(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】基板検査装置、基板検査方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20221219BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01N21/956 B
H05K3/00 Q
(21)【出願番号】P 2019036965
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】中原 史博
(72)【発明者】
【氏名】中村 友紀
(72)【発明者】
【氏名】藤木 賢士
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 大樹
(72)【発明者】
【氏名】堂崎 由夏
(72)【発明者】
【氏名】西村 浩二
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-191112(JP,A)
【文献】特開2013-117490(JP,A)
【文献】特開2010-102050(JP,A)
【文献】特開2013-156082(JP,A)
【文献】特開2018-120373(JP,A)
【文献】特開2004-354250(JP,A)
【文献】特開2018-152063(JP,A)
【文献】特表2004-502250(JP,A)
【文献】特表2007-500841(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119314(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0032348(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0050591(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
H01L 21/66
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を異なる条件で撮影して生成された、複数の画像を取得する画像取得部と、
前記複数の画像を、機械学習によって生成された識別器を用いて処理することにより
、前記基板の異常の有無を判断
し、異常があると判断された前記基板である異常有基板を複数のグループに分類する異常判断部と、
を備え
、
前記複数のグループは、基板に実在する異常を示すグループと、基板に実在しない異常を示すグループとを含む、基板検査装置。
【請求項2】
前記基板に実在しない異常は、前記画像を撮影する環境または前記画像を撮影する撮像装置の構造に起因して前記画像の中でのみ生じる異常である、
請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記異常有基板に対して実行すべき後処理を、分類された前記グループを用いて特定する、後処理特定部を備える、
請求項
1または2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記複数のグループの各々に優先順位が設定されており、
前記後処理特定部は、前記優先順位に基づいて、前記異常有基板に対して実行すべき後処理として、一の後処理を特定する、
請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記複数のグループの各々に優先順位が設定されており、
前記後処理特定部は、前記優先順位に基づいて、前記異常有基板に対して実行すべき後処理の実行順序を決定する、
請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記異常判断部は、
前記異常有基板が有する異常の種類を識別し、
当該異常の種類に基づいて前記異常有基板が属するグループを判別する、
請求項
1から5のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記異常判断部は、
前記基板がセラミック基板である場合、クラック、汚れ・異物の存在、傷、欠け、または凹凸を、前記基板の異常として判別し、
前記基板が回路基板である場合、表面の汚れ、傷、または凹凸を、前記基板の異常として判別する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項8】
異常があると判断された前記基板である異常有基板に対して実行すべき後処理は、以下に記載の(a)から(d)のいずれか1つを含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板検査装置。
(a)前記異常有基板を製品基板とする
(b)前記異常有基板に付着する異物を除去して製品基板とする
(c)前記異常有基板の異常を修復して製品基板とする
(d)前記異常有基板を不合格品として廃棄する
【請求項9】
前記(b)の後処理は、所定のガスまたは液体による異物の洗浄除去工程を含む、
請求項8に記載の基板検査装置。
【請求項10】
前記(c)の後処理は、熱または研磨による修復工程を含む、
請求項8または9に記載の基板検査装置。
【請求項11】
前記識別器は、基板の属性に応じた学習データを用いて、当該属性別に構築されており、
前記異常判断部は、
前記基板の属性を示す基板属性情報を取得し、当該基板属性情報が示す属性に対応する識別器を用いて、前記基板の異常の有無を判断する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項12】
前記基板の属性は、基板の種類、および、前記基板を製造した場所の少なくともいずれか一方を含む
請求項1から11のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項13】
コンピュータが、
基板を異なる条件で撮影して生成された、複数の画像を取得し、
前記複数の画像を、機械学習によって生成された識別器を用いて処理することにより
、前記基板の異常の有無を判断
し、異常があると判断された前記基板である異常有基板を複数のグループに分類する、
ことを含
み、
前記複数のグループは、基板に実在する異常を示すグループと、基板に実在しない異常を示すグループとを含む、基板検査方法。
【請求項14】
コンピュータに、請求項13に記載の基板検査方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査装置、基板検査方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板製造プロセスにおいて、製造された基板の欠陥を検出するための検査工程が含まれる。例えば、下記特許文献1には、検査画像撮像部で撮像された画像(基板の画像)の中から検査に必要な部分を切り出して検査画像とし、当該検査画像を基準画像や隣接画像と比較することで、その基板の検査を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板を製造している現場において、基板製品の迅速かつ正確な検査を実現することが求められている。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、基板製品の迅速かつ正確な検査を実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
基板を異なる条件で撮影して生成された、複数の画像を取得する画像取得部と、
前記複数の画像を、機械学習によって生成された識別器を用いて処理することにより、
前記基板の異常の有無を判断する異常判断部と、
を備える基板検査装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、
コンピュータが、
基板を異なる条件で撮影して生成された、複数の画像を取得し、
前記複数の画像を、機械学習によって生成された識別器を用いて処理することにより、
前記基板の異常の有無を判断する、
ことを含む基板検査方法が提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータに、上述の基板検査方法を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板製品の迅速かつ正確な検査を実現する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態における基板検査装置の機能構成を例示する図である。
【
図2】基板検査装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
【
図3】第1実施形態の基板検査装置により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る基板検査装置の機能構成を示す図である。
【
図5】第2実施形態の基板検査装置により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を決定する際に用いられる情報の一例を示す図である。
【
図7】異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を決定する際に用いられる情報の一例を示す図である。
【
図8】第3実施形態に係る基板検査装置の機能構成を例示する図である。
【
図9】第3実施形態の基板検査装置により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】識別器とその識別器に対応する属性とを紐付ける情報の一例を示す図である。
【
図11】第1実施形態の変形例の基板検査装置により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、セラミックス基板やセラミックス回路基板などを含む基板製品全般を対象とする。ここで、セラミックス基板は、原料粉を形成および焼結することによって生成されるセラミックスの板である。セラミックス回路基板とは、先述のセラミックス基板と金属板(例えば銅版やアルミ板など)とをろう材などを用いて接合した複合体(セラミックス金属複合体)に、レジスト塗布、エッチング、メッキ処理を行って、所望の回路パターンを形成したものである。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良等を行うことができる。実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0013】
[第1実施形態]
<機能構成例>
図1は、第1実施形態における基板検査装置の機能構成を例示する図である。
図1に示されるように、本実施形態の基板検査装置10は、画像取得部110、異常判断部120を備える。
【0014】
画像取得部110は、検査対象基板を異なる条件下で撮影することによって生成された、複数の画像を取得する。検査対象基板の画像は、図示しない撮像装置を用いて生成される。一例として、複数の撮像装置を用いて検査対象基板を様々な角度から撮影することによって、その検査対象基板の複数の画像が生成される。他の一例として、検査対象基板に照射される光の特徴(光の波長や光量など)を変えながら、1つ以上の撮像装置を用いて検査対象基板を複数回撮影することによって、その検査対象基板の複数の画像が生成される。画像取得部110は、生成された複数の画像の一部または全部を取得する。
【0015】
異常判断部120は、画像取得部110により取得された複数の画像を、機械学習によって生成された識別器122を用いて処理することにより、検査対象基板の異常の有無を判断する。また、異常判断部120は、さらに、異常があると判断された検査対象基板を複数のグループに分類するように構成されていてもよい。以下では、異常判断部120が、検査対象基板に異常があるか否かを判断し、更に、異常があると判断された検査対象基板をその異常に基づいて複数のグループに分類する例について主に説明する。なお、以下の説明において、「異常があると判断された検査対象基板」を「異常有基板」とも表記する。
【0016】
ここで、識別器122は、既知の機械学習アルゴリズム(例えば、ディープラーニングやSVM(Support Vector Machine)など)を利用して、検査対象基板上の異常を検出可能に構築された学習モデルである。例えば、学習用のデータセット(基板に生じ得る異常の画像データと、その異常の種類を識別する情報との組み合わせ)を用いて学習を行うことにより、画像の特徴量から、基板上に異常が存在するか否か、および、基板上に異常が存在する場合にはその異常の種類は何かを判定可能な識別器122が構築される。なお、識別器122を構築するために利用される機械学習アルゴリズムは、検査対象基板が有する各種異常を識別または分類できるものであれば、特に限定されない。識別器122は、画像取得部110により取得された検査対象基板の画像を入力として受け付けると、機械学習により構築されたモデルに基づいて、当該画像に写っている検査対象基板が異常を有する基板(異常有基板)であるか否かを判定する。また、識別器122は、検査対象基板が異常有基板と判定される場合には、当該基板が有する異常の種類を示す情報を更に出力する。異常判断部120は、識別器122から出力される情報を基に、検査対象基板が異常有基板か否か、および、検査対象基板が異常有基板と判断された場合に当該基板が有する異常の種類を識別することができる。
【0017】
一例として、検査対象基板がセラミック基板である場合、識別器122は、入力された検査対象基板の画像について、例えば当該セラミック基板に生じたクラック、基板表面の汚れや異物の存在、傷、欠けまたは凹凸などを「異常」として検出するように構築される。この場合、異常判断部120は、識別器122から出力される情報を基に、セラミック基板に生じたクラック、基板表面の汚れや異物の存在、傷、欠けまたは凹凸を、基板の異常として判別することができる。他の一例として、検査対象基板が回路基板である場合、識別器122は、入力された検査対象基板の画像について、例えば基板表面の汚れや異物の存在、傷、または凹凸などを「異常」として検出するように構築される。この場合、異常判断部120は、識別器122から出力される情報を基に、セラミック基板に生じたクラック、少なくとも、基板表面の汚れや異物の存在、傷、または凹凸を、基板の異常として判別することができる。また、識別器122は、上述したような基板に実在する異常のほか、基板に実在しない異常(例えばハレーションといった、撮影時の環境や撮像装置の構造などに起因して画像データ上でのみ生じる異常)を識別可能に学習されていてもよい。
【0018】
ここで、異常有基板が有する異常の種類によって、その基板の取り扱い(後処理)は異なってくる。例えば、異常有基板として判断された検査対象基板について、識別器122の出力情報が「基板に実在しない異常」のみを異常の種類として含んでいる場合、その基板には実質的な異常はないと言える。この場合、その基板は、特別な後処理を必要とせず、そのままの状態で合格品として出荷ことができる。また例えば、異常有基板として判断された検査対象基板について、識別器122の出力情報が「基板に実在する異常」を異常の種類として含んでいる場合、その基板に対しては何らかの後処理が必要となる。そして、基板に対して行うべき後処理は、その基板が有する異常に応じて変わる。例えば、異常有基板として判断された検査対象基板の異常が、基板表面上に付着した汚れや異物である場合、その基板は、所定の洗浄処理を行った後、合格品として出荷することができる。また例えば、異常有基板として判断された検査対象基板の異常が軽度の傷などである場合、その基板は、所定の修復処理を行った後、合格品として出荷することができる。また例えば、異常有基板として判断された検査対象基板の異常が修復の見込みがないほど重度のクラックや傷などである場合、その基板は、例えば廃棄処分される。
【0019】
このように、異常有基板と判断された検査対象基板は、その基板が有する異常の種類に応じてその後の取り扱いが変わる。そこで、異常判断部120は、異常有基板として判断された基板が有する異常の種類に基づいて、その基板が属するグループ(すなわち、異常の種類に基づいて分類されるグループ)を判別する。例えば、識別器122に検査対象基板の画像を入力した結果、その検査対象基板が異常有基板と判断され、当該基板が有する異常の種類として「基板に実在しない異常」および「基板表面の汚れや異物による異常」を示す出力が得られたとする。この場合、異常判断部120は、識別器122の出力に基づいて、異常有基板が「基板に実在しない異常」に対応するグループ、および、「基板表面の汚れや異物による異常」に対応するグループに属すると判断する。
【0020】
〔ハードウエア構成例〕
基板検査装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、基板検査装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0021】
図2は、基板検査装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。なお、
図2に示される基板検査装置10のハードウエア構成はあくまで一例であり、基板検査装置10のハードウエア構成は
図2の構成に限定されない。
【0022】
図2に示されるように、基板検査装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0023】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0024】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0025】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0026】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は基板検査装置10の各機能(画像取得部110、異常判断部120など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0027】
入出力インタフェース1050は、基板検査装置10と周辺機器とを接続するためのインタフェースである。
図2の例では、撮像装置1052および入出力用機器1054が、入出力インタフェース1050を介して基板検査装置10に接続されている。撮像装置1052は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサなどを用いて、検査対象基板の画像を生成する装置である。図示されるように、1以上の撮像装置1052が、検査対象基板を載置する検査台に載置される検査対象基板を撮像範囲に含むように配置される。また、入出力用機器1054は、検査対象基板を撮影するための撮像装置15例えば、マウス、キーボード、スピーカー、ディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)などの入出力用機器1054を含む。
【0028】
ネットワークインタフェース1060は、基板検査装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0029】
<処理の流れ>
図3を用いて、本実施形態の基板検査装置10により実行される処理について説明する。
図3は、第1実施形態の基板検査装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【0030】
まず、画像取得部110が、入出力インタフェース1050等を介して接続された撮像装置1052から、検査対象基板の画像を取得する(S102)。異常判断部120は、画像取得部110により取得された検査対象基板の画像を、機械学習によって予め構築された識別器122に入力する(S104)。そして、異常判断部120は、検査対象基板の画像を入力することで識別器122から得られる出力結果に基づいて、異常判断部120は、検査対象基板が異常有基板か否かを判別する(S106)。検査対象基板について異常が検出された場合(S106:YES)、異常判断部120は、異常があると判断された検査対象基板(異常有基板)について、その基板の分類先のグループを識別器122の出力結果(異常の種類)に基づいて特定する(S108)。そして、異常判断部120は、S108の処理で特定したグループに関する情報を、例えば基板検査装置10に接続されたディスプレイやランプなどを介して、製品基板の検査業務に携わる人物に通知する(S110)。一方、検査対象基板について異常が検出されなかった場合(S106:NO)、異常判断部120は、検査対象基板を合格品として判定する(S112)。合格品と判定された基板は、梱包作業を経て、製品として出荷される。
【0031】
以上、本実施形態では、異常があると判断された検査対象基板(異常有基板)について、その基板が有する異常の種類に基づいてグループが特定される。そして、異常有基板について特定されたグループに関する情報が、製品基板の検査業務に携わる人物に対して通知される。このように基板検査装置10から出力される情報を確認することによって、業務経験の浅い人物(業務に関して習熟度の低い人物)であっても、異常有と判断された検査対象基板がどのような異常を有しているかを正確にかつ迅速に判断することができるようになる。また、本実施形態の基板検査装置10では、製品基板上の異常の有無を検出するために、機械学習が利用されている。これにより、人が画像を確認する場合と比べて、基板の異常の有無に関する判断の偏りが小さくなり、業務にあたる人物に依らず、業務の品質を一定以上に保つ効果も見込める。
【0032】
<変形例>
本実施形態において、異常判断部120は、異常有基板を異常に基づいて分類する処理を行わなくてもよい。
図11は、第1実施形態の変形例の基板検査装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【0033】
図11のS402~S406、およびS410の処理は、それぞれ、
図3のS102~S106およびS110の処理と同様である。S406の処理において、検査対象基板について異常が検出された場合(S406:YES)、本変形例の異常判断部120は、基板検査装置10に接続されたディスプレイなどの出力用機器を介して、検査対象基板の異常を通知する(S408)。例えば、異常判断部120は、検査対象基板が異常有基板か否かを示す情報、検査対象基板において検出された異常の種類(汚れや異物の付着、クラック、傷、欠けまたは凹凸など)を示す情報、または、異常の検出位置を示す情報などを、出力用機器を介して通知する。
【0034】
本変形例では、S20の検査工程において基板検査装置10が検査対象基板の異常を検出した場合、当該検出された異常に関する情報が出力用機器を介して通知される。出力用機器を介して通知される情報は、製品基板の検査業務に携わる人物が、検査対象基板に異常があるか否かを判断したり、検査対象基板で検出された異常の種類やその検出位置などを把握したりする際の手助けとなる。このような情報により、異常のある検査対象基板に対する後処理を円滑に進める効果が見込める。
【0035】
[第2実施形態]
本実施形態は、以下で説明する点を除き、上述の第1実施形態と同様である。
【0036】
<機能構成例>
図4は、第2実施形態に係る基板検査装置10の機能構成を示す図である。
図4に示されるように、本実施形態の基板検査装置10は、第1実施形態の構成に加えて、後処理特定部130を更に備える。後処理特定部130は、異常有基板に対して実行すべき後処理を、異常判断部120において分類されたグループを用いて特定する。
【0037】
ここで、異常有基板に対して実行すべき後処理は、例えば、以下に分類されるような処理の少なくともいずれか1つを含む。
(a)異常有基板をそのまま製品基板とする
(b)異常有基板に付着する異物を除去して製品基板とする
(c)異常有基板の異常(傷や反りなど)を修復して製品基板とする
(d)異常有基板を不合格品として廃棄する
なお、ここで「製品基板」とは、合格品として出荷される製品のことを意味する。
【0038】
上記(a)の後処理は、異常があると判断された検査対象基板を、後処理を行わずに、そのまま合格品として出荷工程に進める処理である。異常有基板が「基板に実在しない異常」に対応するグループのみに分類されている場合、後処理特定部130は、上記(a)の後処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。
【0039】
上記(b)の後処理は、検査対象基板の異常を解消する処理の1つであり、例えば、所定のガス(窒素ガスや炭酸ガスなど)または液体(純水など)による、基板に付着した汚れや異物の洗浄除去工程を含む。異常有基板が「基板表面の汚れや異物による異常」に対応するグループに分類された場合、後処理特定部130は、上記(b)の後処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。
【0040】
上記(c)の後処理は、検査対象基板の異常を解消する処理の1つであり、例えば、加熱または研磨による修復工程を含む。例えば、洗浄では取れない、セラミックス基板上のこびりついた汚れや異物、軽度の傷、乾燥シミ等は、研磨処理によって修復することが可能である。また、セラミックス基板などに生じた反りは、軽度のものであれば、加熱処理によって修復することが可能である。また、基板表面上に生じた傷、欠け、または凹凸は、軽度のものであれば、研磨処理によって修復することが可能である。異常有基板が「基板表面に生じた修復可能な異常」に対応するグループに分類された場合、後処理特定部130は、上記(c)の後処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。後処理特定部130は、異常有基板の異常の種類として、加熱処理で修復可能な「反り」などの異常のみを含むか、研磨処理で修復可能な「傷、欠けまたは凹凸」などの異常のみを含むか、或いはその双方を含むかに応じて、「加熱処理」および「研磨処理」のいずれか、或いは、それら両方を、「異常有基板に対して実行すべき後処理」として決定するように構成されていてもよい。
【0041】
また、上記(c)の後処理として、上述の加熱処理や研磨処理のほか、形成された回路パターンの保護メッキを剥離した上で再度メッキを施す処理が含まれていてもよい。この場合、識別器122は、例えば、メッキの密着不良、膜厚バラツキ、メッキ面の面荒れ、メッキ液残渣のシミ不良といったメッキ部位の異常に関する学習用データセットを用いて機械学習を行い、メッキ部位の異常を検出可能に構築される。そして、識別器122に検査対象基板の画像を入力した結果、その検査対象基板が異常有基板と判断され、当該基板が有する異常の種類として「メッキ部位の異常」を示す出力が得られた場合、異常判断部120はその基板を「基板表面に生じた修復可能な異常」に対応するグループに分類する。後処理特定部130は、異常有基板が「基板表面に生じた修復可能な異常」に対応するグループに分類された場合、保護メッキを剥離した上で再度メッキを施す処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。
【0042】
上記(d)の後処理は、異常があると判断された検査対象基板を、不合格品として廃棄処分とする処理である。異常有基板が「基板表面に生じた修復不可能な異常」に対応するグループに分類されている場合、後処理特定部130は、上記(d)の後処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。
【0043】
また、異常有基板に対して実行すべき後処理は、上記(a)乃至(d)の処理に限定されない。例えば、異常有基板を他の基板の原料として再利用する処理が、異常有基板に対して実行すべき後処理として含まれていてもよい。異常有基板を他の基板の原料として再利用する処理とは、具体的には、セラミックス基盤部分を解砕して回収したセラミックス骨材を、別のセラミックス基板の材料として再利用する処理や、セラミックス回路基板の金属部分を溶解させて回収した金属を用いて、新たな金属板を生成する処理などである。後処理特定部130は、異常有基板が「基板表面に生じた修復不可能な異常」に対応するグループに分類されている場合、上述の(d)の処理(基板の廃棄処理)に代えて、異常有基板を他の基板の原料として再利用する処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定してもよい。
【0044】
<処理の流れ>
図5を用いて、本実施形態の基板検査装置10により実行される処理について説明する。
図5は、第2実施形態の基板検査装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
図5に示される処理は、
図3のS108の処理の後に実行される。
【0045】
後処理特定部130は、S108の処理で特定された異常有基板のグループに関する情報に基づいて、当該異常有基板に対して実行すべき後処理を決定する(S202)。
【0046】
後処理特定部130は、例えば、
図6に示されるような情報を用いて、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を決定することができる。
図6は、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を決定する際に用いられる情報の一例を示す図である。
図6には、異常判断部120の処理結果に応じて実行すべき後処理を定義するテーブルが描かれている。具体的には、異常判断部120の処理結果として、分類されたグループを示す情報毎に、実行すべき後処理を示す情報(後処理情報)が紐付けられている。例えば、異常判断部120が、S108の処理において、異常有基板をグループBに分類した場合、後処理特定部130は、
図6に例示される情報を用いて、「洗浄除去処理」を当該異常有基板に対して実行すべき後処理として決定することができる。
【0047】
そして、後処理特定部130は、異常有基板に対して実行すべき後処理を示す情報を、例えば基板検査装置10に接続されたディスプレイやランプなどを介して、製品基板の検査業務に携わる人物に通知する(S204)。例えば、後処理特定部130は、検査対象基板に対して実行すべき後処理を通知するメッセージ(例:「洗浄除去処理を行ってください」など)をディスプレイに表示させる。
【0048】
以上、本実施形態では、異常判断部120による異常有基板のグループの分類結果に基づいて、その異常有基板に対して実行すべき後処理が決定される。そして、異常有基板に対して実行すべき後処理を示す情報が、製品基板の検査業務に携わる人物に対して通知される。製品基板の検査業務に携わる人物は、本実施形態の基板検査装置10から出力される情報を確認することによって、異常有と判断された検査対象基板に対してどのような後処理を行なえばよいかを即座に判断することができる。その結果として、製品基板の検査業務の効率化が図れる。
【0049】
<第1の変形例>
ここで、検査対象基板に複数種類の異常が存在する場合、その基板に存在する異常の種類によって、当該基板が複数のグループに分類されることもある。例えば、識別器122に検査対象基板の画像を入力した結果、その検査対象基板が異常有基板と判断され、当該基板が有する異常の種類として「基板の汚れや異物による異常」および「基板表面に生じた修復可能な異常」を示す出力が得られたとする。この場合、異常判断部120は、識別器122の出力に基づいて、異常有基板を「基板の汚れや異物による異常」に対応するグループ、および、「基板表面に生じた修復可能な異常」に対応するグループに分類する。そして、後処理特定部130は、「基板の汚れや異物による異常」に対応するグループに対応する上記(b)の後処理と、「基板表面に生じた修復可能な異常」に対応するグループに対応する上記(c)の後処理を、異常有基板に対して実行すべき後処理として決定する。
【0050】
この場合において、各グループに優先順位を示す情報を紐付けておくことで、後処理特定部130は、複数の後処理の実行順序を決定することができる。後処理特定部130は、例えば
図7に示すような情報を用いて、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理の実行銃所を特定することができる。
図7は、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を決定する際に用いられる情報の一例を示す図である。例えば、検査対象基板の画像を識別器122に入力した結果、当該基板が「グループB」および「グループC」に分類された場合、後処理特定部130は、
図7に例示される情報に基づいて、「洗浄除去処理」および「修復処理」を、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理として決定することができる。更に、後処理特定部130は、
図7に例示される情報のうち、グループBおよびグループCに対して紐付けられている優先順位を示す情報に基づいて、後処理の実行順序を決定することができる。この場合、後処理特定部130は、「洗浄除去処理」、「修復処理」の順序を、後処理の実行順序として決定する。そして、後処理特定部130は、異常有と判断された検査対象基板に対して実行すべき後処理を示す情報に、実行順序を示す情報を付加して、製品基板の検査業務に携わる人物に通知する。例えば、後処理特定部130は、検査対象基板に対して実行すべき後処理と後処理の実行順序を通知するメッセージ(例:「洗浄除去処理の後、修復処理を行ってください」など)をディスプレイに表示させる。
【0051】
本変形例の構成によれば、製品基板の検査業務にあたる人物が、異常ありと判断された検査対象基板に対してどのような順序で後処理を行なえばよいかを、容易に判断することができる。これにより、製品検査業務の更なる効率化が見込める。
【0052】
<第2の変形例>
本実施形態において、例えば、複数のグループ各々に優先順位が設定されており、後処理特定部130は、グループ毎に設定された優先順位に基づいて、異常有基板に対して実行すべき後処理として、一の後処理を特定するように構成されていてもよい。例えば、ある特定の後処理が他の後処理を包含する関係にある場合には、前者の後処理の優先順位が後者の後処理の優先順位よりも高くなる。具体的な例として、検査対象基板が「修復処理」に対応するグループと「洗浄処理」に対応するグループとに分類されるケースを挙げる。ここで、研磨や再メッキなどの修復処理では、作業時に汚れやカス等が別途付着する可能性があるため、そのような汚れやカスを除去するために必ず基板の洗浄作業をセットで行うことになる。この場合、修復処理の中に洗浄処理が含まれているとも言える。そのため、異常判断部120が検査対象基板の画像を基に異常を判断した結果、当該検査対象基板が「修復処理」に対応するグループと「洗浄処理」に対応するグループに分類された場合、少なくとも修復処理を実行すれば、結果的に、洗浄処理も実行できることになる。このような場合に、例えば
図7に示すように、修復処理に対応するグループの優先順位を、洗浄処理に対応するグループの優先順位よりも高く設定しておくことで、後処理特定部130は、当該
図7に示される情報を用いて、「修復処理」と「洗浄処理」のうち、より優先順位の高い「修復処理」を実行すべきと判断することができる。
図7に例示されるような情報は、例えば、メモリ1030やストレージデバイス1040など、後処理特定部130がアクセス可能な記憶領域に予め記憶される。このような構成により、後処理を含む作業の効率を向上させる効果が見込める。
【0053】
[第3実施形態]
本実施形態は、以下で説明する点を除き、上述の第1実施形態と同様である。
【0054】
<機能構成例>
図8は、第3実施形態に係る基板検査装置10の機能構成を例示する図である。
図8に示されるように、本実施形態において、異常判断部120は、複数の識別器122を有する。これら複数の識別器122の各々は、属性別に収集された複数の学習用のデータセット(基板に生じた異常の画像とその異常の種類を識別する情報の組み合わせ)を用いて、属性別に構築されている。
【0055】
ここで、基板の属性は、例えば、基板の種類(例えば基板材料に基づく種類や、セラミックス基板やセラミックス回路基板といった基板の構成に基づく種類など)、または、その基板を製造した場所(例えば、工場または工場内のラインなど)である。但し、基板の属性は、基板に生じる異常の種類に影響を及ぼし得るものであれば、特に限定されない。
【0056】
本実施形態において、異常判断部120は、検査対象基板の属性を示す情報(以下、「基板属性情報」とも表記)を取得する。そして、異常判断部120は、当該基板属性情報が示す属性に対応する識別器122を、「検査対象基板の異常の有無を判断する際に利用する識別器」として特定する。そして、異常判断部120は、特定した識別器122を用いて、検査対象基板の異常の有無を判断する。
【0057】
<処理の流れ>
図9を用いて、本実施形態の基板検査装置10により実行される処理の流れについて説明する。
図9は、第3実施形態の基板検査装置10により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
まず、異常判断部120は、検査対象基板のデータ(基板属性情報)を取得する(S302)。例えば、異常判断部120は、基板検査装置10に接続された入力装置(キーボードやタッチパネル)を介して、検査対象基板の種類や製造場所を示す情報(基板属性情報)の入力を受け付ける。
【0059】
異常判断部120は、入力された基板属性情報が示す属性に対応する識別器を、複数の識別器122の中から選択する(S304)。例えば、異常判断部120は、識別器毎に対応する属性を記憶するテーブル(例:
図10)を用いて、S302の処理で取得した基板属性情報が示す属性に対応する識別器を選択することができる。
図10は、識別器とその識別器に対応する属性とを紐付ける情報の一例を示す図である。
図10に例示される情報は、例えば、メモリ1030やストレージデバイス1040などの記憶領域に予め記憶されている。例えば、基板属性情報によって示される属性が「セラミックス基板」である場合、異常判断部120は、
図10に例示されるような情報に基づいて、異常判断部120は、セラミックス基板の検査用に構築された識別器Aを選択する。また、基板属性情報によって示される属性が「セラミックス回路基板」である場合、異常判断部120は、
図10に例示されるような情報に基づいて、セラミックス回路基板の検査用に構築された識別器Bを選択する。また、基板属性情報によって示される属性が「セラミックス基板」でも「セラミックス回路基板」でもない場合、異常判断部120は、
図10に例示されるような情報に基づいて、汎用的に構築された識別器Cを選択する。
【0060】
その後、画像取得部110により検査対象基板の画像が取得されると(S306)、異常判断部120は、当該検査対象基板の画像をS304の処理で選択された識別器122に入力する(S308)。そして、異常判断部120は、検査対象基板の画像を入力することで識別器122から得られる出力結果に基づいて、異常判断部120は、検査対象基板が異常有基板か否かを判別する(S310)。検査対象基板について異常が検出された場合(S310:YES)、異常判断部120は、異常があると判断された検査対象基板(異常有基板)について、その基板の分類先のグループを識別器122の出力結果(異常の種類)に基づいて特定する(S312)。そして、異常判断部120は、S312の処理で特定したグループに関する情報を、例えば基板検査装置10に接続されたディスプレイやランプなどを介して、製品基板の検査業務に携わる人物に通知する(S314)。一方、検査対象基板について異常が検出されなかった場合(S310:NO)、異常判断部120は、検査対象基板を合格品として判定する(S316)。合格品と判定された基板は、梱包作業を経て、製品として出荷される。S306からS316までの処理の流れは、
図3のS102からS112までの処理の流れと同様である。
【0061】
以上、本実施形態では、検査対象基板の属性毎に識別器を切り替えて、その基板の異常の有無が判断される。ここで、基板の属性は、その基板に生じ得る異常の種類に影響を与え得る。例えば、基板の材料や構成によって、生じる異常の種類や傾向は変わってくる。また、製造場所で使用している製造用機械には個体差が少なからずあり、基板に生じる異常の種類や傾向は、製造用機械毎に異なる可能性がある。そこで、本実施形態で説明したように、検査対象基板の属性に合った識別器を適宜選択することにより、その基板の異常の有無を判別する精度を向上させる効果が見込める。
【符号の説明】
【0062】
10 基板検査装置
110 画像取得部
120 異常判断部
122 識別器
130 後処理特定部
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1052 撮像装置
1054 入出力用機器
1060 ネットワークインタフェース