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特許7196114容量性チャネルを形成するスリップリングアセンブリを有する外科用シャフトアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】容量性チャネルを形成するスリップリングアセンブリを有する外科用シャフトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20221219BHJP
   H01R 39/10 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61B17/00
H01R39/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019572208
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 IB2018053706
(87)【国際公開番号】W WO2019002976
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-17
(31)【優先権主張番号】15/635,707
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-525638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 - 17/94
H01R 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリップリングアセンブリを備える外科用シャフトアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリが、
第1のコネクタと、
前記第1のコネクタ上に装着された第1の導体と、
前記第1の導体上の第1の防水絶縁層と、
前記第1のコネクタに対して回転可能な第2のコネクタと、
前記第2のコネクタ上に装着された第2の導体と、
前記第2の導体上の第2の防水絶縁層と、
前記第1の防水絶縁層と前記第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層と、を備え、
前記第1の導体及び前記第2の導体が、これらの導体の間に容量性チャネルを形成するように構成されている、外科用シャフトアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも1つが、スリップリングを備える、請求項1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項3】
前記誘電体層が、前記第1の防水絶縁層に固定可能に接続されている、請求項1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項4】
前記誘電体層が、PZTを含む、請求項1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の防水絶縁層及び前記第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、請求項1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、請求項1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、前記制御回路が、前記容量性チャネルを通して前記エンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、請求項6に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項8】
外科用シャフトアセンブリであって、
第1のシャフト部分であって、
第1のスリップリングと、
前記第1のスリップリング上に装着された第1の複数の導体と、
前記第1のスリップリング上の第1の防水絶縁層と、を備える、第1のシャフト部分と、
前記第1のシャフト部分に対して回転可能な第2のシャフト部分であって、
第2のスリップリングと、
前記第2のスリップリング上に装着された第2の複数の導体と、
前記第2のスリップリング上の第2の防水絶縁層と、
前記第1の防水絶縁層と前記第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層と、を備える、第2のシャフト部分と、を備え、
前記第1の複数の導体及び前記第2の複数の導体が、これらの導体の間に複数の容量性チャネルを形成するように構成されている、外科用シャフトアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の複数の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、請求項に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の複数の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、前記制御回路が、前記複数の容量性チャネルを通して前記エンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、請求項に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項11】
前記誘電体層が、前記第1の防水絶縁層に固定可能に接続されている、請求項に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項12】
前記誘電体層が、PZTを含む、請求項に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の防水絶縁層及び前記第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、請求項に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらのステープルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電動外科用ステープル留め及び切断器具において、速度を制御するために、初期の所定時間又は変位で切断部材の位置及び速度を測定することが有用であり得る。初期の所定時間又は変位にわたる位置又は速度の測定は、組織の厚さを評価し、閾値に対するこの比較に基づいて残りのストロークの速度を調整するのに有用であり得る。
【0003】
これまでにいくつかのデバイスが製造及び使用されてきたが、本発明者らよりも以前に添付の特許請求の範囲に記載されるデバイスを製造又は使用した者はいないものと考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
シャフトアセンブリは、外科用器具と共に使用可能である。シャフトアセンブリは、シャフトアセンブリを通って長手方向に延在する長手方向軸を画定する。シャフトアセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサを含む、近位シャフト部分を含む。シャフトアセンブリはまた、長手方向軸を中心に、かつ近位シャフト部分に対して回転可能な遠位シャフト部分を含む。遠位シャフト部分は、ハウジングと、ハウジングと共に回転可能な第1の磁石と、シャフトアセンブリを関節運動係合状態と関節運動係合解除状態との間で移行させるように、ハウジングに対して回転可能なクラッチアセンブリと、クラッチアセンブリと共に回転可能な第2の磁石と、を含む。シャフトアセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサからの出力信号に基づいて、関節運動係合状態から関節運動係合解除状態への移行を検出するように構成された制御回路を更に含む。
【0005】
シャフトアセンブリは、外科用器具と共に使用可能である。シャフトアセンブリは、シャフトアセンブリを通って長手方向に延在する長手方向軸を画定する。シャフトアセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサを含む近位シャフト部分を含む。シャフトアセンブリはまた、長手方向軸を中心に、かつ近位シャフト部分に対して回転可能な遠位シャフト部分を含む。遠位シャフト部分は、ハウジングと、ハウジングと共に回転可能な第1の磁石と、シャフトアセンブリを関節運動係合状態と関節運動係合解除状態との間で移行させるように、ハウジングに対して回転可能なクラッチアセンブリと、クラッチアセンブリと共に回転可能な第2の磁石と、を含む。シャフトアセンブリは、シャフトアセンブリ及びクラッチアセンブリの遠位シャフト部分の相対的な回転位置に基づいて、関節運動係合状態から関節運動係合解除状態への移行を検出するように構成された制御回路を更に含む。
【0006】
シャフトアセンブリは、外科用器具と共に使用可能である。シャフトアセンブリは、シャフトアセンブリを通って長手方向に延在する長手方向軸を画定する。シャフトアセンブリは、第1の出力信号を生成するように構成された第1のセンサと、第2の出力信号を生成するように構成された第2のセンサと、を含む近位シャフト部分を含む。シャフトアセンブリはまた、遠位シャフト部分を含む。遠位シャフト部分は、長手方向軸を中心に、かつ近位シャフト部分に対して、遠位シャフト部分を伴って回転可能なクラッチアセンブリを含む。クラッチアセンブリは、シャフトアセンブリを関節運動係合状態と関節運動係合解除状態との間で移行させるように、遠位シャフト部分に対して更に回転可能である。遠位シャフト部分を伴うクラッチアセンブリの回転は、第1の出力信号を変化させる。遠位シャフト部分に対するクラッチアセンブリの回転は、第2の出力信号を変化させる。シャフトアセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサと電気通信する制御回路であって、制御回路が、第1の出力信号の対応する変化を伴わずに発生する第2の出力信号の変化を検出するように構成され、検出された変化が、関節運動係合状態と関節運動係合解除状態との間の移行を示す、制御回路を更に含む。
【0007】
外科用器具は、外科用エンドエフェクタと、制御回路と、コネクタアセンブリと、を含む。コネクタアセンブリは、外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を含み、第2の導体は、制御回路に電気的に連結され、第1のコネクタは、第2のコネクタに対して回転可能であり、第1の導体は、第2の導体に容量的に連結され、これらの導体の間にエンドエフェクタと制御回路との間で電気信号を送信するための容量性チャネルを画定する。
【0008】
外科用器具は、外科用エンドエフェクタと、エネルギー源と、コネクタアセンブリと、を含む。コネクタアセンブリは、外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を含み、第2の導体は、エネルギー源に電気的に連結され、第1のコネクタは、第2のコネクタに対して回転可能であり、第1の導体は、第2の導体に容量的に連結され、これらの導体の間にエネルギー源からエンドエフェクタにエネルギーを伝送するための容量性チャネルを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に記載される様々な態様の新規特徴は、添付の「特許請求の範囲」に具体的に記載される。しかしながら、様々な態様は、構成及び動作方法のいずれに関しても、以下の説明文を、以下のような添付の図面と併せて参照することによってより深い理解を得ることができる。
図1】本開示の1つ又は2つ以上の態様による、シャフトアセンブリ及びエンドエフェクタを有する外科用器具の斜視図である。
図2】本開示の一態様による、図1の外科用器具の一部分の分解組立図である。
図3】本開示の一態様による、図1の外科用器具のエンドエフェクタの分解図である。
図4】本開示の一態様による、RFカートリッジ及びRFカートリッジと共に使用するように適合された細長いチャネルの斜視図である。
図5】本開示の一態様による、図1の外科用器具の交換式シャフトアセンブリの部分の分解組立図である。
図6】本開示の一態様による、図1の交換式シャフトアセンブリの部分の別の分解組立図である。
図7】本開示の一態様による、図1の交換式シャフトアセンブリの一部分の断面図である。
図8】明確にするためにスイッチドラムを省略した、図1のシャフトアセンブリの一部分の斜視図である。
図9】上部にスイッチドラムが装着されている、図1の交換式シャフトアセンブリの一部分の別の斜視図である。
図10】本開示の一態様による、スリップリングアセンブリの斜視部分切断図である。
図11】本開示の一態様による、図10のスリップリングアセンブリの一部分の断面図である。
図12】本開示の一態様による、スリップリングアセンブリの一部分の断面図である。
図13】本開示の一態様による、制御回路と、電源と、スリップリングアセンブリと、エンドエフェクタとの間のインターフェースを図示する、外科用器具の回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATION STATE DETECTION MECHANISMS」、代理人整理番号END8176USNP/170049、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL SHAFT ASSEMBLIES WITH INCREASED CONTACT PRESSURE」、代理人整理番号END8177USNP/170050、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「METHOD OF COATING SLIP RINGS」、代理人整理番号END8179USNP/170052M、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL SHAFT ASSEMBLIES WITH WATERTIGHT HOUSINGS」、代理人整理番号END8180USNP/170053、及び
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL SHAFT ASSEMBLIES WITH FLEXIBLE INTERFACES」、代理人整理番号END8223USNP/170126。
【0011】
開示されるデバイス及び方法の構造、機能、製造、及び使用の理解を提供するために、特定の態様が図示及び説明される。一実施例で図示又は説明される特徴は、他の実施例の特徴と組み合わされてもよく、修正及び変形は、本開示の範囲内である。
【0012】
「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具のハンドルを操作する臨床医に対して、「近位」は臨床医に近い部分を指し、「遠位」は、臨床医から遠くに位置する部分を指す。図面に関して使用される「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」という空間用語は、外科用器具が多くの配向及び位置で使用され得るため、限定すること及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
【0013】
「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ又は2つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ又は2つ以上の要素を有するが、それらの1つ又は2つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ又は2つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の素子は、それら1つ又は2つ以上の特徴を有するが、それら1つ又は2つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0014】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科処置を行うため、例示的なデバイス及び方法が提供されている。しかしながら、そのようなデバイス及び方法は、例えば、開放外科処置を含む他の外科処置及び用途に使用することができる。外科用器具は、自然開口部を通して、又は組織内に形成された切開若しくは穿刺穴を通して挿入することができる。これらの器具の作用部分、即ち、エンドエフェクタ部分は、体内に直接に挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを前進させることが可能な作用チャネルを有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0015】
図1図9は、再使用されてもされなくてもよい、切断及び固定用のモータ駆動外科用器具10を示している。図示された例では、外科用器具10は、臨床医によって把持、操作、及び作動されるように構成されているハンドルアセンブリ14を備えるハウジング12を含む。ハウジング12は、交換式シャフトアセンブリ200に動作可能に取設されるように構成され、交換式シャフトアセンブリ200は、動作可能に連結されたエンドエフェクタ300を有し、エンドエフェクタ300は、1つ若しくは2つ以上の外科用タスク又は処置を行うように構成されている。本開示によれば、様々な形態の交換式シャフトアセンブリが、ロボット制御された外科用システムに関連して効果的に使用され得る。「ハウジング」という用語は、交換式シャフトアセンブリを作動させるために使用され得る少なくとも1つの制御運動を生成及び適用するように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか、又は別様に動作可能に支持するロボットシステムのハウジング若しくは類似の部分を包含することができる。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表す場合もある。シャフトアセンブリは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
【0016】
図1は、本開示の一態様による、動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ200を有する、外科用器具10の斜視図である。ハウジング12は、その中に外科用ステープルカートリッジ304を動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結デバイスを備えるエンドエフェクタ300を含む。ハウジング12は、異なるサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、異なるシャフトの長さ、サイズ、及びタイプを有する交換式シャフトアセンブリと関連させて使用するように構成されてもよい。ハウジング12は、高周波(radio frequency、RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又はモーションなどの他のモーション及び形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置と関連させて使用するように適合されたエンドエフェクタ構成に適用するように構成されたアセンブリを含んだ様々な交換式シャフトアセンブリと共に効果的に用いられてもよい。エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具を利用して組織を締結することができる。例えば、中に取り外し可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに取り外し可能に挿入及び/又は取設され得る。
【0017】
ハンドルアセンブリ14は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結される一対の相互連結可能なハンドルハウジングセグメント16、18を備えてもよい。ハンドルハウジングセグメント16、18は、臨床医が握持及び操作することができるピストル握持部分19を形成するように協働する。ハンドルアセンブリ14は、ハンドルアセンブリに動作可能に取設された交換式シャフトアセンブリの対応部分に、制御運動を生成及び適用するように構成されている、複数の駆動システムを動作可能に支持する。
【0018】
図2は、本開示の一態様による、図1の外科用器具10の一部分の分解組立図である。ハンドルアセンブリ14は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム20を更に含んでもよい。フレーム20は、交換式シャフトアセンブリ200に閉鎖運動及び開放運動を適用することができる「第1の」即ち閉鎖駆動システム30を動作可能に支持することができる。閉鎖駆動システム30は、フレーム20によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ32などのアクチュエータを含んでもよい。閉鎖トリガ32は、枢動ピン33によってハンドルアセンブリ14に枢動可能に連結され、閉鎖トリガ32が臨床医によって操作されることを可能にする。臨床医がハンドルアセンブリ14のピストル握持部分19を握持するとき、閉鎖トリガ32は、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へ、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと枢動することができる。
【0019】
ハンドルアセンブリ14及びフレーム20は、ハンドルアセンブリに取設された交換式シャフトアセンブリの対応部分に発射運動を適用するように構成されている、発射システム80を動作可能に支持し得る。発射駆動システム80は、ハンドルアセンブリ14のピストル握持部分19に配置された電気モータ82を用いてもよい。電気モータ82は、例えば約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってよい。他の構成では、モータとして、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は他の任意の好適な電気モータが挙げられ得る。電気モータ82は、取り外し可能なパワーパック92を備え得る電源90によって給電され得る。取り外し可能なパワーパック92は、遠位ハウジング部分96に取設するように構成された、近位ハウジング部分94を備えてもよい。近位ハウジング部分94及び遠位ハウジング部分96は、その中で複数の電池98を動作可能に支持するように構成されている。電池98は各々、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでよい。遠位ハウジング部分96は、電気モータ82に動作可能に連結されている制御回路基板100に、取り外し可能かつ動作可能に取設されるように構成されている。直列に接続されたいくつかの電池98は、外科用器具10に給電することができる。電源90は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0020】
電気モータ82は、回転可能なシャフト(図示せず)を備えてもよく、この回転可能なシャフトは、長手方向に移動可能な駆動部材120上の駆動歯122の組又はラックとの噛合係合をなして装着されるギヤ減速機アセンブリ84と動作可能にインターフェースをとる。長手方向に移動可能な駆動部材120は、ギヤ減速機アセンブリ84の対応する駆動ギヤ86と噛合係合するために、その上に形成された駆動歯122のラックを有する。
【0021】
使用の際、電源90によって提供される電圧極性によって電気モータ82を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ82を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ82がある方向に回転されると、長手方向に移動可能な駆動部材120は、遠位方向「DD」に軸方向駆動されることになる。電気モータ82が、反対の回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材120は、近位方向「PD」に軸方向に駆動されることになる。ハンドルアセンブリ14は、電源90によって電気モータ82に適用される極性を反転させるように構成され得るスイッチを含むことができる。ハンドルアセンブリ14は、長手方向に移動可能な駆動部材120の位置及び/又は長手方向に移動可能な駆動部材120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含んでもよい。
【0022】
電気モータ82の作動は、ハンドルアセンブリ14上に枢動可能に支持される発射トリガ130によって制御することができる。発射トリガ130は、非作動位置と作動位置との間で枢動してもよい。
【0023】
図1に戻ると、交換式シャフトアセンブリ200は、外科用ステープルカートリッジ304を内部で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル302を備える、エンドエフェクタ300を含む。エンドエフェクタ300は、細長いチャネル302に対して枢動可能に支持されるアンビル306を含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ200は、関節運動継手270を含んでもよい。エンドエフェクタ300及び関節運動継手270の構成及び動作は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0263541号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に記載されている。交換式シャフトアセンブリ200は、ノズル部分202、203で構成される近位ハウジング又はノズル201を含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ200は、エンドエフェクタ300のアンビル306を閉鎖及び/又は開放するために利用され得る、シャフト軸SAに沿って延在する、閉鎖管260を含んでもよい。
【0024】
図1に戻ると、閉鎖管260は、例えば、前述の参照米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている方法で、閉鎖トリガ32の作動に応答して、アンビル306を閉鎖するために遠位方向(方向「DD」)に並進される。アンビル306は、閉鎖管260を近位側に並進させることによって開放される。アンビル開放位置において、閉鎖管260は、その近位位置へと移動させられる。
【0025】
図3は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、図1の外科用器具10のエンドエフェクタ300の一態様の分解図である。エンドエフェクタ300は、アンビル306と、外科用ステープルカートリッジ304と、を含んでもよい。この非限定的な例では、アンビル306は、細長いチャネル302に連結されている。例えば、アパーチャ199は、アンビル306から延在するピン152を受容することができる細長いチャネル302内に画定することができ、細長いチャネル302及び外科用ステープルカートリッジ304に対して、アンビル306が開放位置から閉鎖位置まで枢動することを可能にすることができる。発射バー172は、エンドエフェクタ300内へと長手方向で並進するように構成されている。発射バー172は、1つの中実部分から構築されてもよく、又は様々な例では、例えば鋼板のスタックを含む、積層材料を含んでもよい。発射バー172は、Eビーム178と、その遠位端にある切断縁部182と、を備える。様々な態様では、Eビームは、Iビームと称され得る。発射バー172の遠位に突出する端部は、任意の好適な方法でEビーム178に取設することができ、中でも特に、アンビル306が閉鎖位置にあるときに、細長いチャネル302内に位置付けられた外科用ステープルカートリッジ304からアンビル306を離間させることを支援することができる。Eビーム178はまた、Eビーム178を発射バー172によって遠位側に前進させながら組織を切るために使用することができる、鋭利な切断縁部182を含むことができる。動作の際、Eビーム178はまた、外科用ステープルカートリッジ304を作動させること、即ち発射することができる。外科用ステープルカートリッジ304は、ステープルドライバ192上に載置された複数のステープル191を、それぞれの上向きに開放したステープルキャビティ195内で保持する、成型カートリッジ本体194を含むことができる。楔形スレッド190は、Eビーム178によって遠位側に駆動されて、外科用ステープルカートリッジ304の様々な構成要素を共に保持するカートリッジトレイ196上を摺動する。楔形スレッド190は、Eビーム178の切断面182がクランプされた組織を切る間、ステープルドライバ192を上向きにカム駆動して、ステープル191を追い出してアンビル306と変形接触させる。
【0026】
Eビーム178は、発射の間、アンビル306に係合する上部ピン180を含むことができる。Eビーム178は、カートリッジ本体194、カートリッジトレイ196、及び細長いチャネル302の様々な部分に係合することができる、中央ピン184と下部フット186とを更に含むことができる。外科用ステープルカートリッジ304が細長いチャネル302内に位置付けられると、カートリッジ本体194に画定されたスロット193を、カートリッジトレイ196に画定された長手方向スロット197及び細長いチャネル302に画定されたスロット189と位置合わせすることができる。使用の際、Eビーム178は、位置合わせされた長手方向スロット193、197、及び189を通って摺動することができ、図3に示されるように、Eビーム178の下部フット186は、スロット189の長さに沿って細長いチャネル302の底面に沿って通っている溝に係合することができ、中央ピン184は、長手方向スロット197の長さに沿ってカートリッジトレイ196の上面に係合することができ、上部ピン180は、アンビル306に係合することができる。かかる状況では、発射バー172が遠位側へと移動させられて、ステープルを外科用ステープルカートリッジ304から発射し、かつ/又はアンビル306と外科用ステープルカートリッジ304との間に捕捉された組織を切開するにつれて、Eビーム178は、アンビル306と外科用ステープルカートリッジ304とを離間させるか、又はそれらの相対移動を制限することができる。その後、発射バー172及びEビーム178を近位側へと後退させることができ、それによってアンビル306を開放して、ステープル留めされ切られた2つの組織部分を解放することができる。
【0027】
図4を参照すると、少なくとも1つの構成において、交換式シャフトアセンブリは、RFカートリッジ1700及び外科用ステープル/締結具カートリッジと関連して使用され得る。
【0028】
RF外科用カートリッジ1700は、細長いチャネル1602内に取り外し可能に受容及び支持されるようなサイズ及び形状であるカートリッジ本体1710を含む。例えば、カートリッジ本体1710は、細長いチャネル1602とスナップ係合するように取り外し可能に保持されるように構成されてもよい。少なくとも1つの態様では、カートリッジ本体1710は、カートリッジ本体を通って長手方向に延在して、ナイフの長手方向移動に適応する、中央に配設された細長いスロット1712を含む。
【0029】
カートリッジ本体1710は、中央に配設された隆起電極パッド1720を備えて形成される。細長いスロット1712は、電極パッド1720の中央を通って延在し、パッド1720を左パッドセグメント1720L及び右パッドセグメント1720Rに分割する役割を果たす。右可撓性回路アセンブリ1730Rは、右パッドセグメント1720Rに取設され、左可撓性回路アセンブリ1730Lは、左パッドセグメント1720Lに取設される。少なくとも1つの構成では、例えば、右可撓性回路1730Rは、複数のワイヤ1732Rを含み、複数のワイヤ1732Rは、例えば、RF目的のためのより広いワイヤ/導体と、右パッド1720Rに取設された右絶縁体シース/部材1734Rに支持されるか、又は取設されるか、又は埋め込まれる、従来のステープル留め目的のためのより細いワイヤと、を含んでもよい。加えて、右可撓性回路アセンブリ1730Rは、「相1」近位右電極1736Rと、「相2」遠位右電極1738Rと、を含む。同様に、左可撓性回路アセンブリ1730Lは、複数のワイヤ1732Lを含み、複数のワイヤ1732Lは、例えば、RF目的のためのより広いワイヤ/導体と、左パッド1720Lに取設された左絶縁体シース/部材1734Lに支持されるか、又は取設されるか、又は埋め込まれる、従来のステープル留め目的のためのより細いワイヤと、を含んでもよい。加えて、左可撓性回路アセンブリ1730Lは、「相1」近位左電極1736Lと、「相2」遠位左電極1738Lと、を含む。左及び右ワイヤ1732L、1732Rは、カートリッジ本体1710の遠位端部分に装着された遠位マイクロチップ1740に取設される。
【0030】
細長いチャネル1602は、細長いチャネル1602の近位端から細長いチャネル底部分1620内の遠位位置1623まで延在する、凹部1621内に支持されるチャネル回路1670を含む。チャネル回路1670は、電気的に接触するための可撓性シャフト回路ストリップの遠位接触部分1169に接触する近位接触部分1672を含む。チャネル回路1670の遠位端1674は、チャネル壁1622のうちの1つに形成された対応する壁凹部1625内に受容され、チャネル壁1622の上縁部1627の上に折り畳まれて取設される。直列の対応する露出接点1676は、チャネル回路1670の遠位端1674に提供される。可撓性カートリッジ回路1750の端部は、遠位マイクロチップ1740に取設され、カートリッジ本体1710の遠位端部分に取り付けられる。別の端部は、カートリッジデッキ表面1711の縁部の上に折り畳まれ、チャネル回路1670の露出した接点1676と電気的に接触するように構成された露出接点を含む。したがって、RFカートリッジ1700が細長いチャネル1602内に設置されると、電極及び遠位マイクロチップ1740は、可撓性カートリッジ回路1750、可撓性チャネル回路1670、可撓性シャフト回路、及びスリップリングアセンブリの間の接触を通じて、オンボード回路基板と通信する。
【0031】
図5は、本開示の一態様による、図200の交換式シャフトアセンブリの部分の別の分解組立図である。交換式シャフトアセンブリ200は、シャフトスパイン210内での軸方向移動に関して支持される発射部材220を含む。発射部材220は、遠位部分又はバー280に取設するために構成された中間発射シャフト部分222を含む。中間発射シャフト部分222は、その遠位端に、遠位バー280の近位端282にあるタブ284を受容するように構成され得る、長手方向スロット223を含んでもよい。長手方向スロット223及び近位端282は、それらの間の相対運動を可能にするようにサイズ決めして構成することができ、かつスリップ継手286を備えることができる。スリップ継手286は、ナイフバー280を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射部材220の中間発射シャフト部分222を移動させて、エンドエフェクタ300を関節運動させることを可能にすることができる。エンドエフェクタ300が好適に配向された後は、遠位バー280を前進させるため、長手方向スロット223の近位側壁がタブ284に接触するまで、中間発射シャフト部分222を遠位側に前進させることができる。遠位バー280の前進は、Eビーム178を遠位側に前進させて、チャネル302内に位置付けられたステープルカートリッジを発射する。
【0032】
上記に加えて更に、シャフトアセンブリ200は、関節ドライバ230を発射部材220に選択的にかつ解放可能に連結するように構成され得る、クラッチアセンブリ400を含む。1つの形態では、クラッチアセンブリ400は、発射部材220の周りに位置付けられるロックカラー、即ちスリーブ402を含み、ロックスリーブ402は、ロックスリーブ402が関節駆動部230を発射部材220に連結する係合位置と、関節駆動部230が発射部材220に動作可能に連結されない係合解除位置との間で回転させることができる。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、発射部材220の遠位方向移動によって、関節駆動部230を遠位側に移動させることができ、それに対応して、発射部材220の近位方向移動によって、関節駆動部230を近位側に移動させることができる。ロックスリーブ402がその係合解除位置にあるとき、発射部材220の移動は、関節駆動部230に伝達されず、その結果、発射部材220は、関節駆動部230とは独立して移動することができる。
【0033】
ロックスリーブ402は、円筒状の、又は少なくとも実質的に円筒状の本体を備えることができ、この本体は、その中に画定された長手方向アパーチャ403を含み、その長手方向アパーチャは発射部材220を受容するように構成されている。ロックスリーブ402は、直径方向に対向する内向きのロック突出部404と外向きのロック部材406とを備え得る。ロック突出部404は、発射部材220と選択的に係合されるように構成され得る。より具体的には、ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、ロック突出部404は、発射部材220に画定された駆動ノッチ224内に位置付けられ、そのため、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達され得るようになっている。ロックスリーブ402が係合位置にあるとき、第2のロック部材406は、関節ドライバ230に画定された駆動ノッチ232内に受容され、ロックスリーブ402に適用された遠位押力及び/又は近位引張力が関節ドライバ230に伝達され得るようになっている。実質的に、発射部材220、ロックスリーブ402、及び関節ドライバ230は、ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、共に移動するようになる。他方で、ロックスリーブ402が係合解除位置にあるとき、ロック突出部404は、発射部材220の駆動ノッチ224内に位置付けられないことがあり、その結果、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達されないことがある。それに応じて、遠位押力及び/又は近位引張力は、関節ドライバ230に伝達されことがある。そのような状況下で、発射部材220は、ロックスリーブ402及び近位関節ドライバ230に対して近位側及び/又は遠位側に摺動され得る。
【0034】
シャフトアセンブリ200は、閉鎖管260上に回転可能に受容されるスイッチドラム500を更に含む。スイッチドラム500は、外向き突出作動ピン410を中に受容するためのシャフトボス504が形成された中空シャフトセグメント502を備える。様々な状況において、作動ピン410は、スロット267を通って、ロックスリーブ402に設けられた長手方向スロット408内へと延在して、ロックスリーブ402が関節ドライバ230と係合されたときにその軸方向運動を容易にする。回転ねじりばね420は、図5に示されるように、スイッチドラム500のボス504及びノズルハウジング203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム500に適用するように構成されている。スイッチドラム500は、その中に画定された少なくとも部分的に円周方向の開口部506を更に備えることができ、その開口部は、図5及び図6を参照すると、ノズル半分202、203から延在する円周方向マウントを受容し、スイッチドラム500と近位側ノズル201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成され得る。マウントはまた、閉鎖管260の開口部266を通って延在して、シャフトスパイン210の陥凹部211に着座する。しかしながら、マウントがスイッチドラム500内のそれぞれの開口部506の端部に到達する点までノズル201を回転させると、スイッチドラム500がシャフト軸SA-SAを中心に回転することになる。スイッチドラム500が回転すると、最終的に、作動ピン410及びロックスリーブ402が、その係合位置と係合解除位置との間で回転することになる。したがって、本質的に、ノズル201は、米国特許出願第13/803,086号に更に詳述されている様々な方法で、関節駆動システムを発射駆動システムと動作可能に係合し、係合解除するために用いられてもよい。
【0035】
シャフトアセンブリ200は、例えば、エンドエフェクタ300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ300との間で信号を通信するように構成され得る、スリップリングアセンブリ600を備えることができる。スリップリングアセンブリ600は、シャーシ240から延在するシャーシフランジ242に装着される近位コネクタフランジ604と、ノズル半分202、203に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジ601と、を備えることができる。近位コネクタフランジ604は、第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジ601は、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジ601は、シャフト軸SA-SAを中心に、近位コネクタフランジ604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備えることができる。コネクタ607は、コネクタフランジ601の近位面に装着することができ、複数の接点を有してもよく、各接点は、導体602の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ604と遠位コネクタフランジ601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ604は、例えば、シャフトシャーシ240に装着されたシャフト回路基板と信号連通して導体602を配置することができる、電気コネクタ606を含むことができる。少なくとも一事例では、複数の導体を含むワイヤハーネスが、電気コネクタ606と回路基板との間に延在し得る。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体を参照により本明細書に組み込む。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体を参照により本明細書に組み込む。スリップリング組立体600に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。
【0036】
シャフトアセンブリ200は、ハンドルアセンブリ14に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸を中心に回転可能である遠位部分と、を含み得る。回転可能な遠位シャフト部分は、スリップリングアセンブリ600を中心に近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ600の遠位コネクタフランジ601は、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。また、上記に加えて更に、スイッチドラム500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ601及びスイッチドラム500を互いに同期して回転させることができる。それに加えて、スイッチドラム500を、遠位コネクタフランジ601に対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム500がその第1の位置にあるとき、関節駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフトアセンブリ200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができない。スイッチドラム500がその第2の位置にあるとき、関節駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフトアセンブリ200のエンドエフェクタ300を関節運動させることができる。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム500は、遠位コネクタフランジ601に対して移動させられる。
【0037】
様々な例において、シャフトアセンブリ200は、スイッチドラム500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。遠位コネクタフランジ601は、例えば、ホール効果センサ605を備えることができ、スイッチドラム500は、例えば永久磁石505などの磁気素子を備えることができる。ホール効果センサ605は、永久磁石505の位置を検出するように構成することができる。スイッチドラム500をその第1の位置と第2の位置との間で回転させると、永久磁石505がホール効果センサ605に対して移動することができる。様々な例において、ホール効果センサ605は、永久磁石505を移動させると生じる磁界の変化を検出することができる。ホール効果センサ605は、例えば、制御回路と信号通信することができる。ホール効果センサ605からの信号に基づいて、制御回路上のマイクロコントローラは、関節駆動システムが発射駆動システムと係合されているか、又はそこから係合解除されているかを判定することができる。
【0038】
外科用器具は、シャフトアセンブリの回転の繰り返しにより、ワイヤが捻れる、更には損傷する場合があるので、外科用器具は、一般的なワイヤを使用してシャフトアセンブリの固定シャフト部分と回転可能なシャフト部分との間で電力及び信号を通信することによって、回転可能なシャフトアセンブリを効果的に使用することができない場合がある。この欠陥を克服する1つの方法は、ワイヤの代わりにリングアセンブリを使用して、回転可能なシャフト部分に電力及び信号を通信することであり得る。例えば、電極を有する第1のフランジは、固定シャフト部分に取設することができ、電極を有する第2のフランジは、第1のフランジの電極に対して回転することができる。第1のフランジに対する第2のフランジの回転を可能にするために、第1のフランジと第2のフランジとの間には、必然的に間隙が形成される。回転可能なシャフト部分の回転中に電気的接続を維持するために、第1及び第2のフランジの電極を、これらの電極間の境界面に露出させ得る。この間隙は、電極の境界面が存在する第1及び第2のフランジの間の領域への水及び/又は他の体液の進入を可能にし得る。したがって、電極の境界面は、手術中に水及び他の体液に露出され得る。水及び/又は体液は、露出した電極に接触すると、信号のノイズ、更には電力/信号損失を生じ得る。
【0039】
本開示の態様は、動作中に水及び/又は体液に露出される外科用器具のスリップリングアセンブリを改善する。一構成では、シャフトアセンブリは、外科用器具の本体に固定可能に接続することができる近位シャフト部分と、近位シャフト部分に対して回転可能な遠位シャフト部分と、を含むことができる。スリップリングアセンブリは、近位シャフト部分の近位スリップリングと、遠位シャフト部分の遠位スリップリングと、を含むことができる。近位スリップリング及び遠位スリップリングの各々は、近位スリップリング及び遠位スリップリングの各々上に装着された1つ又は2つ以上の導体を含むことができる。近位スリップリング及び遠位スリップリング上の導体は、手術中に生成され得る水又は流体が導体に到達することを防ぐために、防水絶縁層によってコーティングして、防水バリアを提供することができる。誘電体層(例えば、PZTなどの高k誘電体)は、近位スリップリング及び遠位スリップリング上の導体間に位置付けることができ、近位スリップリングの導体及び遠位スリップリングの導体は、これらの導体間に容量性チャネルを形成することができる。これらの容量性チャネルは、容量性結合を使用して固定体部分から回転可能シャフトアセンブリ部分(例えば、エンドエフェクタ)に電力及び信号を通信するために使用することができる。
【0040】
このようにして、本開示の態様は、電極のいくつかの部分を必然的に外部に露出させ得る直接接続ではなく、遠位スリップリング及び近位スリップリングの導体間に容量性チャネルを形成することによって、導体を防水絶縁層で被覆することを有利に可能にすることができる。したがって、本開示の態様は、絶縁バリアを提供して、水又は流体が電極に到達することを防ぐことによって、信号ノイズ並びに電力及び信号損失を防止することができる。
【0041】
図10は、本開示の一態様による、スリップリングアセンブリ2000の斜視部分切断図を示し、図11は、本開示の一態様による、図10のスリップリングアセンブリ2000の一部分の断面図を示す。スリップリングアセンブリ2000は、シャフトアセンブリ(例えば、シャフトアセンブリ200)内に含むことができる。スリップリングアセンブリ2000は、エンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ300)との間で電力を誘導するように、並びに/又はエンドエフェクタとの間で信号を通信するように構成することができる。スリップリングアセンブリは、近位部分2172と、遠位部分2174と、を含むことができる。近位部分2172は、外科用器具(例えば、外科用器具10)の本体(例えば、ハンドルアセンブリ14又はシャフトアセンブリの近位シャフト部分のシャーシフランジ242)に固定可能に接続することができる。遠位部分2174は、シャフトアセンブリの遠位シャフト部分に固定可能に接続することができる。遠位部分2174は、例えば長手方向軸を中心に、近位部分2172に対して回転可能であり得る。図10及び図11に図示されるように、スリップリングアセンブリ2000は、近位スリップリング2010と、近位スリップリング2010上に装着された1つ又は2つ以上の導体2020と、を含むことができる。近位部分2172内の近位スリップリング2010及び導体2020は、手術中に生成され得る水又は流体が導体2020に到達することを防ぐために、第1の防水絶縁層2030でコーティングして、防水バリアを提供することができる。例示的な態様では、第1の防水絶縁層2030は、導体全体2020を被覆することができる。
【0042】
遠位部分2174において、スリップリングアセンブリ2000はまた、遠位スリップリング2110と、遠位スリップリング2110上に装着された1つ又は2つ以上の導体2120と、を含むことができる。遠位部分2174内の遠位スリップリング2110及び導体2120は、水又は流体が導体2120に到達することを防ぐために、第2の防水絶縁層2130でコーティングして、防水バリアを提供することができる。例示的な態様では、第2の防水絶縁層2130は、導体全体2120を被覆することができる。例示的な態様では、第1の防水絶縁層2030及び第2の防水絶縁層2130は、電気絶縁性及び耐水性材料を含むことができる。例示的な態様では、第1の防水絶縁層2030及び第2の防水絶縁層2130はまた、滑りやすい材料も含むことができる。
【0043】
近位スリップリング2010及び遠位スリップリング2110は、ノズル半分(例えば、ノズル半分202、203)内に画定されたスロット内に位置付けることができる。例示的な態様では、近位スリップリング2010及び遠位スリップリング2110は、電気的に非導電性の材料で製造又はコーティングすることができる。遠位スリップリング2110は、シャフト軸SA-SAを中心に、近位スリップリング2010に対して回転することができる。
【0044】
例示的な態様では、誘電体層2050は、第1の防水絶縁層2030と第2の防水絶縁層2130との間に位置付けることができる。例示的な態様では、誘電体層2050は、近位部分2172内の第1の防水絶縁層2030に固定可能に接続することができる。例示的な態様では、誘電体層2050は、第2の防水絶縁層2130と直接接触することができ、第2の防水絶縁層2130は、滑りやすい材料を含むことができ、よって、遠位部分2174(例えば、遠位スリップリング2110及び第2の防水絶縁層2130)は、誘電体層2050の接触表面とのより少ない摩擦で、誘電体層2050に対して円滑に回転する。別の例示的な態様では、誘電体層2050と第2の防水絶縁層2130との間に空気間隙が存在し得る。
【0045】
別の例示的な態様では、誘電体層2050は、遠位部分2174内の第2の防水絶縁層2130に固定可能に接続することができる。この場合、例示的な態様では、誘電体層2050は、第1の防水絶縁層2030と直接接触することができ、第1の防水絶縁層2030は、滑りやすい材料を含むことができ、よって、遠位部分2174(例えば、遠位スリップリング2110及び誘電体層2050)は、第1の防水絶縁層2030の接触表面とのより少ない摩擦で、第1の防水絶縁層2030に対して円滑に回転する。別の例示的な態様では、誘電体層2050と第1の防水絶縁層2030との間に空気間隙が存在し得る。
【0046】
別の例示的な態様では、誘電体層2050は、例えば外科用器具の別の構成要素(例えば、ノズル半分202、203)に固定可能に接続することによって、第1の防水絶縁層2030及び第2の防水絶縁層2130のどちらも含まなくてよい。この場合、誘電体層2050は、第1の防水絶縁層2030及び第2の防水絶縁層2130のうちの少なくとも1つと直接接触することができ、第1の防水絶縁層2030及び第2の防水絶縁層2130のうちの少なくとも1つは、滑りやすい材料を含むことができ、よって、遠位部分2174(例えば、遠位スリップリング2110及び第2の防水絶縁層2130)は、より少ない摩擦で誘電体層2050に対して円滑に回転する。別の例示的な態様では、空気間隙が、誘電体層2050と第1の防水絶縁層2030との間に、及び/又は誘電体層2050と第2の防水絶縁層2130との間に存在し得る。
【0047】
例示的な態様では、導体2020(又は導体2120)の厚さ2025は、約0.001インチ~約0.01インチの範囲、好ましくは約0.003インチ~約0.008インチの範囲、より好ましくは約0.004インチ~約0.006インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、導体2020、2120は、任意の他の好適な厚さを有することができる。例示的な態様では、導体2020と誘電体層2050との間の垂直距離2035は、非常に小さくすることができ、例えば、約0.0005インチ~約0.0015インチの範囲、好ましくは約0.0007インチ~約0.0013インチの範囲、より好ましくは、約0.0009インチ~約0.0011インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、導体2020及び誘電体層2050は、任意の他の好適な距離を有することができる。例示的な態様では、導体2120と誘電体層2050との間の垂直距離は、垂直距離2035と類似し得る。例示的な態様では、誘電体層2050の厚さ2055は、非常に薄くすることができ、例えば、約0.001インチ~約0.05インチの範囲、好ましくは約0.005インチ~約0.03インチの範囲、より好ましくは約0.01インチ~約0.02インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、誘電体層2050は、任意の他の好適な厚さを有することができる。
【0048】
近位スリップリング2010は、外科用器具の本体に固定可能に接続することができる。例えば、図10に図示されるように、近位スリップリング2010及び近位スリップリング2010の導体2020は、第1の電気コネクタ2060(例えば、電気コネクタ606)を通してシャフト回路基板2070(例えば、シャフト回路基板610)に接続することができる。回路基板2070は、エンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ300)に送達される電力及び信号を制御するように構成された制御回路2080(例えば、マイクロチップ又はマイクロプロセッサ)を含むことができる。遠位スリップリング2110及び遠位スリップリング2110の導体2120は、第2の電気コネクタ2160を通してエンドエフェクタに接続することができる。
【0049】
近位スリップリング2010の導体2020及び遠位スリップリング2110の導体2120は、これらの導体の間に容量性チャネルを形成することができる。制御回路2080は、容量性チャネルを通した容量性結合を使用して、電力及び信号(例えば、データ又は任意の他の信号)を、遠位スリップリング2110に電気的に接続されたエンドエフェクタに通信するように構成することができる。制御回路は、AC電流を使用して、エンドエフェクタとの間で電力及び信号を通信することができる。
【0050】
例示的な態様では、第1のスリップリング2010及び第2のスリップリング2110は、図10に図示されるように、リング形状であり得る。別の例示的な態様では、第1のスリップリング2010及び第2のスリップリング2110は、任意の他の好適な形状を有することができる。例示的な態様では、導体2020、2120は、金属電極を備えることができる。別の例示的な態様では、導体2020、2120は、任意の他の導電性材料を含むことができる。例示的な態様では、近位スリップリング2010上の導体2020の各々は、遠位スリップリング2110上の導体2120のうちの1つと一致させることができ、一致する導体は、互いに対面させることができる。例えば、図11に図示されるように、導体2020Aは、導体2120Aと一致し、導体2020Bは、導体2120Bと一致する。例示的な態様では、導体2020、2120は、図10に図示されるように、同心円形状とすることができ、よって、一致する導体(例えば、2020A-2120A、2020B-2120B)は、スリップリングアセンブリ2000の遠位部分2174が回転している間、互いに対面し続け、導体の間に連続的に形成される容量性チャネルを維持することができる。別の例示的な態様では、導体2020、2120は、任意の他の好適な形状を有することができる。
【0051】
例示的な態様では、誘電体層2050は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化セシウム(CeO)、及び酸化アルミニウム(Al)などの、高k誘電材料を含むことができる。材料は、単独で、又はこれらの任意の組み合わせで使用することができる。本明細書で使用されるとき、高k誘電材料は、(例えば、約3.9である二酸化ケイ素のk値よりも大きい)高誘電率値kを有する誘電材料を指し得る。例示的な態様では、誘電体層2050は、PZTなどの(例えば、約100超~約300)超高誘電率を有する誘電材料を含むことができる。超高誘電率を有する誘電材料を使用することによって、スリップリングアセンブリ2000内に形成された容量性チャネルは、十分なキャパシタンスを有することが可能であり得、一方で、許容できないレベルのリーク電流又は破局的な降伏を受けることなく、超誘電体層2050の厚さを非常に薄く(例えば、0.03~0.05インチ未満に)保つことができる。別の例示的な態様では、誘電体層2050は、任意の他の好適な誘電材料(例えば、二酸化ケイ素などの中~低誘電率材料)を含むことができる。一実施例では、誘電体層2050は、第1の防水絶縁層2030又は第2の防水絶縁層2130の上側のスリップリングのうちの1つに堆積させる(例えば、蒸着する)ことができる。一実施例では、誘電体層2050は、ディスク層又はウエハ層として提供することができる。
【0052】
例示的な態様では、スリップリング2010、2110のうちの1つのみが、防水絶縁層を含むことができる。例えば、遠位スリップリング2110及び遠位スリップリング2110上の導体2120を防水絶縁層でコーティングした場合、近位スリップリング2010及び近位スリップリング2010上の導体2020は、これらの間に別体の防水絶縁層を伴うことなく、誘電体層2050(例えば、誘電材料の蒸着)で直接コーティングすることができる。この場合、誘電体層2050は、防水とすることができ、かつ水又は流体が導体2020に到達するのを防止することができる。別の例示的な態様では、近位スリップリング2010及び近位スリップリング2010上の導体2020が防水絶縁層によってコーティングされる場合、遠位スリップリング2110及び遠位スリップリング2110上の導体2120は、これらの間に別体の防水絶縁層を伴うことなく、誘電体層2050(例えば、誘電材料の蒸着)で直接コーティングすることができる。
【0053】
図12は、本開示の別の態様による、スリップリングアセンブリ2200の一部分の断面図を示す。スリップリングアセンブリ2200は、シャフトアセンブリ(例えば、シャフトアセンブリ200)内に含むことができる。スリップリングアセンブリ2200は、近位部分2372と、遠位部分2374と、を有することができる。近位部分2372は、外科用器具(例えば、外科用器具10)の本体(例えば、ハンドルアセンブリ14)に固定可能に接続することができる。遠位部分2374は、近位部分2372に対して回転可能であり得る。図12に図示されるように、スリップリングアセンブリ2200は、近位部分2372内に、近位スリップリング2210と、近位スリップリング2210上に装着された1つ又は2つ以上の導体2220と、を含むことができる。近位スリップリング2210及び導体2220は、第1の誘電体層2230でコーティングすることができる。例示的な態様では、第1の誘電体層は、導体2220全体を被覆することができる。第1の誘電体層2230は、手術中に生成され得る水又は流体が導体2220に到達することを防ぐために、防水バリアを提供することができる。
【0054】
例示的な態様では、スリップリングアセンブリ2200はまた、遠位部分2374内に、遠位スリップリング2310と、遠位スリップリング2310上に装着された1つ又は2つ以上の導体2320と、を含むことができる。遠位スリップリング2310及び導体2320は、第2の誘電体層2350でコーティングすることができる。例示的な態様では、第2の誘電体層2350は、導体2320全体を被覆することができる。第2の誘電体層2350は、手術中に生成され得る水又は流体が導体2320に到達することを防ぐために、防水バリアを提供することができる。導体2220、2320は、これらの導体の間に容量性チャネルを形成することができる。
【0055】
例示的な態様では、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化セシウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、又はエポキシ材料などの、高k値を有する(例えば、3.9よりも高い誘電率を有する)高k誘電材料を含むことができる。材料は、単独で、又はこれらの任意の組み合わせで使用することができる。例示的な態様では、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350のうちの少なくとも1つは、PZTなどの(例えば、約100超~約300)超高誘電率を有する誘電材料を含むことができる。別の例示的な態様では、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350は、任意の他の好適な誘電材料(例えば、二酸化ケイ素などの中~低誘電率材料)を含むことができる。
【0056】
例示的な態様では、第1の誘電体層2230は、第2の誘電体層2350とは異なる誘電材料を含むことができる。例えば、第1の誘電体層2230は、エポキシ材料を含むことができ、一方で、第2の誘電体層2350は、酸化チタン又はPZT(例えば、蒸着した誘電体層)を含むことができる。別の例示的な態様では、第1の誘電体層2230は、第2の誘電体層2350と同じである誘電材料を含むことができる。
【0057】
例示的な態様では、スリップリングアセンブリ2200は、第1の誘電体層2230に固定可能に取設された第3の誘電体層2250を含むことができる。例えば、誘電体ディスク/ウエハは、第1の誘電体層2230に接着することができ、又は誘電体層は、第1の誘電体層2230に蒸着される。この場合、一例では、第2の誘電体層2350と第3の誘電体層2250との間に空気間隙2360を存在させて、第3の誘電体層2250に対する遠位部分2374の円滑な回転を容易にすることができる。別の例示的な態様では、第2の誘電体層2350と第3の誘電体層2250との間にいかなる空気間隙も存在させないことができ、滑りやすい絶縁層を第2の誘電体層2350に、又は第3の誘電体層2250にコーティングすることができる。
【0058】
別の例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、第2の誘電体層2350に固定可能に取設することができる。この場合、一例では、第1の誘電体層2230と第3の誘電体層2250との間に空気間隙を存在させて、第1の誘電体層2230に対する、第3の誘電体層2250を含む遠位部分2374の円滑な回転を容易にすることができる。別の例示的な態様では、第1の誘電体層2230と第3の誘電体層2250との間にいかなる空気間隙も存在させないことができ、滑りやすい絶縁層を第1の誘電体層2230に、又は第3の誘電体層2250にコーティングすることができる。
【0059】
別の例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、例えば外科用器具の別の構成要素(例えば、ノズル半分202、203)に固定可能に接続することによって、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350のどちらも含まなくてよい。この場合、一例では、第3の誘電体層2250と、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350のうちの少なくとも1つとの間に空気間隙を存在させることができる。別の例示的な態様では、いかなる空気間隙も存在させないことができ、代わりに、第3の誘電体層2250と、第1の誘電体層2230及び第2の誘電体層2350のうちの少なくとも1つとの間に滑りやすい絶縁層を存在させることができる。
【0060】
例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化セシウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、又はエポキシ材料などの、高k値を有する(例えば、3.9よりも高い誘電率を有する)高k誘電材料を含むことができる。材料は、単独で、又はこれらの任意の組み合わせで使用することができる。例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、PZTなどの(例えば、約100超~約300)超高誘電率を有する誘電材料を含むことができる。別の例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、任意の他の好適な誘電材料(例えば、二酸化ケイ素などの中~低誘電率材料)を含むことができる。
【0061】
例示的な態様では、第2の誘電体層2350及び/又は第3の誘電体層2250の誘電率は、第1の誘電体層2230の誘電率よりも大きくすることができる。別の例示的な態様では、第1の誘電体層2230の誘電率は、第2の誘電体層2350及び/又は第3の誘電体層2250の誘電率よりも大きくすることができる。例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、第2の誘電体層2350とは異なる誘電材料を含むことができる。別の例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、第2の誘電体層2350と同じである誘電材料を含むことができる。
【0062】
例示的な態様では、導体2220の厚さ2225及び/又は導体2320の厚さ2325は、約0.001インチ~約0.01インチの範囲、好ましくは約0.003インチ~約0.008インチの範囲、より好ましくは約0.004インチ~約0.006インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、導体2220、2320は、任意の他の好適な厚さを有することができる。例示的な態様では、第2の誘電体層2350の厚さ2355は、約0.001インチ~約0.01インチの範囲、好ましくは約0.002インチ~約0.005インチの範囲、より好ましくは約0.003インチ~約0.004インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、第2の誘電体層2350は、任意の他の好適な厚さを有することができる。例示的な態様では、第3の誘電体層2250と第2の誘電体層2350との間の空気間隙2260(又は本明細書で考察される任意の他の空気間隙)は、非常に薄くすることができ、例えば、0.01インチ未満、好ましくは0.005インチ未満、より好ましくは0.001インチ未満であり得る。別の例示的な態様では、空気間隙2260は、任意の他の好適な距離を有することができる。
【0063】
例示的な態様では、導体2220と第3の誘電体層2250との間の垂直距離2235は、非常に小さくすることができ、例えば、約0.0005インチ~約0.0015インチの範囲、好ましくは約0.0007インチ~約0.0013インチの範囲、より好ましくは、約0.0009インチ~約0.0011インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、導体2220及び第3の誘電体層2250は、任意の他の好適な距離を有することができる。例示的な態様では、第3の誘電体層2250の厚さ2255は、非常に薄くすることができ、例えば、約0.001インチ~約0.01インチの範囲、好ましくは約0.002インチ~約0.007インチの範囲、より好ましくは約0.003インチ~約0.005インチの範囲であり得る。別の例示的な態様では、第3の誘電体層2250は、任意の他の好適な厚さを有することができる。
【0064】
導体2220、2320がスリップリング2210、2310上に装着される、図12に関して図示され、かつ記載されているスリップリングアセンブリ2200の残りの特徴及び特性は、別様に、スリップリング2210、2310又は導体2220、2320のうちのいずれか、並びに本明細書に記載及び図示される、存在する可能性がある電気コネクタ2060、2160、シャフト回路基板2070、制御回路2080の構成要素、構成、及び形状が挙げられるが、これらに限定されない、図10図11に示される実施形態に関して記載されているものに類似又は同じであり得る。
【0065】
図13は、本開示の一態様による、制御回路2410(例えば、制御回路2080)と、電源2420(例えば、電源90)と、スリップリングアセンブリ2450(例えば、スリップリングアセンブリ2000、2200)と、エンドエフェクタ2430(例えば、エンドエフェクタ300)との間のインターフェースを図示する、外科用器具の回路のブロック図を示す。図13に図示されるように、スリップリングアセンブリ2450は、近位スリップリング及び遠位スリップリング上の導体によって形成された1つ又は2つ以上の容量性チャネル2440A~Cを含むことができる。制御回路2410は、容量性チャネル2440A~Cを通した容量性結合を使用して、電力及び信号をエンドエフェクタ2430に通信するように構成することができる。
【0066】
例示的な態様では、各容量性チャネル2440A~Cは、異なる種類の信号/電力を受信/伝送することができる。例えば、制御回路2410は、第1の信号又はデータのために第1の容量性チャネル2440Aを使用し、第2の信号又はデータのために第2の容量性チャネル2440Bを使用し、電力のために第3の容量性チャネル2440Cを使用することができる。別の例示的な実施形態では、制御回路2410は、同じ容量性チャネルを使用して異なる種類の信号/電力を受信/伝送することができる。例えば、第1の容量性チャネル2440Aを使用して、電力及び信号を受信/伝送することができる。
【0067】
上述の記載は、1つ又は2つ以上の機能及び/又は動作を含むことができるブロック図、フローチャート、及び/又は実施例の使用を介したデバイス及び/又はプロセスの態様を示した。かかるブロック図、フローチャート、又は実施例内の各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は実質的にこれらの任意の組み合わせによって個別に及び/又は集合的に実装することができる。一態様では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、回路、レジスタ、及び/又はソフトウェア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、論理、及び/又はハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせ、論理ゲート、又は他の統合フォーマットを介して実装することができる。本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者には理解されよう。
【0068】
開示される主題の機構は、様々な形態のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられることが、当業者には理解されよう。信号搬送媒体の例としては、記録可能型の媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、デジタルビデオディスク(digital video disk、DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)が挙げられる。
【0069】
これらの態様の上述の記載は、図示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。これらの態様は、原理及び実際の応用について図示し、それによって、態様を修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0070】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例において説明される。
実施例1-スリップリングアセンブリを備える外科用シャフトアセンブリ。スリップリングアセンブリは、第1のコネクタと、第1のコネクタ上に装着された第1の導体と、第1の導体上の第1の防水絶縁層と、を備える。スリップリングアセンブリは、第1のコネクタに対して回転可能な第2のコネクタと、第2のコネクタ上に装着された第2の導体と、第2の導体上の第2の防水絶縁層と、を更に備える。スリップリングアセンブリは、第1の防水絶縁層と第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層を更に備え、第1の導体及び第2の導体は、これらの導体の間に容量性チャネルを形成するように構成されている。
【0071】
実施例2-第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも1つが、スリップリングを備える、実施例1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0072】
実施例3-誘電体層が、第1の防水絶縁層に固定可能に接続される、実施例1~実施例2の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0073】
実施例4-誘電体層が、PZTを含む、実施例1~実施例3の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0074】
実施例5-第1の防水絶縁層及び第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、実施例1~実施例4の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0075】
実施例6-第1の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施例1~実施例5の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0076】
実施例7-第2の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、制御回路が、容量性チャネルを通してエンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、実施例6に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0077】
実施例8-外科用シャフトアセンブリと共に使用するためのスリップリングアセンブリ。スリップリングアセンブリは、第1のコネクタと、第1のコネクタ上に装着された第1の導体と、第1の導体上の第1の誘電体層と、を備える。スリップリングアセンブリは、第1のコネクタに対して回転可能な第2のコネクタと、第2のコネクタ上に装着された第2の導体と、第2の導体上の第2の誘電体層と、を更に備え、第1の導体及び第2の導体は、これらの導体の間に容量性チャネルを形成するように構成されている。
【0078】
実施例9-第1の誘電体層上に第3の誘電体層を更に備える、実施例8に記載のスリップリングアセンブリ。
【0079】
実施例10-第2の誘電体層及び第3の誘電体層は、これらの誘電体層の間に間隙が形成されるように離間されている、実施例9に記載のスリップリングアセンブリ。
【0080】
実施例11-第2の誘電体層が、蒸着されたPZTを含む、実施例8~実施例10の1つ又は2つ以上に記載のスリップリングアセンブリ。
【0081】
実施例12-第1の誘電体層が、エポキシ材料を含む、実施例8~実施例11の1つ又は2つ以上に記載のスリップリングアセンブリ。
【0082】
実施例13-第3の誘電体層が、PZTウエハを含む、実施例9~実施例12の1つ又は2つ以上に記載のスリップリングアセンブリ。
【0083】
実施例14-第1の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施例8~実施例13の1つ又は2つ以上に記載のスリップリングアセンブリ。
【0084】
実施例15-第1のシャフト部分と、第1のシャフト部分に対して回転可能な第2のシャフト部分と、を備える、外科用シャフトアセンブリ。第1のシャフト部分は、第1のスリップリングと、第1のスリップリング上に装着された第1の複数の導体と、第1のスリップリング上の第1の防水絶縁層と、を備える。第2のシャフト部分は、スリップリングと、第2のスリップリング上に装着された第2の複数の導体と、第2のスリップリング上の第2の防水絶縁層と、第1の防水絶縁層と第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層と、を備え、第1の複数の導体及び第2の複数の導体は、これらの導体の間に複数の容量性チャネルを形成するように構成されている。
【0085】
実施例16-第1の複数の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施例15に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0086】
実施例17-第2の複数の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、制御回路が、複数の容量性チャネルを通してエンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、実施例16の外科用シャフトアセンブリ。
【0087】
実施例18-誘電体層が、第1の防水絶縁層に固定可能に接続されている、実施例15~実施例17の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0088】
実施例19-誘電体層が、PZTを含む、実施例15~実施例18の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0089】
実施例20-第1の防水絶縁層及び第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、実施例15~実施例19の1つ又は2つ以上に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0090】
実施例21-外科用器具は、外科用エンドエフェクタと、制御回路と、コネクタアセンブリと、を備える。コネクタアセンブリは、外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を備え、第2の導体は、制御回路に電気的に連結され、第1のコネクタは、第2のコネクタに対して回転可能であり、第1の導体は、第2の導体に容量的に連結されており、これらの導体の間に外科用エンドエフェクタと制御回路との間で電気信号を伝送するための容量性チャネルを画定する。
【0091】
実施例22-外科用器具は、外科用エンドエフェクタと、制御回路と、コネクタアセンブリと、を備える。コネクタアセンブリは、外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を備え、第2の導体は、エネルギー源に電気的に連結されており、第1のコネクタは、第2のコネクタに対して回転可能であり、第1の導体は、第2の導体に容量的に連結されており、これらの導体の間にエネルギー源から外科用エンドエフェクタにエネルギーを伝送するための容量性チャネルを画定する。
【0092】
〔実施の態様〕
(1) スリップリングアセンブリを備える外科用シャフトアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリが、
第1のコネクタと、
前記第1のコネクタ上に装着された第1の導体と、
前記第1の導体上の第1の防水絶縁層と、
前記第1のコネクタに対して回転可能な第2のコネクタと、
前記第2のコネクタ上に装着された第2の導体と、
前記第2の導体上の第2の防水絶縁層と、
前記第1の防水絶縁層と前記第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層と、を備え、
前記第1の導体及び前記第2の導体が、これらの導体の間に容量性チャネルを形成するように構成されている、外科用シャフトアセンブリ。
(2) 前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも1つが、スリップリングを備える、実施態様1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(3) 前記誘電体層が、前記第1の防水絶縁層に固定可能に接続されている、実施態様1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(4) 前記誘電体層が、PZTを含む、実施態様1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(5) 前記第1の防水絶縁層及び前記第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、実施態様1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0093】
(6) 前記第1の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施態様1に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(7) 前記第2の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、前記制御回路が、前記容量性チャネルを通して前記エンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、実施態様6に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(8) 外科用シャフトアセンブリと共に使用するためのスリップリングアセンブリであって、
第1のコネクタと、
前記第1のコネクタ上に装着された第1の導体と、
前記第1の導体上の第1の誘電体層と、
前記第1のコネクタに対して回転可能な第2のコネクタと、
前記第2のコネクタ上に装着された第2の導体と、
前記第2の導体上の第2の誘電体層と、を備え、
前記第1の導体及び前記第2の導体が、これらの導体の間に容量性チャネルを形成するように構成されている、スリップリングアセンブリ。
(9) 前記第1の誘電体層上に第3の誘電体層を更に備える、実施態様8に記載のスリップリングアセンブリ。
(10) 前記第2の誘電体層及び前記第3の誘電体層は、これらの誘電体層の間に間隙が形成されるように離間されている、実施態様9に記載のスリップリングアセンブリ。
【0094】
(11) 前記第2の誘電体層が、蒸着されたPZTを含む、実施態様10に記載のスリップリングアセンブリ。
(12) 前記第1の誘電体層が、エポキシ材料を含む、実施態様11に記載のスリップリングアセンブリ。
(13) 前記第3の誘電体層が、PZTウエハを含む、実施態様12に記載のスリップリングアセンブリ。
(14) 前記第1の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施態様8に記載のスリップリングアセンブリ。
(15) 外科用シャフトアセンブリであって、
第1のシャフト部分であって、
第1のスリップリングと、
前記第1のスリップリング上に装着された第1の複数の導体と、
前記第1のスリップリング上の第1の防水絶縁層と、を備える、第1のシャフト部分と、
前記第1のシャフト部分に対して回転可能な第2のシャフト部分であって、
第2のスリップリングと、
前記第2のスリップリング上に装着された第2の複数の導体と、
前記第2のスリップリング上の第2の防水絶縁層と、
前記第1の防水絶縁層と前記第2の防水絶縁層との間に位置付けられた誘電体層と、を備える、第2のシャフト部分と、を備え、
前記第1の複数の導体及び前記第2の複数の導体が、これらの導体の間に複数の容量性チャネルを形成するように構成されている、外科用シャフトアセンブリ。
【0095】
(16) 前記第1の複数の導体に電気的に接続された制御回路を更に備える、実施態様15に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(17) 前記第2の複数の導体に電気的に接続されたエンドエフェクタを更に備え、前記制御回路が、前記複数の容量性チャネルを通して前記エンドエフェクタに電力及び信号を通信するように構成されている、実施態様16に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(18) 前記誘電体層が、前記第1の防水絶縁層に固定可能に接続されている、実施態様15に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(19) 前記誘電体層が、PZTを含む、実施態様15に記載の外科用シャフトアセンブリ。
(20) 前記第1の防水絶縁層及び前記第2の防水絶縁層のうちの少なくとも1つが、滑りやすい材料を含む、実施態様15に記載の外科用シャフトアセンブリ。
【0096】
(21) 外科用器具であって、
外科用エンドエフェクタと、
制御回路と、
コネクタアセンブリであって、
前記外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、
前記第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を備える、コネクタアセンブリと、を備え、前記第2の導体が、前記制御回路に電気的に連結されており、前記第1のコネクタが、前記第2のコネクタに対して回転可能であり、前記第1の導体が、前記第2の導体に容量的に連結されており、これらの導体の間に前記外科用エンドエフェクタと前記制御回路との間で電気信号を伝送するための容量性チャネルを画定する、外科用器具。
(22) 外科用器具であって、
外科用エンドエフェクタと、
エネルギー源と、
コネクタアセンブリであって、
前記外科用エンドエフェクタに電気的に連結された第1の導体を備える第1のコネクタと、
前記第1の導体から離間された第2の導体を備える第2のコネクタと、を備える、コネクタアセンブリと、を備え、前記第2の導体が、前記エネルギー源に電気的に連結されており、前記第1のコネクタが、前記第2のコネクタに対して回転可能であり、前記第1の導体が、前記第2の導体に容量的に連結されており、これらの導体の間に前記エネルギー源から前記外科用エンドエフェクタにエネルギーを伝送するための容量性チャネルを画定する、外科用器具。
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