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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221219BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221219BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221219BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20221219BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221219BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20221219BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20221219BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/00 302
G09F9/00 338
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H05B33/04
H01L27/32
H05B33/10
G02F1/1333
G02F1/1368
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019562268
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2018090202
(87)【国際公開番号】W WO2019041945
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】201721107517.6
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】程 ▲鴻▼▲飛▼
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-038842(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105810710(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060786(US,A1)
【文献】特開2003-092192(JP,A)
【文献】特開2005-108824(JP,A)
【文献】特開2010-277856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する基板と、
前記基板上に設置された少なくとも1つの突起部と、
前記基板上に設置されたパッシベーション層と、
前記パッシベーション層と前記基板との間に位置する層間絶縁層、ゲート絶縁層及びバッファ層と、を備え、
前記突起部は前記基板と前記パッシベーション層との間で前記非表示領域に設けられており、
前記基板のある面に平行な同一の層において、
前記突起部は前記表示領域を囲んで順に分布する第1の突起部と第2の突起部とを少なくとも有し、前記第1の突起部は前記第2の突起部と同層に配置され、前記第1の突起部は前記第2の突起部の内側に位置しており、前記第2の突起部の高さは、前記第1の突起部の高さより大き
前記第1の突起部及び前記第2の突起部の各々は、複数の第1の突起及び複数の第2の突起を有し、前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記基板がある面に垂直な方向において交互に配置されており、
前記第1の突起の各々が、前記層間絶縁層、前記ゲート絶縁層及び前記バッファ層のそれぞれと同じ層にあり、前記層間絶縁層、前記ゲート絶縁層及び前記バッファ層のそれぞれと同じ材料からなるように構成され、前記第2の突起の各々が、フォトレジスト材料として構成される、
表示基板。
【請求項2】
前記パッシベーション層は前記突起部の少なくとも一部を覆う、
請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記基板のある面に垂直な方向において、前記突起部の高さは0.2~3μmであり、
前記基板のある面に平行な方向において、前記突起部の幅は3~9μmである、
請求項に記載の表示基板。
【請求項4】
前記基板のある面に平行な方向において、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間の間隔は3~10μmである、
請求項に記載の表示基板。
【請求項5】
前記基板のある面に垂直な方向において、
前記突起部は、異なる層に位置する第1の突起層と第2の突起層とを少なくともさらに有し、かつ前記第1の突起層は前記第2の突起層と前記基板との間に位置している、
請求項に記載の表示基板。
【請求項6】
前記基板上での前記第1の突起層の正投影は前記基板上での第2の突起層の正投影と合致するか、又は
前記基板上での前記第1の突起層の正投影は前記基板上での第2の突起層の正投影の外にある、
請求項に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第1の突起部及び前記第2の突起部の各々は環状構造として設けられて前記表示領域を囲むように設けられ、
前記第1の突起部及び前記第2の突起部の各々は一体化した閉じた環状構造として設けられるか、又は
前記第1の突起部及び前記第2の突起部の各々は互いに間隔をあけた少なくとも2つの突起段を備える、
請求項に記載の表示基板。
【請求項8】
前記パッシベーション層の、前記基板から離れた側に設置された封止層をさらに備え、
前記表示領域の前記基板は複数の画素領域を備え、各前記画素領域の前記基板上に少なくとも1つの有機発光素子が設置され、前記有機発光素子は前記パッシベーション層と前記封止層との間に位置する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項9】
前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記封止層の正投影の中にある、
請求項に記載の表示基板。
【請求項10】
前記基板上に設置された平坦層をさらに備え、
前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記バッファ層の正投影の中にある、
請求項1に記載の表示基板。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板を備える、
表示パネル。
【請求項12】
表示領域と前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する基板を準備する工程と、
前記基板上に少なくとも1つの突起部を形成する工程と、
前記基板上に平坦層を形成する工程と、
前記基板と前記平坦層との間にバッファ層、ゲート絶縁層、層間絶縁層及びパッシベーション層を形成する工程と、を備え、
前記突起部は前記基板と前記パッシベーション層との間で前記非表示領域に形成されており、前記パッシベーション層は前記突起部の少なくとも一部を覆い、
前記基板のある面に平行な同一の層において、
前記突起部は前記表示領域を囲んで順に分布する第1の突起部と第2の突起部とを少なくとも有し、前記第1の突起部は前記第2の突起部と同層に配置され、前記第1の突起部は前記第2の突起部の内側に位置しており、前記第2の突起部の高さは、前記第1の突起部の高さより大き
前記第1の突起部及び前記第2の突起部の各々は、複数の第1の突起及び複数の第2の突起を有し、前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記基板がある面に垂直な方向において交互に配置されており、
前記第1の突起の各々が、前記層間絶縁層、前記ゲート絶縁層及び前記バッファ層のそれぞれと同じ層にあり、前記層間絶縁層、前記ゲート絶縁層及び前記バッファ層のそれぞれと同じ材料からなるように構成され、前記第2の突起の各々が、フォトレジスト材料として構成される、
表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年8月31日に提出された、中国特許出願第201721107517.6号の優先権を主張し、本出願の一部として上記中国特許出願で公開の内容全文をここに引用する。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板及びその製造方法、表示パネルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
電子表示製品の普及に伴い、環境に対する適応性を如何に高めるかという点がユーザからますます注目されている。例えば、電子表示製品の製造と使用の過程において、外部環境から水分、酸素などが電子表示製品の内部に侵入し、水分、酸素などが電子表示製品の内部の構造と反応してその電気的特性に影響を与え、電子表示製品の性能と寿命を低下させることがある。しかし、上記問題に対しては、各メーカーで様々なパッケージング技術が開発されているが、現在のパッケージング技術では、ユーザからの電子表示製品のパッケージング効果に対するさらなる要求を満たすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例では、表示領域と、前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する基板と、前記基板上に設置された少なくとも1つの突起部とを、備え、前記突起部は前記非表示領域に設けられていることを特徴とする表示基板を提供する。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上に設置されたパッシベーション層をさらに備え、前記突起部は前記基板と前記パッシベーション層との間に位置し、前記パッシベーション層は前記突起部の少なくとも一部を覆うことを特徴とする。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記パッシベーション層と前記基板との間に位置する層間絶縁層と、ゲート絶縁層と、バッファ層とのうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、少なくとも1つの前記突起部が前記パッシベーション層と前記層間絶縁層との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの前記突起部が前記層間絶縁層と前記ゲート絶縁層との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの前記突起部が前記ゲート絶縁層と前記バッファ層との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの前記突起部が前記バッファ層と前記基板との間に設けられていることを特徴とする。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記バッファ層と同層にかつ同材料で製造されるように配置されることを特徴とする。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記突起部の少なくとも一部が1つの第1の突起と1つの第2の突起の積層を含むように配置され、前記第1の突起は、前記層間絶縁層と、前記ゲート絶縁層と、前記バッファ層とのうちの少なくとも1つと同層にかつ同材料で製造されるように配置され、前記第2の突起はフォトレジスト材料で配置されることを特徴とする。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記突起部の製造材料がフォトレジスト材料材料を含むことを特徴とする。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板のある面に垂直な方向において、前記突起部の高さは0.2~3μmであり、前記基板のある面に平行な方向において、前記突起部の幅は3~9μmであることを特徴とする。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板のある面に平行な同一の層において、前記突起部は前記表示領域を囲んで順に分布する第1の突起部と第2の突起部とを少なくとも有し、前記第1の突起部は前記第2の突起部と同層に配置され、かつ、前記第1の突起部は前記第2の突起部の内側に位置していることを特徴とする。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板のある面に平行な方向において、前記第1の突起部と前記第2の突起部との間の間隔が3~10μmであることを特徴とする。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板のある面に垂直な方向において、前記突起部は、異なる層に位置する第1の突起層と第2の突起層とを少なくとも有し、かつ前記第1の突起層は前記第2の突起層と前記基板との間に位置していることを特徴とする。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上での前記第1の突起層の正投影は前記基板上での第2の突起層の正投影と合致するか、又は前記基板上での前記第1の突起層の正投影は前記基板上での第2の突起層の正投影の外にあることを特徴とする。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記突起部が環状構造として設けられて前記表示領域を囲むように設けられ、各前記突起部は一体化した閉じた環状構造として設けられるか、又は各前記突起部は互いに間隔をあけた少なくとも2つの突起段を備えることを特徴とする。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記パッシベーション層の、前記基板から離れた側に設置された封止層をさらに備え、前記表示領域の前記基板は複数の画素領域を備え、各前記画素領域の前記基板上に少なくとも1つの有機発光素子が設置され、前記有機発光素子は前記パッシベーション層と前記封止層との間に位置することを特徴とする。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記封止層の正投影の中にあることを特徴とする。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上に設置されたバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦層とのうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記突起部の少なくとも一部が前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部が前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部が前記バッファ層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部が前記パッシベーション層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、前記基板上での前記突起部の正投影が前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあることを特徴とする。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上に設置されたバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦層とをさらに備え、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記パッシベーション層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記バッファ層の正投影の中にあることを特徴とする。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板上に設置されたバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、平坦層とをさらに備え、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記バッファ層の正投影の中にあることを特徴とする。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記表示領域の同一側に前記突起部が少なくとも2つ配置されていることを特徴とする。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、前記基板のある面に垂直な方向において、前記突起部の高さは0.2~3μmであり、前記基板のある面に平行な方向において、前記突起部の幅は3~9μmであり、前記基板のある面に平行な方向において、隣接する2つの前記突起部間の間隔は3~10μmであることを特徴とする。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示パネルは、上記いずれか1つの実施例に記載の表示基板を備える。
【0026】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板の製造方法は、表示領域と前記表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する基板を準備する工程と、前記基板上に少なくとも1つの突起部を形成する工程と、を備え、前記突起部は前記非表示領域に形成されている。
【0027】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板の製造方法は、前記基板上にパッシベーション層を形成する工程をさらに備え、前記基板と前記パッシベーション層との間に前記突起部が形成され、前記パッシベーション層は前記突起部の少なくとも一部を覆う。
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板の製造方法は、前記基板上に平坦層を形成する工程と、前記基板と前記平坦層との間にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層とのうちの少なくとも1つを形成する工程と、をさらに含み、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記バッファ層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記パッシベーション層と同層にかつ同材料で製造されるように配置される。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板の製造方法は、前記基板上にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦層とを形成する工程をさらに備え、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記バッファ層の正投影の中にあり、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記パッシベーション層と同層にかつ同材料で製造されるように配置される。
【0030】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板の製造方法は、前記基板上にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、平坦層とを形成する工程をさらに備え、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記平坦層の正投影の中にあり、前記基板上での前記突起部の正投影は前記基板上での前記バッファ層の正投影の中にあり、前記突起部の少なくとも一部は前記層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は前記突起部の少なくとも一部は前記ゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では実施例の図面について簡単に説明する。以下で説明する図面は、本開示の一部の実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0032】
図1】本開示の実施例で提供する表示基板の平面図である。
図2図1に示す表示基板のM-Nに沿った断面図である。
図3】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図4】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図5】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図6】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図7】本開示の実施例が提供する別の表示基板の平面図である。
図8】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図9】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図10】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図11】本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。
図12】本開示の実施の形態で提供する表示パネルの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下に、本開示の実施例の技術案について本開示の実施例の図面を組み合わせて、明確かつ完全に説明する。また、説明する実施例は本開示の一部の実施例であって、すべての実施例ではない。説明する本開示の実施例を基に、当業者が想像力を働かせることなく得られるすべての他の実施例は本開示の請求範囲に含まれる。
【0034】
本開示で使用される技術又は科学用語は、本開示が属する技術分野における通常の技能を有する者によって理解される通常の意味である。本開示で使用される「第1の」、「第2の」及び類似の用語はいかなる順序、数、又は重要性も示すものではなく、異なる構成要素を区別するためだけに使用される。「備える」又は「含む」などの類似の単語は、その単語の前に挙げた要素又は物品が、その単語の後に存在する要素又は物品及びその均等物を包含することを意味し、他の要素又は物品を排除するものではない。「接続」などの類似の用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的なものに関わらず電気的接続を含む。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対的な位置関係を示すものに過ぎず、記載対象の絶対的な位置が変化すると、相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0035】
本開示の少なくとも1つの実施例で提供する表示基板は、表示領域と表示領域の周囲に位置する非表示領域とを有する基板と、基板上に設置された少なくとも1つの突起部と、を備え、突起部は非表示領域内の基板上に設置されている。非表示領域において、突起部を設置することにより、外部からの水、酸素などの物質の基板内部での侵入経路を増やし、表示基板内の部品を保護することができる。
【0036】
以下、図面を組み合わせて本開示の少なくとも1つの実施例の表示基板及びその製造方法、表示パネルについて詳細に説明する。
【0037】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、図1は本開示の実施例で提供する表示基板の平面図である。表示基板は、例えば図1に示すように、基板100と基板100上に設置された突起部300と、を備え、基板100は表示領域100と表示領域100の周囲に位置する非表示領域120とを備え、突起部300は表示領域120内の基板100上に設置されている。突起部300は表示領域100の周囲に設置され、外部から水や酸素などが表示基板の内部に侵入する過程で、水や酸素などの侵入経路を増やして、表示領域110内の素子を保護する。
【0038】
本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300の配置は様々であり、本開示の少なくとも1つの実施例は、突起部300の具体的な配置方式について限定せず、表示基板の内部に水、酸素などが侵入する経路を増やすことができるものであればよい。以下、本開示の実施例の表示基板の構造について、突起部300の異なる配置方式に基づいて説明する。
【0039】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図2図1に示す表示基板のM-Nに沿った断面図である。例えば図1及び図2に示すように、表示基板は、基板100と、基板100上に設置されたパッシベーション層200と、を備える。例えば、本開示の一部の実施例では、突起部300は、水、酸素などがパッシベーション層200の表面に沿って表示基板の内部に侵入する経路を増やすように配置されてもよい。例えば、本開示の別の実施例では、突起部300は、水、酸素が他の構造に沿って表示基板の内部に侵入する経路を増やすように配置されてもよい。
【0040】
以下、突起部300を設けることにより水、酸素などがパッシベーション層200の表面に沿って表示基板の内部に侵入する経路を増やすということを例として、表示基板の具体的な構造について説明する。
【0041】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図2に示すように、表示基板は、基板100上に配置されたパッシベーション層200を含み、突起部300はパッシベーション層200と基板100との間に位置し、パッシベーション層200は突起部300を少なくとも部分的に覆う。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図2に示すように、非表示領域120において、パッシベーション層200が突起部300に沿って配置されることにより、パッシベーション層200の、基板100に対向する面の表面積が増加して、外部の水、酸素が表示基板の内部に入る経路が増え、突起部300は表示基板上でのパッシベーション層200の接着面積を増加させて、表示基板上でのパッシベーション層200の接着強度を高め、表示基板の封止効果を向上させている。例えば、パッシベーション層200は、すべての突起部300を覆うように配置されてもよく、基板100上での突起部300の正投影は基板100上でのパッシベーション層200の正投影の中にあってよい。
【0042】
本開示の少なくとも1つの実施例では、表示基板における基板100の製造材料について限定しない。基板100の製造材料としては、例えば、ガラス基板、石英基板又は樹脂系材料であってもよく、樹脂系材料としては、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのうちの一種又は複数であってもよい。
【0043】
本開示の少なくとも1つの実施例では、パッシベーション層200の製造材料について限定しない。例えば、パッシベーション層200の製造材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiN)、又は他の適切な材料を含むことができる。
【0044】
本開示の技術案における各構成要素の位置を説明するために、図1及び図2に示すように、表示基板における基板100を基準として3次元座標系を設定し、表示基板における各構成要素の方向性を指定する。例えば、上記の3次元座標系において、X軸及びY軸の方向は基板100がある面に平行な方向であり、Z軸は基板100がある面に垂直な方向である。
【0045】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板はアレイ基板である。例えば図1及び図2に示すように、表示領域110の基板100は複数の画素領域111を備え、各画素領域111には薄膜トランジスタ400などのスイッチング素子が少なくとも1つ配置されている。それに対応して、例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板は基板100とパッシベーション層200との間に配置されたバッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430とのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0046】
本開示の少なくとも1つの実施例において、バッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430の製造材料については限定せず、実際の需要に応じて適宜選択することができる。
【0047】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、バッファ層410の製造材料は、シリコン酸化物(SiO)又はシリコン窒化物(SiN)を含むことができる。例えば、当該バッファ層410は窒化シリコン又は酸化シリコンからなる単層構造であってもよいし、窒化シリコンと酸化シリコンとからなる二層構造であってもよい。
【0048】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、ゲート絶縁層420の製造材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)又は他の適切な材料などを含むことができる。
【0049】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、層間絶縁層430は単層構造であってもよいし、2層以上の構造であってもよい。例えば、層間絶縁層430の材料は窒化シリコン、酸化シリコンなどの無機絶縁材料を含んでいてもよく、有機絶縁材料であってもよい。
【0050】
本開示の少なくとも1つの実施例において、薄膜トランジスタ400の具体的な構造については限定しない。例えば、薄膜トランジスタ400は、活性層、ゲート電極とソース電極(ソース電極とドレイン電極を含む)などの構造をさらに含んでもよい。薄膜トランジスタ400内の活性層、ゲート電極とソースドレイン電極層などの部品が水分や酸素などの影響を受けて、薄膜トランジスタ400の電気的特性が低下する場合がある。基板100とパッシベーション層200との間に配置された突起部300は、基板100とパッシベーション層200との間から表示基板の内部に水、酸素が進入する経路を増やして薄膜トランジスタ400を保護することができる。例えば、薄膜トランジスタ400は、ボトムゲート型薄膜トランジスタ、トップゲート型薄膜トランジスタ又はダブルゲート型薄膜トランジスタなどであってもよい。
【0051】
なお、突起部300の設置は上述した薄膜トランジスタ400だけを保護するのではなく、表示基板内の、例えば、基板100とパッシベーション層200との間にある他の部材を保護することもできる。保護が必要な部品と突起300の設置位置との間の関係は実際の状況に応じて設計することができ、本開示の少なくとも1つの実施例では限定しない。
【0052】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板にバッファ層410を設けるか否かについては限定しない。例えば、薄膜トランジスタがボトムゲート型の薄膜トランジスタ又はデュアルゲート型の薄膜トランジスタである場合には、表示基板にバッファ層410を設けなくてもよい。以下、表示基板にバッファ層410が設置された場合を例として、本開示の以下の実施例について説明する。
【0053】
本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300の具体的な構造及び配置位置については、表示基板の内部に水、酸素などが侵入する経路を増やすことができるものであればよく、限定はしない。以下、本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300の設置位置及び設置構造についてそれぞれ説明する。
【0054】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図2に示すように、突起部300はパッシベーション層200と、層間絶縁膜430と、ゲート絶縁膜420と、バッファ層410と、基板100とのうちの少なくとも2つの隣接する層の間に配置されてもよい。例えば、少なくとも1つの突起部300がパッシベーション層200と層間絶縁膜430との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの突起部300が層間絶縁層430とゲート絶縁層420との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの突起部300がゲート絶縁層420とバッファ層410との間に設けられ、及び/又は少なくとも1つの突起部300がバッファ層410と基板100との間に設けられる。例えば、表示基板にはバッファ層410が配置されておらず、少なくとも1つの突起部300はゲート絶縁層420と基板100との間に設けてもよい。
【0055】
例えば、図2に示すように、バッファ層410とゲート絶縁層420との間に突起部300を設置することにより、バッファ層410とゲート絶縁層420との界面から表示基板の内部に水、酸素などが侵入する経路を増やすことができる。また、ゲート絶縁層420上の層間絶縁層430とパッシベーション層200も突起部300に対応する非平坦部を形成するため、ゲート絶縁層420と層間絶縁層430との間の界面及び層間絶縁層430とパッシベーション層200との間の界面の面積が増加し、これに対応して、ゲート絶縁層420と層間絶縁層430との間の界面及び層間絶縁層430とパッシベーション層200との間の界面に沿って水、酸素が表示基板の内部に侵入する経路が増え、ゲート絶縁層420と層間絶縁層430との間及び層間絶縁層430とパッシベーション層200との間の接続の強度が高まり、表示基板の封止効果が向上する。
【0056】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施の形態において、図3は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図3に示すように、表示基板の内のバッファ層410、ゲート絶縁層420及び層間絶縁層430のうち少なくとも1つの非表示領域120にある部分は、突起部300の少なくとも一部として設置されている。これにより、表示基板の製造工程を簡略化でき、コストを低減できる。例えば、突起部300の少なくとも一部が層間絶縁層430と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部がゲート絶縁層420と同層にかつ同材料で製造されるように設置される。例えば、表示基板にバッファ層410を設け、突起部300の少なくとも一部もバッファ層410と同層にかつ同材料で製造されるように設置してもよい。
【0057】
例えば、図3に示すように、表示基板内のゲート絶縁層420の、非表示領域120に位置する部分、及び層間絶縁層430の、非表示領域120に位置する部分は突起部300として構成される。例えば、表示用基板を製造する過程において、基板100上にゲート絶縁層420及び層間絶縁層430を形成した後、非表示領域120内のゲート絶縁層420及び層間絶縁層430をパターニング処理して、非表示領域120内のゲート絶縁層420及び層間絶縁層430に突起部300を形成する。例えば、薄膜トランジスタを製造する工程において、ゲート絶縁層420及び層間絶縁層430にソースドレイン電極層と活性層とを連通するビアホールを形成する必要があるので、パターニング工程によって当該ビアホールを形成すると同時に突起部300を製造することができる。
【0058】
本開示の少なくとも1つの実施例において、パターニング工程は、例えば、フォトリソグラフィー工程であってよく、例えば、パターニングすべき構造層上にフォトレジスト材料膜を塗布する工程を含み、フォトレジスト材料膜の塗布はスピンコーティング、ナイフコーティング又はロールコーティングにより行われてよい。次に、マスクプレートを用いてフォトレジスト材料層を露光し、露光されたフォトレジスト材料層を現像してフォトレジスト材料パターンを得る。その後、フォトレジスト材料パターンを使用して構造層をエッチングし、任意でフォトレジスト材料パターンを除去する。最後に、残ったフォトレジスト材料を剥離して所望のパターン構造を形成する。
【0059】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図4は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図4に示すように、突起部300の少なくとも一部は1つの第1の突起301と1つの第2の突起302の積層を含むように配置され、第1の突起301は、層間絶縁層430と、ゲート絶縁層420と、バッファ層410とのうちの少なくとも1つと同層にかつ同材料で製造されるように配置され、第2の突起302はフォトレジスト材料で配置される。例えば、突起部300は、Z軸に平行な方向に交互に配置された複数の第1の突起301と複数の第2の突起302とを備える。これにより、Z軸に平行な方向における突起部300の高さ(突起部300の基板100から離れた一端から突起部300の基板100に近づく他端までの距離)をさらに高くすることができ、水や酸素が表示基板の内部に侵入する経路を増やすことができるとともに、表示基板の製造工程を簡略化し、コストを低減することができる。
【0060】
例えば、図4に示すように、表示基板内の各突起は2つの第1の突起301と2つの第2の突起302とを備え、2つの第1の突起301はそれぞれゲート絶縁層420及び層間絶縁層430とそれぞれ同層に同材質で製造されるように配置され、各第1の突起301の基板100から離れた表面に第1の突起301自体に接する第2の突起302が配置され、第2の突起302はフォトレジスト材料である。例えば、表示基板を製造する過程において、ゲート絶縁層420を形成した後、これをパターニング処理して、ゲート絶縁層420の、非表示領域120に位置する部分を第1の突起301として形成し、第1の突起301が形成された基板上にフォトレジスト材料層を塗布し、露光及び現像して第2の突起302を形成する。これに対応して、層間絶縁層430についても上記の処理工程を行うことができる。これにより、非表示領域120の基板100上に、2つの第1の突起301と2つの第2の突起302とが交互に配置された積層、つまり図4に示すような突起部300を形成することができる。
【0061】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300は非表示領域120の基板100上に単独で配置されてもよい。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300の製造材料は、フォトレジスト材料を含んでよい。例えば、非表示領域120の基板100上にフォトレジスト材料を塗布し、マスクプレートを介してこれを露光した後現像して、フォトレジスト材料の残りの部分を突起300として形成することができる。上記方法により突起部300を製造する工程は簡単で、表示基板内の他の構造に影響を与えない。
【0062】
本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部300の具体的な構造設計は前述の幾つかの組み合わせに限定されず、実際の必要に応じて設計することができ、本開示の少なくとも1つの実施例は突起部300の具体的な構造について限定しない。
【0063】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図5は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図5に示すように、基板100のある面に平行な同一の層において、突起部300は表示領域110を囲んで順に分布する第1の突起部311と第2の突起部312とを少なくとも有し、第1の突起部311は第2の突起部312と同層に配置され、かつ、第1の突起部311は第2の突起部312の内側に位置している。多層突起部300は、外部からの水、酸素が表示基板内部に侵入する経路をさらに増やし、表示基板の封止効果をさらに向上させることができる。
【0064】
本開示の少なくとも1つの実施例において、同じ層に配置される異なる突起部300の高さ(基板100から離れた突起部300の一端から基板100に近づく突起部300の他端までの距離)の関係については限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板の外層に位置する突起部300の高さは、内層に位置する突起部300の高さより高く設定されてもよい。例えば、図5に示すように、第2の突起部312の高さH2は第1の突起部311の高さH1よりも大きい。内層に位置する第1の突起部311の高さH1は表示領域110の構造に悪影響を及ぼさないように低く、外層に位置する第2の突起部312の高さH2は高く、水、酸素の侵入経路を増やして表示基板の封止効果を向上させることができる。
【0065】
本開示の少なくとも1つの実施例において、同層に設置された隣接する突起部300の間隔距離については限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、隣接する突起部300(例えば、第1の突起部311と第2の突起部312)間の間隔は約1~20μm、さらには約3~10μmである。例えば、図5に示すように、基板100のある面に平行な方向における第1の突起部311と第2の突起部312との間隔Sは約3~10μmである。
【0066】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図6は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図6に示すように、基板100のある面に垂直な方向において、突起部300は、異なる層に位置する第1の突起層321と第2の突起層322とを少なくとも有し、かつ第1の突起層321は第2の突起層322と基板100との間に位置している。多層の突起部300を設けることにより、水、酸素などが表示基板内部に侵入する経路をさらに増やすことができ、表示基板の封止効果を向上させることができる。
【0067】
例えば、図6に示すように、バッファ層410とゲート絶縁層420との間に第1の突起層321を設け、ゲート絶縁層420と層間絶縁層430との間に第2の突起層322を設けてもよい。本開示の少なくとも1つの実施例では、突起部300が異なる層に配置されるという状況に関して、突起部300が配置される層の数、具体的な位置と数については限定せず、実際の必要に応じて配置することができる。
【0068】
本開示の少なくとも1つの実施例は、異なる層の突起部300の間の相対的な位置関係について限定しない。
【0069】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図6に示すように、基板100上での第1の突起層321の正投影は基板100上での第2の突起層322の正投影と合致し、つまり、第1の突起部321と第2の突起部322は合致するように配置されてもよい。
【0070】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、基板100上での第1の突起層321の正投影は基板100上での第2の突起層322の正投影の外にあり、つまり、第1の突起層321と第2の突起層322とは交錯するように配置されてもよい。
【0071】
本開示の少なくとも1つの実施例は、突起部300の寸法について限定せず、実際の必要に応じて設計してもよい。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図2に示すように、基板100のある面に垂直な方向において、突起部300の高さHは0.2~3μmであってもよく、基板100のある面に平行な方向において、突起部300の幅Wは3~9μmであってもよい。
【0072】
本開示の少なくとも1つの実施例において、基板100上における突起部300の配置方式については限定せず、水、酸素などが表示基板の内部に侵入する経路を増やすことができるものであればよい。
【0073】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図1に示すように、突起部300は環状構造として設けられて表示領域110を囲むように設けられ、かつ突起部300は表示領域110を部分的に囲むように設けてもよく、又は環状構造として設けられて表示領域110を囲むように設けてもよく、各突起部300は一体化された閉じた環状構造として設けてもよい。これにより、突起部300は表示領域110全体の部材を保護することができる。
【0074】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図7は本開示の実施例が提供する別の表示基板の平面図である。図7に示すように、突起部300は環状構造として設けられて表示領域110を囲むように設けられ、各突起部300は互いに間隔をあけた少なくとも2つの突起段330を備えるように配置されてもよい(例えば、第1の突起段331、第2の突起段332などを含む)。表示基板の厚さが過度に厚くなり、後続の製造工程の不良などが発生しないように、表示基板の具体的な構造に応じて、突起段330を配置することができる。
【0075】
本開示の少なくとも1つの実施例は突起段330の長さについて限定せず、実際のプロセス条件に応じて設計することができる。例えば、図7に示すように、表示基板の同一側において、突起段330の長さと表示基板の辺の長さとの比は1/3以上、さらには2/3以上である。例えば、図7に示すように、表示基板のS1側において、第1の突起段331の、Y方向と平行に延在する長さと表示基板のS1側の辺の長さとの比は1/3以上であり、表示基板のS2側において、第2の突起段332の、X方向と平行に延在する長さと表示基板のS2側の辺の長さとの比は1/3以上である。同様に、表示基板のS3、S4側において、突起段330の長さとは表示基板の辺の長さとの比は1/3以上である。
【0076】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板上における突起部300の延在形状について限定しない。例えば、Z軸に平行な方向から見たとき、基板100のある面に平行な、突起部300(例えば、突起段330)の延在形状(屈曲した延在形状を除く)は直線状、波状等であってもよい。例えば、図7に示すように、第1の突起段331の、Y軸方向に平行な方向での延在形状、又は、第2の突起段332の、X軸方向に平行な方向での延在形状は直線状である。
【0077】
本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板の種類については限定しない。例えば、本開示の一部の実施例において、表示基板は液晶ディスプレイ用アレイ基板であってもよい。例えば、本開示の他の実施例において、表示基板は有機発光ダイオード(OLED、Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ用のアレイ基板であってもよい。
【0078】
本開示の少なくとも1つの実施例では、異種の表示基板に対して突起部300の配置形態を適宜調節するか、又は表示基板内の他の構成要素の構造を突起部300と連係させるように調節して、表示基板の封止効果をさらに向上させることができる。以下、表示基板がOLEDアレイ基板である場合を例として、表示基板の構成についてさらに説明する。
【0079】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図8は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。図8に示すように、表示基板は、パッシベーション層200の、基板100から離れた側に配置された封止層600を含んでもよく、各画素領域111の基板100上には、封止層600とパッシベーション層200との間に少なくとも1つの有機発光素子800が配置されてもよい。画素領域111の分布は、図1で示した関連内容を参照することができる。突起部300を設けることにより基板100とパッシベーション層200との間から水分、酸素などが有機発光素子800の内部に侵入することを防止して有機発光素子を保護することができる。
【0080】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図8に示すように、有機発光素子800は第1の電極810と、有機発光層820と、第2の電極620とを含んでもよく、有機発光層820は第1の電極810と第2電極830との間にある。薄膜トランジスタ400内のソースドレイン電極層は有機発光ダイオード800内の第1の電極810と電気的に接続されて有機発光ダイオード800を駆動する。有機発光素子800の構造は上述したものに限定されず、例えば、有機発光素子800は、第1の電極810と第2電極830との間にある正孔注入層、正孔輸送層、電子伝搬層、電子注入層などの構造をさらに含むことができ、さらには正孔ブロック層と電子ブロック層を含んでもよく、正孔ブロック層は電子伝搬層と有機発光層820との間に配置することができ、電子ブロック層は正孔輸送層と有機発光層820との間に配置することができる。
【0081】
本開示の少なくとも1つの実施例は、有機発光素子800内の第1の電極810と第2の電極830の製造材料について限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、第1の電極810と第2電極830のうちの一方は陽極であってもよく、他方は陰極であってもよい。陽極は、例えば、仕事関数の高い透明導電性材料からなり、電極材料は酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)、カーボンナノチューブなどを含んでもよく、陰極は、例えば、高導電性かつ低仕事関数の材料からなり、電極材料はマグネシウム-アルミニウム合金(MgAl)、リチウム-アルミニウム合金(LiAl)などの合金、又はマグネシウム、アルミニウム、リチウム、銀などの単金属を含んでもよい。
【0082】
本開示の少なくとも1つの実施例は、有機発光素子800内の有機発光層820の製造材料について限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、有機発光層820の材料は発光色の違いによって選択される。例えば、有機発光層820の製造材料としては蛍光発光材料や燐光発光材料が挙げられる。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、有機発光層820は、ホスト発光材料にドーパント材料を混合することによって利用可能な発光材料を得るドーピング系を採用することができる。例えば、ホスト発光材料としては、金属化合物材料、アントラセンの誘導体、芳香族ジアミン系化合物、トリフェニルアミン化合物、芳香族トリアミン系化合物、ビフェニルジアミン誘導体、又はトリアリールアミンポリマーなどを用いることができる。
【0083】
本開示の少なくとも1つの実施例は、封止層600の製造材料と具体的な構造について限定しない。例えば、封止層600は単層構造であってもよく、少なくとも2層の適合構造であってもよい。例えば、封止層600の製造材料は窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、酸化窒化シリコン(SiN)、高分子樹脂などの絶縁物質を含んでもよい。
【0084】
本開示の少なくとも1つの実施例は、基板100上の封止層600の分布範囲について限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、基板100上での突起部300の正投影は基板100上での封止層600の正投影の中にあり、つまり、封止層600は突起部300が位置する領域まで伸びる。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、基板100上での突起部300の正投影は基板100上での封止層600の正投影の外にある。基板100上での封止層600の分布は表示基板の後続の封止構造に関連し、封止層600の異なる配置方式は以下に示す実施例(図12で示す表示パネルに関する実施例)の関連内容を参照でき、本開示の少なくとも1つの実施例はここで改めて言及しない。
【0085】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図8に示すように、表示基板は、基板100上に配置された画素規定層700をさらに含むことができ、有機発光素子800は画素規定層700によって限定された領域内に配置される。
【0086】
本開示の少なくとも1つの実施例は、画素規定層700の具体的な構造と製造材料などについて限定しない。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、画素規定層700は1層又は2層構造であってもよく、多層の複合層構造であってもよい。例えば、画素規定層700は少なくとも第1の規定層と第2の規定層との積層を含んでもよく、第1の規定層は、例えば、親水性有機材料から形成されてもよく、第2の規定層は、例えば、疎水性有機材料から形成されてもよい。第1の規定層は基板100と第2の規定層との間に位置し、例えば、インクジェット印刷によって有機発光素子800の一部の構造(例えば、有機発光層820など)を製造する際に、親水性の第1の規定層はインクジェット材料を画素規定層700によって限定された領域に吸着固定し、疎水性の第2の規定層はその上に落ちたインクジェット材料を滑り落として、画素規定層700によって限定された領域に移動させ、製造される表示基板の合格率を向上させることができる。
【0087】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図8に示すように、表示基板は、有機発光素子800とパッシベーション層200との間に配置される平坦層500をさらに含むことができる。表示基板の製造工程において、平坦層500は表示基板を平坦化して、後続のプロセスを容易にすることができる。本開示の少なくとも1つの実施例は、平坦層500の製造材料について限定しない。例えば、平坦層500の製造材料は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、又は他の適切な材料などの有機材料であってもよい。
【0088】
本開示の少なくとも1つの実施例において、突起部の配置方式は、パッシベーション層の表面に沿って表示基板の内部に水、酸素などが侵入する経路を増やすということに限定されない。
【0089】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図9は本開示の実施例が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図9に示すように、表示基板は、基板100上に順に設置されたバッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200と、平坦層500とのうちの少なくとも1つをさらに備える。バッファ層410、ゲート絶縁層420、層間絶縁層430、パッシベーション層200、平坦層500の配置選択は実際の要求に応じて設計することができ、本開示の少なくとも1つの実施例はこれについて限定しない。以下、表示基板にバッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200と、平坦層500とが共に配置された形態を例として、本開示の以下の実施例の内容について説明する。
【0090】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図9に示すように、突起部300の少なくとも一部は層間絶縁層430と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部はゲート絶縁層420と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部はバッファ層410と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300はの少なくとも一部はパッシベーション層200と同層にかつ同材料で製造されるように設置される。例えば、基板100上での突起部300の正投影は基板100上での平坦層500の正投影の中にある。例えば、表示基板を製造する過程において、基板100上に、バッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200とを順次形成した後、非表示領域120内のバッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200とをパターニングして、バッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200とのうちの非表示領域120に位置する部分が突起部300を形成するようにし、その後、基板100上に平坦層500を覆うことができる。突起部300は、水、酸素などが表示基板の内部に侵入する経路を増やすだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げなどの操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。
【0091】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図10は本開示の実施の形態が提供する別の表示基板の部分断面図である。例えば、図10に示すように、表示基板は、基板100上に設置されたバッファ層410、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200と、平坦層500とを備えている。図10に示すように、突起部300の少なくとも一部は層間絶縁層430と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部はゲート絶縁層420と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部はパッシベーション層200と同層にかつ同材料で製造されるように設置される。例えば、Z軸に平行な方向において、基板100上での突起部300の正投影は基板100上でのバッファ層410の正投影の中にあり、かつ基板100上での突起部300の正投影は基板100上での平坦層500の正投影の中にある。
【0092】
例えば、表示基板を製造する過程において、基板100上に、バッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200とを順次形成した後、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200との非表示領域120内の部分をパターニングして、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、パッシベーション層200とのうちの非表示領域120内に位置する部分が突起部300を形成するようにし、その後、基板100上に平坦層500を覆う。バッファ層410は、基板100の非表示領域120、例えば、突起部300のある領域まで延在して、基板100及び基板100上に配置された構造の間でバッファとして機能し、基板100上に配置された構造を保護することができる。これにより、表示基板の内部への水、酸素等の侵入経路を増やすことができるだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げなどの操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。
【0093】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図11は本開示の実施例が提供する表示基板の部分断面図である。例えば、図11に示すように、表示基板は、基板100上に設置されたバッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430と、平坦層500とを備えている。図11に示すように、突起部300の少なくとも一部は層間絶縁層430と同層にかつ同材料で製造されるように設置され、及び/又は突起部300の少なくとも一部はゲート絶縁層420と同層にかつ同材料で製造されるように設置される。例えば、Z軸に平行な方向において、基板100上での突起部300の正投影は基板100上でのバッファ層410の正投影の中にあり、基板100上での突起部300の正投影は、基板100上での平坦層500の正投影の中にある。
【0094】
例えば、表示基板を製造する過程において、基板100上に、バッファ層410と、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430とを順次形成した後、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430との非表示領域120内の部分をパターニングして、ゲート絶縁層420と、層間絶縁層430とのうちの非表示領域120内に位置する部分が突起部300を形成するようにし、その後、基板100上に平坦層500を覆う。これにより、表示基板内に設けられる突起部300は、表示基板の内部への水、酸素等の侵入経路を増やすことができるだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げなどの操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。また、表示基板において、図10に示すようなパッシベーション層200を設けず、平坦層500をパッシベーション層200の代わりとすることで、表示基板の厚さをさらに低減することができ、表示基板の薄型化に貢献できる。このほか、バッファ層410は基板100の非表示領域120、例えば、突起部300のある領域まで伸びて基板100と基板100上に配置された構造の間でバッファとして機能し、基板100上に配置された構造を保護することができる。
【0095】
本開示の少なくとも1つの実施例において、表示基板の表示領域110の周囲に多層の突起部300を配置することによって、水、酸素などが表示基板に侵入する過程で多層の突起部300によって遮断され、突起部300による表示基板の封止効果をさらに向上させる。
【0096】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図11に示すように、表示基板の表示領域110と同一側に少なくとも2つの突起部300が配置されてもよい。例えば、基板100のある面に垂直な方向における突起部300の高さは約0.2~3μmであり、基板100のある面に平行な方向における突起部300の幅は約3~9μmであり、基板100のある面に平行な方向における、隣接する2つの突起部300の間隔は約3~10μmである。突起部300の寸法設置に関しては、前述の実施例(例えば、図5に示す実施例)の関連内容を参照してもよく、本開示の少なくとも1つの実施の形態はここで改めて言及しない。。
【0097】
本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示パネルは、上記のいずれかの実施例の表示基板を備えたものである。本開示の少なくとも1つの実施例は表示パネルの種類について限定しない。
【0098】
例えば、本開示の実施例の一例において、当該表示パネルは液晶表示パネルであってもよく、例えば、表示基板は当該液晶表示パネルのアレイ基板であって、表示パネルはカラーフィルム基板をさらに含んでもよく、カラーフィルム基板とアレイ基板は液晶セルに組み込まれており、液晶セルに液晶材料が充填されてもよい。アレイ基板の各画素ユニットの画素電極と共通電極は、電界を印加して液晶材料の回転度を制御して表示操作を行うために使用される。
【0099】
例えば、本開示の実施例の一例において、当該表示パネルは有機発光ダイオード(OLED)表示パネルであってもよく、当該表示パネルのサブ画素領域には有機発光物質の積層が形成され、各画素ユニットの画素電極は、有機発光物質を発光駆動する陽極又は陰極として表示操作を実行することに用いられる。
【0100】
例えば、本開示の実施例の一例において、当該表示パネルは電子ペーパー表示パネルであってもよく、当該表示パネルの表示基板上に電子インク層を形成することができ、各画素ユニットの画素電極は、電子インク内の帯電微粒子を移動させて表示操作を行うための電圧を印加するものである。
【0101】
以下、表示パネルがOLED表示パネルである場合、及び表示パネルにおける表示基板がOLEDアレイ基板である場合を例として、本開示の実施例における表示パネルの具体的な構造について説明する。
【0102】
図12は本開示の実施例で提供する表示パネルの部分断面図である。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図12に示すように、表示パネルは、基板100と対向配置された対向基板1100、及び対向基板1100と基板100との間に配置された封止セメント900、充填層1000などの構造をさらに含むことができる。
【0103】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、図12に示すように、Z軸に平行な方向において、突起部300が位置する領域を覆うように封止セメント900を設けてもよい。封止セメント900は表示基板と対向基板1100とを接続し、表示パネル内部に外部の物質が侵入しないように封止することができる。
【0104】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、図12に示すように、封止層600は例えば封止セメント900と接触してもよく、つまり、基板100上での突起部300の正投影は基板100上での封止層600の正投影の中にある。突起部300が設置された領域において、封止層600にも突起部300に対応する非平坦部分が形成されることにより、当該領域内の封止セメント900と封止層600との接触面積が増加し、これにより、封止セメント900と封止層600との界面に沿って水、酸素などが表示パネルの内部に侵入する経路を増やすことができるだけでなく、封止セメント900と封止層600との間の接続の強度が高まり、表示パネルの封止効果を向上させることができる。
【0105】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、封止層600は封止セメント900と接触しておらず、つまり、基板100上での突起部300の正投影は基板100上での封止層600の正投影の中にある。突起部300が設置された領域において、パッシベーション層200にも突起200に対応する非平坦部が形成されることにより、当該領域内の封止セメント900とパッシベーション層200との接触面積が増加し、これにより、封止セメント900と封止層600との界面に沿って水、酸素などが表示パネルの内部に侵入する経路を増やすことができることができるだけでなく、封止セメント900と封止層600との間の接続の強度が高まり、表示パネルの封止効果を向上させることができる。
【0106】
本開示の少なくとも1つの実施例は、封止セメント900の製造材料について限定しない。例えば、封止セメント900の製造材料は、有機材料、無機材料又は有機材料と無機材料との組み合わせを含んでもよい。有機物は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーンゲル、アクリレート、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含んでもよく、無機材料は、水ガラスなどを含んでもよい。
【0107】
対向基板1100と表示基板とを貼り合わせた後、封止セメント900を硬化して(例えば、紫外線照射硬化や熱硬化など)表示パネルの封止が完了する。例えば、封止セメント900は、圧制、溶融、冷却、反応硬化又はこれらの組み合わせによってその硬化を完成してもよい。圧制により硬化する材料は感圧接着剤を含んでもよい。溶融と冷却により硬化する材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどのホットメルト接着剤を含んでもよい。反応硬化による材料は、アクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサン又はこれらの組み合わせを含んでもよく、反応硬化は熱硬化又は紫外線硬化などを含むことができる。
【0108】
本開示の少なくとも1つの実施例は、充填層1000の製造材料について限定しない。例えば、充填層31の材料は、乾燥剤を含む高分子材料や水蒸気を遮断可能な高分子材料など、例えば、高分子樹脂等であってもよく、吸水性材料であってもよく、例えば、アルカリ金属(例えば、Li、Na)、アルカリ土類金属(例えばBa、Ca)又はその他の湿気反応性金属(例えばAl、Fe)、アルカリ金属酸化物(例えば、LiO、NaO)、アルカリ土類金属酸化物(例えば、MgO、CaO、BaO)、硫酸塩(例えば、無水MgSO)、金属ハロゲン化物(例えば、CaCl)、又は過塩素酸塩(例えば、Mg ( ClO)などであってもよい。
【0109】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例において、OLED表示パネルには封止セメント900、充填層1000、対向基板1100などの構造を設けなくてもよく、例えば、封止層600のみでOLED表示パネルの封止を完了することができる。
【0110】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、表示パネルの表示基板はフレキシブル表示の分野に適用されるフレキシブル基板であってもよい。例えば、本開示の実施例が提供する表示パネルでは、表示基板上にタッチ基板を設けることにより表示パネルにタッチ表示機能を持たせることができる。
【0111】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例において、当該表示パネルはテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、腕時計、タブレット、ノートパソコン、ナビゲーションなどの表示機能を有する任意の製品又は部品であってもよい。
【0112】
なお、明瞭にするために、当該表示パネルのすべての構造については説明しない。表示パネルの必要な機能を実現するために、当業者は具体的な応用場面によって他の構造を設置することができ、本開示はこれについて限定しない。
【0113】
本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板の製造方法は、表示領域と、表示領域の周囲にある非表示領域とを有する基板を準備する工程と、基板に少なくとも1つの突起部を形成する工程と、を備え、突起部は非表示領域に形成されている。上記製造方法により得られる表示基板では、突起部を設置することにより、外部からの水、酸素などの物質の基板内部での侵入経路を増やし、表示基板内の部品を保護することができる。
【0114】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板の製造方法は、基板上にパッシベーション層を形成する工程をさらに備え、突起部は基板とパッシベーション層との間に形成され、パッシベーション層の少なくとも一部は突起部を覆う。これにより、上記製造方法により得られた表示基板において、突起部は水、酸素等がパッシベーション層の表面に沿って表示基板内部に侵入する経路を増やし、表示基板内の部品を保護することができる。
【0115】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板の製造方法は、基板上に平坦層を形成する工程と、基板と平坦層との間にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層とのうちの少なくとも1つを形成する工程と、をさらに備え、基板上での突起部の正投影は基板上での平坦層の正投影の中にあり、突起部の少なくとも一部は層間絶縁層と同層にかつ同材料で形成され、及び/又は突起部の少なくとも一部はゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は突起部の少なくとも一部はバッファ層と同層にかつ同材料で形成され、及び/又は突起部の少なくとも一部はパッシベーション層と同層にかつ同材料で形成されている。これにより、上記製造方法により得られた表示基板において、突起部は、水、酸素などが表示基板の内部に侵入する経路を増やすだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げなどの操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。
【0116】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板の製造方法は、基板上にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦層とを形成する工程とをさらに含み、基板上での突起部の正投影は基板上での平坦層の正投影の中にあり、基板上での突起部の正投影は基板上でのバッファ層の正投影内の中にあり、突起部の少なくとも一部は層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は突起部の少なくとも一部はゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は突起部の少なくとも一部はパッシベーション層と同層にかつ同材料で製造されるように配置されている。これにより、上記製造方法により得られる表示基板では、水、酸素などが表示基板の内部に侵入する経路を増やすだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げ操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。
【0117】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板の製造方法は、基板上にバッファ層と、ゲート絶縁層と、層間絶縁層と、平坦層とを形成する工程をさらに備え、基板上での突起部の正投影は基板上での平坦層の正投影の中にあり、基板上での突起部の正投影は基板上でのバッファ層の正投影の中にあり、突起部の少なくとも一部は層間絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置され、及び/又は突起部の少なくとも一部はゲート絶縁層と同層にかつ同材料で製造されるように配置されている。これにより、上記製造方法により得られた表示基板において、突起部は、表示基板の内部への水、酸素等の侵入経路を増やすことができるだけでなく、表示基板の応用(例えば、表示基板はフレキシブル表示基板であってもよく、表示基板は応用過程で折り曲げ操作がなされる)過程で、クラックが生じる確率を低減するなど損傷を減少させ、外部からの水、酸素などが表示基板の内部に侵入するリスクを低減することができる。また、表示基板において、パッシベーション層を形成せず、表示基板の厚さをさらに低減することができ、表示基板の薄型化に貢献できる。このほか、バッファ層は基板の非表示領域まで伸びて基板と基板上に配置された構造の間でバッファとして機能し、基板上に形成された構造を保護することができる。
【0118】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板及びその製造方法、表示パネルを提供し、以下の有益な効果のうちの少なくとも1つを有する。
(1)本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板では、非表示領域に設置された突起部によって表示基板の内部への水、酸素等の侵入経路を増やすことができ、表示基板のパッケージング効果を向上させる。
(2)本開示の少なくとも1つの実施例が提供する表示基板では、突起部は、表示基板内の各層構造(例えば、パッシベーション層と層間絶縁層)間の接続の強度を高めることができ、表示基板のパッケージング効果を向上させる。
【0119】
本開示について、さらに以下の点について説明しておく。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造のみに関するものであり、他の構造は一般的な設計を参照することができる。
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するために使用される図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小されており、つまり、これらの図面は実際の縮尺で描かれているのではない。
(3)矛盾することがなければ、本開示における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0120】
以上の内容は本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されず、請求項によって定義される保護範囲に基づくものとする。
【符号の説明】
【0121】
100 基板
110 表示領域
111 画素領域
120 非表示領域
200 パッシベーション層
300 突起部
301 第1の突起
302 第2の突起
311 第1の突起部
312 第2の突起部
321 第1の突起層
322 第2の突起層
330 突起段
331 第1の突起段
332 第2の突起段
400 薄膜トランジスタ
410 バッファ層
420 ゲート絶縁層
430 層間絶縁層
500 平坦層
600 封止層
700 画素規定層
800 有機発光素子
810 第1の電極
820 有機発光層
830 第2の電極
900 封止セメント
1000 充填層
1100 対向基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12