足情報が、表示部44に表示される赤色の画面であってもよい。この場合は、制御部41が、不足情報としての赤色の画面を表示部44に表示する。洗濯機10のユーザは、表示部44に表示される赤色の画面(不足情報の他の一例)を視ることによって、洗剤タンク30内に収容されている洗剤が不足していることを認識することができる。
【0077】
(3)上記の実施例では、タンク検出部43が洗剤タンク30に収容されている洗剤の重量を検出する構成であったが、他の実施例では、洗剤タンク30に収容されている洗剤の容量を検出する構成であってもよい。
【0078】
(4)他の実施例では、自動投入装置20が洗濯槽13内に洗剤を自動的に投入するタイミングで、制御部41が不足情報を表示部44に表示してもよい。
【0079】
(5)他の実施例では、制御部41が、不足情報を表示部44に表示する場合は、それと共に、洗濯槽13内に洗剤を投入する方法を自動投入から手動投入に切り換えることを促す情報を表示部44に表示してもよい。
【0080】
(6)他の実施例では、制御部41が、上記のS15(
図8参照)で洗剤の必要重量を特定する際に、重量検出部46によって検出される洗濯物の重量(すなわち、洗濯槽13内のドラム14内に収容されている洗濯物の重量)に関係無く、上記のS11(
図8参照)で選択された運転コースにおいて必要とされる洗剤の重量の最大値を洗剤の必要重量として特定してもよい。例えば、上記のS11で標準コースが選択された場合は、
図7に示すように、標準コースにおいて必要とされる洗剤の重量の最大値(20g)を洗剤の必要重量として特定してもよい。制御部41が、洗濯物の重量に関係無く最大値(20g)を洗剤の必要重量として特定する。
【0081】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0082】
10:洗濯機、11:本体、12:蓋、13:洗濯槽、14:ドラム、15:モータ、16:給水路、17:排水路、18:給水弁、19:排水弁、20:自動投入装置、21:着脱容器、22:第1洗剤供給路、23:ピストンポンプ、24:第2洗剤供給路、25:第1逆止弁、26:第2逆止弁、28:蓋、30:洗剤タンク、31:注入口、32:排出口、39:目盛り、41:制御部、42:記憶部、43:タンク検出部、44:表示部、45:操作部、46:重量検出部、47:撮像部、50:柔軟剤タンク、61:洗濯ボタン、62:洗濯/乾燥ボタン、63:乾燥ボタン、70:濁度検出部、71:温度検出部、72:硬度検出部、80:電源ボタン、90:コースボタン、91:運転コースボタン、91a:標準コースボタン、91b:つけおきコースボタン、91c:スピードコースボタン、92:運転コース選択画面、93:スタートボタン、94:閉じるボタン、111:開口部、211:開口部