(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】デジタルオフセット印刷用途のための霧現像
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20221219BHJP
G03G 15/10 20060101ALI20221219BHJP
B41F 7/00 20060101ALI20221219BHJP
B41F 7/30 20060101ALI20221219BHJP
B41F 33/10 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03G15/00 115
G03G15/10 117
B41F7/00
B41F7/30
B41F33/10 S
(21)【出願番号】P 2019113422
(22)【出願日】2019-06-19
【審査請求日】2022-06-17
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・セント・クレア・ロイド・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ケイ・ビーゲルセン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マシュー・ジョンソン
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0013980(US,A1)
【文献】特開2013-035286(JP,A)
【文献】特開2017-136841(JP,A)
【文献】特開平08-238793(JP,A)
【文献】特開平06-273994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/10
B41F 7/00
B41F 7/30
B41F 33/10
G03G 9/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク印刷に有用なインク系デジタル印刷システムであって、
作像部材上に湿し水画像を運ぶために構成された作像部材と、
前記作像部材の表面上に、第1の極性の静電荷像を形成する、画像形成ユニットと、
前記作像部材に近接し、前記静電荷像に引き寄せられて、前記作像部材上に前記湿し水画像を形成する帯電液滴の霧を形成するように適合されている現像ユニットと、
インク付けシステムであって、前記形成された湿し水画像に従って、インク付けされた画像を生成するために、インクを適用するように構成されている、インク付けシステムと、
前記インク付けされた画像を受容媒体に転写するためのインク転写ニップと、を備え
、
前記現像ユニットが、
湿し水を受容するための入口と、前記帯電液滴の霧を形成する放出部と、をさらに備え、前記帯電液滴の霧が、前記湿し水の複数の均一なサイズの電気的に帯電された液滴を含み、
前記画像形成ユニットおよび前記現像ユニットを制御することによって、前記作像部材上に、所望の厚さを有する前記湿し水画像を作成するためのコントローラをさらに備え、
前記帯電液滴の霧が前記作像部材上の前記静電荷像を中和するまで、前記帯電液滴の霧が、前記静電荷像に引き寄せられ、
前記帯電液滴の霧が、凍結粒子からなる、インク系デジタル印刷システム。
【請求項2】
前記インク付けシステムが、前記作像部材上の前記湿し水画像に従って、前記インク付けされた画像を生成するために、前記作像部材にインクを適用し、
前記インク付けされた画像を画像受容媒体基材に転写するプロセス方向において、前記インク付けシステムの下流に位置決めされたインク画像転写ステーションと、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
転写部材であって、前記湿し水画像の制御された部分を前記転写部材上に分割するために、前記作像部材とともに転写ニップを形成する、転写部材、をさらに備え、
前記インク付けシステムが、前記転写部材上の前記湿し水画像の前記部分に従って、前記インク付けされた画像を生成するために、前記転写部材にインクを適用し、
前記インク付けされた画像が
、画像受容媒体基材に適用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記現像ユニットが、
前記湿し水を前記現像ユニットから除去するための出口をさらに備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記現像ユニットが、
前記帯電液滴を前記作像部材に案内するように、前記放出部に近接して、かつ前記帯電液滴の霧に沿って配設された帯電表面をさらに備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像形成ユニットが、電子写真作像システムおよびイオノグラフィック作像システムのうちの少なくとも1つである、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記湿し水が、
シリコーン流体(D4、D5、OS20、OS30を含む)、アイソパー流体から本質的になる群から選択される湿し流体を含む、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記作像部材が、
シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマー、およびバイトンから本質的になる群から選択される表面を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項9】
前記現像ユニットが、前記湿し水から液滴を作成し、前記帯電液滴の霧を形成するために、前記液滴をキャリアガス中に懸濁する、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
湿し水流体を使用するインク系デジタル印刷の方法であって、
画像形成ユニットおよび現像ユニットを使用して作像部材上に湿し水画像を形成することであって、前記現像ユニットが、前記作像部材に近接して位置決めされており、かつ静電荷像に引き寄せられて、前記作像部材上に前記湿し水画像を形成する帯電液滴の霧を形成するように適合されている、形成することと、
前記形成された湿し水の画像に従って、インク付けされた画像を生成するために、インク付けシステムを用いてインクを適用することと、
インク転写ニップにおいて、前記インク付けされた画像を印刷基材に転写することと、を含
み、
前記現像ユニットが、湿し水を受容するための入口と、前記帯電液滴の霧を形成する放出部と、をさらに備え、前記帯電液滴の霧が、前記湿し水の複数の均一なサイズの電気的に帯電された液滴を含み、
所望の厚さを有する前記湿し水画像を形成するために、前記画像形成ユニットおよび前記現像ユニットを制御することをさらに含み、
前記帯電液滴の霧が前記作像部材上の前記静電荷像を中和するまで、前記帯電液滴の霧が、前記静電荷像に引き寄せられ、
前記帯電液滴の霧が、凍結粒子からなる、方法。
【請求項11】
前記インク付けシステムが、前記作像部材上の前記湿し水画像に従って、前記インク付けされた画像を生成するために、前記作像部材にインクを適用し、
前記作像部材からの前記インク付けされた画像を、プロセス方向において、前記インク付けシステムの下流に位置決めされた転写ステーションにおいて、印刷基材に転写することを、さらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記作像部材とともに転写ニップを形成する転写部材で、前記湿し水画像の制御された部分を前記転写部材上に分割することをさらに含み、
前記インク付けシステムが、前記転写部材上の前記湿し水画像の前記部分に従って、前記インク付けされた画像を生成するために、前記転写部材にインクを適用し、
前記インク付けされた画像が、ターゲット画像受容印刷基材に適用される、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記現像ユニットが、前記現像ユニットから前記湿し水を除去するための出口をさらに備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記現像ユニットが、前記帯電液滴を前記作像部材に案内するように、前記放出部に近接して、かつ前記帯電液滴の霧に沿って配設された帯電表面をさらに備える、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記画像形成ユニットが、電子写真作像方法およびイオノグラフィック作像方法のうちの少なくとも1つである、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記湿し水が、
シリコーン流体(D4、D5、OS20、OS30を含む)、アイソパー流体から本質的になる群から選択される湿し流体を含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記作像部材が、
シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマー、およびバイトンから本質的になる群から選択される表面を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項18】
前記現像ユニットが、前記湿し水から液滴を作成し、前記帯電液滴の霧を形成するために、前記液滴をキャリアガス中に懸濁する、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マーキングおよび印刷システムに関し、より具体的には、湿し水画像を作成するために電子写真画像の霧現像を使用する、可変データリソグラフィシステムに関する。
【0002】
オフセットリソグラフィは、今日一般的な印刷方法である。本明細書の目的で、「印刷」および「マーキング」という用語は、同義的である。典型的なリソグラフィプロセスにおいて、平版、シリンダの表面、ベルトなどであり得る印刷版は、疎水性および親油性材料で形成される「画像領域」、ならびに親水性材料で形成される「非画像領域」を有するように形成される。画像領域は、インクなどの印刷またはマーキング材料によって占有されている最終印刷物(すなわち、対象基材)上の部分に対応する領域であり、一方、非印刷領域は、マーキング材料によって占有されていない最終印刷物上の部分に対応する領域である。
【0003】
可変データリソグラフィ(デジタルリソグラフィまたはデジタルオフセットとも称される)印刷プロセスは、通常、作像ドラム上のシリコーン作像版を湿らせるために使用される湿し水で始まる。湿し水は、シリコーン版上に約1ミクロンほどの厚さである膜を形成する。ドラムは、画像画素が形成される位置で湿し水を除去するために、高出力レーザ作像装置が使用される「露出」ステーションに回転する。これは、湿し水系の「潜像」を形成する。次いで、ドラムは、リソグラフィ様インクが湿し水系の「潜像」に接触し、レーザが湿し水を除去した場所にインクが「現像」する「現像」ステーションにさらに回転する。インクは、版および基材上のより良好な付着力のために、通常は疎水性である。紫外線(UV)光を適用して、その結果インク中の光開始剤が、インクを部分的に硬化させて、紙などの印刷媒体への高効率転写のために準備することができる。次いで、ドラムは、インクが紙などの印刷媒体に転写される転写ステーションに回転する。シリコーン版は柔軟であるので、オフセットブランケットは、転写の促進のためには使用されない。インクが付着した紙にUV光を適用して、紙上のインクを完全に硬化させることができる。インクは、紙上で約1ミクロンのパイル高さである。
【0004】
印刷版上での画像の形成は、通常、「DMD」(デジタルマイクロミラーデバイス)とも称される、デジタル光プロジェクタ(DLP)マルチミラーアレイを照射するために、それぞれ線形出力の高出力赤外線(IR)レーザを用いる作像モジュールを用いて行われる。ミラーアレイは、コンピュータプロジェクタや一部のテレビで一般的に使用されているものと類似している。レーザは、ミラーアレイに一定の照射を提供する。ミラーアレイは、個々のミラーを偏向させて、画像平面上に画素を形成して、湿し水画像を作成するために、シリコーン版上で湿し水を画素状に蒸発させる。画素がオンにされない場合、その画素のためのレーザ照射がシリコーン表面に当たらないように、しかし冷却された光ダンプヒートシンクに入るように、その画素のためのミラーは偏向する。単一のレーザおよびミラーアレイは、交差プロセス方向に約1インチの作像能力を提供する作像モジュールを形成する。したがって、単一の作像モジュールは、所与の走査線に対して画像の1インチ×1画素線を同時に作像する。次の走査線では、作像モジュールは、次の1インチ×1画素線セグメントを作像する。いくつかのレーザおよびいくつかのミラーアレイを備え、一緒に突き合わされたいくつかの作像モジュールを使用することによって、非常に広い交差プロセス幅のための作像機能が達成される。
【0005】
湿し水を蒸発させる必要があるため、作像モジュールにおいて、レーザの電力消費が、システム全体の総電力消費の大部分を占める。そのため、作像モジュールのための様々な省電力および省コスト技術が提案されている。例えば、印刷版上に形成される画像のサイズを縮小し、画素の深度を変更し、従来のラスタ出力スキャナ(ROS)などの強力ではない画像作成源を代替する計画。最大5メートル/秒(5m/s)のプロセス速度要件で、1ミクロンの厚さの水膜を蒸発させるためには、従来の電子写真式ROS作像装置よりも10万倍ほどの電力が必要である。加えて、交差プロセス幅の要件は、36インチほどであり、走査ビーム作像装置の使用は問題となる。したがって、印刷システムにおける電力消費を低減する特別な作像装置設計が必要とされる。見落とされがちな節電の分野は、ノンレーザ作像装置の使用、または湿し水画像を作成する代替方法である。
【0006】
本明細書を一読および理解した上で、当業者には明らかとなるであろう、上述した理由により、また以下の他の理由により、可変データリソグラフィシステムにおいて、速度を増加させ、かつ電力消費を低下させることに対する必要性が、当該技術分野において存在する。
【0007】
実施形態の態様に従って、実施形態に従うシステム、方法、および浸し水が、高出力レーザを必要とせずに、湿し水画像を生成するために提供される。実施形態の態様は、インク付けされかつ印刷基材に転写することができる、または最終基材にインク付けおよび転写するためのドラムもしくはベルトの表面などの、シリコーン表面に湿し水画像を代替的に転写する、電子写真的に作成された電荷像の霧現像によって、湿し水画像を作成することを引き起こす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来技術のインク系のデジタル印刷システムを示すシステムのブロック図を例解する。
【
図2】一実施形態による、電子写真的に作成された電荷像の霧現像を含む可変リソグラフィのためのシステムの側面図である。
【
図3】別の実施形態による、電子写真的に作成された電荷像の霧現像を含み、ローラなどの表面への湿し水画像の転写を含む、可変リソグラフィのためのシステムの側面図である。
【
図4】一実施形態による、インク系デジタル印刷システムにおける電荷像の霧現像を示す。
【
図5】一実施形態による、任意に再作像可能な表面上に電荷像を霧現像するための方法のフローチャートである。
【
図6】一実施形態による、転写部材を有するインク系デジタル印刷システムにおいて、任意に再作像可能な表面上に電荷像を霧現像するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照することにより、本明細書に開示されたプロセスおよび装置のより完全な理解が得られる。これらの図は、便宜性および既存の技術および/または現在の開発の実証の容易さに基づく概略的な表現に過ぎず、したがって、アセンブリまたはその構成部品の相対的なサイズおよび寸法を示すことを意図するものではない。図面において、同じ参照番号が、同様のまたは同一の要素を示すために、全体を通して使用されている。
【0010】
一態様において、インク印刷に有用なインク系デジタル印刷システムは、作像部材上に湿し水画像を運ぶように構成された作像部材と、作像部材上の第1の極性の静電荷像を形成する画像形成ユニットと、作像部材に近接し、静電荷像に引き寄せられて、作像部材上に湿し水画像を形成する帯電液滴の霧を形成するように適合された現像ユニットと、インク付けシステムと、を備え、インク付けシステムは、インク画像を現像するために、湿し水画像によって空間的に制御されながらインクを適用するように構成されている。
【0011】
さらなる態様において、システムは、インク付けされた画像を作像部材から画像受容媒体基材に転写するプロセス方向において、インク付けシステムの下流に位置決めされたインク画像転写ステーションをさらに含み、インク付けシステムは、作像部材上の湿し水画像にインクを適用して、インク付けされた画像を生成する。
【0012】
さらに別の態様において、システムは、湿し水画像の制御された部分を転写部材上に分割するための、作像部材とともに転写ニップを形成する、転写部材をさらに備え、インク付けシステムは、転写部材上の湿し水画像の部分にインクを適用して、インク付けされた画像を生成し、インク付けされた画像は、ターゲット画像受容媒体基材に適用される。
【0013】
別の態様において、システムは、現像液ユニットが、湿し水を受容するための入口と、帯電液滴の霧を形成する放出部と、をさらに含み、帯電液滴の霧が、湿し水の複数の均一なサイズの電気的に帯電された液滴を含む。
【0014】
さらに別の態様において、システムは、現像ユニットが、現像ユニットから湿し水を除去するための出口をさらに含む。
【0015】
別のさらなる態様において、システムは、現像ユニットが、帯電液滴を作像部材に案内するように、放出部に近接して、かつ帯電液滴の霧に沿って配設された帯電表面をさらに備える。
【0016】
別の態様において、システムは、帯電液滴の霧が、作像部材上の静電荷像を中和するまで、帯電液滴の霧が静電荷像に引き寄せられる。
【0017】
さらに別の態様において、システムは、画像形成ユニットおよび現像ユニットを制御することによって、所望の厚さを有する形成された湿し水画像を作成するためのコントローラをさらに備える。
【0018】
さらに別の態様において、システムは、画像形成ユニットが、電子写真作像システムおよびイオノグラフィック作像システムのうちの少なくとも1つである。
【0019】
さらなる態様において、システムは、液浸流体が、シリコーン流体(D4、D5、OS20、OS30を含む)、アイソパー流体から本質的になる群から選択される湿し流体を含む。
【0020】
別の態様において、作像部材が、シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマー、およびバイトンから本質的になる群から選択された表面を備える。
【0021】
別の態様において、システムは、転写部材をさらに含み、作像部材および転写部材は、流体画像装填ニップを形成し、転写部材は、形成された湿し水画像を画像流体装填ニップにおいて受容するように適合される。
【0022】
別の態様において、システムは、帯電液滴の霧が、凍結粒子からなる。
【0023】
別の態様において、システムは、現像ユニットが、湿し水から液滴を作成し、該液滴をキャリアガス中に懸濁して、帯電液滴の霧を形成する。
【0024】
さらなる態様において、湿し水を使用するインク系デジタル印刷の方法は、画像形成ユニットおよび現像ユニットを用いて、像部材上に湿し水画像を形成することであって、現像ユニットが、作像部材に近接して位置決めされており、かつ静電荷像に引き寄せられて、作像部材上に湿し水画像を形成する帯電液滴の霧を形成するように適合されている、形成することと、形成された湿し水画像に従って、インク付けシステムを用いてインクを適用して、インク付けされた画像を生成することと、インク転写ニップにおいて、インク付けされた画像を印刷基材に転写することと、を含む。
【0025】
特定の用語が、明瞭さのために以下の記載において使用されているが、これらの用語は、図面内の例解のために選択された実施形態の特定の構造のみを参照することを意図し、本開示の範囲を定義または限定することを意図するものではない。以下の図面およびそれに続く記載において、同様の数字表示は、同様の機能の構成部品を指すことを理解されたい。
【0026】
「湿し流体(dampening fluid)」、「湿し水(dampening solution)」、および「湿し水(fountain solution)」という用語は、概して、基材に付着し、インクが基材に付着しないようにするために、インク付けニップ内で分割する材料を指す。場合によっては、湿し水は、基材に付着し、別様に基材に付着しないインクを結合する場合がある。以下では、以前の使用法について説明するが、いずれの様式においても適用されると解釈されるべきである。溶液または流体は、概して、水蒸気によって、または部材を湿し流体で均一に濡らすための一連のローラを通る濡れた作像部材との直接的な接触によってなど、空中状態において適用される、水または水系の湿し水であり得る。溶液または流体は、例えば、シリコーン流体(D3、D4、D5、OS10、OS20、OS30など)、アイソパー流体、ポリフッ素化エーテル、またはフッ素化シリコーン流体からなる非水性であってもよい。
【0027】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記載された値を包含し、文脈によって規定される意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連付けられた少なくとも誤差の程度を含む)。特定の値を使用するとき、その値を開示することも考慮されるはずである。例えば、「約2」という用語はまた、値「2」を開示し、「約2~約4」という範囲もまた、「2~4」という範囲を開示する。
【0028】
本発明の実施形態は、この点に限定されないが、本明細書で使用される「複数(plurality)」および「複数の(a plurality)」という用語は、例えば、「複数(multiple)」または「2つ以上」を含んでもよい。「複数(plurality)」または「複数の(a plurality)」という用語は、2つ以上の構成部品、デバイス、要素、ユニット、パラメータ、または同様のものを記載するために明細書全体にわたって使用されてもよい。例えば、「複数のステーション」は、2つ以上のステーションを含むことができる。「第1」、「第2」などの用語は、本明細書において順序、量、または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素と区別するために使用される。本明細書における「a」および「an」という用語は、量の限定を意味するのではなく、参照された項目のうちの少なくとも1つの存在を示す。
【0029】
本明細書で使用する「印刷デバイス」、「印刷システム」、または「デジタル印刷システム」という用語は、デジタル複写機またはプリンタ、スキャナ、画像印刷機、デジタルプロダクションプレス、文書処理システム、画像再生機、製本機、ファクシミリ機、多機能機などを指し、いくつかのマーキングエンジン、送り機構、走査組立体、ならびに紙送り装置、仕上げ機などの他の印刷媒体処理ユニットを含むことができる。デジタル印刷システムは、用紙、ウェブ、マーキング材料、などを取り扱うことができる。デジタル印刷システムは、任意の表面上などに印を付けることができ、入力用紙上の印を読み取るいずれの機械であり得、またはそのような機械の任意の組み合わせである。
【0030】
「受容媒体」という用語は、概して、プレカットまたはウェブのいずれかで供給される、通常可撓性であり、時々湾曲する物理的な紙用紙、印刷基材、プラスチック、または他の好適な物理的な画像のための印刷媒体基材を指す。
【0031】
図1は、本開示の一実施形態による可変データリソグラフィ用のインク系のデジタル印刷システムを示す。システム10は、異なる画像が、本実施形態においてはドラム上のブランケット、しかし等価的に版、ベルトなどでもよい、表面層上に作成され得るので、作像部材12または任意に再作像可能な表面を備え、それは、以下にさらに詳細に考察される凝縮系湿し流体サブシステム14、光学パターン化サブシステム16、インク付けサブシステム18、作像部材12から基材24にインク供給された画像を転写するための転写サブシステム22、および最終表面洗浄サブシステム26に囲まれている。他の任意の他の要素は、レオロジー(複素粘弾性係数)制御サブシステム20、厚さ測定サブシステム28、制御サブシステム30などを含む。例示的なシステム10内の作像部材12は、転写ニップ160で、インク付けされた画像をターゲット画像受容媒体基材24に適用するために使用される。転写ニップ160は、画像転写機構22の一部として、作像部材12の方向に圧力を加える押圧ローラによって生成される。上述のように、光学パターン化サブシステム16は、複雑で高価であり、システム全体の総電力消費の大部分を占める。
【0032】
このように可変データリソグラフィのためのデジタル印刷システムを概説し、様々な動作シーケンスを説明してきたが、ここで、さらなる実施形態を示す
図2~4を参照する。これらの実施形態は、増加したシステム速度、より低いシステムコスト、および向上した版寿命を有する可変データリソグラフィシステムにおける、電力消費を低減するための当該技術分野における必要性を満たす。具体的には、
図2~5内に開示されている実施形態は、霧現像および電子写真/イオノグラフ作像システムを使用して湿し水画像を作成し、次いで、任意に、湿し水画像をフルオロシリコーン版に転写する。デジタルリソグラフィにおける電子写真印刷の使用は、レーザ出力要件を下げ、カスタマイズされたフルオロシリコーン版を必要とする従来のレーザ蒸発技術よりも数倍速いことが知られている。特に明記しない限り、前述したものと同様の要素は、同じ参照番号を付され、同じ機能を果たす。
【0033】
図2は、一実施形態による、電子写真的に作成された電荷像の霧現像を含む可変リソグラフィ100のためのシステムの側面図である。画像は、システム100の供給源からのものでも、メモリなどの他のデバイスからの外部のものでもよい。特に、
図2は、画像を作成するための作像部材12を示す。作像部材12は、電荷保持表面を含むことができる。一実施形態において、作像部材表面は、感光体、セラミック版、シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマーおよびバイトンを含み得る。好ましくは、作像部材表面は、感光体であり得るが、絶縁表面が、同様にイオノグラフィック作像システムを伴い使用される場合もある。システムは、作像部材表面に隣接して配設された湿し流体/インク除去システム26を含み得る。システムは、作像部材12の表面を第1の極性に帯電させるように配置および構成された帯電ステーション240を含み得る。システムは、作像部材12の表面上に静電潜像(図示せず)または帯電画像を生成するための画像データに従って、均一に帯電された光導電性表面を選択的に露出するように構成されたラスタ出力スキャナ(「ROS」)または作像装置形成ユニット(作像装置)250を含み得る。代替的な実施形態において、システム200は、イオノグラフィック帯電または放電を使用して、電荷像を作成する。
【0034】
システムは、作像部材12の表面上に均一の湿し水層(図示せず)を表現するための現像ユニット260または流体計量システムを含み得る。湿し水は、ROS作像装置250によってその上に画定された静電潜像に従って、作像部材表面の部分に付着するように構成される。湿し水は、エレクトロスプレーまたは他の霧化手段によって作成された帯電液滴として湿し流体を含む。好ましくは、湿し水は、帯電液滴(帯電霧)を作像部材12上の逆帯電した領域に運ぶために、窒素などのガスによって搬送される。
【0035】
湿し水画像が形成された後、インカー18からのインクが、転写部材表面231に適用されて、インクパターンまたはインク付けされた画像を形成する。インクパターンまたはインク付けされた画像は、湿し流体パターンのネガティブであり得、またはそれに対応してもよい。インク画像は、作像部材12および基材搬送ロール22によって形成された、インク画像転写ニップ160で媒体24に転写することができる。基材搬送ロール240は、用紙搬送部22によって運ばれる印刷媒体へのインク付けされた画像の接触転写を容易にするために、例えば、作像部材表面12に抗して用紙搬送部24を付勢することができる。
【0036】
システムは、インク画像転写ニップ160でインク画像を転写する前に、インク画像のインクの粘度を増加させるために、
図1の20のようなレオロジー調整システムを含むことができる。システムは、例えば、作像部材12から用紙搬送部22によって運ばれる媒体へのインク画像の転写後に、媒体上のインク画像を硬化させるための硬化システム265を含むことができる。レオロジー調整システムは、媒体プロセス方向に関して、転写ニップ160の前に位置決めされ得る。硬化システム265は、媒体プロセス方向に関して、ニップ160の後に位置決めされ得る。インク画像を作像部材12から印刷媒体に転写した後、残留インクは、クリーニングシステム26によって除去され得る。
【0037】
作像部材表面から湿し流体パターンを転写した後、作像部材12は、ブランケット調整システム220を使用して、湿し流体および固体粒子を除去することにより、新しいサイクルに備えてさらに洗浄され得る。作像部材表面を洗浄するための様々な方法が使用され得る。作像装置250によって生成された熱、およびローラと作像部材12との間の摩擦接触によって生成した熱に起因して、印刷動作の間に作像部材の温度を下げる必要があり得る。実施形態において、ブランケットは、より低温の印刷基材24と接触することによって、および熱を除去した後に、それ自体を冷却することができる。任意に、エアジェット生成デバイスなどのブランケットチラー210が、冷却を加速するために使用され得る。これは、非常に高速での印刷に特に好適である。
【0038】
作像装置250、現像ユニット260、および可変リソグラフィ用システムの他の動作は、コントローラ300によって制御することができる。制御器300は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、埋め込みプロセッサ、ハンドヘルド通信デバイス、または別のタイプの計算デバイスなどのようなデバイス内で実施することができる。コントローラ300は、メモリ、プロセッサ、入力/出力装置、ディスプレイ、およびバスを含み得る。バスは、コントローラ300またはコンピューティングデバイスの構成要素間の通信および信号の転送を可能にし得る。
【0039】
図3は、別の実施形態による、電子写真的に作成された電荷像の霧現像を含み、ローラなどの表面への湿し水画像の転写を含む、可変リソグラフィのためのシステム200の側面図である。例解された実施形態において、作像部材12上の電子写真的またはイオノグラフィック的に湿し水画像の作成、次いで印刷基材でさらに処理するために、それをドラム340のようなインク付けブランケットに転写(分割)することが示される。電子写真またはゼログラフィにおいて、従来のROSスキャナ、LEDバー、または表面を放電する他の手段を備える作像装置250が、実装され得、画像データに従って感光体表面の一部を選択的に放電して、作像部材の表面上に配設された静電潜像を生成するように構成され得る。イオノグラフィにおいて、作像装置250は、帯電ステーション240によって帯電された後に、イオンビーム、すなわち、所与の極性のイオンを作像部材12上の表面のような、誘電体表面上に投影するための画像投影ヘッドを備える。
【0040】
システム200はまた、作像部材12の表面上に均一な湿し水層(図示せず)を表現するための現像ユニット260を含む。湿し水は、作像装置250によってその上に現像された静電潜像に従って、作像部材表面の部分に付着するように構成される。現像ユニット260は、入口ポート(P1)に入る湿し水265を霧化し、かつ帯電させる手段を含む。容器からの湿し水を装填したポンプが、湿し水を、例えば、エレクトロスプレー噴霧器に、制御された速度で供給する。サンプルの湿し水は、シリコーン流体(D4、D5、OS20、OS30)、またはアイソパー流体であり得る。流体は、液滴の帯電を補助するための帯電制御剤を含有し得る。所定量で添加された窒素などのガスが導入されて、霧化溶液を作像部材12の表面に運ぶ。現像ユニット260は、未使用の湿し水268を容器に戻すための出口ポート(P2)を有する。現像ユニット260は、チャンバ、および版275の近くの半径方向拡大領域272をさらに含み、ここで、放出チャンバ410からの帯電液滴270の霧は、霧化した湿し水を、作像部材12の表面上の帯電領域に運ぶことができる。
【0041】
転写部材340は、作像部材12を伴い、湿し水画像装填ニップ310を形成するように構成され得る。作像部材12の表面上で現像ユニット260および画像形成ユニット250によって生成された湿し水画像は、装填ニップにおいて加圧下で転写部材340の表面に転写される。特に、軽い圧力が、転写部材表面340と作像部材表面12との間に適用され得る。湿し水装填ニップにおいて、湿し水画像は、ニップを離れるにつれて分割し、ある量の湿し流体を転写部材340に転写して、湿し水流体画像330を形成する。転写される湿し流体または湿し水の量は、ニップ310の接触圧力調節によって調節され得る。例えば、約1マイクロメートル以下の湿し流体層を、転写部材表面340に転写することができる。作像部材表面から湿し水パターンを転写した後、作像部材12は、除去システム320を使用して、湿し流体および固体粒子を除去することにより、新しいサイクルに備えて洗浄され得る。作像部材表面を洗浄するための様々な方法が、使用され得る。湿し水画像330が転写部材340に転写された後、インカー13からのインクが、転写部材表面340に適用されて、インクパターンまたは画像を形成する。インクパターンまたは画像は、湿し水パターンのネガティブであり得るか、またはそれに対応し得る。インク画像は、転写部材340および基材搬送ロール22によって形成された、インク画像転写ニップで印刷媒体24に転写することができる。基材搬送ロール22は、転写部材340から用紙搬送部22によって運ばれた媒体へのインク画像の接触転写を容易にするために、例えば、転写部材表面340に抗して用紙搬送部24を付勢することができる。作像部材12のように、転写部材340は、装填ニップ310における湿し流体画像の装填を強化するために、電気的にバイアスされてもよい。
【0042】
図4は、一実施形態による、インク系デジタル印刷システムにおける電荷像の霧現像を示す。本明細書において使用される際、「霧現像」という用語は、帯電した液体または霧状の液滴などの凍結粒子を使用することによる画像の作成である。
【0043】
このように可変データリソグラフィのためのデジタル印刷システムを概説し、様々な動作シーケンスを説明したので、次に、簡略化のためにある要素を省略したさらなる実施形態を示す
図4を参照する。特に明記しない限り、前述したものと同様の要素は、同じ参照番号を付され、同じ機能を果たす。例解されたセグメントは、表面上に湿し水画像を作成する代替的な、かつ改良された手段として、電子写真画像の霧現像を使用する。
【0044】
図4に示されるように、直径が約1ミクロンの液滴の霧270が帯電され、表面作像部材12上の電荷像に表現される。示された表面は、感光体であり得るが、用途がイオノグラフィック作像システムであるとき、絶縁表面が、電荷表面を形成するために使用されることもある。現像ユニット260は、例えば、エレクトロスプレーまたは他の噴霧化手段、および第1のポート(P1)で受容した湿し水の帯電によって、帯電液滴を作成することができる。窒素などのガスは、帯電液滴270の霧を、電界(液滴と表面との間の相互引力)が液滴を電荷像の帯電領域に案内するドラムまたはベルトであり得る、作像部材12上の回転する逆電荷像に運ぶ。液滴は、狭いサイズ分布および電荷対質量比(C/M)を有することが望ましいが、必須ではない。液滴は、望ましくは、約1ミクロンの直径を有する。20×20ミクロンの面積の画素(1200dpiの画像に対応)および約200ナノメートル(nm)のターゲット湿し水の厚さは、所望の適用範囲を提供するために約150滴を必要とするであろう。潜像の表面電荷密度(帯電ステーション240によって生成)は、表面電荷が、霧帯電液滴によって任意に中和されるか、または部分的に中和されるまで、ある量の湿し水を引き付ける。作像部材、および互いとの付着力は、液滴を作像部材12の表面上に留まらせるであろう。
【0045】
コントローラ300を用いて等、電荷対質量比、液滴体積パラメータ、およびエレクトログラフィック表面電荷密度を、所望の厚さの湿し水に制御することによって、作像部材12上の潜像領域を制御可能に被覆することができる。現像ハウジングの壁の電圧は、帯電液滴が画像の帯電していない領域から反発するように設定することができる。潜像電荷が存在しない場合、液滴は、作像部材12の表面に接触し、かつその上に付着することはなく、または静電的に反発することができる。未使用の自由液滴は、第2のポート(P2)を通って再利用することができる。加えて、版275に適用される交流(AC)電場のような電圧420は、帯電表面440を生成して、帯電壁電位を生じさせ、それは、放電領域の近くの液滴の数を低減させることができ、また、放電表面440が放電ポート410および帯電液滴の霧の近位に配設されるので、静電気力は、帯電した液滴を作像部材12の表面に案内するのを助けることができる。
【0046】
一度生成された霧は凍結することができることに留意すべきである。例えば、D4のような湿し水は、17.5℃で凍結する。したがって、窒素のようなキャリアガスおよび現像ユニット260のハウジングが、17℃を下回って維持される場合、霧270は、凍結粒子からなるはずである。そのような凍結粒子は、作像部材12の外側表面のような表面上の液体の毛細管拡散力を制御することに有用であり得る。このような粒子が電子写真表面と転写部材340との間のニップ310までずっと凍結したままである場合、ニップ圧力は、湿し水を溶融し、転写部材340を濡らすように作用することができる。代替的に、熱源は、転写部材に転写する直前に湿し粒子を溶融するために使用することができる。さらに別の代替案において、準拠したシリコーン転写部材340は、固体湿し粒子に優先的に付着し、シリコーン版に効果的に転写することができ、ここでそれらはインク付けの前に続いて溶融することができる。
【0047】
図5は、一実施形態による、任意に再作像可能な表面上に電荷像を霧現像するための方法500のフローチャートである。特に、
図5は、インク系デジタル印刷プロセス500を示す。方法は、510において、感光体などの作像部材12の表面を均一な電位に帯電させることを含んでもよい。520において、作像部材12の帯電表面は、ROS作像装置などの電子写真作像装置またはイオノグラフィック作像装置に露出されて、印刷される画像の画像データに従って、表面の一部を選択的に放電して、静電潜像または静電荷像を形成することができる。
【0048】
静電潜像の作成後、制御は、次いで、現像ユニット260を使用して画像を現像するためのアクション530に進み、相補的電荷を有する作像部材12の一部に付着させるために、液滴/粒子を電気的にバイアスまたは帯電された湿し水の帯電霧を使用する。アクション530の結果として、湿し水画像が、作像版上に湿し流体をパターニングするために現在使用され、出力使用量の大部分を占め、かつ印刷速度の低減の原因となる、高出力レーザを必要とせず、生成される。次いで、制御は、さらなる処理のためにアクション540に進む。
【0049】
方法は、アクション540において、湿し水画像を有する作像部材表面にインクを付けすることを含み得る。インクは、湿し水画像に従って、転写部材の部分に付着し得る。例えば、インクは、湿し水画像に関してポジティブまたはネガティブの画像またはパターンを形成し得る。方法は、アクション550において、インク画像転写ニップでインク画像を記録媒体に転写することを含み得る。転写ニップは、
図2および
図3に示すように、転写ロール22、および作像部材12またはドラム340によって形成することができ、カットシートまたは連続ウェブにかかわらず、介在する記録媒体に圧力を適用するように構成することができる。
【0050】
図6は、一実施形態による、転写部材を有するインク系デジタル印刷システムにおいて、任意に再作像可能な表面上に電荷像を霧現像するための方法600のフローチャートである。
【0051】
特に、
図6は、インク系デジタル印刷プロセス600を示す。方法は、610において、感光体などの作像部材12の表面を均一な電位に帯電させることを含んでもよい。620において、作像部材12の帯電表面は、ROS作像装置などの電子写真作像装置またはイオノグラフィック作像装置に露出されて、印刷される画像の画像データに従って、表面の一部を選択的に放電して、静電潜像または静電荷像を形成することができる。
【0052】
静電潜像の作成後、制御は、次いで、現像ユニット260のような現像装置を使用して画像を現像するためのアクション630に進み、相補的電荷を有する作像部材12の部分に付着させるために、液滴/粒子を電気的にバイアスまたは帯電された湿し水の霧を使用する。湿し水の霧で静電画像を現像することは、液体インク印刷に関連付けられた湿度に対する感度を克服する。アクション630の結果として、湿し水画像が、作像版上に湿し流体をパターニングするために現在使用され、出力使用量の大部分を占めかつ印刷速度の低減の原因となる、高出力レーザを必要とせず、生成される。次いで、制御は、さらなる処理のためにアクション635に進む。
【0053】
方法は、S509で、作像部材12および転写部材340によって形成された装填ニップ310で、溶液画像の湿し水を転写部材340に転写することを含み得る。それによって、湿し水画像が形成され、それが現像ユニット260によって現像された際の作像部材の湿し水画像に対応する。方法は、溶液画像が作像部材から転写部材340に転写される際、湿し水画像を作像部材の表面上に保持するために、作像部材12および転写部材340をバイアスすることを含み得る。
【0054】
方法は、アクション640において、湿し水画像を有する作像部材表面にインク付けすることを含み得る。インクは、湿し水画像に従って、転写部材の部分に付着し得る。例えば、インクは、湿し水画像に関してポジティブまたはネガティブの画像またはパターンを形成し得る。方法は、アクション650において、インク画像転写ニップでインク画像を記録媒体に転写することを含み得る。転写ニップは、
図2および
図3に示すように、転写ロール22、および作像部材12またはドラム340によって形成することができ、カットシートまたは連続ウェブにかかわらず、介在する記録媒体に圧力を適用するように構成することができる。