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特許7196079カーゴネットをパレットに固定する固定部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】カーゴネットをパレットに固定する固定部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/38 20060101AFI20221219BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
B65D19/38 B
F16B5/10 L
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019534712
(86)(22)【出願日】2018-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2018092621
(87)【国際公開番号】W WO2019019847
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】17107456.3
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(73)【特許権者】
【識別番号】511182677
【氏名又は名称】キャセイ パシフィック エアウェイズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Cathay Pacific Airways Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ハンソン ハウ シン
(72)【発明者】
【氏名】レオン, サイ ホ シモン
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0081233(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0019789(US,A1)
【文献】特開2012-030894(JP,A)
【文献】実開平04-001168(JP,U)
【文献】米国特許第05765978(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00-19/44
F16B 5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカーであって、
第1の穴及び第2の穴を有するネック、第3の穴を有する本体、及びパレットに形成された溝に滑り込む2つの足を有するベース部材と、
ヘッド及び前記ヘッドから外向きに延びて、前記ネックを受容する間隙を形成する2つの平行な突起部を有し、各前記突起部に第4の穴を有するボルトと、
前記ネックの前記第1の穴内に配置され、前記ベース部材が前記溝内で滑動することを防止する固定位置と前記ベース部材が前記溝内で滑動する非固定位置との間で前記ボルトを付勢するばねと、を含むアンカーと、
カーゴネットと前記ベース部材の前記本体の前記第3の穴の両方に係止する保持リングと、
前記ベース部材の前記第2の穴と前記ボルトの前記第4の穴を通って嵌合し、前記ボルトが前記固定位置から前記非固定位置に移動することを防止するケーブルタイと、を含み、
前記ボルト、前記ばね及び前記ベース部材は、前記アンカーを破壊しなければ、分離又は取り外しできないように互いに接続されており、
前記ケーブルタイは、単一のアンカーに固定されるように、1つのアンカーのみを固定できる長さを有する、カーゴネットをパレットに固定する固定部材。
【請求項2】
前記ボルトが前記固定位置にある場合、前記ボルトの前記第4の穴は、前記ベース部材の前記第2の穴と一列に整列する、請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
前記ボルトが前記非固定位置にある場合、前記ばねは圧縮位置にあり、前記ボルトが前記固定位置にある場合、前記ばねは非圧縮位置にある、請求項1に記載の固定部材。
【請求項4】
前記ケーブルタイは自動固定式であり、前記ケーブルタイを破壊しなければ、係脱することができない、請求項1に記載の固定部材。
【請求項5】
前記保持リングは自動固定式であり、前記保持リングを破壊しなければ、係脱することができない、請求項1に記載の固定部材。
【請求項6】
前記ばねは、側面視で長方形の形状であり、前記ベース部材の前記第1の穴は、側面視で長方形の形状であり、前記ばねの前記長方形の形状は、前記第1の穴の前記長方形の形状内に嵌合する、請求項1に記載の固定部材。
【請求項7】
前記アンカーは、ピンをさらに含み、前記ピンは、前記ばねの一端が前記第1の穴に隣接する上端に対して係合し、前記ばねの他端が前記ピンに対して係合するように、前記ボルトの第5の穴を通って嵌合する、請求項1に記載の固定部材。
【請求項8】
前記ケーブルタイが結束された後、前記ケーブルタイを破壊しなければ、前記ボルトと前記ベース部材とを分離することができない、請求項1に記載の固定部材。
【請求項9】
前記2つの平行な突起部は、外向きに突出する外壁を含み、前記ボルトが固定位置にある場合、外壁は、前記パレットと係合して前記アンカーが前記パレットの溝内で移動することを防止し、前記ボルトが前記非固定位置にある場合、前記アンカーが前記溝内で滑動することを可能にする、請求項1に記載の固定部材。
【請求項10】
レットに取り外し可能に固定するアンカーであって、
2つの対向する側壁から延びる2つの足、第1の穴、第2の穴、及び第3の穴を有するベース部材と、
その間に間隙を形成し、かつ前記ベース部材を滑動可能に受容する2つの離間した突起部を有し、各前記突起部上に第4の穴を有するボルトと、
前記ベース部材の前記第1の穴に配置され、前記ボルトが前記パレットと係合して前記アンカーが前記パレットの溝内で移動することを防止する固定位置と、前記ボルトが移動し、前記パレットを解放して前記アンカーが溝内で滑動することを可能にする非固定位置との間で前記ボルトを付勢するばねと、を含むアンカーと、
ーゴネットの開口部と前記ベース部材の前記第3の穴との周囲に固定する自動固定式の保持リングと、
前記ボルトが前記固定位置にある場合、前記ボルトの前記第4の穴及び前記ベース部材の前記第2の穴を通って延び、前記ボルトが前記固定位置から前記非固定位置に移動することを防止する自動固定式のケーブルタイと、を含み、
前記ボルト、前記ばね及び前記ベース部材は、前記アンカーを破壊しなければ分離又は取り外しできないように互いに嵌合されており、
前記ケーブルタイは、単一のアンカーに固定されるように、1つのアンカーのみを固定できる長さを有する、カーゴネットをパレットに固定する固定部材。
【請求項11】
前記ボルトが前記固定位置にある場合、前記ボルトの前記第4の穴は、前記ベース部材の前記第2の穴と一列に整列する、請求項10に記載の固定部材。
【請求項12】
前記ボルトが前記非固定位置にある場合、前記第1の穴内の前記ばねは圧縮位置にあり、前記ボルトが前記固定位置にある場合、第1の穴内のばねは非圧縮位置にある、請求項10に記載の固定部材。
【請求項13】
前記アンカーは、ピンをさらに含み、前記ピンは、前記ばねの一端が前記第1の穴の上端と係合し、前記ばねの他端が前記ピンに対して係合するように、前記ボルトの第5の穴を通って嵌合する、請求項10に記載の固定部材。
【請求項14】
前記ケーブルタイが結束された後、前記ケーブルタイを破壊しなければ、前記ボルトと前記ベース部材とを分離することができない、請求項10に記載の固定部材。
【請求項15】
カーゴネットをパレットに固定する方法であって、
第1の穴と第2の穴とを有するネック、第3の穴を有する本体、及び前記パレットに形成された溝に滑り込む2つの足を有するベース部材と、
ヘッド及び前記ヘッドから外向きに延びて、前記ネックを受容する間隙を形成する2つの平行な突起部を有し、各前記突起部に第4の穴を有するボルトと、
前記ネックの前記第1の穴内に配置され、前記ベース部材が前記溝内で滑動することを防止する固定位置と前記ベース部材が前記溝内で滑動する非固定位置との間で前記ボルトを付勢するばねと、
を含む、前記パレットと係合するためのアンカー
を含む固定部材を提供することと、
前記カーゴネットと前記ベース部材の前記本体の前記第3の穴の両方に固定する保持リングを提供することと、
前記ベース部材の前記第2の穴と前記ボルトの前記第4の穴を通って嵌合し、前記ボルトが前記固定位置から前記非固定位置に移動することを防止するケーブルタイを提供することと、を含み、
前記アンカーは、ピンをさらに含み、前記ピンは、前記ばねの一端が前記第1の穴の上端に当接し、前記ばねの他端が前記ピンに当接するように、前記ボルトの第5の穴を通って嵌合し、前記第1の穴の底端は、前記ボルトが前記固定位置にある場合に前記ピンを受容するための凹部を有し、前記ボルト、前記ばね及び前記ベース部材は、アンカーを破壊しなければ分離又は取り外しできないように互いに嵌合されており、
前記ケーブルタイは、単一のアンカーに固定されるように、1つのアンカーのみを固定できる長さを有する、方法。
【請求項16】
前記ケーブルタイが結束された後、前記ケーブルタイを破壊しなければ、前記ボルトと前記ベース部材とを分離することができない、請求項15に記載の方法
【請求項17】
前記2つの平行な突起部の各々は、前記ボルトが前記固定位置にある場合、各外壁が前記パレットと係合して前記アンカーが前記パレットの溝内で移動することを防止し、前記ボルトが前記非固定位置にある場合、各外壁が前記パレットを解放して前記アンカーが溝内で滑動することを可能にするように、外向きに突出する外壁を有する、請求項15に記載の方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物を固定する方法及びシステムに関し、特に、輸送中の貨物への接近を防止するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
貨物輸送のために貨物を固定する従来の方法及びシステムは、通常、パレット上に貨物を固定するために、帯状物のネットを使用する。これは、輸送中に安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の背景に鑑みて、貨物輸送のための安全な代替システムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、一態様では、1つの例示的な実施形態は、カーゴネットをパレットに固定する固定部材(係止部材)であり、固定部材は、アンカーであって、第1の穴及び第2の穴を有するネック、第3の穴を有する本体、及びパレットに形成された溝に滑り込む2つの足を有するベース部材と、ヘッド及びヘッドから外向きに延びてネックを受容する間隙を形成する2つの平行な突起部を有し、各突起部に第4の穴を有するボルトと、ネックの第1の穴内に配置され、ベース部材が溝内で滑動することを防止する固定位置(ロックされている位置、係止位置)とベース部材が溝内で滑動する非固定位置(固定されていない位置、ロックされていない位置、係脱位置)との間でボルトを付勢するばねと、を含むアンカーと、カーゴネットとベース部材の本体の第3の穴の両方に係止する保持リングと、ベース部材の第2の穴とボルトの第4の穴を通って嵌合し、ボルトが固定位置から非固定位置に移動することを防止するケーブルタイと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1a図1aは、例示的な実施形態による、カーゴネットをパレットに固定する固定部材の斜視図である。
図1b図1bは、例示的な実施形態による、図1aの破線の円の拡大部分図である。
図2a図2aは、例示的な実施形態による、固定位置にあるアンカーの斜視図を示す。
図2b図2bは、例示的な実施形態による、非固定位置にあるアンカーの斜視図を示す。
図3図3は、例示的な実施形態による、アンカーの分解図を示す。
図4図4は、例示的な実施形態による、保持リングの斜視図を示す。
図5図5は、例示的な実施形態による、ケーブルタイの斜視図を示す。
図6図6は、例示的な実施形態による、カーゴネットをパレットに固定するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここで、図1aを参照すると、例示的な実施形態は、カーゴネット110をパレット120に固定する固定部材130に関する。貨物は、パレット120上に配置され、カーゴネット110で覆われる。
【0007】
カーゴネット110は、輸送中の転位を防止すると同時に、盗難も防止するためのネットである。カーゴネットは、様々なサイズ及び形状を有することができ、様々なサイズ及び形状の穴を含むことができる。1つの例示的な実施形態では、カーゴネット110は、異物の貨物への接近を防止する穴を含む。1つの例示的な実施形態では、カーゴネット110は、ポリエステル製であり、穴のサイズは、約1cm×1cmである(異なるサイズの穴を使用することもできる)。複数の開口111は、カーゴネット110の周辺又は縁部に配置されている。各固定部材130は、開口111のうちの1つに結合するようになされており、そして、貨物の下のパレット120に形成された溝121に固定するようにもなされている。
【0008】
例示的な実施形態では、縦方向弾性バンド112は、縦縁部の底部コーナーから中央部まで実質的に垂直に延びている。縦方向弾性バンドのこの方向付けは、カーゴネット110が貨物の高さ及び形状の範囲に適応することを可能にする。2つの横方向弾性バンド113は、2つの横方向縁部の底部コーナーから1/3の位置まで実質的に水平に延びている。3つの弾性バンドはそれぞれ、底部コーナーの3つの縁部を横切って伸びており、それによって貨物がコーナーの周囲にしっかりと固定され、異物がそこを通って挿入されるのを防止している。
【0009】
さらに図1bを参照すると、溝121は、複数のネック部122及び開口部123を含む。ネック部122及び開口部123は、図示のように、半円形及び直線状の繰り返しパターンで溝121の周囲に分布している。開口部は、溝の幅と同じ幅を有する。ネック部は、内向きに狭くなっている溝の上部を有する。
【0010】
1つの例示的な実施形態において、貨物輸送中に、貨物はパレット120上に載せられて、従来のネットカバー及びカーゴネット110の両方によって覆われる。従来のネットカバーは、貨物を適所に保持するために使用され、大きな開放領域を含む、従来の布帯のネットであってもよい。カーゴネット110は、従来のネットカバーの内側にあっても外側にあってもよい。カーゴネットの微細穴は、貨物が覆われていても、ユーザが内側のカーゴを見ることができることを確実にする。当業者であれば、貨物は、従来のネットカバーの有無に関わらず、カーゴネットで固定できることを理解するであろう。
【0011】
図示のように、固定部材130は、カーゴネット110をパレット120に係止又は固定するように設けられる。固定部材130のベース部材141は、溝121に係合する。保持リング131は、カーゴネット110の開口111とベース部材141の穴の両方に固定する。ケーブルタイ132は、ベース部材141の穴及びボルト151の穴を通って嵌合し、ボルト151が固定位置から非固定位置に移動することを防止する。固定位置では、固定部材130はパレット120上に固定され、固定アセンブリ又はパレット120を破壊しても取り外すことができない。
【0012】
1つの例示的な実施形態では、ボルト、ばね及びベース部材は、固定部材を破壊しなければ分離又は取り外しできないように互いに嵌合されている。
【0013】
図2aは、固定位置134にあるアンカー133の斜視図を示す。固定位置では、ベース部材141が溝内で滑動することが防止される。
【0014】
図2bは、非固定位置135にあるアンカー133の斜視図を示す。非固定位置では、ベース部材は、溝内で滑動することができる。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、2つの平行な突出部153は、外向きに突出する外壁157を含む。図2bに示す非固定位置にある場合、ヘッド152に外力が加えられると、ボルト151はベース部材141から上に移動し、外壁157は溝を解放するので、足147は、溝の開口部に嵌合することができ、ネック142は、ネック部に嵌合することができる。次に図1bを参照すると、アンカー133は、溝121に対して取り外し可能であり、溝121に沿って滑動することができる。足がネック部122に滑動し、ネックが開口部123に滑動する場合、外力が解消され、ボルト151が固定位置に戻る。外壁は、アンカー133がパレット120に沿って移動することを防止するように、溝121の開口部123と係合する。ネック部の足は、アンカー又は溝を破壊することなく、アンカーがパレット120の溝121から取り外されることを防止する。1つの実施形態において、外壁の幅は、溝の幅と同じである。
【0016】
図3は、アンカー133の分解図を示す。アンカー133は、ベース部材141と、ボルト151と、ばね161と、ピン171とを有する。ベース部材141は、第1の穴143及び第2の穴144を有するネック142と、第3の穴146を有する本体145と、パレット120に形成された溝121に滑り込む少なくとも2つの足147とを有する。ボルト151は、ヘッド152と、ヘッドから外向きに延びる2つの平行な突出部153とを有する。平行な突出部153の各々は、第4の穴155を有する。2つの平行な突出部153は、ネック142を受容する間隙154を形成する。ネック142は、溝121のネック部122に嵌合する幅を有する。足147は、溝121の開口部に嵌合するが、ネック部122の幅よりも狭い幅を有する。このようにして、足がネック部に位置している場合に、溝又はアンカーを破壊しなければアンカー133は取り外すことができない。
【0017】
また図3を参照すると、ばね161は、ネック142の第1の穴143内に配置される。ばね161は、ボルト151を固定位置134と非固定位置135との間で付勢する。ピン171は、ばね161の一端が第1の穴143に隣接する上端148に対して係合し、ばね161の他端がピン171に対して係合するように、ボルトの第5の穴156を通って嵌合する。
【0018】
1つの例示的な実施形態では、ボルト151、ばね161及びベース部材141は、アンカー133を破壊しなければ分離又は取り外しできないように互いに接続する。1つの例示的な実施形態では、第1の穴の下端は、ボルトが固定位置にあるときにピンを受容するための凹部を有する。1つの例示的な実施形態では、ベース部材は、二対のガード149をさらに含む。一対のガードがベース部材の先端に位置し、他方の一対がネックと第3の穴146との間に位置する。二対のガード149は、ベース部材がボルトに対して前後に滑動することを防止する。さらに、ネック142及び間隙154は、数対のガードの幅よりも狭い幅を有する。このように、ガードは、ボルト151とばね161とベース部材141との間の接続を、薄い異物によって挿入され破壊されることから保護する。
【0019】
1つの例示的な実施形態では、ボルトが固定位置134にある場合、ボルトの第4の穴155は、ベース部材141の第2の穴144と一列に整列する。その後、ケーブルタイ132は、ベース部材141の第2の穴144及びボルト151の第4の穴155を通って嵌合することができる。ケーブルタイ132は、ボルト151とベース部材141とを一体に固定し、ボルト151が固定位置134から非固定位置135に移動することを防止する。ケーブルタイが結束された後、ケーブルタイを破壊しなければ、ボルトとベース部材とを分離することはできない。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、図3に示すように、ばね161は、側面視で長方形の形状である。ベース部材141の第1の穴143も、側面視で長方形の形状であり、ばねの長方形の形状は、第1の穴143の長方形の形状内に嵌合する。
【0021】
1つの例示的な実施形態では、ばねは、ボルトが固定位置にある場合、非圧縮位置にある。外力により、ばねは、圧縮位置にあり、ボルト151をベース部材141から離れさせて非固定位置に付勢する。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、図4は、ピボット又はヒンジ付き端部302で枢動可能に接続された2つの半リング301を含む保持リング131を示す。一方の半リングの1つの自由端は、ボア303を含み、他方の半リングの1つの自由端は、ヘッド部304を含む。ヘッド部304は、ボア303内に取り付けることができる。
【0023】
1つの例示的な実施形態では、保持リングは自動固定式であり、保持リングを破壊しなければ係脱することができない。例えば、2つの端部が互いに接続されると、それらは、保持リングを破壊しなければ取り外すか又は分離することができない。
【0024】
1つの例示的な実施形態では、図5は、ケーブルタイの可撓性テープ部分401及びヘッド403を含むケーブルタイ132を示す。テープ部分の自由端が引っ張られると、ケーブルタイが締まるように、可撓性テープ部分401は、ヘッド403の爪402と係合してラチェットを形成する。
【0025】
1つの例示的な実施形態では、ケーブルタイ132は、自動固定式であり、ケーブルタイを破壊しなければ係脱することができない。1つの例示的な実施形態では、各ケーブルタイは、1つのアンカーのみを固定できる長さを有する。したがって、各ケーブルタイは、単一のアンカーに固定する。各固定部材は、それ自身のケーブルタイと保持リングを含むので、個々の固定部材は、パレットとカーゴネットに固定した他の固定アセンブリを妨害したり、関与したりすることなく、カーゴネットとパレットから取り外すか又は交換することができる。
【0026】
ここで、図6を参照すると、本発明の1つの例示的な実施形態では、上述した固定部材を使用する方法が提供される。
【0027】
ブロック501は、第1の穴及び第2の穴を有するネック、第3の穴を有する本体、及びパレットに形成された溝に滑り込む2つの足を有するベース部材と、ヘッド及びヘッドから外向きに延びて、ネックを受容する間隙を形成する2つの平行な突起部を有し、各突起部に第4の穴を有するボルトと、ネックの第1の穴内に配置され、ベース部材が溝内で滑動することを防止する固定位置とベース部材が溝内で滑動する非固定位置との間でボルトを付勢するばねと、を含む、パレットと係合するためのアンカーを含む固定部材を提供することを表す。
【0028】
1つの例示的な実施形態では、溝は、複数のネック部及び開口部を含む。ネック部は、内向きに狭くなる溝の上部を有する。ヘッドに外力が加えられると、ボルトはベース部材から上に移動し、溝を解放する。この位置では、足は、溝の開口部に嵌合することができ、ネックは、溝のネック部に嵌合することができる。アンカーは、溝に対して取り外し可能であり、溝に沿って滑動することができる。足がネック部に滑動し、ネックが開口部に滑動する場合、外力が解消される。ボルトは、アンカーが溝に沿って移動することを防止するように、後方に移動し、開口部と係合する。ネック部の足は、アンカー又は溝を破壊することなくアンカーが溝から取り外されることを防止する。
【0029】
ブロック502は、カーゴネット及びベース部材の本体の第3の穴の両方に係止する保持リングを提供することを表す。
【0030】
1つの例示的な実施形態では、保持リングは、端部が互いに固定されるときに互いに永久的に接続する2つの半リングを有する。一方の半リングは、カーゴネット及び第3の穴を通って、他方の半リングの端部で固定する。自動固定式の保持リングは、保持リングを破壊しなければ係脱することができない。
【0031】
ブロック503は、ベース部材の第2の穴及びボルトの第4の穴を通って嵌合し、ボルトが固定位置から非固定位置に移動することを防止するケーブルタイを提供することを表す。
【0032】
ボルトが固定位置にある場合、ボルトの第4の穴は、ベース部材の第2の穴と一列に整列する。1つの例示的な実施形態では、ケーブルタイは、可撓性テープ部分と、爪を有するヘッドとを含む。可撓性テープ部分は、第2の穴及び第4の穴を通って嵌合する。このようにして、ボルトがベース部材から上に移動することを防止する。
【0033】
1つの例示的な実施形態では、アンカーは、ボルト上の第5の穴を通って嵌合するピンをさらに含む。ばねの一端は、第1の穴に隣接する上端に対して係合し、ばねの他端は、ピンに対して係合する。1つの例示的な実施形態では、第1の穴の下端は、ボルトが固定位置にあるときにピンを受容するための凹部を有する。ボルト、ばね及びベース部材は、アンカーを破壊しなければ分離又は取り外しできないように互いに嵌合される。
【0034】
1つの例示的な実施形態では、ケーブルタイが結束された後、ケーブルタイを破壊しなければボルトとベース部材とを分離することはできない。
【0035】
1つの例示的な実施形態では、ボルトの2つの平行な突出部の各々は、外向きに突出する外壁を有する。ヘッドに外力が加えられると、外壁は溝を解放する。このようにして、足は、溝の開口部に嵌合することができ、ネックは、溝のネック部に嵌合することができる。アンカーは、溝に対して取り外し可能であり、溝に沿って滑動することができる。足がネック部に滑動し、ネックが開口部に滑動する場合、外力が解消される。ボルトは、固定位置にあり、外壁は、溝と係合するので、アンカー又は溝を破壊することなくアンカーが溝に沿って移動すること、又は溝から取り外されることが防止される。
【0036】
1つの例示的な実施形態では、固定部材130は所定のセットで提供され、各個々の保持リング131、ケーブルタイ132及びアンカー133は、ユーザ又は機械により固定部材130が所定のセットに属するか否かを識別するための同一の識別装置を有する。この識別装置は、シリアル番号、バーコード、RFID、又はユーザが人間の目を使用するか又は特定の機械を介して識別することを可能にする他の識別装置とすることができる。
【0037】
本明細書で使用するとき、「貨物」は、船、陸上、又は航空機で運搬される商品又は生産物である。
【0038】
本明細書で使用するとき、「パレット」は、フォークリフト、パレットジャッキ、フロントローダ、ワークセーバ、又は他の持ち上げ装置、又はクレーンによって持ち上げられながら、貨物を安定した方法で支持する平坦な輸送構造である。
【0039】
以上、本発明の実施形態について完全に説明した。説明は特定の実施形態を参照したが、本発明がこれらの具体的な詳細を変形して実施されてもよいことは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6