(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】X線管の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01J 9/26 20060101AFI20221219BHJP
H01J 9/24 20060101ALI20221219BHJP
H01J 35/16 20060101ALI20221219BHJP
H01J 9/40 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H01J9/26 A
H01J9/24 A
H01J35/16
H01J9/40 A
(21)【出願番号】P 2019154828
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503382542
【氏名又は名称】キヤノン電子管デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村越 雄一
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-003340(JP,A)
【文献】実開昭59-162771(JP,U)
【文献】特開平07-307131(JP,A)
【文献】特開2002-025446(JP,A)
【文献】特開2005-135786(JP,A)
【文献】特表2005-539351(JP,A)
【文献】特開2006-318862(JP,A)
【文献】特開2011-108415(JP,A)
【文献】特開2016-085945(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0084323(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 9/26
H01J 9/24
H01J 35/16
H01J 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成され、端部と、前記端部の内周面側の全周にわたって形成された環状の段差と、前記段差により形成された環状の底面と、を有する支持部材と、
円板状に形成され、第1主部と、前記第1主部を囲み環状に形成された第1周縁部と、を有するベース部材と、
第1ろう材と、
第2主部と、前記第2主部を貫通する貫通孔と、前記第2主部を囲み前記端部の外周面の直径より大きい直径を有する第2周縁部と、を有する重し治具と、
連結部材と、を用意し、
前記第1周縁部が前記底面に接するように、前記ベース部材を前記支持部材に載せ、
前記第1ろう材を前記第1周縁部と前記支持部材との間に設け、
前記第2周縁部を前記端部に接するように、前記重し治具を前記支持部材に載せ、
前記連結部材は前記貫通孔を通過し、前記第1主部に接し、
前記連結部材によって、前記重し治具と前記ベース部材とは連結させ、
前記第1ろう材を融解させ、前記第1ろう材によって前記支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する
X線管の製造方法。
【請求項2】
前記重し治具は、前記第2主部から前記ベース部材に向かって突出した突出部を有し、
前記突出部は前記第1主部に接し、前記第1主部と前記第2主部との平行を維持させる
請求項1に記載のX線管の製造方法。
【請求項3】
さらに、第2ろう材を用意し、
前記第1主部に雌ねじが形成された篏合部を設け、
前記連結部材の端部に雄ねじを形成し、
前記連結部材の端部と前記篏合部とを篏合させ、
前記第2ろう材を融解させ、前記第2ろう材によって前記ベース部材と前記連結部材とを気密に接合する
請求項1に記載のX線管の製造方法。
【請求項4】
さらに、カバー部材を用意し、
前記ベース部材と前記支持部材とをろう接後、前記重し治具を前記連結部材から取り外し、
前記カバー部材と前記ベース部材とを前記連結部材によって連結させる
請求項1乃至3の何れか1項に記載のX線管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、X線管の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線管は、電子を放出する陰極と、X線を放出する陽極ターゲットと、陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、真空外囲器に気密に取り付けられたピンと、を備えている。ピンを利用することにより、例えば、陰極に電流を与えたり、電圧を印加したりすることができる。X線管は、支持部材と、ベース部材とを備えている。ピンはベース部材などにより支持されている。
【0003】
ベース部材は、円板状に形成されている。支持部材は、X線管の管軸に沿って筒状に形成されている。支持部材の一端部は、内周面側に全周にわたって形成された環状の段差を有している。支持部材は、内周面側に上記段差により形成された環状の底面を有している。
ベース部材は支持部材の上記段差に設置され、ベース部材の周縁部は、支持部材の上記底面に接している。支持部材の段差の全周にわたって、ベース部材は、支持部材にろう接されている。このため、ベース部材は、支持部材に気密に接続されている。
支持部材が延在する方向を垂直方向と称した場合、ベース部材は、上記管軸に垂直な水平面上にて延在している。言い換えると、ベース部材は、水平に維持されている。
上述したように、ベース部材を支持部材にろう接することにより、X線管を、大量、短時間、及び安価に製作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭59-149626号公報
【文献】特開2005-302368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、製造歩留まりの高いX線管の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るX線管の製造方法において、筒状に形成され、端部と、前記端部の内周面側の全周にわたって形成された環状の段差と、前記段差により形成された環状の底面と、を有する支持部材と、円板状に形成され、第1主部と、前記第1主部を囲み環状に形成された第1周縁部と、を有するベース部材と、第1ろう材と、第2主部と、前記第2主部を貫通する貫通孔と、前記第2主部を囲み前記端部の外周面の直径より大きい直径を有する第2周縁部と、を有する重し治具と、連結部材と、を用意し、前記第1周縁部が前記底面に接するように、前記ベース部材を前記支持部材に載せ、前記第1ろう材を前記第1周縁部と前記支持部材との間に設け、前記第2周縁部を前記端部に接するように、前記重し治具を前記支持部材に載せ、前記連結部材は前記貫通孔を通過し、前記第1主部に接し、前記連結部材によって、前記重し治具と前記ベース部材とは連結させ、前記第1ろう材を融解させ、前記第1ろう材によって前記支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態のX線管装置の断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したX線管の一部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示したステム部の製造方法を説明するための断面図である。
【
図5】
図5は、
図2に示したステム部の製造方法を説明するための断面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示したステム部の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、一実施形態のX線管装置の断面図である。
図1に示すように、X線管装置は、X線管1と、筐体20と、絶縁油9と、を備えている。この実施の形態において、X線管1は回転陽極型X線管である。
【0010】
X線管1は、陰極10と、陽極11と、回転体5と、固定体6と、真空外囲器19と、ステム部2と、を備えている。
回転体5は、筒状に形成され、一端部が閉塞されている。回転体5は、この回転体の回転動作の中心軸となる回転軸に沿って延出している。回転体5は、上記回転軸を中心に回転可能である。回転体5は、Fe(鉄)やMo(モリブデン)等の材料で形成されている。
【0011】
固定体6は柱状に形成されている。固定体6の直径は回転体5の内径より小さい。固定体6は、回転体5と同軸的に設けられ、回転軸に沿って延出している。固定体6は、FeやMo等の材料で形成されている。固定体6は、回転体5に嵌合され、また、真空外囲器19に固定されている。なお、図示しないが、回転体5及び固定体6間の隙間にガリウム・インジウム・錫合金(GaInSn)等の金属潤滑剤が充填されている。このため、X線管1はすべり軸受けを使っている。
【0012】
陽極11は、回転軸に沿った方向に、固定体6の一端部に対向配置されている。陽極11は、陽極の外面に位置したターゲット層11aを有している。陽極11は、回転体5の閉塞された一端部にナット7で固定されている。陽極11は、形状が円環状であり、重金属等の材料で形成されている。陽極11は、例えばMoで形成されている。
陽極11は、回転体5及び固定体6と同軸的に設けられている。陽極11は、回転軸を中心に回転可能である。陽極11は、陰極10から放出される電子が衝突されることによりX線を放出するものである。陽極11には、相対的に正の電圧が供給される。
【0013】
陰極10は、フィラメント17及びグリッド18を有している。陰極10は、陽極11のターゲット層11aに間隔を置いて対向配置されている。フィラメント17は陽極11に衝突される電子を放出するものである。グリッド18は、フィラメント17から陽極11に向かう電子の軌道を取り囲んで設けられている。フィラメント17及びグリッド18には、相対的に負の電圧と電流が与えられる。これにより、上記のようにフィラメント17は電子(熱電子)を放出する。
【0014】
真空外囲器19は、陽極11及び陰極10を収容している。真空外囲器19は、ガラス及びセラミックなどの絶縁材又は、絶縁材と金属などの導電部材との組合せで形成されている。真空外囲器19は密閉され、内部は真空状態に維持されている。真空外囲器19は、陰極10と対向したターゲット層11a付近にX線を透過させるX線透過窓19aを有している。
ステム部2は、真空外囲器19に連結し、複数のピン3が取り付けられている。ピン3の各々は、フィラメント17及びグリッド18に接続している。
【0015】
筐体20は、X線管1を収容している。筐体20は、陰極10と対向したターゲット層11a付近にX線を透過させるX線透過窓20aを有している。筐体20の内部には、X線管1等が収容されている他、冷却液としての絶縁油9が充填されている。このため、X線管1、ピン3は絶縁油9に浸漬されている。なお、図示しないが、筐体20の内部には、回転体5を回転させるステータコイルも収容されている。
【0016】
図2は、
図1に示したX線管1の一部を示す断面図である。
図2に示すように、X線管1は、さらに、複数のスリーブ13と、複数の連結部材30と、複数の留め具31と、部材19bと、部材19cと、部材19dと、部材19eと、ろう材B1と、ろう材B2と、カバー部材40と、を備えている。
【0017】
部材19bと、部材19cと、部材19dと、部材19eとは、真空外囲器19の一部を形成している。部材19b乃至19eは筒状に形成されている。一例として、部材19b、部材19c及び部材19eはコバール(KOV)で形成され、部材19dはガラスで形成されている。部材19bと部材19cとは溶着し、部材19cと部材19dとは溶着し、部材19dと部材19eとは溶着している。部材19eは、カバー部材40に対向している端部E1を有している。端部E1は、カバー部材40に接触している。
【0018】
ステム部2は、ベース部材21と、支持部材22と、を備えている。
支持部材22は、筒状に形成されている。図示した例では、支持部材22は一端から他端に向けて先細りしている形状をしている。支持部材22は、部材19eと気密に接合している。支持部材22は、端部22eを有している。端部22eは段差22sを有している。段差22sは、支持部材22の内周面側の全周にわたって環状に形成されている。支持部材22は、内周面側に段差22sにより形成された環状の底面22bを有している。
【0019】
ベース部材21は、円盤状に形成されている。ベース部材21は、主部21mと、主部21mを囲み環状に形成された周縁部21oと、を有している。周縁部21oは、支持部材22の段差22Sに接している。
主部21mは、中心軸21cと、複数の貫通孔21hと、複数の篏合部21fと、を備えている。中心軸21cは、
図1に示した回転体5の回転軸と同一線上に位置している。貫通孔21h及び篏合部21fは、それぞれ主部21mを貫通して形成されている。
【0020】
カバー部材40は、
図1に示したX線管1と筐体20との間での放電を防止するためのものである。カバー部材40は、カップ状に形成されている。カバー部材40は、板部40aと、筒部40bと、を有している。板部40aと筒部40bとは一体に形成されている。板部40aは、複数の貫通孔41aと、複数の貫通孔41bと、を有している。図示した例では、板部40aは、支持部材22の端部22e及び部材19eの端部E1のそれぞれに載っている。ベース部材21から板部40aに向かう方向において、貫通孔41aは篏合部21fに重なり、貫通孔41bは貫通孔21hに重なっている。
【0021】
連結部材30は、柱状に形成されている。連結部材30は、篏合部21f及び貫通孔41aのそれぞれを通りベース部材21とカバー部材40との間に延在している。詳細は後述するが、連結部材30は、ベース部材21及びカバー部材40のそれぞれと連結している。留め具31は、連結部材30に篏合するものである。
【0022】
ピン3は、貫通孔21h及び貫通孔41bのそれぞれを通り延在している。図示した例では、ピン3は、中心軸21cに平行に延在している。スリーブ13はピン3を案内しかつ支持している。スリーブ13は、主部22mに気密に接合されている。スリーブ13は絶縁材料で形成されている。
ろう材B1は、ベース部材21が底面22bに重なる位置に設けられ、ベース部材21と支持部材22とを接合している。ろう材B2は、ベース部材21と連結部材30とを接合している。
【0023】
図3は、
図2に示したベース部材21の平面図である。
図3に示すように、複数の貫通孔21hは複数の篏合部21fより中心軸21cに近接している。複数の篏合部21fは複数の貫通孔21hより周縁部21oに近接している。図示した例では、篏合部21fの数は3個であるが、篏合部21fは少なくとも2個以上であればよい。図示した例では、貫通孔21hの数は3個であるが、これに限定されるものではなく、主部21mに4個以上の貫通孔21hが形成されていてもよい。
ろう材B1は、平面視で周縁部21oに沿って環状に位置している。ろう材B2は、それぞれ篏合部21fに沿って環状に位置している。
【0024】
次に、
図4乃至
図6を参照しながらX線管1のステム部2の製造方法について説明する。
図4に示すように、ステム部2の製造が開始されると、まず、ベース部材21と、複数の連結部材30と、を用意する。
連結部材30は、端部30aと、端部30aの反対側の端部30bと、を有している。図示した例では、篏合部21f及び端部30bには雌ネジが形成され、30aには雄ねじが形成されている。
篏合部21fの雌ねじと端部30aの雄ねじとを螺合することにより、ベース部材21に複数の連結部材30が連結させられる。
【0025】
次に、
図5に示すように、支持部材22と、スリーブ13と、ピン3と、を用意する。
周縁部21oが段差22Sに接するように、複数の連結部材30が連結したベース部材21を支持部材22の内周面側に配置する。
【0026】
各スリーブ13は各貫通孔21hに配置され、ピン3はスリーブ13を通り延在させる。スリーブ13は、ベース部材21及びピン3のそれぞれに気密に接合している。
ろう材B1は、ベース部材21及び支持部材22のそれぞれに接するように配置される。ろう材B2は、ベース部材21及び連結部材30のそれぞれに接するように配置される。
【0027】
次に、
図6に示すように、重し治具50と、留め具31と、を用意する。
重し治具50は、ベース部材21に対向する主部50aと、主部50aを囲む周縁部50oと、複数の突出部50eと、複数の貫通孔50hと、を有している。主部50aは、支持部材22の端部22eに対向している。突出部50eは、主部50aからベース部材21に向かって突出した部分である。図示した例では、留め具31はねじである。周縁部50oは、直径D50を有している。直径D50は、端部22eの外周面の直径D22より大きい。
【0028】
突出部50eが主部21mに接し、主部50aが端部22eに接するように重し治具50を配置する。この際、突出部50eはろう材B1及びB2のそれぞれから離れるよう配置する。ピン3は、貫通孔50hを通過し延在させる。連結部材30の端部30bを、篏合部21fに重なる貫通孔50hに通して、留め具31と螺合させる。ベース部材21と重し治具50とは、連結部材30及び留め具31によって、一体化させられる。図示した例では、ベース部材21の主部21mと重し治具50の主部50aとは平行である。
【0029】
重し治具50を取り付けたステム部2を加熱し、ろう材B1及びB2が融解する温度まで加熱する。ろう材B1にてベース部材21と支持部材22とを気密に接合することができる。また、ろう材B2にてベース部材21と連結部材30とを気密に接合することができる。このようなろう接後、留め具31と連結部材30との螺合状態を解除し、重し治具50をステム部2から取り外す。
【0030】
ステム部2から重し治具50を取り外したのち、
図2に示したカバー部材40をステム部2に取り付け、再度、留め具31と連結部材30とを螺合させる。これにより、X線管1のステム部2の製造を終了する。
【0031】
上記のように構成されたX線管1の製造方法によれば、ろう付け一回のみでステム部2を組み立てることができ、1種類のろう材のみ使用するため、融点の異なる複数の種類のろう材を使用して複数回のろう付けを必要とするステム部と比較して、製造時間(リードタイム)を短縮することができ、安価に製造することができる。
【0032】
ベース部材21と支持部材22とを異なる材料で形成した場合、支持部材22の熱膨張係数が、ベース部材21の熱膨張係数より高くなる場合がある。その場合、ベース部材21及び支持部材22が加熱され高温となるろう接時に、支持部材22の内径が、ベース部材21の外径より大きくなる。すると、ベース部材21の周縁部21oが支持部材22の底面22bに接している状態が解除され、ベース部材21が抜け落ちる恐れがある。ベース部材21が抜け落ちると、支持部材22に対するベース部材21などの相対的な位置にずれが生じてしまう。ベース部材21は、水平を維持できなくなる。すると、様々な不具合が生じることになる。例えば、ベース部材21を支持部材22に気密に接続させることが困難となる。
【0033】
本実施形態によれば、連結部材30を介して重し治具50をベース部材21に取り付けたのち、ベース部材21と支持部材22とをろう接する。これにより、例えばベース部材21が支持部材22から抜け落ちそうになった場合、重し治具50の主部50aは支持部材22の端部22eに載っているため、ベース部材21は支持部材22から抜け落ちるのを抑制することができる。さらに、ベース部材21と支持部材22とは平行を維持することができ、中心軸21cに平行にピン3を延在させることができる。
【0034】
ここまで、ろう付け一回のみでステム部2を製造する製造方法について説明した。なお、連結部材30とベース部材21とを連結させる際、
図4に示したベース部材21に篏合部21fを設けず連結部材30の端部30aに雄ねじを設けず、ベース部材21と連結部材30とをろう付けによって連結させてもよい。ベース部材21と連結部材30とをろう付けした後は、
図5及び
図6で上記説明した製造方法でステム部2を製造する。
以上説明したように、本実施形態によれば、製造歩留まりの高いX線管の製造方法を提供することができる。
【0035】
なお、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本発明の実施形態は、上述したX線管1の製造方法に限定されるものではない。本発明の実施形態は、各種の回転陽極型X線管の製造方法及び各種の固定陽極型X線管の製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…X線管
21…ベース部材 21m…第1主部 21o…第1周縁部 21f…篏合部
22…支持部材 21e…端部 22s…段差 22b…底面
30…連結部材 30a…端部
50…重し治具 50a…第2主部 50b…第2周縁部 50h…貫通孔
50e…突出部
B1…第1ろう材 B2…第2ろう材
40…カバー部材