(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】燃料電池システム及び燃料電池システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20221219BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20221219BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20221219BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04537
H01M8/04858
(21)【出願番号】P 2019503753
(86)(22)【出願日】2017-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2017069217
(87)【国際公開番号】W WO2018020029
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】102016114081.3
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507332893
【氏名又は名称】プロトン モータ フューエル セル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】PROTON MOTOR FUEL CELL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100121887
【氏名又は名称】菅野 好章
(74)【代理人】
【識別番号】100200333
【氏名又は名称】古賀 真二
(72)【発明者】
【氏名】レウム,マティアス
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-075428(JP,A)
【文献】特開2011-181198(JP,A)
【文献】特開2011-233439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0244277(US,A1)
【文献】特開2004-178877(JP,A)
【文献】特開2011-134530(JP,A)
【文献】特開2007-122930(JP,A)
【文献】特表2003-529196(JP,A)
【文献】特開2007-265937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 - 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気負荷(2)への終端となるように設計された第1及び第2電気供給ターミナル(101、102)を有する燃料電池群(10)を形成するように接続される複数の燃料電池モジュール(11-1n)と、
その中で前記複数の燃料電池モジュール(11-1n)における各燃料電池モジュールは、下限部分負荷範囲(41)、中間部分負荷範囲(42)、及び上限部分負荷範囲(43)を備える複数の作動範囲を有し、
前記燃料電池モジュール(11-1n)に接続され、且つ前記各燃料電池モジュールの負荷電流を測定するために設計された測定装置(21-2n)と、
前記測定装置(21-2n)により測定された前記各燃料電池モジュールの前記負荷電流として前記燃料電池モジュール(11-1n)の各作動状態を検出するためのコントローラ(20)とを具備する燃料電池システム(1)において、
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池モジュール(11-1n)の作動を制御するために前記燃料電池モジュール(11-1n)に接続されており、
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池モジュールの定格電力を伴う全負荷にて、全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることによる全負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)を供給し、且つ全て若しくは一部の燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることによる部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)を供給するように設計され、
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池モジュール(11-1n)の前記作動状態が、前記各燃料電池モジュールの
前記各
中間部分負荷範囲(42)の中にあるかどうかを検出するよう設計され、前記
中間部分負荷範囲は、ゼロの負荷電流よりも上の下限(421)及び全負荷電流よりも上の上限(422)により定義され、
前記電気負荷の第1部分負荷作動モードにある負荷需要が、定格電流よりも低い場合に、前記コントローラ(20)は、前記
電気負荷の前記第1部分負荷作動モードにある前記
電気負荷(2)により要求される前記負荷電流(IL)が、前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)が、前記各燃料電池モジュール(11-1n)の前記各
中間部分負荷範囲(42)の中にある前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることにより供給されるように、
前記燃料電池モジュール(11-1n)
を作動させるための化
学エネルギー
源の供給を制御するように設計され
、
前記燃料電池モジュール(11-1n)の1つの作動状態が、前記各燃料電池モジュールの前記中間部分負荷範囲(42)の外側にあると検出された場合、前記燃料電池群(10)の1つ以上の前記燃料電池モジュール(11-1n)が、前記コントローラ(20)により不活性化されることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記各燃料電池モジュール(11-1n)の前記各
中間部分負荷範囲(42)は、ゼロの負荷電流密度よりも上の下限負荷電流密度(421)及び全負荷電流密度よりも下の上限負荷電流密度(422)により定義される請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記下限負荷電流密度(421)は
、0.35A/cm
2であり、且つ前記上限負荷電流密度(422)は
、0.75A/cm
2である請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)が、前記各燃料電池モジュールの前記各
中間部分負荷範囲(42)の前記下限(421)における作動状態にあるように、前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることによ
り、前記第1部分負荷作動モードよりも低い前記電気負荷(2)
の第2部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)を供給するように設計される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池モジュール(11-1n)の作動部分の作動状態が、前記各燃料電池モジュールの前記各
中間部分負荷範囲(42)の中にあり、且つ前記燃料電池モジュール(11-1n)の非作動部分が不活性化されるように、前記燃料電池群(10)の前記燃料電池モジュール(11-1n)の一部分のみを作動させることによる前記第2部分負荷作動モードより
も低い前記電気負荷の第3部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)を供給するように設計される請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記各燃料電池モジュール(11-1n)の燃料電池の形状のための電力相関(30)に対する少なくとも1つの負荷電流は、前記各燃料電池モジュール(11-1n)の作動状態を検出するために、前記コントローラ(20)の中に蓄えられる請求項
1に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記電力相関に対する負荷電流は、電気特性(30)に対する負荷電流の形状で、前記コントローラ(20)の中に蓄えられる請求項
6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記コントローラ(20)は、異なる
部分負荷範囲(41、42、43)にわたって、
前記燃料電池モジュール(11-1n)の作動時間を記録し、並びに電流負荷需要において、前記燃料電池モジュール(11-1n)が、前記電気負荷(2)の部分負荷作動モードにおいて、作動若しくは非作動かを決定するために、これらの記録されたデータを処理するように設計される請求項
1に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池群(10)の前記燃料電池モジュール(11-1n)の作動時間が、種々の前記
部分負荷範囲(41、42、43)にわたって、同一化されるように、前記燃料電池モジュール(11-1n)の1つが作動か非作動かを決定するように設計される請求項
8に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記コントローラ(20)は、前記各燃料電池モジュール(11-1n)のエネルギーの生産量を計算するように設計される請求項
1に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記コントローラ(20)は、前記燃料電池モジュール(11-1n)の少なくとも一部分における各エネルギー生産量に対応した順位付けを計算するように設計される請求項
10に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
一番高いエネルギーの生産量を伴う1つ以上の燃料電池モジュール(11-1n)が、前記コントローラ(20)により不活性化される請求項
11に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
電気負荷(2)への終端となるように設計された第1及び第2電気供給ターミナル(101、102)を有する燃料電池群(10)を形成するように接続される複数の燃料電池モジュール(11-1n)を具備する燃料電池システム(1)の作動方法であって、
その中で前記複数の燃料電池モジュール(11-1n)における各燃料電池モジュールは、下限部分負荷範囲(41)、中間部分負荷範囲(42)、及び上限部分負荷範囲(43)を備える複数の作動範囲を有し、
前記方法は、
前記各燃料電池モジュール(11-1n)の負荷電流を測定するステップと、
前記各燃料電池モジュールで測定された前記負荷電流により、前記燃料電池モジュール(11-1n)の各作動状態を検出するステップと、
前記燃料電池モジュールの定格電力を伴う全負荷にて、全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることによる全負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)並びに全て若しくは一部分の燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることによる前記電気負荷の部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)に要求される負荷電流(IL)を供給するステップとを具備し、
前記燃料電池モジュール(11-1n)
の作動状態が、前記各燃料電池モジュールの各
中間部分負荷範囲(42)の中にあるかどうかが検出され、前記
中間部分負荷範囲(42)は、ゼロの負荷電流よりも上の下限(421)及び全負荷電流よりも下の上限(422)により定義されており、
電気負荷の第1部分負荷作動モードにある負荷需要が、定格電流よりも低い場合に、前記コントローラ(20)は、前記
電気負荷の前記第1部分負荷作動モードにある前記
電気負荷(2)により要求される前記負荷電流(IL)が、前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)が、前記各燃料電池モジュール(11-1n)の前記各
中間部分負荷範囲(42)の中にある前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることにより供給されるように、前記燃料電池モジュール(11-1n)の化
学エネルギー
源の供給を制御
し、
前記燃料電池モジュール(11-1n)の1つの作動状態が、前記各燃料電池モジュールの前記中間部分負荷範囲(42)の外側にあると検出された場合、前記燃料電池群(10)の1つ以上の前記燃料電池モジュール(11-1n)が、不活性化されることを特徴とする燃料電池システムの作動方法。
【請求項14】
前記電気負荷の下限第2部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)は、前記燃料電池群(10)の全ての燃料電池モジュール(11-1n)が、前記各燃料電池モジュールの前記各
中間部分負荷範囲(42)の前記下限(421)における作動状態にあるように、全ての燃料電池モジュール(11-1n)を作動させることにより、供給される請求項
13に記載の燃料電池システムの作動方法。
【請求項15】
前記第2部分負荷作動モードよりもずっと低い前記電気負荷の第3部分負荷作動モードにおける前記電気負荷(2)により要求される負荷電流(IL)は、前記燃料電池モジュール(11-1n)の作動部分の作動状態が、前記各燃料電池モジュールの前記各
中間部分負荷範囲(42)の中にあり、及び前記燃料電池モジュール(11-1n)の非作動部分が不活性化されるように、前記燃料電池群(10)の前記燃料電池モジュール(11-1n)の一部分のみ作動させることにより、供給される請求項
14に記載の燃料電池システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の燃料電池モジュールを具備する燃料電池システム及びこのような燃料電池システムの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素及び酸素から電気的エネルギーを発生する。酸素は通常空気の形状で供給され、並びに水素は、貯蔵器から供給されるか、若しくは例えばメタノールから局所的に発生される。燃料電池は通常、1つ以上の燃料電池スタックの中に一体化され、並びに、新鮮な作動ガス及び冷却水を供給すると共に、使用済み作動ガス及び冷却水を放出及び/若しくは再循環するためのライン、燃料電池の作動がこれなしでは可能ではない、燃料電池モジュールを構成するためのセンサ、バルブ、コントローラ、スイッチ、ヒータなどの多数の周辺エレメントと共に一体化される。これらの構成要素のいくつかは、保護するカバー、ハウジング又は覆いが備え付けられ、並びに全て若しく少なくとも殆どの構成要素は、できる限りコンパクトに組み立てられ、且つハウジングの中に燃料電池と共に収容される。
【0003】
このような複数の燃料電池モジュールは、燃料電池モジュールが、接続されている電気負荷に供給電圧及び付加電流を供給するために、平行若しくは連続して電気的に接続されている燃料電池システムを形成するために合体されることが可能である。燃料電池システムの中に複数の燃料電池モジュールを備え付けることにより、明確な電圧並びに/又は電気負荷の所要出力若しくは電力需要のための相対的に簡単な改造が、作られ得る。例えば、連続して複数の燃料電池モジュールを接続することにより、より高い作動電圧及びより高い電源出力が提供される。
【0004】
その際、燃料電池システムを通じて負荷を作動させる狙いは通常、化学エネルギー源の供給の精巧さや早い反応制御が必要とはされない、及び燃料電池の耐用年数が、重い負荷変動により逆に影響を及ぼさないようにするために、燃料電池の作動条件を大いに変化するのを避けることを包含する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数の燃料電池モジュールを具備する燃料電池システム並びに燃料電池が長い耐用年数を有して作動され得る、燃料電池システムの作動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項に記されているような、複数の燃料電池モジュールを具備する燃料電池システム並びにそのような燃料電池システムの作動方法に関する。利点に係る態様及び更なる発展は、従属請求項にて明示される。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、電気負荷への終端となるように設計された第1及び第2供給ターミナルを有する燃料電池群を形成するように接続された複数の燃料電池モジュール、前記燃料電池モジュールに接続され、且つ前記各燃料電池モジュールの負荷電流を測定するために設計された測定装置、並びに前記測定装置により測定された前記各燃料電池モジュールの負荷電流を経由して、燃料電池モジュールの各作動状態を検出するためのコントローラを具備し、前記コントローラが、燃料電池モジュールの作動を制御するために燃料電池モジュールに接続されている燃料電池システムに関する。該コントローラは、全ての燃料電池モジュールを作動することによる全負荷作動モードにおける電気負荷により要求若しくは要請された負荷電流を供給し、且つ全て若しくは一部の燃料電池モジュールを作動することによる電気負荷の部分負荷モードにおける電気負荷により要求される負荷電流を供給するように設計される。更にまた、コントローラは、燃料電池モジュールの作動状態が、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の中にあるかどうかを検出し、前記部分負荷範囲が、ゼロの負荷電流よりも上の下限及び全負荷電流よりも下の上限により定義されるように設計される。また、コントローラは、燃料電池群の全ての燃料電池モジュールが、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の中にあるように、燃料電池群の全ての燃料電池群を作動することによる電気負荷の第1部分負荷作動モードにおける負荷により、要求される負荷電流を供給するように設計される。
【0008】
本発明は、負荷の所要出力、負荷電流又は出力されるための電力に依存することが、その耐用年数が最適化されるように、燃料電池群の個々の燃料電池モジュールの分散が可能になるという、都合の良い効果を提供する。本発明に係る出力管理は、かように、主に電気負荷の部分負荷作動モードの間中、適用でき、全ての燃料電池の全電力(定格電力)が同時に供給されなくてもよい。むしろ、燃料電池群の全ての燃料電池モジュールは、部分負荷範囲におけるそれの耐用年数に関してそれらの他好ましい利点である要求若しくは要請された負荷によって、部分負荷作動モードにおいて同様に作動される。その際、達成される出力管理(コントローラで実行される)の狙いは、摩滅に匹敵若しくはほぼ匹敵する並びに前記モジュールの利点である部分負荷範囲において可能な限り頻繁にそれぞれのモジュールを作動するために、燃料電池システム若しくは燃料電池群の中にある全ての燃料電池モジュールを従属させることを含む。
【0009】
燃料電池が燃料電池モジュールの比較的小さな摩滅にのみ生じる電気化学的プロセスに起因したこのような部分負荷範囲における低い劣化速度の電力を生じるという発明者の発見に基づき、このような範囲はまた、燃料電池の“快適範囲”若しくは“快適度”と称され得る。それに対して、“快適度”の外側の燃料電池はまた、燃料電池が作動のこれらのモードで比較的長く作動されたとき、発明者が、より高い分解(劣化)速度を有する並びに逆に燃料電池の耐用年数に影響を及ぼすものとして認識したという作動範囲を有している。本発明によれば、このような利点のある部分負荷範囲(より低い分解速度を伴う“快適度”)は、ゼロの負荷電流よりも上の下限及び全負荷電流よりも下の上限により定義される。
【0010】
全体的に見れば、本発明の狙いは、かように複数の燃料電池モジュールを具備する燃料電池システム並びにこのような燃料電池システムの作動方法が提供され、該システムにおける燃料電池は、比較的長い耐用年数で作動されることができる。
【0011】
同様の燃料電池若しくは燃料電池モジュールが使用されたとき、燃料電池群の各燃料電池モジュールのための利点のある部分負荷範囲は、燃料電池群の全ての電池モジュールと実質的に同様に定義され得る、即ち燃料電池群の燃料電池モジュールの各部分負荷範囲が、実質的に同一の下限及び上限を有する。しかしながら、例えば異なる型の燃料電池が、燃料電池群の燃料電池モジュールに使用され、且つ該モジュールが異なる“快適範囲”を有するとき、各部分負荷範囲はまた、異なって、即ち多数の下限及び/又は上限を伴って定義され得る。また、多数のよく似た燃料電池型を有する燃料電池モジュールの一部分のために、第1部分負荷範囲が定義され、並びに別の多数のよく似た燃料電池型を有する燃料電池モジュールの別の一部分のために、第2部分負荷範囲が定義されるなどである。
【0012】
実施態様によれば、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲は、ゼロの負荷電流密度よりも上の下限負荷電流密度及び全負荷電流密度より下の上限負荷電流密度により定義される。
【0013】
実施態様によれば、下限負荷電流密度は、約0.35A/cm2であり、並びに上限負荷電流密度は、約0.75A/cm2である。
【0014】
実施態様によれば、コントローラは、全ての燃料電池モジュールが、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の下限にて、作動状態にあるように、全ての燃料電池モジュールを作動することにより、(電気)負荷の下限第2部分負荷作動モードにおける負荷により、要求若しくは要請された負荷電流を供給するように設計される。
【0015】
とりわけ、コントローラは、燃料電池モジュールの作動部分の作動状態が各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の中にあり、且つ燃料電池モジュールの非作動部分が不活性であるように、燃料電池群の燃料電池モジュールの一部分のみを作動させることにより、第2部分負荷作動モードよりももっと低い負荷の第3部分負荷作動モードにおける負荷により要求される負荷電流を供給するように設計される。
【0016】
実施態様によれば、燃料電池モジュールの1つの作動状態が各燃料電池モジュールの部分負荷範囲の中にあるかどうかが検出され、並びに万が一燃料電池モジュールの作動状態が各燃料電池モジュールの部分負荷範囲の外にある場合、燃料電池群の1つ以上の燃料電池モジュールが、コントローラにより不活性化される。
【0017】
実施態様によれば、各燃料電池モジュールの燃料電池の型に係る電力相関のための各負荷電流は、各燃料電池モジュールの作動状態を検出するために、コントローラの中に記憶される。好都合に、電力相関のための負荷電流は、電力特性のための負荷電流の形状にてコントローラの中に記憶される。
【0018】
更なる実施態様によれば、コントローラは、種々の負荷範囲の全部に係る1つ以上の燃料電池モジュールの作動時間を記録するように設計されており、次いで、電流負荷需要にて、燃料電池モジュールの1つが、電気負荷の部分負荷作動モードにて、作動か非作動かを決定するために、これら記録されたデータを処理する。
【0019】
好都合に、コントローラは、燃料電池モジュールの作動時間が種々の負荷範囲の全部に等しくされるように、燃料電池モジュールが作動か非作動かを決定するように設計される。
【0020】
実施態様によれば、コントローラは、各燃料電池モジュールのエネルギーの生産量を計算するように設計される。その際、コントローラは、燃料電池モジュールの少なくとも一部分にて、順位付けが各エネルギー生産量に対応して計算されるように、設計されることが可能である。
【0021】
とりわけ、コントローラは、燃料電池モジュールの1つの作動状態が各燃料電池モジュールの部分負荷範囲の中にあるかどうかを検出するように設計され、万が一燃料電池モジュールの作動状態が各燃料電池モジュールの部分負荷範囲の外にある場合、一番高いエネルギー生産の各量を伴った燃料電池群の1つ以上の燃料電池モジュールが、コントローラにより不活性化される。
【0022】
別の実施形態によれば、本発明は、電気負荷のために接続されるよう設計された第1及び第2供給ターミナルを有する燃料電池群を形成するために接続された複数の燃料電池モジュールを具備する燃料電池システムの作動方法に関する。これに関連して、該方法は、各燃料電池モジュールの負荷電流を測定するステップ、各燃料電池モジュールにおいて測定された負荷電流により燃料電池モジュールの各作動状態を検出するステップ、全ての燃料電池モジュールを作動させることによる全負荷作動モードにおける負荷により要求若しくは要請された負荷電流並びに全て若しくは一部の燃料電池モジュールを作動せることによる電気負荷の部分負荷作動モードにおける負荷により要請される負荷電流を提供するステップを具備し、燃料電池モジュールの作動状態が、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の中にあるかどうかを検出し、前記部分負荷範囲が、ゼロの付加電流よりも上の下限及び全負荷電流よりも下の上限により定義され、電気負荷の第1部分負荷作動モードにおける負荷により要求された負荷電流は、燃料電池群の全ての燃料電池モジュールが、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲の中にあるように、燃料電池群の全ての燃料電池モジュールを作動させることにより、供給される。
【発明の効果】
【0023】
上述及び後述にて記載されるコントローラの機能はまた、このような方法の各ステップにて、類似の方法用いられる。この明細書に開示されている全ての実施形態及び実施例は、上記作動方法により類似的に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る燃料電池システムの実施態様の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図(
図1)は、本発明の態様に係る燃料電池システムの典型的な形態を示す。
【0027】
燃料電池システム1は、複数の燃料電池モジュール11、12、…、1nを具備する。これらは、燃料電池群10を形成するために接続される。燃料電池群10の中では、燃料電池モジュールが、平行若しくは連続して、又はその両方の組み合わせで接続され得る。燃料電池群10は、電気負荷2に接続されるように設計される第1電気供給ターミナル101及び第2電気供給ターミナル102を有する。接続状態において、(電気)負荷2に動力を供給するための供給電圧Uvは、燃料電池群10の供給ターミナル101及び102に加えられる。負荷2は通常、例えば1つ以上の電気的消費、電力変換器、及び/又は電気負荷回路に係る他の電気的構成要素を含むことができ、並びに負荷電流を切断するために消費側で燃料電池群10に接続された電気的構成要素の代表である。
【0028】
燃料電池モジュール11、12、…、1nそれ自体はそれぞれ、各燃料電池モジュールの作動の間、負荷電流を発生させるために、それに加えられた電気的モジュール電圧を有する2つの電気供給モジュールを有する。燃料電池群10は、2つ以上の燃料電池モジュール11-1nを有することができ、該モジュールは、電気負荷2に負荷電流を供給するために、平行若しくは連続して(図に示している)、既知の方法で接続され得る。部分的平行及び連続した相互接続は、熟達者によく知られた様々な方法で可能である。例えば、燃料電池モジュール11は、電気供給ターミナル111、112を有し、本実施形態にいては、該供給ターミナル111は、負荷2に接続された燃料電池群10の供給ターミナル101を構成し、並びに該供給ターミナル112は、燃料電池モジュール12の電気供給ターミナルに接続される。それに応じて、燃料電池群10の他の燃料電池モジュールは、選択された(平行若しくは連続した)相互接続により、別の燃料電池モジュールの各供給ターミナルに接続された、電気供給ターミナルを有する。従って、燃料電池モジュール1nは、電気供給ターミナル1n1及び1n2を有し、本実施形態において、供給ターミナル1n2は、燃料電池群10の他の他供給ターミナル102を構成し、該ターミナルは、負荷2に接続される。燃料電池モジュール11-1nの連続接続により、燃料電池モジュールの個別電圧の倍量である負荷2にて、作動電圧Uvが発生する。付け加えると、負荷2の電力供給は、全負荷作動モードにおいて、燃料電池群10の燃料電池モジュール11-1nの電力の総量に応じて可能である。
【0029】
燃料電池システム1はまた更に、燃料電池群10のためのコントローラ20を具備する。ある1面において、このコントローラは、各燃料電池モジュールの測定された負荷電流に基づき、燃料電池モジュール11-1nの各作動状態を検出するために役立つ。それに対して、コントローラ20は、燃料電池モジュール11-1nの作動をコントロールするために燃料電池群10の燃料電池モジュール11-1nに接続される。この目標を達成するために、コントローラ20は、電気ライン50を通じて、燃料電池モジュール11-1nに接続され、並びに燃料電池システム1における作動のために、同様に個別のオン‐オフを切り替えることができ、或いはモジュール出力電圧、モジュール出力電流及び/若しくは電力出力といったそれの電気的パラメータを個別にコントロール若しくは調節することもまたできる。この目的のための熟練者は、十分に当業者にとって知られる、コントローラ20及び燃料電池モジュール11-1nの間の相互作用におけるメカニズムを制御若しくは調節することが使用できる。例えば、各モジュール出力電流ひいては各作動範囲をコントロールするためのコントローラ20は、対応する個別の方法にて、ライン50を通じて、化学エネルギー源(図示せず)の供給をコントロールする。
【0030】
更に、燃料電池群10の燃料電池モジュール11-1nに接続された測定装置が備え付けられ、並びに各燃料電池モジュール11-1nの負荷電流を測定するために設計される。本実施形態において、個別の測定モジュール21-2nは、コントローラ20の中に備え付けられ、ハードウェア若しくはソフトウェア、或いはそれらの組み合わせにて実行され、一方では各燃料電池モジュールの負荷電流を測定し、並びに本実施形態ではまた、連合した作動時間を測定する。このようにして、パラメータ(例えば、Ahにおける確実な作動時間全部に係る負荷電流)が計算され、各燃料電池モジュール11-1nのエネルギー生産量を基にして計算され得る。本実施形態において、測定モジュール21-2nは、コントローラ20のマイクロプロセッサがそれぞれに必要なパラメータを計算するような手段、例えば1つ以上の計算モジュールの形状においては、コントローラ20の一部となる。ライン50を通じて、例えば負荷電流及び作動電圧のような、対応する物理的に測定された測定信号は、測定モジュール21-2nで得られるよう作られる。測定モジュール21は、燃料電池モジュール11に関連して、測定モジュール22は、燃料モジュール12に関連して等といったように、測定又は計算をする。測定モジュール21-2nは、ライン50若しくは他の接続を介して、適切な電力、電圧及び/若しくは電力測定装置(図示せず)と互いに結合される或いは包含することが可能であり、並びに/又は対応する物理パラメータを測定及び処理するために、その中に満たされる測定装置に対応する時間を有する或いは同様に接続される等といったことが可能である。
【0031】
コントローラ20において、更に、燃料電池群10の各燃料電池モジュール11-1nの燃料電池の形状のために電力相関30に対する負荷電流が蓄えられる。全ての燃料電池モジュール11-1nが、同じ形状の燃料電池を有する場合において、全ての燃料電池モジュールのための電力相関30に、1つの負荷電流のみを蓄えるということは、十分である。しかしながら、異なる形状の燃料電池が、燃料電池群10にて使用された場合、それぞれの燃料電池の形状のための電力相関30に対し、それぞれの負荷電流を蓄えるということは、好都合である。
【0032】
例えば、電力相関に対する負荷電流は、図に例示するように、電力特性30に対する負荷電流の形で、蓄えられる。本実施形態において、電力特性30に対する負荷電流は、負荷電流密度ID(A/cm2で測定された、燃料電池の電気化学的反応領域に対応した負荷電流)に依存した各燃料電池モジュールの相対的電力出力Pr(燃料電池モジュールの定格電力に関連し、0~100%の間である)を指し示す。
【0033】
電力特性30に対する負荷電流を基にして、各燃料電池モジュール11-1nの作動状態が、検出される。本発明によれば、各燃料電池モジュールは、例えば下限部分負荷範囲41、中間部分負荷範囲42及び上限部分負荷範囲43といった、複数の作動範囲を有する。とりわけ、各中間部分負荷範囲42は、ゼロの負荷電流よりも上の下限421及び全負荷電流よりも下の上限422により定義される。電力特性30に対する負荷電流に係る本実施形態において、各部分負荷範囲42は、ゼロの負荷電流密度よりも上の下限負荷電流密度421及び全負荷電流密度よりも下の上限負荷電流密度422により定義される。
【0034】
部分負荷範囲42は、モジュールの各燃料電池が、この部分負荷において低い分解率の電力を発生させるように定義される。前述のように、この範囲42もまた、燃料電池の“快適範囲”と称される。他の作動範囲41,43は、燃料電池の耐用年数に悪影響をもたらすこれらの範囲41,43における燃料電池の長期作動に伴い、より高い分解率を有する。
【0035】
都合の良い部分負荷範囲42を定義するために、下限部分負荷電流密度421は、約0.35A/cm2であり、並びに上限負荷電流密度422は、約0.75A/cm2である。この範囲42の中での負荷電流密度を伴った燃料電池モジュールの作動は、できる限りこの範囲の中で燃料電池を作動することが望ましいように、比較的低い分解率という結果になる。本実施態様において、0.35A/cm2の負荷電流密度よりも下(非常に高い電池の電圧及び液体水の濃度に主に起因する)及び0.75A/cm2の負荷電流密度よりも上(とりわけ、局所的温度ピーク及び質量移行の問題に起因する)の負荷範囲は、潜在的に有害な作動モードとして定義される。
【0036】
本発明によれば、コントローラ20は、全負荷作動モードにおける電気負荷2により要求若しくは要請される負荷電流ILが、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュール11-1nの作動により供給されるように、燃料電池システム1を制御する。それに対して、電気負荷の部分負荷作動モードにおける電気負荷2により要求される負荷電流ILは、その要求された負荷電流の大きさに依存して、燃料電池群10の全て若しくは一部分のみの燃料電池モジュール11-1nの作動により供給される。電気負荷2の負荷需要(ひいては要求された負荷電流)の1つ以上のパラメータ特性は、ライン60を通じて、コントローラ20に伝動される。
【0037】
また、コントローラ20は、燃料電池モジュール11-1nの作動状態が、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲42(“快適範囲”)にあるかどうかを検出する。電気負荷の第1部分負荷作動モードにある負荷需要が、定格負荷(例えば40~60%の定格負荷)よりも低い場合、コントローラ20は、電気負荷2により要求される負荷電流ILが、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュール11-1nがそれぞれ部分負荷範囲42(“快適範囲”)の中にあるように、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュール11-1nの作動により供給されるように、燃料電池モジュール11-1n(例えば、それらの化学エネルギーキャリアの供給)を制御する。
【0038】
もし、それに対して、要求された負荷電流ILが、負荷(例えば、30~40%の定格負荷の範囲内で)の下限第2部分負荷作動モードの中で検出された場合、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュール11-1nが部分負荷範囲42の下限421にて作動状態にあるように、負荷電流ILは、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュール11-1nの作動により、供給されるであろう。従って、燃料電池群10の全ての燃料電池モジュールは、低い部分負荷の場合でさえ、各“快適範囲”でいまだに作動(操作)される。
【0039】
要求された負荷電流ILが、第2部分負荷作動モードよりももっと低い負荷の第3部分負荷作動モードで検出された場合のみ、燃料電池モジュール11-1nの未だに作動された部分の作動状態が部分負荷範囲42の中にあると同時に、燃料電池モジュール11-1nの非作動部分が不活性化されるように、コントローラ20に燃料電池モジュールを制御させる。従って、可能な限り多くの燃料電池モジュールが、それらにとって好都合な部分負荷範囲42の中で作動されるということがいっそう保証される。
【0040】
更に、コントローラ20は、種々の負荷範囲41、42、43全部に1つ以上の燃料電池モジュール11-1nの作動時間を記録し、並びに負荷電流要求に関連して、燃料電池モジュール11-1nの1つが、負荷2の部分負荷作動モードにおいて作動か非作動かを決定するために、これら記録されたデータを処理するように設計される。
【0041】
例えば、燃料電池モジュール11-1nは、燃料電池モジュールの作動時間が、種々の負荷範囲41、42、43にまたがって等しくされるように、作動される。それゆえ、全ての燃料電池モジュールにまたがって、より均一な分解率又は耐用年数を達成することが可能になる。
【0042】
付け加えると、コントローラ20は、燃料電池モジュール11-1nの一部分のために少なくとも生産されたそれぞれのエネルギーの量に関連した順位付けを計算するよう設計され得る。例えば、燃料電池モジュール11-1nの1つの作動状態が、各燃料電池モジュールの各部分負荷範囲42の外側にある場合、最も多い生産されたエネルギー量を持つ燃料電池モジュール11-1nは、コントローラ20により不活性化される。従って、燃料電池モジュールの作動時間及び耐用年数を更に等しく若しくは合わせることが可能になる。
【0043】
耐用年数が最適化されるために、電力要求に関連した個別の燃料電池モジュールに負荷電流を分配することが、このように可能である。従って、コントローラの電力管理は、燃料電池システムの部分負荷作動モードにおいて、主に効力を発する。基本理念は、最大許容連続負荷(通常は、定格電力と称される)を伴う全負荷にて、システム内に備え付けられた全ての燃料電池モジュールを作動することから成る。しかしながら、消費者側の負荷がより低くなる場合、連続挙動における時間にて燃料電池モジュール1つのみを停止する(又は完全に同様に不活性化する)ことが可能であると共に、他のものは、限りなく長く、定格負荷にて残る。しかしながら、発明者がこれを欠点になるとして認識した限り、定格負荷で永久に作動される燃料電池の場合、耐用年数を減じる相対的に高い分解率が一般である。それに対して、本発明によれば、全ての燃料電池モジュールは、負荷需要に関連して好都合な部分負荷範囲にて同様に作動される。このような電力管理システムの狙いは、摩滅と等しい若しくは殆ど摩滅と等しくするためのシステムにおいて存在する全ての燃料電池モジュールを従属させること並びにそうすることで、その好都合な部分負荷範囲(“快適範囲”)において限りなく頻繁に各々のモジュールを操作することである。このような範囲は、とりわけ約0.35A/cm2の負荷電流密度よりも下及び0.75A/cm2の負荷電流密度よりも上の間で、個別化される。
【0044】
深部部分負荷範囲における負荷需要若しくは要請の場合、コントローラの電力管理は、“快適範囲”の下限に対して、好ましくは等しく燃料電池システムに在る全ての燃料電池モジュールを制御する。負荷の所要出力が、もっとより少ない負荷電流を要求する場合、コントローラは、完全に個別の燃料電池モジュールを停止する及び所要出力がもっとカバーされるために、残りの電池モジュールを“快適範囲”の中へと出力を上昇させるために始まる。好都合に、コントローラの電力管理は、異なる負荷範囲にわたってそれぞれのモジュールの作動時間を記録し、次いでこのデータに基づいて、全てのモジュールの作動時間を同等化するために、このようなケースの場合で停止するかどうかを自動的に決定する作動時間カウンタを包含する。
【0045】
前述したが、次の計算及びコントロールタスクは、全部のシステムの電力要求の処理(ソフトウェアによる即座の場合において)、燃料電池システムの中に含まれるすべての燃料電池モジュールに基づいた、必要な負荷電流の計算(ソフトウェアによる即座の場合において)、個別の燃料電池モジュールに対する好都合な部分負荷範囲(“快適範囲”)に対する支持のための結果をチェックすること(ソフトウェアによる即座の場合において)、否定的な結果の場合(負荷電流範囲より下になってしまった場合)に、生産されたエネルギーの最も高い量を伴うモジュールの停止を誘引すること(ソフトウェアによる即座の場合において)、が好都合にコントローラ20の中で実行される。コントローラは、対応するメモリにより言及される機能を実行することが可能な1つ以上のマイクロプロセッサ、インターフェース及び他のハードウェア構成要素を具備する。しかしながら、これらの関数を部分的にのみコントローラ20で実行すること並びに/又は関数が、マイクロプロセッサのような連記及びそれらのメモリの中で分割されるような分配されたコントロールシステムに頼ることもまた、可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 燃料電池システム
2 電気負荷
10 燃料電池群
11-1n 燃料電池モジュール
20 コントローラ
21-2n 測定モジュール
41、42、43 負荷範囲
50、60 ライン
101-1n1 第1電気供給ターミナル
102-1n2 第2電気供給ターミナル