(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/04 20060101AFI20221219BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H01Q9/04
H01Q1/22 Z
(21)【出願番号】P 2019078217
(22)【出願日】2019-04-17
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/026064(US,A1)
【文献】国際公開第2015/151430(WO,A1)
【文献】特表2014-523163(JP,A)
【文献】特開2018-074506(JP,A)
【文献】特開2012-019281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/04
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主部と、対向部と、第1給電端子と、第2給電端子とを備えているアンテナであって、
前記主部は、切れ目のある環状の形状を有するとともに、前記切れ目を形成する第1端部と第2端部とを有しており、
前記対向部は、前記第1端部に設けられた第1対向部と、前記第2端部に設けられた第2対向部とを有しており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、第1水平方向と前記第1水平方向と直交する第2水平方向とにより規定される水平面内において、互いに離れて対向しており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは静電容量を有しており、
前記第1給電端子及び前記第2給電端子は、前記主部に設けられており、
前記対向部には、前記第1水平方向における前記第1対向部に対する前記第2対向部の第1移動による前記静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部と、前記第2水平方向における前記第1対向部に対する前記第2対向部の第2移動による前記静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部とが設けられており、
前記第1容量相補調整部は、前記第1移動により前記静電容量に影響を与える第1変動部と、前記第1移動により前記静電容量に対して前記第1変動部とは逆の影響を与える第2変動部とを有しており、
前記第2容量相補調整部は、前記第2移動により前記静電容量に影響を与える第3変動部と、前記第2移動により前記静電容量に対して前記第3変動部とは逆の影響を与える第4変動部とを有している
アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナであって、
前記アンテナは、対象物に搭載されるものであり、
前記第1給電端子及び前記第2給電端子は、前記アンテナが前記対象物に搭載されたとき、前記対象物に固定される部位である
アンテナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアンテナであって、
前記第1水平方向は、互いに逆方向に向けられた第1方位と第2方位とを与えるものであり、
前記第2水平方向は、互いに逆方向に向けられた第3方位と第4方位とを与えるものであり、
前記第1対向部は、少なくとも前記第1方位に向いた第1部位と、少なくとも前記第2方位に向いた第2部位と、少なくとも前記第3方位に向いた第3部位と、少なくとも前記第4方位に向いた第4部位とを有しており、
前記第2対向部は、少なくとも前記第2方位に向いた第1対向部位と、少なくとも前記第1方位に向いた第2対向部位と、少なくとも前記第4方位に向いた第3対向部位と、少なくとも前記第3方位に向いた第4対向部位とを有しており、
前記第1部位と前記第1対向部位とは互いに対向して前記第1変動部を構成しており、
前記第2部位と前記第2対向部位とは互いに対向して前記第2変動部を構成しており、
前記第3部位と前記第3対向部位とは互いに対向して前記第3変動部を構成しており、
前記第4部位と前記第4対向部位とは互いに対向して前記第4変動部を構成している
アンテナ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部のどちらか一方は、前記第2水平方向に延びる第1主線と、前記第1主線の一端から前記第1水平方向に延びる第2主線とを有しており、
前記第1対向部及び前記第2対向部の残りの一方は、前記第1水平方向に延びる第3主線と、前記第3主線の一端から前記第2水平方向に延びる第4主線と、前記第4主線の一端から前記第1水平方向に延びる第5主線とを有しており、
前記第2主線の端部は、前記第1水平方向において、前記第4主線と対向しており、
前記第2主線は、前記第2水平方向において、前記第3主線と前記第5主線との間に位置しており、
前記第2主線には、前記第3主線に向かって延びる副線及び前記第5主線に向かって延びる副線の少なくとも一方が設けられており、
前記第3主線及び前記第5主線の少なくとも一方には、前記第2水平方向において前記第2主線に向かって延びる対向副線であって、前記第1水平方向において前記副線と対向する対向副線が設けられており、
前記第1水平方向において、前記副線は、前記第4主線と前記対向副線との間に位置している
アンテナ。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部の夫々は、複数の櫛歯と複数の叉部とを有する櫛歯状の形状を有しており、
前記櫛歯の夫々は、第1側面と、第2側面と、先端部とを有するとともに、逆テーパー形状を有しており、
前記第1対向部の前記櫛歯と前記第2対向部の前記櫛歯とは、前記第1水平方向において、交互に配置されており、
前記第1変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面とで構成されており、
前記第2変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第2側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第1側面とで構成されており、
前記第3変動部は、前記櫛歯の先端部と、それと対向する前記叉部とで構成されており、
前記第4変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面及び前記第2側面の夫々と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面又は前記第1側面とで、構成されている
アンテナ。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部の夫々は、複数の櫛歯と複数の叉部とを有する櫛歯状の形状を有しており、
前記櫛歯の夫々は、第1側面と、第2側面と、先端部とを有するとともに、前記第1側面と前記第2側面との間に幅広部と幅狭部とを有しており、
前記第1対向部の前記櫛歯と前記第2対向部の前記櫛歯とは、前記第1水平方向において、交互に配置されており、
前記第1変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面とで構成されており、
前記第2変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第2側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第1側面とで構成されており、
前記第3変動部は、前記櫛歯の先端部と、それと対向する前記叉部とで構成されており、
前記第4変動部は、前記第1対向部の前記幅広部と、それと対向する前記第2対向部の前記幅広部とで構成されている
アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナに関し、特にスプリットリング共振器構造を有するアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スプリットリング共振器構造を有するアンテナを開示している。
図16に示されるように、特許文献1のアンテナ90は、インターデジタルスロットによって互いに隔てられた二つの平板面(第1対向部及び第2対向部)92,94からなるキャパシタを備えている。平板面92,94の夫々は、インターデジタル型フィンガ921,941を有している。インターデジタル型フィンガ921,941は、互いに平行に配置された複数のフィンガ(櫛歯)を有している。複数のフィンガの夫々は、矩形形状を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアンテナ90において、二つの平板面92,94は、外力を受けたときに、水平面内において相対的に移動することがある。二つの平板面92,94が水平面内において相対的に移動すると、平板面92,94が構成するキャパシタの静電容量が変化し、アンテナ90の特性が変化する。このように、特許文献1のアンテナ90には、平板面(第1対向部及び第2対向部)92,94が相対的に移動したとき、その移動量に応じて特性が変化するという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、キャパシタを構成する第1対向部と第2対向部とを有するアンテナであって、第1対向部及び第2対向部の相対移動によって生じる特性変動を抑制することができるアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のアンテナとして、主部と、対向部と、第1給電端子と、第2給電端子とを備えているアンテナであって、
前記主部は、切れ目のある環状の形状を有するとともに、前記切れ目を形成する第1端部と第2端部とを有しており、
前記対向部は、前記第1端部に設けられた第1対向部と、前記第2端部に設けられた第2対向部とを有しており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは、第1水平方向と前記第1水平方向と直交する第2水平方向とにより規定される水平面内において、互いに離れて対向しており、
前記第1対向部と前記第2対向部とは静電容量を有しており、
前記第1給電端子及び前記第2給電端子は、前記主部に設けられており、
前記対向部には、前記第1水平方向における前記第1対向部に対する前記第2対向部の第1移動による前記静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部と、前記第2水平方向における前記第1対向部に対する前記第2対向部の第2移動による前記静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部とが設けられており、
前記第1容量相補調整部は、前記第1移動により前記静電容量に影響を与える第1変動部と、前記第1移動により前記静電容量に対して前記第1変動部とは逆の影響を与える第2変動部とを有しており、
前記第2容量相補調整部は、前記第2移動により前記静電容量に影響を与える第3変動部と、前記第2移動により前記静電容量に対して前記第3変動部とは逆の影響を与える第4変動部とを有している
アンテナを提供する。
【0007】
また、本発明は第2のアンテナとして、第1のアンテナであって、
前記アンテナは、対象物に搭載されるものであり、
前記第1給電端子及び前記第2給電端子は、前記アンテナが前記対象物に搭載されたとき、前記対象物に固定される部位である
アンテナを提供する。
【0008】
また、本発明は第3のアンテナとして、第1又は第2のアンテナであって、
前記第1水平方向は、互いに逆方向に向けられた第1方位と第2方位とを与えるものであり、
前記第2水平方向は、互いに逆方向に向けられた第3方位と第4方位とを与えるものであり、
前記第1対向部は、少なくとも前記第1方位に向いた第1部位と、少なくとも前記第2方位に向いた第2部位と、少なくとも前記第3方位に向いた第3部位と、少なくとも前記第4方位に向いた第4部位とを有しており、
前記第2対向部は、少なくとも前記第2方位に向いた第1対向部位と、少なくとも前記第1方位に向いた第2対向部位と、少なくとも前記第4方位に向いた第3対向部位と、少なくとも前記第3方位に向いた第4対向部位とを有しており、
前記第1部位と前記第1対向部位とは互いに対向して前記第1変動部を構成しており、
前記第2部位と前記第2対向部位とは互いに対向して前記第2変動部を構成しており、
前記第3部位と前記第3対向部位とは互いに対向して前記第3変動部を構成しており、
前記第4部位と前記第4対向部位とは互いに対向して前記第4変動部を構成している
アンテナを提供する。
【0009】
また、本発明は第4のアンテナとして、第1又は第2のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部のどちらか一方は、前記第2水平方向に延びる第1主線と、前記第1主線の一端から前記第1水平方向に延びる第2主線とを有しており、
前記第1対向部及び前記第2対向部の残りの一方は、前記第1水平方向に延びる第3主線と、前記第3主線の一端から前記第2水平方向に延びる第4主線と、前記第4主線の一端から前記第1水平方向に延びる第5主線とを有しており、
前記第2主線の端部は、前記第1水平方向において、前記第4主線と対向しており、
前記第2主線は、前記第2水平方向において、前記第3主線と前記第5主線との間に位置しており、
前記第2主線には、前記第3主線に向かって延びる副線及び前記第5主線に向かって延びる副線の少なくとも一方が設けられており、
前記第3主線及び前記第5主線の少なくとも一方には、前記第2水平方向において前記第2主線に向かって延びる対向副線であって、前記第1水平方向において前記副線と対向する対向副線が設けられており、
前記第1水平方向において、前記副線は、前記第4主線と前記対向副線との間に位置している
アンテナを提供する。
【0010】
また、本発明は第5のアンテナとして、第1又は第2のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部の夫々は、複数の櫛歯と複数の叉部とを有する櫛歯状の形状を有しており、
前記櫛歯の夫々は、第1側面と、第2側面と、先端部とを有するとともに、逆テーパー形状を有しており、
前記第1対向部の前記櫛歯と前記第2対向部の前記櫛歯とは、前記第1水平方向において、交互に配置されており、
前記第1変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面とで構成されており、
前記第2変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第2側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第1側面とで構成されており、
前記第3変動部は、前記櫛歯の先端部と、それと対向する前記叉部とで構成されており、
前記第4変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面及び前記第2側面の夫々と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面又は前記第1側面とで、構成されている
アンテナを提供する。
【0011】
さらに、本発明は第6のアンテナとして、第1又は第2のアンテナであって、
前記第1対向部及び前記第2対向部の夫々は、複数の櫛歯と複数の叉部とを有する櫛歯状の形状を有しており、
前記櫛歯の夫々は、第1側面と、第2側面と、先端部とを有するとともに、前記第1側面と前記第2側面との間に幅広部と幅狭部とを有しており、
前記第1対向部の前記櫛歯と前記第2対向部の前記櫛歯とは、前記第1水平方向において、交互に配置されており、
前記第1変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第1側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第2側面とで構成されており、
前記第2変動部は、前記第1対向部の前記櫛歯の前記第2側面と、それと対向する前記第2対向部の前記櫛歯の前記第1側面とで構成されており、
前記第3変動部は、前記櫛歯の先端部と、それと対向する前記叉部とで構成されており、
前記第4変動部は、前記第1対向部の前記幅広部と、それと対向する前記第2対向部の前記幅広部とで構成されている
アンテナを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアンテナにおいて、第1容量相補調整部の第1変動部と第2変動部とは、第1水平方向における第1対向部に対する第2対向部の第1移動による静電容量の変化に対して、互いに逆の影響を与える。一方、第2容量相補調整部の第3変動部と第4変動部とは、第2水平方向における第1対向部に対する第2対向部の第2移動による静電容量の変化に対して、互いに逆の影響を与える。これにより、第1対向部に対する第2対向部の相対移動による静電容量の変化が抑制され、アンテナの特性変化が抑制される。
【0013】
本発明は、アンテナ形成後の対向部同士の相対移動による特性変化の抑制を出発点とするものであるが、本発明の概念は、アンテナ形成時の製造ばらつきによるアンテナ特性の変動にも効果を有する。具体的には、本発明は、基板上に印刷成型されたアンテナの製造ばらつきに起因する特性変動をも抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるアンテナを示す上面斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態によるアンテナを示す上面斜視図である。
【
図7】本発明の第3の実施の形態によるアンテナを示す上面斜視図である。
【
図9】
図7のアンテナを示す平面図である。対向部を拡大して描画している。
【
図10】本発明の第4の実施の形態によるアンテナを示す上面斜視図である。
【
図12】
図10のアンテナを示す平面図である。対向部を拡大して描画している。
【
図13】本発明の
第5の実施の形態によるアンテナを示す上面斜視図である。
【
図15】
図13のアンテナを示す平面図である。対向部を拡大して描画している。
【
図16】特許文献1のアンテナを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
図1及び
図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態によるアンテナ10は、スプリットリング共振器構造を有している。即ち、本実施の形態のアンテナ10は、共振アンテナである。詳しくは、アンテナ10は、主部12と、対向部16と、第1給電端子70と、複数の第2給電端子72と、複数の被固定部74と、複数の付加的端子76とを備えている。但し、本発明はこれに限られない。第2給電端子72は少なくとも一つあればよい。同様に、被固定部74も、少なくとも一つあればよい。また、付加的端子76は、必須ではない。
【0016】
図1及び
図2から理解されるように、アンテナ10は、回路基板等の対象物(図示せず)に搭載されるディスクリート部品である。また、本実施の形態において、アンテナ10は、単一の金属板に対して打ち抜き加工及び曲げ加工を行って形成される一体物である。
【0017】
図3に示されるように、主部12は、切れ目14のある環状の形状を有している。ここで、「環状」は、円環形状のみならず、楕円環形状や多角環形状をも含む。本実施の形態において、主部12は、四辺を有する略矩形の形状を有している。また、主部12は、切れ目14を形成する第1端部141と第2端部143とを有している。詳しくは、主部12は、横方向に延びる第1辺部121と、第1辺部121の両端から前方へ延びる第2辺部123及び第3辺部125と、第2辺部123の前端部と第3辺部125の前端部との間に位置する第4辺部127とを備えている。なお、本実施の形態において、横方向はX方向である。また、前後方向は横方向と直交するY方向である。-Y方向が前方、+Y方向が後方である。
【0018】
図3に示されるように、横方向において、第4辺部127の中央には、切れ目14が形成されている。換言すると、第4辺部127は、切れ目14によって第4辺左部127Lと第4辺右部127Rとに分割されている。主部12の第1端部141は、第4辺左部127Lの一方の端部であり、第2端部143は、第4辺右部127Rの一方の端部である。
【0019】
図1及び
図2から理解されるように、第1給電端子70及び第2給電端子72は、主部12に設けられている。第1給電端子70は、第4辺
右部127Rに設けられ、下方へ延びている。第2給電端子72は、第1辺部121、第2辺部123及び第3辺部125に設けられ、下方へ延びている。被固定部74は、第2給電端子72に夫々対応し、下方へ延びている。付加的端子76の一つは、第4辺
左部127Lに設けられ、下方へ延びている。残りの付加的端子76は、対向部16に設けられ、下方へ延びている。第1給電端子70、被固定部74及び付加的端子76の下端は、アンテナ10の下端を構成する。第1給電端子70、被固定部74及び付加的端子76は、アンテナ10が対象物(図示せず)に搭載されたとき、対象物にはんだ付け等により固定される。また、第1給電端子70及び被固定部74は、対象物に設けられている接続パッドに夫々電気的に接続される。
【0020】
図3に示されるように、対向部16は、概ね、前後方向において主部12の第1辺部121と第4辺部127との間に位置している。対向部16の一部は、主部12の第1端部141と第2端部143との間に位置している。また、対向部16は、横方向において主部12の第2辺部123と第3辺部125との間に位置している。対向部16は、主部12の特定の一辺に設けられている。より詳しくは、対向部16は、主部12の第4辺部127の中央部に設けられている。即ち、本実施の形態において、特定の一辺は、第4辺部127である。但し、本発明はこれに限られない。対向部16は、第2辺部123及び第3辺部125の一方までの距離が他方までの距離よりも短くなるように第4辺部127に設けられてもよい。その場合、主部12の切れ目14の位置も第2辺部123及び第3辺部125の一方により近い位置となる。
【0021】
図1及び
図2から理解されるように、対向部16は、上側対向部20と下側対向部60とを備えている。
図1に示されるように、上側対向部20は、第1対向部31と第2対向部41とで構成されている。詳しくは、上側対向部20は、第1水平方向とそれと直交する第2水平方向とによって規定される第1水平面上に位置している。即ち、第1対向部31と第2対向部41とは、第1水平面上に位置している。なお、本実施の形態において、第1水平方向は前後方向と一致するY方向であり、第2水平方向は横方向と一致するX方向である。但し、本発明はこれに限られない。第1水平方向及び第2水平方向は、Y方向及びX方向に対して夫々傾きを有していてもよい。また、本実施の形態において、「水平」は、重力方向と直交することを意味するものではない。
【0022】
図2に示されるように、下側対向部60は、第3対向部62と第4対向部64とで構成されている。下側対向部60は、第1水平方向と第2水平方向とによって規定される第2水平面上に位置している。即ち、第3対向部62と第4対向部64とは、第2水平面上に位置している。第2水平面は、上下方向において、第1水平面よりも下方に位置している。換言すると、下側対向部60は、上下方向において、上側対向部20よりも下方に位置している。なお、本実施の形態において上下方向は、横方向及び前後方向の双方と直交するZ方向である。+Z方向が上方、-Z方向が下方である。
【0023】
図1及び
図3から理解されるように、第1対向部31及び第2対向部41は、主部12の第1端部141及び第2端部143に夫々設けられている。換言すると、上側対向部20は、第1端部141に設けられた第1対向部31と、第2端部143に設けられた第2対向部41とを有している。第1対向部31及び第2対向部41は、主部12の第1辺部121、第2辺部123及び第3辺部125から離れている。
【0024】
図1及び
図2から理解されるように、第3対向部62及び第4対向部64は、連結部601,603を介して主部12の第1端部141及び第2端部143に夫々設けられている。下側対向部60は、前後方向に延びる対称軸(図示せず)に関して、上側対向部20と回転対称に構成されかつ配置されている。したがって、以下の第1対向部31及び第2対向部41に関する説明は、必要な修正を加えることで、第3対向部62及び第4対向部64にも当てはまる。
【0025】
図3に示されるように、第1対向部31と第2対向部41とは、第1水平面内において、互いに離れて対向している。これにより、第1対向部31と第2対向部41とは、キャパシタを構成し、静電容量を有する。その一方で、主部12は、インダクタを構成し、対向部16とともにLC共振回路を形成する。
【0026】
図3に示されるように、第1対向部31及び第2対向部41の一方は、第1端部141から少なくとも+X方向へ延びる第1主線311と、第1主線311の一端から後方へ延びる第2主線313とを有している。詳しくは、第1主線311は、+X方向へ延びるとともに+Y方向へ延びている。第1対向部31及び第2対向部41の残りの一方は、第2端部143から後方へ延びる第3主線411と、第3主線411の後端から-X方向へ延びる第4主線413と、第4主線413の一端から前方へ延びる第5主線415と、第2端部143から-X方向へ延びる対向副線417とを有している。本実施の形態において、第1対向部31及び第2対向部41の一方は、第1対向部31であり、残りの一方は、第2対向部41である。但し、本発明はこれに限られない。第1対向部31と第2対向部41とは、相互に入れ替えられてもよい。
【0027】
図3に示されるように、第1対向部31は、第1部位371、第2部位373、第3部位375及び第4部位377を有している。第1部位371は、第1主線311の一側面である。第2部位373は、第2主線313の先端面である。第3部位375は、第2主線313の一側面である。第4部位377は、第2主線313の他の側面である。第1部位371は、少なくとも第1方位に向いている。第2部位373は、少なくとも第2方位に向いている。第3部位375は少なくとも第3方位に向いている。第4部位377は少なくとも第4方位に向いている。ここで、第1方位と第2方位とは互いに逆の方向に向けられており、第1水平方向によって与えられる。換言すると、第1方位と第2方位とは、第1水平方向に平行であり、互いに逆方向に向けられている。本実施の形態において、第1方位は-Y方向に向けられており、第2方位は+Y方向に向けられている。また、第3方位と第4方位とは互いに逆の方向に向けられており、第2水平方向によって与えられる。換言すると、第3方位と第4方位とは、第2水平方向に平行であり、互いに逆方向に向けられている。本実施の形態において、第3方位は+X方向に向けられており、第4方位は-X方向に向けられている。以上のことから、第1部位371は、第1方位に向いているとともに第3方位に向いている。第2部位373は、第2方位に向いているとともに第3方位に向いている部分と第2方位に向いているとともに第4方位に向いている部分とを有している。第3部位375は第3方位に向いている。第4部位377は第4方位に向いている。
【0028】
図3に示されるように、第2対向部41は、第1対向部位471、第2対向部位473、第3対向部位475及び第4対向部位477を有している。第1対向部位471は、対向副線417の一側面である。第2対向部位473は、第4主線413の一側面である。第3対向部位475は、第3主線411の一側面である。第4対向部位477は、第5主線415の一側面である。第1対向部位471は、少なくとも第2方位に向いている。第2対向部位473は、少なくとも第1方位に向いている。第3対向部位475は少なくとも第4方位に向いている。第4対向部位477は少なくとも第3方位に向いている。本実施の形態において、第1対向部位471は、第2方位に向いているとともに第4方位に向いている。第2対向部位473は、第1方位に向いているとともに第3方位に向いている部分と第1方位に向いているとともに第4方位に向いている部分とを有している。第3対向部位475は第4方位に向いている。第4対向部位477は第3方位に向いている。
【0029】
図3から理解されるように、第1部位371と第1対向部位471とは互いに対向して第1変動部501を構成している。第2部位373と第2対向部位473とは互いに対向して第2変動部503を構成している。第3部位375と第3対向部位475とは互いに対向して第3変動部521を構成している。第4部位377と第4対向部位477とは互いに対向して第4変動部523を構成している。
【0030】
図3から理解されるように、第1変動部501及び第2変動部503は、主として、第1水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の移動(第1移動)により上側対向部20の静電容量に影響を与える。第1変動部501が第1移動により静電容量に与える影響と、第2変動部503が第1移動により静電容量に与える影響とは互いに逆方向である。換言すると、第1変動部501と第2変動部503とは、第1移動に応じて相補的に静電容量に影響を与える。例えば、第1水平方向において、第1部位371が第1対向部位471に近づくとき、第2部位373は第2対向部位473から遠ざかる。このとき、第1変動部501は静電容量を増加させ、第2変動部503は静電容量を減少させる。このように、第1変動部501と第2変動部503とは、第1水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の第1移動による静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50として働く。換言すると、上側対向部20には、第1水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の第1移動によるキャパシタの静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50が設けられている。そして、第1容量相補調整部50は、第1移動によりキャパシタの静電容量に影響を与える第1変動部501と、第1移動によりキャパシタの静電容量に対して第1変動部501とは逆の影響を与える第2変動部503とを有している。
【0031】
図3から理解されるように、第3変動部521及び第4変動部523は、第2水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の移動(第2移動)により対向部16の静電容量に影響を与える。第3変動部521が第2移動により静電容量に与える影響と、第4変動部523が第2移動により静電容量に与える影響とは互いに逆方向である。換言すると、第3変動部521と第4変動部523とは、第2移動に応じて相補的に静電容量に影響を与える。例えば、第2水平方向において、第3部位375が第3対向部位475に近づくとき、第4部位377は第4対向部位477から遠ざかる。このとき、第3変動部521は静電容量を増加させ、第4変動部523は静電容量を減少させる。このように、第3変動部521と第4変動部523とは、第2水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の第2移動による静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52として働く。換言すると、上側対向部20には、第2水平方向における第1対向部31に対する第2対向部41の第2移動によるキャパシタの静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52が設けられている。そして、第2容量相補調整部52は、第2移動によりキャパシタの静電容量に影響を与える第3変動部521と、第2移動により静電容量に対して第3変動部521とは逆の影響を与える第4変動部523とを有している。
【0032】
図3を参照すると、第1対向部31は、さらに第5部位379を有している。第5部位379は、第1主線311の他の側面である。また、第2対向部41は、第5対向部位479をさらに有している。第5対向部位479は、第5主線415の先端面である。第5部位379は、第2方位に向いているとともに、第4方位に向いている。第5対向部位479は、少なくとも第1方位に向いている。第5部位379と第5対向部位479とは互いに対向し、第5変動部54を構成する。第5変動部54は、第1移動に対して第2変動部503と同様に作用し、第1容量相補調整部50の一部として機能する。
【0033】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ10には、第1容量相補調整部50及び第2容量相補調整部52が設けられている。それゆえ、たとえ第1対向部31に対する第2対向部41の第1水平方向及び第2水平方向への相対的な移動が生じたとしても、上側対向部20の静電容量の変化は抑制される。同様に、下側対向部60において、第3対向部62に対する第4対向部64の第1水平方向及び第2水平方向の相対的な移動が生じたとしても、下側対向部60の静電容量の変化は抑制される。その結果、アンテナ10の特性変動は抑制される。
【0034】
(第2の実施の形態)
図4及び
図5を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ10Aは、
図1から
図3に示される第1の実施の形態によるアンテナ10の対向部16とは異なる構成の対向部16Aを備えている。
【0035】
図6に示されるように、アンテナ10Aの対向部16Aは、第1対向部31Aと第2対向部41Aとを有している。
【0036】
図6に示されるように、第1対向部31Aは、第2水平方向に延びる第1主線311Aと、第1主線311Aの一端から第1水平方向に延びる第2主線313Aと、第2主線313Aの一端から第2水平方向へ延びる副線315Aとを有している。詳しくは、第1主線311Aは、第1端部141Aから+X方向へ延びている。第2主線313Aは、第1主線311Aの一端から後方へ延びている。副線315Aは、第2主線313Aの一端から+X方向へ延びている。但し、本発明はこれに限られない。本実施の形態において、副線315Aの長さは、第1主線311Aの長さよりも長いけれども、副線315Aの長さは、第1主線311Aの長さよりも短くてもよい。
【0037】
図6に示されるように、第2対向部41Aは、第1水平方向に延びる第3主線411Aと、第3主線411Aの一端から第2水平方向に延びる第4主線413Aと、第4主線413Aの一端から第1水平方向に延びる第5主線415Aと、第2端部143Aから第2水平方向へ延びる対向副線417Aとを有している。詳しくは、第3主線411Aは、第2端部143Aから後方へ延びている。第4主線413Aは、第3主線411Aの一端から
-X方向へ延びている。第5主線415Aは、第4主線413Aの一端から前方へ延びている。対向副線417Aは、第2端部143Aから-X方向へ延びている。
【0038】
図6に示されるように、第2主線313Aは、第2水平方向において、第3主線411Aと第5主線415Aとの間に位置している。また、第2主線313Aの端部は、第1水平方向において、第4主線413Aと対向している。副線315Aは、第1水平方向において、第4主線413Aと対向副線417Aとの間に位置している。また、副線315Aは、第3主線411Aに向かって延びており、副線315Aの端部は、第3主線411Aと対向している。対向副線417Aは、第2主線313Aに向かって延びており、対向副線417Aの端部は、第2主線313Aと対向している。また、対向副線417Aは、第1水平方向において、副線315Aと対向している。
【0039】
図6に示されるように、第1対向部31Aは、第1部位371A、第2部位373A、第3部位375A及び第4部位377Aを有している。第1部位371Aは、副線315Aの一側面であり、第1方位に向いている。第2部位373Aは、副線315Aの他の側面であり、第2方位に向いている。第3部位375Aは、副線315Aの先端面であり、第3方位に向いている。第4部位377Aは、第1主線311Aの一側面であり、第4方位に向いている。
【0040】
図6に示されるように、第2対向部41Aは、第1対向部位471A、第2対向部位473A、第3対向部位475A及び第4対向部位477Aを有している。第1対向部位471Aは、対向副線417Aの一側面であり、第2方位に向いている。第2対向部位473Aは、第4主線413Aの一側面であり、第1方位に向いている。第3対向部位475Aは、第3主線411Aの一側面であり、第4方位に向いている。第4対向部位477Aは、第5主線415Aの一側面であり、第3方位に向いている。
【0041】
図6から理解されるように、第1部位371Aと第1対向部位471Aとは互いに対向して第1変動部501Aを構成する。第2部位373Aと第2対向部位473Aとは互いに対向して第2変動部503Aを構成する。第3部位375Aと第3対向部位475Aとは互いに対向して第3変動部521Aを構成する。第4部位377Aと第4対向部位477Aとは互いに対向して第4変動部523Aを構成する。
【0042】
図6から理解されるように、第1変動部501A及び第2変動部503Aは、第1水平方向における第1対向部31Aに対する第2対向部41Aの移動(第1移動)により対向部16Aの静電容量に対して、相補的に影響を与える。即ち、第1変動部501Aと第2変動部503Aとは、第1水平方向における第1対向部31Aに対する第2対向部41Aの第1移動による静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50Aとして働く。
【0043】
一方、第3変動部521A及び第4変動部523Aは、
図6から理解されるように、第2水平方向における第1対向部31Aに対する第2対向部41Aの移動(第2移動)により対向部16Aの静電容量に対して、相補的に影響を与える。即ち、第3変動部521Aと第4変動部523Aとは、第2水平方向における第1対向部31Aに対する第2対向部41Aの第2移動による静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52Aとして働く。
【0044】
図6を参照すると、第5主線415Aの先端面と第1端部141Aの一側面とは、第1水平方向において、互いに対向し、第5変動部54Aを構成している。換言すると、第5変動部54Aは、第1端部141Aの一側面である第5部位379Aと、第5主線415Aの先端面である第5対向部位479Aとで構成されている。第5変動部54Aは、第1移動に対して第2変動部503Aと同様に作用し、第1容量相補調整部50Aの一部として機能する。
【0045】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ10Aにおいても、第1容量相補調整部50A及び第2容量相補調整部52Aが設けられているので、たとえ第1対向部31Aに対する第2対向部41Aの相対移動が生じたとしても、対向部16Aの静電容量の変化は抑制される。その結果、アンテナ10Aの特性変動は抑制される。加えて、本実施の形態によるアンテナ10Aは、第1の実施の形態によるアンテナ10に比べ構造が単純で、安価である。
【0046】
(第3の実施の形態)
図7及び
図8を参照すると、本発明の第3の実施の形態によるアンテナ10Bは、
図1から
図6に示される第1及び第2の実施の形態によるアンテナ10,10Aの対向部16、16Aとは異なる構成の対向部16Bを備えている。詳しくは、対向部16Bは、上側対向部20Bと下側対向部60Bとを有している。また、上側対向部20Bは、第1対向部31Bと第2対向部41Bとを有し、下側対向部60Bは、第3対向部62Bと第4対向部64Bとを有している。
【0047】
図9に示されるように、上側対向部20Bと下側対向部60Bとは、上下方向に沿って見たとき、互いに一致している。換言すると、第1対向部31Bと第3対向部62B(
図8参照)とは、同一の形状を有しており、第2対向部41Bと第4対向部64B(
図8参照)とは、同一の形状を有している。但し、本発明はこれに限定されない。上側対向部20Bと下側対向部60Bとは、第1の実施の形態と同様に、回転対称に構成されてもよい。
【0048】
図9を参照すると、第1対向部31Bは、第2水平方向に延びる第1主線311Bと、第1主線311Bの一端から第1水平方向に延びる第2主線313Bと、第2主線313Bの一端から第2水平方向へ延びる副線315Bとを有している。詳しくは、第1主線311Bは、第1端部141Bから+X方向へ延びている。第2主線313Bは、第1主線311Bの一端から後方へ延びている。副線315Bは、第2主線313Bの一端から-X方向へ延びている。但し、本発明はこれに限られない。第1対向部31Bは、副線315Bに代えて又は副線315Bに加えて、+X方向へ延びる他の副線を有していてもよい。
【0049】
図9に示されるように、第2対向部41Bは、第1水平方向に延びる第3主線411Bと、第3主線411Bの一端から第2水平方向に延びる第4主線413Bと、第4主線413Bの一端から第1水平方向に延びる第5主線415Bと、第5主線415Bの一端から第2水平方向へ延びる対向副線417Bと、第2端部143Bから第2水平方向へ延びる付加的対向副線419を有している。詳しくは、第3主線411Bは、第2端部143Bから後方へ延びている。第4主線413Bは、第3主線411Bの一端から-X方向へ延びている。第5主線415Bは、第4主線413Bの一端から前方へ延びている。対向副線417Bは、第5主線415Bの一端から+X方向へ延びている。付加的対向副線419は、-X方向へ延びている。但し、本発明はこれに限られない。第2対向部41Bは、第1対向部31Bの形状に応じて、対向副線417Bに代えて又は対向副線417Bに加えて、-X方向へ延びる他の対向副線を有していてもよい。
【0050】
図9に示されるように、第2主線313Bは、第2水平方向において、第3主線411Bと第5主線415Bとの間に位置している。また、第2主線313Bの端部は、第1水平方向において、第4主線413Bと対向している。副線315Bは、第1水平方向において、第4主線413Bと対向副線417Bとの間に位置している。また、副線315Bは、第5主線415Bに向かって延びており、副線315Bの端部は、第5主線415Bと対向している。対向副線417Bは、第2主線313Bに向かって延びており、対向副線417Bの端部は、第2主線313Bと対向している。また、対向副線417Bは、第1水平方向において、副線315Bと対向している。
【0051】
図9に示されるように、第1対向部31Bは、第1部位371B、第2部位373B、第3部位375B及び第4部位377Bを有している。第1部位371Bは、第1主線311Bの一側面であり、少なくとも第1方位に向いている。第2部位373Bは、第2主線313Bの先端面及び副線315Bの一側面であり、少なくとも第2方位に向いている。第3部位375Bは、第2主線313Bの一側面であり、少なくとも第3方位に向いている。第4部位377Bは、副線315Bの先端面と第2主線313Bの他の側面との二つの部分から成り、少なくとも第4方位に向いている。第4部位377Bの二つの部分の間には、付加的第1部位391が設けられている。付加的第1部位391は、副線315Bの他の側面であり、少なくとも第1方位に向いている。
【0052】
一方、第2対向部41Bは、
図9に示されるように、第1対向部位471B、第2対向部位473B、第3対向部位475B及び第4対向部位477Bを有している。第1対向部位471Bは、付加的対向副線419の一側面である。第1対向部位471Bは、少なくとも第2方位に向いている。第2対向部位473Bは、
第4主線413Bの一側面であり、少なくとも
第1方位に向いている。第3対向部位475Bは、
第3主線411Bの一側面であり、少なくとも
第4方位に向いている。第4対向部位477Bは、第5主線415Bの一側面と対向副線417Bの先端面の二つの部分から成り、少なくとも第3方位に向いている。第4対向部位477Bの二つの部分の間には、付加的第1対向部位491が設けられている。付加的第1対向部位491は、対向副線417Bの一側面であり、少なくとも第2方位に向いている。
【0053】
図9から理解されるように、第1部位371Bと第1対向部位471Bとは互いに対向して第1変動部501Bを構成している。第2部位373Bと第2対向部位473Bとは互いに対向して第2変動部503Bを構成している。第3部位375Bと第3対向部位475Bとは互いに対向して第3変動部521Bを構成している。第4部位377Bと第4対向部位477Bとは互いに対向して第4変動部523Bを構成している。付加的第1部位391と付加的第1対向部位491とは互いに対向して付加的第1変動部58を構成している。
【0054】
図9から理解されるように、第1変動部501B及び第2変動部503Bは、第1水平方向における第1対向部31Bに対する第2対向部41Bの移動(第1移動)により上側対向部20Bの静電容量に対して、相補的に影響を与える。即ち、第1変動部501Bと第2変動部503Bとは、第1水平方向における第1対向部31Bに対する第2対向部41Bの第1移動による静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50Bとして働く。付加的第1変動部58は、第1変動部501Bと同様に作用し、第1容量相補調整部50Bの一部として機能する。
【0055】
一方、第3変動部521B及び第4変動部523Bは、
図9から理解されるように、第2水平方向における第1対向部31Bに対する第2対向部41Bの移動(第2移動)により上側対向部20Bの静電容量に対して、相補的に影響を与える。即ち、第3変動部521Bと第4変動部523Bとは、第2水平方向における第1対向部31Bに対する第2対向部41Bの第2移動による静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52Bとして働く。
【0056】
図9に示されるように、第5主線415Bの先端面と第1主線311Bの他の側面とは、第1水平方向において、互いに対向し、第5変動部54Bを構成している。換言すると、第5変動部54Bは、第1主線311Bの他の側面である第5部位379Bと、第5主線415Bの先端面である第5対向部位479Bとで構成されている。第5変動部54Bは、第1移動に対して第2変動部503Bと同様に作用し、第1容量相補調整部50Bの一部として機能する。
【0057】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ10Bにおいても、第1容量相補調整部50B及び第2容量相補調整部52Bが設けられているので、たとえ第1対向部31Bに対する第2対向部41Bの相対移動が生じたとしても、上側対向部20Bの静電容量の変化は抑制される。しかも、本実施の形態によるアンテナ10Bは、副線315Bと対向副線417Bとを備えたことにより、第1方位への移動による静電容量への影響の大きさと、第2方位への移動による静電容量への影響の大きさとの差を小さくすることができる。これにより、静電容量の変化をより一層抑制することができる。下側対向部60Bにおいても、上側対向部20Bと同様に、第3対向部62Bに対する第4対向部64Bの第1水平方向及び第2水平方向の相対的な移動が生じたとしても、下側対向部60Bの静電容量の変化は抑制される。
【0058】
(第4の実施の形態)
図10及び
図11を参照すると、本発明の第4の実施の形態によるアンテナ10Cは、
図1から
図9に示される第1から第3の実施の形態によるアンテナ10,10A,10Bの対向部16,16A,16Bとは異なる構成の対向部16Cを備えている。詳しくは、対向部16Cは、上側対向部20Cと下側対向部60Cとを有している。また、上側対向部20Cは、第1対向部31Cと第2対向部41Cとを有し、下側対向部60Cは、第3対向部62Cと第4対向部64Cとを有している。
【0059】
図12から理解されるように、上側対向部20Cと下側対向部60C(
図11参照)とは、上下方向に沿って見たとき、互いに一致している。換言すると、第1対向部31Cと第3対向部62C(
図11参照)とは、同一の形状を有しており、第2対向部41C及び第4対向部64C(
図11参照)とは、同一の形状を有している。但し、本発明はこれに限定されない。上側対向部20Cと下側対向部60Cとは、第1の実施の形態と同様に、回転対称に構成されてもよい。
【0060】
図12に示されるように、第1対向部31C及び第2対向部41Cの夫々は、櫛歯状の形状を有している。詳しくは、第1対向部31Cは、複数の櫛歯33と複数の叉部35とを有しており、第2対向部41Cも、複数の櫛歯43と複数の叉部45とを有している。本実施の形態において、櫛歯33,叉部35,櫛歯43及び叉部45の数は、夫々二つである。第2対向部41C
は、さらに、付加的対向副線419Cを有している。第1対向部31Cにおいて、櫛歯33と叉部35は、第1水平方向において、交互に配列されている。同様に、第2対向部41Cにおいて、櫛歯43と叉部45は、第1水平方向において、交互に配列されている。そして、第1対向部31Cの櫛歯33と第2対向部41Cの櫛歯43とは互い違いに配置されている。
【0061】
図12に示されるように、櫛歯33の夫々は、少なくとも第1方位に向いている第1側面331と、少なくとも第2方位に向いている第2側面333と、少なくとも第3方位に向いている先端面335とを有している。櫛歯33の夫々の形状は、上下方向に沿って見たとき逆テーパー形状である。即ち、櫛歯33の前後方向におけるサイズは、先端面335へ向かうほど大きくなっている。この形状により、第1側面331は、第1方位に向くだけでなく第4方位にも向いている。また、第2側面333は、第2方位に向くだけでなく第4方位にも向いている。
【0062】
図12から理解されるように、櫛歯33の第1側面331は、第1部位371Cと第4部位377Cの一部とを兼ねている。第2側面333は、第2部位373Cと第4部位377Cの残りの一部とを兼ねている。先端面335は、第3部位375Cである。
【0063】
図12に示されるように、櫛歯43の夫々も、逆テーパー形状に形成されている。詳しくは、櫛歯43の夫々は、少なくとも第1方位に向いている第1側面431と、少なくとも第2方位に向いている第2側面433と、少なくとも第4方位に向いている先端面435とを有している。第1側面431は、第1方位に向くだけでなく第3方位にも向いている。第2側面433は、第2方位に向くだけでなく第3方位にも向いている。
【0064】
図12から理解されるように、櫛歯43の第1側面431は、第2対向部位473Cと第4対向部位477Cの一部とを兼ねている。第2側面433は、第1対向部位471Cと第4対向部位477Cの残りの一部とを兼ねている。先端面435は、付加的第3対向部位493である。なお、本実施の形態において、第3対向部位475Cは、叉部45である。
【0065】
図12を参照して、第1対向部31Cの櫛歯33のうち、後方に位置する一つについて説明する。以下の説明は、残りの一つの櫛歯33についても略当てはまる。但し、第1対向部31Cの櫛歯33の残りの一つは、付加的対向副線419Cの一側面と対向している。
【0066】
図12に示されるように、櫛歯33の第1側面331は、その櫛歯33の前方に位置する櫛歯43の第2側面433と対向している。互いに対向する櫛歯33の第1側面331と櫛歯43の第2側面433とは、第1変動部501Cを構成するとともに、第4変動部523Cの一部を構成する。換言すると、互いに対向する櫛歯33の第1側面331と櫛歯43の第2側面433とは、第1水平方向及び第2水平方向の双方において、第1対向部31Cと第2対向部41Cの相対移動による静電容量の変化を調整する機能を有している。これは、櫛歯33及び櫛歯
43の夫々が逆テーパー形状を有し、櫛歯33の第1側面331及び櫛歯43の第2側面433が第1水平方向及び第2水平方向の夫々に対して傾きを有しているからである。
【0067】
図12に示されるように、櫛歯33の第2側面333は、櫛歯33の後方に位置する櫛歯43の第1側面431と対向している。互いに対向する櫛歯33の第2側面333と櫛歯43の第1側面431とは、第2変動部503Cを構成するとともに、第4変動部523Cの残りの一部を構成する。換言すると、互いに対向する櫛歯33の第2側面333と櫛歯43の第1側面431とは、第1水平方向と第2水平方向の双方において、第1対向部31Cと第2対向部41Cの相対移動による静電容量の変化を調整する機能を有している。これは、櫛歯33及び櫛歯
43の夫々が逆テーパー形状を有し、櫛歯33の第1側面331及び櫛歯43の第2側面433が第1水平方向及び第2水平方向の夫々に対して傾きを有しているからである。
【0068】
図12に示されるように、櫛歯33の先端面335は、二つの櫛歯43の間に位置する叉部45と対向している。互いに対向する櫛歯33の先端面335と叉部45とは、第3変動部521Cを構成する。
【0069】
図12から理解されるように、第1変動部501C及び第2変動部503Cは、第1水平方向における第1対向部31Cに対する第2対向部41Cの第1移動による上側対向部20Cの静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50Cとして働く。第3変動部521C及び第4変動部523Cは、第2水平方向における第1対向部31Cに対する第2対向部41Cの第2移動による上側対向部20Cの静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52Cとして働く。
【0070】
図12に示されるように、櫛歯43の先端面435と第1対向部31Cの叉部35とは、第2水平方向において互いに対向し、付加的第3変動部59を構成している。付加的第3変動部59は、第2水平方向における第1対向部31Cに対する第2対向部41Cの第2移動に対して第3変動部521Cと同様に作用し、第2容量相補調整部52Cの一部として機能する。
【0071】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ10Cにおいても、第1容量相補調整部50C及び第2容量相補調整部52Cが設けられているので、たとえ第1対向部31Cに対する第2対向部41Cの相対移動が生じたとしても、上側対向部20Cの静電容量の変化は抑制される。しかも、本実施の形態によるアンテナ10Cは、第1対向部31C及び第2対向部41Cの夫々に櫛歯状の形状を採用したことにより、第1方位への移動による静電容量への影響の大きさと、第2方位への移動による静電容量への影響の大きさとの差を小さくすることができるとともに、第3方位への移動による静電容量への影響の大きさと、第4方位への移動による静電容量への影響の大きさとの差も小さくすることができる。これにより、第1対向部31Cと第2対向部41Cとの相対移動によるアンテナ10Cの特性変動がより一層抑制される。
【0072】
(第5の実施の形態)
図13及び
図14を参照すると、本発明の第5の実施の形態によるアンテナ10Dは、
図10から
図12に示される第4の実施の形態によるアンテナ10Cに類似している。詳しくは、アンテナ10Dの対向部16Dは、上側対向部20Dと下側対向部60Dとを有している。上側対向部20Dは、第1対向部31Dと第2対向部41Dとを有し、下側対向部60Dは、第3対向部62Dと第4対向部64Dとを有している。上下方向に沿って見たとき、上側対向部20Dと下側対向部60Dとは同一の形状を有している。アンテナ10Dの櫛歯33D及び櫛歯43Dの形状は、アンテナ10Cの櫛歯33C及び櫛歯43Cの形状と夫々異なっている。
【0073】
図15に示されるように、第1対向部31Dの櫛歯33Dの夫々は、少なくとも
第1方位に向いている第1側面331Dと、少なくとも第2方位に向いている第2側面333Dと、少なくとも第3方位に向いている先端面335Dとを有している。また、櫛歯33Dの夫々は、第1側面331Dと第2側面333Dとの間に、幅広部337及び幅狭部339を有している。幅広部337は、第1水平方向におけるサイズが比較的大きい部分であり、幅狭部339は、第1水平方向におけるサイズが比較的小さい部分である。本実施の形態において、幅広部337と幅狭部339とは、幅狭部339が櫛歯33Dの根元側に位置し、幅広部337が櫛歯33Dの先端側に位置するように連続している。
【0074】
図15から理解されるように、櫛歯33Dの第1側面331Dは、第1部位371Dであり、第2側面333Dは、第2部位373Dである。また、先端面335Dは、第3部位375Dである。本実施の形態において、第1側面331D及び第2側面333Dのうち、幅広部337に対応する部分が第4部位377Dを兼ねる。
【0075】
図15に示されるように、第2対向部41Dの櫛歯43Dの夫々も、櫛歯33Dと同様に構成されている。即ち、櫛歯43Dの夫々は、少なくとも第1方位に向いている第1側面431Dと、少なくとも第2方位に向いている第2側面433Dと、少なくとも第4方位に向いている先端面435Dとを有している。また、櫛歯43Dの夫々は、第1側面431Dと第2側面433Dとの間に、幅広部437及び幅狭部439を有している。幅広部437は、第1水平方向におけるサイズが比較的大きい部分であり、幅狭部439は、第1水平方向におけるサイズが比較的小さい部分である。本実施の形態において、幅広部437と幅狭部439とは、幅狭部439が櫛歯43Dの根元側に位置し、幅広部437が櫛歯43Dの先端側に位置するように連続している。
【0076】
図15から理解されるように、櫛歯43Dの第1側面431Dは、第2対向部位473Dであり、第2側面433Dは、第1対向部位471Dである。先端面435Dは、付加的第3対向部位493Dである。なお、本実施の形態において、第3対向部位475Dは、叉部45Dである。また、本実施の形態において、第1側面431D及び第2側面433Dのうち、幅広部437に対応する部分が
第4対向部位477Dを兼ねる。
【0077】
図15を参照して、第1対向部31Dの櫛歯33Dのうち、後方に位置する一つについて説明する。以下の説明は、残りの一つの櫛歯33Dについても略当てはまる。但し、第1対向部31Dの櫛歯33Dの残りの一つは、第2端部143Dの一側面と対向している。
【0078】
図15に示されるように、櫛歯33Dの第1側面331Dは、その櫛歯33Dの前方に位置する櫛歯43Dの第2側面433Dと対向している。互いに対向する櫛歯33Dの第1側面331Dと櫛歯43Dの第2側面433Dとは、第1変動部501Dを構成する。
【0079】
図15に示されるように、櫛歯33Dの第2側面333Dは、櫛歯33Dの後方に位置する櫛歯43Dの第1側面431Dと対向している。互いに対向する櫛歯33Dの第2側面333Dと櫛歯43Dの第1側面431Dとは、第2変動部503Dを構成する。
【0080】
図15に示されるように、櫛歯33Dの先端面335Dは、二つの櫛歯43Dの間に位置する叉部45Dと対向している。互いに対向する櫛歯33Dの先端面335Dと叉部45Dとは、第3変動部521Dを構成する。
【0081】
図15から理解されるように、櫛歯33Dの幅広部337Dは、櫛歯33Dの前方及び後方のそれぞれに位置する櫛歯43Dの幅広部437Dと、第2水平方向において部分的に重なっている。この櫛歯33Dの幅広部337Dと櫛歯43Dの幅広部437Dとの重なり部分のサイズは、第2水平方向において、第1対向部31Dに対して第2対向部41Dが移動すると変化する。換言すると、櫛歯33Dの幅広部337Dと、それに対向する櫛歯43Dの幅広部437Dとは、第1対向部31Dに対する第2対向部41Dの移動によって、上側対向部20Dの静電容量に対して影響を与える。この静電容量に対する影響は、第3変動部521Dの静電容量に対する影響とは逆である。このように、互いに対向する櫛歯33Dの幅広部337Dと櫛歯43Dの幅広部437Dとは、第4変動部523Dを構成する。
【0082】
図15から理解されるように、第1変動部501D及び第2変動部503Dは、第1水平方向における第1対向部31Dに対する第2対向部41Dの第1移動による上側対向部20Dの静電容量の変化を調整する第1容量相補調整部50Dとして働く。第3変動部521D及び第4変動部523Dは、第2水平方向における第1対向部31Dに対する第2対向部41Dの第2移動による上側対向部20Dの静電容量の変化を調整する第2容量相補調整部52Dとして働く。
【0083】
図15に示されるように、櫛歯43Dの先端面435Dと第1対向部31Dの叉部35Dとは、第2水平方向において互いに対向し、付加的第3変動部59Dを構成している。付加的第3変動部59Dは、第2水平方向における第1対向部31Dに対する第2対向部41Dの第2移動に対して第3変動部521Dと同様に作用し、第2容量相補調整部52Dの一部として機能する。
【0084】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ10Dにおいても、第1容量相補調整部50D及び第2容量相補調整部52Dが設けられているので、たとえ第1対向部31Dに対する第2対向部41Dの相対移動が生じても、上側対向部20Dの静電容量の変化は抑制される。しかも、第1対向部31D及び第2対向部41Dの夫々に櫛歯状の形状を採用したことにより、第1方位への移動による静電容量への影響の大きさと、第2方位への移動による静電容量への影響の大きさとの差を小さくすることできるとともに、第3方位への移動による静電容量への影響の大きさと、第4方位への移動による静電容量への影響の大きさとの差も小さくすることができる。これにより、第1対向部31Dと第2対向部41Dとの相対移動によるアンテナ10Dの特性変動がより一層抑制される。
【0085】
以上、本発明について、いくつかの実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。例えば、第1、第3から第5の実施の形態のアンテナ10,10B,10C及び10Dの夫々は、下側対向部60,60B,60C又は60Dを有していなくてもよい。また、第2の実施の形態のアンテナ10Aは、対向部16Aと同一に構成された下側対向部を有していてもよい。また、対向部16,16A,16B,16C,16Dの夫々において、第1水平方向のサイズと第2水平方向のサイズは、任意に設定可能である。さらに、上記実施の形態のアンテナ10-10Dは、ディスクリート部品であったが、本発明は、基板上に印刷成型されたアンテナにも適用可能である。その場合、印刷ずれなどによる製造ばらつきに起因するアンテナの特性変動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0086】
10,10A,10B,10C,10D アンテナ
12,12A,12B,12C,12D 主部
121 第1辺部
123 第2辺部
125 第3辺部
127 第4辺部
127L 第4辺左部
127R 第4辺右部
14 切れ目
141,141A,141B,141C,141D 第1端部
143,143A,143B,143C,143D 第2端部
16,16A,16B,16C,16D 対向部
20,20B,20C,20D 上側対向部
31,31A,31B,31C,31D 第1対向部
311,311A,311B 第1主線
313、313A,313B 第2主線
315A,315B 副線
33,33D 櫛歯
331,331D 第1側面
333,333D 第2側面
335,335D 先端面
337 幅広部
339 幅狭部
35,35D 叉部
371,371A,371B,371C,371D 第1部位
373,373A,373B,373C,373D 第2部位
375,375A,375B,375C,375D 第3部位
377,377A,377B,377C,377D 第4部位
379,379A,379B 第5部位
391 付加的第1部位
41、41A,41B,41C,41D 第2対向部
411,411A,411B 第3主線
413,413A,413B 第4主線
415,415A,415B 第5主線
417,417A,417B 対向副線
419,419C,419D 付加的対向副線
43,43D 櫛歯
431,431D 第1側面
433,433D 第2側面
435,435D 先端面
437 幅広部
439 幅狭部
45,45D 叉部
471,471A,471B,471C,471D 第1対向部位
473,473A,473B,473C,473D 第2対向部位
475,475A,475B,475C,475D 第3対向部位
477,477A,477B,477C,477D 第4対向部位
479,479A,479B 第5対向部位
491 付加的第1対向部位
493,493D 付加的第3対向部位
50,50A,50B,50C,50D 第1容量相補調整部
501,501A,501B,501C,501D 第1変動部
503,503A,503B,503C,503D 第2変動部
52,52A,52B,52C,52D 第2容量相補調整部
521,521A,521B,521C,521D 第3変動部
523,523A,523B,523C,523D 第4変動部
54,54A,54B 第5変動部
58 付加的第1変動部
59,59D 付加的第3変動部
60,60B,60C,60D 下側対向部
601,603 連結部
62,62B,62C,62D 第3対向部
64,64B,64C,64D 第4対向部
70 第1給電端子
72 第2給電端子
74 被固定部
76 付加的端子