(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-16
(45)【発行日】2022-12-26
(54)【発明の名称】容器を形成して充填する装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20221219BHJP
B29C 48/25 20190101ALI20221219BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20221219BHJP
B65B 3/02 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C48/25
B29C49/04
B65B3/02
(21)【出願番号】P 2020515752
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2018073935
(87)【国際公開番号】W WO2019057499
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】102017008802.0
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514056207
【氏名又は名称】コッヒャー-プラスティック マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】カール ケッペル
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート シュレッケンヘーファー
(72)【発明者】
【氏名】スベン シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー キルヒマイアー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス-ペーター ブレンナー
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-116539(JP,A)
【文献】特表2011-524840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00-49/80,
B65B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を形成して充填する装置であって、押出しヘッド(2)から来る、可塑化されたプラスチック材料の少なくとも1つのチューブが、開放された型内へ押出し可能であり、充填装置(14)によって少なくとも充填物質が充填突起(12)によってそれぞれの容器内へ投入可能であり、前記充填突起が少なくとも駆動中に押出しヘッド(2)を少なくとも1列の透孔(40)に沿って貫通する、ものにおいて、
押出しヘッド(2)が、直方体形状のシェル(20、22)を有し、かつ
それぞれの充填突起(12)の方向づけに対して平行に見た押出しヘッド(2)の組立て高さ(H)が、透孔(40)のそれぞれの列に沿って見た押出しヘッド(2)の長さ(L)よりも短
く、
直方体形状のシェルが少なくとも下方と上方のシェル部分(20、22)からなり、そのうちの少なくとも1つのシェル部分(22)が可塑化されたプラスチック材料用の通路ガイド(48、50、52、54)を有し、前記通路ガイドが環状室(42)を有し、その中央に収容ウェブ(36)が配置されており、前記収容ウェブが、それぞれの充填突起(12)を貫通させるための透孔(40)の形式の個々の長手収容部を有している、
ことを特徴とする容器を形成して充填する装置。
【請求項2】
透孔(40)のそれぞれの列に沿って見た押出しヘッド(2)の長さ(L)に対する、それぞれの充填突起(12)の方向づけに対して平行に見た押出しヘッド(2)の高さ(H)の比が、0.5より小さ
い、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
透孔(40)のそれぞれの列に沿って見た押出しヘッド(2)の長さ(L)に対する、それぞれの充填突起(12)の方向づけに対して平行に見た押出しヘッド(2)の高さ(H)の比が、0.3より小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
透孔(40)のそれぞれの列に沿って見た押出しヘッド(2)の長さ(L)に対する、それぞれの充填突起(12)の方向づけに対して平行に見た押出しヘッド(2)の高さ(H)の比が、0.2よりも小さい、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
環状室(42)に、少なくとも1つの補給通路(48、50)によって可塑化されたプラスチック材料を補給可能であって、前記補給通路がそのために一方の自由端部(52、54)によって環状室(42)内へ、そしてその他方の自由端部によって供給通路(44)内へ連通しており、前記供給通路がそれぞれの補給通路(48、50)上に垂直に配置されている、ことを特徴とする請求項1から
請求項4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
環状室(42)に少なくとも2つの補給通路(48、50)によって補給可能であり、前記補給通路の自由端部(52、54)が環状室(42)内
へ連通している、ことを特徴とする請求項1から
請求項5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
環状室(42)に少なくとも2つの補給通路(48、50)によって補給可能であり、前記補給通路の自由端部(52、54)が環状室(42)内へ、その長手側において連通している、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
環状室(42)に少なくとも2つの補給通路(48、50)によって補給可能であり、前記補給通路の自由端部(52、54)が環状室(42)内へ、互いに対向して連通している、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
環状室(42)に少なくとも2つの補給通路(48、50)によって補給可能であり、前記補給通路の自由端部(52、54)が環状室(42)内へ、その長手側において、かつ互いに対向して連通している、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
供給通路(44)が分配箇所(46)において、補給通路(48、50)内へ水平に連通している、ことを特徴とする請求項1から
請求項9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
供給通路(44)が供給装置(28)の一部であって、前記供給装置が、上方のシェル部分(20)のシェル(20、22)の幅狭側にわたって延びる終端領域上に取り付けられており、かつ上方のシェル部分(20)を少なくとも部分的に覆っている、ことを特徴とする請求項1から
請求項10の何れか1項に記載の装置。
【請求項12】
供給装置(28)がその一方の自由端部(30)によって押出し機の中央供給部に接続可能である、ことを特徴とする請求項1から
請求項11の何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
2つの補給ルート(48、50)がペンチ形状に環状室(42)を少なくとも部分的に包囲し、かつ屈曲された終端セクション(52、54)によって環状室(42)内へ連通しており、かつ
補給ルート(48、50)の2つの他の自由端部が共通の分配箇所(46)内へ連通し、前記分配箇所内へ供給装置(28)の供給通路(44)が連通している、ことを特徴とする請求項1から
請求項12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
環状室(42)と補給通路(48、50)が同様に2つのシェル部分(20、22)内の切り欠きによって形成されており、前記切り欠きが、押出しヘッド(2)の長手側に対して平行にかつ前記押出しヘッドの中央に延びる、それぞれの充填突起(12)用の収容ウェブ(36)によって、貫通されている、ことを特徴とする請求項1から
請求項13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
それぞれの充填突起(12)が、あらかじめ定めることのできる径方向の間隔をもって、収容ウェブ(36)内のそれぞれ対応づけ可能な切り欠き(40)の内部に長手方向に走行可能に収容されている、ことを特徴とする請求項1から
請求項14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
それぞれの充填突起(12)の方向付けに対して平行に見た押出しヘッド(2)の組み立て高さ(H)が、20cmより小さ
い、ことを特徴とする請求項1から
請求項15の何れか1項に記載の装置。
【請求項17】
それぞれの充填突起(12)の方向付けに対して平行に見た押出しヘッド(2)の組み立て高さ(H)が、15cmより小さい、ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
それぞれの充填突起(12)の方向付けに対して平行に見た押出しヘッド(2)の組み立て高さ(H)が、13cmより小さい、ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
それぞれの充填突起(12)の長さが、80cmより小さ
い、ことを特徴とする請求項1から
請求項18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
それぞれの充填突起(12)の長さが、60cmより小さい、ことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
それぞれの充填突起(12)の長さが、40cmより小さい、ことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
それぞれの充填突起(12)が押出しヘッド(2)の内部で
、少なくとも駆動中にあらかじめ定めることのできる径方向の間隔を維持しながらガイドなしで配置されている、ことを特徴とする請求項1から
請求項21の何れか1項に記載の装置。
【請求項23】
それぞれの充填突起(12)が押出しヘッド(2)の内部で、かつ、収容ウェブ(36)内の透孔(40)内で、少なくとも駆動中にあらかじめ定めることのできる径方向の間隔を維持しながらガイドなしで配置されている、ことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
それぞれの充填突起(12)とそれぞれの透孔(40)の間で、少なくとも駆動中に実質的に層状のガス流が設定可能である、ことを特徴とする請求項1から
請求項23の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を形成して充填する装置に関するものであって、それにおいて押出しヘッドから来る可塑化されたプラスチック材料の少なくとも1つのチューブが開放された型内へ押出し可能であり、その場合に充填装置によって少なくとも充填物質が充填突起によってそれぞれの容器内へ投入可能であり、その充填突起が少なくとも駆動中に少なくとも一列の透孔に沿って押出しヘッドに嵌入する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、従来技術である。特許文献1(国際公開第2009/152979号)は、既知の登録商標bottelpack-システムに従って作動する装置を示しており、その装置は容器の自動化された成形(ブロー成形又は真空成形)、充填及び閉鎖を経済的なやり方で可能にする。それによって特に本来の容器形成の前にポリマーチューブを形成することができ、それはきわめて均質な肉厚分布を特徴としており、それがまた、後に形成され、充填されて閉鎖される容器のきわめて均質な肉厚分布のための条件である。そのためにここでも従来技術によれば、従来技術に示すように、溶融物を案内する通路、特に垂直に、したがって充填突起に対して平行に延びる通路内のプラスチック溶融物の均質化を可能にする、押出しヘッドの高い組立て形状が、重要である。この条件に基づいて、この種類の既知の装置にとっては、製造空間内で多大な組み込み空間が必要である。上述した公報に示し、かつ特に
図1から明らかなように、下方の型装置から始まる、垂直方向における高いスペース需要が生じ、その下方の型装置の上方に押出しヘッドを包囲するベースフレームが設けられており、その上に又垂直の突起ホルダが構築され、その突起ホルダにそれぞれの充填突起を有する充填装置が垂直方向に調節できるように走行可能に取り付けられている。したがって押出しヘッドの必要とされる高さから、それに応じた長さの充填突起が生じ、その充填突起は押出しヘッドの内部で正確な移動を可能にするガイドを必要とする。それがまた、医療用の充填物質を移し詰める際に、定められたように滅菌空気を充填突起の回りに吹き付けるためには、欠点となる。というのは、ガイドブッシュ又は空気軸受が、所望の層状のガス流を著しく損なうことがあり得るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この問題性に関して、本発明の課題は、特に
・均質な肉厚分布を有するプラスチックチューブの押出し
・組み込み空間、特に空間高さの需要の減少
・邪魔されない滅菌空気ガイド
を特徴とする、この種概念の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、その全体において請求項1の特徴を有する装置によって、解決される。
【0006】
請求項1の特徴部分によれば、本発明の本質的な特殊性は、押出しヘッドが直方体形状のシェルを有すること、及びそれぞれの充填突起の方向づけに対して平行に見た押出しヘッドの組立て高さが、透孔のそれぞれの列に沿って見た押出しヘッドの長さよりも小さいことにある。
【0007】
押出しヘッドをフラットなシェルとして形成することが、押出しヘッドを包囲するベースフレームの高さをそれなりに減少させることを可能にし、そのベースフレームがその上にある他の装置ユニットを構築するためのベースを形成するので、全体として装置の組立て高さ全体が本質的に減少し、それに応じて装置の組み込み空間の需要も減少する。「直方体形状」という記載は、フラットなシェルの基本構造に関するものであって、その基本構造は、純粋な直方体からの偏差をもたらすことがある、取り付け部材を有することができる。偏差は、直方体形状のベースボディにおける扁平化、面取り、斜面などからなることもある。
【0008】
特にフラットなシェルは、2つのシェル部分から形成されており、それらが上方と下方のシェル部分として共通の分離平面に沿ってその互いに向き合う前側によって互いに添接している。その場合に好ましくは水平に延びる分離平面は、好ましくは垂直に走行可能な、それぞれの充填突起に対して垂直に延びている。さらにこれらのシェル部分は、それ自体見て、フラットな直方体形状を有している。
【0009】
本発明に係る押出しヘッドは、周囲へ向かって閉鎖されたリング形状のチューブを押し出すために用いられ、そのチューブは無菌で形成されている。本発明によれば、層状の滅菌空気ガイド及び押出しヘッド内の充填突起のガイドなしの配置が得られる。
【0010】
好ましい実施形態においては、直方体形状のシェルは2つのシェル部分からなり、それらのうちの少なくとも1つのシェル部分が、可塑化されたプラスチック材料用の通路ガイドを有しており、その通路ガイドが環状室を有し、その中央に収容ウェブが配置されており、その収容ウェブが、それぞれの充填突起を貫通させるための、透孔の形状の個々の長手収容部を有している。これらは、この種の装置において一般的であるように、まっすぐな列で配置されており、かつこの実施例においては、直方体形状のシェルの長手側に沿って延びており、その場合に収容ウェブ内には12本の充填突起のための、互いに隣接する個々の透孔のつながった列が設けられている。このように構築されたシェル全体が、全体としてフラットなシェルを形成している。
【0011】
その場合に好ましくは、通路ガイドの個別通路は、2つのシェル部分を通して形成されている。特に好ましくは、それぞれの通路横断面はしばしば、各シェル部分内の割り当ての通路ガイドによって形成されている。
【0012】
本発明によれば、環状室には少なくとも2つの補給通路から可塑化されたプラスチック材料が補給可能であって、その場合にこれらの補給通路はそのためにその一方の自由端部によって環状室内へ、そして他方の自由端部によって供給通路内へ連通し、その供給通路は補給通路上に垂直に配置されている。
【0013】
この配置は好ましくは、供給通路が供給装置の一部であって、その供給装置が、シェルの幅狭側にわたって延びる、上方のシェル部分の終端領域上に取り付けられており、かつ上方のシェル部分を少なくとも部分的に覆うように、形成することができる。
【0014】
供給装置は、その屈曲された自由端部によって押出し機の中央供給部に接続可能であり、その押出し機が可塑化されたプラスチック材料を提供する。
【0015】
好ましい実施例において、供給装置内の供給通路は充填パイプの形式で、補給通路への可塑化されたプラスチック材料の供給を行う。
【0016】
特別な実施形態において、この配置は、補給通路が好ましくはペンチ形状に環状室を少なくとも部分的に包囲し、かつ屈曲された終端セクションによって環状室内へ連通するように、形成することができ、その場合に補強装置の2つの他方の端部は共通の補給箇所内へ連通し、その補給箇所内へ供給装置の供給通路が垂直に連通する。しかし好ましくは、供給装置は、供給通路が補給通路内へ水平に連通するように形成することもでき、それはプラスチックの流れルートの著しい短縮をもたらす。
【0017】
好ましくは環状室と補給通路は、同様に2つのシェル部分内の切り欠きによって形成することができ、それらの切り欠きは、中央かつ押出しヘッドの長手側に対して平行に延びる、それぞれの充填突起用の透孔を有する収容ウェブによって貫通されている。
【0018】
好ましい実施例において、それぞれの充填突起はそれぞれ対応づけ可能な切り欠きの内部で径方向の間隔をもって収容ウェブ内に長手方向に走行可能に収容されている。押出しヘッドのフラットな構造のおかげで、通常の構造の押出しヘッドにおいては必要とされるような、押出しヘッド内の充填突起のガイド及びそれに伴って滅菌空気を損なう、突起ガイドブッシュ、突起ガイド軸受などの組み込みを、省くことができる。
【0019】
押出しヘッドはその下側にチューブ放出開口部を有することができ、その自由な横断面は調節可能であり、かつそのチューブ放出開口部は容器形成のためのそれぞれの型へ押し出されたチューブを放出するために用いられる。
【0020】
「垂直」及び「水平」という記載は、この方向推移からわずかにずれる形態も含んでいる。
【0021】
以下、図面に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係る装置の実施例を破断して示す垂直の部分断面図であって、その場合に押出しヘッドに隣接する装置領域のみを示しており、かつ見ることのできる唯一の充填突起は、前へ移動された充填位置で示されている。
【
図2】
図2は、実施例の押出しヘッドを取り出して、
図1に比較して拡大して示す斜視図である。
【
図3】
図3は、押出しヘッドを部分的に垂直断面で、かつ大部分は水平断面で示す斜視図である。
【
図4】
図4は、押出しヘッドの特別な実施形態を水平断面で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明に係る装置の実施例のうちの押出しヘッド2に隣接する装置領域のみを示している。押出しヘッド2は、ベースフレーム4に支承されており、そのベースフレームが垂直の支持体6と水平の支持体8と共に装置架台を形成しており、その装置架台が押出しヘッド2を包囲している。ベースフレーム4の上方の水平の支持体8上に、突起ホルダ10の名称の他の装置ユニットが構築されており、その突起ホルダは、この種の装置において一般的であるように、柱形状の構造で垂直に延びている(従来技術について挙げられた公報の
図1を参照)、かつその突起ホルダに接して、該当する充填突起12が付属の充填装置14と共に垂直方向に調節可能に走行することができる。
図1は、充填突起12を前へ移動された充填位置で示しており、その充填位置において充填突起は、図示されない開放された型装置内へ延びている。充填装置14は、中央の充填導管16から充填物質を受けとり、かつ各充填室12のために制御可能な配量ユニット18を有している。独国特許出願公開第102008028772(A1)号明細書に記述されるように、配量ユニット18は各充填プロセスのために必要とされる充填物質の配量の量をクロック制御して、それぞれの充填突起12の内側の充填通路(図示せず)へ放出する。
【0024】
図2が示すように、押出しヘッド2はフラットなシェルの形状を有し、そのシェルの主要部分が矩形の直方体を形成している。
図1の表示において、切断平面は直方体の幅狭側に沿って延びている。シェル形状の押出しヘッド2は、2つのシェル部分からなり、そのうちの上方のシェル部分が符号20で、下方のシェル部分が符号22で示されている。2つのシェル部分20、22は、平坦な添接面24において互いに添接し、かつボルト(図示せず)によって互いに結合されている。押出しヘッド2上に、全部で12の加熱プレート26(すべては見えず、符号がつけられていない)が螺合されている。加熱プレート26の接続は、その加熱プレート接続部材27(すべてには符号はついていない)を介して行われる。
図2と
図3において右側に位置する幅狭側で、上方のシェル部分20の終端領域上に他の加熱プレート26を装着した供給装置28が取り付けられており、その供給装置が中央に配置されて、この幅狭側のほぼ半分を覆っている。供給装置28は屈曲された上方の端部30によって、(図示されない)押出し機に接続可能であって、その押出し機から可塑化されたプラスチック材料が押出しヘッド2へ供給可能であり、それによってチューブ放出開口部32から供給された可塑的なプラスチック材料の押出しによって、容器形成のためのチューブが形成され、そのチューブ放出開口部のうち、
図1には、唯一見える充填突起12に対応づけられた1つのみが見える。
【0025】
図1からもっともよくわかるように、上方のシェル部分20は、中央かつ長手側に対して平行に延びる収容ウェブ36を有しており、その収容ウェブは、充填突起12用の入口を形成する、上方のシェル部分20の上側にある長穴38から始まって、他のシェル部分22を貫通して延びており、かつその中で自由に移動可能な充填突起12のための内部の透孔40を有している。その透孔40内へ、滅菌空気が供給部35から始まって保持ストリップ56の下方において滅菌空気通路33内で充填突起12に沿って流入し、かつ滅菌空気出口37において押出しヘッド2から流出するが、層状の流れの中で充填突起12をさらに包囲し、そのようにして汚染から保護する。収容ウェブ36は環状室42を貫通し、その環状室が可塑化されたプラスチック材料のための通路ガイドの一部を形成し、かつ下方のシェル部分22の下方において放出開口部32と接続されている。
図1が示すように、環状室42及び環状室42内に連通する、通路ガイドの補給ルートも同様に、上方のシェル部分20と下方のシェル部分22の添接面24内の同じ切り欠きによって共通に形成されている。
【0026】
図3は、通路ガイドの詳細を示している。加熱プレート26によって加熱可能な供給装置28は、補給ルートの入口部分として、中央かつ上方のシェル部分20に対して実質的に垂直に延びる供給通路44の形式の通路を有しており、それが分配箇所46へ通じており、その分配箇所は上方のシェル部分20と下方にシェル部分22の間に形成されており、かつ環状室42内へ通じる補給ルートの入口を形成している。これらの補給ルートは2つの補給通路48と50によって形成されており、それらは分配箇所46から始まって環状室42の半分の長さをペンチ形状に包囲し、かつ湾曲した終端セクション52もしくは54によって環状室42内へ連通している。
【0027】
驚くべきことに、本発明によれば特別なやり方で、本発明に基づいて高さ(H)対長さ(L)の比率が小さいにもかかわらず、チューブ放出開口部32におけるポリマー溶融物の均一な速度分布及びそれに伴ってポリマーチューブのきわめて均一な肉厚分布が得られ、その高さ対長さの比率は、垂直に延びる短い均質化区間(環状室42とチューブ放出開口部32の間)のみを提供し、それは押出しヘッド2の高さHの約65%に過ぎない。
【0028】
押出しヘッド2の高さHの約3から4倍に相当する長さを有する、短く形成された充填突起12は、その上方の端部において保持ストリップ56に取り付けられている。この保持ストリップは、クロック駆動される往復運動のために保持装置58に固定されており、その保持装置が押出しヘッド2の上方のシェル20の上方に取り付けられている。押出しヘッド2自体の高さHが小さく、かつ充填突起12の組立て長さが短いことに基づいて、ブッシュ、軸受などのような案内するコンポーネントを、押出しヘッド2の内部に、そして特に収容ウェブ36内の透孔40の内部に配置することを省くことができる。これが、円筒状のつながった滅菌空気通路33内の妨げられない滅菌空気の流れを可能にし、その滅菌空気通路内に層状の流れを形成することができ、それが充填突起12に沿って連続する。
【0029】
図4は、他の好ましい実施例を示しており、それにおいて供給通路44は
図3に比べて短く形成されており、かつ分配箇所46において垂直ではなく、ほぼ水平に補給通路48と50内へ連通している。驚くべきことに、
図3の実施形態に比較してさらに減少された、溶融物の垂直の流れルート長さが、上述した肉厚均質性を悪化させることはない。さらに、この実施形態は効果的である。というのは、溶融物分配ルート全体の長さが著しく短縮されており、かつ水平の連通が流れ抵抗の減少とそれに伴ってエネルギ需要の減少をもたらすからである。
【0030】
チューブヘッド2及び/又は供給装置28の加熱は、上述した電気的な加熱の代わりに、他の方法、たとえば誘導的な熱投入によって行うこともできる。