(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】飲料又は食品調製システム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A47J31/44 100
(21)【出願番号】P 2019521003
(86)(22)【出願日】2017-11-06
(86)【国際出願番号】 EP2017078300
(87)【国際公開番号】W WO2018087030
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-06-10
(32)【優先日】2016-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ペレンテス, アレクサンドレ
(72)【発明者】
【氏名】セドゥー, ローレン
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-517502(JP,A)
【文献】特表2009-539447(JP,A)
【文献】特開2013-016497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00 - 31/60
A23F 3/00 - 5/50
B67D 1/00 - 3/04
H02J 50/00 - 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料又は食品調製システム(2)であって、
ベースユニット(74)と、
飲料又は食品成分処理システム(4)を有する取り外し可能な構成要素(76)と、
前記取り外し可能な構成要素(76)が前記ベースユニット(74)と連結されると、前記ベースユニット(74)と前記取り外し可能な構成要素(76)との間で電気エネルギーを誘導電力伝達するように構成された電力結合部(78)と、
前記ベースユニット(74)と前記取り外し可能な構成要素(76)との連結を確認する電気回路(6)であって、前記電気回路(6)は、前記取り外し可能な構成要素(76)に配置されたエミッタ(92)を有し、前記エミッタ(92)は、前記取り外し可能な構成要素(76)が前記ベースユニット(74)に連結されると、前記ベースユニット(74)に配置されたレシーバ(94)に通信可能に結合される、電気回路(6)とを備え、
前記電気回路(6)は、前記連結を確認すると、起動モードにおいて前記電力結合部(78)を介した電気エネルギー伝達を実行し、前記電力結合部(78)によって伝達された電気エネルギーが、前記エミッタ(92)と前記レシーバ(94)との間の通信を確立するために前記エミッタ(92)を駆動し、
前記電気回路(6)は、前記レシーバ(94)から対応する信号を受信した場合にのみ、前記起動モードから調節モードに移行し、電気エネルギー伝達が前記エミッタ(92)と前記レシーバ(94)との間の通信によって調節され、前記成分処理システム(4)が動作可能になる、
飲料又は食品調
製システム(2)。
【請求項2】
前記起動モードで伝達される電気エネルギーは、前記調節モードで伝達される電気エネルギーよりも低い、請求項1に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項3】
前記起動モードは、前記電気エネルギーを第1量から第2量まで増加させる及び/又は前記電気エネルギーを所定の時間伝達するプロセスを含む、請求項1又は2に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項4】
前記起動モードでのエネルギー伝達は、前記エミッタ(92)によって送信された信号が前記レシーバ(94)によって受信されずに前記プロセスが完了した場合に終了される、請求項3に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項5】
前記プロセスは、所定の数のプロセスが実行されるまで、又は前記エミッタ(92)によって送信された信号が前記レシーバ(94)によって受信されるまで、連続的に繰り返される、請求項4に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項6】
前記電気回路(6)は、前記調節モードで前記電力結合部(78)によって連続的に可変量の電気エネルギーを伝達するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項7】
前記取り外し可能な構成要素(76)は、飲料又は食品調製プロセスを実行するように前記調節モードで前記成分処理システム(4)を制御する電気回路(6)を備え、それによって、前記電力結合部(78)によって伝送される前記電気エネルギーが前記調製プロセスに基づいて制御される、請求項1~6のいずれか一項に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項8】
前記電気回路(6)は、前記成分処理システム(4)によって実行可能な調製プロセスの選択に関する情報を受信し、前記受信した情報に基づいて調製プロセスを実行するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項9】
前記電気回路(6)は、前記電力結合部(78)を介して電気エネルギーが伝達されると、前記取り外し可能な構成要素(76)の前記成分処理システム(4)によって実行可能な調製プロセスを識別するための情報を伝達するように構成されており、
前記
飲料又は食品調製システムは、
更なる成分調製システム(122)と、
前記成分処理システム(4)によって実行可能な調製プロセスを識別するための前記情報を受信し、前記情報に基づいて前記更なる成分調製システム(122)と前記取り外し可能な構成要素(76)の前記成分処理システム(4)とによって実行可能な組み合わせ調製プロセスを決定するように構成された電気回路とを備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項10】
前記電力結合部(78)は、前記ベースユニット(74)に配置された一次コイル(80)と前記取り外し可能な構成要素(76)に配置された二次コイル(82)とを備え、前記レシーバ(94)及び前記エミッタ(92)はそれぞれ、前記一次コイル(80)内及び前記二次コイル(82)内に配置されており、連結を確認するセンサ(88)が、前記
一次コイル及び前記二次コイルから離れて外部に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の
飲料又は食品調製システム(2)。
【請求項11】
取り外し可能な構成要素(76)であって、
飲料又は食品成分処理システム(4)と、
前記取り外し可能な構成要素(76)と連結されたベースユニット(74)からの電気エネルギーを誘導電力伝達するように構成された電力結合部(78)の二次コイル(82)と、
前記ベースユニット(74)に配置されたレシーバ(94)に通信可能に結合されるように配置されたエミッタ(92)を備える電気回路(6)とを備え、
前記電気回路(6)は、起動モードでの電力伝達のために前記二次コイル(82)から電気エネルギーを受け取り、前記受け取られた電気エネルギーが、前記レシーバ(94)との通信を確立するために前記エミッタ(92)を駆動し、
前記電気回路(6)は、前記エミッタ(92)から信号を送信した場合にのみ、前記起動モードから調節モードに移行し、電気エネルギー伝達が前記エミッタ(92)によって調節され、前記成分処理システム(4)が動作可能になる、
取り外し可能な構成要素(76)。
【請求項12】
飲料又は食品を調製する方法であって、
取り外し可能な構成要素(76)とベースユニット(74)との連結を確認する工程と、
誘導電力伝達によって、前記ベースユニット(74)から前記取り外し可能な構成要素(76)に電気エネルギーを伝達する工程と、
起動モードにおいて、前記ベースユニット(74)において前記取り外し可能な構成要素(76)から送信された信号を受信する工程と、
前記ベースユニット(74)が前記信号を受信した場合にのみ、前記起動モードから調節モードに移行する工程と、
前記調節モードにおいて、前記受信した信号に基づいて、前記ベースユニット(74)と前記取り外し可能な構成要素(76)との間の電気エネルギーの伝達を調節して、前記取り外し可能な構成要素(76)の飲料又は食品成分処理システム(4)に電気エネルギーを供給する工程と、を含む、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法を実行するための、飲料調製システム(2)のための電気回路(6)。
【請求項14】
プログラム可能な電気回路上で実行されると、請求項12に記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを備えるコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、飲料又は食品が調製される、電気的に動作する飲料又は食品調製システム、及び前記調製の一部を実行する取り外し可能な構成要素への電力伝達に関する。
【背景技術】
【0002】
ネスプレッソ(登録商標)コーヒーシステム及びエアロチーノ(商標)ミルク泡立てシステムのような飲料又は食品調製システムは、ベースユニット及び分離可能で取り外し可能な構成要素として構成することができる。取り外し可能な構成要素は、ミルクを泡立てるための泡立てシステム又はカプセルから飲料成分を抽出するための抽出システムのような飲料又は食品成分処理システムを備える。ベースユニットは、成分処理システムの電力供給のために、取り外し可能な構成要素に電力を伝達するための電気回路を備える。電力は、ベースユニットに配置された導電性端子と取り外し可能な構成要素との間の物理的接触によって伝達することができる。ベースユニットと取り外し可能な構成要素とが分離された状態では、上記端子は露出され、(例えば、飲料又は食品の残渣、若しくは水及び酸素による腐食によって)損傷又は汚染される可能性があり、したがって効率的な送電を妨げる。
【0003】
このような調製システムの開発に既に労力を投じたにもかかわらず、更なる改善が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、ベースユニット及び取り外し可能な構成要素を備える飲料又は食品調製システムを提供する。取り外し可能な構成要素は、飲料又は食品成分処理システムを有する。本システムは、取り外し可能な構成要素及びベースユニットに配置された電力結合部を備える。電力結合部は、ベースユニットと取り外し可能な構成要素とが連結されるときに、それらの間で電気エネルギーを磁気誘導(すなわち、無線)によって誘導電力伝達するように構成される。本システムは、電力結合部を介して電気エネルギーを制御するために、取り外し可能な構成要素及びベースユニットに配置することのできる電気回路を備える。
【0005】
電力結合部を誘導電力伝達するように構成することにより、電気エネルギーは、例えば筐体内に気密に封止された、若しくは別のやり方でカプセル化された関連する電気回路を用いて、取り外し可能な構成要素に伝達することができる。電力結合部は、流体(飲料又は食品調製環境において遭遇する可能性がある溢出液体を含む)から保護されるため頑強で安全なものとすることができ、酸素及び水を含む要素による腐食の危険性が低減されている。電気回路は、無菌のままとすることができ、したがって洗浄を必要としない。
【0006】
実施形態では、電気回路は、ベースユニットと取り外し可能な構成要素との連結を確認するように構成されてもよい。ベースユニットと取り外し可能な構成要素との連結を確認することによって、電力結合部は、ベースユニット及び取り外し可能な構成要素が動作可能に結合されるときにのみ、電気エネルギーを伝達することができる。電力結合部は、漂遊磁界が低減されているので安全である。電気的負荷が存在するときにのみ電気エネルギーが伝送され得るので、電力結合は効率的であり得る。
【0007】
実施形態では、電気回路は、取り外し可能な構成要素に配置されたエミッタを備えてもよく、エミッタは、ベースユニット及び取り外し可能な構成要素が連結されるときにベースユニットに配置されたレシーバに通信可能に結合される。通信可能に結合された(すなわち、エミッタから送信された信号がレシーバによって受信され、この信号を処理して情報を伝達することができるように構成された)エミッタ及びレシーバを備えることによって、それらを用いて、電力結合部により伝送された電気エネルギーを更に調節することができる。所望の量の電気エネルギー(例えば、成分処理システムを作動するために必要なエネルギー)を、電力結合部を介して伝達することができるため、電力結合部は安全かつ効率的であり得る。
【0008】
実施形態では、前記連結を確認すると、電気回路は、起動モードにおいて電気エネルギー伝達を実行することができる。起動モードは、エミッタとレシーバとの間の通信を確立するためのものであってもよい。起動モードでは、成分処理システムは動作不能であってもよく、例えば、取り外し可能な構成要素上の電気回路は、成分処理システムに電気エネルギーを供給しない(調製プロセスを実行するために情報を受信する動作が不能であること、又はその情報を受信すると調製プロセスを実行しないことを含む)。起動モードでは、電力結合部によって伝達された任意の電気エネルギーがエミッタを駆動する。エミッタを「駆動する」とは、供給された電気エネルギーに応答してエミッタが実時間で信号を発するように作動されることを意味する。したがって、電気エネルギーが電気化学的セル(又は他の同様の構成)に貯蔵され、そうでない場合にエミッタに供給される実施形態は除外される。電気回路は、レシーバから対応する信号を受信すると、起動モードから調節モードに移行することができ、電力伝達がエミッタとレシーバとの間の通信によって調節され、成分処理システムが動作可能になる。
【0009】
電気回路を起動モードに構成することによって、電力結合部は、初期量の電気エネルギー、例えば、低量の電気エネルギーを伝達して、エミッタに給電することができる。エミッタが給電されていない場合(例えば、取り外し可能な構成要素及びベースユニットが動作可能に結合されていないため)、その後、電気回路は起動モードから調節モードに移行することができない。それによって、電力結合部は、(例えば、成分処理システムを作動するために)択一的に高電力を最初に伝達するように構成された場合よりも更に安全及び/又はより効率的であり得る。信号がレシーバで受信されると(信号は起動モード中にエミッタからの送信の結果となる)起動モードから調節モードに移行することにより、その移行は、エミッタとレシーバとの間に通信が確立されたときに行うことができる。したがって、成分処理システムを作動させる電気エネルギーは、安全に供給することができる。
【0010】
実施形態では、起動モードで伝達される電気エネルギーは、調節モードで伝達される電気エネルギーよりも低い。起動モードにおいてより低いエネルギーを伝達することによって、通信がエミッタとレシーバとの間で確立されると、より高いエネルギーを伝達することができる。取り外し可能な構成要素とベースユニットとが動作可能に接続されずに起動が生じる場合(例えば、連結の誤った確認により)、関連する電気回路への損傷が少なくなり、連結は安全となり得る。
【0011】
実施形態では、起動モードは、線形又は曲線状ランプを含むことにより、第1量(エネルギー伝達がない、例えばソフトスタートを含むことができる)から第2量まで増加して伝達された電気エネルギーを含むプロセスを含む。電気エネルギーがPWMによって制御される実施形態では、電気エネルギーを増加することは、例えば線形ランプの一定量又は曲線状ランプの非一定量でデューティサイクルを漸進的に増加することを指す。電気エネルギーを第1量から第2量まで増加させることによって、「ソフトスタート」を実現して、関連する電気回路に対する要求を少なくすることができる。実施形態では、起動モードは、例えば100~500マイクロ秒、又は最大0.5秒の電気エネルギー伝達の所定の時間量を備えるプロセスを含む。電気エネルギーは、上述したように、曲線状又は傾斜したやり方で、時間にわたって増加してもよい。所定の時間量を実現することにより、起動モードの持続時間を制御することができる。起動モードは、所定量の電気エネルギー(例えば、一定の大きさのエネルギー)の伝達を含む同様のプロセスを備えてもよい。実施形態では、プロセスは、例えば、同時に実行される前述の複数のスレーブプロセスを含むマスタープロセスと組み合わせてもよく、マスタープロセスは、スレーブプロセスのうちの1つが完了した場合に完了される。
【0012】
実施形態では、起動モードでの電気エネルギー伝達は、レシーバによって対応する信号が受信されずに、すなわち、調節モードが実行されずにプロセスが完了した場合に(例えば、電気エネルギーが第1量から第2量に達するまで供給されるか、又は電気エネルギーを所定の時間供給させる)、終了される。プロセスが完了した場合に起動モードを終了することにより、起動モード中に供給された電気エネルギーは、取り外し可能な構成要素とベースユニットとが動作可能に結合されることなく起動モードが生じる場合に、関連する電気回路への損傷を低減するように制御してもよい。
【0013】
実施形態では、プロセスは、所定の数(例えば2~4)のプロセスが実行されるまで、又はエミッタによって送信された信号がレシーバによって受信されるまで、連続的に繰り返される(例えば、レシーバによって対応する信号が受信されずにプロセスが完了した後に、プロセスが再度実行される)。プロセスを連続的に繰り返すことによって、起動モード中に供給される電気エネルギーを制御して、取り外し可能な構成要素とベースユニットとが動作可能に接続されることなく起動モードが生じる場合に、関連する電気回路への損傷を低減することができる。実施形態では、後続のプロセスは、先行するプロセスの終了から所定の時間量(例えば、0.5~2秒)後に実行される。
【0014】
実施形態では、電力結合部を介して伝達される電気エネルギーは、交流を含み、正弦波、方形波、鋸歯状の脈動(すなわち、直流脈動)、又は他の同様の波形のうちの1つ又は組み合わせが挙げられる。電力結合部を介して伝達される電気エネルギーは、デューティサイクルによるパルス幅変調(PWM)によって、又は交流波形のチョップによって制御してもよい。
【0015】
実施形態では、マシン可読命令は、ベースユニットに配置された1つ以上のプロセッサによって実行され、レシーバによって受信された信号に基づき電力結合部を介して電気エネルギーを伝達する。
【0016】
実施形態では、電気回路は、電力結合部によって連続的に可変量の電気エネルギーを伝達するように構成されている(例えば、電気エネルギーの伝達は、オンとオフの中間の多くの状態を伴う)。連続的に可変量のエネルギーは、調節モードで(例えば、起動モード及び調節モードを実現する実施形態において)伝達してもよい。「連続的に可変」とは、パルスのオン/オフ状態ではなく、各エネルギーパルスが(例えばデューティサイクル制御によって)供給する電気エネルギーの量を連続的なやり方で制御することを指す。連続的に可変の電気エネルギーの伝達を提供することにより、電力結合部は、電気エネルギーの正確な量を伝達し、調製プロセスを実行するときに、成分処理システムの電力需要を満たすことができる。
【0017】
実施形態では、エミッタは、光を放射するように構成された光源を備え、レシーバは、光の強度を決定するように構成されており、電力結合部によって伝達された電気エネルギーは、発光された光の強度に基づく。「光」という用語は、電磁放射を指し、ヒト可視スペクトル(例えば、発光ダイオード(LED)によって)で発光された光、及びヒト不可視(例えば、赤外LEDによって)で発光された光、又はこれらの組み合わせを含む。エミッタ及びレシーバを光学的に結合することによって、電気回路はコスト効率を上げることができ、電力結合部からの磁場による干渉なしに動作することができる。
【0018】
実施形態では、取り外し可能な構成要素は、飲料又は食品調製プロセスを実行するように成分処理システムを制御する電気回路を備え、電力結合部によって伝送される電気エネルギーは調製プロセスに基づいて(例えば、エミッタ及びベースユニット上の関連する電気回路を介することを含んで)制御される。調製プロセスに基づいて電気エネルギーを制御することにより、調製プロセスを実行するときに、成分処理システムの電力需要を満たす正確な量の電気エネルギーを伝達することができる。実施形態において、制御は、調節モード(例えば、起動モードではない)にあってもよい。
【0019】
飲料又は食品調製プロセスを実行するように成分処理システムを制御する電気回路は、1つ以上のプロセッサによって実行可能なマシン可読命令を含むことができ、このプロセッサは、取り外し可能な構成要素に配置することができ、成分処理システムを制御する(例えば、成分処理システムをコンディショニングシステムとして備える実施形態では、制御は、伝熱システム及び泡立てシステムの制御であってもよい)。成分処理システムは、一連の動作を実行する(例えば、所定の時間量にわたって特定の熱量を加え、及び/又は所定の時間量にわたって特定の泡立て力を加える)ように制御してもよい。マシン可読命令は、成分処理システムの制御に対応する信号を送信するようにエミッタを動作させるための命令を含んでもよい(例えば、成分処理システムからの電気的負荷が特定の量であるとき、対応する量の電気エネルギーが電力結合部を介して供給されるように信号が送信される)。
【0020】
実施形態では、ベースユニットと取り外し可能な構成要素の連結を確認するための電気回路は、磁界センサ(例えば、ベースユニットに動作可能に結合されたときに取り外し可能な構成要素の磁性材料によって作動される、ベースユニットに配置されたリードセンサ)を含むセンサ、又は光センサ(例えば、ベースユニットに動作可能に結合されたときに取り外し可能な構成要素によって覆われるフォトトランジスタ)を含む他の近接センサを備える。センサを実装することによって、動作可能な連結が正確に確認することができ、関連する電気回路の損傷を低減することができる。磁界センサを実装することによって、前記センサは、取り外し可能な構成要素への電力結合部を介して(又は取り外し可能な構成要素上の専用電源を介して)供給される電力がなくても、取り外し可能な構成要素上の磁性材料によってトリガすることができる。
【0021】
実施形態では、電力結合部は、ベースユニットに配置された一次コイルと、取り外し可能な構成要素に配置された二次コイルとを備える。分離可能なコアを、ベースユニット及び取り外し可能な構成要素に配置してもよい。実施形態では、レシーバ及びエミッタはそれぞれ、一次コイル内及び二次コイル内に配置されており、センサが、コイルから離れて外部に配置されている。コイル内にエミッタ及びレシーバを配置し、コイルから離れてセンサを配置することにより、センサ及びエミッタ/レシーバは互いに離れた方向に配置され、これらは、ベースユニットと取り外し可能な構成要素の正確な連結を確認するための電気的手段を提供することができる。
【0022】
実施形態では、ベースユニットと取り外し可能な構成要素との電気回路が連結されていないと確認すると、電気回路は電力結合部を介した電気エネルギーの伝達を防止するように構成されている。連結されていないときに電気エネルギーの伝達を防止することにより、関連する電気回路への損傷を低減することができる。
【0023】
実施形態では、取り外し可能な構成要素及びベースユニットは、連結された配置構成において取り外し可能な構成要素及びベースユニットを位置決めするための機械的インターフェースを含む。機械的インターフェースを実装することにより、ベースユニット及び取り外し可能な構成要素を正確に連結することができ、電力結合部を介した効率的なエネルギー伝達をもたらすることができる。
【0024】
実施形態では、取り外し可能な構成要素は、電力結合部を介して供給される交流電気エネルギーを直流電気エネルギーに変換してエミッタを駆動する電気回路を備える。起動モードでは、これらの構成要素を動作させることができる。
【0025】
実施形態では、電気回路は、調製プロセスの選択に関する情報を受信するように構成されており、電気回路は、取り外し可能な構成要素及び/又はベースユニットに配置してもよい。電気回路は、無線通信リソースを備えることができる。情報を無線で受信するように電気回路を構成することによって、調製プロセスを、周辺装置又はマスター飲料又は食品調製マシンを用いて選択することができ、取り外し可能な構成要素上のユーザインターフェースを不要にすることができる。実施形態では、電気回路は、情報を受信することを含んで、受信された情報に基づいて調製プロセスを実行するように構成されている。上記の構成は、取り外し可能な構成要素のプロセッサ上の適切なマシン可読命令として実現してもよい。電気回路は、電力結合部を介して電気エネルギーが伝達されると、送信を受信するように構成されてもよく、例えば、情報の受け取りを可能にされてもよい(通信リソースの給電によることを含む)。調節モードを含む実施形態では、上記の受け取りは、調節モードの間に発生することができる。
【0026】
実施形態では、電気回路は、取り外し可能な構成要素の成分処理システムによって実行可能な調製プロセスを識別するために情報を伝送するように構成されている。電気回路は、取り外し可能な構成要素及び/又はベースユニットに配置してもよい。電気回路は、無線通信リソースを備え得る。情報を無線で伝送するように電気回路を構成することによって、取り外し可能な構成要素により実行可能な調製プロセスを周辺装置又はマスター飲料又は食品調製マシンを用いて決定することができる。ベースユニットは、異なる調製プロセスを実行するように動作可能である種々の成分処理システムを備える複数の取り外し可能な構成要素と連結できることが理解されよう。電気回路は、電力結合部を介して電気エネルギーが伝達されると、送信を実行するように構成されてもよい。調節モードを含む実施形態では、送信は、調節モードの間に行ってもよい。
【0027】
実施形態では、システムは、更なる成分調製システムを含む。更なる成分調製システムは、取り外し可能な構成要素の成分処理システムとは異なってもよい。システムは、更なる成分調製システムを制御するための電気回路を備えてもよい。
【0028】
実施形態では、本システムは、成分処理システムによって実行可能な調製プロセスを識別するために情報を受信し、その情報に基づき、更なる成分調製システム及び取り外し可能な構成要素の成分処理システムにより実行可能な調製プロセスの組み合わせを決定するように構成された(例えば、取り外し可能な構成要素に配置されていない)電気回路を備える。電気回路は、マスター飲料若しくは食品調製マシン、又は更なる成分調製システムを含むベースユニット、周辺装置、システムと通信する別の構成要素のうちの1つ又は組み合わせに配置してもよい。
【0029】
実施形態では、電気回路は、更なる成分処理システム及び取り外し可能な構成要素の成分処理システムの動作を含む、調製プロセスの組み合わせを実行するように動作可能である。成分処理システムは、互いに連続的に又は同時に動作することができる。
【0030】
本開示は、飲料又は食品成分処理システムを含む取り外し可能な構成要素を提供する。取り外し可能な構成要素は、取り外し可能な構成要素と連結されたベースユニットからの電気エネルギーの誘導電力伝達に構成された電力結合部、例えば、電力結合部の二次コイルを含む。
【0031】
実施形態では、電気回路は、ベースユニットに配置されたレシーバに通信可能に結合するように配置されたエミッタを備えてもよい。電気回路は、起動モードにおける電気エネルギー伝達のために、二次コイルから電気エネルギーを受け取るように構成されてもよい。起動モードは、エミッタとレシーバとの間の通信を確立するためのものである。起動モードでは、成分処理システムは動作不能であってもよい。起動モードでは、電気エネルギーはエミッタを駆動してもよい。電気回路は、エミッタから信号を送信すると、起動モードから調節モードに移行するように構成されてもよく、電気エネルギー伝達はエミッタによって調節される。調節モードでは、成分処理システムは動作可能であってよい。
【0032】
本開示は、ベースユニットと取り外し可能な構成要素とが連結されるときに、それらの間で電気エネルギーを誘導的に伝達することを含む、飲料又は食品を調製する方法を提供する。
【0033】
実施形態では、本方法は、取り外し可能な構成要素とベースユニットとの連結を確認する工程を含む。本方法は、非接触電力伝達によって、ベースユニットから取り外し可能な構成要素へ電気エネルギーを伝送する工程と、ベースユニットにおいて取り外し可能な構成要素から送信された信号を受信する工程と、受信した信号に基づいて、ベースユニットと取り外し可能な構成要素との間の電気エネルギーの伝達を調節して、取り外し可能な構成要素の飲料又は食品調製成分処理システムに、調節された電気エネルギーと呼ぶことのできる電気エネルギーを供給する工程と、を含んでもよい。本方法は、起動モード中に、成分処理システムに電気エネルギーを供給しないことを含んでもよい。本方法は、調節モードの間に、成分処理システムに電気エネルギーを供給することを含んでもよい。成分処理システムに供給される電気エネルギーは、飲料又は食品調製プロセスに従って調節することができる。
【0034】
本開示は、前述の方法を実行するための、飲料調製システムのための電気回路を提供する。本開示は、プログラミング可能な電気回路上で実行されるときに、前述の方法を実行するコンピュータプログラムを提供する。本開示は、前述のコンピュータプログラムを備える非一過性コンピュータ可読媒体であり得るコンピュータ可読媒体を提供する。
【0035】
本開示は、飲料又は食品を調製する方法を提供する。本方法は、前述のように、ベースユニットと取り外し可能な構成要素との間の電力結合部を介して電気エネルギーを伝達する工程を含んでもよい。本方法は、取り外し可能な構成要素の成分処理システムによって実行可能な調製プロセスを識別するために情報を伝送する工程を含んでもよい。本方法は、伝送された情報に基づいて、更なる成分処理システム及び取り外し可能な構成要素の成分処理システムによって実行可能な調製プロセスの組み合わせを決定する工程を含んでもよい。本方法は、組み合わされた調製プロセスを選択する工程を含んでもよい。本方法は、更なる成分処理システム及び取り外し可能な構成要素の成分処理システムを制御することによって、組み合わされた調製プロセスを実行する工程を含んでもよい。成分処理システムを制御することは、成分処理システムによって実行可能な調製プロセスを選択するための情報を伝送することを含むことができる。
【0036】
前述の概要は、本明細書に記載される主題の態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの実施形態を要約する目的で提供される。したがって、上記の特徴は単なる例に過ぎず、本明細書に記載される主題の範囲又は趣旨を限定するものと決して解釈されるべきではない。更に、上記及び/又は先行する実施形態は、更なる実施形態を提供するために、任意の適切な組み合わせで組み合わせてもよい。本明細書に記載された主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0037】
本開示の実施形態の態様、特徴、及び利点は、同じ番号が同じ要素を示す添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】飲料又は食品調製システムの実施形態を示すブロックシステム図である。
【
図2】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の成分処理システムを示す概略図である。
【
図3】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の成分処理システムを示す概略図である。
【
図4】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の流体供給システムを示す概略図である。
【
図5】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の電気制御回路を示すブロックシステム図である。
【
図6】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の電気回路を示すブロックシステム図である。
【
図7】ベースユニットと連結された取り外し可能な構成要素を備える、
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態の側面図を示す概略図である。
【
図8】
図7の飲料又は食品調製システムの取り外し可能な構成要素の底面図を示す概略図である。
【
図9】
図7の飲料又は食品調製システムのベースユニットの上面図を示す概略図である。
【
図10】
図7のシステムの動作可能構成に配置された電力結合部の側断面図を示す概略図である。
【
図11】
図7のシステムの実施形態の電気回路を示すブロックシステム図である。
【
図12】
図7のシステムのための、実施形態のエネルギー伝達プロセスを示すフローチャートである。
【
図13】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態を示す概略図である。
【
図14】
図1の飲料又は食品調製システムの実施形態を示す概略図である。
【
図15】
図13又は
図14のシステムのための実施形態の飲料調製プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
エアロゾル生成システムのいくつかの実施形態を説明する前に、システムは、以下の説明に記載される構成又はプロセス工程の詳細に限定されないことを理解すべきである。本開示の利益を受ける当業者には、システムは他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施又は実行されることが可能であることが明らかであろう。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「飲料又は食品調製システム」は、本明細書で定義される飲料及び/又は食品を調製することができるシステムを意味し、以下の、希釈、加熱、冷却、混合、泡立て、溶解、浸漬、浸し、抽出、コンディショニング、のうちの1つ以上を含む。飲料又は食品調製システムは、飲料及び/又は食品の少なくとも一部を調製することができる(例えば、本明細書で定義される飲料は、システムによって調製され、エンドユーザは、消費前にミルク及び/又は水を含む抽出流体を手動で加えてもよい)。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「飲料」は、飲用物質を意味する。飲料は、冷却してもよく、又は高温であってもよい。包括的ではないが、その例は、紅茶、挽いたコーヒーを含むコーヒー、ホットチョコレート、ミルク、ジュース、又は同様のものである。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「食品」は、栄養源であり得る液体、ゲル、ペースト、発泡体又はムース、半固体からなる。食品は、冷却してもよく、又は高温であってもよい。包括的ではないが、その例は、ヨーグルト、ムース、パフェ、スープ、アイスクリーム、シャーベット、カスタード、スムージである。飲料及び食品の定義の間にある程度の重なりがあることが理解されよう。すなわち、飲料は食品でもあってよく、したがって飲料又は食品を調製すると言われるマシンは両方の調製を排除するものではない。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「飲料前駆体」又は「飲料形成前駆体」は、飲料を形成するために、ミルク及び/又は水を含む液体の添加を介してシステムによって処理される飲料の1つ以上の材料を意味する。その前駆体の形態は、粉末、結晶、液体又はゲル、固体を含むことができる。一般に、前駆体は、挽いたコーヒー、紅茶、ココア粉末、及び粉末ミルクとして挙げられる原材料を含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「食品前駆体」又は「食品形成前駆体」は、食品を形成するために、ミルク及び/又は水を含む液体の添加を介してシステムによって処理される食品の1つ以上の材料を意味する。その前駆体の形態は、粉末、結晶、液体又はゲル、固体を含むことができる。前記前駆体は、粉末製品、例えば、乾燥野菜又は無水スープ粉末としてのストック、粉末ミルク、カスタードを含む小麦粉系粉末、粉末ヨーグルト又はアイスクリームとして挙げられる原材料を含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、便宜上、用語「前駆体」は、前述の食品形成前駆体又は飲料形成前駆体を指すことができる。前記前駆体は、処理される最終製品に応じて、飲料又は食品前駆体として定義してもよいことが理解されよう。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「成分」又は「飲料又は食品成分」は、本明細書で定義されるように、成分処理システムによって飲料又は食品に処理される単一又は複数の構成成分を含む。成分は、その場(in situ)で、本明細書で定義されるようなそれ自体で飲料又は食品を形成する前駆体、及び前駆体を含む本明細書で定義されるような容器を含む。成分は、前駆体に添加することができる、又は本明細書で定義されるようにコンディショニングによってそれ自体で処理することができる流体(例えば、ミルク又は水などの液体)を含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、流体成分に関する用語「コンディショニング」は、その物理的特性を変化させることを意味し、以下の、加熱、冷却、撹拌(泡を導入するために泡立てによって泡立て、そして乱流を導入するために混合することを含む)、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「成分処理システム」又は「飲料又は食品成分処理システム」は、本明細書で定義されるような成分を、本明細書で定義されるような関連する飲料又は食品に処理することができるシステムを意味する。処理は、流体(例えば、ミルク又は水を含む液体)を成分に添加すること、液体を添加することなく、成分(例えば、ミルク)を本明細書で定義されるようにコンディショニングすること、又はこれらの組み合わせを含む。成分処理システムは、次のうちの1つ以上により、成分を処理するように構成されてもよく、希釈、加熱、冷却、混合、泡立て、溶解、浸漬、浸し、抽出、コンディショニングがある。成分処理システムは、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことが理解されよう。成分処理システムは、本明細書で定義される調製プロセスを実行するように制御される。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「調製プロセス」又は「飲料又は食品調製プロセス」は、本明細書で定義されるような飲料又は食品成分から、本明細書で定義されるような飲料又は食品を調製するプロセスを意味する。調製プロセスは、成分処理システムによって実行される。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「容器」は、本明細書で定義されるような飲料又は食品形成前駆体を収容するように動作可能な配置を含み、これは、本明細書で定義される成分処理システムと動作可能である。容器は、一人前の飲料又は食品に処理するための一人前に予め分けられた量の飲料又は食品形成前駆体を収容するための構成を含む。容器は、穿孔されるか、さもなければ処理後に使用不可能にされる使い捨て容器を含む。容器は、円錐台、ディスクなどのような様々な形態を含む。容器はカプセルとして画定してもよく、それによってカプセルは20~100mLの内部容積部を有してもよい。カプセルは、コーヒーカプセル、例えば、ネスプレッソ(登録商標)クラシックカプセル、又は他のカプセル/ポッドを含む。容器はポットとして画定してもよく、それによってポットは150~350mLの内部容積部を有してもよい。ポットは、典型的には、そこからエンドユーザが摂取するためのものであり、スプーンを含む用具を介して摂取するためのヨーグルトポットを含む。容器はカップとして画定してもよく、それによってカップは150~350mLの内部容積部を有してもよい。カップは、典型的には、飲用を介してそこからエンドユーザが摂取するためのものである。容器は、パケットとして画定してもよく、それによって、パケットは、プラスチック又はホイルを含む可撓性材料から形成される。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「電気回路」は、成分処理システム(複数可)を含む、本明細書で定義される様々なシステムの制御を提供するように動作可能な回路を含む。電気回路は分散することができ、飲料又は食品調製システム上での離散的配置を含む。電気回路はまた、システムと通信する別の構成要素に分散することができ、上記構成要素は遠隔サーバとしてのネットワークベースのコンピュータ、サーバシステムを含むクラウドベースのコンピュータ、又は周辺装置を含むことができる。電気回路は、受動部品、例えば、トランジスタ、変圧器、抵抗器、コンデンサなどの組み合わせを含む電気部品を含んでもよい。電気回路は、ASIC、マイクロコントローラ、FPGA、マイクロプロセッサ、ステートマシンなどを含むプロセッサ(又は1つ以上のプロセッサ)に少なくとも部分的に具現化することができる。1つ以上のプロセッサは、成分処理システムと同じマシン、又はシステムと通信する別の構成要素に配置することも含めて、分散してもよいことが理解されよう。プロセッサは、メモリ及び/又はプログラマブルロジックに記憶されたコンピュータプログラム、すなわちマシン可読命令を含むことができ、これはプロセスの実行のためであってもよい。メモリは、コンピュータ可読媒体であってもよい。プロセスは、飲料又は食品調製プロセスを含んでもよく、成分処理システムは、その調製のために制御される。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「コンピュータ可読媒体」は、従来の非一過性メモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、DVD-ROM、フロッピーディスク、光学ドライブ、及び/又はこれらの組み合わせを含む。1つ以上のメモリは、ホスト飲料又は食品調製システムと同じ物理的位置に配置され得るが、1つ以上のメモリは、ホストシステムから遠隔的に位置してもよく、コンピュータネットワークを介して1つ以上のプロセッサと通信してもよいことが理解されよう。更に、2つ以上のメモリが使用されるとき、第1メモリは、ホストシステムと同じ物理的位置に配置してもよく、追加のメモリは、ホストシステムから離れた物理的位置に配置してもよい。1つ以上のメモリの物理的位置(複数可)は変更してもよい。更に、1つ以上のメモリは、「クラウドメモリ」として実装してもよい(すなわち、1つ以上のメモリには、部分的又は完全にネットワークに基づき、又はネットワークを使用してアクセスしてもよい)。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「周辺装置」には、携帯電話、PDA、ビデオゲームコントローラ、タブレット、ラップトップ、又は他の同様の装置を含む電子コンピュータ装置が挙げられる。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「通信リソース」は、電子情報伝達のためのハードウェア及び/又はファームウェアを指す。無線通信リソースは、無線によって信号を送受信するハードウェアを含み、かつ、例えば、米国電子電気技術者協会(IEEE)に記載された802.11規格及びワシントン州カークランドのBluetooth(登録商標) Special Interest Groupから販売されるBluetooth(登録商標)の様々なプロトコル実装を含む。有線通信リソースは、電力線を介する変調信号を含む。この変調は、米国電子電気技術者協会(IEEE)G3-PLC及びPRIMEプロトコルを含む電線通信プロトコル(PLC)を含んでもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、用語「取り外し可能な構成要素」は、本明細書で定義されるような成分処理システムを含み、これは、それ自体で、又はベースユニットの別個の成分処理システムと併せて動作し、飲料/食品を調製することができる。取り外し可能な構成要素は、本明細書で定義されるような電気回路を含む。取り外し可能な構成要素は、成分処理システムの動作のために、そこから電気エネルギーを受け取るベースユニットに連結可能である。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「ベースユニット」は、本明細書で定義される電源及び電気回路を含む。ベース構成要素は、電気エネルギーを供給するための取り外し可能な構成要素に連結可能である。ベースユニットは、本明細書で定義されるような専用成分処理システムを含んでもよく、これは、飲料/食品を調製するために、取り外し可能な構成要素の別個の成分処理システムと併せて動作することができる。
【0057】
[飲料又は食品調製システム]
図1を参照すると、飲料又は食品調製システム2(本明細書ではシステム2)は、本明細書で定義されるような成分を飲料又は食品に処理するための飲料又は食品成分処理システム4(本明細書では成分処理システム4)を備える。実施形態の成分処理システム4を説明する。
【0058】
システム2は、成分処理システム4を制御するための制御電気回路6を備える。電気回路6は、成分処理システム4への電気エネルギーの供給を制御するように動作可能である。実施形態の電気回路6を説明する。
【0059】
システム2は、電気回路6、成分処理システム4に電気エネルギーを供給するための電源10を備える。実施形態では、電源10は、主電源への接続を備え、電気回路6及び成分処理システム4に適切であるように主電気エネルギーを調整するための手段を備えてもよい。実施形態では、電源10は、電気化学セルを含むポータブル電気エネルギー供給装置を備える。
【0060】
[飲料又は食品成分処理システム]
実施形態では、成分処理システム4は、流体を(例えば、それぞれの実施形態について説明する抽出システム、溶解システム又は混合システムに)供給するための流体供給システム8を備える。供給される流体は、水、ミルク又は他のそのような物質であってもよい。供給された流体は、流体供給装置8によって、本明細書で定義されるようにコンディショニングすることができる。実施形態の流体供給システム8について説明する。実施形態では、成分処理システム4は、流体の供給を必要とせず(例ではコンディショニングシステムを含み、その実施形態については説明する)、したがって、流体供給システム8は不要になる。
【0061】
図2を参照すると、成分処理システム4は抽出システムとして配置されている。抽出システムは、カプセル12内に配置された飲料又は食品形成前駆体を浸漬及び浸すことを含めて、飲料又は食品(又はその成分)を抽出するように構成されている。
【0062】
抽出システムは、カプセルを処理するための抽出ユニット14を備える。抽出ユニット14は、カプセルを処理位置(図示せず)に保持するカプセルホルダ16を備える。抽出ユニット14は、抽出された成分を排出するように構成された出口壁18を備える。出口壁18は、飲料又は食品形成前駆体の粒子の濾過及び/又はカプセルの破裂ダイヤフラムの支持と組み合わせて、排出のための1つ以上の開口部(図示せず)を備える。カプセルホルダ16は、出口壁18に対して横方向に移動するように動作可能であり、抽出ユニット14を、(図示のように)カプセル受容位置;カプセル処理位置(図示せず、カプセルがカプセルホルダと出口壁との間に押圧される);及び使用済みカプセルが排出される中間排出位置(図示せず)、に配置するのを容易にする。抽出システムは、抽出ユニット14を上記位置の間で駆動するための駆動システム20を備える。駆動システム20は、ギアアセンブリ、ソレノイド又は手動で作動される機構、あるいは他の適切な機構を介してロッドを駆動するモータを含む、リニアアクチュエータを備えてもよい。抽出システムは、抽出ユニット14にカプセルを供給するための入口ダクト22を備える。抽出システムは、抽出ユニット14から使用済みカプセルを送るための出口ダクト24を備える。抽出システムは、流体供給装置の出口からカプセル12内に流体を注入するための注入器(図示せず)を備える。注入器は、カプセルホルダ16又は出口壁18に配置することができる。
【0063】
上記の実施形態の変形(図示せず)では、欧州特許第2142054号に開示されるように、抽出ユニットは、抽出中に流体供給システム8によって供給された流体の圧力を使用してカプセルの周りを液圧封止するように構成されてもよい。出口壁は、カプセルホルダではなく、又はカプセルホルダに加えて、駆動システムによって駆動することができる。抽出ユニットは、垂直又は他の非横方向の動き及び/又は配置を有してもよい。抽出システムは、ディスク形状を含む様々な形状のカプセルを用いて動作するように構成されてもよい。適切な抽出システムは、欧州特許公開公報第2747611号及び国際公開第2011042400号に開示されている。
【0064】
実施形態(図示せず)では、抽出システムは、カプセルの遠心処理を介して動作するように構成されており、抽出は遠心力によって行われ、飲料又は食品形成前駆体を通して流体を送出する。適切な抽出システムは欧州特許公開公報第2594171号に開示される。
【0065】
実施形態(図示せず)では、成分処理システム4は、溶解システムとして配置されている。溶解システムは、流体供給装置8からの流体を使用して溶解性飲料又は食品形成前駆体の溶解により飲料又は食品を調製するように構成されている。溶解システムは、カプセルと共に動作するように構成されてもよく、それによって前駆体は、流体供給装置8からの流体を使用してカプセルの中に溶解され、そこから送出される。適切な溶解システムは、欧州特許第1472156号及び欧州特許第1784344号に開示されている。あるいは、溶解システムは、飲料又は食品形成前駆体のリザーバと共に動作するように構成されてもよい。具体的には、機械的供給手段(回転式アクチュエータ又は他の適切な手段によって駆動されるオーガを含む)によって小分け量の前駆体はリザーバから混合チャンバへと供給され、流体供給装置からの流体が混合チャンバ内の前駆体を溶解する。適切な溶解システムは、欧州特許公開公報第2512303号及び国際公開第2016016240号に開示されている。
【0066】
実施形態(図示せず)では、成分処理システム4は、パケットと共に動作する溶解及び/又は抽出システムとして配置されている。システムは、パケットを受容し、その入口に、流体供給システム8からの流体を注入するように構成されている。注入された流体は、パケット内の前駆体と混合され、パケットの出口を介してパケットを出る。本システムは、未使用パケットを受け入れ、使用済みパケットを排出するための支持機構;流体供給システム8の出口からパケットに流体を供給するように構成された注入器を備える。適切なシステムは、国際公開第2014/125123号に開示されている。
【0067】
実施形態(図示せず)では、成分処理システム4は、そこからエンドユーザが消費するためのポットと共に動作する混合システムとして配置されている(例としてヨーグルトポットを含む)。特に、本システムは、流体供給システムから、ポット内に配置された飲料又は食品形成前駆体に流体を供給することができる。混合システムは、流体を前駆体と混合するための電動ミキサーなどの攪拌器を備える。適切なシステムは、PCT/EP13/072692に開示されている。混合システムの実施形態では、前駆体は、処理前にポット内に予め配置してもよい。あるいは、混合システムは、カプセル、パケット又は他の適切な容器から前駆体を抽出し、その前駆体を処理のためにポットに移すための追加の別個のシステムを備えてもよい。適切なシステムは、欧州特許公開公報第14167344号及び欧州特許公開公報第15195547号に開示される。
【0068】
図3を参照すると、成分処理システム4は、コンディショニングシステムとして配置されている。コンディショニングシステムは、本明細書で定義されるように、ミルク、水、又は前駆体の溶液(ミルク若しくは水でホットチョコレート飲料を形成するためのチョコレート粉末のような)その他を含むことができる流体としての飲料又は食品成分をコンディショニングするように配置されている。コンディショニングシステムは、本明細書で定義されるように、流体を撹拌するための泡立てシステム26を備える。泡立てシステム26は、駆動システム30によって駆動される可動要素28を備える。駆動システム30は、機械的結合部を介して可動要素28を駆動する電気モータと、磁場から誘導力によって要素を駆動する磁気的結合部と、他の好適なシステムとを備え得る。コンディショニングシステムは、流体を加熱又は冷却するように構成された伝熱システム32を備える。熱が加えられる実施形態では、伝熱システム32は、1つ以上の電気抵抗加熱要素を含み得る電気的に動作する加熱システムによって流体に熱を伝達する。冷却される実施形態では、伝熱システム32は、蒸気圧縮冷却システムを含み得る電気的に動作する冷却システムによって流体から熱を伝達する。泡立てシステム26及び伝熱システム32は、容器34内に配置された流体に作用するように配置されている。
【0069】
実施形態の変形(図示せず)では、コンディショニングシステムは、泡立てシステム又は伝熱システムのいずれかを含む。実施形態では、流体供給システム8は、コンディションシステムに流体を供給する。別の方法としては、流体はユーザ供給されるため、供給システム8は不要である。
【0070】
[流体供給システム]
図4を参照して、実施形態の流体供給システム8について説明する。流体供給システム8は、供給された流体を収容するためのリザーバ36を備える。流体供給システム8は、リザーバ36から伝熱システム40を通して適切な成分処理システムに流体を圧送するためのポンプシステム38を備える。流体供給システム8は、流体を加熱又は冷却するように構成された伝熱システム40を備える。加熱が行われる実施形態では、伝熱システム40は、熱ブロックとして配置することができる1つ以上の電気抵抗加熱要素を含む電気的に動作する加熱システムによって流体に熱を移送する。冷却が行われる実施形態では、伝熱システム40は、蒸気圧縮冷却システムを含むことのできる電気的に動作する冷却システムによって流体から熱を移送する。リザーバ36、伝熱システム40及びポンプ38は流体輸送導管によって流体的に接続されている。実施形態では、流体は、例えば5~20バールの高圧で流体供給システム8によって供給される。
【0071】
流体供給システム8の実施形態の変形(図示せず)では、流体供給システムは、給水本管への接続部を備えてもよく、したがってリザーバは不要になる。流体は、室温で圧送してもよく、したがって伝熱システムを不要にする。伝熱システム及びポンプシステムは、互いに上流又は下流に配置してもよい。流体は重力で供給してもよく、又は給水本管を介して圧力で供給してもよく、したがってポンプ及び/又はリザーバは不要である。
【0072】
[制御電気回路]
図5を参照すると、電気回路6は、ユーザインターフェース42を備え、ユーザコマンドを受信して調製プロセスを実行する。実施形態では、電気回路6は、成分処理システム4を制御して複数の調製プロセスを実行するように動作可能であってもよく、したがって、ユーザインターフェース42は、調製プロセスのそれぞれの選択を可能にするように構成されている。ユーザインターフェース42は、ジョイスティックボタン又は押しボタンなどのボタン、ジョイスティック、LED、グラフィック又は文字液晶ディスプレイ、タッチ感知ボタン及び/又はスクリーンエッジボタンを備えるグラフィカルスクリーン、他の同様の装置、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0073】
実施形態の変形例(図示せず)では、ユーザインターフェースは、システム2に及び本明細書で定義されるような周辺装置を含み得る別個の構成要素に配置することができる。このような実施形態では、システム2は、周辺装置とインターフェースするための通信リソースを備える。実施形態では、システム2は、電気エネルギーを受け取ると1つの調製プロセスを実行し、したがって、ユーザインターフェースは不要である。
【0074】
電気回路6は、成分処理システムのフィードバックベースの制御を提供するためのセンサシステム44を備える。センサシステム44は、位置センサ(例えば、抽出ユニットの位置を決定するための抽出システムを備える実施形態に関して)、温度センサ(例えば、流体供給システムによって供給される流体の温度を決定する)、流体供給システムによって供給される流体の流量を決定するための流量センサ、成分処理システムの特定の実施形態のために選択され得る他の同様のセンサ、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0075】
実施形態の変形例(図示せず)では、電気回路6は、開ループ制御によって成分処理システム4を制御してもよく、したがってセンサシステムは不要である。実施形態の変形例(図示せず)では、電気回路6は、電気的に動作するスイッチの作動によって成分処理システム4を制御し、これらのスイッチは、電源10から供給される電気エネルギーを、システム4の様々な下位構成要素に対して制御する。電気的に動作するスイッチは、MOSFETなどの様々なトランジスタを含むことができる。
【0076】
図5及び
図6を参照すると、実施形態の電気回路6は、ハードウェアリソース46を備える。ハードウェアリソース46は、処理リソース48を含む。処理リソース48は、マシン可読命令54~62を実行するように構成された、本明細書で定義される1つ以上のプロセッサ50,52を備える。命令は、成分処理システムの制御のための調製プロセス、又は他の同様のプロセスを実現することができる。実施形態では、命令54,56は、1つ以上のプロセッサ50,52に配置されている。実施形態では、命令58は、別個のメモリ/記憶装置64に配置されている。実施形態では、命令60は、本明細書で定義されるように、通信リソース68によってホストシステムと通信する周辺装置66に配置されている。実施形態では、命令62は、コンピュータネットワーク72を介して通信リソース68によってホストシステムと通信するリモートデータベース70(ネットワークベース又はクラウドベースのシステムを含む)に配置されている。メモリ/記憶装置64は、本明細書で定義されるようなコンピュータ可読媒体として実現することができる。
【0077】
[取り外し可能な構成要素及びベースユニット]
図7を参照すると、一実施形態では、前述の飲料又は食品調製システムは、ベースユニット74及び取り外し可能な構成要素76として配置されている。取り外し可能な構成要素76は、成分処理システム4を備える。システムは、取り外し可能な構成要素76、及びベースユニット74に配置された電力結合部78を備える。電力結合部78は、(図示のように)動作可能に結合されるときに、ベースユニット74と取り外し可能な構成要素76との間で電気エネルギーを誘導電力伝達するように構成されている。システムは、電力結合部78を介して電気エネルギーを制御するために、取り外し可能な構成要素76及び/又はベースユニット74に配置された電気回路6を備える。
【0078】
図8~
図10を参照すると、先行する実施形態の例は、ベースユニット74に配置された一次コイル80と、取り外し可能な構成要素76に配置された二次コイル82とを有する電力結合部を備える。コイル80,82は、ベースユニット74及び取り外し可能な構成要素76が動作可能に結合されるとき(図示のように)、共通の長手方向軸線85の周りに配置される。コイル80,82は、導電性要素(例えば、銅)からなり、電気的に絶縁された複数の円形の巻線を備え、これらの各々は絶縁材料(図示せず)で被覆されている。絶縁材料は、適切な絶縁を供給するために巻線の外面を覆う。実施形態では、銅巻線材料は、0.5mmの直径を有し、0.5の巻線充填率及び0.51mmの巻線間の間隙を有する。巻線比は、1:1、又はステップアップ/ダウン要件に応じて、他の巻線比、例えば1:3であってもよい。外部コイル直径は、約120巻きで約246mmであってよい。
【0079】
分離可能なコア84,86は、ベースユニット74及び取り外し可能な構成要素76にそれぞれ配置されている。コアは、フェライト又は他の適切な材料から形成される。実施形態では、コアはポットコアである。コア84,86は、コイル80,82を結合する磁場を確定してガイドするように配置される。コアは、コイルから、0.20~30テスラの最大磁束密度を受けることができる。コア84,86は、それぞれのコイル80,82の周囲の周りに、特に長手方向軸線85に平行に延在する周側に沿って延在するように配置される。コア84,86は、長手方向軸線85に対して平行な延長部としてそれぞれのコイル80,82に配置される。
【0080】
図10を参照すると、ベースユニット74及び取り外し可能な構成要素76が動作可能に結合されており、コイル80,82は、一次コア80の電流が二次コイル82に電流を誘導し、またその逆によって形成される磁場と通信可能に結合されている。用語「動作可能に結合された」は、電力結合部78によって、すなわちコイル80がコイル82に位置合わせされることによって、誘導電力伝達のために連結された取り外し可能な構成要素76及びベースユニット74を指す。
【0081】
実施形態では、電力結合部78は、最大200~500ワットを、200~350ボルトの入力/出力電圧及び30~300kHzのスイッチング周波数で伝達するように構成されている。
【0082】
実施形態の変形例(図示せず)では、電力結合部は、交互に配置されたコイルを含み、これらのコイルは、例えば、長手方向軸線の周りに配置されているか、また長手方向軸線に対して垂直な軸線に配置されている。実施形態では、コアは省略され、コイルによる誘導電力伝達が省略される。実施形態では、コイルとコアは交互に配置されており、分離不可能なコア又は正方形若しくは長方形のコア配置を含み、コイルは対向する縁部の周りに配置されている。実施形態では、プレートは、一次コイル及び二次コイルの代わりにエミッタ及びレシーバを備える。
【0083】
ベースユニット74及び取り外し可能な構成要素76の動作可能な連結を確認する
図8~
図11を参照すると、電気回路6は、ベースユニット74に配置された磁界センサ88(すなわち、実施形態ではノ-マリーオープンのリードスイッチ)を備える。センサ88は、取り外し可能な構成要素76に配置された磁性材料90によって作動される。センサ88及び磁性材料90は、コイル80,82の十分に遠位に(例えば、コイルの周辺から5mmを超えて離れて)配置されており、その結果、コイルによって誘導された磁場はセンサ88を誤ってトリガしない。
【0084】
実施形態の変形例(図示せず)では、センサが、取り外し可能な構成要素に配置され、磁性材料がベースユニットに配置される。実施形態では、センサは、フォトダイオード含む光センサ、圧力センサ、又は他の適切な近接ベースのセンサを備える。センサは、コイル内を含んで、交互に配置してもよい。実施形態では、動作可能な連結は、一次コイルを通る電気負荷の検出に基づいて確認され、この電気負荷は、ベースユニットの電気回路、例えば二次コイルによって決定される。取り外し可能な構成要素の関連する負荷は、ベースユニットの一次コイルに反射インピーダンスを引き起こし、この反射インピーダンスは、ベースユニットの電気回路によって測定される電流振幅を減少させる。実施形態では、動作可能な連結は、専用スイッチのユーザ作動によってユーザ決定される。
【0085】
図8~
図11を参照すると、電気回路は、取り外し可能な構成要素76に配置されたエミッタ92と、ベースユニット74に配置された相補的レシーバ94とを備える。レシーバ94及びエミッタ92は、
図10で最も良く分かるように、動作可能に結合された取り外し可能な構成要素76及びベースユニット74と通信可能に結合される。したがって、エミッタ92は、信号を発し、この信号はレシーバ94によって受信され、この信号を、電力結合部を介した電気エネルギーの調節のために使用することができる。実施形態では、送信された信号の振幅は、印加される電力に比例する。レシーバ94及びエミッタ92は、それぞれの一次コイル80及び二次コイル82内に配置されている。
【0086】
実施形態では、エミッタ92は、発光するように構成された光源、例えば発光ダイオード(LED)を備え、赤外線LED(IRLED)又は他の適切な光源が含まれる。レシーバ92は、光強度を対応して比例する電流に変換するように構成されており、例えば、レシーバ92は、フォトダイオード、フォトトランジスタ又は同様の構成要素を備える。パルス幅変調(PWM)を実現する実施形態では、電流の配分はデューティサイクルの制御を指すことが理解されよう。したがって、エミッタ及びレシーバは、光カプラトポロジーを実現する。
【0087】
実施形態の変形例(図示せず)では、エミッタ及びレシーバは、強度ではなく符号化パルス、又は他の適切な手段によって通信可能に結合されている。エミッタ及びレシーバは、音響結合トポロジー又は磁気結合トポロジーを含む、他のカプラトポロジーを備えてもよい。実施形態では、エミッタ及びレシーバは、コイルの外部も含めて、交互に配置される。
【0088】
図11を参照すると、電源10は、(電気エネルギーを交流として受け取る実施形態では)交流(AC)から直流(DC)への整流器(図示せず)、すなわち整流器回路を備える。電気回路は、電気的に動作するスイッチングシステム98を備える。スイッチングシステム98は、1つ以上のトランジスタ、例えば、MOSFET又は他の適切な電気的に動作するスイッチにより実現することができる。スイッチングシステム98は、DC電気エネルギーを一次コイル80を通してスイッチングし、可変電流を供給して、二次コイル82への電気エネルギー伝達のための磁場を誘導する。電気回路は、スイッチングシステム98を制御するためのプロセッサ100を備える。プロセッサ100は、一次コイル80に供給される電気エネルギーを制御するためにデューティサイクル制御によるパルス幅変調(PWM)を実現してもよい。
【0089】
実施形態の変形例(図示せず)では、AC電気エネルギーは、電源から一次コイルに供給され、供給される電気エネルギーは、電気的に動作するスイッチによって制御され、AC電気エネルギーをチョッパ制御する。実施形態では、電気エネルギーは、例えば可変抵抗器クリッパーを介してピーク電圧のクリッピングによって制御される。
【0090】
電気回路は、取り外し可能な構成要素76に配置された整流器102を備え、二次コイル82に誘導されたAC電気エネルギーを、プロセッサ104を動作させるDC電気エネルギーに変換する。プロセッサ104は、エミッタ92を制御して信号を発信する。信号はレシーバ94によって受信され、(スイッチングシステム98を制御するプロセッサ100によって)一次コイルに供給される電気エネルギーの量を決定するためにプロセッサ100によって処理される。
【0091】
プロセッサ104は、成分処理システム4を制御して、前述のように調製プロセスを実行する。その制御の一部として、プロセッサ104は、調製プロセス中に、成分処理システム4の電力需要に従って信号を発信するようにエミッタ92を制御する。取り外し可能な構成要素76の電気回路は、整流器102からプロセッサ104への電気エネルギーの出力を制御するためのコンデンサ(図示せず)を備えてもよい。成分処理システム4が、
図3に概略的に示された前述のコンディショニングシステムを備える実施形態では、電力結合部78を通る電力は、調製プロセスに従って、所望の電力量が特定の時間で、伝熱システム32及び/又は泡立てシステム26に供給されるように調節される。
【0092】
実施形態の変形例(図示せず)では、電気エネルギーは、電力結合部78を介して成分処理システム4に直接伝達され、電気エネルギーの量は、ベースユニット76のプロセッサ100(又は電気回路の他の実装)によって制御され、したがって、取り外し可能な構成要素76のプロセッサ104及び整流器102は不要である。このような実施形態では、エミッタとレシーバとの結合は省略してもよく、又はエミッタが成分処理システムに電気エネルギーをタップしてレシーバにオン又はオフ信号を与える、より単純な構成で利用することができる。実施形態では、ベースユニット74のプロセッサ104は、本明細書で定義される「電気回路」に従って受動電気部品によって置き換えられる。
【0093】
取り外し可能な構成要素76の電気回路は、調製プロセスの選択に関する情報を受け取るために、本明細書に記載されるような無線通信リソース68を備える。情報は、マスター飲料又は食品調製マシンから(説明されるように)、ベースユニット74から、及び/又は本明細書に記載されるような周辺装置66又は他の適切な装置から伝送してもよい。情報を受信すると、電気回路はプロセスを実行することができる。
【0094】
実施形態では、情報は、プロセッサ104(又は関連するメモリ/記憶装置)に記憶された特定の調製プロセスに対応する識別子を備える。実施形態では、情報は、調製プロセスを有し、かつプロセッサ104によって実行可能であるマシン可読命令のセットを備える。実施形態では、情報は、直前の2つの実施形態の組み合わせ又は他の適切な情報の符号化を備える。通信リソース68は、受信した情報をプロセッサ104に伝達し、プロセッサは情報に対応する調製プロセスを実行する。
【0095】
実施形態(図示せず)では、取り外し可能な構成要素76は、本明細書で定義されるような有線通信リソースによって情報を受信し、この情報は、電力結合部を介して伝えられた変調信号を含んでもよく、プロセッサ104(又は電気回路の他の実装)によって復調され、したがって無線通信リソース68は不要である。実施形態では、無線通信リソースは、ベースユニット74に配置されており、周辺装置から情報を受信し、この情報は無線又は有線通信リソースによって、取り外し可能な装置に伝達してもよい。
【0096】
図12及び
図11を参照すると、実施形態では、プロセッサ100は、取り外し可能な構成要素76とベースユニット74との電気結合のために、
図12に概略的に例示された電気エネルギー伝達プロセスを実施する。エネルギー伝達プロセスは、次の工程のうちの1つ以上を含む。
【0097】
条件106では、電気回路は、例えばセンサ88(又は他の実施形態の検出手段)によって、連結を確認する。連結が確認された場合、この確認は、プロセッサ100において、ブロック108で起動モードをトリガする。そうでない場合、ブロック110で、エネルギー伝達プロセスは実行されない。
【0098】
ブロック108では、起動モードが実現され、公称量の電気エネルギーが電力結合部78を介して供給され、取り外し可能な構成要素76の電気回路とベースユニット74の電気回路との間の接続を確立する。起動モードの間、成分処理システム4は動作しなくてもよく、例えば、取り外し可能な構成要素76の電気回路は、成分処理システム4に電気エネルギーを供給しない。起動モードでは、プロセッサ104は、調製プロセスを実行するための、又はプロセスを実行するための情報を受け取らないように構成することができる。特に、起動モードの間、電力結合部を介した電気エネルギーを用いて、エミッタ92及び関連する電気回路(例えば、適切な実施形態ではプロセッサ104及び整流器102)のみを駆動する。
【0099】
実施形態では、起動モードは、プロセッサ100によって制御される電力結合部78を介して電気エネルギーを供給するための1つ以上の下位プロセスを含む。実施形態では、下位プロセスは、第1量(エネルギー伝達なし、例えば、0ボルトでのソフトスタートを含み得る)から第2量(例えば、調製プロセス中に伝達されるエネルギーの1~10%)まで電気エネルギーを増加させることを含む。エネルギーの増加は、線形及び/又は曲線状ランプであってもよい。PWMが実装された実施形態では、第1電気エネルギー量及び第2電気エネルギー量は、一次コイルを通してパルス化された電気エネルギーのデューティサイクル制御(例えば、0ボルトでのソフトスタートに対する0%のデューティサイクル比)によって達成することができる。
【0100】
実施形態では、下位プロセスは、電気エネルギーを所定の時間量(例えば、100~500マイクロ秒)供給することを含む。PWMを実装した実施形態では、所定の時間量は、一次コイルを通してパルス化された電気エネルギーのデューティサイクル制御により達成してもよい(例えば、所定の時間量の間と後に、デューティサイクル比はそれぞれ非ゼロとゼロである)。
【0101】
実施形態では、下位プロセスは、一定のピーク電圧を含む(例えば、調製プロセス中に伝達されるエネルギーの1~10%)所定量の電気エネルギーを供給することを含む。実施形態では、下位プロセスを組み合わせることができ、例えば、主プロセスは、同時に実行される前述の複数の下位プロセスを含み、主プロセスは下位プロセスのうちの1つが完了した場合に完了する。
【0102】
実施形態では、下位プロセスは、所定数(例えば2~4)の下位プロセスが実行されるまで、又はエミッタ92によって送信された信号がレシーバ94によって受信されるまで、連続して繰り返される(例えば、下位プロセスの完了後、エミッタ92によって送信された信号がレシーバ94によって受信されずに、下位プロセスが再度実行される)。実施形態では、後続の下位プロセスは、先行する下位プロセスの終了から所定の時間量(例えば、100~500マイクロ秒)後に実行される。
【0103】
条件112において、プロセッサ100は、起動モードが完了した(例えば、起動時に実行されたその下位プロセス又は各下位プロセスは完了する)か否かを判定する。完了した場合、ブロック110でエネルギー伝達プロセスは終了する。そうでない場合、条件114が実行される。他の実施形態では、起動プロセスは、ブロック114が実行されるまで無期限に実行してもよい。条件114において、プロセッサ100は、レシーバ94が(起動モードで供給された電気エネルギーによって駆動される)エミッタ92から信号を受信したか否かを判定する。信号が受信された場合、プロセッサは、ブロック116において起動モードから調節モードに移行する。そうでない場合、ブロック112で起動モードを継続してもよい。条件112及び条件114は、同時に実行されることが理解されよう。
【0104】
ブロック116において、調節モードが実行され、それにより、プロセッサ100は、(エミッタ92及びレシーバ94を介して通信される)取り外し可能な構成要素76の電気回路及び/又は成分処理システム4の要求に従って、電力結合部78を介して電気エネルギーを供給する。
【0105】
実施形態(図示せず)では、条件114において、プロセッサ104は、調製プロセス選択下位モードを実行し、エミッタ92は、例えば、エミッタ92からの公称信号の送信によって、電力結合部78を介して供給されるエネルギーの公称量の供給をもたらすように制御される。エネルギーの公称量は、プロセッサ104、エミッタ92及び通信リソース68がある実施形態では動作させるのに適切である(ただし、成分処理システム4に給電するには不十分である)。調製プロセス選択下位モードは、調製プロセスの選択を含む情報が、通信リソース68(又は、情報を受信するための他の実施形態手段)によって受信されるまで維持され得る。続いて、プロセッサ104は、調製プロセス実行下位モードを実行し、エミッタ92は、実行された調製プロセスに従って制御される。そうでない場合、調製プロセス選択下位モードは、ブロック110が実行されてエネルギー伝達プロセスを終了するまで所定の時間量(1~5分など)維持してもよい。
【0106】
調節モードにおける成分処理システム4の動作(及び起動モードにおいて動作しないこと)により、起動モードで伝達される電気エネルギーは、調節モードで伝達される電気エネルギーよりも低いことが理解されよう。
【0107】
実施形態では、電気回路は、ベースユニット74と取り外し可能な構成要素76がプロセッサ100よって、連結されていないと確認されると、電力結合部を介した電気エネルギーの伝達を防止するように構成されている。当該確認は、センサ88によって提供することができる。当該確認は、前述のエネルギー伝達プロセス中の任意の時点で提供することができる。
図12では、ブロック118は、調節モードの間に実行される当該確認を示し、連結されていないと確認された場合、ブロック110を実行してエネルギー伝達プロセスを終了し、そうでない場合は調節モードがブロック116で維持される。
【0108】
実施形態では、エミッタ92は、ベースユニット74の電気回路によって処理された情報を伝送し、取り外し可能な構成要素76及び/又は取り外し可能な構成要素76によって実行可能な1つ以上の調製プロセスを識別する。情報は、取り外し可能な構成要素に固有の識別子を含んでもよく、識別された取り外し可能な構成要素によって実行可能な1つ以上の調製処理は、伝送された識別子から、例えば、ルックアップテーブル又は他の適切な構成として実現することができる、メモリに記憶されたデータベースを介して決定することができる。同様にして、取り外し可能な構成要素76によって実行可能な調製プロセスのうちの1つ以上のための識別子を伝送することができる。ベースユニット74の電気回路は、実行するための1つ以上のプロセスのユーザ選択(例えば、ユーザインターフェース42を介した)を可能にすることができる。電力結合部78を介して電気エネルギーが伝達されると、電気回路は、送信を自動的に実行することができる。調節モードを含む実施形態では、送信は、起動モードから調節モードへの移行に基づくことも含んで、調節モードの間に発生し得る。実施形態では、識別子は、例えば、許容識別子のデータベースとの比較を介して、取り外し可能な構成要素76を認証するために使用してもよい。
【0109】
記載された実施形態のエネルギー伝達プロセスでは、簡潔にするために特定のプロセッサ又は各プロセッサを参照する。プロセッサは、本明細書で定義される「電気回路」に従って、1つ以上のプロセッサとして、又は他の電気回路として実現できることが理解されよう。
【0110】
実施形態では、電気回路は、調節モード電力結合部によって連続的に可変量の電気エネルギーを伝達するように構成されている(例えば、調節モードは、オン及びオフに加えて多くの状態で電気エネルギーの伝達を調節する)。用語「連続的に可変」は、パルスのオン/オフ状態ではなく、電力結合部を介した各エネルギーパルスが供給する電気エネルギー量を連続的に(例えば、デューティサイクル制御によって)制御することを指す。
【0111】
実施形態(図示せず)では、取り外し可能な構成要素及びベースユニットは、動作可能に結合された構成で取り外し可能な構成要素及びベースユニットを位置決めするための機械的インターフェースを備える。機械的インターフェースは、取り外し可能な構成要素及びベースユニットの表面に配置された突起及び対応するキャビティを含むことができ、これらは動作可能に結合されたときに隣接する。
【0112】
図13を参照すると、飲料又は食品調製システム2は、前述のように、取り外し可能なスレーブ構成要素76及びベースユニット74を用いて動作するための、マスター飲料又は食品調製マシン120を備える。マスター飲料又は食品調製マシン120は、本明細書で定義されるような更なる成分処理システム122、例えば、取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4の特定の構成とは異なる成分処理システム122を備える。マスター飲料又は食品調製マシン120は、本明細書に記載されるように、更なる成分処理システム122及び関連する電源(図示せず)を制御するための電気回路(図示せず)を備える。マスター飲料又は食品調製マシン120及び取り外し可能な構成要素/ベースユニットは、例えば、無線通信リソースを介して、本明細書で定義される通信リソースによって動作可能に接続される。
【0113】
実施形態では、取り外し可能な構成要素76又はベースユニット74の電気回路は、取り外し可能な構成要素76及び/又は取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4によって実行可能な1つ以上の調製プロセスを識別するために、通信リソースを介して情報を伝送する。情報は、取り外し可能な構成要素76に固有の識別子を含んでもよく、識別された取り外し可能構成要素76によって実行可能に処理された1つ以上の調製は、伝送された識別子から、例えば、ルックアップテーブル又は他の適切な構成として実現することのできる、メモリに記憶されたデータベースを介して決定することができる。同様にして、取り外し可能な構成要素76によって実行可能な調製プロセスのうちの1つ以上のための識別子を伝送することができる。実施形態では、情報は、取り外し可能な構成要素76(又は関連するメモリ/記憶装置)のプロセッサに記憶される。実施形態では、情報は、マシン可読命令のセットを含み、このマイン可読命令は、調製プロセスを含み、かつ取り外し可能な構成要素76のプロセッサによって実行可能である。実施形態では、情報は、前述の実施形態の組み合わせ又は他の適切な情報の符号化を含む。
【0114】
電力結合部78を介して電気エネルギーが伝達されると、電気回路6は、その送信を自動的に実行することができる。調節モードを含む実施形態では、送信は、起動モードから調節モードへの移行に基づくことも含んで、調節モードの間に発生することができる。
【0115】
変形の実施形態(図示せず)では、送信用の通信リソースは、前述のように、取り外し可能な構成要素又はベースユニットのいずれかに配置することができる。実施形態では、電力結合部を介して電気エネルギーが伝達されると、取り外し可能な構成要素及び/又はベースユニットの電気回路、及びマスター飲料又は食品調製マシンの電気回路は、認証プロセス(例えば、秘密鍵又は他の暗号化アルゴリズムを介した情報交換を含むことができるペアリング)を実行し、認証された場合にはその情報の送信が行われる。実施形態では、情報の送信は、ユーザインターフェースによって開始され、自動的には開始されない。
【0116】
マスター飲料又は食品調製マシン120は、成分処理システム4によって実行可能な調製プロセスを識別するために、情報を受け取るように構成された電気回路を備え、その情報に基づいて、更なる成分調製システム122及び取り外し可能部品76の成分処理システム4によって実行可能な組み合わせ調製プロセスを決定する。実施形態では、情報を受け取り、当該決定を実行するように構成された電気回路は、マスター飲料又は食品調製マシン120、周辺装置66、システム2と通信する他の装置、のうちの1つ又は組み合わせに配置される。実施形態では、電気回路は、データベースから調製プロセスの1つ以上の組み合わせを決定するように動作可能な1つ以上のプロセッサを備える。実施形態では、データベースは、取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4の調製プロセス(伝送された情報から決定される)、及びマスター飲料又は食品調製マシン120の更なる成分調製システム122の調製プロセスの入力を介して検索される1つ以上の組み合わせ調製プロセスのルックアップテーブルとして実現される。
【0117】
実施形態では、マスター飲料又は食品調製マシン120の電気回路は、更なる成分処理システム122及び取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4の動作を含む複合調製プロセスを実行するように構成されている。取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4は、マスター飲料又は食品調製マシン120からの、調製プロセスの選択のための前述の情報の送信によって制御することができる。ユーザは、マスター飲料又は食品調製マシン120(例えば、ユーザインターフェース42を介して)、周辺装置66又はシステム2と通信する他の装置上で、組み合わされた調製プロセスを選択することができる。成分処理システムは、互いに連続的に又は同時に動作することができる。実施形態では、組み合わされた調製プロセスを実行するための電気回路は、マスター飲料又は食品調製マシン120、周辺装置66、システム2と通信する他の装置、のうちの1つ又は組み合わせに配置される。
【0118】
実施形態では、更なる成分処理システム122は抽出システムを含み、成分処理システム4は、コンディショニングシステムを備え、実施形態の組み合わせ調製プロセスは、抽出システムによって抽出されたコーヒーと共に使用するミルクを調整するコンディショニングシステムを含む。
【0119】
図14を参照すると、先行する実施形態の変形例は、代替的にベースユニット74に配置された更なる成分処理システム122を含む。前述の実施形態と同様に、取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4によって実行可能な1つ以上の調製プロセスを識別するための情報は、取り外し可能な構成要素の電気回路によって伝送される。更なる成分調製システム122及び取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4によって実行可能な組み合わせ調製プロセスは、ベースユニット74の電気回路に関する情報によって決定することができる。前述の実施形態と同様に、ベースユニット74の電気回路は、更なる成分処理システム122及び取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4の動作を含む組み合わせ調製プロセスを実行するように動作可能である。取り外し可能な構成要素76の成分処理システム4は、調製プロセスを選択するための前述の情報の送信によって制御することができる。ユーザは、ベースユニット74(例えば、ユーザインターフェース42を介して)、周辺装置、又はシステム2と通信する他の装置上の当該組み合わせ調製プロセスを選択することができる。
【0120】
図15を参照すると、飲料又は食品を調製する方法は、ブロック124において、ベースユニットと取り外し可能な構成要素との間の電力結合部を介して電気エネルギーを伝達することを含む。ブロック126において、情報は、取り外し可能な構成要素の成分処理システムによって実行可能な調製プロセスを識別するために伝送される。ブロック124は、電力結合部を介して伝達される電気エネルギーを使用して実行され、例えば、通信リソースは、取り外し可能な構成要素によって受け取られた電気エネルギーを用いてリアルタイムで駆動される。調節モードを含む実施形態では、情報は、調節モードへの移行に基づき伝達することができる。ブロック128において、伝送された情報に基づいて、更なる成分調製システム及び取り外し可能な構成要素の成分調製システムによって実行可能な組み合わせ調製プロセスが決定される。前述の実施形態に記載されるように、決定は、次の、マスター飲料又は食品調製マシン、ベースユニット、周辺装置、システムと通信する他の装置、のうちの1つ以上の電気回路によって実行してもよい。本方法は、更なる成分処理システム及び取り外し可能な構成要素の成分処理システムの動作を含む、組み合わされた調製プロセスを実行する工程を更に含むことができる。
【0121】
先行する実施形態では、信号などの処理は、システムのローカルプロセッサにおいて、コンピュータ装置のプロセッサにおいて、又はシステム内若しくはシステムと通信する処理リソースの任意の他の適切な配置、又はそれらの組み合わせにおいて生じてもよい。
【0122】
本明細書で使用する場合、用語「回路」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、及び/又は、1つ以上ソフトウェア又はファームウェアプログラム、組み合わせロジック回路、及び/又は記載された機能性を提供し得る1つ以上の仮想マシンを含む他の適切なハードウェア又はソフトウェアコンポーネントを実行するメモリ(共有、専用、又はグループ)の部分であり、若しくは含むことを指すことができる。いくつかの実施形態では、回路は、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアモジュール内に実装することができ、あるいは回路に関連する機能は1つ以上のソフトウェア又はファームウェアモジュールによって実装することができる。いくつかの実施形態では、回路は、ハードウェアで少なくとも部分的に動作可能なロジックを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理/実行は、集中処理/実行の代わりに分散してもよい。
【0123】
開示された方法のいずれか(又は対応する装置、プログラム、データキャリアなど)は、特定の実装に応じて、ホスト又はクライアントのいずれかによって実行してもよい(すなわち、開示された方法/装置は通信(複数可)の形態であり、そのため、いずれの「視点」からも、すなわち、互いに対応して実行され得る)ことが理解されよう。更に、用語「受信すること」及び「送信すること」は、「入力すること」及び「出力すること」を包含し、無線波を送受信するRFコンテキストに限定されないことが理解されよう。したがって、例えば、実施形態を実現するためのチップ、他の装置又は構成要素は、別のチップ、装置又は構成要素への出力用データを生成することができ、あるいは別のチップ、装置、又は構成要素からの入力データとして有することができ、そのような出力又は入力は、動名詞、すなわち、「送信すること」及び「受信すること」、並びにRFコンテキスト内での「送信すること」及び「受信すること」を含む「送信」及び「受信」として指すことができる。
【0124】
本明細書で使用する場合、文体「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」で用いられる任意の表現、並びに「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」の表現は、選言的に「又は」と選言的に「及び」を使用し、その結果、これらの表現は、A、B、Cの任意若しくは全ての接合といくつかの置き換え、すなわち、Aのみ、Bのみ、Cのみ、任意の順序でA及びB、任意の順序でA及びC、任意の順序でB及びC、任意の順序でA、B、Cを含む。このような表現で使用される3つより多いか又は少ない特徴が存在し得る。
【0125】
特許請求の範囲において、括弧間に配置されている任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。「備える(comprising)」という語は、特許請求の範囲に列挙されているもの以外の要素又は工程の存在を排除するものではない。更に、本明細書で使用する場合、用語「a」又は「an」は、1つ又は2つ以上として定義される。また、請求項における「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」などの導入句の使用は、同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合でも、不定冠詞「a」又は「an」による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含む特定の請求項をそのような要素を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。定冠詞の使用についても同じことが言える。別途記載のない限り、「第1」及び「第2」などの用語は、そのような用語が説明する要素間を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的又は他の優先順位を示すことを意図するものではない。相互に異なる請求項に特定の処置が列挙されるという単なる事実はこれら処置の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0126】
互換性がないと明示的に述べられていない限り、あるいは実施形態、実施例、又は請求項の物理的性質又はその他がそのような組み合わせを妨げていない限り、前述の実施形態、実施例及び添付の請求項の特徴は、任意の適切な構成、特にそうすることにおいて有益な効果があるものにおいて、一緒に統合することができる。これは、任意の特定の利益のみに限定されるものではなく、代わりに、「事後」利益から生じてもよい。このことは、特徴の組み合わせは、記載された形態、特に、実施例(複数可)の形態、実施形態(複数可)、又は請求項(複数可)の従属性によって限定されないということである。更に、これはまた、「1つの実施形態では」、「一実施形態により」などの語句にも適用され、これは単に文言の様式であり、同じ又は類似の文言の他の全ての例に対する別個の実施形態に、以下の特徴を限定するものとして解釈されるべきではない。これは、「一(an)」、「1つの(one)」又は「いくつかの」実施形態(複数可)への言及は、開示された1つ以上の、及び/又は全ての実施形態、又はそれらの組み合わせ(複数可)への言及であり得る、ということである。また、同様に、「その」実施形態への言及は、直前の実施形態に限定されない場合がある。
【0127】
本明細書で使用される場合、任意のマシン実行可能命令、又はコンピュータ可読媒体は、開示された方法を実行することができ、したがって、方法という用語と同義に、又は互いに使用されることができる。
【0128】
1つ以上の実装の前述の説明は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は本発明の範囲を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であり、又は本開示の様々な実装の経験から取得されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
2 飲料又は食品調製システム
76 取り外し可能な構成要素
4 成分処理システム
(抽出システム)
14 抽出ユニット
16 カプセルホルダ
18 出口壁
20 駆動システム
22 入口ダクト
24 出口ダクト
(コンディショニングシステム)
26 泡立てシステム
28 可動要素
30 駆動システム
32 伝熱システム
34 容器
6 電気回路
42 ユーザインターフェース
44 センサシステム
46 ハードウェアリソース
48 処理ユニット
50,52 プロセッサ
54~62 命令
64 メモリ/記憶装置
68 通信リソース
88 センサ(90 磁性材料)
92 エミッタ
94 レシーバ
102 整流器
98 スイッチングシステム
100,104 プロセッサ
66 周辺装置
70 データベース
72 ネットワーク
8 流体供給システム
36 リザーバ
38 ポンプシステム
40 伝熱システム
74 ベースユニット
10 電源
78 電力結合部
80 一次コイル
82 二次コイル
84,86 コア
12 容器