(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221219BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221219BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20221219BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221219BHJP
G06F 3/048 20220101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N1/00 567H
H04N1/00 350
B41J29/38
B41J29/46 Z
G03G21/00 386
G06F3/048
(21)【出願番号】P 2019030482
(22)【出願日】2019-02-22
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】角 和樹
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-228419(JP,A)
【文献】特開2011-044779(JP,A)
【文献】特開2006-345183(JP,A)
【文献】特開2013-218013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/46
G03G 21/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート保持手段に保持されたシートを搬送し、搬送したシートに画像を形成する画像形成装置であって、
表示手段と、
前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中でない場合、シートが無い状態に関する通知画面を表示し、前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、前記通知画面よりも面積が小さいステータス通知領域にシートが無い状態に関する通知を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、前記表示制御手段は、前記ステータス通知領域にシートが無い状態に関する通知と、前記通知画面を確認させるための情報とを表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通知画面を確認させるための情報に応じた所定の操作が行われた場合、前記表示制御手段は、前記通知画面を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、印刷指示を受け付けたジョブのオーナーとログイン中のユーザとが同一であるか否かを判定する判定手段を更に有し、
前記ジョブのオーナーと前記ログイン中のユーザとが同一であると前記判定手段により判定された場合、前記表示制御手段は、前記通知画面を表示し、
前記ジョブのオーナーと前記ログイン中のユーザとが同一でないと前記判定手段により判定された場合、前記表示制御手段は、前記ステータス通知領域にシートが無い状態に関する通知を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ステータス通知領域は、画像形成に係る設定を行うための画面を表示する領域とは別に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ステータス通知領域は、前記画像形成に係る設定を行うための画面を表示する領域の下部に設けられることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通知画面は、補給すべきシートの情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ステータス通知領域は、1ラインの文字列を表示可能な領域であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
複数のシート保持手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記複数のシート保持手段のいずれかにシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中でない場合、シートが無い状態に関する通知画面を表示し、前記複数のシート保持手段のいずれかにシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、前記通知画面よりも面積が小さいステータス通知領域にシートが無いことに関する通知を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示手段を有し、シート保持手段に保持されたシートを搬送し、搬送したシートに画像を形成する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中でない場合、シートが無い状態に関する通知画面を表示するよう前記表示手段を制御する工程と、
前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、前記通知画面よりも面積が小さいステータス通知領域にシートが無い状態に関する通知を表示するよう前記表示手段を制御する工程とを含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに請求項10に記載の情報処理方法の各工程を
実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在広く普及している複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置では、記録用紙を格納する用紙格納部(給紙段)を持ち、印刷を伴うジョブが投入されるとその用紙格納部から給紙した用紙上に画像形成を行い、画像形成装置機外に排出する構成を取っている。画像形成装置は、ジョブ実行中に用紙切れが発生するとジョブを中断し、用紙の補給及びユーザー指示を待機する。また、画像形成装置は、ユーザーに対して用紙切れによるジョブ中断中であることと用紙の補給手順とをポップアップで通知する。ただし、デバイス画面を操作しているユーザーの操作性を損なわないように、ドライバからのジョブの投入の場合は、画像形成装置は、特定の画面(状況確認)の表示時にポップアップを表示する。画像形成装置は、特定の画面への誘導を、ステータスライン等の汎用通知エリアに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、汎用的な通知エリアの領域は狭いため、ユーザーが通知内容を気付きにくい。また、特許文献1のように、ログイン情報に紐づいて通知方法を変える技術もあるが、ログインしなければ用紙無しに気付けない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シート保持手段に保持されたシートを搬送し、搬送したシートに画像を形成する画像形成装置であって、表示手段と、前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中でない場合、シートが無い状態に関する通知画面を表示し、前記シート保持手段にシートが無い状態のときに、前記画像形成装置にユーザがログイン中である場合、前記通知画面よりも面積が小さいステータス通知領域にシートが無い状態に関する通知を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シート保持手段にシートが無い状態のときにユーザがログイン中でない場合はすぐにシートが無い状態であることに気付かせることができ、ユーザがログイン中である場合はユーザによる画面の操作を妨げることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1の用紙無し状態解消処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】ジョブ状況を表示する画面の一例を示す図である。
【
図7】ジョブ状況画面へ誘導する文言を表示する一例を示す図である。
【
図8】実施形態2の用紙無し状態解消処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0009】
<実施形態1>
(複合機100の構成)
図1は、複合機100のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU101は、ROM103又はHDD104に記憶された制御プログラムに従って、システムバス107に接続される各種装置とのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ125内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。RAM102は、CPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ、画像データを一時記憶するためのメモリでもある。ROM103には装置のブートプログラム等が格納されている。HDD104は、ハードディスクドライブであり、制御プログラム及び画像データを格納することが可能である。
操作部I/F105は、システムバス107と操作部121とを接続するためのインタフェース部である。この操作部I/F105は、操作部121に表示するための画像データをシステムバス107から受け取り操作部121に出力すると共に、操作部121から入力された情報をシステムバス107へと出力する。
Network I/F106は、LAN及びWAN124をシステムバス107に接続し、他の機器と双方向にデータをやり取りする。
画像バス120は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
【0010】
スキャナ画像処理部112は、スキャナ部122からスキャナI/F111を介して受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。埋め込み情報抽出部110は、画像データから背景画像に埋め込まれているパターンの検出及び付加情報の抽出の処理を行う。
圧縮部113は、画像データを受け取り、データを圧縮する。伸張部115は、データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部117に送る。
プリンタ画像処理部117は、伸張部115から送られた画像データを受け取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。また、指示がある場合は、プリンタ画像処理部117は、符号画像生成部116において生成された符号画像データを画像データに合成する。符号画像生成部116は、二次元コード画像、バーコード画像、情報埋め込み技術により生成された画像等の符号画像データを生成する。なお、符合画像の生成は、RAM102内に格納されたプログラムをCPU101が実行することによって行われる。画像処理後の画像データは、プリンタI/F118を介してプリンタ部123に出力される。
画像変換部114は、画像データに対して回転や色空間変換、2値多値変換、画像合成、間引き等の所定の変換処理を施す。
RIP部108は、PDLコードデータを基に生成された中間データを受け取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。生成されたビットマップデータは圧縮部109で圧縮されて画像バス120へ送られる。
認証処理部119は、操作部121で入力されたユーザー情報を使用したユーザー、又はワークグループの認証に加えて、印刷ジョブ認証を行う。また、認証処理部119は、認証済みユーザー及びワークグループの情報の管理を行う。
フィニッシャ部126は、プリンタ部123から排出された複数枚のシートが束ねられたシート束に対してステイプル処理、パンチ処理、ソート等の各種後処理を行う。
【0011】
(プリンタ部及びスキャナ部の構成)
図2は、複合機100の内部構造を示す縦断面図である。
図1と同一のものには同一の符号を付してある。複合機100は
図2に示すように、スキャナ部122、プリンタ部123、フィニッシャ部126及び操作部121を備える。ここでスキャナ部122とプリンタ部123とは一体的に構成されている。また、フィニッシャ部126は、プリンタ部123に対して着脱可能に構成されている。
スキャナ部122には、原稿給送装置(ADF)201が搭載されている。ADF201は、原稿トレイ上に上向きにセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ左方向へ給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス202上の所定位置へ搬送する。プラテンガラス202上の所定位置へ搬送された原稿は、その左から右方向へスキャナユニット203により走査され、原稿上の画像が読み取られる。スキャナユニット203が原稿を走査する際には、原稿の読み取り面がスキャナユニット203のランプの光で照射され、その原稿からの反射光がミラーを介してレンズに導かれる。このレンズを通過した光は、イメージセンサ204の撮像面に光学像として結像される。この光学像は、イメージセンサ204によって画像データに変換されて出力される。イメージセンサ204から出力された画像データは、スキャナ画像処理部112において所定の処理が施された後にプリンタ部123の露光制御部205にビデオ信号として入力される。
【0012】
次に、シートの片面に画像形成を行う場合について説明する。
プリンタ部123の露光制御部205は、入力されたビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力する。レーザ光はポリゴンミラー等により走査されながら感光ドラム206上に照射される。感光ドラム206上には、走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。
この感光ドラム206上の静電潜像は、現像器207から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。また各カセット208、209、又は手差し給紙トレイ210からはシートが給紙される。この給紙されたシートは、その先端がレジストローラ211に突き当てられて一旦停止された後に、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、感光ドラム206と転写部212との間に搬送される。ここで、給紙されたシートの先端がレジストローラ211に突き当てられてシートが一旦停止されることによって、シートの斜行が補正される。
【0013】
次いで、感光ドラム206に形成された現像剤像は、転写部212により、給紙されたシート上に転写される。現像剤像が転写されたシートは、定着部213へ搬送される。定着部213は、シートを熱圧することによって現像剤像をシート上に定着させる。定着部213を通過したシートは、搬送ローラ214により、フラッパ215へ向けて搬送され、フラッパ215により、排出ローラ216へ向けて搬送される。そしてシートは、排出ローラ216を経てプリンタ部123からフィニッシャ部126へ排出される。このときシートはフェイスアップの状態で排出される。
また、シートをフェイスダウン状態でフィニッシャ部126へ排出することもできる。このフェイスダウン排出を行う際には、定着部213を通過したシートを反転搬送パス217へ導くようにフラッパ215が切り換えられ、シートはフラッパ215を経て、各搬送ローラ218、219により、反転搬送パス217内へ搬送される。反転搬送パス217へ搬送されたシートはスイッチバックされ、これにより、シートの表裏が反転される。そして、表裏が反転されたシートは、排出ローラ216を経てプリンタ部123からフィニッシャ部126へ排出される。
【0014】
フィニッシャ部126は、第1パンチユニット220と、ステイプルスタッカ部221とを有し、これらを用いて複数枚のシートが束ねられたシート束に対してステイプル処理、パンチ処理、ソート等の各種後処理を行うことができる。
第1パンチユニット220は、多穴パンチ処理を行うためのユニットである。第1パンチユニット220は、プリンタ部123から排出されたシートを第1パンチユニット220内へ受け入れるための入口搬送ローラ222を有する。第1パンチユニット220内に搬送されたシートは、フラッパ223の切り換え動作に応じて、排出ローラ224へ向けて搬送されるか、又は搬送ローラ225へ向けて搬送される。ここで、シートがフラッパ223により排出ローラ224へ向けて搬送される場合は、シートが第1パンチユニット220をスルーして直接、ステイプルスタッカ部221へ搬送される場合である。また、シートがフラッパ223により搬送ローラ225へ向けて搬送される場合は、シートに対して多穴パンチ処理が施される場合である。
【0015】
搬送ローラ225の下流側には、搬送ローラ226、センサ227、パンチ部228及び突き当て板229が設けられている。センサ227は、シートの先端を検知するためのセンサである。パンチ部228は、シート先端(シートの搬送方向に対して先端となる部位)に多数個の穴例えば30個の穴をあける多穴パンチ処理を行う。突き当て板229は、通常時、シート搬送路を開放する位置にある。突き当て板229は、所定のタイミングでπ/2(rad)角度的に回転され、シート先端と突き当て可能なようにシート搬送路上に突出する。この突き当て板229にシート先端を突き当てることにより、シートをパンチ部228に対して所定の精度で位置決めすることができる。
突き当て板229の下流側には、各搬送ローラ230~233が設けられ、各搬送ローラ230~233により、シートを排出ローラ224へ導くための搬送路が形成される。
ステイプルスタッカ部221は、第1パンチユニット220から排出されたシートをユニット内へ受け入れるための入口ローラ234を有する。入口ローラ234を介してステイプルスタッカ部221内へ搬送されたシートは、第2パンチユニット235へ導かれる。
【0016】
第2パンチユニット235は、少数穴パンチ処理が設定されている場合に、シート後端(シートの搬送方向に対して後端となる部位)に少数個の穴、例えば2~4個の穴、をあける少数穴パンチ処理を行う。また、第2パンチユニット235は、少数穴パンチ処理が設定されていない場合、シートをスルーさせて下流側へ搬送するように動作する。この第2パンチユニット235内には、シート後端を検知するためのセンサ236、及びシート後端が突き当てられる突き当て板237が設けられている。
第2パンチユニット235が少数穴パンチ処理を行う際には、センサ236がシートの後端を検知した後の所定のタイミングで第2パンチユニット235内の搬送ローラが逆転される。また、突き当て板237がπ/2(rad)角度的に回転され、搬送路上に突出する。そして、シートは突き当て板237に向けてスイッチバックされ、シート後端が突き当て板237に突き当てられた状態で停止される。このようにしてシートが後端を基準にして位置決めされた状態で、シート後端に対して少数個の穴があけられる。その後、シートは上記搬送ローラによりフラッパ238へ向けて搬送される。
フラッパ238は、シートをノンソートパス239又は搬送ローラ240へ導くように切り換え動作を行う。ここで、ソート、パンチ、ステイプル処理等の後処理が設定されておらずシートをそのまま排出する場合は、フラッパ238により、シートがノンソートパス239へ導かれる。ノンソートパス239へ導かれたシートは、搬送ローラ241により、スタックトレイ242へ排出される。
【0017】
シートに対してソート及びステイプル等の後処理が設定されている場合、プリンタ部123は、シートをフェイスダウン状態でフィニッシャ部126へ排出する。そして、フィニッシャ部126内に搬入されたシートは第1パンチユニット220を経てステイプルスタッカ部221へ搬送された後に、フラッパ238により、搬送ローラ240へ導かれる。次いで、シートは搬送ローラ240により、束排紙ベルト243上へ排出される。ここで、束排紙ベルト243に並行して数ミリ高い位置には、低摩擦の中間処理トレイが設けられており、実際にはシートは、中間処理トレイ上に排出される。排出されたシートは、中間処理トレイ(束排紙ベルト243)に沿って自重で右下方向に落下する。さらに、扇形の戻しローラ244が反時計方向に回転し、その外縁部に設けられた摩擦部材がシートに当接する。この摩擦部材の当接により、シートには右下方向に落下させる力が作用し、シートの端部がストッパ板245に突き当てられる。これにより、シートに対して縦方向(送り方向)の揃えが行われる。
【0018】
また、中間処理トレイ上には、その手前側と奥側とのそれぞれに位置する整合板246が設けられている。各整合板246は、中間処理トレイ上にシートが排出される毎に駆動される。これにより、中間処理トレイ上のシートに対して横方向(幅方向)へ揃えが行われる。
そして、所定枚数のシートが中間処理トレイ上に排出されて積載されると、束排紙ベルト243が駆動され、シートがスタックトレイ242又は247上へ排出される。また、ステイプルモードが設定されている場合、ステイプルを行う一束分のシートが中間処理トレイ上に排出され、整合板246によりシートの横方向への揃えが行われる。その後、ステイプルユニット248が駆動されてシート束が綴じられ、綴じられたシート束は、束排紙ベルト243によりスタックトレイ242又は247上へ排出される。ここで、各スタックトレイ242、247は昇降動作可能に構成されている。また、各スタックトレイ242、247には、シートの有無を検知するためのセンサ250、249が設けられている。
また、ステイプルユニット248は、シート後端の奥側位置を綴じる「コーナー綴じ」、シート後端を2箇所で綴じる「ダブル綴じ」を行うことが可能である。シートに対する綴じ位置は、ユーザーにより設定される。
【0019】
(操作部の構成)
図3は、操作部121の配置構成例を示す図である。スタートキー301は、スキャナ部122によるスキャン開始指示及びプリンタ部123又はフィニッシャ部126による印刷開始を受け付けるキーである。クリア/ストップキー302は、装置が待機中はクリアキー、ジョブ実行中はストップキーの機能を有する。テンキー303は、数字を入力することが可能である。ユーザーモードキー313は、複合機100の設置を行うユーザーモード画面に遷移することが可能である。ショートカット表示領域314は、機能共通で利用できるショートカットボタンの表示領域である。ステータス通知領域315は、デバイス、又はジョブの状態を通知する領域である。機能画面領域304は、コピー及びファックス送信等を実行する際に各種設定を行うための画面を表示する機能画面領域であり、コピー機能画面を例に説明する。機能画面領域340は、画像形成に係る設定を行う機能画面領域の一例である。用紙選択キー305は、印刷出力する用紙を給紙段、又は自動用紙選択から選択する。等倍キー306は、等倍で印刷出力する場合に指定する。ズームキー307は、任意の倍率を指定することが可能である。カラーモード選択キー308は、印刷出力するカラーモードと選択することが可能である。ショートカットキー309~312は、様々な処理に対応するキーを設定可能なショートカットキーである。例えば、ショートカットキーには、仕上げ設定、両面モード、濃度設定、原稿の種類等を設定することができる。
【0020】
(印刷処理と用紙無し状態の解消手段)
図4は、実施形態1の用紙無し状態解消処理の一例を示すフローチャートである。用紙無し状態解消処理は、情報処理の一例である。S401~S414は各ステップを表す。各ステップの処理は複合機100のCPU101がROM103又はHDD104に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。複合機100の電源がONになり、複合機100のCPU101がROM103又はHDD104が起動するとコントローラ125はS401で印刷実行指示の待機状態となる。S401において、CPU101は、印刷実行指示(プリント実行指示)を受信したか否かを判定する。CPU101は、印刷実行指示を受信していないと判定した場合はS401の処理に戻り、印刷実行指示を受信したと判定した場合はS402に進む。
S402において、CPU101は、プリンタ部123に印刷実行指示を行い、ジョブの印刷を開始する。複合機100でのコントローラ125への印刷実行指示は、例えばコピーの場合は機能画面領域304に表示したスタートキー301で行う。他の機器からの印刷実行指示はNetwork I/F106を介してLANやWAN124から行う。
【0021】
S403において、CPU101は、ジョブの印刷状態と各用紙格納部の用紙量とを監視する。CPU101は、用紙無し状態になっていない場合、用紙無し状態解消処理を終了し、用紙無し状態になった場合、S404に進む。
S404において、CPU101は、認証処理部119に対して認証状態を問い合わせ、ログイン済みかどうかを判定する。CPU101は、ログイン状態であると判定した場合、S405に進み、ログイン状態でないと判定した場合、S407に進む。
S407において、CPU101は、
図5に示す用紙無し画面500を操作部121に表示する。そして、CPU101は、S408以降の処理を行う。用紙無し画面500において、501~503は給紙段選択ボタンである。ユーザーは、このボタンを選択することで強制給紙する給紙段を選択することができる。ユーザーは、給紙段選択ボタン501~503の何れかを選択し、OKボタン504を選択することで強制給紙を指示することができる。505は中止ボタンである。ユーザーは、このボタンを選択することで用紙なし中断中のジョブを中止することができる。
図6は、ジョブ状況を表示する画面の一例を示す図である。ジョブ状況画面601は複合機100が実行しているジョブの状態及び履歴等をユーザーが確認できる画面である。ジョブ状況画面呼び出しボタン602はジョブ状況画面601を呼び出すためのボタンであり、ショートカット表示領域314に表示される。したがって、ユーザーは、例えばコピー機能を利用中でもジョブ状況画面呼び出しボタン602を選択することによって、ワンボタンでジョブ状況画面601画面を表示することができる。
【0022】
S405において、CPU101は、ステータス通知領域315にジョブ状況画面へ誘導する文言701を表示する。一例を
図7に示す。CPU101は、ジョブ状況画面へ誘導する文言701をステータス通知領域315に表示する。そのため、ログイン中のユーザーは継続して機能画面領域304を操作することができる。S405の処理は、表示制御の処理の一例である。
S406において、CPU101は、ユーザーがジョブ状況画面呼び出しボタン602を選択したか否かを判定する。CPU101は、ユーザーがジョブ状況画面呼び出しボタン602を選択したと判定した場合、S407に進み、ユーザーがジョブ状況画面呼び出しボタン602を選択していないと判定した場合、S406の処理を繰り返す。ユーザーがジョブ状況画面呼び出しボタン602を選択する操作は、用紙無し画面へ誘導するための情報に応じた所定の操作の一例である。
S407において、CPU101は、用紙無し画面500を操作部121に表示する。S407の処理は、表示制御の処理の一例である。
S408において、CPU101は、イベントを待機する。
S409において、CPU101は、受信したイベントが操作部イベントかどうか判定する。CPU101は、操作部イベントと判定した場合、S412に進み、操作部イベントでないと判定した場合、S410に進む。
【0023】
S412において、CPU101は、受信した操作部イベントが強制給紙要求か中止要求かを判定する。CPU101は、操作部イベントが強制給紙要求であると判定した場合、S414に進み、操作部イベントが中止要求であると判定した場合、S413に進む。
S413において、CPU101は、プリンタ部123に対してカセット208、209、手差し給紙トレイ210の何れから給紙するのかを、
図8の給紙段選択ボタン801~803により選択された給紙段に従ってプリンタ部123に通知する。S411において、CPU101は、用紙無し画面500をクローズする。そして、CPU101は、S402に戻る。
S414において、CPU101は、プリンタ部123に対し用紙なしエラーにより中断しているジョブの中止要求を行う。S415において、CPU101は、用紙無し画面500をクローズする。そして、CPU101は、用紙無し状態解消処理を終了する。
S410において、CPU101は、受信したイベントが用紙補給検知かどうか判定する。CPU101は、受信したイベントが用紙補給検知であると判定した場合、S411に進み、受信したイベントが用紙補給検知でないと判定した場合、S408に戻る。
S411において、CPU101は、用紙無し画面500をクローズする。そして、CPU101は、S402の処理に戻る。
【0024】
以上の実施形態で説明した処理により、認証状態に応じて、用紙無し画面表示とステータスライン行の切り替えとを行うことにより、ログイン状態の場合は画面操作を妨げず、ログイン状態でない場合はすぐに用紙無し状態に気づくことができる。
【0025】
<実施形態2>
図8は、実施形態1の用紙無し状態解消処理の一例を示すフローチャートである。S401において、CPU101は、印刷実行指示を受信したと判定した場合、S801に進む。S801において、CPU101は、認証処理部119にあるデータを用いてプリンタ部123にオーナー情報付きのプリントジョブの印刷実行指示を行い、ジョブの印刷を開始する。プリントジョブは認証処理部119にあるデータを用いてユーザー情報と紐づいてコントローラ125内で管理される。
S404において、CPU101は、ログイン中であると判定した場合、S802に進む。S802において、CPU101は、認証処理部119にログインユーザーのユーザー情報とジョブオーナーのユーザー情報とが同一かを問い合わせる。CPU101は、問い合わせの結果、同一であると判定した場合、S405に進み、同一でないと判定した場合、S407に進む。
S405において、CPU101は、ステータスラインによる通知を行う。S407において、CPU101は、用紙無し画面500を表示する。
【0026】
以上の実施形態で説明した処理により、自分の投入したジョブが用紙無し状態で中断している場合はすぐに用紙無し状態に気づくことができる。また、ログインユーザーとジョブオーナーとが違う場合は画面操作を妨げることはない。
【0027】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0028】
以上、本発明の実施形態の一例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。
【0029】
以上、上述した各実施形態の処理によれば、ログイン状態の場合は画面操作を妨げず、ログイン状態でない場合はすぐに用紙無し状態を気付かせることができる。
【符号の説明】
【0030】
100 複合機
101 CPU
104 HDD