(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】封印入札競売の方法とシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20221219BHJP
【FI】
G06Q30/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020129122
(22)【出願日】2020-07-30
(62)【分割の表示】P 2018523023の分割
【原出願日】2016-02-19
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】520282845
【氏名又は名称】バインフォー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・スンリン・ワン
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0182680(US,A1)
【文献】特開2002-049790(JP,A)
【文献】特開2003-122959(JP,A)
【文献】特許第6839185(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン封印入札競売のためのコンピュータで実装されるシステムであって、
ネットワークを介して、1つまたは複数のリモート入札者に関連付けられた1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイスと通信する競売サーバであって、前記競売サーバが、所定のルールの1つまたは複数のセットに基づいて、前記オンライン封印入札競売を遠隔で実行するためのコンピュータ可読命令を記憶している少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、および以下の動作を行うために前記コンピュータ可読命令を実行するように命令されるプロセッサとを含み、前記動作が、
前記1つまたは複数のリモート入札者に関連付けられた前記1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス上での表示のために、前記オンライン封印入札競売の競売対象に関係するデータの少なくとも一部を転送することと、
前記1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイスから、入札データの1つまたは複数のセットをそれぞれ受信することであって、前記入札データの1つまたは複数のセットの各々が、入札額を備える、ことと、
委託データの1つまたは複数のセットを受信することであって、前記委託データの各セットが、前記オンライン封印入札競売を落札したときに落札額を調整するための委託額を支払う委託を含み、前記委託データは価格保護証券である、ことと、
前記入札データの1つまたは複数のセット、および前記委託データの1つまたは複数のセットを、前記競売サーバ上に記憶することと、
前記1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス上での表示のために、前記入札データの1つまたは複数のセットにそれぞれ対応する1つまたは複数の異なる識別子を含む前記オンライン封印入札競売の第1の表現を転送することと、
前記オンライン封印入札競売の締め切り時刻に応じて、
前記入札データの1つまたは複数のセットに基づいて、落札者の前記落札額としての最高入札額、および2番目に高い入札額を決定することと、
前記落札額が各委託額を含む前記委託データの1つまたは複数のセットのうちの少なくとも1つに関連付けられていることに応じて、
前記最高入札額に基づいて、前記落札者の前記落札額を計算することと、
前記1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス上での表示のために、落札支払額または前記落札額に関係する、データを含む前記オンライン封印入札競売の第2の表現を転送することと
を含む、コンピュータで実装されるシステム。
【請求項2】
前記1つまたは複数の
リモート入札者の各々が、再入札および/または入札の取消が可能である、請求項1に記載のコンピュータで実装されるシステム。
【請求項3】
前記各委託額が、少なくとも前記落札額の所定の割合に基づく、請求項1に記載のコンピュータで実装されるシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、
前記落札支払額に関係するデータを表示するための前記コンピュータ可読命令を実行するようにさらに命令され、
前記落札支払額が、前記落札額よりも高いまたは低い、
請求項1に記載のコンピュータで実装されるシステム。
【請求項5】
前記委託額が、前記2番目に高い入札額の入札者またはベンダによって受け取られる、
請求項1に記載のコンピュータで実装されるシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、
前記オンライン封印入札競売が唯一の入札者を有することに応じて、前記2番目に高い入札額として、前記競売対象の開始価格を使用するための前記コンピュータ可読命令を実行するようにさらに命令される、
請求項1に記載のコンピュータで実装されるシステム。
【請求項7】
オンライン封印入札競売のためのコンピュータで実行される方法であって、
1つまたは複数の
リモート入札者に関連付けられた1つまたは複数のコンピューティングデバイス上でのそれぞれの表示のために、前記オンライン封印入札競売の競売対象に関係するデータの少なくとも一部を転送するステップと、
競売サーバによって、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスから、入札データの1つまたは複数のセットをそれぞれ受信するステップであって、前記入札データの1つまたは複数のセットの各々が、入札額を備える、ステップと、
委託データの1つまたは複数のセットを受信するステップであって、前記委託データの各セットが、前記オンライン封印入札競売を落札したときに落札額を調整するための委託額を支払う委託を含み、前記委託データは価格保護証券である、ステップと、
前記競売サーバ上に、前記入札データの1つまたは複数のセット、および前記委託データの1つまたは複数のセットを記憶するステップと、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイス上での表示のために、前記入札データの1つまたは複数のセットにそれぞれ対応する1つまたは複数の異なる識別子を含む前記オンライン封印入札競売の第1の表現を転送するステップと、
前記オンライン封印入札競売の締め切り時刻に応じて、
前記入札データの1つまたは複数のセットに基づいて、落札者の前記落札額としての最高入札額、および2番目に高い入札額を決定するステップと、
前記落札額が各委託額を含む前記委託データの1つまたは複数のセットのうちの少なくとも1つに関連付けられていることに応じて、
前記最高入札額に基づいて、前記落札者の前記落札額を計算するステップと、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイス上での表示のために、落札支払額または前記落札額に関係する、データを含む前記オンライン封印入札競売の第2の表現を転送するステップと
を含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の
リモート入札者の各々が、再入札および/または入札の取消が可能である、
請求項7に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項9】
前記各委託額が、少なくとも前記落札額の所定の割合に基づく、請求項7に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項10】
前記競売サーバによって、前記落札支払額に関係するデータを表示するステップであって、前記落札支払額が、前記落札額よりも高いまたは低い、ステップをさらに含む、請求項7に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項11】
前記委託額が、前記2番目に高い入札額の入札者またはベンダによって受け取られる、
請求項7に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項12】
前記オンライン封印入札競売が唯一の入札者を有することに応じて、前記競売対象の開始価格を前記2番目に高い入札額として使用するステップをさらに含む、請求項7に記載のコンピュータで実行される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
現行の出願書は、2015年10月27日に出願された仮出願のシリアル番号第62 / 246,987号に基づいており、その全内容は参照することにより本書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、競売に、より具体的には、オンライン競売における封印入札方法とシステムに関連するものである。当該方式は、売り手が有形無形の、且つ、例えば商品、技能、サービス、空間又は財源等、価値あるものを含む競売対象の所有権を譲渡すること、又は所有権を共有することを可能にする。コンピュータ、モバイルデバイス及びタブレット等を含むがこれに限定されない、広帯域の電子デバイスに用いることができる。さらに、本書にて公開された方式は、ライブ競売に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
従来の競売は、希少資源の価格を交渉し、そのような資源を買い手と売り手が受け入れた最適な価格で売るという形である。競売の目的は、売り手の収益を最適化し、買い手のコストを最小限に抑えることである。従来の競売は古代ギリシア人から知られており、紀元前500年頃に初めて触れるようになった。アメリカの競売は1600年代にさかのぼり、作物、輸入品、家畜、道具、タバコ、農場などの売却による固有の収益性により、植民地時代に最初の移住者らがアメリカ東海岸に到着した後に一般的に知られるようになった。競売における売買は既存の資産を現金に換算する迅速かつ効率的な方法である。以来、競売はさまざまなサイクルを経て進化を続けている。1900年代後半、特に1990年代に、競売事業者がコンピュータ、ファックシミリ機、携帯電話などの技術を用いて事業をより速く効率的に運営する技術開発の利用に対応するために開発された競売事業の技術として定着し始めた。
【0004】
このような技術的発展により、競売人は今日、近くにも遠くにも顧客の異なるニーズを満たすために、ライブ競売とオンライン競売の両方を提供することができるようになっている。今日、技術的に買い手が競売の場にいなくても販売に参加できるようになっている。オンライン競売は、インターネットが関心を持つ当事者間の価値の特性の交換のために使いやすく便利なプラットフォームを提供しているので人気がある。オンライン競売は、インターネット接続があれば誰でもアクセス可能なモバイルアプリケーションとウェブサイトを通じて行うことができる。
【0005】
既存の先行技術および競売の実務に基づいて、一般公開入札と封印入札の競売がある。公開競売は、入札がすべての入札参加業者に広められるような競売である。公開競売は、昇順(英語)または降順(オランダ)入札競売モデルの場合がある。昇順入札競売モデルでは、価値のある物件が昇順で競り合い、一定時間の後に最も高値を提示した最後の入札者が勝ち取る。降順入札競売は、競売人がより高い提示価格から始め、入札者が受け入れるまで、値を下げて競り落としていく競売モデルである。一般公開競売の大きな利点の1つは、入札者がお互いの付け値を見ることができるので分かりやすく透明性のある競売になる。しかし、一般公開競売においては、入札額を開示することについての透明性に付随する多くの悪影響を生じる。
【0006】
一方で、一般に人気があり成功しているものの、オンライン競売は不足や欠陥がないわけではありません。たとえば、オープン競売では公正さが大きな問題となる。オンライン公開競売に付随する公開競売の欠陥には、「安い付け値を守るための入札妨害(シールディング)」、「入札遮蔽(シェーディング)」、「入札を売り込むサクラ」、「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」、および「結託」などを含むがこれらに限定されない不作法な競り手が関与していることがある。このような欠点は、入札額が公開されることにより上記の不作法な活動に関与して競売手続を乱用する不適切な入札者によって容易に操作されるために生じることがある。
【0007】
「安い付け値を守るための入札妨害(シールディング)」は、競売の最終段階で高額の入札が取り下げられ、より低い入札が受け入れられた場合に生じる。「入札を売り込むサクラ」は、入札者が購入を希望する物件に対してより多くの料金を支払うよう、正真正銘の競り手を強要して人工的に高値で入札させる手法が取り入れられている。「シェーディング」は、競り手が競売にかけられた物件が実際に価値があると考えているものよりも低いまたは高い付け値をして競り合った際に生じる。シェーディングの目的は、物件の実際の価格について他の競り手を欺き惑わせることにある。
【0008】
競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」は、他の競り手が価格に応答しより高い値をつけないようにするため競売終了間際に競り落とす。ソフトウェアは、一見したところ実施を支援するために利用可能である。これは、主に決まった付け値の禁期を持つサイトに適用される。「結託」は、お互いに対して競り合わないことに同意することを決め、値を低いまま保つよう、買い手同士の不法な連携がある場合に生じるだけでなく、売り手であるベンダが互いの物件に応札して不当に値を上げ、勝ちを得た買い手が支払うようにするという場合にも生じる。「結託」は、「安い付け値を守るための入札妨害(シールディング)」、「入札を売り込むサクラ」、且つ/又は「入札遮蔽(シェーディング)」、などをもたらし、競売では頻繁に生じる。
【0009】
これら全ての固有の欠点を抱え、昇順の一般公開入札オンライン競売において勝ちを得るには、正規の競り手は、多くの場合、特に競売の最後の数秒でより高い値を付けられないように注意深く競売監視しなければならない。他の競り手の「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」により正規の競り手が高い値をつけられ高額になると、競売の手順全体が多大な時間を必要とし、心理的にストレスを感じるようになる。競り手は、必死に取り組んでも最後の、「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」により勝利を得ることができずいつの間にかいらいらしていることに気づく。
【0010】
外観だけで不作法な競り手と正規の入札者の違いを特定することは容易ではないため、インターネット上で不作法な競り手を摘発することは困難である。例えば、全てのオンライン競売システムには決まった付け値の禁期が設けられており、何れの公開入札システムにおいても。「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」が生じ、競り手は競売の最初から最後の終了間際までいつでも合法的に付け値をすることができる。「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」が生じた場合、誰が正規で誰が不作法な競り手であるかを特定することはほとんど不可能である。多くの一般公開競売のオンラインウェブサイトでは、不作法な悪用者を摘発して除去する手段があると主張している。オンライン競売における不正または不当行為を防止するための措置は講じられているが、現在利用可能なシステムおよび措置法は効果的でない。例えば、ユーザの疑わしい入札行為の報告は遅すぎるため、正規の競り手にとって好ましい結果を出すには変数が多すぎる。ユーザ報告の措置法は、調査を必要とするが、競り手に与えられる時間以上に時間がかかり、問題が解決される前に競売が終了する可能性がある。さらに、あまりにも多い変数は、ユーザがシステムを悪用しているかどうかを判断する際に考慮される。さらに、正規の競り手は、別のユーザが不正行為をしていることを示す十分な証拠を持っていない可能性がある。違法または詐欺的な入札について罰金または刑務所行きを執行する法律があっても、インターネットによって名を伏せることが認められているので、依然として大量の不正行為を可能にしている。一般公開競売は、主に入札額が公開され見えるために多くの欠点があるので、これらの欠点を克服する方法の1つとして、封印入札競売が行われている間は、入札金額が非公開で、開示されない封印入札競売を介して行うという方法がある。これは、封印入札競売では、競り手は、競売の第1段階に付け値を行うが、第2段階で公開されるまで、入札額は非公開のままで、他の入札者には見えないことを意味する。
【0011】
封印入札競売は、物件に対して支払われた落札価格に応じて異なり、封印入札第一価格および封印入札第二価格の競売方式がある。封印入札競売の従来の方式は、最高値入札が競売において落札する第1価格の競売方式である。封印入札においては、第一入札価格競売の買い手は、いくつかの問題に直面する。「勝者のたたり」という問題は一般公開の第一入札価格競売だけでなく封印入札競売においても共通の問題の一つとして存在する。「勝者のたたり」は、落札価格が競売の対象となった物件の内在する価値を越える場合にしばしば起こる。特に、競売の対象となっている物件について限られた知識しかない買い手、且つ/又は落札者にとって、競売対象の物件の不適切な市場評価や経験不足により物件に対して過払いとなることがあるのは確かにその通りである。この「勝者のたたり」のような欠点を克服するには、封印第二入札価格競売として知られている第二の方式があり(Vickrey)、落札者は、競売の対象となった物件の最高値の落札価格ではなく、第2番目に高い値の入札価格を支払う。つまり、競売は、対象物件に対して最高値を付けた入札者に落札するが、落札者は、2番目に高い値を支払えばよく、必然的に最高値の落札価格より低い値であり、潜在的に競売対象の物件の実質的な価格を反映する。このようなタイプの競売は、いくつかの魅力的な特徴があり、例えば、物件に対して過払いとなる心配をすることなく応札するので「勝者のたたり」についてはより低い価格となる。
【0012】
しかしながら、封印入札第2価格競売には固有の欠点の問題があり、競売物件の実際の価値を考慮せずに入札者が人為的に付け値を増大する可能性がある。落札者は2番目に高い入札額を支払うだけなので、不適切な入札者は競売に勝つためにこの戦術をよく使用する。これは、現実的な価格で入札した正規の入札者が、入札価格を人工的に膨らませている不作法な競り手に対して勝つことは非常に困難であるため、実際の知覚価格で入札した正規の入札者が競売に参加することを阻止する妨げる可能性がある。この方法のもう一つの欠点は、競売では勝たないが価格は何の報酬もなく競売の対象物件の実質価値として使用される二番目に高い入札者の痛恨の念である。
【0013】
さらには、入札者が実際に入札した価格を支払わないため、封印入札の第2価格方式には固有の論理的な欠点が存在する。その代わりに、落札者は、他人の入札価格、具体的には2番目に高い入札額を支払うことになる。そして2番目に高い入札額を有する入札者は何も実らずに終わり、落札者が支払う金額の参照としてその入札が利用される。この方式は、別の不作法な競り手が、競売で落札しようとして人為的に高値を付ける可能性があり、正当な入札額を提示する正規の競り手にとっては公正を欠く。さらに、2番目に高い値を提示した入札者は、その引き換えに何も受け取ることなく、相場価格を提供する単なる道具であると思うようになるかもしれない。例えば、ある収集価値のあるスタンプが、現時点でオンライン競売基盤で頻繁に表示されているとする。合計4名の入札者がいると仮定し、3名は、正規のスタンプ収集家入札者で、ある一つのスタンプに対して其々25ドル、30ドル、及び35ドルという市場価格を反映する現実的な入札額を提示したとする。封印入札第2価格といった従来技術の方式の下に、第4の入札者が競売で100ドルを提示した場合、第4の入札者が競売で落札するだけでなく、2番目に高い値の35ドルを支払えばよいだけである。この金額は当初の落札価格である100ドルより大幅に低い。この先行技術の競売方法の下では、人為的にできるだけ高値を付けて、競売で正規の入札者に対して常に勝ちを得て落札し、その後二番目に高い値を支払うというほうがより有利である。このような致命的な欠点が存在するために、封印入札の第2入札価格の競売は、競売実践においてあまり一般的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
先行技術における利用可能なシステム及び方法は、進行中の欠点を改善するものではない。本発明の目的は、より公正な入札システム及び方法に基づいて入札者に均等な入賞機会を与える競売基盤を提供することである。
【0015】
本発明の模範的な実施例は、競売に参加する目的に応じて、ユーザを2つの異なる分類、すなわちベンダと入札者に分類することができる。「ベンダ」は、競売の当事者であり、有形且つ/又は無形の競売対象物件を入札者が入手できるようにし、競売が成功した場合に支払いを受ける。本発明の目的として、有形競売対象とは、物理的形状及び金銭的価値を有するあらゆる種類の対象物を意味する。これには、商品、機器、建物、土地、空間、発明なども含まれるがこれに制限されない。無形競売対象とは、サービスや技能といった物理的形状はないが金銭的価値を有し、個人、事業体、非営利団体、政府機関、且つ/又は政府機関の代理人が所有権又は占有権を有し、かかる権利を他人に一時的に移転することができものを指す。「入札者」(競り手)は、競売対象の入札を行う競売当事者であり、落札者は競売対象の価格をベンダに支払う。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の1つの特徴によると、ベンダ側の計算装置において複数のベンダのうちの少なくとも1つと通信するサーバと、通信ネットワークを通じて入札者側の計算装置において複数の登録済入札者のうちの少なくとも1つと通信するサーバとからなるシステムで、そのサーバは、少なくとも1つの競売対象の少なくとも1つの競売要求を少なくとも1つのベンダ側の計算装置から受信し、前述の競売要求は、少なくとも1つのベンダ側計算装置に少なくとも1つの登録済ベンダにより入力された前記競売対象の少なくとも1つの説明と競売期間を有し、前述のサーバは、少なくとも1つの入札者側の計算装置からの前述複数の登録済入札者へ少なくとも1つの競売要求に基づいて少なくとも1つの競売を提示し、競売期間中に少なくとも1つの入札者側計算装置に受信され、サーバに通信された少なくとも1つの封印入札は、競売対象の入札額を含み、競売期間中に少なくとも1つの入札者側の計算装置から受信した少なくとも1つの封印入札の各々にサーバによって割り当てられた任意の入札者IDと、少なくとも一つの封印入札のデータ記録がサーバに格納され、そのデータ記録には、少なくとも一つの任意の入札者ID、少なくとも1つの実際の入札者ID、少なくとも1つの時刻印と、少なくとも1つの入札額が含まれている。通信ネットワークを介して登録された複数のベンダのうちの少なくとも1つと登録された複数の入札者のうちの少なくとも1つと通信しているサーバが、競売期間終了時に、其々少なくとも一つの封印入札のデータ記録に基づいて落札者を決定する。
【0017】
本発明の少なくとも1つの特徴によると、登録済入札者には入札に必要な任意のIDが割り当てられ、入札者は、2つの異なる入札分類、入札分類1の入札者または入札分類2の入札者のいずれかを自己決定する。入札分類1の入札者は全落札額を払い、入札分類2の入札者は、入札前に支払う「価格保護証券」により最終落札額を再計算する機会がある。再計算は、「価格保護式」に基づいており、最終的な入札額は、「価格保護手数料」、「2番目に高い入札額」、および「落札価格と2番目に高い入札額との差に対する予め決められた割合」を用いて計算される。この方法は、少なくとも一つの競売対象の説明と競売期間を有する少なくとも1つのベンダ計算装置から、サーバに少なくとも1つの競売対象に対する少なくとも1つの競売要求を受信し、競売要求に基づいて競売を複数の入札者側計算装置に提示するステップと、競売期間中に入札者側計算装置のうちの1つに少なくとも1つの封印入札が受信され、少なくとも一つの封印入札に入札対象の入札価格が含まれ、各封印入札をサーバに通信するステップから成り、競売期間中に少なくとも1つの入札者側計算装置から受信した少なくとも1つの封印入札の各々にサーバによって任意入札者IDを割り当てるステップと、少なくとも1つの入札者IDと、少なくとも1つの実際の入札者IDと、少なくとも1つの時刻印と、少なくとも1つの入札金額を含むデータレコードを作成しサーバに格納するステップとを含む。前記少なくとも1つの封印入札の各々についての前述データ記録に従って、競売期間終了時に前述落札を前述サーバによって決定するステップとを含む方法。価格参照は、システム内の過去の競売と取引について提供される。
【0018】
好適な実施形態に関する前述の議論は、序論としての目的でのみ記載している。本項の何れも発明(考案)の範囲を定める請求の制限とは受け取らないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じたシステム構築を示す。
【
図1B】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じたデータベースを示す。
【
図2】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じたデータ記録を示す。
【
図3】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた計算装置を示す。
【
図4】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた計算装置を示す。
【
図5A】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた競り手側からの入札手続きを示す。
【
図5B】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた競り手側からの入札手続きの続きを示す。
【
図5C】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた「価格保護手数料」の分配手続きを示す。
【
図6A】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じた売り手のベンダ側からの入札手続きを示す。
【
図6B】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じたベンダ側からの入札手続きの続きを示す。
【
図6C】既存の発明(考案)の模範的な実施例に準じたベンダ側からの入札手続きの続きを示す。
【
図7】同じ最高値の落札価格が2つ以上ある場合の落札者を決定する手続きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
先行技術で知られているように、従来の競売は、競売対象アイテムの所有権の移転を意味する。本発明は、限定的ではないが、商品が所有権とともにある当事者から別の当事者に販売される伝統的な競売を含む。本発明の模範的な実施例は、競売物件の所有権を移転することを可能にするだけでなく、実際の所有権を移転することなく競売対象の占有権をある当事者から別の当事者へ移転することを可能にする。占有権の譲渡には、所有権の移転が含まれる場合もあれば、含まれない場合もある。
【0021】
財産に対する所有権は、ある人が価値ある財産に対して行使する制御であり、占有権を譲渡することは、相手方の当事者が金銭的価値と引き換えにその財産を所有する意思を必要とするということである。所有権を譲渡しない場合には共有というものが生じる。共有は、個人、事業体、非営利団体、または政府機関代理人のみに限定して、商品、空間、サービスなどの余剰能力の再分配、共有、再利用を通じた資源の最適化を提供するなど、さまざまな形で行うことができる。
【0022】
共有経済ビジネスである共同経済事業(CEB)には、共有、貸与、賃借などが含まれるが、これに限定されない。一般に、CEBは、競売のための商品の共有、技能の共有(専門的職業的、または個人のサービス技能)、共有スペース(住居やオフィススペースの共有)、輸送手段の共有(車の共有)、財源の共有(貸金)などのサービスの共有、且つ上記分類とは全く異なる他の細目の共有などに分類することができる。本発明の模範的な実施例は、金銭的価値を有する上記資源のいずれかを共有するための基盤を提供する。リソースの共有はある時点での個人的なやりとりのレベルを意味するため、入札者は入札提示前と競売開始前に、ベンダによる事前承認の対象となる可能性がある。
【0023】
商品を共有する際に、ベンダは、需要が高い競売の価値ある財産を列挙し、かかる物件を共有する必要がある入札者から入札を求めることができる。ある程度のリスクを伴い、所有権を譲渡せずに共有することが生じるので、入札者の事前承認手続を行う場合がある。結果として、落札者およびベンダは、本書で公開された方法およびシステムを介して、競売の場において、共有の支払い金額について合意することができる。落札者は、本発明の模範的な実施例による価値ある物件の使用を頻繁に再利用することができる。
【0024】
技能の共有においては、ベンダは、資源が乏しいときには入札者により需要が高くなる可能性のある特定の専門知識または一連の特定技能を個人に提供することができる。要求に応じて、入札者は、ベンダが所有する所望の技能を獲得するために入札を行うことができる。例えば、入札者の適格性などの共有の詳細は、ベンダによる事前承認の対象となることがある。結果として、落札者およびベンダは、競売における本書に開示された方法およびシステムを介して、支払い額および共有について合意することができる。例えば、歌い手の技量が高く有能で人気が高い歌手は、プライベートパーティーや特別なイベントで演奏するための技量を競売にかけることができる。他の入札者と比較して最も高い入札額を提示した入札者は、競売で落札し、例えば、クリスマスまたは新年会で歌手のコンサートを楽しむことができる。
【0025】
スペースを共有する場合、ベンダは、ベンダが所有権を有するが、必ずしもそのスペースを所有しているとは限らないスペースを列挙することができる。ベンダは、特定の場所のスペースを一定期間レンタルまたはリースする必要のある入札者から入札を求めることができる。落札者およびベンダは、本書の競売において開示された方法およびシステムを介して、支払い金額および共有に関して合意することができる。たとえば、休暇の季節に、滞在客の需要が高いホテルの客室があれば、ホテルは利用可能な残室を競売に出すことがある。そうすることで、ホテルが部屋を売ることを可能にするだけでなく、休暇やサッカーワールドカップなどの特別なイベントの開催期間中に宿泊施設を探している人がたくさんあるので、最高の価格を得ることができる。この方法は、売り手と入札者の相互に恩恵をもたらす。売り手は利用可能なスペースに対して最高の価格を得ることができ、入札者は最高の価格を提供できる限り、所望のスペースを得る機会が与えられる。
【0026】
サービスの共有には、サービスの種類によって異なる部類がある。その結果として、落札者およびベンダは、本競売にて開示された方法およびシステムを介して、支払い額および共有について合意することができる。例えば、輸送手段を共有するために、ベンダは、競売内で相乗り通勤の提案を当該提案の詳細とともに挙げることができる。例えば、特定の時間にA地点からB地点へ入札者と相乗りをする。入札者は、競売参加前に、ベンダによる事前承認の対象となることがある。相乗りに関心のある入札者は、希望する支払価格で入札を行う。
【0027】
財源の共有には、例えば、融資に興味のあるベンダは、一定期間のある金額を含む貸付詳細を競売のリストに載せることができる。金銭の貸与に興味のある入札者は、入札前のベンダによる事前承認の対象となる。落札者は誰よりもより高い金利を負担することができる場合には融資を得るために入札することができる。競売での貸付の利子等について、本競売において開示された方法及びシステムにより、落札者及びベンダは合意することができる。
【0028】
本発明はさらに、オンライン封印入札競売、オンライン競売に関連するリスクの軽減、およびベンダと入札者の利益の最適化のためのシステムを提供する。本競売の入札者およびベンダは、個人、事業体、非営利組織または政府機関の代理人などのような様々な種類のユーザを含むことができるが、これに限定されない。システムは、入札者の実際のID、競売対象の有形且つ/又は無形競売対象部件情報、および特定期間内の成功取引のデータベースなどを開示することなく、ベンダおよび入札者の情報が含まれるが、これに限定されない1つまたは複数のデータベースを維持するための手段を統合する。データベースは、入札者とベンダが特に適切な知識と経験が不足している場合、過去の競売対象物件の価格について潜在的な入札者やベンダに参照点としての機能を果たす。
【0029】
オンライン競売に参加を希望するシステムユーザは、競売開始前にベンダおよび入札者の双方のために予め設定された関連規則に関するユーザ契約を含み、システムにアカウントを登録することができる。アカウントの登録には、個人を特定できる情報と有効な金融情報が含まれる。これには、氏名、住所、電子メール、電話番号、有効な金融情報などが含まれるが、これらに限定されない。ユーザアカウントは、電子メールまたは電話を通じてシステムにより検証される。システムの模範的実施例では、ユーザは、ユーザ名を用いて電子メール且つ/又は電話番号により1つのアカウントのみ登録することができる。当該口座は、入札を行う、又は競売のための競売対象を掲載するために使用することができる。アカウントの登録には、アカウントの複数作成という不正行為防止ため、本システムは正規の氏名、住所、金融情報を必要とする。システムユーザには、デビットカード、クレジットカード、ペイパルTMやスクエアTMなどの第三者支払いシステム、且つ/又は銀行口座の詳細などの金融情報を含める必要がある。入札者が提出した封印入札金額を支払うために十分な金額を口座に所持していることを確認するには、金融情報が必要である。買い手の財政能力を確認して支払いを検証することにより、競売終了後の支払いの不履行または遅れを回避することができる。これにより、遅延支払い、楽しむためだけに入札する買い手、支払いのための十分なお金を所持していない入札者、及び競売終了後に支払わないまま取引を取り消しする買い手、などが含まれるが、これに限定されない諸問題を回避できる。本システムは、入札者が確認された金額分だけの入札を行うよう推進し、それにより、間違って入札したとの理由で取引の取り消しや競売終了後の未払いなどを回避する。
【0030】
模範的実施例では、ベンダは、オンライン競売基盤を介して、競売のために提供された競売対象をリストに掲載することができる。ベンダは、説明、写真、ビデオなどが含まれるが、これらに限定されない競売対象物件の詳細について紹介を提示することにより、オンライン競売用の競売対象を登録する必要がある。競売対象の詳細については、虚偽の表現や詐欺を避けるため、不備があれば全て開示しなければならない。競売の一覧表と共にベンダのIDまたはユーザ名が開示され、さらに競売終了時点で取引完了後フィードバックを提供する際に開示される。競売される物件が正式にオンライン競売基盤に掲載される前に、システムは、掲載された競売物件ごとにインデックス番号を発行し、競売開始時刻の時刻印も発行する。システムは、ベンダにより事前に設定された競売期間終了まで競売を追跡する。たとえば、競売対象が商品の場合、自然災害や戦争などベンダの制御を超えた特殊状況がない限り、ベンダは、競売が終了し、適正な支払いが行われた後に競売対象が納品または実行準備が整ったことを確認して二重確認を行う必要がある。さらに、ベンダは、競売対象に設定した開始価格または最低競売価格が、実際に開始価格または最低競売価格と認めているのか確認する必要がある。これにより、ベンダが競売対象物件がどこにあるのか見つからない、または開始価格または最低競売価格の設定中に誤りがあったと主張し競売終了後にベンダが取引を取り消すことを防止する。ベンダがシステム上確認し、競売終了後に取引を取り消した場合、ベンダのアカウントは一定期間、たとえば最初の1か月間取引中止となったり、2度目の場合は特定の状況および不可抗力を除きベンダのアカウントが永久に停止されることがある。
【0031】
入札時には、通常競売の可視的側面、例えば、入札者のユーザ名および他の入札者識別情報は表示されない。その代わりに、システムにより、任意に生成されたID番号を用いて入札された順番に表示され、競売終了後であっても入札者自身以外の他の入札者からのアクセスはできない。競売が終了すると、ベンダのみが落札者の実際のIDを見ることができる。他の入札者は、他の入札者の実際のIDを見ずに他の入札額のみを見ることができる。各封印入札の入札時間は、競売の入札を追跡するために表示される時刻印を用いる。ユーザは、ユーザがどこに位置しているかに係わらず、競売で残された時間を見ることができる。識別不可能な各入札者にマッチした該当する任意に生成された数字は、入札者の身元、及び、同じ入札者との過去のやりとりに基づき他の入札者が競売で感情的に入札をする潜在的な可能性を排除する。感情的な入札は、実際の価値を反映しない歪んだ価格につながる可能性がある。それに加えて、入札者、以前の入札活動、およびIDに基づく関心を特定することができないため、「競売におけるサクラ」、「結託」などが任意の入札者IDによって防止または削減できる。ベンダは、入札者の身元を見ることができないため、競売終了前に競売物件の価格をつり上げるために、友人や親戚などに虚偽の入札をさせ落札価格を操作することはできない。
【0032】
競売中の封印入札の入札手続きでは、公正且つ誠実な競売の出品または入札が行われる。ベンダはユーザ名を開示し、見込みのある入札者に知らせる必要がある。さらに、任意に生成されたID番号を用いる際に入札者を識別できないため、頻繁にサクラとなって行う入札や感情的な入札などは排除される。しかし、特定の入札者が過去の取引で問題を引き起こした履歴があり、ベンダの判断により、システム上ベンダは入札から特定のID番号をブロックすることができる。ベンダがブロックしたいID番号を示すと、システムはそのID番号をそれぞれの入札者と照合し、入札者が特定の競売の入札をブロックすることができる。
【0033】
機密の実ID番号に加えて、封印入札は競売中および競売終了前は他の入札者に入札額を見せない。入札者は、期待を反映する現実的な金額で、支払い可能な金額のみを入札する。入札者は、入札額が正確であることの検証、及び入札額提示後、該当する輸送費、保険などと共に入札額を支払う能力の検証を行って二重検証を行う必要がある。従って、入札時には、落札者の金額の誤提示についての相違や論争を生じない。この確認の方法は、実際に支払うつもりのない入札に潜在的な費用がかかるため、上記に記載したあらゆる全ての気まぐれな入札者を含む無作法な入札者に何らかのリスクを与えるために必要である。入札者は競売終了後の一定期間内に封印入札の落札額を支払わなければならないため、システム上は完全性が組み込まれている。本発明の模範的実施例では、入札者からの確認が得られた後、落札を取り消すことが困難になるため、しばしば入札を売り込むサクラなど無作法な入札者は実質的に減少する。入札に関連する手数料を介して金銭を喪失するリスクを取り入れることにより、無作法な入札者は入札を阻止される。無作法な入札者が入札する価格が高ければ高いほど、落札する機会は高くなり、従って、無作法な入札者は、落札者になれば負担する費用が多くなる。
【0034】
落札者が事前に定められた所定の時間内に落札額を支払わなければ支払いを行うことができないため、ベンダ且つ/又はシステム管理者が許可しない限り、システムはアカウントを無期限に停止する。競売終了後は、例えば競売終了後10日以内など、一定期間内に取引を完了する必要がある。特定の状況および不可抗力を除いて、一定期間内に取引が完了しない場合、システムは、一定期間、例えば初回においては30日間、不履行をした当事者を保留することがある。同一の当事者がサービスまたは商品の提供または支払のいずれかに2度目の不履行があった場合、当該当事者は永久に阻止されることになる。従って、ベンダと入札者の双方とも競売についてのそれぞれの能力を確認するため、取引が適時に完了しないということは起こらない。競売が終了し、落札者が決定されると、全ての入札者に、落札価格、及びその他のすべての入札額が明らかにされる。
【0035】
本発明の模範的実施例において、入札者は有効な入札額を1つだけ有することが可能であるが、入札額の増減を行い変更してから競売終了前迄に再入札をすることはできる。さらに、入札者は競売終了前迄に入札を取り消すこともできる。また、入札の取り消し、且つ/又は変更は依然として封印されたままであり、他の人は取り消しまたは変更を行った入札ID且つ/又は金額を知ることができない。入札の取り消しまたは変更を機密に保つことにより、システムは入札者がこれらの取り消しおよび変更された入札を参照して使用するのを防ぎ、虚偽の表示または不正を排除することもできる。本発明の模範的な実施例において、ベンダは、競売の収益から受け取ることを期待する実際の価値を熟考し、競売対象物品についてこれだけの価値があると正当に信じる価格を揚げることができる。これは、真実であり、封印入札を提出するための金額を支払う能力を有し、不正行為に関与することなく競売で落札する可能性があり、正当な入札者であるユーザを奨励する結果となる。
【0036】
従って、本発明の模範的実施例は、競売中は入札者が誰であるか、最高額の入札者は誰であるか、そして入札額はいくらなのかを誰も知らないし、競売終了間際の入札者が、必ずしも、競売終了時点において落札者になるとは限らないので、「入札を売り込むサクラ」、「安い付け値を守るための入札妨害(シールディング)」、「競売終了間際の競り落とし(スナイピング)」、および「結託」などを実質的に阻止することができる。
【0037】
先行技術では、競売が最低競売価格を有することは一般的である。最低競売価格は、ベンダが物件に対して承諾する意思のある最低価格である。最低競売価格の競売では、入札額が最低競売価格を上回る該当する場合のみベンダはその物件を売却する義務がある。当概念の否定的な側面は、入札者が隠し価格が見られず、隠し最低競売価格の額を常に推測していることであり、入札者が入札しても入札額が低く最低競売価格に達することができないため、競売が成立しないことがよくある。本発明の模範的な実施例は、ベンダが公示最低競売価格または条件付き隠し最低競売価格をベンダの裁量で設定できるように、従来技術とは差別化を図っている。公示最低競売価格は、競売が成立するようベンダが受け入れる最低価格で、入札者に開示される。ベンダが公示最低競売価格を設定することを選択すると、公示価格は競売の開始前に入札者に開示され、入札者はベンダが受け入れる最低価格を知ることができる。公示最低競売価格を下回るすべての入札は、システムによって拒否される。公示最低競売価格は、入札者に公開されるため入札者は公示された最低競売価格を認識しており、ベンダが予め定めた最低競売価格と同額又はそれ以上の入札価格しか提出できないため、早期取り消しを保証する一連の状況がそろわない限り、早期取り消しは認められない。本発明の模範的な実施例によれば、条件付き隠し最低競売価格は、まず、システム上、入札者の誰でも一人がベンダによって設定された条件付きの隠し最低競売価格に達した場合又は超過した場合、ベンダは競売を早期に終了させるか、または競売終了まで継続することができる。第2に、システム上、入札がベンダによって設定された条件付きの隠し最低競売価格に達しなくても入札が受け入れられ、最高値で提出された入札額が落札とみなされる。最低競売価格に関する2つの分類を提供するこの方法は、競売が成功裏に終わることを可能にし、それにより、ベンダにより設定された非公示の隠し価格に到達しない入札者の入札価格の憶測による競売の不成立の機会を減らすので、先行技術より効果的で透明性がある。
【0038】
従来技術で使用されていた一回の入札増加の増分の有無にかかわらず、封印第2価格の方法は、落札者が人為的に高い入札額を提示して競売で落札する可能性があるため、その他の全ての正規の入札者の落札を奪うことになるので不完全である。従来技術では、落札者が支払う基本値として封印された2番目に高い入札額が設定されている。最高封印価格は、2番目に高い封印入札者の入札額を上回る一回の入札増分である。一回の入札増分は、競売に落札するために入札者が現在の最高落札金額を引き上げなければならない金額である。入札増分は、競売規則により規定されていて、予め定められた所定の金額であり、競売の物件の開始時または現在の価格($ 0.5、$ 1、$ 5、または$ 10など)に応じて、競売で予め設定された入札増分表がある。最終的に支払う入札額は最終落札額に実質的に関係しないため、1回の入札増分アプローチは効果的ではない。入札者が2番目に高い落札価格を超える一回の増分値を支払うだけでよいという事実は、競売に落札する目的のみで、無作法な入札者に人為的に高い入札金額を提示することを誘発する可能性がある。かかる無作法な入札者は、入札金額を支払う責任を負う必要はなく、従って、人為的に高い入札額の財政的影響に直面することを恐れていない。本発明の実施例によれば、この欠点を解決することを意図している。本発明の実施形態によれば、落札者は、落札額の全額または落札額の特定の割合に2番目に高い入札額を加えた額を支払う責任がある。落札額は落札者が支払う金額に直接関係するため、入札者は人為的に高い入札価格を提示する可能性は低い。
【0039】
本発明の模範的な実施例は、入札分類1の入札者および入札分類の2人の入札者のような入札者を2つの分類に分けるコンピュータシステムを介して、入札分類1の落札者が提出された封印入札額を支払う義務を負い、入札分類2の入札者は、最終落札額を削減する機会を得るために「価格保護証券」を購入することを約束されている。入札者は、競売戦略を考慮して、または入札者の任意選択により、自らの経験、好みに基づいて、入札分類1または入札分類2の入札者として自分自身で決定または分類しなければならない。2つの分類に基づいて、入札分類の名前は、入札分類AおよびB、「経験あり/なし」または2つの異なる分類の入札者を識別するための他の任意の名前など、柔軟に付けることができる。本発明の模範的な実施例は、入札分類1と入札分類2の入札者に分ける。入札分類1の入札者は落札額の責任を負い、入札分類2の入札者は特定の条件の下で「価格保護証券」の購入により減額された価格を支払うという潜在的利益の享受をすることができる。模範的な実施例は、入札者が入札分類2の入札者であることを示す場合には落札価格を潜在的に下げるために、入札のために提示された入札額のある割合(例えば3%または5%)にて「価格保護証券」を提供する。入札者は、異なる競売で入札中に属する分類を変更する機会がある。競売中に入札分類1の入札者であることを確認した入札者は、競売中に、又はまたは別の競売で別の競売対象に入札する際に入札分類2の入札者として、自らを識別することができる。従って、競売戦略や入札者が任意に選択した自らの経験や嗜好または競売戦略を考慮して入札額を確認した入札分類1の入札者は、自信を持って入札するものとし、競売終了後に落札者であれば支払義務があることについて後悔しないものとする。同様に、「価格保証料」を支払う入札分類2の入札者は、競売終了後に落札者であれば潜在的な割引を得る可能性があると感じるかもしれない。
【0040】
本発明の模範的な実施例は、「価格保護証券」および「価格保護証券式」を使用することによって、上述の欠点、例えば「落札者の自責の念」を解決する。本発明の実施例によれば、入札分類2の入札者が支払う落札最終価格は、「価格保証料」と、2番目に高い入札額と、落札額と2番目に高い入札額との差の所定の割合を合計した額である。入札者は、入札開始前にどの入札部類に属しているかを確認する必要があり、競売終了前に入札分類を変更することができる。入札者は、入札分類に応じて提示した入札額を決定する。入札分類2の入札者は、「価格保護証券」により落札額の減額を受ける機会がある、入札分類1の入札者は入札金額全額について責任を持つ。最終的な入札額は、入札分類2の入札者が支払った落札最終価格を「価格保護料」と、2番目に高い入札額と、の落札額と2番目に高い入札額との差の予め定められた所定の割合の合計から計算する「価格保護式」に従って再計算することができる。異なるビジネス戦略に応じて、システムは、ベンダに対して「価格保護証券」に基づく料金を誰に付与するかを決定するオプションを提供する。システムを介してベンダによって予め設定されているように、「価格保護証券」の料金は、ベンダに全額付与され、2番目に高い入札金額の入札者に全額付与され、「価格保護証券」の金額は、2番目に高い入札金額の入札者同士で予め定められた割合で割るか、ベンダと2番目に高い入札者(複数)の間であらかじめ決められた割合で分割することができる。実際には、ベンダが競売対象物品に多くの入札者を引き付けると確信している場合、「価格保証料」の全額を維持することを選択することができる。一方、ベンダが競売対象物品の競売に参加する入札者をもっと引き付けることを望む場合には、2番目に高い入札者(複数)に「価格保護料」全額を付与することができる。従って、ベンダは、入札者が保証を購入したために受取額が当初の落札額を下回ったとしても、ベンダは再計算された落札額に加えて「価格保護料」の支払いの一部を受け取ることができる。さらに、入札分類2の入札者は、競売対象の過払いについて心配することなく入札することができ、最終的に競売への参加を促進する。また、競売対象物品に対して入札をする入札者が一人だけで、当該入札者が入札分類2の入札者であると認めた場合、価格保証料の全額がベンダに渡り、ベンダの開始価格は2番目に高い入札額と見なされる。
【0041】
しかし、「価格保護証券」の購入にはリスク要素がある。「価格保護証券」を購入しても、入札者が支払う落札額は必ずしも低くなるとは限らない。落札額と2番目に高い入札額との差が大きい場合、「価格保護証券」を購入する入札分類2の入札者は、入札額が大幅に引き下げられる可能性が高い。しかし、落札額と2番目に高い入札額との間にわずかのまたは名目上の差異がある場合、「価格保護証券」を購入する入札分類2の入札者は、落札者が最終的に支払う価格が元々提示された入札額よりも高くなるので、より多くの費用または損失を被ることになる。「価格保護証券」の購入に伴うこの潜在的な損失は、入札者がシステムを悪用することを防止する。潜在的な損失がなければ、入札者は落札額を落として支払額を減らすために「価格保護証券」を購入することになるため、「価格保護証券」の手段は無意味になり、実質的に経営理念の一つがひそかに損害を与えられ危険にさらされる。
【0042】
「価格保護証券」を購入する潜在的なリスクが存在する筋道を説明するために、ここでは3つの例を紹介する。例1。入札者1は入札分類2の入札者であることを確認し、100ドルの入札を行い、$100の5%(すなわち$ 5.00)に相当する「価格保証料」を支払うとする。落札に適用可能な予め定められた所定の割合は、例えば、落札価格と2番目に高い入札額との間の差異について20%で示される。別の入札者、例えば入札者2は、入札分類1の入札者であることを確認し、2番目に高い入札額である50ドルの入札額を提示する。さらに別の入札者、例えば入札者3は入札分類1の入札者であることを確認し、40ドルの入札を提示する。競売終了時には、入札者1が落札者であり、入札者1の支払方法の上記式に従って、落札額が次のように計算される。二番目に高い入札額+ [20%*(落札額 - 2番目に高い入札額)]。従って、入札者1は$ 50 + [20%*($ 100 - $ 50)]、つまり60ドルを支払うことになる。競売対象物品に対する入札者1の総費用は、今や最終価格$60と、$5.00の「価格保護手数料」で、合計65ドルとなる。入札者1は最初に$ 100の入札をしているので、入札者1は基本的には合計$ 65を支払うので、$ 35が節約される。入札者3は落札できなかったので価格保護手数料は差し引かれない。
【0043】
例2。入札者1が$ 101を入札し、$ 5.05の"価格保護料"を支払う点を除いて、上記の同じ状況がこの例に当てはまるものとする。入札者2は入札額の2番目に高い$ 100を入札する。競売終了時に落札者である入札者1は、$ 100 + [20%*($ 101 - $ 100)]、つまり$ 100.20を支払う。入札者1の競売対象物品の最終総費用は、$ 100.20と$ 5.05の「価格保護手数料」を加えて総額$ 105.25である。今回、入札者1は、「価格保護証券」を購入したために当初提示した101ドルの入札額よりも4.25ドル多く支払うので損失を被った。
【0044】
例3。さらにもう一度、例1と同じ状況で、入札者1が100ドルを入札し、5ドルの「価格保護料」を支払うと仮定する。入札者2は80ドルを入札する。競売終了時に落札者である入札者1は、$ 80 + [20%*($ 100- $ 80)]、つまり8$84を支払う。入札者1の競売対象物品の最終的な総費用は、現在$ 84と、$ 5.00の「価格保護手数料」を加えた、総額$ 89である。今回、入札者1は$ 11を節約するが、実施例1に比べてそれほど低い額を受け取るわけではない。
【0045】
従って、本発明の模範的実施例においては、入札者が入札した金額の全額を支払う必要があるため、若しくは、落札価格と2番目に高い入札額との間に予め定められた割合を用いるので、入札した価格を支払うことなく競売に落札できるよう人為的に高値の入札を行う入札者が入札することを禁止する。入札者は人為的に高い入札を抑止され、入札額が高くなればなるほど落札者は最終的に支払う金額が増えるため、過剰入札を防ぐ。本発明の模範的な実施例は、落札者が支払うべきものより現実的な価値を反映し、入札者による虚偽の封印入札額の生成を阻止する。入札者は入札分類2の入札者として入札し、最終的な入札額が再計算され、結果として割引の可能性がある選択肢があるため、入札分類1に分類されている入札者は物品に対して過払いしたと思う可能性は低くなる。従って、結果として「勝者の悪態」は実質的に減少する。
【0046】
同じ金額の複数の入札価格を削減するには、入札単価を米ドルで小数点以下2桁で(たとえば$ 25.78)提示する必要がある。
【0047】
同価格を入札する2人の最高額入札者が同じ入札部類(例えば、入札分類1に2人の入札者または入札分類2に2人の入札者のいずれか)である場合、入札者は、予めシステムによって定められた期間内に、再入札をすることができる。ただし、同価格を入札する2人の最高額入札者が2つの異なる部類(一人の入札者は入札分類1で、もう一人の入札者が入札分類2の)の場合、両者の最終入札価格が計算され、この場合、最高最終価格を有する入札者が落札者と決定される。この状況で最高最終価格に基づいて落札者を決定することは、最高額を支払う人が落札者になるという公平性を保つことになる。
【0048】
入札者とベンダが取引を完了した後は、競売サービスをより良くするために、両当事者が相互にフィードバックを提供することは有益である。通常、評価やコメントを通じて行われる。競売が終了すると、該当する場合には、競売対象物品の支払いと配達が行われ取引が完了する。システムの模範的な実施例は、ベンダおよび入札者が互いに評価し、取引に関連するフィードバックを提供できるようにしている。システムは、否定的なの評価/批評を提出する前に、両当事者がお互いに連絡を取る機会を与える。これにより、当事者間のコミュニケーションが改善され、あらゆる問題や懸案事項を解決し、否定的な批評をする可能性を減らす機会を与える。
【0049】
通知は、成功裏に提出された入札、競売に関連する期間、拒否された入札、競売の落札、競売結果などを含むがこれに制限されない競売の事象に違いが生じた場合に通報をする必要がある場合、システムから電子メール、インスタントメッセージ、音声メッセージなどを介して、サーバを通してベンダ及び入札者双方の計算装置に送信される。
【0050】
システムは、入札者が1人または複数のベンダに対して同時入札をすることができ、ベンダが1人または複数の入札者を求めることができ、各取引の料金または手数料に対して各取引がなされる、少なくとも1つまたは複数の適合競売市場を促進するための基盤を提供するために用いられる。
【0051】
当システムはまた、取引の1つまたは複数のリスク要素に関連する費用を決定する手段を備え、当該手段は、入札者の情報を用いて最高入札価格および第2の最高入札額を識別し、入札分類2のユーザの「価格保護証券」、および落札者が支払う最終的な金額を特定する。それに加えて、当システムまたは基盤は、競売サービスを提供するための一定の割合のサービス料を請求することができる。
【0052】
本発明は、オンライン競売においてデータ検証モジュールを利用することもできる。これにより、以下の通りシステムを通じて少なくとも4つの主要データセットが検証される。1)入札者とベンダの特定、2)競売に提示されたデータが正確であることの特定、3)落札者の検証、及び4)取引完了等の確認。
【0053】
ID検証。オンライン競売で発生する問題の1つは、取引が完全に匿名であるという事実に起因する情報の非対称性の問題である。匿名性の問題を解決するために、システムは、ベンダおよび入札者が、クレジット情報会社によってその身元を確認するために少額の料金を支払うことによって、「ID確認済み」になることを許可する。そのようにすることで、ユーザの身元がわかっているため、取引相手、入札者、およびベンダが確認されたことをユーザに安心させることができ、問題が発生した場合にユーザを追跡できるという保証が得られる。競売に提出されたデータが正しいことの確認。入札の受領と保護。入札開始時に設定された時間以前に受信した入札の完全で安全な保護。入札はベンダや管理者によって開かれたり閲覧されたりすることはなく、アクセス制限付き電子入札ボックス内に保管される。入札が取り下げられた場合、競売終了まで入札ボックスで保管する。入札が開かれる前に、受信した入札のIDおよび入札数に関する情報は、競売管理者にのみ通知される。開札。入札開始時刻は、競売前にベンダによって事前設定される。システムは、入札の精度を検証する。すべての入札は、受け入れ可能な数値形式で提出されるものとする。入札は、入札における置換、追加、削除、または変更の可能性を排除してシステムによって検証される。すべての入札は完了し、入札確認完了直後に入札システムによる正確さを証明する。入札品目が多すぎてすべての入札の完全な記録を保証することができない場合、個々の入札の要約的な入力は、品目番号と入札価格に限定される。入札者の実際のIDがコード化されている入札を見ることができるものとする。入札の拒否。入札が開封された後、すべての入札を拒絶し、競売を取り消すやむをえない理由がない限り、本発明の例示的な実施例に従って最高の応答入札を提出したその責任ある入札者に落札される。競売開始前に変更を予想し、すべての入札者に競売対象品目の変更または取り消し通知をするよう、あらゆる努力を払う。これにより、入札者は入札を変更または取り消しを行い、入札価格の不必要な露出を防ぐことができる。原則として、入札の開封後、競売を取り消ししてからの再請求はしないものとする落札は、入札のための最初の入札募集に対して行われるものとし、追加の数量は新規獲得として扱われるものとする。入札募集の取り消し、すべての入札の拒否は落札前に行うものとするが、開封後は、以下の通りとする。(1)仕様が改訂された。(2)ベンダが管理できない状況により、価値ある競売対象が入手できなくなった。(3)入札は受け付けていない。(4)他の理由により、取り消しは明らかに公衆の利益となる。取引完了の確認。落札者とベンダは、取引が両当事者によって正常に完了したことを確認する必要がある。1)ベンダが競売対象の支払いを受領した2)入札者が競売対象を受け取った。
【0054】
開札後に、入札者の受付期間を超えて落札に遅延をきたす管理上の困難に直面した場合、すべての入札を拒否する入札者への通知。システムがすべての入札を拒否する必要があると判断した場合、システムはすべての入札が却下されたことを各入札者に通知し、かかる行動の理由を明記する。読み取り不可能な電子入札の受付。システムによって受信された入札が、入札募集の本質的要件への適合が確認できない程度まで判読できない場合、システムは、入札が不適合であるため拒否されることを入札者に通知するものとする。入札の誤り。システムは入札のあらゆる誤りを検査し、間違いが見つかった場合、その入札が受け入れられる前に間違いを訂正するように入札者に通知する。間違いには、誤った小数点の位置などが含まれるがこれに限定されない。
【0055】
図1A~
図4に示すように、通信ネットワーク(例えば、インターネット(100))を通じて、ベンダ計算装置(例えば、108,114)における複数のベンダのうちの少なくとも1人と、且つ入札者計算装置(例えば、106,110,112)において複数の登録済み入札者の少なくとも1人と、通信するサーバ(102)、サーバ(102)は、競売対象のための競売要求をベンダ計算装置(例えば、108,114)から受信し、競売要求は、少なくとも1つのベンダ計算装置に少なくとも一つの登録ベンダにより入力された少なくとも1つの競売対象の説明と時刻印を有し、サーバは、登録入札者計算装置(106,110,112)において競売要求に基づいて複数登録入札者へ競売を表示するステップと、少なくとも1つの封印入札(200)は、競売の期間中に入札者計算装置(例えば、106,110,112)で受信され、サーバ(102)に通信され、少なくとも1つの封印入札(200)は、競売対象の入札額を含み、競売期間中、任意入札者ID(202)をサーバ(102)によって割り当てられ、入札者計算装置(106,110および112)内に受信され、各少なくとも1つの封印入札のためのデータ記録(210)がサーバに保存され、データ記録(210)には、少なくとも1つの任意入札者ID(202)、実際の入札者ID(204)、時刻印(206)、および入札額(208)を含み、通信ネットワーク(例インターネット(100))を介して登録された複数のベンダのうちの少なくとも1人と複数の登録入札者の少なくとも1人と通信しているサーバ(102)が、各少なくとも1つの封印入札のためのデータ記録(210)に従って競売終了時に落札者を決定する。サーバは、データベース(104)を有することができる。
図3に示すように、入札者計算装置(300)は、少なくとも1つの封印入札(200)の各々について時刻印(206)を自動的に識別してサーバ(102)に通信する内臓型時計を持つ。提示された入札の順序を決定するために使用される。入札者計算装置(300)のそれぞれは、表示画面(304)を有し、当技術分野で知られている任意の計算装置であってよい。例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータまたは他の計算装置。同様に、
図4にその一例が示されているベンダ計算装置(400)は、表示画面(402)を有し、任意の計算装置であってよい。
【0056】
図1Bに示されるように、データベース(104)は、以下を含むがこれに限定されない入札プロセスに関するデータを含む:有形競売対象(116)の詳細情報;無形競売対象に関する詳細情報(118);競売対象の性質に基づいて分割された取引データ(122)を含む。データベースには、過去の成功した取引(落札価格(120))も含まれる。入札データ(124)(例えば、入札履歴、価格、時刻印)。ユーザデータ(126)(例えば、ユーザプロファイル、金融情報、競売履歴、封印落札者ID情報)。および他の取引データ(128)を含む。データベースは、ベンダ計算装置(108)または入札者計算装置(106)からベンダおよび入札者に接続され、且つ照会され、競売対象の取引履歴および価格に関する参考情報などの関連情報を取得することができる。データベース内の取引履歴は、複数登録入札者または複数登録ベンダの少なくとも1人に対して、入札者が入札を意図する物件に関する十分な知識および経験が不足している場合に、またはベンダが競売内の最低競売価格を表示するための参照を必要とする場合に備えて価格参照を提供する。データベースは、複数の登録入札者または複数登録ベンダのうちの少なくとも1人によって、落札された入札者の実際の入札者IDを開示することなく、少なくとも1つの以前に競売にかけられた価値のある物件についての検索のために照会することができる。各少なくとも1つの封印入札は、競売期間中、サーバ内にしっかりと格納される。競売入札の終了時に、複数の入札者に時刻印が表示されるため、実際の入札者IDは表示されない。
【0057】
このシステムは、データベースが実ID(実入札者IDとも呼ばれる)、競売対象の有形且つ/又は無形物品に関する情報、且つ一定期間内の成功した取引の非開示を含むが、これに限定されない、1つ以上のデータベースを維持する手段を有する。特定の期間内の成功した取引のデータベースを含むことができる。
【0058】
図5Aに示すように、本発明の模範的な実施例では、入札者が競売に対する入札を提出する前にシステムに登録することができる(ステップS500)。登録後、ユーザアカウントが確認され(ステップS502)、登録入札者は競売戦略を考慮して、経験や嗜好に基づいて又は任意に入札者が選択することにより入札分類を選択しなければならない。(ステップS504)。入札分類2の入札者(ステップS506)を選択した入札者は、落札された入札に対する「価格保護証券」を購入するために料金を支払うことができる(はい、ステップS508)入札分類2の入札者が「価格保護証券」を購入する料金を支払わない場合(いいえ、ステップS508)、システムが入札分類2として入札が拒否されることを入札者に通知する(ステップS510)入札者システムは、入札者に対して、入札分類1の入札者となるよう変更要求を送信する(ステップS512)。入札者が入札分類1の入札者に変更するために「はい」を選択した場合(はい、ステップS512)、システムに提出する入札額を入力することにより、競売における入札分類1の入札者として入札を開始できる(ステップS518)。入札者が「いいえ」を選択した場合(いいえ、ステップS508)、入札者は競売で入札する可能性を失う(ステップS514)。
【0059】
入札分類1を選択した入札者(ステップS516)は、入札額を入力して入札を開始する(ステップS518)。入札分類1、2の如何にかかわらず、入札者が正確な入札額を確認した上で、入札者の二重確認として、入力された入札金額と関連費用を支払う財務的能力を確認する(ステップS520)。入札者が入札額または財務的支払能力のいずれかを確認しない場合(ステップS520、いいえ)、入札が拒否されることをシステムが入札者に通知する(ステップS522)。入札者は入札額と財務的支払能力を確認し(ステップS528)、変更することを選択することができる(ステップS524)。入札者が入札額と財務的支払能力を確認しない場合(No、ステップS524)、入札者は入札を禁止される(ステップS526)。入札者が入札額と入札額を支払う財務能力を確認した場合(ステップS528)、入札額を受領してシステムに入力し(ステップS538)、任意のIDが割り当てられ入札時刻印が打刻される(ステップS540)。
【0060】
入札が二重確認され、システムに提出されると、システムは、提示された入札額がベンダによって設定された開始価格よりも低いかどうかを問い合わせる(ステップS530)。入札額がベンダによって設定された開始価格よりも低い場合(はい、ステップS530)、システムは自動的に入札を拒否し(ステップS532)、入札額をベンダにより設定された開始価格以上に変更できるようにする(ステップS534)。入札者が入札額の変更を拒否した場合、システムは入札の最終拒否を入札者に通知する。(ステップS536)。入札者が入札額を変更した後、システムは、提示された入札額がベンダによって設定された開始価格よりも低いかどうか再度問い合わせる(ステップS530)。提出された入札額が開始価格よりも低くない場合(ステップS530否定)、システムは入札システム内で競売に提出された入札額を受け付け(ステップS538)、入札者IDを封印する。受け付けられた入札金は全て封印されるので、入札者および入札金額には、競売において入札がシステムによって受け付けられた日時を示す任意識別番号および時刻印が割り当てられる(ステップS540)。
【0061】
図5Bに示すように、システムがランダムID番号と入札タイムスタンプを割り当てた後(ステップS540)、入札者は競売終了前までは入札額を変更することができる(ステップS542)。ただし、すべての入札者は有効な入札価格を1つだけ提出できる。入札者が提示された入札を変更しない場合(ステップS542、No)、システムは、提示された入札を唯一の有効入札と判断する(ステップS544)。入札者が送信された入札を変更することを決定した場合(ステップS542)、入札者は過去の入札を変更して新たな入札額を再入力して再提出することができる(ステップS548)。入札者がもう入札を変更しない場合、システムは、再入札された入札が唯一の有効入札であると決定する(ステップS550)。競売時間が終了すると、競売終了となる(ステップS546)。
【0062】
競売が終了すると、入札額が競売参加者に開示され(ステップS546)、システムは入札者が競売に落札したかどうかを判断する。入札者が競売に落札し、入札分類1の入札者である場合(はい、分類1、ステップS552)、落札者は、競売に提出されたおつりのいらない正確な入札額と、運賃などの関連費用があればこれを支払う。(ステップS556)。入札者が競売に落札し、入札分類2の入札者である場合(はい、「分類2」、ステップS552)、落札者は、「価格保護式」を適用後、算定された最終価格と、関連費用があればこれを支払う(ステップS558)。入札者が落札しなかったとシステムが判断した場合(ステップS552、No)、入札者は競売で負けとなり、入札者は支払いを行わない(ステップS554)。入札者が競売で落札し最終価格を支払った後、ベンダは競売対象を落札者に引き渡す(ステップS560)。競売対象が落札者に配達された後、両当事者は互いに評価を行う(ステップS562)。これで取引が完了する(ステップ564)。
【0063】
図5Cに示すように、入札分類2の入札者が勝った後、「価格保護式」を適用することによって最終価格が決定される(ステップS566)。「価格保証式」は、「価格保証料」と、落札額と2番目に高い入札額との差の予め定められた所定の割合からの金額との合計によって計算される。(ステップS568)、ベンダによって予め設定された「価格保証料」を誰が受け取るかを決定する(ステップS570)。「価格保証料」全体をベンダに割り当てる(ステップS572)か、または第2位の入札者に割り当てることができる(ステップS574)。次に、システムは2番目に高い入札者の数を決定する。2番目に高い入札者が1人だけであれば(はい、ステップS576、)、価格保証料の全額を2番目に高い入札者に割り当てる(ステップS578)。2番目に高い入札者が複数存在する場合(ステップS576、No)、2番目に高い入札者の間で「価格保証料」の全額を所定の割合で分割する(ステップS580)。別の選択肢は、ベンダと2番目に高い入札者との間で「価格保護料」を所定の割合で割る(ステップS582)。この場合、「価格保証料」の1つの予め定められた所定割合部分がベンダに割り当てられる(ステップS584)。「価格保証料」の残りの部分を第2位の入札者に割り当てる(ステップS586)。次のステップで、システムはさらに2番目に高い入札者が1人だけ存在するかどうかを判定する(ステップS588)。第2位の入札者が1人だけであるとシステムが判断した場合(はい、ステップS588、)、第2位入札者には「価格保証料」の残りの部分が割り当てられる(ステップS592)。入札者が1人しかなく、ベンダによって予め設定された開始価格が2番目に高い場合など、2番目に高い入札者がない(いいえ、ステップS588)とシステムが判断した場合価格保証金額の残りの部分をベンダに割り当てる(ステップS590)。2番目に高い入札者が複数存在する場合(いいえ、ステップS588)、2番目に高い入札者の間で「価格保護料」の残りの部分を予め定められた割合で分割する(ステップS594)。
【0064】
図6Aに示すように、本発明の模範的な実施例では、ベンダはシステムにアカウントを登録することができる(ステップS600)。競売の詳細を設定する前に、ベンダはシステムによる検証の対象となる(ステップS602)。システムによる確認完了後、ベンダは競売要求を掲示することができる(ステップS604)。競売の設定処理を開始する際には、ベンダは、その物件の説明や競売期間の時間枠を入力し、事前承認された入札者があるかどうかを特定することができる(ステップS606)。次のステップで、売り手は「価格保護料」の受取人を決定する(ステップS608)。次いで、ベンダは、競売が所有権の移転を含むかどうかを指定することができる(ステップS610)。競売に所有権の移転を含む場合(はい、ステップS610)、競売で競売対象を売却する意思がある(ステップS612)。競売で所有権の移転を伴わない場合(いいえ、ステップS610)、ベンダは、競売において、競売対象の所有権を一定期間分担するつもりである(ステップS614)。
【0065】
図6Bに示すように、ベンダが所有権の移転を決定すると、ベンダは裁量により最低競売価格を設定することができる(ステップS616)。ベンダが最低競売価格を設定しないことを選択した場合(いいえ、ステップS616)、その競売期間、開始時間および終了時間を含み、名目開始価格(例えば、$ 1.00など)を設定することができる(ステップS618)。システムは、異なるリストを識別するために、各当該リストに対して、固有のインデックス番号を振り、時刻印を発行する(ステップS618)。その後、システムは入札受付を開始する(ステップS658)。競売終了まで開始時の入札額より低い価格に下げることはできない(ステップS660)。競売終了後、全ての入札を処理して、システムによる予備落札額を選択する(ステップS662)。一方、ベンダが最低競売価格を設定する場合(はい、ステップS616)、ベンダは条件付き隠し最低競売価格(ステップS620)または公開最低競売価格(ステップS638)のいずれかを選択することができる。ベンダが公開最低競売価格を選択した場合(ステップS638)、入札者が競売で入札を始める前に最低競売価格入札者に対して通知する(ステップS640)。競売は時刻印と時間枠から始まり(ステップS642)、入札者から入札を受ける(ステップS644)。入札は最低競売価格を下回っている場合(ステップS646)、入札はシステムによって拒否され(ステップS648)、取引は行われない(ステップS650)。入札額が最低競売価格が同等以上であれば(ステップS652)、システムは入札を受け付ける(ステップS654)。いずれの場合も、ベンダによる時期尚早の競売終了は、所定の状況の下で時期尚早の競売終了を保証しない限り、許可されない(ステップS656)。ベンダが条件付最低競売価格を設定する場合(ステップS620)、最低競売価格は入札者に開示されない(ステップS622)。ベンダは、開始価格を設定し(ステップS624)、システムは、競売が時間枠および時刻印を示し開始されると、ベンダによる競売の時期尚早の終了の可能性について入札者に通知する(ステップS626)。システムは、入札者から入札の受付を開始する(ステップS628)。システムは、最低競売価格が入札額により超過されたかどうかを問い合わせる(ステップS630)。最低競売価格を超えていれば(はい、ステップS630)、競売はベンダによって予め設定された早期終了の対象となる(ステップS628)。システムは、最低競売価格が満たされたことをベンダに通知し、ベンダは競売終了を選択することができる。ベンダは、最低競売価格が満たされるとすぐに競売が自動的に終了するというシステムを設定することもできる。入札が最低競売価格を満たさない場合(ステップS630否定)でも、システムは入札者から当該入札を受け付ける(ステップS632)。入札が最低競売価格を下回っている場合(ステップS634)、システムは入札者からの入札を引き続き受け入れる。入札がシステムによって受け入れられた後(ステップS636)、入札がシステムによって受け入れられた後(ステップS636)、競売が終了するまで(ステップS660)、システムは、全ての入札を処理して予備落札額を選択する(ステップS662)。
【0066】
図6Cに示すように、入札がシステムによって受け入れられ、競売が終了すると(ステップS660)、システムは、予備落札額を選択する(ステップS662)。予備落札額は変更される可能性があり(ステップS664)、自己決定入札分類に応じて調整が行われ、落札者が入札分類1の入札者であれば(ステップS666)、ベンダは落札額全額を受け取り(ステップS668)、競売が終了する(ステップS684落札者が入札分類2の入札者であれば(ステップS670)、「価格保護式」を用いて最終価格を算出する(ステップS672)。「価格保護式」は、「価格保証金額」の予め決められた所定の部分(ステップS676)と2番目に高い入札金額(ステップS678)と、落札額と2番目に高い入札金額との差の予め定められた割合の和として算出される(ステップS674)。したがって、ベンダは、上記の合計を受け取る(ステップS682)。その後、競売が終了し(ステップS684)、落札者は、最終的な入札額に加えて適用可能な追加費用があればそれを支払う(ステップS686)。ベンダは競売対象の納品を行い(ステップS688)、両者が相互の評価を行い(ステップS690)、取引完了となる(ステップS692)。
【0067】
図7に示すように、競売終了後、システムは、入札額が最も高い落札者を決定する(S700)。システムは、同一の入札金額があるかどうかを判定する(S702)。同一の入札額がない場合(いいえ、ステップS702)、システムは最高入札を選択する(S704)。同一の入札額が複数存在する場合(はい、ステップS702)、入札者が同じ入札分類であるか(ステップS706)、異なる入札分類であるかを判断する(ステップS714)。「入札者の同じ入札分類」という用語は、少なくとも入札者が2人が入札分類1または入札分類2に属することを意味する。同一の入札額が同じ分類の入札者からのものである場合(ステップS706)、システムは入札者に所定の期間内に入札を再提出するように促す(ステップS708)。入札者が入札を再提出する場合(はい、ステップS708)、再提出された最も高い入札が落札する(ステップS710)。入札者が入札を再提出しない場合(いいえ、ステップS708)最低出を要求される前の入札で最初に提出した入札者が落札(ステップS712)。同額の入札者が異なる分類の入札者である場合(ステップS714)、システムは最終金額を計算する(ステップS716)。最終的な計算によって入札額が最も高い入札者が落札者となる(ステップS718)。落札者は、最終落札金額を支払う(ステップS720)。
【0068】
本明細書で説明する方法は、一般に、記憶装置、データ入出力回路(IO)およびコンピュータデータネットワーク通信回路に動作可能になるよう接続された中央処理装置(CPU)から成る計算装置、且つ/又はコンピュータシステムにて実行することができる。さらに、CPUはI / O回路からデータを取り込んで記憶装置に格納することができる。CPUによって実行されるコンピュータコードは、データ通信回路によって受信されたデータを取り込み、それを記憶装置に格納することができる。さらに、CPUはI / O回路からデータを取り込んで記憶装置に格納することができる。さらに、CPUは、記憶装置からデータを取り込んで、それをIO回路またはデータ通信回路を介して出力することができる。メモリに格納されたデータは、記憶装置からさらに呼び出され、ここで説明された方法でCPUによってさらに処理または修正され、同じ記憶装置またはデータネットワークを含むCPUに動作可能に接続された異なる記憶装置に格納される。記憶装置は、ハードディスク、光ディスク、または固体記憶装置を含むあらゆる種類のデータ記憶回路または磁気記憶または光学装置とすることができる。本発明と共に使用に適しよく知られている計算装置、環境、且つ/又は仕様の例には、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンド携帯型、ラップトップまたはモバイルコンピュータ、または携帯電話及びPDA等の通信装置、マルチ[多重]プロセッサシステム、マイクロプロセッサを用いるシステム、セット・トップ・ボックス、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたは装置のいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0069】
本書で先に説明した機能の全部または一部を実装するコンピュータプログラムの論法は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、および様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、ロケータなど)を含むがこれに制限されない様々な形式で具体化することができる。ソースコードは、様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFORTRAN、C、C++、JAVA(登録商標)、またはHTMLなどレベルの高い言語)に組み込まれた一連のコンピュータプログラム命令で、さまざまなオペレーティングシステムまたはオペレーティング環境で使用できる。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを定義し、使用する。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能形式であってもよく、またはソースコードは(例えば、通訳者)を介した実行可能形式であり又は、(例えば、翻訳者、アセンブラ、またはコンパイラを介して)コンピュータ実行可能形式に変換される。
【0070】
本発明は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令といった一般的な文脈で説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータプログラムおよびデータは、(例えば、例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式または中間形式)などあらゆる形式で、永久的に、または一時的に以下のような有形記憶媒体に収められる。半導体記憶装置(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はRAM、ROM、フラッシュ-プログラマブルRAM)等、磁気記憶装置(例えば、ディスケットまたは固定ハードディスク)、光学記憶装置(例えば、CD-ROM又はDVD)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又はその他の記憶装置。コンピュータプログラムおよびデータは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、ワイヤレス技術ネットワーク技術、及びインターネット技術を含むがこれに制限されない、各種通信技術のいずれかを用いてコンピュータに伝達できるメッセージなどあらゆる形式で収められる。コンピュータプログラムおよびデータは、コンピュータシステム(例えば、システムROMまたは固定ディスク)に初めから組み込まれた印刷文書または電子文書(例えば、収縮包装されたソフトウェアまたは磁気テープ)を伴うリムーバブル記憶媒体という形式で配信される、或いは通信システム(例えば、インターネットまたはワールドワイドなウェブサイト)を介してサーバまたは電子掲示板から配信される。本発明のソフトウェアコンポーネントのいずれも、必要に応じて、ROM(読み取りのみメモリ)に実装することができる。一般に、ソフトウェアコンポーネントは、必要に応じて、従来の技術を使用してハードウェアに実装することができる。
【0071】
本発明は、通信ネットワークを介して接続された遠隔処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境においても実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよびリモートコンピュータ記憶媒体の両方に配置することができる通常の技能を有する実践者は、本発明が、例えばインターネットを含むデータネットワークを使用して接続された1つ以上のコンピュータプロセッサ上で実行され得ることを認識する。別の実施例では、プロセスの異なるステップは、プロセスステップを実行するために一緒に動作するようにデータネットワークにより接続されることによって地理的に分離された1つ以上のコンピュータおよびストレージデバイスによって実行することができる。一実施例では、ユーザのコンピュータが、データネットワークを通じて、ここではサーバと呼ばれる第2のコンピュータに1つ以上のデータパケットの数々を送信させるアプリケーションを実行することができる。次に、サーバは、データベースが格納されている1つまたは複数の大容量データ記憶装置に接続することができる。
【0072】
サーバは、送信されたパケットを受信し、送信されたデータパケットを解釈して検索要求情報を抽出するプログラムを実行することができる。次に、サーバは、大容量記憶装置にアクセスして検索要求の所望の結果を導き出すことによって、本発明の残りの段階を実行することができる。あるいは、代わりに、サーバは、大容量記憶装置に接続された別のコンピュータに検索情報を送信することができ、当該コンピュータが、本発明を実行して所望の結果を得ることができる。その結果は、ユーザのコンピュータに適切に宛てられた1つまたは複数のデータパケットの別の流れによって、ユーザのコンピュータに返送することができる。
【0073】
本発明の模範的な実施例は、実況競売にも適用可能で、入札者およびベンダの双方の利益を最大にするために、密封入札が、オンライン入札競売および実況入札競売の両方で使用できる。実況競売においては、参加者本人が出頭しているか、もしくは電話システムを通じて代理人により入札が行われ、競売人且つ/又は他の関係者は、価値ある物件を競売する手続きを行い、入札者は入札に積極的に参加することができる。封印入札競売実況の入札者は、封印入札を提出する前に入札分類1、2の2つの異なる分類内で、自己決定することができる。分類2の入札者であることを自己決定した入札者は、小切手を提出するか、封印された封筒などに封印し入金することによって、「価格保護証券」を購入することができる。入札者は、自動または手動で各入札者に任意のID番号を割り当て、時計機器が時刻印を発行する機械を通じて、封印入札を提出する必要がある。入札分類は、封印された入札額と共に封筒を「封書預け入れ箱」のようなベンダまたは競売人によって指定された場所に提出する前に記録される。封印入札競売の実況における関連規則は、競売開始前にベンダと入札者の両方に事前設定されていることがある。
【0074】
競売の終了時に、競売組織からの競売人且つ又は他の関係者は、最終価格を計算し、計算された最終価格に基づいて落札者を選択する。実際の競売で使用される「価格保護証券」の方法は、オンライン競売で使用されるものと同じである。入札者は、競売終了時に開封された封印入札を提示し、入札者は他の入札者によって提出された入札については知り得ない。入札者は、実況競売で入札開始前にどの入札分類に属するかを確認しなければならず、競売終了前までに入札分類を変更することができる。落札者は、入札分類1か入札分類2の入札者かによって最終価格を支払う。入札分類2の入札者は、「価格保護証券」のため落札額が再計算される機会を得るが、入札分類1の入札者は提出された入札額全額について責任を負う。落札価格の最終的な金額は、「価格保証料」と、2番目に高い入札額と、落札額と2番目に高い入札額との差の所定の割合の合計である「価格保護式」に従って再計算することができる、異なるビジネス戦略に応じて、競売は、競売の開始前に誰に「価格保護証券」を与えるかをベンダが決定する選択肢を提供することがある。実況競売では、入札者は競売開始前に「価格保護証券」の受取人が通知される。実際には、2番目に高い入札者が「価格保証料」の全部または一部を受け取ることができることを知ることにより、より多くの入札者が実際の競売に参加する可能性がある。落札者は、最終的な価格と共にサービス料、税金、配送料などの関連費用があればこれを支払い、ベンダは競売対象を納品する。その後、競売取引は完了する。
【0075】
本発明の記載された実施例は模範的なものであり、熟練職人には様々な変更および修正があった場合にも明らかにわかる。かかる変更および修正は全て、添付の請求の範囲に規定される本発明の範囲内にあるものとする。本発明を詳細に説明し図示してきたが、これは例証と例示のみのためで、本発明を限定するものではないことは明らかである。明瞭にするために、別個の実施例の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、単一の実施例において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形例の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別々に、または任意の適切な組み合わせで提供されてもよい。仕様書に記載された特定の実施例は、本発明の非常に詳細な開示を提供することのみを意図しており、本発明を限定するものではないことは明らかである。
【0076】
本発明の範囲内にあり開示された上述の装置および方法の変更は、通常の技術技能を持つ者には見てすぐにわかる。従って、本発明はその模範的実施例に関連して開示されているものの、以下の特許請求の範囲によって定められているように他の実施例も本発明の精神および範囲内に入ることを理解されたい。