(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】走査型撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221219BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20221219BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20221219BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20221219BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20221219BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N5/232 480
G03B15/00 W
G03B17/56 A
G02B26/10 101
H04N5/222 100
H04N5/225 400
H04N5/232 220
H04N5/232 990
(21)【出願番号】P 2019052236
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 正
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-210246(JP,A)
【文献】特開2000-106639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 15/00
G03B 17/56
G02B 26/10
H04N 5/222
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転台と、
前記回転台を回転自在に収容し、任意の箇所に設置するハウジングと、
前記回転台の上面に、前記回転台と同じ回転軸で回転自在に配置される従動部位と、
前記回転台の周縁部に回転自在に係合すると共に、その外周部が、ハウジングの内側で回転台の中心軸を中心とした円筒の側面と係合接触する駆動部位と、
一方端が前記従動部位の端部と回転自在に係合し、他方端が前記駆動部位の周縁部と回転自在に係合する連結部位と、
撮像する光軸が前記回転台の回転軸上に向けられて前記回転台の上面に配置されるカメラを含む光学系装置と、
前記従動部位の上面に配置され、前記光学系装置の光軸を反射によって補正するミラーと
を具備し、
前記ミラーは、前記回転台の回転に伴って前記駆動部位が回転し、前記駆動部位の回転に伴って前記連結部位を介して従動部位が前記回転台の回転方向に対して正逆方向に振れることで前記カメラの光軸を補正し、
前記光学系装置は、前記従動部位が前記回転台の回転方向に対して逆方向に振れて前記ミラーの補正光軸が略静止する期間に撮影する走査型撮像装置。
【請求項2】
前記従動部位、駆動部位、連結部位は、それぞれの回転ジョイント間の長さが前記回転台の角速度とは逆向きで同じ大きさの角速度となる時間を有するように決定される請求項1記載の走査型撮像装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、側面部の内側にハウジング内歯車が形成され、
前記駆動部位は、前記ハウジング内歯車に噛合う駆動用歯車であり、前記回転台が前記ハウジング内を回転するとき、前記駆動用歯車が前記ハウジング内歯車に噛合って、前記駆動用歯車が回転する請求項1記載の走査型撮像装置。
【請求項4】
前記ハウジング内歯車と前記駆動用歯車とは、増速ギアとして機能する請求項3記載の走査型撮像装置。
【請求項5】
さらに、前記ミラーを前記回転台の回転軸と直交する軸回りに角度を制御するミラー角度制御手段を備える請求項1記載の走査型撮像装置。
【請求項6】
さらに、前記光学系装置を前記回転台の回転軸と直交する軸回りに光軸の角度を制御する光軸角度制御手段を備える請求項1記載の走査型撮像装置。
【請求項7】
さらに、前記回転台または前記駆動部位に間欠的な回転動作を停止する回転停止機構を備える請求項1記載の走査型撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学装置(カメラ等)によって周囲を捜索・監視する広域捜索装置にあっては、一定角速度で撮像カメラを回転させて周囲の連続的な画像を得る走査型撮像装置が用いられる。この走査型撮像装置は、感光時間内に目標物の像が複数の画素にまたがって撮像される「像流れ」(本例の場合は、カメラ側が動くので、手振れと同じ状態)が起こらないように、ミラー等を用いた光軸補正機構が採用される場合がある。
【0003】
しかしながら、上記走査型撮像装置では、より遠い、より小さい、より輝度が暗い等の目標物を撮像するために、カメラの光学系の開口径を大きくしたり、サイズが大きい画像センサを用いたりしている。この場合、光学系の径が大きくなるため、光軸補正のための反射ミラーも大型化し、その結果、光学系全体の質量や慣性モーメントが増大する。さらに、より広い範囲をより短時間で捜索しようとした場合にはそれを短時間で高速に駆動する必要があるため、駆動系も大型化し、正確な動きを維持することが困難となってくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の課題は、光学系の大型化による全体の質量や慣性モーメントの増大に対応して正確な動きを維持することのできる走査型撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る走査型撮像装置は、回転台と、前記回転台を回転自在に収容し、任意の箇所に設置するハウジングと、前記回転台の上面に、前記回転台と同じ回転軸で回転自在に配置される従動部位と、前記回転台の周縁部に回転自在に係合すると共に、その外周部が、ハウジングの内側で回転台の中心軸を中心とした円筒の側面と係合接触する駆動部位と、一方端が前記従動部位の端部と回転自在に係合し、他方端が前記駆動部位の周縁部と回転自在に係合する連結部位と、撮像する光軸が前記回転台の回転軸上に向けられて前記回転台の上面に配置されるカメラを含む光学系装置と、前記従動部位の上面に配置され、前記光学系装置の光軸を反射によって補正するミラーとを具備する。前記ミラーは、前記回転台の回転に伴って前記駆動部位が回転し、前記駆動部位の回転に伴って前記連結部位を介して従動部位が前記回転台の回転方向に対して正逆方向に振れることで前記撮像カメラの光軸を補正し、前記光学系装置は、前記従動部位が前記回転台の回転方向に対して逆方向に振れて前記ミラーの補正光軸が略静止する期間に撮影する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る走査型撮像装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置を上方から見た場合の構成を示す上面図である。
【
図3】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置を側方から見た場合の断面構造を示す断面図である。
【
図4】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置の光軸補正のためのリンク機構の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4に示す実施形態の光軸補正用リンク機構の動作軌跡を示す特性図である。
【
図6】
図4に示す実施形態の光軸補正用リンク機構の撮像方向更新周期における角速度の変化を示す特性図である。
【
図7】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置の撮像時において、ターンテーブル回転駆動時の光軸変化を示す図である。
【
図8】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置の撮像方向更新周期と撮像方向角度の変化を示す特性図である。
【
図9】
図1に示す実施形態の走査型撮像装置のターンテーブル回転角度と撮像方向角度との関係及びターンテーブル上での光軸補正ミラーの回転角度との関係をまとめて示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態における走査型撮像装置の概略構成を示す斜視図、
図2は
図1に示す走査型撮像装置を上方から見た場合の構成を示す上面図、
図3は
図1に示す走査型撮像装置を側方から見た場合の断面構造を示す断面図である。
【0009】
図1乃至
図3において、11はハウジング、12はターンテーブル、13は撮像カメラ、14は従動リンク、15は歯車付の駆動リンク、16はロッド、17は従動リンク14の上面に配置されるミラーである。
ハウジング11は任意の場所に設置される。ハウジング11には、底部内側上面の中心部に回転軸の中心軸となる支軸111が設けられ、側面部内面側の一部に、上記回転軸の中心軸と同軸の中心軸をもつ円筒面をピッチ円とするハウジング内歯車112を具備する。
【0010】
ターンテーブル12は、面中心部にハウジング11の支軸111と係合する軸受121を備え、当該軸受121を支軸111に係合させることで、これを回転軸としてハウジング11の内部が連続回転できる。ターンテーブル12の形状は、例えば、ハウジング11の内径より小径の円盤状とする。ターンテーブル12は、図示しないモータ等の駆動装置によって回転されるとし、特に、周囲を捜索・監視するときは、定速回転(一定角速度で回転)される。また、ターンテーブル12は、上面中心部において、ハウジング11の支軸と同一軸上に支軸122を備え、上面周縁部に支軸123を備える。
【0011】
従動リンク14は、下面の回転中心とする箇所にターンテーブル12の支軸122と係合して回転ジョイントJ1を構成する軸受141を備え、上面端部に支軸142を備える。従動リンク14は、後述するように、回転ジョイントJ1を回転中心として揺動運動(一回転はせず、例えば、角度で数度~数十度程度の範囲で振れる)を行うので、この運動を実現するために必要な軸受141と支軸142の軸間の長さを有すると共に、この運動によってハウジングと接触・干渉することが無い形状とする。
【0012】
駆動リンク15は、下面中央にターンテーブル12の支軸123と係合して回転ジョイントJ2を構成する軸受151を備え、回転ジョイントJ2の回転中心と同軸の回転中心をもつ歯車153を具備する。そして、軸受151がターンテーブル12の支軸123に係合された状態で、周面の歯車153がハウジング11の側面部の内面にあるハウジング内歯車112と係合され、ターンテーブル12の回転に伴って歯車153とハウジング内歯車112の間のギア比に基づく角速度で回転する。また、駆動リンク15は上面周縁部に支軸152を備える。
【0013】
ロッド16は、下面の両端に、上記従動リンク14の上面端部の支軸142及び駆動リンク15の上面周縁部の支軸152にそれぞれ係合して回転ジョイントJ3及びJ4を構成する軸受161及び162を備える。すなわち、従動リンク14、駆動リンク15、ロッド16及びターンテーブル12は光軸補正のための四節リンク機構を構成し、ロッド16を介して駆動リンク15の回転運動を従動リンク14の揺動運動に変換するように機能する。
【0014】
ミラー17は、従動リンク14の上面に直立配置された状態で、反射面が回転軸と重なり、反射面側に駆動リンク15やロッド16がこない向きに固定される。
撮像カメラ13は、ターンテーブル12の上面において、前記従動リンク14が揺動運動を行っても接触・干渉することが無く、かつ、ハウジング11と接触・干渉することが無い位置で、撮像方向(撮影時のカメラ光軸)が回転軸方向に向くように配置・調整される。
【0015】
なお、ミラー16の幅を小さくするためには、前記従動リンク14が揺動運動を行う角度範囲の中心の角度となったときに,反射面の法線方向と撮像カメラ13の光軸方向とのなす角度を45度とするのが望ましい。さらに,従動リンク14が動揺運動する角度範囲内で動いたときに、撮像カメラ13から見た視野が欠けることがないようにミラー16の幅を決定する。
【0016】
次に、光軸補正リンク機構の動きについて、
図4及び
図5を参照して説明する。
まず、ターンテーブル12を光軸補正リンク機構の固定部としたとき、光軸補正リンク機構における回転ジョイントJ1~J4の位置関係は
図4に示すようになる。この構成によれば、駆動リンク15の回転に伴って従動リンク14が図中矢印で示すように振れるようになる。具体的には、駆動リンク15が一定角速度で回転することにより、従動リンク14は
図5に示すような揺動運動の軌跡を辿る。ミラー16は、従動リンク14の上面に載置されているので、反射面が従動リンク14の振れと同じ振れとなり、撮像カメラ13の撮像方向もその振れに合わせて変化する。
【0017】
光軸補正リンク機構の各部位の長さは、静止系(慣性座標系)から見た従動リンク14の角速度が、静止系(慣性座標系)から見たターンテーブル12の角速度と逆向きで、大きさが半分となる時間を有するように決定される。これにより、上記時間内においては、ミラー17によって反射される撮像カメラ13の光軸の角速度は静止系(慣性座標系)から見てゼロとなり、あたかも静止した状態で撮像カメラ13にて撮像を行うのと同じ状態となる。
【0018】
方位方向全周を時間T秒で一周する場合、ターンテーブル12の方位方向の駆動軸の角速度の大きさは360/T [°/s]で、光軸補正リンク機構の従動リンク14(ミラー17)の所要角速度の大きさはその半分、すなわち180/T [°/s]となり、撮像方向の更新周期はT/撮像方向数となる。ここで、前記「像流れ」量が厳密にゼロでなくても、例えば撮像素子の画素の長さに対して十分小さい大きさであれば許容できるとすると、ミラー所要角速度に対して許容範囲を設定することができる。
【0019】
撮像方向数は、360[°]/(撮像カメラ13の視野[°])を超える最小の整数値に、隣接する撮像方向間での画像の重なり分を考慮した値(この値も整数値)である。そこで、駆動リンク15の歯車153とハウジング内歯車112との間のギア比を撮像方向数:1とする(増速ギア)。
【0020】
図6にカメラ撮像方向更新周期の間における従動リンクの角速度の変化の一例を示す。本図において、■印は、従動リンク(ミラー)角速度がミラー所要角速度の許容範囲内に入ったときの撮像タイミングの例を示す。また、
図7にミラー17の角度変化によりターンテーブル12と共に回転するカメラ13の撮像方向が一定期間変化せず、その期間に撮影することにより像流れを抑制する様子を示す。
【0021】
図7に示す処理を繰り返し、
図8に■印で示すタイミング(
図6に■印で示すタイミングに相当)で撮像することにより、一部重なった画像を得ることができる。各画像を、重複部分を重ねて並べることで、全周の画像を生成することができる。このときのターンテーブル12の回転角度に対するミラーの回転角度及び撮像方向の角度はそれぞれ
図9に示すようになり、一定の角度毎に撮像方向が変化しない時間帯を有することがわかる。
【0022】
以上のように、本実施形態に係る走査型撮像装置は、少なくとも方位軸回りの駆動軸を有するターンテーブル(方位軸可動部)12の上面に光軸補正リンク機構を構成し、ターンテーブル12の回転に伴ってハウジング内歯車と噛み合う歯車153が回転ジョイントJ2回りに回転することによって、歯車153と一体の駆動リンクが15ターンテーブル12に対して相対的に回転運動を行うことになるので、これが光軸補正リンク機構の回転駆動源となる。
【0023】
この場合、静止系(慣性座標系)から見たリンク機構の従動リンク14が方位方向の駆動軸の角速度とは逆向きで大きさが半分の角速度となる時間を有するように、リンク機構の各部位の長さ(従動リンク14のジョイントJ1-J3間、駆動リンク15のジョイントJ2-J4間、ロッド16のジョイントJ3-J4及びターンテーブル12のジョイントJ1-J2間)を決定すればよい。
【0024】
静止系(慣性座標系)から見たリンク機構の従動部位が方位方向の駆動軸の角速度とは逆向きで大きさが半分の角速度となる時間帯は、撮像カメラ13から見た周囲が静止状態となるため、画像ぶれが発生しないので、この時間帯に撮像カメラ13による撮像を行う。
【0025】
なお、撮像タイミングに関しては、リンク機構のジョイント又はターンテーブル12の回転ジョイントに取り付けたセンサ(角度センサ、角速度センサ等)からのデータをもとに判断すればよい。
カメラでの撮像は、センサデータから上記の条件を満足したと判断されたときだけ撮像するという方法の他に、カメラは常に一定の撮像周期(フレームレートの逆数)で撮像し、センサデータに基づいて、撮像した画像を用いるかどうかの判定を行う方法でもよい。後者の方法の場合、[従動リンク(ミラー)角速度がミラー所要角速度の許容範囲内に入る時間の長さ[s] ]×[撮像カメラのフレームレート[Hz]]以上の最小の整数をNとすると、撮像タイミングがリンク機構の運動のタイミングと厳密に同期していなくても、一撮像方向について、静止とみなせる時間帯に少なくともN回の撮像を行うことができる。
【0026】
以上のように、上記構成による走査型撮像装置は、ターンテーブル12の回転に合わせて一定の角度毎に撮影時の撮像方向を固定することができるので、撮影時の像流れをなくし、ぶれのない周囲画像を取得することができる。また、リンク機構を用いた駆動を行うため、光軸補正用のミラー17及びそれに付随する機構・部品等の負荷(質量や慣性モーメント)が増大しても、駆動特性に与える影響は比較的小さいという利点がある。
【0027】
なお、上記実施形態では、撮影方向の仰角がハウジング11に対して水平な場合を説明したが、
さらに、ハウジング11を、仰角軸駆動部、仰角軸可動部、仰角軸駆動部及び角度センサ(必要であれば角速度センサ)を備えるジンバル装置上に搭載して、ミラー16を介したカメラ13の撮像方向を仰角・俯角方向に変化させることもできる(図示せず)。
【0028】
(他の実施形態)
仰角方向への指向にも対応させる実施形態として、仰角方向に光軸を回転可能なミラーを含む仰角軸回転機構とその駆動装置をターンテーブル12上のミラー17と目標物の間の光軸上に導入する。この場合、仰角が水平方向から離れるにしたがって光軸がねじれる(軸回りに回転する)ので、一連の画像をつなげて(仮想的な)方位方向全周の画像を得る場合に欠損部分が生じる。
【0029】
これを避けるための第一の方法として、撮像のための仰角方向への指向角度に応じてカメラを光軸回りに回転させる方法(そのための別の機構、駆動及び制御装置が必要)がある。
第二の方法としては、通常はカメラ光学系のイメージサークルに対してカメラの画像センサ撮像エリア(正方形を含む長方形)を内接させるのに対して、カメラの画像センサ撮像エリアにカメラ光学系のイメージサークルを内接させ、イメージサークル内の画像から仰角方向への指向角度に応じて、画像を接続したときに欠損部が生じないように、画像処理時に、画像センサからの画像から、仰角に応じて角度を傾けた長方形(又は正方形)状に画像を切り出す(クロップ)方法がある。
【0030】
カメラ以外に光学機器がある場合(例えば、レーザ・レンジ・ファインダー)も、その機器の光軸をカメラの光軸と共用するとよい(同軸又は平行な軸)。
捜索・監視だけではなく、動く対象物を方位及び仰角方向に連続して追跡することも合せて必要な場合に、光軸補正用のミラーに、リンク機構による方位方向の間欠的な動作を行わせないための機構(例えば、クラッチ及びブレーキ)を設けるようにするとよい。
【0031】
光学装置(カメラ等)によって周囲を捜索・監視するシステムにおいては、撮影画角を一部重複させて撮像方向をずらせた画像を、短い周期で順次撮像することができ、捜索・監視の効率を上げることができる。これによって、より短い時間で広い範囲の捜索・監視が可能となる。
【0032】
水平方向から角度差がある仰角(又は俯角)方向も、水平方向と同様に、短い時間で広い範囲の捜索・監視が可能となる。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0033】
11…ハウジング、111…支軸、112…ハウジング内歯車、
12…ターンテーブル、121…軸受、122…支軸、123…J1支軸、
13…撮像カメラ、
14…従動リンク、141…J1軸受、142…J3支軸、
15…駆動リンク、151…J2軸受、152…J4支軸、153…歯車、
16…ロッド、161…J3軸受、162…J4軸受、
17…ミラー。